JP2019171631A - マイクロカプセル剤積層シート - Google Patents

マイクロカプセル剤積層シート Download PDF

Info

Publication number
JP2019171631A
JP2019171631A JP2018060862A JP2018060862A JP2019171631A JP 2019171631 A JP2019171631 A JP 2019171631A JP 2018060862 A JP2018060862 A JP 2018060862A JP 2018060862 A JP2018060862 A JP 2018060862A JP 2019171631 A JP2019171631 A JP 2019171631A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microcapsule
group
salt
containing layer
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018060862A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7012577B2 (ja
Inventor
田中 秀俊
Hidetoshi Tanaka
秀俊 田中
展嵩 上田
Nobutaka Ueda
展嵩 上田
健太郎 木村
Kentaro Kimura
健太郎 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Edge Inc
Original Assignee
Toppan Forms Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Forms Co Ltd filed Critical Toppan Forms Co Ltd
Priority to JP2018060862A priority Critical patent/JP7012577B2/ja
Publication of JP2019171631A publication Critical patent/JP2019171631A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7012577B2 publication Critical patent/JP7012577B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

【課題】マイクロカプセル剤含有層が基材上に積層されて構成されたマイクロカプセル剤積層シートであって、保存時の目的外の加圧時に、マイクロカプセル内の薬剤の放出を抑制可能なマイクロカプセル剤積層シートの提供。【解決手段】シート状の基材11と、基材11上に積層され、かつマイクロカプセル剤を含有するマイクロカプセル剤含有層12と、を備えており、前記マイクロカプセル剤の体積基準中位径が25μm以下であり、前記マイクロカプセル剤の膜形成成分がポリウレアであり、基材11の、前記マイクロカプセル剤含有層が積層されている側の面(第1面)11aの、JIS B0601:2001に準拠して測定された表面粗さが、2μm以下である、マイクロカプセル剤積層シート1。【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロカプセル剤積層シートに関する。
殺虫剤、防虫剤、香料、防臭剤、農薬等の種々の薬剤の効果を、長期間持続させる方法として、これら薬剤をマイクロカプセルに内包させて、マイクロカプセル剤として用いる方法が知られている。マイクロカプセル剤は、芯物質として内包している薬剤を、マイクロカプセル(外殻)の外部に徐々に放出する、いわゆる徐放性を有する。このような徐放性を有するマイクロカプセル剤の例としては、ホルムアルデヒドと反応して、ホルムアルデヒドを別の化合物に変換するホルムアルデヒド反応剤を前記薬剤(芯物質)とするものが知られている。ホルムアルデヒドは、近年、シックハウス症候群の原因物質として問題となっており、ホルムアルデヒド反応剤を内包するマイクロカプセル剤は、このような問題点の解決に有用である。
しかし、薬剤を内包しているマイクロカプセルの構造が破壊されてしまうと、薬剤は短時間で放出されるため、薬剤の効果を、長期間持続させることができない。マイクロカプセルの破壊の主原因としては、マイクロカプセルに加えられる、目的外の圧力(目的外の加圧)が挙げられる。例えば、マイクロカプセル剤を含有するマイクロカプセル剤含有層が、紙製基材等の柔軟な基材の上に積層されて構成されたマイクロカプセル剤積層シートは、ロール状に巻き取られることがある。すると、この巻き取り時における、マイクロカプセル剤への加圧によって、マイクロカプセルが破壊されてしまうことがある。
一方、マイクロカプセルからの目的外の薬剤の放出を抑制するものとしては、例えば、電子供与性無色染料前駆体を内包するマイクロカプセルを含有する発色剤層が基材上に設けられた第1の材料と、電子受容性化合物を含有する顕色剤層が基材上に設けられた第2の材料とを、前記発色剤層と前記顕色剤層とを対向させて、重ね合わせた状態で、これらを加圧したときに、発色の程度によって、このときの圧力を測定できるように構成された圧力測定用材料が開示されている(特許文献1参照)。この圧力測定用材料では、加圧時には、マイクロカプセル内の薬剤が、マイクロカプセルを透過して反応することにより、発色する仕組みとなっている。一方で、前記顕色剤層の表面の算術平均粗さRaが1.1μm以下に特定されており、これにより、第1の材料及び第2の材料の目的外の擦れが原因である発色が、抑制可能となっている。
特開2009−63512号公報
しかし、特許文献1で開示されている圧力測定用材料は、この材料が擦れたときの、マイクロカプセル内の薬剤(電子供与性無色染料前駆体、電子受容性化合物)の放出を抑制するものであり、本来の目的は、この材料の加圧によって、マイクロカプセル内の薬剤を積極的に放出させることにある。したがって、保存時の目的外の加圧時におけるマイクロカプセル内の薬剤の放出を抑制するものではなく、上述の問題点を解決できるか否かは定かではない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、マイクロカプセル剤含有層が基材上に積層されて構成されたマイクロカプセル剤積層シートであって、保存時の目的外の加圧時に、マイクロカプセル内の薬剤の放出を抑制可能なマイクロカプセル剤積層シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、シート状の基材と、前記基材上に積層され、かつマイクロカプセル剤を含有するマイクロカプセル剤含有層と、を備えており、前記マイクロカプセル剤の体積基準中位径が25μm以下であり、前記マイクロカプセル剤の膜形成成分がポリウレアであり、前記基材の、前記マイクロカプセル剤含有層が積層されている側の面の、JIS B0601:2001に準拠して測定された表面粗さが、2μm以下である、マイクロカプセル剤積層シートを提供する。
本発明によれば、マイクロカプセル剤含有層が基材上に積層されて構成されたマイクロカプセル剤積層シートであって、保存時の目的外の加圧時に、マイクロカプセル内の薬剤の放出を抑制可能なマイクロカプセル剤積層シートが提供される。
本発明の一実施形態に係るマイクロカプセル剤積層シートを模式的に示す断面図である。 実施例1において、走査型電子顕微鏡を用いて取得した、加圧保存後のマイクロカプセル剤含有層の表面の撮像データである。 比較例3において、走査型電子顕微鏡を用いて取得した、加圧保存後のマイクロカプセル剤含有層の表面の撮像データである。
<<マイクロカプセル剤積層シート>>
本発明の一実施形態に係るマイクロカプセル剤積層シート(本明細書においては、「積層シート」と略記することがある)は、シート状の基材(本明細書においては、「基材」と略記することがある)と、前記基材上に積層され、かつマイクロカプセル剤を含有するマイクロカプセル剤含有層と、を備えており、前記マイクロカプセル剤の体積基準中位径(本明細書においては、「体積基準中位径D」又は「D」と称することがある)が25μm以下であり、前記マイクロカプセル剤の膜形成成分がポリウレアであり、前記基材の、前記マイクロカプセル剤含有層が積層されている側の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)の、JIS B0601:2001に準拠して測定された表面粗さ(本明細書においては、「表面粗さ」又は「Ra」と略記することがある)が、2μm以下のものである。
本実施形態の積層シートは、このように、マイクロカプセル剤の体積基準中位径と、マイクロカプセル剤の膜形成成分と、基材の第1面の前記表面粗さとが、いずれも特定範囲内であることにより、保存時に目的外の加圧を受けても、マイクロカプセル内の薬剤の放出が抑制される。本明細書においては、このような効果を、単に「薬剤放出抑制効果」と称することがある。ここで抑制される「マイクロカプセル内の薬剤の放出」とは、マイクロカプセル剤積層シートの保存時に、通常であれば生じることがない、マイクロカプセル剤含有層に対する加圧によって、本来であれば生じないはずの、目的外の薬剤の放出である。
このような薬剤放出抑制効果を奏する本実施形態の積層シートは、マイクロカプセル内の薬剤の効果を、安定して長期間持続させることができる。
本実施形態の積層シートが受ける「目的外の加圧」とは、積層シートの通常の取り扱い方法を考慮すると、典型的には、積層シート同士が積層されたときに、この積層構造内で発生する圧力の付与である。積層シート同士の積層とは、例えば、積層シートを重力の方向とは反対側の方向に、複数層積み上げる場合や、積層シートをロール状に巻き取る場合を含む。特に、基材がシート状で柔軟性を有する積層シートは、ロール状に巻き取られて保管されることが多く、このときにロール内で発生する圧力の付与は、典型的な「目的外の加圧」である。
本実施形態の積層シートにおいて想定される、目的外の加圧時の圧力は、例えば、好ましくは6MPa以下、より好ましくは5MPa以下である。前記圧力の下限値は、0MPaよりも大きければよい。
本実施形態の積層シートにおいて想定される、目的外の加圧時の温度は、例えば、好ましくは5〜35℃である。
本実施形態の積層シートにおいて想定される、目的外の加圧時間は、例えば、好ましくは12時間以上である。
以下、図面を参照しながら、本実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るマイクロカプセル剤積層シートを模式的に示す断面図である。なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
ここに示すマイクロカプセル剤積層シート1は、シート状の基材11と、この基材11上に積層され、かつマイクロカプセル剤を含有するマイクロカプセル剤含有層12と、を備えている。換言すると、積層シート1は、基材11及びマイクロカプセル剤含有層12が、これらの厚さ方向において積層されて、構成されている。
積層シート1において、マイクロカプセル剤含有層12は、基材11の一方の面(第1面)11a上に設けられており、基材11の他方の面(前記第1面とは反対側の面、本明細書においては、「第2面」と称することがある)11b上に設けられていない。すなわち、積層シート1は、基材11の両面のうち、第1面11a上のみに、マイクロカプセル剤含有層12を備えている。そして、基材11の第2面11bは、ここでは露出面となっている。
<基材>
基材11の形状は、シート状であれば、特に限定されない。
基材11の構成材料としては、積層シート1をロール状に巻き取ることを可能とするものが好ましい。
基材11の構成材料として、より具体的には、例えば、紙、樹脂等が挙げられる。
前記紙としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、レジンコート紙、合成紙等が挙げられる。
前記樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル系樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂等の合成樹脂;ポリブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレンゴム、プロピレンゴム、シリコンゴム等の合成ゴム等が挙げられる。
基材11における前記アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルから誘導された構成単位を有する樹脂であり、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルから誘導された構成単位以外の、他の構成単位を有していてもよいし、有していなくてもよい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を包含する概念とする。
基材11は、ここでは1層であるものを示しているが、基材11は、1層(単層)のみであってもよいし、2層以上の複数層であってもよい。基材11が複数層である場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
なお、本明細書においては、基材の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の材質及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
基材11の厚さは、特に限定されないが、50〜180μmであることが好ましく、70〜150μmであることがより好ましい。基材11の厚さが前記下限値以上であることで、基材11の機械的強度がより高くなる。基材11の厚さが前記上限値以下であることで、積層シート1をロール状に巻き取ることがより容易となる。
ここで、「基材11の厚さ」とは、基材11全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる基材11の厚さとは、基材11を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
基材11の坪量(表面積1mあたりの質量)は、特に限定されないが、40〜200g/mであることが好ましく、60〜170g/mであることがより好ましい。基材11の坪量が前記下限値以上であることで、基材11の機械的強度がより高くなる。基材11の坪量が前記上限値以下であることで、積層シート1をロール状に巻き取ることがより容易となる。
基材11の構成材料は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
基材11の構成材料は、紙を含むことが好ましく、例えば、紙と樹脂であってもよいし、紙のみであってもよい。
基材11の第1面11aの表面粗さ(Ra)は、2μm以下であり、1.9μm以下であることが好ましく、1.8μm以下であることがより好ましい。基材11の前記表面粗さが前記上限値以下であることで、マイクロカプセル剤含有層12での薬剤放出抑制効果がより高くなる。
本明細書において、表面粗さ(Ra)とは、特に断りのない限り、JIS B0601:2001(ISO4287:1997)に準拠して測定されたものであり、算術平均粗さを意味する。
基材11の第1面11aの表面粗さ(Ra)の下限値は、特に限定されない。
基材11の前記表面粗さは、例えば、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。
基材11の第1面11aの表面粗さ(Ra)は、上述の好ましい下限値及び上限値を任意に組み合わせて設定される範囲内に、適宜設定できる。例えば、一実施形態において、基材11の前記表面粗さは、0.1〜2μm、0.1〜1.9μm、及び0.1〜1.8μmのいずれかであってよい。また、一実施形態において、基材11の前記表面粗さは、0.5〜2μm、0.5〜1.9μm、及び0.5〜1.8μmのいずれかであってよい。ただし、これらは、基材11の前記表面粗さ(Ra)の一例である。
基材11は、公知の方法で製造できる。例えば、樹脂を含有する基材は、前記樹脂を含有する樹脂組成物を成形することで製造できる。
基材11としては、市販品を用いてもよい。
基材11の第1面11aの表面粗さ(Ra)は、公知の方法で、適宜調節できる。
例えば、前記表面粗さ(Ra)は、基材11に対するカレンダー処理等の加圧処理によって、低減できる。また、前記表面粗さ(Ra)は、基材11に対する硬質微粒子の衝突処理等の粗化処理によって、増大させることができる。
<マイクロカプセル剤含有層>
マイクロカプセル剤含有層12は、マイクロカプセル剤を含有する。
マイクロカプセル剤含有層12は、前記マイクロカプセル剤を含有していることにより、マイクロカプセル剤中の芯物質に由来する作用を有する。すなわち、積層シート1は、マイクロカプセル剤含有層12を備えていることで、マイクロカプセル剤含有層12に特有の効果を発現する。
マイクロカプセル剤含有層12は、前記マイクロカプセル剤以外に、必要に応じて他の成分を含有していてもよい。
マイクロカプセル剤含有層12が含有する前記マイクロカプセル剤、及び他の成分等の各成分は、それぞれ、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
マイクロカプセル剤含有層12は、ここでは1層であるものを示しているが、マイクロカプセル剤含有層12は、1層(単層)のみであってもよいし、2層以上の複数層であってもよい。マイクロカプセル剤含有層12が複数層である場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
なお、ここでは、マイクロカプセル剤含有層12を明確な表面を有する層として示しているが、その組成によっては、このような明確な表面を有していないこともある。
マイクロカプセル剤含有層12の、マイクロカプセル剤、前記他の成分等の各成分の含有量は、後述するマイクロカプセル剤含有組成物における、溶媒以外の成分の総含有量に対する、前記各成分の含有量の割合と同じとなる。
マイクロカプセル剤含有層12の厚さは、特に限定されないが、後述するマイクロカプセル剤の体積基準中位径の0.9倍以上であることが好ましい。
さらに、マイクロカプセル剤含有層12の厚さは、18〜100μmであることが好ましく、18〜50μmであることがより好ましく、18〜30μmであることが特に好ましい。マイクロカプセル剤含有層12の厚さがこのような範囲であることで、マイクロカプセル剤含有層での薬剤放出抑制効果がより高くなる。
ここで、「マイクロカプセル剤含有層12の厚さ」とは、マイクロカプセル剤含有層12全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなるマイクロカプセル剤含有層12の厚さとは、マイクロカプセル剤含有層12を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
本実施形態において、「マイクロカプセル剤含有層の厚さ」とは、マイクロカプセル剤含有層の任意の3点で厚さを測定し、得られた測定値の平均値を意味する。
マイクロカプセル剤含有層12の基材11上での形成量は、特に限定されないが、1〜20g/mであることが好ましく、3〜18g/mであることがより好ましく、5〜15g/mであることが特に好ましい。マイクロカプセル剤含有層12の前記形成量がこのような範囲であることで、マイクロカプセル剤含有層での薬剤放出抑制効果がより高くなる。
次に、本実施形態におけるマイクロカプセル剤について、詳しく説明する。
[マイクロカプセル剤]
前記マイクロカプセル剤は、重縮合物であるポリウレアを膜形成成分とし、芯物質を内包する。
本明細書においては、膜形成成分が微小なカプセル状となって、その内部に芯物質を内包しているものを「マイクロカプセル剤」と称する。本明細書において、単なる「マイクロカプセル」との記載は、マイクロカプセル剤のうち、芯物質を除いたものを意味する。
(芯物質)
前記芯物質は、マイクロカプセル剤の使用目的に応じて、適宜選択すればよく、特に限定されない。
芯物質としては、例えば、医薬、殺菌剤、農薬、香料、その他の化学反応剤(特定の化学物質と反応することにより、この化学物質の作用を阻害する、医薬、殺菌剤、農薬及び香料以外の薬剤)等が挙げられる。前記その他の化学反応剤で好ましいものとしては、例えば、ホルムアルデヒド反応剤が挙げられる。
建物の内装材や家具等には、ホルムアルデヒドを含む接着剤やバインダーを用いて製造されたものがあり、製品としてホルムアルデヒドを含むものがある。このような製品からは、ホルムアルデヒドが放出されるため、放出されたホルムアルデヒドが室内で滞留し、人や動物に対して健康被害を及ぼすこと(シックハウス症候群)が問題となっている。前記ホルムアルデヒド反応剤は、このような問題点を解決するものであり、ホルムアルデヒドとの反応性を有する。本明細書において、「ホルムアルデヒドとの反応性を有する」とは、ホルムアルデヒドと反応して、ホルムアルデヒドを別の化合物に変換する能力を有することを意味する。すなわち、ホルムアルデヒド反応剤は、ホルムアルデヒドとの反応性を有する基を含む。ホルムアルデヒドは、ホルムアルデヒド反応剤との反応によって、別の化合物への変換という形で除去される。
ホルムアルデヒド反応剤は、前記芯物質の中でも、特に好ましいものの一例として挙げられる。
芯物質は、アミノ基及びアミノ基が塩を形成している基(本明細書においては、「アミノ基塩形成基」と略記することがある)を有しないものが好ましい。
芯物質としてアミノ基及びアミノ基塩形成基を有しないものを用いることで、芯物質を内包するマイクロカプセル(すなわちマイクロカプセル剤)を、より安定して形成できる。
前記アミノ基塩形成基としては、例えば、アミノ基が1価のカチオン部となって、このカチオン部がアニオンとともに塩を形成している基が挙げられる。
ここで、前記カチオン部としては、例えば、アミノ基(−NH)の窒素原子に水素イオン(H)が配位結合したものが挙げられる。この場合の前記アニオンの価数は特に限定されず、1(1価)であってもよいし2(2価)以上であってもよい。前記アニオンが1価である場合、前記塩を形成している前記アニオンの個数と、前記カチオン部の個数は、共に1である。また、前記アニオンがn価(nは2以上の整数である)である場合、前記塩を形成している前記アニオンの個数は通常1であり、前記カチオン部の個数はn以下であり、通常はnである。この場合、複数個の前記カチオン部は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
前記アミノ基塩形成基における前記アニオンとしては、後述する、式「−NH−」で表される基が塩を形成している基(「−NH−」塩形成基)におけるアニオン部と同様のものが挙げられる。
芯物質は、有機化合物であることが好ましく、このような芯物質としては、例えば、式「−NH−」で表される基(以下、「「−NH−」基」と略記することがある)及び式「−NH−」で表される基が塩を形成している基(以下、「「−NH−」塩形成基」と略記することがある)からなる群から選択される1種又は2種以上を有する化合物が挙げられる。これら芯物質において、「−NH−」基は、ホルムアルデヒドとの反応性を示し、「−NH−」塩形成基はそれ自体が、又は「−NH−」基となってこの「−NH−」基が、ホルムアルデヒドとの反応性を示すと推測される。したがって、これら芯物質は、ホルムアルデヒド反応剤として好適である。
芯物質は、「−NH−」基又は「−NH−」塩形成基を有する場合、これら基中の窒素原子は、既に共有結合している1個の水素原子以外に、さらに水素原子と共有結合することはない。
芯物質1分子中の、「−NH−」基及び「−NH−」塩形成基の総数は、1個のみであってもよいし、2個以上であってもよく、2個以上である場合、これら2個以上の基は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。すなわち、これら2個以上の基は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。通常は、目的とする芯物質の調製が容易であることから、これら2個以上の基は、すべて同一であること、すなわち、すべて「−NH−」基であるか、又はすべて同一の「−NH−」塩形成基であることが好ましい。
「−NH−」塩形成基としては、例えば、「−NH−」基が1価のカチオン部となって、このカチオン部がアニオンとともに塩を形成している基が挙げられる。
ここで、前記カチオン部としては、例えば、「−NH−」基の窒素原子に水素イオン(H)が配位結合したものが挙げられる。この場合の前記アニオンの価数は特に限定されず、1(1価)であってもよいし、2(2価)以上であってもよい。前記アニオンが1価である場合、前記塩を形成している前記アニオンの個数と、前記カチオン部の個数は、共に1である。また、前記アニオンがm価(mは2以上の整数である)である場合、前記塩を形成している前記アニオンの個数は通常1であり、前記カチオン部の個数はm以下であり、mであることが好ましい。この場合、複数個の前記カチオン部は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
「−NH−」塩形成基における前記アニオンは、特に限定されず、無機アニオン及び有機アニオンのいずれであってもよい。
好ましい前記無機アニオンとしては、例えば、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、ハロゲン化物イオン等が挙げられ、前記ハロゲン化物イオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等が挙げられる。
好ましい前記有機アニオンとしては、例えば、カルボン酸のアニオン、スルホン酸のアニオン等が挙げられる。
前記カルボン酸のアニオンは、モノカルボン酸(1価カルボン酸)のアニオンであってもよいし、ジカルボン酸、トリカルボン酸等の多価カルボン酸のアニオンであってもよい。
芯物質が有する前記アニオンは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
すなわち、1分子の芯物質が2個以上の前記アニオンを有する場合、これら2個以上のアニオンは、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
ただし、芯物質は、分子全体として電気的に中性であること、すなわち、芯物質1分子中の前記カチオン部の価数の合計値とアニオンの価数の合計値とは、同じであることが好ましい。
芯物質1分子中の、「−NH−」基及び「−NH−」塩形成基の総数は、1〜4個であることが好ましく、1〜3個であることがより好ましい。
芯物質の分子中における、「−NH−」基及び「−NH−」塩形成基の位置は、特に限定されず、例えば、芯物質が鎖状構造である場合には、分子の末端部以外であれば、いずれの位置であってもよい。
芯物質は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよく、鎖状構造及び環状構造をともに有していてもよい。
芯物質が環状構造を有する場合、その環は、単環状及び多環状のいずれであってもよく、脂肪族環及び芳香族環のいずれであってもよく、脂肪族環及び芳香族環が縮環した多環状であってもよい。
芯物質が環状構造を有する場合、「−NH−」基及び「−NH−」塩形成基は、前記環状構造の環骨格を形成していてもよいし、環骨格を形成せずに、環骨格を形成している基に結合していてもよい。
芯物質において、「−NH−」基及び「−NH−」塩形成基の窒素原子は、窒素原子又はカルボニル基の炭素原子に結合していることが好ましい。
1個のカルボニル基にこのように結合している「−NH−」基及び「−NH−」塩形成基の総数は、1個のみであってもよいし、2個であってもよい。
1個の窒素原子にこのように結合している「−NH−」基及び「−NH−」塩形成基の総数は、1個のみであってもよいし、2個であってもよいが、1個であることが好ましい。
すなわち、好ましい芯物質としては、例えば、式「−C(=O)−NH−」で表される基(アミド結合、以下、「「−C(=O)−NH−」基」と略記することがある)、式「−NH−C(=O)−NH−」で表される基(以下、「「−NH−C(=O)−NH−」基」と略記することがある)、式「−C(=O)−NH−」で表される基が塩を形成している基(以下、「「−C(=O)−NH−」塩形成基」と略記することがある)、式「−NH−C(=O)−NH−」で表される基が塩を形成している基(以下、「「−NH−C(=O)−NH−」塩形成基」と略記することがある)、式「=N−NH−」で表される基(以下、「「=N−NH−」基」と略記することがある)、式「−HN−N(−)−NH−」で表される基(以下、「「−HN−N(−)−NH−」基」と略記することがある)、式「=N−NH−」で表される基が塩を形成している基(以下、「「=N−NH−」塩形成基」と略記することがある)及び式「−HN−N(−)−NH−」で表される基が塩を形成している基(以下、「「−HN−N(−)−NH−」塩形成基」と略記することがある)からなる群から選択される1種又は2種以上を有するもの、が挙げられる。ここで、例えば、「−HN−N(−)−NH−」基とは、1個の窒素原子に、2個の「−NH−」基の窒素原子と、さらにもう1個の基と、が単結合で結合しているものを意味する。
なお、「−NH−C(=O)−NH−」塩形成基及び「−HN−N(−)−NH−」塩形成基において、「−NH−」塩形成基の数は1個であってもよいし、2個以上であってもよい。
環状構造を有する芯物質で好ましいものとしては、例えば、「−NH−」基及び「−NH−」塩形成基からなる群から選択される1種又は2種以上が、環状構造の環骨格を形成しているものが挙げられ、「−C(=O)−NH−」基、「−NH−C(=O)−NH−」基、「−C(=O)−NH−」塩形成基、「−NH−C(=O)−NH−」塩形成基、「=N−NH−」基、「−HN−N(−)−NH−」基、「=N−NH−」塩形成基及び「−HN−N(−)−NH−」塩形成基からなる群から選択される1種又は2種以上が、環状構造の環骨格を形成している芯物質がより好ましい。
芯物質が環状構造を有する場合、その環骨格の環員数、すなわち、環骨格を形成している原子の数(個)は、単環状である場合には、好ましくは5〜7、より好ましくは5又は6であり、多環状である場合には、好ましくは8〜10である。
特に好ましい芯物質としては、例えば、置換基を有していてもよいヒダントイン及びその塩、置換基を有していてもよい2−イミダゾリジノン及びその塩、置換基を有していてもよい5−ピラゾロン及びその塩、置換基を有していてもよい3−ピラゾロン及びその塩、置換基を有していてもよい1,2,4−トリアゾール−3−オン及びその塩、置換基を有していてもよいフタルイミド及びその塩、置換基を有していてもよいグリコールウリル及びその塩、置換基を有していてもよいピラゾール及びその塩、置換基を有していてもよい1,2,3−トリアゾール及びその塩、置換基を有していてもよい1,2,4−トリアゾール及びその塩、並びに置換基を有していてもよい1,2,3−ベンゾトリアゾール及びその塩等が挙げられる。
ヒダントイン、2−イミダゾリジノン、5−ピラゾロン、3−ピラゾロン、1,2,4−トリアゾール−3−オン、フタルイミド、グリコールウリル、ピラゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール及び1,2,3−ベンゾトリアゾールの構造を以下に示す。
ヒダントイン、2−イミダゾリジノン、5−ピラゾロン、3−ピラゾロン、1,2,4−トリアゾール−3−オン、ピラゾール、1,2,3−トリアゾール及び1,2,4−トリアゾールはいずれも、環員数が5の化合物である。フタルイミド及び1,2,3−ベンゾトリアゾールはいずれも、環員数が9の化合物である。グリコールウリルは環員数が8の化合物である。
なお、ここに示す化合物は、芯物質のごく一例に過ぎない。
ここで、ヒダントインの塩としては、例えば、ヒダントイン中の2個の「−NH−」基のいずれか一方又は両方が、「−NH−」塩形成基となったものが挙げられる。
また、2−イミダゾリジノンの塩としては、例えば、2−イミダゾリジノン中の2個の「−NH−」基のいずれか一方又は両方が、「−NH−」塩形成基となったものが挙げられる。
また、5−ピラゾロンの塩としては、例えば、5−ピラゾロン中の「−NH−」基が「−NH−」塩形成基となったもの、水素原子と結合していない方の窒素原子が塩を形成したもの、及び、「−NH−」基が「−NH−」塩形成基となり、かつ水素原子と結合していない方の窒素原子が塩を形成したもの、が挙げられる。
また、3−ピラゾロンの塩としては、例えば、3−ピラゾロン中の2個の「−NH−」基のいずれか一方又は両方が、「−NH−」塩形成基となったものが挙げられる。
また、1,2,4−トリアゾール−3−オンの塩としては、例えば、1,2,4−トリアゾール−3−オン中の2個の「−NH−」基のいずれか一方又は両方が、「−NH−」塩形成基となったものが挙げられる。
また、フタルイミドの塩としては、例えば、フタルイミド中の1個の「−NH−」基が、「−NH−」塩形成基となったものが挙げられる。
また、グリコールウリルの塩としては、例えば、グリコールウリル中の4個の「−NH−」基の少なくとも1個が、「−NH−」塩形成基となったものが挙げられる。
また、ピラゾールの塩としては、例えば、ピラゾール中の「−NH−」基が「−NH−」塩形成基となったもの、水素原子と結合していない方の窒素原子が塩を形成したもの、及び、「−NH−」基が「−NH−」塩形成基となり、かつ水素原子と結合していない方の窒素原子が塩を形成したもの、が挙げられる。
また、1,2,3−トリアゾールの塩としては、例えば、1,2,3−トリアゾール中の「−NH−」基が「−NH−」塩形成基となったもの、水素原子と結合していない方の2個の窒素原子のいずれか一方又は両方が塩を形成したもの、及び、「−NH−」基が「−NH−」塩形成基となり、かつ水素原子と結合していない方の2個の窒素原子のいずれか一方又は両方が塩を形成したもの、が挙げられる。
また、1,2,4−トリアゾールの塩としては、例えば、1,2,4−トリアゾール中の「−NH−」基が「−NH−」塩形成基となったもの、水素原子と結合していない方の2個の窒素原子のいずれか一方又は両方が塩を形成したもの、及び、「−NH−」基が「−NH−」塩形成基となり、かつ水素原子と結合していない方の2個の窒素原子のいずれか一方又は両方が塩を形成したもの、が挙げられる。
また、1,2,3−ベンゾトリアゾールの塩としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール中の「−NH−」基が「−NH−」塩形成基となったもの、水素原子と結合していない方の2個の窒素原子のいずれか一方又は両方が塩を形成したもの、及び、「−NH−」基が「−NH−」塩形成基となり、かつ水素原子と結合していない方の2個の窒素原子のいずれか一方又は両方が塩を形成したもの、が挙げられる。
なお、本明細書において、「置換基を有する」とは、元の化合物の1個又は2個以上の水素原子(ただし、「−NH−」基及び「−NH−」塩形成基中の水素原子を除く)が水素原子以外の基(置換基)で置換されていることを意味する。
本明細書においては、置換基を有するヒダントインを「ヒダントイン誘導体」と称し、ヒダントイン及びヒダントイン誘導体を包括して「ヒダントイン系化合物」と称することがある。そして、置換基を有するヒダントインの塩、すなわち、ヒダントイン誘導体の塩とは、ヒダントイン誘導体が、ヒダントインの場合と同様に、塩を形成したものである。「置換基を有していてもよいヒダントイン及びその塩」とは、換言すると、ヒダントイン系化合物及びその塩のことである。
本明細書において「誘導体」とは、元の化合物の1個又は2個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換されているものを意味する。
ヒダントイン以外の化合物の場合も同様である。
すなわち、本明細書においては、置換基を有する2−イミダゾリジノンを「2−イミダゾリジノン誘導体」と称し、2−イミダゾリジノン及び2−イミダゾリジノン誘導体を包括して「2−イミダゾリジノン系化合物」と称することがある。そして、置換基を有する2−イミダゾリジノンの塩、すなわち、2−イミダゾリジノン誘導体の塩とは、2−イミダゾリジノン誘導体が、2−イミダゾリジノンの場合と同様に、塩を形成したものである。「置換基を有していてもよい2−イミダゾリジノン及びその塩」とは、換言すると、2−イミダゾリジノン系化合物及びその塩のことである。
本明細書においては、置換基を有する5−ピラゾロンを「5−ピラゾロン誘導体」と称し、5−ピラゾロン及び5−ピラゾロン誘導体を包括して「5−ピラゾロン系化合物」と称することがある。そして、置換基を有する5−ピラゾロンの塩、すなわち、5−ピラゾロン誘導体の塩とは、5−ピラゾロン誘導体が、5−ピラゾロンの場合と同様に、塩を形成したものである。「置換基を有していてもよい5−ピラゾロン及びその塩」とは、換言すると、5−ピラゾロン系化合物及びその塩のことである。
本明細書においては、置換基を有する3−ピラゾロンを「3−ピラゾロン誘導体」と称し、3−ピラゾロン及び3−ピラゾロン誘導体を包括して「3−ピラゾロン系化合物」と称することがある。そして、置換基を有する3−ピラゾロンの塩、すなわち、3−ピラゾロン誘導体の塩とは、3−ピラゾロン誘導体が、3−ピラゾロンの場合と同様に、塩を形成したものである。「置換基を有していてもよい3−ピラゾロン及びその塩」とは、換言すると、3−ピラゾロン系化合物及びその塩のことである。
本明細書においては、置換基を有する1,2,4−トリアゾール−3−オンを「1,2,4−トリアゾール−3−オン誘導体」と称し、1,2,4−トリアゾール−3−オン及び1,2,4−トリアゾール−3−オン誘導体を包括して「1,2,4−トリアゾール−3−オン系化合物」と称することがある。そして、置換基を有する1,2,4−トリアゾール−3−オンの塩、すなわち、1,2,4−トリアゾール−3−オン誘導体の塩とは、1,2,4−トリアゾール−3−オン誘導体が、1,2,4−トリアゾール−3−オンの場合と同様に、塩を形成したものである。「置換基を有していてもよい1,2,4−トリアゾール−3−オン及びその塩」とは、換言すると、1,2,4−トリアゾール−3−オン系化合物及びその塩のことである。
本明細書においては、置換基を有するフタルイミドを「フタルイミド誘導体」と称し、フタルイミド及びフタルイミド誘導体を包括して「フタルイミド系化合物」と称することがある。そして、置換基を有するフタルイミドの塩、すなわち、フタルイミド誘導体の塩とは、フタルイミド誘導体が、フタルイミドの場合と同様に、塩を形成したものである。「置換基を有していてもよいフタルイミド及びその塩」とは、換言すると、フタルイミド系化合物及びその塩のことである。
本明細書においては、置換基を有するグリコールウリルを「グリコールウリル誘導体」と称し、グリコールウリル及びグリコールウリル誘導体を包括して「グリコールウリル系化合物」と称することがある。そして、置換基を有するグリコールウリルの塩、すなわち、グリコールウリル誘導体の塩とは、グリコールウリル誘導体が、グリコールウリルの場合と同様に、塩を形成したものである。「置換基を有していてもよいグリコールウリル及びその塩」とは、換言すると、グリコールウリル系化合物及びその塩のことである。
本明細書においては、置換基を有するピラゾールを「ピラゾール誘導体」と称し、ピラゾール及びピラゾール誘導体を包括して「ピラゾール系化合物」と称することがある。そして、置換基を有するピラゾールの塩、すなわち、ピラゾール誘導体の塩とは、ピラゾール誘導体が、ピラゾールの場合と同様に、塩を形成したものである。「置換基を有していてもよいピラゾール及びその塩」とは、換言すると、ピラゾール系化合物及びその塩のことである。
本明細書においては、置換基を有する1,2,3−トリアゾールを「1,2,3−トリアゾール誘導体」と称し、1,2,3−トリアゾール及び1,2,3−トリアゾール誘導体を包括して「1,2,3−トリアゾール系化合物」と称することがある。そして、置換基を有する1,2,3−トリアゾールの塩、すなわち、1,2,3−トリアゾール誘導体の塩とは、1,2,3−トリアゾール誘導体が、1,2,3−トリアゾールの場合と同様に、塩を形成したものである。「置換基を有していてもよい1,2,3−トリアゾール及びその塩」とは、換言すると、1,2,3−トリアゾール系化合物及びその塩のことである。
本明細書においては、置換基を有する1,2,4−トリアゾールを「1,2,4−トリアゾール誘導体」と称し、1,2,4−トリアゾール及び1,2,4−トリアゾール誘導体を包括して「1,2,4−トリアゾール系化合物」と称することがある。そして、置換基を有する1,2,4−トリアゾールの塩、すなわち、1,2,4−トリアゾール誘導体の塩とは、1,2,4−トリアゾール誘導体が、1,2,4−トリアゾールの場合と同様に、塩を形成したものである。「置換基を有していてもよい1,2,4−トリアゾール及びその塩」とは、換言すると、1,2,4−トリアゾール系化合物及びその塩のことである。
本明細書においては、置換基を有する1,2,3−ベンゾトリアゾールを「1,2,3−ベンゾトリアゾール誘導体」と称し、1,2,3−ベンゾトリアゾール及び1,2,3−ベンゾトリアゾール誘導体を包括して「1,2,3−ベンゾトリアゾール系化合物」と称することがある。そして、置換基を有する1,2,3−ベンゾトリアゾールの塩、すなわち、1,2,3−ベンゾトリアゾール誘導体の塩とは、1,2,3−ベンゾトリアゾール誘導体が、1,2,3−ベンゾトリアゾールの場合と同様に、塩を形成したものである。「置換基を有していてもよい1,2,3−ベンゾトリアゾール及びその塩」とは、換言すると、1,2,3−ベンゾトリアゾール系化合物及びその塩のことである。
前記置換基は、特に限定されないが、好ましいものとしては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基(アリールアルキル基)、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等が挙げられる。
前記置換基におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれであってもよい。
直鎖状又は分岐鎖状の前記アルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましい。
このような直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
環状の前記アルキル基の炭素数は、3〜10であることが好ましい。
このような環状のアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基等が挙げられる。また、このような環状のアルキル基としては、例えば、先に挙げた環状のアルキル基の1個又は2個以上の水素原子が、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基で置換されたものも挙げられる。ここで、水素原子を置換する直鎖状、分岐鎖状及び環状のアルキル基としては、上述の芯物質が有する置換基として挙げたアルキル基と同じものが挙げられる。これら置換基を有する環状のアルキル基の炭素数は、置換基の分も含めて10以下であることが好ましい。
直鎖状及び分岐鎖状の前記アルキル基の炭素数は1〜8であることが好ましく、1〜6であることがより好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
前記置換基におけるアルケニル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれであってもよい。
直鎖状及び分岐鎖状の前記アルケニル基の炭素数は、2〜10であることが好ましい。
このような直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基としては、例えば、エテニル基(ビニル基)、2−プロペニル基(アリル基)等、直鎖状及び分岐鎖状の前記アルキル基において、炭素原子間の1個の単結合(C−C)が二重結合(C=C)で置換された構造を有する基が挙げられる。
環状の前記アルケニル基の炭素数は、4〜10であることが好ましい。
このような環状のアルケニル基としては、例えば、シクロヘキセニル基等、環状の前記アルキル基において、炭素原子間の1個の単結合(C−C)が二重結合(C=C)で置換された構造を有する基が挙げられる。
前記置換基におけるアリール基は、単環状及び多環状のいずれであってもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれであってもよい。
前記アリール基の炭素数は、6〜15であることが好ましい。
このようなアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基(ジメチルフェニル基)等が挙げられる。また、このようなアリール基としては、例えば、先に挙げたアリール基の1個又は2個以上の水素原子が、アリール基又はアルキル基で置換されたものも挙げられる。ここで、水素原子を置換するアリール基及びアルキル基としては、上述の芯物質が有する置換基として挙げたアリール基及びアルキル基と同じものが挙げられる。これら置換基を有するアリール基の炭素数は、置換基の分も含めて15以下であることが好ましい。
前記アリール基の炭素数は6〜10であることがより好ましい。
前記置換基におけるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基(フェニルメチル基)、フェネチル基(フェニルエチル基)等、前記アルキル基の1個の水素原子が前記アリール基で置換された構造を有する1価の基が挙げられる。
前記アラルキル基の炭素数は、7〜20であることが好ましく、7〜11であることがより好ましい。
前記置換基におけるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基等、前記アルキル基が酸素原子に結合した構造を有する1価の基が挙げられる。
前記アルコキシ基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
前記置換基におけるアルケニルオキシ基としては、例えば、エテニルオキシ基(ビニルオキシ基)、2−プロペニルオキシ基(アリルオキシ基)、シクロヘキセニルオキシ基等、前記アルケニル基が酸素原子に結合した構造を有する1価の基が挙げられる。
前記アルケニルオキシ基の炭素数は、2〜10であることが好ましく、2〜8であることがより好ましく、2〜6であることが特に好ましい。
前記置換基におけるアリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基等、前記アリール基が酸素原子に結合した構造を有する1価の基が挙げられる。
前記アリールオキシ基の炭素数は、6〜15であることが好ましく、6〜10であることがより好ましい。
前記置換基におけるアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基(フェニルメチルオキシ基)、フェネチルオキシ基(フェニルエチルオキシ基)等、前記アラルキル基が酸素原子に結合した構造を有する1価の基が挙げられる。
前記アラルキルオキシ基の炭素数は、7〜20であることが好ましく、7〜11であることがより好ましい。
1分子の芯物質が有する前記置換基は、1個のみであってもよいし、2個以上であってもよく、2個以上である場合、これら置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、2個以上の置換基は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよいし、一部のみ同一であってもよい。
通常、1分子の芯物質が有する前記置換基は、1〜4個であることが好ましく、1〜3個であることがより好ましい。
芯物質の分子中における、前記置換基の位置は、特に限定されず、例えば、芯物質が鎖状構造である場合には、分子の末端部であってもよいし、末端部以外の部位であってもよい。
芯物質が2個以上の前記置換基を有する場合、これら置換基の結合位置は、すべて同じであってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同じであってもよい。
上述の特に好ましい芯物質のうち、前記置換基を有するものとしては、ヒダントイン誘導体である5,5−ジメチルヒダントイン;5−ピラゾロン誘導体である3−メチル−5−ピラゾロン;ピラゾール誘導体である3,5−ジメチルピラゾール;1,2,4−トリアゾール誘導体である3−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジ−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール;1,2,3−ベンゾトリアゾール誘導体である4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
5,5−ジメチルヒダントイン、3−メチル−5−ピラゾロン、3,5−ジメチルピラゾール、3−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジ−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール及び3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾールはいずれも、環員数が5の化合物である。4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール及び5−メチル−1H−ベンゾトリアゾールはいずれも、環員数が9の化合物である。
なお、ここに示す化合物は、前記置換基を有する芯物質のごく一例に過ぎない。
芯物質は、常温で固体であるものが好ましい。そして、常温で固体である芯物質を用いる場合、後述する溶媒を併用することが好ましい。なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15〜25℃の温度等が挙げられる。
芯物質で特に好ましいものとしては、例えば、ヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、2−イミダゾリジノン、5−ピラゾロン、3−メチル−5−ピラゾロン、3−ピラゾロン、3,5−ジメチルピラゾール、フタルイミド、グリコールウリル、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジ−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール−3−オン、1,2,3−ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
マイクロカプセルが内包する芯物質は、その用途によらず、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
マイクロカプセルが内包する芯物質の量(含有量)は、特に限定されず、目的に応じて適宜調節できる。
マイクロカプセルが内包する芯物質の量(含有量)は、例えば、後述するマイクロカプセルの製造条件によって調節できる。
(膜形成成分)
前記膜形成成分は、芯物質を包み込む外殻の膜を形成する成分であり、本実施形態においてはポリウレアである。膜形成成分は、例えば、界面重縮合法により作製できる。
本明細書において、「ポリウレア」とは、式「−NH−C(=O)−NH−」で表される結合(ウレア結合)を有するオリゴマー又はポリマーを意味する。ポリウレアは、例えば、原料化合物として、2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と、2個以上のアミノ基を有するアミン化合物と、を重縮合反応させることにより得られる。
ポリウレアを製造するための前記イソシアネート化合物は、アミノ基又は水酸基を有しないものが好ましく、アミノ基及び水酸基をともに有しないものがより好ましい。
前記イソシアネート化合物がその1分子中に有するイソシアネート基の数は、2個以上であれば特に限定されないが、2〜6個であることが好ましく、2〜5個であることがより好ましく、2〜4個であることがさらに好ましく、2又は3個であることが特に好ましい。
前記イソシアネート化合物としては、例えば、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート等の有機多価イソシアネート化合物;前記有機多価イソシアネート化合物の誘導体(ただし、イソシアネート基は置換されないものとする);前記有機多価イソシアネート化合物のトリメチロールプロパン付加体;前記有機多価イソシアネート化合物の誘導体(ただし、イソシアネート基は置換されないものとする)のトリメチロールプロパン付加体等が挙げられる。なお、本明細書において、トリメチロールプロパン付加体は、トリメチロールプロパンアダクト体と称することもある。
前記イソシアネート化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
ポリウレアを製造するための前記アミン化合物は、イソシアネート基又は水酸基を有しないものが好ましく、イソシアネート基及び水酸基をともに有しないものがより好ましい。
前記アミン化合物がその1分子中に有するアミノ基の数は、2個以上であれば特に限定されないが、2〜6個であることが好ましく、2〜5個であることがより好ましく、2〜4個であることがさらに好ましく、2又は3個であることが特に好ましい。
前記アミン化合物としては、例えば、メラミン、尿素、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の有機多価アミン化合物等が挙げられる。
前記アミン化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
前記重縮合は公知の方法で行えばよく、その条件は用いる原料化合物の種類等を考慮して、適宜選択すればよい。
例えば、界面重縮合を行う場合には、内包させる芯物質の共存下で、原料化合物を重縮合させることにより、芯物質を内包するマイクロカプセル(すなわちマイクロカプセル剤)が一気に得られる。以下、このように界面重縮合により、膜形成成分を形成するとともに前記マイクロカプセル剤を製造する方法について、説明する。
重縮合させる必須の2群の原料化合物の使用量は、重縮合の方法及び原料化合物の種類に応じて適宜調節すればよい。ここで、「重縮合させる必須の2群の原料化合物」とは、膜形成成分である重縮合物の主骨格を構成するのに必須の成分を意味し、重縮合物がポリウレアである本実施形態においては、前記イソシアネート化合物及びアミン化合物を意味する。
例えば、前記イソシアネート化合物及びアミン化合物を用いて、界面重縮合によりポリウレアを作製する場合には、前記イソシアネート化合物及びアミン化合物の使用量は、[アミン化合物中のアミノ基のモル数]:[イソシアネート化合物中のイソシアネート基のモル数]のモル比が、10:90〜60:40となる量であることが好ましく、20:80〜40:60となる量であることがより好ましい。アミン化合物中のアミノ基のモル数が、イソシアネート化合物中のイソシアネート基のモル数よりも少なくなる様に設定すると、より高品質なマイクロカプセル剤が得られる。
ここまでは、前記重縮合物(ポリウレア)として、前記イソシアネート化合物及びアミン化合物を重縮合して得られたものについて説明したが、前記重縮合物は、前記イソシアネート化合物及びアミン化合物のいずれにも該当しない他の化合物を重縮合して得られたものであってもよい。
前記他の化合物は、重縮合可能なものであれば、特に限定されない。
前記他の化合物は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
例えば、ポリウレアが、前記イソシアネート化合物及びアミン化合物以外に、前記他の化合物を重縮合して得られたものである場合、前記他の化合物の使用量は、前記イソシアネート化合物及びアミン化合物の総使用量(モル数)に対して、5モル%以下であることが好ましく、3モル%以下であることがより好ましく、1モル%以下であることが特に好ましい。
重縮合時の芯物質の使用量は、特に限定されないが、上述の重縮合させる必須の2群の原料化合物の総使用量100質量部に対して、2〜65質量部であることが好ましく、2〜61質量部であることがより好ましく、2〜57質量部であることが特に好ましい。芯物質の使用量をこのような範囲とすることで、安定性がより高いマイクロカプセル剤を製造できる。
ポリウレアを膜形成成分とする前記マイクロカプセル剤においては、マイクロカプセル剤の構造が特に安定する点では、芯物質がアゾール又はその誘導体であることが好ましい。
このようなアゾール又はその誘導体としては、例えば、上述の置換基を有していてもよい1,2,4−トリアゾール−3−オン及びその塩、置換基を有していてもよい1,2,3−トリアゾール及びその塩、置換基を有していてもよい1,2,4−トリアゾール及びその塩、並びに置換基を有していてもよい1,2,3−ベンゾトリアゾール及びその塩等が挙げられる。
(溶媒)
前記マイクロカプセル剤は、芯物質を溶解させるために、溶媒を内包していてもよい。この場合、界面重縮合は、水と疎水性溶媒(可塑剤)との混合溶媒中で反応液を乳化させて行うことが好ましい。このように、内包させる芯物質と、疎水性溶媒と、の共存下で、原料化合物を重縮合させることにより、芯物質及び疎水性溶媒を内包するマイクロカプセル剤が一気に得られる。
また、反応液を乳化させる場合には、後述する乳化剤を併用してもよい。
前記疎水性溶媒としては、例えば、アルコール、アミド、ニトリル、ケトン、エステル、エーテル、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、フェノール類(フェノール性水酸基を有する化合物)、硫化炭素、カルボン酸等が挙げられる。
前記疎水性溶媒は、SP値(溶解パラメータ)が12(cal/cm1/2以下であるものが好ましい。このような溶媒を用いることにより、界面重縮合時の反応液が、水の中に油性成分が分散している状態の水中油滴型(O/W型)の分散液となり易く、膜形成成分とマイクロカプセル剤の形成がより容易となる。
すなわち、SP値が12(cal/cm1/2以下である溶媒を内包するマイクロカプセル剤は、本発明におけるマイクロカプセル剤の中でも、特に好ましいものである。
前記疎水性溶媒のSP値の下限値は、特に限定されないが、6.5(cal/cm1/2であることが好ましい。このようなSP値の疎水性溶媒は入手が容易である。
SP値が12(cal/cm1/2以下の溶媒としては、例えば、
1−プロパノール(11.9)、2−プロパノール(11.5)、1−ブタノール(11.4)、シクロヘキサノール(11.4)、2−メトキシエタノール(10.8)、1−ヘキサノール(10.7)、2−メチル−2−プロパノール(10.6)、1−ブトキシ−2−プロパノール(10.4)、2−エチルヘキサノール(9.5)等のアルコール;
ジメチルホルムアミド(12.0)等のアミド;
アセトニトリル(11.8)等のニトリル;
アセトン(10.0)、メチルエチルケトン(9.3)、メチルプロピルケトン(8.7)、メチルイソプロピルケトン(8.5)等のケトン;
フタル酸ジn−ブチル(9.4)、酢酸エチル(9.1)、セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)(8.7)、酢酸n−ブチル(8.5)、酢酸イソプロピル(8.4)、酢酸イソブチル(8.3)等のエステル(カルボン酸エステル);
ジオキサン(9.9)、テトラヒドロフラン(9.1)、ジエチルエーテル(7.4)、イソプロピルエーテル(6.9)等の鎖状及び環状のエーテル;
ベンゼン(9.2)、トルエン(8.9)、キシレン(8.8)、エチルベンゼン(8.8)、シクロヘキサン(8.2)、n−オクタン(7.6)、n−ヘキサン(7.3)、n−ペンタン(7.0)等の芳香族及び脂肪族炭化水素;
塩化メチレン(9.7)、クロロホルム(9.3)、トリクロロエチレン(9.2)、四塩化炭素(8.6)等のハロゲン化炭化水素(ハロゲン化脂肪族炭化水素);
二硫化炭素(10.0)等の硫化炭素;
フェノール(11.5)等のフェノール類;
酢酸(10.1)等のカルボン酸
等が挙げられる。溶媒名と並記したカッコ内の数値はSP値((cal/cm1/2)を意味する。
前記溶媒は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
前記溶媒(水も溶媒として取り扱う)の使用量は、特に限定されないが、通常は、芯物質の使用量100質量部に対して、200〜5000質量部であることが好ましく、300〜4000質量部であることがより好ましく、400〜3500質量部であることが特に好ましい。
(乳化剤)
前記乳化剤は、公知のものでよく、特に限定されない。
好ましい乳化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、アラビアゴム、ゼラチン、ロート油、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン硫酸塩、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
前記乳化剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
前記乳化剤の使用量は、特に限定されず、その種類に応じて適宜調節すればよい。
界面重縮合時の反応温度は、60〜110℃であることが好ましく、65〜100℃であることがより好ましく、70〜90℃であることが特に好ましい。
また、界面重縮合の時間は、0.5〜5時間であることが好ましく、1〜4時間であることがより好ましく、1.5〜3時間であることが特に好ましい。
重縮合後は、例えば、前記マイクロカプセル剤が水分散体として得られる。
得られたマイクロカプセル剤は、そのまま目的とする用途で用いてもよいし、必要に応じて公知の後処理、精製等を行ってから、目的とする用途で用いてもよく、分散媒を除去してから目的とする用途で用いてもよい。
前記マイクロカプセル剤は、本発明の効果を損なわない範囲内において、ポリウレア以外の、他のオリゴマー及びポリマーのいずれか一方又は両方を、さらに膜形成成分としていてもよい。
前記他のオリゴマー及びポリマーは、いずれも1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
前記マイクロカプセル剤において、膜形成成分の総含有量に対する、前記他のオリゴマー及びポリマーの合計含有量の割合は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが特に好ましい。
すなわち、前記マイクロカプセル剤において、膜形成成分の総含有量に対する、ポリウレアの含有量の割合は、95質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることが特に好ましい。
前記マイクロカプセル剤の体積基準中位径(D)は、25μm以下であり、24μm以下であることが好ましく、23μm以下であることがより好ましく、22μm以下であることが特に好ましい。マイクロカプセル剤の体積基準中位径が前記上限値以下であることで、マイクロカプセル剤含有層での薬剤放出抑制効果がより高くなる。
なお、本明細書において「体積基準中位径」とは、特に断りのない限り、コールターカウンターを用いる方法で測定された粒子径の、体積累積分布の中央値D50と同義である。
前記マイクロカプセル剤の体積基準中位径の下限値は、特に限定されない。
マイクロカプセル剤の体積基準中位径は、0.5μm以上であることが好ましく、例えば、1μm以上、3μm以上、6μm以上、及び9μm以上のいずれかであってもよい。体積基準中位径が前記下限値以上であるマイクロカプセル剤は、作製又は入手が容易である。
前記マイクロカプセル剤の体積基準中位径は、上述の好ましい下限値及び上限値を任意に組み合わせて設定される範囲内に、適宜設定できる。例えば、一実施形態において、マイクロカプセル剤の体積基準中位径は、0.5〜25μm、0.5〜24μm、0.5〜23μ、及び0.5〜22μmのいずれかであってよい。ただし、これらは、マイクロカプセル剤の体積基準中位径の一例である。
前記マイクロカプセル剤において、芯物質を包み込んでいる外殻の膜(前記膜形成成分が形成している膜)の厚さ、すなわち、マイクロカプセルの膜厚(本明細書においては、「膜厚T」又は「T」と称することがある)は、0.1〜2μmであることが好ましく、0.2〜1.6μmであることがより好ましく、0.3〜1.2μmであることが特に好ましい。マイクロカプセルの膜厚(T)がこのような範囲であることで、マイクロカプセル剤の構造がより安定するとともに、マイクロカプセル剤含有層での薬剤放出抑制効果がより高くなる。
本明細書において、「マイクロカプセルの膜厚」とは、マイクロカプセル剤含有層を裁断して、電子顕微鏡を用いて、生じた断面を観察したときに、観察視野の中から無作為に、断面が生じている20個のマイクロカプセル剤(又はマイクロカプセル)を選択し、さらに、これらマイクロカプセル剤1個ごとに、マイクロカプセルの潰れ等の変形が認められない領域の中から、マイクロカプセルの膜厚が最大である箇所、最小である箇所、及びそれ以外の箇所の3箇所を選択し、これらの箇所でのマイクロカプセルの膜厚を測定して、これらすべての膜厚の測定値(60個の測定値)から算出した、膜厚の平均値を意味する。
前記マイクロカプセル剤において、マイクロカプセルの膜厚(T)をマイクロカプセル剤の体積基準中位径(D)で除した値、すなわち、T/Dの値は、0.01〜0.2であることが好ましく、0.01〜0.17であることがより好ましく、0.01〜0.14であることが特に好ましい。T/Dの値がこのような範囲であることで、マイクロカプセル剤含有層での薬剤放出抑制効果がより高くなる。
前記マイクロカプセルは、その製造方法を反映して、芯物質及び溶媒以外に、他の成分を内包していてもよい。
[マイクロカプセル剤含有組成物]
マイクロカプセル剤含有層12は、例えば、マイクロカプセル剤を含有する、液状のマイクロカプセル剤含有組成物を、マイクロカプセル剤含有層12の形成対象面に塗工し、乾燥させることで形成できる。
前記マイクロカプセル剤含有組成物が含有するマイクロカプセル剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
前記マイクロカプセル剤含有組成物は、マイクロカプセル剤以外に、他の成分を含有していてもよい。例えば、膜形成成分を上述の重縮合法により作製した場合、前記他の成分としては、例えば、重縮合させるのに使用したものの未反応のまま残存した必須の原料化合物、マイクロカプセル剤を形成せずに残存した芯物質、重縮合時に使用した前記溶媒、乳化剤及びこれら(溶媒、乳化剤)以外の任意成分、並びに、重縮合時に未使用の成分等が挙げられる。
前記他の成分のうち、前記任意成分、重縮合時に未使用の成分等としては、例えば、塩(好ましくは無機塩)が挙げられる。
また、重縮合時に未使用の成分としては、例えば、樹脂、酸化防止剤等も挙げられる。前記樹脂としては、例えば、基材11における樹脂と同様のものが挙げられる。
前記マイクロカプセル剤含有組成物が含有する前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
前記マイクロカプセル剤含有組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、マイクロカプセル剤含有層における、前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。
前記マイクロカプセル剤含有組成物において、溶媒以外の成分の総含有量に対する、マイクロカプセル剤の含有量の割合(マイクロカプセル剤含有層のマイクロカプセル剤の含有量)は、35〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、マイクロカプセル剤含有組成物とマイクロカプセル剤含有層において、マイクロカプセル剤を用いたことによる効果が、より顕著に得られる。前記割合が前記上限値以下であることで、マイクロカプセル剤含有組成物とマイクロカプセル剤含有層をより容易に得られる。
芯物質として、アミノ基及びアミノ基塩形成基を有しないものを選択することにより、膜形成成分が重縮合物であっても、芯物質を内包する前記マイクロカプセル(マイクロカプセル剤)が容易に得られる。
アミノ基又はアミノ基塩形成基を有する芯物質を用いた場合には、マイクロカプセルの製造時において、重縮合物である膜形成成分を形成する際に、重縮合させる必須の原料化合物(例えば、前記イソシアネート化合物等)と、アミノ基又はアミノ基塩形成基を有する芯物質とが反応してしまい、マイクロカプセルの形成が阻害されると推測される。これに対して、アミノ基及びアミノ基塩形成基を有しない芯物質を用いることにより、このようなマイクロカプセルの形成阻害が抑制されるのではないかと推測される。
前記マイクロカプセル剤は、それ自体が経時と共に、内包された芯物質を徐々に外部に放出する徐放性を有する。したがって、例えば、芯物質としてホルムアルデヒド反応剤を用いた場合、前記マイクロカプセル剤は、ホルムアルデヒドの除去効果を長期に渡って持続可能であり、例えば、室内で滞留しがちなホルムアルデヒドを除去する除去剤の成分として好適である。
前記マイクロカプセル剤含有組成物は、例えば、前記マイクロカプセル剤、及び必要に応じて前記他の成分を配合することで得られ、さらに溶媒を配合して得られたものが好ましい。
また、マイクロカプセル剤含有組成物は、例えば、前記マイクロカプセル剤を調製して得られた液状物(分散物)であってもよく、この液状物に、必要に応じて前記他の成分及び溶媒のいずれか一方又は両方を配合することでも得られる。
例えば、上述の界面重縮合を行う方法によって得られたマイクロカプセル剤水分散体は、それ自体が前記マイクロカプセル剤含有組成物として使用できる。また、前記マイクロカプセル剤水分散体に、何らかの成分を新たに添加して得られた組成物も、前記マイクロカプセル剤含有組成物として使用できる。また、前記マイクロカプセル剤水分散体に対して、公知の後処理、精製等の操作を行って得られた組成物も、前記マイクロカプセル剤含有組成物として使用でき、さらに、この組成物に、何らかの成分を新たに添加して得られた組成物も、前記マイクロカプセル剤含有組成物として使用できる。
前記マイクロカプセル剤含有組成物を調製するときの混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサー、三本ロール、ニーダー又はビーズミル等を使用して混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
マイクロカプセル剤含有組成物を調製するときの温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、例えば、5〜90℃とすることができるが、これは一例である。
マイクロカプセル剤含有組成物を調製するときの時間も、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、例えば、10分〜24時間とすることができるが、これは一例である。
前記マイクロカプセル剤含有組成物の塗工方法は特に限定されず、液状物を塗工できる方法であれば、いずれであってもよい。具体的な塗工方法としては、例えば、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター、グラビアオフセットコーター等の各種コーター;ワイヤーバーコーター等の装置、を使用する公知の方法が挙げられる。
前記マイクロカプセル剤含有組成物の乾燥は、公知の方法で行えばよい。乾燥は、例えば、常圧下、減圧下及び送風条件下のいずれで行ってもよく、大気下及び不活性ガス雰囲気下のいずれで行ってもよい。そして、乾燥温度も、マイクロカプセル剤含有組成物が劣化しない限り、特に限定されず、加熱乾燥及び常温乾燥のいずれを行ってもよい。乾燥温度は、例えば、18〜100℃であってもよいが、これは一例である。
本実施形態の積層シートは、図1に示すものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、図1に示すものにおいて、一部の構成が変更、削除又は追加されたものであってもよい。
例えば、図1に示す積層シート1は、基材11上にマイクロカプセル剤含有層12を備えているが、本実施形態の積層シートは、これ以外の他の層を備えていてもよい。前記他の層は特に限定されず、その種類、厚さ及び配置位置等は、目的に応じて任意に選択できる。
例えば、積層シート1は、マイクロカプセル剤含有層12の基材11側とは反対側に、前記他の層を備えていてもよい。この場合の前記他の層としては、例えば、接着剤層、印刷層、密着層、マイクロカプセル剤含有層12とは別途に設けられたマイクロカプセル剤含有層等が挙げられる。この別途に設けられたマイクロカプセル剤含有層は、マイクロカプセル剤含有層12と同様の形態とすることができ、マイクロカプセル剤含有層12と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
なお、本明細書において、「密着層」とは、隣接する2層の密着度を向上させるための層を意味する。また、「接着剤層」とは、隣接する2層を接着するための層を意味する。
積層シート1は、基材11とマイクロカプセル剤含有層12との間に、前記他の層を備えていてもよい。この場合の前記他の層としては、例えば、上記と同じものが挙げられる。
積層シート1は、基材11の第2面11b上に、何らかの層を備えていてもよい。前記第2面11b上の層としては、前記第1面11a上のいずれかの層と同様のものが挙げられる。
例えば、前記第2面11b上に、マイクロカプセル剤含有層を備える場合には、このマイクロカプセル剤含有層は、第1面11a上のマイクロカプセル剤含有層12と同様の形態とすることができ、第1面11a上のマイクロカプセル剤含有層12と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、図1に示す積層シート1は、基材11の第2面11b上に、基材11とは別途にさらに他の基材を備えていてもよい。前記他の基材は、基材11と同様の形態とすることができ、基材11と同一であってもよいし、異なっていてもよい。そして、前記他の基材は、接着剤層を介して基材11上に積層されていてもよい。
積層シート1が備える前記他の層は、1層のみであってもよいし、2層以上であってもよく、2層以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
本実施形態の積層シートの用途は、目的(マイクロカプセル剤中の芯物質の種類)に応じて任意に選択でき、特に限定されない。
例えば、ホルムアルデヒドの除去作用を有する前記積層シートは、建物の内装材(例えば、壁紙等)や家具、又はこれら内装材や家具の構成材料等、ホルムアルデヒドの除去対象物に対して設けるのに好適である。
本実施形態の積層シートは、例えば、その使用対象物に対して、接着剤を用いたり、取り付け用の治具を用いるなど、公知の方法で設けることができる。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
実施例又は比較例で用いた基材を、以下に示す。
これら基材について、その使用前の、マイクロカプセル剤含有層側となる面の表面粗さ(Ra)を、レーザ顕微鏡(KEYENCE社製「LASER MICROSCOPE VK−100シリーズ」)を用いて、JIS B0601:2001に準拠して測定した。その結果も以下にあわせて示す。
これら基材としては、いずれも、大きさが15cm×15cmであるものを用いた。
<基材>
基材(B1):コート紙(王子製紙社製「OKトップコート135kg」、厚さ129μm、坪量157g/m)、表面粗さ(Ra)1.5μm
基材(B2):コート紙(三菱製紙社製「DFカラーGN110kg」、厚さ104μm、坪量128g/m)、表面粗さ(Ra)1.7μm
基材(B3):コート紙(日本製紙社製「npi90kg」、厚さ127μm、坪量105g/m)、表面粗さ(Ra)2.3μm
基材(B4):コート紙(三菱製紙社製「DFカラーM110kg」、厚さ130μm、坪量128g/m)、表面粗さ(Ra)2.8μm
基材(B5):上質紙(日本製紙社製「上質紙」、厚さ87μm)、表面粗さ(Ra、坪量68g/m)3.9μm
[実施例1]
<マイクロカプセル剤積層シートの製造>
(マイクロカプセル剤の製造)
セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)(豊国製油社製、20.0g)と、濃度が75質量%であるイソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体(IPDI−TMP付加体)の酢酸エチル溶液(三井化学社製「タケネートD−140N」、25.0g、固形分18.8g)と、の混合物に、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール(和光純薬工業社製、10.0g)を添加し、溶解させた。
次いで、得られた混合物を、濃度が7質量%であるカルボキシメチルセルロース水溶液(300g、固形分21.0g)に添加し、乳化機(プライミクス社製)を用いて、回転数12000rpm、時間5分の条件で乳化させた。
次いで、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(東京化成工業社製、3.3g)を、上記で得られた乳化液に添加し、80℃で2時間攪拌することで、界面重縮合を行った。
以上により、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンと、IPDI−TMP付加体と、の重縮合物を膜形成成分とし、ホルムアルデヒド反応剤として5−メチル−1H−ベンゾトリアゾールと、溶媒としてセバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)及び酢酸エチルと、をそれぞれ内包したマイクロカプセル(マイクロカプセル剤)を、水分散体として得た。
上記で得られたマイクロカプセル剤水分散体を、上質紙上にバーコーターを用いて塗工し、105℃で90秒乾燥させ、次いで、電子顕微鏡(日本電子社製)を用いて、500倍の倍率で塗工及び乾燥部位を観察し、目的とするマイクロカプセルが得られたことを確認した。
コールターカウンター(ベックマン・コールター社製)を用いて、得られたマイクロカプセル剤の体積基準中位径Dを測定した。結果を表1に示す。
(マイクロカプセル剤積層シートの製造)
ワイヤーバーを用いて、基材(B1)の表面粗さ(Ra)が1.5μmである面に、上記で得られたマイクロカプセル剤水分散体を塗工し、105℃で2分乾燥させることにより、マイクロカプセル剤含有層を形成した。このマイクロカプセル剤含有層を形成した基材(B1)について、3点紙厚測定器(シチズンファインデバイス社製、紙厚測定器「MEI−11」)を用いて、3点で厚さを測定し、その測定値から、これら3点でのマイクロカプセル剤含有層の厚さを算出して、その平均値としてマイクロカプセル剤含有層の厚さを求めたところ、20μmであった。また、マイクロカプセル剤含有層の前記基材上での形成量は、10g/mであった。
以上により、図1に示すものと同じ構成のマイクロカプセル剤積層シートを製造した。
<マイクロカプセル剤積層シートの評価>
(マイクロカプセルの膜厚(T)の測定)
上記で得られたマイクロカプセル剤積層シートの一部を裁断し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、このとき生じた断面を観察した。観察視野の中から無作為に、断面が生じている20個のマイクロカプセル剤(又はマイクロカプセル)を選択し、さらに、そのマイクロカプセル剤1個ごとに、潰れ等の変形が認められない領域のうち、マイクロカプセルの膜厚が最大である箇所、最小である箇所、及びそれ以外の箇所の3箇所を選択し、これらの箇所での膜厚を測定して、これらすべての膜厚の測定値(60個の測定値)から平均値を算出し、マイクロカプセルの膜厚Tを求めた。結果を表1に示す。
さらに、上記のD及びTから算出したT/Dの値を表1に示す。
(マイクロカプセル剤積層シートの加圧保存)
上記で得られたマイクロカプセル剤積層シートを、ロール紙(日本製紙社製「npi55kg」)間に挟み込み、そのままロール状に巻き取った状態で、25℃の条件下で24時間静置保存した。この間、マイクロカプセル剤積層シートのマイクロカプセル剤含有層への加圧圧力が、4.4MPa(45kgf/cm)となるようにした。
次いで、ロールを繰り出し、マイクロカプセル剤積層シートを取り出して、評価用の加圧保存後のマイクロカプセル剤積層シートを得た。
直ちに、この加圧保存後のマイクロカプセル剤積層シートのうち、マイクロカプセル剤含有層の表面(露出面)を、その上方から走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。このとき取得した撮像データを図2示す。
図2に示すように、加圧保存後において、マイクロカプセル剤含有層中のマイクロカプセル剤には、ほとんど潰れが認められず、球形の形状が維持されていた。なお、図2は、マイクロカプセル剤含有層の一部の領域のデータであるが、他の領域でも同様に、マイクロカプセル剤の潰れが抑制されていることを確認した。
この撮像データを取得後のマイクロカプセル剤積層シートは、速やかに、以降の評価に供した。
(基材の加圧保存後での表面粗さ(Ra)の測定)
別途、上記のマイクロカプセル剤積層シートの場合と同じ方法で、使用前の基材(B1)を加圧保存した。すなわち、基材(B1)の表面粗さ(Ra)が1.5μmである面への加圧圧力は、4.4MPa(45kgf/cm)となるようにした。
次いで、この加圧保存後の基材(B1)について、加圧保存前に表面粗さ(Ra)が1.5μmであった面の表面粗さ(Ra)を、上記と同じ方法で測定した。
その結果、加圧保存の前後で、基材(B1)の表面粗さ(Ra)にほとんど変化は認められなかった。
(標準積層シートの製造)
IPDI−TMP付加体の酢酸エチル溶液と、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾールと、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンと、を用いなかった点以外は、実施例1における、マイクロカプセル剤水分散体の製造時と同じ方法で、比較用の液状組成物を製造した。
そして、マイクロカプセル剤水分散体に代えて、この比較用の液状組成物を用いた点以外は、実施例1におけるマイクロカプセル剤積層シートの製造時と同じ方法で、標準積層シートを製造した。すなわち、この標準積層シートは、マイクロカプセル剤が基材上に積層されていない点を除いて、実施例1で製造したマイクロカプセル剤積層シートと同じものである。
(マイクロカプセル剤積層シートのホルムアルデヒド除去能の評価)
容積1.6L、内径24cmのデシケータ内で、底面よりも上部に、デシケータ内の空間を仕切る素焼き板を、前記底面に対してほぼ平行に固定した。
次いで、デシケータ内の底面上で、前記素焼き板よりも下部に、蒸留水(300mL)を入れたガラス製容器を載置した。
次いで、大気下において、濃度が0.2質量%のホルムアルデヒド水溶液(150mL)を入れたポリエチレン製容器と、上記で得られた、加圧保存後のマイクロカプセル剤積層シートとを、前記素焼き板の上面に並べて載置し、直ちにデシケータを密封した。そして、この状態のまま、前記マイクロカプセル剤積層シートをデシケータ内で保管した。
次いで、保管開始から4日後に、デシケータ内のガラス製容器に入っている蒸留水の一部を試料として採取し、JIS A 6921に準拠して、前記試料のホルムアルデヒドの濃度を測定した。
別途、前記マイクロカプセル剤積層シートの場合と同じ方法で、前記標準積層シートをデシケータ内で保管し、保管開始から4日後に、デシケータ内のガラス製容器に入っている蒸留水の一部を標準試料として採取し、JIS A 6921に準拠して、前記標準試料のホルムアルデヒドの濃度を測定した。
上記で得られたそれぞれの測定値から、下記式(i)に従って、前記マイクロカプセル剤積層シートのホルムアルデヒド除去率(%)を算出した。結果を表1に示す。
本実施形態の積層シートの場合、前記ホルムアルデヒド除去率(%)は、30%以上であることが好ましい。
[ホルムアルデヒド除去率(%)]=1−[試料のホルムアルデヒドの濃度]/[標準試料のホルムアルデヒドの濃度]×100 (i)
<マイクロカプセル剤積層シートの製造及び評価>
[実施例2]
基材(B1)に代えて、基材(B2)を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、マイクロカプセル剤積層シートを製造及び評価した。結果を表1に示す。
マイクロカプセル剤水分散体は、基材(B2)の表面粗さ(Ra)が1.7μmである面に塗工した。
マイクロカプセル剤含有層の前記基材上での形成量は、10g/mであった。
加圧保存の前後で、基材(B2)の表面粗さ(Ra)にほとんど変化は認められなかった。
[実施例3]
マイクロカプセル剤の製造時において、IPDI−TMP付加体の使用量を、25.0gに代えて20.0gとし、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンの使用量を、3.3gに代えて2.6gとし、乳化機での回転数を、12000rpmに代えて8000rpmとした点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、マイクロカプセル剤を製造し、マイクロカプセル剤積層シートを製造及び評価した。結果を表1に示す。
マイクロカプセル剤含有層の前記基材上での形成量は、10g/mであった。
[比較例1]
基材(B1)に代えて、基材(B3)を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、マイクロカプセル剤積層シートを製造及び評価した。結果を表1に示す。
マイクロカプセル剤水分散体は、基材(B3)の表面粗さ(Ra)が2.3μmである面に塗工した。
マイクロカプセル剤含有層の前記基材上での形成量は、10g/mであった。
加圧保存の前後で、基材(B3)の表面粗さ(Ra)にほとんど変化は認められなかった。
[比較例2]
基材(B1)に代えて、基材(B4)を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、マイクロカプセル剤積層シートを製造及び評価した。結果を表1に示す。
マイクロカプセル剤水分散体は、基材(B4)の表面粗さ(Ra)が2.8μmである面に塗工した。
マイクロカプセル剤含有層の前記基材上での形成量は、10g/mであった。
加圧保存の前後で、基材(B4)の表面粗さ(Ra)にほとんど変化は認められなかった。
[比較例3]
基材(B1)に代えて、基材(B5)を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、マイクロカプセル剤積層シートを製造及び評価した。結果を表1に示す。
マイクロカプセル剤水分散体は、基材(B5)の表面粗さ(Ra)が3.9μmである面に塗工した。
マイクロカプセル剤含有層の前記基材上での形成量は、10g/mであった。
加圧保存の前後で、基材(B5)の表面粗さ(Ra)にほとんど変化は認められなかった。
本比較例では、実施例1の場合と同じ方法で、加圧保存後のマイクロカプセル剤積層シートのうち、マイクロカプセル剤含有層の表面(露出面)を、その上方から走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。このとき取得した撮像データを図3示す。
図3に示すように、加圧保存後において、マイクロカプセル剤含有層中の多くのマイクロカプセル剤に潰れが認められ、球形の形状が維持されているものは少なかった。なお、図3は、マイクロカプセル剤含有層の一部の領域のデータであるが、他の領域でも同様に、多くのマイクロカプセル剤が潰れていることを確認した。
この撮像データを取得後のマイクロカプセル剤積層シートは、速やかに、以降の評価に供した。
上記結果から明らかなように、実施例1〜3のマイクロカプセル剤積層シートのホルムアルデヒド除去率は、36%以上(36〜40%)であり、高水準であった。すなわち、これらマイクロカプセル剤積層シートは、その加圧保存後であっても、ホルムアルデヒド除去能が高かった。これは、マイクロカプセル剤積層シートの加圧保存時に、マイクロカプセル剤含有層においては、マイクロカプセル内のホルムアルデヒド反応剤(5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール)の放出が抑制されていたことを意味している。そして、この結果は、実施例1において、SEMによる観察で、マイクロカプセル剤の潰れの抑制を確認できたことと整合している。
実施例1〜3のマイクロカプセル剤積層シートにおいては、マイクロカプセル剤の膜形成成分がポリウレアであり、マイクロカプセル剤の体積基準中位径Dが20.4μm以下(10.2〜20.4μm)であり、基材のマイクロカプセル剤含有層が積層されている側の面(第1面)の表面粗さ(Ra)が1.7μm以下(1.5〜1.7μm)であった。なお、これらマイクロカプセル剤積層シートにおいては、T/Dの値は0.03〜0.10であった。
これに対して、比較例1〜3のマイクロカプセル剤積層シートのホルムアルデヒド除去率は、28%以下(20〜28%)であり、実施例1〜3の場合よりも劣っていた。すなわち、これらマイクロカプセル剤積層シートの加圧保存時に、マイクロカプセル剤含有層においては、マイクロカプセル内のホルムアルデヒド反応剤(5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール)の放出が、実施例1〜3の場合よりも抑制されていなかった。これは、比較例3において、SEMによる観察で、多くのマイクロカプセル剤の潰れを確認できたことと整合している。
比較例1〜3のマイクロカプセル剤積層シートにおいては、基材のマイクロカプセル剤含有層が積層されている側の面(第1面)の表面粗さ(Ra)が2.3μm以上(2.3〜3.9μm)であった。
本発明は、壁紙等、ホルムアルデヒドの除去材として利用可能である。
1・・・マイクロカプセル剤積層シート、11・・・基材、11a・・・基材の第1面、11・・・基材の第2面、12・・・マイクロカプセル剤含有層

Claims (1)

  1. シート状の基材と、前記基材上に積層され、かつマイクロカプセル剤を含有するマイクロカプセル剤含有層と、を備えており、
    前記マイクロカプセル剤の体積基準中位径が25μm以下であり、
    前記マイクロカプセル剤の膜形成成分がポリウレアであり、
    前記基材の、前記マイクロカプセル剤含有層が積層されている側の面の、JIS B0601:2001に準拠して測定された表面粗さが、2μm以下である、マイクロカプセル剤積層シート。
JP2018060862A 2018-03-27 2018-03-27 マイクロカプセル剤積層シート Active JP7012577B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018060862A JP7012577B2 (ja) 2018-03-27 2018-03-27 マイクロカプセル剤積層シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018060862A JP7012577B2 (ja) 2018-03-27 2018-03-27 マイクロカプセル剤積層シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019171631A true JP2019171631A (ja) 2019-10-10
JP7012577B2 JP7012577B2 (ja) 2022-01-28

Family

ID=68167918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018060862A Active JP7012577B2 (ja) 2018-03-27 2018-03-27 マイクロカプセル剤積層シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7012577B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09234956A (ja) * 1996-02-29 1997-09-09 Fuji Photo Film Co Ltd 多色感熱記録材料
JPH09263624A (ja) * 1996-03-27 1997-10-07 Fuji Photo Film Co Ltd 発色剤含有マイクロカプセル及びそれを用いた記録材料
JP2005052991A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Fuji Photo Film Co Ltd 感熱記録材料
JP2009075229A (ja) * 2007-09-19 2009-04-09 Fuji Xerox Co Ltd 表示媒体及びその製造方法、並びに、その製造装置
JP2011161742A (ja) * 2010-02-09 2011-08-25 Pilot Ink Co Ltd 可逆熱変色遮光性−透光性積層体
JP2016182538A (ja) * 2015-03-25 2016-10-20 トッパン・フォームズ株式会社 マイクロカプセル、シート、樹脂組成物及び液状組成物

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016089323A (ja) 2014-10-31 2016-05-23 トッパン・フォームズ株式会社 壁紙
JP2016190904A (ja) 2015-03-30 2016-11-10 トッパン・フォームズ株式会社 壁面用接着シート
JP6627176B2 (ja) 2015-11-27 2020-01-08 トッパン・フォームズ株式会社 マイクロカプセル及び液状組成物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09234956A (ja) * 1996-02-29 1997-09-09 Fuji Photo Film Co Ltd 多色感熱記録材料
JPH09263624A (ja) * 1996-03-27 1997-10-07 Fuji Photo Film Co Ltd 発色剤含有マイクロカプセル及びそれを用いた記録材料
JP2005052991A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Fuji Photo Film Co Ltd 感熱記録材料
JP2009075229A (ja) * 2007-09-19 2009-04-09 Fuji Xerox Co Ltd 表示媒体及びその製造方法、並びに、その製造装置
JP2011161742A (ja) * 2010-02-09 2011-08-25 Pilot Ink Co Ltd 可逆熱変色遮光性−透光性積層体
JP2016182538A (ja) * 2015-03-25 2016-10-20 トッパン・フォームズ株式会社 マイクロカプセル、シート、樹脂組成物及び液状組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP7012577B2 (ja) 2022-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6870937B2 (ja) マイクロカプセル及び液状組成物
RU2005140535A (ru) Формованные изделия из полиуретана и способ их изготовления (его варианты)
CA2716917A1 (en) Microcapsules with acylurea walls
JP6627176B2 (ja) マイクロカプセル及び液状組成物
JP2016527356A (ja) カプセル化された触媒
TW201713408A (zh) 機能表現粒子及其製造方法
JP7012577B2 (ja) マイクロカプセル剤積層シート
JP2003509387A (ja) 可変放出マイクロカプセル
JPH0222775B2 (ja)
KR20050056266A (ko) 습도의존형 항균성 분말 조성물, 그 제조방법, 습도의존형항균성 식품보존용 물품 및 식품의 보존방법
JP7080772B2 (ja) マイクロカプセル剤の製造方法
JP6717616B2 (ja) マイクロカプセル及び液状組成物
JP6749197B2 (ja) 積層体及びその製造方法
JP7068970B2 (ja) 積層体及びその製造方法
KR101317645B1 (ko) 트리아졸계 화합물 함유 폴리우레탄 마이크로캡슐 방청제, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 방청성이 우수한 다층 도막
JP6979905B2 (ja) 積層体及びその製造方法
JP6959856B2 (ja) マイクロカプセル剤含有組成物及び積層体
WO2002089578A1 (fr) Antibacterien microencapsule
JP7252030B2 (ja) 液状組成物
KR20160058092A (ko) 연속 유기상 및 유중수 에멀젼을 포함하는 금속 표면 커버용 조성물, 및 상기 조성물의 제조 방법
JPH11254595A (ja) 包装材料およびこの包装材料を用いた包装容器
JP6377913B2 (ja) マイクロカプセルの製造方法及びマイクロカプセル
JP2016089323A (ja) 壁紙
JP6532009B2 (ja) マイクロカプセル、シート、樹脂組成物及び液状組成物
AP1109A (en) A process for producing a solid microencapsulated product.

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211026

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7012577

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350