JP2019185904A - 端子付き電線および端子付き電線の製造方法 - Google Patents

端子付き電線および端子付き電線の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧着端子が電線を保持する保持力の向上と、被覆の保護とを両立させることができる端子付き電線を提供する。【解決手段】端子付き電線2は、芯線51および芯線を覆う被覆52を有し、芯線の先端部が被覆から露出している電線50と、芯線および被覆を一体に覆った電線接続部12を有し、電線接続部において芯線に対して電気的に接続された圧着端子1と、を備える。電線接続部のうち、被覆に対して圧着された被覆圧着部12Bは、第一部分41と、芯線の軸方向において第一部分と隣接しており、かつ芯線を中心とする周方向の全周にわたって第一部分と比較して外側面42aが電線側に凹んでいる第二部分42と、を有する。【選択図】図22

Description

本発明は、端子付き電線および端子付き電線の製造方法に関する。
従来、電線に対して端子を接続する技術がある。特許文献1には、ケーブルの電気的絶縁の機械的クリンプのための絶縁クリンプ領域を有する電気的クリンプ接触デバイスの技術が開示されている。特許文献1の絶縁クリンプ領域は、絶縁クリンプ領域による機械的なクリンプに加えて絶縁体を固定することが可能な方法で異なって構成された、少なくとも2つの固定デバイスから成る固定ゾーンを有する。
特許文献1の固定ゾーンは、周方向の一部分に局所的に形成された突起やツメ等である。特許文献1の電気的クリンプ接触デバイスは、ケーブルが絶縁クリンプから引き抜かれないように改良した電気的接触デバイスであるとされている。
特開2014−150044号公報
ここで、周方向の一部に局所的に形成された突起やツメは、電線の被覆を傷つけてしまう可能性がある。
本発明の目的は、圧着端子が電線を保持する保持力の向上と、被覆の保護とを両立させることができる端子付き電線および端子付き電線の製造方法を提供することである。
本発明の端子付き電線は、芯線および前記芯線を覆う被覆を有し、前記芯線の先端部が前記被覆から露出している電線と、前記芯線および前記被覆を一体に覆った電線接続部を有し、前記電線接続部において前記芯線に対して電気的に接続された圧着端子と、を備え、前記電線接続部のうち、前記被覆に対して圧着された被覆圧着部は、第一部分と、前記芯線の軸方向において前記第一部分と隣接しており、かつ前記芯線を中心とする周方向の全周にわたって前記第一部分と比較して外側面が前記電線側に凹んでいる第二部分と、を有することを特徴とする。
本発明に係る端子付き電線は、芯線および芯線を覆う被覆を有し、芯線の先端部が被覆から露出している電線と、芯線および被覆を一体に覆った電線接続部を有し、電線接続部において芯線に対して電気的に接続された圧着端子と、を備える。電線接続部のうち、被覆に対して圧着された被覆圧着部は、第一部分と、芯線の軸方向において第一部分と隣接しており、かつ芯線を中心とする周方向の全周にわたって第一部分と比較して外側面が電線側に凹んでいる第二部分と、を有する。
本発明に係る端子付き電線では、電線側に凹んだ第二部分が、周方向の全周にわたって形成される。よって、本発明に係る端子付き電線は、圧着端子が電線を保持する保持力の向上と、被覆の保護とを両立させることができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る圧着端子の圧着前の状態を示す斜視図である。 図2は、実施形態に係る圧着端子の圧着前の状態を示す側面図である。 図3は、実施形態に係る圧着端子の圧着後を示す斜視図である。 図4は、実施形態に係る圧着端子の圧着後を示す側面図である。 図5は、実施形態に係る圧着端子において、貼付工程が実行される前の状態を示す斜視図である。 図6は、実施形態に係る圧着端子において凹部が形成された状態を示す平面図である。 図7は、実施形態に係る圧着端子において止水部材が貼付された状態を示す平面図である。 図8は、実施形態の端子連鎖体を示す平面図である。 図9は、実施形態に係る端子圧着装置の側面図である。 図10は、実施形態に係る端子圧着装置の正面図である。 図11は、実施形態に係る第一および第二の金型を示す斜視図である。 図12は、実施形態に係る第一金型の斜視図である。 図13は、実施形態に係る第一金型の断面図である。 図14は、実施形態に係る第一金型の他の断面図である。 図15は、実施形態に係る第二金型の下面図である。 図16は、実施形態に係る第二金型の断面図である。 図17は、実施形態に係る第二金型の他の断面図である。 図18は、実施形態に係る端子圧着装置の断面図である。 図19は、実施形態に係る端子付き電線の平面図である。 図20は、実施形態に係る端子付き電線の側面図である。 図21は、実施形態に係る端子付き電線の斜視図である。 図22は、実施形態に係る端子付き電線の断面図である。 図23は、実施形態の第1変形例に係る端子付き電線の斜視図である。 図24は、実施形態の第1変形例に係る端子付き電線の断面図である。 図25は、実施形態の第1変形例に係る第一金型の斜視図である。 図26は、実施形態の第1変形例に係る第二金型の下面図である。 図27は、実施形態の第1変形例に係る第二金型の断面図である。 図28は、実施形態の第2変形例に係る端子付き電線の斜視図である。 図29は、実施形態の第2変形例に係る端子付き電線の断面図である。 図30は、実施形態の第2変形例に係る第一金型の斜視図である。 図31は、実施形態の第2変形例に係る第二金型の下面図である。 図32は、実施形態の第2変形例に係る第二金型の断面図である。
以下に、本発明の実施形態に係る端子付き電線および端子付き電線の製造方法につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1から図22を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、端子付き電線および端子付き電線の製造方法に関する。図1は、実施形態に係る圧着端子の圧着前の状態を示す斜視図、図2は、実施形態に係る圧着端子の圧着前の状態を示す側面図、図3は、実施形態に係る圧着端子の圧着後を示す斜視図、図4は、実施形態に係る圧着端子の圧着後を示す側面図、図5は、実施形態に係る圧着端子において、貼付工程が実行される前の状態を示す斜視図、図6は、実施形態に係る圧着端子において凹部が形成された状態を示す平面図、図7は、実施形態に係る圧着端子において止水部材が貼付された状態を示す平面図、図8は、実施形態の端子連鎖体を示す平面図、図9は、実施形態に係る端子圧着装置の側面図、図10は、実施形態に係る端子圧着装置の正面図である。
図11は、実施形態に係る第一および第二の金型を示す斜視図、図12は、実施形態に係る第一金型の斜視図、図13は、実施形態に係る第一金型の断面図、図14は、実施形態に係る第一金型の他の断面図、図15は、実施形態に係る第二金型の下面図、図16は、実施形態に係る第二金型の断面図、図17は、実施形態に係る第二金型の他の断面図、図18は、実施形態に係る端子圧着装置の断面図、図19は、実施形態に係る端子付き電線の平面図、図20は、実施形態に係る端子付き電線の側面図、図21は、実施形態に係る端子付き電線の斜視図、図22は、実施形態に係る端子付き電線の断面図である。
図13には、図12のXIII−XIII断面が示されている。図14には、図13のXIV−XIV断面が示されている。図16には、図15のXVI−XVI断面が示されている。図17には、図16のXVII−XVII断面が示されている。図22には、図19のXXII−XXII断面が示されている。
まず、本実施形態に係る圧着端子1について説明する。図1等に示す圧着端子1は、電線50に対して圧着される端子である。圧着端子1は、電線50と一体になった状態で相手側端子(図示略)に対して電気的に接続される。圧着対象の電線50は、端部の被覆52が取り除かれて芯線51が所定の長さ露出している。芯線51は、複数本の素線の集合体であってもよく、同軸ケーブルのような単線であってもよい。圧着端子1は、電線50の端部に圧着されることで、露出している芯線51に対して電気的に接続される。
圧着端子1は、端子金具10および止水部材20を有する。端子金具10は、圧着端子1の主体部分である。端子金具10は、母材としての導電性の金属板(例えば銅板、銅合金板)から形成される。端子金具10は、母材に対する打ち抜き加工や折り曲げ加工等により、相手側端子や電線50との接続が可能な所定の形状に形成される。端子金具10は、端子接続部11および電線接続部12を有する。端子接続部11は、相手側端子に対して電気的に接続される部分である。電線接続部12は、電線50に対して圧着される部分であり、芯線51に対して電気的に接続される。
端子接続部11と電線接続部12との間には、連結部13が設けられている。言い換えると、端子接続部11と電線接続部12とは連結部13を介して連結されている。連結部13は、端子接続部11の側壁11a,11aと、電線接続部12の側壁であるバレル片部15,16とを繋いでいる。連結部13の高さは、バレル片部15,16や側壁11aの高さよりも低くなっている。より詳しくは、連結部13の高さは、端子接続部11から電線接続部12へ向かうに従って低くなっている。
端子金具10は、雄端子であっても雌端子であってもよい。端子接続部11は、端子金具10が雄端子である場合、雄型に成型され、端子金具10が雌端子である場合、雌型に成型される。本実施形態の端子金具10は、雌端子である。
圧着端子1の説明において、相手側端子との接続方向、すなわち相手側端子との挿入方向を第一方向Lと称する。第一方向Lは、圧着端子1の長手方向である。圧着端子1の並列配置方向を第二方向Wと称する。並列配置方向は、後述するように端子連鎖体30において圧着端子1が並列配置される方向であり、圧着端子1の幅方向である。圧着端子1において、第一方向Lおよび第二方向Wの何れとも直交する方向を第三方向Hと称する。第三方向Hは、圧着端子1の高さ方向である。
成型工程において、圧着端子1は、平板な板状に成型され、この状態から、端子接続部成形工程において、端子接続部11が図1に示すように筒状に形成される。端子接続部成形工程では、端子接続部11に対する折り曲げ加工等がなされる。本実施形態の端子接続部11の形状は、断面形状が矩形の筒形状である。電線接続部12は、電線接続部成形工程において、断面形状がU字状となるように成型される。電線接続部成形工程では、電線接続部12に対する折り曲げ加工等がなされる。また、電線接続部12には、貼付工程において、止水部材20が貼り付けられる。貼付工程は、電線接続部成形工程よりも前に実行されても、電線接続部成形工程の後で実行されてもよい。
図1および図6に示すように、電線接続部12は、底部14、第一バレル片部15、および第二バレル片部16を有する。底部14は、U字状に形成された電線接続部12の底壁となる部位である。底部14には、圧着加工の際に電線50の端部が載置される。第一バレル片部15および第二バレル片部16は、U字状に形成された電線接続部12の側壁となる部位である。第一バレル片部15および第二バレル片部16は、底部14における第二方向Wの端部につながっている。第一バレル片部15および第二バレル片部16は、底部14の幅方向の端部から、幅方向と交差する方向に向けて突出している。U字状に形成された電線接続部12では、底部14に電線50の端部が載置されると、第一バレル片部15および第二バレル片部16が第二方向Wの両側から電線50を囲む。
第一バレル片部15および第二バレル片部16は、底部14側の根元から先端15a,16aの端面までの長さが互いに等しくてもよく、一方の長さが他方の長さよりも長くてもよい。本実施形態の圧着端子1では、第一バレル片部15における根元から先端15aまでの長さよりも、第二バレル片部16における根元から先端16aまでの長さが長い。第一バレル片部15および第二バレル片部16は、例えば、互いに重なり合いながら電線50に対して巻き付けられる。本実施形態では、第一バレル片部15の外側に第二バレル片部16が重なる。なお、第一バレル片部15および第二バレル片部16は、所謂Bクリンプと称する加締めがなされてもよい。Bクリンプでは、第一バレル片部15および第二バレル片部16のそれぞれが底部14側に向けて折り曲げられて先端15a,16aが電線50に向けて押しつけられるように加締められる。本実施形態の圧着端子1には、後述する止水部材20が設けられ、前者の加締め処理が採用される。
電線50の端部は、電線接続部12のU字の開口部、すなわち先端15a,16aの隙間からU字状の内側の空間に挿入される。電線接続部12は、電線50の端部が挿入されやすいように形成されている。具体的には、電線接続部12は、底部14側から先端15a,16aの端面へ向かうにつれて第一バレル片部15と第二バレル片部16との第二方向Wにおける間隔が広がっている。
第一バレル片部15および第二バレル片部16では、図2乃至図6に示すように、芯線圧着部12Aと被覆圧着部12Bとの間に連結圧着部12Cが介在している。第一バレル片部15および第二バレル片部16は、それぞれ圧着部12A,12C,12Bがこの順序で第一方向Lに沿って連続している一枚の片部である。
芯線圧着部12Aは、電線50の先端の芯線51に対して圧着される部位である。芯線圧着部12Aは、各バレル片部15,16における最も連結部13寄りの部位である。被覆圧着部12Bは、被覆52の端部に対して圧着される部位である。被覆圧着部12Bは、各バレル片部15,16における最も連結部13側から遠い側に位置する部位である。連結圧着部12Cは、芯線圧着部12Aと被覆圧着部12Bとを繋ぐ部位である。連結圧着部12Cは、電線50における芯線51と被覆52との境界部分に対して圧着される。電線接続部12は、電線50に対して圧着されることで芯線51および被覆52を一体に覆う。電線接続部12が電線50に対して巻き付けられて圧着されることで、図3、図4等に示す端子付き電線2が作成される。
図5および図6に示すように、電線接続部12の内壁面、すなわち電線50を覆う側の壁面には、セレーション領域17が設けられている。セレーション領域17は、芯線51を保持する芯線保持領域である。セレーション領域17は、電線接続部12の内壁面において、芯線51に対して巻き付けられる部分を含む領域である。セレーション領域17には、複数の凹部、複数の凸部、または凹部と凸部の組み合わせが配置される。凹部や凸部は、電線接続部12と芯線51との接触面積を増やし、両者の密着強度を高める。本実施形態のセレーション領域17は、矩形の領域であり、第一方向Lおよび第二方向Wに沿って複数の凹部17aが配列されている。
図6に示すように、底部14には凸部19Bが形成される。凸部19Bは、底部14の内側面14bに形成されている。図6に示すように、凸部19Bは、第一方向Lに沿って延在している。電線50の芯線51は、凸部19Bに載置されて第一方向Lに沿って延在する。つまり、凸部19Bは、芯線51の軸方向に沿って延在する凸部である。凸部19Bは、第一方向Lに沿った長さが第二方向Wに沿った幅よりも大きい細長形状に形成されている。凸部19Bは、底部14における第二方向Wの中央部に形成される。従って、U字状に折り曲げられた後の電線接続部12において、凸部はU字の底部に位置する。
凸部19Bは、載置される芯線51と接触して芯線51を支持することができる位置および範囲に設けられている。凸部19Bは、例えば、露出している芯線51の先端から基端までを支持することができるように設けられる。
ここで、芯線51と、芯線51に対して圧着された電線接続部12との間に水が浸入してしまうことは好ましくない。例えば、芯線51の金属材料と電線接続部12の金属材料とがイオン化傾向の大きさの異なるものである場合、腐食の可能性がある。一例として、芯線51の材料がアルミニウム、電線接続部12の材料が銅である場合、芯線51が腐食してしまう可能性がある。本実施形態の圧着端子1には止水部材20が設けられている。止水部材20は、電線接続部12と芯線51との間への水の浸入を抑制する。
止水部材20は、例えば、アクリル系粘着剤等の粘着剤を主とするシート状に形成された部材である。本実施形態の止水部材20としては、シート状の不織布に粘着剤を染み込ませて形成された粘着シートであって、両面に粘着効果を有するものが用いられる。
止水部材20は、例えば、図6に示す平板状の電線接続部12の内壁面に対して貼り付けられる。止水部材20は、図7に示すように、所定形状に形成されており、第一止水部21、第二止水部22、および第三止水部23を有する。第一止水部21は、圧着完了後に第一バレル片部15と第二バレル片部16とが重なり合う部分を止水する。つまり、第一止水部21は、互いに重なり合う第一バレル片部15と第二バレル片部16との間に挟み込まれてバレル片部15,16の間に止水領域を形成する。本実施形態の第一止水部21は、第二バレル片部16に配置されており、第一方向Lに沿って延在している。
第二止水部22は、芯線51の先端よりも端子接続部11側を止水する。第二止水部22は、電線接続部12における端子接続部11側の端部に配置されており、第二方向Wに沿って延在している。第二止水部22の少なくとも一部は、芯線51が載置される領域に設けられることが望ましい。第二止水部22は、例えば、重なり合うバレル片部15,16の間に挟み込まれることにより、バレル片部15,16の隙間に止水領域を形成する。第二止水部22は、圧着工程において互いに重なり合うことにより、芯線51の先端よりも端子接続部11側の隙間を塞ぐこともできる。第二止水部22は、電線接続部12と芯線51との間への端子接続部11側からの浸水を抑制する。
第三止水部23は、電線接続部12と被覆52との隙間からの水の浸入を抑制する。第三止水部23は、電線接続部12における端子接続部11側と反対側の端部に配置されており、第二方向Wに沿って延在している。第三止水部23は、被覆52と電線接続部12との間に挟み込まれることにより、被覆52と電線接続部12との間に止水領域を形成する。
以上示した端子金具10は、母材となる一枚の金属板に対するプレス工程を経て、図5に示す平板状の電線接続部12を有する形態に加工される。更に、凸部形成工程によって底部14に凸部19Bが形成される。その後の貼付工程において、平板状の電線接続部12に止水部材20が貼付される。しかる後、この端子金具10は、端子接続部成形工程において、端子接続部11が形成され、かつ、電線接続部成形工程において、U字状の電線接続部12が形成される。
本実施形態では、上記の各工程によって、図8に示す端子連鎖体30が形成される。端子連鎖体30は、複数の圧着端子1が連鎖したものであり、一枚の金属板から形成される。端子圧着装置100には、端子連鎖体30が供給される。端子圧着装置100は、端子連鎖体30に対して圧着工程および端子切断工程を実行する。圧着工程は、端子連鎖体30の圧着端子1を電線50に対して加締めて圧着させる工程である。端子切断工程は、電線50に対して加締められた圧着端子1を端子連鎖体30から切り離す工程である。
端子連鎖体30は、圧着端子1の集合体である。端子連鎖体30は、連結片31、複数の圧着端子1、および複数の繋ぎ部32を有する。連結片31、圧着端子1、および繋ぎ部32は、同一の母材から形成されており、一体である。端子連鎖体30において、それぞれの圧着端子1は同一方向を向いており、かつ等間隔で並列に配置されている。端子連鎖体30では、各圧着端子1の一方の端部が連結片31によって互いに繋がれている。連結片31の形状は、例えば、矩形の細長い板状である。連結片31は、第二方向Wに沿って延在している。電線接続部12は、繋ぎ部32を介して連結片31とつながっている。より詳しくは、繋ぎ部32は、底部14における端子接続部11側とは反対側の端部を連結片31に繋いでいる。
連結片31には、複数の端子送り孔31aが形成されている。端子送り孔31aは、端子連鎖体30の送り方向に沿って等間隔で配置されている。端子送り孔31aは、連結片31を板厚方向に貫通している貫通孔である。端子送り孔31aによって、後述する圧着装置102に対する圧着端子1の位置決めがなされる。端子連鎖体30は、リール状に巻き取られた状態で端子圧着装置100に対してセットされる。
図9に示すように、端子圧着装置100は、端子供給装置101、圧着装置102、および駆動装置103を有する。端子圧着装置100は、この技術分野においてアプリケータと称される装置である。端子供給装置101は、所定の圧着位置に圧着端子1を供給する装置である。圧着装置102は、所定の圧着位置で電線50に対して圧着端子1を圧着させる装置である。駆動装置103は、端子供給装置101および圧着装置102を動作させる装置である。
端子供給装置101は、電線接続部12を第一金型112に設置する設置工程を実行する。より詳しくは、端子供給装置101は、リール状に巻き取られている端子連鎖体30を外周側から順次引き出す。端子供給装置101は、引き出した端子連鎖体30の圧着端子1を先頭側から順に圧着位置に供給する。端子供給装置101は、先頭の圧着端子1が電線50に対して圧着され、かつ連結片31から切り離されると、新たに先頭となった圧着端子1を圧着位置に供給する。端子供給装置101は、一つの圧着端子1の圧着工程および端子切断工程が完了する毎に設置工程を行って次の圧着端子1を圧着位置に供給する。
圧着装置102は、供給された圧着端子1を電線50に圧着させる圧着工程と、この圧着端子1を連結片31から切り離す端子切断工程とを実行する。圧着装置102は、圧着機110および端子切断機構120を有する。
圧着機110は、圧着端子1を電線50の端部に加締めることにより、圧着端子1を電線50に圧着させる装置である。本実施形態の圧着機110は、圧着端子1の第一バレル片部15および第二バレル片部16を電線50の芯線51および被覆52に対して巻き付けるように加締めることで圧着端子1を電線50に圧着させる。圧着機110は、フレーム111、第一金型112、第二金型113、および動力伝達機構114を有する。
フレーム111は、端子圧着装置100が載置される載置台に対して固定される。第一金型112は、フレーム111によって支持されている。第一金型112と第二金型113とは対をなしている。第一金型112と第二金型113とは上下方向において間隔をあけて配置されている。第一金型112および第二金型113は、圧着工程において、図11に示すように圧着端子1および電線50を間に挟み込むことで、圧着端子1を電線50に対して圧着させる。
第一金型112は、圧着端子1を下方から支持する金型である。第一金型112は、二つの下型が形成されたものであり、第一の下型としての第一アンビル112Aおよび第二の下型としての第二アンビル112Bを有する。第一アンビル112Aと第二アンビル112Bとは、例えば、一体に成形される。第二金型113は、第一金型112に対して上方に配置されている。第二金型113は、二つの上型が形成されたものであり、第一の上型としての第一クリンパ113Aおよび第二の上型としての第二クリンパ113Bを有する。
第一アンビル112Aと第一クリンパ113Aとは上下方向において互いに対向している。第一アンビル112Aおよび第一クリンパ113Aは、芯線圧着部12Aを圧着させる。すなわち、第一アンビル112Aおよび第一クリンパ113Aは、その相互間の間隔を狭めていくことにより、U字状の芯線圧着部12Aを電線50の芯線51に対して巻き付け、芯線51に圧着させる。
第二アンビル112Bと第二クリンパ113Bとは上下方向において互いに対向している。第二アンビル112Bおよび第二クリンパ113Bは、被覆圧着部12Bを圧着させる。すなわち、第二アンビル112Bおよび第二クリンパ113Bは、その相互間の間隔を狭めていくことによって、U字状の被覆圧着部12Bを被覆52に対して巻き付け、被覆52に圧着させる。
図9に示す駆動装置103は、動力を動力伝達機構114に伝えることによって、圧着工程では第一金型112と第二金型113との間隔を狭め、電線接続部12を電線50に対して圧着させる。一方、駆動装置103は、圧着工程が完了すると第一金型112と第二金型113との間隔を広げる。本実施形態の圧着装置102では、第二金型113が第一金型112に対して上下動することにより、一対の金型112,113の間隔が変化する。
なお、第一金型112において、第一アンビル112Aと第二アンビル112Bとが別体とされ、第二金型113において第一クリンパ113Aと第二クリンパ113Bとが別体とされてもよい。この場合、駆動装置103および動力伝達機構114は、第一クリンパ113Aと第二クリンパ113Bとを別々に上下動させるように構成されてもよい。動力伝達機構114は、駆動装置103から出力された動力を第一クリンパ113Aおよび第二クリンパ113Bに伝達する。
駆動装置103は、駆動源(図示略)と、駆動源の駆動力を上下方向の動力に変換する動力変換機構(図示略)と、を有する。動力伝達機構114は、その動力変換機構の出力軸に連結されている。従って、第一クリンパ113Aおよび第二クリンパ113Bは、駆動装置103の出力(動力変換機構の出力)によって、動力伝達機構114と一体になって第一金型112に対して上下動する。駆動装置103の駆動源としては、電動機などの電動アクチュエータ、油圧シリンダなどの油圧アクチュエータ、エアシリンダなどの空気圧アクチュエータ等が適用可能である。
図11に示すように、第一アンビル112Aおよび第二アンビル112Bには、それぞれの上側の先端に、下方に向けて凹ませた凹状面116,117が形成されている。第一金型112は、凹状面116,117を上方に露出させた状態でフレーム111によって支持されている。それぞれの凹状面116,117は、U字状の芯線圧着部12AとU字状の被覆圧着部12Bのそれぞれの底部14の形状に合わせて、断面形状が弧状となるように形成されている。
この圧着機110においては、それぞれの凹状面116,117が圧着位置となる。底部14を下側にして供給されてきた圧着端子1は、第一金型112に載置される。芯線圧着部12Aの底部14は、第一アンビル112Aの凹状面116に載置される。被覆圧着部12Bの底部14は、第二アンビル112Bの凹状面117に載置される。
本実施形態の第一金型112は、図11に示すように、凸部115を有する。凸部115は、第一アンビル112Aの凹状面116に形成されている。凸部115は、凹状面116の底部に配置されており、凹状面116の長手方向に沿って延在している。本実施形態の凸部115は、凹状面116の長手方向と直交する断面における断面形状が円弧形状となるように形成されている。
図11に示すように、第一クリンパ113Aおよび第二クリンパ113Bには、それぞれに、上方に向けて凹ませた凹状部121,122が形成されている。各凹状部121,122は、第一アンビル112Aおよび第二アンビル112Bのそれぞれの凹状面116,117に対して上下方向で対向させて配置されている。各凹状部121,122は、圧着工程において、第一バレル片部15および第二バレル片部16を電線50の端部に巻き付けながら加締めていく。各凹状部121,122は、このような加締め動作を行えるように形成されている。
圧着機110で圧着加工された圧着端子1は、端子切断機構120によって連結片31から切り離される。端子切断機構120は、圧着位置に供給された圧着端子1の繋ぎ部32を二つの端子切断部で挟み込んで切断するものであり、その切り離しを圧着工程の進行と連動して行う。図9に示すように、端子切断機構120は、第二アンビル112Bの前側(図9の紙面左側)に配置されている。
本実施形態の端子圧着装置100は、以下に説明するように、圧着端子1が電線50を保持する保持力を向上させることができる。より詳しくは、本実施形態の端子圧着装置100は、圧着工程において、圧着端子1の被覆圧着部12Bに第一部分41および第二部分42(図19乃至図21参照)を形成する。第二部分42は、第一部分41と比較して電線50側に凹んでいる。つまり、第二部分42は、第一部分41と比較して強く締め付けられた部分である。本実施形態の端子付き電線2は、第二部分42が形成されたことで、圧着端子1が電線50を保持する保持力が向上している。
図12乃至図14に示すように、本実施形態の第一金型112は、隆起部118を有する。隆起部118は、第二アンビル112Bに配置されている。つまり、隆起部118は、第一金型112において被覆圧着部12Bを支持する部分に形成されている。本実施形態の隆起部118は、長手方向Xにおける第一金型112の一端に配置されている。長手方向Xは、第一金型112において、凹状面116,117の延在する方向である。以下の説明において、長手方向Xにおける第一アンビル112A側を「前側」と称し、第二アンビル112B側を「後側」と称する。
第一金型112の説明において、凹状面116,117の幅方向を「幅方向Y」と称する。幅方向Yは、長手方向Xと直交している。第一金型112の説明において、長手方向Xおよび幅方向Yの何れとも直交する方向を「高さ方向Z」と称する。高さ方向Zは、典型的には鉛直方向である。
本実施形態の隆起部118は、第二アンビル112Bにおける後側の端部に配置されている。言い換えると、隆起部118は、第二アンビル112Bにおける第一アンビル112A側と反対側の端部に配置されている。隆起部118は、第二アンビル112Bの他の部分よりも上方へ向けて突出している。言い換えると、隆起部118は、高さ方向Zに沿って第二金型113に向けて突出している。本実施形態の隆起部118の形状は、湾曲した帯状である。隆起部118における長手方向Xに沿った長さは、幅方向Yの一端から他端まで実質的に一定である。平面視における隆起部118の形状は、例えば、矩形である。第二アンビル112Bの凹状面117は、底面117aおよび隆起面117cを有する。
底面117aは、凹状面117のうち、隆起部118よりも前側の部分である。隆起面117cは、凹状面117のうち、隆起部118に形成された部分である。傾斜部117bは、隆起面117cにおける底面117a側の端部に形成されている。傾斜部117bは、長手方向Xに対して傾斜している。より詳しくは、傾斜部117bは図13に示すように、長手方向Xに沿って前側へ向うに従って下方へ向うように傾斜している。本実施形態の傾斜部117bは、上方および前方へ向けて凸の湾曲面である。
図14に示すように、底面117aの断面形状と、隆起面117cの断面形状とは相似である。本実施形態の隆起面117cは、底面117aに対して平行な面である。底面117aおよび隆起面117cの断面形状は、全体として下側に向けて湾曲した湾曲形状である。より詳しくは、底面117aおよび隆起面117cは、第一湾曲部117d,117g、第二湾曲部117e,117h、および縁部117f,117iを有する。第一湾曲部117d,117gは、下側に向けて湾曲した湾曲面である。第二湾曲部117e,117hは、上側に向けて湾曲した湾曲面である。縁部117f,117iは、平面形状の部分である。
第一湾曲部117d,117gは、幅方向Yの中央部分に位置する。縁部117f,117iは、幅方向Yの端部に位置する。第二湾曲部117e,117hは、第一湾曲部117d,117gと縁部117f,117iとの間に位置する。第二湾曲部117e,117hは、第一湾曲部117d,117gおよび縁部117f,117iのそれぞれに対して連続的かつ滑らかにつながっている。
本実施形態において、高さ方向Zにおける底面117aと隆起面117cとの段差Δzの大きさは、例えば、一定である。つまり、隆起面117cは、底面117aに対して一律な高さで隆起している。
図15乃至図17に示すように、本実施形態の第二金型113は、隆起部119を有する。隆起部119は、第二クリンパ113Bに配置されている。つまり、隆起部119は、第二金型113において被覆圧着部12Bを第一金型112に向けて押圧する部分に形成されている。本実施形態の隆起部119は、長手方向Xにおける第二金型113の一端に配置されている。第二金型113の長手方向Xは、第一金型112の長手方向Xと共通である。また、第二金型113の幅方向Yおよび高さ方向Zは、第一金型112の幅方向Yおよび高さ方向Zと共通である。
本実施形態の隆起部119は、第二クリンパ113Bにおける後側の端部に配置されている。言い換えると、隆起部119は、第二クリンパ113Bにおける第一クリンパ113A側と反対側の端部に配置されている。隆起部119は、第二クリンパ113Bの他の部分よりも下方へ向けて突出している。言い換えると、隆起部119は、第二クリンパ113Bの他の部分よりも第二クリンパ113Bの内部空間側へ向けて突出している。本実施形態の隆起部119の形状は、湾曲した帯状である。隆起部119における長手方向Xに沿った長さは、幅方向Yの一端から他端まで実質的に一定である。平面視(下面視)における隆起部119の形状は、例えば、矩形である。
第二クリンパ113Bの凹状部122は、押圧面122aおよび隆起面122cを有する。押圧面122aは、凹状部122を構成する面のうち、隆起部119よりも前側の部分である。隆起面122cは、凹状部122を構成する面のうち、隆起部119に形成された部分である。隆起面122cは、傾斜部122bを有する。傾斜部122bは、隆起面122cにおける前側の端部に形成されている。傾斜部122bは、長手方向Xに対して傾斜している。より詳しくは、傾斜部122bは、図16に示すように、長手方向Xに沿って前側へ向うに従って上方へ向うように傾斜している。本実施形態の傾斜部122bは、下方および前方へ向けて凸の湾曲面である。傾斜部122bの後端は、長手方向Xに対して略平行となっている。
図17に示すように、押圧面122aの断面形状と、隆起面122cの断面形状とは相似である。本実施形態の隆起面122cは、押圧面122aに対して平行な面である。押圧面122aおよび隆起面122cの断面形状は、上側に向けて湾曲した湾曲形状である。より詳しくは、押圧面122aおよび隆起面122cは、湾曲部122d,122fおよび平面部122e,122gを有する。湾曲部122d,122fの形状は、上側に向けて湾曲した湾曲形状である。湾曲部122d,122fの断面形状は、例えば、円弧形状である。平面部122e,122gは、平面形状の部分である。
湾曲部122d,122fは、幅方向Yの中央部分に位置する。平面部122e,122gは、幅方向Yの端部に位置する。平面部122e,122gは、湾曲部122d,122fに対して連続的かつ滑らかにつながっている。
本実施形態において、押圧面122aと隆起面122cとの段差Δeの大きさは、例えば、一定である。つまり、隆起面122cは、押圧面122aに対して一律な高さで隆起している。
第一金型112の隆起部118および第二金型113の隆起部119は、長手方向Xに沿った設置範囲が重なるように設けられている。すなわち、図18に示すように、本実施形態の二つの隆起部118,119は、高さ方向Zにおいて互いに対向するように配置されている。従って、第一金型112の隆起面117cは、第二金型113の隆起面122cと高さ方向Zにおいて互いに対向する。また、第一金型112の傾斜部117bは、第二金型113の傾斜部122bと高さ方向Zにおいて互いに対向する。第一金型112の底面117aは、第二金型113の押圧面122aと高さ方向Zにおいて互いに対向する。
上記のような構成の第一金型112および第二金型113によって圧着工程が実行され、図19乃至図22に示す端子付き電線2が製造される。図19乃至図22に示すように、本実施形態に係る端子付き電線2は、被覆圧着部12Bの一部の区間が他の区間よりも強く締め付けられている。具体的には、被覆圧着部12Bは、第一部分41および第二部分42を有する。第二部分42は、第一方向Lにおいて第一部分41と隣接しており、かつ周方向の全周にわたって第一部分41と比較して外側面42aが電線50側に凹んでいる。言い換えると、第二部分42の外側面42aは、第一部分41の外側面41aに対して、電線50側に向けて凹んだ一段低い面である。つまり、圧着工程において、第二部分42は、第一部分41よりも全周にわたって強く締め付けられている。なお、端子付き電線2の説明において、周方向は、芯線51を中心とする周方向である。
第一部分41および第二部分42について更に詳しく説明する。図19に示すように、平面視した場合の第二部分42の幅W2は、第一部分41の幅W1よりも狭い。また、図20に示すように、側面視した場合の第二部分42の厚さH2は、第一部分41の厚さH1よりも小さい。
第二部分42の端部には、傾斜面43が形成されている。傾斜面43は、第一方向Lにおける第一部分41側の端部に形成されている。傾斜面43は、全周にわたって形成されている。つまり、第二部分42における第一部分41との境界には、全周にわたる段差が形成されている。傾斜面43は、第一方向Lに沿って第一部分41へ近づくに従って電線50から遠ざかるように傾斜している。本実施形態の傾斜面43の断面形状は、図22に示すように、電線50側に向けて湾曲した凹形状である。
被覆圧着部12Bにおいて、第一部分41は、第一金型112の底面117aおよび第二金型113の押圧面122aによって形成される。第二部分42は、第一金型112の隆起面117c、および第二金型113の隆起面122cによって形成される。第二部分42の傾斜面43は、傾斜部117bおよび傾斜部122bによって形成される。
図22に示すように、第二部分42の内側面42bは、第一部分41の内側面41bよりも芯線51側に向けて突出している。つまり、第二部分42は、第一部分41よりも内部空間の断面積が小さく、電線50を強く締め付けている。このように、本実施形態の端子付き電線2では、第一方向Lに沿った一部の区間である第二部分42が電線50を強く締め付けている。従って、本実施形態の端子付き電線2は、圧着端子1が電線50を保持する保持力を向上させることができる。
また、第二部分42の内側面42bは、傾斜面44を有する。傾斜面44は、内側面42bにおける第一部分41側の端部に形成されている。傾斜面44は、全周にわたって形成されている。つまり、内側面42bにおける第一部分41との境界には、全周にわたる段差が形成されている。傾斜面44は、第一方向Lに沿って第一部分41へ近づくに従って電線50から遠ざかるように傾斜している。言い換えると、傾斜面44は、第一方向Lに沿って第一部分41へ近づくに従って径方向の外側へ向うように傾斜している。このように、傾斜面44によって囲まれる空間は、第一方向Lに沿って第一部分41から遠ざかるに従って断面積が小さくなるテーパ形状を有する。本実施形態の傾斜面44の断面形状は、芯線51側に向けて湾曲した凸形状である。
傾斜面44は、被覆圧着部12Bに対する電線50の相対移動を規制することができる。例えば、電線50に対して電線接続部12から抜け出る方向の力が作用した場合に、傾斜面44は第一方向Lに沿った電線接続部12に対する電線50の相対移動を規制することができる。よって、傾斜面44は、圧着端子1が電線50を保持する保持力を向上させることができる。
図22に示すように、本実施形態の第二部分42は、止水部材20の第三止水部23と対応する位置に形成されている。言い換えると、第一方向Lにおいて、第二部分42が形成された範囲は、第三止水部23の設置範囲と重なっている。従って、第二部分42は、止水部材20によるシール性を向上させることができる。第二部分42が強く締め付けられていることで、電線接続部12と被覆52との間のシール性や、第一バレル片部15と第二バレル片部16との間のシール性が向上する。
本実施形態では、第三止水部23が第一方向Lにおける被覆圧着部12Bの端部に配置されている。第二部分42は、被覆圧着部12Bにおける第三止水部23が配置されている端部に形成されている。被覆圧着部12Bの端部において止水部材20によるシール性が向上することで、端子付き電線2の電気性能や耐久性が向上する。
以上説明したように、本実施形態に係る端子付き電線2は、電線50と、圧着端子1と、を有する。電線50は、芯線51および被覆52を有し、芯線51の先端部が被覆52から露出している被覆電線である。圧着端子1は、芯線51および被覆52を一体に覆った電線接続部12を有する。圧着端子1は、電線接続部12において芯線51に対して電気的に接続されている。
電線接続部12のうち、被覆52に対して圧着された被覆圧着部12Bは、第一部分41と、第二部分42と、を有する。第二部分42は、芯線51の軸方向、言い換えると第一方向Lにおいて第一部分41と隣接している。第二部分42は、芯線51を中心とする周方向の全周にわたって第一部分41と比較して外側面42aが電線50側に凹んでいる。
本実施形態の端子付き電線2では、以下に説明するように、圧着端子1が電線50を保持する保持力を向上させることと、被覆52の保護とを両立させることができる。例えば、比較例として、被覆圧着部12Bにおいて、周方向の一部分を電線50に向けて突出させた凸部を形成する場合について検討する。比較例の場合、この凸部が被覆52に食い込んで被覆52を傷つけてしまう可能性がある。これに対して、本実施形態の第二部分42は、全周にわたって形成されている。従って、周方向の一部に局所的な凸部が形成される場合と比較して、被覆52が傷つけられにくい。
本実施形態の被覆圧着部12Bにおいて、第二部分42の内側面42bは、第一部分41の内側面42bよりも芯線51側に向けて突出している。よって、本実施形態の端子付き電線2は、圧着端子1が電線50を保持する保持力を向上させることができる。
本実施形態の端子付き電線2は、被覆52の外側面と被覆圧着部12Bとの間をシールする止水部材20を有する。第二部分42は、止水部材20と対応する位置に形成されている。つまり、第二部分42は、電線50の半径方向において止水部材20と対向する位置に形成されている。被覆圧着部12Bが第二部分42において強く締め付けられていることで、止水部材20によるシール性が向上する。
本実施形態の止水部材20は、第一方向Lにおける被覆圧着部12Bの端部において被覆52と被覆圧着部12Bとの間をシールしている。第二部分42は、止水部材20がシールしている端部に形成されている。被覆圧着部12Bの端部においてシール性が向上することで、端子付き電線2の電気性能や耐久性が向上する。
本実施形態の端子付き電線の製造方法は、圧着工程を含む。圧着工程は、芯線51の先端部が被覆52から露出している電線50に対して圧着端子1の電線接続部12を巻き付けて圧着させ、電線接続部12によって芯線51および被覆52を一体に覆う工程である。本実施形態の端子付き電線の製造方法は、圧着工程において、被覆圧着部12Bに対して、第一部分41および第二部分42を形成する。第二部分42は、芯線51の軸方向において第一部分41と隣接しており、かつ周方向の全周にわたって第一部分41と比較して外側面42aが電線50側に凹んでいる部分である。本実施形態に係る端子付き電線の製造方法は、圧着端子1が電線50を保持する保持力を向上させることと、被覆52の保護とを両立させることができる。
[実施形態の第1変形例]
実施形態の第1変形例に係る端子付き電線2および端子付き電線の製造方法について説明する。図23は、実施形態の第1変形例に係る端子付き電線の斜視図、図24は、実施形態の第1変形例に係る端子付き電線の断面図、図25は、実施形態の第1変形例に係る第一金型の斜視図、図26は、実施形態の第1変形例に係る第二金型の下面図、図27は、実施形態の第1変形例に係る第二金型の断面図である。図27には、図26のXXVII−XXVII断面が示されている。
実施形態の第1変形例に係る端子付き電線2において、上記実施形態の端子付き電線2と異なる点は、例えば、第二部分42が被覆圧着部12Bにおける第一方向Lの中間部に形成されている点である。図23に示すように、実施形態の第1変形例に係る被覆圧着部12Bの第一部分41は、前側第一部分41Fおよび後側第一部分41Rを有する。第二部分42は、前側第一部分41Fと後側第一部分41Rとの間に形成されている。本変形例では、前側第一部分41Fの幅や厚さは、後側第一部分41Rの幅や厚さと等しい。すなわち、前側第一部分41Fの断面と後側第一部分41Rの断面とが形状や寸法において実質的に同じである。
第二部分42は、第一方向Lにおいて前側第一部分41Fおよび後側第一部分41Rと隣接している。第二部分42は、周方向の全周にわたって前側第一部分41Fおよび後側第一部分41Rと比較して外側面42aが電線50側に凹んでいる。すなわち、第二部分42の外側面42aは、前側第一部分41Fの外側面41aおよび後側第一部分41Rの外側面41aと比較して電線50側に向けて凹んでいる。
第二部分42は、傾斜面43として、前側傾斜面43Fおよび後側傾斜面43Rを有する。前側傾斜面43Fは、第二部分42における前側端部に形成されている。後側傾斜面43Rは、第二部分42における後側端部に形成されている。前側傾斜面43Fおよび後側傾斜面43Rは、周方向の全周にわたって形成されている。前側傾斜面43Fは、第一方向Lに沿って前側第一部分41Fへ近づくに従って電線50から遠ざかるように傾斜している。後側傾斜面43Rは、第一方向Lに沿って後側第一部分41Rへ近づくに従って電線50から遠ざかるように傾斜している。前側傾斜面43Fおよび後側傾斜面43Rの形状は、電線50側に向けて湾曲した凹形状である。
図24に示すように、第二部分42の内側面42bは、前側第一部分41Fの内側面41bおよび後側第一部分41Rの内側面41bの何れよりも芯線51側に向けて突出している。第二部分42の内側面42bは、傾斜面44として、前側傾斜面44Fおよび後側傾斜面44Rを有する。前側傾斜面44Fは、内側面42bにおける前側第一部分41F側の端部に形成されている。前側傾斜面44Fは、第一方向Lに沿って前側第一部分41Fへ近づくに従って芯線51から遠ざかるように傾斜している。後側傾斜面44Rは、内側面42bにおける後側第一部分41R側の端部に形成されている。後側傾斜面44Rは、第一方向に沿って後側第一部分41Rへ近づくに従って芯線51から遠ざかるように傾斜している。前側傾斜面44Fおよび後側傾斜面44Rは、全周にわたって形成されている。前側傾斜面44Fおよび後側傾斜面44Rの断面形状は、芯線51側に向けて湾曲した凸形状である。
図25に示すように、第1変形例に係る第一金型112は、隆起部118を有する。隆起部118は、第二アンビル112Bにおける長手方向Xの中間部に配置されている。第二アンビル112Bの凹状面123は、前側底面123a、隆起面123c、および後側底面123eを有する。前側底面123aは、長手方向Xにおいて隆起面123cよりも第一アンビル112A側に位置する。後側底面123eは、長手方向Xにおいて隆起面123cよりも第一アンビル112A側と反対側に位置する。
前側底面123aおよび後側底面123eは、上記実施形態の底面117aに対応する支持面である。つまり、第1変形例の凹状面123は、隆起面123cに対して、長手方向Xの前側および後側の両方に底面117aに相当する支持面を有する。隆起面123cは、前側底面123aおよび後側底面123eよりも上方に向けて突出している。
隆起面123cは、前側傾斜部123bおよび後側傾斜部123dを有する。前側傾斜部123bは、隆起面123cにおける前端部に形成されている。前側傾斜部123bは、長手方向Xに沿って前側へ向うに従って下方へ向うように傾斜している。前側傾斜部123bは、上方および前方へ向けて凸の湾曲面である。
後側傾斜部123dは、隆起面123cにおける後端部に形成されている。後側傾斜部123dは、長手方向Xに沿って後側へ向うに従って下方へ向うように傾斜している。後側傾斜部123dは、上方および後方へ向けて凸の湾曲面である。
図26および図27に示すように、第1変形例に係る第二金型113は、隆起部119を有する。隆起部119は、第二クリンパ113Bにおける長手方向Xの中間部に配置されている。第二クリンパ113Bの凹状部125は、前側押圧面125a、隆起面125c、および後側押圧面125eを有する。前側押圧面125aは、長手方向Xにおいて隆起面125cよりも第一クリンパ113A側に位置する。後側押圧面125eは、長手方向Xにおいて隆起面125cよりも第一クリンパ113A側と反対側に位置する。
前側押圧面125aおよび後側押圧面125eは、上記実施形態の押圧面122aに対応する押圧面である。第1変形例の凹状部125は、隆起面125cに対して、長手方向Xの前側および後側の両方に押圧面122aに相当する押圧面を有する。隆起面125cは、前側押圧面125aおよび後側押圧面125eに対して突出している。
隆起面125cは、前側傾斜部125bおよび後側傾斜部125dを有する。前側傾斜部125bは、隆起面125cにおける前端部に形成されている。前側傾斜部125bは、長手方向Xに沿って前側へ向うに従って上方へ向うように傾斜している。前側傾斜部125bは、下方および前方へ向けて凸の湾曲面である。
後側傾斜部125dは、隆起面125cにおける後端部に形成されている。後側傾斜部125dは、長手方向Xに沿って後側へ向うに従って上方へ向うように傾斜している。後側傾斜部125dは、下方および後方へ向けて凸の湾曲面である。
第一金型112および第二金型113は、隆起面123cと隆起面125cとが高さ方向Zにおいて互いに対向するように配置されている。本変形例では、前側傾斜部123bと前側傾斜部125bとが高さ方向Zにおいて互いに対向し、かつ後側傾斜部123dと後側傾斜部125dとが高さ方向Zにおいて互いに対向している。
第1変形例に係る端子付き電線の製造方法では、第一金型112の前側底面123aおよび第二金型113の前側押圧面125aによって、端子付き電線2の前側第一部分41Fが形成される。第一金型112の隆起面123cおよび第二金型113の隆起面125cは、端子付き電線2の第二部分42を形成する。第一金型112の後側底面123eおよび第二金型113の後側押圧面125eは、端子付き電線2の後側第一部分41Rを形成する。
[実施形態の第2変形例]
実施形態の第2変形例に係る端子付き電線2および端子付き電線の製造方法について説明する。図28は、実施形態の第2変形例に係る端子付き電線の斜視図、図29は、実施形態の第2変形例に係る端子付き電線の断面図、図30は、実施形態の第2変形例に係る第一金型の斜視図、図31は、実施形態の第2変形例に係る第二金型の下面図、図32は、実施形態の第2変形例に係る第二金型の断面図である。図32には、図31のXXXII−XXXII断面が示されている。
実施形態の第2変形例に係る端子付き電線2において、上記実施形態の端子付き電線2と異なる点は、例えば、被覆圧着部12Bに複数の第二部分42が形成される点である。図28に示すように、実施形態の第2変形例に係る被覆圧着部12Bは、第一部分41として、前側第一部分41Fおよび後側第一部分41Rを有する。また、第2変形例に係る被覆圧着部12Bは、第二部分42として、前側第二部分42Fおよび後側第二部分42Rを有する。
前側第二部分42Fは前側第一部分41Fと後側第一部分41Rとの間に形成されている。本変形例では、前側第一部分41Fの幅や厚さは、後側第一部分41Rの幅や厚さと等しい。すなわち、前側第一部分41Fの断面と後側第一部分41Rの断面とが形状や寸法において実質的に同じである。前側第二部分42Fは、第一方向Lにおいて前側第一部分41Fおよび後側第一部分41Rと隣接している。前側第二部分42Fは、周方向の全周にわたって前側第一部分41Fおよび後側第一部分41Rと比較して外側面42aが電線50側に凹んでいる。すなわち、前側第二部分42Fの外側面42aは、前側第一部分41Fの外側面41aおよび後側第一部分41Rの外側面41aと比較して電線50側に向けて凹んでいる。
前側第二部分42Fは、傾斜面43として、前側傾斜面43Fおよび後側傾斜面43Rを有する。前側傾斜面43Fは、第二部分42における前側端部に形成されている。後側傾斜面43Rは、第二部分42における後側端部に形成されている。前側傾斜面43Fおよび後側傾斜面43Rは、周方向の全周にわたって形成されている。前側傾斜面43Fは、第一方向Lに沿って前側第一部分41Fへ近づくに従って電線50から遠ざかるように傾斜している。後側傾斜面43Rは、第一方向Lに沿って後側第一部分41Rへ近づくに従って電線50から遠ざかるように傾斜している。前側傾斜面43Fおよび後側傾斜面43Rの形状は、電線50側に向けて湾曲した凹形状である。
後側第二部分42Rは、第一方向Lにおいて後側第一部分41Rと隣接している。後側第二部分42Rは、後側第一部分41Rよりも後側に形成されている。後側第二部分42Rは、周方向の全周にわたって後側第一部分41Rと比較して外側面42aが電線50側に凹んでいる。すなわち、後側第二部分42Rの外側面42aは、後側第一部分41Rの外側面41aと比較して電線50側に向けて凹んでいる。
後側第二部分42Rは、傾斜面43として、前側傾斜面43Fを有する。前側傾斜面43Fは、後側第二部分42Rにおける前側端部に形成されている。前側傾斜面43Fは、周方向の全周にわたって形成されている。前側傾斜面43Fは、第一方向Lに沿って後側第一部分41Rへ近づくに従って電線50から遠ざかるように傾斜している。前側傾斜面43Fの形状は、電線50側に向けて湾曲した凹形状である。
図29に示すように、前側第二部分42Fの内側面42bは、前側第一部分41Fの内側面41bおよび後側第一部分41Rの内側面41bの何れよりも芯線51側に向けて突出している。前側第二部分42Fの内側面42bは、傾斜面44として、前側傾斜面44Fおよび後側傾斜面44Rを有する。前側傾斜面44Fは、内側面42bにおける前側端部に形成されている。前側傾斜面44Fは、第一方向Lに沿って前側第一部分41Fへ近づくに従って芯線51から遠ざかるように傾斜している。後側傾斜面44Rは、内側面42bにおける後側端部に形成されている。後側傾斜面44Rは、第一方向に沿って後側第一部分41Rへ近づくに従って芯線51から遠ざかるように傾斜している。前側傾斜面44Fおよび後側傾斜面44Rは、全周にわたって形成されている。前側傾斜面44Fおよび後側傾斜面44Rの断面形状は、芯線51側に向けて湾曲した凸形状である。
後側第二部分42Rの内側面42bは、後側第一部分41Rの内側面41bよりも芯線51側に向けて突出している。後側第二部分42Rの内側面42bは、傾斜面44として、前側傾斜面44Fを有する。前側傾斜面44Fは、内側面42bにおける前側端部に形成されている。前側傾斜面44Fは、第一方向Lに沿って後側第一部分41Rへ近づくに従って芯線51から遠ざかるように傾斜している。前側傾斜面44Fの断面形状は、芯線51側に向けて湾曲した凸形状である。
図30に示すように、第2変形例に係る第一金型112は、隆起部118として、前側隆起部118Fおよび後側隆起部118Rを有する。前側隆起部118Fは、第二アンビル112Bにおける長手方向Xの中間部に配置されている。後側隆起部118Rは、第二アンビル112Bにおける長手方向Xの後端に配置されている。第二アンビル112Bの凹状面124は、前側底面124a、前側隆起面124c、後側底面124e、および後側隆起面124gを有する。前側隆起面124cは、前側隆起部118Fに対応する支持面である。後側隆起面124gは、後側隆起部118Rに対応する支持面である。
前側底面124aは、前側隆起面124cよりも長手方向Xの前側に形成されている。後側底面124eは、前側隆起面124cよりも長手方向Xの後側に形成されている。前側隆起面124cは、前側底面124aおよび後側底面124eよりも上方に向けて突出している。つまり、第2変形例の凹状面124は、長手方向Xにおける前側隆起面124cの両側に、前側隆起面124cに対して一段下がった底面124a,124eを有する。
後側隆起面124gは、後側底面124eよりも長手方向Xの後側に形成されている。後側隆起面124gは、後側底面124eよりも上方に向けて突出している。つまり、凹状面124は、長手方向Xにおける後側隆起面124gの前側に、後側隆起面124gに対して一段下がった後側底面124eを有する。
前側隆起面124cは、前側傾斜部124bおよび後側傾斜部124dを有する。前側傾斜部124bおよび後側傾斜部124dは、上記第1変形例の前側傾斜部123bおよび後側傾斜部123dと同様の傾斜部である。後側隆起面124gは、前側傾斜部124fを有する。前側傾斜部124fは、上記実施形態の傾斜部117bと同様の傾斜部である。
図31および図32に示すように、第2変形例に係る第二金型113は、隆起部119として、前側隆起部119Fおよび後側隆起部119Rを有する。前側隆起部119Fは、第二クリンパ113Bにおける長手方向Xの中間部に配置されている。後側隆起部119Rは、第二クリンパ113Bにおける長手方向Xの後端に配置されている。第二クリンパ113Bの凹状部126は、前側押圧面126a、前側隆起面126c、後側押圧面126e、および後側隆起面126gを有する。前側隆起面126cは、前側隆起部119Fに対応する押圧面である。後側隆起面126gは、後側隆起部119Rに対応する押圧面である。
前側押圧面126aは、前側隆起面126cよりも長手方向Xの前側に形成されている。後側押圧面126eは、前側隆起面126cよりも長手方向Xの後側に形成されている。前側隆起面126cは、前側押圧面126aおよび後側押圧面126eに対して突出している。つまり、第2変形例の凹状部126は、長手方向Xにおける前側隆起面126cの両側に、前側隆起面126cに対して一段下がった押圧面126a,126eを有する。
後側隆起面126gは、後側押圧面126eよりも長手方向Xの後側に形成されている。後側隆起面126gは、後側押圧面126eに対して突出している。つまり、凹状部126は、長手方向Xにおける後側隆起面126gの前側に、後側隆起面126gに対して一段下がった後側押圧面126eを有する。
前側隆起面126cは、前側傾斜部126bおよび後側傾斜部126dを有する。前側傾斜部126bおよび後側傾斜部126dは、上記第1変形例の前側傾斜部125bおよび後側傾斜部125dと同様の傾斜部である。後側隆起面126gは、前側傾斜部126fを有する。前側傾斜部126fは、上記実施形態の傾斜部122bと同様の傾斜部である。
第一金型112および第二金型113は、前側隆起面124cと前側隆起面126cとが高さ方向Zにおいて互いに対向し、かつ後側隆起面124gと後側隆起面126gとが高さ方向Zにおいて互いに対向するように配置されている。
第2変形例に係る端子付き電線の製造方法では、第一金型112の前側底面124aおよび第二金型113の前側押圧面126aによって、端子付き電線2の前側第一部分41Fが形成される。第一金型112の前側隆起面124cおよび第二金型113の前側隆起面126cは、端子付き電線2の前側第二部分42Fを形成する。第一金型112の後側底面124eおよび第二金型113の後側押圧面126eは、端子付き電線2の後側第一部分41Rを形成する。第一金型112の後側隆起面124gおよび第二金型113の後側隆起面126gは、端子付き電線2の後側第二部分42Rを形成する。
以上説明したように、実施形態の第2変形例に係る端子付き電線2において、被覆圧着部12Bは、複数の第二部分42F,42Rを有する。第二部分42が複数に分かれていることで、圧着端子1が電線50を保持する保持力の向上を図ることができる。例えば、第二部分42が複数形成されることで、複数の傾斜面44F,44Rが形成される。複数の傾斜面44F,44Rのそれぞれは、被覆圧着部12Bに対する電線50の相対移動を規制することができる。
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
1 圧着端子
2 端子付き電線
10 端子金具
11 端子接続部
11a 側壁
12 電線接続部
12A 芯線圧着部
12B 被覆圧着部
12C 連結圧着部
13 連結部
14 底部
15 第一バレル片部
15a 先端
16 第二バレル片部
16a 先端
17 セレーション領域
17a 凹部
19B 凸部
20 止水部材
21 第一止水部
22 第二止水部
23 第三止水部
30 端子連鎖体
31 連結片
32 繋ぎ部
41 第一部分
41a 外側面
41b 内側面
42 第二部分
42a 外側面
42b 内側面
43,44 傾斜面
50 電線
51 芯線
52 被覆
100 端子圧着装置
101 端子供給装置
102 圧着装置
103 駆動装置
110 圧着機
111 フレーム
112 第一金型
112A 第一アンビル
112B 第二アンビル
113 第二金型
113A 第一クリンパ
113B 第二クリンパ
114 動力伝達機構
115 凸部
116,117 凹状面
117a 底面
117b 傾斜部
117c 隆起面
117d,117g 第一湾曲部
117e,117h 第二湾曲部
117f,117i 縁部
118 隆起部
120 端子切断機構
121,122 凹状部
122a 押圧面
122b 傾斜部
122c 隆起面
123 凹状面
123a 前側底面
123c 隆起面
123e 後側底面
124 凹状面
124a 前側底面
124c 前側隆起面
124e 後側底面
124g 後側隆起面
125 凹状部
125a 前側押圧面
125c 隆起面
125e 後側押圧面
126a 前側押圧面
126c 前側隆起面
126e 後側押圧面
126g 後側隆起面
L 第一方向
W 第二方向
H 第三方向
X 長手方向
Y 幅方向
Z 高さ方向
Δz 段差

Claims (6)

  1. 芯線および前記芯線を覆う被覆を有し、前記芯線の先端部が前記被覆から露出している電線と、
    前記芯線および前記被覆を一体に覆った電線接続部を有し、前記電線接続部において前記芯線に対して電気的に接続された圧着端子と、
    を備え、
    前記電線接続部のうち、前記被覆に対して圧着された被覆圧着部は、第一部分と、前記芯線の軸方向において前記第一部分と隣接しており、かつ前記芯線を中心とする周方向の全周にわたって前記第一部分と比較して外側面が前記電線側に凹んでいる第二部分と、を有する
    ことを特徴とする端子付き電線。
  2. 前記第二部分の内側面は、前記第一部分の内側面よりも前記芯線側に向けて突出している
    請求項1に記載の端子付き電線。
  3. 更に、前記被覆の外側面と前記被覆圧着部との間をシールする止水部材を備え、
    前記第二部分は、前記止水部材と対応する位置に形成されている
    請求項1または2に記載の端子付き電線。
  4. 前記止水部材は、前記軸方向における前記被覆圧着部の端部において前記被覆と前記被覆圧着部との間をシールしており、
    前記第二部分は、前記端部に形成されている
    請求項3に記載の端子付き電線。
  5. 前記被覆圧着部は、複数の前記第二部分を有する
    請求項1から4の何れか1項に記載の端子付き電線。
  6. 芯線の先端部が被覆から露出している電線に対して圧着端子の電線接続部を巻き付けて圧着させ、前記電線接続部によって前記芯線及び前記被覆を一体に覆う圧着工程を含み、
    前記圧着工程において、前記電線接続部のうち前記被覆に対して圧着された被覆圧着部に対して、第一部分と、前記芯線の軸方向において前記第一部分と隣接しており、かつ前記芯線を中心とする周方向の全周にわたって前記第一部分と比較して外側面が前記電線側に凹んでいる第二部分と、を形成する
    ことを特徴とする端子付き電線の製造方法。
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