JP2019172672A - シタグリプチン又は其の塩を含有する固形製剤 - Google Patents

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浩人 寺田
孝則 駒井
Takanori Komai
孝則 駒井
南田 剛
Takeshi Minamida
剛 南田
俊哉 谷口
Toshiya Taniguchi
俊哉 谷口
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Abstract

【課題】過酷な保存条件下におけるシタグリプチンの化学的な安定性を改善した、シタグリプチン固形製剤の提供。。【解決手段】シタグリプチンを含有する固形製剤であって、例えば(A)乳糖、トレハロース、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、シクロデキストリン及びトウモロコシデンプン等の賦形剤、(B)部分アルファー化デンプン、カルメロース及びカルメロースカルシウム等の崩壊剤、(C)アルファー化デンプン及びポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体等の結合剤又はコーティング剤、(D)グリセリン脂肪酸エステル、硬化油、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、二酸化ケイ素及びケイ酸アルミン酸マグネシウム等の流動化剤又は滑沢剤を含有する固形製剤。【選択図】なし

Description

本発明は、原薬としてシタグリプチン又は其の塩を含有する製剤に関するものであり、其の保存条件下における原薬の化学的な安定性を改善するための詳細な方法を開示するものである。
シタグリプチンリン酸塩水和物はジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP−4)阻害薬であって、糖尿病の治療に有用な薬剤である(非特許文献1等参考)。
現在、シタグリプチンリン酸塩水和物は錠剤の剤形で日本国内の医療現場に提供されている。シタグリプチン又は其の塩を含有する製剤の処方や製造方法については、以下の特許文献1〜3においても紹介されているが、紹介している文献数が乏しいのが現状である。
本発明者は、製剤中に含まれるシタグリプチン又は其の塩の化学的な安定性を改善するための新たな技術の開発を目指した。
特許第5165582号公報 特許第5779566号公報 特表2017−511350号公報
「ジャヌビア(登録商標)錠12.5mg ジャヌビア(登録商標)錠25mg ジャヌビア(登録商標)錠50mg ジャヌビア(登録商標)錠100mg」医薬品インタビューフォーム2017年3月改訂(第24版)
本発明は、シタグリプチン又は其の塩の化学的な安定性又は其の製剤の色調変化の抑制が改善された其の固形製剤を製造するための技術的手段を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、シタグリプチンリン酸塩無水物と特定の添加剤を含有した固形製剤である場合には、シタグリプチンリン酸塩無水物の化学的な安定性が良好であることを見出した。本発明者はその知見に基づいて更に鋭意検討を重ね、下記の本発明を完成するに至った。
本発明の好ましい構成は以下(1)〜(12)において記述されるものである。
(1)シタグリプチン又は其の塩並びに賦形剤を含有する固形製剤であって、当該賦形剤が乳糖(乳糖水和物、無水乳糖等)、トレハロース、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、シクロデキストリン、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ及びリン酸水素カルシウムから選ばれることを特徴とする固形製剤。
(2)シタグリプチン又は其の塩並びに崩壊剤を含有する固形製剤であって、当該崩壊剤が部分アルファー化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウムから選ばれることを特徴とする固形製剤。
(3)シタグリプチン又は其の塩並びに結合剤又はコーティング剤を含有する固形製剤であって、当該結合剤又はコーティング剤がアルファー化デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体及びポビドンから選ばれることを特徴とする固形製剤(ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマーを実質的に含有しないものが望ましい。)。
(4)シタグリプチン又は其の塩並びに流動化剤又は滑沢剤を含有する固形製剤であって、当該流動化剤又は滑沢剤がグリセリン脂肪酸エステル、硬化油、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、二酸化ケイ素(軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等)及びケイ酸アルミン酸マグネシウムから選ばれることを特徴とする固形製剤(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル及びポリエチレングリコールを実質的に含有しないものが望ましい。)。
(5)シタグリプチン又は其の塩並びに(A)賦形剤、(B)崩壊剤、(D)流動化剤又は滑沢剤を含有する固形製剤であって、当該(A)賦形剤が乳糖(乳糖水和物、無水乳糖等)、トレハロース、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、シクロデキストリン、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ及びリン酸水素カルシウム(無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム水和物等)から選ばれ、当該(B)崩壊剤が部分アルファー化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウムから選ばれ、当該(D)流動化剤又は滑沢剤がグリセリン脂肪酸エステル、硬化油、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、二酸化ケイ素(軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等)及びケイ酸アルミン酸マグネシウムから選ばれることを特徴とする固形製剤(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル及びポリエチレングリコールを実質的に含有しないものが望ましい。)。
(6)シタグリプチン又は其の塩並びに(A)賦形剤、(B)崩壊剤、(C)結合剤又はコーティング剤及び(D)流動化剤又は滑沢剤を含有する固形製剤であって、当該(A)賦形剤が乳糖(乳糖水和物、無水乳糖等)、トレハロース、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、シクロデキストリン、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ及びリン酸水素カルシウム(無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム水和物等)から選ばれ、当該(B)崩壊剤が部分アルファー化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウムから選ばれ、当該(C)結合剤又はコーティング剤がアルファー化デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体及びポビドンから選ばれ、当該(D)流動化剤又は滑沢剤がグリセリン脂肪酸エステル、硬化油、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、二酸化ケイ素(軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等)及びケイ酸アルミン酸マグネシウムから選ばれることを特徴とする固形製剤(ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル及びポリエチレングリコールを実質的に含有しないものが望ましい。)。
(7)当該(A)賦形剤、(B)崩壊剤及び(D)流動化剤又は滑沢剤の合計{前記(5)の固形製剤の場合、当該(C)結合剤又はコーティング剤も含めて}を固形製剤の全重量に対して95.0〜100.0重量%含有する(望ましくは当該(A)、(B)及び(D)又は当該(A)〜(D)からなる)、前記(5)又は(6)に記載の固形製剤。
(8)シタグリプチン又は其の塩がシタグリプチンリン酸塩無水物(望ましくは結晶形態のものである。)である、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の固形製剤。
(9)シタグリプチン又は其の塩を固形製剤の全重量に対して20.0重量%以上含有する、前記(1)〜(8)のいずれかに記載の固形製剤。
(10)素錠である、前記(1)〜(9)のいずれかに記載の固形製剤。
(11)前記(10)に記載の素錠がコーティング層によって覆われている、コーティング錠。
(12)コーティング層に含有されるコーティング剤がアルファー化デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体及びポビドンから選ばれることを特徴とする、前記(11)に記載のコーティング錠。
本発明は、シタグリプチン又は其の塩の化学的な安定性又は其の製剤の色調変化の抑制が改善された其の固形製剤を製造するための技術的手段を提供することを目的とするものである。
以下で本発明の、シタグリプチン又は其の塩と特定の添加剤を含有した固形製剤の処方及び其の製造方法、を詳細に説明する。但し、以下の記載は本発明を説明するための例示であり、本発明の技術的範囲をこの記載範囲にのみ限定する趣旨ではない。
<原薬>
本発明の固形製剤は原薬としてシタグリプチン又は其の塩を含有するものであり、好ましくは、他の原薬を含まない、単剤である。シタグリプチン又は其の塩のメディアン径(d50)は5.0〜100.0μmであることが好ましい。シタグリプチン又は其の塩は、必要に応じて適宜乾式又は湿式粉砕を行い、任意の粒子径に調整することも可能である。尚、メディアン径はレーザー回析・散乱法によって測定(体積基準)することが可能である。シタグリプチン又は其の塩は固形製剤{望ましくは素錠(フィルムコーティング層で覆われていない錠剤を指す。以下同じ。)}の全重量に対して10.0重量%以上、好ましくは20.0〜50.0重量%、より好ましくは25.0〜50.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。本発明に係るシタグリプチン又は其の塩は望ましくはシタグリプチンリン酸塩、より望ましくはシタグリプチンリン酸塩無水物であり、更により望ましくは結晶形態のものである。1錠あたりのシタグリプチンとしての含量は12.5mg、25mg、50mg又は150mgであることが望ましい。
<固形製剤の形態>
本発明の固形製剤の剤形は、医療現場に提供される上で、カプセル剤又は錠剤としてあることが好ましく、より好ましくは錠剤である。本発明の錠剤は、打錠等により圧縮成形した素錠のまま、或いはコーティング剤を含むフィルムコーティング層で素錠を被覆したフィルムコーティング錠である。本発明の錠剤の形状は、円形錠、円形R錠、円形隅角錠、円形2段R錠や異形錠(楕円錠等)等のいずれの形状でもよい。本発明の素錠の製造方法としては、直接打錠法や原薬を含有する顆粒を製造する工程を介する湿式顆粒圧縮法等の方法が挙げられる。
<使用可能な添加剤>
本発明の固形製剤を製造するための添加剤としては、一般的に使用されている賦形剤、結合剤、コーティング剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤等の添加剤を使用することができる。当然であるが、本明細書における添加剤の語句の解釈において原薬が含まれることはない。
尚、下記の特定の賦形剤、特定の崩壊剤、特定の結合剤又はコーティング剤及び特定の流動化剤又は滑沢剤から選ばれる添加剤は、本発明の固形製剤(特に素錠)の全重量に対して90.0重量%以上、好ましくは95.0〜100.0重量%、より好ましくは98.0〜100.0重量%の範囲内で当該固形製剤中に含有され、最も好ましくは当該固形製剤が当該賦形剤、当該崩壊剤、当該結合剤又はコーティング剤、当該流動化剤又は滑沢剤から選ばれる添加剤からなる。
<特定の賦形剤>
本発明の固形製剤は、好適な特定の賦形剤を含有することが望ましい。当該賦形剤として具体的には、乳糖(乳糖水和物及び無水乳糖等が挙げられ、好ましくは乳糖水和物である。)、トレハロース、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、シクロデキストリン、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ及びリン酸水素カルシウム(無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム水和物等)が挙げられ、好ましくは乳糖、トレハロース、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、シクロデキストリン及びトウモロコシデンプンから選ばれ、より好ましくはマンニトールである。当該賦形剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して30.0重量%以上、好ましくは40.0〜80.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。尚、例えば当該賦形剤はマンニトール及びリン酸水素カルシウム(無水リン酸水素カルシウム等)の組み合わせであり得る。其の場合、マンニトールとリン酸水素カルシウムは前者1.0に対して後者が0.5〜1.5、好ましくは0.8〜1.2となるような重量比で本発明の固形製剤中に含まれることが可能である。
<特定の崩壊剤>
本発明の固形製剤は、好適な特定の崩壊剤を含有することが望ましい。当該崩壊剤として、具体的には部分アルファー化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスポビドン及びクロスカルメロースナトリウムが挙げられ、好ましくは部分アルファー化デンプン、カルメロース及びカルメロースカルシウムから選択される。崩壊剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは2.0〜20.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。尚、本発明の固形製剤はカルボキシメチルスターチナトリウムである崩壊剤を実質的に含有しないこと(其の含有量が固形製剤中の崩壊剤全重量に対して0.0〜10.0重量%、好ましくは0.0〜5.0重量%となること)が望ましく、含有しないことが特に望ましい。
<特定の結合剤・コーティング剤>
本発明の固形製剤は、好適な特定の結合剤又はコーティング剤を含有することが望ましい。結合剤は粉末を結合させて顆粒等を製造する際に用いるものであり、コーティング剤は顆粒や素錠の周囲にコーティング層を形成する際に用いるものである。当該結合剤又はコーティング剤として、具体的にはアルファー化デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体及びポビドンが挙げられ、好ましくはアルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体及びポビドンから選択され、より好ましくはアルファー化デンプン及びポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体から選択され、より好ましくはポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体である。上記の結合剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは0.1〜5.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。上記のコーティング剤は、素錠の周囲にコーティング層を形成してコーティング錠を製造する場合には当該素錠の全重量に対して好ましくは1.0〜10.0重量%の範囲内で当該コーティング錠中に含有され、顆粒の周囲にコーティング層を形成してコーティング顆粒を製造する場合には当該顆粒100.0重量部に対して好ましくは10.0重量部以上の範囲内で当該コーティング顆粒中に含有される。尚、本発明の固形製剤はポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマーである結合剤又はコーティング剤を実質的に含有しないこと(其の含有量が固形製剤中の結合剤及びコーティング剤全重量に対して0.0〜10.0重量%、好ましくは0.0〜5.0重量%となること)が望ましく、含有しないことが特に望ましい。
<特定の流動化剤・滑沢剤>
本発明の固形製剤は、好適な特定の流動化剤又は滑沢剤を含有することが望ましい。当該流動化剤又は滑沢剤として、具体的にはグリセリン脂肪酸エステル、硬化油、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、二酸化ケイ素(軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等)及びケイ酸アルミン酸マグネシウムが挙げられ、好ましくはグリセリン脂肪酸エステル及びタルクから選択される。流動化剤として望ましくはタルク、二酸化ケイ素(軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等)及びケイ酸アルミン酸マグネシウムから選択され、滑沢剤として望ましくはグリセリン脂肪酸エステル、硬化油及びフマル酸ステアリルナトリウムから選択される。流動化剤及び滑沢剤は、其々、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは0.1〜5.0重量%、より好ましくは0.5〜3.0重量%の範囲内で固形製剤(望ましくは素錠)中に含有される。滑沢剤は打錠の際の滑沢性を付与するために用いるものであり、流動化剤は製造時の流動性を改善するために用いるものである。或る化合物を流動化剤として用い、別の化合物を滑沢剤として用いることが製造上望ましい。尚、本発明の固形製剤はステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸カルシウムである流動化剤又は滑沢剤、更にはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル及びポリエチレングリコールである流動化剤又は滑沢剤を実質的に含有しないこと(其の含有量が固形製剤中の流動化剤及び滑沢剤全重量に対して0.0〜10.0重量%、好ましくは0.0〜5.0重量%となること)が望ましく、含有しないことが特に望ましい。
遮光剤として、具体的には酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄、褐色酸化鉄、食用黄色4号、食用黄色5号、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号等を挙げる事ができる。遮光剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは0.2重量%以上の範囲で固形製剤(望ましくは錠剤)中に含有される。遮光剤はフィルムコーティング層に含まれることが好ましい。フィルムコーティング層100.0重量部に対して遮光剤は、好ましくは3.0〜10.0重量部の範囲内でフィルムコーティング層中に含有される。
以下に実施例等により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。以下の実施例に記載の医薬組成物の製造において、シタグリプチンリン酸塩無水物は事前にその粒子径分布がd10=6.36μm、d50=46.37μm、d90=135.7μm{レーザー回析・散乱法によって測定(体積基準)}であるものを使用した。
シタグリプチンリン酸塩無水物(結晶形態)0.25gと、下記表1、2に記載の添加剤(下線無し)のいずれか一つ0.5gをポリ袋で混合し、粉末状の医薬組成物を得た。
[比較例1]
シタグリプチンリン酸塩無水物(結晶形態)0.25gと、下記表1、2に記載の添加剤(下線有り)のいずれか一つ0.5gをポリ袋で混合し、粉末状の医薬組成物を得た。
[試験例1]
実施例1及び比較例1の各医薬組成物を、温度60℃相対湿度75%の開放条件下で10日間保存した後に、シタグリプチン由来の総類縁体の生成量{シタグリプチン及び当該総類縁体の全体量に対する割合(%)で示す。}を測定した。其の測定は高速液体クロマトグラフィー法(定量方法は面積百分率法を使用した。)によって行った。上記の測定結果(小数点第4位以下は四捨五入した。)は下記の表1、2に示す。
Figure 2019172672
Figure 2019172672
表1、2より、実施例の医薬組成物(下線無し)は、比較例の医薬組成物(下線有り)に対して、顕著にシタグリプチン由来の総類縁体の生成量が保存後において低く、優れた品質をもつことが示された。
シタグリプチンリン酸塩無水物(結晶形態)、D−マンニトール、無水リン酸水素カルシウム、クロスカルメロースナトリウム及びフマル酸ステアリルナトリウムを混合し、其の混合物をロータリー式打錠機(VELA5/菊水製作所社製)を用いて打圧900kgfで圧縮成型し、1錠質量が200.0mg、直径8.0mm、厚さ3.1mmの素錠(円形R錠)を得た。
尚、上記の原薬並びに各添加剤は、下記表3(表中の数値単位はmgである。)に示す錠剤の処方となるような量で上記の製造に用いた。
乳鉢中のシタグリプチンリン酸塩無水物(結晶形態)及びD−マンニトールの混合物に対して、下記表3に記載の結合剤のいずれか一つを精製水に溶解した液を滴下して混ぜて湿式造粒を行った。湿式造粒後に乾燥・整粒して顆粒を得た。
上記で得られた顆粒、無水リン酸水素カルシウム、クロスカルメロースナトリウム及びフマル酸ステアリルナトリウムを混合して各混合物を得た。この各混合物をロータリー式打錠機(VELA5/菊水製作所社製)を用いて打圧900kgfで圧縮成型し、1錠質量が200.0mg、直径8.0mm、厚さ3.1mmの素錠(円形R錠)を得た。
尚、上記の原薬並びに各添加剤は、下記表3(表中の数値単位はmgである。)に示す錠剤の処方となるような量で上記の製造に用いた。
Figure 2019172672
[試験例2]
実施例2、3で得られた各錠剤並びに市販錠剤(ジャヌビア(登録商標)錠50mg)について、温度60℃相対湿度75%の開放条件下で7日間保存後に、シタグリプチン由来の総類縁体の生成量{シタグリプチン及び当該総類縁体の全体量に対する割合(%)で示す。}を測定した。其の測定は高速液体クロマトグラフィー法(定量方法は面積百分率法を使用した。)によって行った。上記の測定結果(小数点第4位以下は四捨五入した。)は下記の表4に示す。
[試験例3]
実施例2、3で得られた各錠剤並びに市販錠剤(ジャヌビア(登録商標)錠50mg)について、保存前並びに温度60℃相対湿度75%の開放条件下で7日間保存後に、各錠剤表面(市販錠剤については錠剤表面及び分割した断面の素錠部分。)の明度(L*)、色相と彩度を示す色度(a*およびb*)について分光色差計(日本電色工業社製:SE6000型)を用いて測定した(市販錠剤の分割断面の測定については保存前に分割したものの測定と上記保存後に分割したものの測定を行なった。)。この結果から、各錠剤の保存前後の色差(ΔE)を算出して下記表4に示した。色差(ΔE)は色度値としてCIELab1976に規定されるL*a*b*を用い、下記の式にて算出した。ΔE={(ΔL*)^2+(Δa*)^2(Δb*)^2}^1/2(日本電色工業株式会社、Spectrophotometer SE6000型、取扱説明書より)。
Figure 2019172672
表4の結果より、本発明に係る実施例2,3の錠剤はいずれも顕著にシタグリプチン由来の総類縁体の生成量が保存後においても低く、優れた品質をもつことが示された。また表4の結果より、本発明に係る実施例2、3の錠剤(結合剤としてヒプロメロースを用いたものを除く。)は保存後の錠剤表面の着色が有意に抑制されていることが確認された。
本発明の具体的な錠剤の製造方法案として他に考え得るものを参考例として以下に記載する。参考例の錠剤製造においてシタグリプチンリン酸塩無水物は事前にその粒子径分布がd10=6.36μm、d50=46.37μm、d90=135.7μm{レーザー回析・散乱法によって測定(体積基準)}であるものを使用する。
[参考例1]直接打錠法
シタグリプチンリン酸塩無水物(結晶形態)、乳糖水和物、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、クロスポビドン及びフマル酸ステアリルナトリウムを混合して各混合物を得る。この各混合物を打錠し、1錠質量が100mg(シタグリプチンとしての含量:12.5mg)、100mg(シタグリプチンとしての含量:25mg)、200mg(シタグリプチンとしての含量:50mg)及び400mg(シタグリプチンとしての含量:100mg)の錠剤を其々得る。尚、原薬並びに各添加剤は、当該各錠剤が下記表5に示す処方となるような量で上記製造に用いる。
[参考例2]湿式造粒法(攪拌造粒法)
シタグリプチンリン酸塩無水物(結晶形態)及びD−マンニトールを混合し、これにポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体を精製水に溶解した液を滴下して攪拌することで攪拌造粒を行う。攪拌造粒後に乾燥・整粒して顆粒を得る。上記で得られる顆粒、クロスカルメロースナトリウム及び硬化油を混合して各混合物を得る。この各混合物を打錠し、1錠質量が100mg(シタグリプチンとしての含量:12.5mg)、100mg(シタグリプチンとしての含量:25mg)、200mg(シタグリプチンとしての含量:50mg)及び400mg(シタグリプチンとしての含量:100mg)の錠剤を其々得る。尚、原薬並びに各添加剤は、当該各錠剤が下記表5に示す処方となるような量で上記製造に用いる。
[参考例3]湿式造粒法(流動層造粒法)
シタグリプチンリン酸塩無水物(結晶形態)及び乳糖水和物を流動化させ、これにポリビニルアルコールを精製水に溶解した液を噴霧・乾燥することで流動層造粒を行う。流動層造粒後に乾燥・整粒して顆粒を得る。上記で得られる顆粒、クロスカルメロースナトリウム及びグリセリン脂肪酸エステルを混合して各混合物を得る。この各混合物を打錠し、1錠質量が100mg(シタグリプチンとしての含量:12.5mg)、100mg(シタグリプチンとしての含量:25mg)、200mg(シタグリプチンとしての含量:50mg)及び400mg(シタグリプチンとしての含量:100mg)の錠剤を其々得る。尚、原薬並びに各添加剤は、当該各錠剤が下記表5に示す処方となるような量で上記製造に用いる。
Figure 2019172672
本発明は、製剤中のシタグリプチンの過酷な保存条件下における化学的な安定性が改善された効果を有しているため、高品質なシタグリプチンを含有する固形製剤を製造して、医療現場に提供することが期待される。
以下に実施例等により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。以下の実施例に記載の医薬組成物の製造において、シタグリプチンリン酸塩無水物は事前にその粒子径分布がd10=6.36μm、d50=46.37μm、d90=135.7μm{レーザー回析・散乱法によって測定(体積基準)}であるものを使用した。

Claims (7)

  1. シタグリプチンリン酸塩並びに賦形剤を含有する固形製剤であって、賦形剤が乳糖、トレハロース、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、シクロデキストリン及びトウモロコシデンプンから選ばれることを特徴とする固形製剤。
  2. シタグリプチンリン酸塩並びに崩壊剤を含有する固形製剤であって、崩壊剤が部分アルファー化デンプン、カルメロース及びカルメロースカルシウムから選ばれることを特徴とする固形製剤。
  3. シタグリプチンリン酸塩並びに結合剤又はコーティング剤を含有する固形製剤であって、結合剤又はコーティング剤がアルファー化デンプン及びポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体から選ばれることを特徴とする固形製剤。
  4. シタグリプチンリン酸塩並びに流動化剤又は滑沢剤を含有する固形製剤であって、シタグリプチンリン酸塩無水物を固形製剤の全重量に対して20.0重量%以上含有し、流動化剤又は滑沢剤がグリセリン脂肪酸エステル、硬化油、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、二酸化ケイ素及びケイ酸アルミン酸マグネシウムから選ばれることを特徴とする固形製剤(但し、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸カルシウムを実質的に含有しないものに限る。)。
  5. シタグリプチンリン酸塩が無水物である、請求項1〜4のいずれかに記載の固形製剤。
  6. シタグリプチンリン酸塩無水物並びに(A)賦形剤、(B)崩壊剤、及び(D)流動化剤又は滑沢剤を含有する固形製剤であって、シタグリプチンリン酸塩無水物を固形製剤の全重量に対して20.0重量%以上含有し、(A)賦形剤が乳糖、トレハロース、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、シクロデキストリン、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ及びリン酸水素カルシウムから選ばれ、(B)崩壊剤が部分アルファー化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウムから選ばれ、(D)流動化剤又は滑沢剤がグリセリン脂肪酸エステル、硬化油、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、二酸化ケイ素及びケイ酸アルミン酸マグネシウムから選ばれることを特徴とする固形製剤。
  7. シタグリプチンリン酸塩無水物並びに(A)賦形剤、(B)崩壊剤、(C)結合剤及び(D)流動化剤又は滑沢剤を含有する固形製剤であって、シタグリプチンリン酸塩無水物を固形製剤の全重量に対して20.0重量%以上含有し、(A)賦形剤が乳糖、トレハロース、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、シクロデキストリン、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ及びリン酸水素カルシウムから選ばれ、(B)崩壊剤が部分アルファー化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウムから選ばれ、(C)結合剤がアルファー化デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体及びポビドンから選ばれ、(D)流動化剤又は滑沢剤がグリセリン脂肪酸エステル、硬化油、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、二酸化ケイ素及びケイ酸アルミン酸マグネシウムから選ばれることを特徴とする固形製剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021066718A (ja) * 2019-10-17 2021-04-30 日本ジェネリック株式会社 シタグリプチン含有錠剤
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