JP2009127522A - 気流制御装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハウジングに対して弁体を組み付けるに際し、弁体の周縁部が弁体の回転方向に沿った位置にばらついて固定された場合にも、弁体の周縁部とハウジングの内周面との間のクリアランスの変化が小さい気流制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンへの吸気経路20に設けられ、吸気を流通させる流路2aを備えたハウジング2と、吸気の量を制御すべくハウジング2の内部に回転可能に収容される弁体3とを備え、流路2aに、弁体3が閉じ状態にあるとき弁体3の周縁部3aに対向する対向面部5を形成すると共に、対向面部5のうち流路2aの内周方向に沿った少なくとも一部を、流路2aの長手方向に沿った一方向側にのみ面するよう傾斜面6にした。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンへの吸気経路に設けられ、吸気を流通させる流路を備えたハウジングと、前記吸気の量を制御すべく前記ハウジングの内部に回転可能に収容される弁体とを備えた気流制御装置及びその製造方法に関する。
一般に、エンジンの負荷状態や吸気弁の開閉状態に応じてタイミング良く吸気量を調整することで、特に低中速域の吸気脈動を強化することができる。これにより、体積効率アップによるエンジン出力の向上、吸入流速アップによる燃焼改善、スモーク低減等が実現され、燃費の改善などが見込まれる。吸気量を調整する装置としては、吸気弁よりも上流の吸気経路に設けられ、吸気を流通させる流路を備えたハウジングと、ハウジングの内部に回転可能に収容され、吸気量を制御する弁体とを備えた気流制御装置が知られている。
この種の気流制御装置は、例えば、二色成形によって作製することができる(例えば、特許文献1参照)。このような気流制御装置では、型に樹脂を射出し、固化させてハウジングを形成した後、型を平行移動させ、当該型とハウジングとで形成される空間に樹脂を射出し、固化・収縮させて弁体を形成する。このため、弁体の周縁部には、ハウジングの内周面に沿った形状が形成される。尚、弁体は成形の際に収縮し、ハウジングとの間に所定のクリアランスが形成されるため、弁体はハウジングの内部で回転可能となる。
特開平5−141540号公報
しかし、前記従来の気流制御装置では、弁体の周縁部はハウジングの内周面に沿った形状に形成されるため、閉じ状態のときに弁体が吸気の流通方向に対し斜めとなるものにあっては、ハウジングに対し弁体を閉じ状態として組み付ける際に、弁体の周縁部が弁体の回転方向に沿った位置にずれて固定された場合には、本来の組み付け位置に固定した場合に比べて、弁体とハウジングとのクリアランスが変化するという問題あった。
このため、弁体を閉じ状態としたときの弁体の周縁部の弁体の回転方向に沿った位置が互いに異なる気流制御装置をエンジンへの吸気経路に設けた場合には、弁体とハウジングとのクリアランスも互いに異なり、それぞれの気流制御装置における気流制御性能がばらつく虞があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ハウジングに対して弁体を組み付けるに際し、弁体の周縁部が弁体の回転方向に沿った位置にばらついて固定された場合にも、弁体とハウジングとの間のクリアランスの変化が小さい気流制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る気流制御装置の第1特徴構成は、エンジンへの吸気経路に設けられ、吸気を流通させる流路を備えたハウジングと、前記吸気の量を制御すべく前記ハウジングの内部に回転可能に収容される弁体とを備え、前記流路に、前記弁体が閉じ状態にあるとき前記弁体の周縁部に対向する対向面部を形成すると共に、当該対向面部のうち前記流路の内周方向に沿った少なくとも一部を、前記流路の長手方向に沿った一方向側にのみ面するよう傾斜面にした点にある。
本構成によれば、ハウジングに対して閉じ状態として弁体を組み付ける際に、本来の組み付け位置から、弁体の周縁部が弁体の回転方向に沿った位置にずれて固定された場合にも、流路の長手方向に沿ってみたときの弁体とハウジングとのクリアランスの変化を小さくすることができる。
したがって、装置の組み立て誤差を緩和して、弁体の周縁部とハウジングの内周面とのクリアランスが略一定となり、気流制御性能を安定化することができる。
本発明に係る気流制御装置の第2特徴構成は、前記傾斜面は、前記流路の周方向に沿った断面視で凹曲面状に形成した点にある。
傾斜面の近傍を通過する弁体の周縁部の軌跡は回転軸を中心とした円弧状となる。よって、本構成のように、傾斜面を凹曲面状に形成してあれば、凹曲面の近傍で弁体の周縁部が回転しても両者の間隔の変動は少なくなる。
本発明に係る気流制御装置の第3特徴構成は、前記傾斜面と前記弁体の周縁部とを、前記流路の周方向に沿った断面視において、前記弁体の回転軸を中心とした円弧状に形成してある点にある。
本構成によれば、傾斜面と弁体の周縁部とを、流路の周方向に沿った断面視で、弁体の回転軸を中心とした円弧状、すなわち、回転する弁体の周縁部の軌跡に沿った形状に形成してある。このため、ハウジングに対して閉じ状態として弁体を組み付ける際に、本来の組み付け位置から、弁体の周縁部が弁体の回転方向に沿った位置にずれて固定された場合にも、弁体とハウジングとのクリアランスを一定にすることができる。このため、弁体が閉じ状態にあるときの流路遮断性能がさらに向上し、より精度の高い気流制御装置を得ることができる。
本発明に係る気流制御装置の製造方法の第1特徴手段は、エンジンへの吸気経路に設けられ、吸気を流通させる流路を備えたハウジングと、前記吸気の量を制御すべく前記ハウジングの内部に回転可能に収容される弁体とを備えた気流制御装置の製造方法であって、前記流路の長手方向に沿う一方の側に面する第1の傾斜面と前記流路の長手方向に沿う他方の側に面する第2の傾斜面とを備え、前記弁体が閉じ状態にあるとき前記弁体の周縁部に対向する対向面部を前記流路に備える前記ハウジングを形成すべく、前記第1の傾斜面を成形する成形面を有する第1の型と、前記第2の傾斜面を成形する成形面を有する第2の型とを合わせて、前記ハウジングの形状に沿った空間を形成する工程と、前記ハウジングの形状に沿った空間に、第1の樹脂を射出し、固化させて前記ハウジングを形成する工程と、前記ハウジングから、前記第1の型を前記一方の側に型抜きし、前記第2の型を前記他方の側に型抜きする工程と、前記ハウジングに、前記一方の側から前記弁体の一方の面を成形する成形面を有する第3の型を取り付けると共に、前記他方の側から前記弁体の他方の面を成形する成形面を有する第4の型を取り付けて、前記傾斜面を前記弁体の周縁部を成形する成形面として、前記第3の型と前記第4の型と前記傾斜面とで前記弁体の形状に沿った空間を形成する工程と、前記弁体の形状に沿った空間に、第2の樹脂を射出し、収縮・固化させて前記弁体を形成する工程とを備えた点にある。
本手段によれば、弁体を形成する際には、ハウジングの傾斜面を弁体の周縁部を成形する成形面とすることができるため、弁体の周縁部を、傾斜面の形状に沿った形状に容易に形成することができる。つまり、弁体を形成する際の型の一部として、既に成形してあるハウジングを使うから、型部材の構成を簡略化することができる。
また、弁体の周縁部と傾斜面との形状が略等しく、両者の間隔も小さいため、特に閉じ状態において吸気遮断性の良い装置を得ることができる。
本発明に係る気流制御装置の製造方法の第2特徴手段は、エンジンへの吸気経路に設けられ、吸気を流通させる流路を備えたハウジングと、前記吸気の量を制御すべく前記ハウジングの内部に回転可能に収容される弁体とを備えた気流制御装置の製造方法であって、前記流路の長手方向に沿う一方の側に面する傾斜面を備え、前記弁体が閉じ状態にあるとき前記弁体の周縁部に対向する対向面部を前記流路に備える前記ハウジングを形成すべく、前記傾斜面を成形する成形面を有する第1の型と、前記成形面を有しない第2の型とを合わせて、前記ハウジングの形状に沿った空間を形成する工程と、前記ハウジングから、前記第1の型を前記一方の側に型抜きする工程と、前記ハウジングに、前記一方の側から前記弁体の一方の面を成形する成形面を有する第3の型を取り付け、前記第2の型の一部を前記弁体の他方の面を成形する成形面とする共に、前記傾斜面を前記弁体の周縁部を成形する成形面として、前記第2の型と前記第3の型と前記傾斜面とで前記弁体の形状に沿った空間を形成する工程と、前記弁体の形状に沿った空間に、第2の樹脂を射出し、収縮・固化させて前記弁体を形成する工程とを備えた点にある。
本手段によっても、弁体の周縁部を、傾斜面の形状に沿った形状に容易に形成することができる。
また、本手段によれば、弁体を形成する際には、ハウジングを形成した後に第1の型のみを第3の型に置き換えればよいため、気流制御装置を簡便に作製することができる。
〔第一の実施形態〕
以下に、本発明に係る気流制御装置の第一の実施形態について図面を参照して説明する。ここでは、本発明を、自動車のエンジン30に適用した場合を例として説明する。
本実施形態に係る気流制御装置1は、エンジン30への吸気経路20に設けられ、吸気の量を制御する。図10に示すように、エンジン30への吸気は、エンジン30のピストン31の下降に伴い、吸気経路20から吸気弁21を介して燃焼室32に導入される。燃焼後の排気ガスは、排気弁41を介して排気経路40を通り、必要に応じて再循環され、最終的にはエンジン30の外部に排出される。この際、気流制御装置1は、吸気経路20の断面積を調節して燃焼室32に導かれる吸気の量を調整する。
本実施形態に係る気流制御装置1は、図1及び図2に示すように、エンジン30の吸気経路20に設けられ、内周面が吸気を流通させる流路2aとなる筒状のハウジング2と、ハウジング2の内部に収容され、吸気の量を制御する弁体3とを備える。
弁体3は、ハウジング2を貫通する軸体4によってハウジング2に対して回転可能に支持され、吸気経路20である流路2aの断面積を調節する。弁体3は、厚みが略一定で、平面形状が略真円となるように形成してある。弁体3の周端部3aは、軸体4に沿った断面視で、軸体4を中心とした円弧状となるように形成してある。また、弁体3は、流路2aの長手方向に対して平行となる回転位置から所定角度回転した位置にある時に流路2aを閉じ状態とするようにハウジング2に取り付けてある。尚、所定角度は、例えば、30°〜60°である。
軸体4は、例えば、断面が四角形状の棒状体であり、弁体3に挿通して固定してある。軸体4は、その延伸方向でアクチュエータ(図示しない)に接続してある。アクチュエータは、エンジンの負荷、吸気弁の制御状態等に基づいて制御部(図示しない)により制御される。
ハウジング2は、例えば、第1管状部材22と第2管状部材23との間に組み込まれ、ハウジング2を包持する接続部材24を第1管状部材22及び第2管状部材23と連結することにより、吸気経路20に設けられる。ハウジング2の流路2aは、第1管状部材22及び第2管状部材23と連通し、吸気経路20を形成する。
ハウジング2の流路2aを形成する内周面には、流路2aを閉じ状態とする位置にある弁体3の周縁部3aと対向する位置に、それぞれが流路2aの長手方向に沿った一方向側にのみ面する傾斜面6を有する突条の対向面部5が設けてある。弁体3は、上述の通り、ハウジング2に対し、流路2aの長手方向に対して弁体が平行となる回転位置から所定角度回転した位置にある時に閉じ状態となるように取り付けてある。このため、弁体3の周縁部3aと対向する傾斜面6は、流路2aの長手方向に沿う一方の側(図1における右側)に面する第1の傾斜面6aと、流路2aの長手方向に沿う他方の側(図1における左側)に面する第2の傾斜面6bとを備える。それぞれの傾斜面6は、流路2aの周方向に沿った断面視で弁体3の回転軸を中心とした円弧状、すなわち、回転する弁体3の周端部3aの軌跡に沿った凹曲面状に形成してある。
このような構成により、ハウジング2に対して閉じ状態として弁体3を組み付ける際に、本来の組み付け位置から、弁体3の周縁部3aが弁体3の回転方向に沿った位置にずれて固定された場合にも、弁体3の周縁部3aは傾斜面6に沿って移動するため、弁体3とハウジング2とのクリアランスを一定にすることができる。
したがって、装置の組み立て誤差を緩和して、弁体3の周縁部3aとハウジング2の内周面とのクリアランスが略一定となり、弁体3が閉じ状態のときのシール性能を安定化することができる。尚、本実施形態における対向面部5は、ハウジング2の内周面に対し、0.2mm〜0.5mmの突条であり、吸気の流通には影響がない。
本実施形態に係る気流制御装置1は、例えば、図3に示す方法によって製造することができる。
まず、図3(a)に示すように、第1の傾斜面6aを成形する成形面7aを有し、ハウジング2の内周面及び外周面を成形する第1の型7と、第2の傾斜面6bを成形する成形面8aを有し、ハウジング2の内周面及び外周面を成形する第2の型8とを合わせて、ハウジング2の形状に沿った空間9を形成する。この際、型の成形面に中子(図示しない)等を取り付け、後述の射出成形の際に、ハウジング2に軸体4を貫通させる貫通孔が形成できるようにする。
次に、ハウジング2の形状に沿った空間9に、第1の樹脂を射出し、固化させてハウジング2を形成する。第1の樹脂としては、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)を使用する。
ハウジング2を形成した後は、第1の型7を第1の傾斜面6aが面する方向の側(図3における右側)に型抜きし、第2の型8を第2の傾斜面6bが面する方向の側(図3における左側)に型抜きする。
続いて、図3(b)に示すように、ハウジング2に、第1の傾斜面6aが面する方向の側から弁体3の一方の面を成形する成形面10aを有する第3の型10を取り付け、第2の傾斜面6bが面する方向の側から弁体3の他方の面を成形する成形面11aを有する第4の型11を取り付け、傾斜面6を弁体3の周縁部3aを成形する成形面として、第3の型10と第4の型11と傾斜面6とで弁体3の形状に沿った空間12を形成する。
弁体3の形状に沿った空間12に、軸体4と同形状の中子13を取り付け、第2の樹脂を射出し、固化・収縮させて弁体3を形成する。第2の樹脂としては、例えば、PA6T(芳香族ナイロン)を使用する。
弁体3を形成した後は、第3の型10及び第4の型11を型抜きし、弁体3から中子13を抜き取り、軸体4を挿入する。
このような方法によれば、ハウジング2と弁体3とを一体に容易に作製できると共に、弁体3の周縁部3aを、傾斜面6に沿った形状に容易に形成することができる。
〔第二の実施形態〕
本発明に係る気流制御装置の第二の実施形態について説明する。本実施形態では、図4に示すように、対向面部5をハウジング2の内周面に対して凹状に形成してある。その他の構成は、第一の実施形態と同様である。このような構成であっても、弁体3が閉じ状態のときの弁体3とハウジング2とのクリアランスを一定にすることができる。
〔第三の実施形態〕
本発明に係る気流制御装置の第三の実施形態について説明する。本実施形態では、図5に示すように、弁体3の周縁部3aと傾斜面6とを、ハウジング2の流路2aの周方向に沿った断面視において、平面状に形成してある。その他の構成は、第一の実施形態と同様である。
本実施形態の場合、ハウジング2に対して弁体3を組み付ける際に、回転方向に沿った弁体3の初期位置が異なると、弁体3の周縁部3aと傾斜面6とのクリアランスは変化する。しかし、流路2aの長手方向に沿ってみたときの弁体3とハウジング2とのクリアランスの変化としては非常に小さくなるため、本構成によっても、弁体3が閉じ状態のときのシール性能を高めることができる。
〔第四の実施形態〕
本発明に係る気流制御装置の第四の実施形態について説明する。本実施形態では、図6及び図7に示すように、弁体3の平面形状を、上部を切り欠いたレーストラック形状にして、弁体3が閉じ状態のときにも吸気が流通できるようにしてある。
弁体3の周縁部3aは、第一の実施形態と同様に、軸体4に沿った断面視で、軸体4を中心とした円弧状となるように形成してあるが、周縁部3aのうち切り欠いた部分については、軸体4に沿った断面視で平面状に形成してある。このため、対向面部5のうち、切り欠いた部分と対向する対抗面部5aにおいては、傾斜面6を設けていない。その他の構成は、第一の実施形態と同様である。
このような構成によれば、弁体3が閉じ状態のときの弁体3の切り欠いた部分以外の部分とハウジング2とのクリアランスを一定にすることができる。このため、ハウジング2に対して弁体3を組み付ける際に、回転方向に沿った弁体3の初期位置にばらつきがあっても、吸気のリーク量を一定にすることができる。
本実施形態に係る気流制御装置1は、例えば、図8に示す方法で作製することができる。
まず、図8(a)に示すように、傾斜面6を成形する成形面14aを有し、ハウジング2の内周面及び外周面を成形する第1の型14と、ハウジング2の内周面及び外周面を成形する第2の型15とを合わせて、ハウジング2の形状に沿った空間16を形成し、第一の実施形態と同様の方法によりハウジング2を形成する。
ハウジング2を形成した後は、第2の型15は取り付けたままの状態で、第1の型14のみを傾斜面6が面する方向の側(図8における右側)に型抜きする。
次に、図8(b)に示すように、ハウジング2に、傾斜面6が面する方向の側から弁体3の一方の面を成形する成形面17aを有する第3の型17を取り付け、第2の型15の一部を弁体3の他方の面を成形する成形面15a及び弁体3の周縁部3aのうち切り欠いた部分を成形する成形面15bとする共に、傾斜面6を弁体3の周縁部3aの切り欠いた部分以外の部分を成形する成形面として、第2の型15と第3の型17と傾斜面6とで弁体3の形状に沿った空間18を形成し、第一の実施形態と同様の方法により弁体3を形成する。
このような方法によれば、第2の型15を、ハウジング2の形成と弁体3の形成とに共通して使用でき、弁体3を形成する際には、ハウジング2を形成した後に第1の型14のみを第3の型17に置き換えればよいため、気流制御装置1を簡便に作製することができる。
〔第五の実施形態〕
本発明に係る気流制御装置の第五の実施形態について説明する。本実施形態では、図9に示すように、弁体3を、軸体4に沿った断面視で、屈曲した形状に形成し、軸体4を流路2aの中心から偏心した状態で軸支してある。この場合には、流路2aの断面形状は軸体4の位置で最大となる必要があるため楕円形に修正を加えたものや四角断面等に形成される。本実施形態においては、傾斜面6は、流路2aの長手方向に沿う一方の側(図9における右側)に面する傾斜面6のみを備える。その他の構成は、第一の実施形態と同様である。
このような構成であっても、弁体3が閉じ状態のときの弁体3とハウジング2とのクリアランスを一定にすることができる。尚、本実施形態の気流制御装置1では、流路2aの長手方向に沿う一方の側に面する傾斜面6のみを備えるため、作製に際しては、第四の実施形態と同様に一方の型のみを置き換えればよい。
〔その他の実施形態〕
上記の各実施形態においては、弁体3の周縁部3aを、傾斜面6の形状に沿った形状に形成した例を説明したが、この例に限定されない。例えば、ハウジング2の流路2aの周方向に沿った断面視において、弁体3の周縁部3aを平面状に形成し、傾斜面6の形状を凹曲面状に形成することや、弁体3の周縁部3aを凸曲面状に形成し、傾斜面6の形状を平面状に形成することもできる。このような構成によっても、流路3の長手方向に沿ってみたときの弁体3とハウジング3とのクリアランスの変化としては非常に小さくなるため、弁体の遮断性能を高めることができる。
上記の各実施形態においては、弁体3の平面形状が真円状または上部を切り欠いたレーストラック形状に形成した例を説明したが、この例に限定されない。切り欠きのないレーストラック形状や楕円形状、一部を切り欠いた円形状等の弁体3を用いてもよい。
本発明の気流制御装置は、例えば、自動車のエンジンに用いられる他、各種のエンジンに適用することができる。
本発明の第一の実施形態の気流制御装置の概要を示す側断面図 本発明の第一の実施形態の気流制御装置の概要を示す一部切欠斜視図 本発明の第一の実施形態の気流制御装置の製造方法の説明図 本発明の第二の実施形態の気流制御装置の概要を示す側断面図 本発明の第三の実施形態の気流制御装置の概要を示す側断面図 本発明の第四の実施形態の弁体の概略図 本発明の第四の実施形態の気流制御装置の概要を示す側断面図 本発明の第四の実施形態の気流制御装置の製造方法の説明図 本発明の第五の実施形態の気流制御装置の概要を示す側断面図 エンジンの概要を示す説明図
符号の説明
1 気流制御装置
2 ハウジング
2a 流路
3 弁体
3a 周縁部
5 対向面部
6 傾斜面
6a 第1の傾斜面
6b 第2の傾斜面
7 第1の型
7a 成形面
8 第2の型
8a 成形面
9 ハウジングの形状に沿った空間
10 第3の型
10a 成形面
11 第4の型
11a 成形面
12 弁体の形状に沿った空間
14 第1の型
14a 成形面
15 第2の型
15a 成形面
16 ハウジングの形状に沿った空間
17 第3の型
17a 成形面
18 弁体の形状に沿った空間

Claims (5)

  1. エンジンへの吸気経路に設けられ、吸気を流通させる流路を備えたハウジングと、
    前記吸気の量を制御すべく前記ハウジングの内部に回転可能に収容される弁体とを備え、
    前記流路に、前記弁体が閉じ状態にあるとき前記弁体の周縁部に対向する対向面部を形成すると共に、
    当該対向面部のうち前記流路の内周方向に沿った少なくとも一部を、前記流路の長手方向に沿った一方向側にのみ面するよう傾斜面にしてある気流制御装置。
  2. 前記傾斜面は、前記流路の周方向に沿った断面視で凹曲面状に形成してある請求項1に記載の気流制御装置。
  3. 前記傾斜面と前記弁体の周縁部とを、前記流路の周方向に沿った断面視において、前記弁体の回転軸を中心とした円弧状に形成してある請求項1または2に記載の気流制御装置。
  4. エンジンへの吸気経路に設けられ、吸気を流通させる流路を備えたハウジングと、前記吸気の量を制御すべく前記ハウジングの内部に回転可能に収容される弁体とを備えた気流制御装置の製造方法であって、
    前記流路の長手方向に沿う一方の側に面する第1の傾斜面と前記流路の長手方向に沿う他方の側に面する第2の傾斜面とを備え、前記弁体が閉じ状態にあるとき前記弁体の周縁部に対向する対向面部を前記流路に備える前記ハウジングを形成すべく、前記第1の傾斜面を成形する成形面を有する第1の型と、前記第2の傾斜面を成形する成形面を有する第2の型とを合わせて、前記ハウジングの形状に沿った空間を形成する工程と、
    前記ハウジングの形状に沿った空間に、第1の樹脂を射出し、固化させて前記ハウジングを形成する工程と、
    前記ハウジングから、前記第1の型を前記一方の側に型抜きし、前記第2の型を前記他方の側に型抜きする工程と、
    前記ハウジングに、前記一方の側から前記弁体の一方の面を成形する成形面を有する第3の型を取り付けると共に、前記他方の側から前記弁体の他方の面を成形する成形面を有する第4の型を取り付けて、前記傾斜面を前記弁体の周縁部を成形する成形面として、前記第3の型と前記第4の型と前記傾斜面とで前記弁体の形状に沿った空間を形成する工程と、
    前記弁体の形状に沿った空間に、第2の樹脂を射出し、収縮・固化させて前記弁体を形成する工程とを備えた気流制御装置の製造方法。
  5. エンジンへの吸気経路に設けられ、吸気を流通させる流路を備えたハウジングと、前記吸気の量を制御すべく前記ハウジングの内部に回転可能に収容される弁体とを備えた気流制御装置の製造方法であって、
    前記流路の長手方向に沿う一方の側に面する傾斜面を備え、前記弁体が閉じ状態にあるとき前記弁体の周縁部に対向する対向面部を前記流路に備える前記ハウジングを形成すべく、前記傾斜面を成形する成形面を有する第1の型と、前記成形面を有しない第2の型とを合わせて、前記ハウジングの形状に沿った空間を形成する工程と、
    前記ハウジングから、前記第1の型を前記一方の側に型抜きする工程と、
    前記ハウジングに、前記一方の側から前記弁体の一方の面を成形する成形面を有する第3の型を取り付け、前記第2の型の一部を前記弁体の他方の面を成形する成形面とする共に、前記傾斜面を前記弁体の周縁部を成形する成形面として、前記第2の型と前記第3の型と前記傾斜面とで前記弁体の形状に沿った空間を形成する工程と、
    前記弁体の形状に沿った空間に、第2の樹脂を射出し、収縮・固化させて前記弁体を形成する工程とを備えた気流制御装置の製造方法。
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