JPH0829226A - 熱式半導体フローセンサ及びその製造方法 - Google Patents

熱式半導体フローセンサ及びその製造方法

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JPH0829226A
JPH0829226A JP6168067A JP16806794A JPH0829226A JP H0829226 A JPH0829226 A JP H0829226A JP 6168067 A JP6168067 A JP 6168067A JP 16806794 A JP16806794 A JP 16806794A JP H0829226 A JPH0829226 A JP H0829226A
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JP
Japan
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film
heater wire
silicon substrate
flow sensor
detection
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JP6168067A
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English (en)
Inventor
Norihiro Konda
徳大 根田
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Tokyo Gas Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1個のセンサで4桁以上に亙る広い範囲の流
速を計測し得ると共に、電力の消費も少なく、単純かつ
超小型構造を有し、安価な製造コストで大量生産され得
る熱式半導体フローセンサを提供することである。 【構成】 半導体微細加工技術を用いてシリコン基板1
0上に一体的に形成された検出手段を含む熱式半導体フ
ローセンサであって、該検出手段が互いに異なる熱容量
を有するように互いに隣接して形成され、それぞれヒー
タ線を有する複数個の検出部分1a,1b,1c(2
a,2b,2cまたは3a,3b,3c)を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は熱式フローセンサに係
り、特に、広い測定レンジを有する超小型の熱式半導体
フローセンサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】検出部分として電源に接続された単一の
熱線(ヒータ線)をシリコン等の半導体基板上に設置
し、流体によって奪われる該熱線の熱量が流体の流量に
依存して変化することを利用した熱式の半導体フローセ
ンサが、既に従来技術として存在する。この半導体フロ
ーセンサは、比較的容易に製造することができ、しかも
小型であって、電力の消費が少なく、処理回路等の他の
電気回路との接続が容易である等の利点を有するので、
流速や流量の計測に広く用いられている。
【0003】一般に、熱式フローセンサの測定レンジは
検出部分の単位接触面積当たりの熱容量(以下、これを
単に熱容量と言う)の値に大きく影響される。熱容量の
小さい検出部分を用いた熱式フローセンサの場合、低流
速を測定することができる反面、流速の増大に伴う出力
の飽和が早いので、高流速を測定することはできない。
一方、熱容量の大きい検出部分を用いた熱式フローセン
サの場合、高流速を測定することができる反面、低流速
を検出することができない。半導体基板と検出部分との
間の熱絶縁性を高めて熱損失を減らしたり、熱線(ヒー
タ線)の加熱温度を上げたりすることによってセンサの
感度を向上させ、測定レンジをある程度拡大することは
可能であるが、それでも従来の熱式半導体フローセンサ
1個による測定レンジは高々3桁である。
【0004】以上述べた理由から、広い測定レンジ(4
桁以上)を有する熱式フローセンサ(または流速計、流
量計)を得るためには、検出部分に設置されるヒータ線
の性能(熱容量に関する物性)を改良させる以外の工夫
が必要になることがわかる。
【0005】該工夫の一例として、特開昭57−104
14号公報に開示された熱式流量計がある。これによれ
ば、主導管に流れる気体が複数段に設けた分流管にそれ
ぞれ分流され、各分流管に設けられた熱式フローセンサ
からの出力を演算することによって主導管に流れる気体
の流量が決定される。つまり、複数段に分流することに
よって熱式フローセンサの測定レンジが広げられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術から明ら
かなように、4桁以上の広い測定レンジを有する熱式フ
ローセンサを得るには、半導体フローセンサの場合に
は、センサ本体として用いられているヒータ線の物性を
改良することができるか、または好適な新物質が発見さ
れるか、が不可欠である。しかし、現状では両方とも非
常に困難な問題である。一方、特開昭57−10414
号公報に開示された熱式流量計の場合には、複数段にわ
たる分流管を設ける必要があるので、流量計全体を小型
にすることが困難である。その上、構造が複雑で、安価
にかつ大量に生産することは不可能である。さらに、各
分流管毎に熱線を設置するので、電力の消費も多くな
る。
【0007】本発明は従来技術における上記問題点を解
決するために為されたもので、その目的とするところ
は、1つのセンサで4桁以上に亙る広い範囲の流速を計
測することができると共に、電力の消費も少なく、単純
かつ小型構造を有し、安価な製造コストで大量生産され
得る熱式半導体フローセンサとその製造方法とを提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の熱式半導体フローセンサの主なる態様によ
れば、半導体微細加工技術を用いてシリコン基板上に一
体的に形成された検出手段を含む熱式半導体フローセン
サにおいて、前記検出手段が、互いに異なる熱容量を有
するように互いに隣接して形成された複数個の検出部分
を備えることを特徴とする熱式半導体フローセンサが提
供される。
【0009】本発明の熱式半導体フローセンサの第2態
様によれば、上記主なる態様に記載の複数個の検出部分
が、前記シリコン基板との間のそれぞれの熱絶縁性を互
いに変えることによって、互いに異なる熱容量を有する
ように形成されていることを特徴とする熱式半導体フロ
ーセンサが提供される。
【0010】本発明の熱式半導体フローセンサの第3態
様によれば、上記主なる態様に記載の複数個の検出部分
の各々が、ヒータ線とその被覆膜とで構成され、それぞ
れの被覆膜の厚さを変えることによって互いに異なる熱
容量を有するように形成されていることを特徴とする熱
式半導体フローセンサが提供される。
【0011】本発明の熱式半導体フローセンサの第4態
様によれば、上記主なる態様に記載の複数個の検出部分
の各々が、ヒータ線とその被覆膜とで構成され、それぞ
れのヒータ線の材質および/または被覆膜の厚さを変え
ることによって互いに異なる熱容量を有するように形成
されていることを特徴とする熱式半導体フローセンサが
提供される。
【0012】前記主なる態様から第3態様までに記載の
複数個の検出部分の各々は、Pt、Au、Cu、Al、
W、Ni、Cr、FeNiからなるグループの中から選
ばれる1つか、ポリシリコンか、またはサーミスタ材料
によって作られたヒータ線を含む。
【0013】前記第4態様に記載のヒータ線は、少なく
とも一組ずつ互いにその材質を異ならせるように、P
t、Au、Cu、Al、Cr、Ni、W、FeNi、ポ
リシリコンならびにサーミスタ材料の中から適宜選ばれ
た組み合わせからなる。
【0014】さらに、本発明の製造方法の第1態様によ
れば、シリコン基板の上面全体に絶縁膜を半導体微細加
工技術を用いて成膜した後、複数箇所の検出部分の形成
位置に対応する複数箇所の絶縁膜を残し、他の部分の絶
縁膜をエッチングを施して除去することと、残された複
数箇所の絶縁膜を含むシリコン基板の上面全体に、ヒー
タ線膜を蒸着、スパッタリングまたはCVD技術を用い
て成膜した後、前記各絶縁膜上のそれぞれ所定の幅を有
するヒータ線膜だけを残して他の部分のヒータ線膜を除
去するように、エッチングを施すことと、複数箇所のヒ
ータ線膜を含むシリコン基板の上下両面全体に半導体微
細加工技術を用いて前記保護膜材料からなるマスキング
を兼ねた保護膜を成膜した後、各ヒータ線膜の上面部分
と後述する異方性エッチングを施さない所定部分との保
護膜だけを残して他の部分の保護膜をエッチングによっ
て除去することと、前記保護膜が除去された部分に異方
性エッチングを施し、これにより、1つの検出部分の下
方のシリコン基板にはその上下両面から異方性エッチン
グを施すことによって上下に貫通する空間が形成され、
もう1つの検出部分の下方のシリコン基板にはその上面
のみから異方性エッチングを施すことによって上向き凹
部が形成され、さらにもう1つの検出部分の下方のシリ
コン基板にはその下面のみから異方性エッチングを施す
ことによって該検出部分とシリコン基板との接触部分が
残されるように下向き凹部が形成されること、の各ステ
ップを含むことを特徴とする熱式半導体フローセンサの
製造方法が提供される。
【0015】また、本発明の製造方法の第2態様によれ
ば、シリコン基板の上面全体に絶縁膜を半導体微細加工
技術を用いて成膜した後、複数箇所の検出部分の形成位
置に対応する複数箇所の絶縁膜を残し、他の部分の絶縁
膜をエッチングを施して除去することと、残された複数
箇所の絶縁膜を含むシリコン基板の上面全体に、ヒータ
線膜を蒸着、スパッタリングまたはCVD技術を用いて
成膜した後、前記各絶縁膜上のそれぞれ所定の幅を有す
るヒータ線膜だけを残して他の部分のヒータ線膜を除去
するように、エッチングを施すことと、各ヒータ線膜の
初期成膜保護膜として半導体微細加工技術を用いてシリ
コン基板の上面全体に薄膜を形成した後、エッチングを
施すことによって前記各ヒータ線膜の上面部分の初期成
膜保護膜だけを残し、他の部分の初期成膜保護膜を除去
することと、所定の検出部分に形成されたヒータ線膜の
中間成膜被覆として半導体微細加工技術を用いてシリコ
ン基板の上面全体に薄膜を形成した後、エッチングを施
すことによって前記所定の検出部分に形成されたヒータ
線膜の上面部分に形成された中間成膜被覆膜だけを残
し、他の部分の中間成膜被覆膜を除去することと、ヒー
タ線膜の最終成膜被覆膜として半導体微細加工技術を用
いて前記シリコン基板の上面全体に薄膜を形成した後、
エッチングを施すことによって前記中間成膜被覆膜を有
するヒータ線膜の中の少なくとも1つのヒータ線膜の上
面部分と後述する異方性エッチングを施さない部分とだ
けに最終成膜被覆膜を残し、他の部分の最終成膜被覆膜
を除去することと、すべての前記検出部分にそれぞれ対
応する部分の前記シリコン基板にその上下両面から異方
性エッチングを施すことによって前記シリコン基板を上
下に貫通する空間を形成すること、の各ステップを含む
ことを特徴とする熱式半導体フローセンサの製造方法が
提供される。
【0016】
【作用】本発明の熱式半導体フローセンサは、互いに熱
容量の異なる複数個の検出部分が半導体微細加工技術を
用いて一つのシリコン基板上に一体的にかつ互いに隣接
して形成されているので、広い測定レンジを有してい
る。従って、種々の流速の測定が最適の測定レンジを有
する検出部分を選択的に用いて行われ得る。また、切り
替え加熱方式を併用することによって、流速に適した測
定レンジを有する検出部分だけを作動させることができ
るようになり、消費電力を低く抑えることができる。
【0017】
【実施例】以下、添付の図面に関連して本発明の幾つか
の好ましい実施例を説明する。
【0018】図1は本発明の第1実施例を示す概略断面
図である。この第1実施例は、半導体微細加工技術を用
いてシリコン基板10上に形成されたヒータ線H1を含
む複数個の第1,第2,第3検出部分1a,1b,1c
とシリコン基板10との間の各熱絶縁性をそれぞれ変え
ることによって第1乃至第3検出部分の熱容量が互いに
異なるものになるように、各々の検出部分1a,1b,
1cの下部に相当するシリコン基板10の形状を変化さ
せている。
【0019】すなわち、図1に向かって左側に示されて
いる第1検出部分1aの下部のシリコン基板10には、
その上下両面から異方性エッチングが施されて上下方向
に貫通する空間4が形成されており、第1検出部分1a
はその両端に位置する支持部(図示せず)を除いてシリ
コン基板10と接触は勿論のこと隣接さえもしていない
ので、高い熱絶縁性を有する。従って、第1検出部分1
aは比較的小さな熱容量を有し、微流速から低流速の測
定に用いられる。
【0020】続いて、図1に向かって右側に示されてい
る第3検出部分1cの下部のシリコン基板10には、そ
の下面から異方性エッチングが施されて所定深さの下向
き凹部6が形成されており、第3検出部分1cはその全
下面でシリコン基板10と接触しているので、熱絶縁性
は低くなっている。従って、この第3検出部分1cは比
較的大きな熱容量を有し、高流速の測定に用いられる。
【0021】そして、図1において中央に示されている
第2検出部分1bの下部のシリコン基板10には、その
上面から異方性エッチングが施されて所定深さの上向き
凹部5が形成されており、第2検出部分1bはその両端
に位置する支持部(図示せず)を除いてシリコン基板1
0と接触していないので、第1および第3検出部分1
a,1cの両熱絶縁性のほぼ中間の熱絶縁性を有する。
従って、第2検出部分1bの熱容量もほぼ中間の値とな
り、上記低流速および高流速の間に相当する中間流速の
測定用として用いられる。
【0022】なお、上記第1実施例における各検出部分
1a,1b,1cにおけるヒータ線H1は、例えばP
t、Au、Cu、Al、Ni、Cr、W、FeNiの中
から選ばれる1つの金属か、ポリシリコンか、あるいは
サーミスタ材料で作られており、また好適には酸化を防
止するために酸化シリコン、窒化シリコンまたはCVD
ダイヤモンドからなる保護膜13で覆われている。
【0023】図2は本発明の第2実施例を示す概略断面
図であり、この第2実施例によれば、半導体微細加工技
術を用いてシリコン基板10上に形成された複数個の第
1,第2,第3検出部分2a,2b,2cの保護膜13
を含む被覆膜14または15の厚さをそれぞれ変えるこ
とによって、第1乃至第3検出部分がそれぞれの熱容量
に関して互いに異なるように形成される。
【0024】すなわち、図2に向かって最も左側に示さ
れている第1検出部分2aの被覆膜13は最初に成膜さ
れたもの(初期成膜保護膜)だけが残され、その後から
成膜された被覆膜はエッチングを施すことによってすべ
て取り除かれた薄膜である。従って、第1検出部分2a
は熱容量が比較的小さく、微流速から低流速の測定に用
いられる。
【0025】続いて、図2の中央に示されている第2検
出部分2bの被覆膜14は、少なくとも2回目に成膜さ
れたもの(中間成膜被覆膜)までが残され、その後に成
膜された被覆膜はエッチングを施すことによって取り除
かれた中間の厚さを有する。従って、第2検出部分2b
の熱容量は、前記第1検出部分2aと後述する第3検出
部分2cとの中間に相当する値となり、低流速と高流速
との間の流速を測定するのに好適である。
【0026】そして、図2に向かって最も右側に示され
ている第3検出部分2cの被覆膜15は最終回に成膜さ
れたもの(最終成膜被覆膜)まで含む比較的厚い膜にな
っている。従って、この第3検出部分2cは比較的大き
な熱容量を有し、高流速の測定に用いられる。
【0027】なお、上記第2実施例における各検出部分
2a,2b,2cの下部の各シリコン基板部分には、そ
れらの上下両面から異方性エッチングが施されてそれぞ
れ貫通空間4が形成されている。
【0028】また、各検出部分2a,2b,2cにおけ
るそれぞれのヒータ線H2は、例えばPt、Au、C
u、Al、W、Ni、Cr、FeNiの中から選ばれる
1つの金属か、ポリシリコンか、あるいはサーミスタ材
料で作られている。一方、保護膜13は第1実施例と同
様に酸化シリコン、窒化シリコンまたはCVDダイヤモ
ンドを半導体微細加工技術を用いて成膜したものであ
リ、保護膜13以外の被覆膜14または15は上記各ヒ
ータ線材料および保護膜材料ならびに銀等から適宜選ば
れ得る。
【0029】次に、図3は本発明の第3実施例を示す概
略断面図であり、第1から第3検出部分3a,3b,3
cの熱容量を互いに異ならせるために、ヒータ線H3の
材質および/またはその被覆膜13,14または15の
厚さを変えている。
【0030】すなわち、図3に向かって最も左側に示さ
れている第1検出部分3aは初回の成膜による保護膜1
3だけで覆われた例えばPtのような金属からなるヒー
タ線H3を有しているので、この第1検出部分3aは熱
容量が比較的小さく、微流速から低流速の測定に用いら
れる。
【0031】一方、図3に向かって最も右側に示されて
いる第3検出部分3cは酸化防止用として例えばTEO
S−SiO2 の保護膜15で包まれたポリシリコンから
なるヒータ線H4を有しているので、第3検出部分3c
は比較的大きな熱容量を有し、高流速の測定に好適に用
いられる。
【0032】また、図3の中央に示されている第2検出
部分3bは、該第2検出部分3bの熱容量が上記第1お
よび第3検出部分3a,3cの各熱容量の中間になるよ
うに、初回に成膜されたヒータ線H3の保護膜13の上
に所定の厚さの追加被覆膜14がさらに成膜されてい
る。従って、低流速および高流速の間の中間流速の測定
に好適に用いられる。
【0033】なお、上記第3実施例における各検出部分
3a,3b,3cの下部の各シリコン基板部分には、そ
れらの上下両面から異方性エッチングが施されてそれぞ
れ貫通空間4が形成されている。
【0034】また、第3実施例における第1および第2
ならびに第3検出部分3a,3b,3cにおけるヒータ
線H3およびH4の材料は、少なくとも1組のヒータ線
がPtの他にAu、Cu、Al、W、Ni、Cr、Fe
Niのような金属は勿論のこと、ポリシリコンおよびサ
ーミスタ材料の中から互いに異なるように適宜選ばれた
組み合わせとして用いられている。
【0035】さらに、前述の第1および第2実施例に用
いられた各検出部分1a,1b,1cおよび2a,2
b,2cの金属製ヒータ線H1およびH2をすべて同一
規格かつ同一サイズのポリシリコン製またはサーミスタ
材料製のものに取り替えることにより、さらに高レンジ
側にシフトした3種類の流速測定用の熱式半導体フロー
センサが得られる。敢えて図示しないが、これも本発明
の実施例の範疇に入ることは言うまでもない。
【0036】なおまた、上記各実施例における各検出部
分には電源および制御回路ならびに処理回路(いずれも
図示せず)が接続される。応答時間としては、シリコン
基板10を貫通除去させた部分で数十ms以下になる。
【0037】本発明による熱式半導体フローセンサの使
用例として、最初に中間流速測定用の検出部分1b,2
bまたは3bのヒータ線が通電され、その端子電圧があ
る規定範囲に入っていればそれを出力させ、規定範囲外
であれば中間流速測定用の検出部分への通電を停止し、
低流速測定用検出部分1a,2aまたは3aあるいは高
流速測定用の検出部分1c,2cまたは3cのヒータ線
に通電して、その端子電圧を出力させる。このような作
動をさせる切替回路を用いることによって、1本だけの
ヒータ線を有するセンサと同程度の消費電力(常時通電
測定の場合で数十ミリワット)に抑えることができる。
【0038】次に、図4および図5にそれぞれ示される
各製造プロセスチャートを参照しながら上記第1および
第2実施例の製造プロセスを順に説明する。なお、第3
実施例の製造プロセスは図5に示される第2実施例のも
のと類似するのでその説明を省略する。
【0039】まず、図4に関連して第1実施例の製造プ
ロセスが説明される。
【0040】図4の(a)では、シリコン基板10の上
面全体に絶縁膜としての酸化シリコンまたは窒化シリコ
ンの薄膜11が半導体微細加工技術を用いて成膜され
る。その後、前記第1から第3までの検出部分の形成位
置に対応する複数(3)箇所の絶縁膜11を残し、他の
部分の絶縁膜11はエッチングを施して除去する。
【0041】図4の(b)では、残された3箇所の絶縁
膜11を含むシリコン基板10の上面全体に、例えばP
tからなるヒータ線膜12が蒸着、スパッタリングまた
はCVD技術を用いて成膜され、その後、各絶縁膜11
上のそれぞれ所定の幅を有するヒータ線膜12だけが残
されて他の部分のヒータ線膜12は除去されるように、
エッチングが施される。
【0042】続いて、図4の(c)に示されるように、
3箇所のヒータ線膜12を含むシリコン基板10の上下
両面全体に半導体微細加工技術を用いて前記保護膜材料
からなるマスキングを兼ねた保護膜13が成膜された
後、各ヒータ線膜12の上面と後述する異方性エッチン
グを施さない部分との保護膜13だけを残して他の部分
の保護膜13はエッチングによって除去される。
【0043】そして、図4の(d)では、保護膜13が
除去された部分に例えばTMAH溶液を用いて約70℃
で異方性エッチングが施される。これにより、図4から
明らかなように、第1検出部分1aの下方のシリコン基
板10にはその上下両面から異方性エッチングが施さ
れ、上下に貫通する空間4が形成される。また、第2検
出部分1bの下方のシリコン基板10にはその上面のみ
から異方性エッチングが施され、上向き凹部5が形成さ
れる。さらに、第3検出部分1cの下方のシリコン基板
10にはその下面のみから異方性エッチングが施され、
その結果、第3検出部分1cとシリコン基板10との接
触部分が残され、その下方に下向き凹部6が形成され
る。
【0044】次に、図5を参照して上記第2実施例の製
造プロセスが説明される。ただし、図5の(A)および
(B)の各プロセスは前述の図4の(a)および(b)
とそれぞれ同じであるので、重複を避けるためにそれら
の説明は省略する。
【0045】図5の(C)においては、各ヒータ線膜1
2の初期成膜保護膜13として前述の保護膜材料からな
る薄膜が半導体微細加工技術を用いてシリコン基板10
の上面全体に形成される。その後、エッチングが施され
て、各ヒータ線膜12の上面部分の初期成膜保護膜13
だけが残されて、他の部分の初期成膜保護膜13は除去
される。
【0046】図5の(D)では、各ヒータ線膜12の前
述の被覆膜材料からなる薄膜が中間成膜被覆14として
半導体微細加工技術を用いてシリコン基板10の上面全
体に形成される。その後、エッチングが施されて、第2
および第3検出部分2bおよび2cに位置する各ヒータ
線膜12の上面部分の中間成膜被覆膜14だけが残され
て、他の部分の中間成膜被覆膜14は除去される。
【0047】図5の(E)では、各ヒータ線膜12の最
終成膜被覆膜15として前述の被覆膜材料からなる薄膜
が半導体微細加工技術を用いてシリコン基板10の上面
全体に形成される。その後、エッチングが施されて、第
3検出部分2cに位置するヒータ線膜12の上面部分と
後述する異方性エッチングを施さない部分とだけに最終
成膜被覆膜15が残されて、他の部分の最終成膜被覆膜
15は除去される。
【0048】そして、図5の(F)では、第1,第2,
第3のすべての検出部分2a,2b,2cにそれぞれ対
応する部分のシリコン基板10がその上下面から例えば
TMAH溶液を用いて約70℃で異方性エッチングが施
される。これにより、図5の(F)から明らかなよう
に、異方性エッチングが施されたすべての部分は上下に
貫通する空間4が同じように形成される。
【0049】以上の説明は単に本発明の好適な実施例の
例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはな
い。
【0050】
【発明の効果】本発明の熱式半導体フローセンサは、互
いに熱容量の異なる複数個の検出部分が半導体微細加工
技術を用いて一つのシリコン基板上に一体的にかつ互い
に隣接して形成されているので、広い測定レンジを有し
ている。従って、種々の流速の検出が最適の測定レンジ
を有する検出部分を選択的に用いて行われ得る。
【0051】また、切り替え加熱方式を併用することに
よって、流速に適した測定レンジを有する検出部分だけ
を作動させることができるようになり、消費電力を低く
抑えることができる。
【0052】さらに、単純な構造を有しているので、半
導体微細加工技術を用いて安価な製造コストで大量生産
され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す概略断面図である。
【図4】図1図示の第1実施例の製造プロセスチャート
である。
【図5】図2図示の第2実施例の製造プロセスチャート
である。
【符号の説明】
1a,2a,3a 第1検出部分 1b,2b,3b 第2検出部分 1c,2c,3c 第3検出部分 4 貫通空間 5 上向き凹部 6 下向き凹部 10 シリコン基板 11 絶縁膜 12 ヒータ線膜 13 初期成膜保護膜 14 中間成膜被覆膜 15 最終成膜被覆膜 H1,H2,H3,H4 ヒータ線

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体微細加工技術を用いてシリコン基
    板上に一体的に形成された検出手段を含む熱式半導体フ
    ローセンサにおいて、前記検出手段が、互いに異なる熱
    容量を有するように互いに隣接して形成された複数個の
    検出部分からなることを特徴とする熱式半導体フローセ
    ンサ。
  2. 【請求項2】 前記複数個の検出部分が、前記シリコン
    基板との間のそれぞれの熱絶縁性を互いに変えることに
    よって、互いに異なる熱容量を有するように形成されて
    いることを特徴とする請求項1記載の熱式半導体フロー
    センサ。
  3. 【請求項3】 前記複数個の検出部分の各々が、ヒータ
    線とその被覆膜とによって構成され、それぞれの被覆膜
    の厚さを変えることによって互いに異なる熱容量を有す
    るように形成されていることを特徴とする請求項1記載
    の熱式半導体フローセンサ。
  4. 【請求項4】 前記複数個の検出部分の各々が、ヒータ
    線とその被覆膜とによって構成され、それぞれのヒータ
    線の材質および/または被覆膜の厚さを変えることによ
    って互いに異なる熱容量を有するように形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の熱式半導体フローセン
    サ。
  5. 【請求項5】 前記複数個の検出部分の各々がPt、A
    u、Cu、Al、Cr、Ni、W、FeNiからなるグ
    ループの中から選ばれる1つによって作られたヒータ線
    を含むことを特徴とする請求項1から3までのいずれか
    1項記載の熱式半導体フローセンサ。
  6. 【請求項6】 前記複数個の検出部分の各々がポリシリ
    コンによって作られたヒータ線を含むことを特徴とする
    請求項1から3までのいずれか1項記載の熱式半導体フ
    ローセンサ。
  7. 【請求項7】 前記複数個の検出部分の各々がサーミス
    タ材料によって作られたヒータ線を含むことを特徴とす
    る請求項1から3までのいずれか1項記載の熱式半導体
    フローセンサ。
  8. 【請求項8】 前記それぞれのヒータ線が少なくとも一
    組ずつ互いにその材質を異ならせるように、Pt、A
    u、Cu、Al、Cr、Ni、W、FeNi、ポリシリ
    コンならびにサーミスタ材料の中から適宜選ばれた組み
    合わせからなることを特徴とする請求項4に記載の熱式
    半導体フローセンサ。
  9. 【請求項9】 シリコン基板の上面全体に絶縁膜を半導
    体微細加工技術を用いて成膜した後、複数箇所の検出部
    分の形成位置に対応する複数箇所の絶縁膜を残し、他の
    部分の絶縁膜をエッチングを施して除去することと、 残された複数箇所の絶縁膜を含むシリコン基板の上面全
    体に、ヒータ線膜を蒸着、スパッタリングまたはCVD
    技術を用いて成膜した後、前記各絶縁膜上のそれぞれ所
    定の幅を有するヒータ線膜だけを残して他の部分のヒー
    タ線膜を除去するように、エッチングを施すことと、 複数箇所のヒータ線膜を含むシリコン基板の上下両面全
    体に半導体微細加工技術を用いて前記保護膜材料からな
    るマスキングを兼ねた保護膜を成膜した後、各ヒータ線
    膜の上面部分と後述する異方性エッチングを施さない所
    定部分との保護膜だけを残して他の部分の保護膜をエッ
    チングによって除去することと、 前記保護膜が除去された部分に異方性エッチングを施
    し、これにより、1つの検出部分の下方のシリコン基板
    にはその上下両面から異方性エッチングを施すことによ
    って上下に貫通する空間が形成され、もう1つの検出部
    分の下方のシリコン基板にはその上面のみから異方性エ
    ッチングを施すことによって上向き凹部が形成され、さ
    らにもう1つの検出部分の下方のシリコン基板にはその
    下面のみから異方性エッチングを施すことによって該検
    出部分とシリコン基板との接触部分が残されるように下
    向き凹部が形成されること、 の各ステップを含むことを特徴とする熱式半導体フロー
    センサの製造方法。
  10. 【請求項10】 シリコン基板の上面全体に絶縁膜を半
    導体微細加工技術を用いて成膜した後、複数箇所の検出
    部分の形成位置に対応する複数箇所の絶縁膜を残し、他
    の部分の絶縁膜をエッチングを施して除去することと、 残された複数箇所の絶縁膜を含むシリコン基板の上面全
    体に、ヒータ線膜を蒸着、スパッタリングまたはCVD
    技術を用いて成膜した後、前記各絶縁膜上のそれぞれ所
    定の幅を有するヒータ線膜だけを残して他の部分のヒー
    タ線膜を除去するように、エッチングを施すことと、 各ヒータ線膜の初期成膜保護膜として半導体微細加工技
    術を用いてシリコン基板の上面全体に薄膜を形成した
    後、エッチングを施すことによって前記各ヒータ線膜の
    上面部分の初期成膜保護膜だけを残し、他の部分の初期
    成膜保護膜を除去することと、 所定の検出部分に形成されたヒータ線膜の中間成膜被覆
    膜として半導体微細加工技術を用いてシリコン基板の上
    面全体に薄膜を形成した後、エッチングを施すことによ
    って前記所定の検出部分に形成されたヒータ線膜の上面
    部分に形成された中間成膜被覆膜だけを残し、他の部分
    の中間成膜被覆膜を除去することと、 ヒータ線膜の最終成膜被覆膜として半導体微細加工技術
    を用いて前記シリコン基板の上面全体に薄膜を形成した
    後、エッチングを施すことによって前記中間成膜被覆膜
    を有するヒータ線膜の中の少なくとも1つのヒータ線膜
    の上面部分と後述する異方性エッチングを施さない部分
    とだけに最終成膜被覆膜を残し、他の部分の最終成膜被
    覆膜を除去することと、 すべての前記検出部分にそれぞれ対応する部分の前記シ
    リコン基板にその上下両面から異方性エッチングを施す
    ことによって前記シリコン基板を上下に貫通する空間を
    形成すること、の各ステップを含むことを特徴とする熱
    式半導体フローセンサの製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008516252A (ja) * 2005-09-20 2008-05-15 ビ−エイイ− システムズ パブリック リミテッド カンパニ− センサー装置
JP2008528794A (ja) * 2005-01-25 2008-07-31 ウデノラ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ 拡大された活性膜表面を有する電解セル
US7426857B2 (en) 2006-05-15 2008-09-23 Mitsubishi Electric Corporation Flow detector element of thermosensible flow sensor
JP2011069677A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Hitachi Automotive Systems Ltd 発熱抵抗式空気流量測定装置
CN102749473A (zh) * 2012-06-30 2012-10-24 东南大学 一种二维热膜风速风向传感器及其制备方法
JP2015521371A (ja) * 2012-04-27 2015-07-27 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated マルチゾーン加熱を有する基板支持体のための方法および装置

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