JP2009221473A - ポリプロピレン系押出発泡体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリプロピレン系樹脂と発泡材料とを含有する混合物が押出機内で溶融混練された後、ダイから低圧領域に押出発泡されて得られたポリプロピレン系押出発泡体であって、ポリプロピレン系樹脂は、以下のAおよびBを満たし、低圧領域に押出発泡される際、ダイ出口近傍でダイクリアランスが最小となる部位におけるダイ壁面の見かけの剪断速度が10s−1以上1000s−1以下であり、発泡倍率が3倍以上である。(A)測定温度210℃、剪断速度1216s−1の条件でのキャピラリーフローテストにおいて、バーグレー補正における圧力補正値が4MPa以上である。(B)メルトフローレート(MFR)が0.5g/10分以上である。
【選択図】なし
Description
このような樹脂発泡体の材料としてポリスチレン等が用いられていたが、耐熱性、耐薬品性、軽量性という観点からプロピレン系樹脂が好適とされている。
そこで、ポリプロピレンの分子鎖に分岐構造を与えることで高い溶融張力を発現させ、発泡成形性を改善させた材料が開発された(例えば、特許文献1参照)。
そして、上記ポリプロピレン系樹脂組成物によれば、超臨界二酸化炭素を用いた押出発泡成形により発泡倍率が10倍を超える高発泡体が得られている(例えば、特許文献3)。
そして、特許文献4の押出発泡体は独立気泡率60%以上ではあるものの、高剪断速度での押出が必要であった。
剪断速度は、ここでは見かけの剪断速度を表し、キャピラリーダイの直径と流量から求めることができる。
バーグレー補正における圧力補正値とは、キャピラリーダイの入口と出口の圧力損失の和である。キャピラリーダイの直径Dとキャピラリーダイの長さLの比(L/D)を複数設定して、それぞれのテストを行うことによって求められる。この圧力補正値が大きいと、入口圧損が大きいことを示しており、入口部での縮小流に対する抵抗が大きい。すなわち、伸長粘度が大きいことを示している。
なお、剪断速度1216s−1における測定値がない場合は、この剪断速度の上下の隣接する2点の剪断速度における圧力補正値のデータを用いて補間することにより、剪断速度1216s−1での圧力補正値を算出してもよい。
圧力補正値が4MPa未満であると、伸長粘度が低いため、気泡が破れやすい。なお、圧力補正値のより好ましい範囲は6MPa以上、さらに好ましい範囲は6MPa以上30MPa以下である。
また、MFRが100g/10分を越えると、ポリプロピレン系樹脂の溶融張力および粘度が低くなり、成形が困難となる場合がある点を留意する。
(P1)135℃、テトラリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が10dL/g超のプロピレン単独重合体成分またはプロピレンと炭素数が2〜8のα−オレフィンとの共重合体成分を、全重合体中に5〜20質量%含有する。
(P2)135℃、テトラリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が0.5〜3.0dL/gのプロピレン単独重合体成分またはプロピレンと炭素数が2〜8のα−オレフィンとの共重合体成分を、全重合体中に80〜95質量%含有する。
このプロピレン系多段重合体は、成分(P1)すなわち超高分子量プロピレン系重合体の付与により高溶融張力化を達成し、分子量分布の調整により粘弾性特性が調整された直鎖状のプロピレン系重合体である。
成分(P1)の極限粘度は、前記したように10dL/g超であることが好ましいが、12〜30dL/gの範囲内であることがより好ましく、13〜18dL/gの範囲内であることが特に好ましい。
また、成分(P1)の質量分率は、8〜18質量%の範囲内であることが好ましく、10〜16質量%の範囲内であることが特に好ましい。
また、成分(P2)の質量分率が80質量%より小さいと、好適な発泡成形の実施が困難となる場合があり、質量分率が95質量%を越えると、溶融張力が低くなり、これも好適な発泡成形体を成形が困難となる場合がある。
成分(P2)の極限粘度は、前記したように0.5〜3.0dL/gの範囲内であることが好ましいが、0.8〜2.0dL/gの範囲内であることがより好ましく、1.0〜1.5dL/gの範囲内であることがさらに好ましい。
また、成分(P2)の質量分率は、82〜92質量%の範囲内であることが好ましく、84〜90質量%の範囲内であることが特に好ましい。
プロピレン系多段重合体は、230℃におけるメルトフローレート(MFR)と、230℃における溶融張力(MT)との関係が、下記式(1)を満たすことが好ましい。
なお、プロピレン系多段重合体が前記した式(1)の関係を具備するようにするには、成分(P1)を5〜20質量%含有させるようにすればよい。
(b)有機アルミニウム化合物
(c)環状エステル化合物
前記三塩化チタンのエーテル処理で好ましく用いられるエーテル化合物としては、例えば、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジネオペンチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジ−n−オクチルエーテル、ジ−2−エチルヘキシルエーテル、メチル−n−ブチルエーテル及びエチル−イソブチルエーテル等の各炭化水素残基が炭素数2〜8の鎖状炭化水素であるエーテル化合物が挙げられ、これらの中でも特に、ジ−n−ブチルエーテルを用いることが好適である。
第VIII族の元素のハロゲン化合物を使用することが好ましく、具体的には、四塩化チタン、四塩化ケイ素、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、五塩化アンチモン、三塩化ガリウム、三塩化鉄、二塩化テルル、四塩化スズ、三塩化リン、五塩化リン、四塩化バナジウム及び四塩化ジルコニウム等を挙げることができる。
なお、このような固体触媒成分(a)としては、Solvay型三塩化チタンを好適に用いることができる。
環状エステル化合物(c)としては、例えば、γ−ラクトン、δ−ラクトン、ε−ラクトン等が挙げられるが、ε−ラクトンを使用することが好ましい。
以上の成分(a)〜(c)を混合することにより、本実施形態で用いるプロピレン系多段重合体を製造するためのオレフィン重合用触媒を得ることができる。
なお、この成分(a)〜(c)からなる触媒でプロピレン系樹脂を製造した場合、アイソタクティシティーが比較的高いポリプロピレン系樹脂が得られることが知られている。
ここで、「水素不存在下」とは、実質的に水素不存在下という意味であり、水素が全く存在しない場合だけでなく、水素が極微量存在する場合(例えば、10molppm程度)も含まれる。要は、135℃テトラリン溶媒中で測定した、1段階目のプロピレン系重合体またはプロピレン系共重合体の極限粘度[η]が10dL/g以下とならない程度に水素を含む場合でも、「水素不存在下」の意味には含まれる。
成分(P1)は、水素不存在下で、原料モノマーを重合温度として、好ましくは20〜80℃、より好ましくは40〜70℃、重合圧力として、一般に、常圧〜1.47MPa、好ましくは0.39〜1.18MPaの条件下でスラリー重合して製造することが好ましい。
成分(P2)の製造条件としては、前記したオレフィン重合用触媒を使用すること以外は特に制限はないが、原料モノマーを、重合温度として、好ましくは20〜80℃、より好ましくは60〜70℃、重合圧力として、一般に、常圧〜1.47MPa、好ましくは0.19〜1.18MPa、分子量調整剤としての水素が存在する条件下で重合して製造することが好ましい。
プロピレン−α−オレフィン共重合体として、例えばプロピレン系ブロック共重合体が挙げられ、特開2003−268060号公報に記載の製造方法によって製造することができる。
すなわち、下記成分[A],[B]及び[C]からなるオレフィン重合用触媒の存在下、プロピレンを重合又はエチレンとプロピレンとを共重合させて、エチレン含量が0〜5質量%のポリプロピレン成分又はプロピレン/エチレン共重合体成分を全重合量の1〜25質量%形成し、エチレンとプロピレンとを共重合させて、プロピレン/エチレン共重合体成分を全重合量の99〜75質量%形成し、エチレン含量を、全重合量の10〜80質量%とする。
(a)マグネシウム化合物
(b)四塩化チタン
(c)フタル酸ジアルキル(アルキル基は、炭素数3〜20の直鎖状炭化水素基又は分岐状炭化水素基を表す)
(d)四塩化ケイ素
[B]有機アルミニウム化合物
[C]下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物
(R1)(R2CH2)Si(OR3)(OR4) …(2)
上記式(2)中、R1は、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基、R2は、炭素数3〜20の分岐状炭化水素基、R3及びR4は、それぞれ独立であって、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
マグネシウム化合物(a)としては特に制限はないが、下記一般式(3)で表されるものを好ましく用いることができる。
MgR5R6 …(3)
上記の一般式(3)において、R5及びR6は、炭化水素基、OR7(R7は炭化水素
基)又はハロゲン原子を示す。ここでR5、R6及びR7の炭化水素基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基等を、R5及びR6のハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素を挙げることができる。また、R5、R6及びR7は同一でも異なってもよい。
これらのマグネシウム化合物(a)の中では、ハロゲン化マグネシウム、アルコキシマグネシウム、アルキルマグネシウムハライドが好適に使用できる。中でも、アルコキシマグネシウムが特に好ましい。
上記のマグネシウム化合物(a)は、金属マグネシウム又はマグネシウムを含有する化合物から調製することができる。
これらの具体例としては、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−n−ヘプチル等が挙げられる。中でも、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチルが特に好ましい。また、これらの化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
四塩化チタン(b)の使用量は、マグネシウム化合物(a)のマグネシウム1モルに対して、通常、0.5〜100モル、好ましくは1〜50モルの範囲にするとよい。また、フタル酸ジアルキル(c)の使用量は、マグネシウム化合物(a)のマグネシウム1モルに対して、通常、0.01〜10モル、好ましくは0.05〜0.15モルの範囲にするとよい。さらに、四塩化ケイ素(d)を添加する場合には、その使用量を上記の割合にするとよい。
このとき、化合物(a)〜(d)の接触手順については特に問わない。例えば、各化合物を炭化水素等の不活性溶媒の存在下で接触させてもよいし、予め炭化水素等の不活性溶媒で各化合物を希釈して接触させてもよい。この不活性溶媒としては、例えば、n−ペンタン,イソペンタン,n−ヘキサン,n−ヘプタン,n−オクタン,イソオクタン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素又はこれらの混合物を挙げることができる。
また、固体触媒成分[A]の調製では、四塩化チタン(b)の接触を2回以上行い、触媒担体としての役割をするマグネシウム化合物(a)に十分担持させるとよい。
以上の接触により得られる固体触媒成分[A]は、炭化水素等の不活性溶媒で洗浄してもよい。この不活性溶媒としては、上記と同様のものが挙げられる。また、この固体触媒成分[A]は、乾燥状態で保存することもできるし、また炭化水素等の不活性溶媒中でも保存することができる。
具体的には、R1としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基等が挙げられ、特に、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。R2としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、特に、イソプロピル基が好ましい。R3及びR4としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基等が挙げられる。これらの中では、特に炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。
これらの有機ケイ素化合物[C]はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機アルミニウム化合物[B]は、アルミニウム/チタン(原子比)が、通常1〜1,000、好ましくは10〜500の範囲になるような量が用いられる。
この原子比が前記範囲を逸脱すると、触媒活性が不十分となることがある。
有機ケイ素化合物[C]は、有機ケイ素化合物[C]/有機金属化合物[B](モル比)が、通常0.02〜2.0、好ましくは0.05〜1.0の範囲になるような量が用いられる。このモル比が前記範囲を逸脱すると、十分な触媒活性が得られないことがある。
予備重合では、用いる触媒については特に制限されないが、好ましくは、上述したオレフィン重合用触媒を用いる。この場合、電子供与性成分として、上記有機化合物[C]に加え、さらに、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルエチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロペンチルターシャリブチルジメトキシシラン、テキシルシクロペンチルジメトキシシラン、テキシルシクロヘキシルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジターシャリブチルジメトキシシラン等を用いることができる。これらのうち、好ましくはジシクロペンチルジメトキシシランである。
α−オレフィンとしては、特に制限はないが、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。このうち、エチレン及びプロピレンが好ましい。これらのα−オレフィンは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、予備重合で得られたオレフィン重合体を、予備重合触媒成分として用いることができる。即ち、この予備重合触媒成分をオレフィン重合用触媒成分として用い、本発明で用いるプロピレン系ブロック共重合体を製造することができる。
共重合部の製造に際しては、エチレンを単独で用いてもよいが、必要に応じて、エチレンとプロピレン以外の前記α−オレフィンを組み合わせてもよい。
プロピレン単独重合の条件としては、重合時に、上述した重合量が得られるものであれば特に制限されないが、その重合圧は、通常、大気圧〜8MPa(Gauge)、好ましくは0.2〜5MPa(Gauge)、重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは30〜100℃の範囲で適宜選ばれる。重合時間は、通常、5分〜20時間、好ましくは10分〜10時間程度である。
具体的には、前述のポリプロピレン系樹脂と各種添加物を押出発泡装置内に投入し、溶融混練後、低圧領域に押し出して発泡させ、ポリプロピレン系押出発泡体を得るが、低圧領域に押し出す際、ダイ出口近傍でダイクリアランスが最小となる部位におけるダイ壁面の見かけの剪断速度が10s−1以上1000s−1以下となる条件で行う。
見かけの剪断速度が10s−1未満であると、生産性が悪く、1000s−1を越えると、押出発泡体の表面特性が悪化するおそれがある。見かけの剪断速度のより好ましい範囲は30−1以上500s−1以下、さらに好ましい範囲は50−1以上300s−1以下である。
物理発泡で注入する流体としては、不活性ガス、例えば、二酸化炭素、窒素等が挙げられる。
なお、無機系化学発泡剤を使用する場合は、通常、取扱性、貯蔵安定性、ポリプロピレン系樹脂への分散性の点から、10質量%以上50質量%以下の濃度のポリオレフィン系樹脂のマスターバッチとして使用されることが好ましい。これら無機系化学発泡剤の添加量は種類、マスターバッチ中の濃度によって適宜選択すればよい。一般に、本発明のポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上40質量部以下の範囲で含有されることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上30質量部以下の範囲で選択できる。
発泡材料の使用量としては、ポリプロピレン系樹脂1gに対し、気泡を生成させるガスの発生量が7.0×10−5モル以上1.5×10−3モル以下となるように添加することが好ましい。より好ましくは、1.0×10−4モル以上1.0×10−3モル以下である。
具体的に、二酸化炭素を用いた物理発泡において上記のガス発生量を当てはめると、樹脂原料に二酸化炭素を0.31質量%以上6.2質量%以下、より好ましくは0.44質量%以上4.2質量%以下溶解させることに相当する。
化学発泡においても、押出過程で発生するガス量が上記モル数の範囲と同様となるように各種化学発泡剤の添加量を調整することが好ましい。
また、粉末状または繊維状の多孔質フィラーとして、シリカ、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、または繊維状活性炭を配合してもよい。
その他にも、結晶化核剤として、タルク、有機カルボン酸塩、有機リン酸塩、ソルビトール系核剤を配合してもよい。
また、見かけの剪断速度が遅くても発泡倍率が3倍以上の高発泡体を製造可能であるので、ダイ出口のクリアランスを広くすることができる。したがって、厚みのある押出発泡体を形成することができるとともに、表面外観が良好となる。
さらに、本発明で使用するポリプロピレン系樹脂は、リサイクル性能にも優れ、また、耐薬品性や耐熱性も良好であることから、プロピレン系樹脂を材料として製造されたプロピレン系押出発泡体もまた、リサイクル性能、耐薬品性および耐熱性に優れる。また、プロピレン系樹脂は低コストであるので、材料費のコスト低減も図ることができる。
このように、厚みがあり、リサイクル性能、耐薬品性および耐熱性に優れた押出発泡体は、住設分野や自動車分野の内外装材として有用性が高い。
そして、公知の押出発泡装置をそのまま使用することができるので、新たな設備に投資する必要がない。したがって、製造工程においても大幅な変更がないので簡単に実施することができる。
したがって、発泡倍率が3倍以上10倍以下のポリプロピレン系押出発泡体は、高発泡体であるとともに、表面外観が良好である。
なお、発泡体の成形方法としては、複数のダイ出口から押し出された発泡体を集束して一つの発泡体とする、いわゆる細条集束体とすることも可能である。この場合、複数のダイ出口の形状を全て同じ形状としてもよいし、一つのダイに多種類の形状を複数形成するようにしてもよい。
この発明によれば、ダイクリアランスの最小値を1mm以上とすることにより、厚い発泡シートを成形することができる。
したがって、ダイの設定温度を170℃以上210℃以下とすることにより、成形性に優れ、高い発泡倍率のポリプロピレン系押出発泡体を得ることができる。
この発明によれば、ポリプロピレン系押出発泡体は2mm以上30mm以下という厚みがある。なお、ダイ出口が円形状のダイで押出発泡を行った場合は、直径が2mm以上30mm以下の太い発泡体を得ることができる。
したがって、ポリプロピレン系押出発泡体が厚い、または太いので、住設分野や自動車分野の内外装材として用いるのに有用性が大きい。
すなわち、公知の押出発泡装置を用いて3倍以上という高発泡倍率のポリプロピレン系押出発泡体を製造することができる。
本発明で使用する押出発泡装置としては、樹脂原料を溶融状態に加熱し、適度の剪断応力を付与しながら混練し、押出発泡することができる公知の押出発泡装置を使用することができる。また、押出発泡装置を構成する押出機も、単軸押出機または二軸押出機のいずれのものも使用することができる。具体的には、例えば、特開2004−237729号公報に開示された、2台の押出機が接続されたタンデム型押出発泡成形装置などが挙げられる。
なお、本実施形態では、物理発泡により押出発泡する押出発泡装置を使用した。
図1は本発明の一実施形態の押出発泡装置を模式的に示す概略図である。
押出発泡装置100は、図1に示すように、樹脂原料が投入されるホッパー110と、樹脂原料を溶融混練する押出機としてのシリンダ120と、シリンダ120に発泡剤ガスを導入するガス導入路130と、樹脂原料を押し出すギアポンプ140と、樹脂原料を成形するダイ150と、冷却用のマンドレル160と、を備えている。
シリンダ120は略円筒状に形成され、シリンダ120の内径よりも小さい径をもつ略円柱状のスクリュ121を有している。スクリュ121は、その外周面にらせん状の羽122を有しており、スクリュ121の軸を中心として回転可能に支持されている。シリンダ120の内部でスクリュ121が回転することにより、シリンダ120内の樹脂原料が溶融混練される。
なお、シリンダ120における押出温度は適宜設定すればよいが、例えば、170℃以上230℃以下に設定することが好ましい。押出温度が170℃未満であると押出が困難となるおそれがあり、230℃を超えると、発泡性能が低下するおそれがある。
ギアポンプ140は、シリンダ120で溶融混練された樹脂原料と発泡ガスとの混合物の流量を調整し、ダイ150へ安定的に押し出す。
図2は、本実施形態にかかるダイの形状を示す模式図であり、(A)はダイの断面図、(B)はダイ出口側の側面図である。
ダイ150は、図2(A)および(B)に示すように、円環状の断面を有する円筒状の流路151を有している。この流路151のダイ出口側における円環の直径は、4mm以上1000mm以下であることが好ましい。直径が4mm未満であると、押出発泡した場合に一体化してしまい、円筒状に形成されないおそれがある。また、直径が1000mmを超えると、安定した連続成形が困難となる。
剪断速度は、流路壁面における見かけの剪断速度であり、体積流量をQ、円筒形状のダイ150の最小部位SにおけるクリアランスをH、最小部位Sにおける円環の半径をrとすると、剪断速度γは次のように定義される。
γ=3×Q/πrH2 …(4)
Q=W/ρ …(5)
また、ダイ150の温度は、170℃以上210℃以下に設定することが好ましい。ダイ150の温度が170℃未満であると、押出が困難となるおそれがあり、210℃を超えると、樹脂原料の発泡性能が低下するというおそれがある。
なお、剪断速度は、樹脂流量とダイクリアランスの最小部位の断面積とを選択することによって調整することが好ましい。
次に、押出発泡装置100で押出発泡を実施する際の動作について説明する。
まず、前述のポリプロピレン系樹脂をホッパー110に投入する。ホッパー110は計量器としても機能するため、所望の量の樹脂をホッパー110で計量することもできる。
ホッパー110に投入された樹脂は、シリンダ120に供給される。
シリンダ120の内部では、スクリュ121が軸を中心として回転しているので、このスクリュ121により樹脂が溶融混練される。このとき、ガス導入路130から発泡流体として二酸化炭素が導入されるので、樹脂と二酸化炭素が混合される。
溶融混練された樹脂と二酸化炭素の混合物はシリンダ120から押し出され、ギアポンプ140に導入される。ギアポンプ140で樹脂の流量が調節され、ダイ150へ押し出される。
そして、樹脂はダイ150から押し出されると同時に発泡して発泡体を形成し、マンドレル160に当接することによって賦形されるとともに冷却される。最後に、図示しないカッターにより切断され、シート状の発泡体が得られる。
以上より、本実施形態では、次の作用効果を奏することができる。
本実施形態では、前述のポリプロピレン系樹脂を用いて公知の押出発泡装置により、ダイ出口近傍のクリアランスが最小の部位における見かけの剪断速度を10s−1以上1000s−1以下として押出発泡を行う。これにより、発泡倍率3倍以上のポリプロピレン系押出発泡体が得られる。
このポリプロピレン系押出発泡体は、材料としてポリプロピレン系樹脂を用いるので、耐熱性、耐薬品性およびリサイクル性能に優れている。また、ポリプロピレン系樹脂は低コストであるので、材料のコスト削減を図ることができる。
上記実施形態では、円筒形状のダイを使用したが、ダイの形状は目的に応じた形状を使用することができ、これに限られない。
例えば、図3に示すように、スリット状の断面を有する平行管状の流路を有するダイ170でもよい。この場合、ダイ出口171近傍のクリアランスが最小となる部位Tのスリットの厚みをH、ダイ出口171におけるスリットの幅をW、体積流量をQとすると、剪断速度γは次のように定義される。
γ=6×Q/(WH2) …(6)
γ=4×Q/(πr3) …(7)
この場合、複数の出口形状を全て同じ形状としてもよいし、各々の出口を異なる形状、例えば、円形、菱形、スリット状などとしてもよい。また、同じ円形であっても、それぞれの径の大きさを変えて複数の種類の円形とすることもできる。
<樹脂について>
本実施例では、以下に示す4種類のポリプロピレン系樹脂組成物を使用する。
樹脂B:樹脂A70質量%+軟質性ポリプロピレン樹脂30質量%ブレンド
樹脂C:分岐状ポリプロピレン(商品名「PF814」、Basell社製)
樹脂D:直鎖状ポリプロピレン(商品名「VP103W」、株式会社プライムポリマー製)
(1)予備重合触媒成分の調製:
内容積5リットルの攪拌機付き三つ口フラスコを十分に乾燥させ、窒素ガスで置換した後、脱水処理したヘプタンを4リットル、ジエチルアルミニウムクロライド140グラムを加え、市販品のSolvay型三塩化チタン触媒(東ソー・ファインケム(株)製)20gを加えた。これを攪拌しながら20℃に保持した状態で、プロピレンを連続的に導入した。80分後、攪拌を停止し、三塩化チタン触媒1gあたり0.8gのプロピレンが重合した予備重合触媒成分を得た。
内容積10リットルの攪拌機付きステンレス製オートクレーブを十分乾燥し窒素ガスで置換した後、脱水処理したヘプタン6リットルを加え、系内の窒素をプロピレンで置換した。その後、攪拌しながらプロピレンを導入して内温50℃、全圧0.78MPaに系内が安定した後、上記予備重合触媒成分を固体触媒換算で0.75グラム含んだヘプタンスラリー200ミリリットルを加えて重合開始とした。プロピレンを1.0時間連続的に供給し、重合を行い、重合体(P1成分)を得た。その一部をサンプリングして分析した結果、極限粘度は15.4dL/gであった。その後、内温を40℃以下にまで降温し攪拌を弱め、脱圧を行った。
再び、内温を65℃として水素を0.10MPa加えて攪拌しながらプロピレンを導入した。全圧0.78MPaでプロピレンを連続的に供給しながら65℃で4時間重合を行い、重合体(P2成分)を得た。この時、重合体の一部をサンプリングして分析した結果、極限粘度は3.31dL/gであった。
重合終了後、50ミリリットルのメタノールを添加し降温、脱圧した。内容物を全量フィルター付きろ過槽へ移し、1−ブタノールを100ミリリットル加え、85℃で1時間撹拌した後に固液分離した。さらに、85℃のヘプタン6リットルで固体部を2回洗浄し、真空乾燥してプロピレン重合体3.3kgを得た。
以上の結果、重合体(P1)と重合体(P2)の重合成分の質量比は15.3:84.7であり、第二段目にて生成した重合体の極限粘度は1.13dL/gと求められた。
(1)マグネシウム化合物の調製
ステンレス鋼製の触媒反応槽を窒素ガスで十分に置換した後、これにエタノール25kg、ヨウ素1.6kg及び金属マグネシウム16kgを投入し、攪拌しながら還流条件下で系内から水素ガスの発生がなくなるまで、加熱条件下で反応させ、固体状反応生成物を得た。この固体状反応生成物を含む反応液を、減圧下で乾燥させることにより、マグネシウム化合物(ジエトキシマグネシウム)を得た。
(2)固体触媒成分の調製
窒素ガスで十分に置換した内容積500リットルのステンレス鋼製の触媒反応槽に、上記(1)で得たマグシウム化合物16kg、精製ヘプタン80リットル、四塩化ケイ素2.4リットル及びフタル酸ジ−n−ブチル2.3リットルを仕込んだ。系内を90℃に保ち、攪拌しながら四塩化チタン77リットルを加え、110℃で2時間反応させた後、固体成分を分離して80℃の精製ヘプタンで洗浄した。さらに、四塩化チタン122リットルを加え、110℃で2時間反応させた後、精製ヘプタンで十分洗浄し、固体触媒成分を得た。
窒素ガスで十分に置換した内容積80リットルのステンレス鋼製の重合反応槽に、上記(2)で得られた固体触媒成分4kg、精製ヘプタン40リットル、トリエチルアルミニウム1.6モル、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン4.0モルを仕込んだ後、系内を40℃に保ち、攪拌しながら、プロピレンを連続的に2時間供給した。プロピレンの供給を停止した後、温度40℃で30分間保持した。その後、精製ヘプタンで洗浄して予備重合触媒を得た。
(4)本重合
攪拌機を備えた内容積300リットルのステンレス製オートクレーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した後、液体プロピレンを200リットル、トリエチルアルミニウムを120ミリモル、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシラン0.012モル加え、反応器内の温度を55℃に昇温し、水素を0.16モル%供給した。その後、上記(3)の予備重合で得られたチタン含有ポリプロピレン(予備重合触媒)を担持触媒として0.75g加え、55℃で35分間プロピレンの重合を行った。
次に、得られた共重合体粒子に、酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバ・ジャパン(株))1500ppm、イルガフォス168(チバ・ジャパン(株))1000ppm、中和剤としてDHT−4A(協和化学工業(株))1500ppm、および、分解剤として、パーカドックス14(化薬アクゾ(株))を400ppm混合し、同方向かみ合い型二軸押出機TEM35((株)神戸製鋼製)を用い、樹脂温度250℃の条件で混練造粒してペレットを得た。このペレットのMFRは1.5g/10分であった。
(1)圧力補正値:
上記の4種類のポリプロピレン系樹脂組成物についてバーグレー補正における圧力補正値を測定した。バーグレー補正における圧力補正値は、「JIS K 7199」に規定されたキャピラリーレオメータによるプラスチックの流れ特性試験方法に基づいて測定することができる。
具体的には、上記の樹脂A、樹脂B、樹脂Cおよび樹脂Dについて、キャピログラフ型式1C(商品名、(株)東洋精機製作所製)を用い、剪断速度を変えてそれぞれの圧力補正値を以下の条件で測定した。なお、キャピログラフ型式1Cは関連業界で広く用いられているものであり、これを用いて以下の条件で測定を実施すると、剪断速度は1216s−1となる。
キャピラリー直径D:1.0mm
ピストンの押出速度:100mm/min
測定温度 :210℃
キャピラリーの直径と長さの比L/D:30、40、50の3種
重合時に連続的に供給するプロピレンの流量計積算値を用いた物質収支から求めた。
(3)極限粘度[η]:
135℃のテトラリン溶媒中で測定した。
プロピレン系多段重合体の第一段目(P1成分)の極限粘度[η1]とプロピレン重合体全体の極限粘度[ηtotal]は重合過程でサンプリングし評価し、プロピレン系多段重合体の第二段目(P2成分)の極限粘度[η2]は下記(8)式により算出した。
[ηtotal] :プロピレン重合体全体の極限粘度(dL/g)
[η1] :P1成分の極限粘度(dL/g)
W1 :P1成分の質量分率(質量%)
W2 :P2成分の質量分率(質量%)
JIS K7210に準拠し、温度を230℃、荷重を2.16kgfとして測定した。
成形品の質量を、水没法により求めた体積で除することにより密度を求め、発泡倍率として算出した。
得られた成形品(シート状)の任意の5点の厚みをマイクロメータを用いて測定し、その平均値を厚みとした。
押出発泡体の押出方向に発生する周期的な凹凸(メルトフラクチャ)を官能評価にて以下のように評価した。
○:良好
△:肌荒れが若干観察される程度
×:肌荒れ顕著
上記の樹脂A、樹脂B、樹脂C、樹脂Dを上記の方法にて圧力補正値を測定した結果を図5に示す。図5は、剪断速度と圧力補正値との関係を表すグラフである。
以下の表2に示す実施例1〜4および比較例1の樹脂を用いて、二酸化炭素(CO2)物理発泡による円筒状の発泡成形体の押出実験を実施した。
(1)製造装置および製造条件
押出機 :東芝機械株式会社製 2軸押出機、製品名「TEM−41SS」(図1参照)
ダイ :円筒ダイ(直径65mm)
押出量 :30kg/hr
押出機 :シリンダー設定温度210℃
ダイ温度:180℃
造核剤として、「ポリスレンEE205」(永和化成工業株式会社製)を0.5質量%含有させた。なお、剪断速度は、上記式(4)を用い、溶融状態の樹脂原料の密度を750kg/m3として求めた。
樹脂原料をホッパー110に投入し、所定の押出量となるように樹脂原料をシリンダ120に計量供給する。
次に、シリンダ120内でスクリュ121を回転させながら樹脂原料を溶融化させ、ガス導入路130からシリンダ120内に二酸化炭素を一定の流量で供給するとともに、シリンダ120内で溶融樹脂と二酸化炭素とを混合する。
そして、シリンダ120内で混合された混合物を、ギアポンプ140に供給して流量を安定化させた後、ダイ150に混合物を供給する。
ダイ150から混合物を大気中に押しだすと同時に発泡させて発泡体を形成する。このとき円筒状に押し出された発泡体の内面にマンドレル160を接触させ、発泡体を冷却する。
そして、円筒状の発泡体を押出方向に沿って切断してロールで引き取ることにより、シート状の発泡体を得た。
結果を以下の表2に示す。
また、実施例1〜4の発泡体は、比較例1よりも成形品の厚みが厚い。すなわち、低速の剪断速度で押し出すことにより、厚みのある発泡体を成形することができた。
以下の表3、表4に示す実施例5〜15および表5に示す比較例2〜6の樹脂を用いて、化学発泡剤による円筒状の発泡成形体の押出実験を実施した。
押出機 :株式会社マックインターナショナルアソシエイツ製 押出機(スクリュー径45mm)
ダイ :円筒ダイ(直径45mm)
押出量 :10kg/hr
押出機 :シリンダー設定温度190℃
ダイ温度:190℃
発泡剤として、樹脂100質量部に対して、無機系化学発泡剤「ポリスレンEE405F」(永和化成工業株式会社製)10〜30質量部を含有させた。
樹脂原料と発泡剤のドライブレンドによる混合物をホッパー110に投入する。そして、押出機の所定のスクリュ回転数に設定し、押出機内で樹脂原料を溶融化させるとともに発泡剤と混合し、一定の押出量で混合物をダイに供給する。
供給された混合物をダイから鉛直下方に押し出し、大気中で発泡させる。そして、筒状に押し出した溶融発泡体をダイ出口で切り取り、大気中で自然冷却させることにより、筒状の発泡体を得た。
結果を以下の表3および表4に示す。
一方、表5に示す比較例2では、ダイクリアランスを小さくしたため壁面剪断速度が大きくなり、表面外観の肌荒れが顕著となった。また、比較例3では樹脂Cを使用したため、発泡が十分でなかった。比較例4では樹脂Dを使用したため発泡しなかった。また、比較例5では、壁面剪断速度が低速度すぎたため発泡が十分でなかった。比較例6では、壁面剪断速度が高速すぎたため、表面外観の肌荒れが顕著となった。
110…ホッパー
120…シリンダ
130…ガス導入路
140…ギアポンプ
150、170、180…ダイ
151…流路
160…マンドレル
S、T、U…クリアランスの最小部位
Claims (7)
- ポリプロピレン系樹脂と発泡材料とを含有する混合物が押出機内で溶融混練された後、ダイから低圧領域に押出発泡されて得られたポリプロピレン系押出発泡体であって、
前記ポリプロピレン系樹脂は、(A)測定温度210℃、剪断速度1216s−1の条件でのキャピラリーフローテストにおいて、バーグレー補正における圧力補正値が4MPa以上、および(B)メルトフローレート(MFR)が0.5g/10分以上であり、
前記低圧領域に押出発泡される際、ダイ出口近傍でダイクリアランスが最小となる部位におけるダイ壁面の見かけの剪断速度が10s−1以上1000s−1以下であり、
発泡倍率が3倍以上である
ことを特徴とするポリプロピレン系押出発泡体。 - 請求項1に記載のポリプロピレン系押出発泡体において、
前記発泡倍率は、3倍以上10倍以下である
ことを特徴とするポリプロピレン系押出発泡体。 - 請求項1または請求項2に記載のポリプロピレン系押出発泡体において、
前記ダイは、その出口の流路がスリット状、または円筒状である
ことを特徴とするポリプロピレン系押出発泡体。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のポリプロピレン系押出発泡体において、
前記ダイ出口近傍でダイクリアランスが最小となる部位におけるダイクリアランスの最小値は、1mm以上である
ことを特徴とするポリプロピレン系押出発泡体。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のポリプロピレン系押出発泡体において、
前記ダイの設定温度は、170℃以上210℃以下である
ことを特徴とするポリプロピレン系押出発泡体。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載のポリプロピレン系押出発泡体において、
厚みが2mm以上30mm以下に押出成形された
ことを特徴とするポリプロピレン系押出発泡体。 - ポリプロピレン系樹脂と発泡材料とを含有する混合物を押出機内で溶融混練する溶融混練工程と、溶融混練された組成物をダイから低圧領域に押出発泡させる押出発泡工程と、を実施するポリプロピレン系押出発泡体の製造方法であって、
前記ポリプロピレン系樹脂は、(A)測定温度210℃、剪断速度1216s−1の条件でのキャピラリーフローテストにおいて、バーグレー補正における圧力補正値が4MPa以上、および(B)メルトフローレート(MFR)が0.5g/10分以上であり、
前記押出発泡工程は、
前記組成物を前記低圧領域に押出発泡する際、ダイ出口近傍でダイクリアランスが最小となる部位におけるダイ壁面の見かけの剪断速度を10s−1以上1000s−1以下で行い、発泡倍率が3倍以上のポリプロピレン系押出発泡体を製造する
ことを特徴とするポリプロピレン系押出発泡体の製造方法。
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