JP2019145845A - 電磁波シールドフィルム - Google Patents

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川口 利行
Toshiyuki Kawaguchi
利行 川口
稔 久保田
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稔 久保田
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Abstract

【課題】絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板と、電磁波シールドフィルムとを、熱プレスした後、離型フィルムを電磁波シールドフィルムから剥離する際に、離型フィルムを容易に剥離することができ、熱硬化性導電性接着剤層が欠損しにくい電磁波シールドフィルムを提供する。【解決手段】キャリアフィルム58(離型フィルム)と、熱硬化性導電性接着剤層56と、キャリアフィルム58と熱硬化性導電性接着剤層56との間に存在する保護層52(基材層)とを備え、キャリアフィルム58が、内部に複数の気泡を有する、電磁波シールドフィルム50。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波シールドフィルムに関する。
フレキシブルプリント配線板から発生する電磁波ノイズや外部からの電磁波ノイズを遮蔽するために、電磁波シールドフィルムをフレキシブルプリント配線板の表面に設けることがある(例えば、特許文献1参照)。
図5は、従来の電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の一例を示す断面図である。
電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板101は、フレキシブルプリント配線板130と、絶縁フィルム140と、電磁波シールドフィルム110とを備える。
フレキシブルプリント配線板130は、ベースフィルム132の片面にプリント回路134が設けられたものである。
絶縁フィルム140は、フレキシブルプリント配線板130のプリント回路134が設けられた側の表面に設けられる。
電磁波シールドフィルム110は、基材層112(保護層)と、基材層112の第1の表面を覆う金属薄膜層114と、金属薄膜層114の表面を覆う熱硬化性導電性接着剤層116と、基材層112の第2の表面を覆う離型フィルム118(キャリアフィルム)とを備える。
電磁波シールドフィルム110の熱硬化性導電性接着剤層116は、絶縁フィルム140の表面に接着され、かつ硬化されている。また、熱硬化性導電性接着剤層116は、絶縁フィルム140に形成された貫通孔142を通ってプリント回路134に電気的に接続されている。
電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板は、例えば、下記の工程を経て製造される。
(i)フレキシブルプリント配線板130のプリント回路134が設けられた側の表面に、プリント回路134のグランドに対応する位置に貫通孔142が形成された絶縁フィルム140を設ける工程。
(ii)電磁波シールドフィルム110を、絶縁フィルム140の表面に、電磁波シールドフィルム110の熱硬化性導電性接着剤層116が接触するように重ね、熱プレスすることによって、絶縁フィルム140の表面に熱硬化性導電性接着剤層116が接着され、熱硬化性導電性接着剤層116が硬化され、かつ熱硬化性導電性接着剤層116が、貫通孔142を通ってプリント回路134のグランドに電気的に接続された電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板101を得る工程。
また、熱プレス後、キャリアフィルムとしての役割を終えた離型フィルム118を、電磁波シールドフィルム110から剥離し、取り除く。しかし、離型フィルム118を剥離しにくく、剥離に時間がかかるという問題がある。また、強引に離型フィルム118を剥離しようとすると、基材層112も一緒に剥離し、さらに基材層112とともに硬化後の熱硬化性導電性接着剤層116の一部も剥離する。その結果、熱硬化性導電性接着剤層116が欠損するという問題がある。これらの問題は、離型フィルム118と基材層112とが強力に密着しているため;熱硬化性導電性接着剤層116とプリント回路134のグランドとの接着性が不十分なため;および硬化後の熱硬化性導電性接着剤層116が脆いために生じる。
日本国特許第4201548号公報
本発明は、絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板と、電磁波シールドフィルムとを、熱プレスした後、離型フィルムを電磁波シールドフィルムから剥離する際に、離型フィルムを容易に剥離することができ、熱硬化性導電性接着剤層が欠損しにくい電磁波シールドフィルム、およびこの電磁波シールドフィルムを用いた電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の製造方法を提供する。
本発明は、(1)〜(11)の電磁波シールドフィルムおよび(12)〜(13)の電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の製造方法に関する。
(1)離型フィルムと、熱硬化性導電性接着剤層と、前記離型フィルムと前記熱硬化性導電性接着剤層との間に存在する基材層とを備え、前記離型フィルムが、内部に複数の気泡を有する、電磁波シールドフィルム。
(2)前記離型フィルムが、離型フィルム本体と、前記離型フィルム本体の前記基材層側の表面に形成された離型剤層とを有する、(1)の電磁波シールドフィルム。
(3)前記熱硬化性導電性接着剤と前記基材層との間に存在する金属薄膜層をさらに備えた、(1)または(2)の電磁波シールドフィルム。
(4)前記離型フィルム中の気泡の割合が、前記離型フィルムの100体積%のうち、2〜30体積%である、(1)〜(3)のいずれかの電磁波シールドフィルム。
(5)前記離型フィルム中の気泡の平均径が、0.1〜60μmである、(1)〜(4)のいずれかの電磁波シールドフィルム。
(6)前記離型フィルムの基材層側の表面の算術平均粗さRaが、0.1〜0.2μmである、(1)〜(5)のいずれかの電磁波シールドフィルム。
(7)前記離型フィルムの厚さが、5〜500μmである、(1)〜(6)のいずれかの電磁波シールドフィルム。
(8)前記熱硬化性導電性接着剤層の厚さが、3〜20μmである、(1)〜(7)のいずれかの電磁波シールドフィルム。
(9)前記基材層の厚さが、1〜10μmである、(1)〜(8)のいずれかの電磁波シールドフィルム。
(10)前記離型剤層の厚さが、0.05〜2.0μmである、(2)の電磁波シールドフィルム。
(11)前記金属薄膜層の厚さが、0.01〜1μmである、(3)の電磁波シールドフィルム。
(12)下記の工程(h)〜(k)を有する、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の製造方法。
(h)ベースフィルムの少なくとも片面にプリント回路を有するフレキシブルプリント配線板の前記プリント回路が設けられた側の表面に、絶縁フィルムを設け、絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板を得る工程。
(i)前記絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板と、(1)〜(11)のいずれかの電磁波シールドフィルムとを、前記絶縁フィルムの表面に前記熱硬化性導電性接着剤層が接触するように重ね、30秒〜5分間熱プレスすることによって、前記絶縁フィルムの表面に前記熱硬化性導電性接着剤層が接着された電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の前駆体を得る工程。
(j)前記前駆体を加熱することによって、前記熱硬化性導電性接着剤層を硬化させ、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板を得る工程。
(k)前記離型フィルムを剥離する工程。
(13)前記工程(j)の後の前記離型フィルムの基材層側の表面の算術平均粗さRaが、0.15〜0.5μmである、(12)の電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の製造方法。
本発明の電磁波シールドフィルムによれば、絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板と、電磁波シールドフィルムとを、熱プレスした後、離型フィルムを電磁波シールドフィルムから剥離する際に、離型フィルムを容易に剥離することができ、熱硬化性導電性接着剤層が欠損しにくい。
本発明の電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の製造方法によれば、絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板と、電磁波シールドフィルムとを、熱プレスした後、離型フィルムを電磁波シールドフィルムから剥離する際に、離型フィルムを容易に剥離することができ、熱硬化性導電性接着剤層が欠損しにくい。
本発明の電磁波シールドフィルムの一実施形態を示す断面図である。 図1の電磁波シールドフィルムの加熱後の様子を示す断面図である。 本発明の電磁波シールドフィルムの他の実施形態を示す断面図である。 本発明の電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の製造工程を示す断面図である。 従来の電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の一例を示す断面図である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
導電性粒子の平均粒子径は、導電性粒子の電子顕微鏡像から30個の導電性粒子を無作為に選び、それぞれの導電性粒子について、最小径および最大径を測定し、最小径と最大径との中央値を一粒子の粒子径とし、測定した30個の導電性粒子の粒子径を算術平均して得た値である。
導電性繊維の平均繊維長は、導電性繊維の電子顕微鏡像から30本の導電性繊維を無作為に選び、それぞれの導電性繊維について、繊維長を測定し、測定した30本の導電性繊維の繊維長を算術平均して得た値である。
導電性繊維の平均繊維径は、導電性繊維の電子顕微鏡像から30本の導電性繊維を無作為に選び、それぞれの導電性繊維について、最小径および最大径を測定し、最小径と最大径との中央値を一繊維の繊維径とし、測定した30本の導電性繊維の繊維径を算術平均して得た値である。
導電性粒子および導電性繊維の比表面積は、脱気した粒子等を液体窒素に浸漬させ、吸着した窒素量を測定し、この値から算出する。
フィルム(離型フィルム、絶縁フィルム等)、塗膜(基材層、熱硬化性導電性接着剤層等)、金属薄膜層等の厚さは、透過型電子顕微鏡を用いて測定対象の断面を観察し、5箇所の厚さを測定し、平均した値である。
貯蔵弾性率は、測定対象に与えた応力と検出した歪から算出され、温度または時間の関数として出力する動的粘弾性測定装置を用いて、粘弾性特性の一つとして測定される。
表面抵抗は、石英ガラス上に金を蒸着して形成した、2本の薄膜金属電極(長さ10mm、幅5mm、電極間距離10mm)を用い、この電極上に被測定物を置き、被測定物上から、被測定物の10mm×20mmの領域を0.049Nの荷重で押し付け、1mA以下の測定電流で測定される電極間の抵抗である。
「導電性繊維が熱硬化性導電性接着剤層の厚さ方向に配向する」とは、導電性繊維の繊維方向の向きが、熱硬化性導電性接着剤層の面方向よりも、熱硬化性導電性接着剤層の厚さ方向に偏っていることを意味する。
<電磁波シールドフィルム>
図1は、本発明の電磁波シールドフィルムの一実施形態を示す断面図である。
電磁波シールドフィルム50は、キャリアフィルム58(離型フィルム)と、熱硬化性導電性接着剤層56と、キャリアフィルム58と熱硬化性導電性接着剤層56との間に存在する保護層52(基材層)とを備える。
キャリアフィルム58は、キャリアフィルム本体58a(離型フィルム本体)と、キャリアフィルム本体58aの、保護層52側の表面に形成された離型剤層58bとを有するものである。
(保護層)
保護層52は、熱硬化性導電性接着剤層56(または後述する金属薄膜層)を形成する際のベース(下地)となり、電磁波シールドフィルム50を、フレキシブルプリント配線板の表面に設けられた絶縁フィルムの表面に貼着した後には、熱硬化性導電性接着剤層56(または後述する金属薄膜層)の保護膜となる層である。
保護層52の表面抵抗は、電気的絶縁性の点から、1×10Ω以上が好ましい。保護層52の表面抵抗は、実用上の点から、1×1019Ω以下が好ましい。
保護層52は、公知の樹脂材料からなる層であり、公知の電磁波シールドフィルムにおける保護層(カバーフィルム)と同様のものである。
保護層52としては、具体的には、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む塗料を塗布し、硬化させて形成された塗膜、熱可塑性樹脂を含む塗料を塗布して形成された塗膜、熱可塑性樹脂を溶融成形したフィルムからなる層等が挙げられる。ハンダ付け等の際の耐熱性の点から、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む塗料を塗布し、硬化させて形成された塗膜が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、アミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム、UV硬化アクリレート樹脂等が挙げられ、耐熱性に優れる点から、アミド樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
基材層の160℃における貯蔵弾性率は、5×10〜1×10Paが好ましく、8×10〜2×10Paがより好ましい。通常、熱硬化性樹脂の硬化物は硬いため、これからなる塗膜は、柔軟性に乏しく、特に、厚さを薄くした場合は、非常に脆く自立膜として存在できるほどの強度がない。基材層は、離型フィルムを剥離する際の温度下(熱硬化性導電性接着剤を硬化させる温度で、通常150〜200℃の温度)において、十分な強度を有することが好ましい。基材層の160℃における貯蔵弾性率が5×10Pa以上であれば、基材層が軟化することがない。基材層の160℃における貯蔵弾性率が1×10Pa以下であれば、柔軟性や強度が十分となる。その結果、離型フィルムを剥離する際に基材層はもとより電磁波シールドフィルムが破断しにくい。
保護層52は、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板に意匠性を付与するために、着色されていてもよい。
保護層52の表面には、表面の傷等を目立たなくするために、エンボス加工やブラスト加工が施されたキャリアフィルム58の凹凸が転写されていてもよい。
保護層52の厚さは、1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。保護層52の厚さが1μm以上であれば、耐熱性が良好となる。保護層52の厚さが10μm以下であれば、電磁波シールドフィルム50を薄くできる。
(熱硬化性導電性接着剤層)
熱硬化性導電性接着剤層56は、厚さ方向に導電性を有し、かつ接着性を有する。熱硬化性導電性接着剤層56は、硬化後には耐熱性を発揮できる。
熱硬化性導電性接着剤層56は、公知の熱硬化性導電性接着剤からなる層であり、公知の電磁波シールドフィルムにおける導電性接着剤層と同様のものである。
熱硬化性導電性接着剤層56は、具体的には、熱硬化性接着剤と、導電性粒子60とを含む。必要に応じて、導電性繊維を含んでいてもよい。熱硬化性導電性接着剤層56は、未硬化の状態であってもよく、Bステージ化された状態であってもよい。
熱硬化性接着剤としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム、UV硬化アクリレート樹脂等が挙げられる。耐熱性に優れる点から、エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は、可とう性付与のためのゴム成分(カルボキシル変性ニトリルゴム等)や、粘着付与剤を含んでいてもよい。
さらに、熱硬化性導電性接着剤層の強度を高め、打ち抜き特性を向上させるために、セルロース樹脂を添加したり、ガラス繊維等のミクロフィブリルを添加したりすることもできる。
導電性粒子は、導電性繊維が熱硬化性導電性接着剤層の面方向に配向しようとするのを阻害し、導電性繊維が熱硬化性導電性接着剤層の厚さ方向に配向するように、導電性繊維の繊維方向の向きを規制するものである。導電性繊維が熱硬化性導電性接着剤層の厚さ方向に配向することによって、熱硬化性導電性接着剤層の厚さ方向の導電性が確保される。
また、熱硬化性導電性接着剤層の厚さ方向に配向した導電性繊維の一部が熱硬化性導電性接着剤層の表面から突出するため、電磁波シールドフィルムを、フレキシブルプリント配線板の表面に設けられた絶縁フィルムに貼着した後には、突出した導電性繊維が、絶縁フィルムの貫通孔の位置においてフレキシブルプリント配線板のプリント回路に接触できる。また、導電性繊維がプリント回路に接触した際には、導電性繊維の曲げ弾性による接触圧が発生し、導電性繊維がフレキシブルプリント配線板のプリント回路に押し付けられるように接触する。以上のことから、熱硬化性導電性接着剤層をフレキシブルプリント配線板のプリント回路に確実に電気的に接続できる。
導電性粒子としては、黒鉛粉、焼成カーボン粒子、金属(銀、白金、金、銅、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、ハンダ等)の粒子、めっきされた焼成カーボン粒子等が挙げられる。熱硬化性導電性接着剤層の流動性の観点から、堅く球状である焼成カーボン粒子が好ましい。
導電性粒子の平均粒子径は、熱硬化性導電性接着剤層の厚さの10%以上、熱硬化性導電性接着剤層の厚さの50%以下が好ましく、熱硬化性導電性接着剤層の厚さの20%以上、熱硬化性導電性接着剤層の厚さの40%以下がより好ましい。導電性粒子の平均粒子径が熱硬化性導電性接着剤層の厚さの10%以上であれば、導電性繊維が熱硬化性導電性接着剤層の面方向に配向しようとするのを阻害する。そのため、導電性繊維が熱硬化性導電性接着剤層の厚さ方向に配向するように、導電性繊維の繊維方向の向きを規制できる。
導電性粒子の平均粒子径が熱硬化性導電性接着剤層の厚さの50%以下であれば、熱硬化性導電性接着剤層の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)を確保でき、絶縁フィルムの貫通孔内を熱硬化性導電性接着剤層で十分に埋めることができる。
導電性粒子の比表面積は、2〜50m/gが好ましく、2〜20m/gがより好ましい。導電性粒子の比表面積が2m/g以上であれば、導電性粒子を入手しやすい。導電性粒子の比表面積が50m/g以下であれば、導電性粒子の吸油量が大きくなりすぎず、その結果、熱硬化性導電性接着剤の粘度が高くなりすぎず、塗布性がさらに良好となる。また、熱硬化性導電性接着剤層の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)をさらに確保できる。
導電性粒子の割合は、熱硬化性導電性接着剤層の100体積%のうち、20〜70体積%が好ましく、35〜50体積%がより好ましい。導電性粒子の割合が20体積%以上であれば、導電性繊維が熱硬化性導電性接着剤層の面方向に配向しようとするのを阻害し、導電性繊維が熱硬化性導電性接着剤層の厚さ方向に配向するように、導電性繊維の繊維方向の向きを規制できる。導電性粒子の割合が70体積%以下であれば、熱硬化性導電性接着剤の粘度が高くなりすぎず、塗布性が良好となる。また、熱硬化性導電性接着剤層の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)を確保でき、絶縁フィルムの貫通孔内を熱硬化性導電性接着剤層で十分に埋めることができる。
導電性繊維としては、カーボンナノファイバ、金属(銅、白金、金、銀、ニッケル等)のナノワイヤ等が挙げられ、熱硬化性導電性接着剤層の厚みがミクロンレベルと薄いことから繊維径の細いカーボンナノファイバが好ましい。カーボンナノファイバとしては、分散性に優れている点、熱硬化性導電性接着剤層の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)を確保する点から、気相法炭素繊維が好ましい。
導電性繊維の平均繊維長は、熱硬化性導電性接着剤層の厚さの10%以上、熱硬化性導電性接着剤層の厚さ以下が好ましく、熱硬化性導電性接着剤層の厚さの30%以上、熱硬化性導電性接着剤層の厚さの50%以下がより好ましい。導電性繊維の平均繊維長が熱硬化性導電性接着剤層の厚さの10%以上であれば、熱硬化性導電性接着剤層の厚さ方向の導電性が確保される。導電性繊維の平均繊維長が熱硬化性導電性接着剤層の厚さ以下であれば、導電性繊維が熱硬化性導電性接着剤層の厚さ方向に配向しやすい。また、導電性繊維が気相法炭素繊維の場合、気相法炭素繊維が長くなりすぎると、気相法炭素繊維の製造時に分岐成長が起こり、気相法炭素繊維が網目状となる。そのため、気相法炭素繊維の分散性、熱硬化性導電性接着剤層の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)が低下する。この点からも、導電性繊維の平均繊維長は、熱硬化性導電性接着剤層の厚さ以下であることが好ましい。
導電性繊維の平均繊維径は、0.01〜0.5μmが好ましく、0.05〜0.3μmがより好ましい。導電性繊維の平均繊維径が前記範囲内であれば、導電性繊維がプリント回路に接触した際に、導電性繊維の曲げ弾性による接触圧が発生しやすい。この接触圧によって、熱硬化性導電性接着剤層がフレキシブルプリント配線板のプリント回路にさらに確実に電気的に接続される。
導電性繊維のアスペクト比は、5〜300が好ましく、10〜100がより好ましい。
導電性繊維のアスペクト比が前記範囲内であれば、導電性繊維が熱硬化性導電性接着剤層の厚さ方向に配向しやすい。また、導電性繊維の分散性にさらに優れ、熱硬化性導電性接着剤層の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)をさらに確保できる。
導電性繊維の比表面積は、2〜50m/gが好ましく、2〜40m/gがより好ましい。導電性繊維の比表面積が2m/g以上であれば、導電性粒子を入手しやすい。導電性繊維の比表面積が50m/g以下であれば、導電性繊維の吸油量が大きくなりすぎず、その結果、熱硬化性導電性接着剤の粘度が高くなりすぎず、塗布性がさらに良好となる。また、熱硬化性導電性接着剤層の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)をさらに確保できる。
導電性繊維の割合は、熱硬化性導電性接着剤層の100体積%のうち、1〜10体積%が好ましく、1〜8体積%がより好ましい。導電性繊維の割合が1体積%以上であれば、熱硬化性導電性接着剤層の厚さ方向の導電性が確保される。導電性繊維の割合が10体積%以下であれば、熱硬化性導電性接着剤の粘度が高くなりすぎず、塗布性が良好となる。
また、熱硬化性導電性接着剤層の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)を確保でき、絶縁フィルムの貫通孔内を熱硬化性導電性接着剤層で十分に埋めることができる。
導電性繊維と導電性粒子との合計100質量%のうち、導電性繊維の割合は、1〜10質量%が好ましく、2〜5質量%がより好ましい。導電性繊維が1質量%以上であれば、熱硬化性導電性接着剤層の厚さ方向の導電性がさらに確保される。導電性繊維が10質量%以下であれば、導電性繊維が熱硬化性導電性接着剤層の面方向に配向しようとするのを阻害しやすくなる。そのため、導電性繊維が熱硬化性導電性接着剤層の厚さ方向に配向するように、導電性繊維の繊維方向の向きを規制しやすくなる。
熱硬化性導電性接着剤層の表面抵抗は、10〜10,000Ωが好ましく、10〜1000Ωがより好ましい。熱硬化性導電性接着剤層の表面抵抗が10Ω以上であれば、導電性粒子および導電性繊維の含有量が低く抑えられ、熱硬化性導電性接着剤の粘度が高くなりすぎず、塗布性がさらに良好となる。また、熱硬化性導電性接着剤層の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)をさらに確保できる。熱硬化性導電性接着剤層の表面抵抗が100,000Ω以下であれば、熱硬化性導電性接着剤層の全面が均一な導電性を有するものとなる。
熱硬化性導電性接着剤層56の厚さは、3〜20μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。熱硬化性導電性接着剤層56の厚さが3μm以上であれば、熱硬化性導電性接着剤層56の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)を確保でき、絶縁フィルムの貫通孔内を熱硬化性導電性接着剤で十分に埋めることができる。熱硬化性導電性接着剤層56の厚さが20μm以下であれば、電磁波シールドフィルム50を薄くできる。
(キャリアフィルム)
キャリアフィルム58は、基材層52を形成する際のベースとなるものであり、電磁波シールドフィルム50のハンドリング性を良好にする。キャリアフィルム58は、電磁波シールドフィルム50をフレキシブルプリント配線板等に貼り付けた後には、電磁波シールドフィルム50から剥離される。
キャリアフィルム58は、キャリアフィルム本体58aの内部に複数の気泡を有するフィルムである。このようなフィルムとしては、公知の発泡フィルム等が挙げられる。発泡フィルムは、複数の気泡を有する発泡層のみからなる単層構造のものであってもよく、発泡層と非発泡層とを有する積層構造のものであってもよい。
キャリアフィルム58中の気泡の割合は、キャリアフィルム58の100体積%のうち、2〜30体積%が好ましく、5〜25体積%がより好ましく、10〜20体積%がさらに好ましい。キャリアフィルム58中の気泡の割合が前記範囲内であれば、熱プレス後のキャリアフィルム58の保護層52側の表面の算術平均粗さRaを後述する範囲にしやすくなる。キャリアフィルム58中の気泡の割合は、キャリアフィルム58の断面を顕微鏡で観察し、画像の面積に対する画像中の気泡の断面積の割合を算出することによって求めることができる。
気泡の形状は、球形または楕円形が好ましく、潰れて扁平状であっても好ましい。
気泡の平均径は、0.1〜60μmが好ましく、0.1〜50μmがより好ましく、0.2〜50μmがさらに好ましい。気泡の平均径が前記範囲内であれば、熱プレス後のキャリアフィルム58の保護層52側の表面の算術平均粗さRaを後述する範囲にしやすくなる。気泡の平均径は、キャリアフィルム58の押し出し方向あるいはそれに垂直な断面を顕微鏡で観察し、無作為に選ばれた100個の気泡について、それぞれ断面積を測定し、断面積が等しい円の相当直径を求め、これらを平均することによって求めることができる。
キャリアフィルム58の厚さ変化率は、5〜20%が好ましく、7〜20%がより好ましい。
(厚さ変化率)
温度:160℃、圧力:3MPaで3分間熱プレスした後の離型フィルムの厚さt2と、熱プレスする前の離型フィルムの厚さt1とから、下記式(I)によって厚さ変化率を求める。
厚さ変化率=(t1−t2)/t1×100 ・・・(I)
離型フィルムの厚さ変化率が5%以上であれば、下記の理由から、電磁波シールドフィルムの熱硬化性導電性接着剤層が貫通孔を通ってフレキシブルプリント配線板のプリント回路に確実に電気的に接続できる。
離型フィルムの厚さ変化率が5%以上であれば、離型フィルムがクッション材として働く。そのため、フレキシブルプリント配線板の表面に設けられた絶縁フィルムの表面に電磁波シールドフィルムの硬化性導電性接着剤層を熱プレスにて貼着する際に、絶縁フィルムの貫通孔のない部分では、離型フィルムが厚さ方向に潰れやすくなる。一方、絶縁フィルムの貫通孔のある部分では、離型フィルムの下層が貫通孔に沈み込むため、離型フィルムは厚さ方向にあまり潰れない。この潰れ具合の違いにより、絶縁フィルムの貫通孔のある部分における離型フィルムの上層の窪みが浅くなる。すなわち、絶縁フィルムの貫通孔のある部分において曲げ変形した離型フィルムの上層の曲げ半径が、厚さ変化率が小さい従来の離型フィルム(図5の離型フィルム118)に比べて大きくなる。その結果、離型フィルムが弾性変形によって元のフラットな形に回復しようとする力も小さくなり、絶縁フィルムの貫通孔を通ってプリント回路のグランドに接着していた硬化性導電性接着剤層が剥がれにくくなる。
なお、離型フィルムの厚さ変化率が20%を超えると、フレキシブルプリント配線板の表面に設けられた絶縁フィルムの表面に電磁波シールドフィルムの硬化性導電性接着剤層を貼着する際の熱プレスの圧力が離型フィルムに吸収されすぎてしまう。そのため、絶縁フィルムの貫通孔のある部分では、離型フィルムの下層が貫通孔に沈み込みにくくなる。
その結果、熱硬化性導電性接着剤層の絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性が低下するおそれがある。
キャリアフィルム58の160℃における貯蔵弾性率は、0.8×10〜4×10Paが好ましく、0.8×10〜3×10Paがより好ましい。離型フィルムの160℃における貯蔵弾性率が0.8×10Pa以上であれば、電磁波シールドフィルムのハンドリング性が良好となる。離型フィルムの160℃における貯蔵弾性率が4×10Pa以下であれば、離型フィルムの柔軟性が良好となる。そのため、フレキシブルプリント配線板の表面に設けられた絶縁フィルムの表面に電磁波シールドフィルムの硬化性導電性接着剤層を熱プレスにて貼着した際に、絶縁フィルムの貫通孔の形状に沿って曲げ変形していた離型フィルムが弾性変形によって元のフラットな形に回復しようとする力もさらに小さくなる。その結果、絶縁フィルムの貫通孔を通ってプリント回路のグランドに接着していた硬化性導電性接着剤層がさらに剥がれにくくなる。
キャリアフィルム58の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリアセテート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、合成ゴム、液晶ポリマー等が挙げられ、電磁波シールドフィルムを製造する際の耐熱性(寸法安定性)およびコストの点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
キャリアフィルム58の保護層52側の表面の算術平均粗さRaは、0.1〜0.2μmが好ましく、0.1〜0.18μmがより好ましく、0.1〜0.15μmがさらに好ましい。キャリアフィルム58の保護層52側の表面の算術平均粗さRaが前記範囲内であれば、キャリアフィルム58と保護層52との密着性が適度なものとなり、電磁波シールドフィルム50のハンドリング性が良好となる。算術平均粗さRaは、JIS B 0601:2001(ISO 4287:1997)に記載された方法によって測定される。
キャリアフィルム58の厚さは、5〜500μmが好ましく、10〜150μmがより好ましく、25〜100μmがさらに好ましい。キャリアフィルム58の厚さが5μm以上であれば、電磁波シールドフィルム50のハンドリング性が良好となる。また、キャリアフィルム58がクッション材として十分に働き、フレキシブルプリント配線板の表面に設けられた絶縁フィルムの表面に電磁波シールドフィルム50の硬化性導電性接着剤層56を熱プレスにて貼着する際に、硬化性導電性接着剤層56が絶縁フィルムの表面の凹凸形状に追随しやすくなる。キャリアフィルム58の厚さが500μm以下であれば、絶縁フィルムの表面に電磁波シールドフィルム50の硬化性導電性接着剤層56を熱プレスする際に硬化性導電性接着剤層56に熱が伝わりやすい。また、絶縁フィルムの貫通孔の形状に沿って曲げ変形していたキャリアフィルム58が弾性変形によって元のフラットな形に回復しようとする力をさらに小さくできる。
(離型剤層)
キャリアフィルム本体58aの保護層52側の表面に、離型剤による離型処理が施されて、離型剤層58bが形成される。キャリアフィルム58が離型剤層58bを有することによって、後述する工程(k)においてキャリアフィルム58を保護層52から剥離する際に、キャリアフィルム58が剥離しやすく、保護層52や硬化後の熱硬化性導電性接着剤層56が破断しにくくなる。
離型剤としては、公知の離型剤を用いればよい。
離型剤層58bの厚さは、0.05〜2.0μmが好ましく、0.1〜1.5μmがより好ましい。離型剤層58bの厚さが前記範囲内であれば、後述する工程(k)においてキャリアフィルム58がさらに剥離しやすくなる。
(電磁波シールドフィルムの厚さ)
電磁波シールドフィルム50の厚さ(キャリアフィルム58を除く)は、10〜45μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。電磁波シールドフィルム50の厚さ(キャリアフィルム58を除く)が10μm以上であれば、キャリアフィルム58を剥離する際に破断しにくい。電磁波シールドフィルム50の厚さ(キャリアフィルム58を除く)が45μm以下であれば、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板を薄くできる。
(電磁波シールドフィルムの製造方法)
電磁波シールドフィルム50は、下記の工程(a)〜(c)を有する製造方法によって製造することができる。
(a)厚さ変化率が5〜20%となる離型フィルムの片面に基材層を形成する工程。
(b)必要に応じて基材層の表面に金属薄膜層を形成する工程。
(c)基材層または金属薄膜層の表面に熱硬化性導電性接着剤組成物を塗布し、熱硬化性導電性接着剤層を形成する工程。
(工程(a))
離型フィルムの片面に基材層を形成する。
基材層の形成方法としては、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む塗料を塗布し、硬化させる方法、熱可塑性樹脂を含む塗料を塗布する方法、熱可塑性樹脂を溶融成形したフィルムを貼着する方法等が挙げられる。ハンダ付け等の際の耐熱性の点から、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む塗料を塗布し、硬化させる方法が好ましい。
熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む塗料は、必要に応じて溶剤、他の成分を含んでいてもよい。
基材層を、塗料の塗布によって形成した場合、基材層を比較的薄くできる。なお、熱硬化性樹脂の硬化物は硬いため、基材層を薄くした場合は、強度が不十分となる。上述したように、基材層の160℃における貯蔵弾性率を、5×10〜1×10Paの範囲とすることによって、柔軟性や強度と、耐熱性とのバランスが良好となる。
基材層の貯蔵弾性率の制御は、架橋密度および架橋構造からもたらされる強靭性の観点から熱硬化性樹脂、硬化剤等の種類や組成を選択し、熱硬化性樹脂の硬化物の貯蔵弾性率を調整することによって行われる。
このほか、貯蔵弾性率は、熱硬化性樹脂を硬化させる際の温度、時間等の硬化条件を調整する、または熱硬化性を有さない成分として熱可塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂を添加することによって調整できる。
(工程(b))
基材層の表面に金属薄膜層を形成する。
金属薄膜層の形成方法としては、物理蒸着、CVD、めっき等によって金属薄膜を形成する方法、金属箔を貼り付ける方法等が挙げられる。面方向の導電性に優れる金属薄膜層を形成できる点から、物理蒸着、CVD、めっき等によって金属薄膜を形成する方法が好ましく、金属薄膜層の厚さを薄くでき、かつ厚さが薄くても面方向の導電性に優れる金属薄膜層を形成でき、ドライプロセスにて簡便に金属薄膜層を形成できる点から、物理蒸着による方法がより好ましい。
(工程(c))
基材層または金属薄膜層の表面に熱硬化性導電性接着剤層を形成する。必要に応じて、熱硬化性導電性接着剤層の表面を第2の離型フィルム(図示略)で覆ってもよい。
熱硬化性導電性接着剤層の形成方法としては、基材層または金属薄膜層の表面に熱硬化性導電性接着剤組成物を塗布する方法が挙げられる。
(作用効果)
以上説明した電磁波シールドフィルム50にあっては、キャリアフィルム58が、内部に複数の気泡を有するものであるため、以下に説明する理由から、絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板と、電磁波シールドフィルム50とを、熱プレスした後、キャリアフィルム58を電磁波シールドフィルム50から剥離する際に、キャリアフィルム58を容易に剥離することができ、熱硬化性導電性接着剤層56が欠損しにくい。
内部に複数の気泡を有するキャリアフィルム58は、加熱によって伸び変形しやすい。
一方、内部に複数の気泡を有しない保護層52は、加熱によって伸び変形しにくい。そのため、加熱によって伸びた分のキャリアフィルム58の行き場がなくなり、図2に示すように、伸びた分だけキャリアフィルム58の表面が所々で凹み、キャリアフィルム58の保護層52側の表面の算術平均粗さRaが大きくなる。その結果、キャリアフィルム58と保護層52との界面の接触面積が小さくなり、キャリアフィルム58を容易に剥離することができるようになる。
(他の実施形態)
本発明の電磁波シールドフィルムは、キャリアフィルム(離型フィルム)と、熱硬化性導電性接着剤層と、キャリアフィルムと熱硬化性導電性接着剤層との間に存在する保護層(基材層)とを備え、キャリアフィルムが、内部に複数の気泡を有するものであればよく、図示例の実施形態に限定はされない。
例えば、必要に応じて、熱硬化性導電性接着剤層56の表面を、第2の離型フィルム(図示略)で覆ってもよい。
また、キャリアフィルム58は、保護層52側の表面に形成された離型剤層58aを有しなくてもよい。
また、熱硬化性導電性接着剤層56で十分に電磁波をシールドできない場合は、図3に示すように、熱硬化性導電性接着剤56と保護層52との間に金属薄膜層54を設けてもよい。
(金属薄膜層)
金属薄膜層54は、金属の薄膜からなる層である。金属薄膜層54は、面方向に広がるように形成されていることから、面方向に導電性を有し、電磁波シールド層等として機能する。
金属薄膜層54としては、物理蒸着(真空蒸着、スパッタリング、イオンビーム蒸着、電子ビーム蒸着等)、CVD、めっき等によって形成された金属薄膜、金属箔等が挙げられ、厚さを薄くでき、かつ厚さが薄くても面方向の導電性に優れ、ドライプロセスにて簡便に形成できる点から、物理蒸着による金属薄膜(蒸着膜)が好ましい。
金属薄膜層を構成する金属薄膜の材料としては、アルミニウム、銀、銅、金、導電性セラミックス等が挙げられる。電気伝導度の点からは、銅が好ましく、化学的安定性の点からは、導電性セラミックスが好ましい。
金属薄膜層の表面抵抗は、0.001〜1Ωが好ましく、0.001〜0.1Ωがより好ましい。金属薄膜層の表面抵抗が0.001Ω以上であれば、金属薄膜層を十分に薄くできる。金属薄膜層の表面抵抗が1Ω以下であれば、電磁波シールド層として十分に機能できる。
金属薄膜層54の厚さは、0.01〜1μmが好ましく、0.05〜1μmがより好ましい。金属薄膜層54の厚さが0.01μm以上であれば、面方向の導電性がさらに良好になる。金属薄膜層54の厚さが0.05μm以上であれば、電磁波ノイズの遮蔽効果がさらに良好になる。金属薄膜層54の厚さが1μm以下であれば、電磁波シールドフィルム50を薄くできる。また、生産性、可とう性がよくなる。
<電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の製造方法>
本発明の電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の製造方法は、下記の工程(h)〜(k)を有する。
(h)ベースフィルムの少なくとも片面にプリント回路を有するフレキシブルプリント配線板のプリント回路が設けられた側の表面に、絶縁フィルムを設け、絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板を得る工程。
(i)絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板と、本発明の電磁波シールドフィルムとを、絶縁フィルムの表面に熱硬化性導電性接着剤層が接触するように重ね、30秒〜5分間熱プレスすることによって、絶縁フィルムの表面に熱硬化性導電性接着剤層が接着された電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の前駆体を得る工程。
(j)前駆体を加熱することによって、熱硬化性導電性接着剤層を硬化させ、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板を得る工程。
(k)キャリアフィルム(離型フィルム)を剥離する工程。
以下、図4に示す電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板61を製造する方法について、図4を参照しながら説明する。
(フレキシブルプリント配線板)
フレキシブルプリント配線板30は、銅張積層板の銅箔を公知のエッチング法により所望のパターンに加工してプリント回路(電源回路、グランド回路、グランド層等)としたものである。
銅張積層板としては、ベースフィルム32の片面または両面に接着剤層(図示略)を介して銅箔を貼り付けたもの;銅箔の表面にベースフィルム32を形成する樹脂溶液等をキャストしたもの等が挙げられる。
接着剤層の材料としては、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、フェノール樹脂、ポリウレタン、アクリル樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
接着剤層の厚さは、0.5〜30μmが好ましい。
(ベースフィルム)
ベースフィルム32としては、耐熱性を有するフィルムが好ましく、ポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルムがより好ましく、ポリイミドフィルムがさらに好ましい。
ベースフィルム32の表面抵抗は、電気的絶縁性の点から、1×10Ω以上が好ましい。ベースフィルム32の表面抵抗は、実用上の点から、1×1019Ω以下が好ましい。
ベースフィルム32の厚さは、5〜200μmが好ましく、屈曲性の点から、6〜25μmがより好ましく、10〜25μmがより好ましい。
(プリント回路)
プリント回路34(信号回路、グランド回路、グランド層等)を構成する銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられ、屈曲性の点から、圧延銅箔が好ましい。
銅箔の厚さは、1〜50μmが好ましく、18〜35μmがより好ましい。
プリント回路34の長さ方向の端部(端子)は、ハンダ接続、コネクター接続、部品搭載等のため、絶縁フィルム40や電磁波シールドフィルム10に覆われていない。
(絶縁フィルム)
絶縁フィルム40は、基材フィルム(図示略)の片面に、接着剤の塗布、接着剤シートの貼り付け等によって接着剤層(図示略)を形成したものである。
基材フィルムの表面抵抗は、電気的絶縁性の点から、1×10Ω以上が好ましい。基材フィルムの表面抵抗は、実用上の点から、1×1019Ω以下が好ましい。
基材フィルムとしては、耐熱性を有するフィルムが好ましく、ポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルムがより好ましく、ポリイミドフィルムがさらに好ましい。
基材フィルムの厚さは、1〜100μmが好ましく、可とう性の点から、3〜25μmがより好ましい。
接着剤層の材料としては、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、フェノール樹脂、ポリウレタン、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、ポリオレフィン等が挙げられる。エポキシ樹脂は、可とう性付与のためのゴム成分(カルボキシル変性ニトリルゴム等)を含んでいてもよい。
接着剤層の厚さは、1〜100μmが好ましく、1.5〜60μmがより好ましい。
(工程(h))
図4に示すように、フレキシブルプリント配線板30に、絶縁フィルム40を重ね、フレキシブルプリント配線板30の表面に絶縁フィルム40の接着剤層(図示略)を接着し、接着剤層を硬化させることによって、絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板62を得る。フレキシブルプリント配線板30の表面に絶縁フィルム40の接着剤層を仮接着し、工程(j)にて接着剤層を本硬化させてもよい。
接着剤層の接着および硬化は、例えば、プレス機(図示略)等による熱プレスによって行う。
(工程(i))
図4に示すように、絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板62に、電磁波シールドフィルム50を重ね、30秒〜5分間熱プレスすることによって、絶縁フィルム40の表面に熱硬化性導電性接着剤層56が仮接着された電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の前駆体63を得る。
熱硬化性導電性接着剤層56の仮接着は、例えば、プレス機(図示略)等による熱プレスによって行う。
熱プレスの時間は、30秒〜5分間であり、1〜3分間がさらに好ましい。熱プレスの時間が30秒以上であれば、絶縁フィルム40の表面に熱硬化性導電性接着剤層56が仮接着される。熱プレスの時間が5分以下であれば、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板61の製造時間を短縮できる。
熱プレスの温度(プレス機のプレス板の温度)は、100〜170℃が好ましく、120〜160℃がより好ましい。熱プレスの温度が100℃以上であれば、絶縁フィルム40の表面に熱硬化性導電性接着剤層56が仮接着される。また、熱プレスの時間を短縮できる。熱プレスの温度が170℃以下であれば、電磁波シールドフィルム50、フレキシブルプリント配線板30等の劣化等を抑えることができる。
熱プレスの圧力は、1〜10Paが好ましく、2〜5Paがより好ましい。熱プレスの圧力が1Pa以上であれば、絶縁フィルム40の表面に熱硬化性導電性接着剤層56が仮接着される。また、熱プレスの時間を短縮できる。熱プレスの圧力が10Pa以下であれば、電磁波シールドフィルム50、フレキシブルプリント配線板30等の破損等を抑えることができる。
(工程(j))
図4に示すように、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の前駆体63を加熱することによって、熱硬化性導電性接着剤層56を本硬化させ、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板61を得る。
熱硬化性導電性接着剤層56の本硬化は、例えば、オーブン等の加熱装置を用いて行う。
加熱時間は、15〜120分間であり、30〜60分間が好ましい。加熱時間が15分以上であれば、熱硬化性導電性接着剤層56を十分に硬化できる。加熱時間が120分以下であれば、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板61の製造時間を短縮できる。
加熱温度(オーブン中の雰囲気温度)は、120〜160℃が好ましく、120〜150℃が好ましい。加熱温度が120℃以上であれば、加熱時間を短縮できる。加熱温度が160℃以下であれば、電磁波シールドフィルム50、フレキシブルプリント配線板30等の劣化等を抑えることができる。
加熱は、特殊な装置を使用しなくてもよい点から、無加圧で行うことが好ましい。
工程(j)の後のキャリアフィルム58の基材層52側の表面の算術平均粗さRaは、0.15〜0.5μmが好ましく、0.2〜0.5μmがより好ましく、0.2〜0.4μmがさらに好ましい。工程(j)の後のキャリアフィルム58の保護層52側の表面の算術平均粗さRaが前記範囲内であれば、工程(k)にてキャリアフィルム58をさらに容易に剥離することができ、熱硬化性導電性接着剤層56がさらに欠損しにくい。
(工程(k))
図4に示すように、電磁波シールドフィルム50からキャリアフィルム58を剥離する。
(作用効果)
以上説明した電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板61の製造方法にあっては、電磁波シールドフィルム50を用いているため、絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板62と、電磁波シールドフィルム50とを、熱プレスした後、キャリアフィルム58を電磁波シールドフィルム50から剥離する際に、キャリアフィルム58を容易に剥離することができ、熱硬化性導電性接着剤層56が欠損しにくい。
(他の実施形態)
本発明の電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の製造方法は、(h)ベースフィルムの少なくとも片面にプリント回路を有するフレキシブルプリント配線板のプリント回路が設けられた側の表面に、絶縁フィルムを設け、絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板を得る工程と、(i)絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板と、本発明の電磁波シールドフィルムとを、絶縁フィルムの表面に熱硬化性導電性接着剤層が接触するように重ね、30秒〜5分間熱プレスすることによって、絶縁フィルムの表面に熱硬化性導電性接着剤層が接着された電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の前駆体を得る工程と、(j)前駆体を加熱することによって、熱硬化性導電性接着剤層を硬化させ、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板を得る工程と、(k)キャリアフィルム(離型フィルム)を剥離する工程とを有する方法であればよく、上述した実施形態に限定はされない。
以下、実施例を示す。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
(厚さ変化率)
デジマチックインジケータ(ミツトヨ社製、ID−H)を用い、温度:160℃、圧力:3MPaで3分間熱プレスした後のフィルムの厚さt2と、熱プレスする前のフィルムの厚さt1とから、下記式(I)によって厚さ変化率を求めた。
厚さ変化率=(t1−t2)/t1×100 ・・・(I)
(貯蔵弾性率)
貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、RSAII)を用いて測定した。
(気泡の割合)
発泡フィルム中の気泡の割合は、発泡フィルムの断面を3D測定レーザー顕微鏡(OLYMPUS社製、LEXT DLS4000)で対物レンズ100倍に拡大して観察し、画像の面積に対する画像中の気泡の断面積の割合を算出することによって求めた。
(気泡の膜厚方向の平均高さ)
気泡の膜厚方向の平均高さは、発泡フィルムの断面を上記同様に拡大して観察し、無作為に選ばれた100個の気泡の発泡フィルムの膜厚方向の高さを測定し、平均することによって求めた。
(気泡の平均径)
気泡の平均径は、発泡フィルムの断面を上記同様に拡大して観察し、無作為に選ばれた100個の気泡について、それぞれ断面積を測定し、断面積が等しい円の相当直径を求め、これらを平均することによって求めた。
(算術平均粗さRa)
キャリアフィルムの離型剤層の表面の算術平均粗さRaは、表面粗さ計(小坂研究所社製、Surfcorder SE500)を用いて測定した。
(剥離強度)
電磁波シールドフィルムからキャリアフィルムを剥離する際の剥離強度は、20mm幅の試験片を、剥離角度180°、剥離速度300mm/分で測定した。
(実施例1)
キャリアフィルム58として、非シリコーン系離型剤にて片面が離型処理された発泡ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、クリスパー、厚さ:50μm、厚さ変化率:10%、160℃における貯蔵弾性率:3.5×10Pa、気泡の割合:20体積%、気泡の高さ:0.13μm、気泡の平均径:52μm、離型剤層58bの表面の算術平均粗さRa:0.11μm、離型剤層58bの厚さ:0.12μm)を用意した。
工程(a):
キャリアフィルム58の離型剤層58bの表面に、溶剤溶解性アミド樹脂(ティーアンドケイ東華社製、TPAE−617C)および硬化剤(トルエンジイソシアネート)をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解した塗料を塗布し、150℃で0.4時間加熱し、アミド樹脂を硬化させて、保護層52(厚さ:5μm、160℃における貯蔵弾性率:8×10Pa)を形成した。
工程(c):
保護層52の表面に、潜在硬化性エポキシ樹脂としてエポキシ樹脂(DIC社製、EXA−4816)と硬化剤(味の素ファインテクノ社製、PN−23)の混合物、焼成カーボン粒子(エアウォーターベルパール社製、CR1−2000、平均粒子径:3μm、比表面積:5m/g、真密度:1.5g/cm)を溶剤(メチルエチルケトン)に溶解または分散させた熱硬化性導電性接着剤組成物を、ダイコーターを用いて塗布し、溶剤を揮発させてBステージ化することによって、熱硬化性導電性接着剤層56(厚さ:10μm、焼成カーボン粒子:35体積%、表面抵抗:500Ω)を形成し、電磁波シールドフィルム50を得た。
工程(h):
厚さ25μmのポリイミドフィルム(表面抵抗:1×1017Ω)(基材フィルム)の表面に、ニトリルゴム変性エポキシ樹脂からなる絶縁性接着剤組成物を、乾燥膜厚が25μmになるように塗布し、接着剤層を形成し、絶縁フィルム40(厚さ:50μm)を得た。
厚さ12μmのポリイミドフィルム(表面抵抗:1×1017Ω)(ベースフィルム32)の表面に、プリント回路34が形成されたフレキシブルプリント配線板30を用意した。
フレキシブルプリント配線板30に絶縁フィルム40を熱プレスにより貼り付けて、絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板62を得た。
工程(i):
フレキシブルプリント配線板30に電磁波シールドフィルム50を重ね、ホットプレス装置(折原製作所社製、G−12)を用い、温度:160℃、圧力:3MPaで3分間熱プレスし、絶縁フィルム40の表面に熱硬化性導電性接着剤層56を仮接着して、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の前駆体63を得た。
工程(j):
電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の前駆体63を、高温恒温器(楠本化成社製、HT210)を用い、温度:150℃で30分間加熱することによって、熱硬化性導電性接着剤層56を本硬化させ、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板61を得た。
工程(k):
電磁波シールドフィルム50からキャリアフィルム58を剥離した。このときの剥離強度は0.10Nであった。保護層52および硬化後の熱硬化性導電性接着剤層56の破断、剥離等は見られなかった。剥離したキャリアフィルム58の離型剤層58bの表面の算術平均粗さRaは、0.26μmであった。
(比較例1)
キャリアフィルムとして、非シリコーン系離型剤にて片面が離型処理された非発泡ポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製、T157、厚さ:50μm、厚さ変化率:0%、160℃における貯蔵弾性率:6×10Pa、離型剤層58bの表面の算術平均粗さRa:0.07μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板を得た。
電磁波シールドフィルムからキャリアフィルムを剥離した。このときの剥離強度は0.69Nであった。保護層および硬化後の熱硬化性導電性接着剤層の破断、剥離が確認された。剥離したキャリアフィルムの離型剤層の表面の算術平均粗さRaは、0.07μmであった。
本発明の電磁波シールドフィルムは、スマートフォン、携帯電話、光モジュール、デジタルカメラ、ゲーム機、ノートパソコン、医療器具等の電子機器用のフレキシブルプリント配線板における、電磁波シールド用部材として有用である。
30 フレキシブルプリント配線板
32 ベースフィルム
34 プリント回路
40 絶縁フィルム
50 電磁波シールドフィルム
52 保護層(基材層)
54 金属薄膜層
56 熱硬化性導電性接着剤層
58 キャリアフィルム(離型フィルム)
58a キャリアフィルム本体
58b 離型剤層
60 導電性粒子
61 電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板
62 絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板
63 電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の前駆体
101 電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板
110 電磁波シールドフィルム
112 基材層
114 金属薄膜層
116 熱硬化性導電性接着剤層
118 離型フィルム
130 フレキシブルプリント配線板
132 ベースフィルム
134 プリント回路
140 絶縁フィルム
142 貫通孔

Claims (12)

  1. 離型フィルムと、
    熱硬化性導電性接着剤層と、
    前記離型フィルムと前記熱硬化性導電性接着剤層との間に存在し、前記離型フィルムに接する基材層と
    を備え、
    前記離型フィルムが、内部に複数の気泡を有し、
    前記離型フィルムの160℃における貯蔵弾性率が、0.8×10〜4×10Paであり、且つ、
    前記基材層の160℃における貯蔵弾性率が、5×10〜1×10Paである、電磁波シールドフィルム。
  2. 前記離型フィルムが、離型フィルム本体と、前記離型フィルム本体の前記基材層側の表面に形成された離型剤層とを有する、請求項1に記載の電磁波シールドフィルム。
  3. 前記熱硬化性導電性接着剤層と前記基材層との間に存在する金属薄膜層をさらに備えた、請求項1または2に記載の電磁波シールドフィルム。
  4. 前記基材層は1層であり、前記金属薄膜層は前記基材層に接する、請求項3に記載の電磁波シールドフィルム。
  5. 前記離型フィルム中の気泡の割合が、前記離型フィルムの100体積%のうち、2〜30体積%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  6. 前記離型フィルム中の気泡の平均径が、0.1〜60μmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  7. 前記離型フィルムの基材層側の表面の算術平均粗さRaが、0.1〜0.2μmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  8. 前記離型フィルムの厚さが、5〜500μmである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  9. 前記熱硬化性導電性接着剤層の厚さが、3〜20μmである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  10. 前記基材層の厚さが、1〜10μmである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  11. 前記離型剤層の厚さが、0.05〜2.0μmである、請求項2に記載の電磁波シールドフィルム。
  12. 前記金属薄膜層の厚さが、0.01〜1μmである、請求項3又は4に記載の電磁波シールドフィルム。
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