<概要>
本開示の実施形態に係る搬送装置の概要について説明する。なお、本実施形態において、以下の<>にて分類された項目は、独立または関連して利用されうる。また、本実施形態では、搬送装置を用いて楕円形状の眼鏡レンズ(以下、レンズ)を挟持する構成を例示するが、正円形状、正円形状以外の形状(例えば、点対称な形状)の眼鏡レンズを挟持することも可能である。
例えば、本実施例における搬送装置(例えば、搬送装置1)には、レンズを加工するために用いるレンズ加工用装置が取り付けられており、本開示を搬送装置にて適用することが可能である。もちろん、本開示の技術の少なくとも一部は、レンズ加工用装置において適用されもよい。このようなレンズ加工用装置は、レンズメータ、軸出し装置、カップ取付装置、等の少なくともいずれかであってもよい。
例えば、本実施例における搬送装置は、第1クランプピンユニット(例えば、第1クランプピンユニット10)を備える。第1クランプピンユニットは、レンズを側面方向から挟持する第1ピン(例えば、第1クランプピン10a)及び第2ピン(例えば、第2クランプピン10b)からなる1対のクランプピンを有する。また、例えば、本実施例における搬送装置は、第2クランプピンユニット(例えば、第2クランプピンユニット20)を備える。第2クランプピンユニットは、レンズを第1クランプピンユニットとは異なる側面方向から挟持する第3ピン(例えば、第3クランプピン20a)及び第4ピン(例えば、第4クランプピン20b)からなる1対のクランプピンを有する。
なお、搬送装置は、少なくとも第1クランプピンユニットと第2クランプピンユニットとを備える構成であればよい。つまり、搬送装置は、第1クランプピンユニット及び第2クランプピンユニットに加えて、第3クランプピンユニット、第4クランプピンユニット、等を備えていてもよい。
例えば、第1クランプピンユニット及び第2クランプピンユニットは、各ピンの側面がレンズの側面と平行(略平行)となるように各ピンを近づけることによって、レンズを側面方向から挟持してもよい。また、例えば、第1クランプピンユニット及び第2クランプピンユニットは、各ピンの側面がレンズの側面に対して斜めとなるように各ピンを近づけることによって、レンズを側面方向から挟持してもよい。すなわち、クランプピンユニットは、レンズの側面側を含む側面方向から、レンズを挟持してもよい。
例えば、本実施例における搬送装置は、第1移動手段(例えば、制御部280)を備えていてもよい。第1移動手段は、第1クランプピンユニットの一対のクランプピンを開閉方向に連動して移動させる。また、例えば、本実施例における搬送装置は、第2移動手段(例えば、制御部280)を備えていてもよい。第2移動手段は、第2クランプピンユニットの一対のクランプピンを開閉方向に連動して移動させる。例えば、第1移動手段と第2移動手段とが互いに独立して駆動することで、レンズをクランプピンユニットに挟持させることができる。例えば、この場合、第1クランプピンユニットの第1ピン及び第2ピンがレンズを挟持する方向に移動する距離と、第2クランプピンユニットの第3ピン及び第4ピンがレンズを挟持する方向に移動する距離と、が互いに異なる距離で移動するように、第1移動手段及び第2移動手段を駆動させて、レンズをクランプピンユニットに挟持させてもよい。
例えば、第1移動手段と第2移動手段とは、それぞれが別途設けられてもよい。例えば、この場合には、第1クランプピンユニットを移動させるための駆動部(例えば、モータ等)と、第2クランプピンユニットを移動させるための駆動部と、が第1移動手段及び第2移動手段としてそれぞれ設けられてもよい。これによって、第1移動手段と第2移動手段とを完全に独立して駆動させることができる。すなわち、第1クランプピンユニットと、第2クランプピンユニットと、をそれぞれ独立に移動させて開閉することができる。
また、例えば、第1移動手段と第2移動手段とは、少なくとも一部が兼用されてもよい。例えば、この場合には、第1クランプピンユニットを移動させるための駆動部と、第2クランプピンユニットを移動させるための駆動部と、が第1移動手段及び第2移動手段として兼用されてもよい。すなわち、1つの駆動部によって、第1クランプピンユニットと第2クランプピンユニットとが移動されてもよい。例えば、このような構成とした際には、第1移動手段と第2移動手段とのいずれか一方の駆動が停止しても、他方の駆動は停止しないようにすることで、第1移動手段と第2移動手段とを独立して駆動させてもよい。
一例として、1つの駆動部により第1クランプピンユニットと第2クランプピンユニットの移動が開始され、第1クランプピンユニットが第2クランプピンユニットよりも先にレンズに接触した場合を説明する。例えば、第1クランプピンユニットの開閉の停止は、第2クランプピンユニットの開閉に干渉しないような構成としてもよい。すなわち、第1クランプピンユニットがレンズに接触することでその開閉を停止しても、駆動部を駆動し続けることで、第2クランプピンユニットの開閉が継続されるようにしてもよい。これによって、第1クランプピンユニットと第2クランプピンユニットの双方をレンズに接触するまで移動させることができる。なお、第2クランプピンユニットが第1クランプピンユニットよりも先にレンズに接触した場合であっても、第2クランプピンユニットの開閉の停止が第1クランプピンユニットの開閉に干渉しないような構成とすることで、第1クランプピンユニットと第2クランプピンユニットの双方をレンズに接触するまで移動させることができる。つまり、第1クランプピンユニットと、第2クランプピンユニットと、がそれぞれ独立に移動されて開閉される。
例えば、本実施例における搬送装置は、このように、レンズを側面方向から挟持する1対のクランプピンを有する第1クランプピンユニットと、レンズを第1クランプピンユニットとは異なる側面方向から挟持する1対のクランプピンを有する第2クランプピンユニットと、を少なくとも備えるクランプピンユニットを備え、第1クランプピンユニットと、第2クランプピンユニットと、を互いに独立して開閉方向に移動させる。これによって、例えば、レンズが楕円形状であっても、各クランプピンユニットが備えるクランプピンは、レンズの長径方向と短径方向のいずれの方向からも、レンズの側面に接触するようになる。このため、レンズを安定に挟持することができる。
例えば、第1クランプピンユニットが備える第1ピンと第2ピンとは、クランプピンユニットのクランプ中心位置(例えば、クランプ中心位置D1)から等距離に配置されてもよい。また、第1ピンと第2ピンとは、対向して配置されてもよい。なお、第1ピンと第2ピンとは、クランプ中心位置から等距離かつ対向に配置されてもよい。また、第1ピンと第2ピンとは、クランプ中心位置から等距離かつ非対向に配置されてもよい。また、第1ピンと第2ピンとは、クランプ中心位置から異なる距離かつ対向に配置されてもよい。また、第1ピンと第2ピンとは、クランプ中心位置から異なる距離かつ非対向に配置されてもよい。
同様に、例えば、第2クランプピンユニットが備える第3ピンと第4ピンとは、クランプピンユニットのクランプ中心位置(例えば、クランプ中心位置D2)から等距離に配置されてもよい。また、第3ピンと第4ピンとは、対向して配置されてもよい。なお、第3ピンと第4ピンとは、クランプ中心位置から等距離かつ対向に配置されてもよい。また、第3ピンと第4ピンとは、クランプ中心位置から等距離かつ非対向に配置されてもよい。また、第3ピンと第4ピンとは、クランプ中心位置から異なる距離かつ対向に配置されてもよい。また、第3ピンと第4ピンとは、クランプ中心位置から異なる距離かつ非対向に配置されてもよい。
例えば、クランプ中心位置とは、第1ピンと第2ピン、あるいは、第3ピンと第4ピンを互いに接触させたときの接点である。また、各ピンの対向とは、第1ピンの側面から第2ピンの側面をみた場合(または、第3ピンの側面から第4ピンの側面をみた場合)に、第1ピンと第2ピンとの少なくとも一部が互いに重なる程度に向き合っていればよい。すなわち、第1ピンとクランプ中心を結ぶ直線と、第2ピンとクランプ中心を結ぶ直線と、のなす角度は、必ずしも180度でなくてもよい。
例えば、本実施例では、第1クランプピンユニットが備える第1ピンと第2ピンとが、クランプピンユニットのクランプ中心位置から等距離かつ対向して配置されるとともに、第2クランプピンユニットが備える第3ピンと第4ピンとが、クランプピンユニットのクランプ中心位置から等距離かつ対向して配置される。例えば、レンズが楕円形状であった場合、レンズの中心から、レンズの中心を通る直線上に位置するレンズの側面の2点までの距離は等しくなる。クランプ中心位置にレンズの中心付近を合わせたときには、クランプ中心位置に対して第1ピンと第2ピンとが等距離かつ対向に配置されていることで、レンズの側面に各ピンが接触するまでの距離を等しくすることができる。同様に、クランプ中心位置に対して第3ピンと第4ピンとが等距離かつ対向に配置されていることで、レンズの側面に各ピンが接触するまでの距離を同じにすることができる。このため、レンズを安定に挟持するとともに、レンズを容易に求心することができる。
なお、第1ピン及び第2ピンからクランプ中心位置までの距離と、第3ピン及び第4ピンからクランプ中心位置までの距離と、は異なっていてもよいし、同一(すなわち、等距離)であってもよい。第1ピン及び第2ピンからクランプ中心位置までの距離と、第3ピン及び第4ピンからクランプ中心位置までの距離と、を異なる距離に設定した場合は、各ピンにレンズを挟持させる際に、レンズの長径方向と短径方向を考慮することで、レンズを安定に挟持することができる。例えば、各ピンからクランプ中心までの距離が長いクランプピンユニットにレンズの長径方向が挟持されるように、また、各ピンからクランプ中心までの距離が短いクランプピンユニットにレンズの短径方向が挟持されるように、クランプピンの位置あるいはレンズの向きを調整してもよい。
例えば、本実施例では、第1ピン及び第2ピンからクランプ中心位置までの距離と、第3ピン及び第4ピンからクランプ中心位置までの距離と、が等距離に設定される。これによって、各クランプピンユニットに対するレンズの向きを考慮しなくても、レンズを各ピンの中におさめることができるため、レンズを容易に挟持させることができる。また、レンズがより求心(位置合わせ)されやすくなる。
また、例えば、本実施例では、第1クランプピンユニットが有する第1ピン及び第2ピンと、第2クランプピンユニットが有する第3ピン及び第4ピンと、がクランプ中心位置を中心とした同一円周上の周方向に等間隔で配置されてもよい。すなわち、各ピンとクランプ中心位置とを結ぶ直線のなす角度が等角度となるように、第1クランプピンユニットが有する第1ピン及び第2ピンと、第2クランプピンユニットが有する第3ピン及び第4ピンと、が配置されてもよい。例えば、第1ピン、第2ピン、第3ピン、及び第4ピンが等間隔でない場合は、レンズが強く挟持される方向と弱く挟持される方向とができてしまうが、各ピンを等間隔で配置することで、レンズを均一に挟持し、より安定にレンズを保持することができる。
例えば、本実施例における搬送装置は、制御手段(例えば、制御部280)を備えていてもよい。制御手段は、クランプピンユニットに対するレンズの位置を制御する。例えば、制御手段は、レンズの中心がクランプ中心位置付近に位置するように、レンズの位置を制御してもよい。この場合、制御手段は、レンズを搬送するためのレンズ搬送ユニット(例えば、レンズ搬送ユニット200)に保持されたレンズの中心を、測定ユニット(例えば、測定ユニット300)を用いて検出し、検出されたレンズの中心をクランプ中心位置付近に一致させるように、レンズ搬送ユニットの駆動を制御してもよい。例えば、レンズの中心がクランプ中心位置付近に位置するように、レンズの位置を手動で制御する場合には、軸出しユニットにより検出されるレンズの外形形状、光学特性の測定結果、等に基づいて、レンズを載置する位置を誘導するようにしてもよい。
例えば、本実施例における搬送装置は、レンズの中心がクランプ中心位置付近に位置するようにレンズの位置を制御し、制御手段により位置決めされたレンズを、第1移動手段及び第2移動手段によって挟持する。すなわち、制御手段が、レンズの中心がクランプ中心位置付近に位置するように、レンズを搬送し、第1クランプピンユニット及び第2クランプピンユニットが、制御手段により位置決めされたレンズをクランプする。例えば、各クランプユニットを用いて、このように予め位置が制御されたレンズを挟持することで、レンズを求心する際の調整が容易になる。なお、本実施例において、レンズの中心とは、レンズの幾何学中心または光学中心の少なくともいずれかであってもよい。
例えば、本実施例における搬送装置は、判定手段(例えば、制御部380)を備えていてもよい。判定手段は、レンズの中心とクランプ中心位置とが一致したか否かを判定する。例えば、判定手段による判定は、レンズ搬送ユニットによりレンズが搬送されたときから常に実行されてもよいし、搬送されたレンズをクランプピンユニットで挟持したタイミングで実行されてもよい。
例えば、判定手段は、クランプ中心位置を中心とした所定の許容範囲内にレンズの中心が位置していた場合に、レンズの中心とクランプ中心位置とが一致したと判定してもよい。また、例えば、判定手段は、クランプ中心位置を中心とした所定の許容範囲内にレンズの中心が位置していなかった場合に、レンズの中心とクランプ中心位置とが一致していないと判定してもよい。なお、所定の許容範囲は、予め実験やシミュレーション等から設定されていてもよいし、任意に設定できてもよい。
例えば、判定手段による判定結果に基づいて、第1移動手段と第2移動手段との少なくともいずれかは、クランプピンユニットによるレンズの挟持を再度実施し、レンズの中心とクランプピンのクランプ中心位置とを一致させるようにしてもよい。すなわち、判定手段がレンズの中心とクランプ中心位置とが一致していないと判定したときに、クランプピンユニットによるレンズの挟持を再度実施し、レンズの中心とクランプピンのクランプ中心位置とを一致させるようにしてもよい。
この場合、第1移動手段のみを制御し、第1クランプピンユニットによるクランプを再度実施してもよい。第2移動手段のみを制御し、第2クランプピンユニットによるクランプを再度実施してもよい。もちろん、第1移動手段及び第2移動手段を制御し、第1クランプピンユニット及び第2クランプピンユニットによるクランプを再度実施してもよい。例えば、第1クランプピンユニット及び第2クランプピンユニットによる再クランプを交互に繰り返し実施することで、レンズの中心とクランプピンのクランプ中心位置とを徐々に一致させるようにしてもよい。例えば、眼鏡レンズを挟持した際に、眼鏡レンズの中心とクランプピンのクランプ中心位置とが一致していなくても、このような構成を備えることによって、眼鏡レンズの求心を精度よく行うことができる。
例えば、本実施例における搬送装置は、レンズを載置するためのレンズ支持手段(例えば、レンズ支持部)と、レンズの周縁を加工するためにレンズを挟み込んで保持するレンズ保持手段(例えば、レンズチャック軸)の、レンズに対する取付け位置である軸出し位置を設定する軸出し位置設定手段であって、レンズ支持手段に載置されたレンズの軸出し位置を設定する軸出し位置設定手段(例えば、測定光学系310)と、を備えていてもよい。また、例えば、本実施例における搬送装置は、レンズ保持手段にレンズを保持するためのカップを、軸出し位置設定手段によって設定された軸出し位置に基づいてレンズに取り付けるカップ取付手段であって、レンズ支持手段に載置されたレンズの表面にカップを取り付けるためのカップ取付手段(例えば、カップ取付部)と、を備えていてもよい。例えば、軸出し位置は、レンズの光学中心位置、幾何学中心位置、等の少なくともいずれかであってもよい。
<実施例>
以下、本開示における典型的な実施例について、図面を参照して説明する。図1は搬送装置の外観略図である。搬送装置1は、眼鏡レンズを搬送する。例えば、搬送装置は、トレイ搬送ユニット100、レンズ搬送ユニット200、測定ユニット300、レンズ加工ユニット400、等を備える。
トレイ搬送ユニット100は、左右一対のレンズLEが載置されたトレイ500を、所定の受け渡し位置まで搬送する。レンズ搬送ユニット200は、所定の受け渡し位置に置かれたトレイ500と、測定ユニット300と、の間でレンズLEを保持して搬送する。また、レンズ搬送ユニット200は、所定の受け渡し位置に置かれたトレイ500と、レンズ加工ユニット400と、の間でレンズLEを保持して搬送する。測定ユニット300は、レンズ搬送ユニット200によって保持されたレンズLEの光学中心を検出するとともに、その光学特性を測定する。レンズ加工ユニット400は、レンズLEを研削加工する。以下、各装置の構成を順に説明する。
<トレイ搬送ユニット>
例えば、トレイ搬送ユニット100は、ベルトコンベア101で構成される。ベルトコンベア101上にはトレイ500が載置され、トレイ500にはレンズLEの作業番号が記憶されたIDタグ501が取り付けられている。トレイ500は矢印A方向に順次搬送され、レンズ搬送ユニット200がレンズLEの受け渡しを行う所定の位置Q1で止められる。トレイ500のIDタグ501は、所定の位置Q1に配置されるIDタグ読取器502に読み取られる。
<レンズ搬送ユニット>
図2はレンズ搬送ユニット200の概略図である。レンズ搬送ユニット200は、第1ハンド210、第2ハンド220、XYZ移動機構230、等を備える。XYZ移動機構230は、第1ハンド210及び第2ハンド220を、左右方向(X方向)、上下方向(Y方向)、及び前後方向(Z方向)に移動させる。XYZ移動機構230は、搬送ベース231、レール232、X移動ベース240、Y移動ベース250、等を備える。
搬送ベース231は、トレイ搬送ユニット100、測定ユニット300、及びレンズ加工ユニット400、と平行に延びる。レール232は、搬送ベース231上に設けられる。X移動ベース240は、レール232上を左右方向(X方向)に移動可能に取り付けられる。モータ235は、搬送ベース231に取り付けられる。ボールねじ234は、モータ235の回転軸に連結される。連結ブロック236は、X移動ベース240に固定され、ボールねじ234と螺合する。例えば、モータ235が駆動すると、ボールねじ234が回転し、連結ブロック236、及び連結ブロック236に固定されたX移動ベース240、がレール232に沿ってX方向に移動する。
ガイド軸233は、X移動ベース240に固定される。モータ237は、X移動ベース240に取り付けられる。ボールねじ243は、モータ237の回転軸に連結される。Y移動ベース250は、ボールねじ243と螺合する。例えば、モータ237が駆動すると、ボールねじ243が回転し、Y移動ベース250が、ガイド軸233及びボールねじ243に沿ってY方向に移動する。
ホルダ238は、Y移動ベース250上を旋回可能に取り付けられる。モータ239は、Y移動ベース250内に設けられている。例えば、モータ239が駆動すると、モータの回転軸に取り付けられた図示なきギヤを介して、ホルダ238が180度旋回する。第1ハンド210は、未加工のレンズLEを吸着保持するためのレンズ保持部であり、ホルダ238の一端に設けられる。第2ハンド220は、加工済みのレンズLEを吸着保持するための保持部であり、ホルダ238の他端に設けられる。第1ハンド210及び第2ハンド220は、モータ241及びモータ242によりそれぞれ上下方向(Z方向)に移動可能にホルダ238に保持されている。
図3は第1ハンド210の先端部分を拡大した図である。第1ハンド210の先端には、吸着基部211が固定される。例えば、本実施例における吸着基部211はU字状(略U字状)に形成され、測定ユニット300によるレンズLEの光学特性測定、印点等のマーク検出、等を妨げないようになっている。吸着基部211には、その下面に3つの吸着片212が設けられる。例えば、本実施例における吸着片212は、第1ハンド210が有するXZ方向の保持基準軸線L1を中心として等間隔に配置され、未加工のレンズLEの表面を吸着する。それぞれの吸着片212には吸引孔が設けられ、吸引孔は吸着基部211及び第1ハンド210の内部に形成された空気通路を経て、チューブ213に連通する。チューブ213は、空気の吸引と送出を行うポンプユニット214に接続される。例えば、ポンプユニット214を吸引駆動させると、レンズLEは吸着片212によって吸着保持される。また、例えば、ポンプユニット214の吸引駆動を停止させると、吸引が大気圧に戻り、レンズLEの吸着保持が解除される。
図4は第2ハンド220の先端部分を拡大した図である。第2ハンド220の先端には、吸着基部221が固定される。吸着基部221には、第2ハンド220が有するXZ方向の保持基準軸線L2を中心として、その下面にラッパ状の吸着片222が設けられる。吸着片222には吸引孔が設けられ、吸着片222は吸着基部221及び第2ハンド220の内部に形成された空気通路を経て、チューブ223に連通する。チューブ223は、空気の吸引と送出を行うポンプユニット224に接続される。例えば、ポンプユニット214を駆動させることで、第1ハンド210と同様に、吸着片222によるレンズLEの吸着保持とその解除が行われる。
例えば、レンズ搬送ユニット200は、このような構成によって、第1ハンド210及び第2ハンド220を、左右方向(X方向)、上下方向(Y方向)、及び前後方向(Z方向)に移動させる。また、第1ハンド210及び第2ハンド220に吸着保持されたレンズLEを、測定ユニット300及びレンズ加工ユニット400まで搬送する。なお、第1ハンド210及び第2ハンド220はレンズLEの周縁を挟持する構成としてもよく、本実施例に限定されない。
<測定ユニット>
図5は測定ユニット300の概略図である。測定ユニット300は、筐体301の内部に測定光学系310を備える。例えば、測定ユニット300は、少なくともレンズLEの光学特性を検出するための測定光学系と、光学特性とは異なるレンズ情報(例えば、レンズの外形、レンズに付された印点、等)を検出するための測定光学系と、を共有する。なお、レンズLEの光学特性を検出するための測定光学系と、光学特性とは異なるレンズ情報を検出するための測定光学系とは、それぞれ別に設けられてもよい。
例えば、測定光学系310は、レンズLEの表面側に、照明光源311、コリメータレンズ312、ハーフミラー313、絞り314、撮像レンズ315、及び撮像素子316、等を備える。また、測定光学系310は、レンズLEの裏面側に、指標板317及び反射部材318等を備える。照明光源311は、LED(Light Emitting Diode)で構成されてもよい。コリメータレンズ312は、照明光源311から照射された測定光を光軸L3と平行(略平行)にする。絞り314は、撮像レンズ315の焦点位置に配置され、照明光源311と共役な位置関係となっている。撮像素子316は、CCD(Charge Coupled Device)あるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)で構成されてもよい。撮像素子316は、指標板317によりレンズLEに投影される測定指標像、レンズLEに施された印点、等を撮影する。指標板317には、レンズLEの光学特性を測定するための測定指標が、所定のパターンで形成されている。なお、測定指標の構成、及び測定指標を用いたレンズLEの光学特性測定については、特開2008−241694号公報を参照されたい。反射部材318は、測定光を入射方向と同一方向(略同一方向)に反射し、レンズLEを裏面側から照明する。
例えば、照明光源311から照射された測定光は様々な方向へと拡散するが、コリメータレンズ312を介すことで光軸L3と平行に屈折され、指標板317を介して反射部材318に到達する。この測定光は、反射部材318とハーフミラー313とにそれぞれ反射されることで光軸L4と平行に屈折され、絞り314及び撮像レンズ315を介して撮像素子316に到達する。
また、測定ユニット300は、レンズ搬送ユニット200により搬送されたレンズLEを挟持(クランプ)するクランプ機構320を備える。図6はクランプ機構320の概略図である。図6(a)はクランプ機構320を上面側から示し、図6(b)はクランプ機構320を下面側から示す。なお、便宜上、図6(a)では、図6(b)に点線で図示するベース板321を省略している。クランプ機構320は、第1クランプピンユニット10、第2クランプピンユニット20、第1リング部材30、第2リング部材40、プーリ50(プーリ50a、50b、及び50c)、プーリ60(プーリ60a、60b、及び60c)、モータ322、モータ323、ベース板321、等を備える。
第1クランプピンユニット10は、レンズLEを側面方向から挟持する。第1クランプピンユニット10は、一対のクランプピンである第1クランプピン10aと第2クランプピン10bとを有する。第1クランプピン10aと第2クランプピン10bとは、第1クランプピン10aと第2クランプピン10bとを互いに接触させたときの接点であるクランプ中心位置D1から、等距離かつ対向して配置される。本実施例では、第1クランプピン10aとクランプ中心位置D1とを結ぶ直線と、第2クランプピン10bとクランプ中心位置D1とを結ぶ直線と、のなす角度が180度(略180度)となるように、第1クランプピン10aと第2クランプピン10bとが配置される。言い換えると、第1クランプピン10aと第2クランプピン10bとを結ぶ直線の中点が、クランプ中心位置D1となる。
第2クランプピンユニット20は、レンズLEを第1クランプピンユニット10とは異なる側面方向から挟持する。第2クランプピンユニット20は、一対のクランプピンである第3クランプピン20aと第4クランプピン20bとを有する。第3クランプピン20aと第4クランプピン20bとは、第3クランプピン20aと第4クランプピン20bとを互いに接触させたときの接点であるクランプ中心位置D2から、等距離かつ対向して配置される。本実施例では、第3クランプピン20aとクランプ中心位置D2とを結ぶ直線と、第4クランプピン20bとクランプ中心位置D2とを結ぶ直線と、のなす角度が180度(略180度)となるように、第3クランプピン20aと第4クランプピン20bとが配置される。言い換えると、第3クランプピン20aと第4クランプピン20bとを結ぶ直線の中点が、クランプ中心位置D2となる。
例えば、このように第1クランプピンユニット10と第2クランプピンユニット20とをそれぞれクランプ中心位置から等距離かつ等間隔に配置することで、後述のようにクランプ中心位置にレンズの中心を一致(略一致)させるようにレンズを搬送した際には、各ピンが移動してレンズの側面に接触するまでの距離が等しくなる。レンズが正円形状であっても楕円形状であっても、第1クランプピンユニット10の第1クランプピン10aと第2クランプピン10bの移動距離は同一となる。また、第2クランプピンユニット20の第3クランプピン20aと第4クランプピン20bの移動距離は同一となる。このため、レンズをクランプしたときに、レンズが安定に保持される。
例えば、本実施例では、第1クランプピンユニット10が備える各クランプピンからクランプ中心位置D1までの距離と、第2クランプピンユニット20が備える各クランプピンからクランプ中心位置D2までの距離と、が等距離に設定されている。このため、クランプ中心位置D1とクランプ中心位置D2とは同位置となる。例えば、各クランプピンユニットは互いに独立して移動可能であるため(詳細は後述する)、第1クランプピンユニット10の各クランプピンからクランプ中心位置D1までの距離と、第2クランプピンユニット20の各クランプピンからクランプ中心位置D2までの距離と、が等しければ、搬送されたレンズの向きを考慮しなくても、楕円形状の長径方向と短径方向とをそれぞれクランプすることができる。
なお、第1クランプピンユニット10が備える各クランプピンからクランプ中心位置D1までの距離と、第2クランプピンユニット20が備える各クランプピンからクランプ中心位置D2までの距離と、は異なる距離に設定されていてもよい。この場合には、各クランプピンがレンズの長径方向と短径方向とをクランプできるように、クランプ中心位置に対する各クランプピンの位置を変更させるようにしてもよい。あるいは、レンズの搬送時にレンズの向きを変更させるための構成を備えてもよい。
また、例えば、本実施例では、第1クランプピンユニット10が備える各クランプピンを結ぶ直線と、第2クランプピンユニット20が備える各クランプピンを結ぶ直線と、がクランプ中心位置で90度(略90度)に交わる。すなわち、第1クランプピン10a、第2クランプピン10b、第3クランプピン20a、及び第4クランプピン20b、はクランプ中心位置を中心とした同一円周上の周方向に等間隔(言い換えると、等角度)で配置される。このため、レンズの長径方向と短径方向とを均一にクランプでき、より安定にレンズが保持される。
図7は第2クランプピン10bを拡大した図である。図7(a)は第2クランプピン10bが支持位置にある状態である。図7(b)は第2クランプピン10bが退避位置にある状態である。本実施例では、第1クランプピン10aの構成と、第2クランプピン10bの構成と、が同一であるため、第2クランプピン10bの構成のみ説明する。なお、これらのクランプピンが備える構成は、その一部が異なっていてもよい。
第2クランプピン10bは、レンズ側アーム11の先端に配置される。レンズ側アーム11の後端と、ばね側アーム12の後端と、は第1リング部材30を貫通する連結シャフト13に固定されている。ばね側アーム12の先端には、ばね掛けピン14が固定されている。ばね掛けピン14は、第2リング部材40に設けられた開口部44(後述する連結板41、連結板42、及び押え板43、にそれぞれ設けられた開口部)を貫通する。ばね掛けピン14と、第1リング部材30の後面に固定されたバネ掛け15と、の間にはバネ16が掛けられている。バネ16は、第2クランプピン10bを閉じる方向(言い換えると、レンズLEを支持する方向)に付勢する。
ベース板321(図6(b)参照)には、プーリ60a、60b、及び60cが固定される。各プーリによって、第2リング部材40が回転可能に支持される。モータ323の回転軸にはギヤ17が噛み合い、ギヤ17は第2リング部材40と噛み合う。例えば、モータ323が回転するとギヤ17が回転し、第2リング部材40が中心軸Pの軸回りに回転する。第2リング部材40にはばね掛けピン14が貫通しているため、第2リング部材40の回転に連動して、ばね側アーム12が連結シャフト13の中心軸S1の軸回りに回転する。また、ばね側アーム12の回転に連動して、レンズ側アーム11が連結シャフト13の中心軸S1の軸回りに回転する。本実施例では、第2リング部材40が矢印B方向に回転することで、レンズ側アーム11が矢印C方向に移動する。これによって、第1クランプピンユニット10が備える第2クランプピン10bは、図7(a)に示す状態から図7(b)に示す状態となり、支持位置から退避位置へと移動する。すなわち、第1リング部材30は回転させず、第2リング部材40のみを回転させることで、第2クランプピン10bは支持位置から退避位置へと移動する。なお、本実施例では説明を省略するが、第1クランプピンユニット10が備える第1クランプピン10aと、第2クランプピンユニット20が備える第3クランプピン20a及び第4クランプピン20bと、も同様にして支持位置から退避位置へと移動する。
また、ベース板321には、プーリ50a、50b、及び50cが固定される。各プーリによって、第1リング部材30が回転可能に支持される。モータ322の回転軸にはギヤ18が噛み合い、ギヤ18は第1リング部材30と噛み合う。例えば、モータ322が回転するとギヤ18が回転し、第1リング部材30が中心軸Pの軸回りに回転する。第1リング部材30には連結シャフト13が貫通しているため、第1リング部材30の回転に連動して、連結シャフト13も中心軸Pの軸回りに回転する。なお、このとき、連結シャフト13とばね掛けピン14との位置関係を維持するように、第1リング部材30と一体的に第2リング部材40を中心軸Pの軸回りに回転させる。これによって、中心軸Pに対する第2クランプピン10bの位置が移動する。すなわち、第1リング部材30と、第2リング部材40と、をどちらも回転させることで、中心軸Pに対する第2クランプピン10bの位置が移動する。なお、本実施例では説明を省略するが、第1クランプピンユニット10が備える第1クランプピン10aと、第2クランプピンユニット20が備える第3クランプピン20a及び第4クランプピン20bと、も同様にして中心軸Pに対する位置が移動する。
例えば、本実施例では、第2リング部材40を回転させることによって、第1クランプピンユニット10が備える第1クランプピン10aと第2クランプピン10bとを、開閉方向に連動して移動させることができる。同様に、第2クランプピンユニット20が備える第3クランプピン20aと第4クランプピン20bとを、開閉方向に連動して移動させることができる。クランプピンの開閉方向とは、クランプピンが支持位置から退避位置、または、退避位置から支持位置に移動する方向である。また、例えば、本実施例では、第2リング部材40を回転させることによって、第1クランプピンユニット10と第2クランプピンユニット20とを、開閉方向に独立して移動させることができる。以下、第2リング部材40について詳細に説明する。
図8は第2リング部材40の概略図である。図8(a)は第2リング部材40の全体を示す。図8(b)は第2クランプピン10bが備えるばね掛けピン14が貫通する開口部44を示す。第2リング部材40は、連結板41、連結板42、押え板43、等で構成される。本実施例では、第2リング部材40の上面側に連結板41、第2リング部材40の下面側に押え板43が配置され、連結板41と押え板43との間に連結板42が配置される。
連結板41には、第1クランプピン10aのばね掛けピンが貫通する開口部45aと、第2クランプピン10bのばね掛けピン14が貫通する開口部45bと、が設けられる。開口部45a及び45bは、ばね掛けピンの直径と同程度の横幅をもっている。また、連結板41には、第3クランプピン20aのばね掛けピンが貫通する開口部45cと、第4クランプピン20bのばね掛けピンが貫通する開口部45dと、が設けられる。開口部45c及び45dは、ばね掛けピンの直径よりも広い横幅をもっている。
連結板42には、第1クランプピン10aのばね掛けピンが貫通する開口部46aと、第2クランプピン10bのばね掛けピンが貫通する開口部46bと、が設けられる。開口部46a及び46bは、ばね掛けピンの直径よりも広い横幅をもっている。また、連結板42には、第3クランプピン20aのばね掛けピンが貫通する開口部46cと、第4クランプピン20bのばね掛けピンが貫通する開口部46dと、が設けられる。開口部46c及び46dは、ばね掛けピンの直径と同程度の横幅をもっている。
押え板43には、第1クランプピンユニット10が備える第1クランプピン10aと第2クランプピン10b、第2クランプピンユニット20が備える第3クランプピン20aと第4クランプピン20b、の各ばね掛けピンが貫通する開口部47が設けられる。開口部47は、後述する各ばね掛けピンの移動を妨げない大きさであればよい。押え板43は、連結板41及び連結板42を外れないようにするために設けられている。
例えば、連結板41の開口部47a及び47bを貫通する各ばね掛けピンは、連結板41の回転にともなって移動するため、第1クランプピン10aと第2クランプピン10bとが開閉方向に連動して移動する。なお、連結板41の開口部47a及び47bを貫通する各ばね掛けピンは、連結板42の開口部46a及び46bもそれぞれ貫通しているが、開口部46a及び46bの横幅が広いために、第1クランプピン10aと第2クランプピン10bとが移動しても、第3クランプピン20aと第4クランプピン20bとは移動しない。
同様に、例えば、連結板42の開口部46c及び46dを貫通する各ばね掛けピンは、連結板42の回転にともなって移動するため、第3クランプピン20aと第4クランプピン20bとが開閉方向に連動して移動する。なお、連結板42の開口部46c及び46dを貫通する各ばね掛けピンは、連結板41の開口部47c及び47dもそれぞれ貫通しているが、開口部47c及び47dの横幅が広いために、第3クランプピン20aと第4クランプピン20bとが移動しても、第1クランプピン10aと第2クランプピン10bとは移動しない。
例えば、第2リング部材40が上記のような構成であることにより、モータ323を駆動させると、第1クランプピンユニット10と第2クランプピンユニット20とは互いに連動して移動する。第1クランプピンユニット10と第2クランプピンユニット20との一方がレンズに接触して移動を停止しても、モータ323を駆動させ続けることで、他方はレンズに接触するまで移動することができる。すなわち、第1クランプピンユニット10と第2クランプピンユニット20とを、開閉方向に独立して移動させることができる。なお、本実施例では、1つのモータ(モータ323)により、第1クランプピンユニット10と第2クランプピンユニット20とを独立に移動させているがこれに限定されない。例えば、第1クランプピンユニット10を移動させるためのモータと、第2クランプピンユニット20を移動させるためのモータと、を設けることで、各クランプピンを開閉方向に独立して移動させてもよい。
<レンズ加工ユニット>
図9はレンズ加工ユニット400の概略図である。レンズチャック軸は、上下に延びる上チャック軸401と下チャック軸402とからなり、加工治具の装着されていないレンズLEを挟持して回転させることができる。上チャック軸401は、サブベース403の中央に設けられたチャック上部機構404によって上下方向に移動されるとともに、ホルダ405に取り付けられたパルスモータ406によって回転される。上チャック軸401の下端には、レンズ押え407が取り付けられている。下チャック軸402は、メインベース408に固定されたホルダ409に回転可能に保持され、パルスモータ406によって上チャック軸401と同期して回転される。
図10はレンズチャック軸を拡大した図である。下チャック軸402の上端には、ゴム製の吸着部410aをもつ吸着部材410が取り付けられている。吸着部410aは、中央部が窪んだラッパ状に形成されている。吸着部410aの中央部には吸引孔が開けられており、下チャック軸402の内部に形成された空気通路411を介して、空気の吸引及び送出を行うポンプユニット412が接続されている。レンズ搬送ユニット200によりレンズLEを吸着部材410上に配置すると、上チャック軸401が下降するとともに、ポンプユニット412の吸引駆動が開始される。これによって、レンズLEは、その周縁の加工中に移動しないように保持される。レンズLEを取り外すときは、ポンプユニット412の吸引駆動を停止することで、吸引が大気圧に戻り、レンズLEの吸着保持が解除される。
レンズチャック軸に保持されたレンズLEは、左右のレンズ研削部420L及び420Rが備える砥石群430によって、2つの方向から研削加工される。例えば、砥石群430は、プラスチック粗砥石、及び、ヤゲン溝をもつ仕上砥石、等であってもよい。レンズ研削部420L及び420Rは左右対称であり、サブベース403が備える移動機構によって、それぞれが上下左右方向に移動する。また、サブベース403の中央の奥側には、図示なきレンズ形状測定部が収納されている。なお、レンズ形状測定部によるレンズ形状測定、レンズ研削部による研削加工、等の詳細は、特開平9−253999号公報を参照されたい。
なお、本実施例では、レンズ加工ユニット400が砥石群430によりレンズLEを研削加工する構成を例示しているがこれに限定されない。例えば、レンズ加工ユニット400は切削加工具等を備え、切削加工具によりレンズを切削加工する構成としてもよい。また、本実施例では、レンズ加工ユニット400がレンズチャック軸によりレンズLEを吸着保持する構成を例示しているがこれに限定されない。例えば、粘着性の樹脂等によりレンズLEを粘着保持するような構成であってもよい。レンズチャック軸は、レンズLEを保持することが可能であればよい。
<制御系>
図11は搬送装置の制御系を示すブロック図である。本実施例では、トレイ搬送ユニット100に制御部180、レンズ搬送ユニット200に制御部280、測定ユニット300に制御部380、レンズ加工ユニット400に制御部480、がそれぞれ備えられる。各制御部は、各ユニットが備えるモータ等の駆動を制御する。なお、各制御部は、一般的なCPU(プロセッサ)、ROM、RAM、等で実現されてもよい。また、各制御部は、ホストコンピュータ(以下、ホストPCと略す)600及びIDタグ読取器502と接続され、無線または有線により通信可能となっている。ホストPC600には、図示なき入力部からレンズLEに関するデータを入力することができる。また、ホストPC600には、記憶部としてメモリ610が備えられる。メモリ610は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体であってもよい。例えば、メモリ610としては、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、着脱可能なUSBメモリ、等を使用することができる。
<制御動作>
以上のような構成を備える搬送装置において、レンズ搬送ユニット200が楕円形状のレンズLEを測定ユニット300まで搬送し、測定ユニット300のクランプ機構320によって、レンズをクランプする制御動作を説明する。
操作者は、トレイ500上の予め決められた位置にレンズLEの中心(略中心)が一致するように、レンズLEを左右一対にしてトレイ500上に載置する。また、操作者は、ホストPC600に、レンズLEの玉型形状データ、レンズLEのレイアウトデータ(例えば、レンズLEの光学中心と玉型形状との位置関係、等)、等のレンズデータを入力する。ホストPC600は、入力されたレンズデータ毎に作業番号を付与し、トレイ500のIDタグ501に作業番号を登録する。続いて、操作者は、トレイ500をベルトコンベア101に順次載せる。
トレイ搬送ユニット100の制御部180は、ベルトコンベア101を駆動させて、トレイ500を搬送する。また、制御部180は、トレイ500が所定の位置Q1まで来ると、その駆動を停止する。このとき、IDタグ読取器502によって、トレイ500に添付されたIDタグの作業番号が読み取られ、その信号がホストPC600に入力される。ホストPC600は、この作業番号に対応したレンズLEの加工に関するデータをレンズ加工ユニット400に送信する。また、ホストPC600は、レンズ搬送ユニット200に作動指令信号を送信する。
レンズ搬送ユニット200の制御部280は、各モータの駆動を制御して、レンズLEを測定ユニット300まで搬送する。例えば、本実施例では、レンズLEの中心が、クランプ機構320のクランプ中心位置付近に位置するように、各モータの駆動が制御され、レンズLEが搬送される。レンズLEの中心は、レンズLEの幾何学中心であっても、光学中心であってもよい。本実施例では、レンズLEの中心として、レンズLEの幾何学中心をクランプ中心位置付近に位置させる場合を例に挙げる。
制御部280は、第1ハンド210が有する保持基準軸線L1が、トレイ500上の予め決められた位置に一致(略一致)するように、X移動ベース240及びY移動ベース250を移動させる。これによって、レンズLEの幾何学中心は、吸着基部211に形成されたU字形状内の保持基準軸線L1付近に位置するようになる。その後、制御部280は、第1ハンド210を下降させ、ポンプユニット214による吸引を開始することにより、レンズLEを吸着片212に吸着保持させる。
続いて、制御部280は、第1ハンド210を上昇させるとともに、ホルダ238を180度旋回させることで、第1ハンド210を測定ユニット300側に向ける。また、制御部280は、第1ハンド210が有する保持基準軸線L1が、測定ユニット300の光軸L3に一致(略一致)するように、X移動ベース240及びY移動ベース250を移動させる。さらに、制御部280は、第1ハンド210を下降させ、レンズLEを所定の高さ(例えば、図7に示す各クランプピンの中央部5の高さ、等)に位置させる。例えば、このようにレンズLEの配置が完了すると、ホストPC600は、測定ユニット300に測定開始信号を送信する。
測定ユニット300の制御部380は、各モータの駆動を制御して、クランプ機構320にレンズLEを挟持させる。図12はクランプ機構320を上からみた図である。なお、レンズLEは第1ハンド210により吸着保持されているが、図12では第1ハンド210の図示を省略している。また、レンズLEは、レンズ搬送ユニット200の制御部280によって、レンズLEの幾何学中心とクランプ中心位置D1(クランプ中心位置D2)とが一致するように位置決めされている。
制御部380は、第1クランプピンユニット10及び第2クランプピンユニット20の各クランプピンが、レンズLEの長軸上の点付近と、レンズLEの短軸上の点付近と、をクランプするように、第1リング部材30と第2リング部材40とを一体的に回転させ、中心軸Pに対する各クランプピンの位置を移動させてもよい。例えば、退避位置にある各クランプピンは、図12に点線で示す軌跡に沿ってクランプ中心位置D1へと向かい、支持位置に移動する。このため、制御部380は、各クランプピンを、各クランプピンの軌跡がレンズLEの長軸上の点付近と短軸上の点付近との少なくともいずれかに接する位置に移動させてもよい。
続いて、制御部380は、第2リング部材40のみを回転させ、各クランプピンを退避位置から支持位置へと移動させる。本実施例では、楕円形状のレンズLEが第1ハンド210により吸着保持されているため、レンズLEには第1クランプピンユニット10と第2クランプピンユニット20とのいずれか一方が先に接触する。例えば、制御部380が第2リング部材40を回転させると、第2クランプピンユニット20(すなわち、第3クランプピン20a及び第4クランプピン20b)がレンズLEの長軸上の点付近に接触し、レンズLEをクランプする。このとき、第1クランプピンユニット10(すなわち、第1クランプピン10a及び第2クランプピン10b)はレンズLEの短軸上の点付近にまだ接触せず、レンズLEをクランプできない。
例えば、制御部380は、第2クランプピンユニット20がレンズLEをクランプしても、第2リング部材40の回転を継続する。第2クランプピンユニット20は既にレンズLEと接触しているため、第3クランプピン20a及び第4クランプピン20bの移動は停止する。すなわち、第2クランプピンユニット20がレンズLEと接触したことで、連結板42の回転が停止する。しかし、第1クランプピンユニット10は、レンズLEをクランプするまで移動し続ける。すなわち、第1クランプピンユニット10がレンズLEに接触するまで、連結板41は回転する。これによって、第2クランプピンユニット20がレンズLEの長軸上の点付近をクランプした後で、第1クランプピンユニット10がレンズLEの短軸上の点付近をクランプする。
例えば、本実施例では楕円形状のレンズLEをクランプする場合を例に挙げたため、レンズLEの長軸上の点付近に位置するクランプピンユニットがレンズLEに接触して移動を停止し、その後に、レンズLEの短軸上の点付近に位置するクランプピンユニットがレンズLEに接触して移動を停止する。例えば、正円形状のレンズLEをクランプする場合には、いずれのクランプピンユニットも同じタイミングでレンズLEに接触して移動を停止する。
例えば、制御部380がこのようにクランプ機構320を駆動することで、楕円形状のレンズLEを求心し、レンズLEの幾何学中心と、クランプ中心位置D1と、を一致(略一致)させることができる。なお、制御部380は、レンズLEの幾何学中心と、クランプ中心位置D1と、が一致したか否かを判定するようにしてもよい。本実施例では、光軸L3上にクランプ中心位置D1が位置するため、レンズLEの中心と、光軸L3と、が一致したか否かを判定するようにしてもよい。この場合、制御部380は、測定光学系310により検出されたレンズLE像を画像処理し、ボクシング中心を算出する。ボクシング中心は、レンズLE像を囲む四角形において、対向する各辺の中点を結んだ直線の交点である。例えば、楕円形状のレンズLEでは、その中心をボクシング中心と考えることができる。
制御部380は、レンズLEのボクシング中心の位置座標を求め、光軸L3の位置座標(設計上既知である)との差異を検出する。また、制御部380は、差異が許容範囲外であったときに、レンズLEの幾何学中心と、光軸L3(すなわち、クランプ中心位置D1)と、が一致していないと判定してもよい。このとき、制御部380は、第2リング部材40を逆回転させてレンズLEのクランプを一旦解除し、再び第2リング部材40を回転させてレンズLEを再度クランプするようにしてもよい。なお、制御部380は、第1クランプピンユニット10と、第2クランプピンユニット20と、の少なくともいずれかにおけるクランプを再度実施してもよい。クランプ機構320によりレンズLEがクランプされると、レンズ搬送ユニット200の制御部280は、第1ハンド210によるレンズLEの吸着を解除する。
測定ユニット300の制御部380は、測定光学系310により検出された指標像を画像解析し、レンズLEの光学特性を測定する。また、制御部380は、測定光学系310により検出された指標像を画像解析し、レンズLEの光学中心の位置座標を求める。光学中心の位置座標が求められると、レンズ搬送ユニット200の制御部280は、第1ハンド210が有する保持基準軸線L1が、レンズLEの光学中心に一致(略一致)するように、X移動ベース240及びY移動ベース250を移動させる。続いて、制御部280は、第1ハンド210を下降させてレンズLEを吸着し、レンズLEをレンズ加工ユニット400まで搬送する。例えば、制御部280は、X移動ベース240、Y移動ベース250、及びホルダ238を制御して、レンズLEをレンズ加工ユニット400の吸着部材410上に配置する。
レンズ搬送ユニット200の制御部280は、第1ハンド210によるレンズLEの吸着を解除する。レンズLEの吸着を解除した第1ハンド210は、レンズ加工ユニット400から離れる。レンズ加工ユニット400の制御部480は、ポンプユニット412を吸引駆動させることでレンズLEの後面側を吸着部材410に吸引させるとともに、上チャック軸401を下降させる。これによって、レンズLEはその光学中心とチャック軸の中心とが一致した状態で、チャック軸に保持(チャッキング)される。ホストPC600は、レンズLEのチャッキングが完了すると、操作者により入力されたレンズデータ等をレンズ加工ユニット400に出力し、加工を開始させる。
レンズ加工ユニット400は、レンズLEの加工を終えると、ホストPC600に加工終了信号を送信する。ホストPC600は、加工終了信号を受信すると、レンズ搬送ユニット200を再び制御する。レンズ搬送ユニット200の制御部280は、第2ハンド220をレンズ加工ユニット400側に旋回させる。また、制御部280は、レンズ加工ユニット400の上チャック軸401が上昇した後で、第2ハンド220の保持基準軸線L2がチャック軸の回転軸線L5と一致(略一致)するまで、第2ハンド220を移動させる。さらに、制御部280は、レンズ加工ユニット400の下チャック軸402の吸着が解除された後で、第2ハンド220が有する吸着片222にレンズLEを吸着保持させる。例えば、加工済みのレンズLEは第2ハンド220により搬送され、再びトレイ500まで戻される。
なお、左右一対のレンズLEのうち、片方のレンズの加工が完了すると、もう片方のレンズも同様の手順で搬送され、自動的に加工が行われる。以後、各トレイ500に載置されたレンズの搬送及び加工が自動的に繰り返される。
以上説明したように、例えば、本実施例における搬送装置は、眼鏡レンズを側面方向から挟持する1対のクランプピンを有する第1クランプピンユニットと、眼鏡レンズを第1クランプピンユニットとは異なる側面方向から挟持する1対のクランプピンを有する第2クランプピンユニットと、を少なくとも備えるクランプピンユニットを備え、第1クランプピンユニットと、第2クランプピンユニットと、を互いに独立して開閉方向に移動させる。これによって、例えば、眼鏡レンズが楕円形状であっても、各クランプピンユニットが備えるクランプピンは、眼鏡レンズの長径方向と短径方向のいずれの方向からも、眼鏡レンズの側面に接触するようになる。このため、眼鏡レンズを安定に挟持することができる。
また、例えば、本実施例における搬送装置では、第1クランプピンユニットが有する1対のクランプピンがクランプ中心位置から等距離かつ対向して配置されるとともに、第2クランプピンユニットが有する1対のクランプピンがクランプ中心位置から等距離かつ対向して配置される。例えば、眼鏡レンズが楕円形状であった場合、眼鏡レンズの中心から、眼鏡レンズの中心を通る直線上に位置する眼鏡レンズの側面の2点までの距離は等しくなる。クランプ中心位置に眼鏡レンズの中心付近を合わせたときには、クランプ中心位置に対して第1ピンと第2ピンとが等距離かつ対向に配置されていることで、眼鏡レンズの側面に各ピンが接触するまでの距離を等しくすることができる。同様に、クランプ中心位置に対して第3ピンと第4ピンとが等距離かつ対向に配置されていることで、眼鏡レンズの側面に各ピンが接触するまでの距離を同じにすることができる。このため、眼鏡レンズを安定に挟持するとともに、眼鏡レンズを容易に求心することができる。
また、例えば、本実施例における搬送装置は、第1ピン及び第2ピンからクランプ中心位置までの距離と、第3ピン及び第4ピンからクランプ中心位置までの距離と、が等距離である。第1ピン及び第2ピンからクランプ中心位置までの距離と、第3ピン及び第4ピンからクランプ中心位置までの距離と、が異なる距離であった場合には、各ピンに眼鏡レンズを挟持させる際に、眼鏡レンズの長径方向と短径方向を考慮する必要がある。しかし、第1ピン及び第2ピンからクランプ中心位置までの距離と、第3ピン及び第4ピンからクランプ中心位置までの距離と、を等距離とすることによって、眼鏡レンズの向きにかかわらず、眼鏡レンズを各ピンの中におさめることができるため、眼鏡レンズを容易に挟持させることができる。また、眼鏡レンズがより求心されやすくなる。
また、例えば、本実施例における搬送装置では、第1クランプピンユニットが有する第1ピン及び第2ピンと、第2クランプピンユニットが有する第3ピン及び第4ピンと、がクランプ中心位置を中心とした同一円周上の周方向に等間隔で配置される。第1ピン、第2ピン、第3ピン、及び第4ピンが等間隔でない場合は、眼鏡レンズが強く挟持される方向と弱く挟持される方向とができてしまうが、各ピンを等間隔で配置することで、眼鏡レンズを均一に挟持し、より安定に眼鏡レンズを保持することができる。
また、例えば、本実施例における搬送装置は、眼鏡レンズの中心がクランプ中心位置付近に位置するように、眼鏡レンズの位置を制御する。例えば、各クランプユニットを用いて、このように予め位置が制御された眼鏡レンズを挟持することで、眼鏡レンズを求心する際の調整が容易になる。
また、例えば、本実施例における搬送装置は、眼鏡レンズの中心とクランプ中心位置とが一致したか否かを判定し、判定結果に基づいて、クランプピンユニットによる眼鏡レンズの挟持を再度実施する。例えば、眼鏡レンズを挟持した際に、眼鏡レンズの中心とクランプピンのクランプ中心位置とが一致していなくても、このような構成を備えることによって、眼鏡レンズの求心を精度よく行うことができる。
<変容例>
なお、本実施例では、測定ユニット300が備えるクランプ機構320が第1クランプピンユニット10及び第2クランプピンユニット20の2つのクランプピンユニットを備える構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。クランプ機構320は、少なくとも2つのクランプピンユニットを備える構成であればよい。すなわち、第1クランプピンユニット10と、第2クランプピンユニット20と、に加えて、第3クランプピンユニット、第4クランプピンユニット、等が設けられてもよい。この場合には、第3クランプピンユニットを開閉方向に連動して移動させる第3移動手段、第4クランプピンユニットを開閉方向に連動して移動させる第4移動手段、等をそれぞれ設け、各クランプピンユニットを互いに独立して駆動させてもよい。また、この場合には、それぞれのクランプピンユニットが備えるクランプピンを、クランプ中心位置を中心とした同一円周上の周方向に等間隔(等角度)で配置してもよい。すなわち、3対のクランプピンユニットを備える構成であれば各クランプピンを60度、4対のクランプピンユニットを備える構成であれば各クランプピンを45度、に配置してもよい。
なお、本実施例では、クランプ機構320の第2リング部材40のみを回転させることで、各クランプピンを退避位置から支持位置へと移動させる構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、第1リング部材30のみを回転させることで、各クランプピンを退避位置から支持位置へと移動させてもよい。この場合、各クランプピンは中心軸S1の軸回りの回転方向が本実施例とは逆向きになるため、各クランプピンが開く方向にバネ16を付勢させてもよい。
なお、本実施例では、第1クランプピンユニット10が備える各クランプピンがクランプ中心位置から等距離かつ対向して配置され、また、第2クランプピンユニット20が備える各クランプピンがクランプ中心位置から等距離かつ対向して配置される構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、第1クランプピンユニット10と第2クランプピンユニット20とのいずれか一方は、各クランプピンがクランプ中心位置から等距離かつ対向して配置されなくてもよい。すなわち、いずれか一方のクランプピンユニットが備える各クランプピンは、クランプ中心位置から互いに異なる距離で対向するように配置されてもよい。クランプ中心位置から等距離で非対向に配置されてもよい。クランプ中心位置から互いに異なる距離かつ非対向に配置されてもよい。このような構成であっても、クランプ機構320はレンズLEをクランプすることができる。
なお、本実施例では、クランプ機構320によって、楕円形状のレンズLEをクランプする構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。本実施例におけるクランプ機構320は、上記の構成を備えることによって、点対称な形状(例えば、正円形状、楕円形状、等を含む)をもつレンズLEをクランプすることができる。
なお、本実施例では、備えるクランプ機構320が、第1ハンド210により吸着保持された状態のレンズLEをクランプする構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、クランプ機構320は、レンズLEを載置するためのレンズ支持部を備え、レンズ支持部に載置されたレンズLEをクランプする構成としてもよい。レンズ支持部の一例としては、第1リング部材30の上部に保護カバー(例えば、透明なアクリル板、等)を設けてもよい。例えば、第1ハンド210に吸着保持されたレンズLEは、保護カバー上でその吸着保持が解除されることで、保護カバー上に載置される。クランプ機構320は、このようにして保護カバー上に載置されたレンズLEをクランプすることで、レンズLEを求心してもよい。すなわち、測定ユニット300とレンズLEの中心(例えば、幾何学中心)との位置合わせを行ってもよい。
なお、本実施例では、測定ユニット300を用いてレンズLEの光学特性を測定した後に、レンズLEの光学中心と、レンズ加工ユニット400が備えるレンズチャック軸の回転軸線L5と、を一致させるように、レンズ搬送ユニット200がレンズLEを搬送することで、レンズLEをレンズチャック軸に保持させる構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、レンズLEにカップを取り付けて搬送し、カップをレンズチャック軸に保持させる構成としてもよい。この場合、測定ユニット300にはレンズLEにカップを取り付けるためのカップ取付部を設け、レンズ加工ユニット400にはレンズチャック軸にカップを取り付けるためのカップホルダを設けておく。これにより、レンズ搬送ユニット200は、カップが取り付けられたレンズLEを搬送して、カップをカップホルダに取り付けることで、レンズLEをレンズチャック軸に保持させることができる。