JP2003088939A - 金属成形機用被覆部材 - Google Patents

金属成形機用被覆部材

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JP2003088939A
JP2003088939A JP2001280304A JP2001280304A JP2003088939A JP 2003088939 A JP2003088939 A JP 2003088939A JP 2001280304 A JP2001280304 A JP 2001280304A JP 2001280304 A JP2001280304 A JP 2001280304A JP 2003088939 A JP2003088939 A JP 2003088939A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融又は半溶融のマグネシウム合金もしくは
アルミニウム合金の成形を、その合金の固着を防止して
スムーズに行え、寿命も向上した金型等の成形機用被覆
部材を提供する。 【解決手段】 金型等の母材1の表面に、炭素含有量が
95at%以上で、ヌープ硬さが3000〜7000の
範囲にある透明炭素膜2を設ける。その透明炭素膜2は
水素を含まず、グラファイト成分の含有量も少なくて長
寿命を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、溶融又は半溶融
のマグネシウム合金やアルミニウム合金を成形する金属
成形機用の被覆部材に関する。
【0002】なお、この発明の被覆部材とは、金型、射
出成形機のシリンダ、スクリュー、ノズル、鋳型に利用
する鋳抜ピンなど、成形機の構成要素のうち、成形対象
合金との直接の接触が起こるものを云う。その中でも代
表的な金型を例に挙げて以下の説明を行う。
【0003】
【従来の技術】マグネシウムは実用構造用金属材料中で
最も軽い金属であり、資源も豊富で構造用金属としては
ケイ素、マグネシウム、鉄に続いて4番目に多く存在し
ている。近年、マグネシウム合金はその軽量性から、ノ
ートパソコンや携帯機器などの筐体、自動車部品などを
中心に応用が進められている。
【0004】マグネシウムの加工には、圧延、押し出
し、鍛造が冷間では困難なことから、ダイカスト法が広
く採用されており、近年、新たに半溶融凝固の原理を用
いたチクソモールド法なども開発、実用化されている。
【0005】ダイカスト法やチクソモールド法では、成
形時のマグネシウム合金原料の温度は一般に500〜7
00℃以上まで加熱される。また、原料を射出する成形
機のシリンダやスクリュー、ノズル等の部品温度は最高
で650℃程度、また、成形用金型の温度は150〜3
00℃の範囲で使用されることが多い。高温の原料は、
高圧、高速で射出され、金型内で短時間で固化し成形が
完了する。
【0006】一方、溶融または半溶融アルミニウム合金
の成形には、鋳造法、ダイカスト法、溶湯鍛造法などが
ある。成形時のアルミニウム合金の温度は合金組成にも
よるが一般に500〜700℃以上である。古くは砂型
を使用する手法が適用されていたが、高い寸法精度や表
面品質、ニアネットシェイプ、急冷効果を狙い金型鋳造
による成形も多く使われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】溶融または半溶融のマ
グネシウム合金やアルミニウム合金の成形時には、金型
に成形対象合金が固着して成形不良が出たり、金型表面
における合金の流れが悪く表面にしわが入る問題があっ
た。また、硬質物質が合金成分の中に含まれている場合
は、金型表面の摩耗や変形も問題となっていた。
【0008】こうした問題に対し、潤滑剤、離型剤を金
型表面に塗布して離型性と流動性を高める方法がある。
しかし、潤滑剤、離型剤を頻繁に塗布する手間や、塗布
した潤滑剤、離型剤を定期的に清掃する手間が新たな問
題となっていた。
【0009】金型材料をより硬質で耐酸化、耐蝕性の高
い超硬合金やセラミックスにする方法があるが、離型性
は大きな改善が見られず、一方でコストが大幅に上がる
ためあまり適用されていない。CrメッキやTiNコー
ティングなどの表面処理も同様にコストの割に効果が小
さく使われていない。
【0010】最近になり、特開2000−26195、
特開2000−246371、特開2000−2717
20などにあるように、ダイヤモンド状炭素、窒素含有
硬質炭素などの炭素系の被膜を金型表面に被覆する方法
が提案されている。これらの被膜は、マグネシウム合金
やアルミニウム合金に対する離型性に優れる。しかし、
一般にこれらの炭素系被膜はグラファイト成分を含むた
め、高温で使用すると既に存在するグラファイト構造部
を起点としてグラファイト化が進行し、十分な金型寿命
が得られない問題があった。
【0011】また、例えば、特開平4−52279号が
アルミ鋳造用鋳抜ピンの表面に設けている硬質炭素膜の
ように、プラズマCVD法で成膜された炭素膜は製法上
膜中に水素を含むため、350℃以上の温度では膜の分
解が急速に進むと云う問題もあった。なお、水素含有量
の少ない硬質炭素膜も、一般には膜中にグラファイト成
分を含んでおり、高温で使用すると、上述したグラファ
イト化の進行による寿命低下が起こる。
【0012】この発明は、溶融又は半溶融のマグネシウ
ム合金やアルミニウム合金が接触する部材の表面、例え
ば金型の成形面を、従来の炭素膜よりも安定性、耐久性
に優れた膜で被覆して部材表面に対する合金の固着、部
材表面の損傷を長期にわたって減少させ、合金のスムー
ズな流動による安定した成形、成形の歩留まり向上を可
能ならしめることを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、被成形物、即ち、溶融又は半
溶融のマグネシウム合金やアルミニウム合金が接触する
部材の表面、例えば金型の成形面を、炭素含有率が95
at%以上でヌープ硬さが3000以上、7000以下
の透明炭素膜で被覆する。なお、被覆は、合金の固着が
起こり易い部位(表面の一部)のみを対象にして行って
もよい。
【0014】透明炭素膜は、高硬度のアモルファス状の
炭素膜であり、部材の母材金属上に被覆すると、膜厚が
1μmを超えていてもその透明度ゆえ干渉色を呈する。
以下に本透明炭素膜について詳細に定義する。
【0015】炭素からなる膜には、ダイヤモンド膜、グ
ラファイト膜、ダイヤモンド状炭素膜などがある。透明
炭素膜は、一般にダイヤモンド状炭素といわれる材料系
の中に含まれる特殊な膜である。
【0016】ダイヤモンド状炭素は極めて広い概念の材
料である。 ダイヤモンド状炭素(Diamond like carbon;
DLC )、のほか、アモルファスカーボン(a−C、a−
C:H) 、i−C(アイ・カーボン) 、硬質炭素(hard
carbon )などとも呼ばれる。構造はsp3構造を−部
に有する非晶質構造で、構成元素は炭素のみ、あるいは
水素を含有する水素化炭素膜であり、水素含有量は最大
では50at%を超えるものも含まれる。ヌーブ硬度
は、800〜8000と広い範囲で定義されることが多
い。一般には膜中にグラファイト成分が含まれ、膜厚
0.5μmを超えると、褐色から黒色、あるいは灰色と
なる。
【0017】この発明における透明炭素膜は、このよう
に広く定義されるダイヤモンド状炭素の中でも、特に水
素を含まず、グラファイト成分が少なくて透明度が高い
非晶質炭素膜をさす。
【0018】具体的には、 構成元素は、合成法上混入不
可避の不純物を除くと炭素のみである。 不純物の存在を
考慮すると95at%以上が炭素である。不純物は、水
に起因する水素、酸素が最も多く、残留ガスに起因する
窒素が混入することもある。また、成膜装置内部の鉄な
どの金属成分が微量に入ることもある。主に固体炭素を
原料として合成されるため、固体炭素原料中の不純物も
微量に含まれる。水や大気に起因する酸素、水素、窒素
を除いて分析すれば99.5at%以上が炭素である。
【0019】グラファイト成分が少ないことは、具体的
には透明であることと、ヌープ硬さが3000以上70
00以下であることで定義する。 その透明性は0.6μ
m以上の膜厚でも干渉色を呈する。ヌープ硬さ3000
以上、7000以下は、ダイヤモンド状炭素膜の中でも
高硬度の材料である。ダイナミック硬度では、約300
0kgf(29419.95N)/mm2 以上、7000kgf
(68646.55N)/mm 2 以下とする。
【0020】こうした透明炭素膜は、マグネシウム合金
やアルミニウム合金に対しても反応しにくく潤滑性にも
優れるため、これを例えば金型に適用すると、成形され
た合金は型離れが良くなり歩留まりが向上する。また金
型の損傷も少なくなる。膜中に含まれるグラファイト成
分が少ないため、既に存在するグラファイト相を起点と
したグラファイト化も進み難く、膜の寿命が延びて固有
の特性が極めて長く持続する。
【0021】この透明炭素膜の炭素含有量について、9
5at%以上と規定したのは、これ以下では炭素以外の
元素を起点としたグラファイト化が進行しやすいためで
ある。望ましくは炭素のみから構成されることがよい。
ヌープ硬度に関しては、硬度3000以下では、グラフ
ァイト成分が多い膜となるためこれ以上とし、7000
以上では表面粗度が大きくなるのでこれ以下とした。望
ましくはヌープ硬度4000以上がよい。
【0022】なお、透明炭素膜は、ダイヤモンドとは異
なる材料である。ダイヤモンドは結晶質であり、硬さは
ビッカース硬度で約9000以上である。電子線回折や
X線回折では、ダイヤモンドからはダイヤモンド構造を
反映した回折像が得られるが、透明炭素膜からは非晶質
を反映したハローパターンとなる。ラマン分光分析で
は、ダイヤモンドでは1333cm-1付近にダイヤモン
ド構造に対応する狭いピークが見られるが、透明炭素膜
では、1350cm-1付近と1550cm-1付近に数十
〜2百cm-1の広いピーク構造を示す。屈折率は、ダイ
ヤモンドは2.4程度であるが、 透明炭素膜は2.0〜
2.3の間の値をとる。 薄膜の合成温度も、 ダイヤモン
ドは700℃以上、一般には800℃から1000℃以
上であるが、透明炭素膜は350℃以下である。ダイヤ
モンドの合成には1%前後のメタンなどの炭化水素ガス
に、99%程度の多量の水素ガスを導入して合成を行
う。多量の原子状水素を発生させ、合成される膜中の非
晶質成分をこの原子状水素と反応させて除去するためで
ある。透明炭素膜の合成には固体炭素を原料として用い
る。
【0023】金型を始めとするこの発明の被覆部材の母
材は、機械構造用炭素鋼、合金鋼、工具鋼、ステンレス
鋼、鋳鋼などの鋼材、超硬合金などが適用できる。窒化
ケイ素、炭化ケイ素、ジルコニアなどのセラミックスを
被覆部材の一部に使用することもある。
【0024】それらの母材表面には、メッキ層、また
は、 溶射層が形成されていてもよい。メッキ層には、N
iやCrを主成分としたものなどがある。また、溶射層
には、超硬合金やステライト、ジルコニアなどの酸化物
セラミックスなどが適用できる。これらのメッキや溶射
層は、硬質で化学的にも安定しているため、その上に被
覆された透明炭素膜の寿命をさらに長くする効果があ
る。
【0025】透明炭素膜で被覆する前の部材の表面硬さ
は、使用目的・環境により種々選択され、可能な範囲で
高い硬度が得られる材料を選択することが好ましい。傷
などの損傷を防ぐためである。金型等の傷は、固化した
状態のマグネシウム合金結晶やアルミニウム合金結晶が
表面に接して流れるときに発生し易い。また、 金型等の
補修時にも傷を付けやすい。
【0026】具体的な硬さは、完全溶融のマグネシウム
合金、アルミニウム合金を成形するダイカスト鋳造用の
金型などではHv200以上(HRCでは約11以
上)、半溶融状態のマグネシウム合金やアルミニウム合
金を圧力を加えて成形するチクソモールド用の金型やア
ルミニウム合金の溶湯鍛造用金型などではHv450以
上(HRCでは約45以上)、望ましくはHv600以
上(HRCでは約55以上)がよい。
【0027】被覆が施される下地面は、粗さ加工処理
(平滑化処理)を施されていることが好ましい。 その下
地面が粗さ処理の後に透明炭素膜で被覆される。
【0028】粗さ加工方法には、バフ仕上、ブラシ研
磨、バレル研磨などがある。単純に粗さを小さくすると
いうより、微小な鋭角を鈍角にすることが主目的であ
る。これにより、応力が高い透明炭素膜の微小領域への
応力集中が緩和される。また、より平滑な表面を得るこ
とができ、成形時の合金の流動性向上に効果がある。
【0029】この発明で設ける透明炭素膜は、密度が
2.8g/cm3 以上、3.3g/cm3 以下であるこ
とが望ましい。
【0030】ダイヤモンドの密度は3.52g/c
3 、グラファイトの密度は2.25g/cm3 であ
る。ダイヤモンド状炭素膜はこの間の値を広くとる。こ
の発明の透明炭素膜は、その中でもダイヤモンドよりの
値であることが望ましい。密度が2.8g/cm3 以下
の炭素膜は、 水素などの炭素以外の成分が含まれていた
り、グラファイト成分が多いことを示し、硬度が低く、
耐熱性も小さい。また、密度が3.3g/cm3 以上の
炭素膜は、ダイヤモンド結晶を含む膜になり、表面粗度
も大きくなる。なお、より望ましい密度は3.0g/c
3 以上である。
【0031】また、その透明炭素膜は干渉色を呈するこ
とが望ましい。
【0032】透明炭素膜は、前述のようにグラファイト
成分が少ないため透明であり、母材に被覆された状態で
は干渉色を呈する。一般的なダイヤモンド状炭素は膜中
にグラファイト成分が多く褐色から黒色となる。
【0033】グラファイト成分が多いと、グラファイト
の結晶を起点としてグラファイト化が進行しやすい。逆
に、グラファイト成分が少なくて干渉色を呈する透明炭
素膜は、グラファイト化がなかなか進行せず、寿命が長
くなる。
【0034】また、干渉色を呈する透明炭素膜をあらか
じめ被覆しておけば、透明炭素膜が温度などの影響でグ
ラファイ卜化した場合、 色合が変わるため目視で被膜の
状況が把握できるメリットがある。
【0035】干渉色の色調は、赤、 燈、黄、緑、青、紫
などや、これらの中間色、これらが混ざった状態などさ
まざまな色をとりうる。色調は膜厚と屈折率および見る
角度で変わるため本質的ではなく、どの色をとっても良
い。また、透明色でもよいし、黒色や褐色、灰色がかっ
た干渉色でも良い。
【0036】なお、透明炭素膜の透明度を透過率に換算
する場合、1μmの膜厚での可視光の平均透過率が30
%以上であることを目安とするとよい。
【0037】透明炭素膜の膜厚は、0.6μm以上5μ
m以下が好ましい。0.6μm以下では固化しかけた高
圧のマグネシウム合金、アルミニウム合金から受ける外
力に対して弱く、被覆が損傷し易くなる。好ましくは
1.0μm以上が良い。 また、5.0μm以上では膜そ
のものが有する内部応力が高く、剥離しやすくなる。一
般的に使用する範囲では2.0μm以下でよい。
【0038】透明炭素膜の表面粗さは、 Ra0.005
μm以上0.2μm以下であることが望ましい。
【0039】透明炭素膜の表面粗さをRa0.005μ
m以下とするのは加工上困難である。また、Ra0.2
μm以上では、面粗度が大きすぎ、マグネシウム合金や
アルミニウム合金の固着が発生し易くなる。さらに好ま
しい面粗度はRa0.1μm以下である。
【0040】参考として、Rzでは0.05μm以上1
μm以下(好ましくは0.5μm以下)、Rmaxでは
0.1μm以上2μm以下(好ましくは1μm以下)を
目安とするとよい。
【0041】透明炭素膜で被覆される母材の表面はでき
る限り平滑であることが望ましい。金型の成形面の場合
には、特に、母材表面に深さ5μm以上100μm以下
で幅が深さの10倍以下の凹部が無いことが望ましい。
【0042】こうした凹部があると、 その部分に成形対
象のマグネシウム合金やアルミニウム合金が固着しやす
くなる。 深さが5μm以下又は100μm以上、或いは
幅が深さの10倍以上であれば、成形対象合金が固着す
ることはほとんど無い。 なお、深さが2〜100μm、
幅は深さの20倍以内の凹部が存在しない面にするとよ
り好ましい。
【0043】透明炭素膜の製法は、イオンプレーティン
グ法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法等
が適用できる。
【0044】これらの方法は、グラフアイトなど100
%炭素成分からなる材料を原料とすることが出来るた
め、合成される透明炭素膜の炭素濃度は原理的には10
0at%となりうる。
【0045】イオンプレーティング法は、固体炭素源を
原料とし、電子ビーム蒸発と各種励起源を組み合わせた
ものや、HCD(ホロカソード)イオンプレーティング
法、カソードアークイオンプレーティング法などがあ
る。スパッタリング法も、固体炭素源を原料とし、マグ
ネトロンスパツタ、DCスパッタ、パルスDCスパッ
タ、非平衡マグネトロンスバッタなどがある。レーザー
アブレーション法は、レーザー照射にて固体炭素を気化
して基材上(母材金属)に成膜する手法である。 必要に
応じ、これらの方法を複数組み合わせて用いてもよい。
表面の平滑性を重視する場合、偏向磁場を利用して粗大
粒子が膜中に取り込まれないようにするとよい。
【0046】いずれの手法も、基板温度は450℃以下
で成膜される。700℃以上の高温で合成される結晶質
ダイヤモンドとは異なる。基材の変形、 硬度低下などを
避けるため低温で処理することが望ましく、250℃以
下、できれば基材の焼き戻し温度以下が望ましい。
【0047】透明炭素膜は、母材との間にB、Al、S
i、Ge、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、
Ta、W、またはこれらの炭化物、窒化物、炭窒化物の
うち、少なくとも1種以上の物質からなる中間層を設け
ることで、密着性を向上させることが出来る。
【0048】これ等の金属または金属化合物は、母材と
透明炭素膜との両方に対する親和性が高いため付着強度
を向上させるのに効果があると考えられる。
【0049】また、母材と透明炭素膜との間に形成され
る上記中間層の厚さは、0.5nm以上、 5nm以下が
望ましい。
【0050】0.5nm以下では母材表面を1原子層以
上覆うことが出来ない。上限に関しては5nm以上でも
密着性の向上は見られるが 厚い層にすると金型等の部
材の使用回数が増えるにつれて中間層部分に疲労による
剥離が起こるため、5nm以下の薄い層がよく、さらに
好ましくは1nm未満がよい。
【0051】また、母材と透明炭素膜との間の中間層
は、その少なくとも母材側が、(1)母材材料と(2)
B、Al、Si、Ge、Ti、V、Cr、Zr、Nb、
Mo、Hf、Ta、Wの中から選ばれた1種以上の物質
とからなる、(1)と(2)の混合層を形成することで
密着性が格段に向上する。
【0052】厚さを持った混合層とすることで、母材と
中間層、母材と透明炭素膜との密着性がより強固になる
と考えられる。
【0053】上記混合層の厚さは、0.5nm以上、5
nm以下が好ましい。
【0054】0.5nm以下では厚さ方向に1原子層以
上の混合層を形成することが出来ない。上限に関して
は、5nm以上の混合層を形成しても効果は得られる
が、その手法が複雑になったり高価な設備を要するよう
になる。よって5nm以下が好ましい。
【0055】以上、本発明では母材と透明炭素膜との間
の構造は、下記の様なものをとりうる。即ち、母材側か
ら、 ・母材→中間層→透明炭素膜 ・母材→母材材料と中間層材料との混合層→中間層材料
→透明炭素膜 ・母材→母材材料と中間層材料との混合層→透明炭素膜 などである。
【0056】この中間層または混合層は、プラズマCV
D法、イオンプレーティング法、 スパッタリング法、レ
ーザーアブレーション法のいずれかで形成出来る。これ
等は透明炭素膜の合成法と組み合わせやすい手法で合成
するのが好ましい。また、複数の手法を組み合わせて用
いてもよい。 特に好ましいのはカソードアークイオンプ
レーティング法である。混合層を形成する場合は、基板
に印加するバイアス電圧を高めに設定する等の方法が適
用できる。例えば−400V以上−30kV以下の範囲
の電圧が適用できる。
【0057】さらに高い性能を要求する場合、離型性に
優れた透明炭素膜でも、表面のごく微小な凹凸がマグネ
シウム合金やアルミニウム合金の固着の原因となること
があるのでこれをなくすことが重要である。そこで、 透
明炭素膜を被覆した後に、被膜の表面を平滑化仕上げ加
工するとより効果的でらる。
【0058】特に寿命を考慮して比較的膜厚を厚くする
場合や、透明炭素膜を粗大粒子を取り込みやすいカソー
ドアークイオンプレーティング法、レーザーアブレーシ
ョン法などで成膜する場合にその効果は顕著である。
【0059】面粗さの加工方法には、 バフ仕上、ブラシ
研磨、バレル研磨などがある。 単純に粗さを小さくする
というより、微小な鋭角を鈍角にすることが主目的であ
る。
【0060】研磨後の面粗さは、目安としてRa0.0
05μm以上、0.1μm以下、より好ましくはRa
0.05μm以下がよい。0.005μm以下は加工が
困難である。0.1μmより粗くても構わないがより固
着を小さくするには0.1μm以下がよい。
【0061】この発明は、マグネシウム合金、アルミニ
ウム合金の重力金型鋳造、低圧金型鋳造、ダイカスト鋳
造、溶湯鍛造、チクソモールド法のいずれかを行う成形
機の特に金型等に使用すると効果的である。
【0062】
【発明の実施の形態】図1〜図3に、この発明の部材の
要部の断面を示す。図の1は金型等の母材であり、この
母材の成形対象合金との接触が起こる表面、例えば金型
の成形面にこの発明を特徴づける透明炭素膜2が被覆さ
れる。母材1と透明炭素膜2との間には、既述のメッキ
層又は溶射層3(図2)を設けてもよい。また、透明炭
素膜2の付着性を高める中間層4を設けることもある。
さらに、必要に応じて、膜2を付着させる下地面や膜2
の表面の平滑化処理を行うこともある。なお、透明炭素
膜2は、成形対象合金の固着が起こり易い部位のみに特
定して(成形面等の一部にのみ)設けても効果がある。
【0063】
【実施例1】各種手法で超硬合金基板上に合成した炭素
膜を熱処理して膜の変化を比較した。
【0064】成膜には、RFプラズマCVD法、イオン
化蒸着法、ホロカソード(HCD)プラズマCVD法、
非平衡型マグネトロンスパッタリング法、カソードアー
クイオンプレーティング法、レーザーアブレーション法
を適用した。
【0065】RFプラズマCVD法では、原料にメタン
ガスを適用した。基板に13.56MHzの高周波を印
加してRFプラズマを発生させ、原料ガスを分解して基
板上に成膜した。
【0066】イオン化蒸着法では、メタンを原料とし
た。イオン化源でメタンプラズマを発生させ、それを基
板上に照射して成膜した。
【0067】非平衡型マグネトロンスパツタリング法
(UBM法)では、原料に固体カーボンターゲット、ま
たは固体カーボンとシリコンターゲットを適用した。雰
囲気中にはアルゴンガス、またはアルゴンとメタンの混
合ガスを導入し、 ターゲットに負の直流電圧を印加して
放電を起こさせた。 ターゲット表面よりスパッタされ、
プラズマ中で活性化した炭素イオンが、プラズマ雰囲気
中の炭素イオン、炭化水素イオンとともに基板上で反応
して成膜した。
【0068】カソードアークイオンプレーティング法で
は、原料に固体カーボンターゲットを適用した。ターゲ
ットに負の電位を印加してアーク放電を発生させ、その
エネルギーで表面の炭素を蒸発、プラズマ化し基板上に
成膜した。
【0069】レーザーアブレーション法では、原料に固
体カーボンターゲットを適用した。ターゲットにレーザ
ーを照射してそのエネルギーで表面の炭素を蒸発、プラ
ズマ化し基板上に成膜した。
【0070】試験後は、600℃の窒素ガス雰囲気中で
2時間保持し、試験前後の硬度、外観の比較を行った。
【0071】結果を表1に示す。干渉色を呈する透明炭
素膜は試験前後で硬度の変化が見られなかった。一方、
褐色または黒色のグラファイト成分を含むダイヤモンド
状炭素膜は試験後に硬度が低下するか、または膜が完全
に無くなったり粉状になっていた。グラファイト成分の
有無が耐熱性に大きく影響したものと考えられる。
【0072】
【実施例2】各種金型の成形面に透明炭素膜の被覆処理
を施し、マグネシウム合金AZ91Dとアルミニウム合
金ADC12の成形を行なった。 金型の母材、被覆処理
した透明炭素膜、中間層、混合層の詳細を表2(a)〜
表2(d)にまとめた。
【0073】金型は、SKD61、超硬合金、ステンレ
ス鋼SUS304、NiまたはCrメッキを施したSU
S304の各種材料を母材とした。それぞれの母材の硬
さは、ビッカース硬度で示し、必要に応じてロックウェ
ル硬度Cスケールまたはブリネル硬度を併記した。
【0074】透明炭素膜は、カソードアークイオンプレ
ーティング法、非平衡型マグネトロンスパツタリング
(UBM)法、 及びレーザーアブレーション法で合成し
た。製法は、実施例1に準ずる。
【0075】また、比較例として、TiN、透明でない
(干渉色を呈しない)ダイヤモンド状炭素膜、結晶質ダ
イヤモンドを合成した。TiNはカソードアークイオン
プレーティング法で合成した。透明でないダイヤモンド
状炭素膜は、RFプラズマCVD法とカソードアークイ
オンプレーティング法で合成した。結晶質ダイヤモンド
はマイクロ波プラズマCVD法で合成した。
【0076】中間層または混合層は、あるものと無いも
のを作製した。本実施例で適用した材料は、シリコン、
モリブデン、クロム、窒化チタン、炭化クロム、炭化タ
ングステンである。これらは、カソードアークイオンプ
レーティング法、非平衡型マグネトロンスパッタリング
法、レーザーアブレーション法、マグネトロンスパツタ
法を適用し、膜厚は、0.3から20nmの範囲とし
た。
【0077】いずれの手法でも、結晶質ダイヤモンドの
場合を除き、成膜時の基材温度は150〜250℃の範
囲とした。膜厚は、0.1μmから5.5μmまでの範
囲とした。表面粗さは、成膜後に得られたままの粗さの
ほかに、成膜後に研磨加工を加えたものも作製した。
【0078】性能は、実際にマグネシウム合金とアルミ
ニウム合金を成形して評価した。評価結果を表3
(a)、 表3(b)に示す。適用した成形方法は、マグ
ネシウム合金についてはチクソモールド法、アルミニウ
ム合金についてはダイカスト鋳造法である。
【0079】評価項目は寿命と良品率とした。寿命は、
未コートの金型が使用できなくなるショット数を1とし
たときの相対値で示し、良品率は、それぞれの金型の寿
命までの平均値で示している。
【0080】結果は、表3(a)、(b)に示す様に、
透明炭素膜を被覆することで性能が大幅に向上すること
がわかる。本実施例の中では、最低でも10倍、最大で
は20倍以上の寿命が得られている。金型表面における
マグネシウム合金やアルミニウム合金の固着が大きく減
少したことと、透明炭素層が硬質の保護層として機能し
たため、金型の損傷が大きく減少したと考えられる。
【0081】良品率も、未コートで80%以下であった
ものが、ほとんどは95%以上まで向上した。従来見ら
れた金型表面への固着に起因する不良や、金型表面の流
動性不良によるしわなどが大幅に減少したことが確認さ
れた。
【0082】
【実施例3】金型の成形面に透明炭素膜の被覆処理を施
し、マグネシウム合金AZ91Dのダイカスト鋳造、お
よび溶湯鍛造成形を行った。 また、同一材質の金型に同
一透明炭素膜の被覆処理を施し、アルミニウム合金AD
C12の溶湯鍛造成形及び低圧金型鋳造成形を行った。
金型の母材、被覆処理した透明炭素膜、中間層、混合
層、および成形時の性能を表4、表5にまとめた。いず
れの成形加工においても、寿命、歩留まりとも透明炭素
膜の被覆効果が見られる。
【0083】
【実施例4】自動車のハンドルを成形するSKD11か
らなるダイカスト鋳造用金型に、カソードアークイオン
プレーティング法による透明炭素膜を被覆した。 硬度は
Hk4300、 膜厚は1.5μm、炭素が100at%
の透明炭素膜を適用した。 これを用いてマグネシウム合
金AZ91Dの成形を行ったところ未コートの金型と比
較して、 寿命は8倍となり、歩留まりは87%から99
%に向上した。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2(a)】
【0086】
【表2(b)】
【0087】
【表2(c)】
【0088】
【表2(d)】
【0089】
【表3(a)】
【0090】
【表3(b)】
【0091】
【表4】
【0092】
【表5】
【0093】
【発明の効果】以上述べたように、この発明では、金型
を始めとした成形機用部材の表面に、水素を含まず、グ
ラファイト成分の含有も規制された透明炭素膜を設けた
ので、成形対象合金(マグネシウム合金又はアルミニウ
ム合金)の固着、合金の接触による部材表面の損傷等が
長期にわたって防止され、合金のスムーズな流動による
成形の安定化、成形の歩留まり向上の効果が得られる。
【0094】なお、母材の表面に硬質のメッキ層や溶射
層を設けるものは、表面硬度を高めて部材の耐久性をよ
り向上させることができ、また、母材と透明炭素膜との
間に中間層を設けたものは、透明炭素膜の付着性を良く
してその膜の特性を安定して持続させることができる。
【0095】また、母材や透明炭素膜の表面の平滑化処
理を行ったものは、合金の固着防止の効果がより一層向
上する。
【0096】このほか、透明炭素膜が干渉色を呈するも
のは、その膜の色の変化によって膜の性状変化等を目視
把握できるメリットもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の部断の要部を拡大して示す断面図
【図2】メッキ層又は溶射層を設けた例を示す断面図
【図3】中間層を設けた例を示す断面図
【符号の説明】
1 母材 2 透明炭素膜 3 メッキ層又は溶射層 4 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 17/22 B22D 17/22 Q C23C 4/06 C23C 4/06 4/10 4/10 14/06 14/06 F (72)発明者 大久保 総一郎 伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友電気工 業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 内海 慶春 伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友電気工 業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 4E092 AA03 AA05 AA09 BA06 BA13 DA05 EA10 FA01 FA10 GA10 4E093 NA01 NA02 NB08 NB09 NB10 4K029 AA02 BA34 BB02 BD03 CA01 CA03 CA05 DB20 4K031 AA03 AB08 CB22 CB23 CB31 CB37 CB39 CB45 CB46 FA05

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属成形機の構成要素のうち成形対象と
    直接接触する金型もしくはその他の部品であって、成形
    対象が溶融又は半溶融のマグネシウム合金又はアルミニ
    ウム合金であり、その成形対象が接触する面に透明炭素
    膜が被覆され、その透明炭素膜が炭素を95at%以上
    含み、ヌープ硬さが3000以上、7000以下の膜で
    あることを特徴とする金属成形機用被覆部材。
  2. 【請求項2】 母材が鋼、合金鋼、超硬合金、セラミッ
    クスのいずれかから成る請求項1記載の金属成形機用被
    覆部材。
  3. 【請求項3】 母材の表面に硬質のメッキ層又は溶射層
    が形成され、そのメッキ層又は溶射層上に前記透明炭素
    膜が被覆されている請求項1又は2記載の金属成形機用
    被覆部材。
  4. 【請求項4】 透明炭素膜に被覆される部材の表面がビ
    ッカース硬度200以上の硬さを有する請求項1、2又
    は3記載の金属成形機用被覆部材。
  5. 【請求項5】 下地面が平滑化処理され、処理後の下地
    面上に前記透明炭素膜を設けた請求項1〜4のいずれか
    に記載の金属成形機用被覆部材。
  6. 【請求項6】 透明炭素膜の密度が2.8g/cm3
    上、3.3g/cm 3 以下である請求項1〜5のいずれ
    かに記載の金属成形機用被覆部材。
  7. 【請求項7】 被覆された透明炭素膜が干渉色を呈して
    いる請求項1〜6のいずれかに記載の金属成形機用被覆
    部材。
  8. 【請求項8】 透明炭素膜の膜厚を0.6μm以上、5
    μm以下にした請求項1〜7のいずれかに記載の金属成
    形機用被覆部材。
  9. 【請求項9】 透明炭素膜の表面粗さをRa0.005
    μm以上、0.2μm以下にした請求項1〜8のいずれ
    かに記載の金属成形機用被覆部材。
  10. 【請求項10】 透明炭素膜被覆後の部材表面を、深さ
    が5μm以上、100μm以下で幅が深さの10倍以下
    の凹部が無い面にした請求項1〜9のいずれかに記載の
    金属成形機用被覆部材。
  11. 【請求項11】 透明炭素膜が、イオンプレーティング
    法、スパッタリング法又はレーザーアブレーション法の
    いずれかの手法で形成された膜である請求項1〜10の
    いずれかに記載の金属成形機用被覆部材。
  12. 【請求項12】 母材と透明炭素膜との間に、B、A
    l、Si、Ge、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、
    Hf、Ta、W又はこれ等の炭化物、窒化物、炭窒化物
    の中から選ばれた1種以上の物質から成る中間層を有す
    る請求項1〜11のいずれかに記載の金属成形機用被覆
    部材。
  13. 【請求項13】 前記中間層の厚さを0.5nm以上、
    5nm以下にした請求項12記載の金属成形機用被覆部
    材。
  14. 【請求項14】 母材と透明炭素膜との間に中間層を有
    し、中間層の少なくとも母材側が、母材材料とB、A
    l、Si、Ge、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、
    Hf、Ta、Wの中から選ばれた1種以上の物質とから
    なる混合層である請求項1〜11のいずれかに記載の金
    属成形機用被覆部材。
  15. 【請求項15】 前記混合層の厚さを0.5nm、以上
    5nm以下とする請求項1〜12のいずれかに記載の金
    属成形機用被覆部材。
  16. 【請求項16】 前記中間層または混合層がプラズマC
    VD法、イオンプレーティング法、スパッタリング法も
    しくはレーザーアブレーション法のいずれかの手法で形
    成されたものである請求項12〜15のいずれかに記載
    の金属成形機用被覆部材。
  17. 【請求項17】 透明炭素膜の表面に、機械加工による
    平滑化処理を施した請求項1〜16のいずれかに記載の
    金属成形機用被覆部材。
  18. 【請求項18】 重力金型鋳造、低圧金型鋳造、ダイカ
    スト鋳造、溶湯鍛造、又はチクソモールド用成形機に採
    用する請求項1〜17のいずれかに記載の金属成形機用
    被覆部材。
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