JP2019127497A - ポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタンビーズ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐水性及び生分解性に優れるポリウレタン樹脂組成物を提供する。前記ポリウレタン樹脂組成物からなる平均粒子径の小さいポリウレタンビーズを提供する。【解決手段】ポリウレタン樹脂組成物は、生分解性に優れる。前記ポリウレタン樹脂組成物において、ISO 14855−1:2012に準拠した生分解度が50%以下となる日数は50日未満である。前記ポリウレタン樹脂組成物は、原料として少なくとも1種類の下記一般式(I)で示されるトリイソシアネートを含有する。ポリウレタンビーズは、前記ポリウレタン樹脂組成物からなる。[化1]【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタンビーズに関する。
近年、塗料、プラスチック、接着剤、化粧料等の成分が長期間、分解されず、生態系で蓄積されることが課題となっている。ポリウレタン樹脂は、比較的、生分解性が良好な材料ではあるが、より生分解性に優れるものが望まれていた。
また、塗料、プラスチック、接着剤、化粧料等の使用用途によっては、最終製品の耐水性が要求される場合もあった。
一方、ポリウレタン樹脂の中でも、ポリウレタンビーズは、高弾性、高耐久性を発現させるため、塗料、プラスチック、接着剤、化粧料等のフィラーとして用いられる。
近年、軽量化等の目的から、塗料、プラスチック、接着剤、化粧料の薄膜化が進んでおり、そこに使用されるポリウレタンビーズは、膜厚よりも小さい平均粒径、例えば、20μm以下であることが望まれていた。
特許文献1及び2には、小粒径のポリウレタンビーズを製造する方法、ビーズ原料を高剪断に分散させる方法、自己乳化型のポリイソシアネートを原料として用いる方法が開示されている。
特許第3334305号公報 特開2015−209434号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の方法では、耐水性及び生分解性が不足する場合があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、耐水性及び生分解性に優れるポリウレタン樹脂組成物を提供する。また、前記ポリウレタン樹脂組成物からなる平均粒子径の小さいポリウレタンビーズを提供する。
本発明者らは、鋭意研究した結果、驚くべきことに、特定構造を有する少なくとも1種類のトリイソシアネートを架橋剤成分として使用したポリウレタン樹脂組成物が、耐水性及び生分解性に優れ、さらに、ポリウレタンビーズとした際に、平均粒子径が小さいことを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1態様に係るポリウレタン樹脂組成物は、生分解性に優れる。
上記第1態様に係るポリウレタン樹脂組成物において、ISO 14855−1:2012に準拠した生分解度が50%以下となる日数は50日未満であってもよい。
上記第1態様に係るポリウレタン樹脂組成物は、原料として少なくとも1種類の下記一般式(I)で示されるトリイソシアネートを含有してもよい。
Figure 2019127497
(一般式(I)中、複数あるYは、それぞれ独立に、単結合、又は、エステル基及びエーテル基からなる群より選択される1種以上を含んでもよい炭素数1以上20以下の2価の炭化水素基である。複数あるYは、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。Rは、水素原子又は炭素数1以上12以下の1価の炭化水素基である。)
上記第1態様に係るポリウレタン樹脂組成物において、複数ある前記Yのうち少なくとも1つがエステル基を含んでもよい。
上記第1態様に係るポリウレタン樹脂組成物は、さらに、ポリオールを含有してもよい。
上記第1態様に係るポリウレタン樹脂組成物は、前記一般式(I)で示されるトリイソシアネートと前記ポリオールとの反応物を含んでもよい。
本発明の第2態様に係るポリウレタンビーズは、上記第1態様に係るポリウレタン樹脂組成物からなる。
上記第2態様に係るポリウレタンビーズは、懸濁重合法により得られる架橋ポリウレタンビーズであってもよい。
上記態様のポリウレタン樹脂組成物は、耐水性及び生分解性に優れる。上記態様のポリウレタンビーズは、前記ポリウレタン樹脂組成物からなり、平均粒子径が小さい。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」と称する場合がある)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本明細書において、「ポリイソシアネート」とは、2つ以上のイソシアネート基(−NCO)を有するモノマーが複数結合した重合体を意味する。
本明細書において、「ポリオール」とは、2つ以上の水酸基(−OH)を有する化合物を意味する。
≪ポリウレタン樹脂組成物≫
本実施形態のポリウレタン樹脂組成物は、生分解性に優れる。
なお、一般に、「生分解性」とは、物質が微生物によって分解される性質を意味する。
生分解性は、後述の実施例に示すように、JIS K6953−1:2011(ISO 14855−1:2012)に準拠した生分解度によって評価することができる。なお、「JIS K6953−1:2011」は、2005年に第1版として発行された「ISO 14855−1」を基に、技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。また、「ISO 14855−1」の最新版は、「ISO 14855−1:2012」である。
本実施形態のポリウレタン樹脂組成物において、ISO 14855−1:2012に準拠した生分解度が50%以下となる日数は50日未満が好ましく、40日未満がより好ましく、30日未満がさらに好ましい。
本実施形態のポリウレタン樹脂組成物は、下記一般式(I)で示されるトリイソシアネート(以下、「トリイソシアネート(I)」と称する場合がある)を架橋剤成分として含むことが好ましい。これにより、後述の実施例に示すように、本実施形態のポリウレタン樹脂組成物を耐水性及び生分解性に優れたものとすることができる。
Figure 2019127497
(一般式(I)中、複数あるYは、それぞれ独立に、単結合、又は、エステル基及びエーテル基からなる群より選択される1種以上を含んでもよい炭素数1以上20以下の2価の炭化水素基である。複数あるYは、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。Rは、水素原子又は炭素数1以上12以下の1価の炭化水素基である。)
本実施形態のポリウレタン樹脂組成物の構成成分について、以下に詳細を説明する。
<トリイソシアネート(I)>
トリイソシアネート(I)は、上記一般式(I)で示される化合物である。
[Y
一般式(I)中、複数あるYは、それぞれ独立に、単結合、又は、エステル基及びエーテル基からなる群より選択される1種以上を含んでもよい炭素数1以上20以下の2価の炭化水素基である。複数あるYは、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
におけるエステル基及びエーテル基を含まない炭素数1以上20以下の2価の炭化水素基としては、脂肪族基であってもよく、芳香族基であってもよい。前記脂肪族基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよい。
前記直鎖状又は分岐状の脂肪族基としては、例えば、アルカンジイル基(アルキレン基)、アルキリデン基等が挙げられる。
前記環状の脂肪族基としては、例えば、シクロアルキレン基等が挙げられる。
前記芳香族基としては、例えば、フェニレン基等のアリーレン基が挙げられる。
中でも、炭素数1以上20以下の2価の炭化水素基としては、アルキレン基が好ましい。
前記アルキレン基としては、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、オクタメチレン基等が挙げられる。
中でも、前記アルキレン基としては、テトラメチレン基が好ましい。
におけるエステル基及びエーテル基からなる群より選択される1種以上を含む炭素数1以上20以下の2価の炭化水素基としては、例えば、下記一般式(II)で表される基(以下、「基(II)」と称する場合がある」)が挙げられる。
−(CHn1−X−(CHn2− ・・・(II)
基(II)において、−(CHn1−のXと反対の結合手が上記一般式(I)中のCと結合しており、−(CHn2−のXと反対の結合手が上記一般式(I)中のNCOと結合している。また、n1及びn2は、1≦n1+n2≦20となる整数である。すなわち、n1及びn2の両方とも0になることはなく、NCOと結合している側であるn2は1以上であることが好ましい。
中でも、n1及びn2はそれぞれ独立して、0以上20以下の整数であることが好ましく、0以上4以下の整数であることがより好ましく、0以上2以下の整数であることがさらに好ましい。
n1及びn2の組み合わせとしては、例えば、n1=0、n2=2の組み合わせ、n1=2、n2=2の組み合わせが好ましい。
また、基(II)において、Xはエステル基であることが好ましい
複数あるYのうち少なくとも1つが、エステル基を有する場合、イソシアネート基の反応性をより向上させ、さらに、ポリウレタン樹脂組成物の耐水性及び生分解性をより向上させることができる。
[R
は、水素原子、又は、炭素数1以上12以下の1価の炭化水素基である。Rにおける炭化水素基としては、特に限定されず、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。中でも、Rとしては、水素原子が好ましい。
好ましいトリイソシアネート(I)として具体的には、例えば、国際公開第1996/17881号(参考文献1)に開示されている4−イソシアネートメチル−1,8−オクタメチレンジイソシアネート(以下、「NTI」と称する場合がある、分子量251)、特開昭57−198760号公報(参考文献2)に開示されている1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート(以下、「HTI」と称する場合がある、分子量209)、特公平4−1033号公報(参考文献3)に開示されているビス(2−イソシアナトエチル)2−イソシアナトグルタレート(以下、「GTI」と称する場合がある、分子量311)、特開昭53−135931号公報(参考文献4)に開示されているリジントリイソシアネート(以下、「LTI」と称する場合がある、分子量267)等が挙げられる。これらトリイソシアネートは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
中でも、イソシアネート基の反応性を高め、耐水性を高め、且つ、生分解性に優れることから、トリイソシアネート(I)としては、エステル基を含むものが好ましく、GTI又はLTIがより好ましい。
また、本実施形態のポリウレタン樹脂組成物に用いられるトリイソシアネート(I)は、一部のイソシアネート基がブロック化されたブロックトリイソシアネートであってもよい。
ブロックトリイソシアネートに用いられるブロック剤としては、特に制限されることはなく、例えば、既存の活性メチレン系、オキシム系、アミン系、ピラゾール系ブロック剤等が挙げられる。これらブロック剤を1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のポリウレタン樹脂組成物中のトリイソシアネート(I)の含有量の下限値は、組成物の総質量に対して、10質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、50質量%がさらに好ましく、70質量%が特に好ましい。
一方、本実施形態のポリウレタン樹脂組成物中のトリイソシアネート(I)の含有量の上限値は、特に制限されないが、組成物の総質量に対して、100質量%よりも少ない量とすることができる。
すなわち、本実施形態のポリウレタン樹脂組成物中のトリイソシアネート(I)の含有量は、組成物の総質量に対して、10質量%以上100質量%未満が好ましく、30質量%以上100質量%未満がより好ましく、50質量以上100質量%以下がさらに好ましく、70質量%以上100質量%未満が特に好ましい。
トリイソシアネート(I)の含有量を上記下限値以上とすることで、粗粒子の生成をより抑制し、得られるポリウレタンビーズの平均粒子径をより小さくすることができる。
<その他のイソシアネート成分>
本実施形態のポリウレタン樹脂組成物は、架橋剤成分として上記トリイソシアネート(I)に加えて、その他のイソシアネート成分を含んでもよい。その他のイソシアネート成分としては、特に制限されることはなく、例えば、脂肪族イソシアネート、芳香族イソシアネート等が挙げられる。これらその他のイソシアネート成分は、1種を単独で含んでもよく、2種以上組み合わせて含んでもよい。
また、その他のイソシアネート成分としては、上記脂肪族イソシアネート又は芳香族イソシアネート等のイソシアネートモノマーと変性剤とを反応させて得られる反応物である変性ポリイソシアネートであってもよい。
変性ポリイソシアネートとして具体的には、例えば、以下の(1)〜(3)に示すもの等が挙げられる。
(1)過剰のイソシアネートモノマー1種類以上を、多価アルコール等のポリヒドロキシ化合物と反応させて得られるポリウレタンポリイソシアネート;
(2)イソシアネートモノマーを重合させることによって得られる、イソシアヌレート基を有するポリイソシアネート;
(3)イソシアネートモノマーと水とを反応させて得られる、ビュレット基を有するポリイソシアネート
本実施形態のポリウレタン樹脂組成物に含まれる全イソシアネート成分中のトリイソシアネート(I)の含有量は、特に制限されないが、30質量%以上100質量%以下が好ましく、40質量%以上100質量%以下がより好ましく、50質量%以上100質量%以下がさらに好ましい。全イソシアネート成分中のトリイソシアネート(I)の含有量が上記下限値以上であることにより、架橋密度が向上し、耐水性及び生分解性を発現することができる。
<ポリオール>
本実施形態のポリウレタン樹脂組成物は、上記トリイソシアネート(I)に加えて、さらに、ポリオールを含んでもよい。すなわち、本実施形態のポリウレタン樹脂組成物は、上記トリイソシアネート(I)とポリオールとの反応物を含んでもよい。前記反応物は、上記トリイソシアネート(I)のイソシアヌレート基とポリオールの水酸基とを反応させて得られるウレタン基(−NH−CO−O−)を複数有するポリウレタン樹脂である。
ポリオールとしては、以下の(1)〜(9)に示すもの等が挙げられる。これらポリオールを1種単独で含んでもよく、2種以上組み合わせて含んでもよい。
(1)多価アルコール:例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1, 5−ペンタンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA 、水添ビスフェノールA 、ヒドロキシビバリルヒドロキシピバレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール等。
(2)ポリエーテルグリコール:例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコール等。
(3)変性ポリエーテルポリオール:上記多価アルコールと、(環状)エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール。
前記(環状)エーテル結合含有化合物としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
(4)ポリエステルポリオール:上記多価アルコールと、多価カルボン酸との共縮合によって得られるポリエステルポリオール。
前記多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサトリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸等が挙げられる。
(5)ラクトン系ポリエステルポリオール:上記多価アルコールと、ラクトンとの重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール。
前記ラクトンとしては、例えば、カプロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メチル−δ− バレロラクトン等が挙げられる。
(6)ラクトン変性ポリエステルポリオール類:上記多価アルコールと、上記多価カルボン酸と、上記ラクトンとの重縮合反応によって得られるラクトン変性ポリエステルポリオール。
(7)エポキシ変性ポリエステルポリオール:ポリエステルポオールの合成時に、エポキシ化合物を併用して得られるエポキシ変性ポリエステルポリオール。
前記エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、一価又は多価アルコール類のグリシジルエーテル、一塩基酸又は多塩基酸のグリシジルエステル等が挙げられる。
(8)ポリカーボネートポリオール:上記多価アルコールと、カーボネート化合物との共縮合によって得られるポリカーボネートポリオール。
(9)その他のポリオール:例えば、ポリエステルポリアミドポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリペンタジエンポリオール、ひまし油、ひまし油誘導体、水添ひまし油、水添ひまし油誘導体、水酸基含有アクリル系共重合体、水酸基含有含フッ素化合物、水酸基含有シリコン樹脂等。
本実施形態のポリウレタン樹脂組成物の架橋密度を高める場合に、用いられるポリオールとしては、平均値で3個以上の水酸基を有するものが好ましい。
ポリウレタン樹脂組成物を重合する際のポリオールの水酸基に対する全イソシアネート成分のイソシアネート基のモル比(イソシアネート基/水酸基)は、特に制限はないが、耐溶剤性及び耐熱性をより向上させる観点から、1.05以上が好ましく、1.20以上がより好ましい。イソシアネート基/水酸基を上記下限値以上とすることで、未反応のポリオールが残りにくく、耐溶剤性及び耐熱性をより高くできる。
≪ポリウレタン樹脂組成物の使用用途≫
本実施形態のポリウレタン樹脂組成物は、特に制限されないが、例えば、コーティング剤、熱可塑性樹脂、ポリウレタンビーズ等として好適に用いられる。中でも、本実施形態のポリウレタン樹脂組成物は、ポリウレタンビーズとして特に好適に用いられる。
本実施形態のポリウレタン樹脂組成物からなるポリウレタンビーズは、塗料、プラスチック、接着剤、化粧料等のフィラーとして使用することができ、高弾性及び高耐久性を発現させることができる。また、本実施形態のポリウレタン樹脂組成物からなるポリウレタンビーズは、柔軟性が高く、低比重であり、バインダー樹脂との親和性も高く、耐水性に優れる。
ポリウレタンビーズの平均粒子径の上限値は、特に制限されないが、20μmが好ましく、15μmがより好ましく、12μmがさらに好ましく、10μmが特に好ましい。
一方、ポリウレタンビーズの平均粒子径の下限値は、特に制限されないが、製造の簡便さから、0.1μmが好ましい。
すなわち、ポリウレタンビーズの平均粒子径は、0.1μm以上20μm以下が好ましく、0.1μm以上15μm以下がより好ましく、0.1μm以上12μm以下がさらに好ましく、0.1μm以上10μm以下が特に好ましい。
本明細書において、「平均粒子径」とは、体積平均粒子径が0.1μm以上になる場合には、レーザー回折式粒度分布計(例えば、島津製作所製SALD2100)を用いて測定された体積基準の平均粒子径(体積平均粒子径)を意味する。
ポリウレタンビーズの平均粒子径は、製造時に用いられる懸濁安定剤の量を調節すること、使用するイソシアネート種を調整することにより、簡便に調整できる。具体的には、懸濁安定剤の量を多くする程、平均粒子径が小さくなり、少なくする程、平均粒子径が大きくなる。また、組成物中のトリイソシアネート(I)の使用比率を高めることにより、平均粒子径を小さくし、且つ、耐水性を高めることができる。
≪ポリウレタン樹脂組成物の製造方法≫
ポリウレタン樹脂組成物の製造方法の代表例として、ポリウレタンビーズの製造方法を以下に示す。
ポリウレタンビーズの製造方法としては、特に制限されないが、以下に示す懸濁重合法を用いた2つの製造方法(第1の製造方法及び第2の製造方法)が例示される。すなわち、これらの製造方法により得られるポリウレタンビーズは、懸濁重合法により得られる架橋ポリウレタンビーズである。中でも、ポリウレタンビーズの製造方法としては、製造方法の簡易さから、第1の製造方法が好ましい。
<第1の製造方法>
ポリウレタンビーズの第1の製造方法は、ビーズ原材料を水中に粒子状に分散し、反応させてポリウレタンビーズ懸濁液を調製する工程(以下、「第1のビーズ調製工程」と称する場合がある)と、該ポリウレタンビーズ懸濁液を固液分離する工程(以下、「第1の後処理工程」と称する場合がある)とを有する方法である。
[第1のビーズ調製工程]
第1のビーズ調製工程では、ビーズ原材料を水中に粒子状に分散し、反応させてポリウレタンビーズ懸濁液を調製する。
第1のビーズ調製工程におけるビーズ原材料には、ポリオール成分及びイソシアネート成分が含まれる。ポリオール成分としては、上記「<ポリオール>」において例示されたものと同様のものが挙げられる。また、イソシアネート成分としては、上記「<トリイソシアネート(I)>」及び上記「<その他のイソシアネート成分>」において例示されたものと同様のものが挙げられる。
ポリオール成分の水酸基に対するイソシアネート成分のイソシアヌレート基のモル比(NCO/OH)は1以上20以下が好ましい。NCO/OHが上記下限値以上であることにより、未反応のポリオール成分がより残留しにくく、一方、上記上限値以下であることにより、ポリウレタンビーズ中のソフトセグメントの量が多くなり、ガラス転移温度がより明確に現れる。
また、ビーズ原材料は、上記ポリオール成分及び上記イソシアネート成分に加えて、染料、顔料等の着色剤を含んでもよい。ただし、ここで用いる着色剤はウレタン化反応を阻害しないものである。
着色剤が含まれると、着色したポリウレタンビーズを得ることができる。着色したポリウレタンビーズを塗料に添加することで、ビロード調やスウェード調等の意匠性を有する塗膜が得られる。
また、懸濁液の粘度が高く、取り扱いにくくなる場合には、ビーズ原材料は、希釈溶剤を含んでもよい。希釈溶剤としては、重合反応を阻害しないものであればよい。
また、ビーズ原材料は、触媒を含んでもよい。触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラ
ウレート等が挙げられる。
また、得られるポリウレタンビーズの諸物性を改良するために、ビーズ原材料は、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、金属粉、香料等を含んでもよい。
第1のビーズ調製工程において、上記ビーズ原材料を添加する水は、懸濁安定剤を含んでもよい。
懸濁安定剤としては、懸濁重合法で一般に用いられているものであれば特に制限されず、有機系、無機系を問わない。懸濁安定剤として具体的には、例えば、セルロース系水溶性樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩類、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド系、第三燐酸塩類等が挙げられる。セルロース系水溶性樹脂としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これら懸濁安定剤は1種単独で使用してもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。
また、懸濁安定剤と界面活性剤とを併用してもよい。懸濁安定剤と併用する界面活性剤は、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤のいずれであってもよい。
懸濁安定剤の添加量は、ビーズ原材料100質量部に対して、0.5質量部以上30質量部以下が好ましい。懸濁安定剤の添加量が上記範囲であることにより、ポリウレタンビーズの平均粒子径がフィラーとして適切な1μm以上100μm以上の範囲により収まりやすい傾向がある。また、懸濁安定剤の添加量を上記上限値以下とすることで、平均粒子径が1μmより小さくなることをより効果的に抑制でき、また、懸濁液の粘度が高くなることをより効果的に抑制でき、固液分離や洗浄が困難になることを防止することができる。また、懸濁安定剤の添加量が上記下限値以上とすることで、粒子同士の凝集が起きるのをより効果的に抑制でき、粒子径が100μmより大きくなることを防止することができる。
懸濁安定剤を溶解又は分散させる水の量は、ビーズ原材料100質量部に対して、水30質量部以上1000質量部以下が好ましい。水の量が上記下限値以上であることにより、ビーズ原材料をより安定に分散させることができ、一方、上記上限値以下であることにより、一回の懸濁重合あたりのポリウレタンビーズの製造量をより充分に確保することができる。
ビーズ原材料を、懸濁安定剤を含む水中に添加した後、粒子状に分散するためには、通常、攪拌する方法が採られる。その際の攪拌速度は、ポリオール成分及びイソシアネート成分を含む液滴が所定の粒子径になるように適宜調節することが好ましい。
液滴の粒子径の調整が終了した後、30℃以上90℃以下の温度に加熱し、1時間以上6時間以下、ポリオール成分又は水とイソシアネート成分とを反応させて懸濁重合する。この懸濁重合により、ポリウレタンビーズ懸濁液が得られる。
[第1の後処理工程]
第1の後処理工程では、ポリウレタンビーズ懸濁液を固液分離する。
第1の後処理工程における固液分離方法としては、例えば、ろ過や遠心分離等が適用される。
固液分離後には、洗浄、乾燥を行うことが好ましい。
洗浄では、分離回収されたポリウレタンビーズを、水等で洗浄して、ポリウレタ
ンビーズに残留している懸濁安定剤等を取り除くことができる。
乾燥方法としては、例えば、加熱乾燥法、気流乾燥法、真空乾燥法、赤外線乾燥法等が適用される。例えば、加熱乾燥法を適用した場合には、乾燥温度は40℃以上110℃以下とすることができ、乾燥時間は2時間以上40時間以下とすることができる。
懸濁液を固液分離、洗浄する際は、懸濁安定剤を分解するセルロース分解酵素、ポリビニルアルコール分解酵素等の酵素、次亜塩素酸塩等の試薬等で懸濁液を処理してもよい。前記酵素又は前記試薬で処理することにより、懸濁液の粘度を下げて固液分離作業をより容易にでき、また、洗浄もより簡便にできる。
<第2の製造方法>
第2の製造方法としては、ポリオール成分にイソシアネート成分を反応させて末端イソシアネート基プレポリマーを得る工程(以下、「プレポリマー調製工程」と称する場合がある)と、末端イソシアネート基プレポリマー含むビーズ原材料を、水中に粒子状に分散し、反応させて、ポリウレタンビーズ懸濁液を調製する工程(以下、「第2のビーズ調製工程」と称する場合がある)、ポリウレタンビーズ懸濁液を固液分離する工程(以下、「第2の後処理工程」と称する場合がある。)と、を有する方法である。
[プレポリマー調製工程]
プレポリマー調製工程では、イソシアネート成分とポリオール成分とを事前に反応させて、末端イソシアネート基プレポリマーを得る。このプレポリマー調製工程は、一般に知られている方法を用いて行うことができ、特に制限を受けない。
粘度が高すぎる場合には、イソシアネート基と反応する活性水素を含有しない溶剤で希釈して、実施してもよい。
末端イソシアネート基プレポリマー合成時の反応温度は、30℃以上90℃以下であることが好ましい。
末端イソシアネート基プレポリマー合成時には、ウレタン化触媒を添加してもよい。ウレタン化触媒としては、例えば、ジブチル錫ラウレート等の金属系触媒、トリエチルアミン等のアミン系触媒等が挙げられる。
ポリオール成分の水酸基に対するイソシアネート成分のイソシアヌレート基のモル比(NCO/OH)は特に制限を受けないが、2以上10以下の範囲であることが好ましい。
[第2のビーズ調製工程及び第2の後処理工程]
第2の製造方法における第2のビーズ調製工程は、上記「<第1の製造方法>」の「[第1のビーズ調製工程]」と同様であり、末端イソシアネート基プレポリマーと水とを反応させて、懸濁重合する。この懸濁重合では、末端イソシアネート基プレポリマーと水とが反応することにより尿素結合が形成するため、ポリウレタンを得ることができる。したがって、この懸濁重合によれば、ポリウレタンビーズ懸濁液を得ることができる。
また、第2の製造方法における第2の後処理工程についても上記「<第1の製造方法>」の「[第1の後処理工程]」と同様であり、後処理工程を行って、ポリウレタンビーズを回収することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。実施例及び比較例における、架橋剤(イソシアネート成分)の物性及びポリウレタンビーズの評価は、以下のとおり測定及び評価した。なお、特に明記しない場合は、「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を意味する。
<物性の測定方法>
[粘度]
粘度は、E型粘度計(トキメック社製)を用いて25℃で測定した。測定に際しては、標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下のとおりである。
100rpm (128mPa・s未満の場合)
50rpm (128mPa・s以上256mPa・s未満の場合)
20rpm (256mPa・s以上640mPa・s未満の場合)
10rpm (640mPa・s以上1280mPa・s未満の場合)
5rpm (1280mPa・s以上2560mPa・s未満の場合)
[NCO含有率]
NCO含有率(質量%)は、測定試料中のイソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めた。なお、後述する合成例で作製したポリイソシアネートの不揮発分を調べ、その値が98質量%以上であったものは、そのまま測定した。
<評価方法>
[平均粒子径]
ポリウレタンビーズの体積平均粒子径は、株式会社島津製作所製粒度分布測定機SALD−2100を用いて体積基準の平均粒子径を測定した。
[耐水性]
ポリウレタンビーズの吸水率を測定することにより、耐水性を評価した。吸水率が低いものほど、耐水性が良好と判断し、吸水率が高いものほど、耐水性が好ましくないと判断した。
具体的には、得られたポリウレタンビーズ10gを20℃、24時間、ディスポカップに入った水を100mLの水に浸漬させた。その後、ポリウレタンビーズを20℃、湿度63%下で1時間、放置した。水に浸漬前後の質量を測定し、耐水性を評価した。水浸漬後ポリウレタンビーズ質量/水浸漬前ポリウレタンビーズ質量が、110%以下である場合を◎、125%以下である場合を〇、125%よりも上の場合を×とした。
[生分解性]
JIS K6953−1:2011(ISO 14855−1:2012)(プラスチック−制御されたコンポスト条件下の好気的究極性分解度の求め方−発生二酸化炭素の測定による方法−)に従い、生分解性を評価した。
生分解度50%以下となる日数が30日未満の場合を◎、30日以上50日未満の場合を〇、50日以上の場合を×とした。
<架橋剤(イソシアネート成分)の合成>
[合成例1]T−1(NTI)の合成
4−イソシアネートメチル−1,8−オクタメチレンジアミンを溶剤存在下、ホスゲン化した。次いで、冷却後濾過し、減圧下蒸留することにより、T−1(NTI)を得た。得られたT−1の粘度は5mPa・s/25℃であった。
[合成例2]T−2(LTI)の合成
リジン塩酸塩とエタノールアミンとを溶剤存在下で反応させ、メタノール等を添加した。次いで、再結晶により、リジンβ−アミノエステル三塩酸塩を得た。さらに、溶剤存在下、リジンβ−アミノエステル三塩酸塩をホスゲン化した。次いで、冷却後濾過し、減圧下蒸留することにより、T−2(LTI)を得た。得られたT−2の粘度は25mPa・s/25℃であった。
[合成例3]T−3(GTI)の合成
グルタミン酸塩酸塩とエタノールアミンとを溶剤存在下で反応させ、メタノール等を添加した。次いで、再結晶により、ビス(2−アミノエチル)グルタメート三塩酸塩を得た。さらに、溶剤存在下、ビス(2−アミノエチル)グルタメート三塩酸塩をホスゲン化した。次いで、冷却後濾過し、減圧下蒸留することにより、T−3(GTI)を得た。得られたT−3の粘度は50mPa・s/25℃であった。
[合成例4]ポリイソシアネートP−1の合成
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ヘキサメチレンジアミン(HDI)600g、イソブタノール0.6gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化触媒トリメチル−2−メチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドを加え、イソシアヌレート化反応を行い、NCO含有率が41.8%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液を冷却後、ろ過後、薄膜蒸発缶にフィードし、未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネートP−1を得た。得られたポリイソシアネートP−1のイソシアネート基含有率は22.6質量%、粘度は1,800mPa・s/25℃であった。
[合成例5]ポリイソシアネートP−2の合成
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ポリイソシアネートP−1 600g、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(MPG−081、日本乳化剤(株)製)88gを仕込んだ。次いで、撹拌下反応器内温度を90℃、2時間保持して、ウレタン化反応を行い、ポリイソシアネートP−2を得た。得られたポリイソシアネートP−2のイソシアネート基含有率は19.9重量%、粘度は1,700mPa・s(25℃)であった。
<ポリウレタンビーズの製造>
[実施例1]
攪拌機付きセパラブルフラスコに水800部を仕込み、この中にメトローズ90SH−100(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、信越化学工業株式会社製)32部を溶解して分散媒を調製した。該分散媒を600rpmで攪拌しながら、T−1 33.6部、ポリオールとしてPTMG1000(ポリテトラメチレングリコール、水酸基価112mgKOH/g、三菱化学株式会社製)20部、トルエン20部の混合物を加え、懸濁液を調製した。次いで、攪拌継続下に懸濁液を60℃に昇温し、4時間反応させた後、室温まで冷却して、懸濁液を得た。この懸濁液を固液分離し、水で充分洗浄した後、70℃で20時間乾燥して、ポリウレタンビーズを得た。また、得られたポリウレタンビーズの平均粒子径、耐水性及び生分解性を、上記方法を用いて評価した。得られた結果を表1に示す。
[実施例2〜4、比較例1〜2]
下記表1に示す成分及び割合とした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、ポリウレタンビーズを得た。また、得られたポリウレタンビーズの平均粒子径、耐水性及び生分解性を、上記方法を用いて評価した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2019127497
表1から、架橋剤としてトリイソシアネートを用いたポリウレタンビーズ(実施例1〜4)は、架橋剤としてポリイソシアネートのみを用いたポリウレタンビーズ(比較例1及び2)と比較して、平均粒子径を15μm以下と小さく保ちながら、耐水性及び生分解性が共に良好であった。
また、架橋剤としてT−2(LTI)及びT−3(GTI)を用いたポリウレタンビーズ(実施例2及び3)は、架橋剤としてT−1(NTI)を用いたポリウレタンビーズ(実施例1)、及び、T−2(LTI)とP−2とを組み合わせて用いたポリウレタンビーズポリウレタンビーズ(実施例4)よりも、耐水性及び生分解性がより良好であった。
本実施形態のポリウレタン樹脂組成物は、耐水性及び生分解性が要求される用途に好適である。また、本実施形態のポリウレタンビーズは、平均粒子径が小さいため、膜厚が薄い塗膜やフィルムに、好適に用いられる。

Claims (8)

  1. 生分解性に優れるポリウレタン樹脂組成物。
  2. ISO 14855−1:2012に準拠した生分解度が50%以下となる日数は50日未満である請求項1に記載のポリウレタン樹脂組成物。
  3. 原料として少なくとも1種類の下記一般式(I)で示されるトリイソシアネートを含有する請求項1又は2に記載のポリウレタン樹脂組成物。
    Figure 2019127497
    (一般式(I)中、複数あるYは、それぞれ独立に、単結合、又は、エステル基及びエーテル基からなる群より選択される1種以上を含んでもよい炭素数1以上20以下の2価の炭化水素基である。複数あるYは、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。Rは、水素原子又は炭素数1以上12以下の1価の炭化水素基である。)
  4. 複数ある前記Yのうち少なくとも1つがエステル基を含む請求項3に記載のポリウレタン樹脂組成物。
  5. さらに、ポリオールを含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂組成物。
  6. 前記一般式(I)で示されるトリイソシアネートと前記ポリオールとの反応物を含む請求項5に記載のポリウレタン樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂組成物からなるポリウレタンビーズ。
  8. 懸濁重合法により得られる架橋ポリウレタンビーズである請求項7に記載のポリウレタンビーズ。
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