JP2019180485A - 車両の車椅子収納装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車椅子保持プレートを車椅子より小型化して、車椅子保持部の格納スペースをコンパクトにすることである。【解決手段】車椅子20がセットされる車椅子保持プレート50と、車椅子保持プレート50が車室外の車椅子セット位置と車室内の車椅子格納位置間で移動が可能なように車椅子保持プレート50を支持する支持機構36とを有する車両の車椅子収納装置30であって、車椅子保持プレート50は、車椅子20の一個所を支えるフレーム受けバー55u(支点)と、支点55uを中心とした車椅子20の重心Gに起因する回転モーメントを支点55uに対して重心Gの反対側の位置で受ける前輪ロック機構70(回転止め部)とを有している。【選択図】図2

Description

本発明は、折り畳んだ車椅子を車室内の車椅子格納位置に収納する車両の車椅子収納装置に関する。
車両の車椅子収納装置に関する技術が特許文献1に記載されている。特許文献1の車椅子収納装置は、図17に示すように、折り畳んだ車椅子Kがセットされる車椅子保持部100と、その車椅子保持部100を車室外の車椅子セット位置と車室内の車椅子格納位置間で移動させる移動機構(図示省略)とを備えている。車椅子保持部100は、車椅子セット位置で前輪Tfを上にして立てた状態の車椅子Kをセットできるように構成されている。
車椅子保持部100は、中央に梁部102を備えている。そして、梁部102の上部(前部)の左右両側には、車椅子Kの左右の前輪Tfを支える前輪支持板103が設けられおり、下部(後部)の左右両側には、左右の後輪Tbを支える後輪支持板105が設けられている。また、車椅子保持部100の左右の前輪支持板103の間には、車椅子Kの前輪支持フレームFが上方から掛けられる支持バー104が水平に設けられている。
特開2017−202264号公報
上記した車両の車椅子収納装置では、車椅子保持部100は前輪支持板103と後輪支持板105とを備えており、車椅子Kの左右の前輪Tfと左右の後輪Tbとを支える構成である。このため、車椅子保持部100の全長が車椅子Kの前後長に近い値となり、車椅子保持部100が大型化する。このため、車室内における車椅子保持部の格納スペースを広く確保する必要がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、車椅子保持部を車椅子より十分に小型化して、車椅子保持部の格納スペースをコンパクトにすることである。
上記した課題は、各発明によって解決される。第1の発明は、車椅子がセットされる車椅子保持部と、前記車椅子保持部が車室外の車椅子セット位置と車室内の車椅子格納位置間で移動が可能なように前記車椅子保持部を支持する支持機構とを有する車両の車椅子収納装置であって、前記車椅子保持部は、前記車椅子の一個所を支える支点と、前記支点を中心とした前記車椅子の重心に起因する回転モーメントを前記支点に対して前記重心の反対側の位置で受ける回転止め部とを有している。
本発明によると、車椅子は車椅子保持部の支点と回転止め部とにより支えられる。また、車椅子保持部の支点と回転止め部とは車椅子の重心から離れた位置にあり、車椅子の重心部分は車椅子保持部により直接的に支えられる構成ではない。即ち、車椅子保持部は、車椅子の重心部分を直接的に支えることなく、重心以外の部分を支点と回転止め部とにより支える。このため、車椅子保持部のサイズは、車椅子の一部を支えるサイズかあれば良く、車椅子の全長よりも十分に小さくできる。
第2の発明によると、車椅子保持部の支点は、車椅子の前輪と後輪とをつなぐフレームを支える構成である。このため、車椅子保持部の支点により車椅子の重心から離れた位置を良好に支えることができる。
第3の発明によると、車椅子保持部の回転止め部は、車椅子の前輪、または後輪のいずれか一方の車輪を前記車椅子保持部に連結できるように、あるいは前記一方の車輪の近傍に位置するフレームを前記車椅子保持部に連結できるように構成されている。即ち、車椅子の重心が後輪側にある場合には車椅子保持部の回転止め部により前輪、あるいはその近傍のフレームを車椅子保持部に連結することで、車椅子の重心に起因する回転モーメントを受けることができる。また、車椅子の重心が前輪側にある場合には車椅子保持部の回転止め部により後輪、あるいはその近傍のフレームを車椅子保持部に連結することで、前記回転モーメントを受けることができる。
第4の発明によると、車椅子が車椅子保持部にセットされた状態で、前記車椅子に力を加えて前記車椅子保持部を前記支持機構により車椅子セット位置から車椅子格納位置に移動させる際、前記車椅子が前記車椅子保持部の前記支点から離れないように前記車椅子を押さえる押さえ部が前記車椅子保持部に設けられている。このため、車椅子に力を加えても車椅子が車椅子保持部の支点から離れず、車椅子と車椅子保持部とを一体で移動させることができる。
本発明によると、車椅子保持部を車椅子よりも十分に小型化でき、車椅子保持部の格納スペースをコンパクトにできる。
本発明の実施形態1に係る車椅子収納装置の車椅子セット位置を表す側面図である。 前記車椅子収納装置の車椅子持ち上げ位置を表す側面図である。 前記車椅子収納装置を車両後方から見た全体斜視図である。 前記車椅子収納装置の車椅子保持プレート、スライド基板、及び回転テーブルを室内側(前方)から見た斜視図である。 前記車椅子保持プレート、スライド基板、及び回転テーブルの平面図である。 前記スライドロック機構のロック状態を表す側面図である。 前記スライドロック機構のロック解除状態を表す側面図である。 前記車椅子収納装置のスライド基板に対する車椅子保持プレートの上下回動動作を表す側面図(車椅子セット位置)である。 前記スライド基板と車椅子保持プレート間の回転規制機構を表す側面図(図8のIX拡大図)である。 前記車椅子収納装置のスライド基板に対する車椅子保持プレートの上下回動動作を表す側面図(車椅子持ち上げ位置)である。 前記回転規制機構を表す側面図(図10のXI拡大図)である。 前記回転規制機構の規制解除状態の側面図である。 前記回転規制機構の斜視図である。 前記車椅子保持プレートにおける前輪ロック機構のロック解除状態を車両後方から見た斜視図である。 前輪ロック機構のロック解除状態を表す側面図である。 前輪ロック機構のロック状態を表す側面図である。 従来の車椅子収納装置の車椅子保持部を表す斜視図である。
[実施形態1]
以下、図1から図16に基づいて本発明の実施形態1に係る車両の車椅子収納装置について説明する。本実施形態に係る車両10の車椅子収納装置30は、図1、図2に示すように、折り畳んだ状態の車椅子20を車両10の車室の高さまでまで持ち上げ、後部ドア開口部12から車室内の車椅子格納位置に格納するための装置である。ここで、図中に示す前後左右及び上下は、車椅子収納装置30を備える車両10の前後左右及び上下に対応している。
<車椅子収納装置30の概要について>
車椅子収納装置30は、図3に示すように、車室内の後部ドア開口部12の近傍に設置された固定ベース33と、固定ベース33上に回転機構(図示省略)を介して水平回転可能な状態で設置された回転テーブル34と、回転テーブル34上にスライド機構35を介して設置されたスライド基板36と、スライド基板36に対して上下回動可能な状態で連結された車椅子保持プレート50とを備えている。固定ベース33は、図3に示すように、後部ドア開口部12に沿って車幅方向に延びる横梁部33wと、その横梁部33wの左端部の上面に固定されて車両前方に延びる縦梁部33yとから略平面L字形に形成されている。そして、固定ベース33の縦梁部33yの先端部33f(前端部)が車両ボディにボルト止めされている。この状態で、固定ベース33の縦梁部33yの上面33uがほぼ水平に保持される。固定ベース33の縦梁部33yの上面33uには、回転テーブル34を水平回転可能に支持する回転機構(図示省略)が設置されている。また、縦梁部33yの上面33uには、回転テーブル34の右回転ストッパ34sが設けられている(図3参照)。
<回転テーブル34について>
回転テーブル34は、図3、図4に示すように、前記回転機構と同軸に配置された円板部34eと、その円板部34eから半径方向外側に突出する長方形状の帯板部34pとから構成されている。そして、回転テーブル34上には、スライド機構35の一対のスライドレール35rとスライドストッパ35sとが設けられている。一対のスライドレール35rは、帯板部34pの幅方向における端縁に沿ってその帯板部34pの突出端部から円板部34eの方向に延び、前記円板部34eを横断してその円板部34eの端部まで直線状に延びている。そして、回転テーブル34の円板部34eの端部に位置する一対のスライドレール35r間にスライドストッパ35sが固定されている。
スライド機構35は、スライドレール35rに沿って摺動可能な状態で、各々のスライドレール35rに嵌め込まれた複数の摺動子35yを備えている。そして、複数の摺動子35yが、図4等に示すように、平面略角形に形成されたスライド基板36の下面の左前角部に斜めに固定されている。これにより、スライド基板36は、一対のスライドレール35rに沿ってスライドが可能になる。ここで、回転テーブル34が、図3、図4に示すように、右回動限位置まで水平回動した状態で、回転テーブル34の帯板部34pが右回転ストッパ34sに当接し、回転テーブル34の右水平回動が禁止される。この状態で、回転テーブル34の帯板部34pの突出端部にある一対のスライドレール35rの先端は、車両10の後部ドア開口部12の中央部近傍に配置される。そして、一対のスライドレール35rは、車両10の後部ドア開口部12の中央部近傍から車室内の左前方に向かって斜めに延び、回転テーブル34の円板部34eの端部にある一対のスライドレール35rの基端部は車室の左壁部近傍に配置される。
<スライド基板36について>
スライド基板36は、図4に示すように、車椅子保持プレート50(後記する)を上下回動可能な状態で支持する略角形のプレートである。そして、スライド基板36は、回転テーブル34が右回動限位置にある状態で、そのスライド基板36の前辺、後辺が車幅方向に延び、左辺、右辺が車両前後方向に延びるように配置される。即ち、回転テーブル34が右回動限位置にある状態で、スライド基板36は前後左右方向が車両10の前後左右方向と一致した姿勢で、一対のスライドレール35rに沿って斜めに方向にスライド可能になる。
スライド基板36には、図4に示すように、左辺に偏平逆三角形状の左壁部36fが形成されており、右辺に塀状の右壁部36rが形成されている。そして、スライド基板36の左壁部36fには、下部後端位置に左軸受部36jが形成されており、スライド基板36の右壁部36rには、後端位置に右軸受部(図番省略)が形成されている。スライド基板36の左軸受部36jと右軸受部(図番省略)とは等しい高さ位置で同軸に位置決めされており、左軸受部36jと右軸受部(図番省略)とに車椅子保持プレート50の回転中心軸50cが回転自在に支持されている。これにより、車椅子保持プレート50は、スライド基板36に対して回転中心軸50cを中心に上下回動可能な状態で連結される。ここで、回転テーブル34が右回動限位置にある状態で、スライド基板36の左軸受部36jと右軸受部(図番省略)とに支持される車椅子保持プレート50の回転中心軸50cは車幅方向に延びるように配置される。これにより、車椅子保持プレート50は、車両10の後部ドア開口部12に対して平行に保持される。
<スライドロック機構40について>
スライド基板36の左前角部には、図4、図5に示すように、スライド機構35の摺動子35y間に切欠部36kがスライド方向に延びるように形成されている。そして、スライド基板36の切欠部36kの位置にスライドロック機構40のフック43が配置されている。スライドロック機構40は、回転テーブル34に対するスライド基板36のスライドを禁止する機構である。スライドロック機構40は、回転テーブル34が右回動限位置にある状態で、スライド基板36が後部ドア開口部12の中央部近傍(後端位置)までスライドし、スライド基板36に対して車椅子保持プレート50が上下回動する際にスライドロック状態となる。
スライドロック機構40は、図4、図5に示すように、スライド基板36の切欠部36kの位置でスライド方向に延びるように設けられた縦壁状のフック支持部41と、そのフック支持部41に重ねられて上下回動可能な状態で連結されたフック43とを備えている。フック43は、図6、図7に示すように、先端部に鉤状の係合部43kが設けられており、基端部に荷重受け部43zが設けられている。そして、フック43の基端部の近傍位置が回転中心ピン41pにより、上下回動可能な状態でスライド基板36のフック支持部41に連結されている。これにより、フック43は、自重により係合部43kが下になる方向に回動(図6において右回動)するようになる。また、フック43の基端部の荷重受け部43zが外力により下方向に押圧されると、フック43は自重に抗して上回動(図6において左回動)するようになる。
スライドロック機構40は、図5、図6等に示すように、回転テーブル34の帯板部34pの突出端部で一対のスライドレール35rの間に形成された角形長穴45を備えている。角形長穴45はスライドレール35rに沿って延びるように形成されており、その角形長穴45の長さ方向における前縁部(図5〜図7における左側の縁部)にフック43の係合部43kが上後方から掛かる被係合部45eが形成されている。また、スライドロック機構40は、フック43の荷重受け部43zを下方向に押圧して、図7に示すように、フック43を自重に抗して上回動(図7において左回動)させるロック解除用突起47を備えている。
ロック解除用突起47は、図4に示すように、略門形に形成されて車椅子保持プレート50の裏側所定位置に取付けられている。そして、図6、図7に示すように、車椅子保持プレート50がスライド基板36に載せられる位置まで左回動(上回動)することで(後記する)、車椅子保持プレート50の裏側のロック解除用突起47がフック43の荷重受け部43zを下方向に押圧するようになる。これにより、フック43が自重に抗して上回動(図7において左回動)し、フック43の係合部43kは回転テーブル34の被係合部45eから外れた状態に保持される。
即ち、車椅子保持プレート50がスライド基板36に載せられた状態では、図7に示すように、スライド基板36は回転テーブル34に対してスライド自在に保持される。しかし、スライド基板36がスライドレール35rの先端までスライドした状態で、図6に示すように、車椅子保持プレート50がスライド基板36に対して右回動(下回動)を開始すると、車椅子保持プレート50のロック解除用突起47がフック43の荷重受け部43zから離れる。これにより、フック43は自重で下回動(右回動)し、そのフック43の係合部43kが回転テーブル34の被係合部45eに掛けられる。この結果、スライド基板36は後端位置からの前スライドが禁止される。
<車椅子保持プレート50に概要について>
車椅子保持プレート50は、図1、図2に示すように、幅方向に折り畳まれた車椅子20の左右の前輪22を固定し、さらに前端位置のフレーム先端下部21と前輪22の後方に位置するフレーム中央部23とを支えることで車椅子20を保持するプレートである。ここで、車椅子20の重心Gは後輪27の中心近傍にあるため、車椅子20のフレーム中央部23、前輪22等は重心Gよりも前側に位置している。したがって、車椅子保持プレート50は、車椅子20の重心Gよりも前側を支えるようになる。また、車椅子保持プレート50は、図1、図3等に示すように、起立した状態で車椅子20をセットできるように構成されている。このため、車椅子保持プレート50が起立する位置を車椅子収納装置30の車椅子セット位置と呼ぶことにする。
そして、車椅子20がセットされた車椅子保持プレート50を車椅子セット位置からスライド基板36に対して左回動(上回動)させて、図2に示すように、スライド基板36に載せられる位置まで持ち上げることができる。このように、車椅子保持プレート50がスライド基板36に載せられてほぼ水平に保持される位置を車椅子持ち上げ位置と呼ぶことにする。ここで、車椅子持ち上げ位置では、図2に示すように、車椅子保持プレート50は、その車椅子保持プレート50のフレーム中央支持部55が支点となって車椅子20のフレーム中央部23を支える。また、前記支点を中心とした車椅子20の重心Gに起因する回転モーメントは、車椅子20の前輪22が連結される車椅子保持プレート50の前輪ロック機構70(後記する)で受けられるようになる。
車椅子保持プレート50は、図3、図4に示すように、プレート本体部51と、プレート本体部51の裏側でスライド基板36に上下回動可能に連結されるプレート支持部53とを備えている。プレート本体部51は、図3に示すように、略角形に形成された幅広の前輪支持部510と、前輪支持部510の中央上側で、その前輪支持部510に対して窪んだ状態で略角形に形成された幅狭のフレーム先端支持部514とから構成されている。そして、プレート本体部51の前輪支持部510の左右両側に車椅子20の前輪22の一部が縦向きに嵌合する長方形の前輪挿入部512が形成されている。フレーム先端支持部514は、車椅子20の前輪22が前輪支持部510の前輪挿入部512に嵌合した状態で、その車椅子20のフレーム先端下部21が当接するように形成されている。そして、プレート本体部51のフレーム先端支持部514の裏側には、図4に示すように、左下角部の位置に上記したスライドロック機構40のロック解除用突起47が固定されている。
プレート本体部51の前輪支持部510の裏側には、図4に示すように、左右の前輪挿入部512の幅方向内側位置に左右一対のプレート支持部53が固定されている。プレート支持部53は、略正三角形に形成されており、その三角形の一辺に相当する部分がフランジ部を介して前輪支持部510の裏側に溶接等により固定されている。そして、左右のプレート支持部53における三角形の頂点に相当する突出部分に上記した回転中心軸50cが直角に通されて固定されている。左右のプレート支持部53は、図4に示すように、スライド基板36の左壁部36fと右壁部36rとの間に挟まれている。そして、左右のプレート支持部53から突出した回転中心軸50cの左端部と右端部とが、上記したように、スライド基板36の左軸受部36jと右軸受部(図番省略)とに回転自在に支持されている。
プレート本体部51の裏側には、図4に示すように、前輪支持部510の上部中央位置に脚部プレート516が設けられている。脚部プレート516は、図7に示すように、車椅子保持プレート50が上回動してスライド基板36に載せられる際、スライド基板36の表面に当接することで、車椅子保持プレート50をほぼ水平に支持する。また、プレート本体部51の表側には、図1〜図3に示すように、前輪支持部510の下端中央位置に車椅子20のフレーム中央部23を支えるフレーム中央支持部55が前輪支持部510に対して直角に突出するように設けられている。フレーム中央支持部55は、図3に示すように、前輪支持部510に対して直角に設けられた支柱部55sと、その支柱部55sの先端で左右方向に延び車椅子20のフレーム中央部23を受けるフレーム受けバー55uとから略T字形に形成されている。なお、フレーム中央支持部55は、プレート本体部51にほぼ重なる位置まで回動させて畳めるように構成されている。
<回転規制機構60について>
スライド基板36の左壁部36fと車椅子保持プレート50の左側のプレート支持部53間には、図4に示すように、回転規制機構60が設けられている。回転規制機構60は、車椅子保持プレート50が車椅子セット位置(図1参照)から車椅子持ち上げ位置(図2参照)までスライド基板36に対して左回動(上回動)する際に逆転を禁止する機構である。回転規制機構60は、図8、図9等に示すように、ラチェット歯63wを備える固定歯車63と、その固定歯車63のラチェット歯63wに掛けられるラチェット爪65とから構成されている。そして、固定歯車63が車椅子保持プレート50(プレート支持部53)の回転中心軸50cの左端部に対して同軸、かつ相対回転不能な状態で連結されている。このため、スライド基板36に対して車椅子保持プレート50が回転中心軸50cの軸心回りに回動すると、前記固定歯車63も車椅子保持プレート50と一体で回動するようになる。
固定歯車63の外周縁には、約180°の範囲で多数のラチェット歯63wが形成されている。ここで、図8〜図10等に示すように、回転中心軸50cを中心としたラチェット歯63wの形成範囲を表す角度が、回転中心軸50cを中心とした車椅子保持プレート50の形成範囲を表す角度よりも大きく設定されている。そして、ラチェット歯63wの形成範囲が車椅子保持プレート50のプレート支持部53と、回転中心軸50cの軸心方向において重なるように、固定歯車63が回転中心軸50cの左端部に固定されている。また、固定歯車63の裏面(プレート支持部53に対向する面)には、図13等に示すように、その固定歯車63の外周縁から半径方向外側に突出する歯車バー63hが設けられている。歯車バー63hは、ラチェット歯63wの形成範囲の周方向における中央に位置決めされている。
回転規制機構60のラチェット爪65は、図9において固定歯車63(ラチェット歯63w)の左回動を許容し、右回動を禁止する爪である。ラチェット爪65は、図4、図8等に示すように、爪中心軸65pを介してスライド基板36の左壁部36fの上部後端位置にその左壁部36fに沿って回動可能なように装着されている。ラチェット爪65は、図9に示すように、爪中心軸65pの軸心回りに回動する円板部65mと、その円板部65mの外周面から嘴状に突出した爪本体部65tとを備えている。そして、ラチェット爪65の爪本体部65tが爪中心軸65pの軸心に対して前側(図9において左側)にあるときは、ラチェット爪65は自重で左回動するようになる。これにより、ラチェット爪65は、自重で爪本体部65tの先端が固定歯車63のラチェット歯63wと係合する係合位置(左回動限位置)に保持される。
ラチェット爪65が係合位置(左回動限位置)にある状態では、図9に示すように、ラチェット爪65の爪本体部65tの先端が固定歯車63の回転中心よりも上側でラチェット歯63wに係合している。これにより、固定歯車63が左回動する際には、ラチェット歯63wがラチェット爪65の爪本体部65tを容易に押し上げることで、ラチェット爪65の爪本体部65tがラチェット歯63wから外れ、固定歯車63の左回動が許容される。これに対し、固定歯車63が右回動しようとすると、ラチェット歯63wがラチェット爪65の爪本体部65tを上から押し下げようとするため、ラチェット歯63wの歯溝にラチェット爪65の爪本体部65tが食い込み、固定歯車63の右回動が禁止される。
ラチェット爪65には、爪本体部65tと爪中心軸65pを挟んで反対側の位置に後側取手65hが設けられている。そして、図12に示すように、後側取手65hを持ってラチェット爪65を爪中心軸65p回りに右回動させることで、ラチェット爪65の爪本体部65tと固定歯車63のラチェット歯63wとの係合を解除できる。ここで、ラチェット爪65の爪本体部65tが爪中心軸65pの軸心に対して後側(図12において右側)にあるときは、ラチェット爪65は自重で右回動するようになる。このため、ラチェット爪65を右回動させて固定歯車63との係合を解除した状態で、ラチェット爪65は自重で後側取手65hの回動ストッパ65sがスライド基板36の左壁部36fに対して下側から当接する規制解除位置(右回動限位置)に保持される。
ラチェット爪65の円板部65mの外周には、爪本体部65tと後側取手65hとの間にリング状の受け部65eが設けられている。受け部65eは、図12に示すように、ラチェット爪65が規制解除位置(右回動限位置)にある状態で、車椅子保持プレート50と共に右回動(下回動)する固定歯車63の歯車バー63hが当接する位置に位置決めされている。これにより、車椅子保持プレート50がスライド基板36に対して車椅子セット位置(図1参照)まで右回動(下回動)する際、固定歯車63の歯車バー63hがラチェット爪65の受け部65eに当接する。これにより、ラチェット爪65が規制解除位置(右回動限位置)から左回動して、自重で係合位置に保持される。
<前輪ロック機構70について>
車椅子保持プレート50には、車椅子セット位置(図1参照)で車椅子20の左右の前輪22をプレート本体部51の前輪支持部510に連結する前輪ロック機構70が設けられている。前輪ロック機構70は、図1に示すように、車椅子20の左右の後輪27を下にして車椅子20を起立させた状態で、左右の前輪22の一部をプレート本体部51(前輪支持部510)の左右の前輪挿入部512に挿入する動作により、車椅子20の左右の前輪22をプレート本体部51(前輪支持部510)に連結する。ここで、車椅子保持プレート50が起立している状態(車椅子セット位置)では、左右の前輪挿入部512の路面からの高さ寸法が起立した車椅子20の前輪22の高さ寸法とほぼ等しくなるように設定されている。このため、左右の前輪22の一部を車椅子保持プレート50(プレート本体部51)の左右の前輪挿入部512に挿入する際、車椅子20を持ち上げる必要がなくなる。
前輪ロック機構70は、図3、図4、及び図14に示すように、車椅子保持プレート50(プレート本体部51)の表側に設けられた係止部材73と、バネ材75と、プレート本体部51の裏側に設けられた受け部材77とを備えている。係止部材73は、車椅子20の左右の前輪22をプレート本体部51の前輪挿入部512の反対側から押さえることで、左右の前輪22をプレート本体部51に連結する部材である。係止部材73は、車椅子保持プレート50のプレート本体部51に対して上下回動可能な状態で連結されたアーム部73aと、アーム部73aの先端(回動自由端)にほぼ水平に固定された押さえバー73bとから略T字形に形成されている。
車椅子保持プレート50のプレート本体部51(前輪支持部510)の表側には、図3、図14に示すように、係止部材73のアーム部73aの基端部を左右方向から挟んで上下回動可能に支持するアーム支持部515が設けられている。アーム支持部515は、左右の前輪挿入部512の中間位置でプレート本体部51の表面から側面山形状に突出するように設けられている。そして、アーム支持部515の頂部分に係止部材73のアーム部73aの回転中心軸73pを回転自在に支持する軸受部515j(図15参照)が設けられている。
プレート本体部51のアーム支持部515の軸受部515jは、図16に示すように、プレート本体部51の左右の前輪挿入部512に挿入される車椅子20の左右の前輪22とほぼ同軸となる位置に設けられている。また、係止部材73のアーム部73aの回転中心からアーム部73aの先端(押さえバー73bとの境界部分)までの寸法は、車椅子20の前輪22の半径寸法より若干大きな値に設定されている。このため、係止部材73のアーム部73aが回転中心軸73pを中心に上回動すると(後記する)、図16に示すように、押さえバー73bは左右の前輪22の外周に沿って上方に移動するようになる。
そして、係止部材73の押さえバー73bが車椅子20の前輪支持部22sに当接した状態で、押さえバー73bが左右の前輪22を左右の前輪挿入部512の反対側から押さえるようになる。この結果、左右の前輪22が車椅子保持プレート50(プレート本体部51)に連結される。即ち、図16に示すように、係止部材73の押さえバー73bが車椅子20の左右の前輪22を左右の前輪挿入部512の反対側から押さえる位置(車椅子20の前輪支持部22sに当接する位置)が係止部材73の上回動限位置(ロック位置)となる。また、図15に示すように、係止部材73が下回動限位置にある状態が係止部材73のロック解除位置である。
前輪ロック機構70のバネ材75は、係止部材73をロック位置、あるいはロック解除位置に保持するための付勢手段である。バネ材75は左右一対で使用され、それらのバネ材75の一端は、図15に示すように、アーム支持部515の左右の上部側面に設けられた固定バネ受け515yに掛けられている。また、それらのバネ材75の他端は、係止部材73のアーム部73aの左右側面に設けられた可動バネ受け73xに掛けられている。係止部材73が下回動限位置(ロック解除位置)にある状態では、図15に示すように、バネ材75は係止部材73のアーム部73aの回転中心(軸受部515j)に対して左側に配置されている。このため、前記アーム部73aには右回動方向(プレート本体部51側)にバネ材75のバネ力が加わるようになり、係止部材73は下回動限位置(ロック解除位置)に保持される。また、係止部材73が受け部材77により図15において右方向に押圧されて(後記する)、バネ材75が係止部材73のアーム部73aの回転中心に対して右側に移動すると、アーム部73aはバネ材75のバネ力でロック位置の方向に左回動(上回動)するようになる。
前輪ロック機構70の受け部材77は、図16に示すように、プレート本体部51の左右の前輪挿入部512に挿入される車椅子20の左右の前輪22により前方に押圧されることで左回動し、ロック解除位置にある係止部材73を右方向(後方)に押圧する部材である。受け部材77は、図4に示すように、角形の中央プレート77cと、中央プレート77cの上端位置に連結されて左右方向に延びる前輪受けバー77bとがら略T字形に形成されている。前輪受けバー77bは、車椅子20の左右の前輪22により押圧されるバーであり、左側の前輪挿入部512の裏側位置から右側の前輪挿入部512の裏側位置まで延びるように設けられている。そして、受け部材77の中央プレート77cの下端部が車椅子保持プレート50(プレート本体部51)の裏面中央に設けられた左右の軸受プレート517に挟まれて上下回動可能な状態で支持されている。即ち、図15に示すように、受け部材77の中央プレート77cの下端部に設けられた回動中心ピン(図番省略)が左右の軸受プレート517に形成された軸受部517jによって回動自在に支持されている。
これにより、プレート本体部51の左右の前輪挿入部512に車椅子20の左右の前輪22が挿入されると、受け部材77の前輪受けバー77bが左右の前輪22により前方(左方向)に押圧され、図16に示すように、中央プレート77cが軸受部517jの回りを左回動する。受け部材77の中央プレート77cの下部中央には、図4、図15に示すように、湾曲した棒状の押圧レバー77pが下後方に突出するように設けらてれいる。押圧レバー77pは、その押圧レバー77pの先端部分がプレート本体部51の中央開口(図示省略)からプレート本体部51の表側に突出している。そして、図15に示すように、受け部材77の前輪受けバー77bが外力を受けていない状態で、押圧レバー77pの先端部分は下回動限位置(ロック解除位置)にある係止部材73の裏側に当接している。これにより、受け部材77の前輪受けバー77bが車椅子20の左右の前輪22により前方に押圧されて、中央プレート77cが軸受部517jの回りを左回動すると、図16に示すように、押圧レバー77pが下回動限位置にある係止部材73を後方(右方向)に押圧する。これにより、バネ材75が係止部材73のアーム部73aの回転中心に対して右側に移動し、アーム部73aはバネ材75のバネ力でロック位置の方向に上回動する。
<車椅子収納装置30の動作について>
車椅子収納装置30の車椅子保持プレート50が、図1に示すように、車椅子セット位置にある状態から車椅子20を車両10の車室内に格納する手順を説明する。ここで、車椅子収納装置30の車椅子保持プレート50が車椅子セット位置にある状態では、図4、図5に示すように、回転テーブル34が右回動限位置に保持されて、スライド基板36は一対のスライドレール35rの先端にあって車両10の後部ドア開口部12の中央近傍に配置されている。そして、図6に示すように、スライドロック機構40のフック43が回転テーブル34(角形長穴45)の被係合部45eに掛けられて、スライド基板36のスライドが禁止されている。さらに、図8、図9に示すように、スライド基板36と車椅子保持プレート50間に設けられた回転規制機構60の固定歯車63のラチェット歯63wに対してラチェット爪65の爪本体部65tが係合している。
また、車椅子保持プレート50の前輪ロック機構70の係止部材73は、図14に示すように、バネ材75のバネ力で下回動限位置(ロック解除位置)に保持されている。この状態で、図1に示すように、左右の後輪27を下側にした状態で折り畳んだ車椅子20を起立させ、その車椅子20の左右の前輪22を車椅子保持プレート50の左右の前輪挿入部512に挿入する。これにより、前輪ロック機構70の受け部材77の前輪受けバー77bが車椅子20の左右の前輪22により前方に押圧される。この結果、図16に示すように、受け部材77の中央プレート77cが軸受部517jの回りを左回動し、中央プレート77cに固定された押圧レバー77pの先端部分がロック解除位置にある係止部材73を後方(右方向)に押圧する。
これにより、バネ材75が係止部材73のアーム部73aの回転中心(軸受部515j)に対して右側に移動し、アーム部73aはバネ材75のバネ力でロック位置の方向に上回動する。そして、アーム部73aの先端に固定された押さえバー73bが左右の前輪22の外周に沿って上方に移動し、車椅子20の前輪支持部22sに掛けられる。これにより、車椅子20の左右の前輪22が係止部材73の押さえバー73bにより車椅子保持プレート50の前輪挿入部512の反対側から押さえられることで、車椅子保持プレート50に連結される。また、車椅子20の左右の前輪22が車椅子保持プレート50の左右の前輪挿入部512に挿入された状態で、図1に示すように、車椅子20のフレーム先端下部21が車椅子保持プレート50のフレーム先端支持部514に当接する。また、車椅子20のフレーム中央部23が車椅子保持プレート50のフレーム中央支持部55のフレーム受けバー55uに当接するようになる。
この状態で、車椅子20に対して持ち上げ力を加えることで、車椅子保持プレート50がスライド基板36に対して回転中心軸50cを中心に上回動(図1において左回動)するようになる。ここで、車椅子20のフレーム先端下部21が車椅子保持プレート50のフレーム先端支持部514に当接しているため、車椅子20に対して持ち上げ力(白矢印参照)が加わっても、車椅子20が単独で車椅子保持プレート50に対して前輪22を中心に上回動することがない。即ち、車椅子20は、フレーム先端下部21、前輪22、及びフレーム中央部23の三点が車椅子保持プレート50に支持された状態で、車椅子保持プレート50と一体で上回動するようになる。
また、車椅子保持プレート50がスライド基板36に対して回転中心軸50cを中心に上回動する際、回転規制機構60の固定歯車63が車椅子保持プレート50と一体で図9において左回動するようになる。このため、回転規制機構60の固定歯車63のラチェット歯63wに対してラチェット爪65の爪本体部65tが係合していても、ラチェット歯63wがラチェット爪65を押し上げることにより、車椅子保持プレート50(固定歯車63)の左回動が許容される。しかし、仮に車椅子20の持ち上げ力を途中で解除しても、回転規制機構60の働きで固定歯車63の右回動が禁止されるため、車椅子保持プレート50が下回動することがなく、その位置に保持される。
そして、図2に示すように、車椅子保持プレート50が車椅子持ち上げ位置まで上回動すると、車椅子保持プレート50の脚部プレート516が、図7に示すように、スライド基板36の表面に当接して、車椅子保持プレート50はほぼ水平な状態でスライド基板36に載せられる。そして、車椅子保持プレート50がスライド基板36に載せられる際、車椅子保持プレート50の裏側のロック解除用突起47がスライドロック機構40のフック43の荷重受け部43zを下方に押圧する。これにより、フック43が、図7に示すように、自重に抗して上回動(左回動)し、フック43の係合部43kが回転テーブル34の被係合部43eから外れるようになる。即ち、スライド基板36が回転テーブル34に対して一対のスライドレール35rに沿ってスライドが可能になる。
次に、車椅子20と車椅子保持プレート50とを支持したスライド基板36を後部ドア開口部12の位置から回転テーブル34上のスライドレール35rに沿って車室の内側方向にスライドさせる(図3、図4において前左方向にスライドさせる)。そして、スライド基板36が回転テーブル34のスライドストッパ35sに当接した状態で、次に、回転テーブル34を水平に左回動させる。回転テーブル34が右回動限位置から約90°左回動した状態で車椅子20の前輪22、後輪27が後部ドア開口部12とほぼ平行となり左回動ストッパ(図示省略)が動作するようになる。この位置が車椅子の格納位置となる。
格納位置にある車椅子20を車両10から降ろす場合には、上記した手順と逆の手順で力を加える。ここで、図2に示すように、車椅子持ち上げ位置にある車椅子保持プレート50を車椅子セット位置(図1参照)まで下回動(右回動)する場合には、図12に示すように、回転規制機構60のラチェット爪65の後側取手65hを持ってラチェット爪65を爪中心軸65pの回りに右回動させて固定歯車63のラチェット歯63wとラチェット爪65の爪本体部65tとの係合を解除する。このとき、ラチェット爪65の後側取手65hの回動ストッパ65sがスライド基板36の左壁部36fに下側から当接することで、ラチェット爪65は、図12に示す右回動限位置に保持される。この状態で、車椅子保持プレート50をスライド基板36に対して回転中心軸50cを中心に下回動(右回動)できるようになる。
そして、車椅子20を持って、車椅子保持プレート50を図1に示す車椅子セット位置まで下回動させる過程で、図12に示すように、車椅子保持プレート50と一体で右回動する固定歯車63の歯車バー63hがラチェット爪65の受け部65eに当接するようになる。そして、車椅子保持プレート50が車椅子セット位置(図1参照)まで下回動(右回動)した段階で、固定歯車63の歯車バー63hがラチェット爪65の受け部65eを所定位置まで押圧し、ラチェット爪65が左回動する。これにより、ラチェット爪65の爪本体部65tが固定歯車63のラチェット歯63wと係合する。即ち、車椅子保持プレート50を車椅子セット位置(図1参照)まで下回動(右回動)させることで、自動的にラチェット爪65の爪本体部65tが固定歯車63のラチェット歯63wと係合するようになる。次に、前輪ロック機構70の係止部材73をバネ材75のバネ力に抗してロック解除位置まで下回動させることで、係止部材73がバネ材75のバネ力によりロック解除位置に保持され、車椅子20を車椅子保持プレート50から外せるようになる。
<特許請求の範囲の用語と実施形態1の用語との対応>
上記したように、車椅子保持プレート50が本発明の車椅子保持部に相当する。また、車椅子保持プレート50を車室外の車椅子セット位置から車室内の車椅子格納位置まで移動できるように支持する回転テーブル34、スライド機構35、スライドロック機構40、スライド基板36等が本発明の支持機構に相当する。また、車椅子20のフレーム中央部23を支える車椅子保持プレート50のフレーム中央支持部55におけるフレーム受けバー55uが本発明の支点に相当する。さらに、前輪ロック機構70の係止部材73が本発明の回転止め部に相当する。また、車椅子20のフレーム先端下部21が当接する車椅子保持プレート50のフレーム先端支持部514が本発明の車椅子を支点から離れないように押さえる押さえ部に相当する。また、車椅子20のフレーム中央部23が本発明の車椅子のフレームに相当する。
<本実施形態に係る車両10の車椅子収納装置30の長所について>
本実施形態に係る車両10の車椅子収納装置30によると、車椅子20は車椅子保持プレート50(車椅子保持部)のフレーム中央支持部55のフレーム受けバー55u(支点)と前輪ロック機構70(回転止め部)とにより支えられる。また、車椅子保持プレート50のフレーム中央支持部55のフレーム受けバー55uと前輪ロック機構70とは車椅子20の重心Gから離れた位置にあり、車椅子20の重心Gは車椅子保持プレート50により直接的に支えられる構成ではない。即ち、車椅子保持プレート50は、車椅子20の重心部分を直接的に支えることなく、重心以外の部分をフレーム中央支持部55のフレーム受けバー55uと前輪ロック機構70とにより支える。このため、車椅子保持プレート50のサイズは、車椅子20の一部を支えるサイズかあれば良く、車椅子20の全長よりも十分に小さくできる。
また、車椅子保持プレート50のフレーム中央支持部55のフレーム受けバー55u(支点)は、車椅子20の前輪22と後輪27とをつなぐフレーム中央部23を支える構成である。このため、車椅子保持プレート50のフレーム中央支持部55のフレーム受けバー55uにより車椅子20の重心Gから離れた位置を良好に支えることができる。また、前輪ロック機構70により車椅子20の前輪22を車椅子保持プレート50に連結することで、車椅子20の重心Gに起因する回転モーメントを受けることができる。さらに、車椅子保持プレート50には、車椅子20の前端(前輪22の前側)のフレーム先端下部21が当接するフレーム先端支持部514が設けられている。このため、車椅子20が車椅子保持プレート50にセットされた状態で、車椅子20に対して持ち上げ力を加えて車椅子保持プレート50を上回動させる際、車椅子20が車椅子保持プレート50のフレーム中央支持部55のフレーム受けバー55uから離れることがない。
<変更例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、フレーム中央支持部55のフレーム受けバー55u(支点)を中心とした車椅子20の重心Gに起因する回転モーメントを車椅子保持プレート50の前輪ロック機構70(回転止め部)により受ける例を示した。しかし、例えば、車椅子保持プレート50に車椅子20の前輪22の近傍のフレームが連結されるロック機構を設け、前記ロック機構により車椅子20の重心Gに起因する回転モーメントを受けることも可能である。また、仮に、車椅子20の重心Gが前輪側にある場合には、車椅子保持プレート50に後輪の一部、あるいはその近傍のフレームが連結されるロック機構を設け、前記ロック機構により車椅子20の重心Gに起因する回転モーメントを受けることも可能である。
また、本実施形態では、車椅子保持プレート50のフレーム中央支持部55のフレーム受けバー55u(支点)を車椅子20のフレーム中央部23に下方から当接させて、フレーム中央部23を支える例を示した。しかし、車椅子保持プレート50のフレーム中央支持部55(支点)と車椅子20のフレーム中央部23とを係合させて、フレーム中央部23を支えることも可能である。これにより、車椅子保持プレート50のフレーム先端支持部514を省略することが可能になる。
20・・・・車椅子
23・・・・フレーム中央部(フレーム)
30・・・・車椅子収納装置
34・・・・回転テーブル(支持機構)
35・・・・スライド機構(支持機構)
36・・・・スライド基板(支持機構)
50・・・・車椅子保持プレート(車椅子保持部)
55・・・・フレーム中央支持部(支点)
55u・・・フレーム受けバー(支点)
514・・・フレーム先端支持部(押さえ部)
70・・・・前輪ロック機構(回転止め部)
73・・・・係止部材(回転止め部)

Claims (4)

  1. 車椅子がセットされる車椅子保持部と、前記車椅子保持部が車室外の車椅子セット位置と車室内の車椅子格納位置間で移動が可能なように前記車椅子保持部を支持する支持機構とを有する車両の車椅子収納装置であって、
    前記車椅子保持部は、前記車椅子の一個所を支える支点と、前記支点を中心とした前記車椅子の重心に起因する回転モーメントを前記支点に対して前記重心の反対側の位置で受ける回転止め部とを有している車両の車椅子収納装置。
  2. 請求項1に記載された車両の車椅子収納装置であって、
    前記車椅子保持部の支点は、車椅子の前輪と後輪とをつなぐフレームを支える構成である車両の車椅子収納装置。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された車両の車椅子収納装置であって、
    前記車椅子保持部の回転止め部は、前記車椅子の前輪、または後輪のいずれか一方の車輪を前記車椅子保持部に連結できるように、あるいは前記一方の車輪の近傍に位置するフレームを前記車椅子保持部に連結できるように構成されている車両の車椅子収納装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載された車両の車椅子収納装置であって、
    前記車椅子が前記車椅子保持部にセットされた状態で、前記車椅子に力を加えて前記車椅子保持部を前記支持機構により車椅子セット位置から車椅子格納位置に移動させる際、前記車椅子が前記車椅子保持部の前記支点から離れないように前記車椅子を押さえる押さえ部が前記車椅子保持部に設けられている車両の車椅子収納装置。
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