JP2002001726A - 離型フィルム - Google Patents

離型フィルム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビアホールを施した複数層の積層板同志をブ
リプレグを介して積層化する際の樹脂留まり性が良好
で、安価でかつ耐熱性の良好な離型フィルムを提供す
る。 【解決手段】 銅張積層板製造時のプリプレグプレス工
程において使用される離型フィルムであって、ポリエス
テル系発泡フィルムの片面乃至両面に離型層を設けてな
ることを特徴とする。離型層はシリコーン系離型剤処理
により形成したものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅張積層板製造時
のプリプレグプレス工程において使用される離型フィル
ムに関し、詳細には、電子機器などに広範に使用される
積層配線基板の製造に好適に用いられる離型フィルムに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多層の導体回路を有する積層配線
基板の製造方法としては、片面又は両面に導体回路を有
する内層材にプリプレグを積層し、その最外層に導体箔
を配置し、熱プレスして一体化させる方法が一般的であ
る。このような方法においては、プリプレグから生じた
粉末物や他の異物が導体箔上に入り込みやすく、これが
原因となって導体箔に局部的な圧力がかかり、導体箔の
表面に打痕が生じる懸念がある。この問題を防止するた
め、導体箔と鏡面板との間に樹脂等により形成された離
型フィルムを配置し、異物による局部的な圧力を緩和さ
せるやり方が提案されている。
【0003】このような離型フィルムとしては、ポリエ
チレンテレフタレートフィルムの片面乃至両面にシリコ
ーンなどの離型剤を処理したフィルム、フッ素系フィル
ム、ポリオレフィン系フィルムなどが用いられていた。
しかしながら、ポリエチレンテレフタレートフィルムの
片面乃至両面にシリコーンなどの離型剤を処理したフィ
ルムでは、プリプレグを直接銅箔に積層する場合には好
適に使用しうるものの、フィルム自体のクッション性に
乏しいため、予めビアホールを形成した複数層の積層板
同志をプリプレグを介して積層化する場合、加熱プレス
の際にプリプレグの樹脂がビアホールを通り離型フィル
ムに接触するが、そこで留まらず、離型フィルムと積層
板の界面に漏れだすという問題があった。
【0004】また、フッ素系フィルムは耐熱性に優れて
いるが、フィルムを構成するフッ素系樹脂自体が高価な
ため、製造費が高くなる問題があり、ポリオレフィン系
フィルムは耐熱性が乏しいため、プレス時に120℃以
上の温度になる用途には使用できないという問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決するためになされたもので、ビアホール
を施した複数層の積層板同志をプリプレグを介して積層
化する際の樹脂留まり性が良好で、安価でかつ耐熱性の
良好な離型フィルムを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは検討の結
果、クッション性と耐熱性に優れた基材を選択すること
で本発明の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完
成した。即ち、本発明の離型フィルムは、銅張積層板製
造時のプリプレグプレス工程において使用される離型フ
ィルムであって、ポリエステル系発泡フィルムの片面乃
至両面に離型層を設けてなることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の離型フィルムにおいて基材として用いられ
るポリエステル系発泡フィルムは、クッション性に優れ
ており、プリプレグプレス工程におけるプレス時の樹脂
留まり性が改良される。本発明において発泡フィルムと
は、フィルムの一部または全てが発泡体で構成されてい
るものを包含する。
【0008】即ち、フィルム全体が発泡体であるもの、
フィルムの中間層として発泡体層があり、その両表層面
が未発泡体フィルムである複合フィルム、フィルムの片
面が発泡体層であり反対面が未発泡体層フィルムである
複合フィルム、発泡体フィルムの表面に有機系或いは無
機系のコーティング剤を施したフィルムなどのいずれで
もよい。また、複合フィルムにおいてフィルム全体に占
める発泡体層の厚みは、目的とするクッション性を得ら
れる範囲で適宜選択することができるが、発泡体層の厚
みがフィルム全体の厚みの40〜100%の範囲である
ことが好ましい。
【0009】本発明の離型フィルム基材を構成する樹脂
は、ポリエステル系樹脂であれば特に制限はなく、公知
のポリエステル樹脂から任意に選択して用いることがで
きるが、プリプレグプレス工程において、加圧と同時に
加熱処理されるため、耐熱性の観点から、芳香族系ポリ
エステル樹脂を選択することが好ましい。具体的には、
例えば、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチ
レンナフタレートなどの樹脂が挙げられる。
【0010】発泡フィルム或いはフィルム中に発泡体層
を形成するためには、公知の発泡樹脂の製造方法を適用
すればよく、例えば、ベースポリマー中に無機或いは有
機系発泡剤を配合してフィルム形成する方法等が挙げら
れる。フィルム基材の厚さには特に制限はないが、得ら
れた離型フィルムのコストや使用時の作業性等を考える
と25〜100μm程度が望ましい。
【0011】本発明の離型フィルムは前記フィルム基材
の片面乃至両面に離型剤処理を施して離型層を形成する
ことで得られるが、作業時に離型層を設けた面の判別が
困難であることから、両面に離型層を設けたものの方が
誤作業が無くなるという観点から好ましい。特に、本発
明の離型フィルムがプリプレグの間にサンドされて使用
される用途においては、両面に離型剤処理を施して離型
層を設けたものが適している。使用される離型剤として
は、特に制限はないが、耐熱性、硬度及び離型性の観点
から適宜選択され、具体的には、例えば、エポキシ樹
脂、シアナート樹脂などの熱硬化性樹脂、シリコーン系
化合物、シリコン、アルミなどを含有するガラス系無機
化合物等が挙げられ、離型性、耐熱性に優れていること
から、シリコーン系離型剤が特に望ましい。
【0012】離型層の形成方法としては、前記のような
離型剤をフィルム基材にメイヤーバーコーティング、グ
ラビアコーティング、ドクターコーティング、エアーナ
イフコーティング等の公知の塗布方法を利用して塗布し
たのち、加熱処理や紫外線照射、電子線照射などの離型
剤に適合する公知の方法で乾燥或いは硬化する方法が挙
げられる。離型層の厚みは必要な離型効果を得られる限
りにおいては、特に制限はないが、適切な離型性を得ら
れるという観点から、0.05〜1.0μm程度である
ことが好ましい。離型層の厚みが0.05μmより薄い
と離型性が悪化し、1.0μmより厚いと離型フィルム
同志を重ねたときにブロッキングし易くなる。
【0013】なお、離型剤塗布時にフィルム基材と離型
剤層との密着性向上のために、フィルム基材にコロナ放
電処理や易接着コート剤塗布などの処理を行って、基材
表面の濡れ性を改良したり、或いは、離型剤中に密着性
向上剤等を内添するなどの手段をとってもよい。
【0014】このようにして得られる本発明の離型フィ
ルムは、フィルム基材の特性より、安価で、耐熱性に優
れ、さらに、基材のクッション性が良好であるため、予
めビアホールを形成した複数層の積層板同志を積層化す
る際において、加熱プレスの際、離型フィルムがビアホ
ールの周縁に密着し易くなるので、樹脂留まり性が良好
で、離型フィルムと積層板の界面への樹脂の漏出を効果
的に防止しうる。
【0015】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。 (実施例1)厚さ75μmのフィルムであって、中間層
が厚み70μmの発泡ポリエチレンテレフタレートで両
表層面が未発泡のポリエチレンテレフタレートフィルム
である東洋紡績製、クリスパーG−1212(商品名)
の片面に、シリコーン系離型剤(東レ・ダウコーニング
・シリコーン製、SRX−211(商品名:触媒SRX
−212をSRX−211 100重量部に対して1重
量部添加)を固形分として0.2g/m2となるように
塗布した後、140℃の熱風循環式オーブン中で30秒
間加熱処理することにより乾燥硬化させて片面にシリコ
ーン処理による離型層を形成した。その後、離型層を形
成しない他の面にも同様にしてシリコーンを処理するこ
とにより、フィルム基材の両面に離型層を形成したサン
プルAを得た。
【0016】(比較例1)厚さ75μmの末発泡のポリ
エチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績製、エステ
ルE−5000:商品名)の両面に実施例1と同様にし
て両面に離型層を形成し、サンプルBを得た。
【0017】〔離型フィルムの評価〕得られたサンプル
の離型性と樹脂留まり性を次に記載する方法で評価し
た。 2層板の作成(離型性評価) 銅箔/ブリブレグ/銅箔/ブリプレグと積層したもの
を、実施例1及び比較例1で得られた離型フィルム(サ
ンプルA、サンプルB)それぞれ2枚で挟み、次に、こ
の積層品を更にステンレス板2枚で挟み込む。プレス機
にて180℃の条件下、50kg/cm2のプレス圧に
て30分プレス処理を行い、プリプレグ樹脂の硬化を行
ない2層板を作成する。冷却後、離型フィルムがステン
レス板および2層板から容易に剥離できるかどうかを観
察した。
【0018】4層板の作成(離型性と樹脂留まり性評
価) で得られた2層板に直径0.2mmのビアホールを5
箇所形成した積層板を2枚用意する。2枚の積層板でプ
リプレグを挟み込み、この積層品を実施例1及び比較例
1で得られた離型フィルム(サンプルA、サンプルB)
それぞれ2枚で挟み、更にステンレス板2枚で挟み込
む。プレス機にて180℃の条件下、50kg/cm2
のプレス圧にて30分プレス処理を行ってプリプレグ樹
脂の硬化を行ない4層板を作成する。冷却後、離型フィ
ルムがステンレス板および2層板から容易に剥離できる
かどうかを観察するとともに、ビアホールよリプリプレ
グ樹脂か流出していないかどうかの樹脂留まり性を目視
にて観察した。
【0019】その結果、実施例1の離型フィルムは、2
層板、4層板の作成のいずれにおいても、離型フィルム
の熱による変質は見られず、剥離性が良好であり、ビア
ホールからの樹脂の流出も見られなかったことから、樹
脂留まり性に優れていることがわかった。
【0020】一方、末発泡のポリエチレンテレフタレー
トフィルムを基材として用いた比較例1の離型フィルム
は剥離性は良好であったが、ビアホールから樹脂の流出
があり、樹脂留まり性が不良であった。
【0021】
【発明の効果】本発明の離型フィルムは、ビアホールを
施した複数層の積層板同志をブリプレグを介して積層化
する際の樹脂留まり性が良好で、安価でかつ耐熱性に優
れるという効果を奏する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/03 630 B29K 701:00 // B29K 701:00 B29C 67/14 G Fターム(参考) 4F072 AD11 AG03 AL13 4F100 AK41A AK42A AK52B AK52C AR00B AR00C BA02 BA03 BA06 BA10A BA10B BA10C CC00B CC00C DJ01A GB90 JJ03 JL02 JL14B JL14C 4F205 AA24 AA33 AD17 AE10 AG03 AG20 AH36 AM32 HA14 HA29 HA34 HA40 HA43 HB01 HB11 HE21 HF05 HF24 HK02 HK04 HK05 HK16 HT12 HT13 HT20 HT23 HT27

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅張積層板製造時のプリプレグプレス工
    程において使用される離型フィルムであって、ポリエス
    テル系発泡フィルムの片面乃至両面に離型層を設けてな
    ることを特徴とする離型フィルム。
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