JP2019163771A - 制御弁及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】弁体の開口部から流体が流出する際の圧力損失を抑制することができる制御弁及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係る制御弁CVは、弁体3の第3開口部M3のうち、周方向一端側の開口縁に、内周側へ向かって内径R3が拡大する方向へ傾斜する第1傾斜面M31が形成されている。他方、第3開口部M3の周方向他端側の開口縁には、弁体3の内周面に軸方向に沿って形成された第1溝部33により、内周側へ向かって内径R3が拡大する方向へ傾斜する第2傾斜面M32が形成されている。第1、第2傾斜面M31,M32が設けられていることで、導入部M0側から導かれた冷却水が第3開口部M3を介して流出する際の水流れがより円滑化され、第3開口部M3における冷却水の圧力損失を抑制することができる。【選択図】図6

Description

本発明は、制御弁及びその製造方法に関する。
従来の制御弁としては、例えば以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
この制御弁は、ハウジングの内部に筒状の弁体が回転可能に収容されることによって構成される。そして、弁体が電動モータにより回転制御され、ハウジングの側方に開口する連通口と、弁体の側方に開口する開口部とが重なり合うことで、弁体の内周側に導入された冷却水が弁体の開口部を介して所定のデバイスに供給される。
特開2017−166569号公報
しかしながら、前記従来の制御弁では、弁体の開口部を形成する際の型抜きの関係上、当該開口部のうち少なくとも周方向一端側の内周面は、外周側から内周側に向かって当該開口部の内径が狭まる傾斜となってしまう。その結果、当該開口部の周方向一端側の内周側端縁に、内方へ突出するエッジが形成され、このエッジにより、開口部から冷却水が流出する際に圧力損失を生じてしまう問題があった。
本発明は、かかる技術的課題に鑑みて案出されたものであり、弁体の開口部から流体が流出する際の圧力損失を抑制することができる制御弁及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、その一態様として、弁体の開口部のうち、周方向一端側の開口縁に、内周側へ向かって内径が拡大する方向へ傾斜する第1傾斜面が形成されていて、他端側の開口縁に、弁体の内周面に軸方向に沿って形成された第1溝部によって、内周側へ向かって内径が拡大する方向へ傾斜する第2傾斜面が形成されている。
また、本発明に係る制御弁は、周壁を斜めに貫通する型挿入孔が形成された第1成形型と、この第1成形型の内側に配置され、外周部に弁体の回転軸線の方向に沿って型挿入孔の孔縁と重なる突条を有する第2成形型と、第1成形型の外周側から型挿入孔に挿入されて第1成形型と第2成形型の間に形成されるキャビティを貫通する第3成形型と、を含む弁体成形型をもって製造される。
そして、本発明に係る制御弁の製造工程には、弁体成形型のキャビティに樹脂を充填する樹脂充填工程と、樹脂充填工程の後、第3成形型を脱離することで第2開口部を形成すると共に、第3成形型の脱離に伴い第2開口部に第1傾斜面を形成する第1傾斜面形成工程と、第1傾斜面形成工程の後、第2成形型を脱離することで第1開口部を形成すると共に、第2成形型の脱離に伴い突条が脱離することで第2開口部に第2傾斜面を形成する第2傾斜面形成工程と、が含まれる。
本発明によれば、弁体の開口部から流体が流出する際の圧力損失を抑制することができる。
本発明に係る制御弁が適用される自動車用冷却水の循環回路の構成を表したブロック図である。 本発明に係る制御弁の分解斜視図である。 図2に示す制御弁の平面図である。 図3のA−A線断面図である。 図4のB−B線断面図である。 本発明の第1実施形態を示し、(a)は弁体の斜視図、(b)は同図(a)のC−C線断面図、(c)は同図(b)のD−D線断面図である。 (a)は弁体成形型の型閉じ状態を表した縦断面図、(b)は同図(a)のE−E線断面図である。 (a)は樹脂充填工程を表した縦断面図、(b)は同図(a)のF−F線断面図である。 (a)は第1傾斜面形成工程を表した縦断面図、(b)は同図(a)のG−G線断面図である。 (a)は第2傾斜面形成工程を表した縦断面図、(b)は同図(a)のH−H線断面図である。 本発明の第2実施形態を示し、(a)は弁体の斜視図、(b)は同図(a)のI−I線断面図 (a)は図11(b)のJ−J線断面図、(b)は図11(b)のK−K線断面図である。 本発明の第3実施形態を示し、(a)は弁体の斜視図、(b)は同図(a)のL−L線断面図、(c)は同図(b)のM−M線断面図である。
以下、本発明に係る制御弁の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、下記の実施形態では、本発明に係る制御弁を従来と同様の自動車用冷却水(以下、単に「冷却水」と略称する。)の循環系に適用したものを例に説明する。
(冷却水の循環回路の構成)
図1は、本発明に係る制御弁CVが適用される冷却水の循環回路の構成を表したブロック図を示している。
制御弁CVは、エンジンEG(具体的には図示外のシリンダヘッド)の側部に配置される。そして、この制御弁CVは、図1に示すように、ヒータHTと、オイルクーラOCと、ラジエータRDとの間に配置されている。ヒータHTは、図示外のエアコンの温風を作り出すために熱交換を行う暖房熱交換器である。オイルクーラOCは、エンジンEG内部の摺動部分を潤滑するためのオイルを冷却する。ラジエータRDは、エンジンEGの冷却に供する冷却水を冷却する。
ここで、図中の符号WPは、冷却水の循環に供するウォータポンプである。また、符号WTは、制御弁CVの駆動制御に供する水温センサであって、当該水温センサWTの検出結果に応じて制御弁CVが駆動制御される。また、符号TCは、エンジンEG内で燃焼される燃料と混合される空気の流量を制御するスロットルチャンバーであり、符号ECは、エンジンEGの燃焼後の排気ガスを冷却するEGRクーラである。
具体的には、ウォータポンプWPから吐出された冷却水が、導入通路L0を通じて制御弁CVへと導かれる。そして、水温センサWTによる検出結果などエンジンEGの運転状態に基づき制御弁CV内のロータRTが駆動制御される。これにより、導入通路L0を介して制御弁CVへと導かれた冷却水が、第1〜第3配管L1〜L3を介して、ヒータHT、オイルクーラOC及びラジエータRDへとそれぞれ分配される。
また、制御弁CVには、導入通路L0をバイパスすることによって冷却水をエンジンEGからスロットルチャンバーTCへと直接導くためのバイパス通路BLが設けられている。これにより、バイパス通路BLを介して制御弁CVへと導かれた冷却水が、スロットルチャンバーTCへと常時供給される。なお、スロットルチャンバーTCに供給された冷却水は、ヒータHTと同様、EGRクーラECへと導かれて、EGRクーラEC及びウォータポンプWPを介してエンジンEG側へと還流される。
このように、制御弁CVは、いわゆる1in−3out形式の分配デバイスとして適用され、導入通路L0より流入した冷却水を第1〜第3配管L1〜L3へと分配すると共に、当該分配時の冷却水の流量を制御する。
(制御弁の構成)
図2は、本発明に係る制御弁CVの分解斜視図を示している。また、図3は、図2に示す制御弁CVを組み立てた状態を表した、当該制御弁CVの平面図を示している。なお、本図の説明では、駆動軸2の回転軸線Zに平行な方向を「軸方向」、駆動軸2の回転軸線Zに直交する方向を「径方向」、駆動軸2の回転軸線Z周りの方向を「周方向」として説明する。また、前記「軸方向」については、図2中の上方を「一端側」、下方を「他端側」として説明する。
図2、図3に示すように、制御弁CVは、ハウジング1の内部において駆動軸2を介して回転可能に支持された筒状の弁体3と、ハウジング1に収容され、弁体3を回転駆動する電動モータ4と、ハウジング1に収容され、電動モータ4の回転を減速して伝達する減速機構5と、を有する。
ハウジング1は、軸方向に2分割に形成されていて、弁体3及び電動モータ4を収容する第1ハウジング11と、第1ハウジング11の一端側の開口部を閉塞するように設けられ、減速機構5を収容する第2ハウジング12と、から構成される。第1ハウジング11と第2ハウジング12とは、それぞれアルミニウム合金材料でもって鋳造により成型されていて、複数のボルト13により固定されている。
なお、本実施形態では、第1ハウジング11及び第2ハウジング12として、アルミニウム合金材料で製造されたものを例示するが、これ以外にも、耐熱性及び耐薬品性を有する合成樹脂、例えばエンジニアリングプラスチックの一種であるポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)によって製造されてもよい。
第1ハウジング11は、弁体3を収容する中空円筒状の弁体収容部111と、弁体収容部111に並列して付設され、電動モータ4のモータ本体41を収容する中空円筒状のモータ収容部112と、を有する。そして、この第1ハウジング11は、後述するフランジ部114を介して図示外のシリンダブロックに、図示外の固定手段、例えば複数のボルトにより固定される。
弁体収容部111は、軸方向の一端側が端壁113により閉塞され、他端側が開口形成される。弁体収容部111の軸方向の他端部には、第1ハウジング11の図示外のシリンダブロックへの取り付けに供するフランジ部114が、径方向の外側へ延びるように設けられている。また、弁体収容部111の端壁113には、有蓋円筒状のボス部115が、第2ハウジング12側へ突出形成されている。ボス部115の端壁には、駆動軸2が貫通する軸貫通孔116が貫通形成されている。また、弁体収容部111の端壁113には、径方向(長手方向)の両側端部に、後述する減速機構5の支持軸51,52を軸受けする平板状の1対の軸受部117,117が、直立形成されている。1対の軸受部117,117には、それぞれ支持軸51,52を回転可能に支持する軸受孔117a,117aが貫通形成されている。
第2ハウジング12は、弁体収容部111とモータ収容部112とに跨ってこれら弁体収容部111とモータ収容部112とを被覆可能に開口する縦断面凹形状に形成されている。そして、この凹形状の内部空間によって、減速機構5を収容する減速機構収容部121が形成される。
電動モータ4は、出力軸42が第2ハウジング12側へ臨むかたちでモータ本体41がモータ収容部112内に収容される。そして、この電動モータ4は、モータ本体41の出力軸42側の端部に径方向の外側へと延びるように設けられたフランジ部43を介して、モータ収容部112の開口縁部に複数のボルト44により固定される。なお、電動モータ4は、図示しない車載の電子コントローラによって制御され、車両の運転状態に応じて弁体3を回転駆動することで、ラジエータRD等(図1参照)に対する冷却水の適切な分配が実現される。
減速機構5は、2組の食い違い歯車である第1歯車G1及び第2歯車G2により構成された駆動機構である。第1歯車G1は、電動モータ4の出力軸42と同軸上に設けられ、出力軸42と一体となって回転する第1ねじ歯車WG1と、電動モータ4の出力軸42と直交するように配置される第1支持軸51によって回転支持され、第1ねじ歯車WG1と噛み合う第1斜歯歯車HG1と、で構成される。第2歯車G2は、第2支持軸52によって回転支持され、第1斜歯歯車HG1と一体となって回転する第2ねじ歯車WG2と、駆動軸2に固定され、第2ねじ歯車WG2と噛み合う第2斜歯歯車HG2と、で構成される。ここで、第1斜歯歯車HG1と第2斜歯歯車HG2とは、筒状の両歯車HG1,HG2が直列状に並んで一体に構成された複合歯車部材であって、この複合歯車部材の両端部に挿入される第1、第2支持軸51,52を介して、第1ハウジング11の1対の軸受部117,117に回転支持される。このような構成から、電動モータ4の出力軸42から出力された回転駆動力が、第1歯車G1及び第2歯車G2を介して2段階に減速されて弁体3へと伝達される。
図4は、図3のA−A線に沿って切断した制御弁CVの断面図を示している。なお、本図の説明では、駆動軸2の回転軸線Zに平行な方向を「軸方向」、駆動軸2の回転軸線Zに直交する方向を「径方向」、駆動軸2の回転軸線Z周りの方向を「周方向」として説明する。また、前記「軸方向」については、図4中の上方を「一端側」、下方を「他端側」として説明する。
図4に示すように、第1ハウジング11には、軸方向の一端側が端壁113により閉塞され、かつ他端側が外部に開口する有底円筒状の弁体収容部111が形成されている。また、弁体収容部111の端壁113に設けられたボス部115には、駆動軸2が貫通する軸貫通孔116が、弁体収容部111と後述の減速機構収容部121とを連通するように、軸方向に沿って形成されている。また、第1ハウジング11には、弁体収容部111に隣接するかたちで、内部に電動モータ4のモータ本体41を収容する有底円筒状のモータ収容部112が、軸方向の一端側に向けて開口形成されている(図3参照)。
また、第1ハウジング11は、弁体収容部111の軸方向の他端部の外周縁に設けられたフランジ部114を介して、図示外のシリンダヘッドの側部に、図示外の固定手段、例えば複数のボルトによって固定される(図3参照)。フランジ部114の内周側には、図示外のシリンダブロックの内部と連通してシリンダブロック側から冷却水を導入するための第1連通口としての導入口E0が開口形成されている。すなわち、この導入口E0が弁体収容部111の他端側の開口部と通じていて、当該導入口E0を介して、弁体収容部111内に冷却水が導入可能となっている。
また、弁体収容部111の周壁には、外部と弁体収容部111を連通する横断面ほぼ円形状の複数の貫通孔が、第1〜第3排出口E1〜E3として形成されていて、これら各排出口E1〜E3に、対応する第1〜第3配管L1〜L3が接続されている(以下、第2排出口E2については、図2参照)。第1排出口E1は、第1配管L1を介して、例えばヒータHTに接続される。第2排出口E2は、第2配管L2を介して、例えばオイルクーラOCに接続される。第3排出口E3は、第3配管L3を介して、例えばラジエータRDに接続される。なお、第1〜第3排出口E1〜E3が、本発明に係る第2連通口に相当する。
ここで、第1〜第3排出口E1〜E3は、それぞれ第1ハウジング11の周壁上において異なる軸方向位置であって、かつそれぞれ第1ハウジング11の周壁上において異なる周方向位置、具体的には、約90°ずつ位相をずらした位置に配置されている(図3参照)。
また、第1〜第3排出口E1〜E3の内周側には、当該各排出口E1〜E3と弁体3との間を気密にシールするシール手段が設けられている。このシール手段は、合成樹脂材料からなる円筒状の第1〜第3シール部材S1〜S3と、これら第1〜第3シール部材S1〜S3を弁体3側へ付勢する金属製の第1〜第3コイルスプリングSP1〜SP3と、から構成される。また、第1〜第3シール部材S1〜S3の外周側には、第1〜第3排出口E1〜E3と摺接可能な第1〜第3シールリングSR1〜SR3が取り付けられている。
第1〜第3シール部材S1〜S3は、所定のフッ素樹脂(本実施形態では、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン))により形成され、第1〜第3排出口E1〜E3の内周側に収容されて、それぞれ弁体3側へ向けて進退移動可能に設けられている。第1〜第3コイルスプリングSP1〜SP3は、第1〜第3シール部材S1〜S3と第1〜第3配管L1〜L3との間に所定のセット荷重をもって配置され、それぞれシール部材S1〜S3を弁体3側へ付勢する付勢部材である。
駆動軸2は、一定外径の棒状を呈し、軸貫通孔116を貫通して弁体収容部111と減速機構収容部121とに跨って配置され、ボス部115の内周側に収容保持された軸受B1によって回転可能に支持される。また、駆動軸2と軸貫通孔116の間は、環状のシール部材20によって気密にシールされている。すなわち、このシール部材20によって、軸貫通孔116を通じた弁体収容部111内の冷却水の第2ハウジング12側への流出が抑止されている。
弁体3は、所定の硬質樹脂材料によって形成され、一定の外径を有する有底円筒状を呈し、他端側の開口部である導入部M0(本発明に係る第1開口部に相当)が導入口E0側へと臨むように設けられることで、内周側に形成される内部通路118に冷却水を導くようになっている。そして、この弁体3は、軸方向の一端部が、当該一端部の内周側に埋設された金属製のインサート部材30を介して駆動軸2に圧入固定される一方、導入口E0側へと臨む他端部が、導入口E0の内周側に保持される軸受B2によって回転可能に支持されている。
また、弁体3の周壁には、第1ハウジング11の第1〜第3排出口E1〜E3に対応する軸方向位置に、これら第1〜第3排出口E1〜E3と連通可能な第1〜第3開口部M1〜M3が、それぞれ径方向に沿って貫通形成されている。なお、本実施形態では、第1〜第3開口部M1〜M3のうち第3開口部M3が、本発明に係る第2開口部に相当する。
以上のように構成された制御弁CVは、第1開口部M1と第1排出口E1の少なくとも一部が重なる周方向位置に弁体3が制御されることによって、第1配管L1に冷却水を分配する。同様に、制御弁CVは、第2開口部M2と第2排出口E2の少なくとも一部が重なる周方向位置に弁体3が制御されることにより第2配管L2に冷却水を分配し、第3開口部M3と第3排出口E3の少なくとも一部が重なる周方向位置に弁体3が制御されることにより第3配管L3に冷却水を分配する。また、この冷却水の分配に際し、第1〜第3開口部M1〜M3と第1〜第3排出口E1〜E3との重なり具合(重なり合う面積)が変化することで、当該分配時の冷却水の流量が変化する。
〔第1実施形態〕
以下、図5〜図10に基づき、本発明に係る制御弁及びその製造方法の第1実施形態を示す。
図5は、図4のB−B線に沿って切断した制御弁CVの断面図を示している。また、図6は、弁体3を単体で表示した図であって、(a)は導入口E0側から見た斜視図、(b)は同図(a)のC−C線に沿って切断した断面図、(c)は同図(b)のD−D線に沿って切断した断面図を示している。なお、各図の説明では、弁体3の回転軸線Zに平行な方向を「軸方向」、弁体3の回転軸線Zに直交する方向を「径方向」、弁体3の回転軸線Z周りの方向を「周方向」として説明する。
図5、図6に示すように、弁体3は、軸方向の一端側が端壁31によって閉塞され、他端側が導入口E0によって開口した有底円筒状に形成されている。端壁31の中央部には、第1ハウジング11のボス部115を受容するための凹部311が形成され、この凹部311の底部に、インサート部材30が埋設されている。また、凹部311の外周側には、端壁31の周方向の領域の一部、具体的には半周程度の領域を、径方向の内側に向かって導入部M0側へ徐々に凹むようなすり鉢状に傾斜してなる、傾斜凹部312が形成されている。
また、弁体3の周壁32は、外径が一定となるように形成される一方、内径は、端壁31側から導入部M0側へ向かって徐々に拡大するように形成されている。すなわち、弁体3の周壁32の内周面には、後述する弁体成形型DXの第2成形型D2を脱離する際のいわゆる抜きテーパとして機能するテーパ面321が形成されている。このテーパ面321により、弁体3の成形時における後述の第2成形型D2の円滑な脱離が確保されている。
また、弁体3の周壁32には、第1ハウジング11の第1〜第3排出口E1〜E3に対応する周方向の所定位置に、冷却水の分配に供する第1〜第3開口部M1〜M3が貫通形成されている。第1〜第3開口部M1〜M3は、軸方向においてそれぞれ異なる位置に配置され、所定の位相において第1〜第3排出口E1〜E3と重なり、この重なった第1〜第3排出口E1〜E3を介して所定の補機(図1中のヒータHT、オイルクーラOC及びラジエータRD等)に、冷却水が供給される。
また、第3開口部M3は、周方向の両端部が径方向に対して傾斜するように、弁体3の周壁に対して斜めに貫通形成されている。これにより、第3開口部M3の周方向の第1端部P1には、弁体3の外周側から内周側に向かって内径R3が拡大する方向へ傾斜する第1傾斜面M31が形成されると共に、第2端部P2には、第1傾斜面M31に平行な第1平行傾斜面M33が形成されている。
また、弁体3の内周面には、当該内周面を導入部M0側から軸方向に沿って見たときに断面がV字形状をなす第1溝部33が、軸方向に沿って直線状に形成されている。そして、この第1溝部33は、第3開口部M3の第2端部P2を通過する所定の周方向位置に設けられている。具体的には、第1溝部33は、一対の斜面331,332のうち、一方の斜面331が第3開口部M3の第2端部P2とオーバーラップするように形成されている。
このように、第1溝部33によって弁体3の内周面が切り欠かれることで、第3開口部M3の第2端部P2の内側の開口縁には、弁体3の外周側から内周側に向かって内径R3が拡大する方向へ傾斜する第2傾斜面M32が形成されている。なお、第2傾斜面M32の傾斜角θ2は、第1傾斜面M31の傾斜角θ1よりも大きくなっている。ここで、傾斜角θ1、θ2は、それぞれ図6(c)中の第3シール部材S3の内周面に沿う仮想線X3との間に形成される劣角に相当する。
以上、図5、図6では、第3開口部M3のみを例示して説明したが、第1、第2開口部M1、M2についても、前記第3開口部M3と同様に形成することができ、後述する本発明の作用効果を奏し得ることは言うまでもない。
図7〜図10は、弁体3の製造工程を表した図である。図7は、(a)は型閉工程を表した縦断面図、(b)は同図(a)のE−E線に沿って切断した断面図を示している。また、図8は、(a)は樹脂充填工程を表した縦断面図、(b)は同図(a)のF−F線に沿って切断した断面図を示している。また、図9は、(a)は第1傾斜面形成工程を表した縦断面図、(b)は同図(a)のG−G線に沿って切断した断面図を示している。また、図10は、(a)は第2傾斜面形成工程を表した縦断面図、(b)は同図(a)のH−H線に沿って切断した断面図を示している。そして、各図の説明では、弁体3の回転軸線Zに平行な方向を「軸方向」、弁体3の回転軸線Zに直交する方向を「径方向」、弁体3の回転軸線Z周りの方向を「周方向」として説明する。また、図7〜図10に基づく以下の説明では、便宜上、第1〜第3開口部M3のうち第3開口部M3のみについて説明するが、その他の開口部である第1、第2開口部M1,M2についても、当然に第3開口部M3と同様に形成される。
まず、弁体3の製造工程について説明する前に、弁体3の成形に供する弁体成形型DXについて説明する。この弁体成形型DXは、3分割された分割型であって、第1成形型D1と第2成形型D2と第3成形型D3とで構成される。そして、第1成形型D1と第2成形型D2との間に形成される空間によりキャビティCが形成され、このキャビティC内に樹脂材料RSが充填されることによって、弁体3が成形される。
第1成形型D1は、ほぼ有底筒状を呈し、軸方向の一端側が開口部D11により開口し、他端側が端壁D12により閉塞され、弁体3の外側形状の形成に供する。第1成形型D1の端壁D12には、キャビティC内に樹脂材料RSを充填するためのゲートD13が貫通形成されている。また、第1成形型D1の周壁D14には、第3成形型D3が挿入されるほぼ円形の型挿入孔D15が、周壁D14に対して斜めに貫通形成されている。
第2成形型D2は、ほぼ円柱状を呈し、第1成形型D1の内側に配置され、弁体3の内側形状の形成に供する。第2成形型D2は、軸方向の一端部(外側端部)の外周側に、第1成形型D1の開口部D11に係合することによって型閉に供する段差状の拡径部D21が形成されている。また、第2成形型D2の軸方向の他端部(内側端部)の中央位置には、インサート部材30の保持に供する円柱状のインサート保持部D22が、軸方向に沿って突出形成されている。また、第2成形型D2の周壁には、第1成形型D1の型挿入孔D15の孔縁と重なる突条D23が、軸方向に沿って形成されている。
第3成形型D3は、外周側が先細り状に形成されたほぼ円柱状を呈し、第1成形型D1の型挿入孔D15に挿入配置される。すなわち、第3成形型D3は、外周側からキャビティCを横切るように挿入配置されることで、弁体3の成形に伴い第3開口部M3を形成する。このように、第3成形型D3が斜めに挿入されることで、弁体3の第3開口部M3の第1傾斜面M31及び第1平行傾斜面M33が形成可能となっている。
以下、弁体3の製造工程について説明する。弁体3の製造にあたり、まず、図7に示すように、第2成形型D2のインサート保持部D22に、インサート部材30を固定した後、第2成形型D2の他端側から第2成形型D2に対して第1成形型D1を被せるように配置する。その後、第1成形型D1の型挿入孔D15に、先端D31が第2成形型D2に当接するまで第3成形型D3を挿入配置して、型を閉じる(型閉工程)。型閉じ後、図8に示すように、第1成形型D1のゲートD13を介してキャビティC内に樹脂材料RSを充填する(樹脂充填工程)。樹脂材料RSの充填後、図9に示すように、第3成形型D3を脱離することで、弁体3の第3開口部M3が形成されると共に、第3成形型D3の脱離に伴い、第3開口部M3に第1傾斜面M31及び第1平行傾斜面M33が形成される(第1傾斜面形成工程)。第3成形型D3の脱離後、図10に示すように、第1、第2成形型D1,D2を脱離して弁体3を取り出す。このとき、第2成形型D2を脱離することで、弁体3の導入部M0が形成されると共に、第2成形型D2の脱離に伴って突条D23が脱離されることで、第3開口部M3の第2端部P2の開口縁部に、第2傾斜面M32が形成される(第2傾斜面形成工程)。以上により、弁体3の製造が完了する。
(本実施形態の作用効果)
従来の制御弁によれば、弁体の開口部を形成する際の型抜きの関係上、当該開口部のうち少なくとも周方向一端側の内周面については、外周側から内周側に向かって当該開口部の内径が狭まる傾斜となってしまう(本実施形態でいう第1平行傾斜面M33に相当)。その結果、当該開口部の周方向一端側の内周側端縁に、内方へ突出するエッジが形成されることとなり、このエッジによって、開口部から冷却水が流出する際に圧力損失を生じてしまう問題があった。
これに対して、本実施形態に係る制御弁CVでは、以下の効果が奏せられることで、前記従来の制御弁の課題を解決することができる。
すなわち、制御弁CVは、弁体収容部111と、弁体収容部111に開口して流体の導入に供する第1連通口に相当する導入口E0と、弁体収容部111に開口して流体の排出に供する第2連通口に相当する第3排出口E3とを有するハウジング1と、弁体収容部111に回転可能に収容された筒状の弁体であって、導入口E0と連通可能な第1開口部に相当する導入部M0と、周壁に貫通形成され回転位置に応じて第3排出口E3と重なる状態が変化する第2開口部に相当する第3開口部M3とを有する弁体と、第3開口部M3の内周面に設けられ、弁体3の外周側から内周側に向かって内径R3が拡大する方向へ傾斜する第1傾斜面M31と、弁体3の内周面に弁体3の回転軸線Zの方向に沿って形成された第1溝部33と、第3開口部M3のうち第1傾斜面M31に対して回転軸線Zの周方向の反対側に第1溝部33によって形成され、弁体3の外周側から内周側に向かって内径R3が拡大する方向へ傾斜する第2傾斜面M32と、を備えている。
このように、本実施形態に係る制御弁CVでは、第3開口部M3のうち、周方向一端側の端部である第1端部P1の内周面は、第1傾斜面M31により、弁体3の外周側から内周側に向かって内径R3が拡大する方向へ傾斜している。他方、第3開口部M3の周方向他端側の端部である第2端部P2の内周面には、第1溝部33よって第2傾斜面M32が形成され、第1傾斜面M31と同様、弁体3の外周側から内周側に向かって内径R3が拡大する方向へ傾斜している。換言すれば、本実施形態に係る制御弁CVの第3開口部M3においては、第1、第2傾斜面M31,M32によって、周方向の両端部(第1、第2端部P1,P2)の内側開口縁における角部(エッジ)の形成が抑制されている。
かかる構成により、導入部M0側から導かれた冷却水が第3開口部M3を介して流出する際に、冷却水の水流れをより円滑なものとすることができ、当該第3開口部M3における冷却水の圧力損失を抑制することができる。その結果、電動モータ4の消費電力を低減することができ、ひいては、前記制御弁CVを搭載するエンジンEGの燃費を向上させることができる。
特に、第3開口部M3は、弁体3の回転に伴い、周方向端部(第1端部P1又は第2端部P2)から徐々に第3排出口E3と連通することになる。かかる連通態様に基づき、第3開口部M3の周方向端部に第1、第2傾斜面M31,M32が設けられていることにより、前記圧力損失を効果的に低減することができる。
また、制御弁CVの製造方法は、ハウジング1の第1連通口に相当する導入口E0と連通する第1開口部に相当する導入部M0と、周壁に貫通形成され回転位置に応じてハウジング1の第2連通口に相当する第3排出口E3と重なる状態が変化する第2開口部に相当する第3開口部M3とを有し、第3開口部M3のうち前記回転の方向の一端部(第1端部P1)に内周側へ向かって内径R3が拡大する方向へ傾斜する第1傾斜面M31が設けられると共に、第3開口部M3のうち前記回転の方向において第1傾斜面M31の反対側(第2端部P2)に設けられて内周側へ向かって内径R3が拡大する方向へ傾斜する第2傾斜面M32が設けられた筒状の弁体3を備える制御弁CVの製造方法であって、周壁を斜めに貫通する型挿入孔D15が形成された第1成形型D1と、第1成形型D1の内側に配置され、外周部に弁体3の回転軸線Zの方向に沿って型挿入孔D15の孔縁と重なる突条D23を有する第2成形型D2と、第1成形型D1の外周側から型挿入孔D15に挿入され第1成形型D1と第2成形型D2の間に形成されるキャビティCを貫通する第3成形型D3とで構成される弁体成形型DXのキャビティCに樹脂を充填する樹脂充填工程と、前記樹脂充填工程の後、第3成形型D3を脱離することで第3開口部M3を形成すると共に、第3成形型D3の脱離に伴い第3開口部M3に第1傾斜面M31を形成する第1傾斜面形成工程と、前記第1傾斜面形成工程の後、第2成形型D2を脱離することで導入部M0を形成すると共に、第2成形型D2の脱離に伴い突条D23が脱離することで第3開口部M3に第2傾斜面M32を形成する第2傾斜面形成工程と、を有することが望ましい。
このように、第2成形型D2の外周部に突条D23を設けることによって、第1溝部33が容易に形成され、第3開口部M3の第2端部P2にも、内周側へ向かって内径R3が拡大する方向へ傾斜する第2傾斜面M32が形成される。換言すれば、従来使用していた弁体成形型DXのうち第2成形型D2の外周部に突条D23を加える比較的小規模な変更のみで、第3開口部M3の第2端部P2に第2傾斜面M32を形成することができる。
また、本実施形態では、第1溝部33は、弁体3の回転軸線Zの方向から見てV字形状に形成されている。
かかる構成とすることで、例えば第1溝部33を横断面U字形状に形成する場合に比べて、第2傾斜面M32において、渦の発生を抑制することが可能となる。換言すれば、第1溝部33を横断面U字形状となるように形成した場合、第2傾斜面M32が凹アール状に形成される結果、この凹アール状の第2傾斜面M32によって、冷却水の流れに渦の発生が発生してしまうおそれがある。すなわち、当該第2傾斜面M32によって前記圧力損失を十分に低減できないおそれがある。
〔第2実施形態〕
図11、図12は、本発明に係る制御弁及びその製造方法の第2実施形態を示し、前記第1実施形態に係る弁体3において、第1開口部M1についても、第3傾斜面M12及び第4傾斜面M11を形成したものである。なお、かかる変更点以外の基本的な構成については前記第1実施形態と同様であることから、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
図11は、本実施形態に係る弁体3Aを表した図であって、(a)は弁体3Aの斜視図、(b)は同図(a)のI−I線に沿って切断した断面図を示している。また、図12は、図11に示す弁体3Aの横断面図であって、(a)は図11(b)のJ−J線に沿って切断した断面図、(b)は図11(b)のK−K線に沿って切断した断面図を示している。なお、各図の説明では、弁体3Aの回転軸線Zに平行な方向を「軸方向」、弁体3Aの回転軸線Zに直交する方向を「径方向」、弁体3Aの回転軸線Z周りの方向を「周方向」として説明する。
本実施形態では、図11、図12に示すように、弁体3Aの軸方向において第3開口部M3と異なる位置に設けられる第1開口部M1(本発明に係る第3開口部に相当)も、ほぼ円形に形成されている。そして、この第1開口部M1についても、第3開口部M3と同様に、周方向の両端部が径方向に対して傾斜するように、弁体3Aの周壁32に対して斜めに貫通形成されている。これにより、第1開口部M1の周方向の第1端部P1には、弁体3の外周側から内周側に向かって内径R1が拡大する方向へ傾斜する第4傾斜面M11が形成されると共に、第2端部P2には、第4傾斜面M11に平行な第4平行傾斜面M23が形成されている。
また、本実施形態では、第1溝部33が、第3開口部M3の第2端部P2と第1開口部M1の第2端部P2を通過するように設けられている。具体的には、第1溝部33は、一対の斜面331,332のうち、一方の斜面331が第3開口部M3の第2端部P2とオーバーラップするように形成され、他方の斜面332が第1開口部M1の第2端部P2とオーバーラップするように形成されている。これにより、第1開口部M1の第2端部P2の内側の開口縁に、弁体3Aの外周側から内周側に向かって内径R1が拡大する方向へ傾斜する第3傾斜面M12が形成されている。なお、第3傾斜面M12の傾斜角θ3は、第4傾斜面M11の傾斜角θ4よりも大きくなっている。ここで、傾斜角θ3、θ4は、それぞれ図12(b)中の第1シール部材S1の内周面に沿う仮想線X1との間に形成される劣角に相当する。
以上のように、本実施形態に係る制御弁CVは、ハウジング1は、弁体収容部111に開口して流体の排出に供する第3連通口に相当する第1排出口E1をさらに有し、弁体3Aは、周壁に貫通形成され弁体3Aの回転位置に応じて第1排出口E1と重なる状態が変化する第3開口部に相当する第1開口部M1をさらに有し、第1開口部M1は、第1溝部33によって形成され、かつ弁体3Aの外周側から内周側に向かって内径R1が拡大する方向へ傾斜する第3傾斜面M12を有する。
すなわち、本実施形態では、第1溝部33が、第3開口部M3の第2端部P2と第1開口部M1の第2端部P2とに跨るかたちで設けられている。これにより、第1開口部M1の第2端部P2の内側の開口縁にも、弁体3Aの外周側から内周側に向かって内径R1が拡大する方向へ傾斜する第3傾斜面M12が形成されている。このように、第1開口部M1についても第3傾斜面M12を設けるにあたって、第2、第3開口部M2,M3において第1溝部33を共用することにより、前記第2成形型D2の仕様変更が最小限に押さえられ、弁体3Aの製造の効率化を図ることができる。
また、本実施形態では、第1開口部M1は、弁体3Aの回転軸線Zの方向において、第3開口部M3と異なる位置に設けられている。
このように、第2、第3開口部M2,M3をそれぞれ異なる軸方向位置に配置することで、制御弁CVにおいて、弁体3Aによる冷却水の複数の分配パターンを実現することができる。
また、本実施形態では、第1開口部M1は、第3傾斜面M12に対して回転軸線Zの周方向の反対側に設けられ、かつ弁体3Aの外周側から内周側に向かって内径R1が拡大する方向へ傾斜する第4傾斜面M11を有する。
このように、第1開口部M1の第1端部P1にも、弁体3Aの外周側から内周側に向かって内径R1が拡大する方向へ傾斜する第4傾斜面M11を設けることで、当該第1開口部M1の第1端部P1においても圧力損失の発生が抑制され、第1開口部M1における冷却水の水流れのさらなる円滑化に供される。
〔第3実施形態〕
図13は、本発明に係る制御弁及びその製造方法の第3実施形態を示し、前記第1実施形態に係る弁体3において、第2溝部34を追加したものである。なお、かかる変更点以外の基本的な構成については前記第1実施形態と同様であることから、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
図13は、本実施形態に係る弁体3Bを表した図であって、(a)は弁体3Bの斜視図、(b)は同図(a)のL−L線に沿って切断した断面図、(c)は同図(b)のM−M線に沿って切断した断面図を示している。なお、本図の説明では、弁体3Bの回転軸線Zに平行な方向を「軸方向」、弁体3Bの回転軸線Zに直交する方向を「径方向」、弁体3Bの回転軸線Z周りの方向を「周方向」として説明する。
本実施形態では、図13(c)に示すように、第3開口部M3が、弁体3Bの周壁に対して垂直に形成されている。これにより、第3開口部M3の内周面には、弁体3Bの外周側から内周側に向かって内径R3が徐々に縮小するような傾斜面であって、第3成形型D3(図9参照)の脱離に供する抜きテーパを構成する傾斜面M30が形成されている。
また、本実施形態では、弁体3Bの内周面において、第3開口部M3を挟み第1溝部33の周方向反対側に、弁体3Bの内周面を導入部M0側から軸方向に沿って見たときに断面がV字形状をなす、第1溝部33と同様に構成された第2溝部34が、軸方向に沿って直線状に形成されている。この第2溝部34は、第3開口部M3の第1端部P1を通過する所定の周方向位置に設けられている。具体的には、第2溝部34は、一対の斜面341,342のうち、一方の斜面341が第3開口部M3の第1端部P1とオーバーラップするように形成されている。すなわち、第2溝部34により弁体3Bの内周面が切り欠かれることで、第3開口部M3の第1端部P1の内側の開口縁に、弁体3Bの外周側から内周側に向かって内径R3が拡大する方向へ傾斜する第1傾斜面M31が形成されている。換言すれば、本実施形態では、第1傾斜面M31が、第2溝部34によって形成されている。
以上のように、本実施形態に係る制御弁CVは、第1傾斜面M31は、弁体3Bの内周面に弁体3Bの回転軸線Zの方向に沿って形成された第2溝部34によって形成されている。
このように、本実施形態では、第3開口部M3の周方向の第2端部P2のみならず、第1端部P1においても、第2溝部34によって第1傾斜面M31が形成されている。これにより、弁体3Bの製造時に第3成形型D3を脱離する方向(抜き方向)に関係なく、第3開口部M3の周方向両端部の内側の開口縁に、第1、第2傾斜面M31,M32を形成することができる。
本発明に係る制御弁CVは前記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の作用効果を奏し得る形態であれば、適用する内燃機関(エンジン)の仕様等に応じて自由に変更可能である。
特に、前記実施形態においては、制御弁CVの適用の一例として、冷却水の循環系への適用を例示したが、当該制御弁CVは、冷却水のみならず、例えば潤滑油など様々な流体について適用可能であることは言うまでもない。
また、前記実施形態では、弁体に第1〜第3開口部M1〜M3からなる3つの開口部を設けた態様を例示したが、弁体の周壁の開口部は、少なくとも1つ設けられていればよく、第1〜第3開口部M1〜M3の3つに限定されるものではない。
以上説明した実施形態に基づく制御弁としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
すなわち、当該制御弁は、その1つの態様において、弁体収容部と、前記弁体収容部に開口して流体の導入に供する第1連通口と、前記弁体収容部に開口して流体の排出に供する第2連通口とを有するハウジングと、前記弁体収容部に回転可能に収容された筒状の弁体であって、前記第1連通口と連通可能な第1開口部と、周壁に貫通形成され回転位置に応じて前記第2連通口と重なる状態が変化する第2開口部とを有する弁体と、前記第2開口部の内周面に設けられ、前記弁体の外周側から内周側に向かって内径が拡大する方向へ傾斜する第1傾斜面と、前記弁体の内周面に前記弁体の回転軸線の方向に沿って形成された第1溝部と、前記第2開口部のうち前記第1傾斜面に対して前記回転軸線の周方向の反対側に前記第1溝部によって形成され、前記弁体の外周側から内周側に向かって内径が拡大する方向へ傾斜する第2傾斜面と、を備えている。
前記制御弁の好ましい態様において、前記第1傾斜面は、前記弁体の内周面に前記弁体の回転軸線の方向に沿って形成された第2溝部によって形成されていることを特徴とする制御弁。
別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記ハウジングは、前記弁体収容部に開口して流体の排出に供する第3連通口をさらに有し、前記弁体は、周壁に貫通形成され前記弁体の回転位置に応じて前記第3連通口と重なる状態が変化する第3開口部をさらに有し、前記第3開口部は、前記第1溝部によって形成され、かつ前記弁体の外周側から内周側に向かって内径が拡大する方向へ傾斜する第3傾斜面を有する。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記第3開口部は、前記弁体の回転軸線の方向において、前記第2開口部と異なる位置に設けられている。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記第3開口部は、前記第3傾斜面に対して前記回転軸線の周方向の反対側に設けられ、かつ前記弁体の外周側から内周側に向かって内径が拡大する方向へ傾斜する第4傾斜面を有する。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記第1溝部は、前記弁体の回転軸線の方向から見てV字形状に形成されている。
また、前述した実施形態に基づく制御弁の製造方法としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
すなわち、当該制御弁の製造方法は、その1つの態様において、ハウジングの第1連通口と連通する第1開口部と、周壁に貫通形成され回転位置に応じて前記ハウジングの第2連通口と重なる状態が変化する第2開口部とを有し、前記第2開口部のうち前記回転の方向の一端部に内周側へ向かって内径が拡大する方向へ傾斜する第1傾斜面が設けられると共に、前記第2開口部のうち前記回転の方向において前記第1傾斜面の反対側に設けられて内周側へ向かって内径が拡大する方向へ傾斜する第2傾斜面が設けられた筒状の弁体を備える制御弁の製造方法であって、周壁を斜めに貫通する型挿入孔が形成された第1成形型と、前記第1成形型の内側に配置され、外周部に前記弁体の回転軸線の方向に沿って前記型挿入孔の孔縁と重なる突条を有する第2成形型と、前記第1成形型の外周側から前記型挿入孔に挿入され前記第1成形型と前記第2成形型の間に形成されるキャビティを貫通する第3成形型とで構成される弁体成形型の前記キャビティに樹脂を充填する樹脂充填工程と、前記樹脂充填工程の後、前記第3成形型を脱離することで前記第2開口部を形成すると共に、前記第3成形型の脱離に伴い前記第2開口部に前記第1傾斜面を形成する第1傾斜面形成工程と、前記第1傾斜面形成工程の後、前記第2成形型を脱離することで前記第1開口部を形成すると共に、前記第2成形型の脱離に伴い前記突条が脱離することで前記第2開口部に前記第2傾斜面を形成する第2傾斜面形成工程と、を有する。
CV…制御弁、1…ハウジング、111…弁体収容部、E0…導入口(第1連通口)、E2…第2排出口(第3連通口)、E3…第3排出口(第2連通口)、3…弁体、M0…導入部(第1開口部)、M1…第1開口部(第3開口部)、M3…第3開口部(第2開口部)、M31…第1傾斜面、M32…第2傾斜面、M11…第4傾斜面、M12…第3傾斜面、33…第1溝部、34…第2溝部、

Claims (7)

  1. 弁体収容部と、前記弁体収容部に開口して流体の導入に供する第1連通口と、前記弁体収容部に開口して流体の排出に供する第2連通口とを有するハウジングと、
    前記弁体収容部に回転可能に収容された筒状の弁体であって、前記第1連通口と連通可能な第1開口部と、周壁に貫通形成され回転位置に応じて前記第2連通口と重なる状態が変化する第2開口部とを有する弁体と、
    前記第2開口部の内周面に設けられ、前記弁体の外周側から内周側に向かって内径が拡大する方向へ傾斜する第1傾斜面と、
    前記弁体の内周面に前記弁体の回転軸線の方向に沿って形成された第1溝部と、
    前記第2開口部のうち前記第1傾斜面に対して前記回転軸線の周方向の反対側に前記第1溝部によって形成され、前記弁体の外周側から内周側に向かって内径が拡大する方向へ傾斜する第2傾斜面と、
    を備えたことを特徴とする制御弁。
  2. 請求項1に記載の制御弁において、
    前記第1傾斜面は、前記弁体の内周面に前記弁体の回転軸線の方向に沿って形成された第2溝部によって形成されていることを特徴とする制御弁。
  3. 請求項1に記載の制御弁において、
    前記ハウジングは、前記弁体収容部に開口して流体の排出に供する第3連通口をさらに有し、
    前記弁体は、周壁に貫通形成され前記弁体の回転位置に応じて前記第3連通口と重なる状態が変化する第3開口部をさらに有し、
    前記第3開口部は、前記第1溝部によって形成され、かつ前記弁体の外周側から内周側に向かって内径が拡大する方向へ傾斜する第3傾斜面を有することを特徴とする制御弁。
  4. 請求項3に記載の制御弁において、
    前記第3開口部は、前記弁体の回転軸線の方向において、前記第2開口部と異なる位置に設けられていることを特徴とする制御弁。
  5. 請求項3に記載の制御弁において、
    前記第3開口部は、前記第3傾斜面に対して前記回転軸線の周方向の反対側に設けられ、かつ前記弁体の外周側から内周側に向かって内径が拡大する方向へ傾斜する第4傾斜面を有することを特徴とする制御弁。
  6. 請求項1に記載の制御弁において、
    前記第1溝部は、前記弁体の回転軸線の方向から見てV字形状に形成されていることを特徴とする制御弁。
  7. ハウジングの第1連通口と連通する第1開口部と、周壁に貫通形成され回転位置に応じて前記ハウジングの第2連通口と重なる状態が変化する第2開口部とを有し、前記第2開口部のうち前記回転の方向の一端部に内周側へ向かって内径が拡大する方向へ傾斜する第1傾斜面が設けられると共に、前記第2開口部のうち前記回転の方向において前記第1傾斜面の反対側に設けられて内周側へ向かって内径が拡大する方向へ傾斜する第2傾斜面が設けられた筒状の弁体を備える制御弁の製造方法であって、
    周壁を斜めに貫通する型挿入孔が形成された第1成形型と、前記第1成形型の内側に配置され、外周部に前記弁体の回転軸線の方向に沿って前記型挿入孔の孔縁と重なる突条を有する第2成形型と、前記第1成形型の外周側から前記型挿入孔に挿入され前記第1成形型と前記第2成形型の間に形成されるキャビティを貫通する第3成形型とで構成される弁体成形型の前記キャビティに樹脂を充填する樹脂充填工程と、
    前記樹脂充填工程の後、前記第3成形型を脱離することで前記第2開口部を形成すると共に、前記第3成形型の脱離に伴い前記第2開口部に前記第1傾斜面を形成する第1傾斜面形成工程と、
    前記第1傾斜面形成工程の後、前記第2成形型を脱離することで前記第1開口部を形成すると共に、前記第2成形型の脱離に伴い前記突条が脱離することで前記第2開口部に前記第2傾斜面を形成する第2傾斜面形成工程と、
    を有することを特徴とする制御弁の製造方法。
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