JP2019182756A - ビルダグリプチンを含有する固形製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】ビルダグリプチンの化学的な安定性が改善された固形製剤を製造するための技術的手段を提供すること。【解決手段】ビルダグリプチンを含有する固形製剤であって、例えば、(A)トレハロース、マンニトール、乳糖、トウモロコシデンプン、シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ及びリン酸塩等の賦形剤、(B)部分アルファー化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びクロスポビドン等の崩壊剤、(C)アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルメロースナトリウム等の結合剤、(D)ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム及びタルク等の流動化剤又は滑沢剤を含有する固形製剤を提供する。【選択図】なし
Description
本発明は、原薬としてビルダグリプチンを含有する製剤に関するものであり、其の保存条件下における原薬の化学的な安定性を改善するための詳細な方法を開示するものである。
ビルダグリプチンはジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP−4)阻害薬であって、糖尿病の治療に有用な薬剤である(非特許文献1等参考)。
現在、ビルダグリプチンは錠剤の剤形で日本国内の医療現場に提供されている。ビルダグリプチンを含有する製剤の処方や製造方法については、以下の特許文献1〜3においても紹介されている。特許文献1ではビルダグリプチンを含有する直接圧縮医薬錠剤が紹介され、特許文献2ではビルダグリプチンを含有する徐放性製剤が紹介され、特許文献3ではビルダグリプチンを含有する徐放性製剤が紹介され、ビルダグリプチンとマンニトール、乳糖又はコーンスターチを含有する医薬組成物が紹介される。
本発明者は、先行文献に対して、製剤中に含まれるビルダグリプチンの化学的な安定性を改善するための新たな技術の開発を目指した。
「エクア(登録商標)錠50mg」医薬品インタビューフォーム2016年4月改訂(第24版)
本発明は、ビルダグリプチンの化学的な安定性等が改善された其の固形製剤を製造するための技術的手段を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、ビルダグリプチンと特定の添加剤を含有した固形製剤である場合には、ビルダグリプチンの化学的な安定性が良好であることを見出した。本発明者はその知見に基づいて更に鋭意検討を重ね、下記の本発明を完成するに至った。
本発明の好ましい構成は以下(1)〜(6)において記述されるものである。
(1)ビルダグリプチン並びに賦形剤を含有する固形製剤であって、当該賦形剤がトレハロース、シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ及びリン酸塩から選ばれることを特徴とする固形製剤。
(2)ビルダグリプチン並びに崩壊剤を含有する固形製剤であって、当該崩壊剤が部分アルファー化デンプン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選ばれることを特徴とする固形製剤。
(3)ビルダグリプチン並びに結合剤又はコーティング剤を含有する固形製剤であって、当該結合剤がアルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルメロースナトリウムから選ばれることを特徴とする固形製剤。
(4)ビルダグリプチン並びに流動化剤又は滑沢剤を含有する固形製剤であって、当該流動化剤又は滑沢剤がステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム及びタルクから選ばれることを特徴とする固形製剤。
(5)ビルダグリプチン並びに(A)賦形剤、(B)崩壊剤、(C)結合剤又はコーティング剤及び(D)流動化剤又は滑沢剤を含有する固形製剤であって、当該(A)賦形剤がトレハロース、マンニトール、乳糖(乳糖水和物、無水乳糖等)、トウモロコシデンプン、シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ及びリン酸塩から選ばれ、当該(B)崩壊剤が部分アルファー化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びクロスポビドンから選ばれ、当該(C)結合剤がアルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルメロースナトリウムから選ばれ、当該(D)流動化剤又は滑沢剤がステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム及びタルクから選ばれることを特徴とする固形製剤。
(6)素錠である、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の固形製剤。
(1)ビルダグリプチン並びに賦形剤を含有する固形製剤であって、当該賦形剤がトレハロース、シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ及びリン酸塩から選ばれることを特徴とする固形製剤。
(2)ビルダグリプチン並びに崩壊剤を含有する固形製剤であって、当該崩壊剤が部分アルファー化デンプン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選ばれることを特徴とする固形製剤。
(3)ビルダグリプチン並びに結合剤又はコーティング剤を含有する固形製剤であって、当該結合剤がアルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルメロースナトリウムから選ばれることを特徴とする固形製剤。
(4)ビルダグリプチン並びに流動化剤又は滑沢剤を含有する固形製剤であって、当該流動化剤又は滑沢剤がステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム及びタルクから選ばれることを特徴とする固形製剤。
(5)ビルダグリプチン並びに(A)賦形剤、(B)崩壊剤、(C)結合剤又はコーティング剤及び(D)流動化剤又は滑沢剤を含有する固形製剤であって、当該(A)賦形剤がトレハロース、マンニトール、乳糖(乳糖水和物、無水乳糖等)、トウモロコシデンプン、シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ及びリン酸塩から選ばれ、当該(B)崩壊剤が部分アルファー化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びクロスポビドンから選ばれ、当該(C)結合剤がアルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルメロースナトリウムから選ばれ、当該(D)流動化剤又は滑沢剤がステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム及びタルクから選ばれることを特徴とする固形製剤。
(6)素錠である、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の固形製剤。
本発明は、ビルダグリプチンの化学的な安定性等が改善された其の固形製剤を製造するための技術的手段を提供することを目的とするものである。
以下で本発明の、ビルダグリプチンと特定の添加剤を含有した固形製剤の処方及び其の製造方法、を詳細に説明する。但し、以下の記載は本発明を説明するための例示であり、本発明の技術的範囲をこの記載範囲にのみ限定する趣旨ではない。
<原薬>
本発明の固形製剤は原薬としてビルダグリプチンを含有するものであり、好ましくは、他の原薬を含まない、単剤である。ビルダグリプチンのメディアン径(d50)は50.0〜300.0μmであることが好ましい。ビルダグリプチンは、必要に応じて適宜乾式又は湿式粉砕を行い、任意の粒子径に調整することも可能である。尚、メディアン径はレーザー回析・散乱法によって測定(体積基準)することが可能である。ビルダグリプチンは固形製剤{望ましくは素錠(フィルムコーティング層で覆われていない錠剤を指す。以下同じ。)}の全重量に対して10.0重量%以上、好ましくは20.0〜50.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。1錠あたりのビルダグリプチンの含量は50mgであることが望ましい。
本発明の固形製剤は原薬としてビルダグリプチンを含有するものであり、好ましくは、他の原薬を含まない、単剤である。ビルダグリプチンのメディアン径(d50)は50.0〜300.0μmであることが好ましい。ビルダグリプチンは、必要に応じて適宜乾式又は湿式粉砕を行い、任意の粒子径に調整することも可能である。尚、メディアン径はレーザー回析・散乱法によって測定(体積基準)することが可能である。ビルダグリプチンは固形製剤{望ましくは素錠(フィルムコーティング層で覆われていない錠剤を指す。以下同じ。)}の全重量に対して10.0重量%以上、好ましくは20.0〜50.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。1錠あたりのビルダグリプチンの含量は50mgであることが望ましい。
<固形製剤の形態>
本発明の固形製剤の剤形は、医療現場に提供される上で、カプセル剤又は錠剤としてあることが好ましく、より好ましくは錠剤である。本発明の錠剤は、打錠等により圧縮成形した素錠のまま、或いはコーティング剤を含むフィルムコーティング層で其の素錠を被覆したフィルムコーティング錠である。本発明の錠剤の形状は、円形錠、円形R錠、円形隅角錠、円形2段R錠や異形錠(楕円錠等)等のいずれの形状でもよい。
本発明の固形製剤の剤形は、医療現場に提供される上で、カプセル剤又は錠剤としてあることが好ましく、より好ましくは錠剤である。本発明の錠剤は、打錠等により圧縮成形した素錠のまま、或いはコーティング剤を含むフィルムコーティング層で其の素錠を被覆したフィルムコーティング錠である。本発明の錠剤の形状は、円形錠、円形R錠、円形隅角錠、円形2段R錠や異形錠(楕円錠等)等のいずれの形状でもよい。
<使用可能な添加剤>
本発明の固形製剤を製造するための添加剤としては、一般的に使用されている賦形剤、結合剤、コーティング剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤等の添加剤を使用することができる。当然であるが、本明細書における添加剤の語句の解釈において原薬が含まれることはない。
本発明の固形製剤を製造するための添加剤としては、一般的に使用されている賦形剤、結合剤、コーティング剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤等の添加剤を使用することができる。当然であるが、本明細書における添加剤の語句の解釈において原薬が含まれることはない。
<特定の賦形剤>
本発明の固形製剤は、好適な特定の賦形剤を含有することが望ましい。当該賦形剤として具体的には、トレハロース、マンニトール、乳糖(乳糖水和物、無水乳糖等)、トウモロコシデンプン、シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ及びリン酸塩が挙げられ、好ましくはトレハロース、シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ及びリン酸塩から選ばれ、より好ましくはトレハロース、シクロデキストリン及びリン酸塩から選ばれる。リン酸塩として具体的には、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム及びリン酸二水素カリウム等が挙げられ、好ましくはリン酸一水素カルシウムである。当該賦形剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して25.0重量%以上、好ましくは45.0〜75.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。尚、本発明の固形製剤はエリスリトールを含有しないことが特に望ましい。
本発明の固形製剤は、好適な特定の賦形剤を含有することが望ましい。当該賦形剤として具体的には、トレハロース、マンニトール、乳糖(乳糖水和物、無水乳糖等)、トウモロコシデンプン、シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ及びリン酸塩が挙げられ、好ましくはトレハロース、シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ及びリン酸塩から選ばれ、より好ましくはトレハロース、シクロデキストリン及びリン酸塩から選ばれる。リン酸塩として具体的には、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム及びリン酸二水素カリウム等が挙げられ、好ましくはリン酸一水素カルシウムである。当該賦形剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して25.0重量%以上、好ましくは45.0〜75.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。尚、本発明の固形製剤はエリスリトールを含有しないことが特に望ましい。
<特定の崩壊剤>
本発明の固形製剤は、好適な特定の崩壊剤を含有することが望ましい。当該崩壊剤として、具体的には部分アルファー化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びクロスポビドンが挙げられ、好ましくは部分アルファー化デンプン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選択される。崩壊剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは2.0〜20.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。尚、本発明の固形製剤はカルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム及びカルボキシメチルスターチナトリウムを含有しないことが特に望ましい。
本発明の固形製剤は、好適な特定の崩壊剤を含有することが望ましい。当該崩壊剤として、具体的には部分アルファー化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びクロスポビドンが挙げられ、好ましくは部分アルファー化デンプン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選択される。崩壊剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは2.0〜20.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。尚、本発明の固形製剤はカルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム及びカルボキシメチルスターチナトリウムを含有しないことが特に望ましい。
<特定の結合剤・コーティング剤>
本発明の固形製剤は、好適な特定の結合剤又はコーティング剤を含有することが望ましい。結合剤は粉末を結合させて顆粒等を製造する際に用いるものであり、コーティング剤は顆粒や素錠の周囲にコーティング層を形成する際に用いるものである。当該結合剤又はコーティング剤として、具体的にはアルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルメロースナトリウムが挙げられ、好ましくはヒドロキシプロピルセルロース及びカルメロースナトリウムから選択される。上記の結合剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは0.1〜5.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。上記のコーティング剤は、素錠の周囲にコーティング層を形成してコーティング錠を製造する場合には当該素錠の全重量に対して好ましくは1.0〜10.0重量%の範囲内で当該コーティング錠中に含有され、顆粒の周囲にコーティング層を形成してコーティング顆粒を製造する場合には当該顆粒100.0重量部に対して好ましくは10.0重量部以上の範囲内で当該コーティング顆粒中に含有される。尚、本発明の固形製剤はポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体及びポビドンを含有しないことが特に望ましい。
本発明の固形製剤は、好適な特定の結合剤又はコーティング剤を含有することが望ましい。結合剤は粉末を結合させて顆粒等を製造する際に用いるものであり、コーティング剤は顆粒や素錠の周囲にコーティング層を形成する際に用いるものである。当該結合剤又はコーティング剤として、具体的にはアルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルメロースナトリウムが挙げられ、好ましくはヒドロキシプロピルセルロース及びカルメロースナトリウムから選択される。上記の結合剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは0.1〜5.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。上記のコーティング剤は、素錠の周囲にコーティング層を形成してコーティング錠を製造する場合には当該素錠の全重量に対して好ましくは1.0〜10.0重量%の範囲内で当該コーティング錠中に含有され、顆粒の周囲にコーティング層を形成してコーティング顆粒を製造する場合には当該顆粒100.0重量部に対して好ましくは10.0重量部以上の範囲内で当該コーティング顆粒中に含有される。尚、本発明の固形製剤はポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体及びポビドンを含有しないことが特に望ましい。
<特定の流動化剤・滑沢剤>
本発明の固形製剤は、好適な特定の流動化剤又は滑沢剤を含有することが望ましい。当該流動化剤又は滑沢剤として、具体的にはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム及びタルクが挙げられ、好ましくはステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム及びタルクから選択される。流動化剤として望ましくはタルクから選択され、滑沢剤として望ましくはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム及びフマル酸ステアリルナトリウムから選択される。流動化剤及び滑沢剤は、其々、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは0.1〜5.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。滑沢剤は打錠の際の滑沢性を付与するために用いるものであり、流動化剤は製造時の流動性を改善するために用いるものである。或る化合物を流動化剤として用い、別の化合物を滑沢剤として用いることが製造上望ましい。尚、本発明の固形製剤はグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミン酸マグネシウムを含有しないことが特に望ましい。
本発明の固形製剤は、好適な特定の流動化剤又は滑沢剤を含有することが望ましい。当該流動化剤又は滑沢剤として、具体的にはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム及びタルクが挙げられ、好ましくはステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム及びタルクから選択される。流動化剤として望ましくはタルクから選択され、滑沢剤として望ましくはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム及びフマル酸ステアリルナトリウムから選択される。流動化剤及び滑沢剤は、其々、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは0.1〜5.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。滑沢剤は打錠の際の滑沢性を付与するために用いるものであり、流動化剤は製造時の流動性を改善するために用いるものである。或る化合物を流動化剤として用い、別の化合物を滑沢剤として用いることが製造上望ましい。尚、本発明の固形製剤はグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミン酸マグネシウムを含有しないことが特に望ましい。
遮光剤として、具体的には酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄、褐色酸化鉄、食用黄色4号、食用黄色5号、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号等を挙げる事ができる。遮光剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは0.2重量%以上の範囲で固形製剤(望ましくは錠剤)中に含有される。遮光剤はフィルムコーティング層に含まれることが好ましい。フィルムコーティング層100.0重量部に対して遮光剤は、好ましくは1.0〜40.0重量部の範囲内でフィルムコーティング層中に含有される。
以下に実施例等により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。以下の実施例に記載の医薬組成物の製造において、ビルダグリプチンは事前にその粒子径分布がd10=40.5μm、d50=190μm、d90=440μm{レーザー回析・散乱法によって測定(体積基準)}であるものを使用した。
ビルダグリプチン0.5gと、下記表1、2に記載の添加剤(下線無し)のいずれか一つ0.5gをポリ袋で混合し、粉末状の医薬組成物を得た。
[比較例1]
ビルダグリプチン0.5gと、下記表1、2に記載の添加剤(下線有り)のいずれか一つ0.5gをポリ袋で混合し、粉末状の医薬組成物を得た。
ビルダグリプチン0.5gと、下記表1、2に記載の添加剤(下線有り)のいずれか一つ0.5gをポリ袋で混合し、粉末状の医薬組成物を得た。
[試験例1]
実施例1及び比較例1の各医薬組成物を、温度60℃相対湿度75%の開放条件下で16日間保存した後に、ビルダグリプチン由来の総類縁体の生成量{ビルダグリプチン及び当該総類縁体の全体量に対する割合(%)で示す。}を測定した。其の測定は高速液体クロマトグラフィー法(定量方法は面積百分率法を使用した。)によって行った。上記の測定結果(小数点第4位以下は四捨五入した。)は下記の表1、2に示す。
実施例1及び比較例1の各医薬組成物を、温度60℃相対湿度75%の開放条件下で16日間保存した後に、ビルダグリプチン由来の総類縁体の生成量{ビルダグリプチン及び当該総類縁体の全体量に対する割合(%)で示す。}を測定した。其の測定は高速液体クロマトグラフィー法(定量方法は面積百分率法を使用した。)によって行った。上記の測定結果(小数点第4位以下は四捨五入した。)は下記の表1、2に示す。
表1、2より、実施例の医薬組成物(下線無し)は、比較例の医薬組成物(下線有り)に対して、顕著にビルダグリプチン由来の総類縁体の生成量が保存後において低く、優れた品質をもつことが示された。
本発明の具体的な錠剤の製造方法案として考え得るものを参考例として以下に記載する。参考例の錠剤製造においてビルダグリプチンは事前にその粒子径分布がd10=40.5μm、d50=190μm、d90=440μm{レーザー回析・散乱法によって測定(体積基準)}であるものを使用する。
[参考例1]直接打錠法
ビルダグリプチン、リン酸水素カルシウム水和物、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン及びフマル酸ステアリルナトリウムを混合して混合物を得る。この混合物を打錠し、1錠質量が200mg(ビルダグリプチンの含量:50mg)の錠剤を得る。尚、原薬並びに各添加剤は、当該錠剤が下記表3に示す処方となるような量で上記製造に用いる。
ビルダグリプチン、リン酸水素カルシウム水和物、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン及びフマル酸ステアリルナトリウムを混合して混合物を得る。この混合物を打錠し、1錠質量が200mg(ビルダグリプチンの含量:50mg)の錠剤を得る。尚、原薬並びに各添加剤は、当該錠剤が下記表3に示す処方となるような量で上記製造に用いる。
[参考例2]湿式造粒法(攪拌造粒法)
ビルダグリプチン、D−マンニトール及びトレハロースを混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースを精製水に溶解した液を滴下して攪拌することで攪拌造粒を行う。攪拌造粒後に乾燥・整粒して顆粒を得る。上記で得られる顆粒、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン及びステアリン酸カルシウムを混合して混合物を得る。この混合物を打錠し、1錠質量が200mg(ビルダグリプチンの含量:50mg)の錠剤を得る。尚、原薬並びに各添加剤は、当該錠剤が下記表3に示す処方となるような量で上記製造に用いる。
ビルダグリプチン、D−マンニトール及びトレハロースを混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースを精製水に溶解した液を滴下して攪拌することで攪拌造粒を行う。攪拌造粒後に乾燥・整粒して顆粒を得る。上記で得られる顆粒、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン及びステアリン酸カルシウムを混合して混合物を得る。この混合物を打錠し、1錠質量が200mg(ビルダグリプチンの含量:50mg)の錠剤を得る。尚、原薬並びに各添加剤は、当該錠剤が下記表3に示す処方となるような量で上記製造に用いる。
[参考例3]湿式造粒法(流動層造粒法)
ビルダグリプチン、D−マンニトール及びリン酸水素カルシウム水和物を流動化させ、これにヒドロキシプロピルセルロースを精製水に溶解した液を噴霧・乾燥することで流動層造粒を行う。流動層造粒後に乾燥・整粒して顆粒を得る。上記で得られる顆粒、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン及びフマル酸ステアリルナトリウムを混合して混合物を得る。この混合物を打錠し、1錠質量が200mg(ビルダグリプチンの含量:50mg)の錠剤を得る。尚、原薬並びに各添加剤は、当該錠剤が下記表3に示す処方となるような量で上記製造に用いる。
ビルダグリプチン、D−マンニトール及びリン酸水素カルシウム水和物を流動化させ、これにヒドロキシプロピルセルロースを精製水に溶解した液を噴霧・乾燥することで流動層造粒を行う。流動層造粒後に乾燥・整粒して顆粒を得る。上記で得られる顆粒、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン及びフマル酸ステアリルナトリウムを混合して混合物を得る。この混合物を打錠し、1錠質量が200mg(ビルダグリプチンの含量:50mg)の錠剤を得る。尚、原薬並びに各添加剤は、当該錠剤が下記表3に示す処方となるような量で上記製造に用いる。
本発明は、製剤中のビルダグリプチンの過酷な保存条件下における化学的な安定性が改善された効果を有しているため、高品質なビルダグリプチンを含有する固形製剤を製造して医療現場に提供することを可能にすることが期待される。
Claims (5)
- ビルダグリプチン並びに賦形剤を含有する固形製剤であって、当該賦形剤がトレハロース、シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ及びリン酸塩から選ばれることを特徴とする固形製剤。
- ビルダグリプチン並びに崩壊剤を含有する固形製剤であって、当該崩壊剤が部分アルファー化デンプン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選ばれることを特徴とする固形製剤。
- ビルダグリプチン並びに結合剤を含有する固形製剤であって、当該結合剤がアルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルメロースナトリウムから選ばれることを特徴とする固形製剤。
- ビルダグリプチン並びに流動化剤又は滑沢剤を含有する固形製剤であって、当該流動化剤又は滑沢剤がステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム及びタルクから選ばれることを特徴とする固形製剤。
- ビルダグリプチン並びに(A)賦形剤、(B)崩壊剤、(C)結合剤及び(D)流動化剤又は滑沢剤を含有する固形製剤であって、当該(A)賦形剤がトレハロース、マンニトール、乳糖、トウモロコシデンプン、シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ及びリン酸塩から選ばれ、当該(B)崩壊剤が部分アルファー化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びクロスポビドンから選ばれ、当該(C)結合剤がアルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルメロースナトリウムから選ばれ、当該(D)流動化剤又は滑沢剤がステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム及びタルクから選ばれることを特徴とする固形製剤。
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JP2018071936A JP2019182756A (ja) | 2018-04-03 | 2018-04-03 | ビルダグリプチンを含有する固形製剤 |
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JP2018071936A JP2019182756A (ja) | 2018-04-03 | 2018-04-03 | ビルダグリプチンを含有する固形製剤 |
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