JP2019147925A - 接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】変成シリコーン接着剤に分類される接着剤組成物であって、難接着性プラスチックに対して十分な接着性を示すとともに、経時的な粘度の上昇が抑制された接着剤組成物を提供すること。【解決手段】アルキル基が炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とアルキル基が炭素数10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とを含み加水分解性シリル基を有する共重合体(A1)、及び、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(A2)、を含有する湿気硬化性樹脂組成物(A)、塩素化ポリオレフィン(B)、2以上のフェニル基を有機基として有する加水分解性シラン(C)、湿気硬化性樹脂組成物(A)と相溶性を有し25℃で固形の粘着付与樹脂(D)、並びに、3−アミノプロピルトリエトキシシラン及び3−アミノプロピルトリエトキシシランのアミノ基保護型シランからなる群より選ばれる、フェニル基非含有加水分解性シラン(E)、を含有する、接着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、接着剤組成物に関する。
変成シリコーン接着剤は、一般的に、加水分解性シリル基を有するポリエーテルポリマーを主成分に構成され、硬化後も柔軟で種々の被着体に対して良好な接着力を発揮することから、弾性接着剤として広く用いられている。(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
特開2007−269935号公報 特開2013−95873号公報
従来の変成シリコーン接着剤は、ポリプロピレンやポリエチレンといった難接着性プラスチックに対しては接着力が不十分であるか、ある程度の接着性を示すものであっても、経時的に粘度が上昇し、長期保管後にチューブから吐出しにくくなる等の現象が見られることがあった。
そこで、本発明の課題は、変成シリコーン接着剤に分類される接着剤組成物であって、難接着性プラスチックに対して十分な接着性を示すとともに、経時的な粘度の上昇が抑制された接着剤組成物を提供することにある。
本発明は、アルキル基が炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とアルキル基が炭素数10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とを含み加水分解性シリル基を有する共重合体(A1)、及び、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(A2)、を含有する湿気硬化性樹脂組成物(A)、塩素化ポリオレフィン(B)、2以上のフェニル基を有機基として有する加水分解性シラン(C)、湿気硬化性樹脂組成物(A)と相溶性を有し25℃で固形の粘着付与樹脂(D)、並びに、3−アミノプロピルトリエトキシシラン及び3−アミノプロピルトリエトキシシランのアミノ基保護型シランからなる群より選ばれる、フェニル基非含有加水分解性シラン(E)を含有する接着剤組成物を提供する。なお、(メタ)アクリルとの記載はアクリル又はメタクリルを意味する。
本発明によれば、変成シリコーン接着剤に分類される接着剤組成物であって、難接着性プラスチックに対して十分な接着性を示すとともに、経時的な粘度の上昇が抑制された接着剤組成物が提供される。この接着剤組成物は、上記に加えて、硬化速度も実用上十分に速いという特徴も有している。
製造例1の接着剤組成物における粘度の経時変化を示すグラフである。 製造例1の接着剤組成物を異なるチューブに充填したときの粘度の経時変化を示すグラフである。 製造例1及び2の接着剤組成物における粘度の経時変化を示すグラフである。 製造例1、3及び4の接着剤組成物における粘度の経時変化を示すグラフである。 実施例1〜5及び比較例1〜5の接着剤組成物における初期粘度及び長期保管後の粘度を示すグラフである。 実施例1及び比較例1の接着剤組成物における硬化速度を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
実施形態に係る接着剤組成物は、湿気硬化性樹脂組成物(A)、塩素化ポリオレフィン(B)、加水分解性シラン(C)、粘着付与樹脂(D)、及びフェニル基非含有加水分解性シラン(E)を必須成分として含有する。
ここで、湿気硬化性樹脂組成物(A)は、共重合体(A1)とオキシアルキレン重合体(A2)とを含有していればよく、共重合体(A1)とオキシアルキレン重合体(A2)のみから構成されていてもよい(以下、単に「A成分」と呼ぶ場合がある。)。共重合体(A1)は、加水分解性シリル基を有する共重合体であって、単量体単位として、アルキル基が炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とアルキル基が炭素数10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とを含む共重合である(以下、単に「A1成分」と呼ぶ場合がある。)。一方、オキシアルキレン重合体(A2)は、A1成分が有するのと同種又は異種の加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体である(以下、単に「A2成分」と呼ぶ場合がある。)。なお、A成分は、一般に「変成シリコーン」と呼ばれる場合がある。
なお、加水分解性シラン(C)は2以上のフェニル基を有機基として有する加水分解性シランであり(以下、単に「C成分」と呼ぶ場合がある。)、粘着付与樹脂(D)は、湿気硬化性樹脂組成物(A)と相溶性を有し25℃で固形の粘着付与剤である(以下、単に「D成分」と呼ぶ場合がある。)。
従来の接着剤組成物、例えば特許文献1に開示されているような、加水分解性ジフェニルシランが接着剤組成物に含まれている場合、ポリオレフィンに対し、良好な接着性を示すものの、硬化速度が従来の変成シリコーン接着剤よりも長く、また、ポリオレフィン以外の汎用材料に対しては却って接着強度が低くなる傾向があった。これは、加水分解性ジフェニルシラン自身が水分を用いて反応する上、反応物が柔軟な構造を有しているため、この配合物が接着剤硬化物の硬度の低下(汎用材料への接着力の低下)と、接着剤の硬化反応速度の低減を招いているためであると考えられる。ところが、単に加水分解性ジフェニルシランの配合量を低減させると、硬化速度や汎用材料への接着力は向上するが、その一方でポリオレフィン材料への高い接着力を失う結果となる。
また、変成シリコーンを含有する従来の接着剤組成物は、製造直後の粘度(初期粘度)が比較的高く、また、長期保管に伴い経時的に粘度が上昇する。そのため、例えば、チューブ等に充填して長期保管した場合、その後使用する際に、粘度上昇によってチューブから接着剤組成物を吐出させにくくなったり、接着剤組成物を塗布しにくくなったりすることがあった。
本実施形態の接着剤組成物は、A成分、B成分、C成分及びD成分に加えて、3−アミノプロピルトリエトキシシラン及び3−アミノプロピルトリエトキシシランのアミノ基保護型シランからなる群より選ばれる、フェニル基非含有加水分解性シラン(E)(以下、単に「E成分」と呼ぶ場合がある。)を含有しており、保管中の経時的な粘度の上昇が劇的に抑制された接着剤組成物である。例えば、25℃の粘度について、初期値が250×10mPa・s程度であるのものが、50℃、80%RHの環境下で4週間保管後であっても、350×10mPa・s以下(あるいは、300×10mPa・s以下)にすることができる。この保管条件は、室温で1.5〜2年程度の保管期間に相当するため、実施形態の接着剤組成物は、長期保管後であっても低粘度で、使用の際の取扱いが容易である。また、製造直後の初期粘度を低くすることもできることから、製造後の経過時間によらず問題なく使用できる。
さらに、実施形態の接着剤組成物は、上記の組成を有することにより、ポリオレフィン材料及び汎用材料双方に対する高い接着性を示し、硬化速度も実用上問題ない程度に速い。例えば、後述する測定条件において、ポリプロピレン板と綿帆布を接着した場合の180度はく離強さを25N/25mm以上とすることができる。さらに、カバ単板同士を接着した場合の最終的な引張りせん断強さを2.0MPa以上、初期的なせん断強さを0.5MPa以上とすることができる。
以下、本実施形態の接着剤組成物を構成する各成分について具体的に説明する。
先ず、A1成分について説明する。
A1成分は、加水分解性シリル基を有しているが、この加水分解性シリル基は、以下の一般式(1)で表される基であることが好ましい。
Figure 2019147925
上式において、Rは炭素数1〜20の置換若しくは非置換の1価有機基又はトリオルガノシロキシ基を表す。例えば、上記有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロヘキシル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;フェニル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基が挙げられる。上記トリオルガノシロキシ基としては、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基等が挙げられる。Rとしては、炭素数1〜6の非置換の1価有機基が好ましく、炭素数1〜3の非置換の1価有機基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。なお、Rが複数存在するときは、Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上式におけるXは、加水分解性基を表す。加水分解性基としては、水酸基;塩素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;アシルオキシ基;アミノ基;アミド基;メルカプト基;アルケニルオキシ基;アミノオキシ基;ケトキシメート基;ヒドリド基等が挙げられる。加水分解性基としては、特に、メトキシ基やエトキシ基が取扱の点でより好ましい。なお、Xが複数存在するときは、Xはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上式におけるaは0、1又は2、bは0、1、2又は3であり、aとbは同時に0とならない。nは0〜18の整数を表す。特に、経済性等の点からn=0、b=1、2又は3が好ましい。
A1成分は、単量体単位として、アルキル基が炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位(以下、「低アルキルアクリルモノマー単位」と呼ぶ場合がある。)と、アルキル基が炭素数10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位(以下、「高アルキルアクリルモノマー単位」と呼ぶ場合がある。)を含む共重合体であるが、更に、エチレン性不飽和結合及び加水分解性シリル基(好ましくは上記一般式(1)のもの)を有する単量体単位を含むことが好ましい。すなわち、加水分解性シリル基は、低アルキルアクリルモノマー単位及び高アルキルアクリルモノマー単位以外の単量体単位に由来するものであることが好ましい。
このような場合、A1成分は、低アルキルアクリルモノマー単位となる、アルキル基が炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、高アルキルアクリルモノマー単位となる、アルキル基が炭素数10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、エチレン性不飽和結合及び加水分解性シリル基(好ましくは上記一般式(1)のもの)を有する単量体と、を共重合する方法で得ることができる(合成法1)。また、低アルキルアクリルモノマー単位となる、アルキル基が炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、高アルキルアクリルモノマー単位となる、アルキル基が炭素数10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、エチレン性不飽和結合と官能基Yを有する単量体と、を共重合した後に、官能基Yと反応性の官能基Y’及び加水分解性シリル基を有する化合物を更に反応させる方法で合成することもできる(合成法2)。なお、官能基YとY’の組合せとしては、一方がカルボン酸、他方がイソシアネート基が挙げられる。
低アルキルアクリルモノマー単位は、例えば、以下の一般式(2)で表すことができる。
Figure 2019147925
上式において、Rは水素又はメチル基を、Rは炭素数1〜8のアルキル基を示す。具体的には、Rとしては、炭素数1のメチル基、炭素数2のエチル基、炭素数3のプロピル基、炭素数4のn−ブチル基及びt−ブチル基、炭素数8の2−エチルヘキシル基等が挙げられる。Rとしては、特に炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、更に炭素数1〜2のアルキル基がより好ましい。なお、Rのアルキル基は単独でも2種以上混合されていてもよい。
高アルキルアクリルモノマー単位は、例えば、以下の一般式(3)で表すことができる。
Figure 2019147925
上式において、Rは一般式(2)と同様である。Rは炭素数10以上のアルキル基を示す。具体的には、Rとしては、炭素数12のラウリル基、炭素数13のトリデシル基、炭素数16のセチル基、炭素数18のステアリル基、炭素数22のベヘニル基等が挙げられる。Rとしては、通常、炭素数10〜30のアルキル基が選択され、好ましくは、炭素数10〜20のアルキル基が選択される。なお、Rのアルキル基は単独でも、2種以上混合されていてもよい。
A1成分を構成する全単量体単位に対して、低アルキルアクリルモノマー単位及び高アルキルアクリルモノマー単位の合計は、50質量%を超えることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。また、アルキルアクリルモノマー単位と高アルキルアクリルモノマー単位の比(質量比)は、前者:後者=95:5〜40:60が好ましく、90:10〜60:40がより好ましい。
上記合成法1を採用した場合の、エチレン性不飽和結合及び加水分解性シリル基を有する単量体としては、CH=CHSiCH(OCH、CH=CHSiCHCl、CH=CHSi(OCH、CH=CHCOO(CHSiCH(OCH、CH=CHCOO(CHSi(OCH、CH=CHCOO(CHSiCH(OCH、CH=CHCOO(CHSi(OCH、CH=C(CH)COO(CHSiCH(OCH、CH=C(CH)COO(CHSi(OCH、CH=C(CH)COO(CHSiCH(OCH、CH=C(CH)COO(CHSi(OCH等が挙げられる。
A1成分は、更に上記以外の単量体単位を有していてもよく、そのような単量体単位としては、(メタ)アクリル酸等のカルボン酸を含む単量体単位;(メタ)アクリルアミドやN−メチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド基を含む単量体単位;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を含む単量体単位;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートやアミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含む単量体単位;アクリロニトリル、イミノールメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位が挙げられる。
A1成分の数平均分子量は、取扱いの点から500〜100,000が好ましい。また、A1成分中の加水分解性シリル基数は、平均1個以上、好ましくは1.1個以上、更に好ましくは1.5個以上が硬化性の点から選択される。また、見かけ上、シリル基1個あたりの数平均分子量が3,000〜4,000であることが好ましい。A1成分は、例えば、特開昭63−112642号等に示される方法で製造することができる。
次に、A2成分について説明する。
A2成分である、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体の分子骨格は、例えば、以下の一般式(4)で表すことができる。
Figure 2019147925
上式において、Rは2価の有機基である。Rは、特に炭素数3〜4の2価の炭化水素基であると好ましい。Rとしては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。この分子骨格は、1種のみの繰り返し単位でも、2種以上の繰り返し単位でもよい。特に、Rがプロピレン基であるポリオキシプロピレン骨格が好ましい。
A2成分中の加水分解性シリル基は、A1成分中の加水分解性シリル基と同様である。また、A2成分中の加水分解性シリル基数は、平均で1個以上、更には1.1個以上、特に1.5個以上が、分子末端に存在することが硬化性の点より好ましい。A2成分の数平均分子量は、500〜30,000が好ましい。A2成分は単独でも複数混合されていてもよい。A2成分は、例えば、特開昭63−112642号等に示される方法で製造することができる。
次にA成分について説明する。
A成分である湿気硬化性樹脂組成物は、上述したA1成分とA2成分を含有するものであるが、A成分は、A1成分とA2成分とを別々に合成した後に、これらを混合したものであっても、A1成分とA2成分のいずれか一方を合成し、その合成物と他方の原料単量体を混合した状態で、この原料単量体を重合して得られるものであってもよい。
また、A1成分とA2成分の比率は、A2成分100質量部に対しA1成分が0.5〜5,000質量部が好ましく、特に0.5〜2,000質量部が好ましい。
次に、B成分について説明する。
B成分である塩素化ポリオレフィンとしては、ポリオレフィンの塩素化物が挙げられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、その他のC5系α−オレフィンの重合体、ポリ(4−メチルペンタ−1−エン)、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体、その他α−オレフィンの共重合体、α−オレフィンと50%以下の他モノマーとの共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸三元共重合体等)等の塩素化合物が挙げられる。特に、炭素数2〜5の低級オレフィン重合体の塩素化合物が好ましい。このようなものとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンの塩素化合物等が挙げられる。
これら塩素化ポリオレフィンの塩素含有率は、5〜60質量%が好ましく、10〜45質量%が更に好ましい。また、塩素化ポリオレフィンの添加量は、A1成分とA2成分を含有するA成分100質量部に対し、0.1〜100質量部が好ましい。
次に、C成分について説明する。
C成分である2以上のフェニル基を有機基として有する加水分解性シランは、例えば、以下の一般式(5)で表される。
Figure 2019147925
上式において、X及びRは前述のX及びRとそれぞれ同様である。Rは2価の有機基を表す。Rは、水素又は有機基を表す。有機基としてはビニル基等が挙げられる。Rが有機基の場合、オルト、メタ、パラ位のいずれに置換されていてもよい。n及びkは1、2又は3で、n+kが4以下となる整数をそれぞれ表す。mは0又は1を表す。
C成分としては、ジフェニルジメトキシシラン(X=OCH、R=H、n=2、k=2、m=0)、t−ブトキシジフェニルクロロシラン(X=OtBu,Cl、R=H、n=2、k=2、m=0)、ジクロロジフェニルシラン(X=Cl、R=H、n=2、k=2、m=0)、ジエトキシジフェニルシラン(X=OC、R=H、n=2、k=2、m=0)、ジフェニルシランジオール(X=OH、R=H、n=2、k=2、m=0)等が挙げられる。
C成分の添加量は、A1成分とA2成分を含有するA成分100質量部に対し、0質量部を超え9質量部未満であることが好ましく、1質量部以上6質量部以下であることがより好ましい。このような含有量にすることで、ポリオレフィン材料に対する高い接着力を維持しながら、実用上十分に速い硬化速度を得ることができる。
次にD成分について説明する。
D成分はA成分と相溶性を有し25℃で固形の粘着付与樹脂である。ここで、相溶性は、D成分とA成分とを混合して混合物の透明性で決定でき、混合物が透明であるときは相溶性あり、混合物が不透明であるときは相溶性なしと判断する。具体的には、A成分100gとD成分10gを、減圧下130℃にて2時間撹拌することによって混練及び脱水を行い、冷却後、混合物にスズ系触媒を5g添加し混合物を調製する。そして、その混合物をガラス板上に塗布し、透明性を目視によって確認する。D成分は実使用温度範囲に含まれる25℃で固形である。D成分が25℃において液体或いは流動体の場合には接着剤の硬化物の凝集力、ひいては接着力の低下を招く。
D成分としては、ロジンエステル樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族系石油樹脂及びクマロン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂が好ましい。このような粘着付与樹脂は、A成分との相溶性に優れており、これらを含有する接着剤組成物は、ポリオレフィン材料、汎用材料双方に対して充分な接着力を示し、硬化速度も優れる。
ロジンエステル樹脂としては、エステルガムH、エステルガムHp、エステルガムAAG、スーパーエステルA100、スーパーエステルA115、パインクリスタルKE−311(以上、荒川化学工業(株)製);フォーラル85、フォーラル105、ステベライトエステル(以上、イーストマンケミカルジャパン製)が挙げられる。
テルペンフェノール樹脂としては、YSポリスターT−80、YSポリスターT−100、YSポリスターT−115、YSポリスターT−130、YSポリスターT−145、YSポリスターS−145、YSポリスター#2100、YSポリスター#2300(以上、ヤスハラケミカル(株)製)が挙げられる。
芳香族系石油樹脂としては、例えば、以下の一般式(6)で表される骨格を有する樹脂が挙げられる。
Figure 2019147925
上式においてsは1以上の整数、rは0又は1以上の整数、tは0または1以上の整数を示す。このような芳香族系石油樹脂としては、FTR8120、タックエースA−100、タックエースF−100(以上、三井化学(株)製);ピコラスチックA75(イーストマンケミカルジャパン製)等が挙げられる。
クマロン系樹脂としては、例えば、以下の一般式(7)で表される骨格を有する樹脂が挙げられる。
Figure 2019147925
上式において、uは0又は1以上の整数、vは0又は1以上の整数、wは0又は1以上の整数を示す。但し、uとvは同時に0にはならない。このようなクマロン系樹脂としては、ニットレジンクマロンG−90、ニットレジンクマロンG−100N、ニットレジンクマロンV−120、ニットレジンクマロンV−120S(以上、日塗化学(株)製)が挙げられる。
D成分の添加量は、A1成分とA2成分を含有するA成分100質量部に対し、1質量部以上200質量部以下が好ましい。また、B成分とD成分の合計量が、A成分100質量部に対して、5質量部以上200質量部以下であることが好ましく、5質量部以上100質量部以下がより好ましく、5質量部以上50質量部以下が更に好ましい。A成分に対するB成分とD成分の合計量をこのような範囲にすることで、ポリオレフィン材料に対する接着性も汎用材料への接着性も更に優れるようになる。B成分に対するD成分の質量比(D成分/B成分)は、0.1以上10以下であることが好ましく、0.2以上8以下であることがより好ましく、0.3以上5以下がより好ましい。B成分に対するD成分の質量比をこのような範囲にすることで、塩素化ポリオレフィンの相溶性を向上させ、ポリオレフィンへの接着性を高く維持できる。B成分とD成分の合計量が5質量部未満では、ポリオレフィン材料への接着性が低下する傾向があり、200質量部を超えると接着剤粘度が高くなり取り扱いが困難になる場合がある。D成分/B成分が0.1未満の場合には硬化速度が低下する傾向があり、10を超える場合にはポリオレフィン材料への接着性が低下する場合がある。
次に、E成分について説明する。
E成分は、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(E1)及び/又は3−アミノプロピルトリエトキシシランのアミノ基保護型シラン(E2)である。ここで、E2成分は、3−アミノプロピルトリエトキシシランのアミノ基が保護基で保護されたものをいい、接着剤組成物が適用された後は保護基が外れ、3−アミノプロピルトリエトキシシランに戻る化合物である。このように保護基は最終的に外れてE2成分はE1成分に戻るため、E2成分はE1成分と同様の機能を発揮する。アミノ基保護型としては、アミノ基がアルジミンとなったもの(3−アミノプロピルトリエトキシシランのアミノ基をアルジミンとしたシラン)又はケチミンとなったもの(3−アミノプロピルトリエトキシシランのアミノ基をケチミンとしたシラン)が挙げられる。これらのE2成分は、例えば、水や湿気との作用により3−アミノプロピルトリエトキシシランとなる。3−アミノプロピルトリエトキシシランのアミノ基をケチミンとしたシランとしては、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミンが挙げられる。フェニル基非含有加水分解性シランとしては、アミノ基を有する加水分解性シランを含み多くの種類が存在するが、アミノ基を有する加水分解性シランとして、3−アミノプロピルトリエトキシシランの骨格を有する(またはこの骨格を誘導する)化合物を接着剤組成物に含有させたときに、経時的な粘度の上昇が格段に抑制されるという顕著且つ予想外の効果が得られる。
E成分の添加量は、A1成分とA2成分を含有するA成分100質量部に対し、0.1質量部以上50質量部以下が好ましく、1質量部以上20質量部以下がより好ましく、2質量部以上10質量部以下であることが更に好ましい。このような含有量にすることで、接着剤組成物の経時的な粘度上昇をより好適に抑制することができる。特に、E成分の添加量を1質量部以上とすることにより、接着剤組成物の初期粘度を低下させることができ、結果として、保管後の粘度も更に低下させることができる。
接着剤組成物は、以上説明したA成分、B成分、C成分、D成分及びE成分以外に、他の成分を含有していてもよい。
このような成分としては、C成分及びE成分以外のシランカップリング剤(有機基を有する加水分解性シラン)が挙げられ、有機基にグリシジル基、メタクリロキシ基、メルカプト基を有するシランカップリング剤が適用できる。これらに加え、E成分以外のアミノ基を有するシランカップリング剤も適用可能である。E成分以外のアミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、以下の一般式(8)で表すことができる。このようなシランカップリング剤、特に、アミノ基を有する加水分解性シランを含有することで、硬化が促進され、汎用材料への接着力が更に向上する。
Figure 2019147925
上式において、R及びRは水素又は有機基を表す。有機基としては、例えば、メチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、アミノエチル基等の置換基を有するアルキル基等が挙げられる。R及びRは同一でも異なっていてもよい。R10は2価の有機基である。R及びXは前述のR及びXと同様である。nは1、2又は3を表す(但しE成分を除く)。
シランカップリング剤の添加量は、A1成分とA2成分を含有するA成分100質量部に対し、0.1質量部以上50質量部以下が好ましく、1質量部以上20質量部以下がより好ましい。
接着剤組成物にはまた、硬化触媒、充填剤、希釈剤、脱水剤、老化防止剤、揺変剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加することができる。
硬化触媒としては、例えば、有機スズ、無機スズ、有機チタネート、アミン、リン酸エステル、リン酸エステルとアミンとの反応物、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物等公知の変成シリコーン樹脂用硬化触媒が使用できる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カーボンブラック、シリカ、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ガラスフィラー、有機系粉体、各種バルーン等公知の充填剤が使用できる。
希釈剤としては、フタル酸エステル、ポリオキシアルキレン等公知の希釈剤が使用でき、脱水剤としては、ビニルアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン、オルトケイ酸エステル、無水硫酸ナトリウム、ゼオライト、等公知の脱水剤が使用できる。
上述した接着剤組成物は、速硬化性を有しており、またポリオレフィン接着性に優れるため、速硬化性ポリオレフィン接着用として用いることができる。なお、被着体であるポリオレフィン材料には接着に先立ってプライマー処理することも可能であるが、本発明の接着剤組成物を用いる限りは、プライマー処理を省略することができる。
次に、接着剤組成物の一実施形態に係る製造方法を説明する。本実施形態の接着剤組成物は、例えば、次の方法により製造することができる。まず、A成分、B成分及びD成分を撹拌機に添加して撹拌することにより、混練及び脱水する。その後、C成分及びE成分を添加し、接着剤組成物を得ることができる。
本実施形態の接着剤組成物は、上述したとおり、経時的な粘度の上昇が抑制されており、また、ポリオレフィン材料へ高い接着力を示すと共に、硬化速度も実用上十分に速いという作用効果を奏する。
すなわち、本発明は、変成シリコーン(A)、塩素化ポリオレフィン(B)、フェニル基を有機基として有する加水分解性シラン(C)、粘着付与樹脂(D)、及びフェニル基非含有加水分解性シラン(E)を含有する接着剤組成物の粘度上昇抑制方法であって、フェニル基非含有加水分解性シラン(E)として、3−アミノプロピルトリエトキシシラン及び3−アミノプロピルトリエトキシシランのアミノ基保護型シランからなる群より選ばれるシランを含有させる方法を提供するものである。また、粘度上昇が抑制された接着剤組成物の製造方法であって、変成シリコーン(A)、塩素化ポリオレフィン(B)、フェニル基を有機基として有する加水分解性シラン(C)、粘着付与樹脂(D)、及びフェニル基非含有加水分解性シラン(E)を混合するステップを備えており、フェニル基非含有加水分解性シランは、3−アミノプロピルトリエトキシシラン及び3−アミノプロピルトリエトキシシランのアミノ基保護型シランからなる群より選ばれるシランである、製造方法を提供するものである。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の
実施例に何ら限定されるものではない。
<試験例1:従来品の検討>
(製造例1)
事前検討として、従来の接着剤組成物における粘度の経時変化を確認した。従来品を想定し、以下の配合により接着剤組成物を調製した。すなわち、サイリルMA440((株)カネカ製:A成分))を100g、アエロジル300(日本アエロジル(株)製:フュームドシリカ)を5g、スーパークロン814HS(日本製紙ケミカル(株)製:塩素化ポリプロピレン)を5g、FTR8120(三井化学(株)製:スチレン系粘着付与樹脂)を20g、それぞれ自公転撹拌機に添加し、減圧下130℃にて2時間撹拌することによって混練及び脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28(コルコート(株)製:テトラエトキシシラン)を2g、KBM202SS(信越化学工業(株)製:ジメトキシジフェニルシラン)を3g、KBM603(信越化学工業(株)製:3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン)を5g、ネオスタンS−1(日東化成(株)製:ジオクチルスズ塩と正ケイ酸エチルの反応生成物)を5g、それぞれ添加し、接着剤組成物を調製した。
製造例1に係る接着剤組成物を、アルミニウム箔にLLDPEがラミネートされた開閉式のチューブ(125ml)に充填した。そして、50℃、80%RHの環境下にチューブを4週間静置した。充填直後、2週間経過後、及び4週間経過後に、E型回転粘度計(BROOKFIELD社製DV−II+Pro)を用いて、接着剤組成物の25℃における粘度をそれぞれ測定した。その結果を図1に示す。4週間経過後の接着剤組成物は、粘度が上昇したためにチューブから吐出しづらくなっていた。
<試験例2:外部からの湿気混入による影響>
製造例1に係る接着剤組成物を、試験例1で用いたチューブ(ラミネートチューブ)と、ラミネートチューブと同一の素材で形成され、且つ、外気が侵入しないように吐出口が完全に密閉されたチューブ(メンブランチューブ)の2種類のチューブに充填した。そして、50℃、80%RHの環境下に各チューブを4週間静置した。充填直後、2週間経過後、及び4週間経過後に、E型回転粘度計を用いて、接着剤組成物の25℃における粘度をそれぞれ測定した。その結果を図2に示す。
<試験例3:接着剤組成物中の水分の影響>
(製造例2)
製造例1の接着剤組成物から、触媒を除いた接着剤組成物を以下の条件で調製した。すなわち、サイリルMA440を100g、アエロジル300を5g、スーパークロン814HSを5g、FTR8120を20g、それぞれ自公転撹拌機に添加し、減圧下130℃にて2時間撹拌することによって混練及び脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、KBM603を5g、それぞれ添加し、接着剤組成物を調製した。
製造例1及び製造例2に係る接着剤組成物を、上述したラミネートチューブにそれぞれ充填した。そして、50℃、80%RHの環境下に各チューブを4週間静置した。充填直後、2週間経過後、及び4週間経過後に、E型回転粘度計を用いて、接着剤組成物の25℃における粘度をそれぞれ測定した。その結果を図3に示す。
<試験例4:塩素化ポリプロピレン及びシランカップリング剤の影響>
(製造例3)
製造例1の接着剤組成物から、塩素化ポリプロピレンを除いた接着剤組成物を以下の条件で調製した。すなわち、サイリルMA440を100g、アエロジル300を5g、FTR8120を20g、それぞれ自公転撹拌機に添加し、減圧下130℃にて2時間撹拌することによって混練及び脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、KBM603を5g、ネオスタンS−1を5g、それぞれ添加し、接着剤組成物を調製した。
(製造例4)
一方、製造例1の接着剤組成物から、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシランを除いた接着剤組成物を以下の条件で調製した。すなわち、サイリルMA440を100g、アエロジル300を5g、スーパークロン814HSを5g、FTR8120を20g、それぞれ自公転撹拌機に添加し、減圧下130℃にて2時間撹拌することによって混練及び脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、ネオスタンS−1を5g、それぞれ添加し、接着剤組成物を調製した。
製造例1、製造例3及び製造例4に係る接着剤組成物を、上述したラミネートチューブにそれぞれ充填した。そして、50℃、80%RHの環境下に各チューブを4週間静置した。充填直後、2週間経過後、及び4週間経過後に、E型回転粘度計を用いて、接着剤組成物の25℃における粘度をそれぞれ測定した。その結果を図4に示す。
<試験例5:シランカップリング剤の検討>
(実施例1)
製造例1の接着剤組成物において、シランカップリング剤を3−アミノプロピルトリエトキシシランに変更した接着剤組成物を以下の条件で調製した。すなわち、サイリルMA440を100g、アエロジル300を5g、スーパークロン814HSを5g、FTR8120を20g、それぞれ自公転撹拌機に添加し、減圧下130℃にて2時間撹拌することによって混練及び脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、KBE903(信越化学工業(株)製:3−アミノプロピルトリエトキシシラン)を5g、ネオスタンS−1を5g、それぞれ添加し、接着剤組成物を調製した。
(実施例2〜5)
実施例1において、シランカップリング剤の添加量を変更した接着剤組成物を調製した。すなわち、KBE903の添加量を、実施例2では2.5g、実施例3では3.75g、実施例4では6.25g、実施例5では7.5gにそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様の方法により接着剤組成物を調製した。
(比較例1)
製造例1に係る接着剤組成物と同一の組成により、比較例1に係る接着剤組成物を調製した。
(比較例2)
製造例1の接着剤組成物において、シランカップリング剤を3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリエトキシシランに変更した接着剤組成物を以下の条件で調製した。すなわち、サイリルMA440を100g、アエロジル300を5g、スーパークロン814HSを5g、FTR8120を20g、それぞれ自公転撹拌機に添加し、減圧下130℃にて2時間撹拌することによって混練及び脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)を5g、ネオスタンS−1を5g、それぞれ添加し、接着剤組成物を調製した。
(比較例3)
製造例1の接着剤組成物において、シランカップリング剤を3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチルシランに変更した接着剤組成物を以下の条件で調製した。すなわち、サイリルMA440を100g、アエロジル300を5g、スーパークロン814HSを5g、FTR8120を20g、それぞれ自公転撹拌機に添加し、減圧下130℃にて2時間撹拌することによって混練及び脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、KBM602(信越化学工業(株)製:3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチルシラン)を5g、ネオスタンS−1を5g、それぞれ添加し、接着剤組成物を調製した。
(比較例4)
製造例1の接着剤組成物において、シランカップリング剤を3−(ブチルアミノ)プロピルトリメトキシシランに変更した接着剤組成物を以下の条件で調製した。すなわち、サイリルMA440を100g、アエロジル300を5g、スーパークロン814HSを5g、FTR8120を20g、それぞれ自公転撹拌機に添加し、減圧下130℃にて2時間撹拌することによって混練及び脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、ダイナシラン1189(エボニックジャパン(株)製:3−(ブチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン)を5g、ネオスタンS−1を5g、それぞれ添加し、接着剤組成物を調製した。
(比較例5)
製造例1の接着剤組成物において、シランカップリング剤を3−アミノプロピルトリメトキシシランに変更した接着剤組成物を以下の条件で調製した。すなわち、サイリルMA440を100g、アエロジル300を5g、スーパークロン814HSを5g、FTR8120を20g、それぞれ自公転撹拌機に添加し、減圧下130℃にて2時間撹拌することによって混練及び脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、KBM903(信越化学工業(株)製:3−アミノプロピルトリメトキシシラン)を5g、ネオスタンS−1を5g、それぞれ添加し、接着剤組成物を調製した。
実施例1〜5及び比較例1〜5の接着剤組成物を、上述したラミネートチューブにそれぞれ充填した。そして、50℃、80%RHの環境下に各チューブを4週間静置した。充填直後及び4週間経過後に、E型回転粘度計を用いて、接着剤組成物の25℃における粘度をそれぞれ測定した。その結果を図5に示す。
<試験例6:硬化速度、接着性の検討>
[硬化速度]
実施例1及び比較例1の接着剤組成物にて、カバ材単板相互を厚み約0.3mmの接着剤層により接着した。25℃、80%RHの環境下、2、4、6、72時間養生後、引張り試験機を用い、5mm/分の速度でせん断方向に引張り、引張りせん断強さ(MPa)をそれぞれ測定した。なお、引張りせん断強さは、25℃にて測定した。その結果を図6に示す。
[ポリプロピレンに対する接着性]
実施例1及び比較例1の接着剤組成物にてポリプロピレン板と綿帆布とを厚み約0.5mmの接着剤層により接着した。室温下7日間養生後、引張り試験機を用い、綿帆布を50mm/分の速度で180度方向に引張り、180度はく離強さ(N/25mm)を測定した。なお、養生時、室温は20±10℃に保ち、180度はく離強さは、25℃にて測定した。その結果、実施例1の接着剤組成物では33N/25mm、比較例1の接着剤組成物では23N/25mmであった。

Claims (7)

  1. アルキル基が炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とアルキル基が炭素数10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とを含み加水分解性シリル基を有する共重合体(A1)、及び、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(A2)、を含有する湿気硬化性樹脂組成物(A)、
    塩素化ポリオレフィン(B)、
    2以上のフェニル基を有機基として有する加水分解性シラン(C)、
    湿気硬化性樹脂組成物(A)と相溶性を有し25℃で固形の粘着付与樹脂(D)、並びに、
    3−アミノプロピルトリエトキシシラン及び3−アミノプロピルトリエトキシシランのアミノ基保護型シランからなる群より選ばれる、フェニル基非含有加水分解性シラン(E)、を含有する、接着剤組成物。
  2. 加水分解性シラン(C)の含有量が、湿気硬化性樹脂組成物(A)100質量部に対して0質量部を超え9質量部未満である請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 塩素化ポリオレフィン(B)と粘着付与樹脂(D)の合計量が、湿気硬化性樹脂組成物(A)100質量部に対して5質量部以上200質量部以下であり、塩素化ポリオレフィン(B)に対する粘着付与樹脂(D)の質量比が、0.1以上10以下である、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
  4. 粘着付与樹脂(D)は、ロジンエステル樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族系石油樹脂及びクマロン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  5. フェニル基非含有加水分解性シラン(E)の含有量が、湿気硬化性樹脂組成物(A)100質量部に対して0.1質量部以上50質量部以下である、請求項1〜4のいずれか一項記載の接着剤組成物。
  6. 変成シリコーン(A)、塩素化ポリオレフィン(B)、フェニル基を有機基として有する加水分解性シラン(C)、粘着付与樹脂(D)、及びフェニル基非含有加水分解性シラン(E)を含有する接着剤組成物の粘度上昇抑制方法であって、
    前記フェニル基非含有加水分解性シラン(E)として、3−アミノプロピルトリエトキシシラン及び3−アミノプロピルトリエトキシシランのアミノ基保護型シランからなる群より選ばれるシランを含有させる、方法。
  7. 粘度上昇が抑制された接着剤組成物の製造方法であって、
    変成シリコーン(A)、塩素化ポリオレフィン(B)、フェニル基を有機基として有する加水分解性シラン(C)、粘着付与樹脂(D)、及びフェニル基非含有加水分解性シラン(E)を混合するステップを備えており、
    前記フェニル基非含有加水分解性シランは、3−アミノプロピルトリエトキシシラン及び3−アミノプロピルトリエトキシシランのアミノ基保護型シランからなる群より選ばれるシランである、製造方法。
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