JP2016089323A - 壁紙 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の壁紙においては、前記マイクロカプセル含有層が、さらに水溶性高分子を含有することが好ましい。
本発明の壁紙においては、前記マイクロカプセル含有層が、さらに接着剤基材を含有することが好ましい。
本発明の壁紙においては、前記膜形成成分が、少なくとも、カルボニル基の炭素原子に結合している、一般式「−NHR11(式中、R11は、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基若しくはアミノ基である。)」で表される基の数が2個以上である化合物(i)と、2個以上のイソシアネート基及び1個以上の環状構造を有する化合物のトリメチロールプロパン付加体である化合物(ii)と、を重縮合させて得られた重縮合物であることが好ましい。
本発明の壁紙においては、前記膜形成成分が、少なくとも、一般式「−NHR11B(式中、R11Bは、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基若しくはアミノ基である。)」で表される基、及び水酸基のいずれか一方又は両方を合計で3個以上有し、かつ1個以上の芳香族環式基を有する化合物(I)と、2個以上のイソシアネート基及び1個以上の芳香族環式基を有する化合物(II)と、を重縮合させて得られた重縮合物であることが好ましい。
本発明に係る壁紙は、膜形成成分によりマイクロカプセル化された微生物増殖抑制剤を含有するマイクロカプセル含有層を基材上に備え、前記基材がセルロースからなる又はセルロースを主成分とすることを特徴とする。
前記壁紙は、前記マイクロカプセル含有層を壁面側に配置して壁面に貼り合わせることで壁面に固定するものであり、壁面への固定時には、基材と壁面との間に位置するマイクロカプセル含有層中に微生物増殖抑制剤が存在するため、従来の壁紙とは異なり、壁面側において微生物増殖抑制効果が高く、さらに、壁紙自体だけでなく、壁面の壁紙固定箇所においても微生物増殖抑制効果が高い。
前記基材は、セルロースからなるか、又はセルロースを主成分とするものである。ここで、「セルロースを主成分とする」とは、セルロースからなる場合の特性が明確に見られる程度にセルロースを含有していることを意味する。
前記基材の材料として、具体的には、普通パルプ紙;スルファニル酸グアナジンやリン酸グアナジン等の水溶性難燃剤を含浸させたパルプ主体の難燃紙;炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機質剤を混抄した無機質紙;アクリル繊維やポリエステル繊維を混ぜた紙等が例示できる。
前記基材は、これらの材料をそれぞれ単独で用いたものでもよいし、これらの2種以上の材料を組み合わせた複合材であってもよく、2種以上の材料を用いる場合、その組み合わせは任意に調節できる。
なお、基材が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい基材の厚さとなるようにするとよい。
しかし、本発明に係る壁紙では、壁面へ固定された状態で、基材と壁面との間に微生物増殖抑制剤を含有するマイクロカプセル含有層を備えるため、基材と壁面との間がたとえ水分が多い状態であっても、各種微生物の増殖が抑制される。
前記マイクロカプセル含有層は、前記基材上に設けられており、通常は、基材の一方の主面上に設けられている。
また、マイクロカプセル含有層は、膜形成成分によりマイクロカプセル化された微生物増殖抑制剤(以下、単に「マイクロカプセル」と略記することがある)を含有する。すなわち、マイクロカプセル含有層は、微生物増殖抑制剤と、これを内部に含んでカプセルの膜を形成している膜形成成分とを含有する。
マイクロカプセル含有層は、前記微生物増殖抑制剤及び膜形成成分等、その形成に必要な成分を含有する組成物を、基材上に付着させ、必要に応じて乾燥処理や加熱処理等のその他の処理を行うことで形成できる。加熱処理は乾燥処理を兼ねるものであってもよい。
前記マイクロカプセル含有層が前記水溶性高分子含有層である壁紙は、前記マイクロカプセル含有層の表面に別途接着剤層を形成し、この接着剤層を介して壁面に貼り合わせることで、壁面に固定する。この場合の別途形成する接着剤層を、以降、マイクロカプセル含有層自体が接着剤層であるものと区別するために「追加接着剤層」と称し、特に断りのない限り、単なる「接着剤層」との記載は、マイクロカプセル含有層自体が接着剤層であるものを意味するものとする。
以下、マイクロカプセル含有層が前記接着剤層である場合と、前記水溶性高分子含有層である場合について、より詳細に説明する。
前記接着剤層の基材上での積層量は、壁紙を固定する壁面の材質などにより異なるが、10〜60g/m2・dryであることが好ましく、経済的な観点と接着強度の観点から、20g/m2・dryであるのが一般的である。前記積層量を厚さに換算すると、接着剤層の厚さは、5〜30μmであることが好ましく、10μm程度であるのが一般的である。接着剤層の前記積層量又は厚さが前記下限値以上であることで、壁紙の壁面への固定強度がより高くなる。また、接着剤層の前記積層量又は厚さが前記上限値以下であることで、壁紙をより薄型化できる。
前記接着剤基材は、公知のものでよく、特に限定されないが、後述するマイクロカプセルの接着剤層中での分散性がより向上する点から、水性媒体中で分散された水性エマルジョンとして用いることが好ましい。ここで「水性媒体」とは、水と均一に混合可能な液状媒体を意味する。
接着剤層の接着剤基材の含有量の上限値は、特に限定されないが、90質量%であることが好ましく、このような範囲であることで、接着剤層の接着力以外の特性がより向上する。
前記微生物増殖抑制剤は、公知のものでよく、特に限定されない。
微生物増殖抑制剤として、具体的には、抗菌性、防カビ性又は防藻性等を有する化合物が例示でき、殺菌剤、抗菌剤、防カビ剤、防腐剤、防藻剤等が例示できる。
2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−t−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−シクロヘキシル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、n−ブチル−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン系化合物(イソチアゾリンの1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換された化合物);
3−ヨード−2−プロピニル−ブチル−カーバメイト、ジヨードメチル−p−トルイルスルホン、p−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルフォルマール等の有機ヨウ素系化物(ヨウ素原子を有する有機化合物);
4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オン等のジチオール系化合物(硫黄原子を2個有する化合物);
テトラメチルチウラムジスルフィド等のチオカーバメート系化合物(式「N−C(=S)−S」で表される結合を有する化合物);
2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル等のニトリル系化合物(シアノ基を有する化合物);
N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−N,N’−ジメチル−N−フェニル−スルファミド等のハロアルキルチオ系化合物(ハロアルキルチオ基を有する化合物);
2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等のピジリン系化合物(ピリジンの1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換された化合物);
ジンクピリチオン、ナトリウムピリチオン等のピリチオン系化合物(ピリチオンの1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換された化合物);
2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール系化合物(ベンゾチアゾールの1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換された化合物);
2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン等のトリアジン系化合物(トリアジンの1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換された化合物);
メチル−2−ベンズイミダゾールカーバメイト、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール等のイミダゾール系化合物(イミダゾールの1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換された化合物);
1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキサン−2イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、(±)−α[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−(1)−エタノール(テプコナゾール)、(±)−1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−プロピル−1,3−ジオキサン−2イルメチル]−1H−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール系化合物(トリアゾールの1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換された化合物);
3−ベンゾ[b]チエン−2−イル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−オキサチアジン−4−オキサイド等のオキサチアジン系化合物(オキサチアジンの1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換された化合物);
2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール等のアルコール系化合物(水酸基を有する化合物);
3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア等の尿素系化合物(尿素の1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換された化合物);
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロパンアミド等のアミド系化合物(アミド結合を有する化合物)等が例示できる。
前記膜形成成分は、公知のものでよく、特に限定されない。
前記膜形成成分として、具体的には、化学的方法、物理化学的方法、又は物理的及び機械的方法等でマイクロカプセル化するのに用いる成分が例示できる。
また、物理化学的方法としては、ポリスチレン等を用いる界面沈降法等も例示できる。
マイクロカプセルを構成している膜の厚さは、特に限定されず、前記膜形成成分の分子サイズに応じて調節できるが、0.01〜1.0μmであることが好ましい。
前記その他の成分は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよい。例えば、前記その他の成分は、後述する水溶性高分子含有層で用いる水溶性高分子であってもよく、水溶性高分子を用いることで、マイクロカプセルが前記基材上でより安定して保持される。
接着剤層の前記その他の成分の含有量は、前記その他の成分の種類に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。ただし、接着剤層の前記接着剤基材、微生物増殖抑制剤及び膜形成成分(以下、これらをまとめて「必須成分」と略記することがある)の総含有量は、(接着剤層の全量に対して)80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であってもよい。前記必須成分の前記含有量が前記下限値以上であることで、壁紙の微生物増殖抑制効果と接着剤層の接着力が、共により向上する。
接着剤層用組成物の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、接着剤層の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。ここで、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15〜25℃の温度が好適である。
接着剤層用組成物の溶媒の含有量は、前記組成物の取り扱い性が向上する様に適宜調節すればよく、特に限定されない。
前記その他の成分は、接着剤層において説明したものと同じである。
接着剤層用組成物の前記その他の成分の含有量は、前記その他の成分の種類に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサー、三本ロール、ニーダー又はビーズミル等を使用して混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
例えば、マイクロカプセル化された微生物増殖抑制剤が高い均一性で分散している接着剤層用組成物を用いた場合、前記接着剤層でも、このマイクロカプセル化された微生物増殖抑制剤は、高い均一性で分散しているものとなり、しかも、このような接着剤層は、形成が容易である。これは、マイクロカプセル化された微生物増殖抑制剤は接着剤層用組成物中で分散させることが容易なためである。これに対して、マイクロカプセル化されていない微生物増殖抑制剤をそのまま用いた場合には、通常、この微生物増殖抑制剤を接着剤層用組成物中で分散させることが困難である。接着剤層での微生物増殖抑制剤の分散性が高いほど、壁紙における微生物増殖抑制効果のばらつきが小さくなる。
また、配合時間も、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、5分〜12時間であることが好ましく、10分〜6時間であることがより好ましい。
前記印刷法としては、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法、ジェットディスペンサー式印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等が例示できる。
前記塗布法としては、スピンコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター等の各種コーターや、ワイヤーバー等を用いる方法が例示できる。
前記水溶性高分子含有層の基材上での積層量は、マイクロカプセル化された微生物増殖抑制剤の保持量などにより異なるが、1〜100g/m2・dryであることが好ましく、5〜30g/m2・dryであることがより好ましい。水溶性高分子含有層の前記積層量が前記下限値以上であることで、微生物増殖抑制剤の保持力がより高くなる。また、水溶性高分子含有層の前記積層量が前記上限値以下であることで、水溶性高分子の過剰使用を抑制できる。
前記水溶性高分子含有層における水溶性高分子は、マイクロカプセルを前記基材上に保持可能であれば、特に限定されないが、好ましいものとしては、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA樹脂)、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が例示でき、アクリル樹脂、ポリビニルアルコールがより好ましい。
水溶性高分子の前記含有量の上限値は、特に限定されないが、90質量%であることが好ましく、このような範囲であることで、水溶性高分子含有層のマイクロカプセルの保持力以外の特性がより向上する。
前記水溶性高分子含有層における微生物増殖抑制剤及び膜形成成分は、前記接着剤層における微生物増殖抑制剤及び膜形成成分と同じものであり、これら成分はいずれも、前記接着剤層の場合と同様に、前記水溶性高分子含有層に含有させることができる。例えば、水溶性高分子含有層の微生物増殖抑制剤及び膜形成成分の含有量はいずれも、前記接着剤層の微生物増殖抑制剤及び膜形成成分の含有量と同様とすることができる。
前記その他の成分は、前記接着剤層におけるその他の成分と同じものである。
水溶性高分子含有層の前記その他の成分の含有量は、前記その他の成分の種類に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。ただし、水溶性高分子含有層の前記水溶性高分子、微生物増殖抑制剤及び膜形成成分(必須成分)の総含有量は、(水溶性高分子含有層の全量に対して)80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であってもよい。前記必須成分の前記含有量が前記下限値以上であることで、壁紙の微生物増殖抑制効果と水溶性高分子の保持力が、共により向上する。
水溶性高分子含有層用組成物の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、水溶性高分子含有層層の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。
ここに示す壁紙1は、基材11の一方の主面(表面)11aが、壁紙1の壁面への固定時において室内空間側となる面である。壁紙1は、基材11の他方の主面(裏面)11b上にマイクロカプセル含有層12を備えてなる。基材11は先に説明した、セルロースからなる又はセルロースを主成分とする基材である。マイクロカプセル含有層12は、先に説明した、マイクロカプセル化された微生物増殖抑制剤(微生物増殖抑制剤を内部に含むマイクロカプセル)121を含有する。
追加接着剤層の厚さも、特に限定されず、その材質を考慮して、適宜選択すればよい。
前記樹脂として、具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド(PA)、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリアリレート、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂等の合成樹脂が例示できる。
また、前記樹脂層は、発泡体とすることにより、エンボス加工によってレリーフ上の模様が設けられたものでもよい。
なお、樹脂層が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい樹脂層の厚さとなるようにするとよい。
第2接着剤層の厚さも、特に限定されず、その材質を考慮して、適宜選択すればよい。
ここに示す壁紙2は、基材11の一方の主面(表面)11a上に、樹脂層13を備えており、この点以外は、図1に示す壁紙1と同じものである。壁紙2は、壁紙1の基材11の前記表面11a上に、さらに樹脂層13を備えたものである。
また、前記印刷層は、単層からなるものでもよいし、二層以上の複数層からなるものでもよい。印刷層が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが異なっていてもよい。そして、複数層が互いに異なる場合、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。ここで、複数層が互いに異なるとは、先に説明したとおりである。また、印刷層は、1層の中に色が互いに異なる領域を有していてもよい。
この場合の樹脂層は、基材のマイクロカプセル含有層を備えた側とは反対側の表面に樹脂層のみを備えた、上述の壁紙における樹脂層(例えば、図2に示す樹脂層13)と同様のものでよいが、印刷層が樹脂層側から確認できるように、透明であるものが好ましい。
ここに示す壁紙3は、基材11の一方の主面(表面)11a上に、印刷層14及び樹脂層13をこの順に備えており、この点以外は、図1に示す壁紙1と同じものである。壁紙3は、壁紙1の基材11の前記表面11a上に、さらに印刷層14及び樹脂層13を備えたものである。
壁紙3において、基材11の前記表面11a上のうち、印刷層14が設けられていない領域には、前記表面11a上に直接樹脂層13が設けられている。
これに対して、本発明に係る壁紙は、マイクロカプセル含有層が微生物増殖抑制剤を含有していることにより、壁面側において微生物増殖抑制効果が高い。また、本発明に係る壁紙において、微生物増殖抑制剤はマイクロカプセル化されているため、上述の接着剤層用組成物や水溶性高分子含有層用組成物等の、マイクロカプセル含有層を形成するための組成物中で高い均一性で分散し、その結果、マイクロカプセル含有層でも微生物増殖抑制剤が高い均一性で分散するため、壁紙における微生物増殖抑制効果のばらつきが抑制される。また、本発明に係る壁紙は、微生物増殖抑制剤がマイクロカプセル化されていることで、微生物増殖抑制効果を長期間維持できる。
上記のマイクロカプセルの膜形成成分としては、従来の化学的方法として、界面重合法、in situ重合法、液中硬化被膜法等で得られるものについて説明したが、本発明の壁紙では、これら以外にも新規の膜形成成分を用いることもできる。
このような新規の膜形成成分としては、少なくとも、カルボニル基の炭素原子に結合している、一般式「−NHR11(式中、R11は、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基若しくはアミノ基である。)」で表される基の数が2個以上である化合物(i)(以下、単に「化合物(i)」と略記することがある)と、2個以上のイソシアネート基及び1個以上の環状構造を有する化合物のトリメチロールプロパン付加体である化合物(ii)(以下、単に「化合物(ii)」と略記することがある)と、を重縮合させて得られた重縮合物が挙げられる。本明細書においては、この重縮合物を膜形成成分とするマイクロカプセルを「マイクロカプセル(A)」と称することがある。
マイクロカプセル(A)は、十分な徐放性を有し、熱による変色が抑制され、かつ安全性が低い原料が不要の安全性が高いものである。
化合物(i)は、カルボニル基の炭素原子に結合している、一般式「−NHR11(式中、R11は、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基若しくはアミノ基である。)」で表される基の数が2個以上のものである。
前記アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましい。
化合物(ii)との反応性の観点から、前記アリール基の炭素数は6〜10であることが好ましい。
R11における前記アラルキル基の炭素数は、7〜20であることが好ましく、化合物(ii)との反応性の観点から、7〜11であることがより好ましい。
前記アルキル基、アリール基、アラルキル基及びアミノ基が有する置換基の数は特に限定されず、置換され得る水素原子の数により決定され、1個でもよいし、2個以上でもよく、すべての水素原子が置換基で置換されていてもよい。
置換基の数が2個以上である場合、これら置換基はすべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
前記アルキル基、アリール基、アラルキル基及びアミノ基における置換基の位置は、特に限定されない。
アミノ基が有していてもよい前記置換基におけるアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、R11における前記アルキル基、アリール基及びアラルキル基と同様のものである。
アミノ基が有していてもよい前記置換基におけるアルキルアミノ基としては、例えば、アミノ基の1個の水素原子がR11における前記アルキル基で置換されてなるものが挙げられる。
アミノ基が有していてもよい前記置換基におけるアリールアミノ基としては、例えば、アミノ基の1個の水素原子がR11における前記アリール基で置換されてなるものが挙げられる。
アミノ基が有していてもよい前記置換基におけるアラルキルアミノ基としては、例えば、アミノ基の1個の水素原子がR11における前記アラルキル基で置換されてなるものが挙げられる。
アミノ基が有していてもよい前記置換基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
化合物(i)において、前記一般式「−NHR11」で表される基が炭素原子において結合しているカルボニル基の位置は、特に限定されない。
化合物(i)において、カルボニル基の炭素原子に結合している、前記一般式「−NHR11」で表される基の数は、2個以上であれば特に限定されないが、2〜6個であることが好ましく、2〜5個であることがより好ましく、2〜4個であることがさらに好ましく、2又は3個であることが特に好ましい。
化合物(i)中の2個以上の前記一般式「−NHR11」で表される基は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
なお、本明細書において「誘導体」とは、元の化合物の1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換されているものを意味する。
R12は、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましい。
化合物(ii)は、2個以上のイソシアネート基及び1個以上の環状構造を有する化合物(以下、「環状多価イソシアネート化合物」と略記することがある)のトリメチロールプロパン付加体であり、化合物(i)に該当しないものである。トリメチロールプロパン付加体は、トリメチロールプロパンアダクト体と称することもある。
化合物(ii)における前記環状構造は、芳香族環式基(芳香族環)及び脂肪族環式基(脂肪族環)のいずれでもよい。
前記芳香族化合物において、除かれる水素原子の位置は特に限定されない。
化合物(i)との反応性の観点から、前記芳香族炭化水素の炭素数は6〜10であることが好ましい。
芳香族複素環骨格を構成する前記ヘテロ原子の数は、特に限定されないが、1又は2個であることが好ましく、1個であることがより好ましい。芳香族複素環骨格を構成する前記ヘテロ原子の数が2個以上である場合、これら複数個のヘテロ原子は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
そして、前記脂肪族環化合物において、除かれる水素原子の数は、前記イソシアネート基等の数によって決定され、1個でもよいし、2個以上でもよい。また、前記脂肪族環化合物において、除かれる水素原子の位置は特に限定されない。
化合物(i)との反応性の観点から、前記飽和脂肪族環化合物の炭素数は6〜10であることが好ましい。
前記不飽和脂肪族環化合物としては、例えば、前記飽和脂肪族環化合物において、炭素原子間の1個以上の単結合(C−C)が、不飽和結合である二重結合(C=C)又は三重結合(C≡C)で置換されてなる化合物が挙げられる。
前記不飽和脂肪族環化合物において、不飽和結合の数は1個のみでもよいし、2個以上でもよく、2個以上である場合、これら不飽和結合は二重結合のみでもよいし、三重結合のみでもよく、二重結合及び三重結合が混在していてもよい。
前記不飽和脂肪族環化合物において、不飽和結合の位置は特に限定されない。
lは0〜3であることが好ましく、0〜2であることがより好ましい。
mは0〜8であることが好ましく、0〜6であることがより好ましく、0〜4であることが特に好ましい。
また、lが1〜4である場合、化合物(ii)−1において、R21の結合位置は特に限定されない。
また、mが1〜10である場合、化合物(ii)−2において、R22の結合位置は特に限定されない。
マイクロカプセル(A)は、少なくとも前記化合物(i)と前記化合物(ii)とを重縮合させて得られた重縮合物を膜形成成分とし、この重縮合物は、通常、ポリウレアである。本発明において、「膜形成成分」とは、有効成分(すなわち、微生物増殖抑制剤)を包み込む外殻の膜を形成する成分である。
前記重縮合は、界面重縮合法で行うことが好ましい。この方法を採用することで、優れた品質のマイクロカプセルが得られる。
界面重縮合は、水と疎水性溶媒(可塑剤)との混合溶媒中で乳化させて行うことが好ましい。
化合物(i)中のカルボニル基の炭素原子に結合している一般式「−NHR11」で表される基のモル数が、化合物(ii)中のイソシアネート基のモル数よりも少なくなる様に設定すると、より高品質なマイクロカプセルが得られる。
トリメチルホスフェート(TMP)、トリエチルホスフェート(TEP)、トリブチルホスフェート(TBP)、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート(TOP)、トリブトキシエチルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、キシレニルジフェニルホスフェート(XDP)、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート等のリン酸エステル;
トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、トリオクチルトリメリテート等のトリメリット酸エステル;
ブチルベンゾエート、ヘキシルベンゾエート等の安息香酸エステル;
サリチル酸イソペンチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル等のサリチル酸エステル;
ジメチルアジペート(DMA)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)、ジ−2−エチルヘキシルアジペート(DOA)、ジイソデシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼテート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート(セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル))、メチルアセチルリシノレート等の脂肪酸エステル;
フマル酸ジブチル、マロン酸ジエチル、シュウ酸ジメチル等の脂肪族ジカルボン酸エステル;
o−アセチルトリエチルシトレート等のクエン酸エステル;
メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、イソプロピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン等のアルキルナフタレン;
o−メチルジフェニルエーテル、m−メチルジフェニルエーテル、p−メチルジフェニルエーテル等のアルキルジフェニルエーテル;
N,N−ジメチルラウリロアミド等の高級脂肪酸のアミド化合物;
N−ブチルベンゼンスルホンアミド等の芳香族スルホン酸のアミド化合物;
ジメチルジフェニルメタン等のジアリールメタン(ジアリールアルカン);
1−フェニル−1−メチルフェニルエタン、1−ジメチルフェニル−1−フェニルエタン、1−エチルフェニル−1−フェニルエタン等のジアリールエタン(ジアリールアルカン);塩素化パラフィン;
(メタ)アクリル酸エステル系重合性化合物((メタ)アクリル酸エステルをモノマーとする重合性化合物)、(メタ)アクリルアミド系重合性化合物((メタ)アクリルアミドをモノマーとする重合性化合物)、(メタ)アクリル酸系重合性化合物((メタ)アクリル酸をモノマーとする重合性化合物)、無水マレイン酸系重合性化合物(無水マレイン酸をモノマーとする重合性化合物)、マレイン酸エステル系重合性化合物(マレイン酸エステルをモノマーとする重合性化合物)、スチレン系重合性化合物(スチレンをモノマーとする重合性化合物)、ビニルエーテル系重合性化合物(ビニルエーテルをモノマーとする重合性化合物)、ビニルエステル系重合性化合物(ビニルエステルをモノマーとする重合性化合物)、アリルエーテル系重合性化合物(アリルエーテルをモノマーとする重合性化合物)等のビニル重合性化合物等が挙げられる。
前記他の化合物は特に限定されない。
前記他の化合物は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
また、界面重縮合の時間は、0.5〜5時間であることが好ましく、1〜4時間であることがより好ましく、1.5〜3時間であることが特に好ましい。
得られたマイクロカプセル(A)は、そのまま目的とする用途で用いてもよいし、必要に応じて公知の後処理、精製等を行ってから、目的とする用途で用いてもよく、溶媒成分を除去してから目的とする用途で用いてもよい。
他のオリゴマー及びポリマーは、いずれも1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
すなわち、膜形成成分の総量に対する、少なくとも前記化合物(i)と前記化合物(ii)とを重縮合させて得られた重縮合物の含有量の割合は、95質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることが特に好ましい。
なお、本明細書において「平均粒子径」とは、特に断りのない限り、コールターカウンターを用いる方法で測定された、体積累積分布の中央値D50を意味する。
さらに新規の膜形成成分としては、少なくとも、一般式「−NHR11B(式中、R11Bは、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基若しくはアミノ基である。)」で表される基、及び水酸基のいずれか一方又は両方を合計で3個以上有し、かつ1個以上の芳香族環式基を有する化合物(I)(以下、単に「化合物(I)」と略記することがある)と、2個以上のイソシアネート基及び1個以上の芳香族環式基を有する化合物(II)(以下、単に「化合物(II)」と略記することがある)と、を重縮合させて得られた重縮合物が挙げられる。本明細書においては、この重縮合物を膜形成成分とするマイクロカプセルを「マイクロカプセル(B)」と称することがある。
マイクロカプセル(B)は、十分な徐放性を有し、熱による分解が抑制され、かつ安全性が低い原料が不要の安全性が高いものである。
化合物(I)は、一般式「−NHR11B(式中、R11Bは、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基若しくはアミノ基である。)」で表される基、及び水酸基(−OH)のいずれか一方又は両方を合計で3個以上有し、かつ1個以上の芳香族環式基を有するものである。
化合物(II)との反応性の観点から、R11Bにおける前記アリール基の炭素数は6〜10であることが好ましい。
化合物(II)との反応性の観点から、R11Bにおける前記アラルキル基の炭素数は7〜20であることが好ましく、7〜11であることがより好ましい。
そして、前記芳香族化合物において、除かれる水素原子の数は、1個でもよいし、2個以上でもよい。前記一般式「−NHR11B」で表される基及び水酸基の少なくとも一方が前記芳香族環式基に結合している場合には、除かれる水素原子の数は、これら基の結合数の影響を受ける。例えば、化合物(I)が前記一般式「−NHR11B」で表される基及び水酸基のいずれか一方又は両方を合計で3個有し、これら3個のものがすべて前記芳香族環式基に結合している場合には、前記芳香族化合物において、除かれる水素原子の数は、3個以上となる。
前記芳香族化合物において、除かれる水素原子の位置は特に限定されない。
化合物(II)との反応性の観点から、前記芳香族炭化水素の炭素数は6〜10であることが好ましい。
芳香族複素環骨格を構成する前記ヘテロ原子の数は、特に限定されないが、1〜5個であることが好ましく、1〜4個であることがより好ましい。芳香族複素環骨格を構成する前記ヘテロ原子の数が2個以上である場合、これら複数個のヘテロ原子は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
化合物(I)が有する前記芳香族環式基は、1〜3個であることが好ましく、1又は2個であることがより好ましく、1個であることが特に好ましい。
そして、化合物(I)は、水酸基を有さずに前記一般式「−NHR11B」で表される基を3個以上有していてもよいし、前記一般式「−NHR11B」で表される基を有さずに水酸基を3個以上有していてもよく、前記一般式「−NHR11B」で表される基及び水酸基を共に有し、これらを合計で3個以上有していてもよい。
そして、前記環骨格を構成している原子に結合している前記一般式「−NHR11B」で表される基及び水酸基の数が多いほど好ましく、すべての前記一般式「−NHR11B」で表される基及び水酸基が、前記環骨格を構成している原子に結合していることが好ましい。
式中、Z2は、前記一般式「−NHR11B」で表される基又は水酸基であり、nB個のZ2は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
式中、R12Bは、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、R12Bにおける置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、R11Bにおける置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基及びアラルキル基と同様のものである。mBが2又は3である場合、複数個のR12Bは互いに同一でも異なっていてもよい。
R12Bは、置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
また、化合物(I)−2において、Z2の結合位置は特に限定されないが、隣り合うものに共にZ2が結合している2個の炭素原子の組み合わせの数が少ないものほど好ましく、前記組み合わせの数が0であるもの、すなわち、Z2が1位、3位及び5位の炭素原子に結合しているものが特に好ましい。このような特に好ましい化合物(I)−2は、下記一般式(I)−21で表される。
3個のmB’は互いに同一でも異なっていてもよく、すべて同一であってもよいし、2個のみ同一であってもよい。
化合物(II)は、2個以上のイソシアネート基及び1個以上の芳香族環式基を有するものであり、化合物(I)に該当しないものである。
化合物(II)における前記芳香族化合物は、除かれる水素原子の数が異なり得る点以外は、上記の化合物(I)における前記芳香族化合物と同様のものである。
例えば、2個以上のイソシアネート基が前記芳香族環式基に結合している場合には、除かれる水素原子の数は、これらイソシアネート基の結合数の影響を受ける。一例としては、化合物(II)がイソシアネート基を2個有し、これら2個のものがいずれも前記芳香族環式基に結合している場合には、前記芳香族化合物において、除かれる水素原子の数は、2個以上となる。
前記芳香族化合物において、除かれる水素原子の位置は特に限定されない。
化合物(II)が有する前記芳香族環式基は、1〜3個であることが好ましく、1又は2個であることがより好ましく、1個であることが特に好ましい。
そして、前記環骨格を構成している原子に結合しているイソシアネート基の数が多いほど好ましく、すべてのイソシアネート基が、前記環骨格を構成している原子に結合していることが好ましい。
lBは0〜3であることが好ましく、0〜2であることがより好ましい。
また、lBが1〜4である場合、化合物(II)−1において、R21Bの結合位置は特に限定されない。
マイクロカプセル(B)は、少なくとも前記化合物(I)と前記化合物(II)とを重縮合させて得られた重縮合物を膜形成成分とし、この重縮合物は、通常、ポリウレアである。
前記重縮合は、界面重縮合法で行うことが好ましい。この方法を採用することで、優れた品質のマイクロカプセルが得られる。
界面重縮合は、水と疎水性溶媒(可塑剤)との混合溶媒中で乳化させて行うことが好ましい。
化合物(I)中の一般式「−NHR11B」で表される基及び水酸基の総モル数が、化合物(II)中のイソシアネート基のモル数よりも少なくなる様に設定すると、より高品質なマイクロカプセルが得られる。
前記他の化合物は特に限定されない。
前記他の化合物は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
また、界面重縮合の時間は、0.5〜5時間であることが好ましく、1〜4時間であることがより好ましく、1.5〜3時間であることが特に好ましい。
得られたマイクロカプセル(B)は、そのまま目的とする用途で用いてもよいし、必要に応じて公知の後処理、精製等を行ってから、目的とする用途で用いてもよく、溶媒成分を除去してから目的とする用途で用いてもよい。
他のオリゴマー及びポリマーは、いずれも1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
すなわち、膜形成成分の総量に対する、少なくとも前記化合物(I)と前記化合物(II)とを重縮合させて得られた重縮合物の含有量の割合は、95質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることが特に好ましい。
Claims (5)
- 膜形成成分によりマイクロカプセル化された微生物増殖抑制剤を含有するマイクロカプセル含有層を基材上に備え、
前記基材がセルロースからなる又はセルロースを主成分とすることを特徴とする壁紙。 - 前記マイクロカプセル含有層が、さらに水溶性高分子を含有することを特徴とする請求項1に記載の壁紙。
- 前記マイクロカプセル含有層が、さらに接着剤基材を含有することを特徴とする請求項1に記載の壁紙。
- 前記膜形成成分が、
少なくとも、カルボニル基の炭素原子に結合している、一般式「−NHR11(式中、R11は、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基若しくはアミノ基である。)」で表される基の数が2個以上である化合物(i)と、
2個以上のイソシアネート基及び1個以上の環状構造を有する化合物のトリメチロールプロパン付加体である化合物(ii)と、を重縮合させて得られた重縮合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の壁紙。 - 前記膜形成成分が、
少なくとも、一般式「−NHR11B(式中、R11Bは、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基若しくはアミノ基である。)」で表される基、及び水酸基のいずれか一方又は両方を合計で3個以上有し、かつ1個以上の芳香族環式基を有する化合物(I)と、
2個以上のイソシアネート基及び1個以上の芳香族環式基を有する化合物(II)と、を重縮合させて得られた重縮合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の壁紙。
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