JP2019199397A - 光学ガラスおよび光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】フツリン酸ガラスの光学素子材料としての利用価値を更に高めること。【解決手段】屈折率の温度係数dn/dTが0℃−1未満であり、ガラス転移温度Tgが550℃以下であり、かつアッベ数νdが50未満のフツリン酸ガラスである光学ガラス。【選択図】なし

Description

本発明は、光学ガラスおよび光学素子に関する。
リン、酸素およびフッ素を含むフツリン酸ガラスの例が、例えば特許文献1〜4に記載されている。
特開2005−112717号公報 特開2013−151410号公報 特開昭51−114412号公報 特開昭58−217451号公報
フツリン酸ガラスは、色収差を補正するための光学素子材料として利用価値が高い。本発明の一態様は、かかるフツリン酸ガラスの光学素子材料としての利用価値を更に高めることを目的とする。
本発明の一態様は、屈折率の温度係数dn/dTが0℃−1未満であり、ガラス転移温度Tgが550℃以下であり、かつアッベ数νdが50未満のフツリン酸ガラスである光学ガラスに関する。
上記光学ガラスは、屈折率の温度係数dn/dTが0℃−1未満である。即ち、上記光学ガラスの屈折率の温度係数dn/dTは、負(マイナス)の値である。
本発明および本明細書における屈折率の温度係数dn/dT(以下、単に「dn/dT」とも記載する。)は、日本光学硝子工業会規格JOGIS18−2008「光学ガラスの屈折率の温度係数の測定方法」に規定されている波長632.8nmにおける相対屈折率の温度係数であり、干渉法により測定される値である。
撮像素子系や投影光学系等の各種光学系において、色収差の補正のために、異なる光学特性を有する光学ガラスからなるレンズを複数作製し、これらのレンズを組み合わせて光学系を構成することが行われている。このような光学系をdn/dTが正の値を有する光学ガラスからなるレンズのみを用いて構成すると、各レンズを構成する光学ガラスの屈折率は温度変化に対して同様の増減傾向を示すため、光学系全体の温度変化の影響を個々のレンズで相殺することは困難である。これに対し、dn/dTが負の値を有する光学ガラスからなるレンズは、dn/dTが正の値を有する光学ガラスからなるレンズと組み合わせることにより、光学系全体の温度変化の影響を個々のレンズで相殺することを可能にすることができる。その結果、温度変化に対し、光学系の性能(例えば結像性能等)を良好な状態に維持することができる。この点において、dn/dTが負の値である上記光学ガラスは、光学素子材料として有用である。例えば、正の屈折力を有する複数のレンズを組み合わせて構成される光学系では、すべてのレンズの屈折率の温度係数が正であると、温度上昇に伴い焦点距離が短くなるため、ピントずれが生じて結像性能は低下してしまう。これに対し、複数のレンズの中に屈折率の温度係数が負のレンズが含まれると、このレンズは温度上昇に伴い焦点距離が長くなるため、光学系全体としての焦点距離の変化を相殺または低減することができる。
また、従来のフツリン酸ガラスは分散が低い。これに対し、上記光学ガラスは、50未満のアッベ数νdを有する高分散フツリン酸ガラスである。このように従来のフツリン酸ガラスでは実現困難であった高分散特性を有する点からも、上記光学ガラスは、光学素子材料として有用である。
本発明の一態様によれば、光学素子材料として利用価値が高いフツリン酸ガラスである光学ガラス、およびかかる光学ガラスからなる光学素子を提供することができる。
[光学ガラス]
上記光学ガラスは、フツリン酸ガラスである。本発明および本明細書において、「フツリン酸ガラス」とは、ガラスを構成する元素として、リン、酸素およびフッ素を少なくとも含むガラスをいうものとする。
以下、上記光学ガラスについて、更に詳細に説明する。
<屈折率の温度係数dn/dT>
上記光学ガラスは、屈折率の温度係数dn/dTが0℃−1未満である。dn/dTが0℃−1未満、即ち負の値であれば、かかる光学ガラスにより、上述のように光学系全体の温度変化の影響を個々のレンズで相殺または低減することを可能にすることができる。上記光学ガラスのdn/dTは、一態様では、−1.0×10−6ー1以下、−2.0×10−6ー1以下、−3.0×10−6ー1以下、−3.5×10−6ー1以下、−4.0×10−6ー1以下、−4.5×10−6ー1以下、または−5.0×10−6ー1以下であることができる。また、上記光学ガラスのdn/dTの下限は、一態様では、−10.0×10−6ー1以上、−9.0×10−6ー1以上、−8.0×10−6ー1以上、または−5.0×10−6ー1以上であることができる。ただし上記の例示した下限を下回ってもよい。
<アッベ数νd>
アッベ数νdは分散に関する性質を表す値であり、d線、F線、C線における各屈折率nd、nF、nCを用いてνd=(nd−1)/(nF−nC)と表される。
上記光学ガラスのアッベ数νdは50未満であり、好ましくは49以下であり、より好ましくは48以下であり、更に好ましくは47以下であり、一層好ましくは46以下であり、より一層好ましくは45以下である。上記光学ガラスは、従来のフツリン酸ガラスでは実現困難であった上記範囲のアッベ数νdを有する高分散ガラスである点で、光学素子材料として有用である。また、上記光学ガラスのアッベ数νdは、ガラスの熱的安定性を良好に維持するという観点からは、例えば33以上、34以上、35以上または36以上であることができる。
<ガラス転移温度Tg>
上記光学ガラスは、ガラス転移温度Tgが550℃以下の光学ガラスである。ガラス転移温度が低いと、ガラスを再加熱、軟化してプレス成形する際の加熱温度を低くすることができる。その結果、ガラスとプレス成形型との融着を抑制しやすくなる。また加熱温度を低くすることができるので、ガラスの加熱装置、プレス成形型等の熱的消耗を低減することもできる。更に、ガラスのアニール温度も低くすることができるので、アニール炉の寿命を延ばすことができる。ガラス転移温度は、好ましくは540℃以下であり、より好ましくは530℃以下であり、更に好ましくは520℃以下である。また、ガラス転移温度Tgは、例えば、400℃以上、450℃以上または480℃以上とすることができる。
上記範囲のdn/dT、アッベ数νdおよびガラス転移温度Tgは、以下に詳述するようにガラス組成を調整することによって実現することができる。
<ガラス組成>
本発明および本明細書において、カチオン成分の含有量および合計含有量は特記しない限りカチオン%で表示するものとし、アニオン成分の含有量および合計含有量は特記しないアニオン%で表示するものとする。
ここで、「カチオン%」とは、「(注目するカチオンの個数/ガラス成分のカチオンの総数)×100」で算出される値であって、注目するカチオン量のカチオン成分の総量に対するモル百分率を意味する。
また、「アニオン%」とは、「(注目するアニオンの個数/ガラス成分のアニオンの総数)×100」で算出される値であって、注目するアニオン量のアニオン成分の総量に対するモル百分率を意味する。
カチオン成分同士の含有量のモル比は、注目するカチオン成分のカチオン%表示による含有量の比に等しく、アニオン成分同士の含有量のモル比は、注目するアニオン成分のアニオン%表示による含有量の比に等しい。
カチオン成分の含有量とアニオン成分の含有量のモル比は、すべてのカチオン成分とすべてのアニオン成分の総量を100モル%としたときの注目する成分同士の含有量(モル%表示)の比率である。
なお、各成分の含有量は、公知の方法、例えば、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)、イオンクロマトグラフィ法等により定量することができる。
5+は、ネットワーク形成成分としての働きがある。Al3+は、ガラスの熱的安定性を維持し、化学的耐久性や加工性を改善する働きをする成分である。ガラスの熱的安定性を良好に維持する上から、P5+の含有量に対するAl3+の含有量のモル比(Al3+/P5+)は0.30以上であることが好ましい。アッベ数を維持した状態で、屈折率を高める上で、モル比(Al3+/P5+)を0.30以上とすることは効果的である。
モル比(Al3+/P5+)の好ましい下限は0.5である。一方、ガラスの熱的安定性を良好に維持する上から、モル比(Al3+/P5+)の好ましい上限は2、より好ましい上限は1である。
Nb5+は、上記光学ガラスに高分散特性を付与するうえで有用な成分である。また、Nb5+は、P5+ともにネットワーク形成成分としてガラスの熱的安定性を維持するとともに、部分分散比を増加させる働きがある。こうした効果を得るために、Nb5+の含有量は8%以上であることが好ましい。Nb5+の含有量のより好ましい下限は9%、更に好ましい下限は10%、一層好ましい下限は11%、より一層好ましい下限は12%である。一方、Nb5+の含有量が過剰になるとガラス熔融時の揮発性が著しくなり、ガラスの均質性が低下する傾向が生じる。そのため、Nb5+の含有量の好ましい上限は25%、より好ましい上限は23%、更に好ましい上限は20%である。
ガラスの熱的安定性を維持する上から、P5+およびNb5+の合計含有量(P5++Nb5+)は、好ましくは35%以上であり、より好ましくは38%であり、更に好ましくは40%である。P5+およびNb5+の合計含有量(P5++Nb5+)の好ましい上限は60%であり、より好ましい上限は58%であり、更に好ましい上限は55%であり、一層好ましい上限は53%である。
Al3+とNb5+は共にガラスに化学的耐久性向上に寄与する働きをする。ガラスに優れた化学的耐久性を付与する上から、Al3+およびNb5+の合計含有量は15%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、25%以上であることが更に好ましく、28%以上であることが一層好ましい。Al3+およびNb5+の合計含有量は、熱的安定性を維持する上からは、45%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましい。
2−の含有量は、高分散特性を得る観点から、80%以下であることが好ましく、78%以下であることがより好ましく、75%以下であることが更に好ましい。また、O2−は、ガラスの熱的安定性を維持する働きをする。ガラスの熱的安定性を維持する観点から、O2−の含有量は、40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることが更に好ましい。
は、ガラスに異常分散性を付与する働きや、ガラス転移温度を低下させたり、化学的耐久性を改善する働きがある。これらの働きを得る観点から、Fの含有量は20アニオン%以上であることが好ましく、23%以上であることがより好ましく、25%以上であることが更に好ましい。一方、ガラスの熱的安定性の維持の観点から、Fの含有量は60%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、40%以下であることが更に好ましい。
5+およびNb5+の合計含有量に対するO2−の含有量のモル比(O2−/(P5++Nb5+))は、ガラス熔融時の揮発性を抑制するという観点からは2.5以上であることが好ましく、2.6以上であることがより好ましく、2.7以上であることが更に好ましい。一方、ガラスの熱的安定性を維持する上から、モル比(O2−/(P5++Nb5+))は、3.5以下であることが好ましく、3.4以下であることがより好ましく、3.3以下であることが更に好ましい。
アルカリ土類金属成分、すなわち、Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+は、ガラスの粘性や屈折率を調整し、熱的安定性を向上させる働きをする成分である。上記効果を得るために、アルカリ土類金属成分の合計含有量R2+(Mg2++Ca2++Sr2++Ba2+)は20%以上であることが好ましく、23%以上であることがより好ましく、25%以上であることが更に好ましい。
一方、アルカリ土類金属成分の合計含有量R2+が過剰になると熱的安定性が低下する傾向を示すため、アルカリ土類金属成分の合計含有量R2+は、50%以下であることが好ましく、45%以下であることがより好ましく、40%以下であることが更に好ましく、35%以下であることが一層好ましい。
上記光学ガラスは、La3+、Gd3+、Y3+、Lu3+およびYb3+からなる群から選ばれる希土類成分を一種以上含んでもよく、含まなくてもよい。
ガラスの比重の増大を抑えるとともに、一定の屈折率に対して分散を高める上で、Al3+の含有量に対するLa3+、Gd3+、Y3+、Lu3+およびYb3+の合計含有量(La3++Gd3++Y3++Lu3++Yb3+)のモル比((La3++Gd3++Y3++Lu3++Yb3+)/Al3+)は、0.3以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましく、0.1であることが更に好ましい。モル比((La3++Gd3++Y3++Lu3++Yb3+)/Al3+)は0であってもよい。
次に、個々の成分の含有量について説明する。
5+は、フツリン酸ガラスにおいてガラスのネットワークを形成する必須成分である。熱的安定性を良好に維持する上から、P5+の含有量の好ましい下限は5%、より好ましい下限は10%、更に好ましい下限は20%である。化学的耐久性を良好に維持し、低分散性、異常部分分散性を維持する上から、P5+の含有量の好ましい上限は40%、より好ましい上限は38%、更に好ましい上限は35%である。
Al3+は、熱的安定性、化学的耐久性、加工性を向上させる働きをする成分であり、屈折率を高める働きもする。上記の観点から、Al3+の含有量の好ましい下限は5%、より好ましい下限は7%、更に好ましい下限は9%、一層好ましい下限は11%である。上記の観点から、Al3+の含有量の好ましい上限は40%、より好ましい上限は38%、更に好ましい上限は36%、一層好ましい上限は34%である。
原子%で表示されるガラス組成において、Al3+の含有量に対するO2−の含有量の比O2−/Al3+は、12未満であることが好ましく、10未満であることがより好ましく、9未満であることが更に好ましく、8未満であることが一層好ましい。O2−の含有量が多くなるとFの含有量が相対的に減少し、ガラス転移温度が上昇傾向を示す。一方、Al3+は、上記の通り、熱的安定性、化学的耐久性、加工性を向上させ、所望の光学特性を有する上で有用な成分である。Al3+の効果を十分に得つつ、ガラス転移温度の上昇を抑えるためには、原子%で表示されるガラス組成におけるAl3+の含有量に対するO2−の含有量の比O2−/Al3+が上記範囲であることが好ましい。上記の比O2−/Al3+の下限については、Al3+の含有量が相対的に増加することによる耐失透性の低下を抑制する観点からは、例えば2以上または3以上を目安とすることができる。
なお、原子%で表示されるガラス組成における各成分の含有量は、全カチオン成分と全アニオン成分の合計含有量を100モル%としたときの各成分の含有量をモル百分率で表した値として算出される。
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+の個々の成分の好ましい含有量は次のとおりである。
Mg2+の含有量の好ましい範囲は0〜10%、より好ましい範囲は0〜8%である。
Ca2+の含有量の好ましい範囲は0〜20%、より好ましい範囲は0〜15%である。
Sr2+の含有量の好ましい範囲は0〜40%、より好ましい範囲は0〜30%である。
Ba2+の含有量の好ましい下限は5%、より好ましい下限は10%、好ましい上限は50%、より好ましい上限は40%である。
La3+、Gd3+、Y3+、Lu3+の個々の好ましい含有量は次のとおりである。
La3+の含有量の好ましい範囲は0〜5%、より好ましい範囲は0〜3%である。
Gd3+の含有量の好ましい範囲は0〜5%、より好ましい範囲は0〜3%である。
3+の含有量の好ましい範囲は0〜5%、より好ましい範囲は0〜3%である。
Lu3+の含有量の好ましい範囲は0〜5%、より好ましい範囲は0〜3%である。
Yb3+は、赤外域において光吸収を有するため、赤外光による撮像のための使用には好ましくない。したがって、Yb3+の含有量は、他の希土類成分の合計含有量とのモル比(Yb3+/(La3++Gd3++Y3++Lu3++Yb3+))を用いて以下のように制限することが好ましい。すなわち、La3+、Gd3+、Y3+、Lu3+およびYb3+の合計含有量に対するYb3+の含有量のモル比(Yb3+/(La3++Gd3++Y3++Lu3++Yb3+))を0.5以下とすることが好ましく、0.1以下とすることがより好ましく、0とすること(Yb3+の含有量が0%であること)が更に好ましい。
Zn2+は、屈折率を維持しつつ熱的安定性を向上させる働きを有し、その含有量は0〜10%の範囲とすることが好ましい。Zn2+の含有量のより好ましい上限は8%であり、更に好ましい上限は5%である。Zn2+の含有量は0%であってもよい。
アルカリ金属成分は、ガラスの粘性を調整したり、熱的安定性を向上させたりする働きを有するカチオン成分である。アルカリ金属成分の合計含有量Rが過剰になると熱的安定性が低下する。そのため、アルカリ金属成分の合計含有量Rは、0〜30%であることが好ましい。上記の観点から、Rのより好ましい範囲は0〜20%、更に好ましい範囲は0〜15%である。Rの上限は、一層好ましくは10%、より一層好ましくは8%、更に一層好ましくは7%である。また、ガラスに優れた化学的耐久性を付与する上からも、Rを上記の範囲にすることが好ましい。
一方、ガラス転移温度を低くする観点から、Rの好ましい下限は1%、より好ましい下限は2%、更に好ましい下限は3%である。
アルカリ金属成分Rとして、Li、Na、K、Rb、Csを示すことができる。Rb、Csは他のアルカリ金属成分と比較し、ガラスの比重増大を招きやすい。
したがって、Rbの含有量は0〜3%であることが好ましく、0〜2%であることがより好ましく、0〜1%であることが更に好ましく、0%であってもよい。
Csの含有量は0〜3%であることが好ましく、0〜2%であることがより好ましく、0〜1%であることが更に好ましく、0%であってもよい。
ガラスの熱的安定性を維持する上から、Liの含有量の好ましい範囲は0〜30%、より好ましい範囲は2〜20%、更に好ましい範囲は3〜10%であり、一層好ましい範囲は3〜7%であり、より一層好ましい範囲は3〜5%である。
ガラスの熱的安定性を維持する上から、Naの含有量の好ましい範囲は0〜10%、より好ましい範囲は0〜8%、更に好ましい範囲は0〜6%である。
ガラスの熱的安定性を維持する上から、Kの含有量の好ましい範囲は0〜10%、より好ましい範囲は0〜8%、更に好ましい範囲は0〜6%である。
Si4+、Ti4+、W6+、Bi3+、Zr4+は、少量であれば含有させることができるが、過剰に含有させると熔融性や熱的安定性が低下する。したがって、Si4+、Ti4+、W6+、Zr4+の含有量は、それぞれ、0〜5%の範囲とすることが好ましく、0〜3%の範囲とすることがより好ましく、0〜1%の範囲にすることが更に好ましく、0%としてもよい。
3+は、少量の含有でも著しい揮発性を示す。揮発を助長させないためにB3+の含有量を2%以下とすることが好ましい。B3+の含有量の好ましい範囲は0〜1%、より好ましい範囲は0〜0.1%であり、0%であることが更に好ましい。
ガラス熔融装置に取り付けられているパイプから熔融ガラスを流出する際、パイプ外周へのガラス融液の濡れ上がりを抑制し、濡れ上がりによるガラスの品質低下を抑制するために、Clを含有させることが有効である。Clの含有量の好ましい範囲は0〜1%、より好ましい範囲は0〜0.5%、更に好ましい範囲は0〜0.3%である。Clには清澄剤としての効果もある。
この他、清澄剤としてSb3+、Ce4+等を少量添加することもできる。清澄剤の総量は0%以上であることができ、1%未満とすることが好ましい。例えば、Sb3+およびCe4+の合計含有量は、0%以上であることができ、1%未満であることが好ましい。
Pb、Cd、As、Thは、環境負荷が懸念される成分である。
そのため、上記光学ガラスは、Pb、Cd、AsおよびThの少なくとも一つを実質的に含まないことが好ましい。
Pb2+の含有量が0〜0.5%であることが好ましく、0〜0.1%であることがより好ましく、0〜0.05%であることが一層好ましく、Pb2+を実質的に含まないことが特に好ましい。
Cd2+の含有量が0〜0.5%であることが好ましく、0〜0.1%であることがより好ましく、0〜0.05%であることが一層好ましく、Cd2+を実質的に含まないことが特に好ましい。
As3+の含有量が0〜0.1%であることが好ましく、0〜0.05%であることがより好ましく、0〜0.01%であることが一層好ましく、As3+を実質的に含まないことが特に好ましい。
Th4+の含有量が0〜0.1%であることが好ましく、0〜0.05%であることがより好ましく、0〜0.01%であることが一層好ましく、Th4+を実質的に含まないことが特に好ましい。
上記光学ガラスは、好ましくは、可視領域の広い範囲にわたり高い透過率を示すことができる。こうした特長を活かすには、上記光学ガラスは着色剤を含まないことが好ましい。着色剤としては、Cu、Co、Ni、Fe、Cr、Eu、Nd、Er、V等を例示することができる。上記光学ガラスは、Cu、Co、Ni、Fe、Cr、Eu、Nd、ErおよびVの少なくとも一つを実質的に含まないことが好ましい。カチオン%表示によるCu、Co、Ni、Fe、Cr、Eu、Nd、Er、Vの含有量の範囲は、いずれの元素とも、100ppm未満であることが好ましく、0〜80ppmであることがより好ましく、0〜50ppm以下であることが更に好ましく、実質的に含まれないことが特に好ましい。ここでppmとはカチオンppmのことである。
また、Hf、Ga、Ge、Te、Tbは、高価な成分である。そのため、光学ガラスは、Hf、Ga、Ge、TeおよびTbの少なくとも一つを実質的に含まないことが好ましい。カチオン%表示によるHf、Ga、Ge、Te、Tbの含有量の範囲は、いずれの元素とも、0〜0.1%であることが好ましく、0〜0.05%であることがより好ましく、0〜0.01%であることが更に好ましく、0〜0.005%であることが一層好ましく、0〜0.001%であることがより一層好ましく、実質的に含まれないことが特に好ましい。
上記光学ガラスは、Hf、Ga、Ge、Te、Tbを導入することなく、各種特性を示すことができる。
<ガラス特性>
ガラス特性に関して、上記光学ガラスは、0℃−1未満のdn/dT、550℃以下のガラス転移温度Tgおよび50未満のアッベ数νdを有する。以下に、上記光学ガラスが有し得るガラス特性について更に説明する。
(部分分散比Pg,F)
上記光学ガラスは、好ましくは、正の異常分散性を有する。
正の異常分散性の指標としては、部分分散比Pg,Fが使用されている。部分分散比Pg,Fは、F線(波長486.13nm)における屈折率nF、C線(波長656.27nm)におけるnCならびにg線(波長435.84nm)における屈折率ngを用い、次式のように表される。
Pg,F=(ng−nF)/(nF−nC) ・・・(1)
上記光学ガラスは、一態様では、アッベ数νdと部分分散比Pg,Fが下記(2)式を満たすことが好ましい。
Pg,F > −0.0004νd+0.5718 ・・・(2)
アッベ数νdと部分分散比Pg,Fが上記(2)式を満たす光学ガラスは、高次の色収差補正用の光学ガラスとして好適である。
(透過率)
上記光学ガラスは、好ましくは着色が極めて少なく、カメラレンズ等の撮像用の光学素子や、プロジェクタ等の投射用の光学素子の材料として好適である。
上記光学ガラスの好ましい態様は、波長400nm〜700nm、厚さ10mmにおける内部透過率が96.5%以上のガラスである。
上記内部透過率の好ましい範囲は97%以上、更に好ましい範囲は98%以上、一層好ましい範囲は99%以上である。
なお、レーザー用ガラス等の発光イオン、例えばNd、Eu、Er、V等を含むガラスは、可視領域に吸収を有するため、カメラレンズ等の撮像用の光学素子や、プロジェクタ等の投射用の光学素子の材料には向いていない。
(液相温度)
上記光学ガラスの好ましい態様は、液相温度が1000℃以下の光学ガラスである。液相温度が低いと、ガラスの熔融、成形温度を低下させることができる。その結果、熔融、成形時のガラスの揮発性を低減することができ、脈理の発生、光学特性の変動を抑制することができる。
液相温度のより好ましい範囲は950℃以下、更に好ましい範囲は900℃以下である。
(比重)
上記光学ガラスは、部分分散比を増加させるものの比重も増加させる希土類に頼らず、主としてNb5+の含有により部分分散比を高めることができ、部分分散比が大きいフツリン酸ガラスの中で比較的小さい比重を有することができる。
上記光学ガラスの好ましい態様は、比重が4.3以下の光学ガラスである。比重を小さくすることにより光学素子を軽量化することができる。
比重のより好ましい範囲は4.2以下、更に好ましい範囲は4.1以下である。比重は、例えば3.5以上であることができる。
(屈折率nd)
上記光学ガラスの屈折率ndは、特に限定されるものではない。一態様では、屈折率ndは、例えば1.58以上、好ましくは1.60以上、より好ましくは1.62以上であることができる。また、屈折率ndは、例えば1.70以下であることができるが、これを上回ることもできる。
<ガラスの製造方法>
上記光学ガラスは、例えば所要の特性が得られるようにガラス原料を調合、熔融、成形することにより得ることができる。ガラス原料としては、例えばリン酸塩、フッ化物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等を用いればよい。ガラスの熔融法、成形法については公知の方法を用いればよい。
[プレス成形用ガラス素材とその製造方法およびガラス成形体の製造方法]
本発明の一態様によれば、上記光学ガラスからなるプレス成形用ガラス素材、上記光学ガラスからなるガラス成形体、おおびそれらの製造方法を提供することができる。
プレス成形用ガラス素材とは、加熱して、プレス成形に供されるガラス塊を意味する。
プレス成形用ガラス素材の例としては、精密プレス成形用プリフォーム、光学素子ブランクをプレス成形するためのガラス素材(プレス成形用ガラスゴブ)等のプレス成形品の質量に相当する質量を有するガラス塊を示すことができる。
プレス成形用ガラス素材は、ガラス成形体を加工する工程を経て作製される。ガラス成形体は上記のようにガラス原料を加熱、熔融し、得られた熔融ガラスを成形して作製することができる。ガラス成形体の加工法としては、切断、研削、研磨等を例示することができる。
[光学素子ブランクとその製造方法]
本発明の一態様によれば、上記光学ガラスからなる光学素子ブランクを提供することができる。光学素子ブランクは、製造しようとする光学素子の形状に近似する形状を有するガラス成形体である。光学素子ブランクは、製造しようとする光学素子の形状に加工によって除去する加工代を加えた形状にガラスを成形する方法等により作製すればよい。例えば、プレス成形用ガラス素材を加熱、軟化してプレス成形する方法(リヒートプレス法)、公知の方法で熔融ガラス塊をプレス成形型に供給しプレス成形する方法(ダイレクトプレス法)等により光学素子ブランクを作製することができる。
[光学素子とその製造方法]
本発明の一態様によれば、上記光学ガラスからなる光学素子を提供することができる。光学素子の種類としては、球面レンズ、非球面レンズ等のレンズ、プリズム、回折格子等を例示することができる。レンズの形状としては、両凸レンズ、平凸レンズ、両凹レンズ、平凹レンズ、凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズ等の諸形状を示すことができる。光学素子は、上記光学ガラスからなるガラス成形体を加工する工程を含む方法により製造することができる。加工としては、切断、切削、粗研削、精研削、研磨等を例示することができる。上記光学素子により、温度変化に対する性能(例えば結像性能等)の変化が少ない光学系を構成することができる。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。ただし、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示すガラス組成になるように、各成分を導入するための原料としてそれぞれ相当するリン酸塩、フッ化物、酸化物等を用い、原料を秤量し、十分に混合して調合原料とした。
この調合原料を白金製の坩堝に入れ、加熱、熔融した。熔融後、熔融ガラスを鋳型に流し込み、ガラス転移温度付近まで放冷してから直ちにアニール炉に入れ、ガラスの転移温度範囲で約1時間アニール処理した後、炉内で室温まで放冷することにより、表1に示す各光学ガラスを得た。
得られた光学ガラスを光学顕微鏡により拡大観察したところ、結晶の析出、白金粒子等の異物、泡は認められず、脈理も見られなかった。
このようにして得られた光学ガラスの諸特性を表1に示す。
光学ガラスの諸特性は、以下に示す方法により測定した。
(1)屈折率nd、ng、nF、nCおよびアッベ数νd
降温速度−30℃/時間で降温して得られたガラスについて、日本光学硝子工業会規格の屈折率測定法により、屈折率nd、ng、nF、nC、アッベ数νdを測定した。
(2)部分分散比Pg,F
上記(1)で求めた屈折率ng、nF、nCから、部分分散比Pg,Fを算出した。
(3)ガラス転移温度Tg
NETZSCH社製の示差走査熱量分析装置(DSC3300)を使用し、昇温速度10℃/分にしてガラス転移温度Tgを測定した。
(4)屈折率の温度係数dn/dT
直径20mm、厚さ5mmの円板状の試料を作製し、He−Neガスレーザーを用いて、日本光学硝子工業会規格JOGIS18−2008「光学ガラスの屈折率の温度係数の測定方法」にしたがい、波長632.8nmにおける相対屈折率の温度係数dn/dTを干渉法により測定した。詳しくは、試料温度を−40℃から80℃まで20℃間隔で昇温し(昇温速度:約1℃/分)、試料温度と干渉縞の移動本数を連続して測定して得られた結果から、温度20〜40℃における屈折率の温度係数dn/dTを求めた。
(5)比重
アルキメデス法により比重を測定した。
(6)液相温度LT
白金坩堝内にガラス50gを入れ、白金の蓋をした状態で1100℃、20分後で熔解した後、所定の温度で2時間保持した。2時間保持した後のガラスを観察し、結晶析出の有無から液相温度LTを求めた。
表1に示す各ガラスについて、上記の方法によりガラスを850℃で2時間保持した後、目視および光学顕微鏡を用いた拡大観察(100倍)を行った結果、結晶の析出は認められなかった。
したがって、表1に示す各ガラスの液相温度LTは1000℃以下である。
(7)透過率
表1に示す実施例の各ガラスについて、日本光学硝子工業会規格の内部透過率測定(JOGIS−17)に従い、厚さ10mmでの内部透過率を測定したところ、すべての実施例のガラスは96.50%以上の透過率を有していた。
以上の結果を、表1(表1−1、表1−2)に示す。
(注)正の値の場合は、下記式を満たす。
Pg,F>−0.0004νd+0.5718
(注)正の値の場合は、下記式を満たす。
Pg,F>−0.0004νd+0.5718
表1中の実施例の原子%で表示されるガラス組成を、表2(表2−1、表2−2)に示す。

(実施例2)
上記実施例1の各光学ガラスを用いて、前述の公知の方法により、レンズブランクを作製した。作製されたレンズブランクを研削、研磨して各種レンズ(両凸レンズ、凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズ)を作製した。
いずれのレンズも軽量であって、高次の色収差補正に好適なものである。
実施例2の各レンズを屈折率の温度係数dn/dTが正の光学ガラスからなるレンズと組み合わせることにより、dn/dTが正の光学ガラスからなるレンズのみを用いて構成された光学系と比べて温度変化に対する結像性能の変化が少なく結像性能が安定な光学系を構成することができる。
最後に、前述の各態様を総括する。
一態様によれば、屈折率の温度係数dn/dTが0℃−1未満であり、ガラス転移温度Tgが550℃以下であり、かつアッベ数νdが50未満のフツリン酸ガラスである光学ガラスが提供される。
上記光学ガラスは、屈折率の温度係数dn/dTが負の値であり、かつ従来のフツリン酸ガラスでは実現困難であった高分散特性を有するフツリン酸ガラスである点で、光学素子材料として有用である。更に、上記光学ガラスはガラス転移温度Tgが550℃以下であるため、プレス成形に適する、
一態様では、上記光学ガラスのNb5+の含有量は、8カチオン%以上であることができる。
一態様では、上記光学ガラスのP5+およびNb5+の合計含有量(P5++Nb5+)は、35カチオン%以上であることができる。
一態様では、上記光学ガラスのモル比(O2−/(P5++Nb5+))は、3.5以下であることができる。
一態様によれば、上記光学ガラスからなる光学素子が提供される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上述の例示されたガラス組成に対し、明細書に記載の組成調整を行うことにより、本発明の一態様にかかるガラスを得ることができる。
また、明細書に例示または好ましい範囲として記載した事項の2つ以上を任意に組み合わせることは、もちろん可能である。

Claims (5)

  1. 屈折率の温度係数dn/dTが0℃−1未満であり、ガラス転移温度Tgが550℃以下であり、かつアッベ数νdが50未満のフツリン酸ガラスである光学ガラス。
  2. Nb5+の含有量が8カチオン%以上である、請求項1に記載の光学ガラス。
  3. 5+およびNb5+の合計含有量(P5++Nb5+)が35カチオン%以上である、請求項1または2に記載の光学ガラス。
  4. モル比(O2−/(P5++Nb5+))が3.5以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学ガラスからなる光学素子。
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