JP2021082658A - 電磁波シールドフィルム、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

電磁波シールドフィルム、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】穏やかなプレス条件でも十分な密着性と電気的な接続性を確保できることで、熱圧着時の絶縁樹脂層や電磁波遮蔽層、プリント配線板の破断、変形等の不具合を防止や、作業性の改善ができる電磁波シールドフィルム、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板及びその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】絶縁樹脂層10と、絶縁樹脂層10に隣接する金属層22と、金属層22の絶縁樹脂層10とは反対側に隣接する異方導電性接着層24とを有し、異方導電性接着層24が導電性粒子24bを含み、導電性粒子24bの10%圧縮強度が40MPa以下である、電磁波シールドフィルム1。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波シールドフィルム、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板及びその製造方法に関する。
プリント配線板から発生する電磁波ノイズや外部からの電磁波ノイズを遮蔽するために、絶縁樹脂層と電磁波遮蔽層とを有する電磁波シールドフィルムを、絶縁フィルム(カバーレイフィルム)を介してプリント配線板の表面に設けることがある(例えば、特許文献1参照)。電磁波遮蔽層は、例えば、電磁波を遮蔽するための金属層と、金属層とプリント配線板のプリント回路とを電気的に接続するための導電性接着層とを有する。導電性接着層は、樹脂及び導電性粒子を含む。
電磁波シールドフィルムをプリント配線板の表面に設ける際には、絶縁フィルム付きプリント配線板と電磁波シールドフィルムとを、絶縁フィルムと導電性接着層とが接するように重ね、これらを熱圧着する。この際、電磁波シールドフィルムの導電性接着層の一部が、絶縁フィルムに形成された貫通孔を通ってプリント配線板のプリント回路(グランド)に接触することによって、金属層とプリント配線板のプリント回路とが電気的に接続される。
特開2017−220592号公報
導電性粒子としては、導電率の高い銅粒子、銀粒子、銀で被覆された銅粒子等の金属粒子が用いられる。導電性接着層においては、通常、導電性粒子の一部が樹脂部分から突き出た構造になっている。電磁波シールドフィルムを絶縁フィルム付きプリント配線板に熱圧着する際、十分な密着性を確保するには、導電性接着層の樹脂を絶縁フィルム付きプリント配線板に接触させる必要がある。導電性粒子として金属粒子を用いる場合、金属粒子は硬く変形しにくいため、樹脂層を絶縁フィルム付きプリント配線板に接触させるには、高いプレス圧力や高いプレス温度、長いプレス時間を要する。
しかし、プレス圧力やプレス温度が高いと、絶縁樹脂層や電磁波遮蔽層、プリント配線板に破断や変形等の不具合が生じ、電磁波遮蔽性が低下することがある。また、プレス時間が長いと作業性が低下する。さらに、優れた電磁波遮蔽性や電気的な接続性を得るには導電性接着層中の金属粒子の含有量が多いほど良いが、プレス条件を厳しくしても導電性接着層と絶縁フィルム付きプリント配線板との密着性を確保しにくくなる傾向がある。
本発明は、穏やかなプレス条件でも十分な密着性と電気的な接続性を確保できることで、熱圧着時の絶縁樹脂層や電磁波遮蔽層、プリント配線板の破断、変形等の不具合の防止や、作業性の改善ができる電磁波シールドフィルム、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層に隣接する電磁波遮蔽層とを有し、
前記電磁波遮蔽層が導電性粒子を含み、
前記導電性粒子の10%圧縮強度が、40MPa以下である、電磁波シールドフィルム。
[2]前記導電性粒子が、樹脂粒子の表面を導電膜で被覆した導電膜付き樹脂粒子である、[1]に記載の電磁波シールドフィルム。
[3]前記導電膜付き樹脂粒子の総質量に対する前記導電膜の質量の割合が、5質量%以上50質量%以下である、[2]に記載の電磁波シールドフィルム。
[4]前記樹脂粒子が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂及びシリコーン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、[2]又は[3]に記載の電磁波シールドフィルム。
[5]前記導電膜の比重が2.50以上22.0以下である、[2]〜[4]のいずれかに記載の電磁波シールドフィルム。
[6]前記導電膜が、金、銀及び銅からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の電磁波シールドフィルム。
[7]前記導電膜が、異なる2種以上の金属を含む、[2]〜[6]のいずれかに記載の電磁波シールドフィルム。
[8]前記導電膜がスパッタ膜を含む、[2]〜[8]のいずれかに記載の電磁波シールドフィルム。
[9]前記導電膜がめっき膜を含む、[2]〜[8]のいずれかに記載の電磁波シールドフィルム。
[10]前記導電性粒子の比重が1.00以上3.00以下である、[1]〜[9]のいずれかに記載の電磁波シールドフィルム。
[11]前記導電性粒子の平均粒子径が0.5μm以上20μm以下である、[1]〜[10]のいずれかに記載の電磁波シールドフィルム。
[12]前記電磁波遮蔽層が、前記絶縁樹脂層に隣接する金属層と、前記金属層の前記絶縁樹脂層とは反対側に隣接する導電性接着層とを有し、
前記導電性接着層が前記導電性粒子を含む、[1]〜[11]のいずれかに記載の電磁波シールドフィルム。
[13]前記導電性接着層が、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂のいずれか一方又は両方と、前記導電性粒子とを含み、
前記導電性接着層中の前記導電性粒子の含有量が、前記導電性接着層の総質量に対して、0.20質量%以上50質量%以下である、[12]に記載の電磁波シールドフィルム。
[14]前記絶縁樹脂層の厚さが1.0μm以上20μm以下である、[1]〜[13]のいずれかに記載の電磁波シールドフィルム。
[15]基板の少なくとも片面にプリント回路が設けられたプリント配線板と、
前記プリント配線板の前記プリント回路が設けられた側の面に隣接する絶縁フィルムと、
前記絶縁フィルムの前記プリント配線板とは反対側に隣接し、前記電磁波遮蔽層が前記絶縁フィルムに接する[1]〜[14]のいずれかに記載の電磁波シールドフィルムと、
を有する、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板。
[16]基板の少なくとも片面にプリント回路が設けられたプリント配線板及び前記プリント配線板の前記プリント回路が設けられた側の面に隣接する絶縁フィルムを有する絶縁フィルム付きプリント配線板と、
[1]〜[14]のいずれかに記載の電磁波シールドフィルムとを、
前記絶縁フィルムと前記電磁波遮蔽層とが接するように重ねて熱圧着する、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板の製造方法。
本発明によれば、穏やかなプレス条件でも十分な密着性と電気的な接続性を確保できることで、熱圧着時の絶縁樹脂層や電磁波遮蔽層、プリント配線板の破断、変形等の不具合の防止や、作業性の改善ができる電磁波シールドフィルム、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板及びその製造方法を提供できる。
本発明の電磁波シールドフィルムの第1の実施形態を示す断面図である。 本発明の電磁波シールドフィルムの第2の実施形態を示す断面図である。 本発明の電磁波シールドフィルム付きプリント配線板の一実施形態を示す断面図である。 図3の電磁波シールドフィルム付きプリント配線板の製造工程を示す断面図である。 図5(A)は接続最小径を測定するための接続性評価用絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板を示す平面図であり、図5(B)は図5(A)のA−A断面図であり、図5(C)は図5(A)のB−B断面図である。 図6(A)は接続最小径の測定に用いる試験体を示す平面図であり、図6(B)は図6(A)のC−C断面図である。
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
「等方導電性接着層」とは、厚さ方向及び面方向に導電性を有する導電性接着層を意味する。
「異方導電性接着層」とは、厚さ方向に導電性を有し、面方向に導電性を有しない導電性接着層を意味する。
「面方向に導電性を有しない導電性接着層」とは、表面抵抗が1×10Ω/□以上である導電性接着層を意味する。
導電性粒子の平均粒子径は、粒子の顕微鏡像から30個の粒子を無作為に選び、それぞれの粒子について、最小径及び最大径を測定し、最小径と最大径との中央値を一粒子の粒子径とし、測定した30個の粒子の粒子径を算術平均して得た値である。
導電性粒子の比重は、JIS K7112:1999におけるA法に従い、温度23℃で測定した値である。
導電性粒子の10%圧縮強度は、微小圧縮試験機を用いた測定結果から、下記式(α)によって求める。
C(x)=2.48P/πd ・・・(α)
ただし、C(x)は10%圧縮強度(MPa)であり、Pは粒子径の10%変位時の試験力(N)であり、dは粒子径(mm)である。
フィルム(キャリアフィルム、離型フィルム、絶縁フィルム等)、塗膜(絶縁樹脂層、導電性接着層等)の厚さは、デジタル測長機(ミツトヨ社製、ライトマチックVL−50−B)を用いて無作為に選ばれた5箇所の厚さを測定し、平均した値である。
金属層の厚さは、JIS K0119:2008に従い、蛍光X線分析法により、無作為に選ばれた5箇所の厚さを測定し、平均した値である。
貯蔵弾性率は、測定対象に与えた応力と検出したひずみから算出され、温度又は時間の関数として出力する動的粘弾性測定装置を用いて、粘弾性特性の一つとして測定される。
表面抵抗は、JIS K 7194:1994及びJIS R 1637:1998、JIS K 6911:2006に準拠する方法で測定される表面抵抗率である。
図1〜図4における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。
<電磁波シールドフィルム>
本発明の第1の態様は、絶縁樹脂層と、絶縁樹脂層に隣接する電磁波遮蔽層とを有し、電磁波遮蔽層が特定の導電性粒子を含む電磁波シールドフィルムである。
図1は、第1の実施形態の電磁波シールドフィルム1を示す断面図である。図2は、第2の実施形態の電磁波シールドフィルム1を示す断面図である。
第1の実施形態及び第2の実施形態の電磁波シールドフィルム1はいずれも、絶縁樹脂層10と、絶縁樹脂層10に隣接する電磁波遮蔽層20と、絶縁樹脂層10の電磁波遮蔽層20とは反対側に隣接するキャリアフィルム30と、電磁波遮蔽層20の絶縁樹脂層10とは反対側に隣接する離型フィルム40とを有する。
第1の実施形態の電磁波シールドフィルム1は、電磁波遮蔽層20が、絶縁樹脂層10に隣接する金属層22と、離型フィルム40に隣接する異方導電性接着層24とを有する。
第2の実施形態の電磁波シールドフィルム1は、電磁波遮蔽層20が、絶縁樹脂層10に隣接する金属層22と、離型フィルム40に隣接する等方導電性接着層26とを有する。
電磁波シールドフィルム1の厚さ(キャリアフィルム30及び離型フィルム40を除く)は、3μm以上50μm以下が好ましく、5μm以上30μm以下がより好ましい。キャリアフィルム30及び離型フィルム40を含まない電磁波シールドフィルム1の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、キャリアフィルム30を剥離する際に破断しにくい。キャリアフィルム30及び離型フィルム40を含まない電磁波シールドフィルム1の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板を薄くできる。
(絶縁樹脂層)
絶縁樹脂層10は、電磁波シールドフィルム1をフレキシブルプリント配線板の表面に設けられた絶縁フィルムの表面に貼り付け、電磁波シールドフィルム1からキャリアフィルム30を剥離した後には、金属層22の保護層となる。
絶縁樹脂層10としては、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む塗料を塗布し、半硬化又は硬化させて形成された塗膜;熱可塑性樹脂を含む塗料を塗布し、乾燥させて形成された塗膜;熱可塑性樹脂を含む組成物を溶融成形したフィルムからなる層等が挙げられる。はんだリフロー工程に供される際の耐熱性の点から、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む塗料を塗布し、半硬化又は硬化させて形成された塗膜が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、アミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム、紫外線硬化アクリレート樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、耐熱性に優れる点から、アミド樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
硬化剤としては、熱硬化性樹脂の種類に応じた公知の硬化剤が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、芳香族ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルホン、ポリフェニレンサルフィド、ポリフェニレンサルフィドサルホン、ポリフェニレンサルフィドケトン等が挙げられる。
絶縁樹脂層10は、プリント配線板のプリント回路を隠蔽したり、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板に意匠性を付与したりするために、着色剤(顔料、染料等)及びフィラーのいずれか一方又は両方を含んでいてもよい。
着色剤及びフィラーのいずれか一方又は両方としては、耐候性、耐熱性、隠蔽性の点から、顔料又はフィラーが好ましく、プリント回路の隠蔽性、意匠性の点から、黒色顔料、黒色顔料と他の顔料との組み合わせ、又は黒色顔料とフィラーとの組み合わせがより好ましい。
絶縁樹脂層10は、難燃剤を含んでいてもよい。
絶縁樹脂層10は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。
絶縁樹脂層10の表面抵抗は、電気的絶縁性の点から、1×10Ω/□以上が好ましい。絶縁樹脂層10の表面抵抗は、実用上の点から、1×1019Ω/□以下が好ましい。
絶縁樹脂層10の厚さは、1.0μm以上20μm以下が好ましく、2.0μm以上15μm以下がより好ましく、3.0μm以上8.0μm以下がさらに好ましい。絶縁樹脂層10の厚さが1.0μm以上であれば、絶縁樹脂層10が保護層としての機能を十分に発揮できる。絶縁樹脂層10の厚さが2.0μm以上であれば、絶縁樹脂層10の面内の厚みブレを抑え、性能と生産性を向上できる。絶縁樹脂層10の厚さが3.0μm以上であれば、絶縁樹脂層10がさらに破断しづらくなる。絶縁樹脂層10の厚さが20μm以下であれば、プレス条件をさらに緩和できる。絶縁樹脂層10の厚さが15μm以下であれば、プリント配線板の段差への追従性が向上する。絶縁樹脂層10の厚さが8.0μm以下であれば、電磁波シールドフィルム1を薄くできる。
(電磁波遮蔽層)
電磁波遮蔽層20は、金属層22と、金属層22の絶縁樹脂層10とは反対側に隣接する導電性接着層(異方導電性接着層24又は等方導電性接着層26)とを有するため、電磁波遮蔽性が十分に高い。
金属層:
金属層22は、金属からなる層である。金属層22は、面方向に広がるように形成されていることから、面方向に導電性を有し、電磁波を遮蔽する層等として機能する。
金属層22としては、物理蒸着(真空蒸着、スパッタリング、イオンビーム蒸着、電子ビーム蒸着等)又はCVD(化学気相蒸着)によって形成された蒸着層、めっきによって形成されためっき層、金属箔等が挙げられる。金属層22を薄くでき、かつ厚さが薄くても面方向の導電性に優れる点では、金属層22は、蒸着層、めっき層が好ましい。金属層22をドライプロセスにて簡便に形成できる点では、金属層22は蒸着層がより好ましく、物理蒸着による蒸着層がさらに好ましい。
金属層22を構成する金属としては、アルミニウム、銀、銅、金、導電性セラミックス等が挙げられる。なかでも、電気伝導度の点からは、銀又は銅が好ましい。
金属層22のなかでも、電磁波遮蔽性が高く、しかも金属薄膜を容易に形成しやすいことから、金属蒸着層が好ましく、銀蒸着層又は銅蒸着層がより好ましい。
金属層22の表面抵抗は、0.001Ω/□以上1Ω/□以下が好ましく、0.001Ω/□以上0.5Ω/□以下がより好ましい。金属層22の表面抵抗が前記範囲の下限値以上であれば、金属層22を十分に薄くできる。金属層22の表面抵抗が1Ω/□以下であれば、電磁波遮蔽性を十分に発現できる。金属層22の表面抵抗が0.5Ω/□以下であれば、プリント配線板の伝送特性へ与える影響を小さくできる。
金属層22の厚さは、0.01μm以上5μm以下が好ましく、0.05μm以上3μm以下がより好ましい。金属層22の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、電磁波ノイズの遮蔽効果がさらに良好になる。金属層22の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1を薄くできる。また、電磁波シールドフィルム1の生産性、可とう性がよくなる。
異方導電性接着層:
異方導電性接着層24は、厚さ方向に導電性を有し、面方向には導電性を有さず、かつ、接着性を有する。
異方導電性接着層24は、導電膜付き樹脂粒子の量を少なくでき、その結果、電磁波シールドフィルム1の可とう性と密着性をさらに高くでき、コストも抑えられるという利点を有する。
異方導電性接着層24は、面方向に導電性を有しないため、電磁波遮蔽層20がプリント配線板の伝送特性へ与える影響が小さく、伝送損失の小さい電磁波シールドフィルム付きプリント配線板を製造できる。
異方導電性接着層24としては、例えば、導電性接着剤からなる層が挙げられる。異方導電性接着層24としては、硬化後に耐熱性を発揮でき、熱圧着の際にプリント配線板のプリント回路との密着性と電気的な接続性を維持しやすい点から、熱硬化性樹脂24aと、導電性粒子24bとを含む、熱硬化性の導電性接着層が好ましい。熱硬化性の異方導電性接着層24は、未硬化の状態であってもよく、Bステージ化された状態であってもよい。
なお、本発明では、導電性接着層において、熱硬化性樹脂の代わりに熱可塑性樹脂を用いてもよく、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を併用してもよい。
熱硬化性樹脂24aとしては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム、紫外線硬化アクリレート樹脂等が挙げられる。耐熱性に優れる点から、エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は、可とう性付与のためのゴム成分(ニトリルゴム、アクリルゴム等)、粘着付与剤等を含んでいてもよい。
熱硬化性樹脂24aは、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて他の成分(硬化剤、硬化促進剤、反応開始剤等)を含んでいてもよい。
異方導電性接着層24に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、絶縁樹脂層10で挙げたものと同じ熱可塑性樹脂が挙げられる。
異方導電性接着層24は、異方導電性接着層24の強度を高め、打ち抜き特性を向上させるために、セルロース樹脂、ミクロフィブリル(ガラス繊維等)を含んでいてもよい。異方導電性接着層24は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて他の成分(難燃剤、アンチブロッキング剤、密着性向上剤、分散剤等)を含んでいてもよい。
導電性粒子24bの10%圧縮強度は、40MPa以下であり、0.25MPa以上19.0MPa以下が好ましく、0.5MPa以上7.0MPa以下がより好ましい。導電性粒子24bの10%圧縮強度が19.0MPa以下であれば、熱圧着の際に導電性粒子24bが変形しやすい。そのため、熱圧着時のプレス圧力、プレス温度、プレス時間等の条件を厳しくしなくても、異方導電性接着層24の樹脂が絶縁フィルム付きプリント配線板に接触しやすく、十分な密着性を確保できる。その結果、絶縁樹脂層10や金属層22、プリント配線板に破断や変形等の不具合が生じることが抑制され、作業性にも優れる。導電性粒子24bの10%圧縮強度が7.0MPa以下であれば、密着性がさらに向上する。また、短いプレス時間でも圧着可能になることで作業性もさらに向上する。導電性粒子24bの10%圧縮強度が0.25MPa以上であれば、異方導電性接着層24が成膜時に変形して性能が低下する危険性がなくなる。導電性粒子24bの10%圧縮強度が0.5MPa以上であれば、熱圧着の際に金属層22にかけられた圧力を大きく損失することなく、異方導電性接着層24が絶縁フィルムの貫通孔を通ってプリント配線板のプリント回路に確実に電気的に接続されやすい。
導電性粒子24bの平均粒子径は、1μm以上20μm以下が好ましく、2μm以上15μm以下がより好ましく、3μm以上10μm以下がさらに好ましい。導電性粒子24bの平均粒子径が1μm以上であれば、プリント回路への電磁波遮蔽層20の電気的な接続を確保しやすくできる。導電性粒子24bの平均粒子径が3μm以上であれば、異方導電性接着層を厚くでき、面内での厚みブレを抑えて性能と生産性を安定化できる。導電性粒子24bの平均粒子径が前記範囲の上限値以下であれば、異方導電性接着層24の流動性を確保でき、後述するように異方導電性接着層24を絶縁フィルムの貫通孔に押し込んだ際に絶縁フィルムの貫通孔内を導電性接着剤で十分に埋めることができる。
導電性粒子24bとしては、10%圧縮強度を前記範囲にしやすい点から、樹脂粒子の表面を導電膜で被覆したコアシェル構造の導電膜付き樹脂粒子が好ましい。
樹脂粒子の樹脂材料としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。樹脂粒子の樹脂材料は、1種でもよく、2種以上でもよい。樹脂粒子は、安価で入手しやすく、粒子径の範囲の狭い樹脂粒子の製造が容易である点から、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂及びシリコーン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
樹脂粒子に耐熱性や耐溶剤性が必要な場合は、架橋した樹脂粒子を用い、柔軟性が必要な場合は、未架橋の樹脂粒子を用いることが好ましい。
導電膜付き樹脂粒子における導電膜の材料としては、金、銀、銅、白金、ニッケル、パラジウム、アルミニウム等が挙げられる。
導電膜は、導電膜の導電性が良くなり、プリント回路に電磁波遮蔽層20をより確実に電気的に接続できる点から、金、銀及び銅からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。導電膜の性能を高める目的で、2種以上の異なる金属を含む導電膜としてもよい。例えば、密着性、均一性を向上させるために、アンカーとしてのニッケル膜上に、金、銀、銅等の金属膜が形成された導電膜としてもよい。
導電膜付き樹脂粒子における導電膜としては、コアシェル構造の導電膜付き樹脂粒子の製造が容易な点から、めっき膜又は蒸着膜が好ましい。また、蒸着膜のなかでも、安価な点から、バレルスパッタリング等のスパッタリングで形成されたスパッタ膜がより好ましい。
導電膜の比重は、2.50以上22.0以下が好ましく、7.30以上20.0以下がより好ましく、7.50以上12.0以下がさらに好ましい。導電膜の比重が2.50以上22.0以下であれば、導電性に優れ、導電膜付き樹脂粒子の比重が低く抑えられ、異方導電性接着層24における導電膜付き樹脂粒子の分布が均一になりやすく、異方導電性接着層24を容易に製造できる。導電膜の比重が7.30以上20.0以下であれば、さらに導電性が向上するため、導電膜付き樹脂粒子24bの総質量に対する導電膜の質量の割合を低くし、分散性を向上でき、また、導電膜付き樹脂粒子24bの添加量を減らして、密着性を向上できる。導電膜の比重が7.50以上12.0以下であれば、導電膜付き樹脂粒子24bを容易に製造することができる。
導電膜付き樹脂粒子の比重は、1.00以上3.00以下が好ましく、1.10以上2.00以下がより好ましい。導電膜付き樹脂粒子の比重が前記範囲の下限値以上であれば、導電性に優れる。導電性粒子24bの比重が前記範囲の上限値以下であれば、10%圧縮強度を前記範囲にしやすい。また、異方導電性接着層24における導電膜付き樹脂粒子の分布をより均一にでき、プリント回路に金属層22をより確実に電気的に接続できる。
導電膜付き樹脂粒子の総質量に対する導電膜の質量の割合は、2.5質量%以上50質量%以下が好ましく、4質量%以上30質量%以下がより好ましく、5質量%以上20質量%以下がさらに好ましい。前記導電膜の質量の割合が前記範囲の下限値以上であれば、導電膜付き樹脂粒子の導電性が良くなり、プリント回路に電磁波遮蔽層20をより確実に電気的に接続できる。前記導電膜の質量の割合が前記範囲の上限値以下であれば、樹脂粒子の割合を相対的に高めることができるため、10%圧縮強度を前記範囲にしやすい。また、導電膜付き樹脂粒子の比重が低く抑えられ、異方導電性接着層24における導電膜付き樹脂粒子の濃度が不均一になりにくく、異方導電性接着層24を容易に製造できる。
異方導電性接着層24中の導電性粒子24bの含有量は、異方導電性接着層24の総質量に対して、0.2質量%以上30質量%以下が好ましく、0.4質量%以上20質量%以下がより好ましい。導電性粒子24bの含有量が前記範囲の下限値以上であれば、異方導電性接着層24の導電性が良好になり、電磁遮蔽性及び電気的な接続性が向上する。導電性粒子24bの含有量が前記範囲の上限値以下であれば、異方導電性接着層24の接着性、流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)が良好になる。また、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる。また、電磁波シールドフィルム1の製造コストが抑えられる。
異方導電性接着層24の180℃における貯蔵弾性率は、1×10Pa以上5×10Pa以下が好ましく、5×10Pa以上1×10Pa以下がより好ましい。異方導電性接着層24の180℃における貯蔵弾性率が前記範囲の下限値以上であれば、異方導電性接着層24がさらに適度な硬さを有するようになり、熱圧着の際の異方導電性接着層24における圧力損失を低減できる。その結果、異方導電性接着層24とプリント配線板のプリント回路とが十分に接着され、異方導電性接着層24が絶縁フィルムの貫通孔を通ってプリント配線板のプリント回路により確実に電気的に接続される。異方導電性接着層24の180℃における貯蔵弾性率が5×10Pa以下であれば、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる。その結果、電磁波シールドフィルム1が絶縁フィルムの貫通孔内に沈み込みやすくなり、異方導電性接着層24が絶縁フィルムの貫通孔を通ってプリント配線板のプリント回路により確実に電気的に接続される。異方導電性接着層24の180℃における貯蔵弾性率が1×10Pa以下であれば、導電膜付き樹脂粒子24bが容易に変形できる。
異方導電性接着層24の表面抵抗は、1×10Ω/□以上1×1016Ω/□以下が好ましく、1×10Ω/□以上1×1014Ω/□以下がより好ましい。異方導電性接着層24の表面抵抗が前記範囲の下限値以上であれば、導電性粒子24bの含有量が低く抑えられる。また、電磁波遮蔽層20がプリント配線板の伝送特性へ与える影響が小さく、伝送損失の小さい電磁波シールドフィルム付きプリント配線板を製造できる。異方導電性接着層24の表面抵抗が前記範囲の上限値以下であれば、実用上、異方性に問題がない。
異方導電性接着層24の厚さは、1μm以上25μm以下が好ましく、2μm以上15μm以下がより好ましい。異方導電性接着層24の厚さが1μm以上であれば、異方導電性接着層24の密着性を確保できる。異方導電性接着層24の厚さが2μm以上であれば、異方導電性接着層24の面内での厚みブレを抑え、性能と生産性を安定化できる。異方導電性接着層24の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1を薄くできる。また、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる。
等方導電性接着層:
等方導電性接着層26は、厚さ方向及び面方向に導電性を有し、かつ、接着性を有する。
等方導電性接着層26は、導電経路が増えるため、電気的な接続の安定性が高く、電磁波シールドフィルム1の電磁波遮蔽性をより高くできる利点を有する。また、導電性粒子26bを用いることで、等方導電性接着層26の可撓性を改善でき、等方導電性接着層26の層内の金属成分の比率を下げることで、電磁波遮蔽層20がプリント配線板の伝送特性へ与える影響を小さくすることができる。
等方導電性接着層26は、例えば、導電性接着剤からなる層が挙げられ、硬化後に耐熱性を発揮でき、熱圧着の際に導電経路を維持しやすい点から、熱硬化性樹脂26a及び導電性粒子26bを含む、熱硬化性の導電性接着層が好ましい。
等方導電性接着層26に含まれる熱硬化性樹脂26aとしては、異方導電性接着層24に含まれる熱硬化性樹脂24aと同様のものが挙げられ、好ましい形態も同様である。
導電性粒子26bの10%圧縮強度の範囲は、異方導電性接着層24に含まれる導電性粒子24bの10%圧縮強度の範囲と同様であり、好ましい範囲も同様である。
導電性粒子26bとしては、異方導電性接着層24に含まれる導電性粒子24bと同様に上述した導電膜付き樹脂粒子が好ましく、導電膜付き樹脂粒子の好ましい形態も同様である。
等方導電性接着層26における導電性粒子26bの平均粒子径は、0.5μm以上10μm以下が好ましく、0.5μm以上5μm以下がより好ましく、0.5μm以上3μm以下がさらに好ましい。導電性粒子26bの平均粒子径が前記範囲の下限値以上であれば、導電性粒子26bの製造コストを抑えることができる。導電性粒子26bの平均粒子径が前記範囲の上限値以下であれば、導電性粒子26bの接触点数が増えることになり、3次元方向の導通性を安定的に高めることができる。
等方導電性接着層26中の導電性粒子26bの含有量は、等方導電性接着層26の総質量に対して、5質量%以上60質量%以下が好ましく、9質量%以上50質量%以下がより好ましい。導電性粒子26bの割合が前記範囲の下限値以上であれば、等方導電性接着層26の導電性が良好になる。導電性粒子26bの割合が前記範囲の上限値以下であれば、等方導電性接着層26の接着性、流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)が良好になる。また、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる。
等方導電性接着層26の180℃における貯蔵弾性率は、1×10Pa以上5×10Pa以下が好ましく、5×10Pa以上1×10Pa以下がより好ましい。前記範囲が好ましい理由は、異方導電性接着層24と同様である。
等方導電性接着層26の表面抵抗は、0.05Ω/□以上2.0Ω/□以下が好ましく、0.1Ω/□以上1.0Ω/□以下がより好ましい。等方導電性接着層26の表面抵抗が前記範囲の下限値以上であれば、導電性粒子26bの含有量が低く抑えられ、導電性接着剤の粘度が高くなりすぎず、塗布性がさらに良好となる。また、等方導電性接着層26の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)をさらに確保できる。等方導電性接着層26の表面抵抗が前記範囲の上限値以下であれば、等方導電性接着層26の全面が均一な導電性を有するものとなる。
等方導電性接着層26の厚さは、1μm以上20μm以下が好ましく、2μm以上17μm以下がより好ましく、4μm以上15μm以下がさらに好ましい。等方導電性接着層26の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、等方導電性接着層26の導電性が良好になり、電磁波遮蔽性を十分に発現できる。また、等方導電性接着層26の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)を確保でき、絶縁フィルムの貫通孔内を導電性接着剤で十分に埋めることができ、密着性も確保できる。等方導電性接着層26の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1を薄くできる。また、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる。
(キャリアフィルム)
キャリアフィルム30は、絶縁樹脂層10及び電磁波遮蔽層20を補強及び保護する支持体であり、電磁波シールドフィルム1のハンドリング性を良好にする。特に、絶縁樹脂層10として、厚さ10μm以下のフィルムを用いた場合には、キャリアフィルム30を有することによって、絶縁樹脂層10の破断を防ぐことができる。
キャリアフィルム30は、電磁波シールドフィルム1をプリント配線板等に貼り付けた後には、絶縁樹脂層10から剥離される。
本実施形態において使用されるキャリアフィルム30は、キャリアフィルム本体32と、キャリアフィルム本体32の絶縁樹脂層10側の表面に設けられた離型剤層34とを有する。
キャリアフィルム本体32の樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」ということもある。)、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリアセテート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、合成ゴム、液晶ポリマー等が挙げられる。樹脂材料としては、電磁波シールドフィルム1を製造する際の耐熱性(寸法安定性)及び価格の点から、PETが好ましい。
キャリアフィルム本体32は、着色剤(顔料、染料等)及びフィラーのいずれか一方又は両方を含んでいてもよい。
着色剤及びフィラーのいずれか一方又は両方としては、絶縁樹脂層10と明確に区別でき、熱圧着した後にキャリアフィルム30の剥がし残しに気が付きやすい点から、絶縁樹脂層10とは異なる色のものが好ましく、白色顔料、フィラー、白色顔料と他の顔料の組み合わせ、又は白色顔料とフィラーとの組み合わせがより好ましい。
キャリアフィルム本体32の180℃における貯蔵弾性率は、8×10Pa以上5×10Pa以下が好ましく、1×10Pa以上8×10Pa以下がより好ましい。キャリアフィルム本体32の180℃における貯蔵弾性率が前記範囲の下限値以上であれば、キャリアフィルム30が適度の硬さを有するようになり、熱圧着の際のキャリアフィルム30における圧力損失を低減でき、電磁波シールドフィルム1の破断を防止できる。キャリアフィルム本体32の180℃における貯蔵弾性率が前記範囲の上限値以下であれば、キャリアフィルム30の柔軟性が良好となり、電磁波シールドフィルム1のプリント配線板の段差への追従性が向上する。
キャリアフィルム本体32の厚さは、12μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上75μm以下がより好ましい。キャリアフィルム本体32の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、電磁波シールドフィルム1のハンドリング性が良好となる。キャリアフィルム本体32の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、絶縁フィルムの表面に電磁波シールドフィルム1の導電性接着層を熱圧着する際に導電性接着層に熱が伝わりやすい。また、電磁波シールドフィルム1のプリント配線板の段差への追従性が向上する。
離型剤層34は、キャリアフィルム本体32の表面を離型剤で処理して形成される。キャリアフィルム30が離型剤層34を有することによって、キャリアフィルム30を絶縁樹脂層10から剥離する際に、キャリアフィルム30を剥離しやすく、絶縁樹脂層10が破断しにくくなる。
離型剤としては、公知の離型剤を用いればよい。
離型剤層34の厚さは、0.01μm以上30μm以下が好ましく、0.05μm以上20μm以下がより好ましい。離型剤層34の厚さが前記範囲内であれば、キャリアフィルム30をさらに剥離しやすくなる。
キャリアフィルム30の厚さは、12μm以上125μm以下が好ましく、25μm以上100μm以下がより好ましい。キャリアフィルム30の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、電磁波シールドフィルム1のハンドリング性が良好となる。キャリアフィルム30の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、絶縁フィルムの表面に電磁波シールドフィルム1の導電性接着層を熱圧着する際に導電性接着層に熱が伝わりやすい。また、電磁波シールドフィルム1のプリント配線板の段差への追従性が向上する。
(離型フィルム)
離型フィルム40は、導電性接着層を保護するものであり、電磁波シールドフィルム1をロール形状に巻き取った際やシート状にカットして重ねた際のブロッキングの防止と摺動性の改善に効果的である。離型フィルム40は、電磁波シールドフィルム1をプリント配線板等に貼り付ける前に、導電性接着層から剥離される。
離型フィルム40は、例えば、離型フィルム本体42と、離型フィルム本体42の導電性接着層側の表面に設けられた離型剤層44とを有する。
離型フィルム本体42の樹脂材料としては、キャリアフィルム本体32の樹脂材料と同様なものが挙げられる。
離型フィルム本体42は、着色剤、フィラー等を含んでいてもよい。
離型フィルム本体42の厚さは、5μm以上500μm以下が好ましく、10μm以上150μm以下がより好ましく、20μm以上100μm以下がさらに好ましい。
離型剤層44は、離型フィルム本体42の表面を離型剤で処理して形成される。離型フィルム40が離型剤層44を有することによって、離型フィルム40を導電性接着層から剥離する際に、離型フィルム40を剥離しやすく、導電性接着層が破断しにくくなる。
離型剤としては、公知の離型剤を用いればよい。
離型剤層44の厚さは、0.01μm以上30μm以下が好ましく、0.05μm以上20μm以下がより好ましい。離型剤層44の厚さが前記範囲内であれば、離型フィルム40をさらに剥離しやすくなる。
(電磁波シールドフィルムの製造方法)
第1の実施形態の電磁波シールドフィルム1を製造する方法としては、下記の方法(A1)又は方法(A2)が挙げられる。
第2の実施形態の電磁波シールドフィルム1を製造する方法としては、下記の方法(B1)又は方法(B2)が挙げられる。
方法(A1)は、下記の工程(A1−1)〜(A1−4)を有する方法である。
工程(A1−1):キャリアフィルム30の片面に絶縁樹脂層10を形成する工程。
工程(A1−2):絶縁樹脂層10のキャリアフィルム30とは反対側の面に金属層22を形成する工程。
工程(A1−3):金属層22の絶縁樹脂層10とは反対側の面に異方導電性接着層24を形成する工程。
工程(A1−4):異方導電性接着層24の金属層22とは反対側の面に離型フィルム40を積層する工程。
以下、方法(A1)の各工程について詳細に説明する。
工程(A1−1)における絶縁樹脂層10の形成方法としては、例えば、下記の方法が挙げられる。
・キャリアフィルム30の離型剤層34側の面に、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む塗料を塗布し、半硬化又は硬化させる方法。
・キャリアフィルム30の離型剤層34側の面に、熱可塑性樹脂を含む塗料を塗布し、乾燥させる方法。
・キャリアフィルム30の離型剤層34側の面に、熱可塑性樹脂を含む組成物を押出成形により成形したフィルムを直接積層する方法。
これらの方法のなかでも、はんだ付け等の際の耐熱性の点から、キャリアフィルム30の離型剤層34側の面に、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む塗料を塗布し、半硬化又は硬化させる方法が好ましい。
塗料の塗布方法としては、例えば、ダイコーター、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファウンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等の各種コーターを用いた方法を適用することができる。
熱硬化性樹脂を半硬化又は硬化させる際には、ヒータ、赤外線ランプ等の加熱器を用いて加熱すればよく、紫外線照射器により紫外線を照射してもよい。
工程(A1−2)における金属層22の形成方法としては、物理蒸着、CVD(化学気相蒸着)によって蒸着膜を形成する方法、めっきによってめっき膜を形成する方法、金属箔を貼り付ける方法等が挙げられる。面方向の導電性に優れる金属層22を形成できる点から、物理蒸着、CVDによって蒸着膜を形成する方法、又はめっきによってめっき膜を形成する方法が好ましい。金属層22の厚さを薄くでき、かつ厚さが薄くても面方向の導電性に優れる金属層22を形成でき、ドライプロセスにて簡便に金属層22を形成できる点から、物理蒸着、CVDによって蒸着膜を形成する方法がより好ましく、物理蒸着によって蒸着膜を形成する方法がさらに好ましい。
工程(A1−3)では、金属層22の絶縁樹脂層10とは反対側の面に、導電性接着剤塗料を塗布する。
導電性接着剤塗料は、例えば、熱硬化性樹脂24aと導電性粒子24bと溶剤とを含む。
導電性接着剤塗料に含まれる溶剤としては、エステル(酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールモノアセテート等)、ケトン(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリールモノメチルエーテル、プロピレングルコール等)、トルエン等が挙げられる。
導電性接着剤塗料の塗布方法としては、例えば、ダイコーター、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファウンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等の各種コーターを用いた方法を適用することができる。
塗布した導電性接着剤塗料より溶剤を揮発させることにより、異方導電性接着層24を形成する。
工程(A1−4)では、離型フィルム40を、異方導電性接着層24の金属層22とは反対側の面に、離型剤層44が異方導電性接着層24に接するように積層する。
離型フィルム40を異方導電性接着層24に積層した後には、キャリアフィルム30、絶縁樹脂層10、金属層22、異方導電性接着層24及び離型フィルム40からなる積層体に、各層同士の密着性を高めるための加圧処理を施してもよい。
加圧処理と同時に加熱してもよい。
方法(A2)は、下記の工程(A2−1)〜(A2−4)を有する方法である。
工程(A2−1):キャリアフィルム30の片面に絶縁樹脂層10を形成する工程。
工程(A2−2):絶縁樹脂層10のキャリアフィルム30とは反対側の面に金属層22を形成して積層体Iを得る工程。
工程(A2−3):離型フィルム40の片面に異方導電性接着層24を形成して積層体IIを得る工程。
工程(A2−4):積層体Iと積層体IIとを、積層体Iの金属層22と積層体IIの異方導電性接着層24とが接するように貼り合せる工程。
工程(A2−1)及び工程(A2−2)は、前記方法(A1)における工程(A1−1)及び工程(A1−2)と同様である。
工程(A2−3)では、離型フィルム40の離型剤層44が設けられた面に導電性接着剤塗料を塗布する。塗布した導電性接着剤塗料より溶剤を揮発させることにより、異方導電性接着層24を形成する。導電性接着剤塗料及び塗布方法は、前記方法(A1)における工程(A1−3)と同様である。
工程(A2−4)における積層体Iと積層体IIとの貼り合せでは、積層体Iと積層体IIとの密着性を高めるための加圧処理を施してもよい。加圧条件は、工程(A1−4)における加圧処理と同様である。また、工程(A2−4)においても、工程(A1−4)と同様に加熱してもよい。
方法(B1)は、異方導電性接着層24の代わりに等方導電性接着層26を形成する以外は方法(A1)と同様の方法である。
方法(B2)は、異方導電性接着層24の代わりに等方導電性接着層26を形成する以外は方法(A2)と同様の方法である。
(作用効果)
以上説明した電磁波シールドフィルム1にあっては、電磁波遮蔽層に含まれる導電性粒子の10%圧縮強度が40MPa以下であるため、絶縁フィルム付きプリント配線板と電磁波シールドフィルム1との熱圧着の際に、導電性粒子24bが変形しやすい。そのため、熱圧着のプレス圧力やプレス温度が低くても電磁波シールドフィルム1と絶縁フィルム付きプリント配線板との十分な密着性を確保できる。その結果、絶縁樹脂層や電磁波遮蔽層、プリント配線板の破断、変形等の不具合を防止できる。また、熱圧着時のプレス時間も短くてよいため、作業性にも優れる。また、導電性粒子の含有量を多くし、電磁波遮蔽性や電気的な接続性を向上させることも容易である。
(他の実施形態)
本態様の電磁波シールドフィルムは、絶縁樹脂層と、絶縁樹脂層に隣接する電磁波遮蔽層とを有し、電磁波遮蔽層が導電性粒子を含み、導電性粒子の10%圧縮強度が40MPa以下であるものであればよく、図示例の第1の実施形態及び第2の実施形態に限定されない。
例えば、絶縁樹脂層10が十分な柔軟性や強度を有する場合は、キャリアフィルム30を省略しても構わない。
電磁波遮蔽層が金属層を有していなくてもよい。
導電性接着層の表面の粘着力が小さい場合には、離型フィルム40を省略しても構わない。
キャリアフィルム30は、キャリアフィルム本体32が十分な離型性を有する、又は自己粘着性を有するフィルムである場合には、離型剤層34を有しなくてもよい。
キャリアフィルム30は、離型剤層34の代わりに粘着剤層を有していてもよい。
離型フィルム40は、離型フィルム本体42が十分な離型性を有する、又は自己粘着性を有するフィルムである場合は、離型剤層44を有しなくてもよい。
離型フィルム40は、離型剤層44の代わりに粘着剤層を有していてもよい。
<電磁波シールドフィルム付きプリント配線板>
本発明の第2の態様は、基板の少なくとも片面にプリント回路が設けられたプリント配線板と、プリント配線板のプリント回路が設けられた側の表面に隣接する絶縁フィルムと、絶縁フィルムの前記プリント配線板とは反対側に隣接し、電磁波遮蔽層が前記絶縁フィルムに接する本発明の第1の態様の電磁波シールドフィルムとを有する電磁波シールドフィルム付きプリント配線板である。
図3は、本態様の電磁波シールドフィルム付きプリント配線板の一実施形態を示す断面図である。
電磁波シールドフィルム付きプリント配線板2は、フレキシブルプリント配線板50と、絶縁フィルム60と、第1の実施形態の電磁波シールドフィルム1とを備える。
フレキシブルプリント配線板50は、ベースフィルム52の少なくとも片面にプリント回路54が設けられたものである。
絶縁フィルム60は、フレキシブルプリント配線板50のプリント回路54が設けられた側の表面に設けられる。
電磁波シールドフィルム1の異方導電性接着層24は、絶縁フィルム60の表面に接着され、かつ硬化されている。また、異方導電性接着層24は、絶縁フィルム60に形成された貫通孔(図示略)を通ってプリント回路54に電気的に接続されている。
電磁波シールドフィルム付きプリント配線板2においては、キャリアフィルム及び離型フィルムは、電磁波シールドフィルム1から剥離されている。
貫通孔のある部分を除くプリント回路54(信号回路、グランド回路、グランド層等)の近傍には、電磁波シールドフィルム1の金属層22が、絶縁フィルム60及び異方導電性接着層24を介して離間して対向配置される。
(フレキシブルプリント配線板)
フレキシブルプリント配線板50は、銅張積層板の銅箔を公知のエッチング法により所望のパターンに加工してプリント回路54としたものである。
銅張積層板としては、ベースフィルム52の片面又は両面に接着剤層(図示略)を介して銅箔を貼り付けたもの;銅箔の表面にベースフィルム52を形成する樹脂溶液等をキャストしたもの等が挙げられる。
接着剤層の材料としては、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
接着剤層の厚さは、0.5μm以上30μm以下が好ましい。
ベースフィルム52としては、耐熱性を有するフィルムが好ましく、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、芳香族ポリエーテルケトン、液晶ポリマーフィルムがより好ましい。
ベースフィルム52の表面抵抗は、電気的絶縁性の点から、1×10Ω/□以上が好ましい。ベースフィルム52の表面抵抗は、実用上の点から、1×1019Ω/□以下が好ましい。
ベースフィルム52の厚さは、5μm以上200μm以下が好ましく、屈曲性の点から、6μm以上50μm以下がより好ましく、10μm以上25μm以下がより好ましい。
プリント回路54を構成する銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられ、屈曲性の点から、圧延銅箔が好ましい。プリント回路54は、信号回路、グランド回路、グランド層等として使用される。
銅箔の厚さは、1μm以上50μm以下が好ましい。
プリント回路54の長さ方向の端部(端子)は、ハンダ接続、コネクター接続、部品搭載等のため、絶縁フィルム60や電磁波シールドフィルム1に覆われず、露出している。
(絶縁フィルム)
絶縁フィルム60(カバーレイフィルム)は、絶縁フィルム本体(図示略)の片面に、接着剤の塗布、接着剤シートの貼り付け等によって接着剤層(図示略)を形成したものである。
絶縁フィルム本体の表面抵抗は、電気的絶縁性の点から、1×10Ω/□以上が好ましい。絶縁フィルム本体の表面抵抗は、実用上の点から、1×1019Ω/□以下が好ましい。
絶縁フィルム本体としては、耐熱性を有するフィルムが好ましく、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、芳香族ポリエーテルケトン、液晶ポリマーフィルムが好ましい。
絶縁フィルム本体の厚さは、可とう性の点から、1μm以上100μm以下が好ましい。
接着剤層の材料としては、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、ポリオレフィン等が挙げられる。エポキシ樹脂は、可とう性付与のためのゴム成分(ニトリルゴム、アクリルゴム等)を含んでいてもよい。
接着剤層の厚さは、1μm以上100μm以下が好ましく、1.5μm以上60μm以下がより好ましい。
絶縁フィルム60に形成される貫通孔の開口部の形状は、特に限定されない。貫通孔の開口部の形状としては、円形、楕円形、四角形等が挙げられる。
(作用効果)
以上説明した電磁波シールドフィルム付きプリント配線板2にあっては、電磁波シールドフィルム1の電磁波遮蔽層20に含まれる導電性粒子24bの10%圧縮強度が40MPa以下であるため、絶縁フィルム付きプリント配線板と電磁波シールドフィルム1との熱圧着の際に、導電性粒子24bが変形しやすい。そのため、穏やかなプレス条件でも十分な密着性と電気的な接続性を確保できることで、熱圧着の際に、絶縁樹脂層10、電磁波遮蔽層20、プリント配線板の破断、変形等の不具合を防止できる。また、短時間で熱圧着が行えるため、作業性にも優れる。
(他の実施形態)
本態様の電磁波シールドフィルム付きプリント配線板は、基板の少なくとも片面にプリント回路が設けられたプリント配線板と、プリント配線板のプリント回路が設けられた側の面に隣接する絶縁フィルムと、絶縁フィルムのプリント配線板とは反対側に隣接し、導電性接着層が絶縁フィルムに接する本発明の第1の態様の電磁波シールドフィルムとを有するものであればよく、図示例の実施形態に限定されない。
例えば、フレキシブルプリント配線板50は、裏面側にグランド層を有するものであってもよい。また、フレキシブルプリント配線板50は、両面にプリント回路54を有し、両面に絶縁フィルム60及び電磁波シールドフィルム1が貼り付けられたものであってもよい。
フレキシブルプリント配線板50の代わりに、柔軟性のないリジッドプリント基板を用いてもよい。
第1の実施形態の電磁波シールドフィルム1の代わりに、第2の実施形態の電磁波シールドフィルム1を用いてもよい。
<電磁波シールドフィルム付きプリント配線板の製造方法>
本発明の第3の態様は、基板の少なくとも片面にプリント回路が設けられたプリント配線板及びプリント配線板のプリント回路が設けられた側の面に隣接する絶縁フィルムを有する絶縁フィルム付きプリント配線板と、本発明の第1の態様の電磁波シールドフィルムとを、絶縁フィルムと電磁波遮蔽層とが接するように重ねて熱圧着する、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板の製造方法である。
電磁波シールドフィルム付きプリント配線板2は、例えば、下記の工程(a)〜(e)を有する方法によって製造できる(図4参照)。
工程(a):フレキシブルプリント配線板50のプリント回路54が設けられた側の表面に、プリント回路54に対応する位置に貫通孔62が形成された絶縁フィルム60を設け、絶縁フィルム付きプリント配線板3を得る工程。
工程(b):工程(a)の後、絶縁フィルム付きプリント配線板3と、離型フィルム40を剥離した電磁波シールドフィルム1とを、絶縁フィルム60の表面に異方導電性接着層24が接触するように重ね、これらを仮固定する工程。
工程(c):工程(b)の後、仮固定した絶縁フィルム付きプリント配線板3と、離型フィルム40を剥離した電磁波シールドフィルム1とを熱圧着する工程。
工程(d):工程(c)の後、キャリアフィルム30が不要になった際にキャリアフィルム30を剥離する工程。
工程(e):必要に応じて、工程(d)の後に異方導電性接着層24を本硬化させる工程。
以下、各工程について、図4を参照しながら詳細に説明する。
工程(a):
工程(a)は、フレキシブルプリント配線板50に絶縁フィルム60を積層して、絶縁フィルム付きプリント配線板3を得る工程である。
具体的には、まず、フレキシブルプリント配線板50に、プリント回路54に対応する位置に貫通孔62が形成された絶縁フィルム60を重ねる。次いで、フレキシブルプリント配線板50の表面に絶縁フィルム60の接着剤層(図示略)を接着し、接着剤層を硬化させることによって、絶縁フィルム付きプリント配線板3を得る。フレキシブルプリント配線板50の表面に絶縁フィルム60の接着剤層を仮接着し、工程(d)にて接着剤層を本硬化させてもよい。
接着剤層の接着及び硬化は、例えば、プレス機(図示略)等による熱圧着によって行う。
工程(b):
工程(b)は、絶縁フィルム付きプリント配線板3に電磁波シールドフィルム1を穏やかな条件にて熱圧着する工程である。
具体的には、絶縁フィルム付きプリント配線板3に、離型フィルム40を剥離した電磁波シールドフィルム1を重ね、穏やかな条件にて熱圧着する。これにより、絶縁フィルム付きプリント配線板3に対する電磁波シールドフィルム1の位置を仮固定することができる。工程(b)により、工程(c)で使用する高温のプレス機の近くで位置合わせする必要がなく、危険な作業を省略できる。
電磁波シールドフィルム1の仮固定は、例えば、プレス機(図示略)等による熱圧着によって行う。
熱圧着のプレス時間は、5秒以上2分以下が好ましく、5秒以上30秒以下がより好ましい。熱圧着の時間が前記範囲の下限値以上であれば、絶縁フィルム60の表面に異方導電性接着層24を容易に粘着できる。熱圧着の時間が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板2の製造時間を短縮できる。
熱圧着のプレス温度(プレス機の熱盤の温度)は、50℃以上150℃以下が好ましく、60℃以上80℃以下がより好ましい。熱圧着の温度が前記範囲の下限値以上であれば、絶縁フィルム60の表面に異方導電性接着層24を容易に粘着できる。また、熱圧着の時間を短縮できる。熱圧着の温度が前記範囲の上限値以下であれば、作業の危険性が軽減できる。
熱圧着のプレス圧力は、0.01MPa以上1MPa以下がより好ましい。熱圧着の圧力が前記範囲の下限値以上であれば、絶縁フィルム60の表面に異方導電性接着層24が接着される。また、熱圧着の時間を短縮できる。熱圧着の圧力が前記範囲の上限値以下であれば、作業の危険性が軽減できる。
工程(c):
工程(c)は、絶縁フィルム付きプリント配線板3に電磁波シールドフィルム1を熱圧着する工程である。
具体的には、仮固定した絶縁フィルム付きプリント配線板3と、電磁波シールドフィルム1とを熱圧着する。これにより、絶縁フィルム60の表面に異方導電性接着層24を接着するとともに、異方導電性接着層24を貫通孔62内に押し込み、貫通孔62内を埋めてプリント回路54に電気的に接続する。これにより、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板2を得る。
異方導電性接着層24の接着及び硬化は、例えば、プレス機(図示略)等による熱圧着によって行う。
熱圧着のプレス時間は、20秒以上60分以下が好ましく、30秒以上30分以下がより好ましい。熱圧着の時間が前記範囲の下限値以上であれば、絶縁フィルム60の表面に異方導電性接着層24を容易に接着できる。熱圧着の時間が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板2の製造時間を短縮できる。
熱圧着のプレス温度(プレス機の熱盤の温度)は、140℃以上200℃以下が好ましく、170℃以上190℃以下がより好ましい。熱圧着の温度が前記範囲の下限値以上であれば、絶縁フィルム60の表面に異方導電性接着層24を容易に接着できる。また、熱圧着の時間を短縮できる。熱圧着の温度が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1、フレキシブルプリント配線板50等の劣化等を容易に抑えることができる。
熱圧着のプレス圧力は、0.5MPa以上20MPa以下が好ましく、1MPa以上16MPa以下がより好ましい。熱圧着の圧力が前記範囲の下限値以上であれば、絶縁フィルム60の表面に異方導電性接着層24が接着される。また、熱圧着の時間を短縮できる。熱圧着の圧力が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1、フレキシブルプリント配線板50等の破損等を抑えることができる。
工程(d):
工程(d)は、キャリアフィルム30を剥離する工程である。
具体的には、キャリアフィルムが不要になった際に、絶縁樹脂層10からキャリアフィルム30を剥離する。
工程(e):
工程(e)は、異方導電性接着層24を本硬化させる工程である。
工程(c)における熱圧着の時間が20秒以上10分以下の短時間である場合、工程(c)と工程(d)との間、又は工程(d)の後に異方導電性接着層24の本硬化を行うことが好ましい。
異方導電性接着層24の本硬化は、例えば、オーブン等の加熱装置を用いて行う。
加熱時間は、15分以上120分以下であり、30分以上60分以下がより好ましい。加熱時間が前記範囲の下限値以上であれば、異方導電性接着層24を十分に硬化できる。加熱時間が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板2の製造時間を短縮できる。
加熱温度(オーブン中の雰囲気温度)は、120℃以上180℃以下が好ましく、120℃以上160℃以下がより好ましい。加熱温度が前記範囲の下限値以上であれば、加熱時間を短縮できる。加熱温度が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1、フレキシブルプリント配線板50等の劣化等を抑えることができる。
(作用効果)
以上説明した電磁波シールドフィルム付きプリント配線板2の製造方法にあっては、電磁波シールドフィルム1の電磁波遮蔽層20に含まれる導電性粒子24bの10%圧縮強度が40MPa以下であるため、絶縁フィルム付きプリント配線板と電磁波シールドフィルム1との熱圧着の際に、導電性粒子24bが変形しやすい。そのため、穏やかなプレス条件でも十分な密着性と電気的な接続性を確保できることで、熱圧着の際に、絶縁樹脂層10、電磁波遮蔽層20、プリント配線板の破断、変形等の不具合を防止できる。また、短時間で熱圧着が行えるため、作業性にも優れる。
(他の実施形態)
本態様の電磁波シールドフィルム付きプリント配線板の製造方法は、絶縁フィルム付きプリント配線板と、本発明の第1の態様の電磁波シールドフィルム(ただし、電磁波遮蔽層に隣接する離型フィルムを有する場合は、離型フィルムを剥離する。)とを、絶縁フィルムと電磁波遮蔽層とが接するように重ねて熱圧着する方法であればよく、上述した実施形態に限定されない。
精密な位置合わせが不要な場合は、工程(b)を省略してもよい。
工程(c)において、熱圧着時間が異方導電性接着層24を硬化させるのに十分に長時間である場合は、工程(e)を省略できる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されない。
(導電性粒子の比重)
導電性粒子の比重は、JIS K7112:1999におけるA法に従い、温度23℃で測定した。
(導電性粒子の10%圧縮強度)
導電性粒子の10%圧縮強度は、微小圧縮試験機(島津製作所社製、MCT−510)を用いた測定結果から、前記式(α)によって求めた。
(導電性粒子の平均粒子径)
導電性粒子の平均粒子径は、粒子の顕微鏡像から30個の粒子を無作為に選び、それぞれの粒子について、最小径及び最大径を測定し、最小径と最大径との中央値を一粒子の粒子径とし、測定した30個の粒子の粒子径を算術平均して求めた。
(金属層、導電性接着層の厚さ)
金属層の厚さは、渦電流式膜厚計を用いて無作為に選ばれた5箇所の厚さを測定し、平均して求めた。
導電性接着層の厚さは、デジタル測長機(ミツトヨ社製、ライトマチックVL−50−B)を用いて無作為に選ばれた5箇所の厚さを測定し、平均して求めた。
(密着性試験)
厚さ25μmのポリイミドフィルムと電磁波シールドフィルムとを、導電性接着層とポリイミドフィルムとを接触させて重ね、ホットプレス装置を用い、プレス温度を180℃、プレス圧力を13MPa、プレス時間を300秒として熱圧着した。キャリアフィルムを剥離後、電磁波シールドフィルムが熱圧着されたポリイミドフィルムを、高温恒温器を用い、温度:150℃で1時間加熱することによって、異方導電性接着層を本硬化させ、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板(試験体)を得た。
引張試験機(株式会社島津製作所製オートグラフ)を用いて、試験体におけるポリイミドフィルムを試験体から180°剥離させて剥離力を測定し、密着性を以下の基準で評価した。熱圧着時の条件をプレス温度:180℃、プレス圧力:5MPa、プレス時間:120秒としたときと、プレス温度:170℃、プレス圧力:5MPa、プレス時間:90秒としたときについても、同様にして剥離力を測定し、密着性を評価した。
<評価基準>
◎:剥離力が6N/cm以上。
〇:剥離力が3N/cm以上6N/cm未満。
×:剥離力が3N/cm未満。
(接続最小径)
図5(A)及び図5(B)に示す接続性評価用絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板100(以下、「評価用配線板100」と記す。)を用意した。評価用配線板100は、厚さ25μmのベースフィルム(ポリイミドフィルム)152と、厚さ12.5μmの銅箔をエッチングして形成したプリント回路154と、厚さ25μmの接着剤層156と、厚さ12.5μmの絶縁フィルム(ポリイミドフィルム)160とが順に積層されている。評価用配線板100では、20mm×3mmの長方形の2つのプリント回路154が3mmの間隔をあけて平行に設置されている。絶縁フィルム160と接着剤層156とには、各プリント回路154の両端部に対応する位置に、接続試験用貫通孔162と直径2mmの抵抗測定用貫通孔164とが、1つずつ形成されている。接続試験用貫通孔162と抵抗測定用貫通孔164の中心間の距離は15mm、接続試験用貫通孔162の中心間の距離は6mm、抵抗測定用貫通孔164の中心間の距離は6mmとした。また、プリント回路154の接続試験用貫通孔162と抵抗測定用貫通孔164とに対応する位置は、厚さ0.5μmのニッケル層と厚さ0.05μmの金層により表面処理されている。
評価用配線板100は、接続試験用貫通孔162の直径が0.1mmのものから1.0mmのものまで0.1mm刻みで10個用意した。
図6(A)及び図6(B)に示すように、各例の電磁波シールドフィルム(シールドフィルム201)と各評価用配線板100とを、接続試験用貫通孔162は覆われ、抵抗測定用貫通孔164は覆われない様に、導電性接着層(導電性接着層224)と絶縁フィルム160を向かい合わせにして重ね、ホットプレス装置を用い、プレス温度を180℃、プレス圧力を5MPa、プレス時間を120秒として熱圧着した。キャリアフィルムを剥離後、シールドフィルム201が熱圧着された評価用配線板100を、高温恒温器を用い、温度:150℃で1時間加熱することによって、絶縁樹脂層(絶縁樹脂層210)上の導電性接着層224を本硬化させ、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板(試験体)を得た。
各試験体の抵抗測定用貫通孔164にテスターを当てて、配線−電磁波遮蔽層−配線の抵抗値を測定し、抵抗値が1Ω以下となる試験体のうち、接続試験用貫通孔162の直径が最小であるものを接続最小径として求めた。
(実施例1)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製、jER(登録商標)1001)の100質量部と、2−メチル−4−エチルイミダゾールの2質量部と、カーボンブラックの4質量部とを溶剤(メチルエチルケトン)の300質量部に溶解して絶縁樹脂層形成用塗料を調製した。
キャリアフィルムとして、PETフィルム(東洋紡社製、CN200、厚さ:50μm)を用意した。
熱硬化性接着剤(ウレタン樹脂(東洋紡社製、バイロン UR−3500)の100質量部と硬化剤(三菱ケミカル社製、jER 1031S)の5.3質量部との混合物)の97質量部と、表1に示す導電性粒子(導電膜付き樹脂粒子)の3質量部とを、溶剤(メチルエチルケトンの100質量部とトルエンの100質量部との混合物)の100質量部に溶解又は分散させて熱硬化性導電性接着剤塗料を調製した。
キャリアフィルムの離型剤層の表面に絶縁樹脂層形成用塗料を塗布し、100℃で2分間加熱し、塗料を乾燥させ、高温恒温器を用い、温度:120℃で48時間加熱することによって本硬化させて、絶縁樹脂層(厚さ:10μm)を形成した。
絶縁樹脂層の表面に、電子ビーム蒸着法にて銅を物理的に蒸着させ、金属層(蒸着膜、厚さ:0.5μm)を形成した。
金属層の表面に熱硬化性導電性接着剤塗料を、ダイコーターを用いて塗布し、溶剤を揮発させてBステージ化することによって、異方導電性接着層(厚さ:4μm)を形成し、電磁波シールドフィルムを得た。
密着性及び接続最小径の評価結果を表1に示す。
(実施例2〜14)
使用する導電性粒子の種類及び含有量、導電性接着層の厚さを表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様の方法で電磁波シールドフィルムを製造し、密着性及び接続最小径を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1〜3)
導電性粒子として銅粒子を用い、導電性粒子の含有量、導電性接着層の厚さを表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様の方法で電磁波シールドフィルムを製造し、密着性及び接続最小径を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2021082658
なお、表1における「質量比C/S」は、導電膜付き樹脂粒子における樹脂粒子(コア)と導電膜(シェル)との質量比を意味する。「PMMA」はポリメチルメタクリレートを意味する。
本発明の電磁波シールドフィルムは、スマートフォン、携帯電話、光モジュール、デジタルカメラ、ゲーム機、ノートパソコン、医療器具等の電子機器用のフレキシブルプリント配線板における、電磁波シールド用部材として有用である。
1 電磁波シールドフィルム、
2 電磁波シールドフィルム付きプリント配線板、
3 絶縁フィルム付きプリント配線板、
10 絶縁樹脂層、
22 金属層、
20 電磁波遮蔽層、
24 異方導電性接着層、
24a 熱硬化性樹脂、
24b 導電性粒子、
26 等方導電性接着層、
26a 熱硬化性樹脂、
26b 導電性粒子、
30 キャリアフィルム、
32 キャリアフィルム本体、
34 離型剤層、
40 離型フィルム、
42 離型フィルム本体、
44 離型剤層、
50 フレキシブルプリント配線板、
52 ベースフィルム、
54 プリント回路、
60 絶縁フィルム、
62 貫通孔。

Claims (16)

  1. 絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層に隣接する電磁波遮蔽層とを有し、
    前記電磁波遮蔽層が導電性粒子を含み、
    前記導電性粒子の10%圧縮強度が、40MPa以下である、電磁波シールドフィルム。
  2. 前記導電性粒子が、樹脂粒子の表面を導電膜で被覆した導電膜付き樹脂粒子である、請求項1に記載の電磁波シールドフィルム。
  3. 前記導電膜付き樹脂粒子の総質量に対する前記導電膜の質量の割合が、5質量%以上50質量%以下である、請求項2に記載の電磁波シールドフィルム。
  4. 前記樹脂粒子が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂及びシリコーン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項2又は3に記載の電磁波シールドフィルム。
  5. 前記導電膜の比重が2.50以上22.0以下である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  6. 前記導電膜が、金、銀及び銅からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む、請求項2〜5のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  7. 前記導電膜が、異なる2種以上の金属を含む、請求項2〜6のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  8. 前記導電膜がスパッタ膜を含む、請求項2〜7のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  9. 前記導電膜がめっき膜を含む、請求項2〜8のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  10. 前記導電性粒子の比重が1.00以上3.00以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  11. 前記導電性粒子の平均粒子径が0.5μm以上20μm以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  12. 前記電磁波遮蔽層が、前記絶縁樹脂層に隣接する金属層と、前記金属層の前記絶縁樹脂層とは反対側に隣接する導電性接着層とを有し、
    前記導電性接着層が前記導電性粒子を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  13. 前記導電性接着層が、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂のいずれか一方又は両方と、前記導電性粒子とを含み、
    前記導電性接着層中の前記導電性粒子の含有量が、前記導電性接着層の総質量に対して、0.2質量%以上60質量%以下である、請求項12に記載の電磁波シールドフィルム。
  14. 前記絶縁樹脂層の厚さが1.0μm以上20μm以下である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  15. 基板の少なくとも片面にプリント回路が設けられたプリント配線板と、
    前記プリント配線板の前記プリント回路が設けられた側の面に隣接する絶縁フィルムと、
    前記絶縁フィルムの前記プリント配線板とは反対側に隣接し、前記電磁波遮蔽層が前記絶縁フィルムに接する請求項1〜14のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルムと、
    を有する、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板。
  16. 基板の少なくとも片面にプリント回路が設けられたプリント配線板及び前記プリント配線板の前記プリント回路が設けられた側の面に隣接する絶縁フィルムを有する絶縁フィルム付きプリント配線板と、
    請求項1〜14のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルムとを、
    前記絶縁フィルムと前記電磁波遮蔽層とが接するように重ねて熱圧着する、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板の製造方法。
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