JP6896419B2 - プロピレン系樹脂組成物及びその発泡体 - Google Patents
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Description
この結果、発泡倍率が3倍を超える発泡体を製造しようとすると、破泡が起こり、目的とする発泡倍率には到達せず、破泡により気泡が複数連なった発泡体となることがある。このような発泡体は、電子レンジ用容器などの加熱に供される容器には不適となる。
[1]下記(i)、(ii)に規定する要件を満たし、下記プロピレン系樹脂(A)の2〜50質量%と下記プロピレン系樹脂(B)の50〜98質量%(プロピレン系樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)の合計は100質量%)からなるプロピレン系樹脂(X)を含むプロピレン系樹脂組成物:
(i)190℃、せん断速度が195/sのときのスウェル比が6以下であり、
(ii)角周波数が10rad/sのときの貯蔵弾性率G’(10)と角周波数が1rad/sのときの貯蔵弾性率G’(1)との比G’(10)/G’(1)と、角周波数が0.1rad/sのときの貯蔵弾性率G’(0.1)と角周波数が0.01rad/sのときの貯蔵弾性率G’(0.01)との比G’(0.1)/G’(0.01)との関係が、式(1)を満たす;
G’(10)/G’(1)−G’(0.1)/G’(0.01)>−1.5・・・(1)。
プロピレン系樹脂(A):全重合体中、成分(A1)を5〜80質量%、成分(A2)を20〜95質量%含む;
・成分(A1):135℃、テトラリン中での極限粘度[η]が7〜20dL/gのプロピレン単独重合体成分又はプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2〜8のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)との共重合体成分
・成分(A2):135℃、テトラリン中での極限粘度[η]が0.5〜3.0dL/gのプロピレン単独重合体成分又はプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2〜8のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)との共重合体成分
プロピレン系樹脂(B):230℃におけるメルトフローレートが5g/10分以上30g/10分以下、かつ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.1以下である、高分子量成分を除去したプロピレン系樹脂。
(iii)180℃、10S−1における歪硬化の傾きが、0.085以上0.6以下である。
(iv)230℃における溶融張力(MT)が、15.0mN以下である。
(i)190℃、せん断速度が195/sのときのスウェル比が6以下であり、
(ii)角周波数が10rad/sのときの貯蔵弾性率G’(10)と角周波数が1rad/sのときの貯蔵弾性率G’(1)との比G’(10)/G’(1)と、角周波数が0.1rad/sのときの貯蔵弾性率G’(0.1)と角周波数が0.01rad/sのときの貯蔵弾性率G’(0.01)との比G’(0.1)/G’(0.01)との関係が、式(1)を満たす;
G’(10)/G’(1)−G’(0.1)/G’(0.01)>−1.5・・・(1)。
プロピレン系樹脂(A):全重合体中、成分(A1)を5〜80質量%、成分(A2)を20〜95質量%含む;
・成分(A1):135℃、テトラリン中での極限粘度[η]が7〜20dL/gのプロピレン単独重合体成分又はプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2〜8のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)との共重合体成分
・成分(A2):135℃、テトラリン中での極限粘度[η]が0.5〜3.0dL/gのプロピレン単独重合体成分又はプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2〜8のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)との共重合体成分
プロピレン系樹脂(B):230℃におけるメルトフローレートが5g/10分以上30g/10分以下、かつ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.1以下である、高分子量成分を除去したプロピレン系樹脂。
発泡樹脂における気泡成長過程は、(1)気泡核生成、(2)気泡成長、(3)破泡、(4)破泡安定化の4つの過程を経る。高発泡倍率の成形品を得る場合、十分な気泡成長を促し、破泡を抑制することが鍵となる。本発明者らは、発泡倍率向上に必要な樹脂特性について鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
(イ)樹脂組成物の溶融張力は、低いと気泡を維持できず破泡しやすくなり、高すぎると気泡の成長が阻害され、高発泡倍率が得られない。
(ロ)気泡壁が伸張変形する際、粘度が上昇する歪硬化性が現れるが、この歪硬化性が高いほど気泡壁の破断が抑制され、発泡倍率の低下を防ぐことができる。
(ハ)歪硬化性を高めるには高分子量成分が必要であるが、その指標の一つに動的粘弾性測定から得られる角周波数(X)における貯蔵弾性率G’(X)がある。角周波数が0.1rad/sのときの貯蔵弾性率G’(0.1)と角周波数が0.01rad/sのときの貯蔵弾性率G’(0.01)との比G’(0.1)/G’(0.01)が小さいほど歪硬化性が上昇し、発泡倍率が向上する傾向にある。一方、角周波数が10rad/sのときの貯蔵弾性率G’(10)と角周波数が1rad/sのときの貯蔵弾性率G’(1)との比G’(10)/G’(1)が大きいほど気泡壁の延伸特性が良化し、伸張変形時の気泡壁の破断が抑制される。
(ニ)押出発泡成形では、ダイ出口での樹脂の膨張(スウェル)が小さくなることでコルゲートマークの発生が抑制される。
(ホ)スウェルには緩和時間成分量が寄与しており、貯蔵弾性率G’(10)とG’(0.1)との比G’(10)/G’(0.1)が大きいほどスウェルが減少しコルゲートマークの発生が抑制される。
本発明では、樹脂構造の観点及び溶融物性の観点からプロピレン系樹脂組成物に含まれるプロピレン系樹脂(以下、プロピレン系樹脂(X)という)が規定される。
(i)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)での分子量(M)が50万以上〜200万未満の成分の比率が15.0質量%以下であり、
(ii)GPCでの分子量(M)が200万以上の成分の比率が0.1質量%以上10質量%以下であり、
(iii)MFRが3〜20g/10分であり、
(iv)230℃における溶融張力(MT)が、15.0mN以下である。
(v)180℃、10S−1における歪硬化の傾きが、0.085以上0.6以下である。
歪硬化の傾きは、破泡を抑制する効果を示し、歪速度=10/sの場合の伸長粘度ηE(ε)と、動的粘弾性測定より得られた3η*(ε)を用いて、λn(ε)を式(I)のように求める。
λn(ε)=ηE(ε)/3η*(ε)・・・(I)
式(I)で求めたλn(ε)を、横軸にε、縦軸にLogλn(ε)を用いてプロットする。図1は、Logλn(ε)のプロットの一例である。このグラフ上で、εが2以上におけるLogλn(ε)を直線で近似し、近似直線の傾きを歪硬化の傾きと定義する。
(vi)180℃、10S−1における歪硬化の傾き(X)と、230℃における溶融張力(MT)(Y)が下記式を満たす;
(X)≧0.01×(Y)。
(i)190℃、せん断速度が195/sのときのスウェル比が6以下であり、
(ii)角周波数が10rad/sのときの貯蔵弾性率G’(10)と角周波数が1rad/sのときの貯蔵弾性率G’(1)との比G’(10)/G’(1)と、角周波数が0.1rad/sのときの貯蔵弾性率G’(0.1)と角周波数が0.01rad/sのときの貯蔵弾性率G’(0.01)との比G’(0.1)/G’(0.01)との関係が、式(1)を満たす;
G’(10)/G’(1)−G’(0.1)/G’(0.01)>−1.5・・・(1)。
上記式(1)の関係を満たすことで、歪硬化性の上昇と延伸特性の良化のバランスに優れ、高発泡で連泡率の低い発泡体を得ることができる。
(iii)180℃、10S−1における歪硬化の傾きが、0.085以上0.6以下である。
(iv)230℃における溶融張力(MT)が、15.0mN以下である。
プロピレン系樹脂(A)は、GPC測定における分子量(M)が200万以上の超高分子量成分を含むプロピレン系樹脂であり、多段重合により製造することができる。
プロピレン系樹脂(A)は、全重合体中、成分(A1)を5〜80質量%、成分(A2)を20〜95質量%含む。
成分(A1):135℃、テトラリン中での極限粘度[η]が7〜20dL/g超のプロピレン単独重合体成分又はプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2〜8のα−オレフィン(ただしプロピレンは除く)との共重合体
成分(A2):135℃、テトラリン中での極限粘度[η]が0.5〜3.0dL/gのプロピレン単独重合体成分又はプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2〜8のα−オレフィン(ただしプロピレンは除く)との共重合体
共重合体成分を構成する炭素数2〜8のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン以外のエチレン、1−ブテン等が挙げられる。このうち、好ましくは、エチレンである。
(a)四塩化チタンを有機アルミニウム化合物で還元して得られる三塩化チタンをエーテル化合物及び電子受容体で処理して得られる固体触媒成分
(b)有機アルミニウム化合物
(c)環状エステル化合物
本発明では、このような固体触媒成分(a)として、Solvay型三塩化チタンを好適に用いることができる。
環状エステル化合物(c)としては、例えば、γ−ラクトン、δ−ラクトン、ε−ラクトン等が挙げられる。このうち、好ましくは、ε−ラクトンである。
このような水素不存在下でプロピレンの重合又はプロピレンとα−オレフィンとの共重合を行うことにより、超高分子量成分を含む成分(A1)を製造することができる。また、成分(A2)は、2段階目以降に製造することが好ましい。
プロピレン系樹脂(A)として、市販品を使用することもできる。
プロピレン系樹脂(B)は、230℃におけるメルトフローレート(MFR)が5g/10分以上30g/10分以下、かつ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.1以下のものである。
230℃におけるMFRは、5g/10分以上であることが好ましく、6g/10分以上であることがより好ましい。また、MFRは25g/10分以下であることが好ましく、22g/10分以下であることがより好ましい。
溶融混練を行うにあたり、原料樹脂と有機過酸化物を混合するが、その混合方法は特に制限されない。例えば、ブレンダ、ミキサー等の混合機を用いて機械的に混合する方法、有機過酸化物を適当な溶剤に溶解して原料樹脂に付着させ、溶剤を乾燥することによって混合する方法等がある。
融混練温度は、原料樹脂の溶融温度以上でかつ有機過酸化物の分解温度以上の温度が採用される。しかし、あまり加熱温度が高いとポリマーの熱劣化を招く。一般に溶融温度は、170〜300℃、特に180〜250℃の範囲内に設定することが好ましい。
高分子量成分を含むプロピレン系樹脂(A)を、高分子量成分を除去したプロピレン系樹脂(B)で希釈することにより、高分子量側の成分量、特に分子量50万〜200万未満の成分量が減少する。それにより、上記樹脂構造もしくは溶融物性を満足する樹脂が得られる。
無機充填剤(C)(以下、(C)成分)は必要に応じて添加される。
無機充填剤としては、例えばタルク、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの中ではシート外観、機械的物性をバランス良く向上できるタルクが好ましい。
(C)成分の充填量は、シート外観等に影響を及ぼさない限り特に制限はないが、0〜20質量%である。充填量が20質量%以下であれば、機械的物性の向上に対してシート外観の悪化が抑制できる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、各成分をドライブレンドや押出機内での溶融混練等の通常の方法で混合して製造できる。本発明のプロピレン系樹脂組成物は、各成分を混合した後、押出発泡成形により発泡シート、パイプ等の各種発泡体に成形することができる。成形方法としては、環状ダイ成形、T型ダイ成形等の一般的な成形方法を用いることができる。
発泡体の発泡倍率は、発泡剤の添加量等により変更することが可能であるが、樹脂構造や溶融物性により、十分に発泡しない場合や、破泡により目的の発泡倍率に到達しないことがある。本発明に係るプロピレン系樹脂組成物では、目的とする発泡倍率を有する発泡体を得ることができる。
以下の装置及び条件で測定した。
装置:東洋精機社製キャピログラフ1C(商品名)
温度:230℃
オリフィス:L=8mm、D=2.095mm
押出速度:15mm/min
引取速度:15m/min
ゲルバーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により、下記の装置及び条件で測定したポリプロピレン換算のMw及びMnより算出した。
GPC測定装置
カラム:TOSOGMHHR−H(S)HT
検出器:Waters製液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS150C(商品名)
測定条件
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
温度:145℃
JIS−K7210に準拠し、測定温度230℃、荷重2.16kgf(21.2N)にて測定した。
以下の装置及び条件で測定した。
装置:Anton Paar社製、Physica MCR(商品名)
温度:200℃
歪み:10%
周波数:0.01〜100rad/sec
以下の装置及び条件で測定した。
装置:Anton Paar社製、Physica MCR(商品名)
温度:180℃
歪速度:10/sec
下記条件にて得られたストランドの断面積をS2、キャピラリーの断面積をS1とするとき、S2/S1をSRとして求めた。
装置:東洋精機社製キャピログラフ1D(商品名)
温度:190℃
キャピラリー:L=3mm、D=0.5mm
せん断速度:195/sec
成形品の質量を、水没法により求めた体積で除することにより密度を求め、未発泡品の密度で除することにより、発泡倍率として算出した。
発泡成形体からサンプルを切り出して染色液に浸し、3分後取り出して付着した染色液をふき取ったとき、切断面から内部に染色液がしみ込んだ距離の最大値を着色最大距離とする。
染色液:純正化学社製 メチルレッドエタノール溶液(1g/L)
評価基準は以下の通りである。
○:着色最大距離が全切断面で2mm以下
△:着色最大距離が一部の箇所で2mmを超える
×:着色最大距離が多くの箇所で2mmを超える
下記条件により発泡シートを成形した。
成形機:東芝機械社製二軸押出機 TEM−41SS(商品名)
ダイ部形状:丸ダイ
ダイ部寸法:65mm
押出量:40kg/h
スクリュ回転数:100rpm
シリンダ設定温度:210℃
ダイ部設定温度:180℃
発泡剤:永和化成工業社製 EE205(商品名) 0.5部
炭酸ガス量200g/hでダイ出口でのコルゲート数を観察し、炭酸ガス量280g/hで発泡倍率を測定した。
[プロピレン系樹脂(A)((A)成分)]
(PP−1)
国際公開第2005/097842号の実施例6に記載された製造方法に準じた製造方法で得られた樹脂を[PP−1]とする。
成分(A1):極限粘度[η]=15dL/g、成分量=14質量%
成分(A2):極限粘度[η]=1.3dL/g、成分量=86質量%、
全MFR=2g/10分
プライムポリマー社製:商品名「VP103W」(略称:VP103)
成分(A1):極限粘度[η]=8dL/g、成分量=20質量%
成分(A2):極限粘度[η]=2dL/g、成分量=80質量%、
全MFR=3g/10分
元原料
・プライムポリマー社製:商品名「E−100GPL」
(MFR=0.9g/10分、略称:E100GPL)
・プライムポリマー社製:商品名「E−100GV」
(MFR=0.5g/10分、略称:E100GV)
・プライムポリマー社製:商品名「F−704NP」
(MFR=7g/10分、略称:F704NP)
・プライムポリマー社製:商品名「F763」
(MFR=3g/10分、略称:F763)
・PP−2
国際公開第2010/087328号の実施例1に記載された製造方法に準じた製造方法で得られた樹脂を[PP−2]とする(MFR=4g/10分)。
E−100GPL:100質量部に対し、有機過酸化物としてAD−11(商品名、化薬アクゾ社製)1.4質量部を加え、撹拌を十分に行った。これを、プラコー65mm単軸押出機(プラコー製)を用い、シリンダ温度230℃、押出量40kg/hで溶融混練した。得られたE100GPL(22)のMFRは22g/10分であった。
表2に示す(B)成分を用いて、(A)成分のVP103と(B)成分を25:75の質量比で混練し、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物について、貯蔵弾性率、歪硬化の傾き、MT、SRを表2に示す。また、得られた樹脂組成物に、図2に示す装置で、発泡剤として二酸化炭素を200g/h及び280g/hで混練し、発泡体を得た。得られた発泡体の発泡倍率、コルゲート数及び浸漬試験の結果を表2に合わせて示す。
(A)成分と(B)成分の種類及び使用比率を表3に示すように変更した以外は例1同様にして樹脂組成物の調製、各物性の測定、発泡体の製造を行った。結果を表4に示す。
(A)成分と(B)成分以外に、(C)成分としてのタルクを表5に示す配合比で添加して、例1と同様にして樹脂組成物を調製した。例1と同様に各物性の測定、発泡体の製造を行った。結果を表6に示す。タルクとしては、タルクにポリプロピレンを高充填したタルクマスターバッチ(三福工業社製、商品名「MFR−TP20」(タルク:80%、PP=20%))を使用した。
110 ホッパー
120 シリンダ
130 発泡剤導入路
140 発泡体
150 マンドレル
160 切断部材
170 巻き取りローラ
Claims (6)
- 下記(i)、(ii)に規定する要件を満たし、下記プロピレン系樹脂(A)の2〜50質量%と下記プロピレン系樹脂(B)の50〜98質量%(プロピレン系樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)の合計は100質量%)からなるプロピレン系樹脂(X)を含むプロピレン系樹脂組成物:
(i)190℃、せん断速度が195/sのときのスウェル比が6以下であり、
(ii)角周波数が10rad/sのときの貯蔵弾性率G’(10)と角周波数が1rad/sのときの貯蔵弾性率G’(1)との比G’(10)/G’(1)と、角周波数が0.1rad/sのときの貯蔵弾性率G’(0.1)と角周波数が0.01rad/sのときの貯蔵弾性率G’(0.01)との比G’(0.1)/G’(0.01)との関係が、式(1)を満たす;
G’(10)/G’(1)−G’(0.1)/G’(0.01)>−1.5・・・(1)。
プロピレン系樹脂(A):全重合体中、成分(A1)を5〜80質量%、成分(A2)を20〜95質量%含む;
・成分(A1):135℃、テトラリン中での極限粘度[η]が7〜20dL/gのプロピレン単独重合体成分又はプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2〜8のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)との共重合体成分
・成分(A2):135℃、テトラリン中での極限粘度[η]が0.5〜3.0dL/gのプロピレン単独重合体成分又はプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2〜8のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)との共重合体成分
プロピレン系樹脂(B):230℃におけるメルトフローレートが5g/10分以上30g/10分以下、かつ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.1以下である、高分子量成分を除去したプロピレン系樹脂。 - さらに、下記要件(iii)を満たす請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物:
(iii)180℃、10S−1における歪硬化の傾きが、0.085以上0.6以下である。 - さらに、下記要件(iv)を満たす請求項1または2に記載のプロピレン系樹脂組成物:
(iv)230℃における溶融張力(MT)が、15.0mN以下である。 - 押出発泡成形用の樹脂組成物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項4に記載のプロピレン系樹脂組成物からなる、発泡倍率が3.5倍以上6倍以下の発泡体。
- 下記(i)、(ii)に規定する要件を満たし、下記プロピレン系樹脂(A)の2〜50質量%と下記プロピレン系樹脂(B)の50〜98質量%(プロピレン系樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)の合計は100質量%)からなるプロピレン系樹脂(X)を含むプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって、高分子量成分を含むプロピレン系樹脂を有機過酸化物存在下で溶融混錬することにより前記プロピレン系樹脂(B)を得る工程を含むことを特徴とするプロピレン系樹脂組成物の製造方法:
(i)190℃、せん断速度が195/sのときのスウェル比が6以下であり、
(ii)角周波数が10rad/sのときの貯蔵弾性率G’(10)と角周波数が1rad/sのときの貯蔵弾性率G’(1)との比G’(10)/G’(1)と、角周波数が0.1rad/sのときの貯蔵弾性率G’(0.1)と角周波数が0.01rad/sのときの貯蔵弾性率G’(0.01)との比G’(0.1)/G’(0.01)との関係が、式(1)を満たす;
G’(10)/G’(1)−G’(0.1)/G’(0.01)>−1.5・・・(1)。
プロピレン系樹脂(A):全重合体中、成分(A1)を5〜80質量%、成分(A2)を20〜95質量%含む;
・成分(A1):135℃、テトラリン中での極限粘度[η]が7〜20dL/gのプロピレン単独重合体成分又はプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2〜8のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)との共重合体成分
・成分(A2):135℃、テトラリン中での極限粘度[η]が0.5〜3.0dL/gのプロピレン単独重合体成分又はプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2〜8のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)との共重合体成分
プロピレン系樹脂(B):230℃におけるメルトフローレートが5g/10分以上30g/10分以下、かつ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.1以下である、高分子量成分を除去したプロピレン系樹脂。
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