JP2019137847A - プロピレン系重合体組成物およびその発泡成形体 - Google Patents

プロピレン系重合体組成物およびその発泡成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】高い発泡倍率、ならびに高い連続気泡率を有する発泡体を得るに好適なプロピレン系重合体組成物を提供する。【解決手段】下記プロピレン系重合体(A)を2〜50質量%および下記プロピレン系重合体(B)を50〜98質量%〔但し、プロピレン系重合体(A)とプロピレン系重合体(B)の合計量を100質量%とする。〕含むことを特徴とするプロピレン系重合体組成物。プロピレン系重合体(A):135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が10〜12dl/gの範囲にあるプロピレン系重合体(a1)の含有量が20〜50質量%範囲にあり、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が0.5〜3dl/gの範囲にあるプロピレン系重合体(a2)の含有量が50〜80質量%の範囲〔但し、プロピレン系重合体(a1)とプロピレン系重合体(a2)の合計量を100質量%とする。〕にある。プロピレン系重合体(B):230℃におけるメルトフローレートが1〜30g/10分、かつ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が6以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、高発泡倍率で高連続気泡率が高い発泡成形体を得るに好適なプロピレン系重合体組成物およびその成形体に関する。
ポリプロピレン重合体の重要な成形加工法の一つとして、発泡成形がある。押出発泡成形や射出発泡成形で得られた各種の成形体は、断熱性や遮音性、クッション性、エネルギー吸収特性などの優れた特性を生かし、幅広い用途で使用されている。発泡体の発泡倍率が高くなるほど、緩衝性、断熱性に優れ、連続気泡率が高いほど吸音性に優れることが一般に知られているため、高い発泡倍率、ならびに高い連続気泡率を有する発泡成形体が要望されている。
発泡成形性を改善するために重合体を高溶融張力化するための手法として、多段重合により高分子量成分を付与する手法がある(特許文献1、2参照)。
特許文献1では、135℃、デカリン中における極限粘度[η]が8〜13dl/gの高分子量プロピレン系重合体を15〜50wt%含有するポリプロピレン系樹脂組成物が開示されている。ここに示されている135℃、デカリン中における極限粘度[η]8〜13dl/gを、日刊工業新聞社「ポリプロピレン樹脂」に記載されている135℃、デカリン中、及び135℃、テトラリン中での極限粘度[η]と重量平均分子量の関係式を用い、ポリプロピレンの135℃、テトラリン中での極限粘度[η]に換算すると、5.8〜9.5dl/gとなる。高分子量プロピレン系重合体の135℃、テトラリン中での極限粘度[η]が5.8〜9.5dl/gの範囲では、極限粘度[η]の高さが不十分であるため、高い発泡倍率、ならびに高い連続気泡率を有する発泡成形体を得ることが困難である。
また、特許文献2では135℃、テトラリン中における極限粘度[η]が10dl/g超の高分子量プロピレン系重合体を含有するポリプロピレン系樹脂組成物が開示されているが、その量が5〜20wt%と少ないため、高い発泡倍率、ならびに高い連続気泡率を有する発泡成形体を得ることが困難である。
WO1999/007752 WO2005/097842
本発明は、高い発泡倍率、ならびに高い連続気泡率を有する発泡成形体を得るに好適なプロピレン系重合体組成物を得ることを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、高分子量プロピレン系重合体の極限粘度[η]およびその量を適切に調整したプロピレン系重合体(以下、プロピレン系重合体(A)という)を、分子量分布の狭いプロピレン系重合体(以下、プロピレン系重合体(B)という)とブレンドすることによって得られたプロピレン系重合体組成物(以下、プロピレン系重合体組成物(X)と呼称する場合がある。)を用いることで、高い発泡倍率、ならびに高い連続気泡率を有する発泡成形体が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、高い発泡倍率、ならびに高い連続気泡率を有する発泡成形体を得ることができる。
本発明のプロピレン系重合体組成物の歪硬化の傾きを説明するグラフである。 本発明のプロピレン系重合体組成物からなる発泡成形体を成形する押出発泡成形機の一例の概略図である。
以下、本発明に係るプロピレン系重合体組成物およびその成形体について具体的に記載する。
発泡成形における気泡成長過程は、(1)気泡核生成、(2)気泡成長、(3)破泡、(4)気泡安定化の4つの過程を経る。高い発泡倍率の発泡成形体を得る場合、十分な気泡成長を促し、破泡を抑制することが鍵となる。
本発明者らは、発泡倍率向上に必要な重合体特性について鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
(イ)重合体組成物の溶融張力は、低いと気泡を維持できず破泡しやすくなり、高すぎると気泡の成長が阻害され、高発泡倍率が得られない。
(ロ)気泡壁が伸張変形する際、粘度が上昇する歪硬化性が現れるが、この歪硬化性が高いほど気泡壁の破断が抑制され、発泡倍率の低下を防ぐことができる。
(ハ)歪硬化性を高めるには高分子量成分が必要であるが、その指標の一つに動的粘弾性測定から得られる角周波数(X)における貯蔵弾性率G’(X)がある。角周波数が0.1rad/sのときの貯蔵弾性率G’(0.1)と角周波数が0.01rad/sのときの貯蔵弾性率G’(0.01)との比G’(0.1)/G’(0.01)が小さいほど歪硬化性が上昇し、発泡倍率が向上する傾向にある。一方、角周波数が10rad/sのときの貯蔵弾性率G’(10)と角周波数が1rad/sのときの貯蔵弾性率G’(1)との比G’(10)/G’(1)が大きいほど気泡壁の延伸特性が良化し、伸張変形時の気泡壁の破断が抑制される。
本発明では、上記特性を満足するプロピレン系重合体組成物(X)は、極限粘度[η]が特定の範囲にある高分子量成分を特定量含むプロピレン系重合体(A)と、分子量分布の狭いプロピレン系重合体(B)を混合することで得られることを見出した。
一方、高い連続気泡率の発泡成形体を得るためには破泡を進行させることが重要である。プロピレン系重合体(A)に含まれる高分子量成分の極限粘度[η]が大きいほど溶融張力が向上し破泡が抑制され、高分子量成分の極限粘度[η]が小さいほど破泡が進行しやすくなる。したがって、高い発泡倍率、ならびに高い連続気泡率の発泡成形体を得るためには、プロピレン系重合体(A)に含まれる高分子量成分の極限粘度[η]およびその含有量を適切な値に調整する必要がある。
<プロピレン系重合体(A)>
本発明のプロピレン系重合体組成物(X)に含まれる重合体の一つであるプロピレン系重合体(A)は、135℃、テトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]が10〜12dl/gの範囲にあるプロピレン系重合体(a1)を20〜50質量%の範囲、および135℃、テトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]が0.5〜3dl/gの範囲にあるプロピレン系重合体(a2)を50〜80質量%の範囲〔但し、プロピレン系重合体(a1)とプロピレン系重合体(a2)の合計量を100質量%とする。〕で含む。
《要件(i)》
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)は、230℃、2.16kg荷重で測定されるMFRが、通常、0.01〜5g/10分、好ましくは0.05g/10分〜4g/10分、より好ましくは0.1g/10分〜3g/10分の範囲にある。
プロピレン系重合体(A)のMFRが上記範囲にあると、押出し成形性に優れ、発泡倍率が高い発泡成形体を得られ得る。
《要件(ii)》
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)は、230℃で測定される溶融張力(MT)が5〜30g、好ましくは7g〜25g、より好ましく10g〜20gの範囲にある。
プロピレン系重合体(A)のMTが上記範囲にあると、押出し成形性に優れ、発泡倍率が高い発泡成形体を得られ得る。
《要件(iii)》
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)は、好ましくは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された分子量分布曲線で囲まれる領域の全面積に占める分子量150万以上の高分子量領域の割合が7質量%以上、好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは12質量%以上である。前記高分子量領域の割合が特定の割合以上を占めているということは、ポリプロピレン重合体組成物中に分子量150万以上の高分子量成分が含有されていることを意味している。この高分子量成分の少なくとも一部は極限粘度[η]が10〜12dl/gの高分子量成分である。したがって、前記高分子量成分の割合が7質量%未満であると、溶融張力が不十分であるため発泡倍率が低くなる虞がある。
《要件(iv)》
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)は、好ましくは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された分子量分布曲線が2つのピークを有し、高分子量側のピーク分子量MHと低分子量側のピーク分子量MLの比(MH/ML)が50以上、好ましくは70以上、より好ましくは90以上である。分子量分布曲線が2つのピークを有し、MH/MLが特定の値以上になるということは、高分子量成分の含有量が多く、その極限粘度[η]も高いことを示す。したがって、分子量分布曲線が単一ピークを有する場合や、2つのピークを有していてもMH/MLが50未満の場合は、発泡倍率が低くなる場合がある。
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された分子量分布曲線の低分子量側のピーク分子量MLは、10万以下、好ましくは8万以下、より好ましくは5万以下である。10万を超えると粘度が高く、押出し不良となる虞がある。
《要件(v)》
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)は、FE個数(25mmΦのTダイ製膜機で製膜した厚さ50μmのフィルムについて、FEカウンターを用いて測定されるFE個数を単位面積〔3000cm2〕当たりの個数に換算した値)は、通常、100個以下、好ましくは70個以下、より好ましくは50個以下である。FE個数が100個を超えると、得られる発泡成形体の外観が不良となる場合がある。FE個数を上記範囲内とすることで外観が良好な発泡成成形体が得られる。
《プロピレン系重合体(a1)》
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)に含まれるプロピレン系重合体(a1)の極限粘度[η]は、好ましくは10.5〜11.5dl/gの範囲にある。また、プロピレン系重合体(a1)の質量分率は、好ましくは20〜45質量%、より好ましくは20〜40質量%の範囲にある。
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)において、プロピレン系重合体(A)に含まれるプロピレン系重合体(a1)は、プロピレンの単独重合体、あるいは、プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。炭素数2〜8のα−オレフィンとしては、例えばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。これらα−オレフィンとしてはエチレンが好ましい。
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)に含まれるプロピレン系重合体(a1)の極限粘度[η]が上記範囲外の成分、例えば、極限粘度[η]が12dl/gを超えると、得られる発泡成形体の連続気泡率が低くなる。また、極限粘度[η]が10dl/g未満のプロピレン系重合体を含む場合は、得られる重合体組成物の溶融張力が不十分であり、得られる発泡成形体の発泡倍率が低くなる。また、プロピレン系重合体(a1)の質量分率が20質量%未満では、溶融張力が不十分であるため発泡倍率が低くなり、50質量%を超えると、得られる組成物を押出し成形する際にメルトフラクチャーの発生が激しく、押出成形時の不良現象の原因となる。
《プロピレン系重合体(a2)》
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)に含まれるプロピレン系重合体(a2)の極限粘度[η]は、好ましくは0.6〜2.5dl/g、より好ましくは0.8〜1.5dl/gの範囲にある。また、プロピレン系重合体(a2)の質量分率は、好ましくは55〜80質量%、より好ましくは60〜80質量%の範囲にある。
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)において、プロピレン系重合体(A)に含まれるプロピレン系重合体(a2)は、プロピレンの単独重合体、あるいは、プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。炭素数2〜8のα−オレフィンとしては、例えばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。これらα−オレフィンとしてはエチレンが好ましい。
極限粘度[η]が0.5dl/g未満のプロピレン重合体を含む場合は、得られる重合体組成物の溶融張力が不十分であり、3.0dl/gを超えると、粘度が高く、押出し不良となる。また、成分(2)の重量分率が50質量%未満では、押出し不良となり、80質量%を超えると、溶融張力が不十分であるため発泡倍率が低くなる。
<プロピレン系重合体(A)の製造方法>
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)は、種々公知の製造方法、例えば、夫々、上記物性を満たすプロピレン系重合体(a1)およびプロピレン系重合体(a2)を重合した後、上記範囲で、プロピレン系重合体(a1)とプロピレン系重合体(a2)とを混合、あるいは溶融混練してプロピレン系重合体(A)を得る方法、あるいは、上記物性を満たすプロピレン系重合体(a1)およびプロピレン系重合体(a2)を一つの重合系あるいは二つ以上の重合系で重合する方法等を例示できる。
中でも2段以上の多段重合により、相対的に高分子量のプロピレン系重合体から相対的に低分子量のプロピレン系重合体を含むように製造するのが好ましい。
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)の好ましい製造方法として、例えば高立体規則性ポリプロピレン製造用触媒の存在下に、プロピレンを単独で、またはプロピレンと他のモノマーとを2段以上の多段重合で重合させて製造する方法をあげることができる。
具体的には、第1段目の重合において、実質的に水素の非存在下でプロピレンまたはプロピレンと他のモノマーとを重合させて、135℃テトラリン中で測定した極限粘度〔η〕が10〜12dl/g、好ましくは10.5〜11.5dl/gの相対的に高分子量のプロピレン系重合体(a1)を、全重合体中の10〜50質量%、好ましくは15〜45質量%、さらに好ましくは20〜40質量%製造し、第2段目の重合において、相対的に低分子量のプロピレン系重合体(a2)を製造する。第2段目以降の重合において製造するプロピレン系重合体(a2)の極限粘度〔η〕は0.5dl/g〜3dl/g、好ましくは0.6〜2.5dl/g、より好ましくは0.8〜1.5dl/g(この極限粘度〔η〕は、その段単独で製造されるプロピレン系重合体の極限粘度〔η〕であり、その段の前段までのプロピレン系重合体(a1)を含むプロピレン系重合体(A)の極限粘度〔η〕ではない。)で、かつ最終的に得られるプロピレン系多段重合体のMFRが0.01〜5g/10分、好ましくは0.05〜4g/10分、さらに好ましくは0.1〜3g/10分となるように調整する。第2段目以降で製造するプロピレン系重合体の極限粘度〔η〕の調整方法は特に制限されないが、分子量調整剤として水素を使用する方法が好ましい。
プロピレン系重合体(a1)とプロピレン系重合体(a2)の製造順序としては、第1段目で、実質的に水素の非存在下で、相対的に高分子量のプロピレン系重合体(a1)を得た後、第2段目以降で相対的に低分子量のプロピレン系重合体(a2)を製造するのが好ましい。製造順序を逆にすることもできるが、第1段目で相対的に低分子量のプロピレン系重合体を得た後、第2段目以降で相対的に高分子量のプロピレン系重合体を重合するためには、第1段目の反応生成物中に含まれる水素などの分子量調整剤を、第2段目以降の重合開始前に限りなく除去する必要があるため、重合装置が複雑になり、また第2段目以降の極限粘度〔η〕が上がりにくい。
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)の重合はスラリー重合、バルク重合など、公知の方法で行うことができる。また、各段の重合は連続的に行うこともできるし、バッチ式に行うこともできるが、バッチ式に行うことが好ましい。プロピレン系重合体(A)を連続重合方法によって製造する場合、滞留時間分布によって重合粒子間の組成ムラが生じ、FE個数がより増加するからである。バッチ式で重合することにより、FE個数の少ないプロピレン系重合体(A)を得ることができる。
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)を製造する際に使用する触媒としては、マグネシウム、チタン、及びハロゲンを必須成分とする固体触媒成分、有機アルミニウム化合物等の有機金属化合物触媒成分、及び有機ケイ素化合物等の電子供与体化合物触媒成分から形成することができるが、代表的なものとして、以下のような触媒成分が使用できる。
固体触媒成分の好ましい担体となるものは、金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/ 又はハロゲン含有化合物から得られる。この場合、金属マグネシウムは、顆粒状、リボン状、粉末状等のマグネシウムを用いることができる。また、この金属マグネシウムは、表面に酸化マグネシウム等の被覆が生成されていないものが好ましい。
アルコールとしては、炭素数1〜6の低級アルコールを用いるのが好ましく、特に、エタノールを用いると、触媒性能の発現を著しく向上させる上記担体が得られる。
ハロゲンとしては、塩素、臭素、又はヨウ素が好ましく、特にヨウ素を好適に使用できる。また、ハロゲン含有化合物としては、MgCl2、MgI2が好適に使用できる。
アルコールの量は、金属マグネシウム1モルに対して好ましくは2〜100モル、特に好ましくは5〜50モルである。
ハロゲン又はハロゲン含有化合物の使用量は、金属マグネシウム1グラム原子に対して、ハロゲン原子又はハロゲン含有化合物中のハロゲン原子が、0.0001グラム原子以上、好ましくは0.0005グラム原子以上、さらに好ましくは、0.001グラム原子以上である。ハロゲン及びハロゲン含有化合物はそれぞれ1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物との反応方法は、例えば、金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/またはハロゲン含有化合物とを、還流下(約79℃)で水素ガスの発生が認められなくなるまで(通常20〜30時間)反応させて、担体を得る方法である。これは、不活性ガス(例えば窒素ガス、アルゴンガス)雰囲気下で行うことが好ましい。
得られた担体を次の固体触媒成分の合成に用いる場合、乾燥させたものを用いてもよく、また濾別後ヘプタン等の不活性溶媒で洗浄したものを用いてもよい。また、この担体は粒状に近く、しかも粒径分布がシャープである。さらには、粒子一つ一つをとってみても、粒形度のばらつきは非常に小さい。この場合、下記の式(I)で表される球形度(S)が1.60未満、特に1.40未満であり、かつ下記の式(II)で表される粒径分布指数(P)が5.0未満、特に4.0未満であることが好ましい。
S=(E1/E2)2・・・(I)
(ここで、E1は粒子の投影の輪郭長、E2は粒子の投影面積に等しい円の周長を示す。)
P=D90/D10 ・・・(II)
(ここで、D90は重量累積分率が90%に対応する粒子径をいう。すなわち、D90で表される粒子径より小さい粒子群の重量和が全粒子総重量和の90%であることを示している。D10も同様である。)
固体触媒成分の製造のため、上記の担体に少なくともチタン化合物を接触させている。
このチタン化合物としては、一般式(III)
TiX1 n(OR14-n・・・(III)
(式中、X1はハロゲン原子、特に塩素原子が好ましく、R1は炭素数1〜10の炭化水素基、特に直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、R1が複数存在する場合にはそれらは互いに同じでも異なってもよい。nは0〜4の整数である。)で表されるチタン化合物を用いることができる。具体的には、Ti(O−i−C374、Ti(O−C494、TiCl(O−C253、TiCl(O−i−C373、TiCl(O−C493、TiCl2(O−C492、TiCl2(O−i−C372、TiCl4等を挙げることができるが、特にTiCl4が好ましい。
固体触媒成分は、上記の担体にさらに電子供与性化合物を接触させて得られる。この電子供与性化合物としては、フタル酸ジ−n−ブチルを用いる。
また、上記の担体にチタン化合物と電子供与性化合物を接触させる際に、四塩化ケイ素等のハロゲン含有ケイ素化合物を接触させるとよい。
上記の固体触媒成分は、公知の方法で調製することができる。例えば、ペンタン、ヘキサン、ペプタン又はオクテン等の不活性炭化水素を溶媒に、上記の担体、電子供与性化合物及びハロゲン含有ケイ素化合物を投入し、攪拌しながらチタン化合物を投入する方法である。通常は、マグネシウム原子換算で担体1モルに対して電子供与性化合物は、0.01〜10モル、好ましくは0.05〜5モルを加え、また、マグネシウム原子換算で担体1モルに対してチタン化合物は、1〜50モル、好ましくは2〜20モルを加え、0〜200℃にて、5分〜10時間の条件、好ましくは30〜150℃にて30分〜5時間の条件で接触反応を行えばよい。
なお、反応終了後は不活性炭化水素(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン)で、生成した固体触媒成分を洗浄するのが好ましい。
また、触媒成分の内、有機金属化合物触媒成分としては、有機アルミニウム化合物を好適に用いることができる。
この有機アルミニウム化合物としては、一般式(IV)
AlR2 n2 3-n・・・(IV)
(式中、R2は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、X2はハロゲン原子であり、塩素原子または臭素原子が好ましい。nは1〜3の整数である。)で表される化合物が広く用いられる。具体的には、トリアルキルアルミニウム化合物、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、ジエチルアルミニウムモノエトキシド、エチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに、触媒成分の内、重合系に供する電子供与性化合物成分としては、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジエチルアミノトリエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1つの有機ケイ素化合物を用いる。
上記の固体触媒成分は、前処理してから、重合に用いるとよい。例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン又はn−オクタン等の不活性炭化水素を溶媒に、上記の固体触媒成分、有機金属化合物触媒成分及び電子供与性化合物成分を投入し、攪拌しながら、プロピレンを供給し、反応させる。また、通常、有機金属化合物触媒成分は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して0.01〜20モル、好ましくは0.05〜10モルを加え、電子供与性化合物成分は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して0.01〜20モル、好ましくは0.1〜5モルを加えるとよい。プロピレンは、大気圧よりも高いプロピレンの分圧下で供給し、0〜100℃にて、0.1〜24時間前処理するとよい。なお、反応終了後は不活性炭化水素(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン)で、前処理したものを洗浄するのが好ましい。
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)の製造方法において、プロピレン系重合体(a1)の製造条件としては、水素不存在下で、原料モノマーを重合温度として、好ましくは20〜80℃、より好ましくは40〜70℃、重合圧力として、一般に常圧〜9.8MPa、好ましくは0.2〜4.9MPaの条件下でバルク重合して製造することが好ましい。
また、プロピレン系重合体(a2)の製造条件としては、上記オレフィン重合用触媒を使用すること以外は特に制限されないが、原料モノマーを、重合温度として、好ましくは20〜80℃、より好ましくは40〜70℃、重合圧力として、一般に常圧〜9.8MPa、好ましくは0.2〜4.9MPa、分子量調節剤としての水素が存在する条件下で重合して製造することが好ましい。
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)には、必要に応じて、酸化防止剤、中和剤、難燃剤、結晶核剤等の添加剤を含むことができる。添加剤の割合は特に制限されず、適宜調節することが可能である。
<プロピレン系重合体(B)>
本発明のプロピレン系重合体組成物(X)に含まれる重合体の一つであるプロピレン系重合体(B)は、230℃におけるメルトフローレート(MFR)が1〜30g/10分、かつ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が6以下である。
本発明に係わるプロピレン系重合体(B)は、MFRが好ましくは3g/10分〜25g/10分、より好ましくは5g/10分〜20g/10分である。
プロピレン系重合体(B)のMFRが上記範囲を満たすことにより、得られるプロピレン系重合体組成物(X)の押出加工性が良好で、発泡倍率が高い発泡成形体が得られうる。
本発明に係わるプロピレン系重合体(B)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が6以下、好ましくは5.5以下、より好ましくは5以下のものである。プロピレン系重合体(B)のMw/Mnが上記範囲を満たすことにより、発泡倍率が高い発泡成形体が得られうる。
本発明に係わるプロピレン系重合体(B)の構造は特に制限はなく、プロピレン単独重合体、ブロックタイプのプロピレン重合体(プロピレン単独重合体あるいはプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体と非晶性あるいは低結晶性のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体との混合物)、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、ランダムブロックポリプロピレン等が挙げられる。
プロピレン系重合体(B)は、原料となるプロピレン系重合体(原料重合体という)を有機過酸化物存在下に溶融混練しても得られる。
溶融混練を行うにあたり、原料重合体と有機過酸化物を混合するが、その混合方法は特に制限されない。例えば、ブレンダ、ミキサー等の混合機を用いて機械的に混合する方法、有機過酸化物を適当な溶剤に溶解して原料重合体に付着させ、溶剤を乾燥することによって混合する方法等がある。
溶融混練温度は、原料重合体の溶融温度以上でかつ有機過酸化物の分解温度以上の温度が採用される。しかし、あまり加熱温度が高いとポリマーの熱劣化を招く。一般に溶融温度は、170〜300℃、特に180〜250℃の範囲内に設定することが好ましい。
有機過酸化物は公知のものが一般に使用される。代表的な有機過酸化物としては、メチルエチルパーオキサイド、メチルイソブチルパーオキサイド等のパーオキサイド;イソブチリルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、その他のハイドロパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド;1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−シクロヘキサン、その他のパーオキシケタール;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル;t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、その他のパーカーボネート等を挙げられる。
有機過酸化物の使用量は、得られるプロピレン重合体(B)のメルトフローレートの設定値等によって異なり一概に決定されないが、原料重合体100質量部に対して0.001〜4.0質量部、好ましくは0.005〜2.0質量部が一般的である。
溶融混練に用いる原料重合体は特に制限はなく、一般に市販されているプロピレン単独重合体、ブロックタイプのプロピレン重合体(プロピレン単独重合体あるいはプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体と非晶性あるいは低結晶性のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体との混合物)、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、ランダムブロックポリプロピレン等を使用できる。スラリー重合法、気相重合法で得られるものでよい。重合法は一段で重合してもよくまた多段であってもよい。上記プロピレン系重合体(A)を用いることもできる。
有機過酸化物により、原料重合体中の高分子量成分が分解されてプロピレン系重合体(B)が得られる。有機過酸化物による分解が進むに従い、MFRが高くなる。MFRを高くするほど、高分子量側の成分が減少し、GPC曲線におけるピークは狭く、且つ高くなる。
<プロピレン系重合体組成物(X)>
本発明のプロピレン系重合体組成物(X)は、前記プロピレン系重合体(A)を2〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、および前記プロピレン系重合体(B)を50〜98質量%、好ましくは60〜95質量%〔但し、プロピレン系重合体(A)とプロピレン系重合体(B)の合計量を100質量%とする。〕含む組成物である。
本発明のプロピレン系重合体組成物(X)は、前記プロピレン系重合体(A)および前記プロピレン系重合体(B)を上記範囲で含むことにより、押出し成形性に優れ、且つ、高い発泡倍率、ならびに高い連続気泡率を有する発泡成形体を得ることができる。
本発明のプロピレン系重合体組成物(X)は、MFRが、通常、1g/10分〜20g/10分、好ましくは2g/10分〜15g/10分、より好ましくは3g/10分〜10g/10分である。
本発明のプロピレン系重合体組成物(X)は、MFRが上記範囲を満たすことにより、押出し成形性に優れ、且つ発泡倍率が高い発泡成形体が得られうる。
本発明のプロピレン系重合体組成物(X)は、MTが、通常、0.1〜3g、好ましくは0.5〜2.5gの範囲にある。本発明のプロピレン系重合体組成物は、MTが上記範囲を満たすことにより、押出し成形性に優れ、且つ発泡倍率が高い発泡成形体が得られうる。
本発明のプロピレン系重合体組成物(X)は、好ましくは、角周波数が10rad/sのときの貯蔵弾性率G’(10)と角周波数が1rad/sのときの貯蔵弾性率G’(1)との比G’(10)/G’(1)と、角周波数が0.1rad/sのときの貯蔵弾性率G’(0.1)と角周波数が0.01rad/sのときの貯蔵弾性率G’(0.01)との比G’(0.1)/G’(0.01)との差、G’(10)/G’(1)−G’(0.1)/G’(0.01)が−1.5以上、好ましくは−1.3以上、より好ましくは−1.1以上である。−1.5未満では、歪硬化性、および気泡壁の延伸特性が悪化する虞があり、得られる発泡成形体の発泡倍率が低下しやすくなる虞がある。
本発明のプロピレン系重合体組成物(X)は、好ましくは180℃、10S-1における歪硬化の傾きが0.085〜0.6である。
歪硬化の傾きは、破泡を抑制する効果を示し、歪速度=10/sの場合の伸長粘度ηE(ε)と、動的粘弾性測定より得られた3η*(ε)を用いて、λn(ε)を式(III)のように求める。
λn(ε)=ηE(ε)/3η*(ε)・・・(III)
ここで、εは歪量を表す。
式(III)で求めたλn(ε)を、横軸にε、縦軸にLogλn(ε)を用いてプロットする。図1は、Logλn(ε)のプロットの一例である。このグラフ上で、εが2以上におけるLogλn(ε)を直線で近似し、近似直線の傾きを歪硬化の傾きと定義する。
歪硬化の傾きが上記範囲を満たすプロピレン系重合体組成物は、発泡成形時の破泡を抑制でき、且つ、発泡倍率が高い発泡成形体を得ることができる。
本発明のプロピレン系重合体組成物(X)は、好ましくはFE個数(25mmΦのTダイ製膜機で製膜した厚さ50μmのフィルムについて、FEカウンターを用いて測定されるFE個数を単位面積〔3000cm2〕当たりの個数に換算した値)が、通常、100個以下、好ましくは70個以下、より好ましくは50個以下である。FE個数が上記範囲を満たすプロピレン系重合体組成物は、外観が良好な発泡成形体が得られる。
本発明のプロピレン系重合体組成物(X)には、必要に応じて、酸化防止剤、中和剤、難燃剤、結晶核剤等の添加剤を含むことができる。添加剤の割合は特に制限されず、適宜調節することが可能である。
<プロピレン系重合体組成物(X)の製造方法>
本発明のプロピレン系重合体組成物は、種々公知の製造方法、例えば、前記プロピレン系重合体(A)および前記プロピレン系重合体(B)とを所望の量で、ドライブレンドや押出機内での溶融混練等の通常の方法で混合して製造できる。
<発泡成形体の製造方法>
本発明のプロピレン系重合体組成物(X)は、押出発泡成形により発泡シート、パイプ等の各種発泡成形体に成形することができる。成形方法としては、環状ダイ成形、T型ダイ成形等の一般的な成形方法を用いることができる。
本発明のプロピレン系重合体組成物(X)は、3.5倍以上の発泡倍率、ならびに60%以上の連続気泡率を有する発泡成形体の成形に特に優れている。
発泡成形体の発泡倍率や連続気泡率は、発泡剤の添加量等により変更することが可能であるが、重合体構造や溶融物性により、十分に発泡しない場合や、発泡しても目的の連続気泡率に到達しないことがある。本発明のプロピレン系重合体組成物(X)では、目的とする発泡倍率、ならびに連続気泡率を有する発泡成形体を得ることができる。
本発明の発泡成形体からなる成形品は通常の発泡成形により製造できる。例えば発泡シートは、上記したようなプロピレン系重合体組成物(X)と発泡剤とを押出機内で溶融混練した後、この溶融混練物を押出機先端に取り付けた、環状のリップを有する環状ダイスを用い、このダイスのリップより押出発泡して円筒状の発泡体を得、次いでこの円筒状発泡成形体を切り開いてシート状とする等して容易に製造される。
図2は、発泡成形体の成形が可能な押出発泡成形機の一例を示す概略図である。図2に示すように、押出発泡成形機100は、重合体原料が投入されるホッパー110と、重合体原料を溶融混練する押出機としてのシリンダー120と、シリンダー120に発泡ガス等の発泡剤を導入する発泡剤導入路130と、冷却用のマンドレル150と、円筒状の発泡体140をカットする切断部材160と、切断されたシートを巻き取る巻き取りローラ170を備えている。シリンダー120は略円筒状に形成され、シリンダー120の内径よりも小さい径をもつ略円柱状のスクリュー121を有している。スクリュー121は、その外周面にらせん状の羽122を有しており、スクリュー121の軸を中心として回転可能に支持されている。シリンダー120の内部でスクリュー121が回転することにより、シリンダー120内の重合体原料が溶融混練される。発泡剤導入路130は、シリンダー120の内部につながる流路であり、例えば、発泡ガスが導入される。シリンダー120の先端には図示していない環状ダイス(丸ダイ)が取り付けられており、シリンダー120内で発泡ガスと混練された重合体原料が丸ダイから発泡しつつ押し出されることで、円筒状の発泡体140が形成される。マンドレル150で冷却された後、カッター等の切断部材160で切断され、シート状にして巻き取りローラ170にて巻き取られる。
発泡成形体を得るにあたり、発泡剤としては、無機発泡剤、揮発性発泡剤、分解型発泡剤等を用いることができる。無機発泡剤としては、二酸化炭素、空気、窒素等が挙げられる。揮発性発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ブタンとi−ブタンとの混合物、ペンタン、ヘキサン等の鎖状脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン等の環状脂肪族炭化水素等が挙げられる。さらに、分解型発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。これらの発泡剤は適宜混合して用いることができる。特に、二酸化炭素が好ましく使用される。
発泡成形体を得るにあたり、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤等の添加剤を添加することもできる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、各例で得られた重合体、成形体の各種特性の測定、評価は下記の通り行った。
(1) 一段階目のプロピレン重合体成分〔プロピレン系重合体(a1)〕及び二段階目のプロピレン重合体成分〔プロピレン系重合体(a2)〕の質量分率
重合時に連続的に供給するプロピレンの流量計積算値を用いた物質収支から求めた。
(2)極限粘度[η](dl/g)
135℃、テトラリン中で行った。
尚、プロピレン系重合体(a2)の極限粘度[η]2は、下記式よりより計算した値である。
[η]2=([η]total×100−[η]1×W1)/W2
[η]total:プロピレン系重合体全体の極限粘度
[η]1:プロピレン系重合体(a1)の極限粘度
W1:プロピレン系重合体(a1)の質量分率(%)
W2:プロピレン系重合体(a2)の質量分率(%)
(3)メルトフローレート(MFR)(g/10分)
JIS−K7210に準拠し、測定温度230℃、荷重2.16kgf(21.2N)にて測定した。
(4)溶融張力(MT)
以下の装置及び条件で測定した。
装置:東洋精機社製キャピログラフ1C(商品名)
温度:230℃
オリフィス:L=8mm、D=2.095mm
押出速度:15mm/分
引取速度:15m/分
(5)分子量150万以上の高分子量領域の割合
下記の装置及び条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された分子量分布曲線で囲まれる領域の全面積に占める分子量150万以上の高分子量領域の割合
GPC測定装置
カラム:TOSOGMHHR−H(S)HT
検出器:Waters製液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS150C(商品名)
測定条件
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
温度:145℃
(6)ML,MH/ML
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された分子量分布曲線の高分子量側のピーク分子量MHと低分子量側のピーク分子量MLから算出
(7)FE個数
(株)プラスチック工学研究所製の25mmΦのTダイ成膜機で作成した厚さ50μmのフィルムのFEの個数を、ジェルカウンターとして(株)ヒューテック製のフィッシュアイカウンター(商標)を用いて測定した。測定数を、フィルム単位面積(3000cm2)あたりのFE個数として示した。
フィルム作成条件は次の通りである。
Tダイ製膜機: (株)プラスチック工学研究所製
型式: GT−25−A
スクリュー直径:25mm、L/D=24
スクリュー回転数:60rpm
シリンダー温度設定:C1=230℃、C2=260℃
ヘッド温度設定:260℃
Tダイ温度設定:D1〜D3=260℃
Tダイ幅:230mm,リップ開度=1mm
フィルム巻取速度:4m/s
ロール温度:65℃
ジェルカウンターの測定条件は次の通りである。
装置構成
(1)受光器(4096画素)
(2)投光器
(3)信号処理装置
(4)パルスジェネレーター
(5)装置間ケーブル
(8)貯蔵弾性率G’
以下の装置及び条件で測定した。
装置:Anton Paar社製、Physica MCR(商品名)
温度:200℃
歪み:10%
周波数:0.01〜100rad/sec
(9)伸長粘度
以下の装置及び条件で測定した。
装置:Anton Paar社製、Physica MCR(商品名)
温度:180℃
歪速度:10/sec
(10)発泡倍率
発泡成形体の質量を、水没法により求めた体積で除することにより密度を求め、未発泡品の密度で除することにより、発泡倍率として算出した。
(11)連続気泡率
空気比較式比重計1000型(東京サイエンス(株)製)を用いて、1−2−1気圧法により体積を測定した。そして、次式により連続気泡率を求めた。
連続気泡率(%)=(見かけ体積−空気比較式比重計での測定体積)/見かけ体積×100
(12)押出発泡成形
下記条件により発泡シートを成形した。
成形機:東芝機械社製二軸押出機 TEM−41SS(商品名)
ダイ部形状:丸ダイ
ダイ部寸法:65mm
押出量:40kg/h
スクリュー回転数:100rpm
シリンダー設定温度:210℃
ダイ部設定温度:180℃
発泡剤:永和化成工業社製 EE205(商品名) 0.5部
炭酸ガス量:280g/h
<プロピレン系重合体(A)>
〔製造例1〕
(1)マグネシウム化合物の調製
攪拌機付き反応槽(内容積500リットル)を窒素ガスで充分に置換し、エタノール97.2kg、ヨウ素640g、および金属マグネシウム6.4kgを投入し、攪拌しながら還流条件下で系内から水素ガスの発生が無くなるまで反応させ、固体状反応生成物を得た。この固体状反応生成物を含む反応液を減圧乾燥させることにより目的のマグネシウム化合物(固体触媒の担体)を得た。
(2)固体状触媒成分の調製
窒素ガスで充分に置換した撹拌機付き反応槽(内容積500リットル)に、前記マグネシウム化合物(粉砕していないもの)30kg、精製ヘプタン(n−ヘプタン)150リットル、四塩化ケイ素4.5リットル、およびフタル酸ジ‐n‐ブチル5.4リットルを加えた。系内を90℃に保ち、攪拌しながら四塩化チタン144リットルを投入して110℃で2時間反応させた後、固体成分を分離して80℃の精製ヘプタンで洗浄した。さらに、四塩化チタン228リットルを加え、110℃で2時間反応させた後、精製ヘプタンで充分に洗浄し、固体触媒成分を得た。
(3)前重合触媒の製造
ヘプタン200mL中にトリエチルアルミニウム10mmol、ジシクロペンチルジメトキシシラン2mmol、および(2)で得られた固体状触媒成分をチタン原子換算で1mmol添加した。内温を20℃に保持し、攪拌しながらプロピレンを連続的に導入した。60分後、攪拌を停止し、結果的に固体触媒1gあたり4.0gのプロピレンが重合した予備重合触媒を得た。
(4)本重合
600リットルのオートクレーブ中にプロピレン336リットル装入し、60℃に昇温した。その後、トリエチルアルミニウム8.7mL、ジシクロペンチルジメトキシシラン11.4mL、(3)で得られた前重合触媒を2.9g装入して重合を開始した。重合開始より75分後に、10分間かけて50℃まで降温した(第1段目の重合終了)。
第1段目と同様の条件にて重合したプロピレン系重合体(a1)の極限粘度[η]は11dl/gであった。
降温後、圧力が3.3MPaGで一定となるよう水素を連続的に投入し、151分間重合を行った。次いでベントバルブを開け、未反応のプロピレンを、積算流量計を経由させてパージした(第2段目の重合終了)。
こうして、51.8kgのパウダー状のプロピレン系重合体(A)を得た。
このプロピレン系重合体組成物に、酸化防止剤として、イルガノックス1010〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製〕2000ppm、イルガホス168〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製〕2000ppm、サンドスタブP−EPQ〔クラリアントジャパン社製〕1000ppm、中和剤として、ステアリン酸カルシウム1000ppmを添加し、二軸押出機で溶融混錬しペレット状のプロピレン系重合体を得た。このようにして最終的に得られたプロピレン系重合体(A)のMFRは1.2g/10分であった。また、物質収支から算出した最終的に得られたプロピレン系重合体(A)に占める第1段目の重合で生成したプロピレン系重合体(a1)の割合は25質量%であった。
〔製造例2〕
実施例1において、本重合の内、1段目の重合時間を83分間、2段目の重合温度を45℃、重合時間を112分間とした以外は同様の方法で重合を行った。その結果、35.3kgのプロピレン系重合体(A)を得た。MFRは0.2g/10分で、物質収支から算出した最終的に得られたプロピレン系重合体(A)に占める第1段目の重合で生成したポリプロピレン(a1)の割合は38質量%であった。
〔製造例3〕
実施例1において、本重合の内、2段目の重合時間を160分間とした以外は同様の方法で重合を行った。その結果、54.4kgのプロピレン系重合体組成物を得た。MFRは1.9g/10分で、物質収支から算出した最終的に得られたプロピレン系重合体組成物に占める第1段目の重合で生成したプロピレン系重合体(a1)の割合は24質量%であった。
〔製造例4〕
実施例1において、本重合の内、2段目の重合時間を149分間とした以外は同様の方法で重合を行った。その結果、47.6kgのプロピレン系重合体組成物を得た。MFRは3.6g/10分で、物質収支から算出した最終的に得られたプロピレン系重合体組成物に占める第1段目の重合で生成したプロピレン系重合体(a1)の割合は22質量%であった。
〔製造例5〕
実施例1において、本重合の内、2段目の重合時間を125分間とした以外は同様の方法で重合を行った。その結果、47.9kgのプロピレン系重合体組成物を得た。MFRは0.7g/10分で、物質収支から算出した最終的に得られたプロピレン系重合体組成物に占める第1段目の重合で生成したプロピレン系重合体(a1)の割合は31質量%であった。
〔製造例6〕
実施例1において、本重合の内、2段目の重合時間を141分間とした以外は同様の方法で重合を行った。その結果、48.5kgのプロピレン系重合体組成物を得た。MFRは1.5g/10分で、物質収支から算出した最終的に得られたプロピレン系重合体組成物に占める第1段目の重合で生成したプロピレン系重合体(a1)の割合は23質量%であった。
(市販品)
(1)プライムポリマー社製:商品名「VP103W」
プロピレン系重合体(a1):極限粘度[η]=8dl/g、成分量=20質量%
プロピレン系重合体(a2):極限粘度[η]=1.44dl/g、成分量=80質量%
MFR=3g/10分
〔製造例7〕
国際公開第2005/097842号の実施例6に記載された製造方法に準じた製造した。
プロピレン系重合体(a1):極限粘度[η]=15dl/g、成分量=14質量%
プロピレン系重合体(a2):極限粘度[η]=1.3dl/g、成分量=86質量%
MFR=2g/10分
製造例1〜6、VP103Wおよび製造例7の物性を表1に示す。
<プロピレン系重合体(B)>
原料重合体
(1)プライムポリマー社製:商品名「E−100GPL」、プロピレン単独重合体(ホモPP)、MFR=0.9g/10分。
(2)プライムポリマー社製:商品名「E−100GV」、プロピレン単独重合体(ホモPP)、MFR=0.5g/10分。
(3)プライムポリマー社製:商品名「E−702G」、ブロックタイプのプロピレン重合体(ブロックPP)、MFR=0.9g/10分。
(4)プライムポリマー社製:商品名「J−466HP」、ブロックタイプのプロピレン重合体(ブロックPP)、MFR=3g/10分。
(5)プライムポリマー社製:商品名「F763」、ブロックタイプのプロピレン重合体(ブロックPP)、MFR=3g/10分。
製造例:E−100GPL(7)の製造
E−100GPL:100質量部に対し、有機過酸化物としてAD−11(化薬アクゾ社製)0.5質量部を加え、撹拌を十分に行った。これを、プラコー65mm単軸押出機(プラコー製)を用い、シリンダー温度230℃、押出量40kg/hで溶融混練した。得られたE−100GPL(7)のMFRは7g/10分であった。
他の重合体も、原料樹脂及び有機過酸化物の添加量を調整して、製造例と同様の方法で、所定のMFRを有するプロピレン系重合体(B)を得た。
表2に、プロピレン系重合体(B)の元原料(原料樹脂)とその重合体種別(樹脂種別)、使用するプロピレン系重合体(B)の表示、MFR及びMw/Mnを示す。なお、括弧内の数値はMFR値(概算)を示し、実際の数値とは異なる場合がある。
〔実施例1〕
製造例1において得られたプロピレン系重合体(A)と、E−100GPL(7)とを15:85の質量比でブレンドし、前記成形条件で発泡シートの成形を行った。
〔実施例2〕
製造例1において得られたプロピレン系重合体(A)と、E−100GPL(7)とを10:90の質量比でブレンドし、前記成形条件で発泡シートの成形を行った。
〔実施例3〕
製造例1において得られたプロピレン系重合体(A)と、E−100GPL(7)とを20:80の質量比でブレンドし、前記成形条件で発泡シートの成形を行った。
〔実施例4〕
製造例2において得られたプロピレン系重合体(A)と、E−100GPL(7)とを15:85の質量比でブレンドし、前記成形条件で発泡シートの成形を行った。
〔実施例5〕
製造例1において得られたプロピレン系重合体(A)と、E−702G(11)とを15:85の質量比でブレンドし、前記成形条件で発泡シートの成形を行った。
〔実施例6〕
製造例1において得られたプロピレン系重合体(A)と、E−702G(7)とを15:85の質量比でブレンドし、前記成形条件で発泡シートの成形を行った。
〔実施例7〕
製造例1において得られたプロピレン系重合体(A)と、E−702G(5)とを15:85の質量比でブレンドし、前記成形条件で発泡シートの成形を行った。
〔実施例8〕
製造例1において得られたプロピレン系重合体(A)と、J−466HP(8)とを15:85の質量比でブレンドし、前記成形条件で発泡シートの成形を行った。
〔実施例9〕
製造例1において得られたプロピレン系重合体(A)と、J−466HP(8)とを20:80の質量比でブレンドし、前記成形条件で発泡シートの成形を行った。
〔実施例10〕
製造例1において得られたプロピレン系重合体(A)と、F763(9)とを15:85の質量比でブレンドし、前記成形条件で発泡シートの成形を行った。
〔実施例11〕
実施例6で用いたプロピレン系重合体(製造例1)に替えて、製造例3において得られたプロピレン系重合体を用いる以外は、実施例6と同様に行い、E−702G(7)とを15:85の質量比でブレンドし、前記成形条件で発泡シートの成形を行った。
〔実施例12〕
実施例6で用いたプロピレン系重合体(製造例1)に替えて、製造例4において得られたプロピレン系重合体を用いる以外は、実施例6と同様に行い、E−702G(7)とを15:85の質量比でブレンドし、前記成形条件で発泡シートの成形を行った。
〔実施例13〕
実施例6で用いたプロピレン系重合体(製造例1)に替えて、製造例5において得られたプロピレン系重合体を用いる以外は、実施例6と同様に行い、E−702G(7)とを15:85の質量比でブレンドし、前記成形条件で発泡シートの成形を行った。
〔実施例14〕
実施例6で用いたプロピレン系重合体(製造例1)に替えて、製造例6において得られたプロピレン系重合体を用いる以外は、実施例6と同様に行い、E−702G(7)とを15:85の質量比でブレンドし、前記成形条件で発泡シートの成形を行った。
〔比較例1〕
VP103Wと、F763(9)とを15:85の質量比でブレンドし、前記成形条件で発泡シートの成形を行った。V103Wはプロピレン系重合体(a1)の極限粘度[η]が低いため、発泡倍率が不十分であった。
〔比較例2〕
製造例7において得られたプロピレン系重合体(A)と、E−100GPL(8)とを15:85の質量比でブレンドし、前記成形条件で発泡シートの成形を行った。製造例3において得られたプロピレン系重合体(A)はプロピレン系重合体(a1)の極限粘度[η]が高いため、連続気泡率が不十分であった。
実施例1〜14、および比較例1、2の発泡特性(発泡倍率、連続気泡率)を表3−1および表3−2に示す。
本発明により得られた発泡体は、緩衝性、断熱性、吸音性に優れたものであることにより、建築材料や自動車内装材等に好適に利用でき、産業上の利用可能性が高い。
100 押出発泡成形機
110 ホッパー
120 シリンダー
130 発泡剤導入路
140 発泡体
150 マンドレル
160 切断部材
170 巻き取りローラ

Claims (13)

  1. 下記プロピレン系重合体(A)を2〜50質量%および下記プロピレン系重合体(B)を50〜98質量%〔但し、プロピレン系重合体(A)とプロピレン系重合体(B)の合計量を100質量%とする。〕含むことを特徴とするプロピレン系重合体組成物。
    プロピレン系重合体(A):135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が10〜12dl/gの範囲にあるプロピレン系重合体(a1)の含有量が20〜50質量%範囲にあり、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が0.5〜3dl/gの範囲にあるプロピレン系重合体(a2)の含有量が50〜80質量%の範囲〔但し、プロピレン系重合体(a1)とプロピレン系重合体(a2)の合計量を100質量%とする。〕にある。
    プロピレン系重合体(B):230℃におけるメルトフローレートが1〜30g/10分、かつ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が6以下である。
  2. プロピレン系重合体(A)が下記要件(i)および要件(ii)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のプロピレン系重合体組成物。
    (i)230℃、2.16kg荷重で測定されるMFRが0.01〜5g/10分の範囲にある。
    (ii)230℃で測定される溶融張力(MT)が5〜30gの範囲にある。
  3. プロピレン系重合体(A)が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された分子量分布曲線で囲まれる領域の全面積に占める分子量150万以上の高分子量領域の割合が7質量%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のプロピレン系重合体組成物。
  4. プロピレン系重合体(A)が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された分子量分布曲線が2つのピークを有し、高分子量側のピーク分子量MHと低分子量側のピーク分子量MLの比(MH/ML)が50以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物。
  5. プロピレン系重合体(A)が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された分子量分布曲線の低分子量側のピーク分子量MLが10万以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物。
  6. プロピレン系重合体(A)が、当該プロピレン系重合体(A)のフィッシュアイ(FE)個数〔25mmΦのTダイ製膜機で製膜した厚さ50μmのフィルムを、FEカウンターを用いて測定されるFE個数を単位面積〔3000cm2〕当たりの個数に換算した値〕が100個以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物。
  7. プロピレン系重合体組成物が、230℃、2.16kg荷重で測定されるMFRが1〜20g/10分であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物。
  8. プロピレン系重合体組成物が、230℃で測定される溶融張力(MT)が0.1〜3gであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物。
  9. プロピレン系重合体組成物が、角周波数が10rad/sのときの貯蔵弾性率G’(10)と角周波数が1rad/sのときの貯蔵弾性率G’(1)との比G’(10)/G’(1)と、角周波数が0.1rad/sのときの貯蔵弾性率G’(0.1)と角周波数が0.01rad/sのときの貯蔵弾性率G’(0.01)との比G’(0.1)/G’(0.01)との差、G’(10)/G’(1)−G’(0.1)/G’(0.01)が−1.5以上であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物。
  10. プロピレン系重合体組成物が、180℃、10s-1における歪硬化の傾きが0.085〜0.6であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物。
  11. プロピレン系重合体組成物が、当該プロピレン系重合体組成物のFE個数〔25mmΦのTダイ製膜機で製膜した厚さ50μmのフィルムを、FEカウンターを用いて測定されるFE個数を単位面積〔3000cm2〕当たりの個数に換算した値〕が100個以下であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物。
  12. プロピレン系重合体組成物が、押出発泡成形用のプロピレン系重合体組成物である、請求項1〜11のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物。
  13. 請求項12に記載のプロピレン系重合体組成物を発泡させてなる発泡成形体。
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