JP2019206650A - 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物の優れた機械的強度及び剛性が損なわれることなく、難燃性及び成型品の外観に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、および、その樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品を提供する。【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)30〜70質量%およびガラス繊維(B)30〜70質量%からなる樹脂組成物100質量部に対し、シリコーン系難燃剤(C)0.5〜8質量部、および、ポリテトラフルオロエチレン(D)を含有する難燃性ポリカーボネート樹脂組成物であって、組成物中のポリテトラフルオロエチレン(D)の含有量が0.1〜1.0質量%である、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に関する。【選択図】 なし

Description

本発明は、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、および、その樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品に関する。
ポリカーボネート樹脂は優れた機械的強度、耐熱性、熱安定性等に優れた熱可塑性樹脂であることから、電気電子分野や自動車分野等広く工業的に利用されている。ガラス繊維で強化されたポリカーボネート樹脂は、強度や剛性に優れることから電気機器や電子機器の筐体や電動工具の筐体等に利用されている。これらの分野においては、高い難燃性が要求される用途もあり、例えばアンダーライターズ・ラボラトリーズが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に準拠した難燃性の評価において、V−0やV−1に適合する難燃性が求められている。さらには、携帯電話等の電子機器の筐体には優れた外観が求められている。
しかしながら、従来のガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物は、難燃性や成形品の外観が十分に検討されておらず、強度や剛性に優れながら、難燃性や成形品の外観にも優れる成形材料という需要を満たすことはできていない。
ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物の難燃性を向上させるためにポリカーボネート樹脂にリン系難燃剤や含フッ素滴下防止剤を含有させる方法が複数知られている。特許文献1〜2には、ポリカーボネート樹脂、ガラス繊維、リン系難燃剤からなる、強度および難燃性に優れたガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物が提案されている。特許文献1のガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物には含フッ素滴下防止剤が含まれており、特許文献2のガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物にはポリテトラフルオロエチレンが含まれていてもよいことが記載されている。特許文献3には、ポリカーボネート樹脂、ガラス繊維、リン系難燃剤からなる、強度および難燃性に優れたガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物が提案されている。
しかしながら、これらの樹脂組成物では、衝撃強度などの機械的強度が満足できるものではなく、成形品の外観についても充分ではなかった。
特開2007−070468号公報 特開2011−001514号公報 特表2009−521568号公報
本発明は、ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物の優れた機械的強度及び剛性が損なわれることなく、難燃性および成形品の外観に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、および、その樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行ったところ、ポリカーボネート樹脂とガラス繊維からなる樹脂組成物に、シリコーン系難燃剤およびポリテトラフルオロエチレンを特定の配合量で含有させることにより、ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物の優れた機械的強度および剛性が損なわれることなく、難燃性および成形品外観に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)30〜70質量%およびガラス繊維(B)30〜70質量%からなる樹脂組成物100質量部に対し、シリコーン系難燃剤(C)0.5〜8質量部、および、ポリテトラフルオロエチレン(D)を含有する難燃性ポリカーボネート樹脂組成物であって、組成物中のポリテトラフルオロエチレン(D)の含有量が0.1〜1.0質量%である、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
ガラス繊維(B)がエポキシ系集束剤またはウレタン系集束剤で処理され、繊維断面の平均直径が6〜20μmであることが好ましい。
ガラス繊維(B)が、繊維断面の長径の平均値が10〜50μmであり、長径と短径の比(長径/短径)の平均値が2〜8である扁平断面を有することが好ましい。
さらに、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリメタクリルスチレン、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリアミド、および、エチレンビニルアセテート重合体からなる群より選択される少なくとも1種の(E)熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
熱可塑性樹脂(E)の平均粒子径が5μm以下であることが好ましい。
熱可塑性樹脂(E)の含有量が、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物中、0.005〜5質量%であることが好ましい。
さらに、リン酸エステル系難燃剤を含むことが好ましい。
前記樹脂組成物において、ガラス繊維を配合せずに作製した試験用樹脂組成物を流動方向に垂直な方向に凍結破断させた破断面を走査型電子顕微鏡で観察した127μm×95μmの任意の一視野に存在するポリテトラフルオロエチレン(D)のフィブリルの最も太い部分の直径が5μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。
ポリテトラフルオロエチレン(D)の平均粒子径が200μm以下であることが好ましい。
また、本発明は、前記難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られた樹脂成形品に関する。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、シリコーン系難燃剤およびポリテトラフルオロエチレンを特定の配合量で含有するため、ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物の優れた機械的強度および剛性が損なわれることなく、難燃性および成形品の外観に優れた樹脂成形品を提供することができる。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は、以下に示す実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施することができる。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)30〜70質量%およびガラス繊維(B)30〜70質量%からなる樹脂組成物100質量部に対し、シリコーン系難燃剤(C)0.5〜8質量部、および、ポリテトラフルオロエチレン(D)を含有する難燃性ポリカーボネート樹脂組成物であって、組成物中のポリテトラフルオロエチレン(D)の含有量が0.1〜1.0質量%であることを特徴とする。
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類が挙げられる。
これらは単独または2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記ジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−〔4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル〕−プロパンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量(Mv)は、特に限定されないが、成形加工性、強度の面より10000〜100000が好ましく、15000〜35000がより好ましく、15000〜25000がさらに好ましい。また、かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調整剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。なお、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、0.5質量%の塩化メチレン溶液とし、キャノンフェンスケ型粘度管を用い、温度20℃で比粘度(ηsp)を測定し、濃度換算により極限粘度〔η〕を求め、下記のSCHNELLの式から算出した値である。
〔η〕=1.23×10−4×Mv0.83
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に含まれるポリカーボネート樹脂の割合としては、30〜70質量%である。7質量%を超えると剛性に劣り、30質量%未満では組成物の製造が困難となる。
ポリカーボネート樹脂(A)の形態は特に限定されず、たとえばペレット状物、フレーク状物、ビーズ状物等が挙げられる。なかでも、均質な分散性を得られる点で、フレーク状物が好ましく、多孔質フレーク状物がより好ましい。ポリカーボネートの嵩密度も特に限定されないが、0.1〜0.9が好ましく、0.1〜0.7がより好ましい。ここで、嵩密度とは、JISK7370の固め見かけ嵩密度に準拠して測定される値をいう。ポリカーボネートの大きさは特に制限されないが、5mm以下が好ましい。
本発明で使用するガラス繊維(B)は特に限定されず、繊維断面の長径と短径の比(長径/短径)の平均値が1〜1.5の断面がほぼ円形の円形断面ガラス繊維であっても、長径と短径の比(長径/短径)の平均値が2〜8の扁平断面ガラス繊維であってもよい。
ガラス繊維(B)の数平均繊維長は1〜8mmが好ましく、2〜5mmがより好ましい。ガラス繊維は従来公知の任意の方法に従い製造される。数平均繊維長が1mm未満では機械的強度の改良が十分でなく、8mmを超えるポリカーボネート樹脂を製造する際、ポリカーボネート樹脂中へのガラス繊維の分散性に劣ることからガラス繊維が樹脂から脱落する等して生産性が低下しやすい。
ガラス繊維(B)が、繊維断面の長径と短径の比(長径/短径)の平均値が1〜1.5の断面がほぼ円形の円形断面ガラス繊維の場合、ガラス繊維の平均直径は6〜20μmであることが好ましい。ガラス繊維の平均直径が6μm未満の場合は、機械的強度に劣り、20μmを越えると外観が低下しやすくなる。ガラス繊維の平均直径は、より好ましくは7〜18μm、さらに好ましくは8〜15μmである。
市販にて入手可能な繊維断面の長径と短径の比(長径/短径)の平均値が1〜1.5の断面がほぼ円形の円形断面ガラス繊維としては、直径10μmのものや13μmのものがあり、これらの数平均長さは2〜6mmとなっている。市場で入手可能なガラス繊維としては、例えば、KCC社製CS321、CS311やオーウェンスコーニングジャパン社製CS03MAFT737等が挙げられる。
ガラス繊維(B)が、繊維断面の長径と短径の比(長径/短径)の平均値が2〜8の扁平断面ガラス繊維の場合、長径の平均値は10〜50μm、好ましくは15〜40μm、より好ましくは25〜30μmである。また、長径と短径の比(長径/短径)の平均値は2〜8であり、好ましくは2〜7、より好ましくは2.5〜5である。これらは従来公知の任意の方法に従い製造される。
扁平断面ガラス繊維の長径が10μm未満では製造が困難であり、50μmを超えるとポリカーボネート樹脂組成物の成形品表面外観を損なうことがある。長径と短径の比が2未満では寸法安定性に劣り、8を超えると強度に劣る場合が発生することがある。
市販にて入手可能な繊維断面の長径と短径の比(長径/短径)の平均値が2〜8の扁平断面ガラス繊維としては、例えば、日東紡績社製CSG 3PA−820やCSG 3PA−830等が挙げられる。
ガラス繊維(B)は、ポリカーボネート樹脂との密着性を向上させる目的でアミノシラン、エポキシシラン等のシランカップリング剤などにより表面処理を行う事が出来る。また、ガラス繊維を取り扱う際、取り扱い性を向上させる目的でウレタンやエポキシ等の集束剤などにより集束させることが出来る。
ガラス繊維(B)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)とガラス繊維(B)からなる樹脂組成物中30〜70質量%である。70質量%を越えると外観性に劣る成形品が発生し、30質量%未満では強度、剛性に劣る。より好ましい配合量は、35〜65質量%、最も好ましくは40〜60質量%である。
本発明で使用するシリコーン系難燃剤(C)は特に限定されないが、例えば、特開平11−217494号公報に記載された主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基中に芳香族基を持つシリコーン化合物が好ましい。
シリコーン系難燃剤は、より具体的には下記一般式に示されるような、主鎖が分岐構造でかつ有機官能基として芳香族基を含有するものである。
Figure 2019206650
(l、m、nは、それぞれ0または1以上の整数で、かつ、l+m≧1である。)
すなわち、分岐単位として T単位および/またはQ単位を持つものが好ましい。これらは全体のシロキサン単位の20mol%以上含有することが好ましい。20mol%未満であると、シリコーン化合物の耐熱性が低下してその難燃性の効果が下がり、またシリコーン化合物自体の粘度が低すぎてポリカーボネートとの混練性や成形性に悪影響を及ぼす場合がある。さらに好ましくは30mol%以上、95mol%以下である。30mol%以上だとシリコーン化合物の耐熱性が一層上がり、これを含有したポリカーボネート樹脂の難燃性が大幅に向上する。しかし95mol%を超えるとシリコーンの主鎖の自由度が減少して、燃焼時の芳香族基の縮合が生じにくくなる場合があり、顕著な難燃性を発現しにくくなる場合がある。
また、シリコーン化合物が有する有機官能基のうち、芳香族基が20mol%以上であることが好ましい。この範囲未満であると、燃焼時に芳香族基同士の縮合が起こりにくくなり難燃効果が低下する場合がある。さらに好ましくは40〜95mol%である。40mol%以上であれば、燃焼時の芳香族基が一層効率的に縮合できると同時に、ポリカーボネート樹脂(A)中でのシリコーン化合物の分散性が大幅に改良され、極めて良好な難燃効果を発現できる。95mol%を超えると芳香族基同士の立体障害により、これらの縮合が生じにくくなる場合があり、顕著な難燃効果を発現できにくくなる場合がある。
芳香族基としては、フェニル、ビフェニル、ナフタレン、またはこれらの誘導体であるが、シリコーン化合物の安全面からは、フェニル基が好ましい。シリコーン化合物中の有機官能基で、主鎖や分岐した側鎖に付いたもののうち、芳香族基以外の有機基としてはメチル基が好ましく、さらに、末端基はメチル基、フェニル基、水酸基、アルコキシ基(特にメトキシ基)の内から、選ばれた1種またはこれらの2種から4種までの混合物であることが好ましい。これらの末端基の場合、反応性が低いため、ポリカーボネート樹脂(A)とシリコーン化合物の混練時に、シリコーン化合物のゲル化(架橋化)が起こりにくいので、シリコーン化合物がポリカーボネート樹脂(A)中に均一に分散でき、その結果、一層良好な難燃効果を持つことができ、さらに成形性も向上する。特に好ましくはメチル基である。これの場合、極端に反応性が低いので、分散性が極めて良好になり、難燃性をさらに向上することができる。
シリコーン化合物の重量平均分子量は、3000〜500000が好ましい。3000未満だとシリコーン化合物自体の耐熱性が低下して難燃性の効果が低下し、さらに溶融粘度が低すぎて成形時にポリカーボネート樹脂(A)の成形体表面にシリコーン化合物が浸み出して成形性を低下させる場合があり、また500000を超えると溶融粘度が増加してポリカーボネート樹脂(A)中での均一な分散が損なわれ難燃性の効果や成形性が低下する場合がある。さらに特に好ましくは10000〜270000である。この範囲ではシリコーン化合物の溶融粘度が最適となるため、ポリカーボネート樹脂(A)中でシリコーン化合物が極めて均一に分散でき、表面への過度な浸みだしもないため、一層良好な難燃性と成形性を達成できる。
シリコーン系難燃剤(C)の含有量は、優れた難燃性および優れた外観を付与する観点から、ポリカーボネート樹脂(A)とガラス繊維(B)からなる樹脂組成物100質量部に対し、0.5〜8質量部であり、1〜6質量部がより好ましい。0.5質量部未満では所望の難燃性は得られない。
難燃剤としては、より高度な難燃性を得る点で、シリコーン系難燃剤とともに、リン酸エステル系難燃剤を併用することが好ましい。リン酸エステル系難燃剤としては特に限定されないが、たとえば、レゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス−ジキシレニルホスフェート、ビスフェノールAビス−ジフェニルホスフェートなどの芳香族縮合リン酸エステル、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェートなどの芳香族リン酸エステルなどが挙げられる。
リン酸エステル系難燃剤の含有量は、特に限定されないが、ポリカーボネート樹脂(A)とガラス繊維(B)からなる樹脂組成物100質量部に対し、4質量部以下が好ましく、1〜4質量部が好ましい。4質量部を超えると、衝撃強度が低下する傾向がある。
本発明で使用するポリテトラフルオロエチレン(D)は特に限定されず、ポリテトラフルオロエチレンホモポリマーを使用しても良いが、ポリテトラフルオロエチレンの性能を損なわない程度のコポリマー及びターポリマーを含有しているものを使用してもよい。また、ポリテトラフルオロエチレンは、コポリマーであっても良い。
ポリテトラフルオロエチレン(D)の形態は特に限定されないが、粒子が好ましい。平均粒子径は200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。200μm以下であれば、優れた難燃性及び優れた外観を付与することができる。ここで、平均粒子径とは、複合樹脂粒子1gに対して、50mlの塩化メチレンを加えて、23℃下、3時間放置して得られた溶液を20分間スターラーで攪拌し、溶解せずに残ったPTFE粒子100個について、長径及び短径を測定し、(長径+短径)/2を粒径とし、100個のPTFE粒子の粒径の平均値をいう。
なお、ポリテトラフルオロエチレン粒子をポリカーボネート樹脂組成物に添加するために使用することができる、PTFE含有添加剤が市販されているが(例えば、三菱レイヨン社製のA3800、シャインポリマー社製のSN3307など)、該添加剤は、上記の測定方法で測定した平均粒子径は200μm以下にはならない。
ポリテトラフルオロエチレン(D)は、比較的均一な分散性の点、すなわち、ポリテトラフルオロエチレンの凝集物の発生を少なく、均一な分散性・再現性に優れる点で、水性分散体として使用することが好ましい。水性分散体におけるポリテトラフルオロエチレン(D)の固形分率は特に限定されないが、20〜70質量%が好ましく、20〜65質量%がより好ましい。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に含まれるポリテトラフルオロエチレン(D)の含有量は、ポリカーボネート樹脂組成物に対して優れた難燃性および優れた外観を付与する観点から、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物中、0.1〜1.0質量%であり、0.1〜0.6質量%がより好ましい。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、樹脂組成物中においてポリテトラフルオロエチレンを均一性高く分散させる機能を発揮させる点で、熱可塑性樹脂(E)を含有することが好ましい。
熱可塑性樹脂(E)は特に限定されないが、ポリカーボネート樹脂及びフッ素樹脂と親和性のあるものを用いることが好ましい。たとえば、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、ポリメタクリルスチレン重合体(MS)、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリアミド、エチレンビニルアセテート重合体(EVA)などが挙げられる。これらの中でも特にスチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)が好ましい。熱可塑性樹脂としては、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
熱可塑性樹脂(E)の形態は特に限定されないが、粒子の状態で使用することが好ましい。平均粒子径は5μm以下が好ましく、0.01〜2μmがより好ましい。5μm以下であれば、ポリカーボネート樹脂組成物に対して、フッ素樹脂を好適に分散させて、優れた難燃性及び優れた外観を付与することができる。
熱可塑性樹脂(E)は、難燃樹脂組成物内のポリテトラフルオロエチレン凝集物発生を少なくし、均一な分散性が得られる点で、水性分散体として使用することが好ましい。熱可塑性樹脂の固形分濃度は特に限定されないが、20〜70質量%が好ましい。また、熱可塑性樹脂の配合量は、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物中ポリカーボネート(A)100質量部に対して、0.005〜5質量部が好ましい
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂(E)の割合としては、ポリカーボネート樹脂組成物に優れた難燃性及び優れた外観を付与する観点から、0.005〜5質量%が好ましく、0.03〜1質量%がより好ましい。
ポリテトラフルオロエチレン(D)は、ポリカーボネート樹脂組成物に対して親和性の低いポリテトラフルオロエチレン粒子をポリカーボネート樹脂組成物中に均一性高く分散することができるため、ポリカーボネート樹脂粒子とあらかじめ混合した複合樹脂粒子として用いることが好ましい。複合樹脂粒子はポリカーボネート樹脂組成物中に配合された際に、複合樹脂粒子中のポリカーボネート樹脂粒子が、ポリカーボネート樹脂組成物中に溶融する際に、ポリテトラフルオロエチレン粒子がポリカーボネート樹脂組成物中に高い均一性で分散し、混合中にポリテトラフルオロエチレン粒子が凝集することが効果的に抑制される。また、複合粒子が熱可塑性樹脂を含む場合、熱可塑性樹脂の効果によりポリカーボネート樹脂組成物との親和性がより高まり、さらに均一性の高い分散が可能となる。これにより、ポリテトラフルオロエチレン粒子を含むポリカーボネート樹脂組成物の外観の劣化(成形品の表面にフッ素樹脂が浮き出て筋状のラインが形成されたり、表面の色相にばらつきが発生したりするなど)が、効果的に抑制できる。
複合樹脂粒子に使用するポリカーボネート樹脂粒子の平均粒子径としては、特に制限されないが、ポリカーボネート樹脂組成物に対して、優れた難燃性及び優れた外観を付与する観点から、5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましい。ポリカーボネート樹脂粒子がこのような粒子径を備えていることにより、本発明の複合樹脂粒子をポリカーボネート樹脂組成物中に均一に分散させやすくなる。
ポリカーボネート樹脂粒子の嵩密度は0.1〜0.9が好ましく、0.1〜0.7がより好ましい。0.1未満または0.9を超えると、均一に分散状態が発現出来ない、または加工時の材料供給性が不安定になる。ここで、嵩密度とは、JISK7370固め見かけ嵩密度に準拠して測定される値をいう。
複合樹脂粒子に含まれるポリカーボネート樹脂粒子の割合としては、ポリカーボネート樹脂組成物に対して優れた難燃性および優れた外観を付与する観点からは、0〜99.5質量%が好ましく、70〜99.5質量%がより好ましく、85〜99.5質量%がさらに好ましい。
複合樹脂粒子に含まれるポリテトラフルオロエチレン粒子の割合としては、ポリカーボネート樹脂組成物に対して優れた難燃性および優れた外観を付与する観点からは、0.1〜33質量%が好ましくは、0.2〜25質量%がより好ましくは、3〜15質量%がさらに好ましい。
このような複合樹脂粒子は、たとえば次の工程を備える方法により好適に製造することができる。
工程1:ポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散体と熱可塑性樹脂粒子の水性分散体とを混合して、混合分散体を調製する。
工程2:ポリカーボネート樹脂粒子及び混合分散体を混合する。
ポリテトラフルオロエチレン粒子、熱可塑性樹脂粒子、及びポリカーボネート樹脂粒子の詳細(樹脂の種類や粒子径など)については、前述の通りである。また、これらの配合割合についても、本発明の複合樹脂粒子における含有量となるように調整すればよい。
工程1において、ポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散体及び熱可塑性樹脂粒子の水性分散体としては、例えば、市販品を使用することができる。ポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散体中における固形分としては、通常、20〜65質量%が挙げられる。また、熱可塑性樹脂粒子の水性分散体における固形分としては、通常、20〜70質量%が挙げられる。
また、工程1において、ポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散体及び熱可塑性樹脂粒子の水性分散体の混合は、攪拌機などを用いて行うことができる。なお、これらの樹脂粒子の混合分散体を調製する際には、酸または塩基を用いてpHを調整してもよい。
工程2において、ポリカーボネート樹脂粒子および混合分散体を混合する方法としては、一般的なミキサー(例えば、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、バタフライミキサーなど)、ホモジナイザー、ブレンダーなどを用いて行うことができる。
工程2の後に、乾燥工程を設けることが好ましい。乾燥手段としては、熱風乾燥、真空乾燥、蒸気乾燥、スピン乾燥、吸引乾燥などの各種乾燥手段が挙げられる。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、前述した成分以外に、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に一般的に配合される各種成分を配合することができる。このような成分としては、例えば、各種の樹脂、さらなる難燃剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、着色剤、ガラス繊維以外の充填材、離型剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、ゴム(エラストマー)、軟化材、展着剤(流動パラフィン、エポキシ化大豆油等)、さらなる有機金属塩などが挙げられる。
各種の樹脂としては、ポリカーボネート樹脂組成物に配合される公知の樹脂を配合することができる。各種の樹脂としては、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS、AES、AAS、AS、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
酸化防止剤としては、ポリカーボネート樹脂組成物に配合される公知の酸化防止剤を使用することができる。酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤などが挙げられる。なかでも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好適に使用され、例えば、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などが挙げられる。酸化防止剤の配合量は特に限定されないが、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、0.005〜1質量部が好ましい。
着色剤としては、ポリカーボネート樹脂組成物に配合される公知の着色剤を使用することができる。着色剤としては、特に制限されず、染料、顔料(二酸化チタン、カーボンブラックなど)を使用することができる。着色剤の配合量としては、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、例えば0.0001〜10質量部が挙げられる。
ガラス繊維以外の充填材としては、ポリカーボネート樹脂組成物に配合される公知の充填材を使用することができる。充填材としては、特に制限されず、炭素繊維、シリカ、タルク、マイカなどが挙げられる。充填材の配合量としては、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、3〜120質量部が好ましい。
ゴム(エラストマー)としては、ポリカーボネート樹脂組成物に配合される公知の充填材を使用することができる。ゴム(エラストマー)としては、特に制限されず、イソブチレン/イソプレンゴム、スチレン/ブタジエン、アクリル系エラストマー、ポリエステルエラストマー、コアシェル型エラストマーなどが挙げられる。ゴム(エラストマー)の配合量としては、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、0.05〜20質量部が好ましい。
有機金属塩としては、ポリカーボネート樹脂組成物に配合される公知の有機金属塩を使用することができる。有機金属塩としては、特に制限されず、芳香族硫黄化合物金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩などが挙げられる。有機スルホン酸金属塩の金属としてはアルカリ金属、アルカリ土類金属が挙げられる。有機金属塩の配合量としては、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して0.001〜5質量部が好ましく、0.003〜3質量部がより好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物において、本発明で使用するガラス繊維を配合せずに作製した試験用樹脂組成物を流動方向に垂直な方向に凍結破断させた破断面を走査型電子顕微鏡で観察した127μm×95μmの任意の一視野に存在するポリテトラフルオロエチレン(C)のフィブリルの最も太い部分の直径が5μm以下であることが好ましい。
樹脂組成物の垂直方向(TD方向)とは、樹脂ペレットにおいて樹脂の流れ方向に垂直な方向をいう。流れ方向に垂直な断面を観察することによって、ペレット内でのポリテトラフルオロエチレン(D)の分散状態が理解できる。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(D)の分散状態が変化しないように、液体窒素等によりペレットを極めて低温まで冷却して、マトリックス樹脂であるポリカーボネートを脆性破壊させることによって、フィブリル化したポリテトラフルオロエチレン(D)の分散形態を観察する。冷却しない場合には、ポリカーボネートが延性破壊して、ポリテトラフルオロエチレン(D)を覆い、フィブリルを観察できなくなる。観察する視野は、全体の状態を確認するために、127μm×95μmという比較的広い範囲を観察する。観察する視野の個数は特に限定されないが、たとえば3つ以上のペレットの破断面を観察することが好ましい。3つのペレットを観察して、最も太い部分の直径が5μm以上となるポリテトラフルオロエチレン(D)のフィブリルが存在しなければ、全体にわたってポリテトラフルオロエチレン(D)の凝集はほとんど見られず、高い難燃性を発揮することになる。
ポリテトラフルオロエチレン(D)の太さが不均一な状態で分散している場合、最も太い部分の直径を利用する。フィブリルの最も太い部分の直径は5μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましい。直径が5μmを超えると、筋状のラインが形成されたり、表面の色相にばらつきが発生する場合がある。ペレットの状態で直径が5μm以下であるため、UL94規格に規定する極めて薄肉の射出成形品では、射出成形時の強力なせん断によってPTFEはさらにフィブリル化する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、UL94規格(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)の垂直燃焼試験(V試験)を、試験片の厚み1.5mmで行った場合の等級が、V−0またはV−1であることが好ましい。
また、本発明は、前記難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られた樹脂成形品に関する。本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を使用するため、難燃性とともに表面外観にも優れる、または優れることが期待できる。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物において、例えば、ポリカーボネート樹脂を第一フィーダー(原料供給口)から押出機バレル内に供給し、樹脂を十分に溶融した後にガラス繊維を第二フィーダー(充填剤供給口)から押出機バレル内に供給した後、混練に用いるスクリューに一般的に入手可能なディスク(例えば、ニーディングディスク)等を適用し、公知の手法によりこのディスクをスクリュー構成として複数用いたり、ディスクの配置を適宜変えたりする等により調整して混練を行うことにより可能である。ガラス繊維を引きながらポリカーボネート樹脂を当該繊維に含浸させる引き抜き成形法も使用することができる。
本発明の樹脂成形品は、前記繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られることを特徴とする。本発明の繊維強化樹脂成形品の成形方法については、押出成形や射出成形方法が用いられる。押出成形については押出機を用いたシートや異形押出といった成形、又、射出成形は該成形品が成形出来るような金型と100〜200Тクラスの射出成形機が用いられる。成形加工温度は260〜320℃が望ましい。該成形体は外観に優れているため、カメラ、スマートホン等の筐体に好ましく適用することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲においては、任意に変更または改変して実施することができる。なお、特に断りのない限り、実施例中の「%」及び「部」は、それぞれ質量基準に基づく「質量%」及び「質量部」を示す。
使用した原料は、以下のとおりである。
ポリカーボネート樹脂(A):
(1)ビスフェノールAとホスゲンから合成されたポリカーボネート樹脂
(住化ポリカーボネート株式会社製SDポリカ200−3、粘度平均分子量28000、以下「PC1」と略記)
(2)ビスフェノールAとホスゲンから合成されたポリカーボネート樹脂
(住化ポリカーボネート株式会社製SDポリカ200−13、粘度平均分子量21000、以下「PC2」と略記)
ガラス繊維(B):
(1)扁平断面ガラス繊維
CSG 3PA−820(日東紡績株式会社製、長径28μm、短径7μm、繊維長3mm、 ウレタン系集束剤、以下「GF1」と略記)
(2)円形断面ガラス繊維
CS321(KCC社製、繊維径10μm、繊維長3mm、エポキシ系集束剤、以下「GF2」と略記)
(3)円形断面ガラス繊維
CS311(KCC社製、繊維径10μm、繊維長3mm、ウレタン系集束剤、以下「GF3」と略記)
リン系酸化防止剤:
以下の式で表される、3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン
Figure 2019206650
アデカスタブPEP−36(株式会社ADEKA製、以下「PEP−36」と略記)
シリコーン系難燃剤(C):
シリコーン系難燃剤(C)は、一般的な製造方法に従って製造した。すなわち、シリコーン化合物成分の分子量およびシリコーン化合物を構成するM単位、D単位、T単位およびQ単位の割合に応じて、適量のジオルガノジクロロシラン、モノオルガノトリクロロシランおよびテトラクロロシラン、あるいはそれらの部分加水分解縮合物を有機溶剤中に溶解し、水を添加して加水分解して、部分的に縮合したシリコーン化合物を形成し、さらにトリオルガノクロロシランを添加して反応させることによって、重合を終了させ、その後、溶媒を蒸留等で分離した。
得られたシリコーンの構造特性は、以下の通りである。
(C−1)シリコーン化合物1(以下、「SiIR1」と略記)
・主鎖構造のD/T/Q単位の比率:40/60/0(モル比)
・全有機官能基中のフェニル基の比率(*):80モル%
・末端基:メチル基のみ
・重量平均分子量(**):10000
(C−2)シリコーン化合物2(以下、「SiIR2」と略記)
・主鎖構造のD/T/Q単位の比率:40/60/0(モル比)
・全有機官能基中のフェニル基の比率(*):60モル%
・末端基:メチル基のみ
・重量平均分子量(**):65000
*:フェニル基は、T単位を含むシリコーン中ではT単位にまず含まれ、残った場合がD単位に含まれる。D単位にフェニル基が付く場合、1個付くものが優先し、さらにフェニル基が残余する場合に2個付く。末端基を除き、有機官能基は、フェニル基以外は全てメチル基である。
**:重量平均分子量は、有効数字2桁。
リン酸エステル系難燃剤:
レゾルシノールビス−ジキシレニルホスフェート、PX−200(大八化学株式会社製、以下「PIR」と略記)
ポリテトラフルオロエチレン(D):
ネオフロンFA500(ダイキン工業株式会社製、(以下「PTFE1」と略記)
離型剤:
Bee’s wax(蜜蝋)(以下「WAX」と略記)
製造例1(PTFE複合粒子の製造)
ポリテトラフルオロエチレン粒子水性分散液(一次粒子径0.28μm:三井デュポンフルオロケミカル社製31JR)と、スチレン−アクリルニトリル共重合体粒子水性分散液(一次粒子径0.05〜1μm:日本A&L社製K−1158)とを、50:50(=PTEF粒子:SAN粒子)の質量比(固形分比)で混合した。得られた混合液を酸で中和して中和混合液を得た。次に、ポリカーボネート樹脂粒子(一次粒子径1mm、嵩密度0.2g/cm3)の粉末4質量部に、中和混合液(固形分0.46質量部)を添加した。次に、80℃に加温して、スーパーミキサーを用いて0.5時間攪拌した後、乾燥させて複合樹脂粒子を製造した(以下、「G1」と略記)。複合樹脂粒子中のPC樹脂粒子と、PTFE粒子と、SAN粒子の質量比は、89.0:6.5:6.5である。また、得られた複合樹脂粒子は、前述の方法により測定した結果、5mm以下の平均粒子径を有していた。
(PTFE複合粒子の平均粒子径の測定)
PTFE複合粒子1gに対して、50mlの塩化メチレンを加えて、23℃下、3時間放置した。次に、得られた溶液を20分間スターラーで攪拌し、溶解せずに残ったPTFE粒子100個について、長径及び短径を測定し、(長径+短径)/2を粒径とし、100個のPTFE粒子の粒径の平均値を、PTFE粒子の平均粒子径とした。その結果、複合粒子における当該平均粒子径は、70μmであった。なお、短径の最小値は9μm、長径の最大値は264μmであった。
実施例1〜14および比較例1〜4
前述の各種配合成分を表1に示す配合比率にて、二軸押出機(東芝機械社製TEM−37SS)を用いて、溶融温度300℃にて混練し、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を得た。難燃性ポリカーボネート樹脂は、ガラス繊維以外の成分を第一フィーダー(原料供給口)から押出機バレル内に供給し、樹脂組成物を十分に溶融した後に、ガラス繊維を第二フィーダー(充填剤供給口)から押出機バレル内に供給した後、混練を行い、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。
<フィブリル直径(短軸方向最大幅)>
ガラス繊維を配合しないこと以外、実施例1と同様にして難燃性ポリカーボネート樹脂組成物ペレット(試験用)を作製した。得られたペレットにノッチを入れた後に、液体窒素で凍結し、流動方向に垂直な方向に破断させた。破断面を走査型電子顕微鏡で観察し、127μm×95μmの任意の一視野に存在するポリテトラフルオロエチレン(D)のフィブリルの最も太い部分の直径(短軸方向最大幅)が5μmを超えるフィブリルの個数、および、2μmを超えるフィブリルの個数を数えた。合計3つのペレットについて測定し、以下の基準で評価した。これらの評価結果を表1に示す。なお、ペレット破断面に露出するフィブリルにおいて、フィブリル断面の短軸方向最大幅をフィブリル直径と見做した。
◎:2μmを超えるフィブリルが1個以下
〇:2μmを超えるフィブリルが2個以上であるが、5μmを超えるフィブリルが1個以下
×:5μmを超えるフィブリルが2個以上
<難燃性>
表1に示す配合比率にて得られた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを120℃で4時間乾燥した後に、射出成形機(ファナック株式会社製、ROBOSHOT S2000i100A)を用いて設定温度260℃、射出圧力180MPaにて難燃性評価用試験片(125×13×1.5mm)を作製した。
得られた試験片を温度23℃湿度50%の恒温室の中で48時間放置し、アンダーライターズ・ラボラトリーズが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に準拠した難燃性の評価を行った。UL94Vとは、鉛直に保持した所定の試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後の残炎時間やドリップ性から難燃性を評価する方法であり、以下のクラスに分けられる。
V−0(◎) V−1(○) V−2(△)
各試料の残炎時間 10秒以下 30秒以下 30秒以下
5試料の全残炎時間 50秒以下 250秒以下 250秒以下
ドリップによる綿の着火 なし なし あり
*上記の条件に満たない物は“NR”(No Rating)(×)と表示される。

残炎時間とは着火源を遠ざけた後の試験片が燃焼を続ける時間の長さであり、ドリップによる綿の着火とは試験片の下端から300mm下にある標識用の綿が試験片からの滴下(ドリップ)物によって着火されるかどうかによって決定される。
<曲げ弾性率>
上記で得られた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを120℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(ファナック社製、ROBOSHOT S2000i100B)を用いて設定温度300℃、射出圧力80MPaにてISO試験法に準じた厚み4mmの試験片を作成し、得られた試験片を用いてISO 178に準じ曲げ弾性率(剛性)を測定し、以下の基準で評価した。これらの評価結果を表1に示す。
◎:曲げ弾性率が10GPa以上
〇:曲げ弾性率が6GPa以上10GPa未満
×:曲げ弾性率が6GPa未満
<シャルピー衝撃強度>
上記で得られた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを120℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(ファナック社製、ROBOSHOT S2000i100B)を用いて設定温度300℃、射出圧力80MPaにてISO試験法に準じた厚み4mmの試験片を作製した。得られた試験片を用いてISO179−1に準じノッチ付きシャルピー衝撃強度を測定し、以下の基準で評価した。これらの評価結果を表1に示す。
◎:衝撃強度が15kJ/m以上
〇:衝撃強度が10kJ/m以上15kJ/m未満
×:衝撃強度が10kJ/m未満
<成形品外観>
曲げ弾性率(剛性)を測定した試験片について、ガラス繊維の浮きによる成形品表面の荒れ具合について目視にて観察し、以下の基準で評価した。これらの評価結果を表1に示す。
◎:ガラス繊維の浮きによる成形品表面の荒れがないもの
○:ガラス繊維の浮きによる成形品表面の荒れがわずかしかないもの
×:ガラス繊維の浮きによる成形品表面の荒れが多く認められるもの
Figure 2019206650
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物の優れた機械的強度及び剛性が損なわれることなく、難燃性および成型品の外観に優れるため、その産業上の利用価値は極めて高い。例えば、電気機器や電子機器に使用される薄肉筐体や内部シャーシに用いる金属製品の代替品への使用が可能であり、製品の軽量化が出来る。また、このような樹脂組成物から得られた成形品へ外部力が印加された場合に、当該成形品が撓み、成形品内部に収納される電子部品へ損傷を及ぼすといった不具合の発生が可及的に抑えられる。

Claims (11)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)30〜70質量%およびガラス繊維(B)30〜70質量%からなる樹脂組成物100質量部に対し、シリコーン系難燃剤(C)0.5〜8質量部、および、ポリテトラフルオロエチレン(D)を含有する難燃性ポリカーボネート樹脂組成物であって、
    組成物中のポリテトラフルオロエチレン(D)の含有量が0.1〜1.0質量%である、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. ガラス繊維(B)がエポキシ系集束剤またはウレタン系集束剤で処理され、繊維断面の平均直径が6〜20μmである請求項1に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. ガラス繊維(B)が繊維断面の長径の平均値が10〜50μmであり、長径と短径の比(長径/短径)の平均値が2〜8である扁平断面を有する、請求項1または2に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. さらに、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリメタクリルスチレン、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリアミド、および、エチレンビニルアセテート重合体からなる群より選択される少なくとも1種の(E)熱可塑性樹脂を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 熱可塑性樹脂(E)の平均粒子径が5μm以下である請求項4に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 熱可塑性樹脂(E)の含有量が、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物中、0.005〜5質量%である請求項4または5に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  7. さらに、リン酸エステル系難燃剤を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  8. 前記樹脂組成物において、ガラス繊維を配合せずに作製した試験用樹脂組成物を流動方向に垂直な方向に凍結破断させた破断面を走査型電子顕微鏡で観察した127μm×95μmの任意の一視野に存在するポリテトラフルオロエチレン(D)のフィブリルの最も太い部分の直径が5μm以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  9. ポリテトラフルオロエチレン(D)のフィブリルの最も太い部分の直径が2μm以下であることを特徴とする、請求項8に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  10. ポリテトラフルオロエチレン(D)の平均粒子径が200μm以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られた樹脂成形品。
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