JP2019190707A - 吸収式冷凍機 - Google Patents
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Abstract
Description
このような吸収式冷凍機として、従来、例えば、高温再生器と低温再生器とを連通する吸収溶液ライン又は低温再生器と吸収器とを連通する吸収溶液ラインに圧力調整手段及び中間再生器を介装し、該中間再生器は外部温熱源から供給される流体と吸収溶液ラインを流れる吸収溶液との間で顕熱・潜熱交換を行い、冷温水出口温度及び高温再生器の温度を測定する温度測定手段と、冷温水出口温度及び高温再生器の温度に基づいて高質燃料燃焼用バーナへの高質燃料供給量を調節する燃料供給量制御機構、とを備えたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この場合に、バーナの制御は、冷水温度に応じて行われ、冷水温度が所定温度に達したら、バーナをOFFするようにしていた。そのため、例えば、冷房負荷20%以下といったように冷房負荷が低くなると、バーナのON・OFFを繰り返して行うことになってし待っていた。
通常、バーナのON・OFF制御を行うと、バーナの燃焼時に一時的に最大50〜100%の燃焼量となってしまう。そのため、冷房負荷が低い場合に、冷水温度の過低下を招き、COPも低下してしまうという問題がある。特に、事務所ビルや店舗などにおいては、冷房負荷が20%以下となる運転時間が最も長くなるため、このように冷房負荷が低い場合にCOPを向上させるとともに、燃料使用量を低減させることが望まれている。
これによれば、ガスバーナのON・OFF回数増加を防止することができ、ガスバーナの過剰な燃焼を防止することができる。
これによれば、冷房負荷が低下した場合に、ガスバーナの過剰な燃焼を防止することができ、ガスバーナの過剰燃焼による冷水温度の過低下を防止することができ、COPを向上させることができるとともに、ガスバーナの燃料消費量を低減させることが可能となる。
これによれば、冷房負荷が上昇した場合に、燃料制御弁の最大弁開度を最大開度に戻すことができ、通常の最大弁開度による適正な制御を行うことができる。
これによれば、ガスバーナのON・OFF回数増加を防止することができ、ガスバーナの過剰な燃焼を防止することができる。
図1は、本実施の形態に係る吸収式冷凍機の概略構成図である。吸収式冷凍機100は、冷媒に水を、吸収液に臭化リチウム(LiBr)水溶液を使用し、この吸収液を、ガス燃料で加熱する吸収冷温水機である。
また、吸収式冷凍機100は、低温熱交換器12と、高温熱交換器13と、冷媒ドレン熱回収器17と、稀吸収液ポンプ45と、濃吸収液ポンプ47と、冷媒ポンプ48とを備え、これらの各機器が吸収液管21,23,24,25および冷媒管31,32,34,35などを介して配管接続されて循環経路が構成されている。
吸収器2および凝縮器7には、吸収器2および凝縮器7に順次冷却水を流通させるための冷却水管15が設けられており、この冷却水管15の一部に形成された各伝熱管15A、15Bがそれぞれ吸収器2および凝縮器7内に配置されている。
この分岐稀吸収液管21Aは冷媒ドレン熱回収器17を経由した後に、稀吸収液管21の低温熱交換器12の下流側で再び稀吸収液管21に合流する。この稀吸収液管21の他端は、高温熱交換器13を経由した後、高温再生器5内に形成された熱交換部5Aの上方に位置する気層部5Bに開口している。
稀吸収液管21は、低温熱交換器12の下流側で第2分岐管21Bに分岐され、第2分岐管21Bは低温再生器6内に開口している。
第2中間吸収液管23の他端は、低温再生器6と吸収器2とを繋ぐ濃吸収液管25に接続されている。また、第2中間吸収液管23の高温熱交換器13上流側と吸収器2とは開閉弁V1が介在する吸収液管24により接続されている。
低温再生器6の吸収液溜り6Aには、濃吸収液管25の一端が接続され、この濃吸収液管25の他端は、吸収器2の気層部2B上部に設けられる濃液散布器2Cに接続されている。濃吸収液管25には濃吸収液ポンプ47および低温熱交換器12が設けられている。この低温熱交換器12は、低温再生器6の吸収液溜り6Aから流出した濃吸収液の温熱で稀吸収液管21を流れる稀吸収液を加熱するものである。
濃吸収液ポンプ47の運転が停止した場合には、低温再生器6の吸収液溜り6Aに溜った吸収液は、濃吸収液管25およびバイパス管27を通じて吸収器2内に供給される。
また、凝縮器7の冷媒液溜り7Aには、この冷媒液溜り7Aから流出した冷媒が流れる冷媒管34の一端が接続され、この冷媒管34の他端は、下方に湾曲したUシール部34Aを介して蒸発器1の気層部1Aに接続されている。
蒸発器1の下方には、液化した冷媒が溜る冷媒液溜り1Bが形成され、この冷媒液溜り1Bと蒸発器1の気層部1Aの上部に配置される散布器1Cとは冷媒ポンプ48が介在するに冷媒管35により接続されている。
さらに、冷却水管15の入口側には、冷却水の入口側の温度を検出する冷却水入口温度センサ83が設けられている。
そして、エジェクタポンプ74を駆動することにより、吸収液管75を介して稀吸収液管21の稀吸収液をタンク71に取り込む。吸収液管75により流れ込んだ稀吸収液により、タンク71の内部が負圧となり、これにより、吸収器2の上部に貯留されている不凝縮ガスのみならず冷媒蒸気、気化した吸収液などが抽気管72を通ってタンク71の上方に導かれる。
図2は、本実施の形態の制御構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施の形態の吸収式冷凍機100は、コントローラ50を備えており、コントローラ50は、制御装置51を備えている。制御装置51は、吸収式冷凍機100の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPU、このCPUによって実行可能な基本制御プログラムや所定のデータ等を不揮発的に記憶するROM、所定のデータ等を揮発的に記憶するRAMなどのメモリ52、その他の周辺回路などを備えている。
また、コントローラ50は、タイマ53と、操作部54と、報知部55とをそれぞれ備えている。
制御装置51は、冷房負荷が所定値以下であると判断し、かつ、ガスバーナ4の燃焼がOFFとなっている状態が所定時間継続していると判断した場合に、ガスバーナ4の燃料制御弁64の最大弁開度を最低開度に固定するように制御する。
ここで、ガスバーナ4の燃焼がOFFとなっている所定時間としては、例えば、900秒に設定される。ただし、ガスバーナ4の燃焼を停止させるためには、最低でも約4分(240秒)必要となるので、所定時間としては、240秒以上であれば、任意に設定することが可能である。
また、燃料制御弁64の最低開度としては、ガスバーナ4のON・OFF繰り返し制御が開始される最低の弁開度であり、具体的には、最大弁開度を100%とした場合、最大弁開度に対して15%程度の弁開度である。これにより、ガスバーナ4の過剰な燃焼を防止する。
冷房運転時においては、冷水管14を介して図示しない熱負荷にブライン(例えば、冷水)が循環供給される。制御装置51は、ブラインの蒸発器1の出口側温度(冷水出口温度センサ81にて検出される温度)が所定の設定温度、例えば7℃になるように吸収式冷凍機100に投入される熱量が制御される。
具体的には、制御装置51は、全てのポンプ45,47,48を起動し、かつ、ガスバーナ4におけるガスの燃焼制御を行うことで、冷水出口温度センサ81が計測するブラインの温度が所定の7℃となるようにガスバーナ4の火力を制御する。
高温再生器5に送られた吸収液は、この高温再生器5でガスバーナ4による火炎および高温の燃焼ガスにより加熱されるため、この吸収液中の冷媒が蒸発分離する。高温再生器5で冷媒を蒸発分離して濃度が上昇した中間吸収液は、高温熱交換器13を経由して濃吸収液管25に送られ、低温再生器6を経由した吸収液と合流する。
伝熱管14Aの上に散布された冷媒液は、伝熱管14Aの内部を通るブラインから気化熱を奪って蒸発するため、伝熱管14Aの内部を通るブラインは冷却され、こうして温度を下げたブラインが冷水管14から熱負荷に供給されて冷房などの冷却運転が行われる。
そして、蒸発器1で蒸発した冷媒は吸収器2に入り、低温再生器6より供給されて上方から散布される濃吸収液に吸収されて、吸収器2の稀吸収液溜り2Aに溜り、稀吸収液ポンプ45によって高温再生器5に搬送される循環を繰り返す。
本実施の形態においては、冷房運転を開始すると(ST1)、制御装置51は、冷房負荷が所定値以下か否かを判断する(ST2)。
そして、冷房負荷が所定値以下であると判断した場合は(ST2:YES)、制御装置51は、ガスバーナ4の燃料制御弁64がOFFとなっているか否かを判断する(ST3)。制御装置51は、冷房負荷が所定値以下であり、ガスバーナ4の燃料制御弁64がOFFとなっている状態が、所定時間(900秒)継続していると判断した場合(ST4:YES)、燃料制御弁64の最大弁開度を最低開度に固定するように制御する(ST5)。
これにより、ガスバーナ4のON・OFF回数増加を防止することができ、ガスバーナ4の過剰な燃焼を防止することができる。その結果、ガスバーナ4の過剰燃焼による冷水温度の過低下を防止することができ、COPを向上させることができるとともに、ガスバーナ4の燃料消費量を低減させることが可能となる。
発明者らが行った実験によれば、従来のガスバーナ4の制御による冷水温度の変動幅は、5.4〜7.4℃であったのに対して、本発明のガスバーナ4の制御による冷水温度の変動幅は、5.9〜7.4℃と小さくなり、COPが約11%向上するという結果を得ることができた。
これによれば、ガスバーナ4の過剰な燃焼を防止することができ、ガスバーナ4の過剰燃焼による冷水温度の過低下を防止することができ、COPを向上させることができるとともに、ガスバーナ4の燃料消費量を低減させることが可能となる。
これによれば、冷房負荷が上昇した場合に、燃料制御弁64の最大弁開度を最大開度に戻すことができ、通常の最大弁開度による適正な制御を行うことができる。
例えば、本実施の形態では、冷房運転時における制御について説明したが、暖房運転時にも、同様に適用することができる。この場合には、暖房負荷が所定値以下(例えば、15〜20%以下)となり、燃料制御弁64がOFFの状態が所定時間継続した場合に、燃料制御弁64の最大弁開度を最低開度に固定するようにすればよい。
2 吸収器
3 吸収器
4 ガスバーナ
5 高温再生器
6 低温再生器
7 凝縮器
45 稀吸収液ポンプ
47 濃吸収液ポンプ
48 冷媒ポンプ
50 コントローラ
51 制御装置
52 メモリ
55 報知部
64 燃料制御弁
65 ガス流量計
70 抽気装置
80 冷水入口温度センサ
81 冷水出口温度センサ
83 冷却水入口温度センサ
100 吸収式冷凍機
Claims (3)
- 高温再生器、低温再生器、蒸発器、凝縮器および吸収器を備え、これらを配管接続して吸収液および冷媒の循環経路をそれぞれ形成してなる吸収式冷凍機において、
制御装置を備え、
前記制御装置は、冷房負荷が所定値以下であると判断し、かつ、ガスバーナの燃焼がOFFとなっている時間が所定時間継続していると判断した場合に、前記ガスバーナの燃料制御弁の最大弁開度を最低開度に固定するように制御することを特徴とする吸収式冷凍機。 - 前記制御装置は、冷房負荷が所定値以上の状態が所定時間継続した場合、前記ガスバーナの燃料制御弁の最大弁開度を最大開度に戻すように制御することを特徴とする請求項1に記載の吸収式冷凍機。
- 前記所定値は、前記ガスバーナのON・OFF繰り返し制御が開始される冷房負荷であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吸収式冷凍機。
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