JP6028290B2 - 電磁波シールドシートおよびプリント配線板 - Google Patents

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本発明は、電磁波を遮蔽する電磁波シールドシートに関する。
電子機器等に使用されているプリント基板の中でもフレキシブルプリント基板(以下、FPCという)は、曲げることが出来る機能を活用して、プリント基板同士の接続配線および液晶パネルとプリント基板との接続配線などに使用されており携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等のモバイル機器の高機能化・多機能化に役立っている。そして、電子機器の外部および内部部品から発生する電磁波が電子機器の誤作動の原因となっているため、FPCに電磁波シールド層を形成することが一般的である。この電磁波シールド層は、電磁波シールドシートをFPCに加熱圧着して形成することが一般的である。
モバイル機器は、カメラ機能、GPS機能などの多機能を実現するためにプリント配線板の高密度化を行なっており、更なる多機能化を進めるためには、配線回路をさらに高密度化する必要がある。しか、モバイル機器自体の大きさを無制限に拡大することは現実的ではないためプリント配線板の厚さを薄く設計することで高密度化を実現する必要がある。この薄さの追求は、電磁波シールド層として使用する電磁波シールドシートも例外ではない。
しかし、一般的に電磁波シールドシートの厚さを薄くすると段差があるFPCに熱圧着すると、当該段差部で導電層が過剰に伸びて厚さが薄くなり電気抵抗値が増加することで所望の導電性が得られない場合や、電磁波シールドシート自体が破断する場合があった。
そこで特許文献1は、絶縁層に溶剤可溶性ポリイミドを使用した電磁波シールドシートが開示されている
特開2013−65675号公報
しかし、従来の電磁波シールドシートは、熱圧着の際、絶縁層の段差追従性は良好であったが導電層の段差追従性が不足しているため段差で導電層が伸び過ぎて薄くなり過ぎて、破断が生じ電磁波シールド層全体で均一なシールド性が得難い問題があった。
本発明は、段差を有する配線板に加熱圧着したときの段差追従性と導電性を両立した電磁波シールドシートの提供を目的とする。
本発明の電磁波シールドシートは、フレーク状導電性微粒子とバインダー樹脂とを含む導電層、および絶縁層を備えた電磁波シールドシートであって、
前記導電層の切断面における前記フレーク状導電性微粒子の平均アスペクト比が7〜15であり、
加熱圧着前の前記導電層の断面積を100としたときの導電性微粒子以外の成分が占める面積が55〜80であり、
前記電磁波シールドシートを150℃、2MPa、30分間の条件で加熱圧着前後の導電性微粒子以外の成分が占める面積の差が5〜25であることを特徴とする。
上記の本発明によれば、電磁波シールドシートを厚さ方向に切断した断面において、導電層内で特定のアスペクト比を有するフレーク状導電性微粒子が重なり合った状態で存在し、熱圧着前にフレーク状導電性微粒子間に密度が低い状態で存在していたフレーク状導電性微粒子以外の成分(主に熱硬化性樹脂)は、電磁波シールドシートを所定の条件で熱圧着すると導電層が圧縮されてフレーク状導電性微粒子の間隔が狭まり、かつフレーク状導電性微粒子が高密度で充填された微粒子の重なりが密な導電層が得られる。この様な特性を備えた導電層を有する電磁波シールドシートは、例えば、段差を有するプリント配線板に積層した場合、段差の角部分において導電層が伸びた場合にフレーク状導電性微粒子の重なりが当該伸びに追従しフレーク状導電性微粒子の重なりが過度に少ない部分が生じ難いため、段差部で抵抗値が悪化し難くシールド性の低下が起こりにくい。さらにフレーク状導電性微粒子間に導電性微粒子以外の成分(主にバインダー樹脂)も高密度で充填されるため、加熱圧着時に段差の角部に対してバインダー樹脂がよく追従することで導電層が破断し難い効果が得られた。
本発明により、段差を有する配線板に熱圧着したときの段差追従性と導電性を両立した電磁波シールドシートを提供できる
を提供できる。
電磁波シールドシートの加熱圧着前後の断面写真 電磁波シールドシートの層構成を例示した断面図 段差試験を説明する断面図。 接続抵抗値および折り曲げ試験の測定用試料の作成方法を説明した断面図
本発明を説明する前に用語を定義する。まず、電磁波シールドシートは、プリント配線板等の相手方に加熱圧着することで電磁波シールド層を形成する。またシートは、フィルムおよびテープと同義語である。また電磁波シールド層の平面方向とは、厚さ方向ではない方向である。またアスペクト比とは、粒子に長軸長さと短軸長さが存在する場合、長軸長さを短軸長さで除した数値である。またフレーク状とは、葉状、鱗片状、板状、円盤状等を含む概念である。なお、図面の説明の際、上方向を上、下方向を下とする。
本発明の電磁波シールドシートは、フレーク状導電性微粒子とバインダー樹脂を含む導電層と、絶縁層とを備えている。
導電層の切断面におけるフレーク状導電性微粒子の平均アスペクト比が7〜15であり、
加熱圧着前の導電層の断面積を100としたときの導電性微粒子以外の成分が占める面積が55〜80であり、
電磁波シールドシートを150℃、2MPa、30分間の条件で加熱圧着前後の導電性微粒子以外の成分が占める面積の差が5〜25であることを特徴とする。
すなわち、本発明の電磁波シールドシートは、加熱圧着後に導電層が適度な範囲で薄くなることで段差追従性が向上する。なお、電磁波シールドシートは、加熱圧着後に電磁波シールド層になる。
具体的には、加熱圧着前の導電層の断面積を100としたときの導電性微粒子以外の成分が占める面積が55〜80であり、加熱圧着前後の導電性微粒子以外の成分が占める面積の差が5〜25であることを特徴とする。
本発明の電磁波シールドシートは、加熱圧着すると導電層の導電性微粒子以外の成分が占める断面積55〜80が5〜25減少する。かかる断面積減少を実現するためには、フレーク状導電性微粒子の断面の平均アスペクト比が7〜15である必要がある。この断面積減少は、まず加熱圧着前の導電層中において、平均アスペクト比が7〜15である。すなわち厚さが薄く水平方向に長い形状のフレーク状導電性微粒子同士の重なりが密であり、かつフレーク状導電性微粒子間にバインダー樹脂が充填される。次いで電磁波シールドシートを段差があるプリント配線板等に加熱圧着するときに、従来であれば段差の角部で導電層は、薄く伸びてしまい導電性微粒子の重なり途切れがちになることで、導電性が低下し易いが、本願発明は、厚さが薄く水平方向に長い形状のフレーク状導電性微粒子を含むため微粒子同士の重なりが維持し易く、導電層中に空隙が生じ難い。さらに、バインダー樹脂が電磁波シールドシートの伸びに良く追従できるので導電層が破断しに難く、かつ導電性が維持できる。これにより電磁波シールド層のシールド性が低下し難い効果が得られた。なお、導電性微粒子以外の成分が占める断面積の加熱圧着前後の差を「断面積差」ともいう。
図1を用いて本発明の電磁波シールドシートの加熱圧着前後の導電層の変化の1例を説明する。図1(1)は、加熱圧着前の電磁波シールドシートの電子顕微鏡写真で絶縁層1および導電層2を備えた電磁波シールドシートと、剥離性シート3との積層体である。図1(2)は、前記積層体を加熱圧着することで導電層2のフレーク状導電性微粒子間の空隙が埋まり、微粒子の配列が密になることで、フレーク状導電性微粒子以外の成分が占める面積が加熱圧着前と比較して減少していることが分かる。なお、本半発明が、図1の実施態様に限定されないことはいうまでもない。
<導電層>
導電層は、導電性樹脂組成物を使用して形成できる。導電性樹脂組成物は、フレーク状導電性微粒子およびフレーク状導電性微粒子以外の成分を含む。
フレーク状導電性微粒子は、断面の平均アスペクト比(縦/横)が7〜15であり、10〜14がより好ましい。フレーク状導電性微粒子のアスペクト比が7〜15であることで、加熱圧着時の導電層の伸びと導電性を両立できる。
フレーク状導電性微粒子の素材は、例えば金、白金、銀、銅およびニッケル等の導電性金属ならびにその合金、ならびに導電性ポリマーの微粒子が好ましい。またフレーク状導電性微粒子は、単一組成の微粒子のみならず金属や樹脂を核体とし、核体の表面を被覆する被覆層を核体より導電性が高い素材で形成した複合微粒子を使用することも好ましい。これによりコストダウンがし易くなる。
核体は、ニッケル、シリカ、銅および樹脂等から選択することが好ましく、導電性の金属およびその合金がより好ましい。
被覆層は、導電性が優れる素材であればよく、導電性金属または導電性ポリマーが好ましい。導電性金属は、例えば、金、白金、銀、錫、マンガン、およびインジウム等、ならびにこれらの合金が挙げられる。また導電性ポリマーは、ポリアニリン、ポリアセチレン等が挙げられる。これらの中でも導電性の面から銀が好ましい。
複合微粒子は、核体100重量部に対して、1〜40重量部の割合で被覆層を有するのが好ましく、3〜30重量部がより好ましい。1〜40重量部で被覆すると、導電性を維持しながら、よりコストダウンができる。
核体と被覆層からなる導電性微粒子は、被覆層が核体で完全に覆うことが好ましい。しかし、実際には、核体の一部が露出する場合がある。このような場合でも核体表面面積の70%以上を導電性物質が覆っていれば、導電性を維持しやすい。
フレーク状導電性微粒子の形状は、フレーク状であるが、微粒子全体としてフレーク状であればよく、楕円状、円状または微粒子の周囲に切れ込み等が存在しても良い。
フレーク状導電性微粒子は、平均粒子径1〜100μmが好ましく、3〜50μmがより好ましい。平均粒子径が1〜100μmであることで導電層の導電性と薄さがより向上する。なお、平均粒子径とは、レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置LS 13320(ベックマン・コールター社製)を使用し、トルネードドライパウダーサンプルモジュールにて、導電性微粒子を測定して得たD50平均粒子径であり、粒子径累積分布における累積値が50%の粒子径である。なお、測定の際、フレーク状導電性微粒子の屈折率の設定は1.6とした。
また導電性微粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡の拡大画像(約千倍〜1万倍)から無作為に選定した20個程度の微粒子を平均した数値から求めることもできる。この場合の平均粒子径も1〜100μmが好ましく、3〜50μmがより好ましい。
導電性樹脂組成物には、本発明の課題を解決できる範囲内であれば、フレーク状導電性微粒子以外に他の形状の導電性微粒子を配合できる。他の形状の導電性微粒子を配合することで接着力がより向上する。
他の形状の導電性微粒子として、例えば樹枝状、球状等の導電性微粒子が挙げられる。他の形状の導電性微粒子の形状以外の組成等は、フレーク状導電性微粒子と同様である。なおフレーク状導電性微粒子と他の形状の導電性微粒子とを併用した場合、加熱圧着前の導電層の断面積を100としたときの導電性微粒子以外の成分が占める面積が55〜80に関して、導電性微粒子以外の成分は、フレーク状導電性微粒子および他の形状の導電性微粒子以外の成分を示す。また電磁波シールドシートを150℃、2MPa、30分間の条件で加熱圧着前後の導電性微粒子以外の成分が占める面積の差が5〜25であるに関しても導電性微粒子以外の成分は、フレーク状導電性微粒子および他の形状の導電性微粒子以外の成分を示す。
フレーク状導電性微粒子以外の成分は、バインダー樹脂を含む。バインダー樹脂は、ガラス転移温度(以下、Tgという)が−20〜100℃が好ましく、0〜80℃がより好ましい。バインダー樹脂は、単独または2種類以上併用できる。なお、2種類以上併用する場合は、Tgが−20〜100℃のバインダー樹脂を主成分とすることが好ましい。
バインダー樹脂は、本発明の課題を解決できる範囲で選択すれば良く熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂から適宜選択できる。また、バインダー樹脂は、加熱圧着の後工程においてリフロー工程等の加熱工程が無い用途においては、熱可塑性樹脂が好ましい。一方、加熱圧着の後工程においてリフロー工程等の加熱工程がある場合は熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂は、自己架橋性タイプおよび硬化剤反応タイプが使用できる。硬化剤反応タイプのバインダー樹脂としては、硬化剤と反応可能な反応性官能基を有する熱硬化性樹脂が好適である。
熱硬化性樹脂は、例えばエポキシ、アクリル、ウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ウレタンウレア、付加型ポリエステル、縮合型ポリエステルおよびポリイミド等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、通常、自己架橋可能な官能基、または硬化剤と反応可能な官能基を有している。これらの中でも例えば、リフロー工程での温度条件を考慮すると、熱硬化性樹脂は、エポキシ、付加型ポリエステル、縮合型ポリエステル、ウレタン、ウレタンウレア、およびポリアミドのうちの少なくとも1つを含んでいることが好ましい。また、リフロー工程に耐え得る範囲であれば、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を併用できる。
硬化剤は、熱硬化性樹脂の反応性官能基と反応可能な官能基を複数有している。硬化剤は、エポキシ化合物、酸無水物基含有化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、ジシアンジアミドアミン化合物、フェノール化合物等が好ましい。
硬化剤は、熱硬化性樹脂100質量部に対して1〜50質量部含むことが好ましく、3〜30重量部がより好ましく、3〜20重量部がさらに好ましい。
熱可塑性樹脂は、例えばポリエステル、アクリル、ポリエーテル、ウレタン、スチレンエラストマー、ポリカーボネート、ブタジエン、ポリアミド、エステルアミド、イソプレン、およびセルロース等が挙げられる。
フレーク状導電性微粒子は、バインダー樹脂100重量部に対して、50〜1500重量部を配合することが好ましく、100〜600重量部がより好ましい。50〜1500重量部配合することで、導電性と接着性をより両立しやすくなる。
また、他の形状の導電性微粒子は、バインダー樹脂100重量部に対して、5〜300重量部を配合することが好ましく、10〜250重量部がより好ましい。
導電性樹脂組成物は、イオンキャッチャー剤を含むことが好ましい。イオンキャッチャー剤を配合すると、フレーク状導電性微粒子が金属を含む場合、解離した金属イオンに起因した導電性および密着性の経時低下をより抑制できる。イオンキャッチャー剤は、例えば、N−サリシロイル−N’−アルデヒドラジン、N,N−ジベンザル(オキザルヒドラジド)、イソフタリック酸ビス(2−フェノキシプロピオニルヒドラジン)、[3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン等が挙げられる。これらの中でもデカメチレンカルボン酸ジサリチロイルヒドラジドおよびN,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンは捕捉効果が高いため好ましい。
イオンキャッチャー剤は、フレーク状導電性微粒子100重量部に対して、0.5〜30重量部配合することが好ましく、1〜20重量部がより好ましい。0.5〜30重量部配合することで導電性および密着性の経時低下をより抑制できる。
導電性樹脂組成物は、増粘剤を含むことが好ましい。増粘剤を含むことで導電性樹脂組成物中のフレーク状導電性微粒子の分散安定性を向上する。増粘剤は、例えばポリカルボン酸化合物、ポリウレタン化合物、ウレア化合物、ポリアミド化合物等が挙げられる。
導電性樹脂組成物は、他の任意成分としてシランカップリング剤、防錆剤、還元剤、酸化防止剤、顔料、染料、粘着付与樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング調整剤、充填剤、難燃剤などを配合できる。
導電性樹脂組成物は、フレーク状導電性微粒子とバインダー樹脂とを混合し攪拌して得ることができる。攪拌は、ディスパーやホモジナイザー等の公知の攪拌装置を使用できる。
導電層の形成は、導電性樹脂組成物を剥離性シートに塗工することで形成できる。または、Tダイ成形機等の押出成形機、またはカレンダー成形等により、シート状に導電層を形成することもできる。
塗工は、例えば、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレード方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、スプレーコート方式、バーコート方式、スピンコート方式、ディップコート方式等の公知の塗工方法を使用できる。塗工の際、必要に応じて乾燥工程ができる。乾燥工程は、熱風乾燥機および赤外線ヒーター等公知の乾燥装置が使用できる。
導電層の厚みは、1〜100μmが好ましく、3〜50μmがより好ましく、4〜15μmがさらに好ましい。厚みが1〜100μmの範囲にあることで導電性と、その他の物性を両立しやすくなる。
<絶縁層>
絶縁層は、絶縁性樹脂組成物を使用して形成できる。絶縁性樹脂組成物は、バインダー樹脂を含む。
バインダー樹脂は、導電層で説明したバインダー樹脂を使用できる。絶縁層および導電層に使用するバインダー樹脂は、同一または異なっていてもよい
絶縁性樹脂組成物には、必要に応じてシランカップリング剤、酸化防止剤、顔料、染料、粘着付与樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング調整剤、充填剤、無機フィラー、難燃剤等を添加しても良い。なお、無機フィラーは、フレーク状導電性微粒子とは異なる。
絶縁層の形成は、絶縁性樹脂組成物を使用して導電層と同様の方法で形成できる。
絶縁層の厚みは、用途に応じて適宜設計できるが、0.5μm〜25μmが好ましく、2μm〜15μmがより好ましい。絶縁層の厚みが、0.5μm〜25μmであることで耐熱性がより向上する。
<電磁波シールドシート>
本発明の電磁波シールドシートは、導電層、および絶縁層を備えている。この電磁波シールドシートは、例えば、導電層に、予め絶縁性樹脂組成物を成形した絶縁層を貼り合わせることで製造できる。または、予め形成した導電層に、別途剥離性シート上に形成した絶縁層を貼り合わせることで製造することもできる。または、導電層に直接絶縁性樹脂組成物を塗工することで絶縁層を形成することでも製造できる。前記絶縁層には、さらに他の機能層を積層することもできる。他の機能層とは、ハードコート性、遮光性、放熱性、水蒸気バリア性、酸素バリア性、低誘電率、高誘電率性または耐熱性等の機能を有する層である。
本発明の電磁波シールドシートは、導電層、金属薄膜層、絶縁層を順次積層した構成も好ましい。金属薄膜層は、金、白金、銀、錫、マンガン、およびインジウム等、ならびにその合金が好ましく、価格および導電性の面で銅が好ましい。銅は、電解銅箔および圧延銅箔が好ましい。金属薄膜層が金属箔の場合、0.1から20μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましい。金属薄膜層が、蒸着膜の場合0.001〜5μmが好ましく、0.002〜2μmがより好ましい。また金属薄膜層が、スパッタ膜の場合、0.001〜1.0μmが好ましく、0.002〜0.5μmがより好ましい。また金属薄膜層が、導電性ペーストで形成した被膜の場合、0.1〜20μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましい。
本発明の電磁波シールドシートの層構成を図2を用いて説明する。図2(1)は、絶縁層1、導電層2の順に積層した構成の断面図である。図2(2)は、絶縁層1、金属薄膜層4、導電層2の順に積層した構成の断面図である。なお、本発明の電磁波シールドシートは、前記3つの層以外に他の層が積層されてもよい。
剥離性シートは、紙またはプラスチックの基材の少なくとも一方に公知の剥離処理を行ったシートである。
なお電磁波シールドシートは、導電層または絶縁層の保護および取り扱いを容易にするため使用する直前まで剥離性シートを貼り付けた状態で保存する場合が一般的である。
本発明の電磁波シールドシートは、フレキシブルプリント基板、リジッドプリント基板、リジッドフレキシルブル基板等に貼り付けて加熱圧着することで、電磁波シールド層として使用できる。加熱圧着の一般的な条件は、温度は150〜180℃、圧力は10〜60kg/cm2、時間は3〜60分間程度で適宜選択できる。
本発明では電磁波シールドシートを150℃、2MPa、30分間の条件で加熱圧着した後に、加熱圧着前の導電層の切断面を100としたときの導電性微粒子以外の成分が占める面積55〜80が、加熱圧着前後で5〜25分減少する。このような導電層を有している本発明の電磁波シールドシートは、フレーク状導電性微粒子間の導電パスが途切れ難く、かつバインダー樹脂の延びに対する追従性が良いため、例えば段差を有するプリント配線板に加熱圧着して電磁波シールド層を形成した場合、プリント配線板の平坦部とほほ同等のシールド性が段差部でも得られる。
導電層の切断面を観察する方法を説明する。
まず導電層を切断し断面を露出させる方法は、割断法、機械研磨法、ミクロトーム法、FIB(集束イオンビーム)法等公知の方法がある。しかし、導電層のように硬さが異なる異種材料(フレーク状導電性微粒子とバインダー樹脂)を含む層は、断面作製の際に、異種界面の剥離や空隙の変形などの構造変形、いわゆるアーティファクトが生じてしまい、真の断面構造が得られないことがある。一方、CP(クロスセクションポリッシャ)法はブロードなAr(アルゴン)イオンビームを用いた断面作製方法であり、金属、半導体、セラミックス、及びそれらの複合材料でも、平滑で歪みのない試料断面を作成することができる。すなわち本発明では、導電層を切断する方法は、CP法が好ましい。
次に導電層に切断面においてフレーク状導電性微粒子およびフレーク状導電性微粒子以外の成分の画像を得る方法を説明する。
導電層の切断面について走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して観察する。
切断面を垂直方向からSEMで観察すると、切断面の表面が均一に金属蒸着されている場合、原子番号効果により樹脂層と金属層でコントラスト差が生まれ金属の形状を認識することができる。具体的には、金属は白色、樹脂層は灰色から黒色に色分けされるため、樹脂の部分と金属の部分を区別して見分けることができる。
画像解析フリーソフト「GIMP2.6.11」では、このSEM画像を簡便に黒と白に2値化することが可能である。同時に黒と白のピクセル数をカウントすることでピクセル数の割合から、導電層のフレーク状導電性微粒子の面積とフレーク状導電性微粒子以外の成分(主成分は、バインダー樹脂)の面積比を算出できる。
導電層の切断面におけるフレーク状導電性微粒子の平均アスペクト比は、上記と同様の方法で導電層を切断しSEMにより観察する。観察する際の拡大倍率は、フレーク状導電性微粒子が30個以上確認できる倍率を任意に設定する。その後、Mac-View Ver.4(マウンテック社)の解析ソフトを用いて、導電性微粒子のSEM画像を読み込み、微粒子の上限値側15%および下限値側15%を排除し、粒子径の中心域約20個を手動認識モードで選択する。なお、切断面で導電性微粒子を選択する際は、微粒子同士が重なっていない形状全体が確認できる微粒子を対象とし、観察視点から平面板が垂直になる角度の微粒子を約30個抽出した後、微粒子の選択を行なう。微粒子の平均アスペクト比は、投影面積円相当径、分布は体積分布の設定として算出する。
本発明の電磁波シールドシートは、電磁波をシールドする必要がある様々な用途に使用できる。例えば、リジッドプリント配線板、フレキシブルプリント配線板、COF、TAB、フレキシブルコネクタ、液晶ディスプレイ、タッチパネル等に使用できる。また、携帯電話、スアートフォン、タブレット端末およびパソコン等のケース、建材の壁および窓ガラス等の建材、車両、船舶、航空機等の電磁波を遮蔽する部材としても使用できる。
本発明のプリント配線板は、カバーレイ層、信号配線、および絶縁性基材を備えた配線板に対して、電磁波シールドシートがカバーレイ層または絶縁性基材側の少なくとも一方に加熱圧着されていることが好ましく、図2の(2)のようにカバーレイ層側(ポリイミドフィルム15)に使用することがより好ましい。本発明のプリント配線板は、段差追従性良好な電磁波シールドシートを使用しているため段差の角部において導電性の低下が抑制されている。
なお信号配線は、グランド配線およびチップに電気信号を伝送する配線回路を含む。また、絶縁性基材は、リジッド配線板ではガラスエポキシ、FPCではポリイミド等を使用することが多い。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を表す。
実施例で使用した導電性微粒子を表1に示す。導電性微粒子1は樹枝状の複合微粒子(核体を銅、被覆層を銀で構成した。D50平均粒子径:11μm 福田金属箔粉工業社製)を使用した。
<導電性微粒子2〜6の製造例>
導電性微粒子1(100.0部)とオレイン酸(1.0部)を原料が均一になるように攪拌混合した後、混合物をジルコニアビーズと共に卓上ボールミルに投入し、分散行程を行うことでフレーク状導電性微粒子を作成した。分散時間を順次延ばすことで、異なる経平均アスペクト比を有する導電性微粒子2〜6をそれぞれ得た。さらに得られた導電性微粒子は、ジルコニアビーズを取り除き、ふるいで粗大粒子を除去した。
なお、切断面の平均アスペクト比は後述する方法で測定した。
実施例で使用したバインダー樹脂を以下に示す。
ウレタン樹脂:熱硬化性ウレタン樹脂(トーヨーケム社製)
ポリエステル樹脂:付加型ポリエステル樹脂(トーヨーケム社製)
ポリアミド樹脂:熱硬化性ポリアミド樹脂(トーヨーケム社製)
<実施例1>
ウレタン樹脂を100部、導電性微粒子4を450部、硬化剤としてエポキシ化合物(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量=189g/eq、「JER828」、三菱化学社製)15部およびアジリジン化合物(日本触媒製「ケミタイトPZ−33」)2.0部を容器に仕込み、不揮発分が40%になるようトルエン:イソプロピルアルコール(重量比2:1)の混合溶剤を加えディスパーで10分攪拌した後、剥離性シートに、乾燥厚みが10μmになるようにバーコーターを使用して塗工し、100℃の電気オーブンで2分間乾燥することで導電層を得た。
別途、ウレタン樹脂を100部、硬化剤としてエポキシ化合物10部およびアジリジン化合物10部を加えディスパーで10分攪拌した後、剥離性シートに、乾燥厚みが10μmになるようにバーコーターを使用して塗工し、100℃の電気オーブンで2分間乾燥することで絶縁層を得た。次いで導電層に絶縁層を貼り合わせることで電磁波シールドシートを得た。
<実施例2〜11、比較例1〜3>
実施例1の原料を表2の原料および配合量に変更した以外は実施例1と同様に行うことで、電磁波シールドシートを得た。
<実施例12>
ウレタン樹脂100部、導電性微粒子1を200部、導電性微粒子4を250部容器に仕込み、不揮発分濃度が40%になるようトルエン:イソプロピルアルコール(重量比=2:1)の混合溶剤を加えて混合した。次いでエポキシ化合物(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量=189g/eq、「JER828」、三菱化学社製)15部、アジリジン化合物(日本触媒製「ケミタイトPZ−33」)2.0部を加えディスパーで10分攪拌した後、剥離性シートに、乾燥厚みが10μmになるようにバーコーターを使用して塗工し、100℃の電気オーブンで2分間乾燥することで導電層を得た。
別途、ウレタン樹脂を100部、硬化剤としてエポキシ化合物10部およびアジリジン化合物10部を加えディスパーで10分攪拌した後、剥離性シートに、乾燥厚みが10μmになるようにバーコーターを使用して塗工し、100℃の電気オーブンで2分間乾燥することで絶縁層を得た。次いで、厚さ3μmの電解銅箔の一方の面に前述した導電層を貼り合わせた後、電解銅箔の他方の面に絶縁層を貼り合わせることで剥離性シート/絶縁層/電解銅箔/導電層/剥離性シートの構成の電磁波シールドシートを得た。
下記評価項目に従い物性を測定した。結果を表2示す。
<段差試験>
図3(1)を参照して説明する。厚さ200μm、幅20mm、長さ30mmの接着剤付きのポリイミドフィルム15、厚さ200μm、幅50mm、長さ50mmのステンレス板16、および得られた電磁波シールドシート11を幅40mm、長さ40mmの大きさに準備し試料とした。ステンレス板16上にポリイミドフィルム15がほぼ中心の位置に来るように接着剤を塗布し熱圧着して貼り付けた。次いで電磁波シールドシート11からの導電層14側の剥離性フィルムを剥がし、露出した導電層14とポリイミドフィルム15が接するように電磁波シールドシート11を載せた。これらを150℃、2MPa、30minの条件で圧着し、導電層14および絶縁層13のバインダー樹脂を硬化させた後、絶縁層側の剥離性フィルム12を剥がし、図3(2)に示す積層体17を得た。
そして積層体17の円形破線18の段差部を肉眼および顕微鏡を使用した50倍の拡大画像を観察することで、導電層および絶縁層の破断状態を評価した。
○:電磁波シールドシードが破断しなかった。良好な結果。
×:電磁波シールドシートが破断した。実用不可
<接続抵抗値>
電磁波シールドシートを幅20mm、長さ50mmの大きさに準備し試料25とした。図4(1)の平面図を示して説明すると試料25から剥離性フィルムを剥がし、露出した導電層25bを、別に作製したフレキシブルプリント配線板(厚み25μmのポリイミドフィルム21上に、互いに電気的に接続されていない厚み18μmの銅箔回路22A、および銅箔回路22Bが形成されており、銅箔回路22A上に、接着剤付きの、厚み37.5μm、直径1.6mmのスルーホール24を有するカバーフィルム23が積層された配線板)に150℃、2MPa、30minの条件で圧着し、導電層25bおよび絶縁層25aを硬化させた。圧着後、絶縁層25a側の剥離性フィルムを除去し、図4(4)の平面図に示す22A−22B間の接続抵抗値を三菱化学製「ロレスターGP」のBSPプローブを用いて測定した。なお、図4(2)は、図4(1)のD−D’断面図、図4(3)は図4(1)のC−C’断面図である。同様に図4(5)は、図4(4)のD−D’断面図、図4(6)は、図4(4)のC−C’断面図である。接続抵抗値の評価基準は以下の通りである。
◎:300mΩ未満 良好な結果である。
○:300mΩ以上700mΩ未満 実用上問題ない。
×:1000mΩ以上 実用不可
<耐熱性>
電磁波シールドシートを幅10mm、長さ60mmの大きさに準備し試料とした。試料の導電層側の剥離性シートを剥がし露出した導電層に、厚さ50μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン200EN」)を150℃、2MPa、30minの条件で圧着し、導電層および絶縁層の樹脂を硬化させた。硬化後、絶縁層側の剥離性シートを剥がし絶縁層を露出させた。次に試料を180℃の電気オーブンで3min、次いで280℃の電気オーブンで90sec熱処理した。そして加熱処理後の試料の外観を目視で観察し、発泡、浮き、剥がれ等の外観不良の有無を評価した。耐熱性は、それぞれ5サンプルで試験をおこない、外観不良が発生したサンプル数で評価した。なお、280℃加熱はリフロー工程での加熱温度に相当する。
◎:外観不良発生しなかった。良好な結果である。
○:外観不良発生が1個。実用上問題ない。
×:外観不良発生が3個以上。実用不可。
<折り曲げ試験>
上記「接続抵抗値」と同様に行い図4(4)のテストピースを作成した。その後、図4(4)のE−E’間を山折りした後、平坦に戻す動作を行い1セットとした。折り曲げ試験ではこれを20セット行った。図4(4)の平面図に示す22A−22B間の試験前と試験後との接続抵抗値を三菱化学製「ロレスターGP」のBSPプローブを用いて測定し、その変化率を計算した。折り曲げ試験の評価基準は以下の通りである。
◎:接続抵抗値の増加が20%未満 良好な結果である。
○:接続抵抗値の増加が20%以上、80%未満 実用上問題ない。
×:接続抵抗値の増加が80%以上 実用不可。
<接着力>
電磁波シールドシートを幅25mm、長さ70mmに準備し試料とした。試料から導電層側の剥離性シートを剥がし露出した導電層に、厚さ50μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン200EN」)を150℃、2.0MPa、30minの条件で圧着することで導電層および絶縁層の樹脂を硬化させた。接着力測定のために電磁波シールドシートを補強する目的で絶縁層側の剥離性フィルムを剥がし、露出した絶縁層に、ポリウレタンポリウレア系接着剤から形成した接着シートを用い、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン200EN」)を、150℃、2MPa、30minの条件で圧着することで「ポリイミド/電磁波シールドシート/接着シート/ポリイミド」の構成の積層体を得た。この積層体について、引張試験機を使用して23℃50%RHの雰囲気下、引っ張り速度50mm/min、剥離角度90°で、導電層とポリイミドフィルムとの界面を剥離することで接着力(N/25mm)を測定し、未経時接着力とした。別途、積層体を85℃85%RHに設定した恒温恒湿機に7日間放置し、その後、23℃50%RHで1日放置後、同雰囲気で積層体の接着力を測定し、経時後接着力とした。接着力の評価基準は以下の通りである。
◎:9N/25mm以上 良好な結果である。
○:3N/25mm以上、9N/25mm未満 実用上問題ない。
×:3N/25mm未満 実用不可
<導電層の断面積差>
電磁波シールドシートを幅5mm・長さ5mm程度の大きさに切断した後、スライドガラス上に、エポキシ樹脂(ペトロポキシ154、マルトー社製)を0.05g滴下し、電磁波シールドシートを接着させた。さらに上記エポキシ樹脂で電磁波シールドシートとポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン200EN」)とを接着し、(スライドガラス/電磁波シールドシート/ポリイミドフィルム)の構成の積層体を得た。得られた積層体をクロスセクションポリッシャー(日本電子社製、SM−09010)を用いてポリイミドフィルム側からイオンビーム照射により切断加工して、導電層の断面を形成した。
得られた導電層の断面を白金蒸着した後、電界放出形電子顕微鏡(日立製作所社製、S−4700)を使用して拡大画像を観察、保存した。観察条件は、加速電圧:5kV、エミッション電流:8mA、倍率:2000〜5000倍とした。
得られた拡大画像についてフリーソフトの「GIMP2.6.11」を使用しデータを読み込み、導電層を範囲指定、しきい値を自動調整して導電性微粒子を白、導電性微粒子以外の成分を黒に変換した。その後ヒストグラムで黒領域(0〜254)を選択することで黒色のピクセル数のパーセンテージ即ち導電層の断面積を100としたときのフレーク状導電性微粒子以外の成分が占める面積(面積(a)という)を算出した。面積(a)は、それぞれ5サンプルを評価し平均値を算出した。
また、電磁波シールドシートを150℃、2.0MPa、30minの条件で加熱圧着を行い硬化させた以外は、上記同様に加熱圧着後の導電層の断面積を100としたときのフレーク状導電性微粒子以外の成分が占める面積(面積(b)という)を算出した。そしてこれらの数値から加熱圧着後に導電層の加熱圧着後のフレーク状導電性微粒子以外の成分の断面積差(面積(a)−面積(b))を計算した。
<アスペクト比>
上記「断面積差」と同様の方法で得た導電層の断面を白金蒸着した後、電界放出形電子顕微鏡(日立製作所社製、S−4700)を使用して拡大画像を観察、保存した。観察条件は加速電圧は5kV、エミッション電流は8mA、倍率はフレーク状導電性微粒子が30個以上観察できるように倍率を任意に設定した。
得られた拡大画像をMac−View Ver.4(マウンテック社)の解析ソフトを用いて読み込み、既に説明した通りに手動認識モードでフレーク状導電性微粒子を約30個選択した。微粒子の上限値側15%および下限値側15%を排除し、粒子基準データは、投影面積円相当径、分布は体積分布の設定としてアスペクト比を求めた。
1 絶縁層
2 導電層
3 剥離性シート
4 金属薄膜層
11 電磁波シールドシート
12 剥離性シート
13 絶縁層
14 導電層
15 ポリイミドフィルム
16 ステンレス板
17 積層体
18 段差試験観察部
21 ポリイミドフィルム
22A、22B 銅箔回路
23 カバーフィルム
24 スルーホール
25 電磁波シールドシート

Claims (4)

  1. フレーク状導電性微粒子と、バインダー樹脂とを含む導電層、および絶縁層を備えた電磁波シールドシートであって、
    前記導電層の切断面における前記フレーク状導電性微粒子の平均アスペクト比が7〜15であり、
    加熱圧着前の導電層の断面積を100としたときの導電性微粒子以外の成分が占める面積(a)が55〜80であり、
    さらに面積(a)と、
    150℃、2MPa、30分間の条件で加熱圧着後の断面積を100としたときの導電性微粒子以外の成分が占める面積(b)との差(面積(a)−面積(b))が、
    5〜25であることを特徴とする電磁波シールドシート。
  2. 前記バインダー樹脂が熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1記載の電磁波シールドシート。
  3. 前記導電層と、金属薄膜層と、前記絶縁層とを備えた請求項1または2に記載の電磁波シールドシート。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載の電磁波シールドシートを備えたプリント配線板。
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