JP2002201331A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2002201331A
JP2002201331A JP2001001102A JP2001001102A JP2002201331A JP 2002201331 A JP2002201331 A JP 2002201331A JP 2001001102 A JP2001001102 A JP 2001001102A JP 2001001102 A JP2001001102 A JP 2001001102A JP 2002201331 A JP2002201331 A JP 2002201331A
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ethylene
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vinyl
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Hidefumi Tochigi
秀文 栩木
Motoyuki Sugiura
基之 杉浦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性を保持しながら、耐擦傷性、接着性に
優れた熱可塑性樹脂組成物、それを加工してなる積層シ
ートを提供する。 【解決手段】 (1)エチレンおよびグリシジル基含有
単量体から形成されるエチレン系共重合体セグメント
(I)10〜95重量%と、少なくとも1種のビニル単
量体から形成されるビニル重合体セグメント(II)5
〜90重量%とからなる多層構造型のグラフト共重合体
0.01〜60重量%と、(2)ゴム質重合体セグメン
ト(III)10〜95重量%と、少なくとも1種のビ
ニル単量体から得られるビニル重合体セグメント(I
V)5〜90重量%とからなる多層構造型のグラフト共
重合体0.01〜60重量%と、(3)極性熱可塑性エ
ラストマー4〜90重量%と、(4)オレフィン系樹脂
4〜90重量%とからなることを特徴とする熱可塑性樹
脂組成物、およびそれからなる積層シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性を保持しな
がら、耐擦傷性、接着性に優れた熱可塑性樹脂組成物お
よび、それを成形加工してなる積層シートに関する。
【0002】
【従来技術】樹脂物性として柔軟性が要求される場合に
は、ポリ塩化ビニルや架橋ゴムが従来使用されてきた
が、近年、環境問題が大きく取り上げられるようにな
り、ハロゲン化合物の削減、リサイクル性、軽量性など
の観点から、オレフィン系樹脂でそれらを代替する動き
が広がっている。特に、ポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーは柔軟性、反発弾性に優れているため、自動車
部品材料、電化製品部品材料、日用品用材料など広く使
用されるようになってきた。
【0003】ところが、オレフィン系樹脂は、耐擦傷性
に劣るなどの欠点があり、ポリ塩化ビニルや架橋ゴムの
代替とする上で支障をきたしている。また密着性、接着
性に劣るため、成形品の接合部、積層物や被覆材として
の強度が不足するなどの問題点もある。これを克服する
ために、特開平4−77541号公報ではポリオレフィ
ン系樹脂にスチレン、メタクリル酸メチル、アクリロニ
トリルなどで変性したポリオレフィンを添加することに
より耐擦傷性を改良する技術が開示されている。また、
特開平8−176353号公報にはポリオレフィン系樹
脂、シリコーンオイルやパラフィンオイルを添加するこ
とが提案されている。しかしながら、これらの技術にお
いても耐擦傷性の改良効果は十分とは言えず、接着性の
問題も未解決のままであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような問題点を解決し、柔軟性を保持しながら、耐擦
傷性、接着性に優れた熱可塑性樹脂組成物、それを成形
加工してなる積層シートを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めの第1の発明は、(1)エチレンおよびグリシジル基
含有単量体から形成されるエチレン系共重合体セグメン
ト(I)10〜95重量%と、少なくとも1種のビニル
単量体から形成されるビニル重合体セグメント(II)
5〜90重量%とから構成されており、前記二つのセグ
メントのうち一方が他方に0.001〜10μmの微細
な粒子として分散相を形成する多層構造型のグラフト共
重合体0.01〜60重量%と、(2)ゴム質重合体セ
グメント(III)10〜95重量%と、少なくとも1
種のビニル単量体から得られるビニル重合体セグメント
(IV)5〜90重量%とから構成されており、前記二
つのセグメントのうち一方が他方に0.001〜10μ
mの微細な粒子として分散相を形成する多層構造型のグ
ラフト共重合体0.01〜60重量%と、(3)極性熱
可塑性エラストマー4〜90重量%と、(4)オレフィ
ン系樹脂4〜90重量%とからなることを特徴とする熱
可塑性樹脂組成物である。
【0006】第2の発明は、第1の発明の熱可塑性樹脂
組成物を成形加工してなる積層シートである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、この発明について詳細に
説明する。本発明の熱可塑性樹脂組成物は特定構造の2
種のグラフト共重合体、極性熱可塑性エラストマー、オ
レフィン系樹脂を必須成分としている。
【0008】前記特定構造の2種のグラフト共重合体と
は、(1)エチレンおよびグリシジル基含有単量体から
形成されるエチレン系共重合体セグメント(I)10〜
95重量%と、少なくとも1種のビニル単量体から形成
されるビニル重合体セグメント(II)5〜90重量%
とから構成されており、前記二つのセグメントのうち一
方が他方に0.001〜10μmの微細な粒子として分
散相を形成する多層構造型のグラフト共重合体および、
(2)ゴム質重合体セグメント(III)10〜95重
量%と、少なくとも1種のビニル単量体から形成される
ビニル重合体セグメント(IV)5〜90重量%とから
構成されており、前記二つのセグメントのうち一方が他
方に0.001〜10μmの微細な粒子として分散相を
形成する多層構造型のグラフト共重合体である。
【0009】上記(1)のグラフト共重合体を構成する
エチレン系共重合体セグメント(I)の原料となるグリ
シジル基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸(こ
の表記はアクリル酸およびメタクリル酸の両方を含んで
いる。(メタ)の付く化合物は以下同様の扱いであ
る。)、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸およびフ
マル酸などの不飽和カルボン酸のグリシジルエステル;
ビニルグリシジルエーテルおよびアリルグリシジルエー
テルなどのグリシジルエーテル類などが挙げられるが、
特に好ましいものとしてメタクリル酸グリシジル、アリ
ルグリシジルエーテルを挙げることができる。
【0010】本発明において特に好ましいエチレン系共
重合体セグメントは、(エチレン−メタクリル酸グリシ
ジル)共重合体をセグメントとするものである。
【0011】本発明において用いられるエチレン系共重
合体セグメントの好ましい分子量は、数平均分子量で
1,000〜5,000,000、さらに好ましくは
5,000〜1,000,000である。
【0012】次に、(1)および(2)のグラフト共重
合体を構成する少なくとも1種のビニル単量体から形成
されるビニル重合体セグメント(II)および(IV)
は、少なくとも1種のビニル単量体から形成される単独
重合体あるいは共重合体である。
【0013】前記ビニル単量体としては、スチレン;メ
チルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、イ
ソプロピルスチレン、クロロスチレンなどの核置換スチ
レン;α−メチルスチレン、α−エチルスチレンなどの
α−置換スチレン;アクリロニトリル、メタクリロニト
リルなどのシアン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニルなどのビニルエステル;アクリルアミド、メタク
リルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどの
(メタ)アクリルアミド;無水マレイン酸;フェニルマ
レイミド、シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド
類;不飽和カルボン酸類;不飽和カルボン酸のエステル
類などが挙げられ、中でも、不飽和カルボン酸、不飽和
カルボン酸のエステルが好ましく使用される。
【0014】不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メ
タクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などが
挙げられる。また、不飽和カルボン酸のエステルとして
は、これら不飽和カルボン酸のグリシジルエステル、不
飽和カルボン酸の2−ヒドロキシエチルエステル、不飽
和カルボン酸の2−ヒドロキシプロピルエステル、不飽
和カルボン酸と炭素数1〜24のアルキルアルコールと
のエステルが好ましく使用される。
【0015】不飽和カルボン酸と炭素数1〜24のアル
キルアルコールとのエステルの具体例としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸やイタコン
酸のエステルであり、それぞれのメチルエステル、エチ
ルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステ
ル、ブチルエステル、イソブチルエステル、tert−
ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステ
ル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、エチルヘキ
シルエステル、イソオクチルエステル、デシルエステ
ル、イソデシルエステル、ウンデシルエステル、ドデシ
ルエステル、イソドデシルエステル、ブチルオクチルエ
ステル、トリデシルエステル、テトラデシルエステル、
ペンタデシルエステル、ヘキサデシルエステル、ヘプタ
デシルエステル、オクタデシルエステル、イソステアリ
ルエステル、ヘキシルラウリルエステル、ベヘニルエス
テルが挙げられる。
【0016】これらの中で、特にアクリル酸もしくはメ
タクリル酸と炭素数1〜24のアルキルアルコールとの
エステルが好ましく、アクリル酸もしくはメタクリル酸
と炭素数1〜4のアルキルアルコールとのエステルが最
も好ましく使用される。
【0017】この発明の(1)および(2)のグラフト
共重合体を構成するビニル重合体セグメント(II)お
よび(IV)の数平均重合度は5〜10000、好まし
くは、10〜5000である。この数平均重合度が5未
満であると、この発明の極性熱可塑性エラストマーとオ
レフィン系樹脂との相溶性が低下し、成形時の外観が悪
くなるため好ましくない。また、数平均重合度が100
00を超えると、溶融粘度が高過ぎたり、成形性が低下
したり、表面光沢が低下するため好ましくない。
【0018】次に、本発明における(2)のグラフト共
重合体を構成するゴム質重合体セグメント(III)の
原料としては、((エチレン)−(α−オレフィン))
共重合体、((エチレン−(α−オレフィン)−(ポリ
エン))三元共重合体、ブチルゴム、アクリルゴムなど
の非ジエン系ゴム;(スチレン−ブタジエン)共重合
体、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴ
ム、ニトリルゴムなどのジエン系ゴム;オレフィン系熱
可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマ
ー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系
熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラスト
マーなどの熱可塑性エラストマーが例示される。
【0019】非ジエン系ゴムの原料となるα−オレフィ
ンとしては、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、
1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどが挙
げられる。
【0020】また、非ジエン系ゴムの原料となるポリエ
ンとしては、ジエンが好ましく、とりわけ、エチリデン
ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタ
ジエンが好ましい。
【0021】((エチレン−(α−オレフィン))共重
合体ないし、((エチレン−(α−オレフィン)−ポリ
エン)三元共重合体を形成するために使用されるα−オ
レフィンの原料中に占める割合は、10〜70重量%が
好ましく、20〜60重量%であることが特に好まし
い。また、((エチレン)−(α−オレフィン)−(ポ
リエン))三元共重合体を形成するために使用されるポ
リエンの原料中に占める割合は、ヨウ素価で1〜40が
好ましく、特に好ましくは5〜25である。
【0022】本発明における(2)のグラフト共重合体
を構成するゴム質重合体セグメント(III)の原料と
なるブチルゴムとは、イソブチレンとイソプレンとの共
重合体である。ブチルゴム中のイソプレン量としては
0.1〜10重量%であることが好ましく、0.3〜8
重量%であることが特に好ましい。また、塩素、臭素な
どでハロゲン化されていてもよい。
【0023】本発明における(2)のグラフト共重合体
を構成するゴム質重合体セグメント(III)の原料と
なるアクリルゴムとは、アクリル酸アルキルエステルも
しくはアクリル酸アルコキシアルキルエステルを主成分
とする共重合体である。前記アクリル酸アルキルエステ
ルは、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチ
ル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸
ドデシル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸メト
キシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸エ
トキシプロピル等であり、これらの1種又は2種以上が
用いられる。これらの中で特に好ましいのは、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシエチ
ルである。
【0024】また、耐油性、成形加工性、ゴム弾性等の
物性を向上する目的で、アクリロニトリル、スチレン、
ジビニルベンゼン、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリ
ル酸と炭素数1〜12のアルキルアルコールとのエステ
ル、二官能性アクリレート類、二官能メタクリレート
類、三官能性アクリレート類、三官能メタクリレート
類、エチレン、プロピレン又はイソブテン等のα-オレ
フィン類;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の
共役ジエン類などをゴム質重合体セグメント(III)
の構成成分として共重合させても良い。これらを共重合
させる割合としては40重量%以下が好ましく、30重
量%以下がより好ましい。共重合させる割合が40重量
%を越えるとアクリル酸エステル共重合体ゴムの物性の
バランスを損なう傾向にある。
【0025】また、架橋反応のための官能基を有する単
量体をゴム質重合体セグメント(III)の構成成分と
して共重合させても良い。その具体例としては、例えば
活性塩素含有単量体、エポキシ基含有単量体、カルボキ
シル基含有単量体、不飽和基含有単量体である。
【0026】これらの官能基を有する単量体は好ましく
は20重量部以下、より好ましくは10重量部以下の割
合で共重合させることができる。共重合させる割合が2
0重量部を越えると成形加工性が低下する傾向があるた
め好ましくない。なお、これらの官能基を有する単量体
は使用する架橋剤により使い分けられる。
【0027】本発明における(2)のグラフト共重合体
を構成するゴム質重合体セグメント(III)の原料と
しての(スチレン−ブタジエン)共重合体は、乳化重合
ないし溶液重合のいずれの重合方法で得られるSBRで
あってもよい。そして共重合されているスチレン量とし
ては、10〜50重量%であることが好ましく、10〜
40重量%であることが特に好ましい。また、ジビニル
ベンゼンを5重量%以下に含有させて架橋することもで
きる。
【0028】本発明における(2)のグラフト共重合体
を構成するゴム質重合体セグメント(III)の原料と
してのブタジエンゴムは、ブタジエンの単独重合体であ
り、チーグラー触媒を使ったcis−1,4結合が95
%以上のものや、リチウム触媒を使ったcis−1,4
結合が30〜40%のものが使用できる。
【0029】本発明における(2)のグラフト共重合体
を構成するゴム質重合体セグメント(III)の原料と
してのイソプレンゴムは、イソプレンの単独重合体であ
り、cis−1,4結合が90%以上のものが好まし
く、cis−1,4結合が95%のものが特に好ましく
使用できる。
【0030】本発明における(2)のグラフト共重合体
を構成するゴム質重合体セグメント(III)の原料と
してのクロロプレンゴムは、クロロプレンを乳化重合に
より重合させたものである。非硫黄変性タイプ、硫黄変
性タイプ、高結晶タイプものなどが好適に使用できる。
【0031】本発明における(2)のグラフト共重合体
を構成するゴム質重合体セグメント(III)の原料と
してのニトリルゴムは、ブタジエンとアクリロニトリル
とのランダム共重合体である。また、ブタジエンの代わ
りにイソプレンをアクリロニトリルと共重合したもので
もよく、ブタジエン、イソプレンおよびアクリロニトリ
ルの三元共重合体でもよい。さらに、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸エステル、ジビニルベンゼンを
10重量%以下の割合で含有させて共重合することがで
きる。アクリロニトリルの量は15〜50重量%である
ものが好ましく、25〜42重量%であることが特に好
ましい。
【0032】本発明における(2)のグラフト共重合体
を構成するゴム質重合体セグメント(III)の原料と
してのオレフィン系熱可塑性エラストマーは、オレフィ
ン系共重合体ゴム成分と結晶性オレフィン系重合体を構
成成分として含むエラストマーであり、またこれらが架
橋結合していてもよい。
【0033】オレフィン系熱可塑性エラストマーを構成
する前記オレフィン系共重合体ゴムとは、少なくとも1
種のポリエン(通常はジエン)と、エチレンおよびα−
オレフィン単量体から選ばれる2種以上の単量体との共
重合体からなる本質的に非晶性のゴム状共重合体であ
り、EPRが好適である。
【0034】また、オレフィン系熱可塑性エラストマー
を構成する前記結晶性オレフィン系重合体とは、エチレ
ンやプロピレン、1−ブテン、1−ペンテンなどのα−
オレフィン単量体を常法で重合して得られる結晶性の重
合体である。代表的には、ポリエチレンおよびその共重
合体、ポリプロピレンおよびその共重合体、ポリブテン
などが挙げられるが、ポリプロピレンおよびその共重合
体が好適である。
【0035】オレフィン系共重合体ゴムおよび結晶性オ
レフィン系共重合体の総量中に占めるオレフィン系共重
合体ゴムと結晶性オレフィン系共重合体のそれぞれの割
合は、通常オレフィン系共重合体ゴムが40〜80重量
%、結晶性オレフィン系重合体が60〜20重量%が好
ましい。両成分は融点以上で混練処理され、オレフィン
系熱可塑性エラストマーとなる。
【0036】エラストマーとして有用な性質を付与させ
るために、オレフィン系共重合体ゴムを加硫してもよ
く、この場合、前記混練処理は過酸化物、フェノール樹
脂、硫黄などの加硫剤の存在下に実施される。
【0037】また、オレフィン系熱可塑性エラストマー
としては、構造異性ブロックポリブタジエンの水添によ
り合成される結晶性ポリエチレン/(エチレン−ブチレ
ン)/結晶性ポリエチレンからなるトリブロック共重合
体や、高ブチレン含量の水添(スチレン−ブタジエン)
ラバーも好適に使用しうる。
【0038】本発明における(2)のグラフト共重合体
を構成するゴム質重合体セグメント(III)の原料と
してのスチレン系熱可塑性エラストマーは、少なくとも
1つのビニル芳香族単量体の重合体と、少なくとも1つ
の共役ジエンの重合体とを含むブロック共重合体であ
り、直鎖型であっても、ラジアル型であってもよい。ま
た、共役ジエンを含む重合体が少量のビニル芳香族単量
体とのランダム共重合体であってもよいし、ビニル芳香
族単量体量が漸増する、いわゆるテーパー型ブロックで
あっても構わない。
【0039】ブロック共重合体の構造については特に制
限はなく、(A−B)n 型、(A−B)n−A型または
(A、B)n−C型のいずれでも使用できる。ここでA
はビニル芳香族単量体の重合体、Bは共役ジエンの重合
体、Cはカップリング剤残基、n は1以上の整数を示
す。
【0040】さらに、上記ブロック共重合体において、
共役ジエン部分が水素添加されたブロック共重合体を使
用することも可能である。また、それら水素添加された
ブロック共重合体の片末端に擬似ポリエチレン構造ブロ
ックを持っていてもよい。
【0041】スチレン系熱可塑性エラストマーに形成さ
れる前記ビニル芳香族単量体としては、具体的には例え
ばスチレン、α−スチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、あるいはビニル
ナフタレンなどが用いられるが、特にスチレンが好まし
い。また、共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、
イソプレン、ピペリレンなどが用いられ、このなかでは
1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。
【0042】スチレン系熱可塑性エラストマーの重量平
均分子量は10,000〜800,000が好ましく、
より好ましくは30,000〜500,000である。
またブロック共重合体中のビニル芳香族単量体の含量は
5〜70重量%が好ましく、より好ましくは10〜50
重量%である。
【0043】このようなスチレン系熱可塑性エラストマ
ーとして具体的には、スチレン/ブタジエン、スチレン
/イソプレンなどのジブロック共重合体及びその水素添
加物、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イ
ソプレン/スチレン、スチレン/(ブタジエン−イソプ
レン)/スチレンなどのトリブロック共重合体及びその
水素添加物などがある。また、スチレン/(エチレン−
ブチレン)/結晶性ポリエチレンからなるトリブロック
共重合体も挙げられる。
【0044】本発明における(2)のグラフト共重合体
を構成するゴム質重合体セグメント(III)の原料と
してのウレタン系熱可塑性エラストマーは、長鎖ないし
短鎖ポリオール、短鎖グリコール、ジイソシアネートな
どを原料として重付加反応により、分子内にウレタン結
合を介して得られる重合体であり、長鎖ポリオールとジ
イソシアネートでソフトセグメントを形成し、短鎖グリ
コールとジイソシアネートでハードセグメントを形成す
るものである。
【0045】このウレタン系熱可塑性エラストマーの原
料である長鎖ないし短鎖ポリオールには、ポリ(1,4
−ブチレンアジペート)、ポリ(1,6−ヘキサンアジ
ペート)、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチ
レングリコールなどがある。
【0046】また短鎖グリコールには、エチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ールなどがあり、さらにジイソシアネートとしては、ト
リレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネートなどがある。
【0047】ウレタン系熱可塑性エラストマーの数平均
分子量は、好ましくは5,000〜500,000、さ
らに好ましくは10,000〜300,000である。
【0048】本発明における(2)のグラフト共重合体
を構成するゴム質重合体セグメント(III)の原料と
してのポリエステル系熱可塑性エラストマーは、ハード
セグメントとして芳香族ポリエステルブロックを、ソフ
トセグメントとしてポリオキシアルキレングリコールブ
ロックまたは脂肪族ポリエステルブロックを有する(A
B)n型マルチブロック共重合体である。
【0049】上記芳香族ポリエステルブロックとして
は、芳香族ジカルボン酸成分と分子量250以下の脂肪
族又は脂環族のジオール成分とから誘導されるものであ
り、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレン
テレフタレートなどが例示される。
【0050】また、ポリアルキレングリコールブロック
としては、炭素数2〜6程度のグリコールから誘導され
る分子量400〜6000のものであって、ポリエチレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘ
キサメチレングリコールなどが例示される。
【0051】また、脂肪族ポリエステルブロックとして
は、分子量250以下のラクトンから誘導されるポリラ
クトンや、分子量250以下の脂肪族ジカルボン酸成分
と分子量250以下の脂肪族のジオール成分とから誘導
されるポリエステルがあり、前者としてはポリε−カプ
ロラクトンなどが、後者としてはポリテトラメチレンア
ジペート、ポリテトラメチレンセバケートなどが例示さ
れ、いずれも重量平均分子量400〜6000のもので
ある。
【0052】ポリアミド系熱可塑性エラストマーとはハ
ードセグメントとしてポリアミド成分を、ソフトセグメ
ントとしてポリオキシアルキレングリコールあるいは脂
肪酸ポリエステルなどの成分を有する(AB)n型マル
チブロック共重合体である。
【0053】上記ポリアミドブロックとしては、ナイロ
ン6、ナイロン11、ナイロン12、芳香族ポリアミド
などが例示される。
【0054】また、ポリオキシアルキレングリコールブ
ロックとしては、炭素数2〜6程度のグリコールから誘
導される分子量400〜6000のものであって、ポリ
オキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリ
コール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオ
キシヘキサメチレングリコールなどが例示される。
【0055】また、脂肪族ポリエステルブロックとして
は、分子量250以下のラクトンから誘導されるポリラ
クトンや、分子量250以下の脂肪族ジカルボン酸成分
と分子量250以下の脂肪族のジオール成分とから誘導
されるポリエステルがあり、前者としてはポリε−カプ
ロラクトンなどが、後者としてはポリテトラメチレンア
ジペート、ポリテトラメチレンセバケートなどが例示さ
れ、いずれも重量平均分子量400〜6000のもので
ある。
【0056】なお、これら本発明における(2)のグラ
フト共重合体を構成するゴム質重合体セグメント(II
I)中には、そのゴム特性等を損なわない限り他の成分
を含んでいても構わない。具体的には、例えばオイル、
充填剤、カーボンブラック、安定剤等である。
【0057】この本発明の(1)のグラフト共重合体
は、エチレン系共重合体セグメント(I)ないしビニル
重合体セグメント(II)のいずれかがマトリックスと
なり、そのマトリックス中に、それとは異なる成分であ
るエチレン系共重合体セグメント(I)ないしビニル重
合体セグメント(II)が微細な粒子状、通常球状にほ
ぼ均一に分散しているものをいう。
【0058】また、この本発明の(2)のグラフト共重
合体は、ゴム質重合体セグメント(III)ないしビニ
ル重合体セグメント(IV)のいずれかがマトリックス
となり、そのマトリックス中に、それとは異なる成分で
あるゴム質重合体セグメント(III)ないしビニル重
合体セグメント(IV)が微細な粒子状、通常球状にほ
ぼ均一に分散しているものをいう。
【0059】上記2種のグラフト共重合体について、こ
の微細な分散粒子径は通常0.001〜10μm,好ま
しくは0.01〜5μmである。分散粒子径が0.00
1μm未満の場合あるいは10μmを超える場合、極性
熱可塑性エラストマーとオレフィン系樹脂との相溶性が
不十分なため、外観が悪化したり、引張強度や伸びなど
の機械的物性が低下するため好ましくない。
【0060】この発明の(1)のグラフト共重合体は、
エチレン系共重合体セグメント(I)が好ましくは5〜
95重量%、より好ましくは20〜90重量%からなる
ものである。したがってビニル重合体セグメント(I
I)は、好ましくは95〜5重量%、より好ましくは8
0〜10重量%である。エチレン系共重合体セグメント
(I)が5重量%未満及び95重量%を超えると、柔軟
性が不十分であり、また成形性が低下するため好ましく
ない。
【0061】また、この発明の(2)のグラフト共重合
体は、ゴム質重合体セグメント(III)が好ましくは
5〜95重量%、より好ましくは20〜90重量%から
なるものである。したがってビニル重合体セグメント
(IV)は、好ましくは95〜5重量%、より好ましく
は80〜10重量%である。ゴム質重合体セグメント
(III)が5重量%未満及び95重量%を超えると、
柔軟性が不十分であり、また成形性が低下するため好ま
しくない。
【0062】次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成
する(3)極性熱可塑性エラストマーとしては、ウレタ
ン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エ
ラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどが
挙げられる。これらは、本発明におけるグラフト共重合
体を構成するセグメント(III)のゴム質重合体に使
用できるものとしてすでに説明したものと同一のもので
ある。
【0063】次に、本発明のオレフィン系樹脂とは、オ
レフィン系重合体やオレフィン系熱可塑性エラストマー
をいう。
【0064】前記オレフィン系重合体とは、高圧ラジカ
ル重合、中低圧イオン重合等で得られるエチレンまたは
α−オレフィン単量体の単独重合体、またはエチレンお
よびα−オレフィン単量体からなる群から選ばれる2種
類以上の単量体の共重合体、エチレンもしくはα−オレ
フィン単量体とビニル単量体との共重合体、およびエチ
レンとα−オレフィン単量体とビニル単量体との3元共
重合体が含まれる。ここで、α−オレフィン単量体とし
てはプロピレンが好ましく、他のα−オレフィン単量体
としては1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4
−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。
【0065】上記エチレンの単独重合体の具体例として
は、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、超超
低密度ポリエチレン、低分子量ポリエチレンなどを挙げ
ることができる。またα−オレフィンの単独重合体の具
体例としては、ポリプロピレン、ポリブテンなどを挙げ
ることができる。さらに、((エチレン−(α−オレフ
ィン))共重合体の具体例として、(エチレン−プロピ
レン)共重合体を挙げることができる。また、これら単
独重合体および共重合体については、混合して使用する
こともできる。
【0066】オレフィン系重合体中に共重合される前記
ビニル単量体とは、エチレンまたはα−オレフィン単量
体と共重合可能なビニル基をもった単量体である。その
例としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無
水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ
(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸
等のα,β−不飽和カルボン酸及びその金属塩;アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メ
タクリル酸イソブチル等のα,β−不飽和カルボン酸エ
ステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸
ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステア
リン酸ビニル、トリアルオル酢酸ビニル等のビニルエス
テル類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジ
ル、イタコン酸モノグリシジルエステル等の不飽和グリ
シジル基含有単量体等が挙げられる。
【0067】またエチレンとビニル単量体との共重合体
の具体例としては、(エチレン−アクリル酸)共重合
体、(エチレン−アクリル酸メチル)共重合体、(エチ
レン−アクリル酸エチル)共重合体、(エチレン−アク
リル酸イソプロピル)共重合体、((エチレン−(アク
リル酸n−ブチル))共重合体、(エチレン−アクリル
酸イソブチル)共重合体、((エチレン−(アクリル酸
2−エチルヘキシル))共重合体、(エチレン−メタク
リル酸)共重合体、(エチレン−メタクリル酸メチル)
共重合体、(エチレン−メタクリル酸エチル)共重合
体、(エチレン−メタクリル酸イソプロピル)共重合
体、((エチレン−(メタクリル酸n−ブチル))共重
合体、(エチレン−メタクリル酸イソブチル)共重合
体、((エチレン−(メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル))共重合体、(エチレン−酢酸ビニル)共重合体、
(エチレン−プロピオン酸ビニル)共重合体、(エチレ
ン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸)三元共重合
体、(エチレン−アクリル酸エチル−メタクリル酸グリ
シジル)三元共重合体、(エチレン−酢酸ビニル−メタ
クリル酸グリシジル)三元共重合体、(エチレン−メタ
クリル酸グリシジル)共重合体等が挙げられる。これら
の樹脂はそれぞれの特性に合わせ、適宜選択して使用で
きる。
【0068】これらのオレフィン系重合体のうち、エチ
レン、プロピレンの単独重合体または共重合体が好まし
い。
【0069】オレフィン系重合体の好ましい数平均分子
量は、1,000〜5,000,000、さらに好まし
くは5,000〜1,000,000である。
【0070】次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成
する(4)のオレフィン系樹脂としてのオレフィン系熱
可塑性エラストマーは、本発明におけるグラフト共重合
体を構成するゴム質重合体セグメント(III)の原料
となるゴム質重合体に使用できるものとしてすでに説明
したものと同一のものである。
【0071】次に、この発明のグラフト共重合体を製造
する際のグラフト化法について説明する。この発明のグ
ラフト共重合体を製造する際のグラフト化法は、一般に
よく知られている連鎖移動法、電離性放射線照射法等い
ずれの方法でもよいが、最も好ましいのは、下記に示す
方法によるものである。なぜならグラフト効率が高く熱
による二次的凝集が起こらないため、性能の発現がより
効果的であり、また製造方法が簡便であるためである。
【0072】以下、本発明の(1)のグラフト共重合体
の製造方法を具体的に詳述する。すなわち、エチレンお
よびグリシジル基含有単量体から形成されているエチレ
ン系共重合体の樹脂粒子100重量部を水に懸濁せしめ
る。
【0073】別に、少なくとも1種のビニル単量体5〜
400重量部に、ラジカル重合性有機過酸化物の1種ま
たは2種以上の混合物を、前記ビニル単量体100重量
部に対して0.1〜10重量部と、10時間の半減期を
得るための分解温度が40〜90℃であるラジカル重合
開始剤をビニル単量体とラジカル重合性有機過酸化物と
の合計100重量部に対して0.01〜5重量部とを溶
解せしめた溶液を加える。
【0074】そして、ラジカル重合開始剤の分解が実質
的に起こらない条件で加熱し、ビニル単量体、ラジカル
重合性有機過酸化物およびラジカル重合開始剤を懸濁液
中の樹脂粒子に含浸せしめる。この水性懸濁液の温度を
上昇せしめ、ビニル単量体とラジカル重合性有機過酸化
物とを前記樹脂粒子中で共重合せしめて、グラフト化前
駆体を得る。
【0075】前記ラジカル重合性有機過酸化物は、1分
子中にラジカル開始基と二重結合とを併せ持つ公知の化
合物の全てが含まれるが、代表的なものとしては下記一
般式(1)と一般式(2)が挙げられる。
【0076】
【化1】
【0077】(式中、R1は水素原子または炭素数1も
しくは2のアルキル基、R2は水素原子またはメチル
基、R3およびR4はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル
基、R5は炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、
アルキル置換フェニル基または炭素数3〜12のシクロ
アルキル基を示す。mは1または2である。)
【0078】
【化2】
【0079】(式中、R6は水素原子または炭素数1〜
4のアルキル基、R7は水素原子またはメチル基、R8
よびR9はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R10
炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル置
換フェニル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基
を示す。nは0、1または2である。)
【0080】一般式(1)で表されるラジカル重合性有
機過酸化物として、具体的には、tert−ブチルペル
オキシアクリロイロキシエチルカーボネート、tert
−アミルペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネー
ト、tert−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシエ
チルカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチル
ペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネート、クミ
ルペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネート、p
−イソプロピルクミルペルオキシアクリロイロキシエチ
ルカーボネート、tert−ブチルペルオキシメタクリ
ロイロキシエチルカーボネート、tert−アミルペル
オキシメタクリロイロキシエチルカーボネート、ter
t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキシエチルカー
ボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキ
シメタクリロイロキシエチルカーボネート、クミルペル
オキシメタクリロイロキシエチルカーボネート、p−イ
ソプロピルクミルペルオキシメタクリロイロキシエチル
カーボネート、tert−ブチルペルオキシメタクリロ
イロキシエチルカーボネート、tert−アミルペルオ
キシアクリロイロキシエトキシエチルカーボネート、t
ert−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシエトキシ
エチルカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチ
ルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカーボネ
ート、クミルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチ
ルカーボネート、p−イソプロピルクミルペルオキシア
クリロイロキシエトキシエチルカーボネート、tert
−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチル
カーボネート、tert−アミルペルオキシメタクリロ
イロキシエトキシエチルカーボネート、tert−ヘキ
シルペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチルカー
ボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキ
シメタクリロイロキシエトキシエチルカーボネート、ク
ミルペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチルカー
ボネート、p−イソプロピルクミルペルオキシメタクリ
ロイロキシエトキシエチルカーボネート、tert−ブ
チルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカーボネ
ート、tert−アミルペルオキシアクリロイロキシイ
ソプロピルカーボネート、tert−ヘキシルペルオキ
シアクリロイロキシイソプロピルカーボネート、1,1,
3,3−テトラメチルブチルペルオキシアクリロイロキ
シイソプロピルカーボネート、クミルペルオキシアクリ
ロイロキシイソプロピルカーボネート、p−イソプロピ
ルクミルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカー
ボネート、tert−ブチルペルオキシメタクリロイロ
キシイソプロピルカーボネート、tert−アミルペル
オキシメタクリロイロキシイソプロピルカーボネート、
tert−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキシイソ
プロピルカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブ
チルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカーボ
ネート、クミルペルオキシメタクリロイロキシイソプロ
ピルカーボネート、p−イソプロピルクミルペルオキシ
メタクリロイロキシイソプロピルカーボネート等を例示
することができる。
【0081】さらに、一般式(2)で表される化合物と
しては、tert−ブチルペルオキシアリルカーボネー
ト、tert−アミルペルオキシアリルカーボネート、
tert−ヘキシルペルオキシアリルカーボネート、
1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシアリルカ
ーボネート、p−メンタンペルオキシアリルカーボネー
ト、クミルペルオキシアリルカーボネート、tert−
ブチルペルオキシメタリルカーボネート、tert−ア
ミルペルオキシメタリルカーボネート、tert−ヘキ
シルペルオキシメタリルカーボネート、1,1,3,3−
テトラメチルブチルペルオキシメタリルカーボネート、
p−メンタンペルオキシメタリルカーボネート、クミル
ペルオキシメタリルカーボネート、tert−ブチルペ
ルオキシアリロキシエチルカーボネート、tert−ア
ミルペルオキシアリロキシエチルカーボネート、ter
t−ヘキシルペルオキシアリロキシエチルカーボネー
ト、tert−ブチルペルオキシメタリロキシエチルカ
ーボネート、tert−アミルペルキシメタリロキシエ
チルカーボネート、tert−ヘキシルペルオキシメタ
リロキシエチルカーボネート、tert−ブチルペルオ
キシアリロキシイソプロピルカーボネート、tert−
アミルペルオキシアリロキシイソプロピルカーボネー
ト、tert−ヘキシルペルオキシアリロキシイソプロ
ピルカーボネート、tert−ブチルペルオキシメタリ
ロキシイソプロピルカーボネート、tert−アミルペ
ルオキシメタリロキシイソプロピルカーボネート、te
rt−ヘキシルペルオキシメタリロキシイソプロピルカ
ーボネート等を例示することができる。
【0082】中でも好ましくは、tert−ブチルペル
オキシアクリロイロキシエチルカーボネート、tert
−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネ
ート、tert−ブチルペルオキシアリルカーボネー
ト、tert−ブチルペルオキシメタリルカーボネート
である。
【0083】上記で得られたグラフト化前駆体を温度1
20〜350℃、好ましくは150〜300℃で溶融混
練することによって本発明の(1)のグラフト共重合体
を得ることができる。上記温度が120℃未満の場合、
グラフト化反応が不十分であったり、また溶融粘度が高
く、混合が不十分となり、成形物に相分離や層状剥離が
現れるため好ましくない。また350℃を超えると、混
合される樹脂の分解もしくはゲル化が起こり好ましくな
い。
【0084】上記、溶融混練に際して、グラフト化前駆
体は、単一の種類のものを用いてもよいし、異なる種類
のものを2種以上混合して使用してもよい。またこのと
き、グラフト化前駆体に、別に熱可塑性エラストマー、
オレフィン系重合体、ビニル重合体などの熱可塑性樹脂
を混合し、溶融下に混練してもグラフト共重合体を得る
ことができる。
【0085】溶融混練する方法としては、バンバリーミ
キサー、加圧ニーダー、混練押出機、二軸押出機、ロー
ル等の通常用いられる混練機による方法が採用できる。
【0086】次に、前記、(1)のグラフト共重合体の
製造方法に準じて、(2)のグラフト共重合体を製造で
きる。すなわち、エチレンおよびグリシジル基含有単量
体から形成されるエチレン系共重合体の樹脂粒子に代え
て、ゴム質重合体の粒子を水に懸濁せしめる。以下、同
様にして、ビニル単量体、ラジカル重合性有機過酸化物
およびラジカル重合開始剤を懸濁液中の樹脂粒子に含浸
せしめ、ビニル単量体とラジカル重合性有機過酸化物と
を前記樹脂粒子中で共重合せしめて、グラフト化前駆体
を得る。このグラフト化前駆体を溶融混練することによ
って、本発明の(2)のグラフト共重合体を得ることが
できる。
【0087】また、上記で得られた(1)のグラフト化
前駆体と(2)のグラフト化前駆体とを同時に溶融混練
する方法、(1)のグラフト化前駆体とゴム質重合体と
を同時に溶融混練する方法、(2)のグラフト化前駆体
とエチレンおよびグリシジル基含有単量体から形成され
るエチレン系共重合体とを同時に溶融混練する方法のい
ずれによっても、本発明の(1)のグラフト共重合体な
いし(2)のグラフト共重合体を得ることができる。
【0088】この時の溶融混練の温度は好ましくは12
0〜350℃、さらに好ましくは150〜300℃であ
る。
【0089】以上の方法により得られた(1)のグラフ
ト共重合体、(2)のグラフト共重合体、極性熱可塑性
エラストマーおよびオレフィン系樹脂の混合物をさらに
溶融混練することにより、本発明の熱可塑性樹脂組成物
を得ることができる。これらの樹脂を溶融混練する順序
は、混合時にそれぞれの樹脂が十分に混ぜ合わされる限
りにおいていずれでもよく、3種類以上の樹脂を同時に
溶融混練してもよい。この溶融混練においては、温度1
00〜350℃、好ましくは150〜300℃で行うこ
とが望ましい。上記温度が100℃未満の場合、溶融が
不完全であったり、また溶融粘度が高く、混合が不十分
となり、成形物に相分離や層状剥離が現れるため好まし
くない。また350℃を超えると、混合される樹脂の分
解が起こるため好ましくない。
【0090】またいずれか一方ないし両方のグラフト化
前駆体を溶融混練してグラフト共重合体を製造する際
に、極性熱可塑性エラストマーとオレフィン系樹脂のい
ずれか、または極性熱可塑性エラストマーとオレフィン
系樹脂の両者を混在させて溶融混練させ、最終的に
(1)のグラフト共重合体、(2)のグラフト共重合
体、(3)の極性熱可塑性エラストマーおよび(4)オ
レフィン系樹脂を含むようにする方法によっても、本発
明の熱可塑性樹脂組成物を製造することができる。
【0091】この発明において、(1)および(2)の
グラフト共重合体はいずれも、熱可塑性樹脂組成物10
0重量部に対して好ましくは1〜60重量部、更に好ま
しくは2〜50重量部、最も好ましくは3〜40重量部
である。グラフト共重合体が1重量部未満の場合、相溶
化剤としての効果が不十分であり、60重量部を越える
と、本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形性が悪化するた
め好ましくない。
【0092】なお、この発明では、この発明の要旨を逸
脱しない範囲において、更に酸化防止剤、紫外線防止
剤、耐候安定剤、帯電防止剤、分散剤、架橋剤、着色
剤、ワックス、無機充填剤等の添加剤および他の熱可塑
性樹脂および熱可塑性エラストマーなどを添加しても差
し支えない。
【0093】無機充填剤としては、酸化亜鉛、酸化鉛、
硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、酸
化チタン、ケイ酸鉛、タングステン、タングステンカー
バイド、モリブデン、その他金属粉などを挙げることが
できる。
【0094】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、柔軟性、
耐擦傷性に優れた熱可塑性樹脂組成物として有用であ
り、自動車内外装品、電気・電子部品、工業部品、日用
品等にも広く利用することができる。また、樹脂同士の
密着性、接着性に優れることから、積層シート用材料と
しても特に優れている。
【0095】本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて積層
シートを製造する方法について特に制限はない。例え
ば、カレンダー成形、押出成形、インフレーション成形
により本発明の熱可塑性樹脂組成物から積層シートを作
成し、これを熱融着などにより貼り合わせてもよいし、
共押出成形することで一工程で簡単に積層シートを製造
することもできる。この時、本発明の熱可塑性樹脂組成
物は非常に密着性、接着性に優れているため、接着剤や
接着層を用いることなく積層シートを製造することがで
きる。
【0096】積層シートにおいて各シートの材料は、同
種の熱可塑性樹脂組成物であっても、異なる種類のもの
であってもよい。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は
他の樹脂、金属などとも密着性、接着性に優れているの
で、それらと組み合わせた積層シートとすることもでき
る。
【0097】
【実施例】以下に、参考例、実施例及び比較例をあげて
本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明はこれ
らに制限されるものではない。
【0098】参考例1(グラフト化前駆体(a)の製
造) 容積5リットルのステンレス製オートクレーブに、純水
2500gを入れ、さらに懸濁剤としてポリビニルアル
コール2.5gを溶解させた。この中にエチレンおよび
グリシジル基含有単量体から形成されるエチレン系共重
合体として(エチレン−メタクリル酸グリシジル)共重
合体「レクスパールRA3150」(商品名、日本ポリ
オレフィン(株)製)700gを入れ、撹拌・分散し
た。
【0099】別に、ラジカル重合開始剤としてのベンゾ
イルペルオキシド「ナイパーBW」(商品名、日本油脂
(株)製)1.2g、ラジカル重合性有機過酸化物とし
てtert−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチ
ルカーボネート9g、分子量調整剤としてn−ドデシル
メルカプタン「1−ドデカンチオール」(商品名、日本
油脂(株)製)1.5gをビニル単量体としてのメタク
リル酸メチル300gに溶解させ、この溶液を前記オー
トクレーブ中に投入、撹拌した。
【0100】次いでオートクレーブを60〜65℃に昇
温して2時間撹拌することによりラジカル重合開始剤、
ラジカル重合性有機過酸化物およびビニル単量体を、
(エチレン−メタクリル酸グリシジル)共重合体中に含
浸させた。次に、温度を80〜85℃に上げ、その温度
で7時間維持してラジカル重合性有機過酸化物とビニル
単量体との重合を完結させた後、水洗及び乾燥してグラ
フト化前駆体(a)を得た。このグラフト化前駆体
(a)中のメタクリル酸メチル重合体の数平均重合度を
高温GPC(150−CVplus Waters社
製)により測定したところ、120であった。
【0101】参考例2〜6(グラフト化前駆体(b〜
f)の製造) 参考例1において、(エチレン−メタクリル酸グリシジ
ル)共重合体、ビニル単量体、ラジカル重合開始剤を表
1に示す配合に変更する以外は、参考例1に準じて行う
ことによりグラフト化前駆体(b〜f)を得た。
【0102】
【表1】
【0103】なお、表中の略号は次のものを表す。 レクスパールRA3150:(エチレン−メタクリル酸
グリシジル)共重合体(日本ポリオレフィン(株)
製)、 レクスパールRA4100:(エチレン−メタクリル酸
グリシジル)共重合体(日本ポリオレフィン(株)
製)、 ナイパーBW:ベンゾイルペルオキシド(日本油脂
(株)製)、 パーロイル355:ジ−3,5,5−トリメチルヘキサ
ノイルペルオキシド(日本油脂(株)製)。
【0104】参考例7〜9(グラフト化前駆体(g〜
i)の製造) 参考例1において、(エチレン−メタクリル酸グリシジ
ル)共重合体をゴム質重合体に変更し、そしてビニル単
量体の種類及び添加量を表2に示すように変更すること
以外は、参考例1に準じて行うことによりグラフト化前
駆体(g〜i)を得た。
【0105】
【表2】
【0106】なお、表中の略号は次のものを表す。 サニガム:アクリルゴム(ザ・グッドイヤー・タイヤ・
アンド・ラバー・カンパニー製)、 EP02P:(エチレン−プロピレン)ゴム(JSR
(株)製)、 クレイトンG1650:水添(スチレン/ブタジエン/
スチレン)トリブロック共重合体(シェルジャパン
(株)製)。
【0107】参考例10(グラフト共重合体(A0)の
製造) 参考例1のグラフト化前駆体(a)をラボプラストミル
一軸押出機((株)東洋精機製作所製)で200℃にて
押し出し、グラフト化反応させることによりグラフト共
重合体(A0)を得た。このグラフト共重合体(A0)
を走査型電子顕微鏡「JEOL JSM T300」
(日本電子(株)製)により観察したところ、粒子径
0.2〜0.4μmの真球状樹脂が均一に分散した多層
構造体であった。なお、メタクリル酸メチル重合体のグ
ラフト効率は55.1重量%であった。
【0108】参考例11〜14(グラフト共重合体(A
1〜A4)の製造) 参考例1で得たグラフト化前駆体(a)と樹脂とを表3
に示す配合によりドライブレンドした後、ラボプラスト
ミル一軸押出機で200℃にて押し出し、グラフト共重
合体(A1〜A4)を得た。
【0109】
【表3】
【0110】なお、表中の略号は次のものを表す。 サニガム:アクリルゴム(ザ・グッドイヤー・タイヤ・
アンド・ラバー・カンパニー製) スミカセン G401:低密度ポリエチレン(住友化学工
業(株)製) クラミロンU8165:ウレタン系熱可塑性エラストマ
ー((株)クラレ製)
【0111】参考例15〜17(グラフト共重合体(B
0〜B2)の製造) 参考例2で得たグラフト化前駆体(b)と樹脂とを表4
に示す配合によりドライブレンドした後、ラボプラスト
ミル一軸押出機で200℃にて押し出し、グラフト共重
合体(B0〜B2)を得た。
【0112】
【表4】
【0113】なお、表中の略号は次のものを表す。 EP02P:(エチレン−プロピレン)ゴム(JSR
(株)製)、 クレイトンG1650:水添(スチレン/ブタジエン/
スチレン)トリブロック共重合体(シェルジャパン
(株)製)、 サンアロマーPB370A:ブロックポリプロピレン
(モンテル・エヌディーケイ・サンライズ(株)製)、 スミカセン G401:低密度ポリエチレン(住友化学工
業(株)製)。
【0114】参考例18〜20(グラフト共重合体(C
0〜C2)の製造) 参考例3で得たグラフト化前駆体(c)と樹脂とを表4
に示す配合によりドライブレンドした後、ラボプラスト
ミル一軸押出機で200℃にて押し出し、グラフト共重
合体(C0〜C2)を得た。
【0115】参考例21、22(グラフト共重合体(D
0、D1)の製造) 参考例4で得たグラフト化前駆体(d)と樹脂とを表5
に示す配合によりドライブレンドした後、ラボプラスト
ミル一軸押出機で200℃にて押し出し、グラフト共重
合体(D0、D1)を得た。
【0116】参考例23、24(グラフト共重合体(E
0、E1)の製造) 参考例5で得たグラフト化前駆体(e)と樹脂とを表5
に示す配合によりブレンドした後、バンバリミキサーで
200℃にて混練し、グラフト共重合体(E0、E1)
を得た。
【0117】
【表5】
【0118】なお、表中の略号は次のものを表す。 住友TPE3885:オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー(住友化学工業(株)製)、 Nipol BR1220:ブタジエンゴム(日本ゼオ
ン(株)製) ダイアミドPAE40:ポリアミド系エラストマー(ダ
イセル・ヒュルス(株)製)、 スミカセン G401:低密度ポリエチレン(住友化学工
業(株)製)
【0119】参考例25、26(グラフト共重合体(F
0、F1)の製造) 参考例6で得たグラフト化前駆体(f)と樹脂とを表5
に示す配合によりドライブレンドした後、ラボプラスト
ミル一軸押出機で200℃にて押し出し、グラフト共重
合体(F0、F1)を得た。
【0120】参考例27、28(グラフト共重合体(G
0、G1)の製造) 参考例7で得たグラフト化前駆体(g)と樹脂とを表6
に示す配合によりドライブレンドした後、ラボプラスト
ミル一軸押出機で200℃にて押し出し、グラフト共重
合体(G0、G1)を得た。
【0121】
【表6】
【0122】なお、表中の略号は次のものを表す。 スミカセン G401:低密度ポリエチレン(住友化学工
業(株)製)、 サンアロマーPB370A:ブロックポリプロピレン
(モンテル・エヌディーケイ・サンライズ(株)製)、 クラミロンU8165:ウレタン系熱可塑性エラストマ
ー((株)クラレ製)。
【0123】参考例29、30(グラフト共重合体(H
0、H1)の製造) 参考例8で得たグラフト化前駆体(h)と樹脂とを表6
に示す配合によりドライブレンドした後、ラボプラスト
ミル一軸押出機で200℃にて押し出し、グラフト共重
合体(H0、H1)を得た。
【0124】参考例31、32(グラフト共重合体(I
0、I1)の製造) 参考例9で得たグラフト化前駆体(i)と樹脂とを表6
に示す配合によりドライブレンドした後、ラボプラスト
ミル一軸押出機で200℃にて押し出し、グラフト共重
合体(I0、I1)を得た。
【0125】参考例33〜38(グラフト共重合体(A
G、AH、AI、BG、BH、CI)の製造) 2種のグラフト化前駆体と樹脂とを表7に示す配合によ
りドライブレンドした後、ラボプラストミル一軸押出機
で200℃にて押し出し、グラフト共重合体(AG、A
H、AI、BG、BH、CI)を得た。
【0126】
【表7】
【0127】実施例1〜35、比較例1〜5 参考例で得たグラフト共重合体(A0〜CI)を用い
て、表8〜14に示す配合によりドライブレンドした
後、シリンダー温度 200℃に設定されたスクリュー
径30mmの同軸方向二軸押出機に供給し、押出後造粒
した。造粒した樹脂は60℃で24時間乾燥させてか
ら、Tダイを取り付けたラボプラストミル単軸押出機
((株)東洋精機製作所製)を用いて厚さ1.5mmの
シートとし、評価試験を行ない、その結果を表8〜14
に示した。
【0128】なお、評価試験の方法は以下のとおりであ
る。 (1)ショアーA硬度:(株)テクロック製A型デュロ
メータGS−709Nにて測定した。 (2)耐擦傷性:HEIDON社製学振摩耗試験機HE
IDON−14DRを用い、かなきん3号布により垂直
荷重100gで100往復の学振摩耗試験を行い、目視
により傷の付き具合を判定し、次のようにランク付けし
た。 ○:ほとんど傷なし、 △:僅かに傷あり、×:はっき
りと傷あり
【0129】(3)接着性:2枚のシートを重ねて、5
MPa、200℃で20秒間圧着させて積層シートとし
た。これを25mm×150mmに切り出し、積層シー
トの各層の両端を島津製作所(株)製オートグラフDS
S5000を用いて両側に引っ張り、T型剥離試験を行
って、次のようにランク付けした。 ○:剥がれずに材料破壊した、×:材料破壊せずに剥が
れる (4)外観:シートの外観については目視により平滑
性、層状剥離の有無を判定し、次のようにランク付けし
た。 ○:層状剥離全くなし、 △:僅かに層状剥離あり、
×:明確な層状剥離あり
【0130】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物を得る
ために、参考例で得られたグラフト化前駆体またはグラ
フト共重合体と溶融・混練した樹脂を次に示す。 クラミロンU8165:ウレタン系熱可塑性エラストマ
ー((株)クラレ製極性熱可塑性エラストマー)、 ダイアミドPAE40:ポリアミド系エラストマー(ダ
イセル・ヒュルス(株)製極性熱可塑性エラストマ
ー)、 ハイトレル4056:ポリエステルエーテルエラストマ
ー(東レ・デュポン(株)製極性熱可塑性エラストマ
ー)、 スミカセン G401:ポリエチレン(住友化学工業
(株)製オレフィン系樹脂)、 サンアロマーPB370A:ブロックポリプロピレン
(モンテル・エヌディーケイ・サンライズ(株)製オレ
フィン系樹脂)、 住友TPE3885:住友化学工業(株)製オレフィン
系熱可塑性エラストマー。
【0131】
【表8】
【0132】
【表9】
【0133】
【表10】
【0134】
【表11】
【0135】
【表12】
【0136】
【表13】
【0137】
【表14】
【0138】また、本発明のグラフト共重合体を用いな
い場合(比較例1〜5)について表15に示す配合によ
り同様の方法で樹脂を製造し、実施例1と同様に評価試
験を行ない、その結果を表15に示した。
【0139】
【表15】
【0140】なお、表中の略号は次のものを表す。 レクスパールRA3150:(エチレン−メタクリル酸
グリシジル)共重合体(日本ポリオレフィン(株)製相
溶化剤)、 ボンダインHX8290:(エチレン−アクリル酸エス
テル−無水マレイン酸)三元共重合体(住化アトケム
(有)製相溶化剤)、 クラミロンU8165:ウレタン系熱可塑性エラストマ
ー((株)クラレ製極性熱可塑性エラストマー)、 スミカセン G401:低密度ポリエチレン(住友化学工
業(株)製オレフィン系熱可塑性エラストマー) サンアロマーPB370A:ブロックポリプロピレン
(モンテル・エヌディーケイ・サンライズ(株)製オレ
フィン系熱可塑性エラストマー)。
【0141】表8〜15の結果より、実施例1〜35の
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、柔軟でありながら、比
較例1〜5と比べて、耐擦傷性、外観に非常に優れ、積
層シートにした場合の接着性においても非常に優れてい
ることがわかった。
【0142】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明の熱可塑
性樹脂組成物は、柔軟性に優れながら、耐擦傷性、外観
に優れている。また、接着性に優れているため、接着剤
なしで良好な積層シートを得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 // C08F 4/34 C08F 4/34 Fターム(参考) 4F100 AK03A AK04A AK21A AL01A AL04A AL09A AN00A AT00B BA02 BA07 DE01A EH17 JB16A JL11 YY00A 4J002 BB03Z BB04Z BB05Z BB06Z BB07Z BB08Z BB09Z BB11Z BB15Z BB16Z BN03W BN06X BN12X BN14X BN15X BN16X BN17X BN21X CF10Y CF17Y CK02Y CL07Y CL08Y FD010 GF00 4J015 BA03 BA07 4J026 AA12 AA13 AA14 AA17 AA31 AA44 AA48 AA67 AA68 AA69 AA70 AA72 AB02 AB07 AB28 AC01 AC02 AC04 AC07 AC09 AC10 AC11 AC12 AC15 AC24 AC32 BA05 BA06 BA19 BA20 BA25 BA26 BA27 BA31 BA32 BA35 BA38 DB03 DB15 DB21 GA09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)エチレンおよびグリシジル基含有
    単量体から形成されるエチレン系共重合体セグメント
    (I)10〜95重量%と、少なくとも1種のビニル単
    量体から形成されるビニル重合体セグメント(II)5
    〜90重量%とから構成されており、前記二つのセグメ
    ントのうち一方が他方に0.001〜10μmの粒子と
    して分散相を形成する多層構造型のグラフト共重合体
    0.01〜60重量%と、(2)ゴム質重合体セグメン
    ト(III)10〜95重量%と、少なくとも1種のビ
    ニル単量体から得られるビニル重合体セグメント(I
    V)5〜90重量%とから構成されており、前記二つの
    セグメントのうち一方が他方に0.001〜10μmの
    粒子として分散相を形成する多層構造型のグラフト共重
    合体0.01〜60重量%と、(3)極性熱可塑性エラ
    ストマー4〜90重量%と、(4)オレフィン系樹脂4
    〜90重量%とからなることを特徴とする熱可塑性樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物を
    成形加工してなる積層シート。
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