JP2003268188A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP2003268188A
JP2003268188A JP2002076286A JP2002076286A JP2003268188A JP 2003268188 A JP2003268188 A JP 2003268188A JP 2002076286 A JP2002076286 A JP 2002076286A JP 2002076286 A JP2002076286 A JP 2002076286A JP 2003268188 A JP2003268188 A JP 2003268188A
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cycloolefin
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Takuhiro Ushino
卓浩 牛野
Kazuo Kasai
和雄 河西
Toshitaka Otsuki
敏敬 大月
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JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 成形加工性、生産性に優れ、高い耐熱性、密
着性、透明性を有する封止材を具えた半導体装置および
製造方法の提供。 【解決手段】 半導体装置は、一般式(1)の単量体の
付加重合体を含有する封止材に封止されてなる。 〔R1〜R4は、H、炭素数1〜10の炭化水素基、特定の極
性基または特定の極性基により置換された極性炭化水素
基。R1〜R4は、芳香族または複素環を有する基でもよ
く、炭素数1〜5のアルキレン基を介して結合してもよ
い。R1とR2またはR3とR4は、一体化して2価の炭化水素
基を形成してもよく、R1またはR2と、R3またはR4とは、
互いに結合して単環構造または多環構造を形成してもよ
い。但し、R1〜R4の1つは特定の極性基または極性炭化
水素基。mおよびpは0または正の整数。但し、m+p
=0〜4。特定の極性基:アルコキシル基、-OH 、−CO
OH、エステル基、-CN 、一級〜三級アミノ基、アミド
基、イミド基、-SO2- を有する基等。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シクロオレフィン
系付加重合体またはシクロオレフィン系付加共重合体を
含有してなる封止材によって封止された半導体装置およ
びその製造方法に関し、更に詳しくは、優れた耐熱性お
よび封止密着性を有すると共に高い透明性を有する封止
材によって封止された半導体装置およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体素子を有する電子部品
は、当該半導体素子の外部環境に対する保護および電気
的絶縁を目的として、さらには当該電子部品の保管時お
よび実装時における取扱いを容易にすることを目的とし
て、半導体素子が封止材によって封止されてなる半導体
装置として構成される。かかる封止材としては、現在、
金属、ガラス、セラミックス、樹脂などの種々の材料か
らなるものが知られており、近年、安価で生産性に優れ
ている点で、樹脂製の封止材が広く用いられている。こ
のような樹脂製の封止材としては、従来、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等の硬化性樹脂よ
りなるものが知られており、これらの中では、エポキシ
樹脂よりなる封止材が賞用されている。このエポキシ樹
脂よりなる封止材は、機械的特性、電気的絶縁性等のバ
ランスに優れ、しかも、種々のフィラー等を添加するこ
とによって、機械的特性および吸湿性等を改良すること
が可能である(例えば、特開平6−65475号公報お
よび特開平7−41544号公報等参照)。
【0003】しかしながら、エポキシ樹脂等に代表され
る硬化性樹脂よりなる封止材においては、液状硬化性樹
脂材料を注型して例えば熱によって硬化させることによ
り、成形された封止材を形成することが行われるため、
工業的生産性という見地からは好ましいものではない。
また、液状硬化性樹脂材料を硬化させる際には、体積収
縮が生じるため、内蔵される半導体素子が損傷するおそ
れがある、という問題がある。また、耐湿性向上や剥離
防止などの性能改善を目的として、多層構造の封止材を
形成する手段が提案されている(例えば、特開平9−5
1009号公報、特開平1−55832号公報、特開平
5−327029号公報、特開平7−307359号公
報、特開平1−25547号公報、特開平5−1830
00号公報、特開平5−183072号公報、特開平6
−151977号公報等参照)。然るに、このような封
止材を形成する場合には、封止材形成プロセスにおける
工程数が増大する結果、封止材を形成するための作業が
煩雑となると共に、封止材形成プロセスに長い時間を要
するため、製造コストの増大を招く、という問題があ
る。
【0004】また、封止材形成プロセスに要する時間を
短縮することを目的として、液状硬化性樹脂材料を紫外
線などの電磁波によって硬化させることにより、封止材
を形成する方法が検討されている(例えば、特開昭58
−175877号公報、特開昭58−219781号公
報、特開平5−198845号公報等参照)。然るに、
このような方法においては、目的とする封止材の厚みが
一様なものではないため、材料全体を均一な硬化状態に
硬化させることが困難であり、また、材料を急速に硬化
させるため、得られる封止材に亀裂が生じたり、或いは
得られる封止材の内部に大きな残留応力を生じるため、
耐冷熱サイクル性が低いものとなったりする、という問
題がある。また、紫外線硬化型の硬化性樹脂は、一般に
高価なものであるため、製造コストの増大を招く、とい
う問題がある。
【0005】このような事情から、最近においては、半
導体装置の生産性を向上させることを目的として、硬化
性樹脂の代わりに、優れた成形加工性を有すると共に高
い工業的生産性を有する熱可塑性樹脂よりなる封止材を
用いることが検討されている。この熱可塑性樹脂は、エ
ポキシ樹脂などの硬化性樹脂とは異なり、加熱により軟
化・溶融する特長を有しており、押出成形、ブロ−成
形、真空成形、圧縮(プレス)成形、射出成形等の比較
的簡単な方法で迅速に封止材を形成することが可能であ
るため、優れた生産性を有する材料として期待されてい
る。また、近年、ガラスと同等またはそれ以上の高い透
明性を有すると共に優れた耐熱性を有する透明性熱可塑
性樹脂も開発されており、このような透明性熱可塑性樹
脂材料は、光半導体等の透光性の要求される半導体装置
用封止材として用いることが可能である(例えば特開平
4−202218号公報、特開平6−91694号公
報、特開2000−38414号公報等参照)。
【0006】しかしながら、熱可塑性樹脂よりなる封止
材によって封止された半導体装置においては、以下のよ
うな問題がある。近年、地球環境保全の観点から、半導
体装置などの電子部品を実装するためのハンダとして、
鉛を含有しないハンダ(鉛フリーハンダ)を用いること
が求められている。この鉛フリーハンダは、従来使用さ
れている共晶ハンダ(鉛を含有するハンダ)に比較して
融点が高いものであるため、当該鉛フリーハンダによっ
て電子部品を実装する場合には、従来使用されている共
晶ハンダよりも20〜50℃程度高い温度で処理するこ
とが必要となる。而して、従来の熱可塑性樹脂よりなる
封止材によって封止された半導体装置を鉛フリーハンダ
によって実装する場合には、当該封止材の耐熱性が十分
に高いものではないため、実装時に封止材が変形した
り、封止材と半導体素子周辺の配線用金属部との密着性
が低下する結果、両者の間に剥離が生じたりする、とい
う問題がある。そして、従来、高い耐熱性および高い封
止密着性のいずれか一方を満足する熱可塑性樹脂よりな
る半導体装置用封止材が提案されているが、高い耐熱性
および高い封止密着性の両方を満足する熱可塑性樹脂よ
りなる半導体用封止材は知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
成形加工性および工業的生産性に優れ、しかも、高い耐
熱性および高い封止密着性を有し、更に、高い透明性を
有する封止材を具え、高い処理温度によるハンダ付工程
に対応することができる半導体装置およびその製造方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
下記一般式(1)で表されるシクロオレフィン系単量体
を付加重合させて得られる特定のシクロオレフィン系付
加重合体を含有してなる封止材によって封止されてなる
ことを特徴とする。
【0009】
【化3】
【0010】〔式中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に,
水素原子、炭素原子数1〜10の炭化水素基、下記の特
定の極性基、および、下記の特定の極性基により置換さ
れた極性炭化水素基よりなる群より選ばれた原子または
基を示す。また、R1 〜R4 は、それぞれ独立に、芳香
族または複素環を有する基であってもよく、炭素原子数
1〜5のアルキレン基を介して結合していてもよい。更
に、R1 とR2 またはR 3 とR4 は、一体化して2価の
炭化水素基を形成してもよく、R1 またはR2 と、R3
またはR4 とは、互いに結合して単環構造または多環構
造を形成していてもよい。但し、R1 〜R4 のうちの少
なくとも1つは特定の極性基または極性炭化水素基であ
る。mは0または正の整数であり、pは0または正の整
数である。但し、m+p=0〜4である。特定の極性
基:アルコキシル基、水酸基、カルボキシル基、エステ
ル基、シアノ基、一級、二級若しくは三級アミノ基、ア
ミド基、イミド基、スルホニル基を有する基、シリル
基、並びに、アルキル基、アルコキシル基、ジオール残
基およびトリオール残基から選ばれた少なくとも1種の
置換基により置換されたシリル基からなる群より選ばれ
た極性基。〕
【0011】また、本発明の半導体装置は、上記一般式
(1)で表されるシクロオレフィン系単量体およびこれ
と共重合可能な単量体を付加重合させて得られる特定の
シクロオレフィン系付加共重合体を含有してなる封止材
によって封止されてなることを特徴とする。
【0012】この半導体装置においては、上記一般式
(1)で表されるシクロオレフィン系単量体と共重合可
能な単量体が、一般式(1)で表されるシクロオレフィ
ン系単量体以外のシクロオレフィン系単量体、α−オレ
フィン化合物類、ビニル基が結合された環状飽和炭化水
素化合物類、ビニル基含有芳香族化合物類、(メタ)ア
クリル酸エステル類、アクリロニトリルおよびアクリル
アミドからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物
であることが好ましく、特にエチレンであることが好ま
しい。
【0013】本発明の半導体装置においては、封止材を
形成する特定のシクロオレフィン系付加重合体または特
定のシクロオレフィン系付加共重合体が、下記一般式
(2)で表される遷移金属錯体化合物の存在下において
付加重合反応が行われることにより得られるものである
ことが好ましい。
【0014】
【化4】
【0015】〔式中、Mは、周期律表の第4族、第8
族、第9族または第10族から選ばれた遷移金属原子を
示す。A1 およびA2 は、互いに同一でも異なっていて
もよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20
の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水
素基、芳香族炭化水素基、炭化水素基で置換されたシリ
ル基、アルコキシル基、アリロキシ基、エステル基、ア
ミド基、アミノ基、スルホンアミド基、ニトリル基また
はニトロ基を示し、これらのうちの2個以上の基が互い
に連結して環を形成していてもよい。Lは、ハロゲン原
子、ハロゲン化炭化水素基、炭化水素基、ヘテロ環式化
合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫
黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含
有基、またはスズ含有基を示す。2つのXは、互いに同
一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン化炭化水素基、炭化水素基、ヘテロ環式化合物
残基、酸素原子含有基、窒素原子含有基、ホウ素原子含
有基、硫黄原子含有基、リン原子含有基、ケイ素原子含
有基、ゲルマニウム原子含有基またはスズ原子含有基を
示し、これらのうちの2個以上の基が互いに連結して環
を形成していてもよい。Yは、酸素原子、硫黄原子また
は窒素原子からなるヘテロ原子であって、Yが酸素原子
または硫黄原子であるときはA3 は存在せず、Yが窒素
原子であるときはA3 が存在し、A3 は、炭素原子数1
〜20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の
炭化水素基または置換もしくは非置換の炭素原子数6〜
20のアリール基を示す。〕
【0016】本発明の半導体装置の製造方法は、上記の
半導体装置を製造する方法であって、前記特定のシクロ
オレフィン系付加重合体または前記特定のシクロオレフ
ィン系付加共重合体を射出成形することによって封止材
を形成する工程を有することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の半導体装置は、例えば半導
体素子が封止材によって封止されてなるものであって、
当該封止材が、上記一般式(1)で表されるシクロオレ
フィン系単量体(以下、「特定のシクロオレフィン系単
量体」ともいう。)を付加重合することによって得られ
る特定のシクロオレフィン系付加重合体(以下、単に
「特定のシクロオレフィン系付加重合体」という。)を
含有してなるもの、或いは特定のシクロオレフィン系単
量体およびこれと共重合可能な単量体(以下、「共重合
性単量体」という。)を付加重合することによって得ら
れる特定のシクロオレフィン系付加共重合体(以下、単
に「特定のシクロオレフィン系付加共重合体」とい
う。)を含有してなるものである。
【0018】ここで、半導体装置としては、パッケージ
IC、パッケージLSI、MCMなどが含まれ、具体例
としては、ロジックIC、ドライバIC、メモリ等に用
いられるIC、LSI、VLSI等の集積回路、トラン
ジスタ、サイリスタ、ダイオード等の半導体装置および
光IC、発光ダイオード、半導体レーザー、受光素子、
固体撮影像素子、太陽電池、フォトカプラ、フォトイン
タラプタ、光距離センサー等の光半導体装置およびそれ
らの1つ若しくは複数が内蔵されてなる光半導体装置な
どを挙げることができる。
【0019】特定のシクロオレフィン系付加重合体およ
び特定のシクロオレフィン系共重合体(以下、これらを
総称して「特定のシクロオレフィン系付加(共)重合
体」と表現する。)を得るための特定のシクロオレフィ
ン系単量体としては、上記一般式(1)において、mが
1でpが0であるものが、ガラス転移温度の高い特定の
シクロオレフィン系付加(共)重合体が得られる点で好
ましい。また、特定のシクロオレフィン系単量体は、一
般式(1)におけるR1 〜R4のうち少なくとも1つ
が、特定の極性基とされる。ここで、特定の極性基は、
アルコキシル基、水酸基、カルボキシル基、エステル
基、シアノ基、一級、二級若しくは三級アミノ基、アミ
ド基、イミド基、スルホニル基を有する基、シリル基、
並びに、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4)、アル
コキシル基、ジオール残基(R10(O−)2 で表される
基。ここで、R10は2価の脂肪族炭化水素基である。)
およびトリオール残基(R11(O−)3 で表される基。
ここで、R11は3価の脂肪族炭化水素基である。)から
選ばれた少なくとも1種の置換基により置換されたシリ
ル基よりなる群から選ばれた極性基である。また、特定
の極性基として、下記一般式(3)で表されるエステル
基を有する特定のシクロオレフィン系単量体は、得られ
る特定のシクロオレフィン系付加(共)重合体が、高い
ガラス転移温度、高い耐候性および各種材料との優れた
密着性をバランス良く有するものとなる点で好ましい。
【0020】
【化5】一般式(3):−(CH2 n COOR5
【0021】一般式(3)において、R5 は、炭素原子
数が1〜12、好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜
2の炭化水素基であり、好ましくはアルキル基である。
また、nは、通常、0〜5であればよいが、nの値が小
さいものほど、ガラス転移温度が高い特定のシクロオレ
フィン系付加(共)重合体が得られる点で好ましく、特
にnが0である特定のシクロオレフィン系単量体は、そ
の合成が容易である点、および比較的吸湿性の低い特定
のシクロオレフィン系付加(共)重合体が得られるもの
となる点で、好ましい。
【0022】また、特定のシクロオレフィン系単量体と
しては、一般式(1)において、R 1 またはR3 がアル
キル基であるものが好ましく、より好ましくは炭素原子
数が1〜4のアルキル基、更に好ましくは1〜2のアル
キル基、特に好ましくはメチル基であり、また、当該ア
ルキル基が、上記の一般式(3)で表されるエステル基
が結合した炭素原子に結合されているものが好ましい。
【0023】特定のシクロオレフィン系単量体の具体例
としては、(1)5−メトキシビシクロ[2.2.1]
ヘプト−2−エン、(2)5−フェノキシビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、(3)5−アセトキ
シビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(4)5
−ベンゾキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、(5)5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、(6)5−フェノキシカルボニ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(7)5
−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(8)5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]
ヘプト−2−エン、(9)5−(N,N−ジメチルアミ
ノ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(1
0)5−メタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、(11)5−メチル−5−メトキシビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(12)5−メ
チル−5−フェノキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、(13)5−メチル−5−アセトキシビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(14)5−メチ
ル−5−ベンゾキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、(15)5−メチル−5−メトキシカルボニル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(16)5
−メチル−5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、
【0024】(17)8−メトキシテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、(18)
8−フェノキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]ドデカ−3−エン、(19)8−アセトキシテト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−
エン、(20)8−ベンゾキシテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、(21)8−
メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]ドデカ−3−エン、(22)8−フェ
ノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]ドデカ−3−エン、(23)8−シアノテトラ
シクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エ
ン、(24)8−トリエトキシシリルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(25)8−(N,N−ジメチルアミノ)テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(26)8−メタンスルホニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、(27)8−
メチル−8−メトキシテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]ドデカ−3−エン、(28)8−メチル
−8−フェノキシテトラシクロ[4.4.0.12,5
7, 10]ドデカ−3−エン、(29)8−メチル−8−
アセトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5
7, 10]ドデカ−3−エン、(30)8−メチル−8−
ベンゾキシテトラシクロ[4.4.0.12,5
7, 10]ドデカ−3−エン、(31)8−メチル−8−
メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2, 5 .17,10]ドデカ−3−エン、(32)8−メチ
ル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.
0.1 2,5 .17,10]ドデカ−3−エンなどを挙げるこ
とができる。これらの化合物は、単独でまたは2種以上
を組み合わせて用いることができる。
【0025】これらの中では、良好な耐熱性および低い
吸湿性を有するシクロオレフィン系付加重合体が得られ
る点で、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン
を用いることが好ましい。
【0026】本発明においては、特定のシクロオレフィ
ン系付加重合体および特定のシクロオレフィン付加共重
合体のいずれによっても封止材を形成することができ
る。然るに、特定のシクロオレフィン系付加重合体は、
一般に高いガラス転移温度を有するものである。そのた
め、例えば射出成形により封止材を形成する場合におい
て、金型内に材料を十分に充填することが困難となった
り、加工温度を相当に高い温度に設定することが必要と
なることにより、熱劣化が生じたりすることがある。一
方、特定のシクロオレフィン系付加共重合体は、用いら
れる共重合性単量体の種類を適宜選択することにより、
適宜のガラス転移温度例えば300℃以下、好ましくは
280℃以下、より好ましくは250℃以下のガラス転
移温度を有する材料を得ることができる。
【0027】特定のシクロオレフィン付加共重合体を得
るための共重合性単量体としては、特定のシクロオレフ
ィン系単量体と共重合可能なものであれば、特に限定さ
れるものではないが、上記一般式(1)で表されるシク
ロオレフィン系単量体以外のシクロオレフィン系単量体
(以下、「共重合性シクロオレフィン系単量体」とい
う。)、α−オレフィン化合物類、ビニル基が結合され
た環状飽和炭化水素化合物類、ビニル基含有芳香族化合
物類、(メタ)アクリル酸エステル類、アクリロニトリ
ルおよびアクリルアミドから選ばれた少なくとも1種の
化合物を用いることが好ましい。
【0028】共重合性シクロオレフィン系単量体は、ハ
ロゲン原子を含まないものであることが好ましい。この
ような共重合性シクロオレフィン系単量体としては、下
記一般式(4)で表されるシクロオレフィン系単量体
(以下、「特定の共重合性シクロオレフィン系単量体」
という。)を用いることができる。
【0029】
【化6】
【0030】〔式中、R6 〜R9 は、それぞれ独立に,
水素原子、炭素原子数1〜10の炭化水素基を示す。ま
た、R6 〜R9 は、それぞれ独立に、芳香族または複素
環を有する基であってもよく、炭素原子数1〜5のアル
キレン基を介して結合していてもよい。更に、R6 とR
7 またはR8 とR9 は、一体化して2価の炭化水素基を
形成してもよく、R6 またはR7 と、R8 またはR9
は、互いに結合して単環構造または多環構造を形成して
いてもよい。jは0または正の整数であり、kは0また
は正の整数である。但し、j+k=0〜4である。〕
【0031】かかる特定の共重合性シクロオレフィン系
単量体の具体例としては、(1)ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、(2)トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカ−8−エン、(3)テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(4)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .0
9,13]ペンタデカ−4−エン、(5)ペンタシクロ
[7.4.0.12,5 .19,12.08,13]ペンタデカ−
3−エン、(6)トリシクロ[4.4.0.12,5 ]ウ
ンデカ−3−エン、(7)ペンタシクロ[8.4.0.
2,5 .19,12.08,13]ヘキサデカ−3−エン、
(8)ヘプタシクロ[8.7.0.13,6 .110,17
12,15 .02,7 .011 ,16 ]エイコサ−5エン、
(9)ヘプタシクロ[8.8.0.14,7 .111,18
13,16 .03,8 .012 ,17 ]ヘンエイコサ−5−エ
ン、(10)5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、(11)5−エチルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、(12)5−ヘキシルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、(13)5−デシル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(14)5
−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、(15)5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、(16)5−エチリデンビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、(17)8−メチル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−
3−エン、(18)8−エチルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、(19)8−
ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10
ドデカ−3−エン、(20)8−デシルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(21)8−シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、(22)8−
フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10
ドデカ−3−エン、(23)8−エチリデンテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エンな
どを挙げることができる。
【0032】これらの中では、ビシクロ[2.2.1]
ヘプト−2−エン構造を有するシクロオレフィン系単量
体(一般式(4)において、jおよびkが共に0のも
の)が、射出成形等の加熱加工する場合に適したガラス
転移温度を有するシクロオレフィン系付加共重合体が得
られる点で好ましく、特に、上記一般式(4)における
6 〜R9 のいずれかが炭素数10以上の鎖状炭化水素
基が結合しているシクロオレフィン系単量体は、射出成
形等の加熱加工する場合に一層適したガラス転移温度を
有するシクロオレフィン系付加共重合体が得られる点で
好ましい。
【0033】また、共重合性シクロオレフィン系単量体
としては、上記の特定の共重合性シクロオレフィン系単
量体以外に、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘ
キセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、オクタヒド
ロナフタレン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジ
エンなどの単環式のシクロオレフィン化合物類、並びに
これらの単環式のシクロオレフィン化合物における水素
原子がアルキル基、ビニル基あるいは極性基に置換され
た誘導体なども用いることができる。
【0034】共重合性単量体として用いられるα−オレ
フィン化合物は、炭素数が2〜12のものが好ましく、
その具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテンな
どを挙げることができる。ビニル基が結合された環状飽
和炭化水素化合物類は、炭素数が3〜12のものが好ま
しく、その具体例としては、ビニルシクロプロパン、ビ
ニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシク
ロヘキサンなどを挙げることができる。ビニル基含有芳
香族化合物類の具体例としては、スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニルなどを
挙げることができる。
【0035】以上の共重合性シクロオレフィン系単量体
以外の化合物を共重合性単量体として用いる場合におい
て、その具体的な種類は、最終的に得られる重合体に求
められる特性に応じて選択されるが、通常、エチレンを
用いることが好ましく、この場合には、他の化合物を用
いる場合に比して大きな重合活性が得られるため、高い
重合転化率が得られると共に、得られる特定のシクロオ
レフィン系付加共重合体のガラス転移温度(Tg)を比
較的広範囲で制御することができるため、射出成形、押
出成形、ヒートプレス等の溶融成形または加熱加工を行
うために好適な加工特性を確保することが容易となる。
【0036】共重合性単量体の使用量は、得られる特定
のシクロオレフィン系付加共重合体に求められる特性に
応じて適宜定められるが、通常、特定のシクロオレフィ
ン系単量体/共重合性単量体の質量比の値が100/0
〜20/80、好ましくは90/10〜30/70の範
囲となる量とされる。
【0037】本発明においては、必要に応じて、特定の
シクロオレフィン系単量体の付加重合反応または特定の
シクロオレフィン系単量体と共重合性単量体との付加重
合反応を、主鎖に炭素−炭素間二重結合を有する不飽和
炭化水素系重合体の存在下に行ってもよい。この場合に
は、特定のシクロオレフィン系単量体またはこれと共重
合性単量体とによる重合体の構造が、当該不飽和炭化水
素系重合体にグラフト重合によって結合することから、
最終的に得られる重合体を、機械的な特性が制御された
ものとすることが可能となる。このような不飽和炭化水
素系重合体の具体例としては、例えばポリブタジエン、
ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチ
レン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどを
挙げることができる。
【0038】また、生成される重合体の分子量を調節す
るために、付加重合反応系に、環状非共役ポリエンを共
存させる手段を利用することができる。このような環状
非共役ポリエンの具体例としては、例えば1,4−シク
ロヘキサジエン、1−メチル−1,4−シクロヘキサジ
エン、3−メチル−1,4−シクロヘキサジエン、1,
2−ジメチル−1,4−シクロヘキサジエン、1,4−
ジメチル−1,4−シクロヘキサジエン、1,2,4,
5−テトラメチル−1,4−シクロヘキサジエン、1−
イソプロピル−4−メチル−1,4−シクロヘキサジエ
ン(γ−テルピネン)などの置換もしくは非置換のシク
ロヘキサジエン化合物類、1,4−シクロヘプタジエン
などの置換もしくは非置換のシクロヘプタジエン化合物
類、1,4−シクロオクタジエン、1,5−シクロオク
タジエン、1−メチル−1,5−シクロオクタジエン、
1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエンなどの
置換もしくは非置換のシクロオクタジエン化合物類、
1,5,9−シクロドデカトリエンなどの置換もしくは
非置換のシクロドデカトリエン類などを挙げることがで
きる。これらのうち、特に置換もしくは非置換のシクロ
オクタジエン化合物類を用いることが好ましい。これら
の化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0039】環状非共役ポリエンの使用量は、後述する
特定の遷移金属錯体化合物に対しモル比で0.01〜5
00倍の範囲であり、好ましくは0.1〜100倍の範
囲であり、更に好ましくは0.2〜50倍の範囲であ
る。
【0040】本発明において、特定のシクロオレフィン
系付加(共)重合体の分子量は、重合条件などによって
制御することができるが、通常、固有粘度(ηinh)
が0.2〜5dL/g、好ましくは0.4〜1.5dL
/g、特に好ましくは0.45〜1.00dL/gとな
る大きさであることが好ましい。
【0041】また、特定のシクロオレフィン系付加
(共)重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)で測定したポリスチレン換算数平均分子
量(Mn)が8,000〜500,000、重量平均分
子量(Mw)が20,000〜1,000,000の範
囲であることが好ましい。
【0042】更に、特定のシクロオレフィン系付加
(共)重合体のガラス転移温度は、用いる単量体の種類
によっても異なり、従って単量体を選択することによっ
て適宜制御することが可能であるが、通常170℃〜3
00℃、好ましくは180℃〜280℃、さらに好まし
くは200℃〜250℃である。
【0043】特定のシクロオレフィン系付加(共)重合
体の製造においては、上記の特定のシクロ単量体の付加
重合反応のための触媒として、従来公知の触媒を利用す
ることも可能であるが、特に上記一般式(2)で表され
る遷移金属錯体化合物(以下、「特定の遷移金属錯体化
合物」という。)を用いることが好ましい。一般式
(2)において、Mは、周期律表の第4族、第8族、第
9族または第10族から選ばれた遷移金属原子であっ
て、具体的には、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、P
d、Os、Ir、Pt、Ti、ZrまたはHfであり、
好ましくはFe、Co、NiまたはPdであり、更に好
ましくはNiまたはPdである。
【0044】A1 およびA2 は、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1
〜20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の
炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、アリル基など)、炭素原子数6〜20のア
リール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラ
セニル基など)、このようなアリール基であってメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などの置換基が1
〜5個結合したもの、炭化水素基で置換されたシリル
基、アルコキシル基、アリロキシ基、エステル基、アミ
ド基、アミノ基、スルホンアミド基、ニトリル基または
ニトロ基を示し、これらのうちの2個以上の基が互いに
連結して環を形成していてもよい。これらのうち好まし
いものは、フェニル基、アントラセニル基、特に好まし
いものはアントラセニル基である。
【0045】Lは、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素
基、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、
窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、
ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基
を示し、好ましくはトリフェニルフォスフィン残基また
はアセトニトリル残基である。
【0046】2つのXは、互いに同一でも異なっていて
もよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素
基、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素原子含有
基、窒素原子含有基、ホウ素原子含有基、硫黄原子含有
基、リン原子含有基、ケイ素原子含有基、ゲルマニウム
原子含有基またはスズ原子含有基を示し、これらのうち
の2個以上の基が互いに連結して環を形成していてもよ
い。これらのXで示される原子または基の具体的なもの
としては、水素原子、例えば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基およびアリル基などの炭素原子数1
〜20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の
炭化水素基、例えばフェニル基およびメシチル基などの
炭素原子数6〜9のアリール基などを挙げることができ
る。
【0047】Yは、酸素原子、硫黄原子または窒素原子
からなるヘテロ原子であって、Yが酸素原子または硫黄
原子であるときはA3 は存在せず、Yが窒素原子である
ときにのみA3 が存在し、A3 は、炭素原子数1〜20
の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水
素基または置換もしくは非置換の炭素原子数6〜20の
アリール基を示す。
【0048】特定のシクロオレフィン系単量体またはこ
れと共重合性単量体との付加重合反応においては、必要
に応じて、以下に示すようなアルミニウム、ニッケルま
たはホウ素による有機金属化合物を反応系に共存させる
ことができる。これらの有機金属化合物は、単独でまた
は2種以上を組み合わせて用いることができる。この有
機金属化合物は、いわゆる助触媒としての作用を有する
ものと考えられる。
【0049】上記有機アルミニウム化合物の具体例とし
ては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリドなどの一般
的なアルキルアルミニウム化合物や、メチルアルミノキ
サン、メチルアルミノキサン誘導体などを挙げることが
できる。
【0050】上記有機ニッケル化合物の具体例として
は、例えば、ニッケルビスシクロオクタジエン、ニッケ
ルビスオクトエートなどを挙げることができる。
【0051】上記有機ホウ素化合物の具体例としては、
例えば、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレ
ート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェ
ニル)ボレート、トリフルオロボロン、トリフェニルボ
ロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス
(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(ペン
タフルオロ)ボロン、トリス(ペンタフルオロ)フェニ
ルボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−
トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)
ボロン、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニ
ル)ホウ素などを挙げることができる。
【0052】上記の有機金属化合物のうち、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ニッケルビスシ
クロオクタジエンおよびメチルアルミノキサンが好まし
く、特に好ましくはニッケルビスシクロオクタジエンで
ある。
【0053】光半導体素子などが搭載された半導体装置
を構成する場合において、封止材を形成する特定のシク
ロオレフィン系付加(共)重合体中には、視覚欠陥およ
び異常輝点の原因となる異物がほとんど存在しないこ
と、或いは、異物が実質上存在しないことが好ましい。
具体的には、特定のシクロオレフィン系付加(共)重合
体中に、長軸が50μm以上である異物が0個/gすな
わち全く存在しないことが好ましく、さらに、長軸が3
0μm以上の異物が0個/gすなわち全く存在しないこ
とが好ましく、特に長軸が20μm以上の異物が0個/
gすなわち全く存在しないことが好ましい。
【0054】特定のシクロオレフィン系付加(共)重合
体中に含まれる異物の数(個/g)は、例えば以下のよ
うにして測定することができる。予め孔径が0.1μm
のメンブランフィルターを用いて濾過を行い、0.1μ
m以上の異物を完全に除去した溶媒を用意する。ここ
で、溶媒としては、特定のシクロオレフィン系付加
(共)重合体を溶解するものが用いられ、例えば、トル
エン、シクロヘキサン、テトラヒドロフランなどが挙げ
られる。次いで、秤量した特定のシクロオレフィン系付
加(共)重合体を溶媒に溶解して重合体溶液を調製し、
この重合体溶液を、例えば光散乱の原理を利用したパー
ティクルカウンターによって、長軸がそれぞれ20μm
以上、30μm以上、50μm以上である異物の個数を
カウントし、1g当たりの異物の数を求める。
【0055】また、特定のシクロオレフィン系付加
(共)重合体中に不純物として含まれる、当該特定のシ
クロオレフィン系付加(共)重合体に結合せずに遊離し
たハロゲン成分若しくは金属成分の量は、可能な限り少
ないことが好ましい。具体的には、特定のシクロオレフ
ィン系付加(共)重合体中に含まれる遊離したハロゲン
成分若しくは金属成分の含有量が100ppm以下であ
ることが好ましく、より好ましくは50ppm以下、さ
らに好ましくは10ppm以下である。遊離したハロゲ
ン成分若しくは金属成分の含有量が100ppmを超え
る場合には、当該特定のシクロオレフィン系付加(共)
重合体よりなる封止材に接触するリード線および半導体
素子等が腐食して断線や短絡が生じる結果、半導体装置
として機能しなくなることがある。
【0056】封止材を形成する材料は、半導体装置とし
ての性能を損なわない範囲内において、特定のシクロオ
レフィン系付加(共)重合体と公知の他の重合体との重
合体組成物よりなるものであってもよい。ここで、他の
重合体としては、スチレン系樹脂、スチレン系エラスト
マー、α−オレフィン樹脂、α−オレフィンエラストマ
ー、アクリル系樹脂、アクリル系エラストマー、特開平
9−221577号公報などに開示されている炭化水素
樹脂、ポリカーボネート樹脂などを用いることができ
る。
【0057】本発明に用いるシクロオレフィン系付加重
合体には、種々の添加剤を添加することができる。添加
剤としては酸化防止剤を添加することができ、この酸化
防止剤としては、特に限定されるものではなく、種々の
公知の酸化防止剤を用いることができるが、2,6−ジ
−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオ
ビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、
1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−
ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキ
ノン、ペンタエリスリチルテトラキス−3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのフェノ
ール系酸化防止剤、ヒドロキノン系酸化防止剤、または
例えばトリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)フ
ォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイ
ト、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)フォスファ
イトなどのリン系酸化防止剤を挙げることができる。こ
れらの酸化防止剤の1種または2種以上を添加すること
により、特定のシクロオレフィン系付加(共)重合体の
熱安定性および酸化安定性を向上させることができ、例
えば溶融成形に伴う熱劣化を効果的に抑制することがで
きる。
【0058】酸化防止剤以外の添加剤の具体例として
は、例えば、離型剤、難燃剤、抗菌剤、木粉、カップリ
ング剤、紫外線吸収剤、可塑剤、着色剤、滑剤、帯電防
止剤、シリコーンオイル、発泡剤などの公知の添加剤を
挙げることができ、これらは適宜配合することができ
る。
【0059】本発明の半導体装置は、上記の特定のシク
ロオレフィン系付加(共)重合体を含有してなる封止材
によって、半導体素子が封止されてなるものである。封
止材を形成する方法としては、特に限定されるものでは
なく、真空成形、プレス成形、射出成形等の公知の溶融
成形方法によって形成することができるが、高い工業的
生産性が得られる点で、プレス成形および射出成形が好
ましく、特に、射出成形が好ましい。また、溶融成形に
おける加熱による封止材の酸化劣化を防止するため、窒
素ガスなどの不活性ガス雰囲気下において封止材を形成
してもよい。
【0060】本発明の半導体装置においては、封止材の
表面に、例えば無機化合物、シランカップリング剤など
の有機シリコン化合物、アクリル系樹脂、ビニル系樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、シリ
コーン樹脂などの樹脂材料からなる被覆材を形成するこ
とができる。被覆材を形成する手段としては、当該被覆
材を形成する材料に応じて適宜選択することができ、具
体的には、熱硬化法、紫外線硬化法、電子線硬化法、γ
線硬化法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法などの公知の方法を挙げることができる。
このような被覆材を形成することにより、得られる半導
体装置の耐熱性、耐熱変形性、耐薬品性、耐摩耗性およ
び耐透湿性などを向上させることができる。
【0061】本発明の半導体装置によれば、特定のシク
ロオレフィン付加(共)重合体を含有してなる封止材に
よって封止されているため、成形加工性および工業的生
産性に優れ、しかも、当該封止材が高い耐熱性および高
い封止密着性を有するため、高い処理温度によるハンダ
付工程に対応することができる。更に、特定のシクロオ
レフィン付加(共)重合体を含有してなる封止材は、高
い透明性を有するため、光IC、発光ダイオード、半導
体レーザー、受光素子、固体撮影像素子、太陽電池、フ
ォトカプラ、フォトインタラプタ、光距離センサー等の
光半導体装置に好ましく適用することができる。
【0062】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。また、以下の実施例において、ガラス転移温度お
よび全光線透過率の測定、並びに耐熱性および封止密着
性の評価は、次のようにして行った。
【0063】(1)ガラス転移温度の測定:セイコーイ
ンスツルメンツ社製の示差走査熱量計を用いて、窒素雰
囲気下、昇温速度を毎分20℃として30℃から300
℃の温度範囲で測定した示差熱曲線からガラス転移温度
を求めた。測定用サンプルとしては、細かく砕いた樹脂
を約20mg秤量し、専用アルミパンに封入したものを
用いた。 (2)全光線透過率の測定:スガ試験機社製の直読ヘー
ズコンピューターを用いて、ASTM D1003試験
法に準拠して全光線透過率を測定した。測定試験片とし
ては、ソディック社製の射出成形機を用いて作製した厚
さが3mmである樹脂板を用いた。
【0064】(3)耐熱性の評価:日本パルス社製のR
F−330型遠赤外線式小型リフロー装置を用い、試料
を180℃で約90秒間予熱した後、試料上面温度が、
最高温度が260℃で、220℃以上になっている時間
が約30秒以上となるように調節して加熱試験を行っ
た。試料の上面温度は、マルコム社製RC−8型リフロ
ーチェッカーの熱電対を試料表面に耐熱テープで張り付
けることにより測定した。そして、加熱試験前および加
熱試験後の変形の有無を目視により判定し、変形が全く
認められない場合を○、わずかに変形が生じた場合を
△、大きな変形が生じた場合を×と評価した。 (4)封止密着性:半導体装置に対してヒートサイクル
試験(−40℃/80℃、各30分×10回)を行った
後に、プラチナ社製の万年筆用赤インク中に室温で24
時間浸漬し、リードフレームと封止樹脂との界面への赤
インクの浸透の程度を目視により判定し、赤インクの浸
入が全く認められない場合を○、一部に浸入が認められ
る場合を△、界面に完全に浸入している場合を×と評価
した。
【0065】〔重合体製造例1(本発明用)〕窒素ガス
雰囲気下において、オートクレーブ内に、触媒として、
一般式(2)においてA1 およびA2 がフェニル基、L
がトリフェニルホスフィン残基、Xがイソプロピル基
〔−CH(CH3 2 〕、Yが酸素原子、Mがニッケル
である遷移金属錯体化合物11.5ミリモル、およびニ
ッケルビスシクロオクタジエン23ミリモルを入れ、オ
ートクレーブ内の温度を10℃に設定した後、オートク
レーブ内をエチレンで置換した。次いで、オートクレー
ブ内の温度を10℃に保ちながら、当該オートクレーブ
内に、乾燥トルエン15Lを加え、エチレン圧6.9×
105Paの条件下で、特定のシクロオレフィン系単量
体として8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシ
クロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕ドデカ−3−エン
800g(3.4モル)を加えて3時間重合反応処理し
た。その後、得られた重合体溶液を大量のメタノールに
加えてポリマーを凝固させ、当該ポリマーを単離して造
粒し、重合体のペレット1360gを得た。得られた重
合体を分析したところ、この重合体は、8−メチル−8
−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.1
2,5 .17,10〕ドデカ−3−エンとエチレンとの付加共
重合体であり、GPCで測定されたポリスチレン換算の
重量平均分子量(Mw)は73.5×103 、重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量との比(Mw/Mn)の
値は1.6であり、また、100MHz13C−NMRに
よって測定した重合体中におけるエチレンに由来する構
造単位の割合は50モル%であった。また、得られた重
合体のガラス転移温度は200℃であり、全光線透過率
は92%であった。以下、この重合体を「樹脂A」とす
る。
【0066】〔重合体製造例2(本発明用)〕窒素ガス
雰囲気下において、オートクレーブ内に乾燥トルエン5
0Lを加え、更に、特定のシクロオレフィン系単量体と
して8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
〔4.4.0.12,5 .17,10〕ドデカ−3−エン13
5g(0.58モル)、特定の共重合性シクロオレフィ
ン系単量体として5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン69g(0.38モル)を加えると共
に、触媒として、一般式(2)においてA1 が9−アン
トラセン基、A2 がメチル基、Lがシアノメチル基〔−
CH2 CN〕、Xがイソプロピル基〔−CH(CH 3
2 〕、Yが酸素原子、Mがニッケルである遷移金属錯体
化合物4.6ミリモルを入れ、室温で3時間重合反応処
理した。得られた重合溶液を大量のメタノールに加えて
ポリマーを凝固させ、当該ポリマーを単離して造粒し、
重合体のペレット153gを得た。この操作を繰り返し
行うことにより、合計で1530gの重合体のペレット
を得た。得られた重合体を分析したところ、この重合体
は、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
〔4.4.0.12,5 .17,10〕ドデカ−3−エンと5
−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンとの
付加共重合体であり、GPCで測定されたポリスチレン
換算の重量平均分子量(Mw)は16.3×10 3 、重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量との比(Mw/M
n)の値は1.5であった。また、得られた重合体のガ
ラス転移温度は280℃であり、全光線透過率は92%
であった。以下、この重合体を「樹脂B」とする。
【0067】〔重合体製造例3(比較用)〕8−メチル
−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.
2,5.17 ,10〕ドデカ−3−エン800gの代わり
に、テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデ
カ−3−エン800gを用いたこと以外は、重合体製造
例1と同様にして重合体のペレットを得た。得られた重
合体は、テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10
ドデカ−3−エンとエチレンとの付加共重合体であり、
重合反応におけるテトラシクロ〔4.4.0.12,5
7,10〕ドデカ−3−エンの重合転化率は73%であ
り、また、100MHz13C−NMRで測定したとこ
ろ、重合体中におけるエチレンに由来する構造単位の割
合は45モル%であった。また、得られた重合体のガラ
ス転移温度は210℃であり、全光線透過率は92%で
あった。以下、この重合体を「樹脂C」とする。
【0068】〔重合体製造例4(比較用)〕8−メチル
−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .1 7,10]ドデカ−3−エン2500g(10.
8モル)と、分子量調節剤として1−ヘキセン410g
と、重合溶媒としてトルエン8.7Lとを、窒素置換し
た反応容器内に仕込み、得られた溶液を60℃に加熱し
た。次いで、反応容器内の溶液に、トリエチルアルミニ
ウムのトルエン溶液(濃度1.5モル/l)6.2g
と、t−ブタノール/メタノールで変性した六塩化タン
グズテン(t−ブタノール:メタノール:タングステン
=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液
(濃度0.05モル/l)37gとを添加し、この系を
80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応さ
せて開環重合体溶液を得た。この重合反応における重合
転化率は97%であった。このようにして得られた開環
重合体溶液10kgをオートクレーブに仕込み、この開
環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6 5
3 3 1.2gを添加し、水素ガス圧100kg/cm
2 、反応温度165℃の条件下で3時間加熱攪拌するこ
とにより水素添加反応させた。得られた反応溶液(水素
添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。
このようにして得られた水素添加重合体の水素化率を4
00MHz 1H−NMRで測定したところ、実質上10
0%であった。さらに、この水素添加重合体溶液を大量
のメタノールに加えてポリマーを凝固させ、当該ポリマ
ーを単離して造粒し、重合体のペレットを得た。得られ
た重合体のガラス転移温度は165℃であり、全光線透
過率は92%であった。以下、この重合体を「樹脂D」
とする。
【0069】〈実施例1〉ソディック社製の射出成形機
を用い、窒素雰囲気下に、シリンダー温度が320℃、
金型温度が190℃の条件で、樹脂Aを射出成形するこ
とにより、樹脂Aよりなる封止材によって封止された、
図1に示す構成の半導体装置(発光ダイオード)を製造
した。図1に示す半導体装置について説明すると、この
半導体装置は、一方のリードフレーム4と、この一方の
リードフレーム4上に搭載された発光ダイオード用の半
導体素子2と、この半導体素子2に金線3によって結線
された他方のリードフレーム5とを有し、これらの各部
材が、一方のリードフレーム4および他方のリードフレ
ーム5の外端部分を除き、樹脂Aよりなる封止材1によ
って封止されてなるものである。この半導体装置におけ
る耐熱性および封止密着性の評価結果を、下記表1に示
す。
【0070】〔実施例2〕プレス成形機を用い、窒素雰
囲気下に、プレス温度250℃、プレス圧力7MPaの
条件で、樹脂Aをプレス成形することにより、樹脂Aよ
りなる封止材によって封止された、図2に示す構成の半
導体装置(光IC)を製造した。図2に示す半導体装置
について説明すると、この半導体装置は、一方のリード
フレーム4と、この一方のリードフレーム4に搭載され
た発光素子6と、他方のリードフレーム5と、この他方
のリードフレーム5に搭載された受光素子7とを有し、
発光素子6と受光素子7とが互いに対向するよう配置さ
れ、これらの各部材が、一方のリードフレーム4および
他方のリードフレーム5の外端部分を除き、樹脂Aより
なる封止材1によって封止されてなるものである。この
半導体装置における耐熱性および封止密着性の評価結果
を、下記表1に示す。
【0071】〈実施例3〉樹脂Aの代わりに樹脂Bを用
い、シリンダー温度を380℃に、金型温度を250℃
に変更したこと以外は、実施例1と同様にして半導体装
置を製造した。この半導体装置における耐熱性および封
止密着性の評価結果を、下記表1に示す。
【0072】〈実施例4〉樹脂Aの代わりに樹脂Bを用
い、プレス温度を330℃に変更したこと以外は、実施
例2と同様にして半導体装置を製造した。この半導体装
置における耐熱性および封止密着性の評価結果を、下記
表1に示す。
【0073】〈比較例1〉樹脂Aの代わりに樹脂Cを用
い、シリンダー温度を330℃に、金型温度を200℃
に変更したこと以外は、実施例1と同様にして半導体装
置を製造した。この半導体装置における耐熱性および封
止密着性の評価結果を、下記表1に示す。
【0074】〈比較例2〉樹脂Aの代わりに樹脂Cを用
い、プレス温度を270℃に変更したこと以外は、実施
例2と同様にして半導体装置を製造した。この半導体装
置における耐熱性および封止密着性の評価結果を、下記
表1に示す。
【0075】〈比較例3〉樹脂Aの代わりに樹脂Dを用
い、シリンダー温度を300℃に、金型温度を140℃
に変更したこと以外は、実施例1と同様にして半導体装
置を製造した。この半導体装置における耐熱性および封
止密着性の評価結果を、下記表1に示す。
【0076】〈比較例4〉樹脂Aの代わりに樹脂Dを用
い、プレス温度を210℃に変更したこと以外は、実施
例2と同様にして半導体装置を製造した。この半導体装
置における耐熱性および封止密着性の評価結果を、下記
表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】表1の結果から明らかなように、実施例1
〜4に係る半導体装置は、いずれも耐熱性および封止密
着性が高い封止材によって封止されてなるものであるこ
とが確認された。また、これらの封止材は、全光線透過
率が92%であり、光半導体装置として良好な光学特性
を有するものである。これに対して、比較例1〜2に係
る半導体装置の封止材は、耐熱性が低く、封止密着性が
極めて低いものであり、また、比較例3〜4に係る半導
体装置の封止材は、封止密着性が高いものであるが、耐
熱性が極めて低いものであった。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
成形加工性および工業的生産性に優れ、しかも、高い耐
熱性および高い封止密着性を有し、更に、高い透明性を
有する封止材を具え、高い処理温度によるハンダ付工程
に対応することができる半導体装置およびその製造方法
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る半導体装置の構成を示す説明図
である。
【図2】実施例2に係る半導体装置の構成を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 封止材 2 半導体素子 3 金線 4 一方のリードフレーム 5 他方のリードフレーム 6 発光素子 7 受光素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大月 敏敬 東京都中央区築地2丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BK001 GQ05 4J015 EA04 4J100 AA00Q AA02Q AA03Q AA04Q AA20Q AB00Q AB02Q AB03Q AL02Q AM02Q AM15Q AR09P AR09Q AR11P AR11Q AU21Q BA04P BA05P BA15P BA20P BA31P BA40P BA56P BA77P BC04Q BC43P BC43Q CA04 DA01 DA04 DA25 DA62 FA08 JA46 4M109 AA01 EC05 EC09 EC11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるシクロオレ
    フィン系単量体を付加重合させて得られる特定のシクロ
    オレフィン系付加重合体を含有してなる封止材によって
    封止されてなることを特徴とする半導体装置。 【化1】 〔式中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に,水素原子、炭
    素原子数1〜10の炭化水素基、下記の特定の極性基、
    および、下記の特定の極性基により置換された極性炭化
    水素基よりなる群より選ばれた原子または基を示す。ま
    た、R1 〜R4 は、それぞれ独立に、芳香族または複素
    環を有する基であってもよく、炭素原子数1〜5のアル
    キレン基を介して結合していてもよい。更に、R1 とR
    2 またはR 3 とR4 は、一体化して2価の炭化水素基を
    形成してもよく、R1 またはR2 と、R3 またはR4
    は、互いに結合して単環構造または多環構造を形成して
    いてもよい。但し、R1 〜R4 のうちの少なくとも1つ
    は特定の極性基または極性炭化水素基である。mは0ま
    たは正の整数であり、pは0または正の整数である。但
    し、m+p=0〜4である。特定の極性基:アルコキシ
    ル基、水酸基、カルボキシル基、エステル基、シアノ
    基、一級、二級若しくは三級アミノ基、アミド基、イミ
    ド基、スルホニル基を有する基、シリル基、並びに、ア
    ルキル基、アルコキシル基、ジオール残基およびトリオ
    ール残基から選ばれた少なくとも1種の置換基により置
    換されたシリル基からなる群より選ばれた極性基。〕
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一般式(1)で表され
    るシクロオレフィン系単量体およびこれと共重合可能な
    単量体を付加重合させて得られる特定のシクロオレフィ
    ン系付加共重合体を含有してなる封止材によって封止さ
    れてなることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で表されるシクロオレフィ
    ン系単量体と共重合可能な単量体が、一般式(1)で表
    されるシクロオレフィン系単量体以外のシクロオレフィ
    ン系単量体、α−オレフィン化合物類、ビニル基が結合
    された環状飽和炭化水素化合物類、ビニル基含有芳香族
    化合物類、(メタ)アクリル酸エステル類、アクリロニ
    トリルおよびアクリルアミドからなる群より選ばれた少
    なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項2
    に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 一般式(1)で表されるシクロオレフィ
    ン系単量体と共重合可能な単量体がエチレンであること
    を特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 封止材を形成する特定のシクロオレフィ
    ン系付加重合体または特定のシクロオレフィン系付加共
    重合体が、下記一般式(2)で表される遷移金属錯体化
    合物の存在下において付加重合反応が行われることによ
    り得られるものであることを特徴とする請求項1乃至請
    求項4のいずれかに記載の半導体装置。 【化2】 〔式中、Mは、周期律表の第4族、第8族、第9族また
    は第10族から選ばれた遷移金属原子を示す。A1 およ
    びA2 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
    子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の直鎖状もしく
    は分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、芳香族炭
    化水素基、炭化水素基で置換されたシリル基、アルコキ
    シル基、アリロキシ基、エステル基、アミド基、アミノ
    基、スルホンアミド基、ニトリル基またはニトロ基を示
    し、これらのうちの2個以上の基が互いに連結して環を
    形成していてもよい。Lは、ハロゲン原子、ハロゲン化
    炭化水素基、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素
    含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン
    含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはス
    ズ含有基を示す。2つのXは、互いに同一でも異なって
    いてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化
    水素基、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素原子
    含有基、窒素原子含有基、ホウ素原子含有基、硫黄原子
    含有基、リン原子含有基、ケイ素原子含有基、ゲルマニ
    ウム原子含有基またはスズ原子含有基を示し、これらの
    うちの2個以上の基が互いに連結して環を形成していて
    もよい。Yは、酸素原子、硫黄原子または窒素原子から
    なるヘテロ原子であって、Yが酸素原子または硫黄原子
    であるときはA3 は存在せず、Yが窒素原子であるとき
    はA3 が存在し、A3 は、炭素原子数1〜20の直鎖状
    もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基また
    は置換もしくは非置換の炭素原子数6〜20のアリール
    基を示す。〕
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の半導体装置を製造する方法であって、特定のシクロオ
    レフィン系付加重合体または特定のシクロオレフィン系
    付加共重合体を射出成形することによって封止材を形成
    する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
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