JP2019142834A - プレガバリン並びに好適な賦形剤を含有する固形製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】プレガバリンの化学的な安定性が改善された其の固形製剤を製造するための技術的手段を提供すること。【解決手段】プレガバリン並びに糖アルコール又はシクロデキストリンである賦形剤を含有し、プレガバリン100.0重量部に対して前記賦形剤が40.0〜180.0重量部の低比率で含有され、固形製剤全重量に対して前記賦形剤が25.0重量%以上の高割合で含有される、固形製剤を提供する。当該固形製剤は、マンニトール、エリスリトール及びイソマルトから選択される糖アルコールを含むことが望ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、原薬としてプレガバリンを含有する製剤に関するものであり、其の保存条件下における原薬の化学的な安定性を改善するための詳細な方法を開示するものである。
プレガバリン(一般名)は、化学名が(3S)−3−アミノメチル−5−メチルヘキサン酸と記される、γ−アミノ酪酸(GABA)の誘導体である。プレガバリンは、神経障害性疼痛、線維筋痛症に伴う疼痛の治療に有用な薬剤である。(非特許文献1等参考)。
現在、プレガバリンはカプセル剤又は口腔内崩壊錠の剤形で日本国内の医療現場に提供されている。プレガバリンを含有する製剤の処方や製造方法は、以下の特許文献1〜8等で紹介されている。特許文献1の実施例27ではプレガバリン、高割合のポビドン、コポリビドン及び低割合のマンニトールを含む錠剤が記載され、特許文献2の実施例ではプレガバリン、低割合のマンニトール及び微結晶セルロースを含む錠剤が記載され、特許文献3の実施例ではプレガバリン及び乳糖水和物を含む錠剤等が記載され、特許文献4の実施例ではプレガバリンに対して高比率の量のマンニトールを含む錠剤が記載される。
本発明者は、上記の先行文献に対して、製剤中に含まれるプレガバリンの化学的な安定性を改善する新たな技術の開発を目指して検討を重ねた。
「リリカ(登録商標) カプセル OD錠 25mg・75mg・150mg」医薬品インタビューフォーム 2017年6月改訂(第10版)
本発明は、プレガバリンの化学的な安定性等が改善された其の固形製剤を製造するための技術的手段を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、プレガバリンに対して或る一定比率の範囲で且つ製剤全重量に対して或る一定割合の範囲で特定の賦形剤を含む製剤である場合には、プレガバリンの化学的な安定性が顕著に優れていることを見出した。本発明者はその知見に基づいて更に鋭意検討を重ね、下記の本発明を完成するに至った。
本発明の好ましい構成は以下(1)〜(8)において記述されるものである。
(1)プレガバリン並びに糖アルコール又はシクロデキストリンである賦形剤を含有し、プレガバリン100.0重量部に対して当該賦形剤が40.0〜180.0重量部の低比率で含有され、固形製剤全重量に対して当該賦形剤が25.0重量%以上の高割合で含有される、固形製剤。
(2)プレガバリン100.0重量部に対して前記賦形剤が50.0〜160.0重量部の低比率で含有される、前記(1)に記載の固形製剤。
(3)糖アルコールである前記賦形剤を含有する、前記(1)又は(2)に記載の固形製剤。
(4)糖アルコールである前記賦形剤がマンニトール、エリスリトール及びイソマルトから選択される、前記(3)に記載の固形製剤。
(5)糖アルコールである前記賦形剤がマンニトールである、前記(3)に記載の固形製剤。
(6)崩壊剤を含有し、当該崩壊剤がクロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム及びカルボキシメチルスターチナトリウムから選択される、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の固形製剤。
(7)剤形が錠剤又はカプセル剤(主にペレット等の充填物を指す。)である、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の固形製剤。
(8)プレガバリンと前記賦形剤を混合する工程を含む、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の固形製剤を製造する方法。
(1)プレガバリン並びに糖アルコール又はシクロデキストリンである賦形剤を含有し、プレガバリン100.0重量部に対して当該賦形剤が40.0〜180.0重量部の低比率で含有され、固形製剤全重量に対して当該賦形剤が25.0重量%以上の高割合で含有される、固形製剤。
(2)プレガバリン100.0重量部に対して前記賦形剤が50.0〜160.0重量部の低比率で含有される、前記(1)に記載の固形製剤。
(3)糖アルコールである前記賦形剤を含有する、前記(1)又は(2)に記載の固形製剤。
(4)糖アルコールである前記賦形剤がマンニトール、エリスリトール及びイソマルトから選択される、前記(3)に記載の固形製剤。
(5)糖アルコールである前記賦形剤がマンニトールである、前記(3)に記載の固形製剤。
(6)崩壊剤を含有し、当該崩壊剤がクロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム及びカルボキシメチルスターチナトリウムから選択される、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の固形製剤。
(7)剤形が錠剤又はカプセル剤(主にペレット等の充填物を指す。)である、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の固形製剤。
(8)プレガバリンと前記賦形剤を混合する工程を含む、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の固形製剤を製造する方法。
本発明は、プレガバリンの化学的な安定性等が改善された其の固形製剤を製造するための技術的手段を提供することを目的とするものである。
以下で本発明の、プレガバリン及び特定の賦形剤を含有する固形製剤の処方及び其の製造方法を詳細に説明する。但し、以下の記載は本発明を説明するための例示であり、本発明の技術的範囲をこの記載範囲にのみ限定する趣旨ではない。
<原薬>
本発明の固形製剤は原薬としてプレガバリンを含有するものであり、好ましくは、他の原薬を含まない、単剤である。プレガバリンのメディアン径(d50)は5.0〜100.0μmであることが好ましい。プレガバリンは、必要に応じて適宜乾式又は湿式粉砕を行い、任意の粒子径に調整することも可能である。尚、メディアン径はレーザー回析・散乱法によって測定(体積基準)することが可能である。プレガバリンは固形製剤{望ましくは素錠(フィルムコーティング層で覆われていない錠剤を指す。以下同じ。)}の全重量に対して20.0〜50.0重量%、好ましくは25.0〜40.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。1錠あたりのプレガバリンの含量は25mg、75mg又は150mgであることが望ましい。
本発明の固形製剤は原薬としてプレガバリンを含有するものであり、好ましくは、他の原薬を含まない、単剤である。プレガバリンのメディアン径(d50)は5.0〜100.0μmであることが好ましい。プレガバリンは、必要に応じて適宜乾式又は湿式粉砕を行い、任意の粒子径に調整することも可能である。尚、メディアン径はレーザー回析・散乱法によって測定(体積基準)することが可能である。プレガバリンは固形製剤{望ましくは素錠(フィルムコーティング層で覆われていない錠剤を指す。以下同じ。)}の全重量に対して20.0〜50.0重量%、好ましくは25.0〜40.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。1錠あたりのプレガバリンの含量は25mg、75mg又は150mgであることが望ましい。
<固形製剤の形態>
本発明の固形製剤の剤形は、医療現場に提供される上で、カプセル剤又は錠剤としてあることが好ましく、より好ましくは錠剤であり、特に好ましくは口腔内崩壊錠である。口腔内崩壊錠とは、口腔内に存在する唾液のみによって其の崩壊並びに嚥下が可能なもの(=水なしで服用可能なもの)として患者に提供して服用される錠剤であり、口腔内での崩壊時間については60秒未満(より好ましくは40秒未満で、更により好ましくは30秒未満)であることが望ましい。口腔内での崩壊時間は、例えば、錠剤を舌の上に乗せて唾液を浸潤させた際に其の崩壊にかかる時間を測定して求めたり、口腔内崩壊錠測定装置(例:トリコープテスタ/岡田精工株式会社製)を用いて試験液:水(37℃)、滴下速度:6mL/分の条件下における錠剤が崩壊する時間を測定して求めてもよく、本発明が属する分野の当業者が口腔内での崩壊時間を求めるために一般的に用いる方法・条件によって求めることが可能である。本発明の錠剤は、打錠等により圧縮成形した素錠のまま、或いはコーティング剤を含むフィルムコーティング層で素錠を被覆してフィルムコーティング錠とした上で医療現場に提供される。本発明の錠剤の形状は、円形錠、円形R錠、円形隅角錠、円形2段R錠や異形錠(楕円錠等)等のいずれの形状でもよい。
本発明の固形製剤の剤形は、医療現場に提供される上で、カプセル剤又は錠剤としてあることが好ましく、より好ましくは錠剤であり、特に好ましくは口腔内崩壊錠である。口腔内崩壊錠とは、口腔内に存在する唾液のみによって其の崩壊並びに嚥下が可能なもの(=水なしで服用可能なもの)として患者に提供して服用される錠剤であり、口腔内での崩壊時間については60秒未満(より好ましくは40秒未満で、更により好ましくは30秒未満)であることが望ましい。口腔内での崩壊時間は、例えば、錠剤を舌の上に乗せて唾液を浸潤させた際に其の崩壊にかかる時間を測定して求めたり、口腔内崩壊錠測定装置(例:トリコープテスタ/岡田精工株式会社製)を用いて試験液:水(37℃)、滴下速度:6mL/分の条件下における錠剤が崩壊する時間を測定して求めてもよく、本発明が属する分野の当業者が口腔内での崩壊時間を求めるために一般的に用いる方法・条件によって求めることが可能である。本発明の錠剤は、打錠等により圧縮成形した素錠のまま、或いはコーティング剤を含むフィルムコーティング層で素錠を被覆してフィルムコーティング錠とした上で医療現場に提供される。本発明の錠剤の形状は、円形錠、円形R錠、円形隅角錠、円形2段R錠や異形錠(楕円錠等)等のいずれの形状でもよい。
<特定の賦形剤>
本発明の固形製剤は、好適な特定の賦形剤を含有する。前記の特定の賦形剤として具体的には、糖アルコール又はシクロデキストリンが挙げられ、好ましくはマンニトール、エリスリトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、キシリトール、グリセリンから選択され、より好ましくはマンニトール、エリスリトール、イソマルトから選択され、更により好ましくはマンニトール又はエリスリトールから選択され、最も好ましくはマンニトールである。前記の特定の賦形剤は、プレガバリン100.0重量部に対して、40.0〜180.0重量部、好ましくは50.0〜160.0重量部、より好ましくは80.0〜140.0重量部、更により好ましくは100.0〜140.0重量部の範囲で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有され、且つ、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して25.0重量%以上、好ましくは35.0〜60.0重量%、より好ましくは40.0〜50.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。
尚、本発明の固形製剤に不適な賦形剤として、まず乳糖水和物、トレハロース、結晶セルロース、トウモロコシデンプンが挙げられ、更には無水乳糖、乳糖水和物、トレハロース、結晶セルロース、デンプン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプンまで挙げられる。本発明の固形製剤はこれらの賦形剤をなるべく含まないことが望ましい。
本発明の固形製剤は、好適な特定の賦形剤を含有する。前記の特定の賦形剤として具体的には、糖アルコール又はシクロデキストリンが挙げられ、好ましくはマンニトール、エリスリトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、キシリトール、グリセリンから選択され、より好ましくはマンニトール、エリスリトール、イソマルトから選択され、更により好ましくはマンニトール又はエリスリトールから選択され、最も好ましくはマンニトールである。前記の特定の賦形剤は、プレガバリン100.0重量部に対して、40.0〜180.0重量部、好ましくは50.0〜160.0重量部、より好ましくは80.0〜140.0重量部、更により好ましくは100.0〜140.0重量部の範囲で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有され、且つ、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して25.0重量%以上、好ましくは35.0〜60.0重量%、より好ましくは40.0〜50.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。
尚、本発明の固形製剤に不適な賦形剤として、まず乳糖水和物、トレハロース、結晶セルロース、トウモロコシデンプンが挙げられ、更には無水乳糖、乳糖水和物、トレハロース、結晶セルロース、デンプン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプンまで挙げられる。本発明の固形製剤はこれらの賦形剤をなるべく含まないことが望ましい。
本発明の固形製剤を製造するためには、一般的に使用されている結合剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤等の添加剤も使用することができる。尚、本明細書において、各種添加剤(賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等)の語句の解釈は其々、製剤化において其の添加剤としての役割を発揮することが必須に期待されて使用されるもので結果的にも其の添加剤としての役割が発揮されたもの、と解することが好ましい。また当然であるが、本明細書における添加剤の語句の解釈において原薬が含まれることはない。
結合剤として、具体的にはヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、メチルセルロース、ポビドン、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリエチレングリコール、メタクリル酸コポリマー、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液等を挙げる事ができ、好ましくはヒドロキシプロピルセルロース又はポリビニルアルコールである。上記の結合剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは0.1〜5.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。
崩壊剤として、具体的には低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン等を挙げる事ができ、好ましくはクロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム又はカルボキシメチルスターチナトリウムであり、最も好ましくはクロスポビドンである。崩壊剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは2.0〜15.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。
滑沢剤として、具体的には軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、グリセリン脂肪酸エステル、硬化油等を挙げる事ができる。滑沢剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは0.1〜5.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。
コーティング剤として、具体的にはヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、メタクリル酸コポリマー、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、タルク等を挙げる事ができる。コーティング剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは2.0〜10.0重量%の範囲内で錠剤中に含有される。
遮光剤として、具体的には酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄、褐色酸化鉄、食用黄色4号、食用黄色5号、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号等を挙げる事ができる。遮光剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは0.2重量%以上の範囲で錠剤中に含有される。遮光剤はフィルムコーティング層に含まれることが好ましい。フィルムコーティング層100.0重量部に対して遮光剤は、好ましくは3.0〜10.0重量部の範囲内でフィルムコーティング層中に含有される。
本発明の固形製剤は、プレガバリンを含む顆粒を含有するものであることが好ましい。当該顆粒は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは30.0〜99.0重量%の範囲で錠剤中に含有される。
本発明の錠剤は、一般的な製造方法によって作成することが可能であり、例えば以下の製造方法によって作成することが可能である。
まず、原薬及び低融点物質等を攪拌しながら加温することで溶融造粒を行い、造粒物を製造する。そして、得られた造粒物を整粒した後に、賦形剤及び滑沢剤等と混合して打錠機によって圧縮成形して錠剤(素錠)とする。本発明の素錠を打錠して製造する際の打圧は、好ましくは600〜1400kgfの範囲内の任意の数値から選ばれる。
まず、原薬及び低融点物質等を攪拌しながら加温することで溶融造粒を行い、造粒物を製造する。そして、得られた造粒物を整粒した後に、賦形剤及び滑沢剤等と混合して打錠機によって圧縮成形して錠剤(素錠)とする。本発明の素錠を打錠して製造する際の打圧は、好ましくは600〜1400kgfの範囲内の任意の数値から選ばれる。
また、包装用シートとアルミ箔等で錠剤を挟んで覆い、加熱シールすることで、本発明の錠剤を含むPTPシート製品を得ることは可能である。其の包装用シートに使用される具体的な素材としては、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等が挙げられる。尚、湿度に対する本発明の錠剤の安定性を改善するためには、乾燥機能を有した素材を用いてPTPシート製品を製造したり、PTPシート製品をアルミピロー包装したり、乾燥剤を錠剤と共に瓶に封入する等の周知の方法を行うことが可能である。
以下に実施例等により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。以下の実施例1〜6、比較例1〜4に記載の医薬組成物の製造において、プレガバリンは事前にその粒子径分布がd10=8.0、d50=44.8、d90=152.7{レーザー回析・散乱法によって測定(体積基準)}であるものを使用した。尚、接頭辞に約を付してある整数は小数点以下を四捨五入して得られたものである。
プレガバリン0.5gと、D−マンニトール0.5gをポリ袋で混合し、粉末状の医薬組成物を得た。
プレガバリン0.5gと、エリスリトール0.5gをポリ袋で混合し、粉末状の医薬組成物を得た。
プレガバリン0.5gと、イソマルト0.5gをポリ袋で混合し、粉末状の医薬組成物を得た。
プレガバリン0.5gと、シクロデキストリン0.5gをポリ袋で混合し、粉末状の医薬組成物を得た。
[比較例1]
プレガバリン0.5gと、乳糖水和物0.5gをポリ袋で混合し、粉末状の医薬組成物を得た。
プレガバリン0.5gと、乳糖水和物0.5gをポリ袋で混合し、粉末状の医薬組成物を得た。
[比較例2]
プレガバリン0.5gと、トレハロース0.5gをポリ袋で混合し、粉末状の医薬組成物を得た。
プレガバリン0.5gと、トレハロース0.5gをポリ袋で混合し、粉末状の医薬組成物を得た。
[比較例3]
プレガバリン0.5gと、微結晶セルロース0.5gをポリ袋で混合し、粉末状の医薬組成物を得た。
プレガバリン0.5gと、微結晶セルロース0.5gをポリ袋で混合し、粉末状の医薬組成物を得た。
[比較例4]
プレガバリン0.5gと、トウモロコシデンプン0.5gをポリ袋で混合し、粉末状の医薬組成物を得た。
プレガバリン0.5gと、トウモロコシデンプン0.5gをポリ袋で混合し、粉末状の医薬組成物を得た。
[試験例1]
実施例1〜4及び比較例1〜4の各医薬組成物を、製造直後及び、温度50℃相対湿度75%の開放条件下で17日間保存した後に、プレガバリン由来の総類縁体の生成量{プレガバリン及び当該総類縁体の全体量に対する割合(%)で示す。}を測定した。其の測定は高速液体クロマトグラフィー法(定量方法は面積百分率法を使用した。)によって行った。上記の測定結果を基に、各条件下で保存した前後の総類縁体の増加量(%)を求めた結果(小数点第3位以下は四捨五入した。)は下記の表1に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜4の各医薬組成物を、製造直後及び、温度50℃相対湿度75%の開放条件下で17日間保存した後に、プレガバリン由来の総類縁体の生成量{プレガバリン及び当該総類縁体の全体量に対する割合(%)で示す。}を測定した。其の測定は高速液体クロマトグラフィー法(定量方法は面積百分率法を使用した。)によって行った。上記の測定結果を基に、各条件下で保存した前後の総類縁体の増加量(%)を求めた結果(小数点第3位以下は四捨五入した。)は下記の表1に示す。
表1より、D−マンニトール、エリスリトール、イソマルト等の糖アルコール又はシクロデキストリンを含む本発明に係る実施例の医薬組成物は、乳糖水和物、トレハロース、微結晶セルロース又はトウモロコシデンプンを含む比較例の医薬組成物に対して、顕著にプレガバリン由来の総類縁体の生成量が保存後に低く、優れた品質をもつことが示された。
プレガバリン、及びモノステアリン酸グリセリンの粉末を撹拌造粒機に投入し、加温・攪拌した後に冷却して溶融造粒物を得た。
当該溶融造粒物及びマンニトール/トウモロコシデンプン造粒物(マンニトール:トウモロコシデンプン=約8:約2)をポリエチレン製の袋にて混合した後、更にステアリン酸マグネシウムを加えて混合して混合物を得た。この混合物を打錠し、1錠質量が200.0mgの錠剤を得た。尚、原薬並びに各添加剤は、当該錠剤が下記表2に示す処方となるような量で上記製造に用いた。
当該溶融造粒物及びマンニトール/トウモロコシデンプン造粒物(マンニトール:トウモロコシデンプン=約8:約2)をポリエチレン製の袋にて混合した後、更にステアリン酸マグネシウムを加えて混合して混合物を得た。この混合物を打錠し、1錠質量が200.0mgの錠剤を得た。尚、原薬並びに各添加剤は、当該錠剤が下記表2に示す処方となるような量で上記製造に用いた。
プレガバリン、モノステアリン酸グリセリン及びスクラロースの粉末を撹拌造粒機に投入し、加温・攪拌した後に冷却して溶融造粒物を得た。
当該溶融造粒物、マンニトール造粒物、マンニトール/トウモロコシデンプン造粒物(マンニトール:トウモロコシデンプン=約8:約2)、微結晶セルロース及びクロスポビドンをポリエチレン製の袋にて混合した後、更にステアリン酸マグネシウムを加えて混合して混合物を得た。この混合物を打錠し、1錠質量が420.0mgの口腔内崩壊錠を得た。尚、原薬並びに各添加剤は、当該錠剤が下記表2に示す処方となるような量で上記製造に用いた。
当該溶融造粒物、マンニトール造粒物、マンニトール/トウモロコシデンプン造粒物(マンニトール:トウモロコシデンプン=約8:約2)、微結晶セルロース及びクロスポビドンをポリエチレン製の袋にて混合した後、更にステアリン酸マグネシウムを加えて混合して混合物を得た。この混合物を打錠し、1錠質量が420.0mgの口腔内崩壊錠を得た。尚、原薬並びに各添加剤は、当該錠剤が下記表2に示す処方となるような量で上記製造に用いた。
[試験例2]
実施例5の錠剤を製造直後及び50℃相対湿度75%開放条件下で7日間保存した後で、実施例6の錠剤を製造直後及び40℃相対湿度75%開放条件下で11日間保存した後で、プレガバリン由来の主要な分解産物であるラクタム体の生成量{プレガバリン及び其の総類縁体の全体量に対する割合(%)で示す。}を測定した。其の測定は高速液体クロマトグラフィー法(定量方法は面積百分率法を使用した。)によって行った。上記の測定結果を基に、保存前後における総類縁体の増加量を求めた結果(小数点第3位以下は四捨五入した。)は下記の表3に示す。
実施例5の錠剤を製造直後及び50℃相対湿度75%開放条件下で7日間保存した後で、実施例6の錠剤を製造直後及び40℃相対湿度75%開放条件下で11日間保存した後で、プレガバリン由来の主要な分解産物であるラクタム体の生成量{プレガバリン及び其の総類縁体の全体量に対する割合(%)で示す。}を測定した。其の測定は高速液体クロマトグラフィー法(定量方法は面積百分率法を使用した。)によって行った。上記の測定結果を基に、保存前後における総類縁体の増加量を求めた結果(小数点第3位以下は四捨五入した。)は下記の表3に示す。
表3より、本発明に係る錠剤(実施例5)や口腔内崩壊錠(実施例6)は、プレガバリン由来のラクタム体の生成量が保存後に十分に低く、優れた品質をもつことが確認された。
本発明は、製剤中のプレガバリンの過酷な保存条件下における化学的な安定性が顕著に改善された効果を有しているため、高品質なプレガバリンを含有する固形製剤を製造して、医療現場に提供することを可能にする。
Claims (8)
- プレガバリン並びに糖アルコール又はシクロデキストリンである賦形剤を含有し、プレガバリン100.0重量部に対して当該賦形剤が40.0〜180.0重量部の低比率で含有され、固形製剤全重量に対して当該賦形剤が25.0重量%以上の高割合で含有される、固形製剤。
- プレガバリン100.0重量部に対して前記賦形剤が50.0〜160.0重量部の低比率で含有される、請求項1に記載の固形製剤。
- 糖アルコールである前記賦形剤を含有する、請求項1又は2に記載の固形製剤。
- 糖アルコールである前記賦形剤がマンニトール、エリスリトール及びイソマルトから選択される、請求項3に記載の固形製剤。
- 糖アルコールである前記賦形剤がマンニトールである、請求項3に記載の固形製剤。
- 崩壊剤を含有し、当該崩壊剤がクロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム及びカルボキシメチルスターチナトリウムから選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の固形製剤。
- 剤形が口腔内崩壊錠である、請求項1〜6のいずれかに記載の固形製剤。
- プレガバリンと前記賦形剤を混合する工程を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の固形製剤を製造する方法。
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