JP2019163466A - 熱安定なリグニン画分の調製の方法 - Google Patents

熱安定なリグニン画分の調製の方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工業的手段により適用することができる方法で高純度リグニンの熱的に安定した画分を調製すること。【解決手段】本発明は、高純度リグニンを安定している画分に分画する方法を提供する。本発明は、さらに均一な構造の合成ポリマーに通常適用される方法でリグニン画分の安定性を評価するための方式をさらに提供する。本発明は、バイオマスから高純度リグニンを抽出し、これを明らかに異なるおよび安定した高純度リグニン画分に分画するための全プロセスをさらに提供する。本発明はまた、DIN53765−1994による示差走査熱量測定法を使用して判定した、安定したガラス転移温度を有するリグニン組成物を提供する。一部の実施形態では、第1のサイクルのガラス転移と、第2のサイクルのガラス転移との間の温度差は5℃未満である。【選択図】なし

Description

相互参照
本出願は、2013年5月3日に出願された米国仮特許出願第61/819,485号および2014年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/953,572号の、35USC§119(e)の下での利益を主張し、それぞれはその全体が本明細書に参照により援用される。
参照による援用
本明細書に記述されているすべての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれ個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により援用されているのがあたかも具体的および個別に示されているのと同程度に本明細書中に参照により援用されている。
技術分野
本発明は、リグニンを安定したリグニン画分に分画するための方法、およびその使用に関する。
バイオマスから抽出することができる極めて豊富な天然ポリマーであるリグニンは、様々な用途に対して、および石油化学製品を代替する化学薬品原料として好ましいポリマーである。リグニンの工業用利用は、その変わりやすい性質、機能性、反応性、および異質性を考慮すると困難である。サイズ、組成および反応性のばらつきを減らした、安定した画分へリグニンを分画することが望ましい。限外濾過法およびナノ濾過膜を使用した膜濾過によるリグニンの分画は、分画されている間に変化するリグニンの不安定な画分をもたらし、したがって効果がない。また、サイズによるリグニンのクロマトグラフィーは、実験的手順に依存し、優れた基準および適した検出器がないことがよく知られており、絶対的というよりむしろ相対的と見なされるべきであるため、得た画分を信頼できる方法により特徴付けることは難題である。
工業的手段により適用することができる方法で高純度リグニンの熱的に安定した画分を調製することが本発明の目的である。
本発明は、高純度リグニンを安定している画分に分画する方法を提供する。本発明は、さらに均一な構造の合成ポリマーに通常適用される方法でリグニン画分の安定性を評価するための方式をさらに提供する。本発明は、バイオマスから高純度リグニンを抽出し、これを明らかに異なるおよび安定した高純度リグニン画分に分画するための全プロセスをさらに提供する。
本発明はまた、DIN53765−1994による示差走査熱量測定法を使用して判定した、安定したガラス転移温度を有するリグニン組成物を提供する。一部の実施形態では、第1のサイクルのガラス転移と、第2のサイクルのガラス転移との間の温度差は5℃未満である。
本発明は、バイオマスから高純度リグニンを生成する方法をさらに提供する。本方法は、(i)バイオマスからヘミセルロース糖を除去することによって、リグニン含有残留物を得るステップであって、リグニン含有残留物がリグニンおよびセルロースを含む、ステップと、(ii)リグニン含有残留物をリグニン抽出溶液と接触させて、リグニン抽出物およびセルロース系残留物を生成するステップであって、リグニン抽出溶液が限定溶解度の溶媒、有機酸、および水を含み、限定溶解度の溶媒および水が有機相および水相を形成する、ステップと、(iii)セルロース系残留物からリグニン抽出物を分離するステップであって、リグニン抽出物が限定溶解度の溶媒中に溶解したリグニンを含む、ステップとを含む。任意選択で、ヘミセルロース糖の除去は、実質量のセルロース系糖を除去しない。任意選択で、リグニン抽出溶液中の限定溶解度の溶媒および水は、約1:1の比率である。一部の実施形態では、本方法は、セルロース系残留物を精製してセルロースパルプを得ることをさらに含む。任意選択で、セルロースパルプは、10重量/重量%までの量のリグニンを含む。任意選択で、セルロースパルプは、7重量/重量%までの量のリグニンを含む。一部の実施形態では、本方法は、リグニン抽出物を強酸カチオン交換体と接触させて、残存カチオンを除去することによって、精製されたリグニン抽出物を得ることをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、限定溶解度の溶媒をリグニン抽出物から分離することによって、高純度リグニンを得ることをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、限定溶解度の溶媒をリグニンから蒸発させることをさらに含む。任意選択で、蒸発は噴霧乾燥を含む。
i)DIN53765−1994による示差走査熱量測定法(DSC)を使用して判定した場合、160℃より上または90℃より下のガラス転移温度(Tg);ii)同じリグニン部分の複数の示差走査熱量測定(DSC)作業により判定した場合、一貫したガラス転移温度(Tg);iii)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した場合、10,000Da超の質量平均モル質量(M);iv)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、6,200Da超の数平均モル質量(M);v)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、2,500Da未満の質量平均モル質量(M);vi)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、1,000Da未満の数平均モル質量(M);vii)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、7.00未満の多分散性;viii)式C(式中、Xは12未満であり、Yは3.5未満である);ix)NMRで判定した場合、0.8未満の縮合度;x)NMRで判定した場合、メトキシル含有量(#/アリール基)が1.4未満である;xi)0.6未満の脂肪族結合(β−O−4‘)(#/アリール基);xii)1.6:2.3:2.1または1.6:2.2:2.2である、芳香族C−O:芳香族C−C:芳香族C−H(#/アリール基)の比率;xiii)芳香族C−O結合の量(#/アリール基)が2.1未満である;xiv)元素分析で測定した場合、61質量%超の炭素、27質量%未満の酸素、および0.5質量%未満の窒素である元素組成;xv)マーカー分子を少なくとも100ppbの濃度で含む固体リグニン組成物;xvi)クラフトリグニン中に見出される、0.1倍未満の揮発性硫黄化合物;xvii)0.5%未満の灰分含有量;xviii)0.1%未満の灰分含有量;xix)700PPM未満の硫黄含有量;xx)100PPM未満のリン含有量;xxi)0.5%未満の可溶性炭水化物含有量;xxii)有機溶媒に実質的に可溶である;ならびにxxiii)有機溶媒に実質的に可溶である、からなる群から選択される、少なくとも1つの特徴により特徴付けられる(乾物ベースで)リグニン組成物がさらに提供される。一部の実施形態では、リグニンは、前記群からの前記特徴の少なくとも3つにより特徴付けられる。一部の実施形態では、リグニンは、前記群からの前記特徴の少なくとも5つにより特徴付けられる。一部の実施形態では、リグニンは、前記群からの前記特徴の少なくとも8つにより特徴付けられる。一部の実施形態では、リグニンは、前記群からの前記特徴の少なくとも10により特徴付けられる。一部の実施形態では、リグニンは、前記群からの前記特徴の少なくとも12により特徴付けられる。一部の実施形態では、リグニンは、前記群からの前記特徴の少なくとも14により特徴付けられる。一部の実施形態では、リグニンは、前記群からの前記特徴の少なくとも16により特徴付けられる。一部の実施形態では、リグニンは、前記群からの前記特徴の少なくとも18により特徴付けられる。一部の実施形態では、リグニンは、前記群からの前記特徴の少なくとも19により特徴付けられる。一部の実施形態では、リグニンは以下からなる群から選択される16またはそれ超の特徴により特徴付けられる(乾物ベースで):i)DIN53765−1994による示差走査熱量測定法(DSC)を使用して判定した場合、160℃より上のガラス転移温度(Tg);ii)同じリグニン部分の複数の示差走査熱量測定(DSC)作業により判定した場合、一貫したガラス転移温度(Tg);iii)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、10,000Da超の質量平均モル質量(M);iv)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、6,200Da超の数平均モル質量(M);v)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、7.00未満の多分散性;vi)式C(式中、Xは12未満であり、Yは3.5未満である);vii)NMRで判定した場合、0.8未満の縮合度;viii)NMRで判定した場合、メトキシル含有量(#/アリール基)が1.4未満である;ix)0.6未満の脂肪族結合(β−O−4‘)(#/アリール基);x)1.6:2.2:2.2である芳香族C−O:芳香族C−C:芳香族C−H(#/アリール基)の比率;xi)芳香族C−O結合の量(#/アリール基)が2.1未満である;xii)元素分析で測定した場合、61質量%超の炭素、27質量%未満の酸素、および0.5質量%未満の窒素である元素組成;xiii)マーカー分子を少なくとも100ppbの濃度で含む固体リグニン組成物;xiv)クラフトリグニン中に見出される、0.1倍未満の揮発性硫黄化合物;xv)0.5%未満の灰分含有量;xvi)700PPM未満の硫黄含有量;xvii)100PPM未満のリン含有量;xviii)0.5%未満の可溶性炭水化物含有量;xix)有機溶媒に実質的に不溶である。一部の実施形態では、リグニンは以下からなる群から選択される16またはそれ超の特徴により特徴付けられる(乾物ベースで):i)DIN53765−1994による示差走査熱量測定法(DSC)を使用して判定した場合、90℃より下のガラス転移温度(Tg);ii)同じリグニン部分の複数の示差走査熱量測定(DSC)作業により判定した場合、一貫したガラス転移温度(Tg);iii)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、2,500Da未満の質量平均モル質量(M);iv)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、1,000Da未満の数平均モル質量(M);v)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、7.00未満の多分散性;vi)式C(式中、Xは12未満であり、Yは3.5未満である);vii)NMRで判定した場合、0.8未満の縮合度;viii)NMRで判定した場合、メトキシル含有量(#/アリール基)が1.4未満である;ix)0.6未満の脂肪族結合(β−O−4‘)(#/アリール基);x)1.6:2.2:2.2である、芳香族C−O:芳香族C−C:芳香族C−H(#/アリール基)の比率;xi)芳香族C−O結合の量(#/アリール基)が2.1未満である;xii)元素分析で測定した場合、61質量%超の炭素、27質量%未満の酸素、および0.5質量%未満の窒素である元素組成;xiii)マーカー分子を少なくとも100ppbの濃度で含む固体リグニン組成物;xiv)クラフトリグニン中に見出される、0.1倍未満の揮発性硫黄化合物;xv)0.5%未満の灰分含有量;xvi)700PPM未満の硫黄含有量;xvii)100PPM未満のリン含有量;xviii)0.5%未満の可溶性炭水化物含有量;xix)有機溶媒に実質的に可溶である。本明細書に記載されているリグニンの一部の実施形態では、リグニンは、DIN53765−1994による示差走査熱量測定法を使用して判定した160℃より上のガラス転移温度を有する。本明細書に記載されているリグニンの一部の実施形態では、リグニンは、DIN53765−1994による示差走査熱量測定法を使用して判定した場合、190℃より上のガラス転移温度を有する。本明細書に記載されているリグニンの一部の実施形態では、リグニンは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、10,000Da超の質量平均モル質量(M);およびゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、6,200Da超の数平均モル質量(M)を有する。本明細書に記載されているリグニンの一部の実施形態では、リグニンは、DIN53765−1994による示差走査熱量測定法を使用した判定した100℃より下のガラス転移温度を有する。本明細書に記載されているリグニンの一部の実施形態では、リグニンは、DIN53765−1994による示差走査熱量測定法を使用して判定した90℃より下のガラス転移温度を有する。本明細書に記載されているリグニンの一部の実施形態では、リグニンは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、2,500Da未満の質量平均モル質量(M);およびゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、1,000Da未満の数平均モル質量(M)を有する。本明細書に記載されているリグニンの一部の実施形態では、DIN53765−1994による、同じリグニン部分の2つの連続した示差走査熱量測定(DSC)作業により一貫したガラス転移温度(Tg)が判定され、第1のDSC作業中に第1のTgが測定され、第2のDSC作業中に第2のTgが測定され、第1のTgと第2のTgとの間の差は10℃未満である。本明細書に記載されている組成物の一部の実施形態では、第1のTgと第2のTgとの間の差は5℃未満である。
本明細書に記載されているリグニン組成物の一部の実施形態では、ある量の有機溶媒の存在下、室温で2時間、第1の量のリグニンを撹拌して、第2の量の可溶化したリグニンおよび第3の量の不溶性リグニンを形成する場合、リグニンは実質的に可溶性であり、リグニンの第2の量と第3の量との比率が、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.2、2.4、2.6、3、4、5、6、7、8、9、10、または20対1(wt/wt)超であり、有機溶媒の量と第1の量のリグニンとの比率が5:1(wt/wt)である。
本明細書に記載されているリグニン組成物の一部の実施形態では、ある量の有機溶媒の存在下、室温で2時間、第1の量のリグニンを撹拌して、第2の量の可溶化したリグニンおよび第3の量の不溶性リグニンを形成する場合、リグニンは実質的に可溶性であり、第1の量のリグニンの95、90、85、80、75、70、65、60、55、または50%超が有機溶媒中に溶解し、有機溶媒の量と第1の量のリグニンとの比率が5:1(wt/wt)である。
本明細書に記載されているリグニン組成物の一部の実施形態では、ある量の有機溶媒の存在下、室温で2時間、第1の量のリグニンをかき混ぜ、第2の量の可溶化したリグニンおよび第3の量の不溶性リグニンを形成する場合、リグニンは実質的に不溶性であり、リグニンの第3の量と第2の量との比率が、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.2、2.4、2.6、3、4、5、6、7、8、9、10、または20対1(wt/wt)超であり、有機溶媒の量と第1の量のリグニンとの比率が5:1(wt/wt)である。
本明細書に記載されているリグニン組成物の一部の実施形態では、ある量の有機溶媒の存在下、室温で2時間、第1の量のリグニンをかき混ぜ、第2の量の可溶化したリグニンおよび第3の量の不溶性リグニンを形成する場合、リグニンは実質的に不溶性であり、第1の量のリグニンの95、90、85、80、75、70、65、60、55、または50%超が有機溶媒中に溶解せず、有機溶媒の量と第1の量のリグニンとの比率が5:1(wt/wt)である。
一部の実施形態では、マーカー分子は、イソプロパノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ジクロロメタン、ヘキサノール、フルフラール、ヒドロキシ−メチルフルフラール、2,3,5トリメチルフラン、p−ヒドロキシフェノキシ酢酸、4−ヒドロキシ−3,5,−ジメトキシフェニル)酢酸、メチルエチルケトン、メチルプロペニルケトン、3−(2−フリル)−3−ペンテン−2−オン、3−メチル−2−ペンテン−4−オン、3,4−ジメチル−4−ヘキセン−オン、5−エチル−5−ヘキセン−3−オン、5−メチル−4−ヘプテン−3−オン、o−ヒドロキシアニソール、3−エチル−4−メチル−3−ペンテン−2−オン、3,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメチルアセトフェノン、1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロパン、メタノール、ガラクツロン酸(galcturonic acid)、デヒドロアビエチン酸、グリセロール、脂肪酸および樹脂酸からなる群から選択される。一部の実施形態では、有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ジクロロメタンおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される。50、40、30、20、10、5、または1wt/wt%までの、本明細書に記載されている少なくとも1種のリグニン組成物を含む組成物がさらに提供される。一部の実施形態では、組成物は、ポリマー、1種または複数の汎用化学製品の前駆体、汎用化学製品、または消費物資である。一部の実施形態では、組成物は、ガソリンまたはディーゼル燃料中の燃料添加剤、炭素繊維、炭素繊維生産用材料、アスファルト、バイオポリマーの構成部分、油井掘削用添加剤、コンクリート添加剤、染料分散剤、農薬、動物飼料、工業用結合剤、製紙業界用特殊ポリマー、貴金属回収助剤、木材防腐剤用材料、無硫黄リグニン製品、自動車ブレーキ、木製パネル製品、バイオ分散剤、ポリウレタンフォーム、エポキシ樹脂、プリント基板、乳化剤、捕捉剤、水処理製剤、壁材用補強剤、接着剤、およびバニリン、キシリトール、パラクマリル、コニフェリル、シナピルアルコール、ベンゼン、キシレン、またはトルエンの生産用材料からなる群から選択される。
別の態様では、本発明は、i)固体リグニンを含む試料を有機溶媒と接触させて、結果として得られる二相性の混合物を形成するステップであって、混合物が、a)リグニンの第1の画分を含む溶媒に不溶な(SI)画分と指定された残留物固体と、b)溶媒およびリグニンの第2の画分を含む液体溶液であり、第2の画分が、溶媒に可溶な(SS)リグニン画分と指定された液体溶液とを含む、含むステップと、ii)(SI)リグニン画分を(SS)リグニン画分から空間的に分離するステップとを含み、リグニンの第1の画分およびリグニンの第2の画分が、異なるガラス転移温度を有する、リグニンを分画するための方法である。
バイオマスから高純度リグニンを生成するための方法であって、(i)バイオマスからヘミセルロース糖を除去することによって、リグニン含有残留物を得るステップであり、リグニン含有残留物がリグニンおよびセルロースを含む、ステップと、(ii)リグニン含有残留物をリグニン抽出溶液と接触させて、リグニン抽出物およびセルロース系残留物を生成するステップであり、リグニン抽出溶液が、限定溶解度の溶媒、有機酸、および水を含み、限定溶解度の溶媒および水が有機相および水相を形成する、ステップと、(iii)セルロース系残留物からリグニン抽出物を分離するステップであり、リグニン抽出物が限定溶解度の溶媒に溶解したリグニンを含み、以下の1つ、2つ、3つまたは4つの追加のステップ:(iv)リグニン抽出物を蒸留またはフラッシュ蒸発させることによって、リグニン抽出物から限定溶解度の溶媒の大部分を除去して、固体リグニンを得るステップ;(v)固体リグニンを加熱することによって、固体リグニンから微量の限定溶解度の溶媒または水を除去するステップ;(vi)固体リグニンに真空を適用させることによって、固体リグニンから微量の限定溶解度の溶媒または水を除去するステップ;ならびに(vii)固体リグニンを含む試料を有機溶媒と接触させて、結果として得られる二相性の混合物を形成するステップであり、混合物が、a)リグニンの第1の画分を含む溶媒に不溶な(SI)画分と指定された残留物固体と、b)溶媒およびリグニンの第2の画分を含む液体溶液で、第2の画分が、溶媒に可溶な(SS)リグニン画分と指定された液体溶液とを含む、ステップをさらに含む、ステップと、ii)(SI)リグニン画分を(SS)リグニン画分から空間的に分離するステップとを含み、リグニンの第1の画分およびリグニンの第2の画分が、異なるガラス転移温度を有する、方法がさらに提供される。本明細書で開示されている方法の一部の実施形態では、溶媒は、5個までの炭素原子および少なくとも1個のヘテロ原子を有する少なくとも1個の有機分子を含み、接触は20〜50℃で1〜10時間生じ、空間的分離は、不溶性リグニンからの溶媒の濾過またはデカンテーションを含み、(iii)(SS)リグニン画分から溶媒を蒸発させるステップと、(iv)各画分を乾燥させて、乾燥固体の(SS)リグニン画分および乾燥固体の(SI)リグニン画分を得るステップとをさらに含み、2種の乾燥固体のリグニン画分は、GPCで判定した場合異なる分子量、および異なる一貫したガラス転移温度を有する。本明細書で開示されている方法の一部の実施形態では、リグニン画分の少なくとも1つは、DIN53765−1994による、単一日の同じリグニン部分の2つの示差走査熱量測定(DSC)作業で判定した場合、一貫したガラス転移温度(Tg)を有し、第1のTgが第1のDSC作業中に測定され、第2のTgが第2のDSC作業中に測定され、第1のTgと第2のTgとの間の差が5℃未満である。一部の実施形態では、(SS)リグニン画分は、(SI)リグニン画分と異なる一貫したガラス転移温度を有する。一部の実施形態では、溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ジクロロメタン、およびこれらの任意の混合物からなる群から選択される。
(i)本明細書に記載されているリグニン組成物を準備するステップと、(ii)組成物中の少なくとも一部分のリグニンを変換製品に変換するステップとを含む方法もまた提供される。一部の実施形態では、変換するステップは、水素または水素供与体で処理するステップを含む。一部の実施形態では、変換製品は、バイオオイル、カルボン酸および脂肪酸、ジカルボン酸、ヒドロキシル−カルボン酸、ヒドロキシルジカルボン酸およびヒドロキシル−脂肪酸、メチルグリオキサール、モノアルコール、ジアルコールまたはポリアルコール、アルカン、アルケン、芳香族、アルデヒド、ケトン、エステル、フェノール、ベンゼン、トルエン、ならびにキシレンからなる群から選択される、少なくとも1つのアイテムを含む汎用化学製品を含む。一部の実施形態では、変換製品は、分散剤、乳化剤、錯化剤、綿状凝集剤、塊状凝集剤、ペレット化添加剤、樹脂、炭素繊維、活性炭素、抗酸化剤、液体燃料、芳香族化学薬品、バニリン、接着剤、結合剤、吸収剤、毒素結合剤、発泡剤、コーティング、フィルム、ゴムおよびエラストマー、捕捉剤、燃料、および増量剤からなる群から選択される。一部の実施形態では、変換製品は、燃料または燃料成分を含む。
例えば、本発明は以下を提供する。
(項目1)
i)DIN53765−1994による示差走査熱量測定法(DSC)を使用して判定した場合、160℃より上または90℃より下のガラス転移温度(Tg);
ii)同じリグニン部分の複数の示差走査熱量測定(DSC)作業により判定した場合、一貫したガラス転移温度(Tg);
iii)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した場合、10,000Da超の質量平均モル質量(M);
iv)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、6,200Da超の数平均モル質量(M);
v)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、2,500Da未満の質量平均モル質量(M);
vi)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、1,000Da未満の数平均モル質量(M);
vii)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、7.00未満の多分散性;
viii)式C(式中、Xは12未満であり、Yは3.5未満である);
ix)NMRで判定した場合、0.8未満の縮合度;
x)NMRで判定した場合、メトキシル含有量(#/アリール基)が1.4未満である;xi)0.6未満の脂肪族結合(β−O−4‘)(#/アリール基);
xii)1.6:2.3:2.1または1.6:2.2:2.2である、芳香族C−O:芳香族C−C:芳香族C−H(#/アリール基)の比率;
xiii)芳香族C−O結合の量(#/アリール基)が2.1未満である;
xiv)元素分析で測定した場合、61質量%超の炭素、27質量%未満の酸素、および0.5質量%未満の窒素である元素組成;
xv)マーカー分子を少なくとも100ppbの濃度で含む固体リグニン組成物;
xvi)クラフトリグニン中に見出される、0.1倍未満の揮発性硫黄化合物;
xvii)0.5%未満の灰分含有量;
xviii)0.1%未満の灰分含有量;
xix)700PPM未満の硫黄含有量;
xx)100PPM未満のリン含有量;
xxi)0.5%未満の可溶性炭水化物含有量;
xxii)有機溶媒に実質的に不溶である;ならびに
xxiii)有機溶媒に実質的に可溶である、
からなる群から選択される、少なくとも1つの特徴により特徴付けられる(乾物ベースで)リグニン組成物。
(項目2)
前記群からの前記特徴のうちの少なくとも3つにより特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記群からの前記特徴のうちの少なくとも5つにより特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目4)
前記群からの前記特徴のうちの少なくとも8つにより特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目5)
前記群からの前記特徴のうちの少なくとも10により特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目6)
前記群からの前記特徴のうちの少なくとも12により特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目7)
前記群からの前記特徴のうちの少なくとも14により特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目8)
前記群からの前記特徴のうちの少なくとも16により特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目9)
前記群からの前記特徴のうちの少なくとも18により特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目10)
前記群からの前記特徴のうちの少なくとも19により特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目11)
i)DIN53765−1994による示差走査熱量測定法(DSC)を使用して判定した場合、160℃より上のガラス転移温度(Tg);
ii)同じリグニン部分の複数の示差走査熱量測定(DSC)作業により判定した場合、一貫したガラス転移温度(Tg);
iii)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、10,000Da超の質量平均モル質量(M);
iv)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、6,200Da超の数平均モル質量(M);
v)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、7.00未満の多分散性;vi)式C(式中、Xは12未満であり、Yは3.5未満である);
vii)NMRで判定した場合、0.8未満の縮合度;
viii)NMRで判定した場合、メトキシル含有量(#/アリール基)が1.4未満である;
ix)0.6未満の脂肪族結合(β−O−4‘)(#/アリール基);
x)1.6:2.2:2.2である芳香族C−O:芳香族C−C:芳香族C−H(#/アリール基)の比率;
xi)芳香族C−O結合の量(#/アリール基)が2.1未満である;
xii)元素分析で測定した場合、61質量%超の炭素、27質量%未満の酸素、および0.5質量%未満の窒素である元素組成;
xiii)マーカー分子を少なくとも100ppbの濃度で含む固体リグニン組成物;
xiv)クラフトリグニン中に見出される、0.1倍未満の揮発性硫黄化合物;
xv)0.5%未満の灰分含有量;
xvi)700PPM未満の硫黄含有量;
xvii)100PPM未満のリン含有量;
xviii)0.5%未満の可溶性炭水化物含有量;
xix)有機溶媒に実質的に不溶である、
からなる群から選択される16またはそれ超の特徴により特徴付けられる(乾物ベースで)、項目1に記載のリグニン組成物。
(項目12)
i)DIN53765−1994による示差走査熱量測定法(DSC)を使用して判定した場合、90℃より下のガラス転移温度(Tg);
ii)同じリグニン部分の複数の示差走査熱量測定(DSC)作業により判定した場合、一貫したガラス転移温度(Tg);
iii)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、2,500Da未満の質量平均モル質量(M);
iv)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、1,000Da未満の数平均モル質量(M);
v)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、7.00未満の多分散性;vi)式C(式中、Xは12未満であり、Yは3.5未満である);
vii)NMRで判定した場合、0.8未満の縮合度;
viii)NMRで判定した場合、メトキシル含有量(#/アリール基)が1.4未満である;
ix)0.6未満の脂肪族結合(β−O−4‘)(#/アリール基);
x)1.6:2.2:2.2である、芳香族C−O:芳香族C−C:芳香族C−H(#/アリール基)の比率;
xi)芳香族C−O結合の量(#/アリール基)が2.1未満である;
xii)元素分析で測定した場合、61質量%超の炭素、27質量%未満の酸素、および0.5質量%未満の窒素である元素組成;
xiii)マーカー分子を少なくとも100ppbの濃度で含む固体リグニン組成物;
xiv)クラフトリグニン中に見出される、0.1倍未満の揮発性硫黄化合物;
xv)0.5%未満の灰分含有量;
xvi)700PPM未満の硫黄含有量;
xvii)100PPM未満のリン含有量;
xviii)0.5%未満の可溶性炭水化物含有量;
xix)有機溶媒に実質的に可溶である、
からなる群から選択される16またはそれ超の特徴により特徴付けられる(乾物ベースで)、項目1に記載のリグニン組成物。
(項目13)
DIN53765−1994による示差走査熱量測定法を使用して判定した160℃より上のガラス転移温度を有する、項目1から11のいずれか一項に記載のリグニン。
(項目14)
DIN53765−1994による示差走査熱量測定法を使用して判定した190℃より上のガラス転移温度を有する、項目13に記載のリグニン。
(項目15)
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、10,000Da超の質量平均モル質量(M);およびゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、6,200Da超の数平均モル質量(M)を有する、項目13または14に記載のリグニン。
(項目16)
DIN53765−1994による示差走査熱量測定法を使用した判定した100℃より下のガラス転移温度を有する、項目1から10または12のいずれか一項に記載のリグニン。
(項目17)
DIN53765−1994による示差走査熱量測定法を使用して判定した90℃より下のガラス転移温度を有する、項目16に記載のリグニン。
(項目18)
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、2,500Da未満の質量平均モル質量(M);およびゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、1,000Da未満の数平均モル質量(M)を有する、項目16または17に記載のリグニン。
(項目19)
DIN53765−1994による、同じリグニン部分の2つの連続した示差走査熱量測定(DSC)作業により一貫したガラス転移温度(Tg)が判定され、第1のDSC作業中に第1のTgが測定され、第2のDSC作業中に第2のTgが測定され、前記第1のTgと前記第2のTgとの間の差が10℃未満である、項目1から12のいずれか一項に記載のリグニン。
(項目20)
前記第1のTgと前記第2のTgとの間の前記差が5℃未満である、項目19に記載のリグニン。
(項目21)
前記マーカー分子が、イソプロパノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ジクロロメタン、ヘキサノール、フルフラール、ヒドロキシ−メチルフルフラール、2,3,5トリメチルフラン、p−ヒドロキシフェノキシ酢酸、4−ヒドロキシ−3,5,−ジメトキシフェニル)酢酸、メチルエチルケトン、メチルプロペニルケトン、3−(2−フリル)−3−ペンテン−2−オン、3−メチル−2−ペンテン−4−オン、3,4−ジメチル−4−ヘキセン−オン、5−エチル−5−ヘキセン−3−オン、5−メチル−4−ヘプテン−3−オン、o−ヒドロキシアニソール、3−エチル−4−メチル−3−ペンテン−2−オン、3,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメチルアセトフェノン、1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロパンメタノール、ガラクツロン酸(galcturonic)、デヒドロアビエチン酸、グリセロール、脂肪酸および樹脂酸からなる群から選択される、項目1から20のいずれか一項に記載のリグニン。
(項目22)
前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ジクロロメタンおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される、項目1から21のいずれか一項に記載のリグニン。
(項目23)
50wt/wt%までの、項目1から22のいずれか一項に記載のリグニンを含む組成物。
(項目24)
ポリマー、1種または複数の汎用化学製品の前駆体、汎用化学製品、または消費物資である、項目23に記載の組成物。
(項目25)
ガソリンまたはディーゼル燃料中の燃料添加剤、炭素繊維、炭素繊維生産用材料、アスファルト、バイオポリマーの構成部分、油井掘削用添加剤、コンクリート添加剤、染料分散剤、農薬、動物飼料、工業用結合剤、製紙業界用特殊ポリマー、貴金属回収助剤、木材防腐剤用材料、無硫黄リグニン製品、自動車ブレーキ、木製パネル製品、バイオ分散剤、ポリウレタンフォーム、エポキシ樹脂、プリント基板、乳化剤、捕捉剤、水処理製剤、壁材用補強剤、接着剤、およびバニリン、キシリトール、パラクマリル、コニフェリル、シナピルアルコール、ベンゼン、キシレン、またはトルエンの生産用材料からなる群から選択される、項目24に記載の組成物。
(項目26)
i)固体リグニンを含む試料を有機溶媒と接触させて、結果として得られる二相性の混合物を形成するステップであって、前記混合物が、
a)前記リグニンの第1の画分を含む溶媒に不溶な(SI)画分と指定された残留物固体と、
b)前記溶媒および前記リグニンの第2の画分を含む液体溶液であり、前記第2の画分が、溶媒に可溶な(SS)リグニン画分と指定された液体溶液とを含む、ステップと、
ii)(SI)リグニン画分を前記(SS)リグニン画分から空間的に分離するステップとを含み、
リグニンの前記第1の画分とリグニンの第2の画分が、異なるガラス転移温度を有する、リグニンを分画するための方法。
(項目27)
バイオマスから高純度リグニンを生成するための方法であって、
(i)前記バイオマスからヘミセルロース糖を除去することによって、リグニン含有残留物を得るステップであり、前記リグニン含有残留物がリグニンおよびセルロースを含む、ステップと、
(ii)前記リグニン含有残留物をリグニン抽出溶液と接触させて、リグニン抽出物およびセルロース系残留物を生成するステップであり、前記リグニン抽出溶液が、限定溶解度の溶媒、有機酸、および水を含み、前記限定溶解度の溶媒および水が有機相および水相を形成する、ステップと、
(iii)前記セルロース系残留物から前記リグニン抽出物を分離するステップであり、前記リグニン抽出物が前記限定溶解度の溶媒に溶解したリグニンを含み、以下の1つ、2つ、3つまたは4つの追加のステップ:
(iv)前記リグニン抽出物を蒸留またはフラッシュ蒸発させることによって、前記リグニン抽出物から前記限定溶解度の溶媒の大部分を除去して、固体リグニンを得るステップ;
(v)前記固体リグニンを加熱することによって、前記固体リグニンから微量の限定溶解度の溶媒または水を除去するステップ;
(vi)前記固体リグニンに真空を適用させることによって、前記固体リグニンから微量の限定溶解度の溶媒または水を除去するステップ;ならびに
(vii)固体リグニンを含む試料を有機溶媒と接触させて、結果として得られる二相性の混合物を形成するステップであり、前記混合物が、
a)前記リグニンの第1の画分を含む溶媒に不溶な(SI)画分と指定された残留物固体と、
b)前記溶媒および前記リグニンの第2の画分を含む液体溶液で、前記第2の画分が、溶媒に可溶な(SS)リグニン画分と指定された液体溶液とを含む、ステップ
をさらに含む、ステップと、
ii)(SI)リグニン画分を前記(SS)リグニン画分から空間的に分離するステップとを含み、
リグニンの前記第1の画分およびリグニンの第2の画分が、異なるガラス転移温度を有する、方法。
(項目28)
前記溶媒が、5個までの炭素原子および少なくとも1個のヘテロ原子を有する少なくとも1個の有機分子を含み、前記接触が20〜50℃で1〜10時間生じ、前記空間的分離が、不溶性リグニンからの前記溶媒の濾過またはデカンテーションを含み、
(iii)前記(SS)リグニン画分から前記溶媒を蒸発させるステップと、
(iv)各画分を乾燥させて、乾燥固体の(SS)リグニン画分および乾燥固体の(SI)リグニン画分を得るステップとをさらに含み、
前記2種の乾燥固体のリグニン画分が、GPCで判定した場合異なる分子量、および異なる一貫したガラス転移温度を有する、項目26または27に記載の方法。
(項目29)
前記リグニン画分の少なくとも1つが、DIN53765−1994による、単一日の同じリグニン部分の2つの示差走査熱量測定(DSC)作業で判定した場合、一貫したガラス転移温度(Tg)を有し、第1のTgが第1のDSC作業中に測定され、第2のTgが第2のDSC作業中に測定され、前記第1のTgと前記第2のTgとの間の差が5℃未満である、項目26から28のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
前記(SS)リグニン画分が、前記(SI)リグニン画分と異なる一貫したガラス転移温度を有する、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ジクロロメタン、およびこれらの任意の混合物からなる群から選択される、項目26から30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
(i)項目1から22のいずれか一項に記載のリグニン組成物を準備するステップと、(ii)前記組成物中の少なくとも一部分のリグニンを変換製品に変換するステップと
を含む方法。
(項目33)
前記変換するステップが、水素または水素供与体で処理するステップを含む、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記変換製品が、バイオオイル、カルボン酸および脂肪酸、ジカルボン酸、ヒドロキシル−カルボン酸、ヒドロキシルジカルボン酸およびヒドロキシル−脂肪酸、メチルグリオキサール、モノアルコール、ジアルコールまたはポリアルコール、アルカン、アルケン、芳香族、アルデヒド、ケトン、エステル、フェノール、ベンゼン、トルエン、ならびにキシレンからなる群から選択される、少なくとも1つのアイテムを含む汎用化学製品を含む、項目32に記載の方法。
(項目35)
前記変換製品が、分散剤、乳化剤、錯化剤、綿状凝集剤、塊状凝集剤、ペレット化添加剤、樹脂、炭素繊維、活性炭素、抗酸化剤、液体燃料、芳香族化学薬品、バニリン、接着剤、結合剤、吸収剤、毒素結合剤、発泡剤、コーティング、フィルム、ゴムおよびエラストマー、捕捉剤、燃料、および増量剤からなる群から選択される、項目32に記載の方法。
(項目36)
前記変換製品が、燃料または燃料成分を含む、項目32に記載の方法。
図1は、本発明の一部の実施形態によりリグノセルロース系バイオマス材料を処理する例示的方法の概略的表示である。
図2は、ヘミセルロース枯渇リグノセルロース物質からのリグニンの酸溶媒抽出および溶媒可溶性リグニンのリファイニングのためのプロセスの概略的記載である。このプロセスは、溶媒と溶解したリグニンとを含むストリーム200をもたらし、残存灰分は1000ppm未満、好ましくは500ppm未満であり、多価カチオンは、リグニンに対して(乾物ベースで)500ppm未満、好ましくは200ppm未満であり、残存炭水化物はリグニンに対して(乾物ベースで)500ppm未満である。溶液は粒子状物質を含まない。
図3は、バガス(NL)から作製された非分画の高純度リグニン、およびメタノール分画で得られたその画分のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)のオーバーレイである:SSはメタノールに可溶な画分、SIはメタノールに不溶な画分である。
図4は、バガス(NL)から作製された非分画の高純度リグニン、およびジクロロメタン分画で得られたその画分のオーバーレイGPCである:SSはジクロロメタン(dicholormethane)に可溶な画分であり、SIはジクロロメタンに不溶な画分である。
図5は、バガス(NL)から作製された非分画の高純度リグニン、および酢酸エチル分画で得られたその画分のオーバーレイGPCである:SSは酢酸エチルに可溶な画分であり、SIは酢酸エチルに不溶な画分である。
図6Aは、非分画(NF)リグニンの示差走査熱量計(DSC)サーモグラムであり、図6Bは、メタノール溶媒に可溶な(SS)リグニン画分のDSCサーモグラムであり、図6Cは、メタノール溶媒に不溶な(SI)リグニン画分のDSCサーモグラムである。 図6Aは、非分画(NF)リグニンの示差走査熱量計(DSC)サーモグラムであり、図6Bは、メタノール溶媒に可溶な(SS)リグニン画分のDSCサーモグラムであり、図6Cは、メタノール溶媒に不溶な(SI)リグニン画分のDSCサーモグラムである。 図6Aは、非分画(NF)リグニンの示差走査熱量計(DSC)サーモグラムであり、図6Bは、メタノール溶媒に可溶な(SS)リグニン画分のDSCサーモグラムであり、図6Cは、メタノール溶媒に不溶な(SI)リグニン画分のDSCサーモグラムである。
図7Aは、ジクロロメタン溶媒に可溶な(SS)バガスリグニン画分の示差走査熱量計(DSC)サーモグラムであり、図7Bは、ジクロロメタン溶媒に不溶な(SI)バガスリグニン画分のDSCサーモグラムである。 図7Aは、ジクロロメタン溶媒に可溶な(SS)バガスリグニン画分の示差走査熱量計(DSC)サーモグラムであり、図7Bは、ジクロロメタン溶媒に不溶な(SI)バガスリグニン画分のDSCサーモグラムである。
図8Aは、酢酸エチル溶媒に可溶な(SS)バガスリグニン画分の示差走査熱量計(DSC)サーモグラムであり、図8Bは、酢酸エチル溶媒に不溶な(SI)バガスリグニン画分のDSCサーモグラムである。
図8Aは、酢酸エチル溶媒に可溶な(SS)バガスリグニン画分の示差走査熱量計(DSC)サーモグラムであり、図8Bは、酢酸エチル溶媒に不溶な(SI)バガスリグニン画分のDSCサーモグラムである。
序文
リグノセルロース原料からリグニンを効率的に抽出するための技術、方法、およびプロセスがPCT/2013/039585およびPCT/US2013/068824においてJansenらにより開示されている。本明細書で開示されている実施形態によるリグノセルロース系バイオマス処理およびリファイニングの概説が図1に提供されている。一般的に、リグノセルロース系バイオマス処理およびリファイニングプロセスは以下を含む:(1)前処理1770;(2)ヘミセルロース糖抽出1700および精製1710;ならびに(5)直接的なリグニン抽出1760。
リグノセルロース系バイオマス処理およびリファイニングは、前処理1770から開始し、この間リグノセルロース系バイオマスは、例えば、皮をはぎ、削り取り、細かく刻み、乾燥させ、または粉砕して粒子にすることができる。
ヘミセルロース糖抽出1700の間、ヘミセルロース糖をリグノセルロース系バイオマスから抽出して、酸性ヘミセルロース糖流1700Aおよびリグノセルロース系残留物流1700Bを形成する。リグノセルロース系残留物流1700Bは、主にセルロースおよびリグニンからなる。
一部の方法では、リグノセルロース系残留物1700−Bを処理してリグニンを抽出することができる。このプロセスは、高純度リグニン1760−P1および高純度セルロース1760−P2を生成する。本発明の新規のリグニン精製プロセスは限定溶解度の溶媒を利用し、99%超の純度を有するリグニンを生成することができる。
I.前処理
ヘミセルロース糖抽出1700前に、リグノセルロース系バイオマスを任意選択で前処理することができる。前処理とは、バイオマスサイズ(例えば、機械的分解または蒸発)の減少を指し、これは、バイオマスのリグニン、セルロースおよびヘミセルロース組成物に実質的に影響を及ぼさない。前処理は、下流のプロセス(例えば、ヘミセルロース糖抽出)のさらなる効率的および経済的処理を促進する。好ましくは、リグノセルロース系バイオマスは、皮をはぎ、削り取り、細かく刻み、および/または乾燥させて、前処理済みリグノセルロース系バイオマスを得る。前処理はまた、水、熱、水蒸気または加圧水蒸気を含む、例えば、超音波エネルギーまたは熱水処理などを利用することができる。前処理は、セルなどを介して、様々な種類の容器、反応器、パイプ、流れの中で行う、または展開することができる。一部の方法では、ヘミセルロース糖抽出1700前にリグノセルロース系バイオマスを前処理することが好ましい。一部の方法では、前処理は必要とされない、すなわち、リグノセルロース系バイオマスは、ヘミセルロース糖抽出1700で直接使用することができる。
任意選択で、リグノセルロース系バイオマスは、摩砕または粉砕して粒径を減少させることができる。一部の実施形態では、リグノセルロース系バイオマスは、粒子の平均サイズが100〜10,000ミクロン、好ましくは400〜5,000、例えば、100〜400、400〜1,000、1,000〜3,000、3,000〜5,000、または5,000〜10,000ミクロンの範囲になるように粉砕する。一部の実施形態では、リグノセルロース系バイオマスは、粒子の平均サイズが10,000、9,000、8,000、7,000、6,000、5,000、4,000、3,000、1,000、または400未満となるように粉砕する。
II.ヘミセルロース糖抽出
本発明は、リグノセルロース系バイオマスからヘミセルロース糖を抽出する(ヘミセルロース糖抽出1700)有利な方法を提供する。好ましくは、酸性水溶液を使用してリグノセルロースバイオマスを抽出する。酸性水溶液は、任意の酸、すなわち無機酸または有機酸を含有することができる。好ましくは、無機酸が使用される。例えば、溶液は、無機酸または有機酸、例えば、HSO、HSOなど(溶解した酸またはSOガスとして導入することができる)、HCl、および酢酸を含有する酸性水溶液であってよい。酸性水溶液は、0〜2重量/重量%またはそれ超の酸、例えば、0〜0.2重量/重量%、0.2〜0.4重量/重量%、0.4〜0.6重量/重量%、0.6〜0.8重量/重量%、0.8〜1.0重量/重量%、1.0〜1.2重量/重量%、1.2〜1.4重量/重量%、1.4〜1.6重量/重量%、1.6〜1.8重量/重量%、1.8〜2.0重量/重量%またはそれ超の量の酸を含有することができる。好ましくは、抽出用水溶液は、0.2〜0.7%のHSOおよび0〜3,000ppmのSOを含む。酸性水溶液のpHは、例えば、1〜5、好ましくは1〜3.5の範囲であることができる。
一部の実施形態では、高温度または高圧力が抽出において好ましい。例えば、100〜200℃、または50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、もしくは200℃超の範囲の温度を使用することができる。好ましくは、温度は110〜160℃、または120〜150℃の範囲である。圧力は、1〜10mPa、好ましくは、1〜5mPaの範囲であってよい。溶液は、0.5〜5時間、好ましくは0.5〜3時間、0.5〜1時間、1〜2時間、または2〜3時間の間、任意選択で1時間の冷却期間を設けて加熱することができる。
不純物、例えば、灰分など、酸可溶性リグニン、脂肪酸、有機酸、例えば、酢酸およびギ酸など、メタノール、タンパク質ならびに/またはアミノ酸、グリセロール、ステロール、ロジン酸およびろう状材料は、同じ条件下でヘミセルロース糖と一緒に抽出することができる。これらの不純物は、溶媒抽出(例えば、アミンおよびアルコールを含有する溶媒を使用)により水相から分離することができる。
ヘミセルロース糖抽出1700の後、リグノセルロース系残留物流1700−Bを、酸性ヘミセルロース糖水蒸気1700−Aから、濾過、遠心分離または沈降を含む任意の関連手段で分離して、液体流および固体流を形成することができる。酸性ヘミセルロース糖水蒸気1700−Aは、ヘミセルロース糖および不純物を含有する。リグノセルロース系残留物流1700−Bは主にセルロースおよびリグニンを含有する。
リグノセルロース系残留物流1700−Bはさらに洗浄して、バイオマス細孔の内側にトラップされた追加のヘミセルロース糖および酸性触媒を回収することができる。回収した溶液は酸性ヘミセルロース糖流1700−Aに戻して再循環させるか、またはヘミセルロース糖抽出1700反応器に戻して再循環させることができる。残留リグノセルロース系残留物流1700−Bは、機械的に圧縮して、固形分を増加させることができる(例えば、乾燥固形分40〜60%)。圧縮ステップからの濾液は、酸性ヘミセルロース糖流1700−Aに戻して再循環させるか、またはヘミセルロース糖抽出1700反応器に戻して再循環させることができる。任意選択で、残留リグノセルロース系残留物1700−Bを粉砕して、粒径を減少させる。任意選択で、圧縮したリグノセルロース系残留物を次いで乾燥させて、含水量を、例えば15%未満に低下させる。乾燥物質は、さらに処理して、リグニンおよびセルロース糖(図1のプロセス1720および1760)を抽出することができる。代わりに、乾燥物質は、ペレット化してペレット1700−Pにすることができ、これらのペレットは、熱および電力生産のためのエネルギー供給源として燃焼させるか、またはバイオオイルへ変換するための原料として使用することができる。
リグノセルロース系残留物流1700−Bをさらに処理してリグニンを抽出することができる(図1のプロセス1760)。リグニン抽出前、リグノセルロース系残留物流1700−Bを、上に記載されているように、分離、洗浄、および圧縮することができる。
III.リグノセルロース系バイオマスからのリグニン抽出
ヘミセルロース糖の抽出に関連して上で論じたように、一態様で本発明は、ヘミセルロース糖を抽出した後にリグノセルロース系バイオマスから直接リグニンを抽出する新規の方法を提供する。本方法は、限定溶解度の溶媒を利用し、様々なサイズのバイオマス粒子に対してうまく働く。したがって、リグニン抽出前に粒子を粉砕する必要がない。
バイオマスからのヘミセルロース糖の抽出は、リグニン含有残留物をもたらす。一部の方法では、ヘミセルロース糖の抽出は、実質量のセルロース系糖を除去しない。例えば、ヘミセルロース糖の抽出は、1、2、5、10、15、20、30、40、50、60重量/重量%超のセルロースを除去しない。一部の方法では、リグニン含有残留物はリグニンおよびセルロースを含有する。一部の方法では、リグニン含有残留物は、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、2、1%未満のヘミセルロースを含有する。一部の実施形態では、リグニンはヘミセルロース糖を除去せず、リグノセルロース系バイオマスから直接抽出することができる。
リグニン抽出溶液は、限定溶解度の溶媒、酸、および水を含有する。本発明に対して適切な限定溶解度の溶媒の例として、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルプロピルケトン、メシチルオキシド、ジアセチル、2,3−ペンタンジオン、2,4−ペンタンジオン、2,5−ジメチルフラン、2−メチルフラン、2−エチルフラン、1−クロロ−2−ブタノン、メチルtert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、アニソール、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プロピル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、2−フェニルエタノール、トルエン、1−フェニルエタノール、フェノール、m−クレゾール、2−フェニルエチルクロリド、2−メチル−2H−フラン−3−オン、γ−ブチロラクトン、アセタール、メチルエチルアセタール、ジメチルアセタール、モルホリン、ピロール、2−ピコリン、2,5−ジメチルピリジンが挙げられる。一部の実施形態では、限定溶解度の溶媒として、4〜8個の炭素原子を有するエステル、エーテルおよびケトンのうちの1種または複数が挙げられる。例えば、限定溶解度の溶媒として、酢酸エチルを挙げることができる。一部の実施形態では、限定溶解度の溶媒は、酢酸エチルから本質的になるか、または酢酸エチルからなる。
リグニン抽出を行うのに適切な、限定溶解度の溶媒と水との比率は、使用するバイオマス材料および特定の限定溶解度の溶媒に応じて異なってもよい。一般的に、溶媒と水との比率は、100:1〜1:100、例えば、50:1〜1:50、20:1〜1:20、および好ましくは1:1の範囲である。
様々な無機酸および有機酸をリグニン抽出に使用することができる。例えば、溶液は、無機酸または有機酸、例えば、HSO、HCl、酢酸およびギ酸などを含有することができる。酸性水溶液は、0〜10%またはそれ超、例えば、0〜0.4%、0.4〜0.6%、0.6〜1.0%、1.0〜2.0%、2.0〜3.0%、3.0〜4.0%、4.0〜5.0%またはそれ超の酸を含有することができる。好ましくは、抽出および加水分解のための水溶液として、0.6〜5%、好ましくは1.2〜1.5%の酢酸が挙げられる。酸性水溶液のpHは、例えば、0〜6.5の範囲とすることができる。
高温および/または高圧力がリグニン抽出において好ましい。例えば、リグニン抽出の温度は、50〜300℃、好ましくは160〜200℃、例えば、175〜185℃の範囲であってよい。圧力は、1〜10mPa、好ましくは、1〜5mPaの範囲であってよい。溶液は、0.5〜24時間、好ましくは1〜3時間加熱することができる。
一部の実施形態では、溶媒のpHは、3.0〜4.5(例えば、3.5〜3.8)に調節する。このpH範囲では、リグニンはプロトン化され、有機相へと容易に抽出される。溶媒とリグニンとを含む有機相は、強酸カチオン交換体と接触させて、残存金属カチオンを除去する。高純度の固体リグニンを得るために、限定溶解度の溶媒をリグニンから分離、例えば、蒸発させる。限定溶解度の溶媒は、酸性リグニンを含有する溶媒溶液を水と高温(例えば、80℃)で混合することによって、リグニンから分離することができることが好ましい。沈殿したリグニンは、例えば、濾過または遠心分離により回収することができる。固体リグニンは、リグニン溶液を作製するために任意の適切な溶媒(例えば、フェニルエチルアルコール)に溶解することができる。
代わりに、酸性リグニンを含有する限定溶解度の溶媒溶液は、別の溶媒(例えば、トルエン)と混合することができる。代替溶媒(例えば、トルエン)は溶液中に留まるのに対して、限定溶解度の溶媒は蒸発させることができる。所望の溶媒中のリグニン溶液を調製することができる。
本発明は、バイオマスから高純度リグニンを生成するプロセスにより生成されたリグニン組成物をさらに提供する。本プロセスは、(i)バイオマスからヘミセルロース糖を除去することによって、リグニン含有残留物を得るステップであって、リグニン含有残留物がリグニンおよびセルロースを含む、ステップと、(ii)リグニン含有残留物をリグニン抽出溶液と接触させて、リグニン抽出物およびセルロース系残留物を生成するステップであって、リグニン抽出溶液が、限定溶解度の溶媒、有機酸、および水を含み、限定溶解度の溶媒および水が有機相および水相を形成する、ステップと、(iii)セルロース系残留物からリグニン抽出物を分離するステップであって、リグニン抽出物が限定溶解度の溶媒中に溶解されたリグニンを含む、ステップとを含む。一部の実施形態では、リグニン組成物は、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つの追加のステップをさらに含むプロセスにより生成される:(iv)リグニン抽出物を強酸カチオン交換体と接触させて残存カチオンを除去することによって、精製されたリグニン抽出物を得るステップ、(v)リグニン抽出物を蒸留またはフラッシュ蒸発させることによって、リグニン抽出物から限定溶解度の溶媒の大部分を除去して、固体リグニンを得るステップ、(vi)固体リグニンを加熱することによって、固体リグニンから微量の限定溶解度の溶媒または水を除去するステップ、(vii)固体リグニンに真空を適用させることによって、固体リグニンから微量の限定溶解度の溶媒または水を除去するステップ、ならびに(viii)有機溶媒を用いて固体リグニンを溶解させて、結果として得られた溶液を形成し、不溶性残留物からこの結果として得られた溶液を分離するステップ。
一部の実施形態では、リグニン組成物は、以下からなる群から選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19の特徴により特徴付けられる:(i)2mmole/gまでの量のリグニン脂肪族ヒドロキシル基;(ii)少なくとも2.5mmole/gのリグニンフェノール系ヒドロキシル基;(iii)0.40mmole/g未満のリグニンカルボキシOH基;(iv)1重量/重量%までの量の硫黄;(v)0.5重量/重量%までの量の窒素;(vi)220℃より高い5%分解温度;(vii)260℃より高い10%分解温度;(viii)1重量/重量%未満の灰分;(ix)式C(式中、aは9であり、bは12未満であり、cは3.5未満である);(x)0.9未満の縮合度;(xi)少なくとも0.8のメトキシル含有量;(xii)0.4未満のO/C重量比;(xiii)10〜30℃の範囲の、DIN53765による第1の加熱サイクルと第2の加熱サイクルの間のガラス転移上昇;(xiv)1重量/重量%未満の炭水化物;(xv)DMSO中溶解度が>100g/Lである;(xvi)THF中溶解度が>35g/Lである;(xvii)0.1N NaOH水溶液中溶解度が>8g/Lである;(xviii)1重量%未満の水;ならびに(xix)200℃での1重量%未満の揮発性構成部分。
一部の実施形態では、リグニン組成物は、DIN53765による示差走査熱量測定法(DSC)で判定した場合、80℃〜160℃の範囲のガラス転移を有することによりさらに特徴付けられ、第2の加熱サイクルのDSCサーモグラムが第1の加熱サイクルと実質的に異なり、第1の加熱サイクルは、第2のサイクルよりも大きな数の発熱最大値、吸熱最大値または屈曲点を含む。一部の実施形態では、第1のサイクルにおけるこのより大きな数のポイントは、リグニン試料の異質性(例えば、様々な官能基、分子構造および分子量)により加熱時に生じるリグニン試料の反応性に起因し得る。一部の実施形態では、反応性によりさらに架橋結合も生じ、第2のサイクルのガラス転移の5℃、10℃、15℃、20℃またはさらに25℃超の上昇が結果として生じる。
このような熱的挙動は、加熱下、場合によっては他の条件下でのリグニンポリマーの不安定性を示す。リグニンの工業的用途の目的のため、本発明のリグニンに対して実証された高純度を有するばかりでなく、より良く定義されたリグニンを有することも望ましい。これは、これらの熱的挙動、サイズ、構造および他の特質の点からリグニンを安定した画分に分画することによって任意選択で達成される。リグニンの安定した画分は、分子を破壊して、価値のある化学薬品を得る化学変換プロセスのための原料としてリグニンを開発すること、および/またはこれを追加の構成部分と混ぜ合わせることによって、ポリマーとしてリグニンを利用することを可能にする。
IV.リグニンの分画
驚いたことに、前記リグニンは、熱的に安定しており、はっきりと異なる2つの特徴的なリグニン画分を生成する強力な方法により分画できることが判明した。したがって、本発明は、バイオマスから高純度リグニンを生成するプロセスにより生成されるリグニン組成物をさらに提供する。本プロセスは、(i)バイオマスからヘミセルロース糖を除去することによって、リグニン含有残留物を得るステップであって、リグニン含有残留物がリグニンおよびセルロースを含む、ステップと、(ii)リグニン含有残留物をリグニン抽出溶液と接触させて、リグニン抽出物およびセルロース系残留物を生成するステップであって、リグニン抽出溶液が、限定溶解度の溶媒、有機酸、および水を含み、限定溶解度の溶媒および水が有機相および水相を形成する、ステップと、(iii)セルロース系残留物からリグニン抽出物を分離するステップであって、リグニン抽出物が限定溶解度の溶媒中に溶解されたリグニンを含む、ステップとを含む。一部の実施形態では、リグニン組成物は、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つの追加のステップ:(iv)リグニン抽出物を強酸カチオン交換体と接触させて残存カチオンを除去することによって、精製されたリグニン抽出物を得るステップ、(v)リグニン抽出物を蒸留またはフラッシュ蒸発させることによって、リグニン抽出物から限定溶解度の溶媒の大部分を除去して、固体リグニンを得るステップ、(vi)固体リグニンを加熱することによって、固体リグニンから微量の限定溶解度の溶媒または水を除去するステップ、(vii)固体リグニンに真空を適用させることによって、固体リグニンから微量の限定溶解度の溶媒または水を除去するステップ、および(viii)固体リグニンを有機溶媒と接触させて、リグニンの画分を含む、結果として得られた溶液を形成するステップであって、このリグニンの画分が溶媒に可溶(SS)と指定され、残留物固体は溶媒に不溶(SI)と指定され、不溶性残留物からこの結果として得られた溶液を分離するステップをさらに含むプロセスにより生成される。
溶媒分画は、リグニンの試料を溶媒に可溶な(SS)画分と溶媒に不溶な(SI)画分とに分離することができる。一部の実施形態では、前記接触は、撹拌容器内にて、20〜50℃で1〜10h、1:3〜1:10の比率である固体と液体との比率(wt/wt)で行う。
一部の実施形態では、溶媒は、200Da未満の分子量を有する少なくとも1種の極性有機溶媒である。一部の実施形態では、溶媒は、1〜5個の炭素原子、0〜3個の酸素原子、および0〜6個のハロゲン原子を含む少なくとも1種の有機溶媒である。一部の実施形態では、溶媒は有機溶媒の混合物である。一部の実施形態では、溶媒は、リグニンが溶媒中に限定された溶解度を有する有機分子として選択される。例えば、一部の実施形態では、溶媒対リグニン5:1w/wの混合物が、リグニンの少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50%が溶媒に溶解しているという可溶化をもたらすように、溶媒は選択される。一部の実施形態では、10〜40%の間のリグニンが溶媒に溶解している。一部の実施形態では、記載されている条件下、リグニンは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60,70、80、85、80、95、97、98、99グラムの試料/500グラム溶媒である溶媒中の溶解度。一部の実施形態では、溶媒は、リグニンから本質的になる試料が、記載されている条件下で、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60,70、80、85、80、95、97、98、99グラム試料/500グラム溶媒である溶媒中の溶解度を有する有機分子である。一部の実施形態では、溶媒の混合物が適用される。一部の実施形態では、記載されている条件下、少なくとも30wt/wt%、40wt/wt%、50wt/wt%、60wt/wt%のリグニン固体が前記溶媒に可溶であるが、70%、60%、50%、40%以下が可溶である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている溶媒分画条件下で、試料中全リグニンの少なくとも2、4、6、8、10、12、16、20、24、28、32、36、40、44、48、50、52wt/wt%である可溶性リグニン画分を形成するように溶媒が選択される。
一部の実施形態では、溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、ギ酸エチルおよびジクロロメタンからなる群から選択される。一部の実施形態では、溶媒は、メタノール、酢酸エチルおよびジクロロメタンからなる群から選択される。一部の実施形態では、溶媒はメタノールである。一部の実施形態では、溶媒はジクロロメタンである。一部の実施形態では、溶媒は酢酸エチルである。
一部の実施形態では、非溶解画分は濾取し、洗浄し、100〜110℃で、または真空下にて45〜55℃で風乾する。溶媒または溶媒混合物をロータバップで、または溶媒を蒸発させる任意の他の方法で蒸発させることによって、溶解した画分を乾燥させる。残留リグニンを収集し、100〜110℃で、または真空下にて45〜55℃で風乾する。一部の実施形態では、反応器からの溶媒のデカンテーションによって溶媒に不溶な画分を収集する。一部の実施形態では、溶媒に不溶な画分からの溶媒のデカンテーションにより溶媒に可溶な画分を収集する。
リグニン試料の溶媒分画の方法は、溶媒に可溶な画分中のリグニンの量が溶媒に不溶な画分中のリグニンの量と比べて低くなるように選択することができる。例えば、本明細書に記載されている方法の一部の実施形態では、溶媒に可溶な画分は、試料の全リグニンの65、60、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5%未満(w/w)を構成する。一部の実施形態では、SS画分は全リグニンの約25%〜45%の間を構成する。リグニン試料の溶媒分画の方法は、溶媒に不溶な(SI)画分中のリグニンの量が溶媒に可溶な(SS)画分中のリグニンの量と比べて低くなるように選択することができる。例えば、本明細書に記載されている方法の一部の実施形態では、溶媒に不溶な画分は、試料の全リグニンの65、60、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5%未満(w/w)を構成する。一部の実施形態では、SI画分は、全リグニンの約25%〜45%の間を構成する。
本明細書に記載されているリグニン組成物の一部の実施形態では、ある量の有機溶媒の存在下、室温で2時間、第1の量のリグニンを撹拌して、第2の量の可溶化したリグニンおよび第3の量の不溶性リグニンを形成する場合、リグニンは実質的に可溶性であり、リグニンの第2の量と第3の量との比率が、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.2、2.4、2.6、3、4、5、6、7、8、9、10、または20対1(wt/wt)超であり、有機溶媒の量と第1の量のリグニンとの比率が5:1(wt/wt)である。本明細書に記載されているリグニン組成物の一部の実施形態では、ある量の有機溶媒の存在下、室温で2時間、第1の量のリグニンを撹拌して、第2の量の可溶化したリグニンおよび第3の量の不溶性リグニンを形成する場合、リグニンは実質的に可溶性であり、リグニンの第2の量と第3の量との比率が、3:1(wt/wt)超であり、有機溶媒の量と第1の量のリグニンとの比率が5:1(wt/wt)である。
本明細書に記載されているリグニン組成物の一部の実施形態では、ある量の有機溶媒の存在下、室温で2時間、第1の量のリグニンを撹拌して、第2の量の可溶化したリグニンおよび第3の量の不溶性リグニンを形成する場合、リグニンは実質的に可溶性であり、第1の量のリグニンの95、90、85、80、75、70、65、60、55、または50%超が有機溶媒中に溶解し、有機溶媒の量と第1の量のリグニンとの比率が5:1(wt/wt)である。
本明細書に記載されているリグニン組成物の一部の実施形態では、ある量の有機溶媒の存在下、室温で2時間、第1の量のリグニンを撹拌して、第2の量の可溶化したリグニンおよび第3の量の不溶性リグニンを形成する場合、リグニンは実質的に不溶性であり、リグニンの第3の量と第2の量との比率が、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.2、2.4、2.6、3、4、5、6、7、8、9、10、または20対1(wt/wt)超であり、有機溶媒の量と第1の量のリグニンとの比率が5:1(wt/wt)である。
本明細書に記載されているリグニン組成物の一部の実施形態では、ある量の有機溶媒の存在下、室温で2時間、第1の量のリグニンを撹拌して、第2の量の可溶化したリグニンおよび第3の量の不溶性リグニンを形成する場合、リグニンは実質的に不溶性であり、リグニンの第3の量と第2の量との対する比率が、3:1(wt/wt)超であり、有機溶媒の量と第1の量のリグニンとの比率が5:1(wt/wt)である。
本明細書に記載されているリグニン組成物の一部の実施形態では、ある量の有機溶媒の存在下、室温で2時間、第1の量のリグニンを撹拌して、第2の量の可溶化したリグニンおよび第3の量の不溶性リグニンを形成する場合、リグニンは実質的に不溶性であり、第1の量のリグニンの95、90、85、80、75、70、65、60、55、または50%超が有機溶媒中に溶解せず、有機溶媒の量と第1の量のリグニンとの比率が5:1(wt/wt)である。
溶媒分画は、非分画リグニンとは異なる化学組成を有する2つまたはそれ超の画分のリグニンを生成することができる。溶媒分画リグニンの各画分の化学組成は、非分画リグニンとははっきりと異なり、それぞれ他の画分とはっきりと異なってもよい。例えば、溶媒に可溶および/または溶媒に不溶なリグニン画分の酸素原子と炭素原子との比率(O/C)は、非分画リグニンのO/C比率よりそれぞれ大きくてもよい。溶媒に可溶および/または溶媒に不溶なリグニン画分の水素原子と炭素原子との比率(H/C)は、非分画リグニンのH/C比率よりそれぞれ小さくてもよい。一部の実施形態では、分画リグニンのO/CおよびH/C比率は、非分画リグニンの20、18、15、12、10、5%内にある。
溶媒分画リグニンの各画分の化学組成は、非分画リグニンとはっきりと異なってもよい。例えば、分画リグニン中のOH基の数(mmol/gリグニン)は、非分画リグニン中よりも高くてよい。一部の実施形態では、分画リグニン中の脂肪族、フェノール系、およびカルボキシ(caroxylic)OH基(mmol/gリグニン)の数は、非分画リグニン中より高くてよい。一部の実施形態では、SS画分は、SI画分より多くのフェノール系OHおよびカルボキシOH基(w/w)を含む。
本プロセスにより得られる溶媒に可溶な(SS)および溶媒に不溶な(SI)画分は、これらの作製元のリグニン固体の高純度を共有する。これらの2種の試料は、同じゲル浸透方法によりこれらを並べて特徴付けることによって実証されるように、分子量においてはっきりと異なる。
一部の実施形態では、本明細書に記載されているプロセスにより得られた溶媒に可溶な(SS)リグニン画分は、DIN53765−1994による示差走査熱量測定法(DSC)を使用して判定した場合、低いガラス転移温度(Tg)を有する。例えば、SS画分は、非分画リグニンのTgより下で測定されたTgを有することができる。SS画分は、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、または45℃未満のTgを有することができる。非分画リグニンのTgは、80〜160℃の範囲であってよい。SS画分は、90、85、80、75、70、65、または60℃未満のTgを有することができる。一部の実施形態では、SS画分は約75〜約110℃の間のTgを有する。一部の実施形態では、SS画分は約75〜約95℃の間のTgを有する。例えば、SS画分は、溶媒に不溶な(SI)リグニン画分のTgより下で測定されたTgを有することができる。SS画分は、溶媒に不溶な(SI)リグニン画分のTgの95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、または45%未満のTgを有することができる。一部の実施形態では、SSリグニン画分のTgは安定している。一部の実施形態では、SSリグニン画分のTgは、第1のサイクルと第2のサイクルの間で、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1℃未満異なる。一部の実施形態では、第2のサイクルのTgは第1のサイクルと比べて5℃未満増加し、第1および第2のDINサイクルは、互いに7、6、5、4、3、2、1、0.5、または0.1日以内に測定する。一部の実施形態では、SS画分は、室温より上の温度のTgを有さない。一部の実施形態では、SS画分はポリマーではない。
一部の実施形態では、SSリグニン画分の数平均モル質量(Mn)は非分画リグニンのMnより小さい。一部の実施形態では、SSリグニン画分のMnは、2000、1500、1000、900、800、700、600、500、400、300、または200Da未満である。本発明において開示されたモル質量の値は、Asikkalaら、Journal of agricultural and food chemistry、2012年、60巻(36号)、8968〜73頁に従い判定する。一部の実施形態では、SSリグニン画分の多分散性(PD)は、非分画リグニンの多分散性より高い。一部の実施形態では、SS画分のPDは3.0、3.5、4.0、4.5、または5.0を超える。一部の実施形態では、溶媒に可溶な(SS)リグニン画分の重量平均モル質量または質量平均モル質量(Mw)は、非分画リグニンのMwよりも低い。例えば、SSリグニン画分のMwは、非分画リグニンのMwの95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5%未満であってよい。一部の実施形態では、SSリグニン画分のMwは、3000、2900、2800、2700、2600、2500、2400、2300、2200、2100、2000、1800、1600、1500、1400、1300、1200、1100、1000、900、970、または800Da未満である。一部の実施形態では、SS画分のMwは2000Da未満である。一部の実施形態では、本明細書に記載されているプロセスにより得られる、溶媒に不溶な(SI)リグニン画分は、DIN53765−1994による示差走査熱量測定法(DSC)を使用して判定した場合、低いガラス転移温度(Tg)を有する。例えば、SI画分は、非分画リグニンのTgより上の測定されたTgを有することができる。SI画分は、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、175、180、200、220、240、250℃超においてTgを有することができる。一部の実施形態では、非分画リグニンのTgは80〜160℃である。SI画分は、120、130、140、150、160、170、180、190、195、または200℃より高いTgを有することができる。一部の実施形態では、SI画分は、約145〜約210℃の間のTgを有する。一部の実施形態では、SI画分は約155〜約200℃の間のTgを有する。例えば、SI画分は、溶媒に可溶な(SS)リグニン画分のTgより上の測定されたTgを有することができる。SI画分は、溶媒に可溶な(SS)リグニン画分のTgの100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、175、180、200、220、240、260、280、または300%超のTgを有することができる。
一部の実施形態では、SIリグニン画分のTgは安定している。一部の実施形態では、SIリグニン画分のTgは、第1のサイクルと第2のサイクルとの間で15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1℃未満異なる。一部の実施形態では、第2のサイクルのTgは、第1のサイクルと比べて5℃未満増加し、第1および第2のDINサイクルは、互いに7、6、5、4、3、2、1、0.5、または0.1日以内に測定する。一部の実施形態では、第2のサイクルのTgは、第1のサイクルと比べて5℃未満増加し、第1および第2のDINサイクルは継続的に測定する。
リグニンなどのポリマーの試料内の個々のポリマー性分子のサイズ、および分子のサイズ分布は、数平均モル質量(Mn)、質量平均モル質量(M)、および多分散性という点から測定および理解することができる。リグニン試料に対して、MnおよびMwの測定値(およびしたがって多分散性)は実験条件に依存し得る。リグニン試料のMnおよびMwに対して本明細書で開示されている値は、溶離液としてLiBrのTHF溶液およびUV検出を用いて、リグニンのアセト臭素化を使用したゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)に基づく。一部の実施形態では、MnおよびMwを実験的に測定する方法が実施例6に開示されている。一部の実施形態では、誘導体化せずにDMSOを溶離液として使用することは、リグニン試料に対して使用に適さないMnおよびMwの測定値をもたらす可能性がある。一部の実施形態では、SIリグニン画分の数平均モル質量(Mn)は非分画リグニンのMnを超える。一部の実施形態では、SIリグニン画分のMnは、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、または9000Da超である。一部の実施形態では、SIリグニン画分の多分散性(PD)は、非分画リグニンの多分散性より低い。一部の実施形態では、SI画分のPDは2.0、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、または1.4未満である。一部の実施形態では、溶媒に不溶な(SI)リグニン画分の質量平均モル質量または重量平均モル質量(Mw)は、非分画リグニンのMwを超える。例えば、SIリグニン画分のMwは、非分画リグニンのMwの1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.3、2.5、3.0、または3.5超であってよい。一部の実施形態では、SIリグニン画分のMwは、5000、6000、7000、8000、10000、12000、14000、16000、18000、または20000Da超である。一部の実施形態では、SI画分のMwは6000Da超である。
さらに、SS画分とSI画分ははっきりと異なるガラス転移温度を有し、任意選択で各画分の転移温度の間でのこの差は、30℃、40℃、50℃、60℃超である。またさらに、ガラス転移温度は、各画分に対して5℃、4℃、3℃、2℃未満の差を有し、第1のサイクルと第2の熱サイクルとの間で安定している。一部の実施形態では、SI画分は、DSCスキャンにおいて追加の発熱または吸熱を示さず、これは、250℃までの温度範囲において、ポリマーが安定しており、反応しないことを示している。
V.リグニンの用途
多くの高値材料に対する前駆体としてのリグニンの使用は、これまでに開示されており、多くの論文、例えば:R. J. Gosselink Ph. D Thesis、Wageningen University(2011年)、「Lignin as a renewable aromatic resource for the chemical industry」;R. J. Gosselinkら、「Valorization of lignin resulting from biorefineries」(2008年)、RRB4 Rotterdam;D. A. BulushevおよびJ. R. H. Ross、「Catalysis for conversion of biomass to fuels via pyrolysis and gasification: A review」Catalysis Today、171巻(2011年)、1〜13頁;A. L. Compereら、「Low Cost Carbon Fiber from Renewable Resources」、Oak Ridge Labs Report;J. E. Holladayら、「Top Value−Added Chemicals from Biomass」Volume II − Results of Screening for Potential Candidates from Biorefinery Lignin, report from Pacific Northwest National Laborator、2007年10月において概説されている。
本明細書で開示されている実施形態による、分画された高純度リグニン組成物は、他のリグニンよりも定義された特徴を有する。一部の実施形態では、SI画分は、より高い分子量により、混ぜ合わせ目的に対して好ましい画分であり、ポリマーは、DSCスキャンに見られるように250℃までの温度で変化させられない。より低い分子量を有し、溶媒に可溶であるSS画分は、リグニンを高値の小さな芳香族分子へと分割するための原料として使用するのにより適切であることが予期される。一部の実施形態では、SI画分とSS画分の両方が、クラフトリグニンなどの他のリグニンと比較して、低い酸素含有量を有する。一部の実施形態では、両方の画分は、低い灰分含有量、低い硫黄および/またはリン濃度を有する。このような高純度リグニン組成物は、触媒汚染および/または毒作用の減少の一因となることによって、触媒反応における使用に対して特に適切である。低い硫黄含有量を有するリグニン組成物は、例えば、ガソリンまたはディーゼル燃料において、燃料添加剤として使用するのに特に望ましい。
高純度リグニンに対する他のいくつかの潜在的用途として、炭素繊維の生産、アスファルトの生産、およびバイオポリマーの構成部分としての用途が挙げられる。これらの使用としては、例えば、油井掘削用添加剤、コンクリート添加剤、染料分散剤、農薬、動物飼料、工業用結合剤、製紙業界用特殊ポリマー、貴金属回収助剤、木材防腐剤、無硫黄リグニン製品、自動車ブレーキ、木製パネル製品、バイオ分散剤、ポリウレタンフォーム、エポキシ樹脂、プリント基板、乳化剤、捕捉剤、水処理製剤、壁材用補強剤、接着剤、バニリン、キシリトールの原材料、およびパラクマリル、コニフェリル、シナピルアルコールの供給源としての使用が挙げられる。
本明細書で開示されているようなリグニンの一部分および別の成分を含む組成物がさらに提供される。例えば、組成物は、98、95、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5、1wt/wt%までのリグニンを含むことができる。一部の実施形態では、組成物は50wt/wt%までのリグニンを含む。一部の実施形態では、組成物は、5%〜75%の間のリグニン、または10〜60wt/wt%の間のリグニンを含む。一部の実施形態では、組成物は、ポリマー、1種または複数の汎用化学製品用の前駆体、汎用化学製品、または消費物資である。例えば、組成物は、ガソリンまたはディーゼル燃料中の燃料添加剤、炭素繊維、炭素繊維生産用材料、アスファルト、バイオポリマーの構成部分、油井掘削用添加剤、コンクリート添加剤、染料分散剤、農薬、動物飼料、工業用結合剤、製紙業界用特殊ポリマー、貴金属回収助剤、木材防腐剤用材料、無硫黄リグニン製品、自動車ブレーキ、木製パネル製品、バイオ分散剤、ポリウレタンフォーム、エポキシ樹脂、プリント基板、乳化剤、捕捉剤、水処理製剤、壁材用補強剤、接着剤、およびバニリン、キシリトール、パラクマリル、コニフェリル、シナピルアルコール、ベンゼン、キシレン、またはトルエンの生産のための材料からなる群から選択することができる。
一部の実施形態では、(i)本明細書中に記載されているリグニン組成物を準備するステップと、(ii)組成物中の少なくとも一部分のリグニンを変換製品に変換するステップとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、変換するステップは、水素または水素供与体で処理するステップを含む。一部の実施形態では、変換製品は、バイオオイル、カルボン酸および脂肪酸、ジカルボン酸、ヒドロキシル−カルボン酸、ヒドロキシルジカルボン酸およびヒドロキシル脂肪酸、メチルグリオキサール、モノアルコール、ジアルコールまたはポリアルコール、アルカン、アルケン、芳香族、アルデヒド、ケトン、エステル、フェノール、ベンゼン、トルエン、およびキシレンからなる群から選択される少なくとも1種のアイテムを含む汎用化学製品を含む。一部の実施形態では、変換製品は、分散剤、乳化剤、錯化剤、綿状凝集剤、塊状凝集剤、ペレット化添加剤、樹脂、炭素繊維、活性炭素、抗酸化剤、液体燃料、芳香族化学薬品、バニリン、接着剤、結合剤、吸収剤、毒素結合剤、発泡剤、コーティング、フィルム、ゴムおよびエラストマー、捕捉剤、燃料、ならびに増量剤からなる群から選択される。一部の実施形態では、変換製品は、燃料または燃料成分を含む。
本明細書に記載されている実施例および実施形態は、例示的目的のみのためであり、特許請求された発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されている。本明細書に記載されている実施例および実施形態を踏まえた様々な修正または変更が当業者に示唆され、本出願および添付の特許請求の範囲の趣旨および認識の範囲内に含まれるものとすることもまた理解されている。本明細書で引用されたすべての刊行物、特許、および特許出願は、すべての目的のため、これら全体が参照により本明細書に援用されている。
(実施例1)
小規模のヘミセルロース糖抽出
表1は、様々なバイオマスの種類のヘミセルロース糖の抽出から結果として得られた液の化学分析の要約を提供している。単糖(%)は、全糖重量のうちの%重量として表現されている。すべての他の結果は、乾燥バイオマスに対する%重量として表現される。
すべて処理は、スターラーおよび加熱−冷却システムを備えた0.5L圧力反応容器内で行った。反応器に、表に与えられた量でバイオマスおよび液体を充填した。表内に示された温度に反応器を加熱し、反応器が指定された温度より5℃下に到達した時点で時間のカウントを開始した。時間が経過したら、反応器を冷却した。固体および液体を分離し、得られた液の内容物を分析し、すべてのデータを乾燥バイオマス重量に対して逆算した。HPLC方法を適用して、液中の全糖(%)、単糖(%)および酢酸(%)を評価した。分解生成物(%)は、フルフラール(%)(GCまたはHPLC分析)、ギ酸(%)(HPLC)およびレブリン酸(%)(Levullinic acid)(HPLC)の合計である。酸可溶性リグニンをNREL TP−510−42627方法により分析した。
(実施例2)
ヘミセルロース糖抽出後のリグノセルロース物質の大規模化学分析
表2は、ヘミセルロース糖抽出後の様々な種類のバイオマスの化学分析の要約を提供している。
マツ(ref A1202102−5):新鮮なテーダマツ(Loblloly pine)チップ(145.9Lbの乾燥木材)を、Rapid Cycle Digester(RDC、Andritz、Springfield、Ohio)に送り込んだ。分離槽内で0.3%HSOおよび0.2%SOを水中に添加することによって、酸水溶液(500Lb)を調製した。溶液を135℃に加熱し、次いで木材を覆うように蒸解がまに添加した。温度を維持しながら、木材を介して溶液を40分間循環させた。60分後、結果として得られた液を液槽に流し、水蒸気を使用して木材をサイクロンにブローし、木材を収集し(128.3Lbの乾燥木材)、気体を放出させた。抽出した木材を糖含有量、炭水化物組成物、灰分、元素(ICPによる)、およびDCM抽出分について分析した。半枯渇リグノセルロース材料の分析は、42.4%のアラビナン、10.5%のガラクタン、9.6%のキシラン、14.3%のマンナン(Manan)、および11.8%のグルカンの抽出を示し、これは、主にヘミセルロースが抽出されていることを示している。分析はまた、ASL、抽出分および灰分を含む11.6%の「その他」も示している。残留物固体中の炭水化物の全画分は、この「その他」の除去により、測定誤差内で開始バイオマスのものと異ならない。しかし、抽出した木くずは新鮮なバイオマスよりも色が暗く、より壊れやすいことには容易に気付く。
マツ(ref A1204131−14(K1)):新鮮なテーダマツチップ(145.9Lb乾燥木材)をRapid Cycle Digester(RDC、Andritz、Springfield、Ohio)に送り込んだ。分離槽内で0.3%HSOおよび0.2%SOを水に添加することによって、酸水溶液(500Lb)を調製した。溶液を135℃に加熱し、次いで木材を覆うように蒸解がまに添加した。温度を維持しながら、木材を介して溶液を180分間循環させた。180分後、結果として得られた液を液槽に流し、水蒸気を使用して木材をサイクロンにブローし、木材(121.6Lb乾燥木材)を収集し、気体を放出させた。材料を上に記載されているように分析した。半枯渇リグノセルロース材料の分析は、83.9%のアラビナン、84.3%のガラクタン、50.1%のキシラン、59.8%のマンナンの抽出を示し、グルカンの抽出は示されず、これはヘミセルロースの有効な抽出を示している。分析はまた、リグニン、抽出分および灰分を含む21.8%の「その他」の抽出も示している。
ユーカリ(ref A120702K6−9):新鮮なEucalyptus Globulusチップ(79.1Kgの乾燥木材)を、Rapid Cycle Digester(RDC、Andritz、Springfield、Ohio)に送り込んだ。分離槽内で0.5%HSOおよび0.2%SOを水に添加することによって酸水溶液を調製した。溶液を145℃に加熱し、次いで木材を覆うように蒸解がまに添加した。温度を維持しながら木材を介して溶液を60分間循環させ、次いで循環をもう60分間継続しつつ、加熱を停止して、溶液を冷却させた。120分後、結果として得られた液を液槽に流し、水蒸気を使用して木材をサイクロンにブローし、木材(58.8Kgの乾燥木材)を収集し、気体を放出させた。上に記載されているように材料を分析した。分析は、20.1%の炭水化物が、これらの糖の70%(液中の糖の91%はモノマーとして存在する)を含有する木材(乾燥木材ベース)キシロースから抽出されたことを示した。これらの条件下で、液中の酢酸濃度は3.6%(乾燥木材ベース)(これは、ヘミセルロース糖からのアセテート基の最大の除去を示している);4.2%(乾燥木材ベース)の酸可溶性リグニンであった。これらの結果は、置換キシロサンからのアセテート基の加水分解と共に、ヘミセルロースおよび特にキシロースにおける有効な抽出を示している。同時に有意な量の酸可溶性リグニン、抽出分および灰分もまた液中に抽出されている。
(実施例3)
リグニンの直接抽出
ヘミセルロース糖をユーカリチップから抽出した後、残留物は主にセルロースおよびリグニンであった。以下に記載されているプロセスにより、酢酸を含有する有機水溶液を使用して、残留物を脱リグニンした。
ユーカリ木材チップ(20.0g)を、50/50v/vのメチルエチルケトン(MEK)溶液、および1.2%酢酸w/wの溶液を含有する水と、1:10(100mL水、100mL MEK、および2.2g酢酸)の比率で混合した。かき混ぜ反応器内で、175℃で4時間混合物を処理した。次いで、システムを30℃に冷却させた後、反応器を開放する。スラリーをデカントし、さらなる分析のために固体を収集する。
反応後、127gの自由液体が存在し、このうち47.2gが有機であり、79.8gが水性であった。有機相は、1.1gの酢酸、10.4gの水、および5.5gの溶解した固体(0.1gの糖および5.4gのその他、これは主にリグニンである)を含有した。水相は、1.4gの酢酸、2.1gの溶解した固体(1.5gの糖および0.6gのその他)を含有した。
液体をデカントした後、黒色のスラリーおよび白色の沈殿物がビンの底部にあった。この材料を真空濾過し、液体の色が非常に淡い黄色となるまで、50/50v/vのMEK/水(119.3gのMEK、148.4gの水)で、室温で十分に洗浄した。3つの相を収集した;有機相19.7g、水相215g、および白色の固体7gの乾燥相。有機相は、0.08gの酢酸および0.37gの溶解した固体を含有した。水相は、0.56gの酢酸および0.6gの溶解した固体を含有した。
すべての有機相を固めた。溶液のpHをpH3.8に調節する。次いで、溶液を水相(塩を含有)と有機相(リグニンを含有)に分離させた。リグニン含有有機相を回収し、強酸カチオンカラムを使用して精製した。次いで有機溶液を80℃の水浴に滴下添加して、リグニンを沈殿させた。
同様に、酢酸(0.3%w/wのo.d.バガス)、メチルエチルケトン、および水の混合物中で、硫酸で前処理したバガス(D.S〜60%)を、200℃で160分反応させることによって、バガスからリグニンを抽出した。バガス対液体の比率は1:10であり、液相は、50%v/vの水対MEKであった。Parr反応器内で反応を行った。反応時間後、混合物を濾過し、分液ロートを使用して液体有機相を分離した。有機相のpHを水酸化ナトリウムで約3.8に調節した。その後、有機相をSAC樹脂に通し、80℃のMEK浴槽に滴下添加した。リグニンを沈殿させ、濾取した。リグニンをオーブン内にて105℃で乾燥させた。
(実施例4)
リグニンの分画
バガスおよびユーカリ原料由来のリグニンを実施例1から3に従い調製した。乾燥リグニンを1:5wt/wtの比率で溶媒と混合し、2時間室温で撹拌した。混合物を濾過し、溶媒相を減圧下で蒸発させた。2つの固体(濾過および蒸発によるもの)をオーブン内にて105℃で乾燥させて、溶媒に可溶な(SS)画分および溶媒に不溶な(SI)画分を得た。試験した溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、ギ酸エチルおよびジクロロメタンを含む。他の溶媒は同様の分画を達成するのに有用となり得ることが予期される。
3種の溶媒(メタノール、ジクロロメタン、および酢酸エチル)のそれぞれによる分画後、溶媒に可溶な(SS)および溶媒に不溶な(SI)画分を秤量し、結果を表1に示す。
(実施例5)
リグニンの特徴付けの方法
リグニン試料を元素分析(すなわちC、H、O、N、およびS)により特徴付けた。
Bruker Avance−400分光器を使用してNMR実験を実施した。リグニン(80mg)に対して溶媒としてDMSO−d6(500μL)を使用し、逆ゲート付きデカップリングシークエンス、90°パルス角度、12−sパルス遅延、および12000スキャンを用いて、定量的13C NMRスペクトルを取得した。定量的31P NMR手順を使用して、ヒドロキシル含有量分析を判定した。乾燥リグニン試料の正確な重量(約40mg)を500μLの無水ピリジン/CDCl混合物(1.6:1、v/v)中に溶解した。次いで、200μLのエンド−N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド(e−NHI)溶液(50mmol/L、内部標準として機能)および50μLのクロム(III)アセチルアセトネート溶液(11.4mg/mL、緩和試薬として機能)を添加した。内部標準および緩和試薬の溶液は両方とも、無水ピリジン/CDCl混合物(1.6:1、v/v)を使用して調製した。最後に100μLのホスファイト化試薬2−クロロ−4,4,5,5−テトラメチル−1,2,3−ジオキサホスホラン)を添加し、混合物を激しく振盪させ、NMR管に移し、即時31P NMR分析を施した。逆ゲート付きデカップリングパルスシークエンス、75°パルス角度、10−sパルス遅延、および200スキャンを使用してスペクトルを取得した。
リグニンはまた、DIN標準方法番号53765を使用して、示差走査熱量測定法(DSC)により熱的に特徴付けた。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析を以下の通り行った。およそ5mgのリグニンを92:8(v/v)氷酢酸およびアセチルブロミド混合物(2ml)中に溶解し、室温で2時間撹拌した。高真空ポンプおよび冷却トラップに接続された回転式エバポレーターで、酢酸および過剰のアセチルブロミドを蒸発させた。アセチル化リグニンをTHF(1mg/ml)中に直ちに溶解し、濾過し、GPCに注入した。
(実施例6)
リグニン構造の特徴付け
3種のリグニン試料:非分画の試料、およびメタノールで分画した(SSおよびSI)試料を実施例5の方法で特徴付けた。実施例1から3に従いオリジナルのリグニン試料をバガスから調製し、これを使用して、実施例4に従いリグニン画分SSおよびSIを調製した。結果は以下のセクションに提示されている。
元素分析
分画リグニンのさらなる特徴付けを収集した。表2の分画リグニンの元素分析の結果は、非分画リグニンと分画リグニンとの間で有意な差を示さなかった。O/Cは不溶性画分および可溶性画分において、非分画のものより、わずかに大きいが、H/Cはより小さい。
31P NMRによるヒドロキシル含有量
31P NMRデータ(表3)から認められるように、リグニン分画後、2つの画分は非分画リグニンと構造的に異なる。メタノール分画は、より多くの脂肪族、フェノール系、およびカルボキシOH基を有するリグニン画分をもたらした。溶媒に可溶なSS画分は、不溶な画分のものと同様の量の脂肪族OHを含有する。しかし、可溶性画分は、不溶な画分よりも多くフェノール系OHおよびカルボキシOHを有する。これは、より多くのフェノール系OHが溶解に必要であるという事実をもってすれば理にかなっている。31PデータにおけるグアイアシルOHの増加はまた、表3に示されているように脂肪族結合における低減によっても確認される。メタノールと混合した場合リグニン巨大分子は開いた。
13C NMRによる構造分析
分画リグニン対分画前の材料の13C NMRスペクトルは、メトキシル含有量、β−O−4‘含有量、芳香族C−O含有量は低減するが、芳香族C−C含有量は低減しないことが認められるように、メタノール処理がリグニン分子中のいくつかの内部結合を開放するという31P NMRによりなされた観察と一致する。
GPCによる分子量の決定
Asikkalaら、Journal of agricultural and food chemistry、2012年、60巻(36号)、8968〜73頁に従いゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析を行った。およそ5mgのリグニンを92:8(v/v)氷酢酸およびアセチルブロミド混合物(2ml)中に溶解し、室温で2時間撹拌した。高真空ポンプおよび冷却トラップに接続している回転式エバポレーターを用いて、酢酸および過剰のアセチルブロミドを蒸発させた。アセチル化リグニンをTHF(1mg/ml)中に直ちに溶解し、濾過し、GPCに注入した。
リグニン画分ならびに非分画の試料の分子量をGPCで分析した。図3は、メタノールによる分画を提示している。NFは、非画分リグニンを意味し、SSは溶媒に可溶な画分を意味し、SIは溶媒に不溶な画分を意味する。図4は、ジクロロメタンによる分画を提示している。図5は酢酸エチルによる分画を提示している。すべての場合において、溶媒に可溶な画分は、不溶な画分と比較してより低いMWを有することが観察されている。結果が表5に要約されている。
DSCによる熱分析
DIN53765に従いDSCを実施した。試料は予熱サイクルにより最初に乾燥させる。次いで、2つの連続した加熱サイクルを測定したが、通常ポリマー構造に影響を与えるアニーリングプロセスは第1のサイクルで生じ、その一方で、第2のサイクルにおいて、主要な転移Tgは、ポリマーのガラス転移によるものである。非分画リグニン、SS画分およびSI画分のサーモグラムが図6〜8に提示され、結果が表6に要約されている。
非分画リグニンのサーモグラムである図6Aは、150℃より上の温度でリグニンポリマーにおける複数の変化、および第1のサイクルと第2のサイクルとの間のガラス転移において23℃という大きな変化を示した。これとは著しく異なり、メタノールに可溶な画分のサーモグラム(図6B)は、より低い温度、約117℃でのガラス転移を示し、これがより低い分子量の画分であることと一致する。サイクル1からサイクル2への変化はほんの3℃であり、サーモグラムは、いくつかのアニーリングプロセスがガラス転移より上で生じることを依然として示したが、これらの変化の程度は、非分画リグニンにおけるものより低い。メタノールに不溶な画分は、より高い温度、約157℃でのガラス転移を示しており、この画分がより大きな分子量を有することと一致する。サーモグラムは、第1および第2のサイクルに対して本質的に同じであり(サイクル間で2℃の低減)、ガラス転移より上の温度で吸熱または発熱は観察されなかった。これらのサーモグラムは、2つのはっきりと異なるリグニン画分がメタノール分画処理により調製されたことを示している。サーモグラムはまた、各画分が加熱下で安定しており、文献において一般的に見出されるような、未処理の試料において観察された熱アニーリングプロセスが現れないことを示している。
ジクロロメタン溶媒に可溶な(SS)バガスリグニン画分の示差走査熱量計(DSC)サーモグラムおよびジクロロメタン溶媒に不溶な(SI)バガスリグニン画分のDSCサーモグラムが図7Aおよび図7Bにそれぞれ示されている。ジクロロメタン(DCM)により分画されたリグニンは、Tg点を有さないジクロロメタン可溶性画分を提供した。特定の理論に束縛されることなく、これは、DCMに可溶なリグニン画分がポリマーではないという断定を裏付けることができる。しかし、DCMに不溶な画分は第1のサイクルで167℃および第2のサイクルで166℃のTgを有した。このリグニンは、非分画リグニンのものより高温のTgを有し、サイクル間の温度変化はたった1℃である。
酢酸エチル溶媒に可溶な(SS)バガスリグニン画分の示差走査熱量計(DSC)サーモグラムおよび酢酸エチル溶媒に不溶な(SI)バガスリグニン画分のDSCサーモグラムが図8Aおよび図8Bにそれぞれ示されている。酢酸エチルで分画されたリグニンは、低いTg点(80および87℃)を有する可溶性画分を提供した。酢酸エチルに不溶な画分は、第1のサイクルでは196℃および第2のサイクルでは192℃という高く安定したTg点を有した。このリグニンは、非分画リグニンのものより高温のTgを有し、サイクル間の温度変化はたった4℃である。

Claims (19)

  1. リグニンを分画するための方法であって、
    (i)固体リグニンおよび1重量/重量%未満の炭水化物を含む試料を有機溶媒と接触させて、二相性の混合物を形成するステップであり、前記混合物が、
    (a)前記リグニンの第1の画分を含む残留物固体であって、前記第1の画分が溶媒に不溶なリグニン画分と指定される、残留物固体と、
    (b)前記溶媒および前記リグニンの第2の画分を含む液体溶液であって、前記第2の画分が、溶媒に可溶なリグニン画分と指定される、液体溶液と、
    を含む、ステップと、
    (ii)前記溶媒に不溶なリグニン画分を前記溶媒に可溶なリグニン画分から空間的に分離するステップと、
    を含み、
    前記溶媒に不溶なリグニン画分と前記溶媒に可溶なリグニン画分とが、異なるガラス転移温度を有し、
    前記溶媒に不溶なリグニン画分と前記溶媒に可溶なリグニン画分とが、DIN53765−1994による、同じリグニン部分の2つの連続した示差走査熱量測定(DSC)作業により判定される一貫したガラス転移温度(Tg)を特徴とし、第1のDSC作業中に第1のTgが測定され、第2のDSC作業中に第2のTgが測定され、前記第1のTgと前記第2のTgとの間の差が10℃未満である、リグニンを分画するための方法。
  2. 前記溶媒が、5個までの炭素原子および少なくとも1個のヘテロ原子を有する少なくとも1個の有機分子を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記接触が20〜50℃で生じる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記接触が1〜10時間の間生じる、請求項1に記載の方法。
  5. 前記空間的分離が、前記溶媒に不溶なリグニン画分からの前記溶媒の濾過またはデカンテーションを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記溶媒に可溶なリグニン画分から前記溶媒を蒸発させるステップと、
    各画分を乾燥させて、乾燥固体の溶媒に可溶なリグニン画分および乾燥固体の溶媒に不溶なリグニン画分を得るステップと、
    をさらに含み、
    前記2種の乾燥固体のリグニン画分が、ゲル浸透クロマトグラフィーで判定した異なる分子量、および異なるガラス転移温度を有する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記溶媒に可溶なリグニン画分が、前記溶媒に不溶なリグニン画分と異なるガラス転移温度を有する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ジクロロメタン、およびこれらの任意の混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  9. バイオマスから高純度リグニンを生成するための方法であって、前記方法が、
    (i)前記バイオマスからヘミセルロース糖を除去することによって、リグニン含有残留物を得るステップであり、前記リグニン含有残留物がリグニンおよびセルロースを含む、ステップと、
    (ii)前記リグニン含有残留物をリグニン抽出溶液と接触させて、リグニン抽出物およびセルロース系残留物を生成するステップであり、前記リグニン抽出溶液が、限定溶解度の溶媒、有機酸、および水を含み、前記限定溶解度の溶媒および水が有機相および水相を形成する、ステップと、
    (iii)前記セルロース系残留物から前記リグニン抽出物を分離するステップであり、前記リグニン抽出物が前記限定溶解度の溶媒に溶解したリグニンを含む、ステップと、
    (iv)固体リグニンを有機溶媒と接触させて、二相性の混合物を形成するステップであり、前記混合物が、
    (a)前記リグニンの第1の画分を含む残留物固体であって、前記第1の画分が溶媒に不溶なリグニン画分と指定される、残留物固体と、
    (b)前記溶媒と前記リグニンの第2の画分とを含む液体溶液であって、前記第2の画分が溶媒に可溶なリグニン画分と指定される、液体溶液と、
    を含み、
    前記溶媒に可溶なリグニン画分と前記溶媒に不溶なリグニン画分とが、DIN53765−1994による、同じリグニン部分の2つの連続した示差走査熱量測定(DSC)作業により判定される一貫したガラス転移温度(Tg)を特徴とし、第1のDSC作業中に第1のTgが測定され、第2のDSC作業中に第2のTgが測定され、前記第1のTgと前記第2のTgとの間の差が10℃未満である、ステップと、
    を含み、さらに、以下:
    (v)前記リグニン抽出物を蒸留またはフラッシュ蒸発させることによって、前記リグニン抽出物から前記限定溶解度の溶媒の大部分を除去して、固体リグニンを得るステップ;
    (vi)前記固体リグニンを加熱することによって、前記固体リグニンから微量の限定溶解度の溶媒または水を除去するステップ;ならびに
    (vii)前記固体リグニンに真空を適用することによって、前記固体リグニンから微量の限定溶解度の溶媒または水を除去するステップ
    から選択される、1つ、2つまたは3つの追加のステップを含む、方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法によって得られるリグニンを含むリグニン組成物であって、前記組成物は、DIN53765−1994による同じリグニン部分の2つの連続した示差走査熱量測定法(DSC)作業により判定される一貫したガラス転移温度(Tg)を特徴とし、第1のDSC作業中に第1のTgが測定され、第2のDSC作業中に第2のTgが測定され、前記第1のTgと前記第2のTgとの間の差が10℃未満である、リグニン組成物。
  11. 前記第1のTgと前記第2のTgとの間の差が5℃未満である、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記ガラス転移温度が160℃より上である、請求項10に記載の組成物。
  13. 前記ガラス転移温度が100℃より下である、請求項10に記載の組成物。
  14. 少なくとも100ppbの濃度のマーカー分子をさらに含む、請求項10に記載の組成物。
  15. 前記マーカー分子が、イソプロパノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ジクロロメタン、ヘキサノール、フルフラール、ヒドロキシ−メチルフルフラール、2,3,5トリメチルフラン、p−ヒドロキシフェノキシ酢酸、4−ヒドロキシ−3,5,−ジメトキシフェニル酢酸、メチルエチルケトン、メチルプロペニルケトン、3−(2−フリル)−3−ペンテン−2−オン、3−メチル−2−ペンテン−4−オン、3,4−ジメチル−4−ヘキセン−オン、5−エチル−5−ヘキセン−3−オン、5−メチル−4−ヘプテン−3−オン、o−ヒドロキシアニソール、3−エチル−4−メチル−3−ペンテン−2−オン、3,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメチルアセトフェノン、1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロパン、メタノール、ガラクツロン酸(galcturonic)、デヒドロアビエチン酸、グリセロール、脂肪酸および樹脂酸からなる群から選択される、請求項14に記載の組成物。
  16. クラフトリグニン中に見出される量の0.1倍未満の量の揮発性硫黄化合物をさらに含む、請求項10に記載の組成物。
  17. 0.5%未満の量の灰分をさらに含む、請求項10に記載の組成物。
  18. 700ppm未満の量の硫黄をさらに含む、請求項10に記載の組成物。
  19. 0.5%未満の量の可溶性炭水化物をさらに含む、請求項10に記載の組成物。
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