JP2002285562A - 建物の基礎構造 - Google Patents
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Abstract
場合でも土砂の掘削量を大幅に増加させることなく、簡
単な施工を実現する。 【解決手段】基礎Bは、断面が四角形の基礎梁1の側面
であって地表面GLに対応する部位にフーチング部4又
はベタ基礎部(ベタ基礎の底盤)5を一体的に形成する
と共に、基礎梁1の天端1aとフーチング部4の天端4
a又はベタ基礎部5の天端5aを同一水平面に形成す
る。土台Cの支柱Eは基礎梁1に埋設したアンカーボル
ト3に固定する。
Description
きさに対応させた基礎を容易に且つ簡単な施工で構成す
ることが出来る建物の基礎構造に関するものである。
量と該建物を支持する地盤の地耐力に応じて設計され
る。即ち、建物の基礎は、前記条件に応じて予め設定さ
れた設置深さに対応した深さ及び地表面からの立ち上が
り高さを持った基礎梁と、基礎梁の下端部分に設けられ
予め設定された接地面積に対応した面積を持った下部フ
ーチング部と、からなる略凸字状或いはL字状の布基礎
として構成されている。
法に対応した幅寸法で且つ基礎梁及びフーチング部の設
置深さに対応した深さで地面を掘削し、掘削した面に所
定の地業を行なった後、フーチング部に対応させた型枠
を構成してコンクリートを打設し、更に、フーチング部
の上部に基礎梁に対応させた型枠を構成してコンクリー
トを打設することで、フーチング部と基礎梁を一体化さ
せた略凸字状或いはL字状に構成される。
ち上がり寸法は、法規により30cm〜40cmに規定されてい
る。また構造耐力上安全が確かめられている場合、基礎
の地表面からの立ち上がり寸法に対する法的な規定はな
いが、床下の湿気や他の条件等の問題を考慮して木造建
物と同様な範囲に設定しているのが一般的である。
画された平面内に鉄筋を配筋した後、コンクリートを打
設したベタ基礎を構成することもある。このベタ基礎構
造では、布基礎の場合と比較して基礎の深さを浅くする
ことが出来、土壌の掘削量を減少させて排土処理を軽減
することも出来るという利点がある。
字状の基礎では、型枠を施工する際にフーチング部と梁
部とに夫々対応させたものが必要であり、且つ型枠にコ
ンクリートを打設した直後の天端レベルの均し調整につ
いては、フーチング部では鉄筋のかぶり厚さを確保する
ために、また梁部では上部躯体の水平精度を確保するた
めに、行なう必要があり、手間がかかるという問題があ
る。
幅を大きくする必要があるが、この場合、土砂の掘削量
が多くなって施工に要するコストが増加する虞がある。
特に、従来の略凸字状或いはL字状の基礎では、フーチ
ング部に掘削土を埋め戻すので、その分の土の積載荷重
が建物荷重に加算される。従って、深さが深くなると、
この分だけフーチング部の出幅を大きくして、許容地耐
力以内になるように設計しようとするが、フーチング部
を大きくした分、更に土の積載荷重が建物荷重に加算さ
れることとなり、これを繰り返すことにより、自ずと限
界に達してしまう。このため、土を埋め戻さない特殊基
礎を設計したり、杭基礎に変更したりするような大がか
りな設計を要することになるという問題がある。
土砂の掘削量を大幅に増加させる必要がなく、施工が簡
単で合理的な建物の基礎構造を提供することにある。
に本発明に係る建物の基礎構造は、基礎伏図に従って配
置した断面が四角形のコンクリート基礎梁によって構成
したものである。
コンクリート基礎梁を基礎伏図に従って配置して構成し
たので、フーチング部がない分型枠の構造が簡単にな
り、且つ施工順序の制限がなくなり、一度のコンクリー
ト打設によって基礎を構成することが出来る。このた
め、基礎に対する施工性を向上することが出来る。また
地盤の地耐力に大きさに応じてコンクリート基礎梁の幅
寸法を適宜設定すれば良く、施工性を向上することが出
来る。
クリート基礎梁の側面であって地表面に対応する部位に
フーチング部又はベタ基礎の底盤を一体的に形成すると
共に、コンクリート基礎梁の天端とフーチング部の天端
又はベタ基礎の底盤の天端を同一水平面に形成したもの
である。
コンクリート基礎梁の側面で且つ地表面に対応する部位
にフーチング部或いはベタ基礎の底盤を一体化させ、更
にコンクリート基礎梁の天端とフーチング部の天端或い
はベタ基礎の底盤の天端を同一水平面に形成したので、
基礎梁の幅寸法を標準的なものとし、建物を建築する地
盤の地耐力に応じて基礎の接地面積を演算し、コンクリ
ート基礎梁のみでは必要な基礎の接地面積が得られない
場合、この差をフーチング部又はベタ基礎の底盤によっ
て満足することが出来る。
きくする必要がある場合であっても、フーチング部,ベ
タ基礎の底盤が地表面に形成されるため、基礎梁の設置
部位をフーチング部の幅寸法で掘削する必要がなく、土
砂の掘削量を増大させることがない。このため、土砂の
掘削に要するコストを削減することが出来る。またコン
クリート基礎梁の断面が四角形のため、型枠の構造が簡
単になり、施工性を向上することが出来る。
ング部の天端或いはベタ基礎の底盤の天端が同一水平面
内に配置されるため、基礎の上部に建物の躯体或いは土
台を組み立てる際の作業を容易に実施することが出来
る。即ち、仕上げ面のレベルが同一水平面にあるため、
施工性が向上する。
かの基礎構造が、柱及び壁を含む上部躯体構造を支持す
る土台構造の下部に設けられているものである。
しい実施形態について説明する。本発明に係る第1の基
礎構造は、断面が四角形のコンクリート基礎梁(以下単
に「基礎梁」という)を目的の建物の基礎伏図に従って
構築するものであり、断面が四角形であることから、コ
ンクリートを打設する際の型枠の単純化をはかると共に
配筋の単純化をはかることが可能である。
礎梁の幅方向の寸法は、建設地盤の地耐力に対して建物
荷重と基礎底部接地面積との関係で決定される。即ち、
地耐力が小さい場合、幅寸法を大きくすることで接地面
積を確保し、接地圧が許容地耐力内になるように設計さ
れる。また基礎梁の高さ方向の梁成は、上部建物に作用
する水平力に抵抗できるだけの根入れ深さを確保して設
計され、且つ土砂の流出を防ぐ機能をも有する。
際には、断面が矩形であるため、側面の堰板を用意すれ
ば良く、また根切り幅も大きくとる必要はない。従っ
て、施工性が向上し作業が簡単となる。また断面形状が
単純なため、掘削,埋め戻し土量を軽減することが可能
となる。
力が小さく、前述の第1の基礎構造に於ける基礎梁の底
部の面積が不足した場合、フーチング部により接地面積
を確保し、許容地耐力内に設計することを可能としたも
のである。
表面に対応する部位にフーチング部又はベタ基礎の底盤
(以下、単に「ベタ基礎部」という)を構成すると共に
これらのフーチング部,ベタ基礎部を基礎梁と一体化さ
せて構成したものである。この基礎構造では、基礎梁に
一体化させたフーチング部或いはベタ基礎部によって基
礎全体の接地面積を確保することが可能であり、フーチ
ング部,ベタ基礎部の面積を建築現場の地耐力に応じて
適宜設定することで、地耐力の変化に対応することが可
能である。
上端側に対応させた位置に構成することによって、基礎
梁の設置深さ或いは根切り深さを深くさせる場合であっ
ても、この深さに関わらずフーチング部,ベタ基礎部の
深さを略一定とすることが可能であり、従って、土砂の
掘削量が大幅に増大するようなことがない。更に、基礎
の接地面積を変化させる場合であっても基礎梁の幅寸法
を変更する必要がなく、単にフーチング部,ベタ基礎部
の寸法を設定することで基礎の接地面積の変化に対応す
ることが可能である。
に対応する部位を一定の幅で掘削することが可能とな
り、該基礎梁の標準化をはかることが可能となる。また
フーチング部,ベタ基礎部を形成する際には対応する地
表面を掘削すれば良く、この掘削深さは、基礎梁の下端
にフーチング部を形成する構造と比較して極めて土砂の
掘削量を削減することが可能である。
を形成したとき、基礎梁の天端とフーチング部の天端,
ベタ基礎部の天端は夫々同一平面内に配置されている。
地表面から基礎梁の天端までの距離は特に限定するもの
ではないが、この距離が大きくなるとフーチング部,ベ
タ基礎部の厚さを厚くするか、或いは地表面に上に盛り
土が必要となる。このため、地表面と基礎梁の天端まで
の距離は小さいことが好ましく、フーチング部,ベタ基
礎部の厚さは、前記距離に数センチを加えた程度に設定
することが好ましい。
係をこのように設定することで、地面の掘削深さを浅く
して容易に施工することが可能となる。
を構成する場合、該基礎梁の側面を形成するために型枠
を利用することが好ましい。基礎梁に於けるフーチング
部,ベタ基礎部を形成することのない面では、繰り返し
使用が可能な鋼製型枠や使い捨ての型枠を用いることが
可能であるが、フーチング部,ベタ基礎部を形成する面
ではコンクリートを打設した後、型枠を取り外すことが
不可能である。このため、基礎梁に於けるフーチング
部,ベタ基礎部の下方には埋め殺し用の型枠が配置され
る。しかし、基礎梁を形成する際に必ずしも型枠を用い
る必要はなく、地盤の掘削面をそのまま型枠の代わりに
利用することも可能である。この場合、基礎梁とフーチ
ング部,ベタ基礎部との接合部位を直角とすることが可
能であり、或いはハンチを形成することも可能である。
天端とフーチング部の天端,ベタ基礎部の天端が同一面
内に配置される。このため、基礎の天端のレベル出しが
容易であり、該基礎の上部に建物の躯体を取り付けるた
めの土台を組み立てることが容易となる。前記土台は、
特に材料,構成,形状を限定するものではない。即ち、
土台を構成する材料として鉄骨で良く、通常躯体の梁に
使用されるI型,H型断面の鋼材、或いは線材(縦横
材)でフレームを組んだもので構成しても良い。
は、土台を構成する柱部材や躯体を構成する柱等を取り
付ける取付部を設けておくことが好ましい。この取付部
の構造は特に限定するものではなく、基礎梁の鉄筋に固
定したアンカーボルトや、鉄筋と一体化させた支柱であ
ることが好ましい。
ついて図を用いて説明する。図1は第1実施例に係る基
礎構造の全体構成を説明する斜視図である。図2は第1
実施例に係る基礎構造の断面図である。図3は第2実施
例に係る基礎構造の全体構成を説明する図である。図4
は第2実施例に係る基礎構造の断面図である。図5は基
礎構造及び該基礎の上部に構成される建物の一部との関
係を説明する図である。図6は支柱の例を説明する図で
ある。図7は支柱とコンクリート基礎梁とを一体化させ
る構造を説明する図である。図8は外壁の下部とコンク
リート基礎梁との間を化粧する構成を説明する図であ
る。
基礎Aの構造について説明する。本実施例に係る基礎A
は、断面が四角形の基礎梁1を目的の建物の基礎伏図に
従って設置して構成されたものである。即ち、基礎梁1
は基礎Aの各通り(基礎Aの外周部分の外通り、図1の
ロ字状の外通り、外通りの内側の中通り、図1の十字状
の中通り)毎に設置され、他の通りに設置された他の基
礎梁1と当接する部位では、夫々の鉄筋2を互いに連結
することで接続されている。
敷地に於ける地盤の地耐力、目的の建物の重量に対抗す
るために最適な幅寸法を有し、且つ基礎梁1が予め該基
礎梁1に設定された許容撓みの範囲以上の歪みを生じる
ことがなく、更に、この建物に作用することが想定され
る水平力に対し充分に対抗し得る高さ寸法を有する四角
形断面に形成されている。
含む四角形(方形)の形状を持って形成されている。従
って、目的の地盤の地耐力の大きさに対応させて幅寸法
及び高さ寸法を設定することで、信頼性の高い基礎Aを
構築することが可能である。このような断面形状を持っ
た基礎梁1では、現場での地業が終了した後、コンクリ
ートを打設する際の型枠の形状が単純となり施工が容易
である。
ト3が配置されており、基礎Aの上部に構築される土台
C(後述する基礎Bと共通して構築され、上部に目的の
建物の躯体が建築される)を構成する支柱を固定し得る
ように構成されている。尚、後述するように、基礎梁1
に土台Cを構成する支柱Eを埋設することで一体化して
も良い。
1の断面形状が単純な四角形であるため、型枠の形状が
単純になり、施工性が向上する。またコンクリートを一
度打設することで、基礎を構成することが可能であり、
工程上の煩雑さを低減し、作業性を向上することが可能
である。
基礎Bの構造について説明する。図に示す基礎Bは断面
が四角形の基礎梁1を目的の建物の基礎伏図に従って設
置したものであり、地盤の地耐力が変化した場合、基礎
梁1の幅寸法を変更することなく、基礎梁1の側面であ
って地表面に対応する部位に、フーチング部4(図4
(a)参照)又はベタ基礎部5を一体的に形成すること
で、地耐力に対応した接地面積を満足し得るように構成
されている。
に設定しておき、目的の建物を建築すべき敷地の地耐力
が小さい場合、基礎梁1の幅寸法を大きくすることな
く、地耐力に対応し得る接地面積をフーチング部4,ベ
タ基礎部5を形成することで実現したものである。従っ
て、フーチング部4の面積或いはベタ基礎部5の面積
は、基礎梁1の面積を補完する値となり、一義的に設定
し得るものではない。
1の側面であって地表面GLに対応した位置に設けら
れ、基礎梁1の天端1aとフーチング部4の天端4a,
ベタ基礎部5の天端5aは夫々同一平面内に配置されて
いる。地表面GLから基礎梁1の天端1aまでの距離は
特に限定するものではない。しかし、前記距離が大きく
なるとフーチング部4,ベタ基礎部5の厚さが厚くなっ
てコンクリートの無駄が生じる。このため、地表面GL
と基礎梁1の天端1aまでの距離を約10cm程度とし、フ
ーチング部4,ベタ基礎部5の厚さを12cm〜18cm程度の
範囲に設定することが好ましい。
に、基礎梁1に対応する部位では地耐力に対応させて深
さを深くすることがあっても幅を広くする必要はない。
またフーチング部4,ベタ基礎部5に対応する部位を掘
削する場合、地面を僅かに掘削すれば良く、基礎梁1の
深さに対応させて深くする必要がない。従って、地耐力
が小さい場合であっても、土砂の掘削量が大幅に増大す
ることがなく、掘削作業を進める場合に有利である。
チング4,ベタ基礎5には夫々横鉄筋6が配筋されてい
る。この横鉄筋6は基礎梁1の鉄筋2を配筋する際に、
該鉄筋2の上部に固着されて一体化しており、基礎梁1
とフーチング部4,ベタ基礎部5に同時にコンクリート
を打設することで強固に一体化している。
1の鉄筋2にアンカーボルト3を取り付けて固定し、こ
のアンカーボルト3に土台Cの支柱を締結し得るように
構成している。
1の標準化をはかり、且つ地耐力が小さい場合であって
も、土砂の掘削量を大幅に増大させることがない。
台Cを構成した例について図1,図5〜図8により説明
する。前述したように、土台Cは基礎A,Bの何れであ
っても利用することが可能であるが、以下の例では、代
表して基礎Aを利用した場合について説明する。
フーチング部4,ベタ基礎部5は形成されていないが、
他の構成は全て基礎Bに適用することが可能である。こ
のため、図3に示す基礎Bに於いて以下説明する構成と
同一の構成を有する部位及び同一の機能を有する部位に
は同一の符号を付すものとする。
に、建物の躯体を構成する柱Dの直下に配置されて該柱
Dを支持する支柱Eを取り付けるための脚部Fを形成
し、この脚部Fに支柱Eを一体的に取り付けることで構
成されている。即ち、図1,5に示すように、少なくと
も端部に脚部Fを形成した基礎梁1が配置され、該脚部
Fに支柱Eを一体的に取り付けて構成されている。ここ
で、基礎梁1は基礎Aに於ける直線状の部分に対応して
設定されたものであり、図1では個々の基礎梁1の両端
部及び中間部に支柱Eが配置されている。従って、各方
向の基礎梁1は交差する部位に配置された支柱Eを共有
することとなる。特に、支柱Eは建物の躯体を構成する
全ての柱Dの直下に配置されており、従って、脚部Fも
全ての柱Dの位置に対応して配置される。
り毎に設置され、他の通りに設置された基礎梁1と当接
する部位では互いに接続されている。この基礎梁1の少
なくとも端部に形成された脚部Fの形状は特に限定する
ものではなく、基礎梁1に於ける他の部位(支柱Eを取
り付けることのない部位)と同一の形状であって良い。
要するに脚部Fは支柱Eを一体的に取り付ける部位をい
うものである。
Eを一体的に取り付けることが必須であるが、支柱Eの
取付数を限定するものではない。図1に示すように、各
通り毎の基礎梁1が夫々4個の支柱Eを取り付けること
もある。このように、基礎梁1に取り付ける支柱Eの数
は目的の建物に応じて異なり、一義的に設定し得るもの
ではない。
壁パネル7としてALC(軽量気泡コンクリート)パネ
ルを用いたものとしたとき、基礎Aは基礎梁1を用いる
ことによって、地盤に対する基礎梁1の埋設深さは規定
により27cmとなる。従って、基礎梁1の設置部位に沿っ
て前記深さ以上に掘削し、該掘削部位に所定の地業を施
して深さ27cm(フーチング部4を設ける場合、ベタ基礎
部の場合は12cm)に設定している。しかし基礎梁1の高
さをこの寸法に限定するものではなく、あくまでも地盤
条件や建物の重量,想定された水平力等の条件に応じて
設定すべきことは当然である。
の柱Dの直下に配置され、柱Dと接続されて該柱Dに作
用する垂直力や水平力を基礎梁1に伝達する機能を有す
る。このため、支柱Eは図6に示すように、柱Dを取り
付けるための天板11と、上端が天板11に溶接等の手段で
固着され該天板11に作用する力を基礎梁1に伝達する伝
達部材12とを有して構成されている。また柱Dに作用す
る水平力に伴って支柱Eに作用する引抜き力によって、
該支柱Eが基礎梁1から引き抜かれることを防止するた
めに、支柱Eを構成する伝達部材12の下端側に引抜き防
止部材13が配置されると共に両者が直接、或いは接続板
14を介して一体的に接続されている。
接する支柱Eの間に配置され、外壁パネル7や床パネル
8を支持する受け梁21、玄関部やピロティ車庫に対応す
る下地梁22を取り付ける機能をも有する。このため、支
柱Eを構成する天板11の天端レベルは、予め目的の建物
に設定された床面レベルや床の構造等の条件に対応して
設定される。特に、作業上、柱Dを取り付ける天板11の
天端レベルと、床パネル8の底面を支持する受け梁21の
天端レベルは一致していることが好ましい。また床面を
GLから如何なる高さに設定するかは個々の建物に応じ
た設計上の問題であり、限定されるべきものではない。
天板11及び受け梁21の天端レベルをGL+40cmに設定し
ている。この数値は、通常の床を構成して床下の通気を
確保する上で一般的に用いられるものである。
礎梁1の天端1aとの間には寸法差が生じ、受け梁21の
高さ分を差し引いた隙間が形成される。この隙間は、床
下の保守点検を行なう際に作業員が通過するための通路
としての機能を発揮し、床下に入って行なう作業を容易
に実施し得るようになる。
天板11には柱Dを取り付ける際に用いる図示しないボル
トを挿通するためのボルト穴11aが形成されている。
平力に対して充分に対抗し得るように、断面が十字状で
且つ充分な断面積を持って形成されており、十字状に形
成された各片には所定の間隔を持って複数の穴12aが形
成されている。そして穴12aを介して、外壁パネル7や
床パネル8を支持する受け梁21、玄関部やピロティ車庫
に対応する下地梁22が接続されている。
ベルが異なる。このため、伝達部材12の片に予め複数の
穴12aを形成しておくことで、各梁21,22に設定された
天端レベルに応じて最適な穴12aを選択して利用するこ
とが可能である。
に取り付けられて支柱Eに作用する引抜き力を基礎梁1
に伝達する機能を有するものであり、一部が基礎梁1に
係止されるような構造を持っている。引抜き防止部材13
の基礎梁1に対する係止とは、該引き向き防止部材13が
基礎梁1に埋設されて一体化する状態、及び基礎梁1の
上部に載置された状態で該基礎梁1に埋設されたアンカ
ーボルト3(第2実施例に係る基礎B)、或いはアンカ
ーナットに締結されて一体化する状態があり、これらの
構造を支柱Eに作用する力に応じて適宜選択して構成す
ることが可能である。
抜き防止部材13は伝達部材12の断面寸法よりも充分に長
いH形鋼によって構成されており、この引抜き防止部材
13と伝達部材12の間に配置された接続板14を介して支柱
Eと一体的に取り付けられている。即ち、伝達部材12の
下端に接続板14が溶接されており、該接続板14と引抜き
防止部材13とが溶接或いはボルト,ナットを用いて一体
的に取り付けられている。
防止部材13は伝達部材12の平面寸法よりも充分に大きい
寸法を持った平板によって構成されており、この引抜き
防止部材13を伝達部材12の下端部に溶接することで一体
的に取り付けられている。
き防止部材13は天板11と略等しい寸法を持った複数の平
板によって構成されており、これらの平板を伝達部材12
の下端部及び下端部から上方へ所定寸法離隔した位置に
溶接することで一体的に取り付けられている。
の形状や構造は特に限定するものではなく、基礎に於け
る配置位置や建物の重量、作用する垂直力及び水平力等
の力の大きさに応じて適宜設定することが可能である。
特に、隅部に配置される支柱Eに対して取り付ける引抜
き防止部材13は、図1に示すように、各通りの基礎梁1
に対応させて平面形状がL字状に形成される。
に作用する垂直力は基礎梁1によって支持される。この
とき、基礎梁1が力を伝達するのに必要な幅寸法を有
し、且つ全幅にわたって高さが一定であるため、垂直力
は均等に地盤に伝達されて支持される。即ち、基礎梁1
に作用する反力は均等となる。このため、垂直力に作用
によって基礎梁1に圧縮力が作用してもこの力を安定し
て支持することが可能であり、基礎梁1が部分的に破壊
するようなことがない。
に起因する該支柱Eを基礎梁1から引き抜く方向の力が
作用したとき、支柱Eを構成する伝達部材12に直接或い
は接続板14を介して取り付けた引抜き防止部材13が基礎
梁1に一体的に取り付けられているため、該引抜き防止
部材13の剪断強度或いは引張強度によって対抗すること
が可能であり、支柱Eが基礎梁1から引き抜かれたり、
倒れたりすることがない。
や受け梁21と基礎梁1との緊結構造について具体的に説
明し、合わせて施工手順について説明する。基礎A,B
を構築する場合、先ず、目的の建物が設計される。従っ
て、以下の説明では、既に建物の設計が終了し、柱の位
置や玄関等の位置が決定され、且つ基礎伏図に従って現
場の地業及び位置出しも終了したものとする。
置に対応させて土台Cを構成する支柱Eを配置する。こ
のとき、各支柱E毎にレベル出し用のPC板23を設置
し、このPC板23に夫々支柱Eを立ち上げて配置する。
このとき、夫々の支柱Eは伝達部材12の下端側に引抜き
防止部材13が一体的に取り付けられている。前記PC板
23は支柱Eと共に基礎梁1に埋設される。このため、引
抜き防止部材13を含む支柱Eの高さは、天板11の天端の
高さと基礎梁1の高さを加えた値からPC板23の厚さを
差し引いた寸法に設定される。
ベル出しの基準板として必ずしもPC板23を使用するこ
とに限定するものではなく、鋼板や他の類似の板を用い
ることが可能である。
支柱Eの天板11の高さを調整しつつ全ての支柱Eの天端
を同一レベルに設定する。この状態で、個々の支柱Eは
PC板23に埋設されている図示しないボルトにナットを
締結することで仮固定される。
筋2を構成する鉄筋籠2aを配置する。鉄筋籠2aは予
め工場段階で組み立てられ、或いは予め工場段階で製作
した平網状の鉄筋を現場で立体的に組み立てて用いられ
る。この鉄筋籠2aは長手方向に配置された複数の縦筋
2bと、これらの縦筋2bを接合する帯筋(剪断補強
筋)2cとによって構成されている。
設定された基礎梁1の断面寸法に対応して設定され、長
さは基礎梁1の長さの如何に関わらず、基礎梁1に配置
される隣接した支柱E間の距離に応じて設定されてい
る。即ち、鉄筋籠2aを隣接する支柱Eの間に配置した
とき、この鉄筋籠2aは両端が支柱Eに届かず、該支柱
Eから所定距離離隔した位置を保持する。
ュール寸法に規制される。このため、鉄筋籠2aの長さ
もモジュール寸法によって規制されることとなり、規格
化することが可能となる。従って、鉄筋籠2aを工場段
階で製作しておくことが可能となり、品質の安定した信
頼性の高い鉄筋籠2aとすることが可能である。このこ
とは、鉄筋籠2aを用いて構成された基礎梁1の信頼性
をも高めることとなる。
配置された鉄筋籠2aの端部は支柱Eから離隔した位置
にある。このため、支柱Eを中央として直線方向、或い
はL字方向に夫々配置された鉄筋籠2aを互いに接合す
ることが必要である。この接合は、支柱Eを挟むように
して配置した複数の縦筋2dによって、鉄筋籠2aの縦
筋2bを接合すると共に帯筋2eによって縦筋2bを接
合することで行なわれる。
うことが可能である。ここで、支柱Eの天板11のレベル
を設定する作業は、前述したように、必ずしも配筋作業
を実施する以前に行なう必要はなく、配筋作業を実施し
た後行なっても良いことは当然である。
に夫々配置された支柱Eと鉄筋籠2a及び基礎梁1との
関係を説明するものである。即ち、同図(a)は、中通
りの基礎梁1に配置された支柱Eと鉄筋籠2aの関係を
示すものであり、支柱Eを幅方向の中央に配置すると共
に該支柱Eを基準として基礎梁1の幅方向に鉄筋籠2a
の縦筋2bを振り分けて構成されている。また同図
(c)は支柱Eの構成が異なる以外は、(a)と同一の
構成である。
た支柱Eと鉄筋籠2aの関係を示すものであり、支柱E
は基礎梁1の外側に偏った位置に配置されるものの、鉄
筋籠2aは基礎梁1の略中央に配置されている。
基礎梁1を構築するコンクリートを打設する以前に、支
柱Eに受け梁21,下地梁22を接続しておくことが好まし
い。予め支柱Eに受け梁21,下地梁22を接続しておくこ
とで、個々の支柱Eの安定性を確保することが可能であ
る。
壁パネル7及び床パネル8を支持する機能を有し、中通
りに配置された場合は床パネル8を支持する機能を有す
る。このため、受け梁21としては支持すべき外壁パネル
7や床パネル8の重量に充分に耐え得る寸法を持ったH
形鋼によって構成されている。
ブと支柱Eの伝達部材12の片を突き合わせると共にプレ
ート25をボルト,ナット26によって締結することで接続
されている。
り、複数の床パネル8の端部が載置されるため、受け梁
21には各床パネル8の荷重が作用して曲げが生じる。こ
のため、受け梁21の長手方向の略中央の位置、或いは長
手方向に複数の位置で基礎梁1に接続し、該基礎梁1に
よって受け梁21を支持することが好ましい。
21の略中央に受け梁支持部材27を配置し、この受け梁支
持部材27によって基礎梁1の天端1aと受け梁21の下端
を接続することで、受け梁21に作用する荷重を基礎梁1
に伝達して支持し得るように構成されている。
付部位に作用する力に対抗し得る強度と受け梁21を介し
て伝達される水平力に対抗し得る曲げ強度及び曲げ剛性
を有することが必要であり、前記強度を発揮し得るもの
であれば形状を限定するものではない。
の下端と基礎梁1の天端1aとの間に形成される隙間の
寸法に対応する長さを有し、長手方向の両端に夫々フラ
ンジ27aを形成した側面視がコ字状の本体と、フランジ
27aをスチフナ27bによって接続して構成されている。
ランジにボルト,ナット26によって或いは溶接によって
固着され、自由端となる下側のフランジ27aには予め基
礎梁1に埋設される埋込ボルト28を取り付けている。
の直下に支柱Eを配置して天端レベルを調整し、且つ隣
接する支柱Eの間に夫々鉄筋籠2aを配置すると共に、
配置された鉄筋籠を縦筋2d,帯筋2eによって接続
し、更に、隣接する支柱Eに間に受け梁21,下地梁22を
配置すると共にプレート25によって接続した後、基礎梁
1の設置位置に対応させて図示しない型枠を配置し、該
型枠にコンクリートを打設する。
て、引抜き防止部材13を含む支柱E,PC板23,鉄筋籠
2a,受け梁支持部材27の下側のフランジ27aに取り付
けた埋込ボルト28は基礎梁1に埋設される。型枠に打設
されたコンクリートは所定の養生期間を経過した後脱型
され、これにより、前記各部材を埋設して一体化した基
礎梁1を有する基礎A,Bが構成される。
リートによって構成したとき、各支柱Eの天端レベルは
予め設定された精度を保持しており、改めてレベル出し
を行なうことなく、柱Dを取り付けることが可能であ
る。同様に受け梁21のレベルも精度が保証され、柱Dの
取り付けに引き続き外壁パネル7,床パネル8の取り付
けを行なうことが可能である。
おくことは好ましくはないため、受け梁21に外壁パネル
7を取り付ける際に化粧パネル29及びコーナーパネル30
(図1参照)を取り付けている。
受け梁21と基礎梁1との間に構成された隙間を閉鎖する
に際し、各パネル29,30を取り付ける構造は特に限定す
るものではない。例えば、化粧パネル29を支柱Eに取り
付ける場合、図8に示すように、支柱Eの伝達部材12の
片に形成した穴12aにボルト,ナット26によってブラケ
ット31を取り付け、該ブラケット31に化粧パネル29を取
り付けることが可能である。またコーナーパネル30も同
様にして支柱Eに取り付けることが可能である。
必ずしも直接支柱Eに取り付ける必要はなく、受け梁21
のウエブ、或いは下フランジに図示しないステーを取り
付けておき、このステーによって化粧パネル29を取り付
けるように構成することも可能である。
柱Eを、現場打ちコンクリートによって構成した基礎梁
1に埋設して構成したが、必ずしも支柱Eを基礎梁1に
埋設する必要はなく、支柱Eを基礎梁1の天端1aに載
置して一体的に取り付けても良い。
4参照)に示すように、基礎梁1に於ける支柱Eを取り
付ける部位には、予め基礎梁1の低部にベースプレート
32が配置され、該ベースプレート32に一端が取り付けら
れると共に他端が基礎梁1を高さ方向に貫通して突出し
たアンカーボルト3が埋設されている。そしてアンカー
ボルト3に支柱Eの伝達部材12に溶接したプレート状の
引抜き防止部材13が締結されることで、支柱Eは基礎梁
1に一体的に取り付けられている。
た場合であっても、これらの力はアンカーボルト3,ベ
ースプレート32を介して基礎梁1に伝達されて支持さ
れ、且つこれらの力によって基礎梁1が破壊したり、支
柱Eが引き抜かれたり或いは倒れることがない。
第1の基礎構造では、断面が四角形の基礎梁を基礎伏図
に従って構築するので、型枠が簡単になり且つコンクリ
ートを一度打設することで基礎梁を構築することが出来
る。このため、作業が簡単となり施工性を向上すること
が出来る。
寸法を設定すれば良く、型枠の共通化をはかることが出
来る。このため、施工性を向上することが出来、工期の
短縮化や工程管理を簡易に行なうことが出来る。
あって地表面に対応する部位にフーチング部或いはベタ
基礎部を設け、且つ基礎梁の天端とフーチング部の天
端,ベタ基礎部の天端を同一平面としたので、地盤を掘
削する際には、基礎梁に対応した部位では深く掘削する
ものの、フーチング部,ベタ基礎部に対応する部位では
極めて浅い掘削で良い。このため、土砂の掘削量を削減
することが可能となり、掘削に要する作業を軽減するこ
とが出来る。
されるので、型枠の構造が簡単になり、且つ一度のコン
クリート打設によって基礎を構築することが出来る。こ
のため、施工性を向上することが出来る。また敷地に高
低差があるような場合であっても、広い面積で深く掘削
する必要がないので、容易に対応することが出来る。
ても、簡単にフーチング部或いはベタ基礎を形成するこ
とが可能であり、容易に対応することが出来る。特に、
フーチング部,ベタ基礎部が全体的に地盤に接地するた
め、建物の荷重を安定した状態で地盤に伝えることが出
来る。
いはベタ基礎部の天端が同一平面内に配置されるため、
基礎天端のレベル出し作業を実施する場合であっても、
特別な技術を要することなく、容易に行なうことが出来
る。
る斜視図である。
る図である。
一部との関係を説明する図である。
造を説明する図である。
する構成を説明する図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 基礎伏図に従って配置した断面が四角形
のコンクリート基礎梁によって構成したことを特徴とす
る建物の基礎構造。 - 【請求項2】 断面が四角形のコンクリート基礎梁の側
面であって地表面に対応する部位にフーチング部又はベ
タ基礎の底盤を一体的に形成すると共に、コンクリート
基礎梁の天端とフーチング部の天端又はベタ基礎の底盤
の天端を同一水平面に形成したことを特徴とする建物の
基礎構造。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載した基礎構造が柱
及び壁を含む上部躯体構造を支持する土台構造の下部に
設けられることを特徴とする建物の基礎構造。
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