JP2019138376A - 免震機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】摺動子が傾斜面の傾斜角度が切り替わる箇所を通過する際に生じる加速度、スティックスリップ現象の衝撃によって生じる加速度、および、構造物の上階層や下階層に生じる中層階よりも大きな加速度を低減させることができる免震機構を提供する。【解決手段】下部構造体11と上部構造体12とが水平方向に相対変位すると、該相対変位に追従して積層ゴム45が水平方向に変形し、積層ゴム45の原位置に対する水平変位が所定の水平変位設定値を超えた後に、摺動子4が下部摺動面21および上部摺動面の少なくとも一方で摺動するように構成され、下部摺動部42と上部摺動部44との水平方向の相対変位量の最大値は、積層ゴム45の厚さ寸法の2倍以下に設定され、積層ゴム45は、水平方向の変形量が積層ゴム45の厚さ寸法の2倍以下の場合には弾性変形し塑性変形しない。【選択図】図5

Description

本発明は、免震機構に関する。
従来、すべり支承のすべり面を傾斜面とした傾斜すべり支承が知られている(例えば、特許文献1参照)。傾斜すべり支承は、互いに直交する方向にそれぞれV字形状に傾斜する2つの傾斜面で摺動子を上下から挟み、摺動子が下側の傾斜面に沿って摺動するとともに、上側の傾斜面に沿って摺動するように構成されている。摺動子の上下には、傾斜面に沿って滑る摩擦面がそれぞれ形成されている。傾斜すべり支承は、摺動子が傾斜面を摺動することにより、摺動子と傾斜面との摩擦抵抗力による減衰力と、自重による復元力と、を得るように構成されている。
このように、傾斜すべり支承は、免震装置に必要な荷重支持機能、減衰機能、および復元機能を有している。また、傾斜すべり支承は、周期特性を有していないことから地震の特性の影響を受けにくく共振しないこと、建物が不整形であったり偏荷重であったり荷重の変動があったりする場合でも捩れが生じにくいこと、残留変位がわずかで累計しないため、地震後に建物を継続して使用可能であるという特徴がある。
なお、特許文献1には、摺動子と傾斜面との摩擦係数μと、傾斜面の傾斜角度θとの関係を、tanθ=(0.2〜0.4)μ程度とすることで残留変位を抑制できることが開示されている。
特開2013−130216号公報
摺動子には、傾斜面の傾斜角度が切り替わる箇所を通過する際に、衝撃による加速度が生じることになる。発生した地震が中小地震の場合、摺動子が傾斜角度が切り替わる箇所を頻繁に通過して加速度が生じるため、免震性能上の問題はないが、居住性が悪いという問題がある。
また、摺動子が傾斜面を摺動する際に、摺動面に引っ掛かったり滑ったりを繰り返すスティックスリップ現象が発生し、高周波成分を有する加速度が発生するという問題もある。
また、すべり免震支承が設けられた構造物の上層階および下層階には、すべり免震支承の上側の上部構造に起因して生じる高周波(高次モード)成分により、中間階に比べて大きな加速度が生じるという問題もある。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、摺動子が傾斜面の傾斜角度が切り替わる箇所を通過する際に生じる加速度、スティックスリップ現象の衝撃によって生じる加速度、および、構造物の上階層や下階層に生じる中層階よりも大きな加速度を低減させることができる免震機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る免震機構は、水平方向に相対変位可能な下部構造体と上部構造体との間に設けられる免震機構において、前記下部構造体の上部に設けられ、一の水平方向に沿って下側に凸となるV字形状に形成された下部摺動面を有する下部案内部と、前記上部構造体の底部に設けられ、前記一の水平方向に直交する他の水平方向に沿って上側に凸となる逆V字形状に形成された上部摺動面を有する上部案内部と、前記下部摺動面と前記上部摺動面との間に配置され、前記下部摺動面に沿って前記下部案内部と前記一の水平方向に相対変位可能であるともに、前記上部摺動面に沿って前記上部案内部と前記他の水平方向に相対変位可能な摺動子と、を有し、前記摺動子は、前記下部摺動面を摺動可能な下部摺動部と、前記下部摺動部の上側に配置されて前記上部摺動面を摺動可能な上部摺動部と、前記下部摺動部と前記上部摺動部との間に配置され前記下部摺動部と前記上部摺動部とを水平方向に相対移動可能に支持する積層ゴムと、を有し、前記下部構造体と前記上部構造体とが水平方向に相対変位すると、該相対変位に追従して前記積層ゴムが水平方向に変形し、前記積層ゴムの原位置に対する水平変位が所定の水平変位設定値を超えた後に、前記摺動子が前記下部摺動面および前記上部摺動面の少なくとも一方で摺動するように構成され、前記下部摺動部と前記上部摺動部との水平方向の相対変位量の最大値は、前記積層ゴムの厚さ寸法の2倍以下に設定され、前記積層ゴムは、水平方向の変形量が前記積層ゴムの厚さ寸法の2倍以下の場合には弾性変形し塑性変形しないことを特徴とする。
本発明では、地震が生じ、下部構造体と上部構造体とが水平方向に相対変位すると、まず、摺動子は上部摺動面および下部摺動面に対して摺動せずに、積層ゴムのみが変形する。ここから更に下部構造体と上部構造体とが水平方向に相対変位して、積層ゴムの原位置に対する水平変位が所定の水平変位設定値を超えると、摺動子が上部摺動面および下部摺動面に対して摺動し始める。
これにより、摺動子が傾斜面(下部摺動面、上部摺動面)の傾斜角度が切り替わる箇所を通過する際に衝撃が生じたり、スティックスリップ現象の衝撃が生じたりした場合でも、積層ゴムが変形することにより衝撃を吸収できるため、摺動子に生じる加速度を低減させることができる。
また、傾斜滑り支承のみの免震機構と比べて、積層ゴムの変形によって免震機構の上部の構造に起因する高周波成分を低減させることができるため、構造物の上階層や下階層に生じる加速度を低減させることができる。
そして、下部摺動部と上部摺動部との水平方向の相対変位量の最大値は、積層ゴムの厚さ寸法の2倍以下に設定され、積層ゴムは、水平方向の変形量が積層ゴムの厚さ寸法の2倍以下の場合には弾性変形し塑性変形しないことにより、積層ゴムに確実に減衰性能が付与されるため、加速度の低減効果を高めることができる。
また、本発明に係る免震機構では、前記積層ゴムのせん断剛性Krbは、前記積層ゴムのせん断剛性Krb=(前記上部構造体の自重W×摩擦係数μ+tan傾斜角度θ)/前記摺動子の前記積層ゴムに設定する最大変位量Δmaxで設定されていてもよい。
このような構成とすることにより、摺動子が傾斜面の傾斜角度が切り替わる箇所を通過する際に生じる加速度、スティックスリップ現象の衝撃によって生じる加速度、および、構造物の上階層や下階層に生じる中層階よりも大きな加速度をより低減させることができる。傾斜角度θとは、下部摺動面および上部摺動面の傾斜角度を示している。
また、本発明に係る免震機構では、前記積層ゴムは、上下方向から見て縁部が前記下部摺動部および前記上部摺動部よりも外側に突出し、前記縁部が前記下部摺動部および前記上部摺動部に固定された支持具で上下方向から挟持されていてもよい。
このような構成とすることにより、積層ゴムを下部摺動部および上部摺動部に確実に固定することができる。また、積層ゴムの上下方向から見た形状を下部摺動部および上部摺動部よりも大きくすることができるため、下部摺動部および上部摺動部の形状にかかわらず積層ゴムの形状を設定することができる。
本発明によれば、摺動子が傾斜面の傾斜角度が切り替わる箇所を通過する際に生じる加速度、スティックスリップ現象の衝撃によって生じる加速度、および、構造物の上階層や下階層に生じる中層階よりも大きな加速度を低減させることができる。
本発明の実施形態による免震機構の一例を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態による免震機構を上方から見た図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 (a)は下部構造体と上部構造体とがX方向に相対変位し始めた状態を説明する図、(b)は(a)よりも多く下部構造体と上部構造体とがX方向に相対変位した状態を説明する図である。 本実施形態による免震機構の復元特性を説明する図である。 構造部の頂部における応答加速度波形のフーリエ振幅スペクトル(EL Centro)を示すグラフである。 解析対象の構造物の形状と解析モデルを示す図である。 (a)はケース1の加振波形における各階の最大応答変位の比較を示す図、(b)はケース1の加振波形における各階の最大応答加速度の比較を示す図、(c)はケース1の加振波形における摺動子の積層ゴムに生じる変位と残留変位との比較を示す図である。 (a)はケース2の加振波形における各階の最大応答変位の比較を示す図、(b)はケース2の加振波形における各階の最大応答加速度の比較を示す図、(c)はケース2の加振波形における摺動子の積層ゴムに生じる変位と残留変位との比較を示す図である。 (a)はケース3の加振波形における各階の最大応答変位の比較を示す図、(b)はケース3の加振波形における各階の最大応答加速度の比較を示す図、(c)はケース3の加振波形における摺動子の積層ゴムに生じる変位と残留変位との比較を示す図である。 (a)はケース4の加振波形における各階の最大応答変位の比較を示す図、(b)はケース4の加振波形における各階の最大応答加速度の比較を示す図、(c)はケース4の加振波形における摺動子の積層ゴムに生じる変位と残留変位との比較を示す図である。 (a)はケース5の加振波形における各階の最大応答変位の比較を示す図、(b)はケース5の加振波形における各階の最大応答加速度の比較を示す図、(c)はケース5の加振波形における摺動子の積層ゴムに生じる変位と残留変位との比較を示す図である。 (a)はケース6の加振波形における各階の最大応答変位の比較を示す図、(b)はケース6の加振波形における各階の最大応答加速度の比較を示す図、(c)はケース6の加振波形における摺動子の積層ゴムに生じる変位と残留変位との比較を示す図である。 (a)はケース7の加振波形における各階の最大応答変位の比較を示す図、(b)はケース7の加振波形における各階の最大応答加速度の比較を示す図、(c)はケース7の加振波形における摺動子の積層ゴムに生じる変位と残留変位との比較を示す図である。 (a)はケース1の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが4cmの場合の各階の応答変位を示す図、(b)はケース1の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが4cmの場合の各階の応答加速度を示す図である。 (a)はケース2の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが4cmの場合の各階の応答変位を示す図、(b)はケース2の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが4cmの場合の各階の応答加速度を示す図である。 (a)はケース3の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが4cmの場合の各階の応答変位を示す図、(b)はケース3の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが4cmの場合の各階の応答加速度を示す図である。 (a)はケース4の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが4cmの場合の各階の応答変位を示す図、(b)はケース4の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが4cmの場合の各階の応答加速度を示す図である。 (a)はケース5の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが4cmの場合の各階の応答変位を示す図、(b)はケース5の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが4cmの場合の各階の応答加速度を示す図である。 (a)はケース6の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが4cmの場合の各階の応答変位を示す図、(b)はケース6の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが4cmの場合の各階の応答加速度を示す図である。 (a)はケース7の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが4cmの場合の各階の応答変位を示す図、(b)はケース7の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが4cmの場合の各階の応答加速度を示す図である。 (a)はケース1の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが8cmの場合の各階の応答変位を示す図、(b)はケース1の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが8cmの場合の各階の応答加速度を示す図である。 (a)はケース2の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが8cmの場合の各階の応答変位を示す図、(b)はケース2の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが8cmの場合の各階の応答加速度を示す図である。 (a)はケース3の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが8cmの場合の各階の応答変位を示す図、(b)はケース3の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが8cmの場合の各階の応答加速度を示す図である。 (a)はケース4の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが8cmの場合の各階の応答変位を示す図、(b)はケース4の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが8cmの場合の各階の応答加速度を示す図である。 (a)はケース5の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが8cmの場合の各階の応答変位を示す図、(b)はケース5の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが8cmの場合の各階の応答加速度を示す図である。 (a)はケース6の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが8cmの場合の各階の応答変位を示す図、(b)はケース6の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが8cmの場合の各階の応答加速度を示す図である。 (a)はケース7の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが8cmの場合の各階の応答変位を示す図、(b)はケース7の加振波形における積層ゴムの最大変位量Δmaxが8cmの場合の各階の応答加速度を示す図である。 (a)はケース1の加振波形における最大変位量と残留変位との比較を示すグラフ、(b)はケース2の加振波形における最大変位量と残留変位との比較を示すグラフ、(c)はケース3の加振波形における最大変位量と残留変位との比較を示すグラフ、(d)はケース4の加振波形における最大変位量と残留変位との比較を示すグラフ、(e)はケース5の加振波形における最大変位量と残留変位との比較を示すグラフ、(f)はケース6の加振波形における最大変位量と残留変位との比較を示すグラフ、(g)はケース7の加振波形における最大変位量と残留変位との比較を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態による免震機構1について、図1〜図7に基づいて説明する。
図1および図2に示す本実施形態による免震機構1は、下部構造体11(図3および図4参照)と上部構造体12(図3および図4参照)との間の免震層13(図3および図4参照)に設けられている。本実施形態では、免震機構1は、免震層13に複数設けられているものとする。免震層13に設けられた複数の免震機構1は、それぞれ同じ形態としている。
免震機構1は、下部構造体11の上部に固定された下部案内部2と、上部構造体12の底部に固定された上部案内部3と、下部案内部2と上部案内部3との間に配置された摺動子4と、を有している。
図3に示すように、下部案内部2は、摺動子4が摺動する下部摺動面21を有する本体部22と、本体部22の下部に連結されて下部構造体11に固定される固定部23と、を有している。なお、図2では、固定部23を省略している。
本体部22は、長尺の略直方体となるブロック状に形成され、一の水平方向に延びる向きに配置されている。一の水平方向をX方向とし、一の水平方向に直交する他の水平方向をY方向とする。本体部22の上面は、X方向に沿ってX方向の略中央部が下側に凸となる略V字形状の傾斜面に形成されている。この本体部22の上面が下部摺動面21となっている。下部摺動面21の略中央部の屈曲している部分を下部屈曲部211とする。また、下部摺動面21のうち、下部屈曲部211からX方向の一方側を第1下部摺動面212とし、下部屈曲部211からX方向の他方側を第2下部摺動面213とする。
第1下部摺動面212および第2下部摺動面213は、それぞれ平面となる傾斜面に形成されている。第1下部摺動面212および第2下部摺動面213の水平面に対する傾斜角度は、互いに同じ値(傾斜角度θ)に設定されている。
第1下部摺動面212および第2下部摺動面213には、摺動子4との摩擦を低減させるようにステンレスやメッキ鋼板あるいはテフロン(登録商標)などの滑り材がそれぞれ設けられている。
図4に示すように、本体部22の両側面(Y方向の両側の端面)221,221は、それぞれY方向を向く略垂直面となるように形成されている。
図3および図4に示すように、固定部23は、板状に形成され、板面が水平面となる向きで本体部22の下面と接合されている。固定部23は、本体部22よりもX方向およびY方向に大きい略長方形状に形成され、本体部22よりもX方向およびY方向に突出している。固定部23は、下部構造体11の上面に固定されている。
図4に示すように、上部案内部3は、摺動子4が摺動する上部摺動面31を有する本体部32と、本体部32の上部に連結されて上部構造体12に固定される固定部33と、を有している。なお、図2では、固定部33を省略している。
本体部32は、長尺の略直方体となるブロック状に形成され、Y方向に延びる向きに配置されている。本体部32の下面は、Y方向に沿ってY方向の略中央部が上側に凸となる略逆V字形状の傾斜面に形成されている。この本体部32の下面が上部摺動面31となっている。上部摺動面31の略中央部の屈曲している部分を上部屈曲部311とする。また、上部摺動面31のうち、上部屈曲部311からY方向の一方側を第1上部摺動面312とし、上部屈曲部311からY方向の他方側を第2上部摺動面313とする。
第1上部摺動面312および第2上部摺動面313は、それぞれ平面となる傾斜面に形成されている。第1上部摺動面312および第2上部摺動面313の水平面に対する傾斜角度は、互いに同じ値(傾斜角度θ)に設定されている。この傾斜角度θは、第1下部摺動面212および第2下部摺動面213の水平面に対する傾斜角度θと同じ値となっている。
第1上部摺動面312および第2上部摺動面313には、摺動子4との摩擦を低減させるようにステンレスやメッキ鋼板あるいはテフロン(登録商標)などの滑り材がそれぞれ設けられている。
図3に示すように、本体部32の両側面(X方向の両側の端面)321,321は、それぞれX方向を向く略垂直面となるように形成されている。
図3および図4に示すように、固定部33は、板状に形成され、板面が水平面となる向きで本体部32の上面と接合されている。固定部33は、本体部32よりもX方向およびY方向に大きい略長方形状に形成され、本体部32よりもX方向およびY方向に突出している。固定部33は、上部構造体12の下面に固定されている。
このような下部案内部2と上部案内部3とは、上下方向に間をあけて重なるように配置され、下部案内部2と上部案内部3とが上下方向に重なる交差部10に摺動子4が配置されている。
図3および図4に示すように、摺動子4は、下部摺動面21と当接する下部当接面41を有する下部摺動部42と、上部摺動面31と当接する上部当接面43を有する上部摺動部44と、下部摺動部42と上部摺動部44との間に配置される積層ゴム45と、を有している。さらに、本実施形態では、下部摺動部42のY方向の両縁部それぞれから下側に突出し下部案内部2の本体部22のY方向の両側にそれぞれ配置される一対の下部ガイド部46,46と、上部摺動部44のX方向の両縁部それぞれから上側に突出し上部案内部3の本体部32のX方向の両側にそれぞれ配置される一対の上部ガイド部47,47と、を有している。
下部摺動部42は、平面視形状(上方から見た形状)が略正方形となるブロック状に形成されている。
一対の下部ガイド部46,46は、互いにY方向に間隔をあけて配置されている。一対の下部ガイド部46,46の間隔は、下部案内部2の本体部22のY方向の寸法よりもやや大きく形成されている。一対の下部ガイド部46,46における互いにY方向に対向する内側面461,461は、鉛直面に形成されている。
下部摺動部42の下面のうちの一対の下部ガイド部46,46の間の領域に下部当接面41が形成されている。
下部摺動部42は、下部案内部2の上側に配置されると、下部当接面41が下部案内部2の下部摺動面21と当接し、一対の下部ガイド部46,46が下部案内部2の本体部22のY方向の両側方に配置される。図4に示すように、一対の下部ガイド部46,46それぞれの内側面461,461は、本体部22の側面(Y方向の端面)221,221と対向している。本実施形態では、一対の下部ガイド部46,46それぞれの内側面461,461に滑り材462,462が設けられていて、滑り材462,462が本体部22の側面221,221と当接している。
図3に示すように、下部当接面41は、X方向に沿ってX方向の略中央部が下側に凸となる略V字形状の傾斜面に形成されている。この下部当接面41のX方向の略中央部の屈曲している部分を下部屈曲部411とする。
また、下部当接面41のうち、下部屈曲部411よりもX方向の一方側を第1下部当接面412とし、下部屈曲部411よりもX方向の他方側を第2下部当接面413とする。
第1下部当接面412および第2下部当接面413には、それぞれテフロン(登録商標)などの滑り材414がそれぞれ設けられている。
下部摺動部42の上面は略水平面に形成され、積層ゴム45が接続されている。
上部摺動部44は、平面視形状(上方から見た形状)が略正方形となるブロック状に形成されている。
一対の上部ガイド部47,47は、互いにX方向に間隔をあけて配置されている。一対の上部ガイド部47,47の間隔は、上部案内部3の本体部22のX方向の寸法よりもやや大きく形成されている。一対の上部ガイド部47,47における互いにX方向に対向する内側面471,471は、鉛直面に形成されている。
上部摺動部44の下面のうちの一対の上部ガイド部47,47の間の領域に上部当接面43が形成されている。
図4に示すように、上部摺動部44は、上部案内部3の下側に配置されると、上部当接面43が上部案内部3の下部摺動面21と当接し、一対の上部ガイド部47,47が上部案内部3の本体部32のX方向の両側方に配置される。図3に示すように、一対の上部ガイド部47,47それぞれの内側面471,471は、本体部32の側面(X方向の両側の端面)321,321と対向している。本実施形態では、一対の上部ガイド部47,47それぞれの内側面471,471に滑り材472,472が設けられていて、滑り材472,472が本体部32の側面321,321と当接している。
図4に示すように、上部当接面43は、Y方向に沿ってX方向の略中央部が上側に凸となる略逆V字形状の傾斜面に形成されている。この上部当接面43のY方向の略中央部の屈曲している部分を上部屈曲部431とする。
また、上部当接面43のうち、上部屈曲部431よりもY方向の一方側を第1上部当接面432とし、上部屈曲部431よりもY方向の他方側を第2上部当接面433とする。
第1上部当接面432および第2上部当接面433には、それぞれテフロン(登録商標)などの滑り材434がそれぞれ設けられている。
上部摺動部44の下面は略水平面に形成され、積層ゴム45が接続されている。
下部摺動部42の上面と上部摺動部44の下面とは、略同じ正方形に形成され、積層ゴムを介して上下方向に重なっている。下部摺動部42の上面の縁部と上部摺動部44の下面の縁部とは、上下方向に重なっている。
図3および図4に示すように、積層ゴム45は、ゴムと薄鋼板とを鉛直に積層した公知の構造のもので、水平方向に弾性変形可能に構成され、下部摺動部42と上部摺動部44とを水平方向に相対移動可能に連結している。
積層ゴム45は、上下方向から見た形状が下部摺動部42の上面および上部摺動部44の下面よりも大きい正方形に形成され、下部摺動部42の上面と上部摺動部44の下面との間に配置された状態で、縁部45aが下部摺動部42の縁部42aおよび上部摺動部44の縁部44aよりも外側に突出している。
積層ゴム45は、下部摺動部42の上面および上部摺動部44の下面それぞれに固定されているとともに、下部摺動部42および上部摺動部44に固定された支持具48に支持されている。
支持具48は、下部摺動部42に固定されて積層ゴム45の下面の縁部近傍と当接する下側支持具481と、上部摺動部44に固定されて積層ゴム45の上面の縁部近傍と当接する上側支持具482と、を有している。
下側支持具481は、四方枠状に形成され、下部摺動部42の側面の上縁部に沿って配置されている。下側支持具481は、下部摺動部42の側面に当接して固定される下側固定板部481aと、積層ゴム45の下面の縁部近傍に当接して積層ゴム45を支持する下側支持板部481bと、を有している。
上側支持具482は、下側支持具481と上下方向に対称となる四方枠状に形成され、上部摺動部44の側面の下縁部に沿って配置されている。上側支持具482は、上部摺動部44の側面に当接して固定される上側固定板部482aと、積層ゴム45の上面の縁部近傍に当接して積層ゴム45を支持する上側支持板部482bと、を有している。
積層ゴム45の縁部近傍は、下側支持板部481bと上側支持板部482bとに上下方向から挟持されている。
積層ゴム45は、下部摺動部42と上部摺動部44とが水平方向に相対変位すると、下部摺動部42と上部摺動部44との相対変位に追従してゴム部分が弾性変形する。
そして、弾性変形したゴム部分の復元力(弾性すべり復元力)により下部摺動部42と上部摺動部44とが原位置に復元されるように構成されている。
本実施形態では、積層ゴム45は、せん断剛性G=0.34〜0.39N/mm(G4〜G10)程度で、厚さ寸法(ゴム厚)は2〜4cmとしている。
下部摺動部42と上部摺動部44との水平方向の相対変位量の最大値は、積層ゴム45の厚さ寸法の2倍以下となるように設定され、本実施形態では4〜8cmとしている。積層ゴム45は、水平方向の変位量が積層ゴム45の厚さ寸法の2倍(200%)以下の場合には、塑性変形せずに弾性変形するように設計されている。
例えば、積層ゴム45の厚さ寸法が2cmの場合は、下部摺動部42と上部摺動部44との水平方向の相対変位量の最大値が4cmとなり、積層ゴム45の水平方向の変位量が0〜4cmの場合には、塑性変形せずに弾性変形するように設計されている。
摺動子4の平面寸法は、面積が4×長期支持荷重/(摩擦材の基準面圧)程度となるように設定されている。
このような構成の免震機構1は、図5および図6に示すように、地震が生じて下部構造体11と上部構造体12とが水平方向に相対変位すると、下部構造体11に設けられた下部案内部2と上部構造体12に設けられた上部案内部3との相対変位に追従して積層ゴム45が変形するとともに、摺動子4が下部摺動面21および上部摺動面31を摺動する。
図3および図4に示すように免震機構1の初期状態(通常時)では、積層ゴム45は変形せず、摺動子4は下部案内部2および上部案内部3に対して原位置に配置されている。原位置に配置された摺動子4は、第1下部当接面412が下部案内部2の第1下部摺動面212と当接し、第2下部当接面413が下部案内部2の第2下部摺動面213と当接し、第1上部当接面432が上部案内部3の第1上部摺動面312と当接し、第2上部当接面433が上部案内部3の第2上部摺動面313と当接している。
図5(b)に示すように、摺動子4は、下部案内部2に対して原位置からX方向の一方側に移動すると、第1下部当接面412が第1下部摺動面212と当接しているが、第2下部当接面413が第2下部摺動面213から離間した状態で第1下部摺動面212を上るように下部摺動面21を摺動する。摺動子4は、下部案内部2に対して原位置からX方向の他方側に移動すると、第2下部当接面413が第2下部摺動面213と当接しているが、第1下部当接面412が第1下部摺動面212から離間した状態で第2下部摺動面213を上るように下部摺動面21を摺動する。
また、摺動子4は、上部案内部3に対して原位置からY方向の一方側に移動すると、第1上部当接面432が第1上部摺動面312と当接しているが、第2上部当接面433が第2上部摺動面313から離間した状態で第1上部摺動面312を下るように上部摺動面31を摺動する。摺動子4は、上部案内部3に対して原位置からY方向の他方側に移動すると、第2上部当接面433が第2上部摺動面313と当接しているが、第1上部当接面432が第1上部摺動面312から離間した状態で第2上部摺動面313を下るように上部摺動面31を摺動する。
このように摺動子4は、下部案内部2および上部案内部3に対して上ったり下ったりすることで高さ寸法が変化することになる。しかしながら、本実施形態では、免震層13に設けられた複数の免震機構1は、それぞれの傾斜角度θが同じ値であるため、地震が生じてそれぞれの下部案内部2と上部案内部3とが水平方向に相対変位しても、免震機構1それぞれの上端部は同じ高さとなり、免震機構1それぞれの下端部は同じ高さに配置される。
これにより、下部構造体11と上部構造体12とが水平方向に相対変位しても、上部構造体12が水平に維持される。
免震機構1では、摺動子4と下部案内部2とがX方向に相対変位すると、摺動子4が下部案内部2の下部摺動面21を上るように下部案内部2と相対変位するため、摺動子4と下部案内部2との相対変位がポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)として蓄積され、摺動子4が原位置に復元するための復元力(傾斜復元力)となる。摺動子4と上部案内部3とがY方向に相対変位すると、上部案内部3が摺動子4の上部当接面43の傾斜面を上るように摺動子4と相対変位するため、摺動子4と上部案内部3との相対変位がポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)として蓄積され、摺動子4が原位置に復元するための復元力(傾斜復元力)となる。
上部案内部3に作用する鉛直荷重をWとすると、傾斜復元力(水平力)Fは水平面に対する傾斜角度θをとしてF=Wtanθと表される。
本実施形態では、図5(a)に示すような下部構造体11と上部構造体12との相対変位量が微小な場合には、積層ゴム45が変形するのみで、摺動子4は下部摺動面21および上部摺動面31を摺動せず、図5(b)に示すような上部構造体12と下部構造体11との相対変位量が大きくなり、積層ゴム45の原位置に対する水平変位が所定の水平変位設定値を超えた場合には、摺動子4が下部摺動面21および上部摺動面31を摺動するように構成されている。
本実施形態による免震機構1(傾斜弾性すべり支承)の復元力特性(荷重−変形関係)を図6に示す。すべりを生じた後の摩擦抵抗力μWは、一般的に傾斜復元力Wtanθより大きく、両者を合成したものが免震機構1の復元力特性となる。
次に、上述した本実施形態による免震機構1の作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した本実施形態による免震機構1では、地震が生じ、下部構造体11と上部構造体12とが水平方向に相対変位すると、まず、摺動子4は上部摺動面および下部摺動面21に対して摺動せずに、積層ゴム45のみが変形する。ここから更に下部構造体11と上部構造体12とが水平方向に相対変位して、積層ゴム45の原位置に対する水平変位が所定の水平変位設定値を超えると、摺動子4が上部摺動面および下部摺動面21に対して摺動し始める。
これにより、摺動子4が傾斜面の傾斜角度が切り替わる箇所を通過する際に衝撃が生じたり、スティックスリップ現象の衝撃が生じたりした場合でも、積層ゴム45が変形することにより衝撃を吸収できるため、摺動子4に生じる加速度を低減させることができる。
また、図7に示すように、傾斜滑り支承のみの免震機構と比べて、積層ゴム45の変形によって免震機構の上部の構造に起因する高周波成分を低減させることができるため、構造物の上階層や下階層に生じる加速度を低減させることができる。
そして、下部摺動部42と上部摺動部44との水平方向の相対変位量の最大値が、積層ゴム45の厚さ寸法の2倍以下に設定され、積層ゴム45は、水平方向の変形量が厚さ寸法の2倍以下の場合には弾性変形し塑性変形しないことにより、積層ゴム45に確実に減衰性能が付与されるため、加速度の低減効果を高めることができる。
また、積層ゴム45は、上下方向から見て縁部が下部摺動部42および上部摺動部44よりも外側に突出し、縁部が下部摺動部42および上部摺動部44に固定された支持具48で上下方向から挟持されている。これにより、積層ゴム45を下部摺動部42および上部摺動部44に確実に固定することができる。また、積層ゴム45の上下方向から見た形状を下部摺動部42および上部摺動部44よりも大きくすることができるため、下部摺動部42および上部摺動部44の形状にかかわらず積層ゴム45の形状を設定することができる。
次に、本実施形態による免震機構1(「傾斜弾性すべり支承」とする)、積層ゴム支承(「LRB」とする)、および傾斜すべり支承の減衰性能について解析行った。以下に、解析内容と解析結果について説明する。
図8に示すように、解析対象となる構造物は、3階建RC造の建物で、平面形状が28m×21mの長方形となっている。免震層13は、地盤と1階の間に介在している。免震層13には、7mピッチで免震支承が設置されている。
構造物の各階の重量m1〜m4、水平剛性k1〜k3、全重量Wは、以下のように設定されている。
m1=1199200(kg)
m4=m3=m2=719500(kg)
k1=k2=k3=3.25e9(N/m)
W=(m1+m2+m3+m4)×9.8=32905460(N)
各免震支承の仕様は、以下のように設定されている。
LRB(鉛プラグ入り積層ゴム):せん断剛性G=0.39(N/mm
傾斜すべり支承:摩擦係数μ=0.05、傾斜角度θ=1.5°(理論加速度:0.76m/s)、積層ゴムのせん断剛性krb={W×(0.05+tan1.5°)}/摺動子4の積層ゴムに設定する最大変位量Δmax
傾斜弾性すべり支承:摩擦係数μ=0.05、傾斜角度θ=1.5°(理論加速度:0.76m/s)、積層ゴムのせん断剛性krb={W×(0.05+tan1.5°)}/摺動子4の積層ゴムに設定する最大変位量Δmax
傾斜弾性すべり支承の摺動子4の積層ゴムの最大変位量Δmax=1〜8cmとし、傾斜弾性すべり支承の摺動子4の積層ゴムの減衰定数hを無し、h=1〜5%とする。
計算用地震波には、以下の表のケース1〜7の加振波形を採用する。
Figure 2019138376
図9〜図15に加振波形のケース1〜7毎の各階の最大応答変位の比較、各階の最大応答加速度の比較、摺動子の積層ゴムに生じる変位と残留変位との比較を示す。
最大応答変位の比較、最大応答加速度の比較の図には、免震装置をLRBとした結果および傾斜滑り支承とした結果も記載している。また、応答加速度の比較の図には、免震層13の上部構造体12を剛体でモデル化した理論値を表記している。
図16〜図22に、加振波形のケース1〜7毎の積層ゴムの最大変位量Δmaxが4cm、減衰定数h(0%〜5%)の場合の各階の応答変位および応答加速度を示し、図23〜図29には、加振波形のケース1〜7毎の最大変位量Δmaxが8cm、減衰定数h(0%〜5%)の場合の各階の応答変位および応答加速度を示す。
また、図30(a)〜(g)に、加振波形のケース1〜7毎の積層ゴムの減衰定数h(0%〜5%)の場合の免震層の最大変位量と残留変位との比較を示す。
以上のことより、傾斜弾性すべり支承の積層ゴムは、最大変形量を4cm以上に設定すれば、傾斜すべり支承の課題である減衰力不足を解消し、理論加速度(0.76m/s)に近づくことがわかる。また、LRBの応答結果(加速度)よりも小さく高い免震性能が得られることがわかる。特に、積層ゴムのせん断剛性krb={W×(0.05+tan1.5°)}/摺動子4の積層ゴムに設定する最大変位量Δmaxとすることでより高い免震性能を得られることがわかる。
傾斜すべり支承の残留変位は、傾斜すべり支承と同等に約0となることがわかる。傾斜弾性支承の積層ゴムの減衰による上部構造物の計算結果(応答変位と応答加速度)には、あまり違いが無かったが、残留変位の差異が大きいことがわかる。
減衰定数0〜5%の計算結果(応答変位、応答加速度、残留変位)より、無減衰とせずh≧1%の減衰を付与すればいずれの応答結果も略同じとなることがわかる。
以上、本発明による免震機構1の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、積層ゴム45は、上下方向から見た形状が下部摺動部42の上面および上部摺動部44の下面よりも大きい正方形に形成され、下部摺動部42の上面と上部摺動部44の下面との間に配置された状態で、縁部45aが下部摺動部42の上面の縁部42aおよび上部摺動部44の下面の縁部44aよりも外側に突出している。そして、積層ゴム45の縁部45aは、下部摺動部42および上部摺動部44に固定された支持具48で上下方向から挟持されている。これに対し、積層ゴム45は、上下方向から見た形状が下部摺動部および上部摺動部44よりも外側に突出していなくてもよいし、下部摺動部および上部摺動部44への固定手段も適宜設定されてよい。
また、上記の実施形態では、積層ゴム45の厚さ寸法を2cmから4cmとしているが、積層ゴム45の厚さ寸法は適宜設定されてよい。
1 免震機構
2 下部案内部
3 上部案内部
4 摺動子
11 下部構造体
12 上部構造体
13 免震層
21 下部摺動面
31 上部摺動面
41 下部当接面
42 下部摺動部
43 上部当接面
44 上部摺動部
45 積層ゴム
48 支持具

Claims (3)

  1. 水平方向に相対変位可能な下部構造体と上部構造体との間に設けられる免震機構において、
    前記下部構造体の上部に設けられ、一の水平方向に沿って下側に凸となるV字形状に形成された下部摺動面を有する下部案内部と、
    前記上部構造体の底部に設けられ、前記一の水平方向に直交する他の水平方向に沿って上側に凸となる逆V字形状に形成された上部摺動面を有する上部案内部と、
    前記下部摺動面と前記上部摺動面との間に配置され、前記下部摺動面に沿って前記下部案内部と前記一の水平方向に相対変位可能であるともに、前記上部摺動面に沿って前記上部案内部と前記他の水平方向に相対変位可能な摺動子と、を有し、
    前記摺動子は、前記下部摺動面を摺動可能な下部摺動部と、前記下部摺動部の上側に配置されて前記上部摺動面を摺動可能な上部摺動部と、前記下部摺動部と前記上部摺動部との間に配置され前記下部摺動部と前記上部摺動部とを水平方向に相対移動可能に支持する積層ゴムと、を有し、
    前記下部構造体と前記上部構造体とが水平方向に相対変位すると、該相対変位に追従して前記積層ゴムが水平方向に変形し、前記積層ゴムの原位置に対する水平変位が所定の水平変位設定値を超えた後に、前記摺動子が前記下部摺動面および前記上部摺動面の少なくとも一方で摺動するように構成され、
    前記下部摺動部と前記上部摺動部との水平方向の相対変位量の最大値は、前記積層ゴムの厚さ寸法の2倍以下に設定され、
    前記積層ゴムは、水平方向の変形量が前記積層ゴムの厚さ寸法の2倍以下の場合には弾性変形し塑性変形しないことを特徴とする免震機構。
  2. 前記積層ゴムのせん断剛性Krbは、
    前記積層ゴムのせん断剛性Krb=(前記上部構造体の自重W×摩擦係数μ+tan傾斜角度θ)/前記摺動子の前記積層ゴムに設定する最大変位量Δmax
    で設定されていることを特徴とする請求項1に記載の免震機構。
  3. 前記積層ゴムは、上下方向から見て縁部が前記下部摺動部および前記上部摺動部よりも外側に突出し、前記縁部が前記下部摺動部および前記上部摺動部に固定された支持具で上下方向から挟持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の免震機構。
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