JP2019209325A - 水処理剤及び水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水溶解性COD成分、特に除去が困難なノニオン性の水溶解性COD成分(非イオン性界面活性剤やポリビニルアルコール等)の除去性能に優れる水処理剤を提供する。【解決手段】一般式(1)で表されるアニオン性モノマー(a)と一般式(2)で表されるノニオン性モノマー(b)とを構成単量体として含有する重合体(A1)及び/又は一般式(2)で表されるノニオン性モノマー(b)のみを構成単量体とする重合体(A2)を含有する水処理剤(P)。CH2=CR1−X-・Y+(1)[式中、R1は水素原子又はメチル基;X-は特定のアニオン性基;Y+は1価の陽イオンである。]CH2=CR2−COO−(C2H4O)n−R3(2)[式中、R2は水素原子又はメチル基;R3は炭素数がmのアルキル基;mは8〜30の整数で;nはn/mの値を小数第2位で四捨五入した場合の値が0.3〜2.5となる数である。]【選択図】なし

Description

本発明は、水処理剤及び水処理方法に関する。更に詳しくは、汚泥、各種産業廃水及び浄水等の水溶解性COD成分を含有した水から水溶解性COD成分を除去するための水処理剤及びこれを用いた水処理方法に関する。
従来、工場廃水等に含まれる水溶解性COD成分を除去する方法としては、活性炭処理、紫外線照射、オゾン処理、硫酸第一鉄と過酸化水素を組み合わせたフェントン処理等が利用されている。しかし、いずれも処理コストが高く広く普及しているとは言い難い。
また、無機凝結剤を添加した後に更に高分子凝集剤を添加して凝集フロックを生成させ、次いで、凝集沈殿又は凝集浮上法で処理する方法が採用されている(例えば特許文献1参照)。無機凝結剤は荷電中和作用により廃水中の懸濁物の表面電荷を中和し懸濁物同士の反発力を小さくしながら懸濁物を凝結させる作用がある。これに高分子凝集剤を加えて生成させた凝集フロックを固液分離することにより懸濁物を廃水から除去する。しかしながら、このような処理では、汚泥又は工場廃水中の非イオン性界面活性剤やポリビニルアルコール等の水に溶けてもイオンにならない化合物は十分な除去ができていないため、処理後の水質に不安を残すという問題があった。また、現在使用されている一次処理時に無機凝結剤を用いる方法では莫大な添加量を必要とするため固液分離後のスラッジ量が増加し処理費用がかさむという問題もある。
近年、廃水規制の強化によるCOD(化学的酸素要求量)の抑制は環境問題における大きなテーマの一つであり、低コストで高いCOD低減効果を有する水処理剤の早期開発が望まれている。これらの要望に応えるべく、より効果的な処理を目的として、種々の高分子水処理剤が開発されている。例えばカチオン性官能基を有した有機系微粒子(例えば特許文献2参照)、2種のカチオン系高分子を混合した有機凝結剤(例えば特許文献3参照)、カチオン系単量体と疎水性単量体を共重合させて得られる高分子からなる有機凝結剤(例えば特許文献4参照)を用いた水処理剤が提案されている。
特開2015−150489号公報 特許第4923834号公報 特許第5709086号公報 特許第4786569号公報
しかしながら、特許文献1〜4はカチオン系高分子であり、アニオン性の水溶解性COD成分に対しては効果を示すが、染色工場、製紙工場、半導体工場、自動車工場及び食品工場等の多くの工場廃水で問題となっているノニオン系の水溶解性COD成分を除去することは困難である。また、特許文献3に記載の方法は非イオン系界面活性剤を含有する廃水のCODを低減しているが、効果が十分とは言い難い。
本発明の目的は、水溶解性COD成分、特に除去が困難なノニオン性の水溶解性COD成分(非イオン性界面活性剤やポリビニルアルコール等)の除去性能に優れる水処理剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、
一般式(1)で表されるアニオン性モノマー(a)と一般式(2)で表されるノニオン性モノマー(b)とを構成単量体として含有する重合体(A1)及び/又は一般式(2)で表されるノニオン性モノマー(b)のみを構成単量体とする重合体(A2)を含有する水処理剤(P);前記水処理剤(P)と汚泥又は廃水とを混合する工程を含む水処理方法である。

CH2=CR1−X-・Y+ (1)

[式中、R1は水素原子又はメチル基であり、X-はCOO-、SO3 -、C64SO3 -又はCONHC(CH32CH2SO3 -であり、Y+は1価の陽イオンである。]

CH2=CR2−COO−(C24O)n−R3 (2)

[式中、R2は水素原子又はメチル基であり、R3は炭素数がmのアルキル基であり、mは8〜30の整数であり、nはn/mの値を小数第2位で四捨五入した場合の値が0.3〜2.5となる数である。]
本発明の水処理剤(P)は、水溶解性COD成分含有廃水に添加して処理することで、特にノニオン性の水溶解性COD成分の除去に優れた効果を有する。
本発明の水処理剤(P)は、一般式(1)で表されるアニオン性モノマー(a)及び一般式(2)で表されるノニオン性モノマー(b)を構成単量体として含有する重合体(A1)及び/又は一般式(2)で表されるノニオン性モノマー(b)のみを構成単量体とする重合体(A2)を含有する。重合体(A1)及び(A2)はそれぞれ1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。

CH2=CR1−X-・Y+ (1)

CH2=CR2−COO−(C24O)n−R3 (2)
一般式(1)におけるR1は水素原子又はメチル基であり、X-はCOO-、SO3 -、C64SO3 -、又はCONHC(CH32CH2SO3 -であり、Y+は1価の陽イオンである。
1価の陽イオンとしては、プロトン(H+)、アルカリ金属イオン(ナトリウムイオン、カリウムイオン及びリチウムイオン等)及びアンモニウムイオン等が挙げられる。
これらの1価の陽イオンの内、重合体(A1)の溶解性の観点から好ましいのは、プロトン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン及びアンモニウムイオンであり、更に好ましいのはプロトン、ナトリウムイオン及びカリウムイオンである。
一般式(1)で表されるアニオン性モノマー(a)の内、水溶解性COD低減効果及び重合性の観点から好ましいのは、(メタ)アクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩であり、更に好ましいのは、(メタ)アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩であり、特に好ましいのは(メタ)アクリル酸及びこれらのナトリウム塩又はカリウム塩である。
尚、本発明において、「(メタ)アクリル酸」の表記は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味する。
一般式(1)で表されるアニオン性モノマー(a)は、1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
一般式(2)におけるR2は水素原子又はメチル基である。
一般式(2)におけるR3は炭素数mのアルキル基であり、mは8〜30の整数であり、ノニオン性の水溶解性COD成分の除去効果の観点から好ましくは8〜24、更に好ましくは12〜20である。mが8未満である場合には疎水性が不十分であるためノニオン性の水溶解性COD成分の十分な除去効果を有する水処理剤を得ることができない。
3として好ましいものの具体例としては、ラウリル基(炭素数12)、セチル基(炭素数16)、ステアリル基(炭素数18)、オレイル基(炭素数18)及びエイコシル基(炭素数20)等が挙げられる。
一般式(2)におけるnは、n/mの値を小数第2位で四捨五入した場合の値が0.3〜2.5となる数である。n/mは疎水性の官能基であるR3の大きさに対する親水性の官能基であるポリ(エチレンオキシ)基の大きさの比率を意味し、n/mが前記の範囲であると重合体(A1)及び(A2)の水への溶解性が適切な範囲となり、ノニオン性の水溶解性COD成分の十分な除去効果を有する水処理剤を得ることができる。
n/mは、水溶解性COD低減効果の観点から0.5〜2.5が好ましい。
一般式(2)で表されるノニオン性モノマー(b)として水溶解性COD低減効果の観点から好ましいものの具体例としては、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びステアロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
尚、本発明において、「(メタ)アクリレート」の表記は、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。
一般式(2)で表されるノニオン性モノマー(b)は、1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
アニオン性モノマー(a)及びノニオン性モノマー(b)を構成単量体として含有する重合体(A1)におけるアニオン性モノマー(a)とノニオン性モノマー(b)との重量比[(a):(b)]は、水処理剤(P)の水溶解性COD低減性能等の観点から好ましくは10:90〜98:2、更に好ましくは30:70〜90:10、特に好ましくは50:50〜85:8、最も好ましくは60:40〜80:20である。
この範囲であると、水溶解性COD低減効果に加えて、ろ液清澄性向上及び脱色効果等が良好になり、また、後述の高分子凝集剤との併用による脱水ケーキの含水率低減効果が良好になる。
重合体(A1)及び(A2)の固有粘度[η]は、水処理剤(P)の水溶解性COD低減性能の観点から好ましくは0.010〜3.0dl/gであり、更に好ましくは0.05〜2.5dl/g、最も好ましくは0.10〜2.0dl/gである。尚、本発明において固有粘度[η]は1N−NaNO3水溶液を溶媒とし、ポリマー凝集剤 使用の手引き(東京下水道サービス株式会社刊行 P115)に記載の方法で測定温度を30℃として測定した値である。
重合体(A1)及び(A2)の製造方法としては、特に限定はなく、ラジカル重合法、例えば溶液滴下重合、逆相懸濁重合、光重合、沈澱重合及び逆相乳化重合等が採用できる。これらの内、重合時の温度制御及び分子量制御の観点から好ましいのは溶液滴下重合である。
溶液滴下重合としては、例えば溶媒の沸点下にモノマー、溶媒及びラジカル重合開始剤の溶液を滴下する方法(例えば特開平6−211942号公報)が挙げられ、溶媒として有機溶媒を使用した場合は、取り扱いの安全性及び環境保護の観点等から脱溶媒して必要により水を加えて製造することが好ましい。
重合体(A1)及び(A2)の製造に使用する溶媒としては、例えば水、アルコール(メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコール等)、ケトン(メチルエチルケトン及びアセトン等)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)及びこれらの混合物等の極性溶媒並びにトルエン及びキシレン等の非極性溶媒等が挙げられる。
これらの内、モノマー及び開始剤の溶解性及び重合後の脱溶媒のしやすさの観点から好ましいのは水とアルコールとの混合溶媒であり、更に好ましいのは水とイソプロピルアルコールとの混合溶媒である。
ラジカル重合法におけるラジカル重合開始剤としては、例えば水溶性アゾ開始剤〔例えばアゾビスアミジノプロパン(塩)[例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド]、アゾビスシアノバレリン酸(塩)及び2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](塩)〕、油溶性アゾ開始剤(例えばアゾビスシアノバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル及びアゾビスシクロヘキサンカルボニトリル)、水溶性過酸化物[無機過酸化物(過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素等)及び有機過酸化物(過酢酸、t−ブチルハイドロパーオキシド等)]、油溶性過酸化物(例えばベンゾイルパーオキシド、クメンヒドロキシパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド及びジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート)等が挙げられる。
上記の過酸化物は還元剤と組み合わせてレドックス開始剤として用いてもよく、還元剤としては重亜硫酸塩(例えば重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム及び重亜硫酸アンモニウム)、還元性金属塩[例えば硫酸鉄(II)]、3級アミン[例えばジメチルアミノ安息香酸(塩)及びジメチルアミノエタノール]、遷移金属塩のアミン錯体[例えば塩化コバルト(III)のペンタメチレンヘキサミン錯体及び塩化銅(II)のジエチレントリアミン錯体]及び有機性還元剤(例えばアスコルビン酸)等が挙げられる。
また、アゾ開始剤、過酸化物開始剤及びレドックス開始剤はそれぞれ単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、重合体(A1)及び(A2)として最適な分子量を得る観点から、モノマーの合計重量に基づいて、好ましくは0.001〜20重量%、更に好ましくは0.005〜10重量%、特に好ましくは0.01〜5重量%、最も好ましくは0.05〜3重量%である。
また、必要によりラジカル重合用連鎖移動剤を使用してもよい。ラジカル重合用連鎖移動剤としては、特に限定なく、例えば分子内に1つ又は2つ以上の水酸基を有する化合物[化学式量32以上かつ数平均分子量(以下「Mn」と略記)50,000以下であり、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(化学式量106以上かつMn50,000以下)及び(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(化学式量120以上かつMn50,000以下)]、分子内に1つ又は2つ以上のアミノ基を有する化合物[例えばアンモニア及びアミン(炭素数が1〜30の化合物であり、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン及びプロパノールアミン)]、次亜リン酸ナトリウム及び分子内に1つ又は2つ以上のチオール基を有する化合物等が挙げられる。
これらの内で分子量制御の観点から好ましいのは、次亜リン酸ナトリウム及び分子内に1つ又は2つ以上のチオール基を有する化合物である。
分子内にチオール基を有する化合物には、以下の(1)〜(2)もの、これらの塩[アルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウム及びカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム及びカルシウム)塩、アンモニウム塩、炭素数1〜20のアミン塩及び無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸)塩]及びこれらの混合物等が含まれる。
(1)1価チオール
炭素数1〜20の脂肪族チオール(例えばメタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、n−オクタンチオール、n−ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、n−オクタデカンチオール、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオマレイン酸、システイン及び2−メルカプトエチルアミン)、炭素数5〜20の脂環式チオール(例えばシクロペンタンチオール及びシクロヘキサンチオール)及び炭素数6〜12の芳香(脂肪)族チオール(例えばベンゼンチオール、ベンジルメルカプタン及びチオサリチル酸)等が挙げられる。
(2)多価チオール
ジチオール[炭素数2〜40の脂肪族ジチオール(例えばエタンジチオール、ジエチレンジチオール、トリエチレンジチオール、プロパンジチオール、1,3−又は1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール及びネオペンタンジチオール等)、炭素数5〜20の脂環式ジチオール(例えばシクロペンタンジチオール及びシクロヘキサンジチオール)及び炭素数6〜16の芳香族ジチオール(例えばベンゼンジチオール及びビフェニルジチオール)等が挙げられる。
ラジカル重合用連鎖移動剤を使用する場合の使用量は、重合体として最適な分子量を得る観点から、モノマーの合計重量に基づいて、好ましくは0.001〜10重量%、更に好ましくは0.005〜5重量%、特に好ましくは0.01〜3重量%、最も好ましくは0.05〜1重量%である。
アニオン性モノマー(a)として塩を用いる場合、塩として重合させても重合後に塩を形成させてもよいが、重合性の観点からは重合後に塩基(水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等)を添加することにより塩を形成させる方が好ましい。
溶液滴下重合におけるモノマー溶液中のモノマー濃度は、モノマー溶液の全重量に基づき、好ましくは5〜90重量%、更に好ましくは10〜80重量%、特に好ましくは15〜75重量%、最も好ましくは25〜70重量%である。
5重量%以上であれば残存モノマーが低減でき、90重量%以下であれば重合時の温度コントロールを行いやすい。
溶液滴下重合における重合温度は、所定温度を一定(例えば所定温度±5℃)に保つように、コントロールすることが分子量制御の点から好ましい。温度は反応槽を適宜加熱、冷却することにより制御することもできるが、溶媒の沸点下で滴下重合することが所定の温度を一定に保ち易いので好ましい。溶媒の沸点は溶媒の種類及び圧力によって調整できる。
重合温度は温度制御の容易さ及び安全性の観点から、好ましくは40〜190℃、更に好ましくは50〜180℃、特に好ましくは60〜170℃、最も好ましくは80〜150℃である。
重合は重合による発熱がなくなった時点で反応終点が確認できるが、重合時間は、重合を完結し、残存モノマーを減少させる観点から、好ましくは発熱により重合開始を確認した時点から1〜24時間であり、更に好ましくは2〜12時間である。上記のモノマー濃度、重合温度及び重合時間は、モノマー組成、重合法及び開始剤種類等によって適宜調整することができる。
重合時の溶媒として有機溶媒を用いる場合は、水処理剤(P)の使用時における有機溶剤の廃水への混入及び取り扱いの安全性の観点から有機溶媒を脱溶媒後に水と置換しておくことが好ましい。脱溶媒は常圧で加熱により行ってもよいし、減圧下で脱溶媒してもよい。水と置換する方法としては、脱溶媒前、脱溶媒途中あるいは脱溶媒後のいずれの段階で水を投入してもよい。
重合体(A1)及び(A2)は水に不溶でも可溶でもどちらでも構わないが、水溶解性COD低減効果の観点から、pH5.0の25℃の水100gに対して1g以上溶解することが好ましく、更に1〜10g溶解することが好ましい。
本発明の水処理剤(P)は、重合体(A1)及び(A2)の他に更に水を含むことが取り扱い性の観点から好ましく、水溶液又は分散液の形態であることが好ましい。水を含む場合、水溶液又は分散液中の重合体(A1)及び(A2)の含有量は、取り扱い性の観点から水溶液又は分散液の重量を基準として好ましくは5〜80重量%、更に好ましくは10〜75重量%、特に好ましくは15〜70重量%である。
水処理剤(P)が水を含む場合の(P)のpHは、安定性の観点から好ましくは2〜10、更に好ましくは3〜9、特に好ましくは5〜8である。pHを調整するために、無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸)、無機固体酸性物質(例えば酸性リン酸ソーダ、酸性ぼう硝、塩化アンモン、硫安、重硫安及びスルファミン酸)、有機酸(例えばシュウ酸、コハク酸及びリンゴ酸)、無機アルカリ性物質(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びアンモニア)及び有機アルカリ性物質(例えばグアニジン)を添加することができる。尚、上記pHは、水処理剤(P)の室温(20℃)でのpHメーター等を用いた測定値である。
本発明の水処理剤(P)には、水溶解性COD成分の除去性能を更に向上させるために、本発明の効果を阻害しない範囲で有機凝結剤及び無機凝結剤を併用することができる。
有機凝結剤としては、エピクロルヒドリンとジメチルアミンとの重縮合物及びその塩酸塩、ポリアリルアミン及びその塩酸塩、ポリエチレンイミン及びその塩酸塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとの共重合体並びにジアリルアミン塩酸塩と二酸化イオウとの共重合体等の公知の凝結剤が挙げられる。
また、無機凝結剤としては硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第2鉄、ポリ硫酸第2鉄及び消石灰等の公知の凝結剤が挙げられる。
有機凝結剤及び無機凝結剤はそれぞれ1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、本発明の水処理剤(P)には、必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲で、消泡剤、キレート化剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び防腐剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の添加剤を併用することができる。
消泡剤としては、シリコーンオイル(例えばMnが100〜100,000のジメチルポリシロキサン)、鉱物油(例えばスピンドル油及びケロシン)及び炭素数12〜22の金属石ケン(例えばステアリン酸カルシウム)等が挙げられる。
キレート化剤としては、炭素数6〜12のアミノカルボン酸(例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸及びトリエチレンテトラミンヘキサ酢酸)、多価カルボン酸[例えばマレイン酸、ポリアクリル酸(Mn=1,000〜10,000)及びイソアミレン−マレイン酸共重合体(Mn=1,000〜10,000)]、炭素数3〜10のヒドロキシカルボン酸(例えばクエン酸、グルコン酸、乳酸及びリンゴ酸)、縮合リン酸(例えばトリポリリン酸及びトリメタリン酸)及びこれらの塩[例えばアルカリ金属(例えばナトリウム及びカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばカルシウム及びマグネシウム)塩、アンモニウム塩、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えばメチルアミン、エチルアミン及びオクチルアミン)塩及び炭素数2〜12のアルカノールアミン(例えばモノ−、ジ−又はトリエタノールアミン)塩]等が挙げられる。
pH調整剤としては、苛性アルカリ(例えば苛性ソーダ)、アミン(例えばモノ−、ジ−又はトリエタノールアミン)、無機酸(塩)〔例えば無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、スルファミン酸及び炭酸)及びこれらの金属[例えばアルカリ金属(上記に同じ)及びアルカリ土類金属(上記に同じ)]塩(例えば炭酸ソーダ、炭酸カリウム、硫酸ソーダ、硫酸水素ナトリウム及びリン酸1ナトリウム)及びアンモニウム塩(例えば炭酸アンモン及び硫酸アンモン)〕、有機酸(塩)[例えば有機酸(例えばカルボン酸、スルホン酸、フェノール)及びこれらの金属(上記に同じ)塩(例えば酢酸ソーダ、乳酸ソーダ)及びアンモニウム塩(例えば酢酸アンモニウム及び乳酸アンモニウム)]等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール化合物[例えばハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、カテコール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)及び2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)]、含硫化合物〔例えばチオ尿素、テトラメチルチウラムジサルファイド、ジメチルジチオカルバミン酸及びその塩[例えば金属(上記に同じ)塩及びアンモニウム塩]、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、2−メルカプトベンゾチアゾール及びその塩(上記に同じ)、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)〕、含リン化合物[例えばトリフェニルホスファイト、トリエチルホスファイト、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、トリフェニルホスファイト(TPP)及びトリイソデシルホスファイト(TDP)]及び含窒素化合物[アミン(例えばオクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール及びN,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン)、尿素、グアニジン、グアニジンの上記無機酸塩]等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン化合物(例えば2−ヒドロキシベンゾフェノン及び2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン)、サリチレート化合物(例えばフェニルサリチレート及び2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート)、ベンゾトリアゾール化合物[例えば(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール及び(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール]及びアクリル化合物[例えばエチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート及びメチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレート]等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル及びソルビン酸が挙げられる。
上記添加剤の合計使用量は、重合体(A1)及び(A2)の合計重量に基づいて好ましくは0〜40重量%、更に好ましくは0〜20重量%である。
各添加剤の使用量は、重合体(A1)及び(A2)の合計重量に基づいて、消泡剤は好ましくは0〜5重量%、更に好ましくは1〜3重量%であり、キレート化剤は好ましくは0〜30重量%、更に好ましくは2〜10重量%、pH調整剤は好ましくは0〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び防腐剤はそれぞれ好ましくは0〜5重量%、更に好ましくは0.1〜2重量%である。
本発明の水処理剤(P)は、各種工場廃水(紙パルプ、染色、自動車、金属加工、製鉄、食品、砂利採取、半導体関連及びクリーニング工業等の工場からの廃水)や下水等又は工場廃水等の処理で生じた有機性汚泥又は無機性汚泥に添加することで、従来よりも優れた水溶解性COD低減効果やろ液の清澄性向上効果(脱色)、ケーキ発生量及びケーキ含水率の低減効果を示す。
本発明の水処理方法は、前記の水処理剤(P)と汚泥又は廃水とを混合する工程を含む水処理方法であり、具体的には下記の方法(1)〜(3)等が挙げられる。
(1)汚泥又は廃水に、(P)を添加・混合し、必要に応じて(P)中の重合体(A1)及び/又は(A2)が不溶化するpHに調整した後、析出物を固液分離する方法。
(2)汚泥又は廃水に、(P)を添加・混合し、必要に応じて(P)中の重合体(A1)及び/又は(A2)が不溶化するpHに調整した後、更に高分子凝集剤を添加・混合し、粗大フロックを形成させて固液分離する方法。
(3)汚泥又は廃水に、(P)を添加・混合し、更に有機凝結剤及び/又は無機凝結剤を添加・混合し、必要に応じてpH調整した後、更に高分子凝集剤を添加・混合し、粗大フロックを形成させて固液分離する方法。
これらの処理方法(1)〜(3)の内で、より粗大なフロックが形成され固液分離が容易になる観点から好ましいのは(2)及び(3)の処理方法である。
固液分離の方法としては、例えば、重力沈降、膜ろ過、カラムろ過、加圧浮上、濃縮装置(例えばシックナー等)及び脱水装置(例えば、遠心分離器、ベルトプレス脱水機及びフィルタープレス脱水機等)等が利用できる。尚、汚泥又は廃水のpHが低く、水処理剤(P)中の重合体(A1)及び(A2)が溶解しない場合は、水処理剤(P)の添加前に汚泥又は廃水のpHを調整しておくことが好ましい。
処理方法(3)における有機凝結剤及び無機凝結剤としては水処理剤(P)に含まれていてもよい有機凝結剤及び無機凝結剤として例示したもの同じものが挙げられ、これらは1種を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
有機凝結剤又は無機凝結剤を使用する場合、その添加方法は特に限定されず、有機凝結剤と無機凝結剤の併用の場合は、いずれかを先に添加しても、同時に添加しても、予め混合したものを添加してもよい。
上記処理方法(2)及び(3)で使用する高分子凝集剤としては特に限定はなく、公知の高分子凝集剤として常用されている固有粘度[η]が0.3dl/gを超えるものを使用でき、カチオン性、ノニオン性、アニオン性、両性のいずれでもよく、またこれらを組み合わせて使用することもできる。
カチオン性高分子凝集剤としては、ポリエチレンイミン、ポリ(メタ)アクリルアミドのマンニッヒ変性物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物の単独重合体又は(メタ)アクリルアミド等の他の単量体との共重合体及びその他のカチオン性モノマーを構成単位として含む(共)重合体等が挙げられる。
ノニオン性高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド等が挙げられる。
アニオン性高分子凝集剤としては、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリルアミドの加水分解物、(メタ)アクリルアミド・(メタ)アクリル酸ナトリウム共重合体、(メタ)アクリルアミド・(メタ)アクリル酸ナトリウム・2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウム共重合体、(メタ)アクリルアミド・2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウム共重合体及びその他前記のアニオン性モノマー(a)を含む(共)重合体等が挙げられる。
両性高分子凝集剤としては、カチオン性モノマー(ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物等)とアニオン性モノマー[(メタ)アクリル酸(塩)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−1−スルホン酸(塩)及びその他前記のアニオン性モノマー(a)等]及び必要によりノニオン性モノマー(アクリルアミド等)との共重合体が挙げられる。
これらの中で、重合体との荷電中和性能を有し、析出を促進する観点から好ましいのはカチオン性高分子凝集剤及び両性高分子凝集剤である。
また、併用する有機凝結剤や無機凝結剤等を、(P)の荷電当量を上回って添加する場合はアニオン性高分子凝集剤及び両性高分子凝集剤が好ましい。
上記高分子凝集剤の分子量の尺度として、重合体(A1)及び(A2)の固有粘度と同様に1N−NaNO3水溶液中30℃で測定した固有粘度を用いることができる。カチオン性高分子凝集剤の固有粘度は凝集性能(フロック粒径及びフロック強度)の観点から、好ましくは4〜30dl/g、更に好ましくは5〜20dl/gであり、ノニオン性高分子凝集剤の固有粘度は同様の観点から、好ましくは5〜40dl/g、更に好ましくは8〜30dl/gであり、アニオン性高分子凝集剤の固有粘度は同様の観点から、好ましくは5〜40dl/g、更に好ましくは6〜30dl/gである。
水処理剤(P)を添加する際の汚泥又は廃水のpHは、(P)中の重合体(A1)及び/又は(A2)の親水性の観点から4.5以上が好ましい。(P)を添加・撹拌後、pHを4.5以下に調整、あるいは(P)中の重合体(A1)及び/又は(A2)の荷電を中和して(P)を疎水化することにより水溶解性COD低減等の本発明の効果をより発揮させることができる。即ち、アニオン基によって水和していた(P)が、上記作用によって疎水化し、重合体(A1)及び/又は(A2)と水溶解性COD成分との複合体を不溶化させることができる。
水処理剤(P)を汚泥又は廃水に添加する方法としては、(P)が水溶液又は分散液である場合には、そのまま又は更に水に希釈して汚泥又は廃水に添加して十分に撹拌することが好ましいが、(P)が水を含まない場合には、水溶液として用いても、そのまま汚泥又は廃水に添加してもよい。(P)を水溶液として用いる場合は、重合体(A1)及び(A2)の濃度(併用する場合は合計の濃度)は好ましくは0.01〜20重量%、更に好ましくは0.1〜5重量%である。
(P)の溶解方法及び溶解後の希釈方法は特に限定されないが、例えば予め秤りとった水をジャーテスター等の撹拌装置を用いて撹拌しながら所定量の重合体(A1)及び/又は(A2)を加え、数時間(約1〜4時間程度)撹拌して溶解させる方法等が採用できる。
水処理剤(P)の使用量は、汚泥又は廃水の種類、懸濁している粒子の含有量及び水溶解性COD成分量等によって異なり、特に限定されないが、水溶解性COD低減性能の観点から、重合体(A1)及び/又は(A2)の使用量(併用する場合は合計量)が廃水及び汚泥の重量を基準として、好ましくは0.0001〜1重量%となる量であり、更に好ましくは0.0003〜0.8重量%、特に好ましくは0.0005〜0.5重量%、最も好ましくは0.0005〜0.3重量%となる量である。
本発明の水処理方法において、更に無機凝結剤及び/又は有機凝結剤を廃水に添加する場合の使用量は、汚泥又は廃水の種類、懸濁している粒子の大きさ及び廃水中のトータルスラッジ及び水溶解性COD成分量等によって異なるが、無機凝結剤の使用量は、廃水の重量を基準として、好ましくは0.001〜1重量%、更に好ましくは0.005〜0.8重量%、特に好ましくは0.01〜0.5重量%である。0.001重量%以上であれば水溶解性COD低減性能が良好であり、1重量%以下であればスラッジ発生量が低減できる。また、有機凝結剤の使用量は、水溶解性COD低減性能の観点から、廃水の重量を基準として好ましくは0.0001〜0.5重量%、更に好ましくは0.0003〜0.3重量%、特に好ましくは0.0005〜0.1重量%である。
上記処理方法(2)及び(3)において、本発明の水処理剤で処理後の汚泥又は廃水に高分子凝集剤を添加する方法としては特に限定はなく、高分子凝集剤をそのまま添加してもよいが、均一混合の観点から好ましいのは高分子凝集剤を水溶液にした後に汚泥又は廃水に添加する方法である。高分子凝集剤を水溶液として用いる場合、高分子凝集剤の濃度は、好ましくは0.05〜1重量%、更に好ましくは0.1〜0.5重量%である。
溶解方法、溶解後の希釈方法は特に限定はなく、水処理剤(P)の場合と同様に行うことができる。尚、粉末状の高分子凝集剤を水に溶解する際、一度に高分子凝集剤を加えるとままこを生じて水に溶解しにくくなるため好ましくない。
上記処理方法(2)及び(3)において、汚泥又は廃水に添加する際の高分子凝集剤の使用量は、汚泥又は廃水の種類、懸濁している粒子の含有量及び高分子凝集剤の分子量等によって異なるが、凝集性能の観点から、汚泥又は廃水の重量に基づいて好ましくは0.0001〜0.5重量%、更に好ましくは0.0002〜0.3重量%、特に好ましくは0.0003〜0.2重量%、最も好ましくは0.0004〜0.1重量%である。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の部は重量部を表す。
実施例におけるCODは、JIS K0102:2016に記載のCODMn分析方法に準じて測定した。
尚、以下の実施例10〜18及び比較例4〜7においては廃水処理の分野でCODのモニタリングの代替手段として常用されおり、CODより簡便に測定できるTOC(全有機炭素)の値も併記した。TOCは(株)アナリティクイエナジャパン製multi N/C 3100を用いて測定した。
水処理剤(P)中の重合体(A1)又は(A2)のpH5.0の水に対する溶解度については、塩酸を用いてpHを5.0に調整した20℃の水100gを200mlビーカーにとり、(P)5gを添加し、室温(20℃)でマグネチックスターラーを用いて1時間攪拌後、G3ガラスフィルターでろ過し、ろ液を130℃、90分の条件で乾燥したときの蒸発残留物が1重量%以上であることを確認した。
実施例に使用した原料の組成、記号等は次の通りである。
(1)アニオン性モノマー(a)
(a−1):メタクリル酸
(a−2):2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
(2)ノニオン性モノマー(b)
(b−1):ラウロキシポリエチレングリコールメタクリレート(ポリエチレングリコールの重合度は30、20℃の水への溶解度が1g以上/水100g)(日油社製:PLE−1300)
(b−2): ステアロキシポリエチレングリコールメタクリレート
(ポリエチレングリコールの重合度は30、20℃の水への溶解度は1g以上/水100g)(日油社製:PSE−1300)
(b−3): ラウロキシポリエチレングリコールメタクリレート
(ポリエチレングリコールの重合度は4、20℃の水への溶解度は1g以上/水100g)(日油社製:PLE−200)
(rb−1): 2−エチルヘキシル−ジグルコールアクリレート
(ポリエチレングリコールの重合度は2、20℃の水への溶解度は1g以上/水100g)(共栄社化学社製:EHDG−AT)
(rb−2): メトキシポリエチレングリコールメタクリレート
(ポリエチレングリコールの重合度は9、20℃の水への溶解度は1g以上/水100g)(日油社製:PME−400)
(rb−3): メトキシポリエチレングリコールメタクリレート
(ポリエチレングリコールの重合度は4、20℃の水への溶解度は1g以上/水100g)(日油社製:PME−400)
尚、前記ノニオン性モノマー(b)の20℃の水への溶解度は、20℃のイオン交換水100gとノニオン性モノマー(b)1gとの混合物を24時間静置した後、水層を高速液体クロマトグラフ等で分析し水層中のモノマー量を定量し、水溶液中のモノマー濃度を計算することで確認した。
(4)高分子凝集剤
(F−1):サンフロックCDS−019[三洋化成工業(株)製カチオン高分子凝集剤]
<実施例1>
撹拌機、温度センサー、冷却管、滴下ロート及びマントルヒーターを備えた4つ口フラスコにイソプロピルアルコール(以下「IPA」と略記)190部、イオン交換水68部を投入し、撹拌下、加熱し還流させた。滴下口から開始剤溶液としてのIPA80部、イオン交換水20部及びアゾビスイソブチロニトリル(以下「AIBN」と略記)2.0部の混合溶液を、もう一方の滴下口からモノマー溶液としてのアニオン性モノマー(a−1)220部、ノニオン性モノマー(b−1)180部、IPA180部及びイオン交換水60部の均一混合液を、フラスコ内を80〜85℃で撹拌下、それぞれ4時間かけてフラスコ内に同時に滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成し、IPA80部、イオン交換水20部及びAIBN2.0部の均一混合液を、80〜85℃のフラスコ内に1時間で滴下し180分同温度で熟成した。その後、イオン交換水1000部をフラスコ内に投入し、48重量%水酸化ナトリウム水溶液213部を1時間かけて滴下した。続いて、100℃まで昇温してIPAを除去し、重合体(A1−1)を含有する水処理剤(P−1)1755部を得た。(P−1)の固形分濃度は26.2重量%、pHは7.2、(P−1)中の重合体(A1−1)の固有粘度[η]は0.38dl/gであった。
<実施例2〜9>
[水処理剤(P−2)〜(P−9)の製造]
使用する原料の種類及び使用量を表1に記載のものに代えたこと以外は実施例1と同様にして各水処理剤を得た。各水処理剤の分析値を表1に示す。
<比較例1〜3>
[水処理剤(RP−1)〜(RP−3)の製造]
使用する原料の種類及び使用量を表1に記載のものに代えたこと以外は実施例1と同様にして各水処理剤を得た。各水処理剤の分析値を表1に示す。
Figure 2019209325
<実施例10〜18及び比較例4〜7>
非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンオレイルエーテルとポリオキシエチレンセチルエーテルの混合物「三洋化成工業(株)製;エマルミン140]を100mg/Lとなるように水道水に溶解させたものを処理対象の水とした。この対象水のCODは98ppm、TOCは75ppmであった。
各実施例で用いた水処理剤(P−1)〜(P−9)及び(RP−1)〜(RP−3)は固形分濃度が5重量%となるように予め水道水で希釈しておいた。
対象水500mLをビーカーに採取し、撹拌下、(P−1)〜(P−9)又は(RP−1)〜(RP−3)の固形分濃度5重量%の水溶液を対象水における(P)中の重合体(A1)又は(A2)の濃度が表2の水処理剤(P)の添加量の欄に記載の値となるように添加し、3分撹拌した。続いて無機凝結剤としての硫酸バンド(8重量%水溶液)を有姿で表2に示す添加量となるように添加し、3分間撹拌した後、水酸化ナトリウム水溶液でpHを6.5〜7.5に調整した。続いて、撹拌を継続したまま、高分子凝集剤としてサンフロックCDS−019(F−1)の0.2重量%水溶液を固形分濃度10ppmとなるように添加して3分間撹拌した。上澄み液をろ紙(No.5C)でろ過し、ろ液のCOD及びTOCを測定した。
(P−1)〜(P−9)又は(RP−1)〜(RP−3)を水処理剤として用いたものをそれぞれ実施例10〜18及び比較例4〜6とした。尚、比較例7は硫酸バンドと高分子凝集剤(F−1)のみを使用して同様の操作を行った。
得られたCOD及びTOCの値から、COD除去率及びTOC除去率を下記の式に基づいて算出し、非イオン性界面活性剤の除去性能を評価した。結果を表2に示す。
COD除去率=(処理前のCOD値−処理後のCOD値)/処理前のCOD値×100
TOC除去率=(処理前のTOC値−処理後のTOC値)/処理前のTOC値×100
Figure 2019209325
<実施例19〜27及び比較例8〜10>
処理対象水を非イオン性界面活性剤を含むCOD220ppmの化学工場廃水に代え、使用薬剤の添加量を表3に記載の量に変更したこと以外は実施例1と同様に操作し、得られたCODの値から、COD除去率を算出し、COD低減性能を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2019209325
<実施例28〜36及び比較例11〜13>
処理対象水をポリビニルアルコールを含むCOD1100ppmの染色工場廃水に代え、使用薬剤の添加量を表4に記載の量に変更したこと以外は実施例1と同様に操作し、得られたCODの値から、COD除去率を算出し、COD低減性能を評価した。結果を表4に示す。
Figure 2019209325
表2〜4の結果から、本発明の水処理剤(P)は比較のものに比べて、水溶解性COD成分の除去性能に優れていることが分かる。
本発明の水処理剤は、従来のものと比較して、高い水溶解性COD成分の除去効果を示すことから、下水又は工場廃水等の有機性成分を有する廃水の処理剤として使用することができる。
また、その他の用途としては、例えば土木現場での泥水処理、浚渫埋め立て時の泥水の沈降分離促進用等の処理剤、発生土の土壌改質剤、製紙用薬剤(例えば製紙工業用地合形成助剤、濾水歩留向上剤、濾水性向上剤及び紙力増強剤)、原油増産用添加剤(原油の二、三次回収用添加剤)、分散剤、スケール防止剤、凝結剤、脱色剤、増粘剤、帯電防止剤及び繊維用処理剤が挙げられ、これらの内特に土木現場での泥水処理、浚渫埋め立て時の泥水の沈降分離促進用等の処理剤、発生土の土壌改質剤及び製紙用薬剤として特に好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表されるアニオン性モノマー(a)と一般式(2)で表されるノニオン性モノマー(b)とを構成単量体として含有する重合体(A1)及び/又は一般式(2)で表されるノニオン性モノマー(b)のみを構成単量体とする重合体(A2)を含有する水処理剤(P)。

    CH2=CR1−X-・Y+ (1)

    [式中、R1は水素原子又はメチル基であり、X-はCOO-、SO3 -、C64SO3 -又はCONHC(CH32CH2SO3 -であり、Y+は1価の陽イオンである。]

    CH2=CR2−COO−(C24O)n−R3 (2)

    [式中、R2は水素原子又はメチル基であり、R3は炭素数がmのアルキル基であり、mは8〜30の整数であり、nはn/mの値を小数第2位で四捨五入した場合の値が0.3〜2.5となる数である。]
  2. 前記重合体(A1)及び(A2)の固有粘度[η]が、0.010〜3.0dl/gである請求項1記載の水処理剤。
  3. 前記重合体(A1)におけるアニオン性モノマー(a)とノニオン性モノマー(b)との重量比[(a):(b)]が、10:90〜98:2である請求項1又は2記載の水処理剤。
  4. 前記重合体(A1)及び(A2)のpH5.0の25℃の水に対する溶解度が、1g以上/水100gである請求項1〜3のいずれか記載の水処理剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の水処理剤と汚泥又は廃水とを混合する工程を含む水処理方法。
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