JP2019191399A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019191399A
JP2019191399A JP2018084970A JP2018084970A JP2019191399A JP 2019191399 A JP2019191399 A JP 2019191399A JP 2018084970 A JP2018084970 A JP 2018084970A JP 2018084970 A JP2018084970 A JP 2018084970A JP 2019191399 A JP2019191399 A JP 2019191399A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
dust
image forming
fan
forming apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018084970A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7066502B2 (ja
Inventor
浩二 野島
Koji Nojima
浩二 野島
航太 青木
Kota Aoki
航太 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2018084970A priority Critical patent/JP7066502B2/ja
Priority to GB2015765.7A priority patent/GB2586545A/en
Priority to PCT/JP2019/018651 priority patent/WO2019208834A1/ja
Priority to DE112019002122.2T priority patent/DE112019002122T5/de
Publication of JP2019191399A publication Critical patent/JP2019191399A/ja
Priority to US17/077,422 priority patent/US11294311B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP7066502B2 publication Critical patent/JP7066502B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2039Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat with means for controlling the fixing temperature
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G21/00Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2017Structural details of the fixing unit in general, e.g. cooling means, heat shielding means
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G21/00Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge
    • G03G21/20Humidity or temperature control also ozone evacuation; Internal apparatus environment control
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G21/00Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge
    • G03G21/20Humidity or temperature control also ozone evacuation; Internal apparatus environment control
    • G03G21/206Conducting air through the machine, e.g. for cooling, filtering, removing gases like ozone

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Atmospheric Sciences (AREA)
  • Biodiversity & Conservation Biology (AREA)
  • Ecology (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】加熱回転体の周囲の温度状態に応じて微粒子(ダスト)を効率良く回収可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】ワックスを含有するトナーSを用いる画像形成部7と、画像をシートPに転写する転写部12aと、シートをニップ部101bにて加熱するベルトユニット101及び加圧ローラ102と、シート入口400からエアを吸気する吸気口52aを有するダクト52と、ダクトに設けられダストDを回収するフィルタ51と、ダクトに設けられ吸気を行うファン61と、を有するプリンタ1は、ベルトユニット近傍の温度を検知する温度検出手段67と、画像形成処理中にベルトユニット近傍の温度が高い場合はファンの風量が弱くなるように、温度が高い場合はファンの風量が弱くなるように制御する制御回路Aと、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、記録材上にトナーの画像を形成する画像形成装置に関する。この画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの機能を複数備えた複合機等として用いられる。
電子写真式の画像形成装置は、離型剤を含有するトナーを用いて記録材に画像を形成する。また、画像形成装置はトナーの画像を担持した記録材を加熱・加圧して記録材に画像を定着させる定着装置を備えている。
特許文献1に記載の定着装置では、定着ローラと加圧ローラの間にニップを形成し、このニップに記録材を通過させることで記録材にトナー像を定着させている。
また、特許文献1の画像形成装置は、離型剤を含有するトナーが加熱されて生じるダストを回収するための構成を備えている。詳細に述べると、この画像形成装置は定着ローラと対向する位置にダクトの開口が設けられており、この開口は定着ローラの長手方向に沿って延びている。このダクトはファンを有する排気路に接続されており、定着ローラ近傍のエアを排気路に案内する。排気路には静電フィルタ等のフィルタが設けられており、エアに含まれるダストを除去する。
特開2017−120284公報
フィルタは、エアに含まれるダストに加えて、装置内にある紙粉やトナー粉をも捕集する。そのため、ダストが発生していないときにファンを作動させてしまうと、フィルタは紙粉やトナー粉の吸引によって劣化してしまう。
本発明は上記従来技術の更なる改善に係り、その目的はフィルタの長寿命化を図ることにある。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、
離型剤を含有するトナーを用いて記録材にトナー像を第1の位置にて形成する画像形成部と、
前記第1の位置から搬送される記録材を第2の位置にて挟持搬送して熱と圧力による定着する加熱回転体および加圧回転体を有する定着部と、
前記第1の位置と前記第2の位置の間に吸気口を有するダクトと、
前記ダクトに設けられ離型剤に起因するダストを回収するためのフィルタと、
前記ダクトに吸気のためのエアフローを発生させるファンと、
前記加熱回転体の近傍の空間温度を検出する温度検出手段と、
前記ファンの動作を制御する制御部と、を有し、
前記加熱回転体の表面温度をTb(℃)
前記トナーのダスト発生温度をTws(℃)
前記温度検出手段によって検出された空間温度をTa(℃)
としたとき、前記制御部は以下の条件式(A)と(B)を満す場合に前記ファンを所定の第1の効率にて作動させ、満たさない場合は前記ファンを非作動にする又は前記第1の効率よりの効率を落した所定の第2の効率にて作動させることを特徴とする。
Tb≧Tws−Z ・・式(A)
ただし、Zは予め定めた調整温度値(℃)
Tws−Ta>第一温度 ・・式(B)
ただし、第一温度は予め定めた閾値温度(℃)
本発明によれば、フィルタの長寿命化を図ることができる。
実施例1の画像形成装置における定着装置近傍においてダストを回収する様子を示す図である。 (a)は定着装置周辺の構成を並べて斜視した図、(b)は定着装置の周辺におけるシート(記録材)の通過位置を示す図である。 (a)はダクトユニットの分解斜視図、(b)はダクトユニットが動作する様子を示す図である。 実施例1の画像形成装置の構成を示す図である。 (a)は定着装置の断面図、(b)はベルトユニットの分解斜視図である。 (a)は定着装置のニップ部近傍の横断面図、(b)は定着ベルトの層構成を示す図、(c)は加圧ローラの層構成を示す図である。 定着ベルトユニットの加圧機構を示す図である。 (a)はダストの生成過程を説明する図、(b)はダストの付着現象を説明する模式図、(c)はトナーの加熱温度と、周囲の空間温度の関係によって、ダスト生成の有無と粒子の大きさが決まることを説明するグラフである。 (a)はダスト発生温度Twsの測定装置を説明する図、(b)はヒータ温度とダスト濃度の関係を示すグラフである。 (a)は定着処理の進行に伴い拡大する定着ベルト上のワックス付着領域の様子を示す図、(b)はワックスの付着領域とダストDの発生領域の関係を示す図である。 定着ベルトの周辺の気流の流れを説明する図である。 制御回路と各構成の関連を示す図である。 ファンの制御を説明するフローチャートである。 (a)乃至(d)は温度情報とファン動作の関係を説明するシーケンス図である。 (a)はダストの瞬間ERと過冷却度ΔTの推移を説明するグラフ、(b)はダストの放出が終わる時間と、過冷却度ΔTを説明するグラフである。 (a)はダスト発生量の測定系を説明する図、(b)はダスト発生量の測定結果を説明するグラフである。
以下、本発明に関して実施例を用いて詳細に説明する。なお、特段の断りがない限り、本発明の思想の範囲内において、実施例に記載された各種構成を他の公知の構成に置き換えてもよい。
<実施例1>
(1)画像形成装置の全体構成
本実施例の特徴部分を説明する前に、画像形成装置の一例の全体構成について説明する。図4は本実施例における画像形成装置(以下、プリンタと記す)1の構成を示す模式図である。図12は制御回路と各構成の関係を示すブロック図である。
プリンタ1は、電子写真プロセスを用いる画像形成部7で画像(未定着のトナー画像)を形成し、この画像を転写部12aにて記録材Pに転写する。記録材Pはその表面に画像が形成される記録媒体である。記録材Pの例としては普通紙・厚紙・OHPシート・コート紙・ラベル紙等が挙げられる。以下、記録材をシートと記す、若しくは紙又は用紙とも記す。画像が転写されたシートPを定着部103で加熱することでシートPに画像を定着させる。
本実施例の説明で用いるプリンタ1は、電子写真プロセスを用いた4色フルカラーのマルチファンクションプリンタ(カラー画像形成装置)である。なお、プリンタ1は、モノクロのマルチファンクションプリンタやシングルファンクションプリンタであってもよい。以下、図を用いて詳細に説明する。
プリンタ1は、装置内の各構成を制御する制御回路部A(図12)を備えている。制御回路部Aは、CPU等の演算部やROM等の記憶部を備えた電気回路である。制御回路部Aは、ROM等に記憶されたプログラムをCPUが読みだすことで各種制御を行う制御部として機能する。
制御回路部Aは、パーソナルコンピュータ等の外部情報端末(不図示)やイメージリーダ2等の入力装置B、及び操作パネル(不図示)等の各種構成と電気的に接続されており、信号情報のやり取りが可能である。制御回路部Aは、入力装置Bから入力された画像信号に基づき装置内の各種構成を統括的に制御してシートP上に画像を形成させる。
また、制御回路部Aは、後述する定着ベルト105(加熱回転体)の近傍の温度を検出する温度検出手段67を有する。
図4に示すように、プリンタ1はトナー画像を形成する画像形成部7として第1から第4の4つの画像形成ステーション5Y、5M、5C、5K(以下、ステーションと記す)を備えている。ステーション5Y、5M、5C、5Kは、図4に示すように左側から右側にかけて並べて設けられている。
各ステーション5Y、5M、5C、5Kは、用いるトナーの色が異なる以外はほぼ同様に構成されている。そのため、ステーション5Y、5M、5C、5Kの詳細構成について説明する場合は第1のステーション5Yを代表例にして説明する。
ステーション5Yは、画像が形成される像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと記す)6を有する。また、ステーション5Yは、このドラム6に作用するプロセス手段としてのクリーニング部材41、現像ユニット9、帯電ローラ(不図示)を有している。このステーション5Y以外の他のステーション5M、5C、5Kにおけるとこれらの機器に対する符号の加入は省略してある。
第1のステーション5Yは現像ユニット9のトナー収容室内にイエロー(Y)色の現像剤(以下、トナーと記す)を収容している。第2のステーション5Mは現像ユニット9のトナー収容室内にマゼンタ(M)色のトナーを収容している。第3のステーション5Cは現像ユニット9のトナー収容室内にシアン(C)色のトナーを収容している。第4のステーション5Kは現像ユニット9のトナー収容室内にブラック(K)色のトナーを収容している。9aY、9aM、9aC、9aKは、それぞれ、各ステーション5Y、5M、5C、5Kにおける現像ユニット9に対するトナー補給機構である。
画像形成部7の下側には各ステーション5Y、5M、5C、5Kにおけるドラム6に対する画像情報露光手段としてのレーザースキャナユニット8が配置されている。また画像形成部7の上側には、中間転写ベルトユニット10(以下、転写ユニットと記す)が設けられている。
転写ユニット10は、中間転写ベルト(以下、転写ベルトと記す)10cとそれを駆動する駆動ローラ10aを有する。また、ベルト10cの内側には各ステーション5Y、5M、5C、5Kに対応する第1から第4の4つの一次転写ローラ11が平行に配設されている。各一次転写ローラ11は各ステーションのドラム6に対向して配置されている。画像形成部7の各ドラム6は上面部分が各一次転写ローラ11の位置においてベルト10cの下面に接している。この接触部分を一次転写部と呼ぶ。
駆動ローラ10aはベルト10cを回転駆動するローラであり、ベルト10cのうち駆動ローラ10aによりバックアップされた部分の外側には二次転写ローラ12が配設されている。ベルト10cは転写手段である二次転写ローラ12と接触しており、この接触部分を二次転写部12a(転写部:第1の位置)と呼ぶ。ベルト10cのうちテンションローラ10bによってバックアップされた部分の外側には転写ベルトクリーニング装置10dが配設されている。レーザースキャナユニット8の下部には、シートPを収納するカセット3が配設されている。
図4に示すように、プリンタ1には、カセット3からピックアップされたシートPを上方へ搬送するシート搬送路(縦パス)Qが配設されている。このシート搬送路Qは、下側から上側に順に、給送ローラ4aとリタードローラ4bとのローラ対、レジストローラ対4c、二次転写ローラ12、定着装置103、排出ローラ対14が配設されている。またイメージリーダ2の下方は排出トレイ16が配置されている。
画像形成シーケンスを説明する。プリンタ1が画像形成動作を行う場合、制御回路部Aは次のような制御を行う。制御回路部Aは、画像形成タイミングに合わせて第1から第4のステーション5Y、5M、5C、5Kのドラム6を図中時計方向に所定の速度で回転駆動させる。制御回路部Aは、ドラム6の回転速度に応じた速度且つドラム6の回転方向に対して順回転する方向に転写ベルト10cが回転するように駆動ローラ10aの駆動を制御する。また、制御回路部Aはレーザースキャナユニット8や帯電ローラ(不図示)を作動させる。
上述した制御が行われることで、プリンタ1は次のようにフルカラー画像を形成する。まず、帯電ローラ(不図示)はドラム6の表面を所定の極性・電位に均一に帯電させる。次に、レーザースキャナユニット8は、Y・M・C・Kの各色の画像情報信号に応じて変調されたレーザービームを用いてドラム6の表面を走査露光する。こうして、各ドラム6の表面には、対応色に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像ユニット9によりトナー像として現像される。
上記のように形成されたY・M・C・K各色のトナー像は、一次転写部において、転写ベルト10c上に順に重ねて一次転写されることで合成される。こうして、転写ベルト10c上にはY色+M色+C色+K色の4色のトナー像が合成されたフルカラーの未定着トナー像が形成される。そして、この未定着トナー像は転写ベルト10cの回転により二次転写部12a(転写部)に搬送される。転写ベルト10cにトナー像を一次転写した後のドラム6の表面はクリーニング部材41によりクリーニングされる。
一方、カセット3内のシートPは、給送ローラ4aとリタードローラ4bによって1枚分給送されてレジストローラ対4cへ搬送される。レジストローラ対4cは、ベルト10c上のトナー像と同期を取ってシートPを二次転写部12aへと搬送する。二次転写ローラ12は、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の二次転写バイアスが印加されている。そのため、シートPが二次転写部12aに挟持搬送されると、転写ベルト10c上の4色トナー像はシートP上に一括して二次転写される。
二次転写部12aから搬送されたシートPが転写ベルト10cから分離されて、定着装置103へ搬送されると、トナー像はシートP上に熱定着される。定着装置103から搬送されたシートPは、ガイド部材15と排出ローラ対14を経て排出トレイ16に排出される。シートPに対してトナー像が二次転写された後、転写ベルト10cの表面に残留した残トナーは、転写ベルトクリーニング装置10dによりベルト表面から除去される。
なお、定着装置103の周辺には、エアフローを発生させる複数のファン、及びダクトが配置されている。水分を含むシートPが定着装置103で加熱されると、定着装置103から発生する熱に加えてシートPからは水蒸気が発生する。この水蒸気によって、シート搬送方向において定着装置103よりも下流側の空間Cは、湿度が高い状態になる。湿度が高いとガイド部材15上に水滴を生じさせる可能性がある。搬送されてきたシートPにガイド部材15上の水滴が付着すると画像不良の発生を招く。
そのため、プリンタ1は第二ファン62によってプリンタ1の外部からエア(外気)を機内に引き込み、ガイド部材15にエアを吹き付けて空間Cの湿度を低下させている。第二ファン62からのエア吹き付けによって空間Cから追い出された水蒸気は、気流Fcに沿って排出トレイ16に向けて排出される他、第三ファン63(図2参照)によっても機外に排出される。第三ファン63は、定着装置103から発生する熱を排熱する役目も有している。
ここで、以下の説明において、上流側と下流側はシート(記録材)Pの搬送方向Xにおいて上流側と下流側である。
さらに、プリンタ1は、定着装置103の上流側、すなわち転写部である二次転写部12aと定着装置103の間の空間を排熱する冷却ダクト42と冷却吸気部である第四ファン(転写部冷却ファン)64を有する。また、プリンタ1は、定着装置103の上流側に発生したダストD(図11等:詳細は後述)を回収して除去するフィルタユニット50を有する。
フィルタユニット50は、図2と図3に示すように吸気部である第一ファン(ダスト捕集ファン)61を有し、吸気口52aに装着したフィルタ51にエアを引き込み、ダストDを除去する役目を果たす。また、プリンタ1は、熱や湿度を排気する第二ファン62と第三ファン63、第四ファン64を適切に制御する為、プリンタ1の装置内温度を測定する機内温度センサ65と、プリンタ1の外部温度を測定する機外温度センサ66を有する。
(2)定着装置
次に定着装置103と、定着装置103の近傍で発生するダストDについて説明する。
(2−1)定着装置103
図5(a)は定着装置103の断面を示す図である。図5(b)はベルトユニット101を分解した様子を示す図である。本実施例における定着装置103は、ヒータ101aによって加熱された小径の定着ベルト105(以下、ベルトと記す)を用いてトナー画像をシートPに定着させる低熱容量な定着装置である。
定着装置103は、加熱回転体としてのベルト105を備えた定着ベルトユニット101(以下、定着ユニットと記す)と、支持回転体(加圧回転体)としての加圧ローラ102と、加熱部としての面状のヒータ101aと、筐体100とを備えている。
図5(a)に示すように、筐体100にはシート入口400とシート出口500が設けられている。このシート入口400とシート出口500により、一対の回転体である定着ユニット101と加圧ローラ102との協働によりその間に形成されるニップ部(加熱ニップ部:第2の位置)101bにシートPを通過させることができる。
本実施例では、シート入口400がシート出口500よりも重力方向下方に配置されているため、シートPが重力方向下方から上方に向けて搬送される。この構成を縦パス構成と称する。シート出口500よりも下流側には、ニップ部101bを通過したシートPの搬送をガイドするガイド部材15が設けられている。
(2−2)定着ユニット101の構成
定着ユニット101は、後述する加圧ローラ102に当接してベルト105と加圧ローラ102との間にニップ部101bを形成し、ニップ部101bにおいてトナー画像をシートPに定着させるユニットである。
定着ユニット101は、図5(a)、図5(b)に示すように、複数の部材で構成された組み立て体である。定着ユニット101は、面状のヒータ101aと、ヒータ101aを保持するヒータホルダ104と、ヒータホルダ104を支持する加圧ステー104aを有する。また定着ユニット101は、エンドレス状のベルト105と、ベルト105の幅方向一端側と他端側を保持するフランジ106L・106Rを有する。
ヒータ101aは、ベルト105の内面に当接してベルト105を加熱する加熱部材である。本実施例ではヒータ101aとして、通電によって発熱するセラミックヒータを用いている。セラミックヒータは、細長で薄板状のセラミック基板と、この基板面に具備された抵抗層と、を備えており、抵抗層に通電することで全体が速やかに発熱する低熱容量のヒータである。
ヒータホルダ104は、ヒータ101aを保持する保持部材である。本実施例のホルダ104は、横断面が半円弧状をしており、ベルト105の周方向の形状を規制している。ホルダ104の材料には耐熱性の樹脂を用いることが望ましい。
加圧ステー104aは、ヒータ101a及びホルダ104を長手方向で均一にベルト105に押し当てる部材である。加圧ステー104aは高い加圧力がかかっても撓みにくい材質であることが望ましい。本実施例では加圧ステー104aの材質としてステンレス鋼であるSUS304を用いた。加圧ステー104a上にはサーミスタTHが設けられている。サーミスタTHはベルト105の温度に応じた信号を制御回路部Aに出力する。
ベルト105は、シートPに接触してシートPに熱を付与する回転体である。ベルト105は、円筒状(エンドレス状)のベルトであり、全体的に可撓性を有している。ベルト105は、ヒータ101a、ヒータホルダ104、加圧ステー104aを外側から覆うように設けられている。
フランジ106L・106Rはベルト105の長手方向端部を回転可能に保持する一対の部材である。フランジ106L・106Rは、図5(b)に示すように、それぞれ、フランジ部106aとバックアップ部106bと被押圧部106cとを有する。
フランジ部106aはベルト105の端面を受け止めてベルト105のスラスト方向への移動を規制する部分であり、ベルト105の径よりもより大きな外形をしている。バックアップ部106bは、ベルト105の端部内面を保持してベルト105の円筒形状を保つ部分である。被押圧部106cはフランジ部106aの外面側に設けられており、後述する加圧バネ108Lと108R(図7参照)による押圧力を受ける。
(2−3)定着ベルトの構成
図6(a)は定着ニップ部近傍の拡大断面模式図である。図6(b)はベルト105の層構成を示す図である。図6(c)は加圧ローラ102の層構成を示す図である。
本実施例のベルト105は、複数の層によって構成されている。詳細に述べるとベルト105は、内側から外側に順に、エンドレス(円筒状)の基層105aと、プライマ層105bと、弾性層105cと、離型層105dを備えている。
基層105aはベルト105の強度を確保するための層である。基層105aはSUS(ステンレス)等の金属製のベース層でありと、熱ストレスと機械的ストレスに耐えられるように、30μm程度の厚みを有している。
プライマ層105bは、基層105aと弾性層105cを接着するための層である。プライマ層は基層105aの上に、プライマを5μm程度の厚みで塗布することによって形成されている。
弾性層105cは、ニップ部101bにてトナー画像を圧接する際に変形して離型層105dをトナー画像に密着させる役目を果たす。弾性層105cとしては耐熱ゴムを用いることができる。
離型層105dは、トナーや紙粉がベルト105に付着することを防止する機能を有する層である。離型層105dとしては離型性と耐熱性に優れたPFA樹脂等のフッ素樹脂を用いることができる。本実施例の離型層105dの厚さは伝熱性を考慮して20μmである。
(2−4)加圧ローラの構成と加圧方法
加圧ローラ102は、ベルト105の外周面に当接してベルト105との間にニップを形成するニップ形成部材である。本実施例の加圧ローラ102は、複数の層によって構成されたローラ部材である。詳細に述べると、加圧ローラ102は、金属(アルミや鉄)の芯金102aと、シリコンゴム等で形成された弾性層102b、弾性層102bを被覆する離型層102cを有している。離型層102cはPFA等のフッ素系樹脂を材料するチューブであり弾性層102b上に接着されている。
図7に示すように、芯金102aの一端側は軸受113を介して筐体100の一端側の側板107Lに回転可能に支持されている。芯金102aの他端側は軸受113を介して筐体100の他端側の側板107Rに回転可能に支持されている。このとき、加圧ローラ102のうち、弾性層102bと離型層102cを有する部分は、側板107Lと側板107Rの間に位置する。
芯金102aの他端側はギアGに接続されており、ギアGが制御回路部Aで制御される駆動モータ(不図示)から駆動を受けると、加圧ローラ102は駆動回転体として矢印R102の方向に所定の周速度にて回転駆動される。
定着ユニット101は、加圧ローラ102対して近接離間する方向にスライド移動できるように側板107Lと側板107Rに支持されている。詳細には、フランジ106Lと106Rが側板107Lと側板107Rのガイド溝(不図示)に嵌め合わさるように設けられている。そして、バネ支持部109Lと109Rに支持された加圧バネ108Lと108Rにより、フランジ106Lと106Rの被押圧部106cは、加圧ローラ102に向かう方向に所定の押圧力Tで押圧されている。
押圧力Tにより、フランジ106L・106R、加圧ステー104a、ヒータホルダ104の全体が加圧ローラ102の方向に付勢される。ここで、定着ユニット101はヒータ101aを有する側が加圧ローラ102を向いている。そのため、ヒータ101aは、ベルト105を加圧ローラ102に向けて押圧する。このような構成により、ベルト105及び加圧ローラ102が変形し、ベルト105と加圧ローラ102との間にニップ部101b(図6(a)参照)が形成される。
このように、定着ユニット101と加圧ローラ102が密着した状態で加圧ローラ102が回転(R120)すると、ニップ部101bにおけるベルト105と加圧ローラ102との摩擦力により、ベルト105に回転トルクが作用する。ベルト105は、加圧ローラ102に対して従動回転(R105)する。このときのベルト105の回転速度は、加圧ローラ102の回転速度にほぼ対応している。つまり本実施例では、加圧ローラ102は、ベルト105を回転駆動する駆動ローラとしての機能を担っている。
なおこのとき、ベルト105の内周面とヒータ101aが摺動するため、ベルト105の内面にグリスを塗布して摺動抵抗を低減することが望ましい。
(2−5)定着処理
上述した構成を用いて定着装置103は画像形成処理中に定着処理を行う。定着処理を行う際、制御回路部Aは駆動モータ(不図示)を制御して、加圧ローラ102を回転方向R102(図1)に所定の速度で回転駆動させ、ベルト105を従動回転(R105)させる。
また、制御回路部Aは電源回路(不図示)を介してヒータ101aに通電を開始する。この通電により発熱したヒータ101aは、ニップ部101bにおいて、内面がヒータ面に密着して摺動しながら回転するベルト105に対して熱を付与する。こうして熱を付与されたベルト105は次第に高温になっていく。
ここで、サーミスタTHは加圧ステー104aの頂面に配設されており、回転するベルト105の内面に弾性的に接触している。これにより、サーミスタTHは回転するベルト105の温度を検知してその検知温度情報を制御回路部Aにフィードバックしている。制御回路部Aはベルト105の表面温度Tbが目標温度Tpとなるように(図14(a)参照)、サーミスタTHの出力する信号に基づいてヒータ101aへの供給電力を制御する。本実施例の目標温度Tp(図14(a))は約170℃である。
ベルト105が目標温度Tpまで加熱されると、制御回路部Aは各構成を制御してトナー画像S(図5(a))を担持したシートPを定着装置103へと搬送させる。定着装置103に搬送されたシートPはニップ部101bによって挟持搬送される。
シートPは挟持搬送される過程で、ベルト105を介してヒータ101aの熱を付与される。未定着トナー画像Sはヒータ101aの熱によって溶融され、ニップ部101bにかかっている圧力によってシートPに定着される。ニップ部101bを通過したシートPは、ガイド部材15によって排出ローラ対14に案内され、排出ローラ対14を経由して排出トレイ16上に排出される。本実施例では上述した工程を定着処理と呼ぶ。
(3)ダスト
次に、トナーSに含有された離型剤(以下、ワックスと称する)に起因する超微粒子(以下、ダストと称する)の発生と、ダストの性質について説明する。
(3−1)トナーSに含有されるワックスとダストの関係
上述したように定着装置103は、シートPに高温のベルト105を接触させることでシートPにトナー画像を定着させている。このような構成を用いて定着処理を行う場合、定着処理時に一部のトナーSがベルト105に転移(付着)してしまうことがある。これをオフセット現象と呼ぶ。オフセット現象は画像不良の原因となるためこれを解決することが望ましい。
そこで本実施例では、トナー画像の形成に用いるトナーSにパラフィンからなるワックス(離型剤)を内包させている。このトナーSは、加熱されると内部のワックスが溶解して染み出す構成となっている。そのため、このトナーSによって形成された画像に定着処理を施すと、溶解したワックスによってベルト105の表面が覆われる。表面がワックスによって覆われたベルト105は、ワックスの離型作用により、トナーSが付着し難くなる。
なお、本実施例では純粋なワックスの他に、ワックスの分子構造を含んだ化合物をもワックスと呼んでいる。例えば、トナーの樹脂分子と炭化水素鎖等のワックス分子構造が反応した化合物もワックスと称する。また、離型剤としては、ワックスの他にシリコンオイル等の離型作用を有する物質を用いてもよい。
ベルト105に付着したワックスの一部は、ベルト105の表面温度が一定温度以上になった時に気化する。さらに気化(ガス化)したワックス成分が空気中で冷やされると、数nm〜数百nm程度のダスト(微粒子)が発生する。なお、発生するダストの多くは数nm〜数十nmの粒径であると推察される。
このダスト生成現象は核生成と呼ばれ、加熱によって気化したワックス成分をより低い温度環境にさらすことにより生じる。これを過冷却という。この現象は、水蒸気が露点温度を下回ると、微小水滴になって霧を発生させる現象と同じものである。過冷却の程度は、揮発物を徐々に加熱した時にダストが発生し始める温度であるダスト発生温度Tws(図9(b)参照)と、周囲において核生成が生じている空間の空間温度Taの差分である過冷却度ΔTによってあらわすことができる。
過冷却度ΔT=Tws−Ta・・・式(1)
ΔTが大きいほど、気化したワックス成分は急速に冷却され、核生成を生じやすくなる。これは、所定体積の空間において、より多くの箇所で核生成が起きることを意味する。つまりΔTが大きいほど、粒子がたくさんできることを意味する。そしてΔTが小さくなるにつれて核生成する箇所は減る。またその時、生成した核にガスが凝集していくため、粒子は大きくなる。
・ΔT大→小さいダストが多く発生
・ΔT小→大きいダストが少量発生
ダストは粘着性を有するワックス成分からなるため、プリンタ1の内部構成の各所に付着しやすく(図8(b)参照)、問題を生じる場合がある。例えば、定着装置103の熱に起因する上昇気流によってダストDがガイド部材15や排出ローラ対14の周辺まで運ばれた場合、ガイド部材15や排出ローラ対14にワックスが付着・堆積し、固着してしまう虞がある。ガイド部材15や排出ローラ対14がワックスで汚れると、シートPにワックスが付着して画像不良の発生原因となる。そのため、プリンタ1は、ダストを除去するフィルタ51を有し、このような問題の発生を防いでいる。
しかし、フィルタ51はダストの吸引に加えて、紙から発生する紙粉やシートP上の未定着トナーに由来する飛散トナーの吸引によっても劣化する。そのため、フィルタ51にエアを引き込む第一ファン61は、ダストが発生している時のみ作動することが望ましい。本実施例は、過冷却度ΔTによってダストの発生を予測し、第一ファン61を適切に制御する。
(3−2)定着処理に伴うダストの発生
(3−2−1)ダストの性質
以下では図8(a)〜(c)を用いてダストの性質を詳細に説明する。図8(a)はダストが発生して成長する様子を説明する図である。図8(b)はダストの付着現象を説明する図である。図8(c)はワックスの加熱温度と、加熱部周囲の空間温度と、過冷却度ΔT、ダストの大きさの関係を説明するグラフである。
図8(a)に示すように、加熱源20aの上に沸点が150℃以上200℃以下の高沸点物質20を置き、200℃前後に加熱すると、高沸点物質20から揮発物21aが発生する。揮発物21aは周囲の空気に触れると過冷却されるため、空気中で凝縮し、数nm程度の粒径の微小ダスト21bに変化する。
さらに微小ダスト21bの周囲にダスト化しなかった揮発物21aが集まって凝集する上、微小ダスト21b同士の衝突による合体も発生するため、微小ダスト21bはより大きなダスト21cへと成長する。この時、気中におけるガスの凝集/ダスト化は図8(c)に示すように、加熱温度が低く、空間温度が高いほど、すなわち図中右下の方向(過冷却度が小さくなる方向)に向かうほど阻害される。これは、加熱温度が低い(過冷却度→小)ほどダスト生成の種となるガスの揮発量が少なくなり、空間温度が高い(過冷却度→小)ほどガスの飽和蒸気圧が上がり、ガス分子は気体状態を維持し易くなるためである。
つまり、過冷却度ΔTが小さいほどダスト生成が阻害される。図8(c)中の線L1とL2は、ダスト生成現象が変わる領域を模式的に表したものである。加熱温度と空間温度が、図8(c)に示す線L1より右下の領域に入ったとき、ダストは生成しなくなる。反対に、気中におけるダスト生成は、加熱温度が高く、空間温度が低いほど、すなわち図中の線L1より左上の方向に向かう(過冷却度→大)ほど、促進される。これは、加熱温度が高いほどダスト生成の種となるガスの揮発量が多くなり、空間温度が低いほどガスの蒸気圧が下がり、ガス分子の粒子化を促進するためである。
つまり、過冷却度ΔTが大きい程ダスト生成が促進され、多数のダストを生成する。さらに過冷却度ΔTが大きくなって線L2より左上の領域に入ると、ダストのサイズはより小さくなると同時に生成個数も多くなる。これは、過冷却度ΔTが大きくなると、核生成する箇所も増えるためである。
なお、図8(c)に大粒径ダスト発生領域と小粒径ダスト発生領域を分ける線として線L2を示しているが、実際には大粒径ダストと小粒径ダストを分ける明確な基準はない。ダスト粒径は過冷却度ΔTの変化によって徐々に変化する。
次に、図8(b)において、微小ダスト21bとより大きなダスト21cを含んだ空気αが、気流22に沿って壁23に向かう場合を考える。この時、微小ダスト21bよりも大きなダスト21cの方が壁23に付着しやすく、拡散され難い。これは、ダスト21cは慣性力が大きく、壁23に勢いよく衝突するためと推定される。従って、雰囲気を高温に保ってダストの大粒径化を促進すればするほど、ダストは定着装置内に付着し易くなり(多くは定着ベルトに付着)、結果として定着装置外に拡散され難くなる。
このように、ダストは高温下で合体が促進されて大粒径化する性質と、大粒径化によって周辺物体に付着し易くなるという二つの性質を持っている。なお、ダストの合体のし易さは、ダストの成分と温度、濃度に依存する。例えば、粘着しやすい成分が高温になって柔らかくなり、また高濃度下でダスト同士の衝突確率が上がると、合体し易くなる。
(3−2−2)ダスト発生温度Tws
図9(a)に示す装置を用いて、ダスト発生温度Twsを測定する方法を以下に説明する。また図9(b)にダスト発生温度Twsの一例を示す。前述したように本実施例においては、過冷却度ΔTによってダストの発生を予測し、ダストを除去するフィルタにエアを吸引する第一ファン61を制御する。より具体的には、第一ファン61を非作動にする又は第一ファン61の効率(Duty)を落とす制御する。即ち、所定の第1の効率よりの効率を落した所定の第2の効率にて作動させる。
以下において、第一ファン61を非作動にする制御は第一ファン61の効率を落とす制御(第1の効率から第2の効率に切り換える制御)であってもよい。後述する第四一ファン64の制御についてもこの第一ファン61の制御と同様である。
ダスト発生温度Twsは過冷却度ΔTの算出に用いられ、トナーに固有の物性値であるので、ここで測定方法の詳細を説明する。
ダスト発生温度Twsは、内容積0.5mのチャンバを用いて測定される。チャンバは温度23±2℃、湿度50±5%、換気率4回/hに設定されている。また内部に設置したヒータープレートは、常温からスタートして3℃/分の温度上昇レートで温度上昇する。ヒータープレート上にはワックスを含有するトナーが設置されている。トナーに含まれるワックスから発生するダストは、0.5mチャンバに接続されたナノ粒子粒径分布計測器であるFMPS Model 3091(TSI製)によって測定される。
次に、ダスト発生温度Twsの解析方法を説明する。図9(b)のように得られた結果から、ダストが発生していない領域(本実験では常温から170℃程度まで)のダスト濃度の平均値と標準偏差を算出する。そして、測定系のダスト濃度ばらつきを「平均値+3×標準偏差」として計算する。このとき、測定系ばらつきである「平均値+3×標準偏差」を超えたダスト濃度を初めて検出した時の温度を、ダスト発生温度Twsと定義する。
本実験においては、179℃がダスト発生温度Twsとなった。なお、ダストが発生する温度は、図8(c)から明らかなように、チャンバ内の空間温度に依存する。空間温度が低い程、ダストが発生する時の加熱温度も低くなる。上記測定条件により測定したダスト発生温度Twsは、図8(c)にあてはめると線L1上の一点であるD1であらわされる。
(3−2−3)プリンタにおけるダストの発生温度とTwsの違い
プリンタ1において、ダストはベルト105に付着したワックスから発生する。ダストが発生し始める時のベルト105の表面温度がプリンタ1におけるダストの発生温度となる。しかしこの温度は、上述したダストの発生温度測定方法により得られたTwsと比べて約20℃低くなる。これはプリンタ1においてダストが生成する空間、すなわちベルト105の近傍の空間の温度が、ヒータープレートの上方のダスト生成空間の温度より低くなり易いことに起因する。
加熱されたベルト105の近傍の空間は、ベルト105の回転に伴って発生する気流によって外気から冷気を引き込まれるため、低温になりやすい。一方で、図9(a)の装置において、ヒータープレートの上方のダスト生成空間は、熱対流による気流(ベルト105の回転による気流より弱い)によって冷やされるため、温度の低下幅はベルト105の周辺より緩やかである。その結果ベルト105の周辺の空間温度は、プリンタ1がチャンバ内の温度と同じ23℃に置かれたとしても、ヒータープレートの上方のダスト生成空間の温度より低くなる。
図8(c)を用いて説明すると、プリンタ1におけるダストの発生温度は、線L1上において点D1より空間温度が低い方向、すなわち線L1上を左下の方向にシフトした点になる。その結果、ダストが発生する温度も下がる。この温度低下幅は、発明者の実験によれば、実施例のプリンタ1においては約20℃である。
・プリンタ1におけるダストの発生温度=ダスト発生温度Tws−Z
上記の温度低下幅を予め定めた調整温度値Z(℃)とすると、プリンタにおけるダストの発生温度Tws(℃)は一般式として下式で表される。
・プリンタ1におけるダストの発生温度=ダスト発生温度Tws−Z
(3−2−4)ダストDの発生箇所
次に、ダストDの発生箇所について、図10と図11に基づいて説明する。図10(a)は定着処理の進行に伴い拡大するベルト105上のワックス付着領域を示す図である。図10(b)は、ワックスの付着領域とダストDの発生領域の関係を示す図である。図11はベルト105の周辺の気流の流れを説明する図である。
本発明者等が検証したところ、定着装置103から発生するダストDは、ニップ部101bの下流側よりもニップ部101bの上流側において発生量が多いことが分かった。以下そのメカニズムについて説明する。
ニップ部101bを通過した直後のベルト105の表面(離型層105d)はシートPによって熱を奪われているため、その温度は100℃程度まで低下している。一方で、ベルト105の内面・裏面(基層105a)の温度はヒータ101aとの接触によって高温に保たれている。そのため、ベルト105がニップ部101bを通過した後、高温に保たれた基層105aの熱が、プライマ層105bと弾性層105cを経由して離型層105dに伝わっていく。
その為、ベルト105の表面(離型層105d)の温度は、ベルト105がR105方向(図10)に回転する過程で、ニップ部101bを通過した後に上昇してゆき、ニップ部101bの入口側付近で最も高い温度に達する。
一方、シートP上のトナーSから染み出したワックスは、定着処理が行われるときにベルト105とトナー像の界面に介在する。その後、ワックスの一部はベルト105に付着する。図10(a)に示すようにシートPの先端側の一部がニップ部101bを通過した段階では、トナーSからベルト105に移行したワックスは領域135aに存在している。この領域135aではベルト105の温度が低くワックスが揮発し難いためダストDはほとんど発生しない。
シートPがニップ部101bを進行すると、ワックスはベルト105の略全周(135b)に存在した状態となる。このうち、領域135cではベルトが高温になっているため、ワックスが揮発し易い。そして、領域135cから揮発したワックスが凝縮するとダストDが発生する。そのため、領域135cの近傍、すなわちニップ部101bの入口付近(上流側)には多くのダストDが存在する。
また、ニップ部101bの入口付近のダストDは、図11に示すエアフローによって矢印W方向に拡散していく。詳細に説明すると次の通りである。図11に示すように、ベルト105がR105方向に回転していると、ベルト105の表面付近にはR105方向に沿ったエアフローF1が発生する。また、シートPがX方向に沿って搬送されるとシートPの搬送方向Xに沿ったエアフローF2が発生する。
ニップ部101bの近傍においてエアフローF1とエアフローF2が衝突すると、ニップ部101bから離れていく方向(W方向)に沿ってエアフローF3が発生する。詳細は後述するが、ダストを除去するフィルタ51は、エアフローF3によってダストDが運ばれていく方向であるW方向に配置されている(図1参照)
(3−2−5)空間温度Taの測定点とTaの求め方
図1を用いて、過冷却度ΔT(=Tws−Ta)の算出に用いる空間温度Taの測定点Tpの位置を説明する。空間温度Taは、ベルト105の周囲において核生成が生じている空間の温度である。
核生成が生じている空間の範囲を正確に測定することは難しいが、発明者がベルト105の周辺のダスト濃度を測定した結果、ベルト105から転写部12aの方向に向かって20mm以下の範囲内で核生成が生じていると推定された。
また、測定点Tpの位置がベルト105に近すぎる場合、ベルト105の熱の影響を強く受けてしまうので正しく測定できない可能性がある。そのため、測定点Tpはベルト105から少なくとも1mm離す必要があると考えられる。
そこで、測定点Tpの位置は、ベルト105の断面の面心、且つベルト105の長手方向中央を通り、シートPの搬送方向と平行な直線にそって、ベルト105の表面から転写部12aに向かって1mm以上20mm以下の範囲内にあれば良いものとする。本実施例ではベルト105から測定点Tpまでの距離hを6mmとしている。
なお、測定点Tpの温度、すなわち空間温度Taの求め方として、温度検知器で測定する方法の他、プリンタの温度情報とファンの動作情報から予測する方法が考えられる。本実施例は後者の方法を用いており、図12に示す制御回路部Aに内蔵される温度検出手段67が、空間温度Taを予測する。以下、温度検出手段67による空間温度Taの予測方法の一例を説明する。
・前述の機内温度センサ65により測定された装置内温度をTin
・機外温度センサ66により測定された外部温度をTout
・サーミスタTHの温度から予測されるベルト105の表面温度をTb
・第一ファン61の作動時DutyをFAN1_duty
・第二ファン62の作動時DutyをFAN2_duty
・第三ファン63の作動時DutyをFAN3_duty
・第四ファン64の作動時DutyをFAN4_Duty
とした時、温度検出手段67は以下式によりTaを予測する。
Ta = Tin + A×Tb - B×Tout×FAN1_Duty - C × Tout × FAN2_Duty-D × Tout × FAN3_Duty - E × Tout × FAN4_Duty
なお、Tbは、サーミスタTHの検知温度から10℃を差し引いた値である。ベルト105の構成素材は熱伝導抵抗を持つためベルト105の表面温度は、サーミスタTHが検知するベルト105の裏面温度より約10℃低くなる。また式中のA、B、C、D、Eは定数である。
上式右辺の第一項は、Taが装置内温度Tinをベースに決まることを意味する。第二項は、測定点Tpの空間温度であるTaが、ベルト105の表面温度Tbの熱によって上昇することを意味する。そのため第二項の符号はプラスとなる。
第三項から第六項は、Taが、測定点Tpに外気(温度はTout)を引き込む作用を持つファンの作動に影響されることを意味する。ToutはTinとTbに比べて低いため、ファンの作動によってTaは下がる方向にシフトする。そのため第三、四、五、六項の符号はマイナスになる。定数A、B、C、D、Eは、測定点Tpの温度を実験により実測した温度と、上式による予測値Taが一致するように決定される。
なお、Taの予測に用いるパラメータとして、他にもシートPのサイズや搬送速度、搬送枚数、その他ファンの作動時Duty、さらには各ファンの動作頻度を含めても良い。
(3−3)ダスト発生量測定
(3−3−1)ダスト発生量の測定装置
図16(a)に、プリンタ(画像形成装置)から発生するダストの発生量の測定装置を示す。ダストの発生量は、図16(a)に示すように、ドイツ環境ラベル「ブルーエンジェルマーク」に則った試験装置(チャンバ容積:6m、換気率:2m/h)で測定した。なお、ダストの発生量は、ナノ粒子粒径分布計測器であるFMPS Model 3091(TSI製)を用い、RAL−UZ205に従って測定を行う。概要を説明すると、チャンバ内にプリンタを設置し、5分間バックグラウンドを測定した後、およそ10分間プリントを行い、測定開始から70分間チャンバ内のダスト濃度を測定する。
(3−3−2)ダスト発生量の解析方法
解析方法も同様に、RAL−UZ205に従って解析を行う。図16(b)に上述した測定系で得られた結果の一例を示す。まず、チャンバの換気等による粒子消失係数β[1/s]を計算する。粒子消失係数βは、プリント終了後に粒子が減少している領域の一点をt1とし、t1+25分をt2とする。この時のダスト濃度それぞれc1、c2とすると、粒子消失係数βは
となる。また、ダスト濃度Cp(t)、測定時間t、連続する2つのデータ点間の時間差Δt、粒子消失係数β、チャンバ容積Vkから、以下の瞬間エミッションレート(以下瞬間ERとする)PER(t)[1/s]を算出する。
瞬間ER PER(t)は粒子の消失を計算に含んでいるため、プリンタが時間tにおいて、単位時間あたりに放出したダストの量を示している。上式をプリント時間全域にわたって時間積分すれば、プリント中に放出したダストの総量を求めることができる。
(3−3−3)瞬間ERと過冷却度ΔTの関係
図15(a)に本実施例のプリンタ1を約11分間動作させた時における、瞬間ERと過冷却度ΔTの推移の一例を示す。なおこの時のベルト105の表面温度は温度Bである。またこのグラフにおける経過時間は、プリント開始前60秒を0秒としている。
図15(b)は、ベルト105の表面温度Tbを温度A、温度Bと変えた時に得られた、プリント開始後経過時間(図15(a)の経過時間から60秒を差引いた時間)と過冷却度ΔTの関係を示したグラフである。
図15(a)に示すように、瞬間ERはプリント開始後(60秒後)から増えていき、約120秒を頂点に次第に減少し、最終的にはほぼ0となる。プリント中であるにも関わらずダストが減少していくのは、過冷却度ΔTの減少によるものである。なお前述したようにダストの発生量は図15(a)中の瞬間ERを時間積分することにより得られる。このとき、瞬間ERをプリント開始から積分していき、ダストの発生量全体の積分量に対して80%、90%、100%に到達したときの経過時間と過冷却度ΔTを求める。以下はその結果である。
ダストD80%放出時:
経過時間207秒(プリント開始後147秒)、過冷却度ΔT120.9℃
ダストD90%放出時:
経過時間256秒(プリント開始後196秒)、過冷却度ΔT116.4℃
ダストD100%放出時:
経過時間395秒(プリント開始後335秒)、過冷却度ΔT109.6℃
以上はベルト105の表面温度Tbが温度Bの場合であり、温度Aの場合も同様な方法でダストの発生量全体の積分量に対して80%、90%、100%に到達したときの経過時間と過冷却度ΔTを求めることができる。
図15(b)に、ベルト105の表面温度Tbを温度A、Bと変えて測定した時の結果を示す。なお温度Aは温度Bよりも低い温度である。ダストをそれぞれ80%、90%、100%放出した時のプリント開始後経過時間と過冷却度ΔTを比較すると、ベルト105の表面温度Tbを温度AからBに変えた時、ダストの放出に要する時間は増えるが、過冷却度ΔTはほぼ一定である。つまり、過冷却度ΔTを測定することで、ダストの発生終了時点を正確に予測することができる。ここでダストが80%以上100%以下放出された時の過冷却度を、第一温度ΔT_stopとする。
ダスト80%放出時の第一温度ΔT_stop=120.9℃
ダスト90%放出時の第一温度ΔT_stop=116.4℃
ダスト100%放出時の第一温度ΔT_stop=109.6℃
この値は、トナーのワックスの沸点やワックス揮発物の凝集のし易さといったワックスの物性が大きく変わらない限り、ほぼ一定になる。
そして、プリンタの機能を発揮させるには、ワックスの物性は一定の範囲内に留めなければならない。その結果上記値は、プリンタの構成やトナーが変わった場合でも、大きく変わることはない。すなわち、前述の測定方法と測定条件に従って過冷却度ΔTを求めれば、本実施例のトナーとは異なるトナーを用いたプリンタ、及び異なる構造のプリンタに対しても、上記ΔT_stopの値に基づいてダストの放出終了時点を予測することができる。
(4)ダストDの回収方法
以上で述べたダストの性質を踏まえて、ベルト105の近辺で発生するダストD(図1、3参照)の回収方法と、ダストDの発生の抑制方法を説明する。初めにダストDを濾過するフィルタユニット50と、転写部12aを冷却する冷却ダクト42の構成と動作を説明し、次にエアフローの動作シーケンスを説明する。
図1はフィルタユニット50の配置位置を説明する図である。図2(a)は定着装置103の周辺の構成を並べて斜視した図である。図2(b)は定着装置103の周辺におけるシートPの通過位置を示す図である。図3(a)はフィルタユニット50を分解して斜視した図である。図3(b)はフィルタユニット50が動作する様子を示す図である。
図12は、制御回路と各構成の関係を示すブロック図である。図13は各ファンの制御を説明するフローチャートである。図14(a)は実施例におけるサーミスタTHのシーケンス図である。図14(b)は実施例における過冷却度ΔTの推移を示す図である。図14(c)は実施例における空間温度Taの推移を示す図である。図14(d)は実施例における第一ファン61と第四ファン64のシーケンス図である。図15(a)はダストの瞬間ERと過冷却度ΔTの関係を説明するグラフである。図15(b)はダストの放出と、過冷却度ΔT、プリント開始後経過時間の関係を説明するグラフである。
(4−1)フィルタユニットの構成
フィルタユニット50は、図1(a)に示すように、シートPの搬送方向において定着ユニット101と、転写ユニット10の間に位置している。あるいは、シートPの搬送方向において定着装置103のニップ部101bと、転写手段の転写部12aの間に位置している。
フィルタユニット50は、図1(a)に示すようにダストDを含むエアを吸入することで、ダストDの回収を行う。フィルタユニット50は、ダストDを回収するためのフィルタ51と、エアを吸引するための第一ファン61と、定着装置103のシート入口400近傍のエアがフィルタ51を通過するようにエアを案内するダクト(ダスト捕集ダクト)52と、を有している。
第一ファン61はシート入口400近傍のエアを機外に吸引するための吸気部である。第一ファン61はファン吸気口61aと排気口61bを備えており、ファン吸気口61aから排気口61bに向けてエアフローを発生させる。
ファン吸気口61aは、ダクト52の排気口52eに接続され、ダクト52内のエアを吸引するための開口である。排気口61bは、プリンタ1の外側に向けて設けられ、ファン吸気口61aから吸引したエアを機外に向けて排出するための開口である。ダクト52は、シート入口400近傍のエアを機外に向けて案内するための案内部である。ダクト52は、シート入口400近傍の吸気口52aと、シート入口400近傍から離れた排気口52eを備えている。
冷却ダクト42は冷却吸気部である第四ファン64(図1と図2(a))と冷却吸気口42a、排気口42bを有する。冷却吸気口42aは、図1に示すようにフィルタユニット50と定着装置103の間に配置される。冷却ダクト42は、定着装置103と転写部12aの間にある熱気を排出して転写部12aの温度上昇を防ぐ役割を持つ。
本実施例のプリンタ1は、第一ファン61としてブロワファンを用い、第四ファン64として軸流ファンを用いる。ブロワファンは高静圧を特徴としており、フィルタ51のような通気抵抗体があっても一定の風量(吸気量)を確保することができる。一方で冷却ダクト42はフィルタ51のような通気抵抗体を持たないため、第四ファン64には高風量を特徴とする軸流ファンが適している。
吸気口52aはニップ部101bと転写部12aの間に位置する開口であり、ニップ部側を向くように設けられている。このような構成により、吸気口52aはエアフローF3(図11)によって運ばれてくるダストDを図1のように受け止めることができる。
排気口52eは、吸気口52aよりもその長手方向の外側において、ダクト52の複数の側面のうち吸気口52aとは反対側の側面に設けられている。上述したように排気口52eはファン吸気口61aに接続されている。
また、ダクト52は吸気口52aを覆うようにフィルタ51を取り付け可能である。詳細には、ダクト52は吸気口52aの縁部52cと、湾曲部52dを備えるリブ52bと、を備えている。縁部52cとリブ52bによって支持されるように、フィルタ51をダクト52に固定すると、吸気口52aはフィルタ51によって覆われる。本実施例のフィルタ51は、耐熱性接着剤によって縁部52c及びリブ52bに隙間なく接着されている。そのため、吸気口52aを通過するエアはフィルタ51を必ず通過する。
また、本実施例のフィルタ51は縁部52cの湾曲部52dに沿って接着されている。換言すると、ダクト52は、フィルタ51を湾曲させた状態で保持している。このとき、フィルタ51は、その短手方向の中央部がニップ部101bから離間する方向に湾曲している。換言すると、フィルタ51はその短手方向の中央部がダクト52の内側に向かって突出している。
(4−1−1)フィルタの性質
フィルタ51は、吸気口52aを通過するエアからダストDを濾過(回収、除去)するための濾過部材である。ワックスに起因するダストDを回収する場合、フィルタ51は、静電不織布フィルタであることが望ましい。静電不織布フィルタとは静電気を保持した繊維を不織布状に形成したもので、ダストDを高効率で濾過することができる。
静電不織布フィルタは、繊維が高密度であるほど濾過性能が高いが、半面、圧力損失が大きくなりやすい。この関係は静電不織布の厚さを厚くした場合も同様である。また繊維の帯電強度(静電気の強さ)を高くすれば、圧力損失を一定にしたまま濾過性能を向上させることができる。静電不織布の厚さと繊維密度、及び繊維の帯電強度は、フィルタに求められる濾過性能に応じて適宜設定することが望ましい。
本実施例のフィルタ51に用いられる静電不織布は、通過風速が10cm/sのときにおける通気抵抗が約40Pa、回収率が95%程度になるように、繊維密度と厚さ、帯電強度が設定されている。なお、排気エア中のトナーを濾過しようとした場合、静電不織布は通過風速が10cm/sにおいて通気抵抗が10Pa以下で用いられる。したがって、本実施例のフィルタ51は通気抵抗が比較的大きな静電不織布を用いていると言える。
フィルタ51に使用する静電不織布の通気抵抗は、使用が想定される通過風速(本実施例では5cm/s以上70cm/s以下)において30Pa以上150Pa以下のものが望ましい。静電不織布の通気抵抗が150Paよりも大きいと、プリンタ1に搭載可能な排気用ファンでは必要な風速を得ることが困難である。静電不織布の通気抵抗が30Pa未満であると、フィルタ51を通過するエアの風速について長手方向でムラが生じ易い。
フィルタ51を通過するエアの風速が速ければ速いほどフィルタ51を通過する単位時間あたりのエアの量を多くなる。しかしながら、フィルタ51を通過するエアの風速が速ければ速いほど、シート入口400の近傍のエアの温度を低下させやすい。そのため、ダストDの回収効率を高める場合、フィルタ51を通過するエアの風速は適度な速さであることが望ましい。
具体的には、フィルタ51を通過する際のエアの風速は5cm/s以上70cm/s以下であることが望ましい。本実施例の構成ではフィルタ51におけるダストDの回収率は風速5cm/sにおいてほぼ100%、風速70cm/sにおいて約70%である。そのため、この範囲の風速であれば高い効率でダストDを回収することができる。なお、第一ファン61は、フィルタ51を通過するエアの風速を5cm/sから70cm/sの範囲で調節することができる。
(4−1−2)フィルタの寸法
フィルタ51は、図2(a)に示すように、シート搬送方向と直交する方向(ニップ部101bの長手に沿った方向)を長手とする細長い形状をしている。このような形状により、ニップ部101bの近傍で生じるダストDを長手方向の広い範囲で確実に捕集することができる。
図2(b)のシートP上に斜線で示した領域は、所定の幅サイズのシートPを使用した場合の画像形成が可能な領域Wp−maxを示している。なお、実際には図2(b)で見えているシートPの裏面側に画像が形成される。図2(b)に示すように、領域Wp−maxはシートPの幅サイズ以下の領域である。この領域においてシートP上にトナー画像が形成され、この領域において、ベルト105にワックスが付着し、この領域においてダストDが発生する。
ところで、本実施例の定着装置103は、ベルト105の幅方向の中央を基準にシートPを搬送する(中央基準搬送)。そのため、装置に導入可能な最小幅サイズのシートPにおける領域Wp−maxではシートPの幅サイズによらずダストDが発生し易い。そのため、ダストDを効率良く回収するためには、少なくともこの領域においてダストを確実に回収することが望ましい。したがって、フィルタ51の寸法Wfは、最小幅サイズのシートPにおける領域Wp−maxよりも長いことが望ましい。あるいは、フィルタ51の寸法Wfは、最小の幅サイズのシートPよりも長いことが望ましい。
また、ダストDは、装置に導入可能な最大幅サイズのシートPにおける領域Wp−maxにおいて発生し得る。そのため、ダストDを確実に回収するためには、この領域の全域でダストDを回収することが望ましい。したがって、フィルタ51の寸法Wfは、最大幅サイズのシートPにおける領域Wp−maxよりも長いことが望ましい。あるいは、フィルタ51の寸法Wfは、最大幅サイズのシートPよりも長いことが望ましい。
プリンタ1が複数幅サイズのシートPを利用可能な場合であって、最も利用頻度の高い幅サイズのシートPが分かっている場合はそのシートPの幅Wp−maxにおいてWf>Wp−maxであることが望ましい。
なお本実施例において、使用可能なシートの最大サイズはA3サイズであり、使用可能なシートの最小サイズはハガキサイズである。シートPの搬送方向における幅は、A3サイズが297mm、ハガキサイズが100mmである。前述のWP−maxは、シートPの幅方向の全領域から端部の空白領域(非画像領域)3mmを除いた領域である。そのため、A3サイズのシートPにおける幅WP−maxは291mm(=297−3−3)であり、ハガキサイズのシートPにおける幅WP−maxは94mm(=100−3−3)である。
(4−1−3)フィルタの配置
フィルタ51は、図1(a)に示すように、ベルト105の近傍に配置されている。また、フィルタ51は定着装置103に進入するシートPと対向する位置関係にある。ダストDの回収効率を考えた場合、フィルタ51はニップ部101bにできるだけ近いことが望ましい。しかしながら、フィルタ51とベルト105を近づけ過ぎると、ベルト105からの輻射によりフィルタ51が熱的に劣化し、濾過性能が低下してしまう虞がある。そのため、フィルタ51は、ニップ部101bに対して適度な距離に配置されていることが望ましい。
具体的には、フィルタ51とベルト105の間隔(最短距離)は5mm以上であることが望ましい。一方で、ダストDを確実に回収するために、フィルタ51は、ニップ部101bを基準として100mm以内に配置されていることが望ましい。
上述したようにフィルタ51をダクト52の吸気口52aに取り付けると、フィルタ51に向けてエアを案内する構成が不要となる。そのため、フィルタユニット50を小型にすることができる。
また、上述したように、長手方向に延びるフィルタ51をベルト105の近傍に配置すると、ダクトの吸気口52aにおけるエアの通過風速が長手方向で均一になる。換言すると、吸気口52aに通気抵抗体であるフィルタ51を配置することで、フィルタ51の背面領域の全域を一定の負圧に保つことができる。すなわち図3の(b)に示すポイント53aと53bと53cの負圧は、略同じ値になっている。
これは、フィルタ51の通気抵抗が、ダクト52内の通気抵抗よりも格段に大きいためである。ポイント53aと53bと53cの負圧が同レベルであれば、フィルタ51に吸引されるエアF4の風速は、フィルタ51の全面にわたって均一化される。風速が均一化された結果、フィルタユニット50は、ベルト105から発生するダストDを効率良く(最小限の風量で)回収することができる。
フィルタユニット50による吸気量が小さいと、ベルト105の近傍に流れ込むエアの量も小さくなる。そのため、ベルト105の近傍のエアの温度低下を小さくすることができる。その結果、ダストDの発生を抑制することができ、ダストDの回収効率も向上する。また、ベルト105の温度低下を抑えられるため省エネにも有利である。
(4−1−4)フィルタの形状
上述したように、フィルタ51の短手方向中央部は、ニップ部101bから離間する方向に湾曲している(図1)。このような曲面形状にした場合、限られたスペースの中でフィルタ51の表面積を増大させることができる。フィルタ51の表面積が増えるとダストDの回収効率が向上する。
(4−2)エアフロー構成
次にプリンタ内のエアフローについて説明する。ダストDを効率良く回収する場合、プリンタ内のエアフロー、特に定着装置103の周辺のエアフローについて適切に制御することが望ましい。以下、定着装置103の周辺のエアフローに関わる構成について詳細に説明する。
(4−2−1)第一ファン
上述したように、吸気部である第一ファン61の風量が多いとエアを多く吸引できる一方で、シート入口400の近傍のエアの温度を低下させやすい。エア温度の低下は過冷却度ΔTを増加させ、ダスト発生を促進する。そのため、第一ファン61の風量は、適切に設定される必要がある。風量20L/minから100L/minが適切な範囲であり、本実施例のプリンタ1は50L/minに設定している。
なお、フィルタ51はダストやシートPから発生する紙粉、搬送中のシートP上の未定着画像から極微量飛散する飛散トナーを吸い込むことによって劣化する。フィルタ51へのダスト、紙粉、飛散トナーの付着は、フィルタ51の素材である静電不織布の帯電強度を低下させるためである。そのため、第一ファン61は、ダストDが発生していない場合は停止していることが望ましい。
(4−2−2)第二ファン及び第三ファン
水分を含むシートPが定着装置103で加熱されると、シートPからは水蒸気が発生する。この水蒸気によって、シート搬送方向において定着装置103よりも下流側の空間C(図4)は湿度が高い状態になる。湿度が高いと結露を発生させ易いため、ガイド部材15上には水滴が付着しやすくなる。搬送されてきたシートPにガイド部材15上の水滴が付着すると画像不良の発生を招く。そのため、シートPから発生する水蒸気によって空間Cの湿度が高くなった場合、この湿度を低下させることが望ましい。
第二ファン62はガイド部材15に結露が発生することを防止するためのファンである。第二ファン62はプリンタ1の外部からエアを機内に引き込んで、ガイド部材15にエアを吹き付けることで、空間Cの湿度を低下させる。
詳細には、第二ファン62からエアが吹き付けにより、ガイド部材15近傍の水蒸気が空間Cの周囲に拡散するため、ガイド部材15近傍の局所的な湿度上昇が抑制される。第二ファン62のみを用いる場合であっても、ガイド部材15における結露をある程度抑制できる。
しかしながら、水蒸気の排出先が排出ローラ対14の周囲にある隙間のみとなるので、空間Cにおける湿度は次第に上昇してしまう。そこで本実施例では、第三ファン63によってガイド部材15近傍の湿度を画像形成装置外に排出している。
(4−2−4)第四ファン
冷却吸気部である第四ファン64は、転写部12a付近の温度上昇を防ぐため、定着装置103と転写部12aの間の空間の熱気を排出する作用を有する。転写部12aを構成する転写ベルト10cと二次転写ローラ12の温度が上がりすぎると、未定着画像を形成するトナーが柔らかくなって転写プロセスに影響を及ぼすため、第四ファン64はこれら部材の周辺の熱気を排出する。第四ファン64の風量は、第一ファン61の50L/minと比べて大きな500L/min程度に設定されている。
冷却ダクト42の開口42aは、図2に示すようにベルト105の長手方向の中央付近に位置する。その位置から長手方向全域の熱気を吸引するため、風量が大きくなるように設定されている。一方で第四ファン64は、ベルト105の周辺空間の温度を下げ、過冷却度ΔTを増大させる作用がある。過冷却度ΔTの増大はダストDの増加につながるため、第四ファン64は、過冷却度ΔTが十分に小さくなった時のみ作動させるべきである。
なお、過冷却度ΔTが大きい時、ベルト105の周辺の温度は低くなることが、前述の式(1)よりわかる。そのため、過冷却度ΔTが大きい時に第四ファン64を停止させたとしても問題にはならない。
(4−3)制御フロー
本実施例では、第一ファン61と第四ファン64を過冷却度ΔTに応じて制御することにより、ダストDの発生を抑制しつつ、フィルタ51によりダストDを効果的に除去し、且つフィルタ51の劣化を防いでいる。さらには転写部12aの温度上昇をも防いでいる。
以下、図13と図14に基づいて第一ファン61と第四ファン64の動作を説明する。プリンタ1の電源がONになると制御回路部Aは制御プログラムを実行する(S101)。制御回路部Aはプリント命令信号を受信するとS103へとステップを進める(S102)。制御回路部Aは、以下の条件式(2)、式(3)を満足するか否かを判定する(S103)。
・ベルト105の表面温度Tb≧Tws―20℃・・・式(2)
・トナーのダスト発生温度Tws−測定点Tpの空間温度Ta>第一温度
・・・式(3)
式(2)は、ベルト105の表面温度が、ダストを発生させ得る温度に到達したか否かを判定する式である。図14(a)において、矢印Aの範囲に入れば式(2)を満足する。なお、ここで、式(2)はTwsから20℃を差し引いているが、これは図9(a)の測定装置におけるダスト発生温度と、定着装置103におけるダスト発生温度の違いを考慮したものである。
ベルト105の周辺温度は、前述したようにベルト105の回転に伴う周辺気流の引き込みにより低下する。温度低下によって過冷却度が増大するため、図9(a)の装置よりも20℃低い温度でダストが発生する。式(2)はこの現象を補正するために20℃(調整温度値Z℃)を差し引いている。
式(3)は、式(1)で定義された過冷却度ΔT(=Tws―Ta)が、ダストの放出終了条件を満足するか否かを判定する式である。この式を満足すれば、ダストの放出はないと判定される。図14(b)において、矢印Bの範囲に入れば式(3)を満足する。前述したようにダストDの総発生量の80%が放出される時の過冷却度ΔTは120.9℃、90%放出時のΔTは116.4℃、100%放出時のΔTは109.5℃である。
本実施例は、ダストDの放出が100%完了した時に第一ファン61と第四ファン64の作動を切り替えるようにしているため、式(3)の第一温度を109℃としている。しかし多くの場合、ダストDが80%以上放出されればガイド15等の部品のダスト汚れを十分に軽減できることが多い。そのため閾値温度としての第一温度は、測定点Tpがベルト(加熱回転体)105から転写部(第1の位置)12bの方向に向かって6mm離れた位置にある場合に、109℃以上121℃以下の範囲で適宜設定されれば良い。
以上の式(2)、式(3)を満足する場合は、ダストDの発生条件が満たされているので、S104に進んで第一ファン61が作動する。第一ファン61の作動により、プリント開始後からただちにダストDを除去できるようにする。なおこの時、第四ファン64は非作動(非動作)となる。第四ファン64の作動により、ダストDがフィルタ51を経由せずに排出されることを防ぐためである。
図14(a)(b)(d)は、プリント開始時点で式(2)と式(3)が満足されていて、第一ファン61が作動していることを示している。なお式(2)と式(3)を満足しない場合は第一ファン61と第四ファン64はともに非作動となる(S105)。
次にプリントが開始(S106)した後、制御回路部Aは以下の式(4)を満足するか否かを判定する。
Ta≧第二温度・・・式(4)
第二温度は図14(c)に示すように90℃に設定されている。Taがこの温度に到達した時、即ちTaが図14(c)における矢印Cの領域に入って、式(4)を満足する場合は、転写部12aが画像形成に良くない影響を与えるほどに温度上昇したものとみなす。そして、制御回路部Aは第四ファン64に加えて第一ファン61を作動させる。
第一ファン61は第四ファン64と比べて風量が少ないものの、ベルト105の長手方向全域の熱気を吸気できるため、冷却効率が高い。第一ファン61の作動により、フィルタ51の劣化は進んでしまうが、本実施例では画像品質維持を優先にして第一ファン61を作動させている。S107で式(4)を満足しない場合はS109に進む。
S109では、S103と同様に、式(2)と式(3)を満足するか否かを判定する。満足する場合はダストDが発生するものとみなして、第一ファン61を作動させる。第四ファン64は非作動とする(S110)。式(2)と式(3)を満足しない場合はS111に進んで、第一ファン61を非作動、第四ファン64を作動として、転写部12aの周辺の熱気を排熱する(S111)。
プリント中に式(2)と式(3)を満足するのは、図14でいうとプリント開始後経過時間が207秒に到達した時である。図14(d)において、第四ファン64は207秒を少し経過した時にDuty50%で作動させているが、これは過冷却度ΔTの増大を抑制するためである。過冷却度ΔTが十分小さくなった時点(320秒)で第四ファン64はDuty100%で作動する。
S110とS111の後は、プリント終了条件を満足したか否かを判定する(S112)。プリント終了条件を満足しない場合はS107に戻って式(2)と式(3)と式(4)の判定を繰り返す。
本実施例1における上記の第一ファン61の制御をまとめると次のとおりである。
・ベルト(加熱回転体)105の表面温度をTb(℃)
・トナーのダスト発生温度をTws(℃)
・温度検出手段67によって検出された空間温度をTa(℃)
としたとき、制御部Aは以下の条件式(1)と(2)を満す場合に第一ファン61を所定の第1の効率にて作動させ、満たさない場合は第一ファン61を非作動にする又は前記第1の効率よりも効率を落とした所定の第2の効率にて作動させることを特徴とする。
Tb≧Tws−Z ・・式(A)
ただし、Zは予め定めた調整温度値(℃)
Tws−Ta>第一温度 ・・式(B)
ただし、第一温度は予め定めた閾値温度(℃)
本実施例のプリンタ1は、以上の構成と動作により、ダストDをフィルタ51により除去しつつ、第一ファン61の作動を抑制してフィルタ51の劣化を防ぐことができる。即ち、ダストの発生を予測して、ダストが発生している間のみフィルタを作動させることにより、フィルタの長寿命化を図ることができる。また過冷却度ΔTが十分大きくなってダストDの発生がなくなった時に第四ファン64を作動させるため、フィルタ51の効果を最大化できる。
(5)その他の事項
以上、本発明について実施例1を用いて説明したが、実施例1に記載の構成に限られるものではない。実施例で例示した寸法等の数値は一例であって、本発明の効果が得られる範囲においては適宜設定してよい。また、本発明の効果が得られる範囲において実施例に記載の一部構成、制御を同様の機能を有する他に置き換えてもよい。
例えば温度検出手段67は、測定点Tpに設けた温度センサであっても良い。第一温度は109℃から121℃の範囲を外れても良い。過冷却度ΔTが121℃を上回った場合、ダスト放出は80%を下回るが、ガイド15の汚れを実用上十分なレベルに抑制できれば良い。TaとTbが式(2)と式(3)を満たさない場合、第一ファン61は低Dutyで作動するのであっても良い。TaとTbが式(2)と式(3)を満たすようになった場合、第四ファン64のDutyを段階的にではなく、直線的に上げるのであっても良い。
<実施例2>
実施例1で述べたように定着装置103の上流側はプリントが進むと温度が上がり、定着装置103の上流側にある転写部12aが昇温し、未定着画像を形成するトナーが溶融し、転写プロセスに影響を及ぼす。そのため、第四ファン(転写部冷却ファン)64を設け、定着装置104の上流側を冷却する。しかし、第四ファン64により定着装置103の上流側を冷却することで、ダストが発生しやすい環境になってしまう。
そこで、第四ファン64の動作を制御することで、ダスト発生を抑制させ、さらに、ダストを除去するフィルタ51の効果を増大化することができる。即ち、
・ベルト(加熱回転体)105の表面温度をTb(℃)
・トナーのダスト発生温度をTws(℃)
・温度検出手段67によって検出された空間温度をTa(℃)
としたとき、制御部Aは、以下の条件式(A)と(B)を満す場合に第四ファン(冷却ファン)64を非作動にする又は第四ファン64の効率を所定の第1の効率から効率を落とした所定の第2の効率にて作動させることを特徴とする。
Tb≧Tws−Z ・・式(A)
ただし、Zは予め定めた調整温度値(℃)
Tws−Ta>第一温度 ・・式(B)
ただし、第一温度は予め定めた閾値温度(℃)
制御部Aは、Ta(℃)、Tws(℃)が以下の条件式(C)と(D)を満足するとき、第一ファン(ダスト捕集ファン)61を非作動にする。又は所定の第1の効率から効率を落とした所定の第2の効率にて作動させる。それとともに第四ファン(冷却ファン)64を作動させることを特徴とする。
Tws−Ta≦第一温度・・式(C)
Ta≦第二温度・・・・・・式(D)
ただし、第二温度は第一温度よりも低い予め定めた閾値温度(℃)
Ta(℃)、Tws(℃)が以下の条件式(E)と(F)を満足するとき、第一ファン(ダスト捕集ファン)61と第四ファン(冷却ファン)64を作動させることを特徴とする。
Tws−Ta≦第一温度・・・式(E)
Ta>第二温度・・・・・・・式(F)
本実施例2は、ダストの発生を予測して第四ファン64の動作を制御する点にある。これにより、ダスト発生の抑制と、ダストを除去するフィルタの効果を増大化する。プリンタ1のハード構成およびソフト構成は実施例1(全図)と同様であるから再度の説明は省略する。
本実施例2のプリンタにおいても実施例1と同様に一部構成を同様の機能を有する他の構成に置き換えてもよい。例えば温度検出手段67は、測定点Tpに設けた温度センサであっても良い。第一温度は109℃から121℃の範囲を外れても良い。過冷却度ΔTが121℃を上回った場合、ダスト放出は80%を下回るが、ガイド15の汚れを実用上十分なレベルに抑制できれば良い。
《他の実施形態》
1)以上で本発明の実施例を説明したが、本発明にかかる構成はこの実施例に限定されない。例えば、定着装置103は、熱ローラ方式であっても良いし、電磁誘導加熱を利用する方式でも良い。
2)実施例では未呈者トナー像をシートに熱定着する定着装置を例にして説明したが、これに限られず、画像の光沢を向上させるために、シートに一旦定着された若しくは仮定着されたトナー像を再加熱する装置であってもよい。この場合も定着装置と呼ぶことにする。
3)実施例では、画像形成装置1として、ドラム6を複数備えたマルチファンクションプリンタを取り上げた。しかし、ドラム6を一つ備えたモノクロのマルチファンクションプリンタやシングルファンクションプリンタに搭載する画像形成装置にも本発明を適用することができる。
4)ジート搬送は中央基準搬送に限られない。片側基準搬送であってもよい。
1・・画像形成装置、7・・画像形成部、12a・・転写部(第1の位置)、P・・記録材(シート)、S・・トナー像、103・・定着部(定着装置)、105・・ベルト(加熱回転体)、108・・加圧ローラ(加圧回転体)、101a・・定着ニップ部(第2の位置)、52・・ダスト捕集ダクト、52a・・吸気口、51・・フィルタ、61・・第一ファン(ダスト捕集ファン)、67・・温度検出手段、A・・制御部、42・・冷却ダクト、42a・・吸気口、64・・第四ファン(冷却ファン)

Claims (13)

  1. 離型剤を含有するトナーを用いて記録材にトナー像を第1の位置にて形成する画像形成部と、
    前記第1の位置から搬送される記録材を第2の位置にて挟持搬送して熱と圧力による定着する加熱回転体および加圧回転体を有する定着部と、
    前記第1の位置と前記第2の位置の間に吸気口を有するダクトと、
    前記ダクトに設けられ離型剤に起因するダストを回収するためのフィルタと、
    前記ダクトに吸気のためのエアフローを発生させるファンと、
    前記加熱回転体の近傍の空間温度を検出する温度検出手段と、
    前記ファンの動作を制御する制御部と、を有し、
    前記加熱回転体の表面温度をTb(℃)
    前記トナーのダスト発生温度をTws(℃)
    前記温度検出手段によって検出された空間温度をTa(℃)
    としたとき、前記制御部は以下の条件式(A)と(B)を満す場合に前記ファンを所定の第1の効率にて作動させ、満たさない場合は前記ファン(61)を非作動にする又は前記第1の効率よりも効率を落とした所定の第2の効率にて作動させることを特徴とする画像形成装置。
    Tb≧Tws−Z ・・式(A)
    ただし、Zは予め定めた調整温度値(℃)
    Tws−Ta>第一温度 ・・式(B)
    ただし、第一温度は予め定めた閾値温度(℃)
  2. 前記Taは、前記加熱回転体から前記第1の位置の方向に向かって1mm以上20mm以下の範囲内にある測定点の空間温度であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記温度検出手段は、前記測定点に設けた温度検知器であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記温度検出手段は、前記Tb、画像形成装置の外部温度、画像形成装置の装置内温度、前記加熱回転体および加圧回転体の近傍に気流を生じさせるファンの動作情報から、前記Taを予測することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  5. 前記第一温度は、前記測定点が前記加熱回転体から前記第1の位置の方向に向かって6mm離れた位置にある場合に、109℃以上121℃以下の範囲にあることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 離型剤を含有するトナーを用いて記録材にトナー像を第1の位置にて形成する画像形成部と、
    前記第1の位置から搬送される記録材を第2の位置にて挟持搬送して熱と圧力による定着する加熱回転体および加圧回転体を有する定着部と、
    前記第1の位置と前記第2の位置の間に吸気口を有する冷却ダクトと、
    前記冷却ダクトに吸気のためのエアフローを発生させる冷却ファンと、
    前記加熱回転体の近傍の空間温度を検出する温度検出手段と、
    前記冷却ファンの動作を制御する制御部と、を有し、
    前記加熱回転体の表面温度をTb(℃)
    前記トナーのダスト発生温度をTws(℃)
    前記温度検出手段によって検出された空間温度をTa(℃)
    としたとき、前記制御部は、以下の条件式(A)と(B)を満す場合に前記冷却ファン(64)を非作動にする又は所定の第1の効率よりも効率を落とした所定の第2の効率にて作動させることを特徴とする画像形成装置。
    Tb≧Tws−Z ・・式(A)
    ただし、Zは予め定めた調整温度値(℃)
    Tws−Ta>第一温度 ・・式(B)
    ただし、第一温度は予め定めた閾値温度(℃)
  7. 更に、前記第1の位置と前記第2の位置の間に吸気口を有するダスト捕集ダクトと、
    前記ダスト捕集ダクトに設けられ離型剤に起因するダストを回収するためのフィルタと、
    前記ダスト捕集ダクトに吸気のためのエアフローを発生させるダスト捕集ファンと、を有する
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御部は、前記Ta(℃)、前記Tws(℃)が以下の条件式(C)と(D)を満足するとき、ダスト捕集ファンを非作動にする又は所定の第1の効率よりも効率を落とした所定の第2の効率にて作動させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
    Tws−Ta≦第一温度・・式(C)
    Ta≦第二温度・・・・・・式(D)
    ただし、第二温度は第一温度よりも低い予め定めた閾値温度(℃)
  9. 前記Ta(℃)、前記Tws(℃)が以下の条件式(E)と(F)を満足するとき、前記ダスト捕集ファンと前記冷却ファンを作動させることを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
    Tws−Ta≦第一温度・・・式(E)
    Ta>第二温度・・・・・・・式(F)
  10. 前記Ta(℃)は、前記第1の位置から前記第2の位置の方向に向かって1mm以上20mm以下の範囲内にある測定点の空間温度であることを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記温度検出手段は、前記測定点に設けた温度検知器であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記温度検出手段は、前記Tb、画像形成装置の外部温度、画像形成装置の装置内温度、前記加熱回転体および加圧回転体の近傍に気流を生じさせるファンの動作情報から、前記Taを予測することを特徴とする請求項6乃至10の何れか1項に記載の画像形成装置。
  13. 前記第一温度は、前記測定点が前記第1の位置から前記第2の位置の方向に向かって6mm離れた位置にある場合に、109℃以上121℃以下の範囲にあることを特徴とする請求項10乃至12の何れか1項に記載の画像形成装置。
JP2018084970A 2018-04-26 2018-04-26 画像形成装置 Active JP7066502B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018084970A JP7066502B2 (ja) 2018-04-26 2018-04-26 画像形成装置
GB2015765.7A GB2586545A (en) 2018-04-26 2019-04-25 Image forming device
PCT/JP2019/018651 WO2019208834A1 (ja) 2018-04-26 2019-04-25 画像形成装置
DE112019002122.2T DE112019002122T5 (de) 2018-04-26 2019-04-25 Bilderzeugungsgerät
US17/077,422 US11294311B2 (en) 2018-04-26 2020-10-22 Image forming apparatus with collection of dust resulting from a parting agent contained in toner

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018084970A JP7066502B2 (ja) 2018-04-26 2018-04-26 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019191399A true JP2019191399A (ja) 2019-10-31
JP7066502B2 JP7066502B2 (ja) 2022-05-13

Family

ID=68293660

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018084970A Active JP7066502B2 (ja) 2018-04-26 2018-04-26 画像形成装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US11294311B2 (ja)
JP (1) JP7066502B2 (ja)
DE (1) DE112019002122T5 (ja)
GB (1) GB2586545A (ja)
WO (1) WO2019208834A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020134935A (ja) * 2019-02-20 2020-08-31 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP2023020531A (ja) * 2021-07-30 2023-02-09 ブラザー工業株式会社 画像形成装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011180236A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置
JP2014044238A (ja) * 2012-08-24 2014-03-13 Canon Inc 画像形成装置
JP2015219432A (ja) * 2014-05-20 2015-12-07 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置
JP2017120404A (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 キヤノン株式会社 画像形成装置

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4745714B2 (ja) 2005-05-06 2011-08-10 キヤノン株式会社 像加熱装置
US20080038008A1 (en) 2006-02-28 2008-02-14 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus
KR20130084162A (ko) * 2012-01-16 2013-07-24 삼성전자주식회사 화상형성장치
JP6202928B2 (ja) 2012-09-24 2017-09-27 キヤノン株式会社 定着装置
JP6230325B2 (ja) 2012-09-24 2017-11-15 キヤノン株式会社 定着装置
JP2014142606A (ja) 2012-12-25 2014-08-07 Canon Inc 画像形成装置
US9250578B2 (en) 2013-09-26 2016-02-02 Canon Kabushiki Kaisha Fixing device and image forming apparatus
JP2015184430A (ja) 2014-03-24 2015-10-22 キヤノン株式会社 定着装置
JP6272098B2 (ja) 2014-03-24 2018-01-31 キヤノン株式会社 定着装置
JP2016057481A (ja) 2014-09-10 2016-04-21 キヤノン株式会社 定着装置
JP6391404B2 (ja) 2014-10-06 2018-09-19 キヤノン株式会社 定着装置
JP6676371B2 (ja) 2015-12-28 2020-04-08 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP6939172B2 (ja) * 2017-07-19 2021-09-22 コニカミノルタ株式会社 排気装置および画像形成装置
JP7130421B2 (ja) * 2018-04-26 2022-09-05 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP7130428B2 (ja) * 2018-05-15 2022-09-05 キヤノン株式会社 画像形成装置、ファンの動作制御方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011180236A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置
JP2014044238A (ja) * 2012-08-24 2014-03-13 Canon Inc 画像形成装置
JP2015219432A (ja) * 2014-05-20 2015-12-07 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置
JP2017120404A (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 キヤノン株式会社 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
DE112019002122T5 (de) 2021-01-14
GB2586545A (en) 2021-02-24
JP7066502B2 (ja) 2022-05-13
US11294311B2 (en) 2022-04-05
GB202015765D0 (en) 2020-11-18
WO2019208834A1 (ja) 2019-10-31
US20210055678A1 (en) 2021-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6643220B2 (ja) 画像形成装置
JP6202928B2 (ja) 定着装置
US9411275B2 (en) Image forming apparatus having partition configured to separate air flow and sheet feeding paths
JP6391404B2 (ja) 定着装置
JP6230325B2 (ja) 定着装置
JP6676371B2 (ja) 画像形成装置
WO2017115877A1 (ja) 画像形成装置
WO2019208834A1 (ja) 画像形成装置
US11493880B2 (en) Image forming apparatus with removal of dust resulting from a parting agent contained in toner
JP2018045117A (ja) 画像形成装置
JP2017125976A (ja) 画像形成装置
JP6614970B2 (ja) 画像形成装置
JP6656020B2 (ja) 画像形成装置
JP6708416B2 (ja) 画像形成装置
JP2015184430A (ja) 定着装置
JP6173148B2 (ja) 定着装置
JP2016057481A (ja) 定着装置
JP2023020171A (ja) 画像形成装置
JP2015064519A (ja) 定着装置
JP2019012178A (ja) 定着装置
JP2003043834A (ja) 定着装置及びこれを備える画像形成装置
JP2018136393A (ja) 定着装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181108

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20181116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190418

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20200206

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20200207

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220329

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220427

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7066502

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151