JP2019178229A - 合成ゴム組成物、その成形品、および合成ゴムの可塑化方法 - Google Patents

合成ゴム組成物、その成形品、および合成ゴムの可塑化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】極性ゴムへの相溶性に優れた可塑剤を用いることにより、成形品の耐油性および耐寒性を向上させた合成ゴム組成物、その成形品、および合成ゴムの可塑化方法を提供する。【解決手段】SP値9.0以上の合成ゴム(A)100質量部、および、ゴム用可塑剤(B)を1〜30質量部含有する合成ゴム組成物であって、ゴム用可塑剤(B)が、平均分子量200〜800のポリアルキレングリコールとモノカルボン酸とのジエステルであり、SP値9.0以上の合成ゴム(A)は、ニトリルブタジエンゴムであって、アクリロニトリル由来の構造を40質量%以上含有するものや、アクリルゴムであって、アクリル酸エステル由来の構造を40質量%以上含有するものが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、合成ゴム組成物、その成形品、および合成ゴムの可塑化方法に関し、詳しくは、極性ゴムへの相溶性に優れた可塑剤を用いることにより、成形品の耐油性および耐寒性を向上させた合成ゴム組成物、その成形品、および合成ゴムの可塑化方法に関する。
一般的に極性を持つ合成ゴムは、低温時における柔軟性が悪いという課題を有している。自動車用ゴム部品等、低温特性が重視される用途においては、合成ゴムに柔軟性を付与するために、通常、可塑剤(軟化剤)が配合されている。このような状況の中、特許文献1〜4には、各種ゴム用可塑剤およびこのゴム用可塑剤を含有するゴム用組成物が開示されている。
例えば、特許文献1では、ポリオキシテトラメチレングリコールと分岐脂肪酸とのエステルからなるゴム用可塑剤が提案されている。また、特許文献2では、ガラス転移温度Tgが0℃以下のトール油エステル系オイルからなるご無用可塑剤が提案されている。さらに、特許文献3では、脂肪族ジカルボン酸とポリプロピレングリコールとをエステル化反応させて得られた、数平均分子量が1,000〜4,000であるエステル化合物からなるアクリルゴム用可塑剤が提案されている。さらにまた、所定の脂肪族飽和アルコールとフタル酸またはその無水物とをエステル化反応して得られるゴム用可塑剤が提案されている。
特開2005−226040号公報 特開2008−201933号公報 特開2011−173950号公報 特開2016−000762号公報
しかしながら、従来公知のゴム用可塑剤は、油との接触により抽出されやすく、また、耐寒性を付与するために多量添加すると、成型品にブリードアウト現象が発生する等、相溶性、耐油性および耐寒性を、同時に高度にバランスさせたゴム用組成物が得られないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、極性ゴムへの相溶性に優れた可塑剤を用いることにより、成形品の耐油性および耐寒性を向上させた合成ゴム組成物、その成形品、および合成ゴムの可塑化方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、ゴム用可塑剤として、所定のポリアルキレングリコールとモノカルボン酸とのジエステル化合物を用いることで、上記課題を解消できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の合成ゴム組成物は、SP値9.0以上の合成ゴム(A)100質量部、および、ゴム用可塑剤(B)を1〜30質量部含有する合成ゴム組成物であって、
前記ゴム用可塑剤(B)が、平均分子量200〜800のポリアルキレングリコールとモノカルボン酸とのジエステルであることを特徴とするものである。
本発明の合成ゴム組成物においては、前記SP値9.0以上の合成ゴム(A)は、ニトリルブタジエンゴムであって、アクリロニトリル由来の構造を40質量%以上含有するものや、アクリルゴムであって、アクリル酸エステル由来の構造40質量%以上を含有するものが好ましい。また、本発明の合成ゴム組成物においては、前記モノカルボン酸は、安息香酸であることが好ましい。
本発明の成形品は、本発明の合成ゴム組成物が成形されてなることを特徴とするものである。
本発明の合成ゴムの可塑化方法は、本発明のSP値9.0以上の合成ゴム(A)に対し、ゴム用可塑剤(B)を配合する合成ゴムの軟化方法において、
前記ゴム用可塑剤(B)が、平均分子量200〜800のポリアルキレングリコールとモノカルボン酸とのジエステルであることを特徴とするものである。ここで、平均分子量とは、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
本発明の合成ゴムの可塑化方法においては、前記SP値9.0以上の合成ゴム(A)は、ニトリルブタジエンゴムであって、アクリロニトリル由来の構造を40質量%以上含有するものや、アクリルゴムであって、アクリル酸エステル由来の構造40質量%以上を含有することが好ましい。また、本発明の合成ゴムの可塑化方法においては、前記モノカルボン酸は、安息香酸であることが好ましい。
本発明によれば、極性ゴムへの相溶性に優れた所定の可塑剤を用いることにより、成形品の耐油性および耐寒性を向上させた合成ゴム組成物、その成形品、および合成ゴムの可塑化方法を提供することができる。したがって、本発明の合成ゴム組成物の成形品は、自動車用ゴム部品として好適である。特に、本発明の合成ゴム組成物の成形品は、耐油性を損なわずに耐寒性を維持することができ、高極性ゴムとの相溶性に優れることから、寒冷地にて使用される自動車用ゴム部品に好適である。
以下、本発明の合成ゴム組成物について、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。本発明の合成ゴム組成物は、SP値9.0以上の極性合成ゴム(A)(以下、単に「合成ゴム(A)」とも称す)100質量部、およびゴム用可塑剤(B)を1〜30質量部含有する。本発明の合成ゴム組成物においては、ゴム用可塑剤(B)が、平均分子量200〜800のポリアルキレングリコールとモノカルボン酸とのジエステルである。以下、各成分について順に説明する。
本発明の合成ゴム組成物に係る合成ゴム(A)としては、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルブタジエンゴム(HNBR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、多硫化ゴム、ウレタンゴム(AU,EU)、アクリルゴム(ACM,ANM)、エチレンアクリレート系アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)、エピクロルヒドリンホモポリマー(CHC)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(CHR)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体(CHR−AGE)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の水添物(H−NBR)、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体ゴム(EPDM)等が挙げられる。これらの中でも、ニトリルブタジエンゴムのSP値は、通常8.7〜10.5であり、アクリルゴムのSP値は9.4であり、耐油性に優れるので好ましい。好ましくは、SP値は、9.0〜10.0である。
ここで、SP値は化合物の構造に基づき計算された溶解度パラメータで、フィーダーズ法(FEDORS法、「日本接着協会誌」井本稔1986,Vol.22,No.10,51頁)、Hoy法(K.L.Hoy “ Table of Solubility Parameters” , Solvent and Coatings Materials Research and Development Department, Union Carbites Corp.(1985))、分子構造から分子を構成する原子団のモル吸引力より算出するSmallの計算法等により計算することもできるし、粘度法、膨潤法、ガスクロマトグラフィー法等により実験的に求めてもよいし、ポリマーハンドブック(WILEYINTERSCIENCE)等の文献値を用いてもよい。
上記ニトリルブタジエンゴムは、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合により得られ、アクリロニトリル由来の構造の含有量により構造と物性が異なる。中でもアクリロニトリル由来の構造が40質量%以上である極高ニトリルは、耐油性および耐溶剤性が優れるので好ましい。
上記アクリルゴムは、アクリル酸エステルと2−クロロエチルビニルエーテルとの共重合により得られるものはACM、アクリル酸エステルとアクリロニトリルとの共重合により得られるものはANMと呼ばれ、アクリル酸エステルとしては、アクリル酸ブチルやアクリル酸メトキシエチルが、得られる合成ゴム組成物の耐油性が優れるので好ましい。また、アクリル酸エステル由来の構造が40質量%以上であるものが、耐油性が優れるので好ましい。
本発明の合成ゴム組成物においては、合成ゴム(A)は、一種単独で用いてもよく、二種以上を併用することもできる。
本発明の合成ゴム組成物に係るゴム用可塑剤(B)は、平均分子量200〜800のポリアルキレングリコールとモノカルボン酸とのジエステルである。ここで、ポリアルキレングリコールとは、アルコールにアルキレンオキサイドを付加重合したもので、ブロック型とランダム型があり、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。モノカルボン酸としては、オクチル酸、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、バーサチック酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、安息香酸、フタル酸、桂皮酸、ソルビン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート・マレート等が挙げられる。これらの中でも、特に、極性(SP値)が高くなり、ゴムへの相溶性が良くなるため、安息香酸が好ましい。
本発明の合成ゴム組成物においては、ゴム用可塑剤(B)は、SP値9.0以上の合成ゴム(A)100質量部に対し、1〜30質量部であり、好ましくは5〜15質量部である。かかる範囲とすることで、成形品のブリードアウト現象が起こりにくくなる。
本発明の合成ゴム組成物には、上記平均分子量200〜800のポリアルキレングリコールとモノカルボン酸とのジエステルと共に、他の可塑剤として、例えば、ジブチルフタレート、ブチルヘキシルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジ2−エチルヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルテレフタレート等のフタレート系可塑剤;ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ(ブチルジグリコール)アジペート等のアジペート系可塑剤;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリ(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリ(ブトキシエチル)ホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等のホスフェート系可塑剤;多価アルコールとして、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等と、二塩基酸として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等とを用い、必要により一価アルコールおよび/またはモノカルボン酸をストッパーに使用したポリエステル系可塑剤;その他、テトラヒドロフタル酸系可塑剤、アゼライン酸系可塑剤、セバチン酸系可塑剤、ステアリン酸系可塑剤、クエン酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、ビフェニレンポリカルボン酸系可塑剤、プロセスオイル等の通常のゴム工業で使用される可塑剤を必要に応じて添加することができる。上記他の可塑剤の添加量は、ゴム用可塑剤(B)との合計量で、好ましくは100質量部未満、より好ましくは30質量部未満である。
また、本発明の合成ゴム組成物に、強度を上げる目的で充填剤を添加することが好ましい。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム(重質、軽質、沈降性)、石膏、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナ、ハイドロカルマイト、ハイドロタルサイト、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ゼオライト、けい石、珪藻土、活性白土、タルク、マイカ、クレイ、ベンガラ、アスベスト、グラファイト、繊維、木粉等、およびそれらの混合物が挙げられる。充填剤の添加量は、合成ゴム(A)100質量部に対し、好ましくは1〜300質量部、より好ましくは5〜100質量部である。
本発明の合成ゴム組成物を得るためには、通常のゴムの混練方法が適用でき、例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、インターナルミキサー、ニーダーブレンダー等が目的によって使用される。合成ゴム(A)は固体状、液状およびラテックス状のいずれであってもよい。また、混練中に架橋性官能基を架橋させるために加熱してもよい。
本発明の合成ゴム組成物には、その他、例えば、架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、加工助剤、補強剤、酸化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、ワックス、光安定剤、離型剤、発泡剤、発泡助剤、着色剤、抗菌剤、難燃剤、素練り促進剤、ジフェニルチオ尿素、アニリノジチオトリアジン、メラミン、安息香酸、ケイヒ酸、p−第三ブチル安息香酸、無水ケイ酸、ケイ酸塩、ゼオライト、過塩素酸塩等の安定化助剤;架橋剤、帯電防止剤、防曇剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、滑剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、金属不活性剤、顔料等を必要に応じて添加することができる。
本発明の合成ゴム組成物は、ホース、ベルト、ブーツ、シーリング材、パッキン、Oリング、ガスケット、ダイヤフラム等の自動車用ゴム部品、印刷用ロール等の通常の合成ゴムが使用される全ての用途に使用することが可能である。
以下、本発明を、実施例等を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
<実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1−8>
下記配合−1に対し、表1および表2に記載の配合物を、バンバリーミキサーとロールにて混練し、未加硫ゴムコンパウンドを作製した。未加硫ゴムコンパウンドを165℃にて20分間プレスし、試験用の加硫ゴムシートを作製した。なお、表中の配合量の単位は質量部である。また、SP値は9.6である。
<配合−1>
(A)−1 NBR 日本ゼオン(株)製Nipol1041(SP値:9.6、アクリロニトリル由来の構造含有量:41%) 100質量部
カーボンブラック(SRF) 60重量部
酸化亜鉛 5.0重量部
テトラメチルチウラムジスルフィド 1.5重量部
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド 1.5重量部
ステアリン酸 1.0重量部
硫黄 0.5重量部
<実施例2−1〜2−4、比較例2−1〜2−7>
下記配合−2に対し、表3および表4に記載の配合物を、バンバリーミキサーとロールにて混練し、未加硫ゴムコンパウンドを作成した。未加硫ゴムコンパウンドを170℃にて20分間プレス(一次加硫)後、オーブンにて170℃で240分間二次加硫し、試験用の加硫ゴムシートを作製した。なお、表中の配合量の単位は質量部である。また、SP値は9.4である。
<配合−2>
(A)−2 ACM 日本ゼオン(株)製 AR−51(SP値:9.4) 100重量部
カーボンブラック(FEF) 50重量部
ナウガード445 ユニロイヤル社製 2.0重量部
安息香酸アンモニウム 1.5重量部
オクタデシルアミン 1.0重量部
ステアリン酸 1.0重量部
<実施例3−1〜3−2、比較例3−1〜3−3>
下記配合−3に対し、表5に記載の配合物を、バンバリーミキサーとロールにて混練し、未加硫ゴムコンパウンドを作製した。未加硫ゴムコンパウンドを170℃にて20分間プレス(一次加硫)後、オーブンにて170℃で240分間二次加硫し、試験用の加硫ゴムシートを作成した。なお、表中の配合量の単位は質量部である。
<配合−3>
(A)−3 NBR 日本ゼオン(株)製Nipol1042(アクリロニトリル構造含有量=33%) 100質量部
カーボンブラック(SRF) 60重量部
酸化亜鉛 5.0重量部
テトラメチルチウラムジスルフィド 1.5重量部
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド 1.5重量部
ステアリン酸 1.0重量部
硫黄 0.5重量部
<実施例4−1〜4−2、比較例4−1〜4−3>
下記配合−4に対し、表6に記載の配合物を、バンバリーミキサーとロールにて混練し、未加硫ゴムコンパウンドを作製した。未加硫ゴムコンパウンドを170℃にて20分間プレス(一次加硫)後、オーブンにて170℃で240分間二次加硫し、試験用の加硫ゴムシートを作製した。なお、表中の配合量の単位は質量部である。
<配合−4>
(A)−4 NBR 日本ゼオン(株)製Nipol1043(アクリロニトリル構造含有量=29%) 100重量部
カーボンブラック(SRF) 60重量部
酸化亜鉛 5.0重量部
テトラメチルチウラムジスルフィド 1.5重量部
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド 1.5重量部
ステアリン酸 1.0重量部
硫黄 0.5重量部
<比較例5−1〜5−5>
下記配合−5に対し、表7に記載の配合物を、バンバリーミキサーとロールにて混練し、未加硫ゴムコンパウンドを作製した。未加硫ゴムコンパウンドを170℃にて20分間プレス(一次加硫)後、オーブンにて170℃で240分間二次加硫し、試験用の加硫ゴムシートを作製した。なお、表中の配合量の単位は質量部である。また、SP値は8.9である。
<配合−5>
(A)−5 CSM デュポン(株)製 Hypalon(CSM;クロロスルホン化ポリエチレン SP値=8.9) 100重量部
カーボンブラック(SRF) 50重量部
酸化マグネシウム 5.0重量部
ポリエチレンワックス 2.0重量部
ポリエチレングリコール 1.0重量部
ペンタエリスリトール 3.0重量部
アクセルTRA 川口化学工業(株)社製 2.0重量部
<耐油性評価>
加硫ゴムシートをASTM IRM901オイルに100℃で70時間浸漬し、浸漬前後の重量変化を評価した。結果を表1〜7に併記する。
<耐寒性評価>
加硫ゴムシートを用いて、柔軟温度(Tf)試験にて評価した。結果を表1〜7に併記する。なお、耐寒性変化は、表中の「試験後耐寒性」−「試験前耐寒性」で表される。
<相溶性評価>
加硫ゴムシートを温度70℃×湿度98%の雰囲気下で168時間暴露した後のブリード有無で評価した。結果を表1〜7に併記する。
○:ブリード物なし
×:ブリード物あり
Figure 2019178229
*1:平均分子量300のポリアルキレングリコールのジカルボン酸エステル
*2:平均分子量600のポリアルキレングリコールのジカルボン酸エステル
*3:アデカサイザーRS−1000(ポリエーテルエステル系、MW:約550)
*4:アデカサイザーRS−107(アジピン酸エーテルエステル系、MW:434)
*5:アデカサイザーRS−700(ポリエーテルエステル系、MW:約550)
*6:アデカサイザーRS−735(ポリエーテルエステル系、MW:約850)
*7:アデカサイザーRS−966(ポリエーテルエステル系、MW:470)
*8:DOP ジェイプラス株式会社社製
*9:DOA ジェイプラス株式会社社製
Figure 2019178229
Figure 2019178229
Figure 2019178229
表1〜4に示された結果より、SP値9.0以上の極性合成ゴム(A)にゴム用可塑剤(B)を配合することにより得られた本発明の合成ゴム組成物は、相溶性、耐油性および耐寒性に優れることが明らかである。
Figure 2019178229
Figure 2019178229
アクリロニトリルの割合が低いNBRは、耐寒性が重視される用途で使用されるため、耐寒性可塑剤が要望される。ゴム自身の耐油性が悪いため耐油性可塑剤を要望されるケースは少なく、このような可塑剤を使用するメリットは多くはない。しかしながら、表5、6より、本発明に係る可塑剤は、アクリロニトリルの割合が低いNBRにおいては、相溶性が乏しいが、小さいながらも耐寒性改善効果がみられる。
Figure 2019178229
表7より、本発明に係る可塑剤は、SP値9.0未満のゴムにおいても耐油性に優れるが、相溶性が乏しいため多量添加できず、十分な耐寒性改善効果が得られないことがわかる。

Claims (9)

  1. SP値9.0以上の合成ゴム(A)100質量部、および、ゴム用可塑剤(B)を1〜30質量部含有する合成ゴム組成物であって、
    前記ゴム用可塑剤(B)が、平均分子量200〜800のポリアルキレングリコールとモノカルボン酸とのジエステルであることを特徴とする合成ゴム組成物。
  2. 前記SP値9.0以上の合成ゴム(A)が、ニトリルブタジエンゴムであって、アクリロニトリル由来の構造を40質量%以上含有する請求項1記載の合成ゴム組成物。
  3. 前記SP値9.0以上の合成ゴム(A)が、アクリルゴムであって、アクリル酸エステル由来の構造を40質量%以上含有する請求項1記載の合成ゴム組成物。
  4. 前記モノカルボン酸が、安息香酸である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の合成ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載の合成ゴム組成物が成形されてなることを特徴とする成形品。
  6. SP値9.0以上の合成ゴム(A)に対し、ゴム用可塑剤(B)を配合する合成ゴムの軟化方法において、
    前記ゴム用可塑剤(B)が、平均分子量200〜800のポリアルキレングリコールとモノカルボン酸とのジエステルであることを特徴とする合成ゴムの可塑化方法。
  7. 前記SP値9.0以上の合成ゴム(A)が、ニトリルブタジエンゴムであって、アクリロニトリル由来の構造を40質量%以上含有する請求項6記載の合成ゴムの可塑化方法。
  8. 前記SP値9.0以上の合成ゴム(A)が、アクリルゴムであって、アクリル酸エステル由来の構造を40質量%以上含有する請求項6記載の合成ゴムの可塑化方法。
  9. 前記モノカルボン酸が、安息香酸である請求項6〜8のうちいずれか一項記載の合成ゴムの可塑化方法。
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