以下、本発明に係る制御弁の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、下記の各実施形態では、本発明に係る制御弁を、従来と同様の自動車用冷却水(以下、単に「冷却水」と略称する。)の循環系に適用したものを例に説明する。
(冷却水の循環回路の構成)
図1は、本発明に係る制御弁が適用される、自動車の機関の冷却回路である冷却水の循環回路の構成を表したブロック図を示している。
制御弁CVは、エンジンEG(具体的には図示外のシリンダヘッド)の側部に配置される。そして、この制御弁CVは、図1に示すように、ヒータHTと、オイルクーラOCと、ラジエータRDとの間に配置されている。ヒータHTは、図示外のエアコンの温風を作り出すために熱交換を行う暖房熱交換器である。オイルクーラOCは、エンジンEG内部の摺動部分を潤滑するためのオイルを冷却する。ラジエータRDは、エンジンEGの冷却に供する冷却水を冷却する。
ここで、図中の符号WPは、冷却水の循環に供するウォータポンプである。また、符号WTは、制御弁CVの駆動制御に供する水温センサであって、当該水温センサWTの検出結果に応じて制御弁CVが駆動制御される。また、符号TCは、エンジンEG内で燃焼される燃料と混合される空気の流量を制御するスロットルチャンバーであり、符号ECは、エンジンEGの燃焼後の排気ガスを冷却するEGRクーラである。
具体的には、ウォータポンプWPから吐出された冷却水が、導入通路L0を通じて制御弁CVへと導かれる。そして、水温センサWTによる検出結果などエンジンEGの運転状態に基づいて、制御弁CV内の弁体3が駆動制御される。これにより、導入通路L0を介して制御弁CVへと導かれた冷却水が、第1〜第3配管L1〜L3を介して、ヒータHT、オイルクーラOC及びラジエータRDへとそれぞれ分配される。
また、制御弁CVには、導入通路L0をバイパスすることによって冷却水をエンジンEGからスロットルチャンバーTCへと直接導くためのバイパス通路BLが設けられている。これにより、バイパス通路BLを介して制御弁CVへと導かれた冷却水が、スロットルチャンバーTCへと常時供給される。なお、スロットルチャンバーTCに供給された冷却水は、ヒータHTと同様、EGRクーラECへと導かれて、EGRクーラEC及びウォータポンプWPを介してエンジンEG側へと還流される。
このように、制御弁CVは、いわゆる1in−3Out形式の分配デバイスとして適用され、導入通路L0より流入した冷却水を第1〜第3配管L1〜L3へと分配すると共に、当該分配時の冷却水の流量を制御する。
なお、本実施形態では、自動車の機関の一態様として、内燃機関であるエンジンEGを例示しているが、当該機関には、エンジンEGのみならず、例えばモータや燃料電池など、エネルギを動力に変換するあらゆる装置が含まれる。
〔第1実施形態〕
(制御弁の構成)
図2は、本発明に係る制御弁CVの分解斜視図を示している。また、図3は、本発明に係る制御弁CVを第2ハウジング12側から見た斜視図を示している。さらに、図4は、図3に示す制御弁CVの平面図を示している。なお、本図の説明では、回転軸2の回転軸線Zに平行な方向を「軸方向」、回転軸2の回転軸線Zに直交する方向を「径方向」、回転軸2の回転軸線Z周りの方向を「周方向」として説明する。また、前記「軸方向」については、図2中の上方を「一端側」、下方を「他端側」として説明する。
図2〜図4に示すように、制御弁CVは、ハウジング1の内部において回転軸2を介して回転可能に支持された筒状の弁体3と、ハウジング1に収容され、弁体3を回転駆動する電動モータ4と、ハウジング1に収容され、電動モータ4の回転を減速して伝達する減速機構5と、を有する。
ハウジング1は、軸方向に2分割に形成されていて、弁体3及び電動モータ4を収容する第1ハウジング11と、第1ハウジング11の一端側の開口部を閉塞するように設けられ、減速機構5を収容する第2ハウジング12と、から構成される。第1ハウジング11と第2ハウジング12は、共に合成樹脂材料によって成形されていて、複数のボルト13により固定されている。
第1ハウジング11は、弁体3を収容する中空円筒状の弁体収容部111と、弁体収容部111に並列して付設され、電動モータ4のモータ本体41を収容する中空円筒状のモータ収容部112と、を有する。そして、この第1ハウジング11は、軸方向の他端部に設けられた取付部(具体的には、後述するフランジ部114a,114b,114c)を介して図示外のシリンダブロックに、図示外の固定部材、例えば複数のボルトにより固定される。
弁体収容部111は、軸方向の一端側が端壁113により閉塞され、他端側が開口形成される。弁体収容部111の軸方向の他端部には、第1ハウジング11を図示外のシリンダブロックに取り付ける複数(本実施形態では3つ)のフランジ部114a,114b,114cが、概ね放射状に、径方向の外側へ延びるように設けられている。各フランジ部114a,114b,114cは、周方向において、ほぼ等間隔に配置されている。また、各フランジ部114a,114b,114cの先端部には、断面が円形の貫通孔114dが、軸方向に沿って貫通形成されていて、各貫通孔114dには、円筒状に形成された金属製のスリーブ14が圧入されている。なお、このスリーブ14は、各フランジ部114a,114b,114cと同等の高さ(軸方向寸法)を有していて、このスリーブ14によって図示外のボルトの軸力を受ける構成となっている。
また、弁体収容部111の端壁113には、有蓋円筒状のボス部115が、第2ハウジング12側へ突出形成されている。ボス部115の端壁には、回転軸2が挿入されて貫通する貫通孔60が貫通形成されている。また、この弁体収容部111の端壁113には、後述する減速機構5の支持軸51,52の軸受けに供する平板状の1対の軸受部117,117が、直立形成されている。1対の軸受部117,117には、それぞれ支持軸51,52を回転可能に支持する軸受孔117a,117aが貫通形成されている。
また、第1ハウジング11には、弁体収容部111の側壁(周壁)に、弁体収容部111とヒータHT、オイルクーラOC、ラジエータRD(図1参照)とを接続する第1〜第3配管L1〜L3が取り付けられている。なお、図2〜図4中の符号L4については、弁体収容部111とスロットルチャンバーTC(図1参照)とを接続するバイパス通路BLを構成する第4配管を示している。第1〜第4配管L1〜L4は、いずれも複数のスクリュSWによって第1ハウジング11に固定されている。
第2ハウジング12は、弁体収容部111とモータ収容部112とに跨って当該弁体収容部111及びモータ収容部112を被覆可能に開口する有底筒状に形成されている。そして、この第2ハウジング12が、弁体収容部111及びモータ収容部112を覆うように第1ハウジング11に取り付けられることで、第2ハウジング12の内部空間によって、減速機構5を収容する減速機構収容部121が形成される。
電動モータ4は、出力軸42が第2ハウジング12側へ臨むかたちでモータ本体41がモータ収容部112内に収容される。そして、この電動モータ4は、モータ本体41の出力軸42側の端部に径方向の外側へと延びるように設けられたフランジ部43を介して、モータ収容部112の開口縁部に複数のボルト44により固定される。なお、電動モータ4は、図示しない車載の電子コントローラによって駆動制御され、車両の運転状態に応じて弁体3を回転駆動することによって、ラジエータRD等(図1参照)に対する冷却水の適切な分配が実現される。
減速機構5は、2組の食い違い歯車である第1歯車G1及び第2歯車G2により構成された駆動機構である。第1歯車G1は、電動モータ4の出力軸42と同軸上に設けられ、出力軸42と一体となって回転する第1ねじ歯車WG1と、電動モータ4の出力軸42と直交するように配置される第1支持軸51によって回転支持され、第1ねじ歯車WG1と噛み合う第1斜歯歯車HG1と、で構成される。第2歯車G2は、第2支持軸52によって回転支持され、第1斜歯歯車HG1と一体となって回転する第2ねじ歯車WG2と、回転軸2に固定され、第2ねじ歯車WG2と噛み合う第2斜歯歯車HG2と、で構成される。ここで、第1斜歯歯車HG1と第2ねじ歯車WG2とは、筒状に形成された両歯車HG1,WG2が直列に並んで一体に構成された複合歯車部材であって、この複合歯車部材の両端部に挿入される第1、第2支持軸51,52を介して、第1ハウジング11の1対の軸受部117,117に回転支持される。このような構成から、電動モータ4の出力軸42から出力された回転駆動力が、第1歯車G1及び第2歯車G2を介して2段階に減速されて弁体3へと伝達される。
図5は、図4のA−A線に沿って切断した制御弁CVの断面図を示している。なお、本図の説明では、回転軸2の回転軸線Zに平行な方向を「軸方向」、回転軸2の回転軸線Zに直交する方向を「径方向」、回転軸2の回転軸線Z周りの方向を「周方向」として説明する。また、前記「軸方向」については、図5中の上方を「一端側」、下方を「他端側」として説明する。
図5に示すように、第1ハウジング11には、軸方向の一端側が端壁113により閉塞され、かつ他端側が外部に開口する有底円筒状の弁体収容部111が形成されている。また、弁体収容部111の端壁113に設けられたボス部115には、回転軸2が挿入され貫通する貫通孔60が、弁体収容部111と後述する減速機構収容部121とを連通するように、軸方向に沿って形成されている。換言すれば、貫通孔60は、軸方向において、後述する導入口E0が開口する方向と反対側の方向に設けられ、弁体収容部111に開口形成されている。また、第1ハウジング11には、弁体収容部111に隣接するかたちで、内部に電動モータ4のモータ本体41を収容可能な有底円筒状のモータ収容部112が、軸方向の一端側に向けて開口形成されている(図2参照)。
また、第1ハウジング11の一端側に取り付けられる第2ハウジング12は、軸方向の一端側が底壁122により閉塞され、かつ端壁113と対向する他端側が開口する有底筒状に形成されている。すなわち、第1ハウジング11の軸方向の一端側を閉塞するように第2ハウジング12が被せられることで、第2ハウジング12の内部空間に減速機構収容部121が形成され、この減速機構収容部121に内に、減速機構5が収容されている。
また、第1ハウジング11は、弁体収容部111の軸方向の他端部に、図示外のシリンダブロックの内部と連通してシリンダブロック側から冷却水を導入するための主連通口である導入口E0が開口形成されている。すなわち、制御弁CVを図示外のエンジン(シリンダブロック)に取り付けた状態で、この導入口E0が図示外のシリンダブロック側の開口部と連通し、当該導入口E0を介してシリンダブロック側から弁体収容部111に冷却水が導入されるようになっている。
また、弁体収容部111の周壁には、外部と弁体収容部111を連通する横断面ほぼ円形状となる複数の副連通口が、第1〜第3排出口E1〜E3として形成されている。換言すれば、弁体収容部111の周壁には、副連通口である第1〜第3排出口E1〜E3が、それぞれ径方向に沿って弁体収容部111に開口形成されている。この第1〜第3排出口E1〜E3には、対応する第1〜第3配管L1〜L3が接続されている(以下、第2排出口E2については、図2参照)。第1排出口E1は、第1配管L1を介して、例えばヒータHTに接続される。第2排出口E2は、第2配管L2を介して、例えばオイルクーラOCに接続される。第3排出口E3は、第3配管L3を介して、例えばラジエータRDに接続される。
ここで、第1〜第3排出口E1〜E3は、それぞれ第1ハウジング11の周壁上において異なる軸方向位置であって、かつ後述する第1〜第3シール部材S1〜S3が弁体3上においてそれぞれ隣接する軸方向位置に配置される第1〜第3開口部M1〜M3とオーバーラップ可能な軸方向間隔で配置されている。また、第1〜第3排出口E1〜E3は、それぞれ第1ハウジング11の周壁上において異なる周方向位置、具体的には、約90°ずつ位相をずらした位置に配置されている(図4参照)。
また、第1〜第3排出口E1〜E3の内周側には、当該各排出口E1〜E3と弁体3との間を気密にシールするシール機構が設けられている。このシール手段は、合成樹脂材料からなる円筒状の第1〜第3シール部材S1〜S3と、これら第1〜第3シール部材S1〜S3を弁体3側へ付勢する金属製の第1〜第3コイルスプリングSP1〜SP3と、から構成される。また、第1〜第3シール部材S1〜S3の外周側には、第1〜第3排出口E1〜E3と摺接可能な第1〜第3シールリングSR1〜SR3が取り付けられている。
第1〜第3シール部材S1〜S3は、所定のフッ素樹脂(本実施形態では、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン))により形成され、第1〜第3排出口E1〜E3の内周側に収容されて、それぞれ弁体3側へ向けて進退移動可能に設けられている。第1〜第3コイルスプリングSP1〜SP3は、第1〜第3シール部材S1〜S3と第1〜第3配管L1〜L3との間に所定のセット荷重をもって配置され、それぞれシール部材S1〜S3を弁体3側へ付勢する付勢部材である。
回転軸2は、一定外径の棒状を呈し、貫通孔60を貫通して弁体収容部111と減速機構収容部121とに跨って配置され、ボス部115の内周側に収容保持された軸受B1によって回転可能に支持される。また、回転軸2と貫通孔60との間は、弁体収容部111側から圧入される円筒状のシール部材70によって液密にシールされている。すなわち、このシール部材70により、貫通孔60を通じた、弁体収容部111内の冷却水の第2ハウジング12側への流出が抑止されている。さらに、シール部材70と軸受B1との間には、ダストシール20が配置されている。すなわち、このダストシール20により、減速機構収容部121内の粉塵が弁体収容部111側へと侵入することが抑制されている。これにより、貫通孔60とシール部材70との間における粉塵の噛み込みが抑制され、シール部材70が保護されている。
弁体3は、所定の硬質樹脂材料によって形成され、一定の外径を有する有底円筒状を呈し、他端側の開口部である導入部M0が導入口E0側へ臨むように設けられることで、内周側に形成される内部通路118に冷却水を導入可能となっている。そして、この弁体3は、軸方向の一端部が、当該一端部の内周側に埋設された金属製のインサート部材30を介して回転軸2に圧入固定される一方、導入口E0側へと臨む他端部が、導入口E0の内周側に保持される軸受B2によって回転可能に支持されている。
また、弁体3の周壁には、第1ハウジング11の第1〜第3排出口E1〜E3に対応する軸方向位置に、所定の回転位置(位相)において第1〜第3排出口E1〜E3と連通可能な第1〜第3開口部M1〜M3が、それぞれ径方向に沿って貫通形成されている。なお、第1〜第3開口部M1〜M3については、例えば真円や周方向に延びる長円など、弁体3の制御内容に応じた形状や数量に設定されている。
以上のように構成された制御弁CVは、第1開口部M1と第1排出口E1の少なくとも一部が重なる周方向位置に弁体3が制御されることによって、第1配管L1に冷却水を分配する。同様に、制御弁CVは、第2開口部M2と第2排出口E2の少なくとも一部が重なる周方向位置に弁体3が制御されることにより第2配管L2に冷却水を分配し、第3開口部M3と第3排出口E3の少なくとも一部が重なる周方向位置に弁体3が制御されることにより第3配管L3に冷却水を分配する。また、この冷却水の分配に際し、第1〜第3開口部M1〜M3と第1〜第3排出口E1〜E3との重なり具合(重なり合う面積)が変化することで、当該分配時の冷却水の流量が変化する。
図6は、図5に示す制御弁CVの要部を拡大して表示したであって、(a)はシール部材70の近傍を拡大して表示した図5の拡大断面図、(b)は同図(a)のB部をさらに拡大して表示した図5のB部拡大断面図を示している。なお、本図の説明では、弁体3の回転軸線Zに平行な方向を「軸方向」、弁体3の回転軸線Zに直交する方向を「径方向」、弁体3の回転軸線Z周りの方向を「周方向」として説明する。また、前記「軸方向」については、図6中の上方を「一端側」、下方を「他端側」として説明する。
図6(a)に示すように、第1ハウジング11の端壁113において軸方向に延びるように設けられたボス部115には、軸方向に沿って貫通する貫通孔60が形成されている。この貫通孔60は、軸方向の他端側である弁体収容部111側から内径が段差状に縮小する、いわゆる段差縮径状を呈し、軸方向の他端部に設けられた大径部61と、該大径部61から段差状に縮径する中径部62と、該中径部62からさらに段差状に縮径する小径部63と、を有する。換言すれば、貫通孔60は、弁体収容部111に開口し、内部にシール部材70を収容する大径部61と、減速機構収容部121に開口し、内部に軸受B1を収容する小径部63と、大径部61と小径部63との間に設けられ、内部にダストシール20を収容する中径部62と、で構成されている。
大径部61は、特に図6(b)に示すように、シール部材70に対して所定の締め代を有する一定の内径に形成された一般部611と、この一般部611よりも軸方向一端側に設けられ、一般部611に対し段差状に拡径する環状の凹部612と、を有する。一般部611は、シール部材70の外径、すなわちシール部材70における後述する外装部71の一般部711の外径よりも僅かに大きい外径に設定されていて、当該外装部71の一般部711に対して所定の締め代を有する。凹部612は、大径部61の内側面を一般部611よりも径方向の外側へ凹ませることによって形成され、その深さは、シール部材70の後述する膨出部715の膨出量(一般部711の外側面よりも径方向外側に膨出した量)と同等以上(本実施形態では、膨出部715の膨出量よりも大きい深さ)に設定されている。換言すれば、凹部612は、シール部材70の後述する膨出部715との圧接を回避又は抑制することで、シール部材70の圧入に伴って当該膨出部715から受ける押圧力の作用を抑制する。また、一般部611の軸方向他端部には、弁体収容部111側から減速機構収容部121側へ向かって内径が徐々に縮小するようなテーパ部613が形成されている。すなわち、このテーパ部613により、大径部61に対するシール部材70の圧入、特に後述する膨出部715の挿入が案内され、シール部材70の良好な圧入が確保されている。
シール部材70は、金属製の薄板を円筒状に形成してなる外装部71と、該外装部71の内側に設けられたシール本体72と、とを有する。そして、このシール部材70では、シール本体72の内径が、回転軸2の外径よりも僅かに小さく設定され、外装部71の外径が、大径部61の内径よりも僅かに大きく設定されている。また、このシール部材70のうち、軸方向他端部を第1端部X1とし、軸方向一端部を第2端部X2としたとき、当該シール部材70は、第2端部X2側から大径部61に対して弁体収容部111側から圧入される。すなわち、シール部材70は、軸方向において、第2端部X2が大径部61の凹部612とオーバーラップし、かつ第1端部X1が大径部61の外部(弁体収容部111)に臨むように配置される。また、シール部材70は、第2端部X2が、大径部61と中径部62の間に形成される段部64から若干離間した位置まで挿入され、第2端部X2(後述する曲折部712)と段部64との間には、貫通孔60とシール部材70とダストシール20とで画定される空間部Sが形成されている。
外装部71は、一定の外径に設定された一般部711と、該一般部711の軸方向一端部を内側へ折り曲げてなる曲折部712と、一般部711の軸方向他端部に径方向の外側へ突出形成された環状の凸部713と、を有する。曲折部712は、径方向内側に折り曲げられることで、外装部71の軸方向一端部に、端縁側に向かって外径が徐々に縮小するようなアール部714が形成されていて、このアール部714によって、大径部61に対するシール部材70の円滑な圧入が可能となっている。また、一般部711の軸方向一端部であって、曲折部712の外周側には、当該曲折部712の形成に伴って径方向外側へと湾曲するように膨出して一般部711よりも僅かに大きな外径を有する膨出部715が形成されている。この膨出部715は、大径部61内にシール部材70を圧入した状態で、軸方向において凹部612とオーバーラップし、この凹部612内に受容される。凸部713は、外装部71の軸方向他端部を径方向外側へ折り曲げることによって、外装部71の全周にわたって突出形成されている。すなわち、この凸部713は、大径部61の一般部611よりも大きな外径に形成されることで、大径部61に対するシール部材70の挿入量を規制し、当該大径部61に対するシール部材70の適切な挿入量の確保に供する。
シール本体72は、所定のゴム材料からなる円筒状を呈し、その中心部には、回転軸2が貫通する軸貫通孔721が、軸方向に沿って形成されている。すなわち、シール本体72は、外側面が外装部71の内側面に固定され、内側面(軸貫通孔721の内側面)が回転軸2に摺接可能に密着することで、外装部71の内側面と回転軸2の外側面との間を液密にシールする。
また、外装部71の外側面には、ラテックス及びPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を含有する所定の樹脂材料からなる帯状のシール素材73が、周方向に沿って設けられていて、当該シール素材73が、貫通孔60とシール部材70との間に介在する構成となっている。すなわち、このシール素材73は、内側面が外装部71の外側面に固定され、外側面が大径部61の内側面に密着することによって、外装部71の外側面と大径部61の内側面との間を液密にシールする。また、シール素材73は、軸方向におけるシール部材70の中央部よりも弁体収容部111の反対側、つまり膨出部715に隣接した一般部711の軸方向一端部に設けられる。このように、シール素材73を一般部711の軸方向一端部に配置して、軸方向においてシール素材73よりも弁体収容部111から離間する側(軸方向一端側)に凹部612が配置されることにより、シール素材73を通過して浸入した冷却水を凹部612内に貯留することを可能としている。
また、凹部612よりも軸方向一端側であって、大径部61の軸方向一端部には、大径部61(凹部612)の内部と第1ハウジング11の外部とを連通する連通孔65が、概ね径方向に沿って貫通形成されている。すなわち、この連通孔65は、内端部が、凹部612を含むシール部材70と段部64との間に画定される空間部Sに開口し、外端部が、第1ハウジング11の外部に開口している。これにより、弁体収容部111側から空間部S内に浸入した冷却水や、弁体収容部111側から浸入して凹部612に貯留されている冷却水が、ハウジング1の外部へと排出される。これにより、シール部材70の内周側を通過して空間部Sに浸入した冷却水や、シール素材73の外周側を通過して凹部612内に浸入した冷却水が、中径部62及び小径部63を介して減速機構収容部121内へと浸入することが抑制されている。その他、連通孔65は、貫通孔60を通じて減速機構収容部121と連通する結果、例えば電動モータ4の発熱等によって高温になった減速機構収容部121の内圧を減圧することにも供する。
(本実施形態の作用効果)
従来の制御弁によれば、ハウジング1が樹脂製であるため、貫通孔60の厳密な寸法管理、すなわちシール部材70に対する締め代の管理が困難であった。このため、シール部材70の製造誤差によっては、貫通孔60の内周面に対し、当該シール部材70を適切に圧入するのが困難であった。
また、とりわけ、シール部材70が、金属板を折り曲げることによって形成された外装部71を有する場合には、前述のように、曲折部712の外周側に、前記折り曲げに伴って、前記締め代を有する一般部711よりもさらに径方向の外側へと突出した膨出部715が形成されることになる。その結果、貫通孔60(大径部61)にシール部材70を圧入する際に、膨出部715が貫通孔60(大径部61)の内周面を押圧することで、貫通孔60が過度に変形するおそれがあった。
これに対し、本実施形態に係る制御弁では、以下の効果が奏せられることで、前記従来の制御弁の課題を解決することができる。
すなわち、制御弁CVは、自動車の機関(本実施形態ではエンジンEG)の冷却回路に設けられる制御弁であって、回転軸2と、回転軸2に接続された弁体3と、樹脂材料で形成されるハウジングであって、弁体収容部111と、主連通口に相当する導入口E0と、複数の副連通口に相当する第1〜第3排出口E1〜E3と、貫通孔60と、凹部612と、を有し、弁体収容部111は、弁体3を収容し、導入口E0は、回転軸2の回転軸線Zに沿う軸方向において弁体収容部111に開口し、第1〜第3排出口E1〜E3は、回転軸線Zに対する径方向において弁体収容部111に開口し、貫通孔60は、導入口E0が開口した方向と反対側の方向において弁体収容部111に開口し、回転軸2が挿入され、凹部612は、貫通孔60の内周面であって前記軸方向における弁体収容部111と反対側の端部に設けられ、前記径方向に凹んでいる、ハウジング1と、弁体収容部111側から貫通孔60へと圧入されるシール部材であって、前記軸方向において弁体収容部111側に設けられた第1端部X1と、第1端部X1とは反対側に設けられた第2端部X2と、を有し、第2端部X2が前記軸方向において凹部612とオーバーラップするように配置されたシール部材70と、を備えている。
このように、本実施形態に係る制御弁CVでは、貫通孔60の内周面のうち軸方向においてシール部材70の第2端部X2とオーバーラップする箇所に、径方向に凹む凹部612が設けられている。すなわち、凹部612が設けられていることで、貫通孔60の剛性が低下し、シール部材70を圧入した際に、貫通孔60の変形(ハウジング1を構成する樹脂材料の弾性に基づく変形)を促進することが可能となる。これにより、シール部材70が圧入保持される貫通孔60の寸法管理を容易化することができる。
また、本実施形態では、シール部材70は、金属板を折り曲げることにより形成された外装部71を有し、外装部71は、前記軸方向の端部に、前記折り曲げに伴い前記径方向の外側へ膨出するように形成される膨出部715を有する。
このように、本実施形態では、シール部材70の第2端部X2に形成される膨出部715が、軸方向において、凹部612とオーバーラップするように構成されている。これにより、膨出部715が凹部612に受容されて、貫通孔60の内周面に対する当該膨出部715による押圧(圧接)を抑制することができる。その結果、金属板を折り曲げることで外装部71に膨出部715が形成されたシール部材70を使用する場合でも、シール部材70を貫通孔60に容易に配置することができる。
また、本実施形態では、ハウジング1は、ハウジング1の外部と凹部612とを連通する連通孔65を有する。
このように、本実施形態では、ハウジング1に、当該ハウジング1の外部と凹部612とを連通する連通孔65が設けられている。このため、弁体収容部111側から貫通孔60内に冷却水が浸入してしまった場合でも、当該連通孔65を介して、貫通孔60内の冷却水を外部に排出させることができる。
特に、本実施形態ように、貫通孔60を通じて弁体収容部111と減速機構収容部121とが連通する場合、連通孔65を介して冷却水を排出させることにより、弁体収容部111側から貫通孔60に浸入した冷却水の減速機構収容部121内への浸入を抑制することができる。その結果、冷却水の浸入による減速機構5(第1、第2歯車G1,G2)の錆の発生が抑制され、制御弁CVの耐久性を向上させることができる。
また、本実施形態では、前記径方向における貫通孔60とシール部材70との間に、シール素材73が設けられている。
このように、本実施形態では、貫通孔60とシール部材70との径方向間に、シール素材73を介在させているため、このシール素材73によって、貫通孔60とシール部材70との径方向間を通過する冷却水の浸入を、より効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、連通孔65は、凹部612のうち、前記軸方向におけるシール素材73よりも弁体収容部111から離間する側に、開口形成されている。
このように、本実施形態では、連通孔65が、凹部612のうちシール素材73よりも弁体収容部111から離間する側に設けられている。これにより、シール素材73を通過して浸入した冷却水を、連通孔65により直接排出せず、凹部612に貯留させることができる。その結果、冷却水の外部への排出量を必要最小限に抑えることが可能となり、例えばエンジンルームの汚損等を抑制することができる。
また、本実施形態では、貫通孔60に対し、シール部材70の外径が大きく設定されている。
このように、本実施形態では、シール部材70の外径が貫通孔60の内径よりも大きく設定されていることで、シール部材70の圧入の際に、シール素材73が削られて、シール部材70の進入方向の反対側、つまり弁体収容部111側に延びることになる。これにより、シール部材70の外側面における軸方向の広い範囲にわたって、貫通孔60の内周面との間にシール素材73が介在することになる。これにより、シール素材73のシール性を向上させることができ、弁体収容部111側からの冷却水の浸入を、より効果的に抑制することができる。
また、上述のようにシール部材70の外径を貫通孔60の内径よりも大きく設定するほか、貫通孔60に対し、シール部材70の外径が小さく、かつシール素材73の外径が大きく設定されていてもよい。
このように、シール部材70の外径が貫通孔60の内径よりも小さく、かつシール素材73の外径が貫通孔60の内径よりも大きく設定されていることで、シール部材70の圧入に伴い貫通孔60に対して作用する押圧力をシール素材73の弾性によって吸収することができる。これにより、シール部材70の圧入に伴い貫通孔60に対して作用する押圧力が低減され、貫通孔60の過度な変形を抑制することができる。
また、本実施形態では、シール素材73は、ラテックスを含有する。
このように、本実施形態では、シール素材73がラテックスを含有することにより、高い弾性を有し、シール性を向上させることができる。
また、本実施形態では、シール素材73は、ポリテトラフルオロエチレンを含有する。
このように、本実施形態では、シール素材73がPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を含有することにより、シール部材70の圧入時における摩擦が低減され、当該シール部材70の圧入作業性を向上させることができる。
また、本実施形態では、シール素材73は、前記軸方向において、シール部材70の中央部よりも弁体収容部111の反対側に配置されている。
このように、本実施形態では、シール素材73が、シール部材70の軸方向中央部よりも弁体収容部111の反対側、つまりシール部材70の進入方向の反対側に設けられている。これにより、シール部材70の圧入の際に削られたシール素材73が、シール部材70の進入方向の反対側に向かって延びることになる。換言すれば、シール部材70の外側面において、軸方向の広い範囲にわたって、貫通孔60の内周面との間にシール素材73が介在することになる。その結果、シール素材73のシール性の向上が図れ、弁体収容部111側からの冷却水の浸入を、より効果的に抑制することができる。
〔第2実施形態〕
図7は、本発明に係る制御弁の第2実施形態を示し、前記第1実施形態に対して、シール素材73の配置を変更したものである。なお、かかる変更点以外の基本的な構成については、前記第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すことによって、その説明を省略する。
図7は、本実施形態に係る制御弁CV2の要部を拡大して表示した制御弁CV2の縦断面図であって、(a)はシール部材70の近傍を拡大して表示した、図6(a)に相当する拡大断面図、(b)は同図(a)のC部をさらに拡大して表示した、図6(b)に相当する要部拡大断面図を示している。なお、本図の説明では、弁体3の回転軸線Zに平行な方向を「軸方向」、弁体3の回転軸線Zに直交する方向を「径方向」、弁体3の回転軸線Z周りの方向を「周方向」として説明する。
図7に示すように、本実施形態に係る制御弁CV2では、シール素材73が、軸方向において、シール部材70の外周部の大部分を覆っている。具体的には、シール部材70の外周部のうち、外装部71の一般部711の軸方向の全域にわたって、シール素材73が配置されている。換言すれば、シール素材73が、外装部71の一般部711において、膨出部715よりも第1端部X1側に隣接する軸方向端部から凸部713よりも第2端部X2側に隣接する軸方向端部の軸方向範囲に設けられている。
以上のように、シール素材73によって、シール部材70の外周部における軸方向範囲の大部分を覆うことによって、シール部材70の外側面において、軸方向の広い範囲にわたって、貫通孔60の内周面との間にシール素材73が介在することになる。これにより、シール部材70の圧入に伴い貫通孔60に対して作用する押圧力が軸方向の広範囲にわたって吸収され、シール部材70が圧入される貫通孔60の寸法管理をさらに容易化できる。その結果、シール部材70を貫通孔60に一層容易に配置することができる。
〔第3実施形態〕
図8は、本発明に係る制御弁の第3実施形態を示し、前記第1実施形態に対して、貫通孔60(大径部61)の形態、及びシール部材70の外装部71の形態を変更したものである。なお、かかる変更点以外の基本的な構成については、前記第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すことによって、その説明を省略する。
図8は、本実施形態に係る制御弁CV3の要部を拡大して表示した制御弁CV3の縦断面図であって、(a)はシール部材70の近傍を拡大して表示した、図6(a)に相当する拡大断面図、(b)は同図(a)のD部をさらに拡大して表示した、図6(b)に相当する要部拡大断面図を示している。なお、本図の説明では、弁体3の回転軸線Zに平行な方向を「軸方向」、弁体3の回転軸線Zに直交する方向を「径方向」、弁体3の回転軸線Z周りの方向を「周方向」として説明する。また、前記「軸方向」については、図8中の上方を「一端側」、下方を「他端側」として説明する。
図8に示すように、本実施形態に係る制御弁CV3では、シール部材70の外装部71において、一般部711が、軸方向の一端側から他端側に向かって、つまり膨出部715側から凸部713側に向かって徐々に拡大するような、円錐テーパ状に形成されている。換言すれば、制御弁CV3は、シール部材70の外装部71の一般部711について、厚さは均一であって、かつ内径及び外径が膨出部715側から凸部713側に向かって徐々に大きくなる、いわゆるラッパ状のテーパ部716として構成されている。
なお、かかるテーパ部716の構成に伴い、シール本体72の外径についても、当該テーパ部716の内周面に沿うように、軸方向の一端側から他端側に向かって、つまり膨出部715側から凸部713側に向かって徐々に拡大するような、円錐テーパ状に形成されている。すなわち、かかる円錐テーパ形状によって、シール本体72の外周面が、外装部71の内周面に密着可能となっている。
また、本実施形態では、貫通孔60の大径部61の内周面のうち軸方向の他端側、つまり軸方向においてシール部材70の第1端部X1とオーバーラップする箇所に、径方向の外側へ凹む第2凹部614が形成されている。この第2凹部614は、大径部61の一般部611において、シール素材73よりも軸方向他端側、つまり弁体収容部111側の範囲に、連続して形成されている。すなわち、第2凹部614により、シール部材70のテーパ部716との干渉が抑制されている。なお、第2凹部614は、貫通孔60(大径部61)の軸方向他端側から形成され、内端部(軸方向の一端部)には、第2凹部614の深さが徐々に浅くなるテーパ状段部615が形成されている。
以上のように、本実施形態では、貫通孔60の内周面に、前記軸方向においてシール部材70の第1端部X1とオーバーラップする第2凹部614が設けられている。
このように、本実施形態では、凹部612に加えて、該凹部612と反対側の軸方向端部に第2凹部614が設けられていることで、貫通孔60の剛性をさらに低下させることができ、シール部材70を圧入した際の貫通孔60の変形を一層促進することが可能となる。これにより、シール部材70が圧入される貫通孔60の寸法管理をさらに容易化でき、シール部材70を貫通孔60に一層容易に配置することができる。
本発明に係る制御弁は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の作用効果を奏し得る形態であれば、適用する機関の仕様等に応じて自由に変更可能である。
特に、前記実施形態では、制御弁の適用の一例として、冷却水の循環系に適用したものを例示したが、当該制御弁は、冷却水のみならず、例えば潤滑油など様々な流体について適用可能であることは言うまでもない。
また、前記実施形態では、本発明に係る連通部として、導入口E0のほか、第1〜第3排出口E1〜E3からなる3つの開口部を設けた態様を例示したが、排出口については、少なくとも1つ設けられていればよく、第1〜第3排出口E1〜E3の3つに限定されるものではない。
以上説明した実施形態に基づく制御弁としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
すなわち、当該制御弁は、その1つの態様において、自動車の機関の冷却回路に設けられる制御弁であって、回転軸と、前記回転軸に接続された弁体と、樹脂材料で形成されるハウジングであって、弁体収容部と、主連通口と、複数の副連通口と、貫通孔と、凹部と、を有し、前記弁体収容部は、前記弁体を収容し、前記主連通口は、前記回転軸の回転軸線に沿う軸方向において前記弁体収容部に開口し、前記複数の副連通口は、前記回転軸線に対する径方向において前記弁体収容部に開口し、前記貫通孔は、前記主連通口が開口した方向と反対側の方向において前記弁体収容部に開口し、前記回転軸が挿入され、前記凹部は、前記貫通孔の内周面であって前記軸方向における前記弁体収容部と反対側の端部に設けられ、前記径方向に凹んでいる、記ハウジングと、前記弁体収容部側から前記貫通孔へと圧入されるシール部材であって、前記軸方向において前記弁体収容部側に設けられた第1端部と、前記第1端部とは反対側に設けられた第2端部と、を有し、前記第2端部が前記軸方向において前記凹部とオーバーラップするように配置された前記シール部材と、を備えている。
前記制御弁の好ましい態様において、前記シール部材は、金属板を折り曲げることにより形成された外装部を有し、前記外装部は、前記軸方向の端部に、前記折り曲げに伴い前記径方向の外側へ膨出するように形成される膨出部を有する。
別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記ハウジングは、前記ハウジングの外部と前記凹部とを連通する連通孔を有する。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記径方向における前記貫通孔と前記シール部材との間に、シール素材が設けられている。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記連通孔は、前記凹部のうち、前記軸方向における前記シール素材よりも前記弁体収容部から離間する側に、開口形成されている。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記貫通孔に対し、前記シール部材の外径が大きく設定されている。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記貫通孔に対し、前記シール部材の外径が小さく、かつ前記シール素材の外径が大きく設定されている。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記シール素材は、ラテックスを含有する。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記シール素材は、ポリテトラフルオロエチレンを含有する。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記シール素材は、前記軸方向において、前記シール部材の中央部よりも前記弁体収容部の反対側に配置されている。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記シール素材は、前記軸方向において、前記シール部材の外周部の大部分を覆っている。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記貫通孔の内周面に、前記軸方向において前記シール部材の前記第1端部とオーバーラップする第2凹部が設けられている。