JPH10184092A - 木造建築物のための免震装置 - Google Patents

木造建築物のための免震装置

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JPH10184092A
JPH10184092A JP35636796A JP35636796A JPH10184092A JP H10184092 A JPH10184092 A JP H10184092A JP 35636796 A JP35636796 A JP 35636796A JP 35636796 A JP35636796 A JP 35636796A JP H10184092 A JPH10184092 A JP H10184092A
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JP
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distance
sliding
cloth foundation
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seismic isolation
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JP35636796A
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English (en)
Inventor
Sachio Masuzawa
鯱男 増澤
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Kumagai Gumi Co Ltd
Original Assignee
Kumagai Gumi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】木造建築物のための設置が容易で、かつ建物の
傾斜を招くことのない免震装置を提供する。 【解決手段】免震装置10は、布基礎14と建物の土台16と
の間に配置される第1の部材18、第1の部材に滑動可能
に接する第2の部材20、および第2の部材に滑動可能に
接する第3の部材22と、一対の弾性部材24とを含む。第
1の部材18は、第2の部材20の滑動を水平面上の一直線
方向に制限する方向制限部と滑動距離を制限する距離制
限部とを有し、第3の部材22は、第2の部材20に対する
第3の部材22の滑動を直角方向に制限する方向制限部と
距離制限部とを有する。第1および第3の両部材は、そ
れぞれ、布基礎および土台のいずれか一方および他の一
方に固定される。一対の弾性部材24は、第1の部材18の
距離制限部と第2の部材20との間または第2の部材20と
第3部材22の距離制限部との間に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、布基礎の上に建て
られる木造建築物のための免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木造建築物のための免震装置とし
て、布基礎と木造建築物の土台との間に配置され布基礎
上に前記建築物を支持するものがある(実開昭64−3
1803号)。
【0003】前記免震装置は、互いに重ね合わされ互い
に滑動可能である3枚の鋼板を有する。これらの鋼板の
うち、上下の両鋼板がそれぞれ布基礎および建物の土台
に固定される。これによれば、地震の発生により、下方
の鋼板と中間の鋼板との間または上方の鋼板と中間の鋼
板との間に滑動が生じるとき、すなわち前記布基礎が前
記建築物に対して相対的に滑動するとき、その後の前記
布基礎から前記建築物への水平変位の伝達が遮断され
る。その結果、前記建築物が受ける地震力が軽減され
る。
【0004】ところで、前記従来の免震装置は、さら
に、滑動により前記布基礎に対して水平方向に変位した
前記建物を元の位置に戻すための手段を備える。この手
段は、地中に打ち込まれ地上に突出する杭と、該杭の上
端部に取り付けられ該上端部を取り巻く筒状の弾性体と
を備え、前記弾性体は前記上方の鋼板に設けられた大径
の貫通孔を貫通している。前記弾性体は、前記建物と共
に水平方向に滑動する前記上方の鋼板の貫通孔の縁部の
押圧を受けて弾性変形(圧縮)される。圧縮された前記
弾性体はその弾性復元力を前記建物に及ぼしこれを反対
方向に変位させる。前記杭は、また、前記建築物の過剰
な水平方向変位を抑制する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の免
震装置の設置には、前記杭の打込みを要するため、多大
の時間と労力を要するという問題がある。また、前記免
震装置の中間の鋼板が水平方向に関して拘束されておら
ず、このため、地震の際、上下の両鋼板の間からの前記
中間の鋼板の抜け出しと、これに伴う前記建物の傾斜の
懸念がある。
【0006】本発明の目的は、木造建築物のための設置
の容易な免震装置を提供することにある。また、本発明
の他の目的は、建物の傾斜を招くことのない免震装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の免震装置は、布
基礎と該布基礎上に建てられる木造建築物の土台との間
に配置される第1の部材、該第1の部材に滑動可能に接
する第2の部材、および該第2の部材に滑動可能に接す
る第3の部材と、一対の弾性部材とを含む。前記第1の
部材は、前記第2の部材の滑動を水平面上の一直線方向
に制限する方向制限部と滑動距離を制限する距離制限部
とを有し、前記第3の部材は、前記第2の部材に対する
前記第3の部材の滑動を前記一直線方向に直角な水平面
上の他の直線方向に制限する方向制限部と滑動距離を制
限する距離制限部とを有する。第1および第3の両部材
は、第2および第3の両部材の滑動方向のいずれか一方
が前記布基礎の長手方向と一致するように、それぞれ、
前記布基礎および前記土台のいずれか一方および他の一
方に固定される。前記一対の弾性部材は、その伸縮方向
が前記布基礎の長手方向と一致するように、前記第1の
部材の距離制限部と第2の部材との間または前記第2の
部材と前記第3部材の距離制限部との間に配置されてい
る。
【0008】本発明は、また、布基礎のコーナー部と木
造建築物の土台のコーナー部との間への配置に適する免
震装置を提供する。この免震装置にあっては、前記弾性
部材が二対用いられ、これらの二対の弾性部材は、それ
ぞれ、前記第1の部材の距離制限部と第2の部材との間
および前記第2の部材と前記第3部材の距離制限部との
間に配置されている。
【0009】本発明は、さらに、他の免震装置を提供す
る。この免震装置も、また、第1の部材、第2の部材、
第3の部材および一対の弾性部材を有する。但し、この
免震装置にあっては、前記第2の部材が前記第3の部材
の滑動を前記一直線方向に直角な水平面上の他の直線方
向に制限する方向制限部と滑動距離を制限する距離制限
部とを有する。また、前記一対の弾性部材が、その伸縮
方向が前記布基礎の長手方向と一致するように、前記第
1の部材の距離制限部と第2の部材との間または前記第
2の部材の距離制限部と前記第3部材との間に配置され
ている。
【0010】本発明は、さらに、前記他の免震装置の一
部を変更してなる、前記布基礎および前記土台の両コー
ナ部間に配置される免震装置を提供する。この免震装置
では、二対の弾性部材が用いられ、該二対の弾性部材
は、それぞれ、前記第1の部材の距離制限部と第2の部
材との間および前記第2の部材の距離制限部と前記第3
部材との間に配置されている。
【0011】
【発明の作用および効果】本発明によれば、地震の発生
により前記木造建築物に水平力が作用し、免震装置の第
1の部材に対する第2の部材の滑動または前記第2の部
材に対する第3の部材の滑動が生じるとき、前記布基礎
から前記建築物への前記水平力の入力が遮断される。前
記布基礎に対する前記建築物の相対的な滑動の間、前記
建築物は前記布基礎の水平変位に基づく揺れを免れる。
その結果、前記建築物が受ける地震力が軽減される。
【0012】前記第2の部材および前記第3の部材の滑
動距離は、前記第1および第3の両部材にそれぞれ設け
られた距離制限部、または、前記第1および第2の両部
材にそれぞれ設けられた距離制限部により制限される。
これにより、前記第1または第3の部材に固定される前
記建築物の前記布基礎に対する過剰変位すなわち前記布
基礎に対する相対的な過剰滑動が抑制される。また、前
記布基礎および前記建築物の土台のいずれにも固定され
ない前記第2の部材の前記第1および第3の両部材間か
らの抜け出しとこれに伴う前記建築物の傾斜とが防止さ
れる。
【0013】前記布基礎の長手方向への前記第2の部材
または前記第3の部材の滑動によって前記弾性部材が圧
縮されるとき、該弾性部材の反発力のために前記第2の
部材または前記第3の部材は反対方向へ滑動される。こ
れにより前記建築物を元の位置またはその近傍に押し戻
すことができる。前記一対の弾性部材はその伸縮方向に
ついて前記布基礎の長手方向と一致するように配置され
ていることから、前記第1の部材を介して伝達される前
記弾性部材に対する反力は前記布基礎がその長手方向に
関して担う。このため、前記布基礎がその長手方向と直
角な水平方向に外力を受ける場合に生ずるおそれのある
前記布基礎の倒壊が防止される。本発明の免震装置にあ
っては、第1〜第3の部材の相対的滑動が前記距離制限
部により制限されることから、前記従来における杭打ち
作業を必要とせず、容易に設置することができる。
【0014】前記布基礎のコーナ部および前記土台のコ
ーナ部間に配置される免震装置にあっては、二対の弾性
部材がそれぞれ前記布基礎の互いに直角な両方向に向け
て配置されることから、前記建築物が前記布基礎の長手
方向およびこれと直角な水平方向のいずれに揺れる場合
も、前記建築物に対して、前記弾性部材による原位置復
帰作用が働く。また、前記弾性部材の反力はいずれも前
記布基礎がその長手方向に関して担うことから、前記布
基礎の倒壊は生じない。
【0015】
【発明の実施の形態】図1を参照すると、木造建築物
(以下「建物」という。)に適用された免震構造を構成
する2種類の免震装置10,12が、コンクリート製の
布基礎14と、該布基礎上に建てられた前記建物の土台
16との間に配置され、前記建物を布基礎14上に支持
している。
【0016】布基礎14は例えば全体に矩形の四辺に沿
って伸び、また、図示のようなH形の横断面形状、ある
いは、T形、L形、矩形等の横断面形状を有し、割栗石
を含む地盤上に設置されている。他方、前記建物の土台
16は、布基礎14の頂面の直上を該布基礎に沿って直
線的に伸びている。
【0017】一方の免震装置10は、前記矩形の四辺の
それぞれの上にその複数個が配置され、他方の免震装置
12は前記矩形の各コーナ部すなわち布基礎14および
土台16の各コーナ部間に配置されている。
【0018】図2に示すように、一方の免震装置10
は、布基礎14に固定された第1の部材18と、該第1
の部材に滑動可能に接する第2の部材20と、土台16
に固定され第2の部材20に滑動可能に接する第3の部
材22と、一対の弾性部材24とを備える。
【0019】他方の免震装置12は、図3に示すよう
に、一方の免震装置10におけると同様の第1〜第3の
部材18〜22および弾性部材24に加えて、さらに、
他の一対の弾性部材26を備える。第1および第3の各
部材18,22の布基礎14および建物の土台16への
固定は、例えば各部材18,22に1または複数の取付
用板を溶接し、該取付用板をボルト・ナットで布基礎1
4および建物の土台16のそれぞれに固定することによ
り行うことができる。
【0020】図示の例では、第1の部材18および第3
の部材22がそれぞれ全体に箱形を呈し、また、第2の
部材20が直方体形状のブロックからなり、第2の部材
20が第1の部材18に載置され、また、第3の部材2
2が第2の部材20に載置されている。これらの第1〜
第3の各部材は、鋼のような金属材料、プラスチック材
料等で形成することができる。
【0021】箱形の第1の部材18は長方形の平面形状
を有する底板部28と、該底板部にその両長縁において
それぞれ連なる一対の互いに平行な側板部30と、底板
部28にその両短縁においてそれぞれ連なりかつ両側板
部30に連なる一対の互いに平行な端板部32とを有す
る。両側板部30はこれらに相対する第2の部材20の
一方の側板部34に該側板部の長手方向へ滑動可能に接
している。また、第1の部材18の各端板部32と、第
2の部材20の互いに相対する他の両側面36のそれぞ
れとは互いに相対しており、また、各端板部32と各側
面36との間には予め設定された間隔が存する。
【0022】このことから、第2の部材20は第1の部
材の底板部28上を該第1の部材の両側板部30に沿っ
て両端板部32間において滑動可能である。ここにおい
て、第1の部材の両側板部30と両端板部32とは、そ
れぞれ、第2の部材20の滑動方向を水平面上の一直線
方向すなわち第1の部材18の底板28の長手方向に制
限する滑動制限部と、第2の部材20の滑動距離を制限
する距離制限部とをなす。
【0023】第3の部材22は、第1の部材18と同じ
形状の箱形部材からなる。第3の部材22は、第1の部
材18が上方に向けて開放するように配置されているの
に対し、下方に向けて開放しかつ第1の部材18に対し
てこれと直角に立体交差するように配置されている。
【0024】第3の部材22は、ブロック状の第2の部
材20の頂面に接する底板部38と、該底板部に連なり
かつ第2の部材20の両側面36にそれぞれ接する両側
板部40と、該両側板部にそれぞれ連なる両端板部42
とを有する。また、第1の部材18におけると同様、第
3の部材の各端板部42と、第2の部材の一方の両側面
34のそれぞれとの間に、予め設定された間隔が存す
る。このことから、第3の部材22は、第2の部材20
の頂面上を、前記一直線方向に対してこれと直交する水
平面上の他の直線方向へ滑動可能である。このとき、第
3の部材22の両側板部40が該第3の部材の滑動方向
を制限する方向制限部をなし、また、両端板部42が第
3の部材22の滑動距離を制限する距離制限部をなす。
【0025】図示の例では、第1の部材18の底板部2
8の上面から各側板部30の頂面までの距離(高さ寸
法)は、底板部28の上面から各端板部32の頂面まで
の距離(高さ寸法)より小さく、また、各端板部32の
高さ寸法は、第2の部材20の高さ寸法より小さい。同
様に、第3の部材22の底板部38の下面から各側板部
40の下端面までの距離(高さ寸法)は、底板部38の
下面から各端板部42の下端面までの距離(高さ寸法)
より小さく、また、前記端板部42の高さ寸法は、第2
の部材の高さ寸法より小さい。さらに、前記高さ方向に
関して、第1の部材の各側板部30と、第3の部材の各
端板部42との間に間隔が存する。これらのことから、
第3の部材22は第1の部材18に対してこれに衝突す
ることなしに、第2の部材20上を滑動することができ
る。第1および第2の両部材18,20相互間の滑動抵
抗、および第2および第3の部材20,22相互間の滑
動抵抗をそれぞれ小さいものとすべく、これらの接触面
を鏡面仕上げとし、さらに、これらの接触面間に潤滑油
を添加することが望ましい。
【0026】図示の一対の弾性部材24は、それぞれ、
コイルばねからなる。各弾性部材24は、第2の部材2
0の一方の各側面34と、第3の部材22の両端板部4
2との間に配置され、好ましくは、その両端部が第2の
部材20と各端板部42とに固定されている。両弾性部
材24は、それぞれ、第3の部材22が第2の部材20
上を滑動するとき、伸縮する。伸縮後の両弾性部材24
は、それぞれ、第3の部材22に対して弾性復帰力を及
ぼす。その結果、第3の部材22が反対方向へ滑動し、
滑動前の位置に戻る。
【0027】図1に示すように、免震装置10は、両弾
性部材24の伸縮方向が布基礎14の長手方向と一致す
るように配置される。このため、図示の例では、第3の
部材22が布基礎14の長手方向へ伸びるように、すな
わち第3の部材22の両側部40が布基礎14と平行で
あるように配置され、また、第1の部材18が布基礎1
4の長手方向に直交する水平方向へ伸びるようにすなわ
ち第1の部材18の両側部30が布基礎14を横切るよ
うに配置されている。
【0028】このように設置された免震装置10によれ
ば、地震の際に前記建物に対して布基礎14の長手方向
に関する水平力が作用するとき、前記水平力の大きさが
第1および第2の両部材18,20相互間の摩擦抵抗力
より大きいとき、また、第2および第3の両部材20,
22相互間の摩擦抵抗力より大きいとき、第2の部材2
0が第1の部材18に対して滑動し、また、第3の部材
22が第2の部材20に対して滑動する。すなわち、前
記矩形の互いに直交する2辺のいずれか一方の辺上の免
震装置10にあっては第3の部材22が弾性部材24の
弾力に抗して第2の部材20上を滑動する。また、前記
2辺の他方の辺上の免震装置10にあっては第2の部材
20が第1の部材18上を滑動し、第3の部材22は第
2の部材20と共に移動する。
【0029】前記各辺上における免震装置10の前記部
材相互に相対的滑動が生じると、布基礎14から前記建
物への前記水平力の伝達は遮断され、滑動の間、前記建
物は布基礎14の水平方向変位に追随しない。このた
め、前記地震による前記建物の被害が最小限にとどめら
れる。前記建物は、第1の部材18または第2の部材2
0に対して第3の部材22と共に移動するところ、この
移動は、第1の部材18の距離制限部32に対する第2
の部材20の衝突および第2の部材20に対する第3の
部材22の距離制限部42の衝突により抑制される。
【0030】また、地震により前記水平方向に変位した
前記建物は、伸縮後の両弾性部材24のそれぞれの弾性
復帰力を受ける第3の部材22の第2の部材20に対す
る反対方向への滑動により、元の位置またはその近傍に
戻る。両弾性部材24はその伸縮方向が布基礎14の長
手方向に一致するように配置されていることから、伸縮
した両弾性部材24に対する反力は布基礎14がその長
手方向に担うことができ、これにより、布基礎14はそ
の横断方向には剪断力を受けず、その倒壊が防止され
る。
【0031】両弾性部材24は、図示の例に代えて、第
2の部材20の他方の各側面36と、第1の部材18の
各端板部32との間に配置することができる。この場合
には、両弾性部材24の伸縮方向が布基礎14の長手方
向と一致するように、第1の部材18を布基礎14の長
手方向へ伸びるように配置しかつ第3の部材22を布基
礎14を横切る方向へ伸びるように配置する。
【0032】次に、図3を参照すると、さらに、他の一
対の弾性部材26のそれぞれが、第2の部材20の他方
の各側面36と、第1の部材18の各端板部32との間
に配置されている。好ましくは、各弾性部材26の両端
部が各側面36および各端板部32に固定される。両弾
性部材26もまたコイルばねからなり、第2の部材20
が第1の部材18に対して滑動するときに伸縮し、第2
の部材20に対して弾性復帰力を与える。これにより、
布基礎14の長手方向に直角な方向へ変位した前記建物
を該方向に関して元の位置に戻すことができる。前記コ
ーナ部に配置された免震装置12にあっては、両弾性部
材24,26に対する反力は、布基礎14の互いに直交
する2つの部分によりこれらの長手方向に関してそれぞ
れ担われる。
【0033】図示の各免震装置10,12は、これを上
下逆さまにした状態で用いることができる。この場合に
は、第1および第3の部材18,22がそれぞれ前記建
物の土台16および布基礎14に固定される。このとき
も、また、第1の部材18が布基礎14の長手方向に対
して直角な水平方向に伸びかつ第3の部材22が布基礎
14の長手方向へ伸びるように配置される。
【0034】前記第2および第3の部材をそれぞれブロ
ック形および箱形のものとすることに代えて、これらを
それぞれ箱形およびブロック形のものとすることができ
る。このようにした他の免震装置50,52を図4およ
び図5に示す。
【0035】箱形の第2の部材20は、箱形の第1の部
材18の底板部28、両側板部30および両端板部32
と同様の底板部54、両側板部56および両端板部58
を有する。この第2の部材20は第1の部材18に受け
入れられ、第2の底板部54および両端板部58が、そ
れぞれ、第1の部材18の底板部28および両側板部3
0に接している。したがって、第2の部材20は、第1
の部材の底板部28上を両側板部30に沿って、両端板
部32間を一直線方向へ滑動可能である。
【0036】また、ブロック形の第3の部材22は箱形
の第2の部材20内に受け入れられ、その底面が第2の
部材の底面部54に接し、また、その相対する両側面6
0が第2の両側板部56に接している。このことから、
第3の部材22は、第2の部材の底板部54上を両側板
部56に沿って、両端板58間を前記直線方向に直角な
方向へ滑動可能である。
【0037】前記コーナ部以外の箇所に配置される免震
装置50にあっては、一対の弾性部材24が、第3の部
材22の他の両側面62と第2の部材の両端板部58と
の間にそれぞれ配置されている。両弾性体24は、図示
の例に代えて、第2の部材の両側板部56と第1の部材
の両端板部32との間にそれぞれ配置することができ
る。いずれの場合も、免震装置50は、両弾性体24の
伸縮方向が布基礎14の長手方向に一致するように配置
される。
【0038】また、前記コーナ部に設置される免震装置
52にあっては、もう一対の弾性部材26が第2の部材
の両側板部56と第1の部材の両端板部32との間にそ
れぞれ配置されている。免震装置52は、2対の弾性体
24,26が互いに直角な2方向へ伸びるように設置さ
れる。
【0039】各免震装置50,52においても、また、
その第1の部材18および第3の部材22がそれぞれ布
基礎14および前記建物の土台16に固定される。ある
いは、その第1の部材18および第3の部材22がそれ
ぞれ土台16および布基礎14に固定される。
【0040】これらの免震装置50,52も、また、第
1の部材18に対する第2の部材20の相対的な滑動ま
たは第2の部材20に対する第3の部材22の相対的な
滑動により、布基礎14から前記建物への地震力の伝達
を遮断する。
【0041】免震装置10,50のほか、前記コーナ部
に免震装置12,52をも設置すれば、より高い免震効
果を得ることができる。また、免震装置12,52を前
記コーナ部にのみ設置し、前記コーナ部間への免震装置
10,50の設置を省略することも可能である。また、
反対に、免震装置10,50を前記コーナ部間に設置
し、前記コーナ部への免震装置12,52の設置を省略
することもできる。
【0042】前記弾性部材は、コイルばねからなる図示
の例に代えて、例えばゴム製のブロックからなるものと
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】布基礎と土台との間に設置された免震装置の概
略的な斜視図である。
【図2】コーナ部間に設置される免震装置の拡大斜視図
である。
【図3】コーナ部に設置される免震装置の拡大斜視図で
ある。
【図4】コーナ部間に設置される他の免震装置の拡大斜
視図である。
【図5】コーナ部に設置される他の免震装置の拡大斜視
図である。
【符号の説明】
10,50 コーナ部間に設置される免震装置。 12,52 コーナ部に設置される免震装置 14 布基礎 16 建物の土台 18,20,22 第1の部材、第2の部材および第3
の部材 24,26 弾性部材 30,40,56 方向制限部 32,42,58 距離制限部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布基礎と該布基礎上に建てられる木造建
    築物の土台との間に配置され前記木造建築物を前記布基
    礎上に支持する、木造建築物のための免震装置であっ
    て、第1の部材、該第1の部材に滑動可能に接する第2
    の部材、および該第2の部材に滑動可能に接する第3の
    部材と、一対の弾性部材とを含み、前記第1の部材が、
    前記第2の部材の滑動を水平面上の一直線方向に制限す
    る方向制限部と滑動距離を制限する距離制限部とを有
    し、また、前記第3の部材が、前記第2の部材に対する
    前記第3の部材の滑動を前記一直線方向に直角な水平面
    上の他の直線方向に制限する方向制限部と滑動距離を制
    限する距離制限部とを有し、第1および第3の両部材
    は、第2および第3の両部材の滑動方向のいずれか一方
    が前記布基礎の長手方向と一致するように、それぞれ、
    前記布基礎および前記土台のいずれか一方および他の一
    方に固定され、前記一対の弾性部材は、その伸縮方向が
    前記布基礎の長手方向と一致するように、前記第1の部
    材の距離制限部と第2の部材との間または前記第2の部
    材と前記第3部材の距離制限部との間に配置されてい
    る、免震装置。
  2. 【請求項2】 布基礎のコーナー部と該布基礎上に建て
    られる木造建築物の土台のコーナー部との間に配置され
    前記木造建築物を前記布基礎上に支持する、木造建築物
    のための免震装置であって、第1の部材、該第1の部材
    に滑動可能に接する第2の部材、および該第2の部材に
    滑動可能に接する第3の部材と、二対の弾性部材とを含
    み、前記第1の部材が、前記第2の部材の滑動を水平面
    上の一直線方向に制限する方向制限部と滑動距離を制限
    する距離制限部とを有し、また、前記第3の部材が、前
    記第2の部材に対する前記第3の部材の滑動を前記一直
    線方向に直角な水平面上の他の直線方向に制限する方向
    制限部と滑動距離を制限する距離制限部とを有し、第1
    および第3の両部材は、第2および第3の両部材の滑動
    方向のいずれか一方が前記布基礎の長手方向と一致する
    ように、それぞれ、前記布基礎および前記土台のいずれ
    か一方および他の一方に固定され、前記二対の弾性部材
    は、それぞれ、前記第1の部材の距離制限部と第2の部
    材との間および前記第2の部材と前記第3部材の距離制
    限部との間に配置されている、免震装置。
  3. 【請求項3】 布基礎と該布基礎上に建てられる木造建
    築物の土台との間に配置され前記木造建築物を前記布基
    礎上に支持する、木造建築物のための免震装置であっ
    て、第1の部材、該第1の部材に滑動可能に接する第2
    の部材、および該第2の部材に滑動可能に接する第3の
    部材と、一対の弾性部材とを含み、前記第1の部材が、
    前記第2の部材の滑動を水平面上の一直線方向に制限す
    る方向制限部と滑動距離を制限する距離制限部とを有
    し、また、前記第2の部材が、前記第3の部材の滑動を
    前記一直線方向に直角な水平面上の他の直線方向に制限
    する方向制限部と滑動距離を制限する距離制限部とを有
    し、第1および第3の両部材は、第2および第3の両部
    材の滑動方向のいずれか一方が前記布基礎の長手方向と
    一致するように、それぞれ、前記布基礎および前記土台
    のいずれか一方および他の一方に固定され、前記一対の
    弾性部材は、その伸縮方向が前記布基礎の長手方向と一
    致するように、前記第1の部材の距離制限部と第2の部
    材との間または前記第2の部材の距離制限部と前記第3
    部材との間に配置されている、免震装置。
  4. 【請求項4】 布基礎と該布基礎上に建てられる木造建
    築物の土台との間に配置され前記木造建築物を前記布基
    礎上に支持する、木造建築物のための免震装置であっ
    て、第1の部材、該第1の部材に滑動可能に接する第2
    の部材、および該第2の部材に滑動可能に接する第3の
    部材と、二対の弾性部材とを含み、前記第1の部材が、
    前記第2の部材の滑動を水平面上の一直線方向に制限す
    る方向制限部と滑動距離を制限する距離制限部とを有
    し、また、前記第2の部材が、前記第3の部材の滑動を
    前記一直線方向に直角な水平面上の他の直線方向に制限
    する方向制限部と滑動距離を制限する距離制限部とを有
    し、第1および第3の両部材は、第2および第3の両部
    材の滑動方向のいずれか一方が前記布基礎の長手方向と
    一致するように、それぞれ、前記布基礎および前記土台
    のいずれか一方および他の一方に固定され、前記二対の
    弾性部材は、それぞれ、前記第1の部材の距離制限部と
    第2の部材との間および前記第2の部材の距離制限部と
    前記第3部材との間に配置されている、免震装置。
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