JP2005306948A - 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来に比べて簡潔な処理工程で乳化重合ゴムを用いた熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる製造方法を提供する。
【解決手段】(A)熱可塑性樹脂、及び(B)粉末状またはクラム状の乳化重合ゴムを含有する原料組成物を準備し、この原料組成物を、好ましくは、連続式混練機及び/又は連続式押出機において架橋剤存在下に動的に熱処理することからなる、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法に関し、詳しくは、従来の製造方法に比べてより簡潔で処理時間が短く、省エネルギーで製造することができる熱可塑性エラストマー組成物の製造方法に関する。
従来から、耐油性熱可塑性エラストマー組成物として、オレフィン系樹脂、アクリルゴムを含有する混合物を、架橋剤の存在下に動的に熱処理して得られる熱可塑性エラストマー組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、この熱可塑性エラストマー組成物の製造方法として2つの方法が挙げられている。
(1)これらの成分のうち、まずアクリルゴム、無機充填剤、更に必要に応じて相容化剤、可塑剤、伸展油、芳香族オリゴマー等をニーダー、バンバリミキサーなどの密閉式混練機に投入し加熱混練し、次いでオレフィン系樹脂を投入して溶融混練した後、押出機にてペレット状に成形する。次に、2軸混練押出機を用いて先に成形したペレット及び動的架橋のための架橋剤あるいはさらに架橋助剤を混練し、加熱溶融しながらアクリルゴムを動的架橋する。
(2)まず、2軸混練押出機の第1の投入口より、ペレット状に成形したオレフィン系樹脂を投入し、2軸スクリューによって混合して加熱・溶融する。アクリルゴム、無機充填剤、相溶化剤、可塑剤、伸展油、芳香族オリゴマーはバンバリミキサー等のゴム用混練機を用い、必要に応じて滑剤、補強剤、老化防止剤等を添加して混練した後、架橋系を含まない、いわゆるマスターバッチとし、ゴム用ペレタイザーでペレット化して調製しておく。前記のように、オレフィン系樹脂を2軸混練押出機で加熱・溶融した後、このようにあらかじめペレット化したアクリルゴム、無機充填剤、相溶化剤、可塑剤、伸展油、芳香族オリゴマーを含むゴム成分のペレットを2軸混練押出機の第2の投入口より投入し、オレフィン系樹脂中にゴム成分を分散させる。この後、2軸混練押出機の第3、さらには第4の投入口より架橋剤あるいはさらに架橋助剤を投入し、混練下にアクリルゴムを動的に架橋させる。
このように、従来の乳化重合ゴムを原料とする熱可塑性エラストマー組成物の製造方法において、架橋剤を用いた動的熱処理の前に各成分を溶融混練後ペレット状へ成形するか、あるいはマスターバッチ化することが必要であった。これは、一般的にアクリルゴムというものがベール状(塊状)で仕上げられ、言い換えると、クラム化が困難又はクラムとしての保持が困難であるという理由による。
従って、従来の方法では、工程が複雑で処理時間がかかり、熱エネルギーおよびコストがかかるという問題がある。
特開2003−192848号公報
以上に説明したように、乳化重合ゴムを原料とする熱可塑性エラストマー組成物の製造方法において、従来の製造方法に比べ、より簡潔で処理時間が短く、省エネルギーで低コストな製造方法が要請されている。
本発明は、上述の課題を解決するべくなされたものであり、従来に比べて簡潔な処理工程で乳化重合ゴムを用いた熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる製造方法を提供するものである。
本発明によれば、(A)熱可塑性樹脂、及び(B)粉末状またはクラム状の乳化重合ゴムを含有する原料組成物を、架橋剤存在下に動的に熱処理する、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法が提供される。
上記方法においては、前記動的熱処理が連続式混練機及び/又は連続式押出機においてなされることが好ましい。
また、本発明によれば、(A)熱可塑性樹脂、及び(B)粉末状およびクラム状の乳化重合ゴムを含有する原料組成物を、上流に連続式異方向回転二軸混練機、下流に同方向回転二軸押出機を直列に配設した押出装置の前記連続式異方向回転二軸混練機の原料導入部より供給し、前記連続式異方向回転二軸混練機により前記原料組成物を混合分散させ、前記連続式異方向回転二軸混練機の出口の混練物の温度を250℃以下に保持しながら、前記同方向回転二軸押出機により、架橋剤存在下に動的に熱処理する、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法、が提供される。
本発明においては、前記粉末状およびクラム状の乳化重合ゴムが、コアシェル構造(コア部が25℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する軟質部、シェル部が25℃を超えるTgを有する硬質部)を有することが好ましく、また、前記粉末状およびクラム状の乳化重合ゴムが、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブタジエンゴム、及びスチレンブタジエンゴムからなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。さらに、本発明では、前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、クラム化が困難でベール状(塊状)で仕上げられる乳化重合ゴムを用いた熱可塑性エラストマー組成物の製造に際して、従来方法に比し、処理工程を簡潔にでき、しかも省エネルギーであるという優れた効果を奏する。
以下、本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物の製造方法の実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、(A)熱可塑性樹脂、及び(B)粉末状またはクラム状の乳化重合ゴムを含有する原料組成物を準備し、この原料組成物を、好ましくは、連続式混練機及び/又は連続式押出機において架橋剤存在下に動的に熱処理することからなる。
まず、本発明に用いる原料組成物及び架橋剤の各成分について説明する。
(A)熱可塑性樹脂:
原料組成物として用いられる(A)熱可塑性樹脂としては、例えば、アミノアクリルアミド重合体、結晶性ポリオレフィン樹脂およびその無水マレイン酸グラフト重合体、非晶性ポリオレフィン樹脂およびその無水マレイン酸グラフト重合体、ポリイソブチレン、エチレン塩化ビニル重合体、エチレンビニルアルコール重合体およびそのアイオノマー、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキサイド、エチレンアクリル酸共重合体、ポリイソブチレンおよびその無水マレイン酸グラフト重合体、塩素化ポリプロピレン、4−メチルペンテン−1樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、ACS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、MBS樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ビニルアルコール樹脂、ビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエステルエラストマーを含む)、ポリエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリル酸エステル、ポリアミド樹脂などが挙げられる。このうち、好ましくは、結晶性ポリオレフィン樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエステルエラストマーを含む)が挙げられる。
(B)粉末状またはクラム状の乳化重合ゴム:
また、原料組成物として用いられる(B)粉末状またはクラム状の乳化重合ゴムとしては、例えば、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムなどが挙げられ、特に、アクリルゴムが好ましい。また、乳化重合で得られるラテックスとしては、コアシェルタイプのゴムが好ましい。アクリルゴムのコアシェルタイプの構造は、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルコキシアルキルエステル、共役ジエン系化合物を主成分とする軟質のコア部と、コア表面部分が熱可塑性樹脂を主成分とする硬質のシェル部からなっている。
前記のようなコアシェル構造にすることで、粉末状あるいはクラム状のゴムが互いに粘着・凝集し合うことなく、その性状を保持したまま、保管、製造時の添加剤ブレンド作業、連続式混練機による生産をすることができ、生産性・経済性に優れた製造方法で熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。
クラムとは、乳化重合したラテックスを凝固、乾燥して得られるクラム状又は粒状のゴムである。クラムサイズとしては、数平均粒子径が5cm以下、より好ましくは4cm以下、更に好ましくは3cm以下である。また、数平均粒子径が通常0.01mm以上、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは1mm以上である。数平均粒子径が5cmを超えるクラムでは、熱可塑性エラストマー組成物を製造時に安定的・定量的に連続式混練機及び/又は連続式押出機へ供給することができない恐れがある。
また、粉末状ゴムとは、乳化重合したラテックスを凝固、乾燥したままで得られる状態のものでもよいし、クラムまたはクラムを固めたベールゴムを機械的に砕いたものであってもよい。
以下、乳化重合法によるコアシェル構造を有する乳化重合アクリルゴムについて詳述する。
コア部に用いられる単量体としては、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルコキシアルキルエステル、共役ジエン系化合物などが挙げられる。アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ベンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシルなどを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。この中で、特にアクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチルが好ましい。
アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えばアクリル酸メトキシメチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸メトキシプロピル、アクリル酸エトキシメチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸エトキシプロピル、アクリル酸ブトキシエチルなどを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。この中で、特にアクリル酸メトキシメチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシメチル、アクリル酸エトキシエチルが好ましい。
共役ジエン系化合物としては、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、ミルセンが挙げられる。
さらに必要であれば、これらの単量体と重合可能なその他単量体を共重合してもよい。その他単量体としては、例えばアクリル酸ジヒドロジシクロペンテニル、メタクリル酸ジヒドロジシクロペンテニル、イタコン酸ジヒドロジシクロペンテニル、マレイン酸ジヒドロジシクロペンテニル、フマル酸ジヒドロジシクロペンテニル、アクリル酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル(DCPEA)、メタクリル酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル、イタコン酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル、マレイン酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル、フマル酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル、メタクリル酸ビニル(CAS No.4245−38−8)、アクリル酸ビニル(CAS No.2177−18−6)、メタクリル酸1,1−ジメチルプロペニル、アクリル酸1,1−ジメチルプロペニル、メタクリル酸3,3−ジメチルブテニル、アクリル酸3,3−ジメチルブテニル、イタコン酸ジビニル、マレイン酸ジビニル、フマル酸ジビニル、ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、1,1−ジメチルプロペニルメタクリレート、1,1−ジメチルプロペニルアクリレート、3,3−ジメチルブテニルメタクリレート、3,3−ジメチルブテニルアクリレート、ビニル1,1−ジメチルプロペニルエーテル、ビニル3,3−ジメチルブテニルエーテル、1−アクリロイルオキシ−1−フェニルエテン、1−アクリロイルオキシ−2−フェニルエテン、1−メタクリロイルオキシ−1−フェニルエテン、1−メタクリロイルオキシ−2−フェニルエテンなどを挙げることができる。
また、その他単量体としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−フルオロアクリロニトリルなどを挙げることができる。
さらに、その他単量体としては、例えばメチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、1−メチルシクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、1−フェニルエチルメタクリレート、1,2−ジフェニルエチルメタクリレート、ジフェニルメチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、1−フェニルシクロヘキシルメタクリレート、ペンタクロロフェニルメタクリレート、ペンタブロモフェニルメタクリレートなどの単官能メタクリレート類;スチレン、ビニルトルエン、ビニルピリジン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ハロゲン化スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、脂環式アルコールの(メタ)アクリル酸エステル(例えばアクリル酸シクロヘキシル)、芳香族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル(例えばアクリル酸ベンジル)などを挙げることができる。さらにまた、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオール−ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン−ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ヘキサメチレンジ(メタ)アクリレート等の多官能不飽和単量体が挙げられる。
一方、シェル部に用いられる単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−フルオロアクリロニトリルなどが挙げられる。また、メチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、1−メチルシクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、1−フェニルエチルメタクリレート、1,2−ジフェニルエチルメタクリレート、ジフェニルメチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、1−フェニルシクロヘキシルメタクリレート、ペンタクロロフェニルメタクリレート、ペンタブロモフェニルメタクリレートなどの単官能メタクリレート類;スチレン、ビニルトルエン、ビニルピリジン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ハロゲン化スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、脂環式アルコールの(メタ)アクリル酸エステル(例えばアクリル酸シクロヘキシル)、芳香族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル(例えばアクリル酸ベンジル)などを挙げることができる。さらにまた、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオール−ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン−ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ヘキサメチレンジ(メタ)アクリレート等の多官能不飽和単量体が挙げられる。これらの成分は単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
コアシェル構造を有するゴムは、コア部を先に重合し、重合転化率が一定以上になった時点で、シェル部の単量体を途中添加する方法で得ることができる。
なお、上記の重合転化率は50%以上が好ましく、より好ましくは55%以上、更に好ましくは60%以上である。重合転化率が50%未満ではうまくコアシェル構造が形成されない傾向にある。
(B)粉末状またはクラム状の乳化重合ゴムにおけるコア部とシェル部の割合については、コア部の(B)成分全体(ゴム全体)に占める割合として、重合時に使用する単量体の重量比で50〜95重量%が好ましく、55〜90重量%がさらに好ましい。その割合が50重量%未満では、得られる熱可塑性エラストマー組成物のゴム弾性が劣る傾向にある。一方、95重量%を超えると、乳化重合後に凝固した粉末あるいはクラム状のゴムが粘着・凝集する傾向にある。
コア部のTgは25℃以下、好ましくは20℃以下、更に好ましくは15℃以下である。コア部のTgが25℃を超えるとゴム弾性に劣る傾向にあり好ましくない。シェル部のTgは25℃を超え、好ましくは30℃以上、更に好ましくは35℃以上である。一方、シェル部のTgが25℃以下では、クラムが粘着して熱可塑性エラストマーの生産性が悪化する傾向にある。
上記した(A)成分の熱可塑性樹脂と(B)成分である乳化重合ゴムとの配合割合は、(A)成分と(B)成分の合計量を100重量%とした場合、(B)成分が好ましくは30〜95重量%、さらに好ましくは40〜93重量%、特に好ましくは50〜90重量%である。(B)成分である乳化重合ゴムの配合割合が30重量%未満の場合にはゴム弾性が劣る傾向にあり、一方、(B)成分の乳化重合ゴムの配合割合が95重量%を超えると、成形加工性が劣る傾向にある。
架橋剤:
本発明において使用される架橋剤は、上記熱可塑性樹脂の融点以上の温度における動的熱処理により、組成物中の少なくとも1種の(B)成分である乳化重合ゴムを架橋し得る化合物である。このような架橋物としては、分子中に2重結合を有する高分子化合物を架橋することができる架橋剤であれば特に制限はないが、例えば、硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物、樹脂、キノン誘導体、ポリハロゲン化物、ビス(ジオキソトリアゾリン)誘導体、アルデヒド、エポキシ化合物、アミン−ボランコンプレックス、双極性化合物が挙げられる。さらに、白金触媒の存在下、ヒドロシリル化反応による白金架橋に使用されるメチルハイドロジェンシロキサンが挙げられる。これらの架橋剤の中で、硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物、メチルハイドロジェンシロキサンが好ましく、有機過酸化物がさらに好ましい。架橋剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。これらの架橋剤の使用量は、通常、本発明の(B)成分である乳化重合ゴム100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。
有機過酸化物としては、1分半減期(半減期が1分間)を得るための分解温度が150℃以上のものが好ましい。具体的には、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレイト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエイト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテイト、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、n−ブチル−4.4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレイト、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレイト、α,α′ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ヘキシルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド等が挙げられる。有機過酸化物の添加量は、本発明の(B)成分である乳化重合ゴム100重量部に対して0.3〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。有機過酸化物の添加量が0.3重量部未満の場合には、架橋時間が極めて長くなる上、架橋が不十分になる傾向がある。添加量が15重量部を超える場合には、架橋物が硬くなり、脆くなる傾向にある。
上記有機過酸化物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。本発明においては、上記有機過酸化物を適当な架橋助剤と併用することにより、均一かつ穏やかな架橋反応を行うことができる。このような架橋助剤としては、例えば粉末硫黄、コロイド硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、表面処理硫黄、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどの硫黄あるいは硫黄化合物;p−キノンオキシム、p,p′−ジベンゾイルキノンオキシム等のオキシム化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、N,N′−m−フェニレンビスマレイミド、N,N′−トルイレンビスマレイミド、無水マレイン酸、ジビニルベンゼン、ジ(メタ)アクリル酸亜鉛等の多官能性モノマー類等を挙げることができる。これらの架橋助剤のうち、p,p′−ジベンゾイルキノンオキシム、N,N′−m−フェニレンビスマレイミド、ジビニルベンゼンが好ましい。なお、N,N′−m−フェニレンビスマレイミドは、単独でも架橋剤として作用しうるものである。上記架橋助剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。架橋助剤の使用量は、(B)成分100重量部に対して0〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。架橋剤として硫黄を使用する場合には、メルカプトベンゾチアゾールなどのチアゾール類、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチウラム類、ジフェニルグアニジンなどのグアニジン類、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛などのジチオカルバミン酸塩などが架橋促進剤として有効に使用できる。架橋剤として有機含硫黄化合物を使用する場合には、例えばチウラム系促進剤であるテトラメチルチウラムジスルフィドや4,4′−ジチオモルホリンなどが架橋促進剤として有効に使用できる。これらの架橋促進剤の使用量は、通常、(B)成分100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。
他の配合成分:
尚、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法においては、上記(A)成分及び(B)成分のほかに、相溶化剤、可塑剤、フィラー(無機充填剤)、伸展油等が配合される。さらに、その他の添加剤として、芳香族オリゴマー、加工助剤、補強剤、伸展油以外の軟化剤、老化防止剤などを、熱可塑性エラストマー組成物の性能を阻害しない範囲内で適量配合することができる。
相容化剤:
(A)成分の熱可塑性樹脂及び(B)成分の乳化重合ゴムとは本来難相容系あるいは非相容系であることがあり、その場合、この両成分と似通った構造を持つ相容化剤を配合することが好ましい。本発明における相容化剤としては、溶解度パラメータ(SP値)が(A)成分の熱可塑性樹脂(SP値:7〜8)と(B)成分の乳化重合ゴム(SP値:9〜10)との中間にある重合体、具体的には、溶解度パラメータ(SP値)が7.2〜9.5の範囲にある重合体が好ましく用いられる。なお、ここで用いるSP値は、ポリマーハンドブック第2版(Polymer Handbook;Second Edition;BRADRUP編)の第339頁に記載のHOYの方法で計算したものである。
非極性の熱可塑性樹脂と極性のゴム、あるいは極性の熱可塑性樹脂と非極性のゴムの組み合わせの場合、相容化剤を用いることが好ましい。
相容化剤としては、例えば、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、官能基含有ポリオレフィン、ポリオレフィン−グリコール(メタ)アクリレート、低ニトリル含有アクリロニトリル−ブタジエンゴムまたはその水添物、スチレン−ブタジエンブロック共重合体又はその水添物、スチレン−イソプレンブロック共重合体又はその水添物、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・ビニルエステル共重合体、クロロスルホン化ポリエチレンや、特開2003−277571号公報に記載されているグラフト重合体などが挙げられる。この中で、特にエチレン−アクリル酸エステル共重合体、官能基含有ポリオレフィンおよびポリオレフィン−グリコール(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
エチレン−アクリル酸エステル共重合体としては、エチレンを必須成分とし、炭素原子数が1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート、炭素原子数が1〜4のアルコキシ基および炭素原子数が1〜4のアルキレン基を有するアルコキシアルキルアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種のアクリル酸エステル単量体からなる共重合体が挙げられる。また、エチレンとアクリル酸エステルおよび酢酸ビニルを主骨格とした共重合体、またはエチレンとアクリル酸エステルおよび架橋点としてのカルボキシル基含有単量体および/またはエポキシ基含有単量体との共重合体が挙げられる。この共重合体には前記の単量体と共重合しうる他の共重合性単量体、例えばアクリロニトリル等が共重合されたものでもよい。
その具体例は、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル−メタアクリル酸共重合体等のカルボキシル基含有単量体との共重合体、エチレン−アクリル酸メチル−グリシジルメタアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸メチル−グリシジルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸メチル−アリルグリシジルエーテル共重合体等のエポキシ基含有単量体との共重合体、エチレン−アルキルアクリレート−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アルキルアクリレート−酢酸ビニル−グリシジルメタアクリレート共重合体、エチレン−アルキルアクリレート−酢酸ビニル−グリシジルアクリレート共重合体、エチレン−アルキルアクリレート−酢酸ビニル−アリルグリシジルエーテル共重合体等のエポキシ基含有単量体との共重合体などが挙げられる。共重合体の分子量は、数平均分子量で3,000〜500,000が望ましい。さらに好ましくは、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]で10〜150のものを用いると良い。これらのエチレン−アクリル酸エステル共重合体は単独あるいは2種以上を用いることができる。
官能基含有ポリオレフィンとは、ポリオレフィン系樹脂又はポリオレフィン系ゴムを、官能基によって変性したポリマーを意味する。ポリオレフィン系樹脂又はポリオレフィン系ゴムは、α−オレフィンを主体として重合された樹脂又はゴムである。α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられ、好ましくはエチレン、プロピレンである。これらのα−オレフィンは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、ポリオレフィン系ゴムとしては、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムが挙げられる。官能基としては、好ましくはエポキシ基、カルボキシル基、酸無水物、および水酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。例えば、グリシジルメタアクリレート、グリシジルアクリレート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エポキシド等でグラフト変性した官能基含有ポリオレフィンが挙げられる。また、変性に用いられる官能基含有化合物の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、無水マレイン酸、無水フマル酸、無水イタコン酸などであり、好ましくは無水マレイン酸である。変性方法としては、ポリオレフィン樹脂又はポリオレフィン系ゴムを、アルキル芳香族炭化水素溶媒中、115℃以上の温度でラジカル開始剤を用い、上記官能基含有化合物をグラフトさせる方法、あるいは極小量のアルキル過酸化物、好ましくは脂肪族の2官能性過酸化物、官能基含有化合物、ならびにポリオレフィン樹脂及び/又はポリオレフィン系ゴムを、200℃以上の温度で混練りする方法などが挙げられる。官能基含有ポリオレフィンの具体例としては、無水マレイン酸変性LDPE(低密度ポリエチレン)、無水マレイン酸変性HDPE(高密度ポリエチレン)、無水マレイン酸変性LLDPE(直鎖低密度ポリエチレン)、無水マレイン酸変性EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、無水マレイン酸変性PP(ポリプロピレン)などであり、好ましくは無水マレイン酸変性LLDPEである。
ポリオレフィン−グリコール(メタ)アクリレートとしては、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは単独あるいは2種以上用いることができる。なお、ポリオレフィングリコールの重合度は2〜10である。
相容化剤の添加量は、(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対して、0〜20重量部、好ましくは0.5〜18重量部、さらに好ましくは1〜15重量部である。相容化剤の添加量が20重量部を超えると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性の指標である圧縮永久歪が悪化する傾向にある。
可塑剤:
可塑剤としては、ゴム組成物の通常の可塑剤が使用できるが、耐熱性に優れた可塑剤が好ましく、例えば耐熱性に優れたエーテル系、エーテルエステル系、トリメリット酸系可塑剤が挙げられる。エーテル系可塑剤としては、脂肪族ジカルボン酸にアルコキシポリオキシエチレンアルコールを縮合させたものが挙げられる。具体的には、旭電化工業社製のアデカサイザーRS−705、大日本インキ化学工業社製のモノサイザーW−264等が該当する。エーテルエステル系可塑剤としては、その製造方法としては特に限定されるものではないが、2−エチルヘキシル酸とエーテルグリコールとをモル比2:1で反応させることにより容易に得られるものであり、例えば、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコールあるいはヘプタエチレングリコールなどを所定量含む混合エーテルグリコールと2−エチルヘキシル酸とを常法により反応させて得ることができるが、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコールあるいはヘプタエチレングリコール等をそれぞれ別々に2−エチルヘキシル酸と常法により反応させて得られたジエステルを用いたポリエチレングリコール平均重合度が5〜10となるように混合することによっても製造できる。具体的には、旭電化工業社製のアデカサイザーRS−107、RS−1000、RS−735、RS−700等が該当する。トリメリット酸系可塑剤としては、トリメリット酸の3つのカルボン酸がそれぞれアルコールと縮合してなるトリメリット酸エステルが挙げられる。例えば、トリメリット酸トリメチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸トリプロピル、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリアミル、トリメリット酸トリヘキシル、トリメリット酸トリヘプチル、トリメリット酸トリn−オクチル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリノニル、トリメリット酸トリス(デシル)、トリメリット酸トリス(ドデシル)、トリメリット酸トリス(テトラデシル)、トリメリット酸トリス(C8〜C12混合アルキル)、トリメリット酸トリス(C7〜C9混合アルキル)、トリメリット酸トリラウリル等が挙げられる。具体的には、旭電化工業社製のアデカサイザーC−8、C−880、C−79、C−810、C−9N、C−10等が該当する。これらの可塑剤の分子量は好ましくは400〜1000である。可塑剤の分子量が400未満では耐熱性が不十分であり、1000を超えると耐寒性、圧縮永久歪が劣り、好ましくない。可塑剤は単独または2種以上を併用することができる。この可塑剤は、熱可塑性エラストマー組成物製造時に(A)成分と(B)成分に添加しても良いし、予め(B)成分に添加しても良い。可塑剤の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計量100重量部あたり、0〜100重量部とすることができ、好ましくは5〜70重量部、より好ましくは10〜50重量部である。可塑剤の配合量が100重量部を超えると、最終的に得られる熱可塑性エラストマー組成物から可塑剤がブリードアウトし、機械的強度及びゴム弾性が低下する傾向にある。
フィラー(無機充填剤):
本発明で用いるフィラー(無機充填剤)としては、通常のゴム組成物の無機充填剤を使用することができ、例えば、シリカ、重質炭酸カルシウム、胡粉、軽微性炭酸カルシウム、極微細活性化炭酸カルシウム、特殊炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、カオリンクレー、焼成クレー、パイロフライトクレー、シラン処理クレー、合成ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、カオリン、セリサイト、タルク、微粉タルク、ウォラスナイト、ゼオライト、ベントナイト、マイカ、アスベスト、PMF(Processed Mineral Fiber)、セピオライト、チタン酸カリウム、エレスタダイト、石膏繊維、ガラスバルン、シリカバルン、ハイドロタルサイト、フライアシュバルン、シラスバルン、カーボン系バルン、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン等GA挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を併用して使用することができる。この中で、吸油性が高いことから特にシリカが好ましい。
フィラー(無機充填剤)の添加量は、(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対して、0〜100重量部、好ましくは0.5〜90重量部、さらに好ましくは1〜80重量部である。フィラーの添加量が100重量部を超えると、粘度が過度に高くなり、あるいは得られる熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性の指標である圧縮永久歪が大きくなり好ましくない。
伸展油:
伸展油としては、通常ゴム組成物に使用される伸展油を用いることができるが、アロマティック系およびナフテン系伸展油が好ましい。特に、ASTM D3238−95(2000年再承認)記載のn−d−M法による環分析のアロマ炭素(CA%)、ナフテン炭素(CN%)、パラフィン炭素(CP%)がそれぞれ3〜60、20〜50、0〜60(但しCA+CN+CP=100)であることがより好ましい。CPが60%を超えると、熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度及び熱可塑性エラストマー組成物を用いた成形品の表面肌が不良になることがある。伸展油の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計量100重量部あたり、0〜100重量部、好ましくは1〜90重量部である。伸展油の添加量が100重量部を超えると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性の指標である圧縮永久歪が大きくなり好ましくない。
その他の添加剤:
芳香族オリゴマーとしては、重量平均分子量(GPC法、ポリスチレン換算)が200から10,000程度のものであればよく、例えば芳香族環骨格主体の樹脂が挙げられ、その具体例としては、クマロンインデン樹脂、キシレン樹脂、フェノールノボラック樹脂、スチレン化フェノール樹脂、ナフタレン樹脂などが挙げられ、この中で、クマロンインデン樹脂、ナフタレン樹脂が好ましい。芳香族オリゴマーの重量平均分子量が200未満では、成形品の機械的強度が不足し、10,000を超えると混練性が悪化する。芳香族オリゴマーの配合量は、(A)成分と(B)成分の合計量100重量部あたり、0〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。配合量が20重量部を超えると、粘着性が強くなり混練性が悪化することがある。
加工助剤としては、例えば滑剤、金属酸化物、アミン類、脂肪酸とその誘導体などが挙げられる。滑剤としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、ジブチルアンモニウム・オレート、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリルアミン等を挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
金属酸化物としては、例えば、亜鉛華、活性亜鉛華、表面処理亜鉛華、炭酸亜鉛、複合亜鉛華、複合活性亜鉛華、表面処理酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、極微細水酸化カルシウム、一酸化鉛、鉛丹、鉛白等を挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
軟化剤としては、上記した伸展油以外の石油系軟化剤、植物油系軟化剤、サブを挙げることができる。植物系軟化剤は、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう等を挙げることができる。サブとしては、黒サブ、白サブ、飴サブ等を挙げることができる。
老化防止剤としては、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体系、モノ、ビス、トリス、ポリフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダートフェノール系、亜リン酸エステル系、イミダゾール系、ジチオカルバミン酸ニッケル塩系、リン酸系の老化防止剤等を挙げることができる。これらは単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
補強剤としては、例えばカーボンブラックがあり、具体的にはSAFカーボンブラック、ISAFカーボンブラック、HAFカーボンブラック、FEFカーボンブラック、GPFカーボンブラック、SRFカーボンブラック、FTカーボンブラック、MTカーボンブラック、アセチレンカーボンブラック、ケッチェンブラック等を挙げることができる。これらは単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
熱可塑性エラストマー組成物の製造方法:
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、以上に説明してきた(A)熱可塑性樹脂、及び(B)乳化重合ゴムを少なくとも含み、好ましくはさらに相容化剤、可塑剤、フィラー、伸展油及びその他の添加剤などを含有する原料組成物を、好ましくは、連続式混練機に導入して混練りした後、架橋剤存在下に動的に熱処理することから構成されている。すなわち、原料組成物を連続式混練機及び/又は連続式押出機において混合分散する混合分散工程と、この混合分散工程で得られる混練物を架橋剤存在下に動的に架橋する(動的に熱処理する)架橋工程を連続して行うものである。
ここで、上記「動的熱処理」とは、剪断力を加えること及び加熱することの両方を行うことをいう。この動的熱処理は、例えば、溶融混練装置である連続式混練機及び/又は連続式押出機を用いて行うことができる。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物の製造方法のより好ましい方法としては、(A)熱可塑性樹脂、(B)粉末状およびクラム状の乳化重合ゴム、及び好ましくは相溶化剤、可塑剤、フィラー、伸展油及びその他の添加剤などを含有する原料組成物を、上流に連続式異方向回転二軸混練機、下流に同方向回転二軸押出機を直列に配設した押出装置の前記連続式異方向回転二軸混練機の原料導入部より供給し、前記連続式異方向回転二軸混練機により前記原料組成物を混合分散させ、前記連続式異方向回転二軸混練機の出口の混練物の温度を250℃以下に保持しながら、前記同方向回転二軸押出機により、架橋剤存在下に動的に熱処理することが挙げられる。
この製造方法においては、押出装置の上流側に配設された連続式異方向回転二軸混練機中で、供給された原料組成物の溶融混練り、及び架橋剤の混合分散を行い、一定温度以下に制御した混練物を同方向回転二軸押出機に供給し、動的架橋反応を完了させるものである。連続式異方向回転二軸混練機の出口における混練物の温度は、用いる熱可塑性樹脂及び架橋剤によって異なるが、連続式異方向回転二軸混練機中で架橋反応の進行を抑制した状態で原料組成物の溶融混練りを行える温度に制御する必要があるため、また、原料組成物中の(A)熱可塑性樹脂及び(B)乳化重合ゴムの劣化を防ぐために、250℃以下に保持することが好ましく、240℃以下に保持することがさらに好ましい。
本発明で用いる押出装置の上流側に配設する連続式異方向回転二軸混練機としては特に限定されないが、例えば、日本製鋼所社製CIM、神戸製鋼所社製ミクストロンFCM/NCM/LCM/ACM(いずれも商標)等を挙げることができる。
また、本発明で用いる押出装置の上流側に配設する同方向回転二軸押出機としては特に限定されないが、L/D(スクリュー有効長Lと外径Dとの比)が好ましくは30以上、より好ましくは36〜60である二軸押出機を用いることが好ましい。
二軸押出機としては、例えば2本のスクリューが噛み合うもの、噛み合わないもの等、任意の二軸押出機を使用することができる。このような二軸押出機としては池貝社製GT、同PCM、神戸製鋼所社製KTX、日本製鋼所社製TEX、東芝機械社製TEM、ワーナー社製ZSK(いずれも商標)等が挙げられる。
本発明において、(A)成分及び(B)成分(及び相溶化剤)以外の架橋剤、フィラー、可塑剤、軟化剤等の供給方法としては特に限定されず、上記原料組成物中及び/又は上記混合分散工程の途中において配合させることができ、具体的には、(i)ブレンドミキサーを用いて架橋反応に供される上記原料組成物と予め混合して上記連続式異方向回転二軸混練機に供給する方法、(ii)上記連続式異方向回転二軸混練機のフィードホッパーから供給する方法などがある。また、(iii)上記連続式異方向回転二軸混練機のフィードホッパーと混練機の出口との間に設けられたバレル開口部から供給してもよい。
上記のような連続式異方向回転二軸混練機と同方向回転二軸押出機とを連結した装置で、熱可塑性エラストマー組成物を製造する場合、軟化剤、フィラー(充填剤)等の供給方法としては特に限定されず、(i)ブレンドミキサーを用いて架橋反応に供される乳化重合ゴム及び熱可塑性樹脂と予め混合して連続式異方向回転二軸混練機に供給する方法、(ii)連続式異方向回転二軸混練機、同方向回転二軸押出機、あるいは両方のフィードホッパーから供給する方法、(iii)連続式異方向回転二軸混練機、同方向回転二軸押出機、あるいは両方のフィードホッパーとダイとの間に設けられたバレル開口部から供給する方法、(iv)サイドフィーダーを用いて同方向回転二軸押出機に供給する方法等が挙げられる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限を受けるものではない。
なお、実施例、比較例中の部及び%は、特に断らない限り重量基準である。また、実施例、比較例中の各種測定は、下記の方法に拠った。
(熱可塑性エラストマー組成物の調製)
以下に示すオレフィン樹脂、アクリルゴム、無機充填剤、可塑剤、架橋剤、伸展油,その他添加剤を用いた。
(A)ポリオレフィン樹脂
ポリプロピレン重合体「PP1」:密度0.90g/cm3、MFR(温度230℃、荷重21N)3g/10min、日本ポリケム社製、品名「ノバテックPP MA4」
(B)乳化重合コアシェル型アクリルゴム
以下の記載の方法によりアクリルゴムを合成した。
(B−1)ANM1
窒素置換されたオートクレーブ内に、イオン交換水200部を入れ、さらにアクリル酸エチル(EA)33.4部、メトキシエチルアクリレート(MEA)33.4部、アクリロニトリル(AN)10部、アクリル酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル(DCPEA)3.2部からなる単量体混合物80部と、ラウリル酸ナトリウム4部と、p−メンタンハイドロパーオキサイド0.04部と、硫酸第一鉄0.01部と、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.025部と、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.04部とを仕込み、反応温度15℃で乳化重合させた。重合転化率が90%になったところで、メチルメタクリレート(MMA)13部、AN6.2部、DCPEA0.8部を仕込み、引き続き重合させた。重合転化率がほぼ100%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を反応系に添加して共重合反応を停止させた(反応時間7時間)。次いで、反応生成物(ラテックス)を取り出し、反応生成物に塩化カルシウム水溶液(0.25%)を添加して不飽和基含有アクリルゴムを凝固させた。この凝固物を十分に水洗した後、約90℃で3〜4時間乾燥させることにより、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]45のクラム状の不飽和基含有アクリルゴム(これをANM1とする)を得た。
Figure 2005306948
(C)無機充填剤
シリカ:東ソー・シリカ社製、品名「ニプシールNS」
(D)架橋剤
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン:日本油脂社製、品名「パーヘキサ25B−40」
(E)可塑剤
エーテルエステル系可塑剤:旭電化工業社製、品名「アデカサイザーRS1000」
(F)伸展油:富士興産社製、品名「フッコールFLEX#2050N」
n−d−M法による分析値はCA6%、CN39%、CP55%。
その他添加剤
架橋助剤(1):三共化成社製、品名「ジビニルベンゼン(純度56%)」
老化防止剤(1):4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、大内新興化学工業社製、品名「ノクラックCD」
加工助剤(1):花王社製、品名「ステアリン酸」
シランカップリング剤:GE東芝シリコーン社製、品名「TSL8370」
実施例1
ANMクラム、架橋剤、架橋助剤、加工助剤及び老化防止剤をヘンシェルミキサーを用いて30秒間混合して添加剤混合ANMクラムを得た。また、フィラー、シランカップリング剤、可塑剤および伸展油をヘンシェルミキサーを用いて30秒間混合して液体添加剤混合フィラーを得た。連続式異方向回転二軸混練機(異方向噛み合い型2ローター、L/D=10、商品名「ミクストロンLCM」、神戸製鋼所社製)の後に同方向回転二軸押出機(同方向非噛み合い型スクリュー、L/D=42、商品名「TEX44αII」、日本製鋼所社製)を連結した装置に表2に示す配合割合で、3台(1台は添加剤混合ANMクラム用、1台は液体添加剤混合フィラー用、1台はポリオレフィン樹脂用)の重量式フィーダー(商品名「KF−C88」、クボタ社製)を用いて吐出量40kg/hで上記連続式異方向二軸混練機の原料導入口より供給し、シリンダー温度80℃、ローター回転数500rpm、ゲート開度30%、オリフィス開度100%で溶融混練りを行った。次いで、溶融状態の組成物を上記連続式異方向回転二軸混練機に直結された同方向二軸押出機に供給し、シリンダー温度設定200℃、スクリュー回転数400rpmで動的熱処理による架橋反応を施して、熱可塑性エラストマー組成物を得た。
実施例1は、40kgの熱可塑性エラストマー組成物を得るのに、連続式異方向回転二軸混練機と連続式同方向二軸押出機を直結した装置で溶融混練り作業に1時間を要した。
実施例2
ANMクラム、粉末NBR(相容化材)、架橋剤、架橋助剤、加工助剤及び老化防止剤をヘンシェルミキサーを用いて30秒間混合して添加剤混合ANMクラムを得た。二軸押出機(同方向非噛み合い型スクリュー、L/D=38.5、商品名「TEX44αII」、日本製鋼所社製)に表2に示す配合割合で、3台(1台は添加剤混合ANMクラム用、1台は液体添加剤混合フィラー用、1台はポリオレフィン系樹脂用)の重量式フィーダー(商品名「KF−C88」、クボタ社製)を用いて、吐出量40kg/hで供給し、シリンダー温度設定200℃、スクリュー回転数400rpmで動的熱処理を施しながら押出を行い、熱可塑性エラストマー組成物を得た。
実施例2は、40kgの熱可塑性エラストマー組成物を得るのに、連続式同方向二軸押出機で溶融混練り作業に1時間を要した。
比較例1
バッチ式ミキサーおよび連続式混練機の多段工程を用いて熱可塑性エラストマー組成物を製造した。具体的には、表2に示す配合割合に従い、ANMクラム、ポリオレフィン樹脂、フィラー、可塑剤、伸展油、シランカップリング剤、加工助剤、老化防止剤を160℃に加熱した10リッター双腕型加圧ニーダー(モリヤマ社製)に7kgの上記した全配合を表2の比率で投入し、40rpmで15分間混練りした。その後、溶融状態の組成物を180℃、40rpmに設定したフィーダールーダー(モリヤマ社製)にて15分間かけてペレット化した。
更に、得られたペレット物に、架橋剤として、「パーヘキサ25B−40」を1重量部、架橋助剤としてジビニルベンゼン(純度56%)2重量部(ジビニルベンゼンとして5重量部)を配合し、ヘンシェルミキサーにて30秒混合し、二軸押出機(同方向非噛み合い型スクリュー、L/D=38.5、商品名「TEX44αII」、日本製鋼所社製)に表2に示す配合割合で、1台の重量式フィーダー(商品名「KF−C88」、クボタ社製)を用いて、吐出量40kg/hrで供給し、シリンダー温度設定200℃、スクリュー回転数400rpmで動的熱処理を施しながら押出を行い、熱可塑性エラストマー組成物を得た。
比較例1は、40kgの熱可塑性エラストマー組成物を得るのに、10リッター双腕型加圧ニーダーとフィーダールーダー作業に3時間、連続式同方向二軸押出機で溶融混練り作業に1時間、合計4時間を要した。また、実施例1,2と比較して、比較例1は混練作業が困難であり、時間単位当たりの消費エネルギー量が多く、作業全体では数倍以上のエネルギーを要した。
熱可塑性エラストマーの試験片作製
得られた熱可塑性エラストマーのペレットを射出成形機(商品名N−100、日本製鋼所社製)を用いて射出成形を行い、厚み2mm、長さ120mm、幅120mmのシートを作製し各種評価に供した。
熱可塑性エラストマーの評価
得られた熱可塑性エラストマーの成形シートを用いて、硬度、機械的物性(引張破断強度、引張破断伸び)、及び耐油性を下記方法により各々評価し、表2に記した。
(1)硬度:柔軟性の指標としてJIS−K6253に準拠して測定した。
(2)引張破断強度及び引張破断伸び:JIS−K6251に準拠して測定した。
(3)耐油性:JIS−K6258に準拠し、FuelC試験油を用い23℃、70時間浸漬試験による体積変化率(ΔV)を求めた。
(4)耐熱性:JIS−K6257に準拠し、ギヤーオーブン中に150℃、70時間放置後、引張試験を行い、引張破断強度の変化率(Ac(TB))及び引張破断伸びの変化率(Ac(EB))を測定した。
(5)圧縮永久歪:JIS−K6262に準拠し、120℃、22時間、25%圧縮後の値を測定した。
(6)低温試験:JIS−K6261に準拠し、−20℃の条件下で衝撃脆化試験を行い、異常の有無を調べた。
(7)耐候性:JIS−K6259に準拠し、オゾン濃度500pphm、40℃、200時間、静的40%伸張の条件で評価し、亀裂の有無を調べた。
得られた熱可塑性エラストマー組成物の評価結果を表2に示す。
Figure 2005306948
本発明の製造方法により得られる熱可塑性エラストマー組成物は、耐熱老化性、耐候性、耐油性に優れるため、耐油性、耐候性を必要とする、例えば、燃料油、潤滑油系耐油性ホース、オイルクーラーホース、エアーダストホース、パワーステアリングホース、コントロールホース、インタークーラーホース、トルコンホース、オイルリターンホース、バキュームセンシングホース、耐熱ホースなどの各種ホース材に好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. (A)熱可塑性樹脂、及び
    (B)粉末状またはクラム状の乳化重合ゴム
    を含有する原料組成物を、架橋剤存在下に動的に熱処理する、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  2. 前記動的熱処理が、連続式混練機及び/又は連続式押出機においてなされる請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  3. (A)熱可塑性樹脂、及び
    (B)粉末状およびクラム状の乳化重合ゴム
    を含有する原料組成物を、上流に連続式異方向回転二軸混練機、下流に同方向回転二軸押出機を直列に配設した押出装置の前記連続式異方向回転二軸混練機の原料導入部より供給し、前記連続式異方向回転二軸混練機により前記原料組成物を混合分散させ、前記連続式異方向回転二軸混練機の出口の混練物の温度を250℃以下に保持しながら、前記同方向回転二軸押出機により、架橋剤存在下に動的に熱処理する、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  4. 前記粉末状およびクラム状の乳化重合ゴムが、コアシェル構造(コア部が25℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する軟質部、シェル部が25℃を超えるTgを有する硬質部)を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  5. 前記粉末状およびクラム状の乳化重合ゴムが、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブタジエンゴム、及びスチレンブタジエンゴムからなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  6. 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
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