JP2019172954A - オレフィン重合用触媒、遷移金属化合物、オレフィン重合体の製造方法、および環状オレフィン共重合体 - Google Patents

オレフィン重合用触媒、遷移金属化合物、オレフィン重合体の製造方法、および環状オレフィン共重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】高活性で、高分子量のオレフィン重合体を製造することのできるオレフィン重合用触媒を提供すること。【解決手段】(A)遷移金属化合物と、(B)有機アルミニウム化合物等の化合物と、(C)(C−1)アルコール化合物または(C−2)フェノール化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含むオレフィン重合用触媒。【選択図】なし

Description

本発明はオレフィン重合用触媒、および該触媒を用いたオレフィン重合体の製造方法ならびに環状オレフィン共重合体に関する。
また、本発明は新規な遷移金属化合物に関し、より詳細にはオレフィン重合用触媒として用いることのできる新規な遷移金属化合物、該化合物を含むオレフィン重合用触媒、および該触媒を用いたオレフィン重合体の製造方法に関する。
さらに本発明は、新規な環状オレフィン共重合体に関する。
従来、エチレン・α−オレフィン共重合体などのオレフィン重合体を製造するための触媒として、メタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物などの共触媒とからなる触媒が知られている。
様々なタイプのメタロセン化合物等の遷移金属化合物が盛んに開発されており、たとえば特許文献1には、下記一般式で表される遷移金属化合物(A):
Figure 2019172954
(式中、MはTi等の周期律表4族の遷移金属を表し、Lは周期律表15族の元素が配位原子となる1価のアニオン性配位子を表し、Xはハロゲン等を表し、mは1〜3の整数を表し、R1〜R5は、水素、ハロゲン又は炭素原子数1〜20のアルキル基等を表す。)
ならびに有機アルミニウムオキシ化合物および有機ホウ素化合物から選ばれる1種以上の活性化剤(B)からなる重合触媒の存在下、エチレンおよび/または炭素原子数3〜20のα−オレフィンと少なくとも1種類の環状オレフィン化合物との共重合を行う環状オレフィン系共重合体の製造方法が記載され、遷移金属化合物(A)の具体例としては、CpTi(t−Bu2C=N)Cl2、およびCp*Ti(2,6−iPr2PhO)Cl2が挙げられている。(Cpはシクロペンタジエニル基を、Cp*はη5−ペンタメチルシクロペンタジエニル基を表す。)。また、その実施例で得られる共重合体は、エチレン/ノルボルネン共重合体であり、ノルボルネン由来単位の含有率が最高で65.8モル%であり、ガラス転移温度(Tg)は167℃である。
また非特許文献1には、下式で表される遷移金属化合物およびメチルアルミノキサン(MAO)の存在下で、エチレンとノルボルネン等との共重合が行われたことが記載されている。実験例として記載された共重合体のノルボルネン由来単位の含有率は、最高で50モル%程度であり、対応するTgは最高で145.1℃〜160.5℃である。
Figure 2019172954
また、エチレンとノルボルネンや、エチレンとテトラシクロドデセン等との共重合体などの環状オレフィン共重合体は、医療用の材料の他、DVDのピックアップレンズやスマートフォンのカメラレンズなど、その透明性と高いガラス転移温度を生かし、ガラスの代替材料を代表例とする各種の用途に用いられている。
このような重合体は、古くは1980年代からの報告されている(例えば、特許文献2や特許文献3)が、そのガラス転移温度が170℃以下の様である。
特開2007−63409号公報 特開昭62−252407号公報 特開昭62−215611号公報
Macromolecules 2011, 44, 1986-1998
(第1の本発明の課題)
しかしながら、従来の遷移金属化合物を触媒として用いたオレフィン重合には、触媒活性、重合体の高分子量化などの点でさらなる改善の余地があった。また環状オレフィン共重合体は、そのガラス転移温度をより高め、耐熱性能をガラスに近づけられれば、更に用途の拡大が期待できる。
このような従来技術に鑑み第1の本発明は、遷移金属化合物を含むオレフィン重合用触媒であって、高活性で、高分子量のオレフィン重合体を製造することのできるオレフィン重合用触媒などを提供することを目的としている。
さらに第1の本発明の一態様は、高い共重合性でα−オレフィン/環状オレフィン共重合体を製造することのできるオレフィン重合用触媒などを提供することを目的としている。
(第2の本発明の課題)
メタロセン化合物として非特許文献1に記載された遷移金属化合物をオレフィン重合用触媒に用いた場合、触媒活性、共重合性、重合体の高分子量化などの点でさらなる改善の余地があることがわかった。
このような従来技術に鑑み第2の本発明は、新規な遷移金属化合物、とりわけオレフィン重合用触媒に利用することのできる新規な遷移金属化合物などを提供することを目的としている。
また第2の本発明の一態様は、高活性で、高分子量のオレフィン重合体を製造することのできるオレフィン重合用触媒、およびこのようなオレフィン重合用触媒に利用することのできる新規な遷移金属化合物などを提供することを目的としている。
さらに第2の本発明の一態様は、高い共重合性でα−オレフィン/環状オレフィン共重合体を製造することのできるオレフィン重合用触媒、およびこのようなオレフィン重合用触媒に利用することのできる新規な遷移金属化合物などを提供することを目的としている。
(第3の本発明の課題)
第3の本発明は、従来のα−オレフィン・環状オレフィン付加共重合体、特に環状オレフィン由来の構造単位の割合が同程度である従来の共重合体と比べて、より高いガラス転移温度を有する、新規なα−オレフィン・環状オレフィン付加共重合体を提供することを目的とする。また、これにより環状オレフィン共重合体の用途の拡大させることを目的とする。
(第1の本発明)
第1の本発明は以下の[1]〜[13]に関する。
[1]
(A)遷移金属化合物と、
(B)(B−1)有機金属化合物
(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物
からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、
(C)(C−1)アルコール化合物、および
(C−2)フェノール化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物と
を含むオレフィン重合用触媒。
[2]
前記遷移金属化合物(A)が下記一般式[A-1]で表される化合物である前記[1]のオレフィン重合用触媒。
Figure 2019172954
〔式[A-1]において、
Mはチタン原子、ジルコニウム原子、またはハフニウム原子であり、
nは1〜4の整数であり、
Xはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、またはジエン系二価誘導体基であり、
1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、またはリン含有基であり、R1〜R5のうち隣接する基同士は互いに結合して環を形成していてもよい。〕
[3]
前記一般式[A-1]において、
Mはチタン原子またはジルコニウム原子であり、
Xはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、または酸素含有基であり、
1〜R5およびR8はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、またはケイ素含有基であり、R1〜R5のうち隣接する基同士は互いに結合して環を形成していてもよく、
6およびR7はそれぞれ独立に炭素原子数1〜20の炭化水素基である
前記[2]のオレフィン重合用触媒。
[4]
前記一般式[A-1]において、
Mはチタン原子であり、
1〜R5およびR8はそれぞれ独立に水素原子、または炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、R1〜R5のうち隣接する基同士は互いに結合して環を形成していてもよく、
6およびR7はそれぞれ独立に炭素原子数1〜20の炭化水素基である
前記[3]のオレフィン重合用触媒。
[5]
前記化合物(C)が、炭素原子数が1〜20の前記アルコール化合物(C−1)を含む、前記[1]〜[4]のいずれかのオレフィン重合用触媒。
[6]
前記化合物(C)が、炭素原子数が6〜20の前記フェノール化合物(C−2)を含む、前記[1]〜[5]のいずれかのオレフィン重合用触媒。
[7]
前記アルコール化合物(C−1)がメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノールおよび2−メチル−2−プロパノールからなる群から選択される1種または2種以上である、前記[5]のオレフィン重合用触媒。
[8]
前記フェノール化合物(C−2)が2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−ノニルフェノール、4−ヘキシルフェノール、4−イソプロピルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、p−ドデシルフェノール、2−フェニルフェノールおよびp−フェニルフェノールからなる群から選択される1種または2種以上である、前記[6]のオレフィン重合用触媒。
[9]
(Z−1)炭素原子数2〜30の直鎖状または分岐状のα−オレフィンと、
(Z−2)下記一般式[Z-I]、一般式[Z-II]、一般式[Z-III]または一般式[Z-IV]で表される環状オレフィンとの共重合に使用される前記[1]〜[8]のいずれかのオレフィン重合用触媒。
Figure 2019172954
〔式[Z-I]中、uは0または1であり、
vは0または正の整数であり、
wは0または1であり、
61〜R78ならびにRa1およびRb1は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、R75〜R78は、互いに結合して単環または、多環を形成していてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよく、またR75とR76とで、またはR77とR78とでアルキリデン基を形成していてもよい。〕
Figure 2019172954
〔式[Z-II]中、xおよびdは0または1以上の整数であり、
yおよびzは0、1または2であり、
81〜R99は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、R89およびR90が結合している炭素原子と、R93が結合している炭素原子またはR91が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またy=z=0のとき、R95とR92またはR95とR99とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。〕
Figure 2019172954
〔式[Z-III]中、R100およびR101は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基であり、fは1≦f≦18である。〕
Figure 2019172954
〔一般式[Z-IV]中、xは0または1以上の整数であり、
111〜R118は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、
121〜R124は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、隣接する2つの基は互いに結合し単環または複環の芳香族環を形成していてもよい。〕
[10]
前記α−オレフィン(Z−1)がエチレンであり、前記環状オレフィン(Z−2)がテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンである前記[9]のオレフィン重合用触媒。
[11]
前記[1]〜[10]のいずれかのオレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンを重合するオレフィン重合体の製造方法。
[12]
前記オレフィン重合用触媒が前記[9]のオレフィン重合用触媒であり、前記オレフィンが前記α−オレフィン(Z−1)および前記環状オレフィン(Z−2)を含む、前記[11]のオレフィン重合体の製造方法。
[13]
前記α−オレフィン(Z−1)がエチレンであり、前記環状オレフィン(Z−2)がテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンである前記[12]のオレフィン重合体の製造方法。
(第2の本発明)
第2の本発明は以下の[14]〜[25]に関する。
[14]
下記一般式[A-1'-1]で表される遷移金属化合物。
Figure 2019172954
〔式[A-1'-1]において、
Mはチタン原子、ジルコニウム原子、またはハフニウム原子であり、
nは1〜4の整数であり、
Xはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、またはジエン系二価誘導体基であり、
1〜R5およびR8はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、またはリン含有基であり、R1〜R5のうち隣接する基同士は互いに結合して環を形成していてもよく、
6およびR7はそれぞれ独立にハロゲン原子またはハロゲン含有基である。〕
[15]
前記一般式[A-1'-1]において、Mはチタン原子である前記[14]の遷移金属化合物。
[16]
前記一般式[A-1'-1]において、R1は炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、R2〜R5は水素原子である前記[15]の遷移金属化合物。
[17]
前記一般式[A-1'-1]において、R6およびR7はそれぞれ独立にハロゲン含有基である前記[16]の遷移金属化合物。
[18]
下記一般式[A-1'-2]で表される遷移金属化合物。
Figure 2019172954
〔式[A-1'-2]において、
Mはチタン原子、ジルコニウム原子、またはハフニウム原子であり、
nは1〜4の整数であり、
Xはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、またはジエン系二価誘導体基であり、
11〜R20はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、またはリン含有基であり、これらのうち隣接する基同士は互いに結合して環を形成していてもよい。〕
[19]
前記一般式[A-1'-2]において、Mはチタン原子である前記[18]の遷移金属化合物。
[20]
前記一般式[A-1'-2]において、R11〜R17は水素原子である前記[19]の遷移金属化合物。
[21]
前記一般式[A-1'-2]において、R18およびR19はそれぞれ独立に炭素原子数1〜20の炭化水素基である前記[20]の遷移金属化合物。
[22]
(A−1’)前記[14]〜[21]のいずれかの遷移金属化合物と、
(B)(B−1)有機金属化合物、
(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B−3)遷移金属化合物(A−1’)と反応してイオン対を形成する化合物
からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と
を含むオレフィン重合用触媒。
[23]
前記[22]のオレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンを重合するオレフィン重合体の製造方法。
[24]
前記オレフィンが、
(Z−1)炭素原子数2〜30の直鎖状または分岐状のα−オレフィン、および
(Z−2)下記一般式[Z-I]、一般式[Z-II]、一般式[Z-III]または一般式[Z-IV]で表される環状オレフィン
を含む前記[23]のオレフィン重合体の製造方法。
Figure 2019172954
〔式[Z-I]中、uは0または1であり、
vは0または正の整数であり、
wは0または1であり、
61〜R78ならびにRa1およびRb1は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、R75〜R78は、互いに結合して単環または、多環を形成していてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよく、またR75とR76とで、またはR77とR78とでアルキリデン基を形成していてもよい。〕
Figure 2019172954
〔式[Z-II]中、xおよびdは0または1以上の整数であり、
yおよびzは0、1または2であり、
81〜R99は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、R89およびR90が結合している炭素原子と、R93が結合している炭素原子またはR91が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またy=z=0のとき、R95とR92またはR95とR99とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。〕
Figure 2019172954
〔式[Z-III]中、R100およびR101は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基であり、fは1≦f≦18である。〕
Figure 2019172954
〔一般式[Z-IV]中、xは0または1以上の整数であり、
111〜R118は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、
121〜R124は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、隣接する2つの基は互いに結合し単環または複環の芳香族環を形成していてもよい。〕
[25]
前記α−オレフィン(Z−1)がエチレンであり、前記環状オレフィン(Z−2)がテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンである前記[24]のオレフィン重合体の製造方法。
(第3の本発明)
第3の本発明は以下の[26]〜[29]に関する。
[26]
下記一般式[Z']で表される構造単位(z−1')、および
下記一般式[Z-I']、一般式[Z-II']、一般式[Z-III']または一般式[Z-IV']で表される構造単位(z−2')
を含み、下記要件[I]を満たす環状オレフィン共重合体。
Figure 2019172954
〔式[Z']中、R300は水素原子又は炭素原子数1〜29の直鎖状または分岐状の炭化水素基を示す。〕
Figure 2019172954
〔式[Z-I']中、uは0または1であり、
vは0または正の整数であり、
u+v≧1を満たし、
wは0または1であり、
61〜R78ならびにRa1およびRb1は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、R75〜R78は、互いに結合して単環または、多環を形成していてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよく、またR75とR76とで、またはR77とR78とでアルキリデン基を形成していてもよい。〕
Figure 2019172954
〔式[Z-II']中、xおよびdは0または1以上の整数であり、
yおよびzは0、1または2であり、
81〜R99は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、R89およびR90が結合している炭素原子と、R93が結合している炭素原子またはR91が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またy=z=0のとき、R95とR92またはR95とR99とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。〕
Figure 2019172954
〔式[Z-III']中、R100およびR101は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基であり、fは1≦f≦18である。〕
Figure 2019172954
〔一般式[Z-IV']中、xは0または1以上の整数であり、
111〜R118は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、
121〜R124は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、隣接する2つの基は互いに結合し単環または複環の芳香族環を形成していてもよい。〕
要件[I]:前記オレフィン[CO]由来の構造単位の二連子連鎖構造([CO]−[CO])の割合が0.5〜30モル%である。
〔ただし、前記構造単位(z−1’)の二連子連鎖構造([E]−[E])の割合、前記構造単位(z−1’)と前記構造単位(z−2’)との連結構造([E]−[CO])の割合、および前記構造単位(z−2’)の二連子連鎖構造([CO]−[CO])の割合の合計を100モル%とする。〕
[27]
下記要件[II]を満たす前記[26]の環状オレフィン共重合体。
要件[II]:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で決定される分子量が5×104以上、10×105以下である。
[28]
エチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとの付加共重合体である前記[26]または[27]の環状オレフィン共重合体。
[29]
ガラス転移温度が180℃〜300℃である前記[26]〜[28]のいずれかの環状オレフィン共重合体。
(第1の本発明の効果)
本発明のオレフィン重合用触媒を用いることにより、高活性で、高分子量のオレフィン重合体を製造することができる。
さらに本発明の一態様によれば、高い共重合性でα−オレフィン/環状オレフィン共重合体を製造することができる。
また、これまでになくガラス転移温度の高い環状オレフィン共重合体を創出することも出来る。このような重合体は、これまでにない特徴的な構造と物性とを有している。
(第2の本発明の効果)
第2の本発明により、新規な遷移金属化合物が提供される。
第2の本発明の遷移金属化合物は、とりわけオレフィン重合用触媒に利用することができる。
また第2の本発明の一態様によれば、高活性で、高分子量のオレフィン重合体を製造することのできるオレフィン重合用触媒、およびこのようなオレフィン重合用触媒に利用することのできる新規な遷移金属化合物などを提供することができる。
さらに第2の本発明の一態様によれば、高い共重合性でα−オレフィン/環状オレフィン共重合体を製造することのできるオレフィン重合用触媒、およびこのようなオレフィン重合用触媒に利用することのできる新規な遷移金属化合物などを提供することができる。
(第3の本発明の効果)
第3の本発に係る環状オレフィン共重合体は、従来技術と比べて高いガラス転移温度を有するため、用途の拡大が期待できる。
図1は、実施例および比較例で製造された環状オレフィン共重合体の組成とガラス転移温度(Tg)との関係を示す。
以下、本発明に係るオレフィン重合用触媒等をさらに詳細に説明する。
[第1の本発明]
〔オレフィン重合用触媒〕
第1の本発明のオレフィン重合用触媒は、
(A)遷移金属化合物と、
(B)(B−1)有機金属化合物、
(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物
からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、
(C)(C−1)アルコール化合物、および
(C−2)フェノール化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物と
を含むことを特徴としている。
〈遷移金属化合物(A)〉
前記遷移金属化合物(A)としては、たとえば、従来のオレフィン重合用触媒に含まれている遷移金属化合物が挙げられ、具体例として、以下の遷移金属錯体(1)〜(9)が挙げられる。
(遷移金属錯体(1))
遷移金属錯体(1)は、下記一般式[A1]で表される化合物である。
Figure 2019172954
〈R 1 〜R 8
式[A1]中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよく、隣接する基が互いに結合して環を形成していてもよい。
炭化水素基としては、たとえば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基およびアリールアルキル基が挙げられる。アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、ノニル基、ドデシル基およびエイコシル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基およびアダマンチル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばビニル基、プロペニル基およびシクロヘキセニル基などが挙げられる。アリール基としては、たとえばフェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ビフェニル基、α−またはβ−ナフチル基、メチルナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ベンジルフェニル基、ピレニル基、アセナフチル基、フェナレニル基、アセアントリレニル基、テトラヒドロナフチル基、インダニル基およびビフェニリル基が挙げられる。アリールアルキル基としては、たとえばベンジル基、フェニルエチル基およびフェニルプロピル基が挙げられる。
〈Y〉
式[A1]において、Yは、二つの配位子を結合する二価の基であり、具体的には、二価の基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、ならびにハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、好ましくは、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、または二価のケイ素含有基である。
二価の炭化水素基としては、アルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基が挙げられ、その具体例としては、
メチレン、エチレン、プロピレンおよびブチレンなどのアルキレン基;
イソプロピリデン、ジエチルメチレン、ジプロピルメチレン、ジイソプロピルメチレン、ジブチルメチレン、メチルエチルメチレン、メチルブチルメチレン、メチル−t−ブチルメチレン、ジヘキシルメチレン、ジシクロヘキシルメチレン、メチルシクロヘキシルメチレン、メチルフェニルメチレン、ジフェニルメチレン、ジトリルメチレン、メチルナフチルメチレン、ジナフチルメチレン、1−メチルエチレン、1,2−ジメチルエチレンおよび1−エチル−2−メチルエチレンなどの置換アルキレン基;ならびに
シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、ビシクロ[3.3.1]ノニリデン、ノルボルニリデン、アダマンチリデン、テトラヒドロナフチリデンおよびジヒドロインダニリデンなどのシクロアルキリデン基ならびにエチリデン、プロピリデンおよびブチリデンなどのアルキリデン基
が挙げられる。
二価のケイ素含有基としては、
シリレン;ならびに
メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジイソプロピルシリレン、ジブチルシリレン、メチルブチルシリレン、メチル−t−ブチルシリレン、ジシクロヘキシルシリレン、メチルシクロヘキシルシリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジトリルシリレン、メチルナフチルシリレン、ジナフチルシリレン、シクロジメチレンシリレン、シクロトリメチレンシリレン、シクロテトラメチレンシリレン、シクロペンタメチレンシリレン、シクロヘキサメチレンシリレンおよびシクロヘプタメチレンシリレンなどのアルキルシリレン基
が挙げられ、特に好ましくは、ジメチルシリレン基およびジブチルシリレン基などのジアルキルシリレン基が挙げられる。
〈M〉
式[A1]において、Mは、第4族遷移金属であり、好ましくはTi、ZrまたはHfであり、より好ましくはZrまたはHfであり、特に好ましくはZrである。
〈X〉
式[A1]において、Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、好ましくはハロゲン原子または炭化水素基である。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられ、特に好ましくは塩素が挙げられる。
前記遷移金属錯体(1)の具体例としては、特開2013−224408号公報の[0077]に列挙された化合物が挙げられる。
(遷移金属錯体(2))
遷移金属錯体(2)は、下記一般式[A2]で表される化合物である。
Figure 2019172954
〈R 1 〜R 6 、およびR 11 〜R 16
式[A2]中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよく、また隣接する2個の基が互いに連結して環を形成してもよい。
炭化水素基としては、上述した式[A1]においてR1〜R8として挙げた炭化水素基が挙げられる。
1〜R6、およびR11〜R16は、それぞれ独立に、好ましくは水素原子または炭化水素基であり、より好ましくは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。
〈Y〉
式[A2]において、Yは、二つの配位子を結合する二価の基であり、具体的には、二価の基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、ならびにハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、好ましくは、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、または二価のケイ素含有基である。
これらの基としては、上述した式[A1]においてYとして挙げた二価の基が挙げられる。
〈M〉
式[A2]において、Mは、第4族遷移金属であり、好ましくはTi、ZrまたはHfであり、より好ましくはZrまたはHfであり、特に好ましくはZrである。
〈X〉
式[A2]において、Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、好ましくはハロゲン原子または炭化水素基である。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられ、特に好ましくは塩素が挙げられる。
前記遷移金属錯体(2)の具体例としては、特開2013−224408号公報の[0071]に列挙された化合物が挙げられる。
(遷移金属錯体(3))
遷移金属錯体(3)は、下記一般式[A3]で表される化合物である。
Figure 2019172954
〈R 1 からR 14
式[A3]中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基または
ケイ素含有基であり、R1からR4までの置換基のうち、任意の2つの置換基は互いに結合して環を形成していてもよく、R5からR12までの置換基のうち、任意の2つの置換基は互いに結合して環を形成していてもよく、R13とR14とは互いに結合して環を形成していてもよい。
1からR14における炭化水素基としては、例えば、直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状飽和炭化水素基、環状不飽和炭化水素基、飽和炭化水素基が有する1または2以上の水素原子を環状不飽和炭化水素基に置換してなる基が挙げられる。炭化水素基の炭素数は、通常1〜20、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10である。
直鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基等の直鎖状アルキル基;アリル基等の直鎖状アルケニル基が挙げられる。
分岐状炭化水素基としては、例えば、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1−プロピルブチル基、1,1−ジメチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−1−イソプロピル−2−メチルプロピル基等の分岐状アルキル基が挙げられる。
環状飽和炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ノルボルニル基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基等の多環式基が挙げられる。
環状不飽和炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基等のアリール基;シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基;5−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エニル基等の多環の不飽和脂環式基が挙げられる。
飽和炭化水素基が有する1または2以上の水素原子を環状不飽和炭化水素基に置換してなる基としては、例えば、ベンジル基、クミル基、1,1−ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基等のアルキル基が有する1または2以上の水素原子をアリール基に置換してなる基が挙げられる。
1からR14におけるヘテロ原子含有炭化水素基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フリル基などの酸素原子含有炭化水素基;N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−フェニルアミノ基等のアミノ基、ピリル基などの窒素原子含有炭化水素基;チエニル基などの硫黄原子含有炭化水素基が挙げられる。ヘテロ原子含有炭化水素基の炭素数は、通常1〜20、好ましくは2〜18、より好ましくは2〜15である。ただし、ヘテロ原子含有炭化水素基からはケイ素含有基を除く。
1からR14におけるケイ素含有基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基等の式−SiR3(式中、複数あるRはそれぞれ独立に炭素数1〜15のアルキル基
またはフェニル基である。)で表される基が挙げられる。
1からR14までの置換基のうち、任意の2つの置換基、例えば隣接した2つの置換基(例:R1とR2、R2とR3、R3とR4、R5とR6、R6とR7、R7とR8、R9とR10、R10とR11、R11とR12、R13とR14)は互いに結合して環を形成していてもよい。前記環
形成は、分子中に2箇所以上存在してもよい。
本明細書において、2つの置換基が互いに結合して形成された環(付加的な環)としては、例えば、脂環、芳香環、ヘテロ環が挙げられる。具体的には、シクロヘキサン環;ベンゼン環;水素化ベンゼン環;シクロペンテン環;フラン環、チオフェン環等のヘテロ環およびこれに対応する水素化ヘテロ環が挙げられ、好ましくはシクロヘキサン環;ベンゼン環および水素化ベンゼン環である。また、このような環構造は、環上にアルキル基等の置換基をさらに有していてもよい。
5、R8、R9およびR12は、好ましくは水素原子である。
6、R7、R10およびR11は、好ましくは水素原子、炭化水素基、酸素原子含有炭化水素基または窒素原子含有炭化水素基であり、より好ましくは炭化水素基である。R6とR7が互いに結合して環を形成し、かつR10とR11が互いに結合して環を形成していてもよい。以上のようなフルオレニル基部分の構造としては、例えば、下式で表されるものが挙げられる。
Figure 2019172954
13およびR14は、好ましくは炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基またはケイ素含有基であり、さらに好ましくはアリール基または置換アリール基(ヘテロ原子含有炭化水素基またはケイ素含有基を有するアリール基)である。
〈Y〉
式[A3]において、Yは炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子またはスズ原子であり、好ましくは炭素原子である。
〈M、Q、j〉
式[A3]において、Mは、第4族遷移金属であり、好ましくはTi、ZrまたはHfであり、より好ましくはZrまたはHfである。
Qはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子である。jが2以上の整数であるとき、Qは同一または異なる組み合わせで選ばれる。
Qにおけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
Qにおける炭化水素基としては、R1からR14における炭化水素基と同様の基が挙げられ、好ましくは直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基等のアルキル基である。
Qにおけるアニオン配位子としては、例えば、メトキシ、tert−ブトキシ等のアルコキシ基;フェノキシ等のアリールオキシ基;アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基;メシレート、トシレート等のスルホネート基;ジメチルアミド、ジイソプロピルアミド、メチルアニリド、ジフェニルアミド等のアミド基が挙げられる。
Qにおける孤立電子対で配位可能な中性配位子としては、例えば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン等の有機リン化合物;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテルが挙げられる。
Qは、少なくとも1つがハロゲン原子またはアルキル基であることが好ましい。
jは1〜4の整数であり、好ましくは2である。jが2以上の整数であるとき、Qは同一または異なる組合せで選んでもよい。
前記遷移金属錯体(3)の具体例としては、国際公開第2004/87775号の第29〜43頁に列挙された化合物、国際公開第2006/25540号の第9〜37頁に列挙された化合物、国際公開第2015/122414号の[0117]に列挙された化合物、国際公開第2015/122415号の[0143]に列挙された化合物が挙げられる。
(遷移金属錯体(4))
遷移金属錯体(4)は、下記一般式[A4]で表される化合物である。
Figure 2019172954
〈R 1 からR 16
式[A4]中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化
水素基またはケイ素含有基であり、R1からR16までの置換基のうち、任意の2つの置換基は互いに結合して環を形成していてもよい。
1からR16における炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基およびケイ素含有基としては、上述した式[A3]におけるR1〜R14として例示した炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基およびケイ素含有基が挙げられる。
1からR16までの置換基のうち、隣接した2つの置換基(例:R1とR2、R2とR3
4とR6、R4とR7、R5とR6、R5とR7、R6とR8、R7とR8、R9とR10、R10とR11、R11とR12、R13とR14、R14とR15、R15とR16)が互いに結合して環を形成して
いてもよく、R4およびR5が互いに結合して環を形成していてもよく、R6およびR7が互いに結合して環を形成していてもよく、R1およびR8が互いに結合して環を形成していてもよく、R3およびR4が互いに結合して環を形成していてもよく、R3およびR5が互いに結合して環を形成していてもよい。前記環形成は、分子中に2箇所以上存在してもよい。
本明細書において、2つの置換基が互いに結合して形成された環(付加的な環)としては、例えば、脂環、芳香環、ヘテロ環が挙げられる。具体的には、シクロヘキサン環;ベンゼン環;水素化ベンゼン環;シクロペンテン環;フラン環、チオフェン環等のヘテロ環およびこれに対応する水素化ヘテロ環が挙げられ、好ましくはシクロヘキサン環;ベンゼン環および水素化ベンゼン環である。また、このような環構造は、環上にアルキル基等の置換基をさらに有していてもよい。
1およびR3は、水素原子であることが好ましい。
2は、炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基またはケイ素含有基であることが好ましく、炭化水素基であることがさらに好ましく、炭素数1〜20の炭化水素基であることがより好ましく、アリール基ではないことがさらに好ましく、直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基または環状飽和炭化水素基であることがとりわけ好ましく、遊離原子価を有する炭素(シクロペンタジエニル環に結合する炭素)が3級炭素である置換基であることが特に好ましい。
2としては、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基が例示でき、より好ましくはtert−ブチル基、tert−ペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基等の遊離原子価を有する炭素が3級炭素である置換基であり、特に好ましくは1−アダマンチル基、tert−ブチル基である。
4は、前記遷移金属錯体(4)を下記一般式[A4']で表した場合に、水素原子であることが好ましい形態の一つである。
Figure 2019172954
この場合、前記遷移金属錯体(4)は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、一般式[A4']で表される遷移金属錯体の全ての鏡像異性体、例えば一般式[A4'']で表される遷移金属錯体を包含する。
Figure 2019172954
式[A4']および[A4'']の表記において、MQj部分が紙面手前に、架橋部が紙面奥側に存在するものとする。すなわち、これらの遷移金属錯体では、シクロペンタジエン環のα位(架橋部位が置換した炭素原子を基準とする)に、中心金属側に向いた水素原子(R4)が存在する。
一方、上述した一般式[A4]においては、MQj部分および架橋部が紙面手前に存在するのか、紙面奥側に存在するかは特定されていない。すなわち一般式[A4]で表される遷移金属化合物(A4)は、特定の構造の遷移金属化合物とその鏡像異性体とを包含している。
4、R5、R6およびR7から選ばれる少なくとも1つは、炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基またはケイ素含有基であることが好ましく、R4、R5が水素原子または炭化水素基であることがより好ましく、R5が直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基等のアルキル基、シクロアルキル基またはシクロアルケニル基であることがさらに好ましく、炭素数1〜10のアルキル基であることがとりわけ好ましい。また、また、合成上の観点からはR4、R5が共にアルキル基であることも好ましい形態の一つであり、炭素数1〜10のアルキル基が特に好ましい。また同様に合成上の観点からは、R6およびR7は水素原子であることも好ましい。R5およびR7が互いに結合して環を形成していることがより好ましく、当該環がシクロヘキサン環等の6員環であることが特に好ましい。
8は、炭化水素基であることが好ましく、メチル基等のアルキル基であることが特に好ましい。
一般式[A4]において、フルオレン環部分は公知のフルオレン誘導体から得られる構造であれば特に制限されない。R9、R12、R13およびR16は、好ましくは水素原子である
10、R11、R14およびR15は、好ましくは水素原子、炭化水素基、酸素原子含有炭化水素基または窒素原子含有炭化水素基であり、より好ましくは炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜20の炭化水素基であり、たとえば、2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル基、3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル基, 2,7-ジフェニル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル基が挙げられ、特に好ましくは2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル基である。
10とR11が互いに結合して環を形成し、かつR14とR15が互いに結合して環を形成していてもよい。このような置換フルオレニル基としては、例えば、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、オクタヒドロジベンゾフルオレニル基、1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレニル基、1,1,3,3,6,6,8,8-オクタメチル-2,3,6,7,8,10-ヘキサヒドロ-1H-ジシクロペンタ[b,h]フルオレニル基、1',1',3',6',8',8'-ヘキサメチル-1'H,8'H-ジシクロペンタ[b,h]フルオレニル基が挙げられ、特に好ましくは1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレニル基が挙げられる。
〈M、Q、j〉
式[A4]において、Mは、第4族遷移金属であり、好ましくはTi、ZrまたはHfであり、より好ましくはZrまたはHfであり、特に好ましくはZrである。
Qはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子である。
Qにおけるハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子としては、上述した式[A3]におけるハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子として例示したものが挙げられる。
jは1〜4の整数であり、好ましくは2である。jが2以上の整数であるとき、Qは同一または異なる組合せで選んでもよい。
前記遷移金属錯体(4)の具体例としては、国際公開第2006/68308号の第11〜15頁に列挙された化合物、国際公開第2014/50816号の[0075]−[0086]に列挙された化合物、特開2008/50816号の[0072]−[0084]に列挙された化合物が挙げられる。
(遷移金属錯体(5))
遷移金属錯体(5)は、特表2000−516228号公報に記載された、下記一般式[A5]に相当する金属錯体である。
Figure 2019172954
(式中、Mは、元素の周期律表の3−13族の1、ランタニド又はアクチニドからの金属であり、それは+2、+3又は+4形式酸化状態にあり、そして5個の置換基、即ちRA、(RBj−T(但し、jは0、1又は2である)、RC、RD及びZ(但し、RA、RB、RC及びRDはR基である)を有する環状の非局在化π−結合リガンド基である1個のシクロペンタジエニル(Cp)基にπ結合しており、さらに
Tは、jが1又は2であるとき、Cp環そしてRBに共有結合しているヘテロ原子であり、さらにjが0のとき、TはF、Cl、Br又はIであり;jが1のとき、TはO又はS、又はN又はPであり、そしてRBはTへの二重結合を有し;jが2のとき、TはN又はPであり、さらに
Bは、それぞれの場合独立して、水素であるか、又はヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリル、ハロゲン置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリルヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ヒドロカルビルオキシである1−80個の非水素原子を有する基であり、各RBは任意にそれぞれの場合独立して1−20個の非水素原子を有するヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルシロキシ、ヒドロカルビルシリルアミノ、ジ(ヒドロカルビルシリル)アミノ、ヒドロカルビルアミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ヒドロカルビル、ハロゲン置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリル又はヒドロカルビルシリルヒドロカルビル又は1−20個の非水素原子を有する非干渉基である1個以上の基により置換されていてもよく;そして
A、RC及びRDのそれぞれは、水素であるか、又はヒドロカルビル、ハロゲン置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリル、ヒドロカルビルシリルヒドロカルビルである1−80個の非水素原子を有する基であり、RA、RC及びRDのそれぞれは、任意にそれぞれの場合独立して1−20個の非水素原子を有するヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルシロキシ、ヒドロカルビルシリルアミノ、ジ(ヒドロカルビルシリル)アミノ、ヒドロカルビルアミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ヒドロカルビル、ハロゲン置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリル又はヒドロカルビルシリルヒドロカルビルであるか、又は1−20個の非水素原子を有する非干渉基である1個以上の基により置換されていてもよく;又は任意に、RA、RB、RC及びRDの2個以上は、互いに共有結合してそれぞれのR基について1−80個の非水素原子を有する1個以上の縮合環又は環系を形成し、1個以上の縮合環又は環系は、置換されていないか、又はそれぞれの場合独立して1−20個の非水素原子を有するヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルシロキシ、ヒドロカルビルシリルアミノ、ジ(ヒドロカルビルシリル)アミノ、ヒドロカルビルアミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ヒドロカルビル、ハロゲン置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリル又はヒドロカルビルシリルヒドロカルビル、又は1−20個の非水素原子を有する非干渉基である1個以上の基により置換されており;
Zはσ結合を介してCp及びMの両者に結合している2価の基であり、Zは硼素であるか又は元素の周期律表の14族の一員であり、さらに窒素、燐、硫黄又は酸素からなり;
Xは、環状の非局在化π結合リガンド基であるリガンドの群を除く、60個以内の原子を有するアニオン性又はジアニオン性リガンド基であり;
X'は、それぞれの場合独立して20個以内の原子を有する中性のルイス塩基配位結合性化合物であり;
pは0、1又は2であり、そしてXがアニオン性リガンドであるときMの形式酸化状態より2少なく;Xがジアニオン性リガンドであるとき、pは1であり;そして
qは0、1又は2である。)
前記遷移金属錯体(5)の具体例としては、特表2000−516228号公報の35〜99頁に列挙された化合物が挙げられる。
(遷移金属錯体(6))
遷移金属錯体(6)は、特表2002−522551号公報に記載された、下記一般式[A6]に相当するアンサビス(μ−置換)周期律表4族金属及びアルミニウム化合物である。
Figure 2019172954
(式中、L´はπ−結合した基であり、
Mは周期律表4族金属であり、
Jは窒素又は燐であり、
Zは2価の橋かけ結合基であり、
R´は不活性の1価のリガンドであり、
rは1又は2であり、
Xはそれぞれの場合独立してμ−橋かけ結合リガンド基を形成できるルイス塩基性リガンド基であり、所望により2個のX基は一緒に結合してもよく、そして
A´はそれぞれの場合独立して水素を除いて50個以内の原子のアルミニウム含有ルイス酸化合物であり、該化合物はμ−橋かけ結合基により金属錯体との付加物を形成し、所望により2個のA´基は一緒に結合しそれにより単一の2官能性ルイス酸含有化合物を形成してもよい。)
前記遷移金属錯体(6)の具体例としては、特表2002−522551号公報の[0025]〜[0027]に列挙された化合物が挙げられる。
(遷移金属錯体(7))
遷移金属錯体(7)は、特表2003−501433号公報に記載された、下記一般式[A7-1]、[A7-2]または[A7-3]に相当する金属錯体である。
Figure 2019172954
(式中、Mは元素周期律表の3〜13族ランタニド又はアクチニドの1つから選ばれる金属である;
Zはホウ素、又は元素周期律表の14族の1員をもち、且つ窒素、リン、硫黄又は酸素をもつ2価の基である;
Xは水素を算入せずに60以下の原子をもつアニオン性リガンド基であり、所望により2個のX基はいっしょになって2価のアニオン性リガンド基を形成している;
X'はそれぞれの場合独立に20以下の原子をもつ中性ルイス塩基リガンドである;
pは0〜5の数であって、Mの形式酸化状態より2少ない;
qは0、1又は2である;
Eはケイ素又は炭素である;
A はそれぞれの場合独立に水素又はRB である;
B はBRC 2 であるか、又はヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリル、ハロゲン置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換ヒドロカルビル、BRC 2 −置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリルヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ヒドロカルバジイルアミノ、又はヒドロカルビルオキシ基であり、各RB は水素を算入せずに1〜18の原子をもち、そして所望により2個のRB 基は共有結合して1以上の縮合環を形成していてもよい;
C はそれぞれの場合独立にヒドロカルビル、ハロゲン置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、ジヒドロカルビルアミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルバジイルアミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリル、ヒドロカルビルシリルヒドロカルビル、又はRD である;
D はそれぞれの場合独立にジヒドロカルビルアミノ又はヒドロカルビルオキシ基で水素を算入せずに1〜20の原子をもち、そして所望により単一のホウ素上の2個のRD 基はいっしょになってホウ素に結合した両原子価をもつヒドロカルバジイルアミノ−、ヒドロカルバジイルオキシ−、ヒドロカルバジイルジアミノ−、又はヒドロカルバジイルオキシ−基を形成している;
但し少なくとも1の場合においてRA はBRC 2 、BRC 2 −置換ヒドロカルビル基、及びそれらが合体した誘導体から選ばれると共に、少なくとも1のRCはRD である;
F はそれぞれの場合独立に水素、又はシリル、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ及びそれらの組合せから選ばれる基であって、該RF は30以下の炭素又はケイ素原子をもっている;そして xは1〜8であるか、又は所望により(RF 2 E)x が−T'Z'−又は−(T'Z')2 −であり、ここでT'はそれぞれの場合独立にホウ素又はアルミニウムであり、そしてZ'はそれぞれの場合独立に
Figure 2019172954
であり;
1 はそれぞれの場合独立に水素、ヒドロカルビル基、トリヒドロカルビルシリル基、又はトリヒドロカルビルシリルヒドロカルビル基であり、該R1 基は炭素を算入せずに20以下の原子をもち、そして2個のこれらR1 基は所望によりいっしょになって環構造を形成していてもよい;そして
5 はR1 又はN(R12 である。)
前記遷移金属錯体(7)の具体例としては、特表2003−501433号公報の[0030]に列挙された化合物が挙げられる。
(遷移金属錯体(8))
遷移金属錯体(8)は、下記一般式[A8]で表される化合物である。
Figure 2019172954
〈M〉
式[A8]中、Mは周期表第4、5族の遷移金属原子を示し、好ましくは4族の遷移金属原子である。具体的には、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルなどであり、より好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ましくはチタンまたはジルコニウムである。
式[A8]においてNとMとを繋ぐ点線は、一般的にはNがMに配位していることを示すが、本発明においては配位していてもしていなくてもよい。
〈m〉
式[A8]において、mは1〜4の整数、好ましくは2〜4の整数、さらに好ましくは2を示す。
〈R 1 〜R 5
式[A8]において、R1〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭化水素基としては、上述した式[A3]におけるR1〜R14として例示した炭化水素基
が挙げられ、特に、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;
フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;
これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基もしくはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基
が好ましい。
1としては、オレフィン重合触媒活性の観点および高分子量のオレフィン系重合体を与えるという観点から、炭素原子数1〜20の直鎖状または分岐状の炭化水素基、炭素原子数3〜20の脂環族炭化水素基、または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基から選ばれる基が好ましい。
ヘテロ環式化合物残基としては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。
酸素含有基としては、アルコシキ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などが挙げられる。
窒素含有基としては、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったものなどが挙げられる。
ホウ素含有基としては、ボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などが挙げられる。
イオウ含有基としては、メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などが挙げられる。
リン含有基としては、ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などが挙げられる。
ケイ素含有基としては、シリル基、シロキシ基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基などが挙げられ、より具体的には、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリル基などが挙げられる。炭化水素置換シロキシ基としては、トリメチルシロキシ基などが挙げられる。
ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムまたはスズに置換した基が挙げられる。
〈R 6
式[A8]において、R6は、水素原子、1級または2級炭素のみからなる炭素数1〜4の炭化水素基、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基、アリール基置換アルキル基、単環性または二環性の脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン原子から選ばれる。これらのうち、オレフィン重合触媒活性の観点、高分子量のオレフィン系重合体を与えるという観点および重合時の水素耐性の観点から、炭素原子数4以上の脂肪族炭化水素基、アリール基置換アルキル基、単環性または二環性の脂環族炭化水素基および芳香族炭化水素基から選ばれる基であることが好ましく、より好ましくはt−ブチル基などの分岐型炭化水素基;ベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基(クミル基)、1−メチル−1,1−ジフェニルエチル基、1,1,1−トリフェニルメチル基(トリチル基)などのアリール置換アルキル基;1位に炭化水素基を有するシクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデシル基などの炭素数6〜15の脂環族または複式環構造を有する脂環族炭化水素基が挙げられる。
〈n〉
式[A8]において、nは、Mの価数を満たす数である。
〈X〉
式[A8]において、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
ハロゲン原子および炭化水素基等の各基としては、上記R1〜R5の説明で例示したものと同様のものが挙げられる。これらのうち、好ましくはハロゲン原子や炭化水素基である。
(遷移金属錯体(9))
遷移金属錯体(9)は、下記一般式[A9]で表される化合物である。
Figure 2019172954
〈M〉
式[A9]中、Mは周期表第4〜11族の遷移金属原子を示し、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウムなどであり、好ましくは4〜7、10族の金属原子であり、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、クロム、マンガン、ニッケルであり、より好ましくはチタン、ニッケルである。
式[A9]においてNとMとを繋ぐ点線は、一般的にはNがMに配位していることを示すが、本発明においては配位していてもしていなくてもよい。
〈m〉
式[A9]において、mは、1〜4の整数を示し、好ましくは2である。
〈R 1 〜R 5
式[A9]において、R1〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基としては、上述した式[A8]におけるR1〜R5として例示したものが挙げられる。
1の好ましい態様は、芳香性を示す基であり、さらに好ましくは下記一般式[A9-1]で表わされるアリール基または置換基を有していてもよいピロールである。
Figure 2019172954
一般式[A9-1]において、R1A〜R1Eは互いに同一でも異なっていても、また互いに結合して環を形成していてもよく、水素原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基である。炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基としては、上述した式[A9]におけるR1〜R5として例示したものが挙げられる。
〈R 6
式[A9]において、R6は、水素原子、1級または2級炭素のみからなる炭素数1〜4の炭化水素基、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基、アリール基置換アルキル基、単環性または二環性の脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン原子から選ばれる。
6としては、フェニル、ベンジル、ナフチル、アントラニルなどの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;
メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、ネオペンチルなどの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状(2級)のアルキル基;
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−メチルシクロヘキシル、2,6−ジメチルシクロヘキシル、3,5−ジメチルシクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロドデシルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基
が好ましく、R6としては、フェニル、ベンジル、ナフチルなどの芳香族基、およびこれらの水素原子が置換された3,5−ジフルオロフェニル、3,5−ビストリフルオロメチルフェニルなどが特に好ましい。
〈n〉
式[A9]において、nは、Mの価数を満たす数であり、具体的には0〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは2である。
〈X〉
式[A9]において、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
ハロゲン原子および炭化水素基等の各基としては、上記R1〜R5の説明で例示したものと同様のものが挙げられる。
前記遷移金属錯体(9)の具体例としては、特開2011−231291号公報の[0079]〜[0088]に列挙された化合物が挙げられる。
前記遷移金属化合物(A)は、上述した遷移金属錯体(1)〜(9)に限られるものではなく、これら以外にも、たとえば特開2008−163140号の[0007]、国際公開第2010/50256号の[0030]〜[0051]、特開2010−150246号の[0016]、国際公開第2013/184579号の[0133]、特表2013−534934号公報の[0006]、特表2009−534517号公報の[0001]、特表2001−516776号公報の[0009]〜[0017]に記載された遷移金属化合物を例示することができる。
(遷移金属化合物(A−1))
また、前記遷移金属化合物(A)としては、好ましくは下記一般式[A-1]で表される遷移金属化合物(A−1)も挙げられる。
Figure 2019172954
《M》
式[A-1]において、Mはチタン原子、ジルコニウム原子、またはハフニウム原子を示し、好ましくはチタン原子、またはジルコニウム原子を示し、さらに好ましくはチタン原子を示す。
《R 1 〜R 8
式[A-1]において、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、またはリン含有基であり、R1〜R5のうち隣接する基同士は互いに結合して環を形成していてもよい。
前記ハロゲン原子の例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
前記炭化水素基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどの炭素原子数が1〜20、好ましくは1〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基;
ビニル、アリル(allyl)、イソプロペニルなどの炭素原子数が2〜20、好ましくは2〜10の直鎖状または分岐状のアルケニル基;
エチニル、プロパルギルなど炭素原子数が2〜20、好ましくは2〜10の直鎖状または分岐状のアルキニル基;
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜20、好ましくは3〜10の環状飽和炭化水素基;
シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニルなどの炭素原子数5〜20の環状不飽和炭化水素基;フェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルなどの炭素原子数が6〜20、好ましくは6〜10のアリール基;ならびに
トリル、iso-プロピルフェニル、t-ブチルフェニル、ジメチルフェニル、ジ-t-ブチルフェニルなどのアルキル置換アリール基
が挙げられる。
また、前記炭化水素基は、水素原子が他の炭化水素基で置換されたものであってもよく、たとえば、ベンジル、クミルなどのアリール基置換アルキル基などが挙げられる。
1〜R5のうち隣接する基同士が互いに結合して形成された環を有するシクロペンタジエニル部の例としては、以下の環構造が挙げられ、該環構造はさらに置換基を有していてもよい。
Figure 2019172954
前記ハロゲン含有基の例としては、トリフルオロメチル、ペンタフルオロフェニル、クロロフェニルなどの炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10のハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
前記ケイ素含有基の例としては、シリル基、シロキシ基、炭化水素置換シリル基、および炭化水素置換シロキシ基が挙げられる。このうち炭化水素置換シリル基として具体的には、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが挙げられる。これらの中では、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリルなどが好ましい。特にトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリルが好ましい。炭化水素置換シロキシ基として具体的には、トリメチルシロキシなどが挙げられる。
前記酸素含有基の例としては、アルコシキ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基、およびフリル基が挙げられる。
酸素含有基のうち、アルコキシ基の好ましい例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、およびtert-ブトキシが挙げられ、
アリーロキシ基の好ましい例としては、フェノキシ、2,6-ジメチルフェノキシ、および2,4,6-トリメチルフェノキシが挙げられ、
エステル基の好ましい例としては、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、およびp-クロロフェノキシカルボニルが挙げられ、
アシル基の好ましい例としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、およびp-メトキシベンゾイル基が挙げられる。
前記イオウ素含有基の例としては、メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチオシアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、およびスルフェニル基が挙げられる。
イオウ含有基のうち、チオエステル基の好ましい例としては、アセチルチオ、ベンゾイルチオ、メチルチオカルボニル、フェニルチオカルボニルが挙げられ、
アルキルチオ基の好ましい例としては、メチルチオ、エチルチオが挙げられ、
アリールチオ基の好ましい例としては、フェニルチオ、メチルフェニルチオ、ナフチルチオが挙げられ、
スルホンエステル基の好ましい例としては、スルホン酸メチル、スルホン酸エチル、スルホン酸フェニルが挙げられ、
スルホンアミド基の好ましい例としては、フェニルスルホンアミド、N-メチルスルホンアミド、N-メチル-p-トルエンスルホンアミドが挙げられる。
前記窒素含有基の例としては、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ピロリジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、およびアミノ基がアンモニウム塩となったものが挙げられる。
窒素含有基のうち、アミノ基の好ましい例としては、ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、およびジフェニルアミノが挙げられ、
イミノ基の好ましい例としては、メチルイミノ、エチルイミノ、プロピルイミノ、ブチルイミノ、およびフェニルイミノが挙げられ、
アミド基の好ましい例としては、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、およびN-メチルベンズアミドが挙げられ、
イミド基の好ましい例としては、アセトイミド、およびベンズイミドが挙げられる。
前記リン含有基の例としては、ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、およびホスファト基が挙げられる。
1〜R5、R8としては、特に、
水素原子
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどの炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基;
フェニル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルなどの炭素原子数6〜20、好ましくは6〜10のアリール基;
これらのアリール基の1つ以上の水素原子がハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基またはアリーロキシ基などで置換された置換アリール基
などの炭素原子数1〜20の炭化水素基が好ましく、R1〜R5のうち隣接する基同士が互いに結合して環を形成してもよい。
6およびR7としては、特に、炭素原子数1〜20の炭化水素基が好ましい。
《n》
式[A-1]において、nは1〜4の整数であり、Mの価数およびXの種類に応じて、遷移金属化合物(A−1)全体として電気的に中性になるように選択される。
《X》
式[A-1]において、Xはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、またはジエン系二価誘導体基である。
これらのハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、およびリン含有基の具体的な態様は、上述したR1〜R8としてのハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、およびリン含有基の具体的な態様と同様である。
前記ホウ素含有基の例としては、ボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基、ならびにアルキル基置換ホウ素、アリール基置換ホウ素、ハロゲン化ホウ素、およびアルキル基置換ハロゲン化ホウ素等の基が挙げられる。
アルキル基置換ホウ素の例としては、(Et)2B−、(iPr)2B−、(iBu)2B−、(Et)3B、(iPr)3B、または(iBu)3Bで表される基が挙げられ、
アリール基置換ホウ素の例としては、(C65)2B−、(C65)3B、(C65)3B、または(3,5-(CF3)263)3Bで表される基が挙げられ、
ハロゲン化ホウ素の例としては、BCl2−、またはBCl3で表される基が挙げられ、
アルキル基置換ハロゲン化ホウ素の例としては、(Et)BCl−、(iBu)BCl−、(C65)2BClで表される基が挙げられる。このうち三置換のホウ素については、配位結合した状態であることがある。ここで、Etはエチル基、iPrはイソプロピル基、iBuはイソブチル基を表す。
前記アルミニウム含有基の例としては、アルキル基置換アルミニウム、アリール基置換アルミニウム、ハロゲン化アルミニウム、アルキル基置換ハロゲン化アルミニウム等の基が挙げられる。
アルキル基置換アルミニウムの例としては、(Et)2Al−、(iPr)2Al−、(iBu)2Al−、(Et)3Al、(iPr)3Al、または(iBu)3Alで表される基が挙げられ、
アリール基置換アルミニウムの例としては、(C65)2Al−で表される基が挙げられ、
ハロゲン化アルミニウムの例としては、AlCl2−、またはAlCl3で表される基が挙げられ、
アルキル基置換ハロゲン化アルミニウムの例としては、(Et)AlCl−、(iBu)AlCl−で表される基が挙げられる。このうち三置換のアルミニウムについては、配位結合した状態であることがある。ここで、Etはエチル基、iPrはイソプロピル基、iBuはイソブチル基を表す。
前記ジエン系二価誘導体基の例としては、1,3−ブタジエニル基、イソプレニル(2−メチル−1,3−ブタジエニル)基、ピペリレニル(1,3−ペンタジエニル)基、2,4−ヘキサジエニル基、1,4−ジフェニル−1,3−ペンタジエニル基、シクロペンタジエニル基など、メタロシクロペンテン基が挙げられる。
またXは、Xの具体例として挙げた基同士が互いに結合した構造であって、Mと共に環を形成していてもよい。たとえば、Xは、2つのアルキル基が結合した構造のアルキレン基であって、このアルキレン基がMと共に環を形成していてもよい。
前記一般式[A-1]で表される遷移金属化合物(A−1)としては、
式[A-1]において、
Mはチタン原子、ジルコニウム原子、またはハフニウム原子であり、
nは1〜4の整数であり、
Xはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、またはジエン系二価誘導体基であり、
1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、またはリン含有基であり、R1〜R5のうち隣接する基同士は互いに結合して環を形成していてもよい遷移金属化合物(A−1a)が好ましい。
前記遷移金属化合物(A−1a)としては、
前記一般式[A-1]において、
Mはチタン原子であり、
1〜R5およびR8はそれぞれ独立に水素原子、または炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、R1〜R5のうち隣接する基同士は互いに結合して環を形成していてもよく、R6およびR7はそれぞれ独立に炭素原子数1〜20の炭化水素基である
遷移金属化合物(A−1b)が好ましい。
遷移金属化合物(A−1)の例としては、後述する第2の本発明に係る遷移金属化合物(A−1’)も挙げられる。
遷移金属化合物(A−1)の具体例としては、後述する第2の本発明に係る遷移金属化合物(A−1’)の具体例として挙げた化合物が挙げられ、その他にも下式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019172954
遷移金属化合物(A−1)の存在下でα−オレフィンと環状オレフィンとを重合すると、高い共重合性でα−オレフィン/環状オレフィン共重合体を製造することができる(すなわち、共重合体中に環状オレフィン由来の構造単位が多く含まれる。)。その理由としては、必ずしも定かではないが、シクロペンタジエニル配位子またはインデニル配位子の平面性が関与していると考えられ、重合反応を継続できるように助触媒とのイオンセパレーションを保つ程度の適度な立体的効果を発揮しながら、配位挿入する環状オレフィンに対しては立体的な障壁が低いことから、より環状オレフィンが効率よく重合できると推測される。
遷移金属化合物(A)の製造方法)
前記遷移金属化合物(A)は公知の方法を組み合わせることによって製造可能である。前記遷移金属化合物(A)のうち前記遷移金属化合物(A−1)の代表的な合成経路の一例を以下に示すが、特に製造方法が限定されるわけではない。製造方法としては、たとえば、
下記一般式[a-1]で表されるピラゾラト化合物(a-1)とアルキルリチウム(a-2)とを反応させて下記一般式[a-3]で表されるピラゾラト化合物のアニオン体(a-3)を製造する工程(1-1)、および
前記アニオン体(a-3)と下記一般式[a-4]で表される化合物(a-4)とを反応させて前記一般式[A-1]で表される遷移金属化合物(A−1)を製造する工程(1-2)
を含む製造方法が挙げられる。
Figure 2019172954
〔式[a-1]、式[a-3]および式[a-4]中、R1〜R8、M、Xおよびnは、それぞれ式[A-1]中のR1〜R8、M、Xおよびnと同義である。〕
まず、各種シクロペンタジエン化合物は公知の方法によって製造可能であり、特に製造方法が限定されるわけではない。例えば、特開2000−136195号公報、特開2009−24019号公報、特許第3674509号、WО1998/015510号公報、WО2000/049029号公報、「J.Оrganomet.Chem. 1999,577,211.」、「J.Organomet.Chem. 2003,677,133.」、「Оrganometallics 1988,7,1828.」、「Оrganometallics 1996,15,4857.」、「Оrganometallics 1997,16,2503.」、「Organometallics 2004,23,4693.」、「J.Am.Chem.Soc. 2004,126,2089.」、「Macromol.Chem.Phys. 2004,205,2275.」、「Оrg.Lett. 2008,10,2545.」、「Chem.Rev. 1992,92,965.」、「Science 2012,338,504.」「Organometallics2006,25,3824.」などに記載された製造方法が挙げられる。
各種シクロペンタジエン化合物から化合物(a-4)に誘導する方法は公知であり、特に製造方法が限定されるわけではない。公知の製造方法として、例えば「Organometallics2006,25,631.」、「Macromolecules2000,33,2796.」、「J.Organomet.Chem.1995,489,195.」、「J.Am.Chem.Soc.1996,118,1906.」、「Organometallics2006,25,3824.」などに記載された製造方法が挙げられる。
ピラゾラト化合物(a-1)は公知の方法によって製造可能であり、特に製造法が限定されるわけではない。公知の製造方法として例えば、「J.Org.Chem.1985,50,4736.」、「Inorg.Chem.2012,51,150.」、特開2012−121875号公報に記載された製造方法が挙げられる。
ピラゾラト化合物のアニオン体(a-3)は公知の方法によって製造可能であり、特に製造方法が限定されるわけではない。公知の製造方法として例えば前記ピラゾラト化合物の製造方法として挙げたものに加え、「Adv.Synth.Catal.2005,347,463.」「Organometallics,1997,16,2709.」、「Organometallics,2000,19,2707.」「Inorg.Chem.2009,48,5011.」などに記載された製造方法が挙げられる。
前記遷移金属化合物(A−1)は、一般式[a-4]で表される化合物(a-4)とピラゾラト化合物のアニオン体(a-3)を用いて公知の方法によって製造可能である。ただし、この際に所望の前記遷移金属化合物(A−1)の構造に対応するように、ピラゾラト化合物のアニオン体(a-3)および化合物(a-4)を特定の組み合わせで選択する。両者を反応させるには、公知の製造方法を参考にすることができ、そのような製造方法として、前記ピラゾラト化合物のアニオン体の製造方法に加え、例えば「Macromolecules,2011,44,1986.」などに記載された製造方法が挙げられる。
〈化合物(B)〉
《有機金属化合物(B-1》
有機金属化合物(B-1)(以下「成分(B−1)」ともいう。)としては、例えば、一般式(B−1a)で表される有機アルミニウム化合物(B−1a)、一般式(B−1b)で表される第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物(B−1b)、一般式(B−1c)で表される第2族または第12族金属のジアルキル化合物(B−1c)等の、第1、2族および第12、13族の有機金属化合物が挙げられる。
(B−1a):RamAl(ORb)npq
式(B−1a)中、RaおよびRbはそれぞれ独立に炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3を満たす数であり、かつm+n+p+q=3である。有機アルミニウム化合物(B−1a)としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド、トリシクロアルキルアルミニウムが挙げられる。
(B−1b):M2AlRa4
式(B−1b)中、M2はLi、NaまたはKであり、Raは炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基である。錯アルキル化物(B−1b)としては、例えば、LiAl(C254、LiAl(C7154が挙げられる。
(B−1c):RaRbM3
式(B−1c)中、RaおよびRbはそれぞれ独立に炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基であり、M3はMg、ZnまたはCdである。化合物(B−1c)としては、例えば、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジn−ブチルマグネシウム、エチルn−ブチルマグネシウム、ジフェニルマグネシウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジn−ブチル亜鉛、ジフェニル亜鉛が挙げられる。
有機金属化合物(B−1)の中では、有機アルミニウム化合物(B−1a)が好ましい。
有機金属化合物(B−1)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
《有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)》
有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)(以下「成分(B−2)」ともいう。)としては、従来公知のアルミノキサンをそのまま使用することができる。具体的には、下記一般式[B2-1]
Figure 2019172954
および/または下記一般式[B2-2]
Figure 2019172954
(式中、Rは炭素数1から10の炭化水素基、nは2以上の整数を示す)
で表わされる化合物、特開平2-78687号公報、特開平2-167305号公報に記載れたベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物、特開平3-103407号公報に記載されている二種類以上のアルキル基を有するアルミノキサンが挙げられる。
また、有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)として、下記一般式[B2-3]で表されるような修飾メチルアルミノキサン等も挙げられる。
Figure 2019172954
(式中、Rは炭素数1から10の炭化水素基、mおよびnはそれぞれ独立に2以上の整数を示す。)
この修飾メチルアルミノキサンはトリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のアルキルアルミニウムを用いて調製されるものである。このような化合物は一般にMMAOと呼ばれている。このようなMMAOは、米国特許第4960878号明細書および米国特許第5041584号明細書で挙げられている方法で調製することができる。
さらに、有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)として、下記一般式[B2-4]で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物も挙げることができる。
Figure 2019172954
(式中、Rcは炭素数1から10の炭化水素基を示す。Rdは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1から10の炭化水素基を示す。)
有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)としては、市販品のために入手が容易なメチルアルミノキサン、およびトリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを用いて調製したMMAOが好ましい。このうち、各種溶媒への溶解性および保存安定性が改良されたMMAOが特に好ましい。
《遷移金属錯体(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−3)》
遷移金属錯体(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−3)(以下「イオン性化合物(B−3)」または「成分(B−3)」ともいう。)としては、特開平1-501950号公報、特開平1-502036号公報、特開平3-179005号公報、特開平3-179006号公報、特開平3-207703号公報、特開平3-207704号公報、USP5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。ただし、前述の(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物は含まない。
イオン性化合物(B−3)としては、好ましくは下記一般式[B3-1]で表されるホウ素化合物が挙げられる。
Figure 2019172954
式中、Re+としては、H+、カルベニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。RfからRiは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1から20の炭化水素基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有基から選ばれる置換基であり、好ましくは置換アリール基である。
前記一般式[B3-1]で表されるホウ素化合物の例としては、国際公開第2015/122414号の[0133]〜[0144]に記載されたものを挙げることができる。
イオン性化合物(B−3)は、1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いでもよい。
〈化合物(C)〉
本発明のオレフィン重合用触媒は、前記遷移金属化合物(A)および前記化合物(B)に加えて、アルコール化合物(C−1)およびフェノール化合物(C−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を必須成分として含む。
前記アルコール化合物(C−1)の例としては、炭素原子数が1〜20のアルコール化合物が挙げられる。このようなアルコール化合物は、分子中のヒドロキシ基以外の部分が炭素原子と水素原子のみで構成されていることが好ましい。その様な化合物の具体的な例としてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノールが挙げられ、エタノールが好ましい。
前記フェノール化合物(C−2)の例としては、炭素原子数が6〜20のフェノール化合物が挙げられる。このようなフェノール化合物は、分子中のヒドロキシ基以外の部分が炭素原子と水素原子のみで構成されていることが好ましい。その様な化合物の具体的な例としては2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−ノニルフェノール、4−ヘキシルフェノール、4−イソプロピルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、p−ドデシルフェノール、2−フェニルフェノール、p−フェニルフェノールが挙げられ、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールが好ましく、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールが特に好ましい。
助触媒として使用されるメチルアルミノキサンにはトリアルキルアルミ種が含まれることが一般的に知られている。前記化合物(C)は重合阻害剤および連鎖移動剤として作用することが知られているトリアルキルアルミ種を失活させる効果が期待できるため、前記化合物(C)を含む本発明のオレフィン重合用触媒の存在下でオレフィン重合を行うと、高活性で、高分子量のオレフィン重合体を製造することができ、さらに本発明の一態様によれば、高い共重合性でα−オレフィン/環状オレフィン共重合体を製造することができるのではないかと推察される。
本発明のオレフィン重合用触媒は、必要に応じて、さらに(D)担体を含んでいてもよく、さらに(E)有機化合物を含んでいてもよい。
(担体(D))
前記担体(D)は、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体であり、触媒成分として遷移金属錯体および担体を使用したオレフィン重合において従来使用されているもの、たとえば特開2011-122146号公報の[0110]〜[0122]に記載されたものを使用することができる。
(有機化合物成分(E))
前記オレフィン重合用触媒の構成成分として、必要に応じて有機化合物成分(E)を用いてもよい。有機化合物成分(E)は、重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で使用される。有機化合物成分(E)としては、例えば、カルボン酸、リン化合物、アミド、ポリエーテルおよびスルホン酸塩等が挙げられる。
本発明のオレフィン重合用触媒は、オレフィンを重合するための触媒として、たとえば後述するα−オレフィン(Z−1)と環状オレフィン(Z−2)とを共重合するための触媒として有用である。
〔オレフィン重合体の製造方法〕
第1の本発明のオレフィン重合体の製造方法は、上述した本発明のオレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンを重合することを特徴としている。
本発明のオレフィン重合体の製造方法においては、1種のオレフィンを重合してオレフィン単独重合体を製造してもよく、2種以上のオレフィンを共重合してオレフィン共重合体を製造してもよい。本明細書においては、重合と共重合とを特に区別することなく「重合」とも記載し、オレフィン単独重合体とオレフィン共重合体とを特に区別することなく「オレフィン重合体」とも記載する。
重合における、本発明のオレフィン重合用触媒を構成する各成分の使用法、重合器への添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。以下では、遷移金属錯体(A)、化合物(B)、化合物(C)、担体(D)および有機化合物成分(E)を、それぞれ「成分(A)〜(E)」ともいう。
(1)成分(A)、成分(B)および成分(C)を任意の順序で重合器に添加する方法。(2)成分(A)を成分(D)に担持した触媒成分と、成分(B)と、成分(C)とを任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)成分(B)を成分(D)に担持した触媒成分と、成分(A)と、成分(C)とを任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)成分(C)を成分(D)に担持した触媒成分と、成分(A)と、成分(B)とを任意の順序で重合器に添加する方法。
(5)成分(A)と成分(B)とを成分(D)に担持した触媒成分と、成分(C)とを任意の順序で重合器に添加する方法。
(6)成分(A)と成分(B)と成分(C)とを成分(D)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
上記の各方法においては、任意の段階で成分(E)が添加されてもよい。
上記の各方法においては、各触媒成分の少なくとも2種は予め接触されていてもよい。
成分(B)が担持されている上記(3)、(4)の各方法においては、必要に応じて担持されていない成分(B)を、任意の順序で添加してもよい。この場合、成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。また、成分(D)に成分(A)が担持された固体触媒成分、成分(D)に成分(A)および成分(B)が担持された固体触媒成分は、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された固体触媒成分上に、さらに触媒成分が担持されていてもよい。
オレフィンの重合は、溶液重合、懸濁重合等の液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。不活性炭化水素媒体は1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、遷移金属化合物(A)は、反応容積1リットル当り、通常1×10-12〜1×10-2モル、好ましくは1×10-10〜1×10-3モルになるような量で用いられる。
有機金属化合物(B−1)は、有機金属化合物(B−1)と、遷移金属化合物(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−1)/M〕が通常0.01〜50,000、好ましくは0.05〜10,000となるような量で用いられる。
有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)は、有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)中のアルミニウム原子と、遷移金属化合物(A)中の全遷移金属(M)とのモル比〔(B−2)/M〕が、通常10〜5,000、好ましくは20〜2,000となるような量で用いられる。
イオン化イオン性化合物(B−3)は、イオン化イオン性化合物(B−3)と、遷移金属化合物(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−3)/M〕が、通常1から10,000、好ましくは1から5,000となるような量で用いられる。
化合物(C)は、有機金属化合物(B−1)に対してモル比で、通常0.1〜10、好ましくは0.25〜2となる量で用いられる。
化合物(C)は、有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)に対して、有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)中のアルミニウム原子に対するモル比で、通常0.1〜10、好ましくは0.25〜2となる量で用いられる。
化合物(C)は、イオン性化合物(B−3)に対してモル比で、通常0.1〜100、好ましくは0.2〜5となる量で用いられる。
担体(D)を用いる場合は、遷移金属化合物(A)と担体(D)との重量比〔(A)/(D)〕が好ましくは0.0001〜1、より好ましくは0.0005〜0.5、さらに好ましくは0.001〜0.1となるような量で用いられる。
本発明の製造方法において、前記重合工程における重合温度は、通常−50〜+200℃、好ましくは0〜180℃であり;重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜5MPaゲージ圧である。重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法において行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる二段以上に分けて行うこともできる。
得られるオレフィン重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させるか、化合物(B)の使用量により調節することができる。水素を添加する場合、その量は生成するオレフィン重合体1kgあたり0.001から5,000NL程度が適当である。
本発明のオレフィン重合体の製造方法において重合反応に供されるオレフィンの例としては、直鎖状または分岐状のα−オレフィン、および環状オレフィンが挙げられる。
本発明のオレフィン重合用触媒は、直鎖状または分岐状のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合(付加重合)、特にオレフィンと環状オレフィンとの共重合に好ましく用いることが出来る。さらにはエチレンと環状オレフィンとの共重合に好ましく用いることが出来る。特に遷移金属化合物(A−1)を用いた態様がオレフィン、特にエチレンと環状オレフィンとの共重合に好ましく用いられる。
(Z−1)炭素原子数2〜30の直鎖状または分岐状のα−オレフィン
前記直鎖状または分岐状のα−オレフィンとしては、炭素原子数2〜30の直鎖状または分岐状のα−オレフィン(Z−1)が挙げられる。
α−オレフィン(Z−1)の炭素原子数は、好ましくは2〜20である。
α−オレフィン(Z−1)の具体例としてはエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、および1−エイコセンが挙げられる。
(Z−2)一般式[Z-I]、一般式[Z-II]、一般式[Z-III]または一般式[Z-IV]で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン
前記環状オレフィンとしては、下記一般式[Z-I]、一般式[Z-II]、一般式[Z-III]または一般式[Z-IV]で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン(Z−2)が挙げられる。
Figure 2019172954
〔式[Z-I]中、uは0または1であり、
vは0または正の整数であり、
wは0または1であり、
61〜R78ならびにRa1およびRb1は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、R75〜R78は、互いに結合して単環または、多環を形成していてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよく、またR75とR76とで、またはR77とR78とでアルキリデン基を形成していてもよい。〕
Figure 2019172954
〔式[Z-II]中、xおよびdは0または1以上の整数であり、
yおよびzは0、1または2であり、
81〜R99は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、R89およびR90が結合している炭素原子と、R93が結合している炭素原子またはR91が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またy=z=0のとき、R95とR92またはR95とR99とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。〕
Figure 2019172954
〔式[Z-III]中、R100およびR101は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基であり、fは1≦f≦18である。〕
Figure 2019172954
〔一般式[Z-IV]中、xは0または1以上の整数であり、
111〜R118は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、
121〜R124は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、隣接する2つの基は互いに結合し単環または複環の芳香族環を形成していてもよい。〕
以下、一般式[Z-I]、一般式[Z-II]、一般式[Z-III]、および一般式[Z-IV]について詳説する。
《一般式[Z-I]》
式[Z-I]中、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1である。なおwが1の場合には、wを用いて表される環は6員環となり、wが0の場合には、この環は5員環となる。
61〜R78ならびにRa1およびRb1は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基である。
ここで、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。
前記炭化水素基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシルなどの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;ビニル、アリル、イソプロペニルなどの炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;エチニル、プロパルギルなど炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、アダマンチル、ノルボニル、テトラシククロドデシルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20のシクロアルキル基;シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニルなどの炭素原子数5〜30の環状不飽和炭化水素基;フェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルなどの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;トリル、iso−プロピルフェニル、t−ブチルフェニル、ジメチルフェニル、ジ−t−ブチルフェニルなどのアルキル置換アリール基などが挙げられる。
上記炭化水素基は、水素原子がハロゲンで置換されていてもよく、たとえば、モノトリフルオロメチル、ジトリフルオロメチル、モノフルオロフェニル、ジフルオロフェニル、トリフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、クロロフェニルなどの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アリール基が挙げられる。
また、上記炭化水素基は、他の炭化水素基で置換されていてもよく、例えば、ベンジル、クミルなどのアリール置換アルキル基などが挙げられる。
さらに、上記炭化水素基は、ヘテロ環式化合物残基;アルコキシ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などの酸素含有基;アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったものなどの窒素含有基;ボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホウ素含有基;メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などのイオウ含有基;ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などのリン含有基、ケイ素含有基;ゲルマニウム含有基;またはスズ含有基を有していてもよい。
上記炭化水素基としては、特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシルなどの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチル、ノルボニル、テトラシククロドデシル等の炭素原子数3〜30、好ましくは3〜20のシクロアルキル基;フェニル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルなどの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基またはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基などが好ましい。
さらに上記一般式[Z-I]において、R75とR76とが、R77とR78とが、R75とR77
が、R76とR78とが、R75とR78とが、またはR76とR77とがそれぞれ結合して(互いに共同して)、単環または多環の基を形成していてもよく、しかもこのようにして形成された単環または多環が二重結合を有していてもよい。ここで形成される単環または多環としては、具体的に以下のようなものが挙げられる。
Figure 2019172954
なお、上記例示において、1または2の番号を付した炭素原子は、上記一般式(I)においてそれぞれR75(R76)またはR77(R78)が結合している炭素原子を表す。
また、R75とR76とで、またはR77とR78とでアルキリデン基を形成していてもよい。このようなアルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリデン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例としては、エチリデン、プロピリデン、イソプロピリデンなどが挙げられる。
《一般式[Z-II]》
式[Z-II]中、xおよびdは0または正の整数であり、yおよびzは0、1または2である。
また、R81〜R99は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基である。
ハロゲン原子、炭化水素基としてはとしては、上記式[Z-I]中のハロゲン原子、炭化水素基と同じものを例示できる。
ここで、R89およびR90が結合している炭素原子と、R93が結合している炭素原子またはR91が結合している炭素原子とは、直接または炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわち、上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合している場合には、R89とR93とが、または、R90とR91とが互いに共同して、メチレン基(−CH2−)、エチレン基(−CH2CH2-)またはプロピレン基(−CH2CH2CH2−)の内のいずれかのアルキレン基を形成している。
さらに、y=z=0のとき、R95とR92またはR95とR99とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。具体的には、y=z=0のとき、R95とR92とにより形成される以下のような芳香族環が挙げられる。
Figure 2019172954
ここで、lは上記一般式[Z-II]におけるdと同じである。
《一般式[Z-III]》
式[Z-III]中、R100とR101は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基であり、またfは1≦f≦18である。
炭素原子数1〜5の炭化水素基としては好ましくはアルキル基、ハロゲン化アルキル基またはシクロアルキル基を挙げることができる。これらの具体例は上記式[Z-I]のR61〜R78の具体例と同様である。
《一般式[Z-IV]》
一般式[Z-IV]において、xは0または1以上の整数である。
111〜R118およびR121〜R124は水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基から選ばれ、互いに同一でも異なっていてもよい。
ハロゲン原子、炭化水素基としてはとしては、上記式[Z-I]中のハロゲン原子、炭化水素基と同じものを例示できる。
また、R121〜R124の隣接する2つの基は互いに結合して単環または複環の芳香族環を形成していてもよい。これらのうち、R121とR122が結合して芳香族環が形成される環状オレフィンとして具体的には、以下のような構造が挙げられる。
Figure 2019172954
Figure 2019172954
また、R122とR123が結合して芳香族環が形成される環状オレフィンとして具体的には、以下のような構造が挙げられる。
Figure 2019172954
Figure 2019172954
また、R121とR122、R123とR124が結合して芳香族環が形成される環状オレフィンとして具体的には、以下のような構造が挙げられる。
Figure 2019172954
これらの芳香族環上にハロゲン原子、アルキル基、およびアリール基から選ばれる置換基が置換された環状オレフィンも例として挙げられる。
上記一般式[Z-I]、[Z-II]、[Z-III]または[Z-IV]で表される環状オレフィンの具体例としては、
ビシクロ−2−ヘプテンおよびその誘導体(ビシクロヘプト−2−エンおよびその誘導体)、トリシクロ−3−デセンおよびその誘導体、トリシクロ−3−ウンデセンおよびその誘導体、テトラシクロ−3−ドデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ−4−ペンタデセンおよびその誘導体、ペンタシクロペンタデカジエンおよびその誘導体、ペンタシクロ−3−ペンタデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ−4−ヘキサデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ−3−ヘキサデセンおよびその誘導体、ヘキサシクロ−4−ヘプタデセンおよびその誘導体、ヘプタシクロ−5−エイコセンおよびその誘導体、ヘプタシクロ−4−エイコセンおよびその誘導体、ヘプタシクロ−5−ヘンエイコセンおよびその誘導体、オクタシクロ−5−ドコセンおよびその誘導体、ノナシクロ−5−ペンタコセンおよびその誘導体、ノナシクロ−6−ヘキサコセンおよびその誘導体、シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンおよびその誘導体、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンおよびその誘導体、炭素原子数3〜20のシクロアルキレンおよびその誘導体、ベンゾノルボルナジエンおよびその誘導体、1,4−ジヒドロ−1,4−メタノアントラセンおよびその誘導体などが挙げられる。
以下に、上記一般式[Z-I]、[Z-II]、[Z-III]または[Z-IV]で表される環状オレフィンのさらに具体的な例を示す。
Figure 2019172954
Figure 2019172954
Figure 2019172954
Figure 2019172954
Figure 2019172954
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Figure 2019172954
Figure 2019172954
Figure 2019172954
Figure 2019172954
シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロデセン、シクロドデセン、シクロエイコセンなど。
ベンゾノルボルナジエンおよびその誘導体
Figure 2019172954
1,4−ジヒドロ−1,4−メタノアントラセンおよびその誘導体
Figure 2019172954
これらの中では、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンおよびその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンおよびその誘導体、ベンゾノルボルナジエンおよびその誘導体、1,4−ジヒドロ−1,4−メタノアントラセンおよびその誘導体、ならびにペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセンおよびその誘導体が好ましく、特にビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、ベンゾノルボルナジエン、1,4−ジヒドロ−1,4−メタノアントラセン、および1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンが好ましい。
これらの一般式[Z-I]、[Z-II]、[Z-III]または[Z-IV]で表される環状オレフィン(Z−2)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
本発明のオレフィン重合体の製造方法において重合反応に供されるオレフィンの例としては、さらに、共役/非共役ポリエン、ビニルシクロヘキサンが挙げられる。
前記共役/非共役ポリエンとしては、炭素原子数が4〜30、好ましくは4〜20であり、2つ以上の二重結合を有する環状または鎖状の炭化水素が挙げられる。その具体例としては、ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエンブタジエン、イソプレン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどの特開2011−122146号公報の[0211]に例示された化合物が挙げられる。
本発明のオレフィン重合体の製造方法においては、上述したオレフィンと共に、オレフィン以外の重合性化合物を重合してもよく、このような重合性化合物の例としては、極性基および重合性不飽和結合を有する化合物、芳香族ビニル化合物、および官能基含有スチレン誘導体が挙げられる。
極性基および重合性不飽和結合を有する化合物の具体例としては、特開2011−122146号公報の[0208]〜[0211]に極性基を有する不飽和炭化水素として例示された化合物が挙げられる。
芳香族ビニル化合物および官能基含有スチレン誘導体の具体例としては、特開2011−122146号公報の[0211]に例示された化合物が挙げられる。
本発明の製造方法の好ましい態様としては、前記α−オレフィン(Z−1)と前記環状オレフィン(Z−2)とを共重合する態様が挙げられる。この態様においては、前記α−オレフィン(Z−1)としてはエチレンが好ましく、前記環状オレフィン(Z−2)としてはテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが好ましい。
前記α−オレフィン(Z−1)と、前記環状オレフィン(Z−2)とを共重合する場合は、α−オレフィン(Z−1)の圧力と環状オレフィン(Z−2)の濃度を任意に設定することができ、特に限定されるものではない。α−オレフィン(Z−1)の圧力は前記重合圧力が好ましく、環状オレフィン(Z−2)の濃度は0.001〜100M、好ましくは0.01〜10Mであり、より好ましくは0.1〜1Mである。
[第2の本発明]
〔遷移金属化合物〕
第2の本発明に係る遷移金属化合物(以下「遷移金属化合物(A−1’)」ともいう。)は、下記一般式[A-1'-1]または[A-1'-2]で表される。
Figure 2019172954
[遷移金属化合物(A−1’−1)]
まず、式[A-1'-1]で表される遷移金属化合物(以下「遷移金属化合物(A−1’−1)」ともいう。)について説明する。
《M》
式[A-1]において、Mはチタン原子、ジルコニウム原子、またはハフニウム原子を示
し、好ましくはチタン原子、またはジルコニウム原子を示し、さらに好ましくはチタン原
子を示す。
《R 1 〜R 5 およびR 8
式[A-1]において、R1〜R5およびR8はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜2
0の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有
基、イオウ含有基、またはリン含有基であり、R1〜R5のうち隣接する基同士は互いに結
合して環を形成していてもよい。
1〜R5およびR8の具体的態様としては、上述した第1の本発明で使用され得る遷移金属化合物(A−1)を表す式[A-1]におけるR1〜R 8の具体的態様として例示したものが挙げられる。
1としては、特に、
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-
ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどの炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10の直
鎖状または分岐状のアルキル基;
フェニル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルな
どの炭素原子数6〜20、好ましくは6〜10のアリール基;
これらのアリール基の1つ以上の水素原子がハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基
、アリール基またはアリーロキシ基などで置換された置換アリール基
などの炭素原子数1〜20の炭化水素基が好ましい。
2〜R5としては、特に、水素原子が好ましい。
《R 6 およびR 7
式[A-1'-1]において、R6およびR7はそれぞれ独立にハロゲン原子またはハロゲン含有基であり、好ましくはハロゲン含有基である。
前記ハロゲン原子の例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が好ましい。
前記ハロゲン含有基としては、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロピル、ノナフルオロ-tert-ブチル、ペンタフルオロフェニル、クロロフェニルなどの炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10のハロゲン化炭化水素基が挙げられ、より好ましくはトリフルオロメチル基である。
《n》
式[A-1'-1]において、nは1〜4の整数であり、Mの価数およびXの種類に応じて、遷移金属化合物(A−1’−1)全体として電気的に中性になるように選択される。
《X》
式[A-1'-1]において、Xはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、またはジエン系二価誘導体基である。
Xの具体的態様としては、上述した第1の本発明で使用され得る遷移金属化合物(A−1)を表す式[A-1]におけるXの具体的態様として例示したものが挙げられる。
遷移金属化合物(A−1’−1)の具体例としては、下式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019172954
遷移金属化合物(A−1’−1)の存在下でオレフィンを重合すると、高活性で、高分子量のオレフィン重合体を製造することができる。その理由としては、必ずしも定かではないが、ピラゾラト配位子に存在する電子吸引性のハロゲン原子またはハロゲン含有基によって、中心金属のカチオン性が高まり、結果、中心金属により強くオレフィンが配位することで重合が進行し易くなるからであると推測される。
[遷移金属化合物(A−1’−2)]
次に、式[A-1'-2]で表される遷移金属化合物(以下「遷移金属化合物(A−1’−2)」ともいう。)について説明する。
《M》
式[A-1'-2]において、Mはチタン原子、ジルコニウム原子、またはハフニウム原子を示し、好ましくはチタン原子、またはジルコニウム原子を示し、さらに好ましくはチタン原子を示す。
《R 11 〜R 20
式[A-1'-2]において、R11〜R20はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、またはリン含有基であり、これらのうち隣接する基同士は互いに結合して環を形成していてもよい。
11〜R20の具体的態様としては、上述した第1の本発明で使用され得る遷移金属化合物(A−1)を表す式[A-1]におけるR1〜R8の具体的態様として例示したものが挙げられる。
11〜R20のうち隣接する基同士が互いに結合して形成された環を有するインデニル部の例としては、以下の環構造が挙げられ、該環構造はさらに置換基を有していてもよい。
Figure 2019172954
11〜R17としては、特に、水素原子が好ましい。
18およびR19としては、特に、炭素原子数1〜20の炭化水素基が好ましい。
《n》
式[A-1'-2]において、nは1〜4の整数であり、Mの価数およびXの種類に応じて、遷移金属化合物(A−1’−2)全体として電気的に中性になるように選択される。
《X》
式[A-1'-2]において、Xはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、またはジエン系二価誘導体基である。
Xの具体的態様としては、上述した第1の本発明で使用され得る遷移金属化合物(A−1)を表す式[A-1]における式[A-1]におけるXの具体的態様として例示したものが挙げられる。
遷移金属化合物(A−1’−2)の具体例としては、下式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019172954
遷移金属化合物(A−1’−2)の存在下でα−オレフィンと環状オレフィンとを重合すると、高い共重合性でα−オレフィン/環状オレフィン共重合体を製造することができる(すなわち、共重合体中に環状オレフィン由来の構造単位が多く含まれる。)。その理由としては、必ずしも定かではないが、インデニル配位子の平面性が関与していると考えられ、重合反応を継続できるように助触媒とのイオンセパレーションを保つ程度の適度な立体的効果を発揮しながら、配位挿入する環状オレフィンに対しては立体的な障壁が低いことから、より環状オレフィンが効率よく重合できると推測される。
〔遷移金属化合物(A−1’)の製造方法〕
第2の本発明に係る遷移金属化合物(A−1’)は、上述した上述した第1の本発明で使用され得る遷移金属化合物(A−1)の製造方法により製造することができる。
〔オレフィン重合用触媒〕
第2の本発明に係る重合用触媒は、
(A−1’)上述した第2の本発明に係る遷移金属化合物と、
(B)(B−1)有機金属化合物、
(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B−3)遷移金属化合物(A−1’)と反応してイオン対を形成する化合物
からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と
を含むことを特徴としている。
本発明のオレフィン重合用触媒は、必要に応じて、さらに(D)担体を含んでいてもよく、さらに(E)有機化合物を含んでいてもよい。
〈化合物(B)〉
化合物(B)の詳細は、上述した第1の本発明に係るオレフィン重合用触媒に含まれる化合物(B)の説明の欄で説明したとおりである。
〈担体(D)〉
担体(D)の詳細は、上述した第1の本発明に係るオレフィン重合用触媒に含まれる担体(D)の説明の欄で説明したとおりである。
〈有機化合物成分(E)〉
有機化合物成分(E)は、重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で使用される。有機化合物成分(E)としては、例えば、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物、アミド、ポリエーテルおよびスルホン酸塩等が挙げられる。
〔オレフィン重合体の製造方法〕
第2の本発明に係るオレフィン重合体の製造方法は、上述した第2の本発明に係るオレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンを重合することを特徴としている。
第2の本発明に係るオレフィン重合体の製造方法においては、1種のオレフィンを重合してオレフィン単独重合体を製造してもよく、2種以上のオレフィンを共重合してオレフィン共重合体を製造してもよい。本明細書においては、重合と共重合とを特に区別することなく「重合」とも記載し、オレフィン単独重合体とオレフィン共重合体とを特に区別することなく「オレフィン重合体」とも記載する。
重合における、本発明のオレフィン重合用触媒を構成する各成分の使用法、重合器への添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。以下では、遷移金属錯体(A−1’)、化合物(B)、担体(D)および有機化合物成分(E)を、それぞれ「成分(A−1’)〜(E)」ともいう。
(1)成分(A−1’)を単独で重合器に添加する方法。
(2)成分(A−1’)および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)成分(A−1’)を成分(D)に担持した触媒成分と、成分(B)とを任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)成分(B)を成分(D)に担持した触媒成分と、成分(A−1’)とを任意の順序で重合器に添加する方法。
(5)成分(A−1’)と成分(B)とを成分(D)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
上記の各方法においては、任意の段階で成分(E)が添加されてもよい。
上記の各方法においては、各触媒成分の少なくとも2種は予め接触されていてもよい。
成分(B)が担持されている上記(4)、(5)の各方法においては、必要に応じて担持されていない成分(B)を、任意の順序で添加してもよい。この場合、成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。また、成分(D)に成分(A−1’)が担持された固体触媒成分、成分(D)に成分(A−1’)および成分(B)が担持された固体触媒成分は、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された固体触媒成分上に、さらに触媒成分が担持されていてもよい。
オレフィンの重合は、溶液重合、懸濁重合等の液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。不活性炭化水素媒体は1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、遷移金属化合物(A−1’)は、反応容積1リットル当り、通常10-12〜10-2モル、好ましくは10-10〜10-3モルになるような量で用いられる。
有機金属化合物(B−1)は、有機金属化合物(B−1)と、遷移金属化合物(A−1’)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−1)/M〕が通常0.01〜50,000、好ましくは0.05〜10,000となるような量で用いられる。
有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)は、有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)中のアルミニウム原子と、遷移金属化合物(A−1’)中の全遷移金属(M)とのモル比〔(B−2)/M〕が、通常10〜5,000、好ましくは20〜2,000となるような量で用いられる。
イオン化イオン性化合物(B−3)は、イオン化イオン性化合物(B−3)と、遷移金属化合物(A−1’)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−3)/M〕が、通常1から10,000、好ましくは1から5,000となるような量で用いられる。
担体(D)を用いる場合は、遷移金属化合物(A−1’)と担体(D)との重量比〔(A−1’)/(D)〕が好ましくは0.0001〜1、より好ましくは0.0005〜0.5、さらに好ましくは0.001〜0.1となるような量で用いられる。
本発明の製造方法において、前記重合工程における重合温度は、通常−50〜+200℃、好ましくは0〜180℃であり;重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜5MPaゲージ圧である。重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法において行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる二段以上に分けて行うこともできる。
得られるオレフィン重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させるか、化合物(B)の使用量により調節することができる。水素を添加する場合、その量は生成するオレフィン重合体1kgあたり0.001から5,000NL程度が適当である。
第2の本発明に係るオレフィン重合体の製造方法において重合反応に供されるオレフィンの例としては、直鎖状または分岐状のα−オレフィン、および環状オレフィンが挙げられる。これらの詳細は、上述した第1の本発明に係るオレフィン重合体の製造方法の説明の中で説明したとおりである。
[第3の本発明]
〔環状オレフィン共重合体〕
第3の本発明に係る環状オレフィン共重合体は、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、デセンなどの直鎖状α−オレフィン、特にエチレンと、環状オレフィンとの共重合体であり、特定の連鎖構造を持つことを特徴とする。すなわち、第3の本発明に係る環状オレフィン共重合体は、
下記一般式[Z']で表される構造単位(z−1')、および
下記一般式[Z-I']、一般式[Z-II']、一般式[Z-III']または一般式[Z-IV']で表される構造単位(z−2')
を含み、下記要件[I]を満たす
環状オレフィン共重合体である。
Figure 2019172954
〔式[Z']中、R300は水素原子又は炭素原子数1〜29の直鎖状または分岐状の炭化水素基を示す。〕
Figure 2019172954
〔式[Z-I']中、uは0または1であり、
vは0または正の整数であり、
u+v≧1を満たし、
wは0または1であり、
61〜R78ならびにRa1およびRb1は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、R75〜R78は、互いに結合して単環または、多環を形成していてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよく、またR75とR76とで、またはR77とR78とでアルキリデン基を形成していてもよい。〕
Figure 2019172954
〔式[Z-II']中、xおよびdは0または1以上の整数であり、
yおよびzは0、1または2であり、
81〜R99は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、R89およびR90が結合している炭素原子と、R93が結合している炭素原子またはR91が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またy=z=0のとき、R95とR92またはR95とR99とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。〕
Figure 2019172954
〔式[Z-III']中、R100およびR101は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基であり、fは1≦f≦18である。〕
Figure 2019172954
〔一般式[Z-IV']中、xは0または1以上の整数であり、
111〜R118は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、
121〜R124は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、隣接する2つの基は互いに結合し単環または複環の芳香族環を形成していてもよい。〕
要件[I]:前記構造単位(z−2')(以下「[CO]」とも記載する。)の二連子連鎖構造(以下「[CO]−[CO]構造」とも記載する。)の割合が0.5〜30モル%である。
〔ただし、前記構造単位(z−1’)(以下「[E]」とも記載する。)の二連子連鎖構造([以下「[E]−[E]構造」とも記載する。)の割合、前記構造単位(z−1’)と前記構造単位(z−2’)との連結構造(以下「[E]−[CO]構造」とも記載する。)の割合、および前記構造単位(z−2’)の二連子連鎖構造([CO]-[CO]構造)の割合の合計を100モル%とする。〕
本発明に係る環状オレフィン共重合体は、たとえば、以下の方法によって製造することができる。
(方法1):上述した第1の本発明に係るオレフィン重合体の製造方法において、遷移金属化合物(A)として遷移金属化合物(A−1)を使用し、上記一般式[Z']で表される構造単位(z−1')に対応する、上述した炭素原子数2〜30の直鎖状または分岐状のα−オレフィン(Z−1)と、上記一般式[Z-I']、一般式[Z-II']、一般式[Z-III']または一般式[Z-IV']で表される構造単位(z−2')に対応する、上述した上記一般式[Z-I](ただし、u+v≧1である。)、一般式[Z-II]、一般式[Z-III]または一般式[Z-IV]で表される環状オレフィン(Z−2)とを付加重合する。
(方法2):前記方法1において、オレフィン重合用触媒中に、上述した、アルコール化合物(C−1)およびフェノール化合物(C−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を含ませることなく、重合を行う。
(方法3):上述した第2の本発明に係るオレフィン重合体の製造方法において、上記一般式[Z']で表される構造単位(z−1')に対応する、上述した炭素原子数2〜30の直鎖状または分岐状のα−オレフィン(Z−1)と、上記一般式[Z-I']、一般式[Z-II']、一般式[Z-III']または一般式[Z-IV']で表される構造単位(z−2')に対応する、上述した上記一般式[Z-I](ただし、u+v≧1である。)、一般式[Z-II]、一般式[Z-III]または一般式[Z-IV]で表される環状オレフィン(Z−2)とを付加重合する。
前記α−オレフィン(Z−1)としては、エチレンが好ましい。
前記環状オレフィン(Z−2)に関して、置換基を有するノルボルネンのような複環式構造には、endo体とexo体とがある。本発明において、endo/exo比の範囲は特に制限はない。
本発明の環状オレフィン共重合体は、本発明の目的を損なわない範囲で、前記の構造単位以外の構造が含まれていてもよい。例えば、第1の発明において例示したジエン化合物由来の構造単位、芳香族ビニル化合物由来の構造単位など、公知の化合物の構造単位を含んでいてもよい。他の構造単位の含有率は、好ましくは10重量%以下、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。
〈要件[I]〉
前記構造単位(z−2')(すなわち、前記環状オレフィン(Z−2)由来の構造単位)の二連子連鎖構造([CO]−[CO]構造)の割合は、0.5〜30モル%の範囲にある。ただし、この値は、前記構造単位(z−1’)の二連子連鎖構造([E]−[E]構造)の割合、前記構造単位(z−1’)と前記構造単位(z−2’)との連結構造([E]−[CO]構造)の割合、および前記構造単位(z−2’)の二連子連鎖構造([CO]−[CO]構造)の割合の合計を100モル%とした場合の値である。
前記構造単位(z−2’)の二連子連鎖構造([CO]−[CO]構造)の割合の下限値は、好ましくは0.7モル%、より好ましくは1.0モル%、さらに好ましくは2.0モル%、特に好ましくは5.0モル%、殊に好ましくは7.0モル%である。一方、その上限値は、好ましくは28モル%、より好ましくは26モル%、さらに好ましくは25モル%、特に好ましくは23モル%、殊に好ましくは21モル%である。
本発明者らが調べた限りでは、(環状オレフィンとしてノルボルネン骨格(本発明の請求の範囲外)の連鎖構造とオレフィン由来の構造とを相当量有する物質は知られているが、)従来のオレフィンと環状オレフィン共重合体との共重合体の中で、前記[CO]−[CO]構造が相当量観察されるとする環状オレフィン共重合体は報告されておらず、そのガラス転移温度の報告も知られていない。
エチレンとノルボルネンとの共重合体に関しては、従来、ノルボルネン由来の構造単位が50モル%を超える組成の共重合体が報告されているが、この共重合体と比べて本発明に係る共重合体は、極めて高いガラス転移温度を有する。加えて、後述する実施例および比較例の結果からわかる通り、本発明の環状オレフィン共重合体は、前記[CO]−[CO]構造によると考えられるガラス転移温度の向上効果は大変高いと考えられる傾向を有する。例えば、本発明の実施例、比較例に示した通り、本発明に係るエチレン−テトラシクロドデセン共重合体は、前記[CO]の含有率が50モル%を少し超えただけでも210℃を超すガラス転移温度を示し得る。また、本発明に係る共重合体は、前記[CO](前記構造単位(z−2’)の含有率)が40モル%〜50モル%程度であっても、190℃前後の高いガラス転移温度を示すことができ、すなわちこの程度の[CO]の含有率であっても、[CO]−[CO]構造の影響を受けたであろう高いガラス転移温度を示す。これらのガラス転移温度は、従来の知見からは予想し得ない値であると考えることが出来る。
本発明の環状オレフィン共重合体には、特定の嵩高く大きな環状オレフィン構造の連鎖構造(すなわち、[CO]−[CO]構造)が特定の割合で含まれている。そのため本発明の環状オレフィン共重合体は、その特異な構造の部分によって、当該重合体分子鎖の運動が想像以上に大きく制限されるため、従来に無い高いガラス転移温度を示すものと推測される。
また、本発明の環状オレフィン共重合体は、好ましくは[E]−[CO]構造も比較的高い割合で含む。本発明の環状オレフィン共重合体において、[E]−[CO]構造の割合と[CO]−[CO]構造の割合との和は、好ましくは75〜99モル%である。その下限値は、より好ましくは80モル%、さらに好ましくは85モル%である。その上限値は、り好ましくは98モル%、さらに好ましくは97モル%である。
このような構造を有することも、本発明に係る環状オレフィン共重合体が高いガラス転移温度を示すことの他、優れた透明性を示す上で好ましいと考えられる。
上記の連鎖構造は、13C NMR法を用いて特定することができる。この際、構造によっては通常の13C NMR法では各炭素のシグナルの特定が困難な場合がある。このような場合は、2次元NMR法の一つであるINADEQUATE法で帰属を決定するなどの方法を用いればよい。後述する実施例におけるエチレンとテトラシクロドデセンとの共重合体においては、前記INADEQUATE法によって、[CO]−[CO]構造に由来する炭素の、50〜56ppmの領域のシグナルが観測されることが見い出された。その他の[E]−[E]構造および[E]−[CO]構造のシグナルは、過去の報告など、常法によって特定することができる。
上述した[CO]−[CO]構造の割合、[E]−[E]構造の割合、[E]−[CO]構造の割合の値は、本発明の環状オレフィン共重合体について、以下の条件またはこれと同等の条件でNMR測定を行い、それぞれ対応するシグナルの強度を基に、常法で決定される値である。
測定装置:ブルカー・バイオスピン製AVANCE III cryo-500型核磁気共鳴装置
測定核: 13C (125MHz)
測定モード: シングルバルスプロトンデカップリング
バルス幅: 90°(10.0μs)
測定範囲: -55〜195ppm
ケミカルシフト基準: 1,1,2,2,テトラクロロエタン-d2(74.2ppm)
繰り返し時間: 12秒
積算回数: 256回以上(INADEQUATE測定時は1024回以上)
測定溶媒; 1,1,2,2,テトラクロロエタン-d2
試料濃度: 10%w/v
測定温度: 120℃
また、環状オレフィン共重合体においては、分子量が高くなると、ガラス転移温度が低下することがあるが、本発明の環状オレフィン共重合体は、分子量が高くても高いガラス転移温度を示す傾向がある。これも上記の[CO]−[CO]構造や、[E]−[CO]構造の好ましい規定を満たすためではないかと本発明者らは推測している。
〈要件[II]〉
本発明の環状オレフィン共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で決定される値で、5×104以上、10×105以下であることが好ましい。その下限値は、より好ましくは8×104、さらに好ましくは1×105である。一方、その上限値は、より好ましくは8×105、さらに好ましくは7×105、特に好ましくは6×105である。具体的なGPCの測定条件としては、後述の実施例に記載の条件が採用される。
本発明の環状オレフィン共重合体は、その重量平均分子量が上記の範囲内であれば、成型性、強度、透明性などのバランスが良く、種々の用途に好適に使用することができる。
〈ガラス転移温度〉
上述のとおり、第3の本発明に係る環状オレフィン共重合体は、高いガラス転移温度、たとえば180℃〜300℃を示す。その下限値は、好ましくは183℃、より好ましくは185℃、さらに好ましくは190℃、特に好ましくは200℃である。一方、その上限値は、溶融成型時の重合体の耐熱安定性の観点からは、より好ましくは280℃、さらに好ましくは270℃、特に好ましくは260℃である。
前記ガラス転移温度の値は、以下の条件またはこれと同等の条件で測定した場合のものである。
測定条件:示差走査熱量計(エスアイアイナノテクノロジー社 DSC6220)を用いて、約5.0mgの試料(環状オレフィン共重合体)を窒素雰囲気下で30℃から昇温速度10℃/分で300℃まで昇温し、その温度で5分間保持する。(ただし、250℃以上320℃以下の温度領域で分解する共重合体の場合は、常法の通り、適宜保持する温度を低く調整してもよい。)さらに降温速度10℃/分で0℃まで冷却し、その温度で5分間保持した後、昇温速度20℃/分で300℃まで昇温する。この2度目の昇温の際に、比熱の変化によりDSC曲線が屈曲し、ベースラインが平行移動する形で感知される。この屈曲より低温のベースラインの接線と、屈曲した部分で傾きが最大となる点の接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とする。
尚、上記の条件でTgが不明瞭(例えばTgが300℃付近の重合体の場合)な場合は、測定上限の温度を300℃から10℃上げて再測定する。その条件で不明の場合は、更に測定上限温度を10℃高めて再測定する。
尚、測定装置を保護する観点から、前記測定上限温度が350℃を超える測定は行わない。
本発明の環状オレフィン共重合体は、高いガラス転移温度を有しており、高い透明性なども併せ持つことが期待できるので、各種の光学用途(レンズ、記録用ディスク、ライトのカバーなど)、医療用途(点滴などの医療用液体の容器等)等、従来の環状オレフィン共重合体が採用されている用途に好適に用いることができる。また、今後、需要が増加すると考えられている自動車搭載用センサー等に使用される撮像レンズにおけるガラスの代替材料としての期待がある。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[測定方法]
〔遷移金属化合物の構造〕
遷移金属化合物の構造は、1H−NMRスペクトル(270MHz、日本電子GSH−
270)により決定した。
〔重合体の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)〕
オレフィン重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた。Waters社製「Alliance GPC 2000」ゲル浸透クロマトグラフ(高温サイズ排除クロマトグラフ)により得られる分子量分布曲線から計算したものであり、操作条件は、下記の通りである:
<使用装置および条件>
測定装置;ゲル浸透クロマトグラフ allianceGPC2000型(Waters社)
解析ソフト;クロマトグラフィデータシステム Empower(商標、Waters社)
カラム;TSKgel GMH6−HT×2 + TSKgel GMH6−HT×2 (内径7.5mm×長さ30cm,東ソー社)
移動相;o−ジクロロベンゼン〔=ОDCB〕(和光純薬 特級試薬)
検出器;示差屈折計(装置内蔵)
カラム温度;140℃
流速;1.0mL/min
注入量;400μL
サンプリング時間間隔;1秒
試料濃度;0.15%(w/v)
分子量較正;単分散ポリスチレン(東ソー社)/分子量495から分子量2060万
〔重合体のコモノマー(環状オレフィン)含量〕
特開2011−122146号公報の[0216]〜[0219]の記載に従い、13C−NMRスペクトルにより重合体のコモノマー(環状オレフィン)含量を求めた。
〔重合体のTg〕
以下の条件でDSC測定を行い、重合体のTg(ガラス転移温度)を求めた。
装置:エスアイアイナノテクノロジー社 DSC6220
測定条件:300℃で5分間ホールドした試料を0℃まで急冷し、その後昇温速度20℃/分で250℃まで昇温する過程においてTgを求めた。
〔重合体の構造〕
以下の条件でNMR測定を行い、環状オレフィン共重合体に含まれる構造単位の割合、ならびに前記[CO]−[CO]構造、前記[E]−[CO]構造の割合(前記[CO]−[CO]構造、前記[E]−[CO]構造および前記[E]−[E]構造の合計を100モル%とする。)を求めた。
13C NMR>
装置:ブルカーバイオスピン社製AVANCEIIIcryo−500型核磁気共鳴装置
測定核:13C(125MHz)
測定モード:シングルパルスプロトン(逆ゲート付)デカップリング
パルス幅:90度
ポイント数:64k
観測範囲:250ppm(−55〜195ppm)
繰り返し時間:12秒
積算回数:256回
溶媒:1,1,2,2テトラクロロエタン-d2
濃度:10%(w/v)
温度:120℃
ケミカルシフト基準:テトラメチルシラン基準(1,1,2,2-テトラクロロエタン-d2:74.2ppmに該当)
13C NMR(2次元法−INADEQUATE測定)>
装置:ブルカーバイオスピン社製AVANCEIIIcryo−500型核磁気共鳴装置
測定核:13C(125MHz)
パルスプログラム:inadqf
ポイント数(テトラシクロドデセン由来骨格) F2:4096×F1:256(NUS 50%)
観測範囲:60ppm
繰り返し時間:12秒
積算回数:1024回
溶媒:1,1,2,2テトラクロロエタン-d2
濃度:10%(w/v)
温度:120℃
ケミカルシフト基準:テトラメチルシラン基準(1,1,2,2-テトラクロロエタン-d2:74.2ppmに該当)
上記のINADEQUATE法により、TD-TD連鎖、E-TD連鎖等()を由来とするピークのケミカルシフトがアサインされた。それらのピークの強度から各構造単位の組成を求めた。
(※)TD:テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
E:エチレン
[第1の本発明の実施例等]
<(1)遷移金属化合物の合成>
〔合成例1−1〕
チタン化合物(1)は、Macromolcules 2011,44,1986.記載の方法によって合成した。
Figure 2019172954
〔合成例1−2〕
充分に乾燥、窒素置換した100mLのガラス製反応器に3,5−ジイソプロピルピラゾール3.06g(20.0mmol)、n−ヘキサン20mLを仕込み撹拌した。この溶液へ、n−ブチルリチウム溶液12.2mL(ヘキサン溶液、1.64M、20.0mmol)を0℃で加えた後、室温で4時間撹拌を続けた。反応液の溶媒を留去し、無色固体3.08gを得た。
別の充分に乾燥、窒素置換した30mLのガラス製反応器にインデニルチタニウム(IV)トリクロリド0.27g(1.0mmol)とジエチルエーテル8mLを仕込み撹拌した。この溶液へ、先に得られた無色固体0.16g(1.0mmol)とジエチルエーテル2mLにより調製した溶液を−78℃で加え、室温で18時間撹拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた茶色固体にジクロロメタンを加え懸濁液を調製し、不溶物をガラスフィルター上のセライトで除去した。得られた溶液を減圧下濃縮した後、n−ヘキサンを加え、ろ過、洗浄後乾燥することにより、下記式(2)で示されるチタン化合物(2)を66.7mg(収率17%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.48−7.41(2H,m,Ar−H),7.19−7.10(5H,m,Ar−H),6.44(1H,s,CH),2.84(2H,sept,J=6.9Hz,C(CH3)2),1.25(12H,d,J=6.9Hz,CH(CH3)2)ppm
Figure 2019172954
[合成例1−3]
充分に乾燥、窒素置換した30mLの反応器に3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール0.96g(4.7mmol)、n−ヘキサン5mL、トルエン5mLを仕込み撹拌した。この溶液へ、n−ブチルリチウム溶液2.9mL(ヘキサン溶液、1.64M、4.7mmol)を0℃で加えた後、室温で4時間撹拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた乾固物をn−ヘキサン5mLで洗浄、回収し、減圧乾燥することにより、無色固体0.80gを得た。
別の充分に乾燥、窒素置換した30mLの反応器にtert−ブチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン0.29g(1.0mmol)とジエチルエーテル5mLを仕込み撹拌した。この溶液へ、先に得られた無色固体0.21g(1.0mmol)とジエチルエーテル5mLにより調製した溶液を−78℃で加え、室温で24時間撹拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた油状物にジクロロメタンを加え懸濁液を調製し、不溶物をメンブレンシリンジフィルターで除去した。得られた溶液を減圧下濃縮した後、n−ヘキサンを加え、−30℃にて静置することにより得た黄橙色結晶を回収、減圧乾燥することにより、下記式(1)で示されるチタン化合物(1)を38mg(収率8%)得た。1H−NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.33(1H,s,CH),6.84(2H,t,J=2.8Hz,Cp−H),6.69(2H,t,J=2.8Hz,Cp−H),1.30(9H,s,C(CH33)ppm
Figure 2019172954
〔式中、tBuはtert−ブチル基である。〕
<(2)オレフィン重合>
〔実施例1−1〕
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、シクロヘキサン/ヘキサン(9/1)混合溶液250mLとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(以下、単に「テトラシクロドデセン」とも記載する。)5gおよびBHT(ジブチルヒドロキシトルエン(別名:2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール))を82.6mg(0.375mmol)装入し、エチレン50リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で0.75mmol、引き続き、合成例1−1で得られたチタン化合物(1)を0.0015mmol加え重合を開始した。エチレンを50リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、50℃で10分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのアセトン/メタノール(3/1)混合溶媒中に加えてポリマーを析出させた。同溶媒で洗浄後、130℃にて10時間減圧乾燥し、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が0.730g得られた。重合活性は2.92kg/mmol−Ti・hrであり、得られたエチレン・テトラシクロドデセン共重合体の重量平均分子量Mwは348kg/molであった。DSC測定によるガラス転移点温度は190℃であり、13C NMRにより見積もられる重合体中のテトラシクロドデセン含量は44.9mol%であった。結果を表1に示す。
〔実施例1−2〕
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、シクロヘキサン/ヘキサン(9/1)混合溶液250mLとテトラシクロドデセン5gおよびBHTを331mg(1.50mmol)装入し、エチレン50リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で1.5mmol、引き続き、合成例1−1で得られたチタン化合物(1)を0.0030mmol加え重合を開始した。エチレンを50リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、50℃で10分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのアセトン/メタノール(3/1)混合溶媒中に加えてポリマーを析出させた。同溶媒で洗浄後、130℃にて10時間減圧乾燥し、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が1.292g得られた。重合活性は2.58kg/mmol−Ti・hrであり、得られたエチレン・テトラシクロドデセン共重合体の重量平均分子量Mwは320kg/molであった。DSC測定によるガラス転移点温度は188℃であり、13C NMRにより見積もられる重合体中のテトラシクロドデセン含量は44.6mol%であった。結果を表1に示す。
〔実施例1−3〕
装入するBHTを661mg(3.00mmol)としたこと以外は実施例1−2と同様に行い、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が1.081g得られた。重合活性は2.16kg/mmol−Ti・hrであり、得られたエチレン・テトラシクロドデセン共重合体の重量平均分子量Mwは295kg/molであった。DSC測定によるガラス転移点温度は189℃であり、13C NMRにより見積もられる重合体中のテトラシクロドデセン含量は44.8mol%であった。結果を表1に示す。
〔実施例1−4〕
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、シクロヘキサン/ヘキサン(9/1)混合溶液250mLとテトラシクロドデセン26gおよびBHTを82.6mg(0.375mmol)装入し、エチレン50リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で1.5mmol、引き続き、合成例1−2で得られたチタン化合物(2)を0.0030mmol加え重合を開始した。エチレンを50リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、50℃で10分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのアセトン/メタノール(3/1)混合溶媒中に加えてポリマーを析出させた。同溶媒で洗浄後、130℃にて10時間減圧乾燥し、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が1.269g得られた。重合活性は2.54kg/mmol−Ti・hrであり、得られたエチレン・テトラシクロドデセン共重合体の重量平均分子量Mwは751kg/molであった。DSC測定によるガラス転移点温度は250℃であり、13C NMRにより見積もられる重合体中のテトラシクロドデセン含量は57.1mol%であった。結果を表1に示す。
〔実施例1−5〕
装入するBHTを165mg(0.750mmol)としたこと以外は実施例1−4と同様に行い、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が0.830g得られた。重合活性は1.66g/mmol−Ti・hrであり、得られたエチレン・テトラシクロドデセン共重合体の重量平均分子量Mwは579kg/molであった。DSC測定によるガラス転移点温度は251℃であり、13C NMRにより見積もられる重合体中のテトラシクロドデセン含量は57.4mol%であった。結果を表1に示す。
〔比較例1−1〕
BHTを装入しないこと以外は実施例1−1と同様に行い、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が0.303g得られた。重合活性は1.21kg/mmol−Ti・hrであり、得られたエチレン・テトラシクロドデセン共重合体の重量平均分子量Mwは262kg/molであった。DSC測定によるガラス転移点温度は195℃であり、13C NMRにより見積もられる重合体中のテトラシクロドデセン含量は45.9mol%であった。結果を表1に示す。
〔比較例1−2〕
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、シクロヘキサン/ヘキサン(9/1)混合溶液250mLとテトラシクロドデセン10gを装入し、エチレン50リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で1.5mmol、引き続き、合成例1−2で得られたチタン化合物(2)を0.0030mmol加え重合を開始した。エチレンを50リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、50℃で10分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのアセトン/メタノール(3/1)混合溶媒中に加えてポリマーを析出させた。同溶媒で洗浄後、130℃にて10時間減圧乾燥し、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が0.201g得られた。重合活性は0.40kg/mmol−Ti・hrであり、得られたエチレン・テトラシクロドデセン共重合体の重量平均分子量Mwは113kg/molであった。DSC測定によるガラス転移点温度は217℃であり、13C NMRにより見積もられる重合体中のテトラシクロドデセン含量は52.7mol%であった。結果を表1に示す。
〔比較例1−3〕
BHTを加えないこと以外は実施例1−4と同様に行い、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が0.066g得られた。重合活性は0.13kg/mmol−Ti・hrであった。DSC測定によるガラス転移点温度は241℃であり、13C NMRにより見積もられる重合体中のテトラシクロドデセン含量は55.4mol%であった。ポリマー収量が少ないため、その他の分析は実施できなかった。結果を表1に示す。
〔比較例1−4〕
テトラシクロドデセンを2.5gとしたこと以外は比較例1−1と同様に行い、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が0.403g得られた。重合活性は0.81kg/mmol−Ti・hrであり、得られたエチレン・テトラシクロドデセン共重合体の重量平均分子量Mwは195kg/molであった。DSC測定によるガラス転移点温度は171℃であり、13C NMRにより見積もられる重合体中のテトラシクロドデセン含量は41.1mol%であった。結果を表1に示す。
まず、比較例1−1〜1−3を見ると、テトラシクロドデセンが高含量になるにしたがって重合活性および重量平均分子量は低下している。一方、実施例1−1〜1−5では、BHTを添加することにより重合活性および重量平均分子量が大きく増大し、比較例に見られた傾向とは逆の効果が見られる。これは、添加したBHTが重合阻害剤および連鎖移動剤となるトリアルキルアルミ種を失活させたためと推察される。
Figure 2019172954
[第2の本発明の実施例等]
<(1)チタン化合物の製造>
〔実施例2−A1〕
実施例2−A1として、上述した合成例1−3を援用する。
〔実施例2−A2〕
実施例2−A2として、上述した合成例1−2を援用する。
<(2)オレフィン重合体の製造>
〔実施例2−B1〕
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、シクロヘキサン/ヘキサン(9/1)混合溶液250mLとテトラシクロドデセン10g(0.250mol/L相当)を装入し、エチレン50リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で0.75mmol、引き続き、前記実施例2−A1で得られたチタン化合物(3)を0.0015mmol加え重合を開始した。エチレンを50リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、50℃で10分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのアセトン/メタノール(3/1)混合溶媒中に加えてポリマーを析出させた。同溶媒で洗浄後、130℃にて10時間減圧乾燥し、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が得られた。エチレン・テトラシクロドデセン共重合体の物性値等を表2に示す。
〔実施例2−B2〕
チタン化合物を前記実施例2−A2で得られたチタン化合物(2)0.0030mmolに、メチルアルミノキサンの量をアルミニウム原子換算で1.50mmolに変更したこと以外は実施例2−B1と同様の操作を行い、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体を得た。エチレン・テトラシクロドデセン共重合体の物性値等を表2に示す。
〔比較例2−B1〕
チタン化合物を前記合成例1−1で得られたチタン化合物(1)0.0015mmolに変更したこと以外は実施例2−B1と同様の操作を行い、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体を得た。エチレン・テトラシクロドデセン共重合体の物性値等を表2に示す。
Figure 2019172954
[第3の本発明の実施例等]
<環状オレフィン共重合体の製造>
〔実施例3−1〕
実施例3−1として、上述した実施例1−2を援用する。
得られた環状オレフィン共重合体に含まれるテトラシクロドデセン連鎖単位(TD−TD連鎖単位)の割合、およびエチレンとテトラシクロドデセンとの連鎖単位(E−TD連鎖単位)の割合を特定した。結果を表3に示した。
〔実施例3−2〕
実施例3−2として、上述した実施例1−4を援用する。
得られた環状オレフィン共重合体に含まれるテトラシクロドデセンの二連子連鎖構造(TD−TD連鎖)の割合、およびエチレンとテトラシクロドデセンとの連結構造(E−TD連鎖)の割合を特定した。結果を表3に示した。
〔比較例3−1〕
特開昭62-215611号公報の実施例1に準じてエチレンとテトラシクロドデセンとの共重合体を行い、共重合体を得た。得られた環状オレフィン共重合体に含まれるテトラシクロドデセンの二連子連鎖構造(TD−TD連鎖)の割合、およびエチレンとテトラシクロドデセンとの連結構造(E−TD連鎖単位)の割合を特定した。結果を表3に示した。
Figure 2019172954
上記の結果から、第3の本発明に係る環状オレフィン共重合体は、従来に無い特異な構造を有しており、高いTgを示すことがわかる。
図1は、実施例3−1、実施例3−2を含む実施例1−1〜1−5、比較例1−1、1−3、1−4で得られた重合体(以上が、第3の本発明に係る環状オレフィン共重合体に該当する(または該当する可能性がある))と比較例3−1、および非特許文献1に記載のエチレンとノルボルネンと共重合体の組成とTgとの関係を示した図である。
第3の本発明に係る環状オレフィン共重合体は、特異な構造を有しているので、従来よりも高いTgを示す傾向を有する、ということが図1からも認識できる。

Claims (29)

  1. (A)遷移金属化合物と、
    (B)(B−1)有機金属化合物
    (B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
    (B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物
    からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、
    (C)(C−1)アルコール化合物、および
    (C−2)フェノール化合物
    から選ばれる少なくとも1種の化合物と
    を含むオレフィン重合用触媒。
  2. 前記遷移金属化合物(A)が下記一般式[A-1]で表される化合物である請求項1に記載のオレフィン重合用触媒。
    Figure 2019172954
    〔式[A-1]において、
    Mはチタン原子、ジルコニウム原子、またはハフニウム原子であり、
    nは1〜4の整数であり、
    Xはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、またはジエン系二価誘導体基であり、
    1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、またはリン含有基であり、R1〜R5のうち隣接する基同士は互いに結合して環を形成していてもよい。〕
  3. 前記一般式[A-1]において、
    Mはチタン原子またはジルコニウム原子であり、
    Xはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、または酸素含有基であり、
    1〜R5およびR8はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、またはケイ素含有基であり、R1〜R5のうち隣接する基同士は互いに結合して環を形成していてもよく、
    6およびR7はそれぞれ独立に炭素原子数1〜20の炭化水素基である
    請求項2に記載のオレフィン重合用触媒。
  4. 前記一般式[A-1]において、
    Mはチタン原子であり、
    1〜R5およびR8はそれぞれ独立に水素原子、または炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、R1〜R5のうち隣接する基同士は互いに結合して環を形成していてもよく、
    6およびR7はそれぞれ独立に炭素原子数1〜20の炭化水素基である請求項3に記載のオレフィン重合用触媒。
  5. 前記化合物(C)が、炭素原子数が1〜20の前記アルコール化合物(C−1)を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のオレフィン重合用触媒。
  6. 前記化合物(C)が、炭素原子数が6〜20の前記フェノール化合物(C−2)を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のオレフィン重合用触媒。
  7. 前記アルコール化合物(C−1)がメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノールおよび2−メチル−2−プロパノールからなる群から選択される1種または2種以上である、請求項5に記載のオレフィン重合用触媒。
  8. 前記フェノール化合物(C−2)が2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−ノニルフェノール、4−ヘキシルフェノール、4−イソプロピルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、p−ドデシルフェノール、2−フェニルフェノールおよびp−フェニルフェノールからなる群から選択される1種または2種以上である、請求項6に記載のオレフィン重合用触媒。
  9. (Z−1)炭素原子数2〜30の直鎖状または分岐状のα−オレフィンと、
    (Z−2)下記一般式[Z-I]、一般式[Z-II]、一般式[Z-III]または一般式[Z-IV]で表される環状オレフィンと
    の共重合に使用される請求項1〜8のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒。
    Figure 2019172954
    〔式[Z-I]中、uは0または1であり、
    vは0または正の整数であり、
    wは0または1であり、
    61〜R78ならびにRa1およびRb1は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、R75〜R78は、互いに結合して単環または、多環を形成していてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよく、またR75とR76とで、またはR77とR78とでアルキリデン基を形成していてもよい。〕
    Figure 2019172954
    〔式[Z-II]中、xおよびdは0または1以上の整数であり、
    yおよびzは0、1または2であり、
    81〜R99は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、R89およびR90が結合している炭素原子と、R93が結合している炭素原子またはR91が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またy=z=0のとき、R95とR92またはR95とR99とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。〕
    Figure 2019172954
    〔式[Z-III]中、R100およびR101は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基であり、fは1≦f≦18である。〕
    Figure 2019172954
    〔一般式[Z-IV]中、xは0または1以上の整数であり、
    111〜R118は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、
    121〜R124は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、隣接する2つの基は互いに結合し単環または複環の芳香族環を形成していてもよい。〕
  10. 前記α−オレフィン(Z−1)がエチレンであり、前記環状オレフィン(Z−2)がテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンである請求項9に記載のオレフィン重合用触媒。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のオレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンを重合するオレフィン重合体の製造方法。
  12. 前記オレフィン重合用触媒が請求項9に記載のオレフィン重合用触媒であり、前記オレフィンが前記α−オレフィン(Z−1)および前記環状オレフィン(Z−2)を含む、請求項11に記載のオレフィン重合体の製造方法。
  13. 前記α−オレフィン(Z−1)がエチレンであり、前記環状オレフィン(Z−2)がテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンである請求項12に記載のオレフィン重合体の製造方法。
  14. 下記一般式[A-1'-1]で表される遷移金属化合物。
    Figure 2019172954
    〔式[A-1'-1]において、
    Mはチタン原子、ジルコニウム原子、またはハフニウム原子であり、
    nは1〜4の整数であり、
    Xはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、またはジエン系二価誘導体基であり、
    1〜R5およびR8はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、またはリン含有基であり、R1〜R5のうち隣接する基同士は互いに結合して環を形成していてもよく、
    6およびR7はそれぞれ独立にハロゲン原子またはハロゲン含有基である。〕
  15. 前記一般式[A-1'-1]において、Mはチタン原子である請求項14に記載の遷移金属化合物。
  16. 前記一般式[A-1'-1]において、R1は炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、R2〜R5は水素原子である請求項15に記載の遷移金属化合物。
  17. 前記一般式[A-1'-1]において、R6およびR7はそれぞれ独立にハロゲン含有基である請求項16に記載の遷移金属化合物。
  18. 下記一般式[A-1'-2]で表される遷移金属化合物。
    Figure 2019172954
    〔式[A-1'-2]において、
    Mはチタン原子、ジルコニウム原子、またはハフニウム原子であり、
    nは1〜4の整数であり、
    Xはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、またはジエン系二価誘導体基であり、
    11〜R20はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、またはリン含有基であり、これらのうち隣接する基同士は互いに結合して環を形成していてもよい。〕
  19. 前記一般式[A-1'-2]において、Mはチタン原子である請求項18に記載の遷移金属化合物。
  20. 前記一般式[A-1'-2]において、R11〜R17は水素原子である請求項19に記載の遷移金属化合物。
  21. 前記一般式[A-1'-2]において、R18およびR19はそれぞれ独立に炭素原子数1〜20の炭化水素基である請求項20に記載の遷移金属化合物。
  22. (A−1’)請求項14〜21のいずれか一項に記載の遷移金属化合物と、
    (B)(B−1)有機金属化合物、
    (B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
    (B−3)遷移金属化合物(A−1’)と反応してイオン対を形成する化合物
    からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と
    を含むオレフィン重合用触媒。
  23. 請求項22に記載のオレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンを重合するオレフィン重合体の製造方法。
  24. 前記オレフィンが、
    (Z−1)炭素原子数2〜30の直鎖状または分岐状のα−オレフィン、および
    (Z−2)下記一般式[Z-I]、一般式[Z-II]、一般式[Z-III]または一般式[Z-IV]で表される環状オレフィン
    を含む請求項23に記載のオレフィン重合体の製造方法。
    Figure 2019172954
    〔式[Z-I]中、uは0または1であり、
    vは0または正の整数であり、
    wは0または1であり、
    61〜R78ならびにRa1およびRb1は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、R75〜R78は、互いに結合して単環または、多環を形成していてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよく、またR75とR76とで、またはR77とR78とでアルキリデン基を形成していてもよい。〕
    Figure 2019172954
    〔式[Z-II]中、xおよびdは0または1以上の整数であり、
    yおよびzは0、1または2であり、
    81〜R99は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、R89およびR90が結合している炭素原子と、R93が結合している炭素原子またはR91が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またy=z=0のとき、R95とR92またはR95とR99とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。〕
    Figure 2019172954
    〔式[Z-III]中、R100およびR101は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基であり、fは1≦f≦18である。〕
    Figure 2019172954
    〔一般式[Z-IV]中、xは0または1以上の整数であり、
    111〜R118は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、
    121〜R124は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、隣接する2つの基は互いに結合し単環または複環の芳香族環を形成していてもよい。〕
  25. 前記α−オレフィン(Z−1)がエチレンであり、前記環状オレフィン(Z−2)がテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンである請求項24に記載のオレフィン重合体の製造方法。
  26. 下記一般式[Z']で表される構造単位(z−1')、および
    下記一般式[Z-I']、一般式[Z-II']、一般式[Z-III']または一般式[Z-IV']で表される構造単位(z−2')
    を含み、下記要件[I]を満たす環状オレフィン共重合体。
    Figure 2019172954
    〔式[Z']中、R300は水素原子又は炭素原子数1〜29の直鎖状または分岐状の炭化水素基を示す。〕
    Figure 2019172954
    〔式[Z-I']中、uは0または1であり、
    vは0または正の整数であり、
    u+v≧1を満たし、
    wは0または1であり、
    61〜R78ならびにRa1およびRb1は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、R75〜R78は、互いに結合して単環または、多環を形成していてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよく、またR75とR76とで、またはR77とR78とでアルキリデン基を形成していてもよい。〕
    Figure 2019172954
    〔式[Z-II']中、xおよびdは0または1以上の整数であり、
    yおよびzは0、1または2であり、
    81〜R99は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、R89およびR90が結合している炭素原子と、R93が結合している炭素原子またはR91が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またy=z=0のとき、R95とR92またはR95とR99とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。〕
    Figure 2019172954
    〔式[Z-III']中、R100およびR101は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基であり、fは1≦f≦18である。〕
    Figure 2019172954
    〔一般式[Z-IV']中、xは0または1以上の整数であり、
    111〜R118は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、
    121〜R124は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基から選ばれ、隣接する2つの基は互いに結合し単環または複環の芳香族環を形成していてもよい。〕
    要件[I]:前記構造単位(z−2')の二連子連鎖構造([CO]−[CO])の割合が0.5〜30モル%である。
    〔ただし、前記構造単位(z−1')の二連子連鎖構造([E]−[E])の割合、前記構造単位(z−1')と前記構造単位(z−2')との連結構造([E]−[CO])の割合、および前記構造単位(z−2')の二連子連鎖構造([CO]−[CO])の割合の合計を100モル%とする。〕
  27. 下記要件[II]を満たす請求項26に記載の環状オレフィン共重合体。
    要件[II]:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で決定される重量平均分子量が5×104以上10×105以下である。
  28. エチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとの付加共重合体である請求項26または27に記載の環状オレフィン共重合体。
  29. ガラス転移温度が180℃〜300℃である請求項26〜28のいずれか一項に記載の環状オレフィン共重合体。
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