JP2020169143A - アジルサルタンを含有する錠剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた崩壊性及び錠剤硬度を備えるとともに、かつ製造時及び長期保存時において安定した物性を維持することができる錠剤を提供することを目的とする。【解決手段】アジルサルタンならびにメタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸及び無水リン酸水素カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含む安定化された錠剤であり、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、錠剤の重量を基準に1w/w%以下で含有されることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、アジルサルタンを含有する錠剤に関する。
アジルサルタンは、血管収縮を抑制して降圧作用を示すことから、高血圧症の治療薬として使用されている。
しかし、その形態及び/又は各種添加剤等によって、経時的な分解等が誘発されることがあることが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2018−154596号公報
このような状況下、アジルサルタンを含む医薬組成物において、その形態等にかかわらず安定した物性を維持することができる錠剤が求められている。
また、患者の多種多様の服用形態に沿うために、水がなくても服用可能であり、懸濁剤などの経腸栄養の形態に調製しやすいことなどを考慮した錠剤が求められている。
本発明は、優れた崩壊性及び錠剤硬度を備えるとともに、かつ製造時及び長期保存時において安定した物性を維持することができる錠剤を提供することを目的とする。
本願は以下の発明を含む。
アジルサルタンならびに
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸及び無水リン酸水素カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む安定化された錠剤。
本発明のアジルサルタンを含有する錠剤によれば、優れた崩壊性及び錠剤硬度を備え、かつ製造時及び長期保存時において安定した物性を維持することができる。
本発明の錠剤の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の錠剤である錠剤及び比較例等の苛酷試験(60℃、75%RH)7日目及び14日目のアジルサルタン由来の類縁物質の割合の経時的変化を示すグラフである。 本発明の錠剤である錠剤及び比較例の崩壊時間を示すグラフである。 本発明の錠剤である錠剤及び比較例の苛酷試験(60℃、75%RH)7日目の硬度を示すグラフである。 本発明の錠剤である錠剤及び比較例の苛酷試験(60℃、75%RH)7日目の硬度の残存率を示すグラフである。 本発明の錠剤において、特定の添加剤の量を変更した錠剤及び特定の添加剤を含まない比較例の苛酷試験7日目及び14日目のアジルサルタン由来の類縁物質の割合の経時的変化を示すグラフである。 本発明の錠剤において、特定の添加剤の多少による崩壊時間を示すグラフである。 本発明の錠剤において、苛酷試験(60℃、75%RH)7日目の特定の添加剤の多少による硬度を示すグラフである。 本発明の錠剤において、苛酷試験(60℃、75%RH)7日目の特定の添加剤の多少による硬度の残存率を示すグラフである。
本願発明の錠剤は、有効成分としてアジルサルタンを含有する。本発明の錠剤は、アジルサルタンに加えて、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸及び無水リン酸水素カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種の多孔質無機物、つまり、添加剤を含む。このように、アジルサルタンに特定の添加剤を組み合わせることにより、上述したように、アジルサルタンの不安定化を抑制しつつ、服用が容易な錠剤であって、優れた崩壊性と錠剤硬度とを示すアジルサルタン含有錠剤を得ることができる。特に、崩壊性と錠剤硬度とはトレードオフの関係があり、崩壊性が向上すると錠剤硬度は低くなり、製造過程、流通過程、個人の保存及び使用においても、崩れやすくなり製造過程での不良品の増大を招くことがある。しかし、本願発明の錠剤は、製造過程、流通過程、個人宅での保存等においても、その形状を維持することができ、製造過程及び流通過程で不良品を発生させることなく、製造時及び長期保存時に安定な物性及び形状を維持する一方、服用の際には、口中又は懸濁液中等において速やかに崩壊し、水がなくても容易に嚥下することができ、かつ、懸濁剤などの経腸栄養の際に調製しやすい錠剤を提供することができる。
アジルサルタンは、化学名が(2−エトキシ−1−[[2’−(4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボン酸)であり、アンジオテンシンIIと拮抗することにより血管収縮を抑制して降圧作用を示す、高血圧症の治療剤である。
錠剤中のアジルサルタンは、錠剤の重量を基準に5w/w%〜35w/w%含有される。また、別の観点から、一回投与量が、10mg〜40mgとなるように組成することができる。
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸及び無水リン酸水素カルシウムは、通常、流動化剤、抗付着剤等としての機能を付与し得る添加剤である。本願発明の錠剤は、これらの機能を阻害しない限り、当該分野で通常使用される流動化剤を併用してもよい。流動化剤としては、例えば、含水二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。流動化剤は、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム及び/又は軽質無水ケイ酸の含有量は、錠剤の重量を基準に、0.001w/w%〜10w/w%で含有することができ、0.001w/w%〜8w/w%が好ましく、0.001w/w%〜5w/w%がより好ましく、0.001w/w%〜3w/w%がさらに好ましく、1w/w%以下、例えば、0.001w/w%〜1w/w%がより一層好ましい。また、他の流動化剤を含む場合のそれらの合計含有量は、0.001w/w%〜10w/w%で含有することができ、好ましくは0.001w/w%〜5w/w%が挙げられ、より好ましくは0.001w/w%〜3w/w%が挙げられる。また、無水リン酸水素カルシウムの含有量は、錠剤の重量を基準に、0.001w/w%〜30w/w%で含有することができ、1w/w%〜20w/w%が好ましく、5w/w%〜15w/w%がより好ましく、8w/w%〜10w/w%がさらに好ましい。
このような含有量に設定することにより、錠剤硬度を適度に保ちつつ、錠剤の崩壊時間を短縮化することができる。
本願発明の錠剤は、上述した効果に影響を与えない範囲で、上記以外の製剤分野において通常使用される他の添加剤を添加することができる。例えば、結合剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、潤滑剤、湿潤剤、界面活性剤、甘味剤、矯味剤、有機酸、着香剤・香料、着色剤、安定化剤、コーティング剤等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
結合剤としては、当該分野で通常用いられているもの、例えば、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチルコポリマー、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポビドン(ポリビニルピロリドン(PVP))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース、HPMC)、カルメロースナトリウム、ポリビニルアルコール、α化デンプン、寒天、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、グアールガム及びポリエチレンオキシド等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
なお、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチルコポリマーは、部分鹸化ポリビニルアルコールにアクリル酸とメタクリル酸メチルとを共重合した高分子化合物である。例えば、POVACOAT(登録商標)として市販されているものが挙げられる。ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマーは、コリコート(登録商標)IRとして市販されているものが挙げられる。
結合剤の含有量は、錠剤の重量を基準に0.01w/w%〜10w/w%が挙げられ、0.1w/w%〜5w/w%が好ましい。なかでも、結合剤が、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチルコポリマーであることが好ましい。これにより、アジルサルタンの不安定化を抑制しつつ、摂取又は嚥下等の服用が容易な錠剤であって、優れた崩壊性と錠剤硬度とを示すアジルサルタン含有錠剤とすることができる。
賦形剤としては、例えば、D−マンニトール、無水乳糖、乳糖水和物、精製白糖、白糖、ショ糖、果糖、フラクトオリゴ糖、ブドウ糖、マルトース、還元麦芽糖、粉糖、粉末飴、還元乳糖等の糖類、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、キシリトール等の糖アルコール類、カオリン、リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、デンプン(例えば、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン等の天然デンプン)等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
賦形剤の含有量は、錠剤の重量を基準に10w/w%〜85w/w%が挙げられ、15w/w%〜80w/w%が好ましく、20w/w%〜80w/w%がより好ましい。
安定化剤としては、例えば、結晶セルロース、マクロゴール(例えば、平均分子量が200〜20000、特に6000が好ましい)、ステアリン酸、クエン酸トリエチル、カルナウバロウ等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。なかでも、ステアリン酸を用いることが好ましい。例えば、錠剤として良好な崩壊性及び溶出性を得るためには、錠剤が試験液にぬれ、水分を含んで崩壊し、含有する薬物が試験液に溶解する必要がある。一方、ステアリン酸は水にほとんど溶けないことから、水に溶けやすいマクロゴールを使用した場合に比べて錠剤自体のぬれが悪く、崩壊性が悪くなり、含有する薬物も溶出しにくくなることが考えられる。しかし、ステアリン酸を、上述した特定の流動化剤と組み合わせて錠剤に含有させることにより、これらの添加剤の作用が相まって、アジルサルタンの安定化をより一層維持することができるとともに、崩壊性等を向上させることができる。
安定化剤の含有量は、錠剤の重量を基準に0.1w/w%〜5w/w%が挙げられ、1w/w%〜3w/w%が好ましい。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリル、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸亜鉛、タルク、カルナウバロウ、L−ロイシン、マクロゴール等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
滑沢剤の含有量は、錠剤の重量を基準に、0.01w/w%〜5w/w%が挙げられ、0.01w/w%〜4w/w%が好ましい。
崩壊剤としては、例えば、クロスポビドン、ポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)、結晶セルロース、カルメロースカルシウム、カルメロース、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸、カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、タルク等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
崩壊剤の含有量は、錠剤の重量を基準に、1w/w%〜25w/w%が挙げられる。
潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、トウモロコシデンプン、鉱化油、ポリエチレングリコール、ゴマ油等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
潤滑剤の含有量は、錠剤の重量を基準に、0.5w/w%〜2w/w%が挙げられる。
湿潤剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、マクロゴール等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等のイオン性界面活性剤;ポリソルベート類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油およびポロクサマー類(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール)等の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
界面活性剤の含有量は、錠剤の重量を基準に、2w/w%以下が挙げられる。
甘味剤としては、例えば、アスパルテーム、マンニトール、サッカリン等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
香味料としては、例えば、メントール、人工又は天然果実フレーバー等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
着色剤としては、例えば、カラメル、酸化鉄(黄又は黒)、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒色三二酸化鉄、天然又は合成有機色素又はレーキ等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
コーティング剤は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、酢酸セルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ヒプロメロース等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
コーティング剤の含有量は、錠剤の重量を基準に、0.1w/w%〜3w/w%が挙げられる。
本発明の一実施形態では、例えば、アジルサルタンを含む造粒物に、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸及び無水リン酸水素カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を添加することが好ましい。また、アジルサルタン及びステアリン酸を含む造粒物に、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸及び無水リン酸水素カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を添加してもよい。ただし、これらの記載に限定されることなく、その他の添加剤を組み合わせてもよい。
本発明の錠剤は、さらなる工程を経ることにより、錠剤を含む種々の剤形とすることができる。例えば、細粒剤、顆粒剤、粉剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、チュアブル剤、トローチ剤等が挙げられる。なかでも、錠剤、特に、口腔内崩壊錠であることが好ましい。これらの剤形は、日本薬局方の製剤通則に規定されている形態であればよい。また、錠剤等に割線、識別マーク等を付してもよい。錠剤は、円形錠、円形R錠、円形隅角錠、円形2段R錠、各種異形錠等いずれの形状でもよく、また分割錠としてもよい。錠剤は、素錠であってもよいし、コーティングが施されていてもよい。
本発明では、特定の添加剤を用いて製剤化、なかでも、錠剤化した場合において、良好な安定性、つまり、類縁物質、分解物及び不純物等の発生の低減を図ることができる。特に、市販されているアジルサルタン含有錠剤、つまりアジルバ錠(登録商標)に比較して、格段に安定化を図ることができる。また、打錠した後においても、錠剤硬度を適度に保ちつつ、崩壊時間を短縮化することができる。これは、結合剤としてよく用いられているヒドロキスプロピルセルロースを用いた場合の錠剤と比較して、硬度が高いことに反して、崩壊時間が格段に短縮化することができることから、予想外の効果を発揮し得る。
本発明の錠剤を製造する場合、従来行われている製剤化の方法を利用することができる。
なかでも、本発明の錠剤は、例えば、図1に示したように、アジルサルタンと、任意に、上述した添加剤、例えば、賦形剤/安定化剤等(なかでも、ステアリン酸を用いることが好ましい)を混合機又は造粒機に投入し、混合する。
次いで、これらの混合物を攪拌しながら、結合剤、を添加し、造粒する。その際、結合剤は、精製水に溶解させて添加することが好ましいが、有機溶媒と水の混液、有機溶媒等に溶解させて添加してもよい。
その後、造粒物を乾燥し、任意に整粒することが好ましい。
得られた造粒物を、賦形剤/流動化剤/崩壊剤/滑沢剤等に加えて、上述した本願特有の添加剤を添加し、混合することが好ましい。
続いて、図1に示したように、上記で得られたアジルサルタンの造粒物又は混合物を打錠する。
用いる混合機又は造粒機は、粉末等を混合することができるものであれば特に限定されず、どのようなものでもよい。
造粒機は、湿式造粒を行うことができる装置が好ましい。湿式造粒は、押出し造粒機、転動造粒機、攪拌造粒機、湿式解砕造粒機、流動層造粒機等を用いて行うことができる。なかでも、攪拌造粒機、流動層造粒機を利用することが好ましく、特に、攪拌造粒機を利用することがより好ましい。攪拌造粒機を利用する場合は、例えば、ブレード及び/又はスクリューの回転等は、任意の回転数等に設定して使用すればよい。流動層造粒機を利用する場合は、例えば、給気温度30℃〜90℃、排気温度20℃〜80℃にて結合剤溶液等をスプレーしながら造粒する方法が挙げられる。乾式造粒法としては、例えば、ローラーコンパクター(フロイント産業)を使用し、ロール回転数1rpm〜50rpmにて造粒する方法が挙げられる。
アジルサルタン等を造粒する際に、結合剤を添加することが好ましい。結合剤は、アジルサルタンと均一に混合されるタイミングで添加することが好ましい。結合剤は精製水とともに又は精製水に分散/溶解させて添加する方法がよい。これによって、結合剤は、アジルサルタンを含む造粒物に付着して、アジルサルタンと一緒に造粒物の形態で、あるいは、一部がアジルサルタンを含む造粒物に付着し、他の一部がアジルサルタンと一緒に造粒物に含まれる形態で含有されることとなる。
得られた造粒物は、乾燥した後、篩過(例えば、数百μm〜数mm)にて整粒することが好ましい。乾燥は、例えば、常温から90℃以下の温度で、1分〜12時間行えばよく、数時間行うことが好ましい。
整粒時又はその後に、造粒物に、さらに上述した本願特有の添加剤を含む上述した添加剤を任意に添加し、混合する。
また、錠剤とする場合の打錠機は、当該分野で公知のもののいずれを用いてもよい。例えば、単発打錠機、ロータリー式打錠機等が挙げられる。打錠する場合、錠剤用混合物においては、フマル酸ステアリルナトリウム等の滑沢剤を添加することが好ましい。例えば、圧縮打錠する場合の圧力は、錠剤に十分な硬度を与える程度であればよく、1kN以上が好ましく、3kN以上がより好ましい。得られる錠剤の硬度は、20N以上であることが好ましく、30N以上、35N以上又は40N以上であることがより好ましい。錠剤の「硬度」は、錠剤硬度計(例えば、Dr. Schleuniger Pharmatron製のMultiTest 50)により測定することができる。
上述した他、適当な固形の形態に調製するために、例えば、粉砕、解砕、混合、糖衣、フィルムコート、カプセル充填などを、当該分野の公知の方法及び条件によってさらに行うことができる。
本発明のアジルサルタンを含有する錠剤、特に口腔内崩壊剤は、苛酷試験(60℃、75%RH)での保存1週間後(7日後)、2週間後(14日後)においても、総類縁物質及び各有効成分に起因する分解物、不純物等の質量を極めて低減させることができ、長期にわたって安定化を図ることができる。また、製造過程、流通過程、個人の保存において、崩れず、製造過程での不良品が増大しないなど、不都合が発生することのない適度な硬度を確保することができるとともに、使用時には口中又は懸濁液中等において速やかに崩壊して、摂取又は嚥下等を容易に行わせることができるほどに崩壊時間を短縮化することができる。
実施例1〜3
以下の各成分を表1の割合で秤量し、図1に示す以下の方法によって錠剤を作製した。
まず、アジルサルタン、賦形剤1及び安定化剤を撹拌造粒機(岡田精工社製)に投入し、混合した。
ブレード回転(回転数:800rpm〜1000rpm)で攪拌しながら、精製水と結合剤との混合した溶液を添加し、攪拌造粒した。その後、棚乾燥にて50℃で1.5時間乾燥した。
篩(850μm)で整粒した顆粒に、賦形剤2、多孔質性無機物、崩壊剤、滑沢剤を添加し、混合した。
得られた混合物を、ロータリー打錠機(菊水製作所製)にて、打錠圧3.5kNでの錠剤とした。
比較例1
実施例1の製造方法において、撹拌造粒機に、多孔質性無機物を添加しない以外、実施例1と同様に錠剤を製造した。
試験例1
実施例1、2及び3の錠剤、さらに、市販品であるアジルバ錠20mgを、無包装で、それぞれ60℃、75%RHの条件下で14日間保存し、以下の安定性評価を行った。
保存前、中及び後の錠剤について、安定性評価のために純度試験(類縁物質、つまり、アジルサルタンに起因する分解物)を以下の方法で行った。
錠剤1個をとり、水2mLを加え、錠剤を崩壊させた。続いて、メタノールを加えて50mLとした。この液を孔径0.45μm以下のメンブランフィルター(マイレクスLH)でろ過した。初めのろ液3mLを除き、次のろ液を試料溶液とした。試料溶液5μLずつを正確にとり、以下の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行い、それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定した。次式により個々の類縁物質の量及び類縁物質の合計量を求めた。
個々の類縁物質の量(%)=AT1/AS
類縁物質の合計量(%)=AT2/AS
(式中、AS:標準溶液のアジルサルタンのピーク面積、
T1:試料溶液のアジルサルタン以外の個々のピーク面積
T2:試料溶液のアジルサルタン以外のピークの合計面積である。
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)
カラム:内径4.6mm,長さ25cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填した。(Inertsil ODS−3C/N)
カラム温度:35℃付近の一定温度
移動相A:リン酸二水素カリウム約3.67gを水に溶かして2700mLとし、リン酸0.42mlを加えた(pH3.0)。この液にアセトニトリル300mLを加えて移動相Aとした。
移動相B:アセトニトリル
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御した。
注入後0〜3分で、移動相Aを78vol%、移動相Bを22vol%とした。
注入後3〜30分で、移動相Aを78→22vol%、移動相Bを22→78vol%とした。
注入後30〜40分で、移動相Aを22vol%、移動相Bを78vol%とした。
注入後40〜41分で、移動相Aを22→78vol%、移動相Bを78→22vol%とした。
注入後41〜46分で、移動相Aを22vol%、移動相Bを22vol%とした。
流量:毎分1 mL
面積測定範囲:溶媒のピークの後から注入後40分まで
その結果を図2及び表2に示す。
図2及び表2から明らかなように、本願実施例1、2及び3では、特定の添加剤を含むことから、錠剤とした場合であっても、苛酷試験開始後の7日目及び14日目において、アジルサルタン由来の類縁物質及び不純物が、市販品に比較して、低減することが確認された。
試験例2:崩壊試験
実施例1、2及び3及び比較例1で得られた錠剤を、トリコープテスタ(岡田精工社製)によって、崩壊時間(秒)を測定した。その結果を図3に示す。
崩壊試験は、人工唾液原料として、KClを1.47g/L、NaClを1.44g/L及びTWEEN80を0.3%含む液を使用し、吐出速度(液速度)を6.0mL/分に設定して測定した。
図3から明らかなように、本願実施例1、2及び3では、特定の添加剤を含むことにより、錠剤とした場合であっても、崩壊時間が比較例1に比較して、顕著に短縮することが確認された。
試験例3:硬度
実施例1、2及び3及び比較例1の錠剤の硬度及び硬度維持率を測定した。硬度は、製造直後(0日)と、無包装で、それぞれ60℃、75%RHの条件下で7日間保存した後(7日)に、硬度計(Dr. Schleuniger Pharmatron製、MultiTest 50)によって測定した。硬度維持率は、0日の硬度に対する7日後の硬度の割合をとして表した。これらの結果を、それぞれ図4A、4B及び表3に示す。
図4Aから明らかなように、特定の添加剤を用いた実施例1、2及び3の錠剤は、錠剤の製造直後において、比較例1と同等であった。この結果は、上述した崩壊試験において、実施例1、2及び3の錠剤が、比較例1の錠剤に比較して、崩壊時間が顕著に短縮されたことを考慮すると、予想外である。また、図4Bから明らかなように、実施例1、2及び3の錠剤は、比較例1の錠剤に比べて、良好な硬度の維持率が得られる、つまり、長期にわたって硬度が維持されることが確認された。
実施例4〜6
以下の各成分を表4の割合で秤量し、図1に示す以下の方法によって錠剤を作製した。
試験例4
実施例4、5及び6の錠剤、さらに、市販品であるアジルバ錠20mgを、無包装で、それぞれ60℃、75%RHの条件下で7日間保存し、試験例1と同様の安定性評価を行った。
その結果を図5及び表5に示す。
図5及び表5から明らかなように、本願実施例4、5及び6では、特定の添加剤を含むことから、錠剤とした場合であっても、アジルサルタン由来の類縁物質及び不純物が、市販品に比較して、低減することが確認された。
試験例5:崩壊試験
実施例4、5及び6及び比較例1で得られた錠剤を、トリコープテスタ(岡田精工社製)によって、崩壊時間(秒)を試験例2に従って測定した。その結果を図6に示す。
図6から明らかなように、本願実施例4、5及び6では、特定の添加剤を含むことにより、錠剤とした場合であっても、崩壊時間が比較例1に比較して、顕著に短縮することが確認された。
試験例6:硬度
実施例4、5及び6及び比較例1の錠剤の硬度及び硬度維持率を測定した。硬度は、試験例3と同様にして測定した。硬度維持率は、苛酷試験(60℃、75%RHにて無包装で保存)後0日の硬度に対する7日後の硬度の割合をとして表した。これらの結果を、それぞれ図7A、7B及び表6に示す。
図7Aから明らかなように、実施例4、5及び6の錠剤は、錠剤の製造直後において、比較例1と同等であった。この結果は、上述した崩壊試験において、実施例4、5及び6の錠剤が、比較例1の錠剤に比較して、崩壊時間が顕著に短縮されたことを考慮すると、予想外である。また、図7Bから明らかなように、実施例4、5及び6の錠剤は、比較例1の錠剤に比べて、良好な硬度の維持率が得られる、つまり、長期にわたって硬度が維持されることが確認された。
本発明の錠剤は、製造時及び保存、流通過程においても、長期間にわたって安定性の確保を図ることができる。また、適度の硬度を保ちながら、崩壊時間を短縮化することができることが確認された。

Claims (3)

  1. アジルサルタンならびに
    メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸及び無水リン酸水素カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含む安定化された錠剤。
  2. 前記メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが、錠剤の重量を基準に1w/w%以下で含有される請求項1に記載の錠剤。
  3. さらに、ステアリン酸を含む請求項1又は2に記載の錠剤。
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