JP2019162653A - アルミダイカスト金型用部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミニウムを含む溶湯に対する耐焼き付き性が更に改善されたアルミダイカスト金型用部品を提供する。【解決手段】基材露出面の少なくとも一部に、珪素(Si)及び水素(H)を含むダイヤモンドライクカーボン被膜によって構成される第1層が形成されており、第1層の基材露出面とは反対側の表面であるDLC外表面の少なくとも一部に、マグネシウム(Mg)、珪素(Si)及びアルミニウム(Al)を含む金属酸化物被膜によって構成される第2層が形成されており、金属酸化物被膜におけるアルミニウム(Al)の酸素(O)に対する原子数比(Al/O)が0.04以上であり且つ0.68未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、アルミダイカスト金型用部品に関する。より具体的には、本発明は、アルミニウム(Al)を含む溶湯に対する優れた耐焼き付き性を有するアルミダイカスト金型用部品に関する。
ダイカスト法における焼き付きとは、例えば、アルミダイカスト金型の空洞部に射出されたアルミニウム合金(アルミニウム単体を含む)が金型又は鋳抜きピン等の表面に反応・融着する現象であり、例えばダイカスト鋳造品の寸法精度、生産性及び外観品質の悪化等の問題に繋がる虞がある。そこで、当該技術分野においては、アルミニウム合金の反応・融着を低減することを目的として、例えば金型の内部及び/又は表面の冷却の強化、離型剤の塗布並びに表面処理等の焼き付き対策が広く行われている。
上記のような表面処理の具体例としては、例えば酸化物、炭化物、窒化物及び炭窒化物のうち少なくとも1つ以上の化合物を含む表面処理層を例えば物理気相成長法(PVD)及び化学気相成長法(CVD)等の手法により金型の表面に形成することを挙げることができる。特に、特定の含有率にて珪素(Si)及び水素(H)を含むダイヤモンドライクカーボン(DLC)を基材の表面に形成することにより、アルミニウムを含む溶湯に対する優れた耐焼き付き性を有するアルミダイカスト金型用部品を提供する様々な技術が開発されている。
例えば、珪素、水素及び残部である炭素(C)からなる非晶質炭素膜(DLC−Si膜)によって基材の少なくとも一部が被覆された被覆部材において、基材との界面近傍における珪素の濃度よりも表面近傍における珪素の濃度の方が高くなるようにDLC−Si膜における珪素の濃度勾配を生じさせることにより、高温における耐酸化性及び摩擦摺動特性等を向上させることが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。当該従来技術によれば、表面近傍における珪素の濃度が高いことにより高温域においてもDLC−Si膜の硬質性が保持されると共に、基材との界面近傍での珪素の濃度が低いことによりDLC−Si膜において適度な靱性を達成して高温域においても高い密着性を発現することができる。その結果、当該被覆部材は安定した耐熱性を発現することができる。
図7は、上記のようなDLC−Si膜が表面に形成された従来技術に係るアルミダイカスト金型用部品におけるショット数とアルミニウム合金の付着量(Al付着量)との関係を、窒化チタンアルミ(TiAlN)系の被膜(TiAlN系膜)が表面に形成された従来技術に係るアルミダイカスト金型用部品における同関係と比較する模式的なグラフである。図7からも明らかであるように、上記のようなDLC−Si膜によれば、TiAlN系膜に比べて、ショット数の増大に伴うAl付着量の増大を低減することができる。
しかしながら、上記のようなDLC−Si膜においても、TiAlN系膜に比べてAl付着量がより少ないとはいえ、例えば図8に示すようにアルミニウム合金(Al合金)の焼き付きが依然として認められ、ショット数の増大に伴ってAl付着量が増大することに変わりは無い。即ち、従来技術に係るアルミダイカスト金型用部品においては、アルミニウムを含む溶湯に対する耐焼き付き性の更なる改善が求められている。
特開2011−202235号公報
上述したように、従来技術に係るアルミダイカスト金型用部品においては、アルミニウムを含む溶湯に対する耐焼き付き性の更なる改善が求められている。即ち、本発明は、アルミニウムを含む溶湯に対する耐焼き付き性が更に改善されたアルミダイカスト金型用部品を提供することを1つの目的とする。
そこで、本発明者は、鋭意研究の結果、珪素及び水素を含むダイヤモンドライクカーボン被膜(DLC−Si膜)を基材の表面に形成すると共に、当該DLC−Si膜の表面に特定の組成を有する金属酸化物被膜(酸化物膜)を形成することにより、アルミニウムを含む溶湯に対する耐焼き付き性が更に改善されたアルミダイカスト金型用部品を提供することができることを見出した。
上記に鑑み、本発明に係るアルミダイカスト金型用部品(以下、「本発明部品」と称される場合がある。)は、アルミダイカスト金型の空洞部に露出する基材の表面である基材露出面を有するアルミダイカスト金型用部品である。前記基材露出面の少なくとも一部には、珪素(Si)及び水素(H)を含むダイヤモンドライクカーボン被膜によって構成される第1層が形成されている。前記第1層の前記基材露出面とは反対側の表面であるDLC外表面の少なくとも一部には、マグネシウム(Mg)、珪素(Si)及びアルミニウム(Al)を含む金属酸化物被膜によって構成される第2層が形成されている。更に、前記金属酸化物被膜におけるアルミニウム(Al)の酸素(O)に対する原子数比(Al/O)が0.04以上であり且つ0.68未満である。
本発明によれば、アルミニウムを含む溶湯に対する耐焼き付き性が更に改善されたアルミダイカスト金型用部品を提供することができる。
本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の各実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
本発明の第1実施形態に係るアルミダイカスト金型用部品(第1部品)の基材の表面に形成された被膜の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の実施例に係る試料WE1及びWE2並びに比較例に係る試料CE2及びCE5におけるダイカスト鋳造工程のショット数の増大に伴う焼き付き厚みの変化を示すグラフである。 350ショットのダイカスト鋳造工程後の本発明の実施例に係る試料WE1のAl合金が焼き付いた表面におけるAl合金の付着状況及び第2層の剥離状況を示す電子顕微鏡写真である。 図3に示した電子顕微鏡写真において白色の破線によって囲まれた部分の拡大電子顕微鏡写真である。 図4に示した電子顕微鏡写真において白色の破線によって囲まれた部分の拡大電子顕微鏡写真である。 図5に示した電子顕微鏡写真において白色の破線によって囲まれた部分の拡大電子顕微鏡写真である。 DLC−Si膜が表面に形成された従来技術に係るアルミダイカスト金型用部品におけるショット数とAl付着量との関係を、TiAlN系膜が表面に形成された従来技術に係るアルミダイカスト金型用部品における同関係と比較する模式的なグラフである。 DLC−Si膜が表面に形成された従来技術に係るアルミダイカスト金型用部品の表面におけるAl合金の付着状況を示す断面写真である。
《第1実施形態》
以下、本発明の第1実施形態に係るアルミダイカスト金型用部品(以降、「第1部品」と称される場合がある。)について説明する。
〈構成〉
第1部品は、アルミダイカスト金型の空洞部に露出する基材の表面である基材露出面を有するアルミダイカスト金型用部品である。尚、本明細書における「アルミダイカスト」は、アルミニウムの金型鋳造法のみならず、アルミニウム合金の金型鋳造法をも含むものとする。また、第1部品は、アルミダイカスト金型の空洞部に露出する基材の表面である基材露出面を有する部品である限り、特に限定されない。このような部品の具体例としては、例えば、アルミダイカスト金型のキャビティ又はコアを構成する部品及び鋳抜きピン等の部品を挙げることができる。
第1部品の基材を構成する材料は、アルミダイカスト金型用の部品の材料として一般的に使用される様々な材料の中から、ダイカスト鋳造工程の条件(例えば、溶湯の温度及び圧力等)に応じて適宜選択することができる。このような材料の具体例としては、例えば、JIS(日本工業規格)によって規定される各種SKD鋼(例えば、SKD61等)を始めとする種々の金型用合金工具鋼を挙げることができる。
図1は、第1部品の基材の表面に形成された被膜の構成を示す模式的な断面図である。第1部品100においては、アルミダイカスト金型の空洞部に露出する基材10の表面である基材露出面11の少なくとも一部に第1層20が形成されており、第1層20の基材露出面11とは反対側の表面であるDLC外表面21の少なくとも一部に第2層30が形成されている。尚、図1は、第1部品100の第1層20及び第2層30が形成された基材露出面11の近傍の模式的な断面図であり、基材10、第1層20及び第2層30の一部が描かれている。
第1層20は、珪素(Si)及び水素(H)を含むダイヤモンドライクカーボン被膜によって構成される。ダイヤモンドライクカーボン被膜とは、当業者に周知であるように、主として炭素の同素体から成る非晶質(アモルファス)の硬質膜であり、「DLC膜」とも称される。第1層を構成するDLC膜は、上記のように珪素(Si)及び水素(H)を含むDLC膜であり、「DLC−Si膜」とも称される。第1層20は、必ずしも基材露出面11の全面を覆う必要は無く、基材露出面11の少なくとも一部に形成されていればよい。
尚、第1層20を構成するDLC−Si膜の製法としては、例えば、化学気相成長(CVD)及び物理気相成長(PVD)を挙げることができる。CVDの具体例としては、例えば、(例えば、高周波、マイクロ波又は直流等を用いる)プラズマCVD及び熱CVD等の手法を挙げることができる。PVDの具体例としては、例えば、(直流励起又は高周波励起による)イオンプレーティング、スパッタリング及びレーザーアブレーション等の手法を挙げることができる。具体的に採用される手法は、例えば下地となる基材の材料及びDLC−Si膜に要求される性質等に応じて適宜選択される。
尚、第1層20を構成するDLC−Si膜は、アルミニウムを含む溶湯に対する優れた耐焼き付き性を有するDLC−Si膜である限り、特に限定されない。当業者に周知であるように、DLC膜に含まれる水素の含有率は例えば原料及び製法等によって様々であるが、第1層を構成するDLC−Si膜における水素の含有率は10at%以上であり且つ30at%以下とすることができる。この場合、第1層20を構成するDLC−Si膜における珪素の含有率は10at%未満とすることができ、より好ましくは0.5at%以上であり且つ7at%以下とすることができる。
或いは、詳しくは後述されるように第2層30との適度な密着性を確保する観点からは、例えば、前述した特許文献1に記載された非晶質炭素膜と同様に、第1層20を構成するDLC−Si膜における水素の含有率は20at%以上であり且つ40at%以下とすることができる。この場合、第1層20を構成するDLC−Si膜における珪素の含有率は8at%以上であり且つ30at%以下とすることができる。尚、特許文献1に記載された非晶質炭素膜においては前述したように基材との界面近傍における珪素の濃度よりも表面近傍における珪素の濃度の方が高くなるように珪素の濃度勾配を生じさせている。しかしながら、第1層20を構成するDLC−Si膜においては、このような珪素の濃度勾配が生じていてもよく、或いは生じていなくてもよい。
一方、第2層30は、マグネシウム(Mg)、珪素(Si)及びアルミニウム(Al)を含む金属酸化物被膜によって構成される。以降、当該金属酸化物被膜は単に「酸化物膜」とも称される。第2層30は、必ずしも第1層20の全面を覆う必要は無く、第1層20の基材露出面11とは反対側の表面であるDLC外表面21の少なくとも一部に形成されていればよい。第2層30を構成する酸化物膜の製法としては、例えば当該酸化物膜を構成する金属及び/又は金属酸化物を含むエマルション等を、例えば刷毛塗り及びスプレー塗布等の手法により、DLC外表面21の少なくとも一部に塗布して乾燥させる方法を挙げることができる。この場合、塗膜の乾燥後に、第1層20に悪影響を及ぼさない条件下において更なる熱処理を施してもよい。或いは、当該酸化物膜を構成する金属元素を含む離型剤をDLC外表面21の少なくとも一部に塗布し、DLC外表面21に付着しているアルミニウムと反応させることにより、第2層30を構成する酸化物膜を形成させてもよい。
更に、第2層30を構成する金属酸化物被膜(酸化物膜)におけるアルミニウム(Al)の酸素(O)に対する原子数比(Al/O)は0.04以上であり且つ0.68未満である。
上記原子数比(Al/O)が0.04未満である場合、耐焼き付き性が低下するので好ましくない。このように原子数比(Al/O)が小さくなると耐焼き付き性が低下するのは以下の原因によるものと考えることができる。酸化物膜中において、アルミニウム(Al)量に対するマグネシウム(Mg)量が相対的に多くなるため、酸化物膜中に存在するマグネシウム(Mg)の酸化物の量がアルミニウム(Al)の酸化物の量と比較して相対的に増える。その結果、離型剤等に含まれる水分とマグネシウム(Mg)の酸化物との反応に由来する生成物が増加する。当該反応生成物は雰囲気中の酸素及び溶湯中のアルミニウム(Al)と反応し易いため、耐焼き付き性が低下する。
一方、上記原子数比(Al/O)が0.68以上である場合、酸化物膜中の金属アルミニウムの存在量が増大し、溶湯中のアルミニウムとの結合に起因して焼き付きが増大する虞が高まる。また、酸化物膜中の金属アルミニウムの存在量の増大により酸化物膜の延性が高まる結果、第2層の靱性が高まり、ダイカスト鋳造工程中に第2層が第1層から剥離し難くなる虞がある。その結果、上述したようなメカニズムによる耐焼き付き性の向上効果が得られ難くなる虞がある。好ましくは、上記原子数比(Al/O)は0.25未満である。
尚、酸化物膜における酸素(O)の含有率は25at%よりも大きいことが好ましい。酸素(O)の含有率が25at%以下である場合、酸化物膜中の金属元素の存在量が増大し、酸化物膜の延性が高まる結果、第2層の靱性が高まり、ダイカスト鋳造工程中に第2層が第1層から剥離し難くなる虞がある。その結果、上述したようなメカニズムによる耐焼き付き性の向上効果が得られ難くなる虞がある。一方、酸化物膜における酸素(O)の含有率の上限は、酸化物膜を構成する複合酸化物の組成に基づき化学量論的に定まる。典型的には、酸化物膜における酸素(O)の含有率は65at%未満である。
また、第2層30を構成する酸化物膜は、アルミニウムを含む溶湯に対する耐焼き付き性を始めとする第1部品の性能に悪影響が及ばない限りにおいて、例えばカルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、鉄(Fe)及び炭素(C)等の不純物を少量含んでいてもよい。
〈効果〉
上記のように、第1部品においては、アルミダイカスト金型の空洞部に露出する基材の表面である基材露出面の少なくとも一部に、珪素(Si)及び水素(H)を含むダイヤモンドライクカーボン被膜(DLC−Si膜)によって構成される第1層が形成されている。更に、第1層の基材露出面とは反対側の表面であるDLC外表面の少なくとも一部に、マグネシウム(Mg)、珪素(Si)及びアルミニウム(Al)を含む金属酸化物被膜(酸化物膜)によって構成される第2層が形成されている。加えて、金属酸化物被膜(酸化物膜)におけるアルミニウム(Al)の酸素(O)に対する原子数比(Al/O)が0.04以上であり且つ0.68未満である。
上記により、ダイカスト鋳造工程におけるアルミニウムを含む溶湯に対する耐焼き付き性を更に改善することができる。即ち、第1部品によれば、アルミニウムを含む溶湯に対する耐焼き付き性が更に改善されたアルミダイカスト金型用部品を提供することができる。
尚、上記のような効果は、以下のようなメカニズムによって達成されるものと推定される。先ず、アルミニウムとの反応性に乏しく且つ耐熱性の高い酸化物膜によって構成される第2層が第1部品の最外層に形成されていることによりアルミニウム合金(Al合金)が当該露出面に付着し難くなる。即ち、第2層によりAl合金の焼き付きが低減される。とはいえ、ダイカスト鋳造工程のショット数の増大に伴い、第2層の表面には徐々にAl合金が焼き付き、アルミニウム合金の付着量(Al付着量)が徐々に増大してゆく。
しかしながら、上述したような組成を有する第2層とDLC−Si膜によって構成される第1層との間においては適度な密着性が達成されているため、例えば金型からの製品の離型時等において、焼き付いたAl合金と共に第2層が第1層から剥離する。このように第2層が剥離した箇所においては第1層が露出することとなるが、そもそも第1層は、上述したように優れた耐焼き付き性を有するDLC−Si膜によって構成されているので、第1層が露出している箇所においてもAl合金が焼き付き難い。
上記のように、第1部品においては、最外層である第2層及び第2層の下層に位置する第1層の何れもが優れた耐焼き付き性を有しており且つ第2層の表面に焼き付いたAl合金は第2層と共に第1層からダイカスト鋳造工程中に剥がれ落ちる。このため、第1部品の基材露出面におけるアルミニウムの焼き付きが累積(発展・成長)しない。
尚、上記のように第1部品においてはダイカスト鋳造工程中に第2層が剥がれ落ちるが、例えば金型のメンテナンス及び製造される銘柄の切り替え等の機会において、上述したような手法によって第2層を再形成することにより、第1部品の優れた耐焼き付き性を維持することができる。
上記の結果、第1部品によれば、従来技術に係る金型部品に比べて、ダイカスト鋳造工程における焼き付きをより有効に低減することができる。従って、金型の保全のための工数が低減されると共に、良好な鋳肌を有するアルミニウム鋳物及び/又はアルミニウム合金鋳物を高い生産性にて製造することが可能となる。
ところで、第1部品における第1層(DLC−Si膜)の厚みは、0.2μm以上であり且つ20μm未満であることが好ましい。第1層の厚みが0.2μm未満である場合、第1層の連続性が不十分となり、第1層の長期耐久性を確保することが困難となる虞がある。一方、第1層の厚みが20μm以上である場合、第1層の基材に対する密着性が不十分となり、やはり第1層の長期耐久性を確保することが困難となる虞がある。より好ましくは、第1層の厚みは0.5μm以上であり且つ15μm未満である。
一方、第1部品においては上述したようにダイカスト鋳造工程中に第2層(酸化物膜)が剥がれ落ちる。その結果、第1部品の基材露出面には第2層の厚みに対応する凹凸が生ずることとなる。従って、第1部品における第2層の厚みは、第1部品によって構成されるアルミダイカスト金型によって製造される製品(ダイカスト鋳造品)に求められる表面性状(例えば、鋳肌の平滑性及びきめ細かさ等)に応じて定められるべきである。典型的には、第2層の厚みは50μm以下であり、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは10μm以下である。
《第2実施形態》
以下、本発明の第2実施形態に係るアルミダイカスト金型用部品(以降、「第2部品」と称される場合がある。)について説明する。
〈構成〉
第2部品は、上述した第1部品であって、金属酸化物被膜(酸化物膜)における珪素(Si)のアルミニウム(Al)に対する原子数比(Si/Al)が1.2よりも大きく以上であり且つ15未満である、アルミダイカスト金型用部品である。
上記原子数比(Si/Al)が1.2以下である場合、アルミニウムを含む溶湯に対する第2層の耐焼き付き性を長期間に亘って維持することが困難となる虞がある。また、第2層の靱性が高まり、ダイカスト鋳造工程中に第2層が第1層から剥離し難くなる虞がある。その結果、上述したようなメカニズムによる耐焼き付き性の向上効果が得られ難くなる虞がある。一方、上記原子数比(Si/Al)が15以上である場合、ダイカスト鋳造工程におけるアルミニウムと珪素と大気中の酸素とに由来する反応に起因して焼き付きが発生し、ダイカスト鋳造品の寸法精度の悪化等の問題に繋がる虞がある。また、第2層の硬度が過剰に増大して脆性が高まるため、例えば第1層との密着不良及び割れ等が生じ易くなり、第2層の長期耐久性を確保することが困難となる虞がある。好ましくは、上記原子数比(Si/Al)は1.5以上であり且つ12未満である。
0.25未満である。
〈効果〉
上記のように、第2部品においては、金属酸化物被膜(酸化物膜)における珪素(Si)のアルミニウム(Al)に対する原子数比(Si/Al)が1.2よりも大きく以上であり且つ15未満である。これにより、第2層の長期耐久性を確保しつつ、上述したようなメカニズムによる耐焼き付き性の向上効果を確実に達成することができる。
《第3実施形態》
以下、本発明の第3実施形態に係るアルミダイカスト金型用部品(以降、「第3部品」と称される場合がある。)について説明する。
〈構成〉
第3部品は、上述した第1部品又は第2部品であって、金属酸化物被膜(酸化物膜)におけるアルミニウム(Al)の含有率が2at%以上であり且つ8at%未満である、アルミダイカスト金型用部品である。
酸化物膜におけるアルミニウム(Al)の含有率が2at%未満である場合、耐焼き付き性が低下するので好ましくない。このようにアルミニウム(Al)の含有率が小さくなると耐焼き付き性が低下するのは以下の原因によるものと考えることができる。酸化物膜中において、アルミニウム(Al)量に対するマグネシウム(Mg)量が相対的に多くなるため、酸化物膜中に存在するマグネシウム(Mg)の酸化物の量がアルミニウム(Al)の酸化物の量と比較して相対的に増える。その結果、離型剤等に含まれる水分とマグネシウム(Mg)の酸化物との反応に由来する生成物が増加する。当該反応生成物は雰囲気中の酸素及び溶湯中のアルミニウム(Al)と反応し易いため、耐焼き付き性が低下する。
一方、酸化物膜におけるアルミニウム(Al)の含有率が8at%以上である場合、溶湯中のアルミニウムとの結合に起因して焼き付きが増大する虞が高まる。また、酸化物膜中の金属アルミニウムの存在量の増大により酸化物膜の延性が高まる結果、第2層の靱性が高まり、ダイカスト鋳造工程中に第2層が第1層から剥離し難くなる虞がある。その結果、上述したようなメカニズムによる耐焼き付き性の向上効果が得られ難くなる虞がある。
〈効果〉
上記のように、第3部品においては、金属酸化物被膜(酸化物膜)におけるアルミニウム(Al)の含有率が2at%以上であり且つ8at%未満である。これにより、上述したようなメカニズムによる耐焼き付き性の向上効果を確実に達成することができる。
《各種試料の調製》
本発明の実施例に係るアルミダイカスト金型用部品につき、図面を参照しながら、以下に詳しく説明する。金型用合金工具鋼SKD61によって形成された鋳抜きピンを準備し、当該鋳抜きピンの表面に、以下の表1に列挙する第1層及び第2層を形成した。第1層及び第2層の厚みはそれぞれ3μm及び2μmとした。
表1に示したように、本発明の実施例に係る試料WE1乃至WE5においては、珪素(Si)及び水素(H)を含むダイヤモンドライクカーボン被膜(DLC−Si膜)によって構成される第1層が形成されている。これらの試料の第1層を構成するDLC−Si膜は何れも、16at%の珪素(Si)及び28at%の水素(H)を含有している。
また、第1層の基材露出面とは反対側の表面であるDLC外表面(即ち、各試料の最外層)には、マグネシウム(Mg)、珪素(Si)及びアルミニウム(Al)を含む金属酸化物被膜(酸化物膜)によって構成される第2層が形成されている。試料WE1乃至WE5の何れの酸化物膜においても、上述した第1部品乃至第3部品に関する説明において述べたアルミニウム(Al)の酸素(O)に対する原子数比(Al/O)、珪素(Si)のアルミニウム(Al)に対する原子数比(Si/Al)、及びアルミニウム(Al)の含有率の要件を満足している。尚、試料WE1乃至WE5の何れの酸化物膜においても、少量のカルシウム(Ca)が含有されている。
一方、比較例に係る試料CE1乃至CE4においても、第1層を構成するDLC−Si膜は上述した試料WE1乃至WE5におけるDLC−Si膜と同一である。しかしながら、試料CE1乃至CE3においては、第2層を構成する酸化物膜の組成が上述した第1部品乃至第3部品に関する説明において述べた要件を満足していない。また、試料CE4においては、酸化物膜によって構成される第2層が設けられておらず、DLC−Si膜によって構成される第1層が露出している。更に、比較例に係る試料CE5については、低温PVDにより、試験片及び鋳抜きピンの表面に窒化チタンアルミ(TiAlN)系の被膜を形成した。これらの試料CE4及びCE5は、アルミニウム及び/アルミニウム合金のダイカスト金型において従来使用される被膜を備える比較例である。
《各種試料の評価》
〈耐焼き付き性〉
上述した本発明の実施例に係る試料WE1乃至WE5及び比較例に係る試料CE1乃至CE5(鋳抜きピン)をアルミダイカストマシンにセットした。鋳造条件としては、ダイカストマシンの型締め力を500tとし、ダイカスト時の鋳造圧力を55MPaとし、アルミニウム合金ADC12の溶湯温度を650℃とした。当該条件下にて、それぞれ350ショットのダイカストを鋳造した。そして、各種鋳抜きピンの各々について、350ショットのダイカスト鋳造工程の途中及び完了後において鋳抜きピンの表面に焼き付いたアルミニウムの厚み(焼き付き厚み)を計測した。
図2は、本発明の実施例に係る試料及び比較例に係る試料におけるダイカスト鋳造工程のショット数の増大に伴う焼き付き厚みの変化を示すグラフである。但し、図2においては、上述した各種試料のうち、本発明の実施例に係る試料WE1及びWE2並びに比較例に係る試料CE2及びCE5のみを例示する。
図2のグラフに示すように、実施例に係る試料WE1及びWE2においては、焼き付き厚みが一時的に増大するときも見受けられたものの全体的には焼き付き厚みの増大(焼き付きの累積)が少なく、350ショットのダイカスト鋳造工程の完了時点における焼き付き厚みは20μm未満であった。一方、比較例に係る試料CE2及びCE5においては、焼き付き厚みが一時的な増減も見受けられたものの全体的には焼き付き厚みの増大(焼き付きの累積)が多く、350ショットのダイカスト鋳造工程の完了時点における焼き付き厚みは20μmを大幅に超えた。
次に、アルミニウムが焼き付いた箇所における第2層(酸化物膜)の剥離の有無を電子顕微鏡によって観察した。図3は、350ショットのダイカスト鋳造工程後の本発明の実施例に係る試料WE1のAl合金が焼き付いた表面におけるAl合金の付着状況及び第2層の剥離状況を示す電子顕微鏡写真である。図3に示した4つの箇所A乃至Dのそれぞれにおいて第1層(DLC−Si膜)の上に形成された膜の厚みが異なる。例えば、箇所Aにおいては第2層が剥離して第1層が露出している。これは、試料WE1の表面においてAl合金の焼き付きと第2層の剥離とが繰り返し発生したことを示すものと考えられる。
図4は、図3に示した電子顕微鏡写真において白色の破線によって囲まれた部分の拡大電子顕微鏡写真である。また、図5は、図4に示した電子顕微鏡写真において白色の破線によって囲まれた部分の拡大電子顕微鏡写真である。更に、図6は、図5に示した電子顕微鏡写真において白色の破線によって囲まれた部分の拡大電子顕微鏡写真である。これらの写真から、金属酸化物被膜によって構成される第2層は、脆性的に破断して第1層から剥離しているものと考えられる。
尚、本実施例においては、350ショットのダイカスト鋳造工程の完了時点において鋳抜きピンの表面に焼き付いていたアルミニウムの厚み(焼き付き厚み)が20μm未満であり且つ第2層(酸化物膜)の剥離が確認された試料の耐焼き付き性を「良」として評価し、焼き付き厚みが20μm以上であるか又は第2層(酸化物膜)の剥離が確認されない資料の耐焼き付き性を「不良」として評価した。
表1に列挙するように、焼き付き厚みについては、本発明の実施例に係る試料WE1乃至WE5は何れも20μm未満であり且つ第2層の剥離が確認された(即ち、耐焼き付き性が「良」)のに対し、比較例に係る試料CE1乃至CE5は何れも30μmよりも厚く且つ第2層の剥離が確認されなかった(即ち、耐焼き付き性が「不良」)。即ち、耐焼き付き性の評価結果としては、本発明の実施例に係る試料WE1乃至WE5は何れも「良」であったのに対し、比較例に係る試料CE1乃至CE5は何れも「不良」でであった。このように、本発明部品は、従来技術に係るアルミダイカスト金型用部品(以降、「従来部品」と称される場合がある。)に比べて、より良好な耐焼き付き性を呈することが確認された。
〈総合評価〉
以上の結果から、本発明によれば、アルミニウムを含む溶湯に対する耐焼き付き性が更に改善されたアルミダイカスト金型用部品を提供することができることが確認された。
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成を有する幾つかの実施形態及び実施例につき、時に添付図面を参照しながら説明してきたが、本発明の範囲は、これらの例示的な実施形態及び実施例に限定されると解釈されるべきではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることが可能であることは言うまでも無い。
100…アルミダイカスト金型用部品(試料の一部)、10…基材、11…基材露出面、20…第1層、21…DLC外表面、30…第2層。

Claims (3)

  1. アルミダイカスト金型の空洞部に露出する基材の表面である基材露出面を有するアルミダイカスト金型用部品であって、
    前記基材露出面の少なくとも一部に、珪素(Si)及び水素(H)を含むダイヤモンドライクカーボン被膜によって構成される第1層が形成されており、
    前記第1層の前記基材露出面とは反対側の表面であるDLC外表面の少なくとも一部に、マグネシウム(Mg)、珪素(Si)及びアルミニウム(Al)を含む金属酸化物被膜によって構成される第2層が形成されており、
    前記金属酸化物被膜におけるアルミニウム(Al)の酸素(O)に対する原子数比(Al/O)が0.04以上であり且つ0.68未満である、
    アルミダイカスト金型用部品。
  2. 請求項1に記載されたアルミダイカスト金型用部品であって、
    前記金属酸化物被膜における珪素(Si)のアルミニウム(Al)に対する原子数比(Si/Al)が1.2よりも大きく以上であり且つ15未満である、
    アルミダイカスト金型用部品。
  3. 請求項1又は請求項2に記載されたアルミダイカスト金型用部品であって、
    前記金属酸化物被膜におけるアルミニウム(Al)の含有率が2at%以上であり且つ8at%未満である、
    アルミダイカスト金型用部品。
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