以下、本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
以下、図1〜図6を参照して、本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の実施形態について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、図1に示すように、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸とする。また、X軸とY軸を含むXY平面が水平となっており、Z軸が鉛直となっている。また、X軸に平行な方向を「X方向」とも言い、Y軸に平行な方向を「Y方向」とも言い、Z軸に平行な方向を「Z方向」とも言う。また、各方向の矢印が向いた方向を「正」、その反対方向を「負」と言う。また、本願明細書で言う「水平」とは、完全な水平に限定されず、電子部品の搬送が阻害されない限り、水平に対して若干(例えば5°未満程度)傾いた状態も含む。また、本願明細書で言う「鉛直」とは、完全な鉛直に限定されず、電子部品の搬送が阻害されない限り、鉛直に対して若干(例えば5°未満程度)傾いた状態も含む。また、図1、図3〜図6中の上側、すなわち、Z軸方向正側を「上」または「上方」、下側、すなわち、Z軸方向負側を「下」または「下方」と言うことがある。
本発明の電子部品搬送装置10は、図1に示す外観を有するハンドラーである。この電子部品搬送装置10は、電子部品であるICデバイス90を搬送する搬送部25を備えている。また、電子部品搬送装置10は、ICデバイス90(電子部品)を載置する載置面を有するトレイ200(電子部品載置部26)に接して押圧する押圧部材4と、押圧部材4に設けられ、押圧部材4を案内する第1方向に沿って形成された長孔43(第1案内部)と、長孔43(第1案内部)により摺動可能に支持される第1軸部材52(第1支持部)と、載置面と交差する第2方向に沿って形成された長孔518(第2案内部)と、を有する支持部材(支持部本体)51と、押圧部材4に立設され、長孔518(第2案内部)により摺動可能に支持される第2軸部材53(第2支持部)と、第2軸部材53(第2支持部)を支持する連結部材7と、連結部材7を移動させる駆動部6と、を備え、第1方向と第2方向とは交差する。
そこで、本発明によれば、後述するように、第2の位置姿勢での押圧部材4の上方への突出量をできる限り抑えることができ、よって、その分、押圧部材4が配置されているデバイス供給領域A2内でのデバイス搬送ヘッド13の可動範囲を広く確保することができる。これにより、例えば、デバイス搬送ヘッド13のキャリブレーション時等で、デバイス搬送ヘッド13と押圧部材4との干渉を防止することができる。また、メンテナンス時等で、第2の位置姿勢にある押圧部材4にオペレーターが接触するのを低減することができ、よって、オペレーターとの接触による押圧部材4の変形を防止することができる。
なお、図2に示すように、本実施形態では、電子部品載置部26をトレイ200に適用しているが、これに限定されず、例えば、電子部品載置部26を、後述する温度調整部12、デバイス供給部14、検査部16、デバイス回収部18または回収用トレイ19に適用してもよい。
また、図2に示すように、本発明の電子部品検査装置1は、電子部品搬送装置10を備え、さらに、電子部品を検査する検査部16を備えるテストシステム(test system)である。すなわち、本発明の電子部品検査装置1は、電子部品であるICデバイス90を搬送する搬送部25と、ICデバイス90(電子部品)を検査する検査部16とを備えている。また、電子部品検査装置1は、ICデバイス90(電子部品)を載置する載置面を有するトレイ200(電子部品載置部26)に接して押圧する押圧部材4と、押圧部材4に設けられ、押圧部材4を案内する第1方向に沿って形成された長孔43(第1案内部)と、長孔43(第1案内部)により摺動可能に支持される第1軸部材52(第1支持部)と、載置面と交差する第2方向に沿って形成された長孔518(第2案内部)と、を有する支持部材(支持部本体)51と、押圧部材4に立設され、長孔518(第2案内部)により摺動可能に支持される第2軸部材53(第2支持部)と、第2軸部材53(第2支持部)を支持する連結部材7と、連結部材7を移動させる駆動部6と、を備え、第1方向と第2方向とは交差する。
これにより、前述した電子部品搬送装置10の利点を持つ電子部品検査装置1が得られる。また、検査部16にまでICデバイス90を搬送することができ、よって、当該ICデバイス90に対する検査を検査部16で行なうことができる。また、検査後のICデバイス90を検査部16から搬送することができる。
以下、各部の構成について詳細に説明する。
図1、図2に示すように、電子部品搬送装置10を有する電子部品検査装置1は、例えばBGA(Ball Grid Array)パッケージであるICデバイス等の電子部品を搬送し、その搬送過程で電子部品の電気的特性を検査・試験(以下単に「検査」と言う)する装置である。なお、以下では、説明の便宜上、前記電子部品としてICデバイスを用いる場合について代表して説明し、これを「ICデバイス90」とする。ICデバイス90は、本実施形態では平板状をなすものとなっている(図5参照)。
なお、ICデバイスとしては、前記のものの他に、例えば、「LSI(Large Scale Integration)」「CMOS(Complementary MOS)」「CCD(Charge Coupled Device)」や、ICデバイスを複数モジュールパッケージ化した「モジュールIC」、また、「水晶デバイス」、「圧力センサー」、「慣性センサー(加速度センサー)」、「ジャイロセンサー」、「指紋センサー」等が挙げられる。
電子部品検査装置1(電子部品搬送装置10)は、トレイ供給領域A1と、デバイス供給領域A2と、検査領域A3と、デバイス回収領域A4と、トレイ除去領域A5とを備え、これらの領域は、後述するように各壁部で分けられている。そして、ICデバイス90は、トレイ供給領域A1からトレイ除去領域A5まで前記各領域を矢印α90方向に順に経由し、途中の検査領域A3で検査が行われる。このように電子部品検査装置1は、各領域を経由するようにICデバイス90を搬送する搬送部25を有する電子部品搬送装置10と、検査領域A3内で検査を行なう検査部16と、産業用コンピューターで構成された制御部800とを備えたものとなっている。また、その他、電子部品検査装置1は、モニター300と、シグナルランプ400と、操作パネル700とを備えている。
なお、電子部品検査装置1は、トレイ供給領域A1、トレイ除去領域A5が配された方、すなわち、図2中の下側が正面側となり、検査領域A3が配された方、すなわち、図2中の上側が背面側として使用される。
また、電子部品検査装置1は、ICデバイス90の種類ごとに交換される「チェンジキット」と呼ばれるものを予め搭載して用いられる。このチェンジキットには、例えば、温度調整部12と、デバイス供給部14と、デバイス回収部18とがある。また、このようなチェンジキットとは別に、ICデバイス90の種類ごとに交換されるものとしては、例えば、ユーザーが用意するトレイ200と、回収用トレイ19と、検査部16とがある。
トレイ供給領域A1は、未検査状態の複数のICデバイス90が配列されたトレイ200が供給される給材部である。トレイ供給領域A1は、板状をなすトレイ200を複数積み重ねて搭載可能な搭載領域と言うこともできる。なお、本実施形態では、各トレイ200には、複数の凹部(ポケット)201が行列状に配置されている。各凹部201には、ICデバイス90を1つずつ収納、載置することができる(図5参照)。
デバイス供給領域A2は、トレイ供給領域A1から搬送されたトレイ200上の複数のICデバイス90がそれぞれ検査領域A3まで搬送、供給される領域である。
なお、トレイ供給領域A1とデバイス供給領域A2とをまたぐように、トレイ200を1枚ずつ水平方向に搬送するトレイ搬送機構11A、トレイ搬送機構11Bが設けられている。
トレイ搬送機構11Aは、搬送部25の一部であり、トレイ200を、当該トレイ200に載置されたICデバイス90ごとY方向の正側、すなわち、図2中の矢印α11A方向に移動させることができる。これにより、ICデバイス90を安定してデバイス供給領域A2に送り込むことができる。なお、図5、図6に示すように、トレイ搬送機構11Aは、トレイ200を下方から支持する支持板111を有している。
また、トレイ搬送機構11Bは、空のトレイ200をY方向の負側、すなわち、図2中の矢印α11B方向に移動させることができる。これにより、空のトレイ200をデバイス供給領域A2からトレイ供給領域A1に移動させることができる。
デバイス供給領域A2には、温度調整部(ソークプレート(英語表記:soak plate、中国語表記(一例):均温板))12と、デバイス搬送ヘッド13と、トレイ搬送機構15とが設けられている。また、デバイス供給領域A2と検査領域A3とをまたぐように移動するデバイス供給部14も設けられている。
温度調整部12は、複数のICデバイス90が載置され、当該載置されたICデバイス90を一括して加熱または冷却することができる「ソークプレート」と呼ばれる。このソークプレートにより、検査部16で検査される前のICデバイス90を予め加熱または冷却して、当該検査(高温検査や低温検査)に適した温度に調整することができる。
このような電子部品載置部としての温度調整部12は、固定されている。これにより、当該温度調整部12上でのICデバイス90に対して安定して温度調整することができる。
また、温度調整部12は、グランドされて(接地されて)いる。
図2に示す構成では、温度調整部12は、Y方向に2つ配置、固定されている。そして、トレイ搬送機構11Aによってトレイ供給領域A1から搬入されたトレイ200上のICデバイス90は、いずれかの温度調整部12まで搬送される。
デバイス搬送ヘッド13は、ICデバイス90を吸着により把持する把持部131を有している(図5参照)。このデバイス搬送ヘッド13(把持部131)は、デバイス供給領域A2内でX方向およびY方向に移動可能に支持され、さらにZ方向にも移動可能に支持されている。このデバイス搬送ヘッド13は、搬送部25の一部でもあり、トレイ供給領域A1から搬入されたトレイ200と温度調整部12との間のICデバイス90の搬送と、温度調整部12と後述するデバイス供給部14との間のICデバイス90の搬送とを担うことができる。なお、図2中では、デバイス搬送ヘッド13のX方向の移動を矢印α13Xで示し、デバイス搬送ヘッド13のY方向の移動を矢印α13Yで示している。
デバイス供給部14は、温度調整部12で温度調整されたICデバイス90が載置され、当該ICデバイス90を検査部16近傍まで搬送することができる「供給用シャトルプレート」または単に「供給シャトル」と呼ばれるものである。このデバイス供給部14も、搬送部25の一部となり得る。このデバイス供給部14は、ICデバイス90が収納、載置される凹部(ポケット)を有している。
また、デバイス供給部14は、デバイス供給領域A2と検査領域A3との間をX方向、すなわち、矢印α14方向に往復移動可能(移動可能)に支持されている。これにより、デバイス供給部14は、ICデバイス90をデバイス供給領域A2から検査領域A3の検査部16近傍まで安定して搬送することができ、また、検査領域A3でICデバイス90がデバイス搬送ヘッド17によって取り去られた後は再度デバイス供給領域A2に戻ることができる。
図2に示す構成では、デバイス供給部14は、Y方向に2つ配置されており、Y方向負側のデバイス供給部14を「デバイス供給部14A」と言い、Y方向正側のデバイス供給部14を「デバイス供給部14B」と言うことがある。そして、温度調整部12上のICデバイス90は、デバイス供給領域A2内でデバイス供給部14Aまたはデバイス供給部14Bまで搬送される。また、デバイス供給部14は、温度調整部12と同様に、当該デバイス供給部14に載置されたICデバイス90を加熱または冷却可能に構成されている。これにより、温度調整部12で温度調整されたICデバイス90に対して、その温度調整状態を維持して、検査領域A3の検査部16近傍まで搬送することができる。また、デバイス供給部14も、温度調整部12と同様に、グランドされている。
トレイ搬送機構15は、全てのICデバイス90が除去された状態の空のトレイ200をデバイス供給領域A2内でX方向の正側、すなわち、矢印α15方向に搬送する機構である。そして、この搬送後、空のトレイ200は、トレイ搬送機構11Bによってデバイス供給領域A2からトレイ供給領域A1に戻される。
検査領域A3は、ICデバイス90を検査する領域である。この検査領域A3には、ICデバイス90に対して検査を行なう検査部16と、デバイス搬送ヘッド17とが設けられている。
デバイス搬送ヘッド17は、搬送部25の一部であり、温度調整部12と同様に、把持したICデバイス90を加熱または冷却可能に構成されている。これにより、前記温度調整状態が維持されたICデバイス90を把持して、前記温度調整状態を維持したまま、ICデバイス90を検査領域A3内で搬送することができる。
このようなデバイス搬送ヘッド17は、検査領域A3内でY方向およびZ方向に往復移動可能に支持され、「インデックスアーム」と呼ばれる機構の一部となっている。これにより、デバイス搬送ヘッド17は、デバイス供給領域A2から搬入されたデバイス供給部14から、ICデバイス90を持ち上げて、検査部16上に搬送し、載置することができる。
なお、図2中では、デバイス搬送ヘッド17のY方向の往復移動を矢印α17Yで示している。そして、デバイス搬送ヘッド17は、検査領域A3内で、ICデバイス90のデバイス供給部14Aから検査部16への搬送と、ICデバイス90のデバイス供給部14Bから検査部16への搬送とを担うことができる。また、デバイス搬送ヘッド17は、Y方向に往復移動可能に支持されているが、これに限定されず、X方向にも往復移動可能に支持されていてもよい。
また、本実施形態では、デバイス搬送ヘッド17は、Y方向に2つ配置されている(図2参照)。以下、Y方向負側のデバイス搬送ヘッド17を「デバイス搬送ヘッド17A」と言い、Y方向正側のデバイス搬送ヘッド17を「デバイス搬送ヘッド17B」と言うことがある。デバイス搬送ヘッド17Aは、検査領域A3内で、ICデバイス90のデバイス供給部14Aから検査部16への搬送を担うことができ、デバイス搬送ヘッド17Bは、検査領域A3内で、ICデバイス90のデバイス供給部14Bから検査部16への搬送を担うことができる。また、デバイス搬送ヘッド17Aは、検査領域A3内で、ICデバイス90の検査部16からデバイス回収部18Aへの搬送を担うことができ、デバイス搬送ヘッド17Bは、検査領域A3内で、検査部16からデバイス回収部18Bへの搬送を担うことができる。
検査部16(ソケット)は、電子部品であるICデバイス90を載置して、当該ICデバイス90の電気的特性を検査することができる。検査部16は、ICデバイス90が収納、載置される凹部(ポケット)を有し、その凹部に、複数のプローブピン(図示せず)が設けられている。そして、ICデバイス90の端子とプローブピンとが導電可能に接続される、すなわち、接触することにより、ICデバイス90の検査を行なうことができる。ICデバイス90の検査は、検査部16に接続されるテスターが備える検査制御部に記憶されているプログラムに基づいて行われる。
このような検査部16は、温度調整部12と同様に、ICデバイス90を加熱または冷却して、当該ICデバイス90を検査に適した温度に調整することができる。
デバイス回収領域A4は、検査領域A3で検査され、その検査が終了した複数のICデバイス90が回収される領域である。このデバイス回収領域A4には、回収用トレイ19と、デバイス搬送ヘッド20と、トレイ搬送機構21とが設けられている。また、検査領域A3とデバイス回収領域A4とをまたぐように移動するデバイス回収部18も設けられている。また、デバイス回収領域A4には、空のトレイ200も用意されている。
デバイス回収部18は、検査部16で検査が終了したICデバイス90が載置され、当該ICデバイス90をデバイス回収領域A4まで搬送する「回収用シャトルプレート」または単に「回収シャトル」と呼ばれる。このデバイス回収部18も、搬送部25の一部となり得る。
また、デバイス回収部18は、検査領域A3とデバイス回収領域A4との間をX方向、すなわち、矢印α18方向に沿って往復移動可能に支持されている。また、図2に示す構成では、デバイス回収部18は、デバイス供給部14と同様に、Y方向に2つ配置されており、Y方向負側のデバイス回収部18を「デバイス回収部18A」と言い、Y方向正側のデバイス回収部18を「デバイス回収部18B」と言うことがある。そして、検査部16上のICデバイス90は、デバイス回収部18Aまたはデバイス回収部18Bに搬送され、載置される。そして、デバイス搬送ヘッド17は、検査領域A3内で、ICデバイス90の検査部16からデバイス回収部18Aへの搬送と、ICデバイス90の検査部16からデバイス回収部18Bへの搬送とを担うことができる。また、デバイス回収部18も、温度調整部12やデバイス供給部14と同様に、グランドされている。
回収用トレイ19は、検査部16で検査されたICデバイス90が載置され、デバイス回収領域A4内で移動しないよう固定されている。これにより、デバイス搬送ヘッド20等の各種可動部が比較的多く配置されたデバイス回収領域A4であっても、回収用トレイ19上では、検査済みのICデバイス90が安定して載置されることとなる。なお、図2に示す構成では、回収用トレイ19は、X方向に沿って3つ配置されている。
また、空のトレイ200も、X方向に沿って3つ配置されている。この空のトレイ200も、検査部16で検査されたICデバイス90が載置される。そして、デバイス回収領域A4に移動してきたデバイス回収部18上のICデバイス90は、回収用トレイ19および空のトレイ200のうちのいずれかに搬送され、載置される。これにより、ICデバイス90は、検査結果ごとに分類されて、回収されることとなる。
デバイス搬送ヘッド20は、デバイス回収領域A4内でX方向およびY方向に移動可能に支持され、さらにZ方向にも移動可能な部分を有している。このデバイス搬送ヘッド20は、搬送部25の一部であり、ICデバイス90をデバイス回収部18から回収用トレイ19や空のトレイ200に搬送することができる。なお、図2中では、デバイス搬送ヘッド20のX方向の移動を矢印α20Xで示し、デバイス搬送ヘッド20のY方向の移動を矢印α20Yで示している。
トレイ搬送機構21は、トレイ除去領域A5から搬入された空のトレイ200をデバイス回収領域A4内でX方向、すなわち、矢印α21方向に搬送する機構である。そして、この搬送後、空のトレイ200は、ICデバイス90が回収される位置に配されることとなる、すなわち、前記3つの空のトレイ200のうちのいずれかとなり得る。
トレイ除去領域A5は、検査済み状態の複数のICデバイス90が配列されたトレイ200が回収され、除去される除材部である。トレイ除去領域A5では、多数のトレイ200を積み重ねることができる。
また、デバイス回収領域A4とトレイ除去領域A5とをまたぐように、トレイ200を1枚ずつY方向に搬送するトレイ搬送機構22A、トレイ搬送機構22Bが設けられている。トレイ搬送機構22Aは、搬送部25の一部であり、トレイ200をY方向、すなわち、矢印α22A方向に往復移動させることができる。これにより、検査済みのICデバイス90をデバイス回収領域A4からトレイ除去領域A5に搬送することができる。また、トレイ搬送機構22Bは、ICデバイス90を回収するための空のトレイ200をY方向の正側、すなわち、矢印α22B方向に移動させることができる。これにより、空のトレイ200をトレイ除去領域A5からデバイス回収領域A4に移動させることができる。
制御部800は、例えば、トレイ搬送機構11Aと、トレイ搬送機構11Bと、温度調整部12と、デバイス搬送ヘッド13と、デバイス供給部14と、トレイ搬送機構15と、検査部16と、デバイス搬送ヘッド17と、デバイス回収部18と、デバイス搬送ヘッド20と、トレイ搬送機構21と、トレイ搬送機構22Aと、トレイ搬送機構22Bと、後述する押圧ユニット3の駆動部6等の各部の作動を制御することができる。この制御部800は、例えば、本実施形態では、少なくとも1つのプロセッサー802(at least one processor)と、少なくとも1つのメモリー803とを有している(図2参照)。プロセッサー802は、メモリー803に記憶されている各種情報(例えば、判断用プログラム、指示・命令用プログラム等)を読み込み、判断や指令(命令)を実行することができる。
この制御部800は、電子部品検査装置1(電子部品搬送装置10)に内蔵されていてもよいし、外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。この外部機器は、例えば、電子部品検査装置1とケーブル等を介して通信される場合、無線通信される場合、電子部品検査装置1とネットワーク(例えばインターネット)を介して接続されている場合等がある。
オペレーターは、モニター300を介して、電子部品検査装置1の動作条件等を設定したり、確認したりすることができる。このモニター300は、例えば液晶画面で構成された表示画面301を有し、電子部品検査装置1の正面側上部に配置されている。図1に示すように、トレイ除去領域A5の図中の右側には、マウスを載置するマウス台600が設けられている。このマウスは、モニター300に表示された画面を操作する際に用いられる。
また、モニター300に対して図1の右下方には、操作パネル700が配置されている。操作パネル700は、モニター300とは別に、電子部品検査装置1に所望の動作を命令するものである。
また、シグナルランプ400は、発光する色の組み合わせにより、電子部品検査装置1の作動状態等を報知することができる。シグナルランプ400は、電子部品検査装置1の上部に配置されている。なお、電子部品検査装置1には、スピーカー500が内蔵されており、このスピーカー500によっても電子部品検査装置1の作動状態等を報知することもできる。
電子部品検査装置1は、トレイ供給領域A1とデバイス供給領域A2との間が第1隔壁231によって区切られており、デバイス供給領域A2と検査領域A3との間が第2隔壁232によって区切られており、検査領域A3とデバイス回収領域A4との間が第3隔壁233によって区切られており、デバイス回収領域A4とトレイ除去領域A5との間が第4隔壁234によって区切られている。また、デバイス供給領域A2とデバイス回収領域A4との間も、第5隔壁235によって区切られている。
電子部品検査装置1は、最外装がカバーで覆われており、当該カバーには、例えばフロントカバー241、サイドカバー242、サイドカバー243、リアカバー244、トップカバー245がある。
ところで、トレイ200は、樹脂材料で構成された成形品である。そのため、トレイ200は、例えば、経時的変化や周囲の温度変化等によって、弓なり状に反ることがある。トレイ200が反っていた場合、例えば、次に述べるような現象が生じるおそれがある。
トレイ200上のICデバイス90は、トレイ200が図2中の一点鎖線で囲まれた位置(ICデバイス吸着位置)P1で、デバイス搬送ヘッド13の把持部131によって吸着される。なお、位置P1は、トレイ200がトレイ搬送機構11Aによって、トレイ供給領域A1からデバイス供給領域A2に搬入され、デバイス供給領域A2内で停止する位置である。そして、デバイス搬送ヘッド13の把持部131は、トレイ200上のICデバイス90を吸着する際、ICデバイス90をトレイ200ごと反りの方向と反対方向に押圧する。その後、把持部131は、ICデバイス90を吸着したまま、トレイ200から離間する。このとき、トレイ200は、再度反った状態に戻り、その反動によって、トレイ200上の吸着前のICデバイス90が、跳ね上がってしまい、例えばトレイ200から落ちてしまう等の現象が生じるおそれがある。ICデバイス90がトレイ200から落ちてしまうと、そのICデバイス90は、デバイス搬送ヘッド13の把持部131により吸着されず、搬送もされない。
そこで、電子部品検査装置1(電子部品搬送装置10)では、このような現象を解消するよう構成されている。以下、この構成および作用について、説明する。
図2に示すように、電子部品検査装置1は、トレイ200が位置P1に位置している状態で、トレイ200をZ方向負側、すなわち、トレイ200の厚さ方向に押圧する4つの押圧ユニット(押圧機構)3を備えている。本実施形態では、平面視でトレイ200が長方形(四角形)をなすものとなっている。この場合、各押圧ユニット3は、トレイ200の各角部側に配置されているのが好ましい。なお、4つの押圧ユニット3は、配置箇所が異なること以外は、同じ構成であるため、以下、4つの押圧ユニット3のうちでX方向の最も正側に位置し、かつ、Y方向の最も正側に位置する1つの押圧ユニット3について代表的に説明する。
なお、押圧ユニット3の配置数は、本実施形態では4つであるが、これに限定されず、例えば、トレイ200の形状や大きさによって、適宜変更することができる。また、4つの押圧ユニット3は、本実施形態では全て同じ構成であるが、これに限定されず、例えば、少なくとも1つの押圧ユニット3が、さらに任意の構成物が付加されたものであってもよい。
図3〜図6に示すように、押圧ユニット3は、トレイ200を押圧する押圧部材4と、押圧部材4を回動可能に支持する支持部5と、押圧部材4を回動駆動させる駆動部6と、押圧部材4と駆動部6とを連結する連結部材(連結部)7とを備えている。
本実施形態では、押圧ユニット3は、押圧部材4を2つ備えている。そして、これら2つの押圧部材4は、Y方向に離間して配置されている。なお、押圧部材4の配置数は、2つに限定されず、例えば、1つまたは3つ以上であってもよい。
押圧部材4は、長尺な板片で構成されており、その厚さ方向がY方向と平行となるように配置されている。また、押圧部材4は、図3、図5に示す第1の位置姿勢と、図4、図6に示す第2の位置姿勢とを取り得る。位置とは、XYZ方向における位置をいい、姿勢とは、ロール・ピッチ・ヨー方向における姿勢をいう。
この押圧部材4は、第1の位置姿勢でトレイ200に接して、トレイ200を押圧する押圧点41を有している。図5に示すように、押圧点41は、押圧部材4の先端(最もトレイ200側)に位置し、トレイ200の大きさに関わらず、トレイ200の上面に接して、トレイ200をZ方向負側に押圧することができる点である。そして、この押圧状態にある押圧点41を含み、トレイ200に接する押圧部材4の押圧面42からの押圧力F4により、押圧面42(押圧点41)と、トレイ搬送機構11Aの支持板111との間で、トレイ200を挟持することができる。そして、トレイ200は、外力を付与しない自然状態で弓なり状に反っていたとしても、この挟持により、反りが矯正されて、平坦となる。これにより、前述したトレイ200の反動によるICデバイス90の跳ね上がりを防止することができ、よって、例えばICデバイス90がトレイ200から落ちてしまうのを防止することができる。
また、図6に示すように、押圧部材4は、第2の位置姿勢では、押圧面42(押圧点41)がトレイ200から離間して、トレイ200に対する押圧力F4を解除することができる。この状態で、トレイ200は、前述したようにトレイ搬送機構15によって搬送されることとなる。
駆動部6は、押圧部材4を第1の位置姿勢と第2の位置姿勢とに回動駆動させるものであり、本実施形態ではエアシリンダー61で構成されている。図3に示すように、エアシリンダー61は、シリンダー本体62と、ロッド63と、継手64とを有している。このような構成のエアシリンダー61は、例えば継手64を介してシリンダー本体62に供給された作動流体、すなわち、空気によって、ロッド63が上方に向かって突出することができる。このとき、押圧部材4は、第1の位置姿勢となる。また、作動流体の供給が停止すると、ロッド63は、シリンダー本体62に内蔵されているコイルバネ(図示せず)の付勢力により、元の位置に退避することができる。このとき、押圧部材4は、第2の位置姿勢となる。
また、押圧ユニット3では、駆動部6が1つのエアシリンダー61で構成されている。これにより、例えば駆動部6が複数のエアシリンダーで構成されている場合に比べて、押圧部材4を回動駆動させる際の制御を簡単に行なうことができる。
また、駆動部6は、本実施形態ではエアシリンダー61で構成されているが、これに限定されず、例えば、モーター等で構成されていてもよい。
図3〜図6に示すように、支持部5は、押圧部材4を第1の位置姿勢と第2の位置姿勢とに回動可能に支持するものであり、支持部材(支持部本体)51と、第1支持部である第1軸部材52と、第2支持部である第2軸部材53とを有している。
支持部材51は、金属板を折り曲げてなり、底板部511と、2つの側壁部512とを有している。
底板部511は、XY平面に平行に配置されている。底板部511の中央部には、底板部511の厚さ方向に貫通する貫通孔(円形孔)514が形成されている。この貫通孔514には、シリンダー本体62の上部に形成され、外径が縮径した縮径部621が下方から挿入されている。そして、例えば縮径部621の外周部に雄ネジが形成されている場合、この雄ネジにナットを螺合させることにより、シリンダー本体62(エアシリンダー61)を底板部511(支持部材51)に固定することができる。
底板部511のY方向の両側には、それぞれ、側壁部512が上方に向かって立設している。これらの側壁部512は、Y方向に沿って互いに離間しており、対向して配置されている。
これら2つの側壁部512の間には、2つの押圧部材4が配置されている。これら2つの押圧部材4のうちの一方の押圧部材4は、2つの側壁部512のうちの一方の側壁部512に隣接しており、他方の押圧部材4は、他方の側壁部512に隣接している。
各側壁部512には、底板部511と反対側に、脚部515が折り曲げにより形成されている。この脚部515には、その厚さ方向に貫通する貫通孔(円形孔)516が形成されている。そして、貫通孔516にボルト54を挿通して、所定の雌ネジ(図示せず)に螺合させることにより、デバイス供給領域A2内で押圧ユニット3全体を固定することができる。
また、各側壁部512には、その厚さ方向に貫通する貫通孔(円形孔)517と、第2案内部である長孔518とが形成されている。貫通孔517は、X方向負側に形成され、長孔518は、貫通孔517と反対側、すなわち、X方向正側に形成されている。また、長孔518は、X方向負側に傾斜しつつZ方向に沿って形成されている(第2方向)。X方向に延びる前記載置面と交差している。なお、長孔518は、本実施形態では直線的に形成されているが、これに限定されず、湾曲して、すなわち、円弧状に形成されていてもよい。また、長孔518は、Z方向に沿って形成されていてもよい。載置面が反っているため、その載置面の接平面と垂直な方向(法線方向)であってもよい。また、長孔518は、長孔以外にも、貫通していない窪みでもよい。
第1軸部材52は、横断面形状が円形をなす棒状体で構成されている。この第1軸部材52は、Y方向に沿って配置され、各側壁部512の貫通孔517を挿通している。これにより、支持部材51に対する第1軸部材52の位置が規制される。また、第1軸部材52は、その両端部にEリング55が嵌合により装着されている。これにより、第1軸部材52が支持部材51から離脱するのが防止される。このように配置された第1軸部材52は、その中心軸O52が押圧部材4を回動可能に支持する第1支持点(支持点)57を含んだものとなる(図5、図6参照)。
第2軸部材53は、横断面形状が円形をなす棒状体で構成されている。この第2軸部材53は、第1軸部材52と平行に、すなわち、Y方向に沿って配置されており、各側壁部512の長孔518を挿通している。これにより、後述するように、第2軸部材53は、長孔518内を移動する(摺動する)ことができる。また、第2軸部材53は、その両端部にEリング56が嵌合により装着されている。これにより、第2軸部材53が支持部材51から離脱するのが防止される。このように配置された第2軸部材53は、その中心軸O53が押圧部材4を回動可能に支持する第2支持点58を含んだものとなる(図5、図6参照)。
また、各押圧部材4には、その厚さ方向に貫通する長孔43(第1案内部)と、貫通孔(円形孔)44とが形成されている。長孔43は、前記押圧部材を案内する第1方向である、X方向負側に形成され、貫通孔44は、長孔43と反対側、すなわち、X方向正側に形成されている。そして、長孔43には、第1軸部材52が挿通している。これにより、第1軸部材52は、後述するように、長孔43内を移動する(摺動する)ことができる。なお、長孔43は、本実施形態では直線的に形成されているが、これに限定されず、湾曲して、すなわち、円弧状に形成されていてもよい。また、貫通孔44には、第2軸部材53が挿通している。これにより、押圧部材4に対する第2軸部材53の位置が規制される。なお、長孔43は、長孔以外にも、貫通していない窪みでもよい。
前述したように、押圧部材4は、駆動部6の作動により、図3、図5に示す第1の位置姿勢と、図4、図6に示す第2の位置姿勢とを取り得る。押圧部材4が第1の位置姿勢から第2の位置姿勢に移行する動作について、図3〜図6を参照しつつ説明する。
図3、図5に示す第1の位置姿勢では、押圧部材4は、押圧面42(押圧点41)がトレイ200に接して、押圧力F4により、トレイ200を押圧している。このとき、押圧部材4の長孔43内では、第1軸部材52が最もX方向正側に位置している(以下この位置を「第1位置」と言うことがある)。また、支持部材51の長孔518内では、第2軸部材53が最もZ方向正側(上方)に位置している(以下この位置を「上位置」と言うことがある)。
そして、第1の位置姿勢から駆動部6が作動することにより、押圧部材4は、下方に向かって引張られて、第1軸部材52回りに回動するとともに、第2軸部材53回りにも回動する。これにより、図4、図6に示すように、押圧部材4は、第1の位置姿勢よりも傾斜して、第2の位置姿勢となり、よって、トレイ200に対する押圧力F4が解除される。また、このとき、押圧部材4の回動に伴って、第1軸部材52は、押圧部材4の長孔43内を、第1位置から長孔43に沿って最もX方向負側に移動し、その移動先で停止する(以下この位置を「第2位置」と言うことがある)。また、第2軸部材53は、支持部材51の長孔518内を、上位置から長孔518に沿って最もZ方向負側(下方)に移動し、その移動先で停止する(以下この位置を「下位置」と言うことがある)。第2の位置姿勢では、載置面の接平面と垂直な方向(法線方向)からみて、トレイ200と、押圧部材4とが重ならないようになっている。そのため、オペレーターがトレイに直接触って、動かしやすくなっている。
第1案内部である長孔43は、第1方向であるX方向に延びて形成されており、第2案内部である長孔518は、第2方向であるX方向負側に傾斜しつつZ方向に沿った方向に形成されているため、第1の位置姿勢において、交差するようになっている。
このように押圧部材4が第1の位置姿勢から第2の位置姿勢に移行することにより、押圧部材の第2軸部材53(第2支持点)が、第2方向において下方に向かって移動するとともに、押圧部材が第1軸部材52(第1支持点)に対して、第1方向においてトレイから離れる方向に向かって移動する。第1方向と第2方向とは交差しているため、押圧部材の姿勢は回動し、押圧点41は、押圧部材4の回動に伴って、第2の位置姿勢での押圧点41と第1支持点57との距離L1(図6参照)が、第1の位置姿勢での押圧点41と第1支持点57との距離L1(図5参照)よりも短くなるように、移動することができる。これにより、第2の位置姿勢での押圧部材4の上方への突出量をできる限り抑えることができ、よって、その分、デバイス供給領域A2内でのデバイス搬送ヘッド13の可動範囲を広く確保することができる。これにより、例えば、デバイス搬送ヘッド13のキャリブレーション時(オートティーチング時)等で、デバイス搬送ヘッド13の把持部131と押圧部材4との干渉を防止することができる。また、デバイス供給領域A2内に対するメンテナンス時に、第2の位置姿勢にある押圧部材4にオペレーターが接触するのを低減することができる。これにより、オペレーターとの接触による押圧部材4の変形を防止することができる。
また、押圧部材4は、第1軸部材52および第2軸部材53の2部材で支持されているため、撓みが防止されている。これにより、例えば、トレイ200に対して、適正な押圧力F4で押圧を行なうことができる。
また、押圧部材4は、支持部5により回動可能に支持されているため、押圧部材4を案内するガイド部材を別途設けるのを省略することができる。
また、押圧点41と第2支持点58との距離L2(距離L1と距離L3との和)は、第1の位置姿勢および第2の位置姿勢のいずれの状態に関わらず、一定となっている。従って、第2の位置姿勢での距離L1が第1の位置姿勢での距離L1よりも短くなることにより、第2の位置姿勢での第1支持点57と第2支持点58の距離L3(図6参照)は、第1の位置姿勢での第1支持点57と第2支持点58の距離L3(図5参照)よりも長くなる。
また、前述したように、押圧部材4の回動に伴って、第1軸部材52は、長孔43に沿って移動することができ、第2軸部材53は、長孔518に沿って移動することができる。これにより、長孔43の内周面は、第1カムとしての機能を有し、第1軸部材52は、第1カムに沿って移動する第1カムフォロアとしての機能を有する。これと同様に、長孔518の内周面は、第2カムとしての機能を有し、第2軸部材53は、第2カムに沿って移動する第2カムフォロアとしての機能を有する。このように、押圧ユニット3では、押圧部材4と支持部5とは、カムと、カムに沿って移動するカムフォロアとによって連結された構成となっている。そして、本実施形態では、第1支持点(支持点)57は、第1カムフォロア(カムフォロア)で構成されている。また、第2支持点58は、第2カムフォロアで構成されている。
そして、このような構成のカム機構により、押圧部材4は、第1の位置姿勢から第2の位置姿勢に安定して移行することができ、また、これと反対に、第2の位置姿勢から第1の位置姿勢に安定して移行することができる。また、第1の位置姿勢では押圧力F4が作用し、第2の位置姿勢では押圧力F4が解除されることとなり、各状態での再現性も高まる。
なお、第1カムは、本実施形態では長孔43の内周面で構成されているが、これに限定されず、押圧部材4の外縁部(外周面)で構成されていてもよい。また、第2カムは、本実施形態では長孔518の内周面で構成されているが、これに限定されず、支持部材51の側壁部512の外縁部(外周面)で構成されていてもよい。
また、本実施形態では、第1軸部材52は、支持部材51に対して位置が規制され、押圧部材4の長孔43を移動可能となっており、第2軸部材53は、押圧部材4に対して位置が規制され、支持部材51の長孔518を移動可能となっているが、これに限定されない。例えば、第1軸部材52が押圧部材4に対して位置が規制されている場合、支持部材51に第1軸部材52が移動可能な長孔を形成してもよい。また、第2軸部材53が支持部材51に対して位置が規制されている場合、押圧部材4に第2軸部材53が移動可能な長孔を形成してもよい。
また、押圧ユニット3の構成によっては、長孔を形成する部材を集約してもよい。例えば、押圧部材4に長孔43と、長孔518に相当する長孔を形成してもよい。また、支持部材51に長孔518と、長孔43に相当する長孔を形成してもよい。
また、押圧ユニット3は、上記のようなカム機構を有する構成とするのに代えて、複数のエレメントが互いに回動可能に連結されたリンク機構を有する構成とすることもできる。
また、前述したように、支持部5は、押圧点41側で押圧部材4を回動可能に支持する支持点を第1支持点57としたとき、第1支持点57に対して押圧点41と反対側に配置され、押圧部材4を回動可能に支持する第2支持点58を有している。このような2点支持構成により、押圧部材4は、Y方向と平行な軸回りに回動しつつ、X方向とZ方向(上下方向)とにも移動することができる。これにより、押圧ユニット3は、前記のように第2の位置姿勢での距離L1が第1の位置姿勢での距離L1よりも短くなる構成となる。
なお、第1軸部材52と第2軸部材53とは、本実施形態では別部材で構成されているが、これに限定されず、例えば、一体的に形成され、円弧状に湾曲した1つの板部材で構成されていてもよい。
前述したように、押圧ユニット3(電子部品搬送装置10)は、押圧部材4と駆動部6とを第2軸部材53を介して連結する連結部材(連結部)7を備えている。連結部材7は、金属板を折り曲げてなり、底板部71と、2つの側壁部72とを有している。
底板部71は、XY平面に平行に配置されている。底板部71の中央部には、底板部71の厚さ方向に貫通する貫通孔(円形孔)711が形成されている。この貫通孔711には、ボルト73が上方から挿入されている。そして、ボルト73がエアシリンダー61のロッド63に螺合することにより、エアシリンダー61(駆動部6)と連結部材7とを連結することができる。
底板部71のY方向の両側には、それぞれ、側壁部72が上方に向かって立設している。これらの側壁部72は、Y方向に沿って互いに離間しており、対向して配置されている。
また、各側壁部72には、その厚さ方向に貫通する長孔721が形成されている。この長孔721は、トレイ200の載置面と平行な方向であるX方向に沿って形成され、X方向負側に開放している。そして、長孔721には、第2軸部材53が挿通して(係合して)いる。これにより、図3、図5に示す第1の位置姿勢では、第2軸部材53は、長孔721の途中に位置することができる。そして、第1の位置姿勢からエアシリンダー61が作動することにより第2の位置姿勢となり、図4、図6に示すように、第2軸部材53は、長孔721内を、その途中の位置から長孔721に沿って最もX方向正側に移動し、その移動先で停止する。
このような構成の連結部材7を押圧ユニット3が有することにより、押圧ユニット3は、押圧部材4から駆動部6までが3つ以上(本実施形態では押圧部材4、第2軸部材53、連結部材7、駆動部6の合計4つ)の部材が連結された連結体として構成される。これにより、エアシリンダー61のロッド63のストロークが比較的短い場合、すなわち、エアシリンダー61が小型のものであっても、押圧部材4の押圧点41の可動域を十分に確保することができる。よって、押圧点41は、トレイ200の大きさに関わらず、第1の位置姿勢でトレイ200の上面に接して、トレイ200をZ方向負側に押圧することができる。
なお、連結部材7は、押圧ユニット3の構成によっては、省略することもできる。
以上、本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、電子部品搬送装置および電子部品検査装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。