JP2010242013A - 2種以上の架橋性基を形成し得るポリマーを含有するブレンドゴム組成物 - Google Patents

2種以上の架橋性基を形成し得るポリマーを含有するブレンドゴム組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】水素結合架橋性基と共有結合架橋性基の2種以上の架橋性基を形成し得るポリマーを含有するブレンドゴム組成物であって、共有結合架橋性基を有機過酸化物架橋および硫黄加硫の少なくとも一種によって架橋した熱硬化ゴムを形成し得る熱硬化性ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ポリマー分子中に水素結合性基を形成させたポリマー(a)に、ジエン系ゴム(b)と有機過酸化物および硫黄の少なくとも一種とを含有せしめしてなる、水素結合基形成ポリマー中に水素結合架橋性基を含め2種または3種の架橋性基を形成し得るポリマー(a)を含有するブレンドゴム組成物、好ましくはポリマー分子中に水素結合性基を形成させたポリマー(a)が、ポリマー主鎖にカルボニル基含有不飽和化合物およびこのカルボニル基と反応し得る官能性基を含有する含窒素複素環化合物を順次反応させて得られたポリマーであるゴム組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、2種以上の架橋性基を形成し得るポリマーを含有するブレンドゴム組成物に関する。さらに詳しくは、水素結合架橋性基と共有結合架橋性基の2種以上の架橋性基を形成し得るポリマーを含有するブレンドゴム組成物に関する。
本出願人の出願に係る発明を記載した特許文献1には、カルボニル含有基および含窒素複素環を有する水素結合性架橋部位を含有する側鎖と、共有結合性架橋部位を含有する他の側鎖とを有するガラス転移点Tgが25℃以下のエラストマー性ポリマーからなり、共有結合性架橋部位において、アミド、エステル、ラクトン、ウレタン、エーテル、チオウレタンまたはチオエーテルからなる結合により架橋することができ、エラストマー性ポリマーの主鎖がジエン系ゴム、オレフィン系ゴムまたは(水添)ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系もしくはポリアミド系エラストマー性ポリマーで構成され、含窒素複素環を導入し得る化合物を、環状酸無水物基を側鎖に有するエラストマー性ポリマーの環状酸無水物基の一部に反応させて得られ、かつ該反応により導入される含窒素複素環および該反応により開環する環状酸無水物基由来のカルボニル含有基が水素結合性架橋部位となり、未反応の環状酸無水物基が共有結合性架橋部位となる熱可塑性エラストマーが開示されており、この熱可塑性エラストマーはすぐれたリサイクル性を保持し、また機械的強度にもすぐれていると述べられている。
特許第4011057号公報
本発明の目的は、水素結合架橋性基と共有結合架橋性基の2種以上の架橋性基を形成し得るポリマーを含有するブレンドゴム組成物であって、共有結合架橋性基を有機過酸化物架橋および硫黄加硫の少なくとも一種によって架橋した熱硬化ゴムを形成し得る熱硬化性ゴム組成物を提供することにある。
かかる本発明の目的は、ポリマー分子中に水素結合性基を形成させたポリマー(a)に、ジエン系ゴム(b)と有機過酸化物および硫黄の少なくとも一種とを含有せしめしてなる、水素結合基形成ポリマー中に水素結合架橋性基を含め2種または3種の架橋性基を形成し得るポリマー(a)を含有するブレンドゴム組成物、好ましくはポリマー分子中に水素結合性基を形成させたポリマー(a)が、ポリマー主鎖にカルボニル基含有不飽和化合物およびこのカルボニル基と反応し得る官能性基を含有する含窒素複素環化合物を順次反応させて得られたポリマーであるゴム組成物によって達成される。
本発明に係るブレンドゴム組成物を有機過酸化物架橋および/または硫黄加硫して得られた架橋ブレンドゴムは、架橋ジエン系ゴム(B)とブレンドされた架橋ゴム(A)が水素結合架橋性基および共有結合架橋性基の2種(共有結合性架橋がパーオキサイド架橋または硫黄加硫)または3種(共有結合性架橋がパーオキサイド架橋および硫黄加硫)の架橋性基で架橋されているので、架橋ゴム(A)が水素結合架橋性基単独のものや共有結合架橋性基単独のものよりもモジュラス、破断強度が高く、共有結合架橋性単独のものよりも破断伸びが高く、また耐圧縮永久歪特性は同等の値を示している。
このような特性は、タイトな有機過酸化物架橋および/または硫黄加硫に緩やかな水素結合架橋が併有されることにより、水素結合架橋部の引張時の崩壊に伴うエネルギーの散逸により、応力が増大すると共に応力集中が抑えられて、伸び、引張強度が増加したためと考えられる。
さらに、ポリマー分子中に水素結合性基を形成させたポリマーにジエン系ゴムをブレンドして用いることにより、引張特性や耐圧縮永久歪特性の一段の改善を達成させることができる。かかる特性を有する本発明の架橋ブレンドゴムは、空気入りタイヤやホース等の用途に有効に用いられる。
水素結合性基を形成させるポリマーとしては、ポリオレフィン系ポリマー、ジエン系ゴム等が用いられる。ポリマーの主鎖となり得るエラストマーとしては、例えばジエン系ゴム;ポリオレフィン系ゴム、主鎖に不飽和炭素結合を有するゴム[例えば、ブチルゴム(IIR)]、主鎖に炭素原子以外の原子を有するゴムのような非ジエン系ゴム;熱可塑性エラストマー(TPE)等が挙げられる。
ポリマーの主鎖となり得るエラストマーとしてのジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2-ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)およびこれらの水素添加物等が挙げられる。
ポリマーの主鎖となり得るエラストマーとしてのポリオレフィン系ゴムはポリメチレン型の飽和主鎖を有するものであれば特に制限されない。例えば、エチレン-プロピレンゴム(EPM)、エチレン-オクテンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、エチレン-ブテンゴム(EBM)、ポリエチレンゴム、ポリプロピレンゴム、ジエン系ゴムの完全水素添加物のような炭化水素のみからなるポリオレフィン系ゴム;エチレン-ビニルアルコールゴム(EVA)、塩素化ポリエチレン(CM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、エチレン-アクリルゴム(AEM)のような官能基を有するポリオレフィン系ゴム等が挙げられる。
ポリマーの主鎖となり得るエラストマーとしての、主鎖に炭素原子以外の原子を有する非ジエン系ゴムとしては、例えばエピクロロヒドリンゴム(CO、ECO)、多硫化ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。
ポリマーの主鎖となり得るエラストマーとしての熱可塑性エラストマー(TPE)としては、例えばスチレン系TPE(例えばSBS、SIS、SEBS、SEPSまたはこれらの水素添加物等)、オレフィン系TPE、ジエン系TPE(例えば1,2-BR、トランスIR系)、塩化ビニル系TPE、ウレタン系TPE、エステル系TPE、アミド系TPE、フッ素系TPE等が挙げられる。
ポリマーの主鎖は、得られる架橋ゴム組成物が引張強度に優れ、二重結合が存在しないため組成物の劣化を抑制することができるという観点から、ポリオレフィン系ゴムであることが好ましく、炭化水素のみからなるポリオレフィン系ゴムがより好ましく、エチレン-プロピレンゴム(EPM)、エチレン-オクテンゴムであるのがさらに好ましい。
ポリマーの主鎖として、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、エチレン-アクリルゴム(AEM)、エチレン-プロピレンゴム(EPM)、エチレン-ブテンゴム(EBM)、エチレン-オクテンゴムを用いる場合、そのエチレン含有量は、得られる架橋ゴム組成物の耐圧縮永久歪特性、機械的強度に優れるという観点から、10〜90モル%であるのが好ましく、40〜90モル%であるのがより好ましい。
ポリマーは、液状または固体状であってもよい。ポリマーの分子量は、特に限定されず、本発明のゴム組成物が用いられる用途、これらに要求される物性等に応じて適宜選択することができる。ポリマーは、本発明の架橋ゴム組成物の強度に優れるという観点から、室温において固体であることが好ましく、室温において固体であるポリマーの主鎖がポリオレフィン系ゴムである場合、その重量平均分子量Mwは100,000以上であることが好ましく、150,000〜1,500,000程度であることが特に好ましい。なお、本発明において、重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算)である。測定にはテトラヒドロフラン(THF)を溶媒として用いるのが好ましい。
好ましい態様である主鎖がポリオレフィン系ポリマー分子からなり、そのポリマー主鎖にカルボニル基含有不飽和化合物およびこのカルボニル基と反応し得る官能性基を含有する含窒素複素環化合物と順次反応させて得られた水素結合性ポリオレフィン系ポリマーの合成に際しては、まずポリオレフィン系ポリマー分子に無水マレイン酸、マレイン酸等のカルボニル基含有不飽和化合物、好ましくは無水マレイン酸を付加反応させることが行われる。無水マレイン酸の付加反応は、ポリオレフィン系ポリマーの場合には、有機過酸化物の存在下などの反応条件下で行われるが、実際には市販品をそのまま用いることができる。また、ジエン系ポリマーの場合には、有機過酸化物を用いることなく、エン反応によって行われる。無水マレイン酸の変性率は、一般に変性されるポリオレフィン系ポリマー分子重量に対して約0.1〜10重量%程度に設定される。
水素結合基を形成させたポリマーとしては、市販品やその変性物を用いてもよい。市販品としては、例えば、LIR−403(クラレ製品)、LIR−410A(クラレ試作品)等の無水マレイン酸変性イソプレンゴム;LIR−410(クラレ製品)等の変性イソプレンゴム;クライナック110、221、231(ポリサー製品)等のカルボキシ変性ニトリルゴム;CPIB(日石化学製品)、HRPIB(日石化学ラボ試作品)等のカルボキシ変性ポリブテン;ニュクレル(三井デュポンポリケミカル製品)、ユカロン(三菱化学製品)、タフマーM(例えば、MA8510(三井化学製品))等の無水マレイン酸変性エチレン−プロピレンゴム;タフマーM(例えば、MH7020(三井化学製品))等の無水マレイン酸変性エチレン−ブテンゴム;アドテックスシリーズ(無水マレイン酸変性EVA、無水マレイン酸変性EMA(日本ポリオレフィン製品))、HPRシリーズ(無水マレイン酸変性EEA、無水マレイン酸変性EVA(三井・ジュポンポリオレフィン製品))、ボンドファストシリーズ(無水マレイン酸変性EMA(住友化学製品))、デュミランシリーズ(無水マレイン酸変性EVOH(武田薬品工業製品))、ボンダイン(無水マレイン酸変性EEA(アトフィナ製品))、タフテック(無水マレイン酸変性SEBS、M1943(旭化成製品))、クレイトン(無水マレイン酸変性SEBS、FG1901X(クレイトンポリマー製品))、タフプレン(無水マレイン酸変性SBS、912(旭化成製品))、セプトン(無水マレイン酸変性SEPS(クラレ製品))、レクスパール(無水マレイン酸変性EEA、ET−182G、224M、234M(日本ポリオレフィン製品))、アウローレン(無水マレイン酸変性EEA、200S、250S(日本製紙ケミカル製品))等の無水マレイン酸変性ポリエチレン;アドマー(例えば、QB550、LF128(三井化学製品))等の無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどが挙げられる。
1つの側鎖内に含窒素複素環とカルボニル基とを含有する側鎖としては、例えば、下記式(1)で表される構造を含有するものが挙げられる。
Figure 2010242013
式中、Aは含窒素複素環であり、Bは結合基であって、単結合、酸素原子、イオウ原子、アミノ基NR′および酸素原子、イオウ原子またはアミノ基NR′を含んでもよい有機基からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、R′は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基である。
ポリマーは、圧縮永久歪、機械的強度に優れるという観点から、側鎖のうちの少なくとも一部または全部が1つの側鎖内にカルボニル基と含窒素複素環とを含有する、側鎖として式(1)で表される構造を有するのが好ましい。
含窒素複素環Aは、複素環内に窒素原子を含むものであれば特に制限されず、複素環内に窒素原子以外のヘテロ原子、例えばイオウ原子、酸素原子、リン原子等を有することができる。
含窒素複素環Aは、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えばメチル基、エチル基、(イソ)プロピル基、ヘキシル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、(イソ)プロポキシ基等のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であるハロゲン原子からなる基;シアノ基;アミノ基;芳香族炭化水素基;エステル基;エーテル基;アシル基;チオエーテル基等が挙げられる。置換基は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができ、その数も限定されない。
含窒素複素環Aが芳香族性を有している場合、組成物を水素結合等によって架橋して得られる架橋ゴム組成物の引張強度、機械的強度などに優れるので好ましい。
含窒素複素環は、五員環または六員環であることが好ましい。このような含窒素複素環としては、例えばピロリジン、ピロリドン、オキシインドール(2-オキシインドール)、インドキシル(3-オキシインドール)、ジオキシインドール、イサチン、インドリル、フタルイミジン、β-イソインジゴ、モノポルフィリン、ジポルフィリン、トリポルフィリン、アザポルフィリン、フタロシアニン、ヘモグロビン、ウロポルフィリン、クロロフィル、フィロエリトリン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾリン、イミダゾロン、イミダゾリドン、ヒダントイン、ピラゾリン、ピラゾロン、ピラゾリドン、インダゾール、ピリドインドール、プリン、シンノリン、ピロール、ピロリン、インドール、インドリン、オキシルインドール、カルバゾール、フェノチアジン、インドレニン、イソインドール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、オキサトリアゾール、チアトリアゾール、フェナントロリン、オキサジン、ベンゾオキサジン、フタラジン、プテリジン、ピラジン、フェナジン、テトラジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、アントラニル、ベンゾチアゾール、ベンゾフラザン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、アントラゾリン、ナフチリジン、チアジン、ピリダジン、ピリミジン、キナゾリン、キノキサリン、トリアジン、ヒスチジン、トリアゾリジン、メラミン、アデニン、グアニン、チミン、シトシン、イソシアヌル酸およびこれらの誘導体等が挙げられる。また、含窒素複素環は例えば前記と同様の置換基を有していてもよいし、水素原子が付加または脱離されたものであってもよい。
含窒素複素環の結合位置について説明する。なお、含窒素複素環を便宜上「含窒素n員環化合物(n≧3)」とする。以下に説明する結合位置(「1〜n位」)は、IUPAC命名法に基づくものである。例えば、非共有電子対を有する窒素原子を3個有する化合物の場合、IUPAC命名法に基づく順位によって結合位置を決定する。具体的には、以下に例示する五員環、六員環および縮合環の含窒素複素環に結合位置を記する。ポリマーにおいて、含窒素複素環が直接または有機基を介して主鎖としてのエラストマーと結合する際、含窒素n員環化合物の結合位置は特に限定されず、いずれの結合位置(1位〜n位)でもよい。
含窒素五員環は、圧縮永久歪、機械的特性に優れるという観点から、下記の一群の化合物、下記式(2)で表されるトリアゾール誘導体、下記式(3)で表されるイミダゾール誘導体が好ましい。
Figure 2010242013
Figure 2010242013
式中、置換基Xは、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数7〜20アラルキル基または炭素数6〜20のアリール基であれば特に限定されない。置換基Xとしては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基、ドデシル基、ステアリル基等の直鎖状のアルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t-ペンチル基、1-メチルブチル基、1-メチルヘプチル基、2-エチルヘキシル基等の分岐状のアルキル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基(o-、m-、p-)、ジメチルフェニル基、メシチル基等のアリール基が挙げられる。
含窒素六員環としては、例えば、下記の一群の化合物、イソシアヌル酸(例えばイソシアネート基含有化合物の3量体)が挙げられる。含窒素六員環は上記した置換基を有していてもよいし、水素原子が付加または脱離されたものであってもよい。
Figure 2010242013
また、含窒素複素環は、含窒素複素環を有する縮合環であってもよく、例えばベンゼン環と縮合したもの、含窒素複素環同士が縮合したもの等が挙げられる。具体的には、例えば、下記の一群の縮合環が挙げられる。縮合環は上記した置換基を有していてもよいし、水素原子が付加または脱離されたものであってもよい。
Figure 2010242013
イソシアヌル酸としては、例えば下記の式で表されるものが挙げられる。
Figure 2010242013
式中、R1、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシル基;ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等のヒドロキシル基含有基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;シアノ基;アミノ基;エステル基;エーテル基である。R1、R2、R3は、それぞれ異なっていてもよく、同一でもよい。イソシアヌル酸としては、例えば1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸が挙げられる。
含窒素複素環のうち、得られる架橋ゴム組成物が、耐圧縮永久歪特性、機械的強度および硬度に優れるという観点から、トリアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、チアゾール環、イミダゾール環、ヒダントイン環、イソシアヌル酸が好ましい。含窒素複素環含有基は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
結合基Bは、単結合、酸素原子、イオウ原子、アミノ基NR′および酸素原子、イオウ原子またはアミノ基NR′を含んでもよい有機基からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、R′は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であるのが好ましい。この有機基は、酸素原子、イオウ原子またはアミノ基NR′を含むことができる炭化水素基であり、炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20のアルキレン基(例えば-CH2CH2-)が挙げられる。また、有機基が酸素原子、イオウ原子およびアミノ基NR′からなる群から選ばれる少なくとも一種を末端または側鎖に有する場合としては、例えば炭素数1〜20のアルキレンエーテル基(アルキレンオキシ基、例えば-O-CH2CH2-)、アルキレンアミノ基(例えば-NH-CH2CH2-)、アルキレンチオエーテル基(アルキレンチオ基、例えば-S-CH2CH2-)が挙げられる。アミノ基NR′中のR′(炭素数1〜10のアルキル基)としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基が挙げられ、異性体を含む。
このように単結合、酸素原子、イオウ原子、アミノ基NR′および酸素原子、イオウ原子またはアミノ基NR′を含んでもよい有機基からなる群から選ばれる少なくとも一種である結合基Bは、機械的強度に優れるという観点から、式(1)中のカルボニル基と隣接して、エステル基、アミド基、イミド基、チオエステル基等を形成することが好ましい。中でも、結合基Bは、式(1)中のカルボニル基と隣接して共役系を形成する、酸素原子、イオウ原子、アミノ基NR′、酸素原子、イオウ原子またはアミノ基NR′を含んでもよい有機基からなる群から選ばれる少なくとも一種を末端に有する、炭素数1〜20のアルキレンエーテル基、アルキレンアミノ基またはアルキレンチオエーテル基であることが好ましく、アミノ基(NH)、アルキレンアミノ基(-NH-CH2-、-NH-CH2CH2-、-NH-CH2CH2CH2-)、アルキレンエーテル基(-O-CH2-、-O-CH2CH2-、-O-CH2CH2CH2-)であることがより好ましい。結合基Bは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記式(1)で表される構造を含有する側鎖としては、例えば、下記式(4)、式(5)で表される構造が挙げられる。
Figure 2010242013
式中、Aは含窒素複素環であり、BおよびDは、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、イオウ原子、アミノ基NR′および酸素原子、イオウ原子またはアミノ基NR′を含んでもよい有機基からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、R′は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、α-位またはβ-位において直接または有機基を介して前記ポリマーの主鎖に結合する。
含窒素複素環Aは、具体的には、式(1)の含窒素複素環Aと基本的に同様である。また、結合基BおよびDは式(1)の結合基Bと基本的に同様である。ただし、式(5)における置換基Dは、圧縮永久歪、機械的強度に優れるという観点から、単結合、酸素原子、イオウ原子もしくはアミノ基NR′を含んでもよい炭素数1〜20のアルキレン基またはアラルキレン基であって、酸素原子、イオウ原子またはアミノ基NR′がイミド窒素と共役系を形成するものが好ましく、単結合であるのがより好ましい。置換基Dは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
無水マレイン酸等に対して反応性を有する官能性基で置換された含窒素複素環化合物の反応は、前記特許文献1の各実施例に示される如く、反応溶媒の不存在下ニーダで約170〜200℃で30分間混練するなどの反応条件下でも行うことができるが、クロロホルム等の反応溶媒を用い、室温条件下で1〜3時間程度混練することによっても行われる。
無水マレイン酸等に反応する含窒素複素環化合物の官能性基は、当量またはそれ以上で用いられ、後記反応式に示される如く、まず一方のカルボキシル基との間にアミド結合が形成されたアミック酸が形成されるが、脱水反応がさらに進行することによってイミド結合が形成されるようになる。
カルボニル基含有不飽和化合物に由来するカルボニル基とこれと反応した含窒素複素環化合物との間で、O-H…O、N-H…O、O-H…N、N-H…Nで示されるようなドナー-H-アクセプターよりなる水素結合がそこに形成され、自己架橋を可能とさせる。
このようにして得られる水素結合性ポリオレフィン系ポリマーは、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物でパーオキサイド架橋され、あるいは硫黄加硫され、ポリオレフィン系ポリマー同士が共有結合性架橋される。これら一連の反応は、次のような反応式によって例示される。
Figure 2010242013
これらの水素結合性ポリマーには、その99〜1重量%、好ましくは99〜15重量%に対し、1〜99重量%、好ましくは1〜85重量%の割合で、パーオキサイド架橋性または硫黄加硫性のジエン系ゴムがブレンドして用いられる。パーオキサイド架橋は、ブチルゴム以外のジエン系ゴムすべてに適用可能であり、また硫黄加硫はすべてのジエン系ゴム、すなわち天然ゴム、ポリイソプレン、乳化重合SBR、溶液重合SBR、ハイシスブタジエンゴム、ブチルゴム等に適用可能である。
これらのジエン系ゴムは、水素結合性ポリマーの水素結合を形成させる前にブレンドされ、しかる後に水素結合性ポリマーに水素結合を形成させるための反応が行われる。
水素結合性ポリマー(a)に共有結合性架橋を実現させ、またこれにブレンドされたジエン系ゴム(b)のパーオキサイド架橋に用いられる有機過酸化物としては、任意の有機過酸化物を用いることができ、例えばジクミルパーオキサイド、第3ブチルパーオキサイド、第3ブチルクミルパーオキサイド、1,1-ジ(第3ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,3-ジ(第3ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、第3ブチルパーオキシベンゾエート、第3ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、n-ブチル-4,4-ジ(第3ブチルパーオキシ)バレレート等が挙げられ、好ましくはジクミルパーオキサイドが用いられる。
これらの有機過酸化物は、ポリマー主鎖のモノマー重合単位に対し、0.1〜10モル%、好ましくは0.3〜5モル%形成される水素結合架橋性基と共に、0.1〜5モル%、好ましくは0.3〜3モル%の共有結合架橋性基を形成させるような割合で用いられる。より具体的には、ブレンドゴム100重量部当り0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部の割合で用いられる。
また、水素結合性ポリマー(a)に共有結合性架橋を実現させ、さらにこれにブレンドされたジエン系ゴム(b)の硫黄加硫に際しては、加硫促進剤を併用することが好ましく、加硫促進剤としてはチアゾール系(MBT、MBTS、ZnMBT等)、スルフェンアミド系(CBS、DCBS、BBS等)、グアニジン系(DPG、DOTG、OTBG等)、チウラム系(TMTD、TMTM、TBzTD、TETD、TBTD等)、ジチオカルバミン酸塩系(ZTC、NaBDC等)、キサントゲン酸塩系(ZnBX等)等が用いられる。
これらの硫黄加硫系は、ポリマー主鎖のモノマー重合単位に対し、0.1〜10モル%、好ましくは0.1〜5モル%形成される水素結合架橋性基と共に、0.1〜5モル%、好ましくは0.1〜3モル%の共有結合架橋性基を形成させるような割合で用いられる。より具体的には、ブレンドゴム100重量部当り硫黄が0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、特に好ましくは0.4〜0.8重量部の割合で、また加硫促進剤が0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、特に好ましくは2〜5重量部の割合で、かつ加硫促進剤が硫黄に対して2.5〜12の重量比で用いられる。
以上の各成分を必須成分とするゴム組成物には、さらにゴムの配合剤として一般的に用いられている配合剤、例えばカーボンブラック、シリカ、タルク、グラファイト、珪酸カルシウム等の補強剤または充填剤、ステアリン酸等の加工助剤、酸化亜鉛等の受酸剤、軟化剤、可塑剤、老化防止剤などが必要に応じて適宜配合されて用いられる。
組成物の調製は、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機または混合機およびオープンロール等を用いる一般的な方法で混練することによって行われ、有機過酸化物または硫黄、加硫促進剤の混合はオープンロールによって行われる。得られたゴム組成物は、用いられた有機過酸化物の分解温度などに応じた架橋温度または硫黄加硫温度、例えば約150〜200℃で1〜30分間程度行われ、そこにパーオキサイド架橋性基または硫黄架橋性基よりなる共有結合架橋性基を形成させる。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1
200℃に加熱した加圧ニーダに、無水マレイン酸変性エチレン-プロピレン共重合体(エチレン:プロピレンモル比=30:70、マレイン化率:1.5重量%(0.584モル%)、重量平均分子量Mw 20万、以下「マレイン化EPM」と略称)25重量部および天然ゴム(P0215)75重量部を入れ、4分間の素練りの後、4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾール(日本カーバイト製品ATA)を0.32重量部加えて、マレイン化EPMに含窒素複素環を導入し、さらに5分間混練後、老化防止剤(住友化学製品アンチゲン6C)1重量部を加え、さらに3分間混練し、放出する。次に、100℃に加熱した加圧ニーダーに、この混練品を再投入し、3分間混練した後、ジクミルパーオキサイド(日油製品パークミルD)を1.5重量部添加し、さらに1分30秒間混練した後、放出する。得られた組成物を、各種試験片モールドで180℃、15分プレス成形して試験片(水素結合架橋性基と共有結合架橋性基(有機過酸化物架橋)の2種の架橋性基で架橋されたEPM架橋物および天然ゴムの有機過酸化物架橋物のブレンド物)を作成し、各種測定が行われた。
実施例2
実施例1において、マレイン化EPM量が50重量部に、天然ゴム量が50重量部に、4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾール量が0.64重量部に、それぞれ変更された。
実施例3
実施例1において、マレイン化EPM量が75重量部に、天然ゴム量が25重量部に、4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾール量が0.96重量部に、それぞれ変更された。
比較例1
実施例1において、マレイン化EPMおよび4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾールが用いられず、天然ゴム量が100重量部に変更された。
実施例4〜6、比較例2
実施例1〜3、比較例1において、天然ゴムの代わりにEPDM(住友化学製品エスプレン505)がそれぞれ同量用いられた。
比較例3
実施例6において、EPDMが用いられず、マレイン化EPMが100重量部に、4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾール量が1.29重量部に、それぞれ変更された。
比較例4〜6
実施例1〜3において、マレイン化EPMの代わりにエチレン-プロピレン共重合体〔EPM〕(三井化学製品タフマーP-0775)がそれぞれ同量用いられ、4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾールが用いられなかった。
比較例7
比較例4において、天然ゴムが用いられず、EPM量が100重量部に変更された。
比較例8〜10
比較例4〜6において、天然ゴムの代わりにEPDMがそれぞれ同量用いられた。
以上の各実施例および比較例で得られた試験片について、次の各項目の測定を行った。
引張特性:JIS K6251準拠
厚さ2mmのシートから3号ダンベル状試験片を打ち抜き、25℃、500mm/分
での引張試験を行い、100%モジュラス(M100)、200%モジュラス(M200)、
300%モジュラス(M300)、破断強度および破断時伸びを測定
圧縮永久歪:JIS K6262準拠(25%圧縮、70℃、22時間)
測定結果は、一定量用いられた老化防止剤およびジクミルオキサイド以外のマレイン化EPM、EPM、天然ゴム、EPDMおよび4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾール〔ATA〕の変更配合量(単位:重量部)と共に、次の表1(実施例1〜6、比較例1〜3)および表2(比較例4〜10)に示される。
表1
比-1 実-1 実-2 実-3 比-2 実-4 実-5 実-6 比-3
〔配合成分〕
マレイン化EPM (部) − 25 50 75 − 25 50 75 100
天然ゴム (部) 100 75 50 25 − − − − −
EPDM (部) − − − − 100 75 50 25 −
ATA (部) − 0.32 0.64 0.96 − 0.32 0.64 0.96 1.29
〔測定結果〕
引張特性
M100 (MPa) 0.31 0.53 0.82 1.37 0.72 0.91 1.15 1.39 1.60
M200 (MPa) 0.46 0.75 1.11 2.29 0.83 1.15 1.67 2.03 2.41
M300 (MPa) 0.61 0.98 1.46 3.21 0.91 1.42 2.31 2.85 3.56
破断強度 (MPa) 3.16 6.66 13.95 15.01 5.74 5.98 8.20 12.16 11.08
破断時伸び (%) 724 928 539 754 1000 694 675 705 631
圧縮永久歪
70℃、22時間(%) 6 20 34 43 30 31 36 39 45

表2
比較例
10
〔配合成分〕
EPM (部) 25 50 75 100 25 50 75
天然ゴム (部) 75 50 25 − − − −
EPDM (部) − − − − 75 50 25
〔測定結果〕
引張特性
M100 (MPa) 0.49 0.76 0.97 1.24 0.90 0.97 1.19
M200 (MPa) 0.69 0.94 1.15 1.41 1.15 1.18 1.48
M300 (MPa) 0.88 1.14 1.34 1.60 1.38 1.39 1.76
破断強度 (MPa) 9.43 9.15 7.79 9.83 6.14 6.49 7.46
破断時伸び (%) 803 833 1040 924 1053 1055 1002
圧縮永久歪
70℃、22時間(%) 22 34 35 30 34 35 31
実施例7
実施例2において、天然ゴムの代わりにマレイン化天然ゴム(水素結合基1.5モル%、マレイン化率2.17重量%)が同量(50重量部)用いられ、4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾール量が1.29重量部に変更された。なお、4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾールとの反応は、マレイン化EPMとマレイン化天然ゴムとのブレンド物について行われた。
比較例11
実施例7において、4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾールが用いられなかった。
以上の実施例7および比較例11における測定結果は、次の表3に示される。
表3
測定結果 実施例7 比較例11
引張特性
M100 (MPa) 0.80 0.72
M200 (MPa) 1.02 0.89
M300 (MPa) 1.29 1.09
破断強度 (MPa) 13.26 10.23
破断時伸び (%) 562 938
圧縮永久歪
70℃、22時間(%) 34 45
実施例8
前記マレイン化EPM 25重量部
SBR(日本ゼオン製品Nipol 1502) 75 〃
4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾール 0.32 〃
老化防止剤(アンチゲン6C) 1.0 〃
亜鉛華(正同化学工業製品亜鉛華3号) 3.0 〃
ステアリン酸(日油製品ビーズステアリン酸) 2.0 〃
硫黄(軽井沢精錬所製品油処理硫黄) 0.6 〃
加硫促進剤(三新化学製品サンセラーCM-PO) 3.0 〃
以上の各成分からなる組成物を、160℃で15分間加硫反応させて、水素結合架橋性基と硫黄加硫による共有結合架橋性基の2種の架橋性基で架橋されたEPM架橋物と硫黄加硫されたSBRとのブレンド物を得た。
実施例9
実施例8において、マレイン化EPM量が50重量部に、SBR量が50重量部に、4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾール量が0.64重量部に、それぞれ変更された。
実施例10
実施例8において、マレイン化EPM量が75重量部に、SBR量が25重量部に、4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾール量が0.96重量部に、それぞれ変更された。
比較例12
実施例8において、マレイン化EPMおよび4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾールが用いられず、SBR量が100重量部に変更された。
比較例13
実施例8において、SBRが用いられず、マレイン化EPM量が100重量部、4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾール量が1.29重量部に、それぞれ変更された。
比較例14〜17
実施例8〜10、比較例13において、マレイン化EPMの代わりにEPMが用いられ、4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾールが用いられなかった。
以上の実施例8〜10および比較例12〜17で得られた測定結果は、一定量用いられた老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、硫黄および加硫促進剤以外のマレイン化EPM、EPM、SBRおよび4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾール〔ATA〕の変更配合量(単位:重量部)と共に、次の表4に示される。なお、測定項目には、次の項目が追加されている。
硬度(JIS A):JIS K6253準拠(厚さ12.5cmのリュプケ試験サンプルについて測定)
表4
比-12 実-8 実-9 実-10 比-13 比-14 比-15 比-16 比-17
〔配合成分〕
マレイン化EPM (部) − 25 50 75 100 − − − −
EPM (部) − − − − − 25 50 75 100
SBR (部) 100 75 50 25 − 75 50 25 −
ATA (部) − 0.32 0.64 0.96 1.29 − − − −
〔測定結果〕
硬度 (JIS A) 37 40 48 56 58 47 52 56 49
引張特性
M100 (MPa) 1.04 1.07 1.48 1.59 1.56 1.03 1.21 1.35 1.30
M200 (MPa) 1.88 1.77 2.63 2.67 1.86 1.68 1.62 1.61 1.40
M300 (MPa) 2.77 2.74 4.32 4.38 2.35 2.50 2.17 1.95 1.53
破断強度 (MPa) 6.67 7.68 8.58 6.87 6.01 4.85 4.67 2.97 3.17
破断時伸び (%) 562 534 445 376 657 490 572 548 1168
圧縮永久歪
70℃、22時間(%) 23 88 81 72 94 17 67 73 100
以上の結果から、次のようなことがいえる。
(1) 実施例1〜3は、天然ゴム単独の比較例1に対してモジュラス、破断強度が高く、またマレイン化EPMの代わりにEPMが用いられた比較例4〜6に対してモジュラスが高い。
(2) 実施例2〜3は、マレイン化EPM単独の比較例3よりも破断強度が高く、また比較例5〜6に対しても破断強度が高い。
(3) 実施例4〜6は、EPDM単独の比較例2に対してモジュラス、破断強度が高く、また比較例4〜6において天然ゴムの代わりにEPDMが用いられた比較例8〜10に対してモジュラスが高い。
(4) 実施例6は、マレイン化EPM単独の比較例3よりも破断強度が高く、また比較例5〜6は比較例9〜10に対して破断強度が高い。
(5) 実施例7は、4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾールが用いられなかった比較例11に対してモジュラス、破断強度が高く、圧縮永久歪も良好である。
(6) 実施例8〜10は、SBR単独の比較例12に対してモジュラスもしくは破断強度が高く、マレイン化EPM単独の比較例13よりも破断強度が高く、圧縮永久歪も良好であり、またマレイン化EPMおよび4H-3-アミノ-1,2,4-トリアゾールがいずれも用いられなかった比較例14〜16に対してモジュラス、破断強度が高い。
(7) 実施例9〜10は、マレイン化EPM単独の比較例13に対してモジュラスが高い。

Claims (15)

  1. ポリマー分子中に水素結合性基を形成させたポリマー(a)に、ジエン系ゴム(b)と有機過酸化物および硫黄の少なくとも一種とを含有せしめてなる、水素結合基形成ポリマー中に水素結合架橋性基を含め2種または3種以上の架橋性基を形成し得るポリマー(a)を含有するブレンドゴム組成物。
  2. ポリマー分子中に水素結合性基を形成させたポリマー(a)の主鎖がポリオレフィン系ゴムまたはジエン系ゴムである請求項1記載のブレンドゴム組成物。
  3. ポリマー分子中にカルボニル基含有不飽和化合物由来の水素結合基を形成させたポリマー(a)が用いられた請求項1または2記載のブレンドゴム組成物。
  4. ポリマー分子中に含窒素複素環化合物由来の水素結合基を形成させたポリマー(a)が用いられた請求項1から3のいずれかに記載のブレンドゴム組成物。
  5. 含窒素複素環が五員環である複素環化合物が用いられた請求項4記載のブレンドゴム組成物。
  6. ポリマー分子中に水素結合性基を形成させたポリマー(a)が、ポリマー主鎖にカルボニル基含有不飽和化合物およびこのカルボニル基と反応し得る官能性基を含有する含窒素複素環化合物を順次反応させて得られたポリマーである請求項3から5のいずれかに記載のブレンドゴム組成物。
  7. カルボニル基含有不飽和化合物として無水マレイン酸を反応させて得られた水素結合性基形成ポリマー(a)が用いられた請求項6記載のブレンドゴム組成物。
  8. 官能性基含有含窒素複素環化合物としてのアミノ基含有または水酸基含有含窒素複素環化合物を反応させて得られた水素結合性ポリマー(a)が用いられた請求項3から7のいずれかに記載のブレンドゴム組成物。
  9. ポリマー分子中に水素結合を形成させたポリマー(a)とジエン系ゴム(b)とが1:99〜99:1の重量比で用いられた請求項1〜8のいずれかに記載のブレンドゴム組成物。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のブレンドゴム組成物をパーオキサイド架橋して得られた、水素結合架橋性基および共有結合架橋性基の2種の架橋性基で架橋された架橋ゴム(A)および架橋ジエン系ゴム(B)を含有する架橋ブレンドゴム。
  11. ポリマー(a)主鎖のモノマー重合単位に対し、水素結合架橋性基を0.1〜10モル%の割合で、共有結合架橋性基を0.1〜5モル%の割合で形成させた架橋ゴム(A)を含有する請求項10記載の架橋ブレンドゴム。
  12. 請求項1から9のいずれかに記載のブレンドゴム組成物を硫黄加硫して得られた、水素結合架橋性基および共有結合架橋性基の2種の架橋性基で架橋された架橋ゴム(A)を含有する架橋ブレンドゴム。
  13. ポリマー(a)主鎖のモノマー重合単位に対し、水素結合架橋性基を0.1〜10モル%の割合で、共有結合架橋性基を0.1〜5モル%の割合で形成させた架橋ゴム(A)を含有する請求項9記載の架橋ブレンドゴム。
  14. 請求項1から9のいずれかに記載のブレンドゴム組成物をパーオキサイド架橋および硫黄加硫して得られた、水素結合架橋性基および2種の共有結合架橋性基の3種の架橋性基で架橋された架橋ゴム(A)を含有する架橋ブレンドゴム。
  15. ポリマー(a)主鎖のモノマー重合単位に対し、水素結合架橋性基を0.1〜10モル%の割合で、2種の共有結合架橋性基を合計して0.1〜5モル%の割合で形成させた架橋ゴム(A)を含有する請求項14記載の架橋ブレンドゴム。
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