JP2019089758A - セレコキシブ含有錠剤における溶出性の改善方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】原薬の溶出性を改善した、セレコキシブを含有する錠剤を製造するための有用な技術的手段を提供すること。【解決手段】セレコキシブ及びマンニトールである賦形剤又はクロスポビドンである崩壊剤を含有する錠剤を提供する。若しくは、セレコキシブ及び特定量以上の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有する錠剤を提供しても良い。上記各錠剤において、セレコキシブは錠剤の全重量に対して45.0〜75.0重量%含有されていることが望ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、水に対する溶解性が乏しいセレコキシブを原薬(薬物)として含有する錠剤に関するものであり、当該原薬の溶出性を改善することが期待されるものである。
セレコキシブは、関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎等の消炎・鎮痛に用いられる非ステロイド性化合物であり、セレコキシブを含有する薬剤は世界各国で広く発売されている(非特許文献1等参考)。
セレコキシブは現在、錠剤の形状で医療現場に提供されている。セレコキシブを含有する製剤の処方や製造方法については、下記の特許文献1〜4等の文献で紹介されている。特許文献1の実施例1では多孔質セレコキシブマトリックスが、特許文献2ではセレコキシブ及びポリビニルピロリドンを含有するカプセル剤(例1、2、13、14、17、18)又は錠剤(例3、4)が、特許文献3ではセレコキシブとポリビニルピロリドン(実施例1)又はヒドロキシプロピルメチルセルロース(実施例4)を含有する混合物が、特許文献4の実施形態ではセレコキシブを含むコート組成物を含有するカプセル剤が記載される。
尚、セレコキシブは水に対する溶解性が乏しいことが知られる。そのためセレコキシブ含有製剤においては薬効を有効に発現させるための速やかな薬物の溶出性を保証する製剤技術は特に重要なものとなっている。本発明者は新たな当該技術を開発することを目指した。
尚、セレコキシブは水に対する溶解性が乏しいことが知られる。そのためセレコキシブ含有製剤においては薬効を有効に発現させるための速やかな薬物の溶出性を保証する製剤技術は特に重要なものとなっている。本発明者は新たな当該技術を開発することを目指した。
「セレコックス(登録商標)錠100mg、セレコックス(登録商標)錠200mg」医薬品インタビューフォーム 2016年5月改訂(第12版)
本発明は、原薬の溶出速度を向上させた、セレコキシブを含有する錠剤を製造するための有用な技術的手段を提供するものである。
本発明者は、上記の課題を解決するためにセレコキシブを含有する錠剤の処方や製造方法を鋭意検討した結果、マンニトールやクロスポビドンを含有する錠剤にて溶出性が改善されることを見出した。また、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを特定量範囲含有することでも溶出性が改善されることを見出した。本発明者は上記の知見に基づいて更に鋭意検討を重ねて、下記の発明を完成させるに至った。
本発明の好適な形態は以下(1)〜(8)において記述される錠剤(特に円形の錠剤)である。
(1)セレコキシブ、及びマンニトールである賦形剤を含有する錠剤。
(2)マンニトールを錠剤の全重量に対して5.0重量%以上含有する、前記(1)に記載の錠剤
(3)セレコキシブ、及びクロスポビドンである崩壊剤を含有する錠剤。
(4)クロスポビドンを錠剤の全重量に対して5.0重量%以上含有する、前記(3)に記載の錠剤。
(5)セレコキシブ、及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである崩壊剤を錠剤の全重量に対して15.0重量%以上含有する錠剤。
(6)セレコキシブ、マンニトールである賦形剤、クロスポビドンである崩壊剤及び錠剤の全重量に対して15.0重量%以上の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである崩壊剤を含有する錠剤。
(7)セレコキシブを錠剤の全重量に対して45.0〜75.0重量%含有する、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の錠剤(特にセレコキシブ200mgを含有する錠剤)。
(8)セレコキシブ、賦形剤及び崩壊剤の混合末に対して、界面活性剤及び結合剤を含有する溶液を滴下又は噴霧して湿式造粒する工程を介する、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の錠剤の製造方法。
(1)セレコキシブ、及びマンニトールである賦形剤を含有する錠剤。
(2)マンニトールを錠剤の全重量に対して5.0重量%以上含有する、前記(1)に記載の錠剤
(3)セレコキシブ、及びクロスポビドンである崩壊剤を含有する錠剤。
(4)クロスポビドンを錠剤の全重量に対して5.0重量%以上含有する、前記(3)に記載の錠剤。
(5)セレコキシブ、及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである崩壊剤を錠剤の全重量に対して15.0重量%以上含有する錠剤。
(6)セレコキシブ、マンニトールである賦形剤、クロスポビドンである崩壊剤及び錠剤の全重量に対して15.0重量%以上の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである崩壊剤を含有する錠剤。
(7)セレコキシブを錠剤の全重量に対して45.0〜75.0重量%含有する、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の錠剤(特にセレコキシブ200mgを含有する錠剤)。
(8)セレコキシブ、賦形剤及び崩壊剤の混合末に対して、界面活性剤及び結合剤を含有する溶液を滴下又は噴霧して湿式造粒する工程を介する、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の錠剤の製造方法。
本発明は、原薬の溶出速度(特に溶出試験開始後30分以内の初期におけるもの)が顕著に向上して溶出性が改善された効果をもつ、セレコキシブを含有する錠剤を製造するための有用な技術的手段を提供する。
以下で本発明の、溶出性が改善された、セレコキシブを含有する錠剤の処方及び製造方法、を詳細に説明する。但し以下の記載は本発明を説明するための例示であり、本発明をこの記載範囲にのみ特別限定する趣旨ではない。
<錠剤の形態>
本発明の錠剤の剤形として、素錠(フィルムコーティング層や糖衣層等で覆われていない、打錠等により成形したままの錠剤を指す。以下同じ。)、フィルムコーティング錠等が挙げられるが、好ましくは素錠である。本発明の錠剤は適宜検討して口腔内崩壊錠とすることが可能である。
本発明の錠剤の形状として、円形錠{円形平錠(隅角錠等)、円形R錠(隅角錠、2段R錠等)等}や異形錠(楕円錠等)等が挙げられるが、本発明の適用が特に望まれるものは円形錠である(楕円錠と比べて円形錠とすることがセレコキシブの溶出速度に有意に不利な影響を与えることが本発明者が行った明細書外の試験結果より示唆されているため。)。セレコキシブを200mg含有する円形錠は、直径が8.5mm以上、好ましくは8.5〜10.5mmの範囲内にあり、重量が250〜450mgの範囲内にあることが望ましい。
本発明の錠剤の剤形として、素錠(フィルムコーティング層や糖衣層等で覆われていない、打錠等により成形したままの錠剤を指す。以下同じ。)、フィルムコーティング錠等が挙げられるが、好ましくは素錠である。本発明の錠剤は適宜検討して口腔内崩壊錠とすることが可能である。
本発明の錠剤の形状として、円形錠{円形平錠(隅角錠等)、円形R錠(隅角錠、2段R錠等)等}や異形錠(楕円錠等)等が挙げられるが、本発明の適用が特に望まれるものは円形錠である(楕円錠と比べて円形錠とすることがセレコキシブの溶出速度に有意に不利な影響を与えることが本発明者が行った明細書外の試験結果より示唆されているため。)。セレコキシブを200mg含有する円形錠は、直径が8.5mm以上、好ましくは8.5〜10.5mmの範囲内にあり、重量が250〜450mgの範囲内にあることが望ましい。
<原薬の物性>
本発明の錠剤の製造に使用されるセレコキシブのメディアン径(d50)は好ましくは0.1〜50.0μm、より好ましくは0.5〜30.0μmである。セレコキシブは、必要に応じて適宜乾式又は湿式粉砕を行い、任意の粒子径に調整することも可能である。セレコキシブは、素錠部分(より好ましくは素錠に含有される顆粒内部)にのみ含有され、錠剤の全重量に対して好ましくは30.0〜95.0重量%、より好ましくは45.0〜75.0重量%の範囲で錠剤中に含有される。
本発明の錠剤の製造に使用されるセレコキシブのメディアン径(d50)は好ましくは0.1〜50.0μm、より好ましくは0.5〜30.0μmである。セレコキシブは、必要に応じて適宜乾式又は湿式粉砕を行い、任意の粒子径に調整することも可能である。セレコキシブは、素錠部分(より好ましくは素錠に含有される顆粒内部)にのみ含有され、錠剤の全重量に対して好ましくは30.0〜95.0重量%、より好ましくは45.0〜75.0重量%の範囲で錠剤中に含有される。
<特定の医薬添加剤>
本発明の錠剤は、マンニトールである賦形剤、クロスポビドンである崩壊剤又は特定量範囲の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである崩壊剤を含有するものであり、最も好ましくはそれらをいずれも含有するものである。
マンニトールである賦形剤は錠剤の全重量に対して好ましくは5.0重量%以上、より好ましくは10.0重量%以上、更により好ましくは15.0重量%以上の範囲で錠剤中に含有される。クロスポビドンである崩壊剤は錠剤の全重量に対して好ましくは5.0重量%以上の範囲で錠剤中に含有される。特定量範囲の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである崩壊剤は錠剤の全重量に対して15.0重量%以上のものであり、好ましくは20.0重量%以上のものである。
本発明の錠剤は、マンニトールである賦形剤、クロスポビドンである崩壊剤又は特定量範囲の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである崩壊剤を含有するものであり、最も好ましくはそれらをいずれも含有するものである。
マンニトールである賦形剤は錠剤の全重量に対して好ましくは5.0重量%以上、より好ましくは10.0重量%以上、更により好ましくは15.0重量%以上の範囲で錠剤中に含有される。クロスポビドンである崩壊剤は錠剤の全重量に対して好ましくは5.0重量%以上の範囲で錠剤中に含有される。特定量範囲の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである崩壊剤は錠剤の全重量に対して15.0重量%以上のものであり、好ましくは20.0重量%以上のものである。
<使用可能な医薬添加剤>
本発明の錠剤の製造に用いられる、医薬的に許容可能な医薬添加剤としては、通常使用されている賦形剤、崩壊剤、結合剤、可塑剤、滑沢剤、矯味剤、界面活性剤、着色剤等が使用できる。尚、本明細書において、各種添加剤(賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等)の語句の解釈は其々、製剤化において其の添加剤としての役割を発揮することが必須に期待されて使用されるもので結果的にも其の添加剤としての役割が発揮されたもの、と解することが好ましい。また当然であるが、本明細書における添加剤の語句の解釈において原薬が含まれることはない。
本発明の錠剤の製造に用いられる、医薬的に許容可能な医薬添加剤としては、通常使用されている賦形剤、崩壊剤、結合剤、可塑剤、滑沢剤、矯味剤、界面活性剤、着色剤等が使用できる。尚、本明細書において、各種添加剤(賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等)の語句の解釈は其々、製剤化において其の添加剤としての役割を発揮することが必須に期待されて使用されるもので結果的にも其の添加剤としての役割が発揮されたもの、と解することが好ましい。また当然であるが、本明細書における添加剤の語句の解釈において原薬が含まれることはない。
<賦形剤>
本発明に係る賦形剤として、例えば、乳糖水和物、無水乳糖、結晶セルロース、D-マンニトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、イソマルト、マルチトール、マルトース、白糖、ショ糖、ブドウ糖、デンプン(トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン等)、ヒドロキシプロピルスターチ、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、デキストリン、粉末還元麦芽糖水アメ等が挙げられ、好ましくは乳糖水和物又はD-マンニトールである。賦形剤は錠剤の全重量に対して好ましくは5.0〜50.0重量%、より好ましくは10.0〜40.0重量%の範囲で錠剤中に含有される。
本発明に係る賦形剤として、例えば、乳糖水和物、無水乳糖、結晶セルロース、D-マンニトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、イソマルト、マルチトール、マルトース、白糖、ショ糖、ブドウ糖、デンプン(トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン等)、ヒドロキシプロピルスターチ、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、デキストリン、粉末還元麦芽糖水アメ等が挙げられ、好ましくは乳糖水和物又はD-マンニトールである。賦形剤は錠剤の全重量に対して好ましくは5.0〜50.0重量%、より好ましくは10.0〜40.0重量%の範囲で錠剤中に含有される。
<崩壊剤>
本発明に係る崩壊剤は、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースカリウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、部分アルファー化デンプン、クロスポビドン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等から選ばれ、好ましくはクロスポビドン又は低置換度ヒドロキシプロピルセルロースであり、より好ましくはクロスポビドン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである。崩壊剤は錠剤の全重量に対して好ましくは5.0〜35.0重量%、より好ましくは20.0〜30.0重量%の範囲で錠剤中に含有される。
本発明に係る崩壊剤は、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースカリウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、部分アルファー化デンプン、クロスポビドン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等から選ばれ、好ましくはクロスポビドン又は低置換度ヒドロキシプロピルセルロースであり、より好ましくはクロスポビドン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである。崩壊剤は錠剤の全重量に対して好ましくは5.0〜35.0重量%、より好ましくは20.0〜30.0重量%の範囲で錠剤中に含有される。
<界面活性剤>
本発明に係る界面活性剤は、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート、マクロゴール、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴール等から選ばれ、好ましくはラウリル硫酸ナトリウムである。界面活性剤は錠剤の全重量に対して好ましくは0.5〜3.0重量%の範囲で錠剤中に含有される。
本発明に係る界面活性剤は、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート、マクロゴール、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴール等から選ばれ、好ましくはラウリル硫酸ナトリウムである。界面活性剤は錠剤の全重量に対して好ましくは0.5〜3.0重量%の範囲で錠剤中に含有される。
<結合剤>
本発明に係る結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられ、好ましくはポリビニルアルコールである。結合剤は錠剤の全重量に対して好ましくは0.2〜10.0重量%、より好ましくは1.0〜5.0重量%の範囲で錠剤中に含有される。
本発明に係る結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられ、好ましくはポリビニルアルコールである。結合剤は錠剤の全重量に対して好ましくは0.2〜10.0重量%、より好ましくは1.0〜5.0重量%の範囲で錠剤中に含有される。
<滑沢剤>
本発明に係る滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム等から選ばれ、好ましくはステアリン酸マグネシウムである。滑沢剤は錠剤の全重量に対して0.5〜3.0重量%の範囲で錠剤中に含有されることが好ましい。
本発明に係る滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム等から選ばれ、好ましくはステアリン酸マグネシウムである。滑沢剤は錠剤の全重量に対して0.5〜3.0重量%の範囲で錠剤中に含有されることが好ましい。
<錠剤の製造方法>
本発明の錠剤は、一般的な製造方法によって作成することが可能であり、例えば以下の製造方法によって作成することが可能である。まず、セレコキシブ、賦形剤、崩壊剤等の粉末を高速攪拌造粒機に投入して混合したのち、界面活性剤並びに結合剤を溶解した溶液(造粒液)を滴下することで造粒物を製造する。前記で得られた造粒物は乾燥及び整粒された後、滑沢剤等と混合した後に打錠機によって圧縮成形されて錠剤(素錠)とされる。錠剤を圧縮成形する際の打圧は400〜1400kgfであることが好ましい。
本発明の錠剤は、一般的な製造方法によって作成することが可能であり、例えば以下の製造方法によって作成することが可能である。まず、セレコキシブ、賦形剤、崩壊剤等の粉末を高速攪拌造粒機に投入して混合したのち、界面活性剤並びに結合剤を溶解した溶液(造粒液)を滴下することで造粒物を製造する。前記で得られた造粒物は乾燥及び整粒された後、滑沢剤等と混合した後に打錠機によって圧縮成形されて錠剤(素錠)とされる。錠剤を圧縮成形する際の打圧は400〜1400kgfであることが好ましい。
以下に実施例等により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。以下の実施例1〜3、比較例1〜3に記載の錠剤製造において、セレコキシブは事前にその粒子径分布についてd10=3.1、d50=7.1、d90=16.4とされたものを使用した。
[実施例1A]
セレコキシブ1200g、D−マンニトール102g、乳糖水和物264g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース384gを高速撹拌造粒機(パウレック製/VG−10型)に投入し、ラウリル硫酸ナトリウム24g及びポリビニルアルコール42gを精製水408gに溶解した液を滴下して造粒した。次いで、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度85℃で排気温度が40℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕してセレコキシブ造粒品を得た。
得られたセレコキシブ造粒品1008gをステアリン酸マグネシウム12gと共に混合し、打圧600kgfで打錠し1錠質量340.0mg、直径9.5mmの円形の錠剤を得た。
セレコキシブ1200g、D−マンニトール102g、乳糖水和物264g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース384gを高速撹拌造粒機(パウレック製/VG−10型)に投入し、ラウリル硫酸ナトリウム24g及びポリビニルアルコール42gを精製水408gに溶解した液を滴下して造粒した。次いで、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度85℃で排気温度が40℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕してセレコキシブ造粒品を得た。
得られたセレコキシブ造粒品1008gをステアリン酸マグネシウム12gと共に混合し、打圧600kgfで打錠し1錠質量340.0mg、直径9.5mmの円形の錠剤を得た。
[実施例1B]
「D−マンニトール102g、乳糖水和物264g」に代えて「D−マンニトール204g、乳糖水和物162g」を用いたこと以外は実施例1Aと同様にして錠剤を得た。
「D−マンニトール102g、乳糖水和物264g」に代えて「D−マンニトール204g、乳糖水和物162g」を用いたこと以外は実施例1Aと同様にして錠剤を得た。
[実施例1C]
「D−マンニトール102g、乳糖水和物264g」に代えて「D−マンニトール306g、乳糖水和物60g」を用いたこと以外は実施例1Aと同様にして錠剤を得た。
「D−マンニトール102g、乳糖水和物264g」に代えて「D−マンニトール306g、乳糖水和物60g」を用いたこと以外は実施例1Aと同様にして錠剤を得た。
[比較例1]
「D−マンニトール102g、乳糖水和物264g」に代えて「乳糖水和物366g」を用いたこと以外は実施例1Aと同様にして錠剤を得た。
「D−マンニトール102g、乳糖水和物264g」に代えて「乳糖水和物366g」を用いたこと以外は実施例1Aと同様にして錠剤を得た。
実施例1A〜C並びに比較例1で得られた各々の錠剤の処方を下記の表1に一覧して示す。
[実施例2]
セレコキシブ1200g、乳糖水和物264g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース384g及びクロスポビドン102gを高速撹拌造粒機(パウレック製/VG−10型)に投入し、ラウリル硫酸ナトリウム24g及びポリビニルアルコール42gを精製水408gに溶解した液を滴下して造粒した。次いで、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度85℃で排気温度が40℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕してセレコキシブ造粒品を得た。
得られたセレコキシブ造粒品1008gをステアリン酸マグネシウム12gと共に混合し、打圧600kgfで打錠し1錠質量340.0mg、直径9.5mmの円形の錠剤を得た
セレコキシブ1200g、乳糖水和物264g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース384g及びクロスポビドン102gを高速撹拌造粒機(パウレック製/VG−10型)に投入し、ラウリル硫酸ナトリウム24g及びポリビニルアルコール42gを精製水408gに溶解した液を滴下して造粒した。次いで、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度85℃で排気温度が40℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕してセレコキシブ造粒品を得た。
得られたセレコキシブ造粒品1008gをステアリン酸マグネシウム12gと共に混合し、打圧600kgfで打錠し1錠質量340.0mg、直径9.5mmの円形の錠剤を得た
[比較例2A]
「クロスポビドン102g」に代えて「クロスカルメロースナトリウム102g」を用いたこと以外は実施例2と同様にして錠剤を得た。
「クロスポビドン102g」に代えて「クロスカルメロースナトリウム102g」を用いたこと以外は実施例2と同様にして錠剤を得た。
[比較例2B]
「クロスポビドン102g」に代えて「カルメロース102g」を用いたこと以外は実施例2と同様にして錠剤を得た。
「クロスポビドン102g」に代えて「カルメロース102g」を用いたこと以外は実施例2と同様にして錠剤を得た。
実施例2並びに比較例2A、Bで得られた各々の錠剤の処方を下記の表1に一覧して示す。
[実施例3A]
セレコキシブ1200g、乳糖水和物540g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース324gを高速撹拌造粒機(パウレック製/VG−10型)に投入し、ラウリル硫酸ナトリウム24g及びポリビニルアルコール48gを精製水408gに溶解した液を滴下して造粒した。次いで、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度85℃で排気温度が40℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕してセレコキシブ造粒品を得た。
得られたセレコキシブ造粒品1068gをステアリン酸マグネシウム12gと共に混合し、打圧600kgfで打錠し1錠質量360.0mg、直径9.5mmの円形の錠剤を得た
セレコキシブ1200g、乳糖水和物540g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース324gを高速撹拌造粒機(パウレック製/VG−10型)に投入し、ラウリル硫酸ナトリウム24g及びポリビニルアルコール48gを精製水408gに溶解した液を滴下して造粒した。次いで、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度85℃で排気温度が40℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕してセレコキシブ造粒品を得た。
得られたセレコキシブ造粒品1068gをステアリン酸マグネシウム12gと共に混合し、打圧600kgfで打錠し1錠質量360.0mg、直径9.5mmの円形の錠剤を得た
[実施例3B]
「乳糖水和物540g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース324g」に代えて「乳糖水和物432g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース432g」を用いたこと以外は実施例3Aと同様にして錠剤を得た。
「乳糖水和物540g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース324g」に代えて「乳糖水和物432g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース432g」を用いたこと以外は実施例3Aと同様にして錠剤を得た。
[比較例3]
「乳糖水和物432g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース432g」に代えて「乳糖水和物648g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース216g」を用いたこと以外は実施例3Aと同様にして錠剤を得た。
「乳糖水和物432g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース432g」に代えて「乳糖水和物648g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース216g」を用いたこと以外は実施例3Aと同様にして錠剤を得た。
実施例3A、B並びに比較例3で得られた各々の錠剤の処方を下記の表3に一覧して示す。
[試験例1]薬物の溶出試験
実施例1〜3及び比較例1〜3で製造した錠剤について其々、第16改正日本薬局方・一般試験法の溶出試験法(パドル法)により試験開始15分後、30分後、45分後、60分後のセレコキシブの溶出率を求め、結果(n=3)を下記の表(表4:実施例1A〜C,比較例1、表5:実施例2,比較例2A,B、表6:実施例3A、B,比較例3)に示した。溶出試験の詳細な条件は下記に記載する。
<使用した装置>
・溶出試験機/NTR‐6400ACT型(富山産業製)
・紫外線吸光光度計/UV‐1600型(島津製作所製)
<測定条件>
・試験液:日局「溶出試験第2液」(pH6.8):ポリソルベートを0.5w/v%の濃度で含有するように添加した。
・試験液量:900mL
・パドル回転数:50rpm
・液温:37℃
・測定波長(セレコキシブ):293nm
実施例1〜3及び比較例1〜3で製造した錠剤について其々、第16改正日本薬局方・一般試験法の溶出試験法(パドル法)により試験開始15分後、30分後、45分後、60分後のセレコキシブの溶出率を求め、結果(n=3)を下記の表(表4:実施例1A〜C,比較例1、表5:実施例2,比較例2A,B、表6:実施例3A、B,比較例3)に示した。溶出試験の詳細な条件は下記に記載する。
<使用した装置>
・溶出試験機/NTR‐6400ACT型(富山産業製)
・紫外線吸光光度計/UV‐1600型(島津製作所製)
<測定条件>
・試験液:日局「溶出試験第2液」(pH6.8):ポリソルベートを0.5w/v%の濃度で含有するように添加した。
・試験液量:900mL
・パドル回転数:50rpm
・液温:37℃
・測定波長(セレコキシブ):293nm
表4の結果から、賦形剤としてマンニトールを含有しない比較例1と比較して、賦形剤としてマンニトールを含有する実施例1A〜Cの錠剤は15〜60分の各時間における溶出率が有意に高いことが見られた。また、マンニトールの含量がより多い実施例(1A<1B<1C)の方が初期(15、30分)の各時間における溶出率が有意により高かった。よって、賦形剤としてマンニトールを含有する本発明の錠剤は原薬の溶出性が改善されたものであることが示される。
表5の結果から、崩壊剤としてクロスポピドンを含有しない比較例2A、Bと比較して、崩壊剤としてクロスポピドンを含有する実施例2の錠剤は15〜60分の各時間における溶出率が高いこと(特に15、30分の初期において)が見られた。よって、崩壊剤としてクロスポピドンを含有する本発明の錠剤は原薬の溶出性が改善されたものであることが示される。
表6の結果から、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの含量割合が低い比較例3と比較して、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの含量割合がより高い実施例3A、Bの錠剤は15〜60分の各時間における溶出率が有意に高いことが見られた。また、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの含量がより多い実施例(3A<3B)の方が15〜60分の各時間における溶出率が高いこと(特に15、30分の初期において)が見られた。よって、含量割合が高い低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有する本発明の錠剤は原薬の溶出性が改善されたものであることが示される。
本発明は、原薬の溶出性が改善(溶出速度が向上)した効果をもつ、セレコキシブを含有する錠剤を製造するための有用な技術的手段を提供するものである。
Claims (9)
- セレコキシブ、及びマンニトールである賦形剤を含有する錠剤。
- マンニトールを錠剤の全重量に対して5.0重量%以上含有する、請求項1に記載の錠剤。
- セレコキシブ、及びクロスポビドンである崩壊剤を含有する錠剤。
- クロスポビドンを錠剤の全重量に対して5.0重量%以上含有する、請求項3に記載の錠剤。
- セレコキシブ、及び錠剤の全重量に対して15.0重量%以上の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである崩壊剤を含有する錠剤。
- セレコキシブ、マンニトールである賦形剤、クロスポビドンである崩壊剤及び錠剤の全重量に対して15.0重量%以上の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである崩壊剤を含有する錠剤。
- セレコキシブを錠剤の全重量に対して45.0〜75.0重量%含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の錠剤。
- セレコキシブを200mg含有する円形錠である、請求項1〜7のいずれかに記載の錠剤。
- セレコキシブ、賦形剤及び崩壊剤の混合末に対して、界面活性剤及び結合剤を含有する溶液を滴下又は噴霧して湿式造粒する工程を介する、請求項1〜8のいずれかに記載の錠剤の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017216900 | 2017-11-10 | ||
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Publications (1)
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JP2018210981A Pending JP2019089758A (ja) | 2017-11-10 | 2018-11-09 | セレコキシブ含有錠剤における溶出性の改善方法 |
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JP (1) | JP2019089758A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020183359A (ja) * | 2019-05-09 | 2020-11-12 | 日医工株式会社 | セレコキシブ含有医薬組成物 |
-
2018
- 2018-11-09 JP JP2018210981A patent/JP2019089758A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020183359A (ja) * | 2019-05-09 | 2020-11-12 | 日医工株式会社 | セレコキシブ含有医薬組成物 |
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