JPH09234956A - 多色感熱記録材料 - Google Patents

多色感熱記録材料

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JPH09234956A
JPH09234956A JP8043442A JP4344296A JPH09234956A JP H09234956 A JPH09234956 A JP H09234956A JP 8043442 A JP8043442 A JP 8043442A JP 4344296 A JP4344296 A JP 4344296A JP H09234956 A JPH09234956 A JP H09234956A
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JP
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heat
layer
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acid
sensitive
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JP8043442A
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English (en)
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Keisuke Koseki
圭介 小関
Jun Naito
潤 内藤
Yasuhiro Ogata
安弘 緒方
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画質の均一性に優れた多色感熱記録材料の提
供。 【解決手段】 支持体上に2層以上の感熱記録層を設け
た多色感熱記録材料において、支持体は少なくとも前記
感熱記録層を設ける側の紙面上に樹脂層を設けたシート
状基体であって、シート状基体の感熱記録前の感熱記録
層を設けられる側の三次元表面粗さがフィルター波長
0.8〜2.5mmの条件で0.3μm以下である。ま
た、シート状基体の感熱記録後の三次元表面粗さがフィ
ルター波長0.8〜2.5mmの条件で0.4μm以下
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多色感熱記録材料
さらに詳しくは、2層以上の感熱記録層を有し、画質均
一性に優れた多色感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】フルカラー感熱記録材料の画像記録にお
いては、サーマルヘッドが直接、記録材料表面と接して
熱記録が行なわれるために、記録材料の表面が凹凸を持
つ場合、画像のムラを生じる。この記録材料としての平
面性は用いる支持体の平面性に依るところが大きいこと
が判明している。
【0003】従来、支持体としては、パルプから製造さ
れた原紙上に白色顔料等を混練したポリエチレン層を設
けたポリエチレン被覆紙が有用に使用されている。しか
しながら、ポリエチレン被覆紙を支持体として用いた場
合、隣接する原紙表面の凹凸のため、ざらざらしたさざ
波状の光沢面になり、前述の画像の均一性がかなり損な
われる。
【0004】上記欠点を解消する方法として、支持体に
原紙を用いず熱可塑性樹脂フィルムのみを用いる方法が
いくつか提案されている。特開昭49−114921
号、特公昭55−5104号には、ポリスチレン系樹脂
フィルムに白色顔料を充填される方法が開示されてい
る。また、英国特許第1,563,591号および同第
1,563,592号には硫酸バリウムをポリエステル
に添加し、延伸する方法が開示されている。特公昭56
−4901号では熱可塑性樹脂に硫酸バリウムと酸化チ
タンを使用する技術が開示されている。特開昭61−1
18746号ではポリエステルに平均粒子径0.1〜
0.5μmの表面処理された酸化チタンを添加した技術
が開示されている。これらは、硬く、脆いため、取り扱
い時にクニック等が入りやすく、また原紙にオレフィン
樹脂を溶融押し出ししたものに比べ、プラスチックのよ
うな硬直さを感じさせ、風合いが大きく異なる欠点を有
している。
【0005】また、特開平3−91740号では特定の
酸化チタンを含むオレフィン系樹脂組成物で紙、合成紙
またはフィルム基体を被覆するタイプの支持体が開示さ
れているが、この支持体は平滑性、取り扱い性の点で不
十分である。
【0006】特開平2−230236号ではIDカー
ド、キャッシングカード用にエンボシング適性のある塩
化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂の表面にオレフィン系樹
脂をラミネートする技術が開示されているが、この支持
体は原紙にポリオレフィン樹脂を溶融押し出ししたもの
に比べ、プラスチックシートのような硬直さを感じさ
せ、風合いが大きく異なる欠点を有し、平滑性も不充分
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、原紙
を使用する従来の支持体の風合いを維持しながら、画質
均一性に優れた多色感熱記録材料を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、支持体
上に2層以上の感熱記録層を設けた多色感熱記録材料に
おいて、前記支持体は少なくとも前記感熱記録層を設け
る側の紙面上に樹脂層を設けたシート状基体であって、
該シート状基体の感熱記録前の感熱記録層を設けられる
側の三次元表面粗さがフィルター波長0.8〜2.5m
mの条件で0.3μm以下であることを特徴とする多色
感熱記録材料によって達成される。また、シート状基体
の感熱記録後の感熱記録層を設けられる側の三次元表面
粗さがフィルター波長0.8〜2.5mmの条件で0.
4μm以下であることが望ましい。シート状基体は、支
持体の両面に樹脂層を形成され、さらにこの樹脂層は溶
融押し出しコーティングにより形成されていることが望
ましい。また、樹脂層が、オレフィン系樹脂からなり、
特にポリエチレンからなることが望ましい。
【0009】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明に係る多色感熱記録材料用支持体に使用される原紙
は、一般的に用いられる材料から選ばれる。即ち、針葉
樹、広葉樹等から選ばれる天然パルプを主原料に、必要
に応じ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、尿素樹脂微
粒子等の填料、ロジン、アルキルケテンダイマー、高級
脂肪酸、エポキシ化脂肪酸アミド、パラフィンワック
ス、アルケニルコハク酸等のサイズ剤、でんぷん、ポリ
アミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリアクリルア
ミド等の紙力増強剤、硫酸バンド、カチオン性ポリマー
等の定着剤等を添加したものが用いられる。また、特に
本発明における原紙は、予め、紙力を低下させ、柔軟効
果を付与することのが好適であり、このためには、紙力
増強剤の添加量を減らし、エポキシ化脂肪酸アミド、界
面活性剤等の柔軟剤を添加することが望ましい。更に、
上記の天然パルプに代えて合成パルプを使用したもので
も良く、天然パルプと合成パルプを任意の比率に混合し
たものでも良い。
【0010】原紙基体の種類及び厚さは特に限定される
ものではないが、坪量としては、60g/m2 〜170
g/m2 が望ましく、多色感熱記録材料にはできるだけ
高い平面性が望まれることから、表面の平滑性及び平面
性の優れるものが望ましいので、そのためにマシンカレ
ンダー、ソフトカレンダー及びスーパーカレンダー等で
熱及び圧力を加えて表面処理することが好ましい。本発
明の多色感熱記録材料用支持体は、原紙の両面に表面サ
イズ剤が塗布されたものが望ましい。
【0011】表面サイズ液としては、ポリビニルアルコ
ール及びあるいはその変性物の水溶液であり、その他、
澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、アルギン酸ナトリウム、セルロースサルフ
ェート、ゼラチン、カゼイン等の高分子化合物、塩化カ
ルシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等の金属
塩、更にグリセリン、ポリエチレングリコール等の吸湿
性物質、染料、蛍光増白剤等の着色、増白物質、苛性ソ
ーダ、アンモニア水、塩酸、硫酸、炭酸ナトリウム等の
pHコントロール剤を添加してもよい。また、エポキシ
化脂肪酸アミド、界面活性剤等の柔軟剤を添加してもよ
い。また、必要に応じて顔料等も添加することができ
る。原紙に含浸させる方法としては、サイズプレス、タ
ブサイズあるいはゲイトロールコースター等により含
浸、塗布するとよい。
【0012】本発明における原紙は、TAPPI US
EFUL METHOD 403で定義される内部結合
力が0.5〜2kgf・cm、特に0.5〜1.9kg
f・cm、より望ましくは、0.5〜1.6kgf・c
mであることが望ましい。原紙の内部結合力が0.5k
gf・cmよりも小さいと、原紙の強度が低下し、抄紙
及び加工が困難となりやすく、まだ、感熱記録材料を発
色させる際のプリンターでの走行性が劣る問題がある。
一方、原紙の内部結合力が2kgf・cmよりも大きく
なると、原紙の平滑性に劣り、この原紙に被覆される樹
脂層を設けた場合にもこの樹脂層の表面平滑性が劣るこ
とになり、樹脂層に設けられる感熱記録層面の平滑性も
劣るため、サーマルヘッドが感熱記録層に均一に当たら
ないことから、画像の均一性に欠けることになる。ま
た、原紙の内部結合力が2kgf・cmよりも大きい
と、原紙の厚み方向の圧縮性が小さくなるため、その両
面に樹脂層を設けたシート状基体、さらに感熱記録層を
設けた感熱記録材料の厚み方向の圧縮性が小さくなるた
め、サーマルヘッドが感熱記録層に均一に当たらないこ
とから画質が劣る欠点を有する。
【0013】したがって、本発明における原紙のTAP
PI USEFUL METHOD403で定義される
内部結合力が0.5〜2kgf・cm、特に0.5〜
1.9kgf・cmであると、抄紙加工や製品の走行性
に対して支障がなく、しかも製品における画像の均一性
が優れたものとなる。この点から、特に原紙のTAPP
I USEFUL METHOD 403で定義される
内部結合力が0.5〜1.9kgf・cmであることが
より望ましい。原紙における上記のような内部結合力を
コントロールするための手段としては、パルプ種を選定
すると共に叩解によりパルプを柔軟化させ、カナディア
ンフリーネス値を調整することが望ましい。カナディア
ンフリーネス値はパルプの柔軟化の指標を示すものであ
って、カナディアンフリーネス値が小さい程、叩解が進
み、内部結合力が大きくなる。また、パルプに添加され
る薬品の添加率を調整することによって、内部結合力を
調整することができる。例えば、エポキシ化脂肪酸アミ
ド、アルキルケテンダイマー、脂肪酸塩等のサイズ剤の
添加率が増大すると、内部結合力が小さくなり、一方、
ポリアクリルアミド等の紙力増強剤の添加率が増大する
と、内部結合力が大きくなる。したがって、これらの薬
品の添加率を調整して内部結合力を所望の値の調整可能
である。
【0014】原紙の両面に形成される樹脂層は、原紙に
対して溶融押出コーテイングにより形成される樹脂層で
あってもよく、また、ドライラミネートにより樹脂層を
形成したもの、すなわち、予め形成された樹脂のフイル
ムを原紙に接着剤により接着させたものでもよい。ただ
し、原紙に被覆される樹脂層は、溶融押し出しコーティ
ングにより形成されるものが最も好ましい。原紙に対し
て溶融押出コーテイングにより形成される樹脂層におけ
る樹脂としては、オレフィン系樹脂が好ましく、例えば
ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィンの単
独重合体及びこれらの各種の重合体の混合物を挙げるこ
とができる。特に好ましいポリオレフィンは、高密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレン、及びこれらの混合物
である。これらのポリオレフィンは、溶融押出により原
紙面に被覆され、従って、溶融押出コーティングするこ
とが可能である限りその分子量に特別の制限はないが、
通常は分子量が104 〜106 の範囲にあるポリオレフ
ィンが用いられる。
【0015】原紙に対して、予め形成された樹脂のフイ
ルムを原紙に接着剤により接着させる場合、オレフィン
系樹脂が好ましく、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のα−オレフィンの単独重合体及びこれらの各種の
重合体の混合物を挙げることができるが、特にポリエチ
レンテレフタレート等が好適である。原紙の感熱記録層
を設ける面と反対側の面にもバック層として樹脂層を設
けると、シート状基体のカールバランスを図ることがで
きる。シート状基体のカールバランスが悪いと感熱記録
層塗布後のカールにも影響し、プリンターでの給紙性や
走行性に悪影響を与える。
【0016】本発明において、支持体の形成される樹脂
層は、少なくともオモテ面、即ち、感熱記録層が形成さ
れる面に形成される。したがって、支持体の両面に樹脂
層が形成されていてもよく、感熱記録層が形成される面
側の支持体面側のみに樹脂層が形成されていもよい。た
だし、オモテ面、即ち、感熱記録層を塗布する側の樹脂
層には白色顔料を含有したものが好適であるが、この白
色顔料の種類、配合量等については公知のものの中から
適宜選択することができる。更に、螢光増白剤、酸化防
止剤等の公知の添加剤を添加することも可能である。充
填する白色顔料としては、二酸化チタン、硫酸バリウ
ム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、リトポン、アルミ
ナ白、酸化亜鉛、シリカ三酸化アンチモン、燐酸チタン
等があげられる。これらは単独或いは混合して用いるこ
とができる。これらの内、特に二酸化チタンと酸化亜鉛
が、白色度、分散性及び安定性の観点から好ましい。二
酸化チタンはルチル系であっても、アナターゼ型でも良
く、それらを単独又は混合して使用しても良い。また硫
酸法で作られたものでも、塩素法で作られたものでも良
い。二酸化チタンとしては、含水アルミナ処理、含水二
酸化ケイ素系処理又は酸化亜鉛処理等の無機物質による
表面被覆処理したもの、トリメチロールメタン、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、2、4−ジ
ヒドロキシ−2−メチルペンタン等の有機物質による表
面被覆処理したもの、あるいはポリジメチルシロキサン
等のシロキサン処理したものを適宜用いることができ
る。樹脂層中への白色顔料の充填量は用いる白色顔料及
び樹脂層の厚みによって変わるが、通常5重量%〜20
重量%の間になるように選ばれる。尚、ポリオレフィン
等の熱可塑性樹脂を押し出しコーティングする際の押し
出しコーティング設備としては、通常のポリオレフィン
用押し出し機とラミネーターが使用される。
【0017】また、原紙に被覆される樹脂層の厚みは、
感熱記録層を形成される面(オモテ面側)を感熱記録層
を形成されない面(ウラ面)側よりも厚くする方が望ま
しいが、オモテ面側の樹脂層は、シート状基体の表面粗
さに影響する。この点から、オモテ面側の樹脂層の厚み
は10〜80μmとすることが望ましい。オモテ面側の
樹脂層の厚みが10μmよりも薄いと、また、オモテ面
側の樹脂層の厚みが80μmよりも厚いと、高速での押
出ラミネートの安定性に欠け、シート状基体の表面粗さ
が悪化することとなりやすく好ましくない。さらに、オ
モテ面側の樹脂層は、感熱記録時にシート状基体の熱に
よる変化が生じるので、オモテ面側の樹脂層には比較的
融点の高い樹脂を使用することが望ましく、具体的に
は、80℃以上の融点を有する樹脂を使用することが望
ましく、好ましくは、100℃以上、更に好ましく10
5℃以上である。融点が80℃よりも低い樹脂を使用す
ると、感熱記録時にサーマルヘッドから熱を受けて樹脂
層が変化するため、シート状基体の表面粗さが悪化する
こととなり好ましくない。
【0018】また、樹脂層を原紙に押し出しコーティン
クする前に、原紙と樹脂被覆層との接着を強固にするた
めに原紙に前処理を施しておくことが好ましい。原紙の
前処理としては、硫酸クロム酸混液による酸エッチング
処理、ガス炎による火炎処理、紫外線照射処理、コロナ
放電処理、グロー放電処理、アルキルチタネート等のア
ンカーコート処理等があり、自由に選択できる。特に簡
便さの点からは、コロナ処理が好都合である。コロナ処
理の場合、水との接触角が70°以下になるように処理
する必要がある。
【0019】アンカーコート剤としては、有機チタン
系、イソシアネート系(ウレタン系)ポリエチレンイミ
ン系、ポリブタジエン系などが知られている。具体的に
は有機チタン系としては、テトライソプロピルチタネー
ト、テトラブチルチタネート、テトラステアリルチタネ
ート等のアルキルチタネート、ブトキシチタニウムステ
アレート等のチタンアシレート、チタニウムアセチルア
セトネート等のチタンキレートなどが知られている。ま
た、イソシアネート系(ウレタン系)としては、トルエ
ンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート(HMDI)、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等が知
られている。
【0020】上記のように原紙上に樹脂層が被覆された
シート状基体の感熱記録層が設けられる面側のシート状
基体の表面粗さは、三次元表面粗さがフィルター波長
0.8〜2.5mmの条件で0.3μm以下である。本
発明における3次元表面粗さは中心面平均粗さ(SR
a)を示し、この中心面平均粗さ(SRa)とは、粗さ
曲面から、その中心面上に面積SMの部分を抜き取り、
この抜き取り部分の中心面上に直交座標軸、X軸、Y軸
を置き、中心面に直交する軸をZ軸と置いた時に、次の
数式で与えられる値を中心面平均粗さ(SRa)と定義
し、μm単位で表す。
【0021】
【数1】
【0022】ただし、LX・LY=SM Z=f(X,Y) 中心面平均粗さは、例えば(株)東京精密製、三次元表
面形状測定機(サーフコム575A−3DF)を用いて
半径2μmのダイヤモンド針で2.5mm以上及び0.
8mm以下の波長をカットした条件で400mm2 の面
積を測定して求めることができる。
【0023】上記で定義される表面粗さが0.3μmよ
りも大きいと、樹脂層上に設けられる感熱記録層面の平
滑性が劣ることになり、感熱記録時にサーマルヘッドが
感熱記録層面に均一に当たらないことから、画像の均一
性に欠けることになる。また、画像記録が行なわている
とき、感熱記録層が塗布される面側のシート状基体はサ
ーマルヘッドからの熱を受ける。この熱の影響で感熱記
録層が設けられる側のシート状基体の平面性が悪化し、
感熱記録層が悪化する。したがって画像記録後のシート
状基体の表面粗さは、中心面平均粗さ(SRa)として
0.4μm以下となるように感熱記録前のシート状基体
の表面粗さとして0.3μm以下とすることが好まし
い。
【0024】なお、、このポリオレフィン等の樹脂層と
その上に塗設される感熱記録層との接着性を向上するた
めに、樹脂層の表面をコロナ放電処理等の表面処理を施
してもよいし、或いは、樹脂層の表面をコロナ放電処理
後にゼラチンを主体とする下塗層を設けてもよい。
【0025】また、原紙の感熱記録層が形成される面と
反対側の面、すなわち、裏面側のポリエチレン層は通常
マット面である。これらの裏面のポリエチレン層の上
に、重合性カルボン酸のアルカリ金属塩等のイオン性有
機帯電防止剤や、コロイダルシリカ等を含む帯電防止層
を設ける事は必要に応じて可能である。
【0026】以上のようにして得られたシート状基体上
に、後述するように感熱記録層を塗布して、画像均一性
に優れた多色感熱記録材料を得ることができる。次に感
熱記録層について説明する。
【0027】図1は、シート状基体21の片面に透明な
シアン感熱層22、中間層23、透明なイエロー感熱層
24、中間層25及び透明なマゼンタ感熱層26を順次
積層し、その上に透明な保護層27を設けた場合の多色
感熱記録材料である。この場合、少なくともマゼンタ感
熱層及びイエロー感熱層の発色系はジアゾ系であり、シ
アン感熱層はジアゾ系であってもジアゾ系でなくてもよ
い。この場合のジアゾ化合物は、その分解波長域が外側
の感熱層に使用するもの程、長波長となるように選択す
る。
【0028】記録は、まず低熱エネルギーで最外層の感
熱層をマゼンタ発色させた後、最外層の感熱層に含有さ
れるジアゾ化合物を、その分解波長域の光を上面から照
射することにより分解して最外側感熱層の記録画像を定
着する。
【0029】次に、上記熱記録時よりも大きな熱エネル
ギーを加えて第2層の感熱層をイエロー発色させ、第2
層に含有されるジアゾ化合物の分解波長域の光を照射し
て第2層の記録画像を定着する。更に、第2層に加えた
熱エネルギーより高い熱エネルギーを加えて最内層の感
熱層をシアン発色させる。最内層の感熱層にもジアゾ発
色系を採用している場合には、その分解波長域の光を照
射して、最内層の記録画像をも定着しておくことが経時
による地汚れ発生を防止することができるので好まし
い。
【0030】以上の如く、シアン、マゼンタ、イエロー
を各々独立に発色させることができる結果、従来感熱記
録で困難視されていたシアン、マゼンタ、イエロー、シ
アン+マゼンタ(ブルー)、マゼンタ+イエロー(レッ
ド)、シアン+イエロー(グリーン)、シアン+マゼン
タ+イエロー(ブラック)の計7色の基本発色が色分離
良く実現される。この場合、最内層の感熱層は不透明で
あっても色再現に悪い影響を与えないことは当業者であ
れば容易に理解することができる。
【0031】また、最外層の感熱層の耐傷性、耐スティ
ッキング性が十分であれば、上記透明保護層を設けなく
てもよいことは当然である。又、印加熱エネルギーを適
度に加減して各ユニットの発色をコントロールすること
により、混色により実現できる色の数を相乗的に増すこ
とができることは、当業者であれば容易に理解すること
ができる。
【0032】前記の如く、本発明においては最内側の感
熱層の発色系はジアゾ系でなくても良い。この場合のジ
アゾ系以外の発色系としては、熱感度や発色濃度の観点
から電子供与性染料前駆体と顕色剤の組み合わせ(ロイ
コ系)を使用することが好ましい。
【0033】次に、本発明の多色感熱記録材料に使用す
る各種成分について詳述する。本発明における電子供与
性染料前駆体とは、エレクトロンを供与して或いは酸等
のプロトンを受容して発色する性質を有するものであ
り、特に限定されるものではないが、通常略無色で、ラ
クトン、ラクタム、サルトン、スピロピラン、エステ
ル、アミド等の部分骨格を有し、顕色剤と接触してこれ
らの部分骨格が開環もしくは開裂する化合物が用いられ
る。具体的にはクリスタルバイオレットラクトン、ベン
ゾイルロイコメチレンブルー、マラカイトグリーンラク
トン、ローダミンBラクタム、1,3,3−トリメチル
−6’−エチル−8’−ブトキシインドリノベンゾスピ
ロピラン等がある。
【0034】これらの発色剤に対する顕色剤は、公知の
ものの中から適宜選択して使用することができる。例え
ば、ロイコ染料に対する顕色剤としてはフェノール化合
物、含硫フェノール系化合物、カルボン酸系化合物、ス
ルホン系化合物、尿素系又はチオ尿素系化合物等が挙げ
られ、その詳細は、例えば、紙パルプ技術タイムス(1
985年)49〜54頁及び65〜70頁に記載されて
いる。これらの中でも、特に融点が50℃〜250℃の
物が好ましく、中でも60℃〜200℃の、水に難溶性
のフェノール及び有機酸が望ましい。顕色剤を2種以上
併用した場合には溶解性が増加するので好ましい。
【0035】本発明で使用する顕色剤のうち特に好まし
いものは、下記一般式(1)〜(4)で表される。
【0036】一般式(1)
【化1】 m=0〜2、n=2〜11
【0037】一般式(2)
【化2】 7 はアルキル基、アリール基、アリールオキシアルキ
ル基又はアラルキル基であり、特にメチル基及びブチル
基が好ましい。
【0038】一般式(3)
【化3】 8 はアルキル基であり、特にブチル基、ペンチル基、
ヘプチル基及びオクチル基が好ましい。R9 は水素原子
又はメチル基であり、nは0〜2である。
【0039】一般式(4)
【化4】 10はアルキル基、アラルキル基又はアリールオキシア
ルキル基である。
【0040】本発明においては、電子供与性染料前駆体
1重量部に対しては、顕色剤を0.3〜160重量部、
好ましくは0.3〜80重量部使用することが好まし
い。
【0041】本発明の多色感熱記録材料に係る発色素材
のもう一方のジアゾ化合物とは、後述するカプラーと呼
ばれる顕色剤と反応して所望の色相に発色するものであ
り、且つ、反応前に特定の波長の光を受けると分解しそ
の後はもはやカプラーが作用しても発色能力を持たなく
なるのである。
【0042】この発色系における色相は、ジアゾ化合物
とカプラーが反応して生成したジアゾ色素により主に決
定される。従って良く知られているように、ジアゾ化合
物の化学構造を変更するか、カプラーの化学構造を変更
すれば容易に発色色相を変えることができ、組み合わせ
次第で略任意の発色色相を得ることができる。
【0043】本発明で言う光分解性のジアゾ化合物は主
に芳香族ジアゾ化合物を指し、更に具体的には、芳香族
ジアゾニウム塩、ジアゾスルホネート化合物、ジアゾア
ミノ化合物等の化合物を指す。以下、例として主にジア
ゾニウム塩を挙げて説明する。
【0044】普通、ジアゾニウム塩の光分解波長はその
吸収極大波長であるといわれている。また、ジアゾニウ
ム塩の吸収極大波長はその化学構造に応じて、200n
m位から700nm位迄変化することが知られている
(「感光性ジアゾニウム塩の光分解と化学構造」角田隆
弘、山岡亜夫著 日本写真学会誌29(4)197〜2
05頁(1965))。また、ジアゾニウム塩の化学構
造を変えることにより、同じカプラーとカップリング反
応した場合であっても、カップリング反応によって生じ
る色素の色相を変化せしめることができる。
【0045】ジアゾニウム塩は一般式ArN2 + -
示される化合物である。式中、Arは置換された、或い
は無置換の芳香族部分を表し、N2 + はジアゾニウム基
を表し、X- は酸アニオンを表す。
【0046】このうち、400nm付近に光分解波長を
有する化合物としては、4−ジアゾ−1−ジメチルアミ
ノベンゼン、4−ジアゾ−1−ジエチルアミノベンゼ
ン、4−ジアゾ−1−ジプロピルアミノベンゼン、4−
ジアゾ−1−メチルベンジルアミノベンゼン、4−ジア
ゾ−1−ジベンジルアミノベンゼン、4−ジアゾ−1−
エチルヒドロキシエチルアミノベンゼン、4−ジアゾ−
1−ジエチルアミノ−3−メトキシベンゼン、4−ジア
ゾ−1−ジメチルアミノ−2−メチルベンゼン、4−ジ
アゾ−1−ベンゾイルアミノ−2,5−ジエトキシベン
ゼン、4−ジアゾ−1−モルホリノベンゼン、4−ジア
ゾ−1−モルホリノ−2,5−ジブトキシベンゼン、4
−ジアゾ−1−アニリノベンゼン、4−ジアゾ−1−ト
ルイルメルカプト−2,5−ジエトキシベンゼン、4−
ジアゾ−1,4−メトキシベンゾイルアミノ−2,5−
ジエトキシベンゼン等を挙げることができる。
【0047】300〜370nmに光分解波長を有する
化合物としては、1−ジアゾ−4−(N,N−ジオクチ
ルカルバモイル)ベンゼン、1−ジアゾ−2−オクタデ
シルオキシベンゼン、1−ジアゾ−4−(4−tert
−オクチルフェノキシ)ベンゼン、1−ジアゾ−4−
(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ベンゼ
ン、1−ジアゾ−2−(4−tert−オクチルフェノ
キシ)ベンゼン、1−ジアゾ−5−クロロ−2−(4−
tert−オクチルフェノキシ)ベンゼン、1−ジアゾ
−2,5−ビス−オクタデシルオキシベンゼン、1−ジ
アゾ−2,4−ビス−オクタデシルオキシベンゼン、1
−ジアゾ−4−(N−オクチルテウロイルアミノ)ベン
ゼン等を挙げることができる。以上挙げた例に代表され
る芳香族ジアゾニウム化合物は、その置換基を任意に変
えることにより広くその光分解波長を変えることができ
る。
【0048】酸アニオンの具体例としては、Cn 2n+1
COO- (nは3〜9を表わす)、Cm 2m+1SO3 -
(mは2〜8を表わす)、(ClF2i+1SO22 CH
-(i は1〜18を表わす)、
【0049】
【化5】
【0050】ジアゾ化合物(ジアゾニウム塩)の具体例
としては、例えば下記の例が挙げられる。
【0051】
【化6】
【0052】
【化7】
【0053】本発明で用いることのできるジアゾスルホ
ネート化合物は、一般式
【0054】
【化8】
【0055】で表される化合物である。式中、R1 はア
ルカリ金属又はアンモニウム化合物、R2 、R3 、R5
及びR6 は水素、ハロゲン、アルキル基、又はアルコキ
シ基であり、R4 は水素、ハロゲン、アルキル基、アミ
ノ基、ベンゾイルアミド基、モルホリノ基、トリメルカ
プト基、又はピロリジノ基である。
【0056】このようなジアゾスルホネートは多数のも
のが知られており、各々のジアゾニウム塩を亜硫酸塩で
処理することにより得られる。
【0057】これらの化合物の中で好ましい化合物とし
ては、2−メトキシ、2−フェノキシ、2−メトキシ−
4−フェノキシ、2,4−ジメトキシ、2−メチル−4
−メトキシ、2,4−ジメチル、2,4,6−トリメチ
ル、4−フェニル、4−フェノキシ、4−アセトアミド
等の置換基を有するベンゼンジアゾスルホン酸塩、或い
は又、4−(N−エチル,N−ベンジルアミノ)、4−
(N,N−ジメチルアミノ)、4−(N,N−ジエチル
アミノ)、4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−クロ
ル、4−ピロジニノ−3−クロル、4−モルホリノ−2
−メトキシ、4−(4’−メトキシベンゾイルアミノ)
−2,5−ジブトキシ、4−(4’−トリメルカプト)
−2,5−ジメトキシ等の置換基を有するベンゼンジア
ゾスルホン酸塩である。これらジアゾスルホネート化合
物を用いる時は、印字の前にジアゾスルホネートを活性
化するための光照射を行うことが望ましい。
【0058】また、本発明で用いることのできる他のジ
アゾ化合物として、ジアゾアミノ化合物を挙げることが
できる。ジアゾアミノ化合物としてはジアゾ基をジシア
ンジアミド、サルコシン、メチルタウリン、N−エチル
アントラニックアシッド−5−スルホニックアシッド、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、グアニジ
ン等でカップリングさせた化合物である。
【0059】本発明に用いられるカプラーは、ジアゾ化
合物(ジアゾニウム塩)とカップリングして色素を形成
するものであり、具体例としてはレゾルシン、フロログ
ルシン、2,3−ヒドロキシナフタレン−6−スルホン
酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホ
リノプロピルアミド、1,5−ジヒドロキシナフタレ
ン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒド
ロキシ−6−スルファニルナフタレン、2−ヒドロキシ
−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒド
ロキシ−3−ナフトエ酸−2’−メチルアミド、2−ヒ
ドロキシ−3−ナフトエ酸エタノールアミド、2−ヒド
ロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキ
シ−3−ナフトエ酸−N−ドデシル−オキシ−プロピル
アミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸テトラドデシ
ルアミド、アセトアニリド、アセトアセトアリニド、ベ
ンゾイルアセトアニリド、1−フェニル−3−メチル−
5−ピラゾロン、2,4−ビス(ベンゾイルアセトアミ
ノ)トルエン、1,3−ビス(ビバロイルアセトアミノ
メチル)ベンゼン、1−(2’,4’,6’−トリクロ
ロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、1
−(2’,4’,6’−トリクロロフェニル)−3−ア
ニリノ−5−ピラゾロン、1−フェニル−3−フェニル
アセトアミド−5−ピラゾロン等が挙げられる。
【0060】更にこれらのカプラーを2種以上併用する
ことによって任意の色調の画像を得ることができる。こ
れらのジアゾ化合物とカプラーとのカップリング反応は
塩基性雰囲気下で起こり易いため、層内に塩基性物質を
添加してもよい。
【0061】塩基性物質としては、水難溶性ないしは水
不溶性の塩基性物質や、加熱によりアルカリを発生する
物質が用いられる。それらの例としては無機及び有機ア
ンモニウム塩、有機アミン、アミド、尿素やチオ尿素お
よびその誘導体、チアゾール類、ピロール類、ピリミジ
ン類、ピペラジン類、グアニジン類、インドール類、イ
ミダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール類、モル
ホリン類、ピペリジン類、アミジン類、フォルムアジン
類、ピリジン類等の含窒素化合物が挙げられる。これら
の具体例は、例えば、特願昭60−132990号に記
載されている。塩基性物質は2種以上併用してもよい。
ジアゾ化合物1重量部に対してカプラーは0.1〜10
重量部、塩基性物質は0.1〜20重量部の割合で使用
することが好ましい。
【0062】以上の発色反応を生ずる素材は、感熱層の
透明性向上の観点、常温で発色剤と顕色剤の接触を防止
するといった生保存性の観点(カブリ防止)、及び希望
の印加熱エネルギーで発色させるような発色感度の制御
の観点等から発色に必須な成分の一部をカプセル化して
用いることが好ましい。
【0063】この場合に使用するマイクロカプセルの種
類は、特に限定されるものではないが、特に本発明にお
いて好ましいマイクロカプセルは、常温ではマイクロカ
プセル壁の物質隔離作用によりカプセル内外の物質の接
触を妨げ、ある温度以上に加熱されている間にのみ物質
の透過性が上がるものであり、カプセル壁材、カプセル
芯物質、添加剤を適宜選ぶことにより、その透過開始温
度を自由にコントロールすることができるものである。
この場合の透過開始温度は、カプセル壁のガラス転移温
度に相当するものである(例:特開昭59−91438
号,特願昭59−190886号、特願昭59−994
90号等)。
【0064】カプセル壁固有のガラス転移点を制御する
には、カプセル壁形成剤の種類を替えることが必要であ
る。マイクロカプセルの壁材料としては、ポリウレタ
ン、ポリウレア、ポリエステル、ポリカーボネート、尿
素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレ
ン、スチレンメタクリレート共重合体、スチレン−アク
リレート共重合体、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルアルコール等が挙げられる。本発明において
はこれらの高分子物質を2種以上併用することもでき
る。本発明においては、上記の高分子物質のうちポリウ
レタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリ
カーボネート等が好ましく、特にポリウレタン及びポリ
ウレアが好ましい。
【0065】本発明で使用するマイクロカプセルは、発
色剤等の反応性物質を含有した芯物質を乳化した後、そ
の油滴の周囲に高分子物質の壁を形成してマイクロカプ
セル化することが好ましく、この場合高分子物質を形成
するリアクタントを油滴の内部及び/又は油滴の外部に
添加する。マイクロカプセルの好ましい製造方法等、本
発明で好ましく使用することのできるマイクロカプセル
の詳細は、例えば特開昭59−222716号に記載さ
れている。
【0066】ここで、油滴を形成するための有機溶剤と
しては、一般に高沸点オイルの中から適宜選択すること
ができるが、特に、後述の顕色剤又はカプラーを溶解す
るに適した有機溶剤を使用した場合には、発色剤に対す
る溶解性が優れ、熱印字の際の発色濃度と発色速度を増
大せしめ、又は、カブリも少なくすることができるので
好ましい。マイクロカプセルを作る時、マイクロカプセ
ル化すべき成分を0.2重量%以上含有した乳化液から
作ることができる。
【0067】上記の如く製造される好ましいマイクロカ
プセルは、従来の記録材料に用いられているような熱や
圧力によって破壊するものではなく、マイクロカプセル
の芯及び外に含有されている反応性物質はマイクロカプ
セル壁を透過して反応することができる。
【0068】本発明では、発色助剤を用いることも可能
である。本発明で用いることのできる発色助剤とは、加
熱印字時の発色濃度を高くするか若しくは最低発色温度
を低くする物質であり、カプラー、塩基性物質、発色
剤、顕色剤若しくはジアゾ化合物等の融解点を下げた
り、カプセル壁の軟化点を低下せしめる作用により、ジ
アゾ、塩基性物質、カプラー、発色剤、顕色剤等が反応
しやすい状況を作るためのものである。
【0069】発色助剤としては、フェノール化合物、ア
ルコール性化合物、アミド化合物、スルホンアミド化合
物等があり、具体例としては、p−tert−オクチル
フェノール、p−ベンジルオキシフェノール、p−オキ
シ安息香酸フェニル、カルバニル酸ベンジル、カルバニ
ル酸フェネチル、ハイドロキノンジヒドロキシエチルエ
ーテル、キシリレンジオール、N−ヒドロキシエチル−
メタンスルホン酸アミド、N−フェニル−メタンスルホ
ン酸アミド等の化合物を挙げることができる。これら
は、芯物質中に含有させてもよいし、乳化分散物として
マイクロカプセル外に添加してもよい。
【0070】本発明においては、実質的に透明な感熱発
色層を得るために、電子供与性染料前駆体に対する顕色
剤又はジアゾ化合物に対するカプラーを水に難溶性又は
不溶性の有機溶剤に溶解せしめた後、これを界面活性剤
を含有し水溶性高分子を保護コロイドとして有する水相
と混合し、乳化分散した分散物の形で使用する。
【0071】顕色剤又はカプラーを溶解する有機溶剤は
高沸点オイルの中から適宜選択することができるが、特
にエステル類及び感圧用オイルとして知られる、ベンゼ
ン環を2個以上有し且つヘテロ原子の数が規定数以下の
オイルが好ましい。このようなオイルは下記一般式
(5)〜(7)で表される化合物及びトリアリルメタン
(例えば、トリトルイルメタン、トルイルジフェニルメ
タン)、ターフェニル化合物、アルキル化合物(例え
ば、ターフェニル)、アルキル化ジフェニルエーテル
(例えば、プロピルジフェニルエーテル)、水添ターフ
ェニル(例えば、ヘキサヒドロターフェル)、ジフェニ
ルエーテルである。中でも、エステル類を使用すること
が顕色剤又はカプラーの乳化分散物の乳化安定性の観点
から好ましい。
【0072】一般式(5)
【化9】 式中、R1 は水素又は炭素数1〜18のアルキル基、R
2 は炭素数1〜18のアルキル基を表わす。p1 、q1
は1〜4の整数を表し、且つ、アルキル基の総和は4個
以内とする。尚、R1 、R2 のアルキル基は炭素数1〜
8のアルキル基が好ましい。
【0073】一般式(6)
【化10】 式中、R3 は水素又は炭素数1〜12のアルキル基、R
4 は炭素数1〜12のアルキル基を表わす。nは1又は
2を表わす。p2 、q2 は1〜4の整数を表わす。n=
1の場合には、アルキル基の総和は4個以内であり、n
=2のときアルキル基の総和は6個以内である。
【0074】一般式(7)
【化11】 式中、R5 、R6 は水素原子又は炭素数1〜18の同種
もしくは異種のアルキル基を表わす。mは1〜13の整
数を表わす。p3 、q3 は1〜3の整数を表し、且つ、
アルキル基の総和は3個以内である。尚、R5 、R6
アルキル基は炭素数2〜4のアルキル基が特に好まし
い。
【0075】式(5)で表される化合物としては、ジメ
チルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジイソプロピル
ナフタレン等が挙げられる。
【0076】式(6)で表される化合物としては、ジメ
チルビフェニル、ジエチルビフェニル、ジイソプロピル
ビフェニル、ジイソブチルビフェニルが挙げられる。
【0077】式(7)で表される化合物例としては、1
−メチル−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタ
ン、1−エチル−1−ジメチルフェニル−1−フェニル
メタン、1−プロピル−1−ジメチルフェニル−1−フ
ェニルメタンが挙げられる。
【0078】エステル類としては、燐酸エステル類(例
えば、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ブチ
ル、燐酸オクチル、燐酸クレジルジフェニル)、フタル
酸エステル(フタル酸ジブチル、フタル酸−2−エチル
ヘキシル、フタル酸エチル、フタル酸オクチル、フタル
酸ブチルベンジル)、テトラヒドロフタル酸ジオクチ
ル、安息香酸エステル(安息香酸エチル、安息香酸プロ
ピル、安息香酸ブチル、安息香酸イソぺンチル、安息香
酸ベンジル)、アビエチン酸エステル(アビエチン酸エ
チル、アビエチン酸ベンジル)、アジピン酸ジオクチ
ル、コハク酸イソデシル、アゼライン酸ジオクチル、シ
ュウ酸エステル(シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチ
ル)、マロン酸ジエチル、マレイン酸エステル(マレイ
ン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチ
ル)、クエン酸トリブチル、ソルビン酸エステル(ソル
ビン酸メチル、ソルビン酸エチル、ソルビン酸ブチ
ル)、セバシン酸エステル(セバシン酸ジブチル、セバ
シン酸ジオクチル)、エチレングリコールエステル類
(ギ酸モノエステル及びジエステル、酪酸モノエステル
及びジエステル、ラウリン酸モノエステル及びジエステ
ル、パルミチン酸モノエステル及びジエステル、ステア
リン酸モノアステル及びジエステル、オレイン酸モノエ
ステル及びジエステル)、トリアセチン、炭酸ジエチ
ル、炭酸ジフェニル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、
ホウ酸エステル(ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリペンチ
ル)等が挙げられる。上記のオイル同士、又は他のオイ
ルとの併用も可能である。
【0079】本発明においては、上記の有機溶剤に、更
に低沸点の溶解助剤として補助溶剤を加えることもでき
る。このような補助溶剤として、例えば酢酸エチル、酢
酸イソブロピル、酢酸ブチル及びメチレンクロライド等
を特に好ましいものとして挙げることができる。
【0080】顕色剤又はカプラーを溶解した油相と混合
する水相に、保護コロイドとして含有せしめる水溶性高
分子は、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、
両性高分子の中から適宜選択することができるが、ポリ
ビニルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体等が好
ましい。
【0081】また、水相に含有せしめる界面活性剤とし
ては、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤の中か
ら、上記保護コロイドと作用して沈殿や凝集を起こさな
いものを適宜選択して使用することができる。好ましい
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ソー
ダ(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、スルホコハク
酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール
(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル)等を挙げることができる。
【0082】本発明における顕色剤又はカプラーの乳化
分散物は、顕色剤又はカプラーを含有する油相と保護コ
ロイド及び界面活性剤を含有する水相を、高速撹拌、超
音波分散等、通常の微粒子乳化に用いられる手段を使用
して混合分散せしめ容易に得ることができる。
【0083】この時、乳化分散物の油滴サイズ(直径)
は、ヘイズが60%以下の透明な感熱相を得るために7
μ以下であることが好ましい。更に好ましくは0.1〜
5μの範囲内である。
【0084】または油相の水相に対する比(油相重量/
水相重量)は、0.02〜0.6が好ましく、更に好ま
しくは0.1〜0.4である。0.02以下では水相が
多すぎて希薄となり十分な発色性が得られず、0.6以
上では逆に液の粘度が高くなり、取り扱いの不便さや透
明度の低下をもたらす。
【0085】本発明では、以上の素材の他に酸安定剤と
してクエン酸、酒石酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピ
ロリン酸等を添加することができる。
【0086】本発明の感熱材料は適当なバインダーを用
いて塗工することができる。バインダーとしてはポリビ
ニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビヤ
ゴム、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、カゼイン、ス
チレン−ブタジエンラテックス、アクリロニトリル−ブ
タジエンラテックス、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸
エステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の各種エマ
ルジョンを用いることができる。使用量は固形分に換算
して0.5〜5g/m2 である。
【0087】また、感熱層の塗布量は3g/m2 〜20
g/m2 、特に5g/m2 〜15g/m2 の間にあるこ
とが好ましい。3g/m2 以下では十分な感度が得られ
ず、20g/m2 以上塗布しても品質の向上は見られな
いのでコスト的に不利になる。 本発明においては、感
熱層と感熱層との間に中間層を設けることが感熱記録材
料の生保存性、記録画像保存性及び色分離向上の観点か
ら好ましく、この中間層として、特に水溶性ポリアニオ
ンポリマーを多価カチオンでゲル化した層を用いること
が好ましい。
【0088】水溶性ポリアニオンポリマーとして好まし
いものはカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を有
するポリマーであり、特にカルボキシル基を有する水溶
性ポリアニオンポリマーが好ましい。好ましい水溶性ポ
リアニオンポリマーの例としては、天然又は合成の多糖
類ガム類(その例として、アルギン酸アルカリ金属塩、
グアゴム、アラビアゴム、カラジーナン、ペクチン、ト
ラガカントゴム、キサンテンゴム等)、アクリル酸又は
メタクリル酸の重合体及びその共重合体、マレイン酸又
はフタル酸の重合体及びその共重合体、カルボキシメチ
ルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、寒天等
が挙げられ、中でもアルギン酸アルカリ金属塩が好まし
い。水溶性ポリアニオンポリマーの分子量は、5,00
0〜10,000が好ましく、特に本発明において目的
とするバリアー性及び製造適性の観点から10,000
〜40,000が好ましい。多価カチオンとしては、ア
ルカリ土類金属その他多価金属の塩類(例えば、CaC
2 、BaCl2 、Al2(SO43 、ZnSO4
等)、ポリアミン類(例えばエチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、ヘキサメチレンジアミン等)、ポリイ
ミン類が好ましい。
【0089】本発明における他の好ましい中間層の例と
しては、水溶性ポリアニオンポリマーと水溶性ポリカチ
オンポリマーのイオンコンプレックスを挙げることがで
きる。この場合、水溶性ポリアニオンポリマーとしては
前述の各種の水溶性ポリアニオンポリマーを用いること
ができる。
【0090】水溶性ポリカチオンポリマーとしては、複
数の反応性チッ素含有カチオン基を有する蛋白質類、ポ
リリシン等のポリペプチド類、ポリビニルアミン類、ポ
リエチレンアミン類、ポリエチレンイミン類等が好まし
い。
【0091】これらの材料を用いて中間層を作製するに
際しては、塗布中の急速なゲル化を防ぐため水溶性ポリ
アニオンポリマー又は多価カチオンのうちいずれか一方
の材料を互いに隣接する感熱層のいずれか一方の感熱層
に含有させて塗布することが好ましいが、更に温度もp
Hを調節したり、前記一方の材料を隣接する他方の感熱
層に含ませることも可能である。中間層の好ましい塗設
量は0.05g/m2 〜5g/m2 であり、さらに好ま
しくは0.1g/m2 〜2g/m2 である。
【0092】本発明における感熱層は色分離性向上のた
めに少なくとも最外側及び第2層の感熱層が実質的に透
明であることが必要である。ここでいう実質的に透明と
は、ヘイズ(%)(日本精密工業(株)製、積分球法H
TRメーターで測定)で表わせば60%以下でなくては
ならない。好ましくは40%以下であり、更に好ましく
は30%以下である。但し、現実の感熱層試験サンプル
の透明度には感熱層表面の微細な凹凸に基づく光散乱が
大きな影響を与える。従って、本発明で問題とすべき感
熱層固有の透明性、即ち、感熱層内部の透明性をヘイズ
メーターで測る場合には、簡便な方法として感熱層の上
に透明接着テープを貼り付けて、表面散乱をほぼ除いて
測定した値をもって評価する。上記の如き透明性は、顕
色剤又はカプラーを前記乳化分散物の形で使用すること
により容易に達成することができる。
【0093】本発明の感熱記録材料の最外側感熱層の上
には、耐傷性向上やスティッキング防止のために実質的
に保護層を設けることが好ましい。保護層は2層以上積
層されても良い。本発明において使用できる透明保護層
は、少なくともケイ素変成ポリビニルアルコール及びコ
ロイダルシリカからなる。
【0094】上記ケイ素変成ポリビニルアルコールは、
分子内にケイ素原子を含有するものであれば特に限定さ
れるもではないが、通常分子内に含有されるケイ素原子
がエルコキシル基、アシロキシル基あるいは加水分解等
により得られる水酸基又はそのアルカリ金属塩等の反応
性置換基を有しているものを使用することが好ましい。
このような、分子内にケイ素原子を含む変成ポリビニル
アルコールの製造法の詳細は特開昭58−193189
号公報に記載されている。
【0095】本発明で使用するコロイダルシリカは、水
を分散媒とし無水珪酸の超微粒子を水中に分散せしめた
コロイド溶液として使用される。コロイダルシリカの粒
子の大きさは10mμ〜100mμ、比重1.1〜1.
3のものが好ましい。この場合のコロイド溶液のpH値
は約4〜約10のものが好ましく使用される。
【0096】上記保護層を感熱記録材料の表面に設けた
場合には、前記透明接着テープを施した場合と同様に表
面散乱現象が抑制され、更に驚くべきことに保護層の透
明性は極めて良好である。また、感熱層表面の機械的強
度が向上するので、ひいては感熱材料全体の透明性をよ
り一層著しく改善することができる。
【0097】本発明におけるケイ素変成ポリビニルアル
コールとコロイダルシリカとの適当な配合比率は、ケイ
素変成ポリビニルアルコール1重量部に対してコロイダ
ルシリカ0.5〜3重量部であり、更に好ましくは1〜
2重量部である。コロイダルシリカの使用量が0.5重
量部より少ないと透明性向上の効果が少なく、3重量部
以上使用すると保護層の膜にヒビ割れを生じ、かえって
透明性が低下する。
【0098】透明保護層には更に1種以上のポリマーを
併用してもよい。併用し得るポリマーの具体例として
は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース、澱粉類、ゼラチン、アラ
ビアゴム、カゼイン、スチレン−無水マレイン酸共重合
体加水分解物、スチレン−無水マレイン酸共重合体ハー
フエステル加水分解物、ポリビニルアルコール、カルボ
キシ変成ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド誘
導体、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸
ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等の水溶性高分子及
びスチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニト
リル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−
ブタジエンゴムラテックス、ポリ酢酸ビニルエマルジョ
ン等の水不溶性ポリマー等が挙げられる。併用する量と
しては、ケイ素変成ポリビニルアルコール1重量部に対
して0.01〜0.5重量部が好ましい。
【0099】保護層中には熱印字時のサーマルヘッドと
のマッチング性の向上、保護層の耐水性の向上等の目的
で、顔料、金属石鹸、ワックス、架橋剤等が添加され
る。
【0100】顔料は屈折率1.4〜1.55、粒径1μ
以下の顔料が好ましい。具体的には炭酸カルシウム、タ
ルク、蝋石、カオリン、水酸化アルミニウム、非晶質シ
リカ等があり、それらの添加量はポリマーの総重量の
0.05〜0.5倍、特に好ましくは0.1〜0.3倍
の量である。0.05倍以下の量ではヘッドとのマッチ
ング性の向上に無効であり、0.5倍以上の量では感熱
記録材料の透明度及び感度低下が著しくその商品価値を
損ねる。
【0101】金属石鹸にはステアリン酸亜鉛、ステアリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等の高級脂
肪酸金属塩のエマルジョン等があり、保護層全重量の
0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の量で
添加される。
【0102】ワックスにはパラフィンワックス、マイク
ロクリスタリンワックス、カルナバワックス、メチルロ
ールステアロアミド、ポリエチレンワックス、シリコン
等のエマルジョンがあり、保護層全重量の0.5〜40
重量%、好ましくは1〜20重量%の割合の量で添加さ
れる。
【0103】また、感熱層上に均一に保護層を形成させ
るために、保護層形成用塗布液には界面活性剤が添加さ
れる。界面活性剤にはスルホコハク酸系のアルカリ金属
塩、フッ素含有界面活性剤等があり、具体的には、ジ−
(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸、ジ−(n−ヘ
キシル)スルホコハク酸等のナトリウム塩又はアンモニ
ウム塩等がある。また、保護層中には、感熱記録材料の
帯電を防止するための界面活性剤、高分子電解質等を添
加しても良い。
【0104】保護層の固形分塗布量は通常0.2〜5g
/m2 が好ましく、更に好ましくは1〜3g/m2 であ
る。
【0105】本発明においては、支持体と感熱層の接着
を高めるために両層の間に下塗層を設けることができ
る。下塗層の素材としては、ゼラチンや合成高分子ラテ
ックス、ニトロセルロース等が用いられる。下塗層の塗
布量は0.1g/m2 〜2.0g/m2 の範囲にあるこ
とが好ましく、特に0.2g/m2 〜1.0g/m2
範囲が好ましい。0.1g/m2 より少ないと支持体と
感熱層との接着が十分でなく、また、2.0g/m2
上にふやしても支持体と感熱層との接着力は飽和に達し
ているのでコスト的に不利となる。
【0106】下塗層は、感熱層がその上に塗布された時
に、塗布液注に含まれる水により下塗層が膨潤する場合
には感熱層に記録される画質が悪化することがあるの
で、硬膜剤を用いて硬化させることが望ましい。本発明
に用いることができる硬膜剤としては、下記のものを挙
げることができる。
【0107】(1)ジビニスルホン−N,N’−エチレ
ンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3−ビス
(ビニルスルホニル)−2−プロパノール、メチレンビ
スマレイミド、5−アセチル−1,3−ジアクリロイル
−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,3,5−トリア
クリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,3,
5−トリビニルスルホニル−ヘキサヒドロ−s−トリア
ジンの如き活性ビニル系化合物。
【0108】(2)2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ
−s−トリアジン・ナトリウム塩、2,4−ジクロロ−
6−メトキシ−s−トリアジン、2,4−ジクロロ−6
−(4−スルホアニリノ)−s−トリアジン・ナトリウ
ム塩、2,4−ジクロロ−6−(2−スルホエチルアミ
ノ)−s−トリアジン、N−N’−ビス(2−クロロエ
チルカルバミル)ピペラジンの如き活性ハロゲン系化合
物。
【0109】(3)ビス(2,3−エポキシプロピル)
メチルプロピルアンモニウム・p−トルエンスルホン酸
塩、1,4−ビス(2’,3’−エポキシプロピルオキ
シ)ブタン、1,3,5−トリグリシジルイソシアヌレ
ート、1,3−ジグリシジル−5−(γ−アセトキシ−
β−オキシプロピル)イソシアヌレートの如きエポキシ
系化合物。
【0110】(4)2,4,6−トリエチレン−s−ト
リアジン、1,6−ヘキサメチレン−N−N’−ビスエ
チレン尿素、ビス−β−エチレンイミノエチルチオエー
テルの如きエチレンイミノ系化合物。
【0111】(5)1,2−ジ(メタンスルホンオキ
シ)エタン、1,4−ジ(メタンスルホンオキシ)ブタ
ン、1,5−ジ(メタンスルホンオキシ)ペンタンの如
きメタンスルホン酸エステル系化合物。
【0112】(6)ジシクロヘキシルカルボジイミド、
1−シクロヘキシル−3−(3−トリメチルアミノプロ
ピル)カルボジイミド−p−トルエンスルホン酸塩、1
−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミド塩酸塩の如きカルボジイミド系化合物。
【0113】(7)2,5−ジメチルイソオキサゾール
・過塩素酸塩、2−エチル−5−フェニルイソオキサゾ
ール−3’−スルホネート、5,5’−(パラフェニレ
ン)ビスイソオキサゾールの如きイソオキサゾール系化
合物。
【0114】(8)クロム明ばん、酢酸クロムの如き無
機系化合物。
【0115】(9)N−カルボエトキシ−2−イソプロ
ポキシ−1,2−ジヒドロキノリン、N−(1−モルホ
リノカルボキシ)−4−メチルピリジニウムクロリドの
如き脱水縮合型ペプチド試薬;N,N’−アジポイルジ
オキシジサクシンイミド、N,N’−テレフタロイルジ
オキシジサクシンイミドの如き活性エステル系化合物。
【0116】(10)トルエン−2,4−ジイソシアネ
ート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの如き
イソシアネート類。
【0117】(11)グルタルアルデヒド、グリオキザ
ール、ジメトキシ尿素、2,3−ヒドロキシ−1,4−
ジオキサン等のジアルデヒド類。
【0118】これらのうち、特にグルタルアルデヒド、
2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等のジアル
デヒド類及びホウ酸が好ましい。
【0119】これらの硬膜剤の添加量は、下塗素材の重
量に対して、0.20重量%から3.0重量%の範囲
で、塗布方法や希望の硬化度に合わせて適切な添加量を
選ぶことができる。添加量が0.20重量%より少ない
といくら経時させても硬化度が不足し、感熱層の塗布時
に下塗層が膨潤する欠点を有する。又逆に、3.0重量
%よりも多いと硬化度が進みすぎて下塗層と支持体との
接着がかえって悪化し、下塗層が膜状になって支持体よ
り剥離する欠点を有する。用いる硬化剤によっては、必
要ならば、更に苛性ソーダ等を加えて、液のpHをアル
カリ側にする事も、或いはクエン酸等により液のpHを
酸性側にすることもできる。
【0120】また、塗布時に発生する泡を消すために消
泡剤を添加する事も、或いは液のレベリングを良くして
塗布筋の発生を防止するために活性剤を添加する事も可
能である。また、必要に応じて帯電防止剤を添加するこ
とも可能である。更に、下塗層に白色顔料を添加して不
透明化することもできる。
【0121】下塗層を塗布する前には、支持体の表面を
公知の方法により活性化処理する事が望ましい。活性化
処理の方法としては、酸によるエッチング処理、ガスバ
ーナーによる火焔処理、或いはコロナ放電処理、グロー
放電処理等が用いられるが、コストの面或いは簡便さの
点から、米国特許第2,715,075号、同第2,8
46,727号、同第3,549,406号、同第3,
590,107号等に記載されたコロナ放電処理が最も
好んで用いられる。
【0122】本発明に係る塗布液は、一般によく知られ
た塗布方法、例えばディップコート法、エアーナイフコ
ート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ドクタ
ーコート法、ワイヤーバーコート法、スライドコート
法、グラビアコート法、或いは米国特許第2,681,
294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストル
−ジョンコート法等により塗布することが出来る。必要
に応じて、米国特許第2,761,791号、同第3,
508,947号、同第2,941,898号、及び同
第3、526、528号明細書、原崎勇次著「コーティ
ング工学」253頁(1973年朝倉書店発行)等に記
載された方法等により2層以上に分けて、同時に塗布す
ることも可能であり、塗布量、塗布速度等に応じて適切
な方法を選ぶことができる。
【0123】本発明に用いる塗液に、顔料分散剤、増粘
剤、流動変性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、着色剤を必
要に応じて適宜配合することは、特性を損なわぬ限り何
らさしつかえない。
【0124】本発明の多色感熱記録材料は、高速記録の
要求されるファクシミリや電子計算機のプリンター用多
色シートとして用いることができる。この場合、発色成
分としてジアゾ化合物を用いる本発明の場合には特に光
分解用の露光ゾーンを持たせることが、画像の保存性及
び多色化に有利である。
【0125】印字ヘッドと露光ゾーンの配列には、大別
して2種の方法がある。一つは一度印字した後、光分解
用の光照射を行い、この光照射に前後して、記録材料の
送り機構により、一度印字した所にもう一度印字できる
ように記録材料が印字待機の状態に戻り、次に又、印字
し、記録材料がもとに戻る動作をくり返す、いわゆる1
ヘッド多スキャン方式である。もう一つの方法は、記録
したい色の数だけ記録ヘッドを持っており、その間に光
照射ゾーンを有しているいわゆる多ヘッド1スキャン方
式であり、必要に応じて両方式を組み合わせてもよい。
又、光分解用の光源としては、希望する波長の光を発す
る種々の光源を用いることができ、例えば種々の蛍光
灯、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、各種
圧力の水銀灯、写真用フラッシュ、ストロボ等種々の光
源を用いることができる。又、光定着ゾーンをコンパク
トにするため、光源部と露光部とを光ファイバーを用い
て分離してもよい。
【0126】本発明の多色感熱記録材料には、各感熱層
にY(イエロー)、M(シアン)及びC(シアン)の内
の何れかの発色色相を発現せしめる事により、全体とし
てフルカラー画像を再することができるが、支持体側か
らC,Y,M又はC,M,Yの順とすることが色再現性
の観点から好ましい。
【0127】以上、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、特に規定のない限り、「部」は「重量部」
を意味する。
【0128】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。実施
例において、特に断らない限り、部を重量部を意味す
る。 実施例1 LBSP50部LBKP50部からなる木材パルプをデ
ィスクリファイナーによりカナディアンフリーネス30
0ccまで叩解し、 エポキシ化ベヘン酸アミド 0.5部 アニオンポリアクリルアミド 1.0部 硫酸アルミニウム 1.0部 ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン 0.1部 カチオンポリアクリルアミド 0.5部 をいずれもパルプに対する絶乾重量比で添加し長綱抄紙
機により坪量125g/m2 の原紙を抄造しキャレンダ
ー処理によって厚み110μmに調整した。因みに原紙
の内部結合力は、1.9kgf・cmであった。
【0129】次に原紙の両面にコロナ放電処理を行った
後、溶融押し出し機を用いて高密度ポリエチレンを樹脂
厚25μmとなるようにコーティングしマット面からな
る樹脂層を形成した(この面をウラ面と呼ぶ)。次に、
上記樹脂層を形成した面とは反対側に溶融押し出し機を
用いてアナターゼ型二酸化チタンを10重量%および微
量の群青を含有した低密度ポリエチレン(融点115
℃)を樹脂厚35μmとなるようにコーティングし光沢
面からなる樹脂層を形成した(この面をオモテ面と呼
ぶ)。ウラ面のポリエチレン樹脂被覆面にコロナ放電処
理した後、帯電防止剤として酸化アルミニウム(日産化
学工業製アルミナゾル100)/二酸化珪素(日産化学
工業製スノーチックス0)=1/2(重量比)を水に分
散させて乾燥後の重量で0.2g/m2 塗布し、実施例
1のシート状基体を作製した。
【0130】実施例2 実施例1のうち、オモテ面の樹脂層の厚みを60μm、
ウラ面の樹脂層の厚みを35μmとした以外は、実施例
1と同様にして実施例2のシート状基体を作製した。
【0131】実施例3 実施例2のうち、エポキシ化ベヘン酸アミド1.0部、
アニオンポリアクリルアミド0.4部、カチオンポリア
クリルアミド0.2部をいずれもパルプに対する絶乾重
量比で添加した以外は、実施例2と同様にして実施例3
のシート状基体を作製した。因みに原紙の内部結合力
は、1.0kgf・cmであった。
【0132】比較例1 実施例1のうち,原紙をカレンダー処理により115μ
mの厚みに調製した以外は、実施例1と同様にして比較
例1のシート状基体を作製した。
【0133】比較例2 実施例1のうち、オモテ面の樹脂層を融点95℃の低密
度ポリエチレンで形成した以外は、実施例1と同様にし
て比較例2のシート状基体を作製した。上記のようにし
て得られた実施例1〜3と比較例1〜2のシート状基体
のオモテ面側の3次元表面粗さ(感熱記録層発色前)を
表1に示す。
【0134】次に実施例1〜3、比較例1〜2のシート
状基体にそれぞれコロナ放電を行った後、下記のフルカ
ラー感熱記録層を設けた。以下に、フルカラーの感熱記
録材料の作製例を示す。(1)シアン感熱記録層液の調製 (電子供与性染料前駆体を含有するカプセル液の調製) 1.A液 3−(o−メチル−p−ジメチルアミノフェニル)−3
−(1’−エチル−2’−メチルインドール−3−イ
ル)フタリド(電子供与性染料前駆体)を酢酸エチル2
0部に溶解させた後これにアルキルナフタレン(高沸点
溶媒)20部を添加し、加熱して均一に混合した。
【0135】得られた溶液に、キシリレンジイソシアナ
ート/トリメチロールプロパンの1/3付加物20部を
添加して均一に撹拌し、A液を調製した。
【0136】2.B液 フタル化ゼラチン6重量%水溶液54部にドデシルスル
ホン酸ナトリウム2重量%水溶液2部を添加してB液を
調製した。
【0137】B液にA液を加え、ホモジナイザーを用い
て乳化分散し、乳化分散液を得た。得られた乳化分散液
に水68部を加え、混合して均一にした後、該混合液を
撹拌しながら50℃に加熱し、マイクロカプセルの平均
粒子径が1.2μmとなるようにカプセル化反応を3時
間行わせてカプセル液を得た。
【0138】(顕色剤乳化分散液の調製)1,1−(p
−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン(顕色
剤)5部、トリクレジルホスフェート0.3部及びマレ
イン酸ジエチル0.1部を酢酸エチル10部中に溶解さ
せた。得られた溶液を、ゼラチンの6重量%水溶液50
g及び2重量%のドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液
2gを混合した溶液に投入し、ホモジナイザーを使用し
て10分間乳化し、乳化分散液を得た。
【0139】(塗布液の調製)電子供与性染料前駆体を
含有するカプセル液/顕色剤乳化分散液を重量比で1/
4となるように混合して塗布液を得た。
【0140】(2)マゼンタ感熱記録層液の調製 (ジアゾ化合物を含有するカプセル液の調製)4−N−
(2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブ
チリル)ピペラジノベンゼンジアゾニウムヘキサフルオ
ロフォスフェート(ジアゾ化合物:365nmの波長の
光で分解)2.0部を酢酸エチル20部に溶解した後更
にアルキルナフタレン20部を添加し、加熱して均一に
混合した。得られた溶液にキシリレジンイソシアナート
/トリメチロールプロパン1/3の付加物(カプセル壁
剤)15部を添加し、均一に混合してジアゾ化合物の溶
液を得た。
【0141】得られたジアゾ化合物の溶液を、フタル化
ゼラチンの6重量%水溶液54部とドデシルスルホン酸
ナトリウムの2重量%水溶液2部を混合した溶液に添加
し、ホモジナイザーを使用して乳化分散した。
【0142】得られた乳化分散液に水68部を加えて均
一に混合し、撹拌しながら40℃に加熱し、カプセルの
平均粒子径が1.2μmとなるように3時間カプセル化
反応を行わせてカプセル溶液を得た。
【0143】(カプラー乳化分散液の調製)1−(2’
−オクチルフェニル)−3−メチル−5−ピラゾロン
(カプラー)2部、1,2,3−トリフェニルグアニジ
ン2部、トリクレジルホスフェート0.3部及びマレイ
ン酸ジエチル0.1部を酢酸エチル10部中に溶解し
た。得られた溶液を、ゼラチンの6重量%水溶液50g
とドデシルスルホン酸ナトリウム2重量%の水溶液2g
を混合した水溶液中に投入した後、ホモジナイザーを用
いて10分間乳化し、乳化分散液を得た。
【0144】(塗布液の調製)ジアゾ化合物を含有する
カプセル液/カプラー乳化液を重量比で2/3となるよ
うに混合して、塗布液を得た。
【0145】(3)イエロー感熱記録層液の調製 (ジアゾ化合物を含有するカプセル液の調製)2,5−
ジブトキシ−4−トリルチオベンゼンジアゾニウムヘキ
サフルオロフォスフェート(ジアゾ化合物:420nm
の波長の光で分解)3.0部を酢酸エチル20部に溶解
した後、これに高沸点溶媒としてアルキルナフタレン2
0部を添加し、加熱して均一に混合した。
【0146】得られた溶液に、カプセル壁剤としてキシ
リレンジイソシアナート/トリメチロールプロパンの1
/3付加物を15部添加し、均一に混合してジアゾ化合
物の溶液を得た。
【0147】得られたジアゾ化合物の溶液を、フタル化
ゼラチンの6重量%水溶液54部とドデシルスルホン酸
ナトリウム水溶液2部を混合した溶液に添加し、ホモジ
ナイザーを使用して乳化分散した。
【0148】得られた乳化分散液に水68部を加え、均
一に混合した溶液を更に撹拌しながら40℃に加熱し、
カプセルの平均粒子径1.3μmとなるように3時間カ
プセル化反応を行わせカプセル溶液を得た。
【0149】(カプラー乳化分散液の調製)2−クロロ
−5−(3−(2,4−ジ−tert−ペンチル)フェ
ノキシプロピルアミノ)アセトアセトアニリド2部、
1,2,3−トリフェニルグアニジン1部、トリクレジ
ルホスフェート0.3部及びマレイン酸ジエチル0.1
部を酢酸エチル10部中に溶解し、ゼラチンの6重量%
水溶液50gとドデシルスルホン酸ナトリウムの2重量
%水溶液2gを混合した水溶液中に投入し、ホモジナイ
ザーを使用して10分間乳化し、乳化分散液を得た。
【0150】(塗布液の調製)ジアゾ化合物を含有する
カプセル液/カプラー乳化分散液を重量比で2/3とな
るように混合して、塗布液を得た。
【0151】(4)中間層液の調製 ゼラチン(#750:新田ゼラチン株式会社製の商品
名)15重量%水溶液10部にポリアクリル酸(商品名
ジュリマーAC−10L:日本純薬株式会社製)の15
重量%水溶液3重量部を加えて均一に混合し、中間層液
を得た。
【0152】(5)保護層液の調製 イタコン酸変性ポリビニルアルコール(KL−318:
クラレ株式会社製の商品名)の6重量%水溶液100g
とエポキシ変性ポリアミド(FL−71:東邦化学株式
会社製の商品名)の30重量%分散液10gとを混合し
た液に、ステアリン酸亜鉛40重量%分散液(ハイドリ
ンZ:中京油脂株式会社製の商品名)15gを添加して
保護層液を得た。
【0153】(6)感熱記録材料の作製 実施例1〜3、比較例1〜2の各シート状基体における
ポリマー層上に、スライドタイプホッパー式ビード塗布
装置を使用して、スライド上で、支持体から順にシアン
感熱記録層液、中間層液、マゼンタ感熱記録層液、中間
層液、イエロー感熱記録層液及び保護層液となるように
多層重層塗布し、乾燥して多色感熱記録材料をそれぞれ
得た。
【0154】塗布量は、乾燥後の固形分換算で、支持体
側から順次シアン感熱記録層が6.1g/m2 、中間層
が1.0g/m2 、マゼンタ感熱記録層が7.8g/m
2 、中間層が1.0g/m2 、イエロー感熱記録層が
7.2g/m2 及び保護層が2.0g/m2 となるよう
に各塗布液を塗布した。
【0155】次に実施例1〜3及び比較例1〜2の各々
の多色感熱記録材料をサーマルヘッドの記録エネルギー
が102mJ/mm2 となるように印加電力及びパルス
幅を調節してシアン画像を記録した。000きの画像均
一性を評価した。その後、発色後の感熱記録層をパンク
レアチンにてシート状基体から除去し、感熱記録層が設
けられていた側のシート状基体の表面粗さを測定した。
【0156】(画像均一性の評価)画像均一性について
は目視により判定した。○印は画像のむらが全くなく、
画像の均一性が極めて優れていることを示し、また、△
印は画像のムラがなく、画像の均一性に優れることを示
し、×印は画像のムラが観察され、画像の均一性の点で
劣ることを示している。
【0157】
【表1】
【0158】表1から、感熱記録層発色前の感熱記録層
形成側のシート状基体の表面粗さが0.3μm以下であ
る実施例1〜3は、感熱記録層発色後も表面粗さが0.
4μm以下であり、画像均一性に優れていることがわか
る。また、感熱記録層発色前の感熱記録層形成側のシー
ト状基体の表面粗さが0.3μmを越える比較例1〜2
は、感熱記録層発色後も0.4μmを越え、画像均一性
に劣ることがわかる。
【0159】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、感熱記録
層を設ける側のシート状基体の平面性に優れているた
め、画像記録時にサーマルヘッドが均一に当たり、画像
ムラのない均一な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多色感熱記録材料の一実施の形態を示
す断面図である。
【符号の説明】 21 シート状基体 22 透明なシアン発色層 23 中間層 24 透明なイエロー発色層 25 中間層 26 透明なマゼンタ発色層 27 透明保護層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に2層以上の感熱記録層を設け
    た多色感熱記録材料において、前記支持体は少なくとも
    前記感熱記録層を設ける側の紙面上に樹脂層を設けたシ
    ート状基体であって、該シート状基体の感熱記録前の感
    熱記録層を設けられる側の三次元表面粗さがフィルター
    波長0.8〜2.5mmの条件で0.3μm以下である
    ことを特徴とする多色感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 前記シート状基体の感熱記録後の感熱記
    録層を設けられる側の三次元表面粗さがフィルター波長
    0.8〜2.5mmの条件で0.4μm以下であること
    を特徴とする請求項1に記載の多色感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 前記樹脂層が、紙の両面に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多色
    感熱記録材料。
  4. 【請求項4】 前記樹脂層が、溶融押し出しコーティン
    グにより形成されている請求項1乃至請求項3のいずれ
    かに記載の多色感熱記録材料。
  5. 【請求項5】 前記樹脂層が、オレフィン系樹脂からな
    る請求項1乃至請求項4の何れかに記載の多色感熱記録
    材料。
  6. 【請求項6】 前記オレフィン系樹脂が、ポリエチレン
    からなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいず
    れかに記載の多色感熱記録材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006022207A1 (ja) * 2004-08-23 2006-03-02 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. 金属張り白色積層体
JP2006110999A (ja) * 2004-08-23 2006-04-27 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 金属張り白色積層体
JP2019171631A (ja) * 2018-03-27 2019-10-10 トッパン・フォームズ株式会社 マイクロカプセル剤積層シート

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