JP6749197B2 - 積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、ホルムアルデヒドの除去効果を、さらに長期間維持できることが望まれており、そのような内装材を構成可能な新規の積層体の開発が強く望まれている。
本発明の積層体においては、前記マイクロカプセル化されていないホルムアルデヒド反応剤が、アミノ基及びアミノ基が塩を形成している基のいずれか一方又は両方を有することが好ましい。
また、本発明は、前記積層体の製造方法であって、前記マイクロカプセル化されたホルムアルデヒド反応剤と、前記マイクロカプセル化されていないホルムアルデヒド反応剤と、が配合されてなる薬剤含有層形成用組成物を用いて、前記基材の少なくとも一方の表面上に前記薬剤含有層を形成する、積層体の製造方法を提供する。
本発明の積層体は、基材の少なくとも一方の表面上に、マイクロカプセル化されたホルムアルデヒド反応剤(本明細書においては「マイクロカプセル剤」と称することがある)と、マイクロカプセル化されていないホルムアルデヒド反応剤(本明細書においては「非マイクロカプセル剤」と称することがある)と、を含有する薬剤含有層を備えたものである。
本発明の積層体における前記薬剤含有層は、その形成当初において、前記マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤をともに含有する。
本発明の積層体は、ホルムアルデヒドの除去対象物に対して、接着剤を用いたり、取り付け用の治具を用いるなど、公知の方法で設けることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の積層体を模式的に示す断面図である。なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
ここに示す積層体1は、基材11上に薬剤含有層12を備えてなる。
基材11は、フィルム状又はシート状であることが好ましい。
前記紙としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、レジンコート紙、合成紙等が挙げられる。
前記樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂等の合成樹脂;ポリブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレンゴム、プロピレンゴム、シリコンゴム等の合成ゴム等が挙げられる。
なお、本明細書においては、基材の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の材質及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
ここで、「基材11の厚さ」とは、基材11全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる基材11の厚さとは、基材11を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
薬剤含有層12は、前記マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤を含有し、ホルムアルデヒドの除去活性を有する。すなわち、積層体1は、薬剤含有層12を備えていることで、ホルムアルデヒド除去能を有する。
また、積層体1は、薬剤含有層12中、すなわち基材11の同一面上に、前記マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤をともに有する。
薬剤含有層12における前記マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤については、後ほど詳細に説明する。
薬剤含有層12の、前記マイクロカプセル剤中のホルムアルデヒド反応剤と、非マイクロカプセル剤と、の合計含有量の上限値は、特に限定されず、例えば、24質量%、21質量%及び18質量%のいずれかであってもよい。
薬剤含有層12の、前記マイクロカプセル剤中のホルムアルデヒド反応剤と、非マイクロカプセル剤と、の合計含有量は、上述の好ましい下限値及び上限値を任意に組み合わせて設定される範囲内に、適宜調節できる。例えば、前記合計含有量の好ましい一例としては、6〜24質量%の範囲が挙げられる。
薬剤含有層12における前記他の成分は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
薬剤含有層12における樹脂としては、例えば、基材11における樹脂と同様のものが挙げられる。
薬剤含有層12の、前記マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤の合計含有量の上限値は、特に限定されず、例えば、100質量%、99質量%及び98質量%のいずれかであってもよい。
薬剤含有層12の、前記マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤の合計含有量は、上述の好ましい下限値及び上限値を任意に組み合わせて設定される範囲内に、適宜調節できる。例えば、前記合計含有量の好ましい一例としては、60〜100質量%の範囲が挙げられる。
ここで、「薬剤含有層12の厚さ」とは、薬剤含有層12全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる薬剤含有層12の厚さとは、薬剤含有層12を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
なお、薬剤含有層12の表面の凹凸度が高い場合や、上述のように薬剤含有層12が明確な表面を有していない場合など、薬剤含有層12の状態が一様でない場合には、薬剤含有層12の基材11の第1面11aから最も高い部位の高さを、薬剤含有層12の厚さとすればよい。
前記他の層は特に限定されず、その種類及び厚さ等は、目的に応じて任意に選択できる。
例えば、積層体1は、前記他の層として、前記マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤のいずれか一方を単独で含有する層を備えていてもよい。
例えば、前記第2面11b上に、ホルムアルデヒド除去能を有する薬剤含有層を備える場合には、この薬剤含有層は、第1面11a上の薬剤含有層12と同様の形態とすることができ、第1面11a上の薬剤含有層12と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
図2は、本発明の第2実施形態の積層体を模式的に示す断面図である。
なお、図2以降の図において、図1に示すものと同じ構成要素には、図1の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
積層体2も、薬剤含有層を備えていることで、ホルムアルデヒド除去能を有する。
積層体2においては、樹脂層22及び被覆層24のいずれか一方又は両方が、薬剤含有層であることが好ましい。
また、積層体2は、薬剤含有層中、すなわち基材21の同一面上に、前記マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤をともに有する。
基材21、すなわち、第1基材211及び第2基材212はいずれも、フィルム状又はシート状であることが好ましい。
第2基材212は、第1基材211と同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。
第2基材212が、石膏等の、ホルムアルデヒドの捕捉能を有する材質からなる場合、その厚さは、例えば、40〜12000μmであることが好ましい。
樹脂層22は、少なくとも樹脂を含有する層であればよいが、上述のように、前記マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤を含有する薬剤含有層であることが好ましい。
樹脂層22における前記樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
樹脂層22における前記マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤は、いずれも、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
一方、樹脂層22の、前記マイクロカプセル剤中のホルムアルデヒド反応剤と、非マイクロカプセル剤と、の合計含有量は、16.5質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、13.5質量%以下であることがさらに好ましく12質量%以下であることが特に好ましい。
樹脂層22の、前記マイクロカプセル剤中のホルムアルデヒド反応剤と、非マイクロカプセル剤と、の合計含有量は、上述の好ましい下限値及び上限値を任意に組み合わせて設定される範囲内に、適宜調節できる。例えば、前記合計含有量の好ましい一例としては、1.5〜16.5質量%の範囲が挙げられる。
樹脂層22における前記他の成分は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。
樹脂層22における前記他の成分は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
樹脂層22の、前記樹脂、マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤の合計含有量の上限値は、特に限定されず、例えば、100質量%、99質量%及び98質量%のいずれかであってもよい。
樹脂層22の、前記樹脂、マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤の合計含有量は、上述の好ましい下限値及び上限値を任意に組み合わせて設定される範囲内に、適宜調節できる。例えば、前記合計含有量の好ましい一例としては、60〜100質量%の範囲が挙げられる。
樹脂層22が発泡樹脂層である積層体2は、意匠性を向上させることができる。
また、樹脂層22が発泡樹脂層で、かつ薬剤含有層である積層体2は、ホルムアルデヒド除去能をより向上させることができる。
樹脂層22が複数層である場合、これら複数層の一部のみが薬剤含有層であってもよいし、すべてが薬剤含有層であってもよく、すべてが薬剤含有層でなくてもよい。
ここで、「樹脂層22の厚さ」とは、樹脂層22全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる樹脂層22の厚さとは、樹脂層22を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
樹脂層22の厚さは、薬剤含有層12の場合と同様に特定すればよい。
印刷層23は、積層体2に情報又は意匠性等を付与するためのものである。
印刷層23は、樹脂層22の一方の表面(本明細書においては「第1面」と称することがある)22aの全面に設けられていてもよいし、一部の領域のみに設けられていてもよく、一部の領域のみに設けられている場合、パターニングされていてもよいし、パターニングされていなくてもよい。印刷層23がパターニングされている場合、そのパターンは特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。
印刷層23が複数層である場合、これら複数層の一部のみが薬剤含有層であってもよいし、すべてが薬剤含有層であってもよく、すべてが薬剤含有層でなくてもよい。
ここで、「印刷層23の厚さ」とは、印刷層23全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる印刷層23の厚さとは、印刷層23を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
被覆層24は、積層体2において、基材11の第1面11a側の最表層を被覆する層である。被覆層24は、積層体2の物理的な破損や、化学的な変質等を抑制して、積層体2の全体構造を保護する。
被覆層24が複数層である場合、これら複数層の一部のみが薬剤含有層であってもよいし、すべてが薬剤含有層であってもよく、すべてが薬剤含有層でなくてもよい。
ここで、「被覆層24の厚さ」とは、被覆層24全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる被覆層24の厚さとは、被覆層24を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
積層体2は、貫通孔20を備えていなくてもよいが、備えていることにより、ホルムアルデヒドの除去能がより向上する。これは、除去対象のホルムアルデヒドが薬剤含有層にまで容易に到達するためである。また、第2基材212が石膏からなるもの等の、ホルムアルデヒドの捕捉能を有するものである場合には、このような第2基材212の作用によって、積層体2のホルムアルデヒドの除去能がさらに向上する。
なお、本明細書において、「貫通孔の孔径」とは、「貫通孔の長手方向に対して垂直な方向における断面での貫通孔の孔径」を意味する。
前記他の層は特に限定されず、その種類及び厚さ等は、目的に応じて任意に選択できる。 例えば、積層体2は、前記他の層として、前記マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤のいずれか一方を単独で含有する層を備えていてもよい。
積層体2において貫通孔20を設ける場合には、必要に応じて前記他の層にも貫通孔20を設ける。
例えば、前記第2面21b上に、樹脂層、印刷層及び被覆層のいずれか一又は二以上を備える場合、これらの層は、前記第1面21a上の樹脂層22、印刷層23又は被覆層24と同様の形態とすることができ、樹脂層22、印刷層23又は被覆層24と同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、前記第2面21b上に、ホルムアルデヒド除去能を有する薬剤含有層を備える場合には、この薬剤含有層は、前記第1面21a上の薬剤含有層と同様の形態とすることができ、前記第1面11a上の薬剤含有層と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
図3は、本発明の第3実施形態の積層体を模式的に示す断面図である。
図3に示す積層体3は、基材31上に樹脂層22を備え、樹脂層22上に密着層25を備え、密着層25上に印刷層23を備え、印刷層23上に被覆層24を備えてなる。すなわち、積層体3は、基材31上に、樹脂層22、密着層25、印刷層23及び被覆層24がこの順に、これらの厚さ方向において積層されてなるものである。
そして、基材31は、第1基材211、接着剤層310及び第2基材212がこの順に、これらの厚さ方向に積層されてなる、3層構造を有する。
積層体3も、薬剤含有層を備えていることで、ホルムアルデヒド除去能を有する。
積層体3においては、樹脂層22及び被覆層24のいずれか一方又は両方が、薬剤含有層であることが好ましい。
積層体3は、貫通孔30を備えていなくてもよいが、備えていることにより、積層体2の場合と同様に、ホルムアルデヒドの除去能がより向上する。
積層体3において、貫通孔30は、密着層25及び接着剤層310にも形成されている点以外は、積層体2における貫通孔20と同様に設けられている。
また、積層体3は、薬剤含有層中、すなわち基材31の同一面上に、前記マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤をともに有する。
基材31は、接着剤層310を備えている点以外は、積層体2における基材21と同じものである。
接着剤層310は、第1基材211及び第2基材212を接着して、積層体3の構造を安定化する。
接着剤層310は、公知の接着性樹脂を含有し、フィルム状又はシート状であることが好ましい。
密着層25は、樹脂層22及び印刷層23を密着させて、積層体3の構造を安定化する。
密着層25としては、例えば、公知のカップリング剤又は接着性樹脂等を用いて形成されたものが挙げられる。
密着層25は、フィルム状又はシート状であることが好ましい。
本発明の積層体は、基材の少なくとも一方の表面上に、前記薬剤含有層を積層することで製造できる。
基材としては、市販品を用いてもよいし、その材質に応じて、公知の方法で成形して得られたものを用いてもよい。
また、薬剤含有層形成用組成物は、例えば、前記マイクロカプセル剤を調製して得られた液状物(分散物)に、非マイクロカプセル剤、及び必要に応じて前記他の成分を配合することでも得られる。
薬剤含有層が、上述の樹脂層、密着層、印刷層及び被覆層のいずれか(例えば、図2又は3における樹脂層22、密着層25、印刷層23及び被覆層24のいずれか)である場合には、これらの層を構成するための必須成分をさらに配合したものを、薬剤含有層形成用組成物とすればよい。
薬剤含有層形成用組成物調製時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、例えば、5〜60℃とすることができるが、これは一例である。
薬剤含有層形成用組成物調製時の時間も、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、例えば、10分〜24時間とすることができるが、これは一例である。
次に、薬剤含有層が含有する前記マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤について、詳細に説明する。
前記マイクロカプセル剤は、マイクロカプセル化されたホルムアルデヒド反応剤である。
マイクロカプセル剤は、重縮合物を膜形成成分とし、ホルムアルデヒドとの反応性を有するホルムアルデヒド反応剤を内包する。
前記ホルムアルデヒド反応剤は、ホルムアルデヒドとの反応性を有するものであれば、特に限定されない。本明細書において、「ホルムアルデヒドとの反応性を有する」とは、ホルムアルデヒドと反応して、ホルムアルデヒドを別の化合物に変換する能力を有することを意味する。すなわち、前記ホルムアルデヒド反応剤は、ホルムアルデヒドとの反応性を有する基を含む。ホルムアルデヒドは、前記ホルムアルデヒド反応剤との反応によって、別の化合物への変換という形で除去される。
マイクロカプセル剤において、膜形成成分として重縮合物を用い、ホルムアルデヒド反応剤としてアミノ基及びアミノ基塩形成基を有しないものを用いることで、ホルムアルデヒド反応剤を内包するマイクロカプセル(マイクロカプセル剤)を安定して形成できる。
ここで、前記カチオン部としては、例えば、アミノ基(−NH2)の窒素原子に水素イオン(H+)が配位結合したものが挙げられる。この場合の前記アニオンの価数は特に限定されず、1(1価)でもよいし2(2価)以上でもよい。前記アニオンが1価である場合、前記塩を形成している前記アニオンの個数と、前記カチオン部の個数は、共に1である。また、前記アニオンがn価(nは2以上の整数である)である場合、前記塩を形成している前記アニオンの個数は通常1であり、前記カチオン部の個数はn以下であり、通常はnである。この場合、複数個の前記カチオン部は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
ホルムアルデヒド反応剤は、「−NH−」基又は「−NH−」塩形成基を有する場合、これら基中の窒素原子は、既に共有結合している1個の水素原子以外に、さらに水素原子と共有結合することはない。
ここで、前記カチオン部としては、例えば、「−NH−」基の窒素原子に水素イオン(H+)が配位結合したものが挙げられる。この場合の前記アニオンの価数は特に限定されず、1(1価)でもよいし2(2価)以上でもよい。前記アニオンが1価である場合、前記塩を形成している前記アニオンの個数と、前記カチオン部の個数は、共に1である。また、前記アニオンがm価(mは2以上の整数である)である場合、前記塩を形成している前記アニオンの個数は通常1であり、前記カチオン部の個数はm以下であり、mであることが好ましい。この場合、複数個の前記カチオン部は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
好ましい前記無機アニオンとしては、例えば、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、ハロゲン化物イオン等が挙げられ、前記ハロゲン化物イオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等が挙げられる。
好ましい前記有機アニオンとしては、例えば、カルボン酸のアニオン、スルホン酸のアニオン等が挙げられる。
前記カルボン酸のアニオンは、モノカルボン酸(1価カルボン酸)のアニオンでもよいし、ジカルボン酸、トリカルボン酸等の多価カルボン酸のアニオンでもよい。
すなわち、1分子のホルムアルデヒド反応剤が2個以上の前記アニオンを有する場合、これら2個以上のアニオンは、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
ただし、ホルムアルデヒド反応剤は、分子全体として電気的に中性であること、すなわち、ホルムアルデヒド反応剤1分子中の前記カチオン部の価数の合計値とアニオンの価数の合計値とは、同じであることが好ましい。
ホルムアルデヒド反応剤が環状構造を有する場合、「−NH−」基及び「−NH−」塩形成基は、前記環状構造の環骨格を形成していてもよいし、環骨格を形成せずに、環骨格を形成している基に結合していてもよい。
1個のカルボニル基にこのように結合している「−NH−」基及び「−NH−」塩形成基の総数は、1個のみでもよいし、2個でもよい。
1個の窒素原子にこのように結合している「−NH−」基及び「−NH−」塩形成基の総数は、1個のみでもよいし、2個でもよいが、1個であることが好ましい。
なお、「−NH−C(=O)−NH−」塩形成基及び「−HN−N(−)−NH−」塩形成基において、「−NH−」塩形成基の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。
ヒダントイン、2−イミダゾリジノン、5−ピラゾロン、3−ピラゾロン、1,2,4−トリアゾール−3−オン、ピラゾール、1,2,3−トリアゾール及び1,2,4−トリアゾールはいずれも、環員数が5の化合物である。フタルイミド及び1,2,3−ベンゾトリアゾールはいずれも、環員数が9の化合物である。グリコールウリルは環員数が8の化合物である。
なお、ここに示す化合物は、ホルムアルデヒド反応剤のごく一例に過ぎない。
また、2−イミダゾリジノンの塩としては、例えば、2−イミダゾリジノン中の2個の「−NH−」基のいずれか一方又は両方が、「−NH−」塩形成基となったものが挙げられる。
また、5−ピラゾロンの塩としては、例えば、5−ピラゾロン中の「−NH−」基が「−NH−」塩形成基となったもの、水素原子と結合していない方の窒素原子が塩を形成したもの、及び、「−NH−」基が「−NH−」塩形成基となり、かつ水素原子と結合していない方の窒素原子が塩を形成したもの、が挙げられる。
また、3−ピラゾロンの塩としては、例えば、3−ピラゾロン中の2個の「−NH−」基のいずれか一方又は両方が、「−NH−」塩形成基となったものが挙げられる。
また、1,2,4−トリアゾール−3−オンの塩としては、例えば、1,2,4−トリアゾール−3−オン中の2個の「−NH−」基のいずれか一方又は両方が、「−NH−」塩形成基となったものが挙げられる。
また、フタルイミドの塩としては、例えば、フタルイミド中の1個の「−NH−」基が、「−NH−」塩形成基となったものが挙げられる。
また、グリコールウリルの塩としては、例えば、グリコールウリル中の4個の「−NH−」基の少なくとも1個が、「−NH−」塩形成基となったものが挙げられる。
また、1,2,3−トリアゾールの塩としては、例えば、1,2,3−トリアゾール中の「−NH−」基が「−NH−」塩形成基となったもの、水素原子と結合していない方の2個の窒素原子のいずれか一方又は両方が塩を形成したもの、及び、「−NH−」基が「−NH−」塩形成基となり、かつ水素原子と結合していない方の2個の窒素原子のいずれか一方又は両方が塩を形成したもの、が挙げられる。
また、1,2,4−トリアゾールの塩としては、例えば、1,2,4−トリアゾール中の「−NH−」基が「−NH−」塩形成基となったもの、水素原子と結合していない方の2個の窒素原子のいずれか一方又は両方が塩を形成したもの、及び、「−NH−」基が「−NH−」塩形成基となり、かつ水素原子と結合していない方の2個の窒素原子のいずれか一方又は両方が塩を形成したもの、が挙げられる。
また、1,2,3−ベンゾトリアゾールの塩としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール中の「−NH−」基が「−NH−」塩形成基となったもの、水素原子と結合していない方の2個の窒素原子のいずれか一方又は両方が塩を形成したもの、及び、「−NH−」基が「−NH−」塩形成基となり、かつ水素原子と結合していない方の2個の窒素原子のいずれか一方又は両方が塩を形成したもの、が挙げられる。
本明細書において「誘導体」とは、元の化合物の1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換されているものを意味する。
すなわち、本明細書においては、置換基を有する2−イミダゾリジノンを「2−イミダゾリジノン誘導体」と称し、2−イミダゾリジノン及び2−イミダゾリジノン誘導体を包括して「2−イミダゾリジノン系化合物」と称することがある。そして、置換基を有する2−イミダゾリジノンの塩、すなわち、2−イミダゾリジノン誘導体の塩とは、2−イミダゾリジノン誘導体が、2−イミダゾリジノンの場合と同様に、塩を形成したものである。「置換基を有していてもよい2−イミダゾリジノン及びその塩」とは、換言すると、2−イミダゾリジノン系化合物及びその塩のことである。
前記アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましい。
前記アルケニル基の炭素数は、2〜10であることが好ましく、2〜8であることがより好ましく、2〜6であることが特に好ましい。
前記アリール基の炭素数は6〜10であることがより好ましい。
前記アラルキル基の炭素数は、7〜20であることが好ましく、7〜11であることがより好ましい。
前記アルコキシ基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
前記アルケニルオキシ基の炭素数は、2〜10であることが好ましく、2〜8であることがより好ましく、2〜6であることが特に好ましい。
前記アリールオキシ基の炭素数は、6〜10であることが好ましい。
前記アラルキルオキシ基の炭素数は、7〜20であることが好ましく、7〜11であることがより好ましい。
通常、1分子のホルムアルデヒド反応剤が有する前記置換基は、1〜4個であることが好ましく、1〜3個であることがより好ましい。
ホルムアルデヒド反応剤が2個以上の前記置換基を有する場合、これら置換基の結合位置は、すべて同じであってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同じであってもよい。
5,5−ジメチルヒダントイン、3−メチル−5−ピラゾロン、3,5−ジメチルピラゾール、3−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジ−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール及び3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾールはいずれも、環員数が5の化合物である。4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール及び5−メチル−1H−ベンゾトリアゾールはいずれも、環員数が9の化合物である。
なお、ここに示す化合物は、前記置換基を有するホルムアルデヒド反応剤のごく一例に過ぎない。
マイクロカプセルが内包するホルムアルデヒド反応剤の量(含有量)は、例えば、後述するマイクロカプセルの製造条件によって調節できる。
前記マイクロカプセルは、重縮合物を膜形成成分とする。本発明において、「膜形成成分」とは、有効成分であるホルムアルデヒド反応剤を包み込む外殻の膜を形成する成分である。
前記重縮合物は、オリゴマー又はポリマーであり、膜形成能を有する有機化合物であれば特に限定されないが、界面重縮合法で得られた界面重縮合物が好ましい。界面重縮合物を用いることにより、より優れた品質のマイクロカプセルが得られる。
ここで、「ポリウレア」とは、式「−NH−C(=O)−NH−」で表される結合(ウレア結合)を有するオリゴマー又はポリマーを意味し、例えば、原料化合物として、2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と、2個以上のアミノ基を有するアミン化合物と、を重縮合反応させることにより得られる。
また、「ポリウレタン」とは、式「−NH−C(=O)−O−」で表される結合(ウレタン結合)を有するオリゴマー又はポリマーを意味し、例えば、原料化合物として、2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と、2個以上の水酸基(−OH)を有するヒドロキシ化合物と、を重縮合反応させることにより得られる。
また、「ポリアミド」とは、式「−NH−C(=O)−」で表される結合(アミド結合)を有するオリゴマー又はポリマーを意味し、例えば、原料化合物として、2個以上のカルボキシ基(−C(=O)−OH)を有するカルボン酸、又はその1個又は2個以上のカルボキシ基がクロロカルボニル基(−C(=O)−Cl)で置換されてなるカルボン酸クロライドと、2個以上のアミノ基を有するアミン化合物と、を重縮合反応させることにより得られる。
また、ポリアミドを製造するための前記アミン化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、ノナンジアミン、メチルペンタジアミン、ジエチレントリアミン等の脂肪族多価アミン化合物等も挙げられる。
前記カルボン酸がその1分子中に有するカルボキシ基の数は、2個以上であれば特に限定されないが、2〜6個であることが好ましく、2〜5個であることがより好ましく、2〜4個であることがさらに好ましく、2又は3個であることが特に好ましい。
前記他の化合物は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
前記マイクロカプセルは、ホルムアルデヒド反応剤を溶解させるために、溶媒を内包していてもよい。この場合、界面重縮合は、水と疎水性溶媒(可塑剤)との混合溶媒中で反応液を乳化させて行うことが好ましい。このように、内包させるホルムアルデヒド反応剤と、疎水性溶媒と、の共存下で、原料化合物を重縮合させることにより、ホルムアルデヒド反応剤及び疎水性溶媒を内包するマイクロカプセルが一気に得られる。
また、反応液を乳化させる場合には、後述する乳化剤を併用してもよい。
すなわち、SP値が12(cal/cm3)1/2以下である溶媒を内包するマイクロカプセルは、本発明におけるマイクロカプセルの中でも、特に好ましいものである。
1−プロパノール(11.9)、2−プロパノール(11.5)、1−ブタノール(11.4)、シクロヘキサノール(11.4)、2−メトキシエタノール(10.8)、1−ヘキサノール(10.7)、2−メチル−2−プロパノール(10.6)、1−ブトキシ−2−プロパノール(10.4)、2−エチルヘキサノール(9.5)等のアルコール;
ジメチルホルムアミド(12.0)等のアミド;
アセトニトリル(11.8)等のニトリル;
アセトン(10.0)、メチルエチルケトン(9.3)、メチルプロピルケトン(8.7)、メチルイソプロピルケトン(8.5)等のケトン;
フタル酸ジn−ブチル(9.4)、酢酸エチル(9.1)、セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)(8.7)、酢酸n−ブチル(8.5)、酢酸イソプロピル(8.4)、酢酸イソブチル(8.3)等のエステル(カルボン酸エステル);
ジオキサン(9.9)、テトラヒドロフラン(9.1)、ジエチルエーテル(7.4)、イソプロピルエーテル(6.9)等の鎖状及び環状のエーテル;
ベンゼン(9.2)、トルエン(8.9)、キシレン(8.8)、エチルベンゼン(8.8)、シクロヘキサン(8.2)、n−オクタン(7.6)、n−ヘキサン(7.3)、n−ペンタン(7.0)等の芳香族及び脂肪族炭化水素;
塩化メチレン(9.7)、クロロホルム(9.3)、トリクロロエチレン(9.2)、四塩化炭素(8.6)等のハロゲン化炭化水素(ハロゲン化脂肪族炭化水素);
二硫化炭素(10.0)等の硫化炭素;
フェノール(11.5)等のフェノール類;
酢酸(10.1)等のカルボン酸
等が挙げられる。溶媒名と並記したカッコ内の数値はSP値((cal/cm3)1/2)を意味する。
前記乳化剤は、公知のものでよく、特に限定されない。
好ましい乳化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール(本明細書においては「PVA」と略記することがある)、カルボキシメチルセルロース(本明細書においては「CMC」と略記することがある)、エチルセルロース、メチルセルロース、カイゼン、アラビアゴム、ゼラチン、ロート油、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン硫酸塩、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を包含する概念とする。
前記乳化剤の使用量は、特に限定されず、その種類に応じて適宜調節すればよい。
また、界面重縮合の時間は、0.5〜5時間であることが好ましく、1〜4時間であることがより好ましく、1.5〜3時間であることが特に好ましい。
得られたマイクロカプセルは、そのまま目的とする用途で用いてもよいし、必要に応じて公知の後処理、精製等を行ってから、目的とする用途で用いてもよく、分散媒を除去してから目的とする用途で用いてもよい。
前記他のオリゴマー及びポリマーは、いずれも1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
すなわち、前記マイクロカプセルにおいて、膜形成成分の総含有量に対する、ポリウレア、ポリウレタン及びポリアミドの合計含有量の割合は、95質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることが特に好ましい。
なお、本明細書において「平均粒子径」とは、特に断りのない限り、コールターカウンターを用いる方法で測定された、体積累積分布の中央値D50を意味する。
アミノ基又はアミノ基塩形成基を有するホルムアルデヒド反応剤を用いた場合には、マイクロカプセルの製造時において、重縮合物である膜形成成分を形成する際に、重縮合させる必須の原料化合物(例えば、前記イソシアネート化合物、カルボン酸、カルボン酸クロライド等)と、アミノ基又はアミノ基塩形成基を有するホルムアルデヒド反応剤とが反応してしまい、マイクロカプセルの形成が阻害されると推測される。これに対して、アミノ基及びアミノ基塩形成基を有しないホルムアルデヒド反応剤を用いることにより、このようなマイクロカプセルの形成阻害が抑制されるのではないかと推測される。
前記1,2,3−トリアゾール系化合物は、1,2,3−トリアゾールであることが好ましい。
前記1,2,4−トリアゾール系化合物は、1,2,4−トリアゾール、3−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジ−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール、又は3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾールであることが好ましい。
前記1,2,3−ベンゾトリアゾール系化合物は、1,2,3−ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、又は5−メチル−1H−ベンゾトリアゾールであることが好ましい。
2−エチルヘキサノール(9.5)等のアルコール;
アセトン(10.0)、メチルエチルケトン(9.3)、メチルプロピルケトン(8.7)、メチルイソプロピルケトン(8.5)等のケトン;
フタル酸ジn−ブチル(9.4)、酢酸エチル(9.1)、セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)(8.7)、酢酸n−ブチル(8.5)、酢酸イソプロピル(8.4)、酢酸イソブチル(8.3)等のエステル(カルボン酸エステル);
ジオキサン(9.9)、テトラヒドロフラン(9.1)、ジエチルエーテル(7.4)、イソプロピルエーテル(6.9)等の鎖状及び環状のエーテル;
ベンゼン(9.2)、トルエン(8.9)、キシレン(8.8)、エチルベンゼン(8.8)、シクロヘキサン(8.2)、n−オクタン(7.6)、n−ヘキサン(7.3)、n−ペンタン(7.0)等の芳香族及び脂肪族炭化水素;
塩化メチレン(9.7)、クロロホルム(9.3)、トリクロロエチレン(9.2)、四塩化炭素(8.6)等のハロゲン化炭化水素(ハロゲン化脂肪族炭化水素);
二硫化炭素(10.0)等の硫化炭素;
酢酸(10.1)等のカルボン酸
等が挙げられる。
これらの中でも、前記溶媒は、SP値が6.5〜9.5(cal/cm3)1/2であるものがより好ましい。
前記ポリウレアは、原料化合物である前記イソシアネート化合物として、イソホロンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートの誘導体(ただし、イソシアネート基は置換されないものとする)、及びイソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体からなる群から選択される1種又は2種以上を用いて得られたものが好ましい。
前記非マイクロカプセル剤は、マイクロカプセル化されていないホルムアルデヒド反応剤であり、薬剤含有層には、その形成当初から含有される。
ただし、前記非マイクロカプセル剤は、マイクロカプセルに内包されたものではないため、アミノ基(−NH2)又はアミノ基塩形成基を有するものも好ましい。ここで、「アミノ基塩形成基」とは、前記マイクロカプセル剤のところで説明したとおりである。アミノ基塩形成基はそれ自体が、又はアミノ基となってこのアミノ基が、ホルムアルデヒドとの反応性を示すと推測される。
また、アミノ基又はアミノ基塩形成基を有する前記非マイクロカプセル剤は、「−NH−」基及び「−NH−」塩形成基のいずれか一方又は両方を有していてもよいし、有していなくてもよい。
アミノ基又はアミノ基塩形成基を有する非マイクロカプセル剤が、「−NH−」基又は「−NH−」塩形成基を有する場合、「−NH−」基又は「−NH−」塩形成基の種類、数、結合位置等は、前記マイクロカプセル剤の場合と同様でよい。
炭化水素基の1個の炭素原子にこのように結合しているアミノ基及びアミノ基塩形成基の総数は、1〜3個のいずれでもよい。
1個の窒素原子にこのように結合しているアミノ基及びアミノ基塩形成基の総数は、1個のみでもよいし、2個でもよいが、1個であることが好ましい。
より好ましい非マイクロカプセル剤としては、例えば、置換基を有していてもよいアジピン酸ジヒドラジド及びその塩、並びに置換基を有していてもよい1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン及びその塩等が挙げられる。
なお、ここに示す化合物は、非マイクロカプセル剤のごく一例に過ぎない。
<積層体の製造>
(マイクロカプセルの製造)
セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)(豊国製油社製、20.0g)と、濃度が75質量%であるイソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体(IPDI−TMP付加体)の酢酸エチル溶液(三井化学社製「タケネートD−140N」、25.0g、固形分18.8g)と、の混合物に、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール(和光純薬社製、10.0g)を添加し、溶解させた。次いで、得られた混合物を、濃度が7質量%であるカルボキシメチルセルロース水溶液(300g、固形分21.0g)に添加し、乳化機(プライミクス社製)を用いて、回転数12000rpm、時間5分の条件で乳化させた。1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(東京化成工業社製、2.7g)を、上記で得られた乳化液に添加し、80℃で2時間攪拌することで、界面重縮合を行った。
以上により、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンと、IPDI−TMP付加体と、の重縮合物を膜形成成分とし、ホルムアルデヒド反応剤として5−メチル−1H−ベンゾトリアゾールと、溶媒としてセバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)及び酢酸エチルと、をそれぞれ内包したマイクロカプセルを、水分散体として得た。
上記で得られたマイクロカプセル水分散体に、ホルムアルデヒド反応剤であるアジピン酸ジヒドラジドを、常温で添加して撹拌することにより、薬剤含有層形成用組成物を得た。この薬剤含有層形成用組成物において、溶媒以外の成分の合計含有量に対する、マイクロカプセルに内包された5−メチル−1H−ベンゾトリアゾールの含有量の割合は5質量%とし、マイクロカプセル化されていないアジピン酸ジヒドラジドの含有量の割合は10質量%とした。
大きさが15cm×15cmの上質紙の一方の表面に、上記で得られた薬剤含有層形成用組成物を塗工し、乾燥させることで、上質紙上に薬剤含有層を形成し、図1に示すものと同じ構成の、本発明の積層体を得た。上質紙上での薬剤含有層の形成量は10g/m2であった。
容積1.6L、内径24cmのデシケータ内で、底面よりも上部に、デシケータ内の空間を仕切る素焼き板を、前記底面に対してほぼ平行に固定した。
次いで、デシケータ内の底面上で、前記素焼き板よりも下部に、蒸留水(300mL)を入れたガラス製容器を載置した。
次いで、大気下において、濃度が5ppmのホルムアルデヒド水溶液を入れたポリエチレン製容器と、上記で得られた積層体とを、前記素焼き板の上面に並べて載置し、直ちにデシケータを密封した。そして、この状態のまま、前記積層体をデシケータ内で保管した。
以降、保管開始から1日後、4日後、7日後及び11日後に、それぞれ、デシケータ内のガラス製容器に入っている蒸留水の一部を試料として採取し、JIS A 6921に準拠して、前記試料のホルムアルデヒドの濃度を測定した。
次いで、前記積層体の場合と同じ方法で、この標準積層体をデシケータ内で保管し、以降、保管開始から1日後、4日後、7日後及び11日後に、それぞれ、デシケータ内のガラス製容器に入っている蒸留水の一部を標準試料として採取し、JIS A 6921に準拠して、前記標準試料のホルムアルデヒドの濃度を測定した。
そして、保管開始から7日後のホルムアルデヒド除去率が、10%以上である場合を、積層体のホルムアルデヒド除去能が合格(○)であると判定し、10%未満である場合を、積層体のホルムアルデヒド除去能が不合格(×)であると判定した。結果を表1に示す。
1−[試料のホルムアルデヒドの濃度]/[標準試料のホルムアルデヒドの濃度]×100 ・・・・(i)
[実施例2〜4、比較例1]
薬剤含有層形成用組成物における、ホルムアルデヒド反応剤の種類と、溶媒以外の成分の合計含有量に対する、ホルムアルデヒド反応剤の含有量の割合と、のいずれか一方又は両方を、表1に示すとおりとした点以外は、実施例1と同じ方法で積層体を製造及び評価した。結果を表1に示す。
実施例1で用いたものと同じ水性インキ(ハイドリックエクステンダー/主成分アクリル系樹脂、大日本精化社製)に、ホルムアルデヒド反応剤であるアジピン酸ジヒドラジド及び1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを、常温で添加して撹拌することにより、比較用の薬剤含有層形成用組成物を得た。この比較用の薬剤含有層形成用組成物において、溶媒以外の成分の合計含有量に対する、アジピン酸ジヒドラジド及び1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンの含有量の割合は、いずれも15質量%とした。
そして、先に説明した薬剤含有層形成用組成物に代えて、この比較用の薬剤含有層形成用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で積層体を製造及び評価した。結果を表1に示す。
実施例1で用いたものと同じ水性インキ(ハイドリックエクステンダー/主成分アクリル系樹脂、大日本精化社製)に、ホルムアルデヒド反応剤である5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール及びアジピン酸ジヒドラジドを、常温で添加して撹拌することにより、比較用の薬剤含有層形成用組成物を得た。この比較用の薬剤含有層形成用組成物において、溶媒以外の成分の合計含有量に対する、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール及びアジピン酸ジヒドラジドの含有量の割合は、いずれも7.5質量%とした。
そして、先に説明した薬剤含有層形成用組成物に代えて、この比較用の薬剤含有層形成用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で積層体を製造及び評価した。結果を表1に示す。
5−MBTZ:5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール
ADH:アジピン酸ジヒドラジド
1,3−BAC:1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン
評価結果の欄の「−」との記載は、その項目が未評価であることを意味する。
これに対して、比較例1〜3の積層体は、比較用の薬剤含有層が前記マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤のいずれか一方を含有していないことにより、ホルムアルデヒド除去能が低かった。
実施例1〜4と比較例1〜3とを比較すると、マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤を併用することにより、マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤のいずれか一方を単独で用いた場合よりも、際立って優れた相乗効果を示したことが明らかである。
<積層体の製造>
図2に示すものと同じ構成の、本発明の積層体を製造した。
第1基材は、壁紙用裏打紙(KJ特殊紙社製「WK665」、厚さ105μm)上に、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂系の発泡樹脂層が積層されたものとした。
第2基材は、の石膏シート(厚さ9.5mm)とした。
樹脂層は、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂系の発泡樹脂層(厚さ220μm)で、かつ、マイクロカプセルに内包された5−メチル−1H−ベンゾトリアゾールの含有量が1質量%であり、マイクロカプセル化されていないアジピン酸ジヒドラジドの含有量が5質量%であるものとした。樹脂層形成用組成物の塗工時の厚さは250μmとした。
印刷層は、水性インキ層(厚さ2μm)とした。
被覆層は、アクリル系樹脂層(厚さ50μm)で、かつ、マイクロカプセル化されていないアジピン酸ジヒドラジドの含有量が5質量%であるものとした。被覆層形成用組成物の塗工時の厚さは50μmとした。
貫通孔は、被覆層の第1面から第2基材の第2面に到達させ、その孔径は50μmとした。
樹脂層及び被覆層が含有する、ホルムアルデヒド反応剤の種類とその含有量とを、表2に示す。
JIS A 1905−1に準拠して、2つの小型チャンバーを用い、ホルムアルデヒド発生源としてMDF材(ホルムアルデヒド発生量167mL/min)を用い、上記で得られた積層体について、空気中のホルムアルデヒド濃度を測定して換気量換算値(m3/m2・h)を算出した。換気量換算値は、測定開始から1日後、4日後、7日後、14日後及び21日後にそれぞれ算出し、21日後の換気量換算値が、0.5以上である場合を、積層体のホルムアルデヒド除去能が合格(○)であると判定し、0.5未満である場合を、積層体のホルムアルデヒド除去能が不合格(×)であると判定した。結果を表3に示す。
[実施例6、比較例4]
樹脂層及び被覆層のいずれか一方又は両方において、ホルムアルデヒド反応剤の種類とその含有量とのいずれか一方又は両方を、表2に示すとおりとした点以外は、実施例5と同じ方法で積層体を製造及び評価した。結果を表3に示す。
表3中、評価結果の欄の「−」との記載は、その項目が未評価であることを意味する。
実施例5〜6と比較例4とを比較すると、マイクロカプセル剤及び非マイクロカプセル剤を併用することにより、非マイクロカプセル剤を単独で用いた場合よりも、際立って優れた相乗効果を示したことが明らかである。
Claims (4)
- 基材の少なくとも一方の表面上に、薬剤含有層を備え、
前記薬剤含有層が、マイクロカプセル化されたホルムアルデヒド反応剤と、マイクロカプセル化されていないホルムアルデヒド反応剤と、を含有し、
前記マイクロカプセル化されたホルムアルデヒド反応剤が徐放性を有する、積層体。 - 前記マイクロカプセル中のホルムアルデヒド反応剤が、アミノ基及びアミノ基が塩を形成している基を有しない、請求項1に記載の積層体。
- 前記マイクロカプセル化されていないホルムアルデヒド反応剤が、アミノ基及びアミノ基が塩を形成している基のいずれか一方又は両方を有する、請求項1又は2に記載の積層体。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体の製造方法であって、
前記マイクロカプセル化されたホルムアルデヒド反応剤と、前記マイクロカプセル化されていないホルムアルデヒド反応剤と、が配合されてなる薬剤含有層形成用組成物を用いて、前記基材の少なくとも一方の表面上に前記薬剤含有層を形成する、積層体の製造方法。
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