JP3933157B2 - ノルボルナン系ポリエーテル重合体 - Google Patents

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Description

本発明は、透明性を有する新規なノルボルナン系ポリエーテル重合体に関する。
透明性樹脂は、照明機器、電気部品、自動車部品、その他の日用品、あるいは電子、情報機器分野など広範に利用されている。その主たる理由の一つは、ガラス材料に比べて軽量かつ量産性の点で優位である点が挙げられるが、それぞれの用途に応じて透明性以外の各種特性を併せ持つことが要求される。
透明樹脂の中でもポリメチルメタクリレート及びポリカーボネートは代表的なものであり、広範かつ大量に使用されているが、近年、用途分野によってはこれらの特性では対応しきれない事例も多くなり、炭化水素成分を主体とする脂環式タイプの熱可塑性樹脂が各種提案され、必須な樹脂として浸透しつつある。
これら脂環式タイプの樹脂としては、例えば、a)メタセシス開環重合反応で得られるポリマーを水素添加したノルボルナン系を単位構造に有する炭化水素系樹脂(特許文献1)、b)同様にメタセシス開環重合反応で得られるポリマーを水素添加したノルボルナン系を単位構造に有するポリマーであるが、側鎖にエステル基を有する樹脂(特許文献2)、c)ノルボルネン系モノマーのビニル重合体樹脂(特許文献3)、d)ノルボルネン系モノマーとα−オレフィン等とのビニル共重合体樹脂(特許文献4)、e)ポリスチレンの芳香環を全水素化したポリビニルシクロヘキサン樹脂(特許文献5)、あるいはf)アルコール成分として側鎖にノルボルナン系基を有するメタクリル酸エステル重合体(特許文献6)などが挙げられる。
上記例示の脂環式タイプの樹脂において基本的に指向されている点は、脂環式基の導入によって非環状の脂肪族基に特有のガラス転移温度の低下を抑える点にある。性能面に限定すれば、該効果に加えた各種要求性能のバランス結果で用途に応じた選択がなされている。
また、含有する元素の視点からは、上記例示の脂環式タイプの樹脂は、
1)実質的に全炭化水素系樹脂:a)、c)、d)、e)
2)炭素、水素、酸素含有系樹脂:b)、f)
のように分類される。
上記脂環式タイプの樹脂で、1)実質的に全炭化水素系樹脂に属するもの(a、c、d、e)は、耐水性や短波長光吸収抑制の点では優れた特性を有するものの、基材への密着性等の点で不足する場合があり、また、2)炭素、水素、酸素、含有系樹脂系樹脂に属するもの(b、f)に関しては、官能基としてエステル基を有することから密着性の点では有利であるが、エステル基のカルボニル基が二重結合であるため、耐水性や短波長光吸収抑制の点で前者に比べて一定の限界を有するのは避けられない。
一方、製造工程の観点からは、メタセシス重合反応を経る方法(a、b)では、重合後主鎖の二重結合を実質的に完全に水素化させる高分子水素化反応工程を含むニ段階の工程を必須とする欠点がある。
以上のように、密着性等改善のために導入された酸素原子で、しかも短波長光吸収抑制や耐水性の点で不利なカルボニル基を含有せず、さらに一段階反応工程で製造される耐熱性と透明性を兼備するバランス性の良好な樹脂が望まれていた。
特開昭60−26024号公報 特開平1−240517号公報 特開平4−63807号公報 特開昭61−292601号公報 特開平1−317728号公報 特開昭62−246001号公報 J. MACROMOL. SCI.−CHEM.,A11,p.603 (1977)
本発明の課題は、カルボニル基の如く二重結合性酸素原子を含まず、耐水性や、特に短波長光吸収抑制の点で有利性が期待されるエーテル性酸素結合からなり、しかもエーテル結合が、耐熱性の点で有利な脂環部位に直結して主鎖として構成される樹脂で、しかもニ段階反応工程を必要としない製造法が適用できる耐熱性と透明性を兼備する新規な脂環式ポリエーテルを提供することにある。
すなわち、本発明は、下記式(1)で表される構造単位からなる単独重合体であるか、あるいは下記式(1)で表される構造単位と下記式(2)で表される構造単位とから構成され、その構成モル比(1)/(2)が10/90以上である共重合体であって、かつ、該単独重合体または該共重合体のGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が5,000以上であるノルボルナン系ポリエーテル重合体である。
Figure 0003933157
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該ポリマーは、ポリマー主鎖に脂環部位に直結したエーテル性の炭素−酸素結合を含み、カルボニル基を全く含有せず、しかも実用的に充分に高いガラス転移温度と透明樹脂を兼備する新規な脂環式ポリエーテル樹脂であることを見出し本発明を完成するに至った。該ポリマーは、オキシラン環の開環重合による一段階反応工程で得ることができる。
主鎖に脂環部位に直結したエーテル性の炭素−酸素結合を含むポリエーテル系で、かつ二環(ビシクロ系)以上の脂環式基を有する樹脂はこれまで全く開示されていなかった。唯一の近傍例としては、J. MACROMOL. SCI.−CHEM.A11巻、603頁、1977年に特定の触媒によるノルボルネンエポキシドのカチオン重合体が開示されているが、その重量平均分子量は最高でも1500しかなく、いわゆるオリゴマーに属するものと考えられる。
本発明によれば、耐水性や特に短波長光吸収抑制、密着性、耐熱性がバランスよく改善された新規な透明樹脂を提供できる。また、該樹脂は高分子水素化反応等を含むニ段階反応を必要とせず製造できる。
本発明の樹脂は、下記式(1)で表される構造単位からなる単独重合体であるか、あるいは下記式(1)で表される構造単位と下記式(2)で表される構造単位とから構成され、その構成モル比(1)/(2)が10/90以上である共重合体であって、かつ、該単独重合体または該共重合体のGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が5,000以上であるノルボルナン系ポリエーテル重合体であるが、特に、構成モル比(1)/(2)は20/80以上が好ましく、更に好ましくは30/70以上である。構成モル比(1)/(2)は10/90未満であると共重合体の有するガラス転移温度が不足する。
Figure 0003933157
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本発明の単独及び共重合体のGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は5,000以上である。該重量平均分子量が5,000以下であると成形体あるいは成膜品としての強度あるいは硬度が不足する。該重量平均分子量の上限は特に制限はないが、好ましくは100万以下、更に好ましくは50万以下、特に好ましくは30万以下であり、最も好ましいのは20万以下である。
本発明の(1)式で表される構造単位を有する単独重合体樹脂は、5、6−ジヒドロジシクロペンタジエンエポキシド(以下、DCPDOと略記する)のオキシラン環を開環重合することで、また(1)式で表される構造単位を必須とし、(2)式で表される構造単位とから構成される共重合体は、DCPDOとシクロヘキセンエポキシド(以下、CHOと略記する)の共存下、両モノマーのオキシラン環を開環重合することで合成され得る。該開環重合反応はオキシランの開環重合触媒の存在下で行ってよい。
該開環重合触媒は公知のものを適用することができ特に制限されるものではないが、例えば、いわゆる「ファンデンベルグ触媒」と称される触媒とその関連触媒が挙げられる。より具体的にはアルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムアルコキシド、あるいはアルキルアルミノキサンなどの炭素−アルミニウム結合を有する有機アルミニウム化合物の該結合の一部を水、アルコール、又はアミンなど活性水素結合を有する化合物と反応させた触媒、及び該触媒をアセチルアセトンやエチレンジアミン誘導体などで更にキレート化させた触媒、あるいはこれらを希土類金属化合物で修飾させた触媒などが挙げられる。
また、アルキル亜鉛の炭素−亜鉛結合を、上記と同様に活性水素を有する化合物と部分的に反応させた触媒も挙げられる。あるいは例えば特開平5−17569号公報に開示の如き複合金属シアン化物錯体触媒、更に、特公昭51−20560号公報に開示の含Sn系の触媒、あるいは特公昭49−11639号公報に記載の有機複合金属化合物系触媒などが挙げられる。
上記触媒に比べて、高分子量を与える触媒としてはやや劣るが、トリフルオロボロン・エーテラートなど特定のカチオン重合触媒も使用できる。
触媒の使用量は全モノマー量に対して0.05〜40重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜20重量%、更に好ましくは0.5〜15重量%である。
開環重合反応は該脂環式エポキシドモノマーを非プロテイックな溶媒に溶解させた溶液を上記例示の触媒の存在下、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
好ましい非プロテイックな溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの非環状又は環状の脂肪族系溶媒、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼンなどの非置換又は置換の芳香族系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどの非環状又は環状のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒などが挙げられる。
特定の重合温度や共重合反応では無溶媒でも重合温度範囲で均一な液状となる場合もあり、その際は無溶媒での重合反応も可能である。
重合温度は−100℃〜200℃の範囲を適用することができる。
重合反応後のポリマーの取得にあたっては公知の方法が適用できる。すなわち、反応媒体からポリマーが析出する場合はろ過、遠心分離などの方法によって分離し、反応媒体にポリマーが溶解する場合は、反応媒体の蒸発による分離、あるいは反応溶液を該ポリマーに対する貧溶媒、例えばメタノールやエタノールと混合させてポリマーを析出させて残存モノマー、あるいは低分子量ポリマーと分離させる方法、などが適用できる。その際、溶媒の種類と混合比を選定することによる分別によって、目的の分子量分布に応じて低分子量部分または高分子量部分を低減、調整することが可能である。
選択された触媒の種類と量によっては上記処理をする前に反応液を適切な薬剤によって処理することで触媒由来の含金属基をポリマーから離脱させ、既に遊離の触媒系化合物も含めて該反応系から触媒由来の金属化合物を分離させる方法も適用され得る。必要に応じて上記析出、分離処理後に触媒由来の金属化合物を分離することも出来る。適切な薬剤としては例えば希酸水溶液が挙げられる。
[5、6−ジヒドロジシクロペンタジエンエポキシドの調製]
市販試薬(東京化成)の5、6−ジヒドロジシクロペンタジエンを過酸化水素水を用いて公知の方法に準じてエポキシ化して合成した。その他の薬品は市販品の試薬を用いた。
H−NMRはJNM−GS×270(JEOL社製)にて重水素化ベンゼン中で測定した。共重合体の組成比(1)/(2)はδ(3.9〜4.8)とδ(3.5〜3.9)の領域のピーク面積比から求めた。
GPCは、Shodex KF−806L×3カラムを用いてテトラヒドロフラン溶離液にてポリスチレン換算により測定した。
DSCはDSC7(PERKIN ELMER 社製)を用いて以下の前処理後、10℃/分の昇温条件で測定しガラス転移温度(Tg)を求めた。
30℃(2分)→10℃/分(昇温)→230℃(5分)→10℃/分(降温)→30℃(5分)
[触媒の調製]
磁気攪拌子と三方コックを備えた100mlのガラスフラスコに、窒素気流下トリエチルアルミニウム(以下、TEAと略記する)の15%ヘキサン溶液を60ml(54.4mM)加えた後、モレキュラシーブ4Aで乾燥したジエチルエーテルを19mlを加え、氷冷し、攪拌下、脱イオン水490mg(27.2mM)を30分間で滴下した。各液の仕込みは全て窒素気流下シリンジを用いて行った。氷冷下、1時間攪拌を続けた後、室温で更に1時間攪拌し、攪拌を停止して1日放置後、TEA触媒として使用した。
[実施例1]
DCPDO100重量部にベンゼン30重量部を加えて溶解させ77重量%の溶液を調製し、これにモレキュラシーブ4Aを加えて乾燥させた。
容量約30mlのガラス製アンプル内を窒素置換させ、シリンジを用いてDCPDOの77重量%ベンゼン溶液2.5ml[DCPDO;2.0g、13mM]を加え氷冷し、次いで予め調製したTEA触媒1.2ml[TEA換算で92mg、0.82mM)]を加え、ドライアイス−アセトンで冷却後、アンプルを溶封した。上記操作は全て窒素雰囲気下で行い、大気雰囲気から実質的にシールされた状態で操作を行った。該アンプルを室温(約25℃)で4日間静置した。
該アンプルを開封し、ベンゼン約8gで希釈後以下の洗浄操作を行った。
上記ベンゼン希釈溶液に3%塩酸水溶液を加え、振とう器で室温下30分間振とうした。水層を除去し、水層のpHが約1になったことを確認後、有機層を3%塩酸水溶液3g、2%炭酸水素ナトリウム水溶液3gで2回、脱イオン水3gで3回洗浄した。
得られた有機層を多量のメタノールに注ぎ、振とう器で室温下30分間振とうした。
沈殿の析出した混合物をろ過し、メタノールで洗浄後減圧下、50℃で2時間乾燥後、得られた固体をベンゼン約13gに再度溶解し、多量のメタノールに注いだ。析出した沈殿をろ過、メタノール洗浄後、減圧下、50℃で2時間処理し、ポリマー[(1)とする]0.75gを得た(収率38%)。
得られたポリマーの性状と解析結果を表1に示す。
[実施例2]
DCPDO100重量部にベンゼン234重量部を加えて溶解させ30重量%の溶液を調製し、これにモレキュラシーブ4Aを加えて乾燥させた。
DCPDOの30重量%ベンゼン溶液15ml[DCPDO;4.2g、28mM]、TEA触媒6.9ml[TEA換算で530mg、4.6mM)]を用いた以外は実施例1と同様にして溶封したアンプルを室温(約25℃)で4日間静置した。
該アンプルを開封し、多量のメタノールに注ぎ沈殿を析出させ、上澄み液を除去後残部を遠心分離して固液分離した。沈降部にベンゼン約25gを加えてかき混ぜ、遠心分離し、沈降部とベンゼン溶液を分離し、沈降部にベンゼン約25gを加えてかき混ぜ後遠心分離し、沈降部とベンゼン溶液を分離し、得られた2回分のベンゼン溶液を合わせた。
沈降部について、ベンゼン約14gを加えて膨潤、濁状とし、3%塩酸水溶液4g、次いで5gで洗浄し、水層部のpHが1になったことを確認した。ベンゼン層は均一溶液となった。更に2%炭酸水素ナトリウム水溶液3gで2回、脱イオン水3gで3回洗浄した後、多量のメタノールに注ぎ沈殿を析出させ、上澄み液を除去後残部を遠心分離で固液分離し、沈降部を減圧下、50℃で2時間処理し、ポリマー[(2−A)とする]0.28gを得た(収率7%)。
2回分を合わせたベンゼン溶液について、実施例1と同様にして3%塩酸水溶液、2%炭酸水素ナトリウム水溶液、脱イオン水、多量のメタンール処理、遠心分離による固液分離を行い、得られた沈降部を50℃で2時間処理し、ポリマー[(2−B)とする]1.15gを得た(収率28%)。
得られたポリマーの性状と解析結果を表1に示す。
[実施例3]
DCPDO100重量部にベンゼン900重量部を加えて溶解させ10重量%の溶液を調製し、これにモレキュラシーブ4Aを加えて乾燥させた。
DCPDOの10重量%ベンゼン溶液13.5ml[DCPDO;1.2g、8.0mM]、触媒としてBF3・O(C2H5)2を62mg、溶封したアンプルを室温(約25℃)で5日間静置した以外は実施例1と同様に重合反応と後処理を行い、ポリマー[(3)とする]0.19gを得た(収率16%)。
得られたポリマーの性状と解析結果を表1に示す。
[実施例4]
DCPDO100重量部とCHO7.7重量部の混合物[DCPDO/CHO=89/11(M/M)]にベンゼン27重量部を加えて溶解させ80重量%の溶液を調製し、これにモレキュラシーブ4Aを加えて乾燥させた。
上記(DCPDO/CHO)モノマーの80重量%ベンゼン溶液2.3ml[モノマー合計;1.89g、13.1mM]、TEA触媒1.4ml[TEA換算で107mg、0.94mM)]、溶封したアンプルを室温(約25℃)で5日間静置した以外は実施例1と同様に重合反応と後処理を行い、ポリマー[(4)とする]0.88gを得た(収率47%)。
得られたポリマーの性状と解析結果を表1に示す。
[実施例5]
DCPDO100重量部とCHO28重量部の混合物[DCPDO/CHO=70/30(M/M)]にベンゼン32重量部を加えて溶解させ80重量%の溶液を調製し、これにモレキュラシーブ4Aを加えて乾燥させた。
上記(DCPDO/CHO)モノマーの80重量%ベンゼン溶液2.7ml[モノマー合計;2.20g、16.3mM]、TEA触媒1.4ml[TEA換算で107mg、0.94mM)]、溶封したアンプルを室温(約25℃)で5日間静置した以外は実施例1と同様に重合反応と後処理を行い、ポリマー[(5)とする]1.09gを得た(収率50%)。
得られたポリマーの性状と解析結果を表1に示す。
[実施例6]
DCPDO100重量部とCHO65.1重量部の混合物[DCPDO/CHO=50/50(M/M)]にベンゼン41.5重量部を加えて溶解させ80重量%の溶液を調製し、これにモレキュラシーブ4Aを加えて乾燥させた。
上記(DCPDO/CHO)モノマーの80重量%ベンゼン溶液2.7ml[モノマー合計;2.15g、17.3mM]、TEA触媒1.4ml[TEA換算で107mg、0.94mM)]、溶封したアンプルを室温(約25℃)で5日間静置した以外は実施例1と同様に重合反応と後処理を行い、ポリマー[(6)とする]1.10gを得た(収率51%)。
得られたポリマーの性状と解析結果を表1に示す。
[実施例7]
DCPDO100重量部とCHO260重量部の混合物[DCPDO/CHO=20/80(M/M)]にベンゼン90重量部を加えて溶解させ80重量%の溶液を調製し、これにモレキュラシーブ4Aを加えて乾燥させた。
上記(DCPDO/CHO)モノマーの80重量%ベンゼン溶液2.7ml[モノマー合計;2.10g、19.4mM]、TEA触媒1.4ml[TEA換算で107mg、0.94mM)]、溶封したアンプルを室温(約25℃)で5日間静置した以外は実施例1と同様に重合反応と後処理を行い、ポリマー[(7)とする]1.24gを得た(収率59%)。
得られたポリマーの性状と解析結果を表1に示す。
Figure 0003933157
[実施例8]
DCPDO100重量部にトルエン60.5重量部を加えて溶解させ62.3重量%の溶液を調製し、これにモレキュラシーブ4Aを加えて乾燥させた。
攪拌器、滴下ロート、温度計、三方コックを備えた1Lのガラス製四ツ口フラスコをセットし、系内を窒素置換した。以下重合停止操作までの系内への薬品の導入は実質上外気と遮断して行った。
フラスコに上記調製のDCPDOのトルエン溶液75.3重量部[DCPDO;46.9重量部]を加えた。
2個の滴下ロートの一方には上記調製の触媒33重量部を、他方の滴下ロートには乾燥トルエン45.7重量部を仕込んだ。
攪拌しながらフラスコをドライアイス/メタノール浴にて冷却し、内温を−40℃に冷却した。
触媒の滴下を開始し、発熱による内温の上昇を制御して内温約−40℃を維持しながら約1時間30分間で全量を滴下した。平行して、反応液の粘度上昇を緩和させるためトルエンを滴下し、最終的に全量を滴下した。
触媒の滴下終了後、内温約−40℃にて5時間攪拌を続けその後メタノール1.5重量部を加えて反応を停止した。
ドライアイス/メタノール浴をはずし、攪拌下、トルエン135重量部、更に3%塩酸水溶液135重量部を加えて内温が室温になるまで攪拌を続けた。
上記内容液は静置すると2層分離し、下層水層のpHは約1の酸性を示した。水層を分離し、上層有機層を3%塩酸水溶液68重量部、2%炭酸水素ナトリウム水溶液135重量部(水層のpHが約8のアルカリ性を確認)、脱イオン水68重量部で3回、の順序で洗浄、分液した。
得られた有機層をSUS容器中にて高速攪拌下メタノール1800重量部に滴下し、白色沈殿を析出させた。ろ別後得られた白色沈殿をトルエン220重量部に溶解し、得られた溶液を0.45μmのメンブランフィルターにて吸引ろ過し、ろ液について同様に高速攪拌下メタノール1800重量部に滴下し、白色沈殿を得た。得られた沈殿を減圧下、140℃にて6時間乾燥させ白色粉末状のポリマー(8)31.6重量部を得た(収率67%)。
得られたポリマーの性状と解析結果を表2に示す。
[実施例9]
実施例8における反応内温を−35℃とした以外は実施例8と同様にして重合と後処理を行い、白色粉末状のポリマー(9)34.8重量部を得た(収率74%)。
得られたポリマーの性状と解析結果を表2に示す。
[実施例10]
実施例8における「他方の滴下ロート」に仕込んだ乾燥トルエン45.7重量部の代りに、CHOを2.3重量部を含む乾燥トルエン溶液48.0重量部を、反応内温を−50℃に、触媒滴下後メタノールを加えるまでの攪拌時間を3時間とした以外は実施例8と同様にして重合と後処理を行い、白色粉末状のポリマー(10)41.1重量部を得た(収率84%)。
得られたポリマーの性状と解析結果を表2に示す。
Figure 0003933157
[透明性の確認]
ポリマー粉末をガラス管に仕込み、管内を減圧に保持しながら220〜250℃の油浴中で実施例1〜7については2〜10分間、実施例8から10については45分から1時間加熱し、内容物全体が溶融状態になっていることを確認した後、室温まで冷却した。
得られた溶融後ポリマーを目視観察し、その透明性を定性的に判定した。その結果、実施例1〜10で得られた全てのポリマーについて、ガラスと同程度の透明性を示し、曇性は認められなかった。
本発明による新規なノルボルナン系ポリエーテル重合体透明樹脂は、照明器具カバー類などの照明機器、絶縁フィルムやスピーカーの振動板などの電気部品、自動車ランプなどの自動車部品、眼鏡部品、その他透明性を必要とする日用品に利用することができる。
とりわけ、電子・情報機器分野においての有用性は大きく、例えば導電性のシート、発光素子の封止材、電子素子の封止材、高周波回路基板、プリント配線基板などに代表される電子機器分野において、あるいは、画像・音楽等の情報記録・再生に関わる光磁気ディスク、光デイスク(色素系ディスク等)などの情報ディスク基板、情報に関わるディスクやバーコードなどの情報をピックアップするためのレンズ、特に短波長の青色レーザーを媒体とする次世代DVD(いわゆるブルーレイDVD)用ピックアップレンズ、また、カメラ、デジタルカメラ、プリンター、複写機、OHP、プロジェクションTV、VTRなどの機器のレンズ、プリズム、透光材等、更には液晶基板、導光板、保護防湿フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、プリズムシート、拡散板、前面保護板などの液晶表示システム等の各種部材などに代表される情報機器分野において有効に利用することができる。
また、以上の光学分野以外にも、食品、化粧品、医薬品、医療用器具などの容器、包装材や器材など、食品・医療用分野などの産業において有用性がある。
実施例1により得られたポリマー(1)のNMRチャートである。 実施例6により得られたポリマー(6)のNMRチャートである。

Claims (2)

  1. 下記式(1)で表される構造単位からなる単独重合体であるか、あるいは下記式(1)で表される構造単位と下記式(2)で表される構造単位とから構成され、その構成モル比(1)/(2)が10/90以上である共重合体であって、かつ、該単独重合体または該共重合体のGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が5,000以上であるノルボルナン系ポリエーテル重合体。
    Figure 0003933157
    Figure 0003933157
  2. 該単独重合体または該共重合体のGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が5,000以上、100万以下であることを特徴とする請求項1記載のノルボルナン系ポリエーテル重合体。
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