JP2019144181A - 熱式検出センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】被検出流体の流れ状態の熱式検出センサにおいて、熱式検出センサの信頼性を維持して小型化および高精度化の少なくとも一方を図ることを可能にする。【解決手段】平坦化膜107を介した被検出流体と発熱抵抗体104との熱交換による発熱抵抗体104から被検出流体への熱伝達量に基づいて、被検出流体の流れ状態を検出する熱式検出センサにおいて、発熱抵抗体104と平坦化膜107との間に、発熱抵抗体104と平坦化膜107との物理的な接触を遮るバリア膜106を備え、バリア膜106によって、発熱抵抗体104のシリサイド化による発熱抵抗体104の電気抵抗の変動を抑える。【選択図】図1

Description

本願は、被検出流体と発熱抵抗体との熱交換による発熱抵抗体から被検出流体への熱伝達量に基づいて、被検出流体の流量検出、流速検出、などのいわゆる被検出流体の流れ状態を検出する熱式検出センサに関するものである。
被検出流体の流れ状態を検出する検出センサは、液体、気体、等の被検出流体、の流量、流速、等の被検出流体の流れ状態を検出するセンサであり、測定原理により、検出可能な被検出流体が異なる。被検出流体の流れ状態を検出するセンサは、以後、便宜上「流量センサ」と記す。
例えば、液体の流量センサとしては、電磁式センサ、カルマン渦式センサ、羽根車式センサ、等が使用される。一方、気体の流量センサとしては、カルマン渦式センサ、羽根車式センサ、熱式センサ、等が使用される。
流量センサの中でも、熱式流量センサは、従来から内燃機関の吸入空気(被検出流体)の量の検出、等に広く用いられている。
ここで、熱式流量センサの測定原理について説明する。
電流を流して加熱した発熱抵抗体を被検出流体中に置いた場合、発熱抵抗体から単位時間に失われる熱量、すなわち冷却量、は被検出流体の速度に依存する。
熱式流量センサは、被検出流体の流速または流量と、被検出流体中に配置された発熱抵抗体から被検出流体への熱伝達量と、の間に成立するほぼ一義的な関数関係、を利用して、熱伝達量に基づいて被検出流体の流速または流量を検出するものである。
発熱抵抗体としては、通常、白金(Pt)などの高融点の金属導体が用いられる。金属導体は温度にほぼ比例して電気抵抗が増加する、いわゆる正の温度係数をもっている。
定温度差法と呼ばれる検出方法では、この性質、すなわち温度にほぼ比例して電気抵抗が増加する性質、を利用して、金属導体の温度と被検出流体の温度との温度差を一定に保つように加熱電流を制御する。この加熱電流を電圧に置き換えて電圧信号として出力とする。この出力された電圧信号は、被検出流体の流速または流量と、ほぼ一義的な関数関係があることから、当該電圧信号を監視することで、被検出流体の流速または流量、すなわち被検出流体の流れ状態、を検出することができる。
内燃機関への吸入空気量を計測する車載用の流量センサについては、カーメーカーの厳しい低消費電力と高応答性への要求を満たし、しかも、従来形より大幅なサイズダウンが図れる新型センサの開発が求められていた。そこで、半導体製造のマイクロマシニング技術を採用した流量センサが開発された。
シリコンウェハに数ミリ角の微細なダイヤフラム構造を一度に大量に形成するこの手法により、流量検出センサの大量生産が可能になった。また、薄膜形成技術とエッチング技術によって、極めて薄いダイヤフラム構造を高精度に形成することで、熱絶縁性が向上するとともに熱容量が小さくなり、消費電力と応答性が飛躍的に改善した。
例えば、特許文献1に開示されている熱式流量検出センサは下記に示すように構成されている。構造を以下説明していく。
シリコン半導体よりなる平板状基材上に窒化ケイ素膜(SiN)からなる絶縁性の支持膜、パーマロイ(鉄とニッケルの合金)よりなる発熱抵抗体、及び測温抵抗体が形成されている。その上に、窒化ケイ素膜(SiN)からなる保護膜が形成されている。
発熱抵抗体及び測温抵抗体の着膜部近傍において平板状基材には空気スペースが設けられ、これによりブリッジ構造が形成されている。空気スペースは、窒化ケイ素に損傷を与えないエッチング液を用いて開口部からシリコン半導体の一部を除去することにより形成されている。測温抵抗は、発熱抵抗を挟んで計測流体の流れの方向に平面的に並んでいる。
このような従来の流量検出センサにおいて、感熱抵抗膜(発熱抵抗体、測温抵抗体)の配線によって形成される段差上に保護膜の成膜を行う。この保護膜に外力が加わると、保護膜の最表面にある段差のコーナー部に応力集中が起こる。最表面で起こる応力集中を起点として保護膜にクラックが入りやすい。保護膜にクラックが入ると、ダイヤフラム構造の強度が低下する恐れがある。さらに、クラックの間から雰囲気中の水分等が侵入すると、感熱抵抗膜(発熱抵抗体、測温抵抗体)の、抵抗値変動、腐食、等が起こることが考えられる。
特許文献2記載の熱式流量検出センサにおいては、平坦化膜を使用することで保護膜のクラック発生を抑制している。構造を以下説明していく。
シリコンウェハからなる支持基板上に、熱酸化膜(th−SiO)及び窒化ケイ素膜(SiN)からなる絶縁性の支持膜、白金(Pt)からなる発熱抵抗体、及び、発熱抵抗を保護するために窒化ケイ素膜(SiN)からなる絶縁膜、が形成されている。その後、SOG(Spin−On−Glass)からなる平坦化膜、及び、窒化ケイ素膜(SiN)からなる保護膜が形成されている。
平坦化膜は発熱抵抗体で生じる段差を平滑化または低減して、段差のコーナー部における保護膜の応力集中を低減するものである。これにより、外力が加わる際に保護膜のクラック発生を抑制できる。
しかしながら、ブリッジあるいはダイヤフラム構造を得るために、引張応力となるSiリッチな窒化ケイ素膜(SiN)を使用した場合、このSiリッチな窒化ケイ素膜(SiN)で形成された支持膜および保護膜に発熱抵抗を挟み込んで構成される発熱構造体では、出力特性の長期的信頼性が得られないという課題がある。これは、Siリッチな窒化ケイ素膜(SiN)と発熱抵抗体(Pt)との界面でシリサイド化が進行し、抵抗値が徐々に変化するからである。
特許文献3記載の熱式流量検出センサにおいては、窒化ケイ素膜(SiN)を2.25未満の屈折率とすることで、引張応力を維持しながら、窒化ケイ素膜(SiN)の余剰Siを少なくして、抵抗値上昇の要因となる発熱抵抗体のシリサイド化を抑制している。
しかしながら、平坦化膜として使用しているSOGはSiを含有している。金属のシリサイド化は金属とSiが反応することにより起こるため、小型化の際はSOG起因のシリサイド化を考慮する必要がある。
このように、特許文献1から3の構造においては、いくつかの点で技術的な改善をもたらしたが、現在のセンサとして求められている小型化に関しては、いずれの構造もそれぞれに課題を持っている。
特公平5−7659号公報 特許第3598217号公報 特許第3699703号公報
流量センサの小型化・低コスト化にあたり、発熱抵抗体の配線幅を細くする方法が挙げられる。このため、従来のブリッジタイプ及びダイヤフラム構造タイプの流量検出センサでは許容されていた発熱抵抗体の抵抗値の変化が無視できなくなり、特性が変動(ドリフト)するといった問題が顕在化する。
これを、図を用いて説明する。図5は熱式流量検出センサの要部を示す平面図である。図6は配線幅の大きい従来の流量検出センサの断面図である。一方、図7は小型化により、配線幅が細くなった流量検出センサの断面図である。
発熱抵抗体と平坦化膜の界面にシリサイド層601が形成される。
発熱抵抗体の配線幅(X)と発熱抵抗体と平坦化膜の界面におけるシリサイド化による抵抗値上昇率(=抵抗値の変動量ΔR/初期の抵抗値R)を算出してみた。
発熱抵抗体の配線幅(X)と、発熱抵抗体と平坦化膜の界面におけるシリサイド化による抵抗値上昇率とには、X−1の相関がある。つまり、発熱抵抗体の配線幅(X)が細くなるとわずかなシリサイド化でも発熱抵抗体の抵抗値が大きく変動する。
例えば、図6及び図7に示した発熱抵抗体の配線幅(X)が200μmから10μmに減少するとシリサイド化による抵抗値上昇率は約20倍となる。
この発熱抵抗体の抵抗値の変動によって流量センサの長期信頼性が低下するといった問題点が生じる。長期信頼性が低下するということは、抵抗値変動により時間が経過するにつれて、検出流量が真の値とは異なる値が算出されることを意味する。このような流量センサを、内燃機関で駆動される乗り物における内燃機関の吸気量の検出に適用した場合、車の空燃比制御に影響を及ぼし、燃費が悪くなる可能性がある。
本願は、前述のような実情に鑑み、被検出流体の流れ状態の熱式検出センサにおいて、熱式検出センサの信頼性を維持して小型化および高精度化の少なくとも一方を図ることを可能にすることを目的とするものである。
本願に開示される熱式検出センサは、
絶縁性の支持膜、前記支持膜の上に設けられた金属からなる発熱抵抗体、および前記発熱抵抗体を覆うように形成され前記支持膜と前記発熱抵抗体との間の段差を被検出流体の側の自己の表面で平坦化するSOGからなる平坦化膜を備え、前記平坦化膜を介した前記被検出流体と前記発熱抵抗体との熱交換による前記発熱抵抗体から前記被検出流体への熱伝達量に基づいて、前記被検出流体の流れ状態を検出する熱式検出センサにおいて、
前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との間に、前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との物理的な接触を遮るバリア膜を備え、前記バリア膜によって、前記発熱抵抗体のシリサイド化による前記発熱抵抗体の電気抵抗の変動を抑える
ことを特徴とする熱式検出センサであり、
また、絶縁性の支持膜、前記支持膜の上に設けられた金属からなる発熱抵抗体、および前記発熱抵抗体を覆うように形成され前記支持膜と前記発熱抵抗体との間の段差を被検出流体側の自己の表面で平坦化するSOGからなる平坦化膜を備え、前記平坦化膜を介した前記被検出流体と前記発熱抵抗体との熱交換による前記発熱抵抗体から前記被検出流体への熱伝達量に基づいて、前記被検出流体の流れ状態を検出する熱式検出センサにおいて、
前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との間に、前記発熱抵抗体の表面の改質により形成された酸化膜の層を備え、前記酸化膜の層によって、前記発熱抵抗体のシリサイド化による前記発熱抵抗体の電気抵抗の変動を抑える
ことを特徴とする熱式検出センサであり、
また、絶縁性の支持膜、前記支持膜の上に設けられた金属からなる発熱抵抗体、および前記発熱抵抗体を覆うように形成され前記支持膜と前記発熱抵抗体との間の段差を被検出流体側の自己の表面で平坦化するSOGからなる平坦化膜を備え、前記平坦化膜を介した前記被検出流体と前記発熱抵抗体との熱交換による前記発熱抵抗体から前記被検出流体への熱伝達量に基づいて、前記被検出流体の流れ状態を検出する熱式検出センサにおいて、
前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との間に、前記発熱抵抗体の側壁を覆い前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との物理的接触を遮るサイドウォールを備え、前記サイドウォールによって、前記発熱抵抗体のシリサイド化による前記発熱抵抗体の電気抵抗の変動を抑える
ことを特徴とする熱式検出センサである。
本願に開示される熱式検出センサでは、絶縁性の支持膜、前記支持膜の上に設けられた金属からなる発熱抵抗体、および前記発熱抵抗体を覆うように形成され前記支持膜と前記発熱抵抗体との間の段差を被検出流体側の自己の表面で平坦化するSOGからなる平坦化膜を備え、前記平坦化膜を介した前記被検出流体と前記発熱抵抗体との熱交換による前記発熱抵抗体から前記被検出流体への熱伝達量に基づいて、前記被検出流体の流れ状態を検出する熱式検出センサにおいて、
前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との間に、前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との物理的な接触を遮るバリア膜を備え、前記バリア膜によって、前記発熱抵抗体のシリサイド化による前記発熱抵抗体の電気抵抗の変動を抑えるので、
また、前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との間に、前記発熱抵抗体の表面の改質により形成された酸化膜の層を備え、前記酸化膜の層によって、前記発熱抵抗体のシリサイド化による前記発熱抵抗体の電気抵抗の変動を抑えるので、
また、前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との間に、前記発熱抵抗体の側壁を覆い前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との物理的接触を遮るサイドウォールを備え、前記サイドウォールによって、前記発熱抵抗体のシリサイド化による前記発熱抵抗体の電気抵抗の変動を抑えるので、
被検出流体の流れ状態の熱式検出センサにおいて、熱式検出センサの信頼性を維持して小型化および高精度化の少なくとも一方を図ることを可能にすることができる。
本願の実施の形態1を示す図で、被検出流体の流れ状態の検出をする熱式検出センサの要部の一例を示す断面図である。 本願の実施の形態2を示す図で、被検出流体の流れ状態の検出をする熱式検出センサの要部の他の例を示す断面図である。 本願の実施の形態3を示す図で、被検出流体の流れ状態の検出をする熱式検出センサの要部の更に他の例を示す断面図である。 本願の実施の形態4を示す図で、被検出流体の流れ状態の検出をする熱式検出センサの要部の更に他の例を示す断面図である。 本願の実施の形態1から4の被検出流体の流れ状態の検出をする熱式検出センサ、および従来の被検出流体の流れ状態の検出をする熱式検出センサ、の各々に共用の平面図である。 比較例である従来の熱式検出センサの要部を示す断面図である。 比較例サンプル−1である従来の小型化された熱式検出センサの要部を示す断面図である。 比較例サンプル−2である従来の熱式検出センサの要部を示す断面図である。 本願の実施の形態1、比較例サンプル−1、および比較例サンプル−2の、各々の抵抗値変動を比較した図である。
以下に、本願の被検出流体の流れ状態の熱式検出センサの実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本願は以下の記述に限定されるものではない。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合があり、また、本願の特徴に関係しない構成の図示は省略する。
実施の形態1.
以下、本願の実施の形態1を、図1によって説明する。図1は、図5のE−P線における断面を矢印の方向に見た、本実施の形態1の熱式検出センサの要部の一例を示す断面図である。
図1には、基板101、基板保護膜102、支持膜103、発熱抵抗体104、第一保護膜105、バリア膜106、平坦化膜107、第二保護膜108、裏面保護膜109、キャビティ110、およびダイヤフラム構造111、矢印FDDFが例示されている。
図1に例示のように、被検出流体の流れ状態の熱式検出センサは、キャビティ110が開口された基板101と、基板101の表面上にキャビティ110を覆うように形成されたダイヤフラム構造111を備えている。
基板101は、シリコン基板であり、その表面の全面が、熱酸化膜等の基板保護膜102で覆われている。そして、キャビティ110が、基板101の裏面側から基板101および基板保護膜102の一部を除去することによって形成されている。
本実施の形態1においては、図1に例示のように、ダイヤフラム構造111は、支持膜103、発熱抵抗体104、第一保護膜105、バリア膜106、平坦化膜107、および第二保護膜108によって構成されている。
なお、発熱抵抗体104は、一般的には、感熱抵抗体とも呼ばれる。
また、ダイヤフラム構造111は、一般的には、ダイヤフラム部、あるいは単にダイヤフラムとも呼ばれる。
ダイヤフラム構造111は次のように形成される。
絶縁性の支持膜103が、基板101の表面上にキャビティ110が開口されるように成膜されている。
そして、発熱抵抗体104が、支持膜103の、キャビティ110上の部位、に形成されている。
そして、第一保護膜105が、発熱抵抗体104上に形成され、その場合、第一保護膜105平面的に見て、発熱抵抗体104と同一のパターンに形成されている。
そして、バリア膜106が、発熱抵抗体104の外周面、および第一保護膜105の外周面と天面、を覆うように、支持膜103上に被覆されている。
さらに、平坦化膜107が、バリア膜106上に形成されている。
さらに、第二保護膜108が、平坦化膜107上に形成されている。
なお、矢印FDDFは被検出流体の流れる方向を示す。
また、本実施の形態1においては、被検出流体の流れ状態とは、被検出流体の流れる量、つまり流体流量、を意味し、また被検出流体の流れる速度、つまり流体流速を意味し、また、被検出流体の流れの停止、ほかを意味する。
また、本実施の形態1においては、発熱抵抗体104が、流れている被検出流体と熱交換することにより、発熱抵抗体104自身の温度が変化し、この発熱抵抗体自身の温度変化に伴って変化する発熱抵抗体自身の抵抗値に基づいて被検出流体の流れ状態を検出するための検出センサを、換言すれば、被検出流体と発熱抵抗体との熱交換による発熱抵抗体から被検出流体への熱伝達量に基づいて被検出流体の流れ状態を検出する熱式検出センサを、本実施の形態では、事例として、熱式流量検出センサとも言う。
また、本実施の形態1においては、発熱抵抗体104が、流れている被検出流体と、第二保護膜108、平坦化膜107、バリア膜106、および第一保護膜105を介して、熱交換することにより、発熱抵抗体104自身の温度が変化し、この発熱抵抗体自身の温度変化に伴って変化する発熱抵抗体自身の抵抗値に基づいて、被検出流体の流れ状態を検出する。
つぎに、前述の本実施の形態1の被検出流体の流れ状態の熱式検出センサの製造方法について説明する。
図1において、基板101 は、例えば厚さ約4 0 0μm のシリコンウェハからなり、基板101上に、酸化膜からなる基板保護膜102が形成されている。
この基板保護膜102上に、例えば、PECVD(Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition)装置を用い、厚さ約1μm の窒化ケイ素(SiN)からなる絶縁性の支持膜103を形成する。以下、窒化ケイ素をSiNと記載する。
ここで、支持膜103は、Siリーンとなるように成膜することで、シリサイド化による発熱抵抗体104の抵抗値上昇を抑制する効果が高まる。Siリーンな膜とは、本実施の形態の例では、屈折率が2.25未満のSiN膜である。
さらに、支持膜103は、50〜300MPaの応力を有するように形成する。
ここで、支持膜103は、絶縁膜として機能し、シリサイド化を抑制する絶縁材料であればよく、支持膜103の材料は、特に制限されることはない。絶縁膜として機能し、シリサイド化を抑制する支持膜103の絶縁材料としては、例えば、SiリーンなSiN、MgO、Al、DLC(Diamond-Like Carbon)、等が挙げられる。
なお、DLC(Diamond-Like Carbon)とは、炭素の同素体からなる非晶質炭素膜であり、ダイヤモンドに類似した高硬度・絶縁性を持つカーボン薄膜の総称であって、プラズマCVD法(化学気相成長法)、PVD法(物理気相成長法)、等で製造される。
支持膜103がシリサイド化を抑制する絶縁膜となるように成膜することで、発熱抵抗体である金属とSiとのシリサイド化を抑制する。
また、支持膜103の成膜方法に関しても、支持膜103は上記要件を満たす膜であればよく、如何なる成膜装置を使用しても良い。
さらには、支持膜103の上には、例えば、PVD(Physical Vapor Deposition)装置を用いて、厚さ約0.1〜1μmの白金(Pt)よりなる発熱抵抗膜(感熱抵抗膜)を堆積することで、発熱抵抗体104が形成される。
金属導体の電気抵抗は温度にほぼ比例して電気抵抗が増加する、いわゆる正の温度係数をもっている。その中でも白金(Pt)は、直線性及び再現性、耐食性に優れており、高感度・高精度な測定を行うことができる。
しかしながら、発熱抵抗膜は、測温抵抗体として用いることが可能であり、Siと反応する金属材料であれば特に制限されることはない。
発熱抵抗体104として用いることができ、Siと反応する金属材料としては、例えば、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、アルミ(Al)、等が挙げられる。
また、発熱抵抗体104である発熱抵抗膜の成膜方法に関しても、発熱抵抗膜は上記要件を満たす膜であればよく、如何なる成膜装置を使用しても良い。さらに、発熱抵抗膜の膜厚、すなわち発熱抵抗体104の厚みを制限するものはない。
さらに、発熱抵抗体104である発熱抵抗膜の上に、例えば前述のPECVD装置を用いて、SiNからなる第一保護膜105を形成する。
ここで、第一保護膜105は、Siリーンとなるように成膜することでシリサイド化による抵抗値上昇の抑制効果が高まる。Siリーンな膜とは、本実施の形態の例では、屈折率が2.25未満のSiN膜である。
ここで、第一保護膜105は、絶縁膜として機能し、シリサイド化を抑制する絶縁材料であればよく、第一保護膜105の材料は、特に制限されることはない。絶縁膜として機能し、シリサイド化を抑制する絶縁材料としては、例えば、SiリーンなSiN、MgO、Al、前述のDLC、等が挙げられる。
第一保護膜105がシリサイド化を抑制する絶縁膜となるように成膜することで、発熱抵抗体104である金属とSiとのシリサイド化を抑制する。
また、第一保護膜105の成膜方法に関しても、第一保護膜105は上記要件を満たす膜であればよく、如何なる成膜装置を使用しても良い。
そして、発熱抵抗膜である白金(Pt)膜と支持膜103及び第一保護膜105であるSiリーンなSiN膜が成膜された基板101に600℃〜750℃の熱処理を施す。
発熱抵抗膜及び第一保護膜105の形成に関しては、ウェットエッチング法あるいはドライエッチング法等を用いてパターニングが行われ、これにより発熱抵抗体104からなる配線が形成される。
ついで、第一保護膜105で被覆された発熱抵抗体104、および電流路(電流路自体は周知のとおりでよいので図示を省略する)を覆うように、支持膜103の表面の全面に例えば前述のPECVD装置を用いて、厚さ0.1μm以上のSiNからなるバリア膜106を形成する。
ここで、バリア膜106は、発熱抵抗体104と、後工程で形成される平坦化膜107とを分離することが可能であり、Siリーンとなるように成膜することでシリサイド化による抵抗値上昇の抑制効果が高まる。Siリーンな膜とは、本実施の形態の例では、屈折率が2.25未満のSiN膜である。
さらに、バリア膜106は50〜300MPaの応力を有するように形成する。
また、バリア膜106は、支持膜103と平坦化膜107との境界の全域にわたって形成されている。また、バリア膜106は、その全域にわたって均一の厚さに形成されている。
ここで、バリア膜106は発熱抵抗体104と後工程で形成する平坦化膜107とを分離することが可能である。バリア膜106の材料は、シリサイド化を抑制する絶縁材料であれば特に制限されることはない。バリア膜として機能し、シリサイド化を抑制する絶縁材料とは、SiリーンなSiN、MgO、Al、前述のDLC、等が挙げられる。バリア膜106がシリサイド化を抑制する絶縁膜となるように成膜することで、発熱抵抗体である金属とSiとのシリサイド化を抑制する。
また、バリア膜106の成膜方法に関しても、バリア膜106は上記要件を満たす膜であればよく、如何なる成膜装置を使用しても良い。
さらに、バリア膜106上に厚さ約0.1〜5μmのSOG(Spin On Glass)膜(塗布シリコン酸化膜)からなる平坦化膜107を形成する。
この平坦化膜107は、ケイ素(Si)と酸素(O) を主成分としており、例えば、東京応化製SOG、Type−12のように、非常に高い流動性を有している。このように、平坦化膜107を設けることにより、図1に示すように、発熱抵抗体104と第一保護膜105とバリア膜106とによって生ずる段差あるいは凹凸を低減するとともに、急峻な段差あるいは凹凸の変化を平滑化するといった効果がある。
このSOG膜は約400℃ 以上でアニールすることにより固化する。
さらに、平坦化膜107上に、表面を保護するための第二保護膜108を堆積する。ここで、第二保護膜108としては、前述のPECVD装置を用いて、例えば厚さ約0.8μm以上のSiN膜を形成する。
なお、第二保護膜108を形成するために用いられる材料としては、当該技術分野において保護膜として用いることが可能な材料であれば特に制限されることはない。さらに、如何なる成膜装置を使用しても良い。
ただし、第二保護膜108の材料を支持膜103および第一保護膜105、バリア膜106と同じにすることで、同一の装置を使用することができる。
この製造方法によると、平坦化膜の形成前にバリア膜106の成膜を実施する。発熱抵抗体104で生じる図示段差あるいは凹凸に起因する、外力による応力集中は第二保護膜108の最表面で起こる。そのため、バリア膜106は、外力による応力集中の影響を受けにくく、クラックは発生しない。
次に、基板101の裏面の全面に裏面保護膜109を形成する。そして、ドライエッチング等を用いて、裏面保護膜の一部を除去して、エッチングホールを形成する。その後、例えばアルカリエッチングを施して、基板101の裏面側から支持膜103に至るように、基板101および基板保護膜102の一部を除去することにより、キャビティ110を形成する。このキャビティ110は支持膜103の上にある発熱抵抗体104が形成されている領域の下部に対応して形成されている。これにより、発熱抵抗体104が、支持膜103に支持された状態で、キャビティ110の上方に形成され、ダイヤフラム構造111が構築される。
本実施の形態では、KOH、TMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)、NaOH等が、エッチャントとして使用される。
この実施の形態1によれば、発熱抵抗体104と平坦化膜107との間にバリア膜106を形成することにより、バリア膜106が、発熱抵抗体104と平坦化膜107との物理的な接触を抑え、高温環境下、例えば熱式検出センサが、内燃機関への吸入空気量を計測する車載用として使用されるような高温環境下、における発熱抵抗体104のシリサイド化を抑制することができる。
また、バリア膜106に、シリサイド化が起こらない絶縁材料を用いることで、発熱抵抗体104とバリア膜106との界面で起こる発熱抵抗体104のシリサイド化を抑制することが可能である。
発熱抵抗体104のシリサイド化が抑制されることで、発熱抵抗体104の電気抵抗変動を減少させることができ、被検出流体の流れ状態の熱式検出センサの出力特性の長期的信頼性を一層向上させることができる。
ここで、バリア膜106の材料を、ダイヤフラム構造111の主要構成材である支持膜103と同一の材料とすることで、バリア膜106の熱膨張率と支持膜103の熱膨張率とが同じになり、ダイヤフラム構造111に熱による歪が発生しにくく、高温時に熱式検出センサが同じ挙動を示すため、制御が行いやすい。さらに、他の外因に対しても、バリア膜106と支持膜103とを、同じ挙動を示す膜として扱うことができることから、精度の個体差がない安定した被検出流体の流れ状態の熱式検出センサを製造することが可能となる。
さらに、バリア膜106の材料及び応力を、ダイヤフラム構造111の主要構成材である支持膜103と同一の材料及び応力とすることで、応力および外因による変化のバラツキが少なくなる。したがって、ダイヤフラム構造として感度バラツキの小さい被検出流体の流れ状態の熱式検出センサを実現することが可能となる。
以上より、本実施の形態における被検出流体の流れ状態の熱式検出センサは、従来よりも、低コスト化・小型化を行う際に、発熱抵抗体104のシリサイド化に伴う発熱抵抗体104の抵抗値変動を抑制する被検出流体の流れ状態の熱式検出センサを提供することが可能となる。
実施の形態2.
以下、本実施の形態2を図2によって、前述の実施の形態1と異なる部分を主体に説明し、実施の形態1と同一あるいは相当する部分についての説明は割愛する。図2は、図5のE−P線における断面を矢印の方向に見た、本実施の形態2の熱式検出センサの要部の一例を示す断面図である。
前述の実施の形態1では、発熱抵抗体104上に第一保護膜105を備えた熱式流量検出センサとしているのに対し、本実施の形態2は、前述の実施の形態1における第一保護膜105の無い構造の事例である。
前述の実施の形態1における第一保護膜105の無い構造においては、バリア膜106が無い場合には、金属である発熱抵抗体104と平坦化膜107との接触面積が大きくなる。当該接触面積が大きくなるに従い、発熱抵抗体104である金属と平坦化膜107との界面で起こる高温環境下での発熱抵抗体104のシリサイド化に伴う発熱抵抗体104の抵抗値変動の影響が大きくなる。そのような場合でも、平坦化膜107と金属である発熱抵抗体104との間に介在するバリア膜106を形成することにより、高温環境下での発熱抵抗体104のシリサイド化に伴う発熱抵抗体104の抵抗値変動を抑止することができる。つまり、抵抗値変動抑制効果が高くなる。
前述の実施の形態1においては、発熱抵抗体104上に第一保護膜105を備えた構造を製造する場合について説明したが、本実施の形態2のように、前述の実施の形態1における第一保護膜105が設けられていない場合においても同様に実施することができる。
このような本実施の形態2における第一保護膜を用いない熱式流量検出センサについても、前述の実施の形態1と同じ効果があることは言うまでもない。
さらに、前述の実施の形態1のように第一保護膜105を備えた場合と比較して、高温環境下の発熱抵抗体104のシリサイド化に伴う発熱抵抗体104の抵抗値上昇の抑制効果が高まる。
実施の形態3.
以下、本実施の形態3を図3によって、前述の実施の形態1および実施の形態2と異なる部分を主体に説明し、実施の形態1および実施の形態2と同一あるいは相当する部分についての説明は割愛する。図3は、図5のE−P線における断面を矢印の方向に見た、本実施の形態3の熱式検出センサの要部の一例を示す断面図である。
上述の実施の形態1においては、バリア膜106が、発熱抵抗体104および第一保護膜105を覆うように、支持膜103上に被覆された構造を有する場合について説明し、また、実施の形態2においては、バリア膜106が、発熱抵抗体104を覆うように、支持膜103上に被覆された構造を有する場合について説明したが、本実施の形態3では、発熱抵抗体104を表面改質することにより、発熱抵抗体104の表面に酸化膜301の層が形成された構造を有している。
図3において、熱式流量検出センサは、キャビティ110が開口された基板101と、基板101の表面上にキャビティ110を覆うように形成されたダイヤフラム構造111を備えている。
基板101は、シリコン基板であり、その表面の全面が熱酸化膜等の基板保護膜102で覆われている。そして、キャビティ110は、基板101の裏面側から基板101および基板保護膜102の一部を除去することによって形成されている。
ダイヤフラム構造111の構成部材である絶縁性の支持膜103は、基板101の表面上に、キャビティ110の天面を閉口するように、形成されている。
発熱抵抗体104は、支持膜103の、キャビティ110の天面に対応する部分の中央部で且つキャビティ110と反対側の面に、図5に例示の形状にパターン形成されている。
発熱抵抗体104の、支持膜103との界面以外の全表面、つまり天面および周面、には、表面改質により酸化膜301の層が形成されている。さらに、表面改質により少なくとも前記全表面に酸化膜301の層が形成された発熱抵抗体104の上を覆うように、さらに、支持膜103の表面を覆うように、平坦化膜107が形成されている。
さらに第二保護膜108が、平坦化膜107上に形成されている。第二保護膜108の表面は、被検出流体の流路の壁面である。第二保護膜108の表面、つまり図示における上面に、被検出流体が接しながら矢印FDDFの方向に流れる。矢印FDDFの方向に流れる被検出流体は、第二保護膜108、平坦化膜107、および酸化膜301を介して、発熱抵抗体104と熱交換する。
つぎに、本実施の形態3にかかる流量検出センサの製造方法について説明する。
図3において、基板101 は例えば厚さ約4 0 0μ m のシリコンウェハからなり、基板101上に、酸化膜からなる基板保護膜102が形成されている。
この基板保護膜102上に、例えば前述のPECVD装置を用いて、厚さ約1μm の窒化ケイ素(SiN)からなる絶縁性の支持膜103を形成する。以下、窒化ケイ素をSiNと記載する。
ここで、支持膜103は、Siリーンとなるように成膜することで、シリサイド化による抵抗値上昇の抑制効果が高まる。Siリーンな膜とは、本実施の形態の例では、屈折率が2.25未満のSiN膜である。
ここで、支持膜103は絶縁膜として機能し、シリサイド化を抑制する絶縁材料であればよく、支持膜103の材料は、特に制限されることはない。絶縁膜として機能し、シリサイド化を抑制する支持膜103の絶縁材料としては、SiリーンなSiN、MgO、Al、DLC、等が挙げられる。支持膜103がシリサイド化を抑制する絶縁膜となるように成膜することで、発熱抵抗体である金属とSiとのシリサイド化を抑制する。
また、支持膜103の成膜方法に関しても、支持膜103は上記要件を満たす膜であればよく、如何なる成膜装置を使用しても良い。
さらに、支持膜103の上に、例えば、前述のPVD装置を用いて、厚さ約0.1〜1.5μmのモリブデン(Mo)よりなる発熱抵抗膜を堆積して発熱抵抗体104を掲載する。
ここで、発熱抵抗膜である発熱抵抗体104は、表面改質により少なくとも表面に酸化膜の層を形成する金属材料であれば特に制限されることはない。
表面改質により表面に酸化膜を形成する金属材料としては、例えば、アルミ(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、等が挙げられる。
また、成膜方法に関しても上記要件を満たす膜であればよく、如何なる成膜装置を使用しても良い。さらに、発熱抵抗膜の膜厚、すなわち発熱抵抗体104の厚みを制限するものはない。
発熱抵抗膜の形成に関してはウェットエッチング法あるいはドライエッチング法等を用いてパターニングが行われ、これにより発熱抵抗体104からなる配線が形成される。
さらに、酸素雰囲気下での高温処理により、発熱抵抗体104の金属表面を表面改質させ、酸化膜301の層を形成する。例えば、酸素雰囲気下でモリブデン(Mo)の場合には400〜600℃、アルミ(Al)の場合には200〜300℃、チタン(Ti)の場合には300〜700℃、タンタル(Ta)の場合には600〜700℃、でそれぞれ熱処理を施すことで酸化膜が得られる。
ここで、表面改質方法に関しては金属表面が表面改質する方法であればよく、酸素プラズマ処理、イオン注入処理、など如何なる処理方法を使用してもよい。
さらに、酸化膜301の層を備えた発熱抵抗体104上に、厚さ約0.1〜1μmのSOG膜からなる平坦化膜107を形成する。この平坦化膜107は、ケイ素(Si)と酸素(O) を主成分としており、例えば、東京応化製SOG、Type−12のように、非常に高い流動性を有している。このように、平坦化膜107を設けることにより、図3に示すように、発熱抵抗体104によって生ずる段差あるいは凹凸を低減するとともに、急峻な段差あるいは凹凸の変化を平滑化するといった効果がある。
さらに、このSOG膜は約400℃ 以上でアニールすることにより固化する。
さらに、平坦化膜107上に、表面を保護するための第二保護膜108を堆積する。ここで、第二保護膜108としては、例えば前述のPECVD装置を用いて、例えば厚さ約0.8μm以上のSiN膜を形成する。
なお、第二保護膜108を形成するために用いられる材料としては、当該技術分野において保護膜として用いることが可能な材料であれば特に制限されることはない。さらに、如何なる成膜装置を使用しても良い。
次に、基板101の裏面の全面に裏面保護膜109を形成する。そして、ドライエッチング等を用いて、裏面保護膜の一部を除去して、エッチングホールを形成する。その後、例えばアルカリエッチングを施して、基板101の裏面側から支持膜103に至るように、基板101および基板保護膜102の一部を除去することにより、キャビティ110を形成する。このキャビティ110は、支持膜103の上にある発熱抵抗体104が形成されている領域の下部に対応して形成されている。これにより、発熱抵抗体104が、支持膜103に支持された状態で、キャビティ110の上方に形成され、ダイヤフラム構造111が構築される。
ここでは、例えば、KOH、TMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)、NaOH、等が、エッチャントとして使用される。
本実施の形態3によれば、発熱抵抗体104と平坦化膜107との界面に介在する、発熱抵抗体104の金属表面に形成された酸化膜301が、バリア機能を有するため、酸化膜301が発熱抵抗体104と平坦化膜107との物理的な接触を抑え、高温環境下における発熱抵抗体104のシリサイド化を抑制することができる。また、発熱抵抗体104の表面を表面改質することにより発熱抵抗体104の表面に酸化膜を形成することで、新たな膜の追加が不要となる。
発熱抵抗体104の表面を改質し形成した酸化膜により、発熱抵抗体104と平坦化膜107との界面で起こるシリサイド化が抑制されることで、発熱抵抗体104の、シリサイド化に起因する抵抗値変動を、減少させることができ、従って、流量センサの出力特性の長期的信頼性を一層向上させることができる。
以上より、本実施の形態3における熱式流量検出センサは、従来よりも、低コスト化・小型化を行う際に、シリサイド化に伴う抵抗値変動を抑制する熱式流量センサを提供することが可能となる。
実施の形態4.
以下、本実施の形態4を図4によって、前述の実施の形態1から実施の形態3と異なる部分を主体に説明し、実施の形態1から実施の形態3と同一あるいは相当する部分についての説明は割愛する。図4は、図5のE−P線における断面を矢印の方向に見た、本実施の形態4の熱式検出センサの要部の一例を示す断面図である。
例えば、前述の実施の形態1では、熱式流量検出センサの全面に成膜したバリア膜106を備えた熱式流量センサとしているが、本実施の形態4では、発熱抵抗体104のシリサイド化を抑制する構造として、発熱抵抗体104の側壁(両側の壁面)のみを覆うサイドウォール401の構造としている。サイドウォール401の構造とすることで、前述の実施の形態1と同様に、高温環境下における発熱抵抗体104のシリサイド化に伴う発熱抵抗体104の抵抗値変動を抑止することができる。
ここで、発熱抵抗体104の側壁(両側の壁面)のみを覆うサイドウォールの構造とは、図4に例示のサイドウォール(側壁)の構造である。つまり、実施の形態1および2は、図1および図2に例示のように、バリア膜106が、支持膜103の上面の発熱抵抗体104との界面領域を除く他の全領域を覆う構造である。この図1および図2に例示の構造に対し、本実施の形態4においては、図4に例示のように、サイドウォール401が、支持膜103の上面の発熱抵抗体104との界面領域および当該界面領域の極く近傍の領域を除く他の全領域を覆わない構造であり、且つ、サイドウォール401が、発熱抵抗体104と平坦化膜107との接触を遮るように、発熱抵抗体104の側壁と第一保護膜105の側壁とを覆う構造である。
なお、他の構成は前述の実施の形態1と同様に構成されている。
なお、本実施の形態4において、第一保護膜105を設けることなく、サイドウォール401を延在して、当該延在部分で発熱抵抗体104の天面を覆うことにより、当該延在部分により発熱抵抗体104の天面と平坦化膜107との接触を遮るように構成してもよい。
つぎに、本実施の形態4にかかる流量検出センサの製造方法について説明する。
図4において、基板101 は、例えば厚さ約4 0 0μm のシリコンウェハからなり、この基板101上に、酸化膜からなる基板保護膜102が形成されている。この基板保護膜102上に、例えば前述のPECVD装置を用いて、厚さ約1μm の窒化ケイ素(SiN)からなる絶縁性の支持膜103を形成する。以下、窒化ケイ素をSiNと記載する。
ここで、支持膜103をSiリーンとなるように成膜することで、発熱抵抗体104のシリサイド化による発熱抵抗体104の抵抗値上昇、の抑制効果が高まる。Siリーンな膜とは、本実施の形態の例では、屈折率が2.25未満のSiN膜である。
ここで、支持膜103は絶縁膜として機能し、シリサイド化を抑制する絶縁材料であればよく、支持膜103の材料は、特に制限されることはない。絶縁膜として機能し、シリサイド化を抑制する支持膜103の絶縁材料としては、SiリーンなSiN、MgO、Al、前述のDLC、等が挙げられる。支持膜103がシリサイド化を抑制する絶縁膜となるように成膜することで、発熱抵抗体である金属とSiとのシリサイド化を抑制する。
また、支持膜103の成膜方法に関しても、支持膜103は上記要件を満たす膜であればよく、如何なる成膜装置を使用しても良い。
さらに、支持膜103の上に、例えば、前述のPVD装置を用いて、厚さ約0.1〜1μmのチタン(Ti)よりなる発熱抵抗膜(感熱抵抗)を堆積する。
しかしながら、発熱抵抗膜は測温抵抗体として用いることが可能であり、Siと反応する金属材料であれば特に制限されることはない。
発熱抵抗体104として用いることができ、Siと反応する金属材料とは、例えば、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、アルミ(Al)、等が挙げられる。
また、成膜方法に関しては、上記要件を満たす膜の成膜方法であればよく、如何なる成膜装置を使用してもよい。さらに、発熱抵抗膜の膜厚、すなわち発熱抵抗体104の厚み、を制限するものはない。
さらに、発熱抵抗膜の上に、例えば前述のPECVD装置を用い、SiNからなる第一保護膜105を形成する。
ここで、第一保護膜105を、Siリーンとなるように成膜することで、発熱抵抗体104のシリサイド化による発熱抵抗体104の抵抗値上昇、の抑制効果が高まる。Siリーンな膜とは、本実施の形態の例では、屈折率が2.25未満のSiN膜である。
ここで、第一保護膜105は、絶縁膜として機能し、シリサイド化を抑制する絶縁材料であればよく、第一保護膜105の材料は、特に制限されることはない。絶縁膜として機能し、シリサイド化を抑制する絶縁材料としては、例えば、SiリーンなSiN、MgO、Al、前述のDLC、等が挙げられる。第一保護膜105を、シリサイド化を抑制する絶縁膜となるように成膜することで、発熱抵抗体104である金属とSiとのシリサイド化を抑制する。
また、第一保護膜105の成膜方法に関しても、第一保護膜105は上記要件を満たす膜であればよく、如何なる成膜装置を使用してもよい。
そして、発熱抵抗体104であるチタン(Ti)膜と、支持膜103および第一保護膜105であるSiリーンなSiN膜とが成膜された基板101に、600℃〜750℃の熱処理を施す。
発熱抵抗体104である発熱抵抗膜および第一保護膜105の形成に関しては、ウェットエッチング法あるいはドライエッチング法等を用いてパターニングが行われ、これにより発熱抵抗体104からなる配線が形成される。
ついで、第一保護膜105が被覆された発熱抵抗体104および電流路を覆うように、支持膜103の表面の全面に、例えば前述のPECVD装置を用いて、厚さ0.1μm以上のSiNを形成する。
そして、ドライエッチにより、RIE法(反応性イオンエッチング)の異方性エッチングを行って、エッチバックし、サイドウォール401を形成する。
ここで、サイドウォール401は、発熱抵抗体104と、後工程で形成され平坦化膜107とを分離することが可能である。サイドウォール401を、Siリーンとなるように、成膜することにより、発熱抵抗体104のシリサイド化による発熱抵抗体104の抵抗値上昇の抑制効果が高まる。Siリーンな膜とは、本実施の形態の例では、屈折率が2.25未満のSiN膜である。
ここで、サイドウォール401は、発熱抵抗体104と、後工程で形成する平坦化膜107とを分離することが可能である。また、サイドウォール401は、シリサイド化を抑制する絶縁材料であればよく、サイドウォール401の材料は、特に制限されることはない。発熱抵抗体104とSOGからなる平坦化膜107との物理的な接触を遮り、シリサイド化を抑制あるいは防止するサイドウォール401の絶縁材料としては、例えば、SiリーンなSiN、MgO、Al、DLC、等が挙げられる。サイドウォール401を、シリサイド化を抑制あるいは防止する絶縁膜となるように、成膜することで、発熱抵抗体104である金属とSiとのシリサイド化を抑制あるいは防止する。
また、サイドウォール401の成膜方法に関しても上記要件を満たす膜であればよく、如何なる成膜装置を使用してもよい。
以降の工程は、実施の形態1及び実施の形態2と同様に実施することができる。
この製造方法によると、平坦化膜の形成前にサイドウォール401の形成を実施する。発熱抵抗体104で生じる図示段差あるいは凹凸に起因する、外力による応力集中は第二保護膜108の最表面で起こる。そのため、サイドウォール401は、外力による応力集中の影響を受けにくく、クラックは発生しない。
このような本実施の形態4における発熱抵抗体104の側壁のみを覆うサイドウォール401についても、前述の実施の形態1と同じ効果があることは言うまでもない。
さらに、サイドウォール401が発熱抵抗体104の側壁のみを覆うことで、バリア膜106(実施の形態1および2を参照)の応力の影響を受けない。したがって、材料の選定などのデバイス設計の自由度が上がる。
次いで、図9を用いて、発熱抵抗体104の抵抗値変動(ドリフト)抑制の評価を行った結果について説明する。
本願の試験サンプルは、本願の実施の形態1の流量検出センサをサンプルとした。
一方、本願の試験サンプルと比較するための従来品の比較例として、図7に示すように、発熱抵抗体104の天面に第一保護膜105を形成し、バリア膜は形成せずに、発熱抵抗体104である金属と平坦化膜107とが接触している流量検出センサを比較例サンプル−1とした。
また、本願の試験サンプルと比較するための従来品の比較例として、図8に示すように、バリア膜及び第一保護膜を形成せず、発熱抵抗体104である金属と平坦化膜107とが接触している流量検出センサを比較例サンプル−2とした。
ここで、試験サンプル、比較例サンプル−1、比較例サンプル−2の各材料の膜厚は基板保護膜102を500nm、支持膜103を1.6μm、発熱抵抗体104の膜厚を200nm、第一保護膜105を100nm、バリア膜106を100nm、平坦化膜107を180nm、第二保護膜108を1.6μmとして形成した。
このように作製した三種類のサンプルの抵抗値を、所定の環境条件下で、すなわち一定温度で且つ一定速度の被検出流体の中に各サンプルを設置した状態で、測定した。
三仕様の試験サンプルの主たる構成部材は次の通りである。
本願の試験サンプル:バリア膜あり、第一保護膜あり、シリサイド層601なし、
比較例サンプル−1:バリア膜なし、第一保護膜あり、シリサイド層601あり、
比較例サンプル−2:バリア膜なし、第一保護膜なし、シリサイド層601あり、
なお、長期的な信頼性を確認するために、前述の所定の環境条件における一定温度は、実際の使用温度より高温とした高温試験を行った。
発熱抵抗体104の抵抗値の測定時点は、図9における横軸に例示のように、試験前(経過時間0)、及び試験開始後の経過時間50hr、100hr、250hr、350hrの4ポイントとした。
図9における縦軸は、発熱抵抗体104の抵抗値変動(ドリフト)を示すΔR/R[%]としてある。ここで、Rは、試験前(経過時間0)における発熱抵抗体104の抵抗値であり、ΔRは、試験開始後の発熱抵抗体104の抵抗値と試験前(経過時間0)における発熱抵抗体104の抵抗値との偏差である。
試験前の抵抗値からの変化率を比較した結果、図9に示すように、比較例サンプル−1及び比較例サンプル−2では抵抗値が0.1%以上変化していたが、本実施の形態1における試験サンプルにおいては、抵抗値はほとんど変わらなかった。
これにより、比較例サンプル−1及び比較例サンプル−2では発熱抵抗体である金属と平坦化膜とが接触しているために、前述の試験環境下で発熱抵抗体のシリサイド化が起こり、発熱抵抗体の抵抗値が上昇したことを確認できた。
さらに、比較例サンプル−1と比較例サンプル−2とを比較すると発熱抵抗体と平坦化膜の接触面積の広い比較例サンプル−2の方が発熱抵抗体の抵抗値上昇が高いことから、発熱抵抗体の抵抗値の上昇は発熱抵抗体と平坦化膜との接触面積に関係していることが示される。
すなわち、本実施の形態1における試験サンプルにおいては、発熱抵抗体と平坦化膜との界面にバリア膜を成膜することにより、発熱抵抗体である金属と平坦化膜の接触を遮ることにより、発熱抵抗体のシリサイド化に伴う発熱抵抗体の抵抗値変化を抑制することができることを確認できた。
以上の本願の各実施の形態においては、ダイヤフラム構造を有する熱式流量センサを例として説明したが、本願の各実施の形態に何ら限定されるものではなく、金属からなる発熱抵抗体と平坦化膜との組み合わせからなる流量センサであれば、同様に適用することができ、その場合も、前述の各実施の形態の効果と同様の効果がある。
また、プロセス装置およびプロセス条件を適宜変更することも可能である。
なお、本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
なお、各図中、同一符合は同一または相当部分を示す。
101 基板、102 基板保護膜、103 支持膜、104 発熱抵抗体、
105 第一保護膜、106 バリア膜、107 平坦化膜、108 第二保護膜、
109 裏面保護膜、110 キャビティ、111 ダイヤフラム構造、
301 酸化膜、401 サイドウォール、601 シリサイド層。
本願に開示される熱式検出センサは、
絶縁性の支持膜、前記支持膜の上に設けられた金属からなる発熱抵抗体、および前記発熱抵抗体を覆うように形成され前記支持膜と前記発熱抵抗体との間の段差を被検出流体の側の自己の表面で平坦化するSOGからなる平坦化膜を備え、前記平坦化膜を介した前記被検出流体と前記発熱抵抗体との熱交換による前記発熱抵抗体から前記被検出流体への熱伝達量に基づいて、前記被検出流体の流れ状態を検出する熱式検出センサにおいて、
前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との間に、前記発熱抵抗体の外周面および前記被検出流体の側の天面を覆い前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との物理的な接触を遮るバリア膜を備え、前記バリア膜および前記支持膜がいずれも、2.25未満の屈折率を有する窒化ケイ素で形成され、前記バリア膜によって、前記発熱抵抗体のシリサイド化による前記発熱抵抗体の電気抵抗の変動を抑えることを特徴とする熱式検出センサであり、
また、絶縁性の支持膜、前記支持膜の上に設けられた金属からなる発熱抵抗体、および前記発熱抵抗体を覆うように形成され前記支持膜と前記発熱抵抗体との間の段差を被検出流体の側の自己の表面で平坦化するSOGからなる平坦化膜を備え、前記平坦化膜を介した前記被検出流体と前記発熱抵抗体との熱交換による前記発熱抵抗体から前記被検出流体への熱伝達量に基づいて、前記被検出流体の流れ状態を検出する熱式検出センサにおいて、
前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との間に、前記発熱抵抗体の表面の改質により、前記発熱抵抗体の前記被検出流体の側の天面および周面に形成された酸化膜の層を備え、前記支持膜が、2.25未満の屈折率を有する窒化ケイ素で形成され、前記酸化膜の層によって、前記発熱抵抗体のシリサイド化による前記発熱抵抗体の電気抵抗の変動を抑えることを特徴とする熱式検出センサであり、
また、絶縁性の支持膜、前記支持膜の上に設けられた金属からなる発熱抵抗体、および前記発熱抵抗体を覆うように形成され前記支持膜と前記発熱抵抗体との間の段差を被検出流体側の自己の表面で平坦化するSOGからなる平坦化膜を備え、前記平坦化膜を介した前記被検出流体と前記発熱抵抗体との熱交換による前記発熱抵抗体から前記被検出流体への熱伝達量に基づいて、前記被検出流体の流れ状態を検出する熱式検出センサにおいて、
前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との間に、前記発熱抵抗体の側壁を覆い前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との物理的接触を遮るサイドウォールを備え、前記サイドウォールによって、前記発熱抵抗体のシリサイド化による前記発熱抵抗体の電気抵抗の変動を抑えることを特徴とする熱式検出センサである。
本願に開示される熱式検出センサでは、絶縁性の支持膜、前記支持膜の上に設けられた金属からなる発熱抵抗体、および前記発熱抵抗体を覆うように形成され前記支持膜と前記発熱抵抗体との間の段差を被検出流体側の自己の表面で平坦化するSOGからなる平坦化膜を備え、前記平坦化膜を介した前記被検出流体と前記発熱抵抗体との熱交換による前記発熱抵抗体から前記被検出流体への熱伝達量に基づいて、前記被検出流体の流れ状態を検出する熱式検出センサにおいて、
前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との間に、前記発熱抵抗体の外周面および前記被検出流体の側の天面を覆い前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との物理的な接触を遮るバリア膜を備え、前記バリア膜および前記支持膜がいずれも、2.25未満の屈折率を有する窒化ケイ素で形成され、前記バリア膜によって、前記発熱抵抗体のシリサイド化による前記発熱抵抗体の電気抵抗の変動を抑えるので、
また、前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との間に、前記発熱抵抗体の表面の改質により、前記発熱抵抗体の前記被検出流体の側の天面および周面に形成された酸化膜の層を備え、前記支持膜が、2.25未満の屈折率を有する窒化ケイ素で形成され、前記酸化膜の層によって、前記発熱抵抗体のシリサイド化による前記発熱抵抗体の電気抵抗の変動を抑えるので、
また、前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との間に、前記発熱抵抗体の側壁を覆い前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との物理的接触を遮るサイドウォールを備え、前記サイドウォールによって、前記発熱抵抗体のシリサイド化による前記発熱抵抗体の電気抵抗の変動を抑えるので、
被検出流体の流れ状態の熱式検出センサにおいて、熱式検出センサの信頼性を維持して小型化および高精度化の少なくとも一方を図ることを可能にすることができる。

Claims (8)

  1. 絶縁性の支持膜、前記支持膜の上に設けられた金属からなる発熱抵抗体、および前記発熱抵抗体を覆うように形成され前記支持膜と前記発熱抵抗体との間の段差を被検出流体の側の自己の表面で平坦化するSOGからなる平坦化膜を備え、前記平坦化膜を介した前記被検出流体と前記発熱抵抗体との熱交換による前記発熱抵抗体から前記被検出流体への熱伝達量に基づいて、前記被検出流体の流れ状態を検出する熱式検出センサにおいて、
    前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との間に、前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との物理的な接触を遮るバリア膜を備え、前記バリア膜によって、前記発熱抵抗体のシリサイド化による前記発熱抵抗体の電気抵抗の変動を抑える
    ことを特徴とする熱式検出センサ。
  2. 前記バリア膜の材料が、前記支持膜の材料と同一である
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱式検出センサ。
  3. 前記バリア膜の応力が、前記支持膜の応力と同一である
    ことを特徴とする請求項2に記載の熱式検出センサ。
  4. 前記バリア膜および前記支持膜がいずれも、2.25未満の屈折率を有する窒化ケイ素で形成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の熱式検出センサ。
  5. 絶縁性の支持膜、前記支持膜の上に設けられた金属からなる発熱抵抗体、および前記発熱抵抗体を覆うように形成され前記支持膜と前記発熱抵抗体との間の段差を被検出流体の側の自己の表面で平坦化するSOGからなる平坦化膜を備え、前記平坦化膜を介した前記被検出流体と前記発熱抵抗体との熱交換による前記発熱抵抗体から前記被検出流体への熱伝達量に基づいて、前記被検出流体の流れ状態を検出する熱式検出センサにおいて、
    前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との間に、前記発熱抵抗体の表面の改質により形成された酸化膜の層を備え、前記酸化膜の層によって、前記発熱抵抗体のシリサイド化による前記発熱抵抗体の電気抵抗の変動を抑える
    ことを特徴とする熱式検出センサ。
  6. 前記支持膜が2.25未満の屈折率を有する窒化ケイ素で形成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の熱式検出センサ。
  7. 絶縁性の支持膜、前記支持膜の上に設けられた金属からなる発熱抵抗体、および前記発熱抵抗体を覆うように形成され前記支持膜と前記発熱抵抗体との間の段差を被検出流体の側の自己の表面で平坦化するSOGからなる平坦化膜を備え、前記平坦化膜を介した前記被検出流体と前記発熱抵抗体との熱交換による前記発熱抵抗体から前記被検出流体への熱伝達量に基づいて、前記被検出流体の流れ状態を検出する熱式検出センサにおいて、
    前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との間に、前記発熱抵抗体の側壁を覆い前記発熱抵抗体と前記平坦化膜との物理的接触を遮るサイドウォールを備え、前記サイドウォールによって、前記発熱抵抗体のシリサイド化による前記発熱抵抗体の電気抵抗の変動を抑える
    ことを特徴とする熱式検出センサ。
  8. 前記支持膜が2.25未満の屈折率を有する窒化ケイ素で形成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の熱式検出センサ。
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