JP6413192B2 - 架橋ポリウレタンビーズの製造方法 - Google Patents

架橋ポリウレタンビーズの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、架橋ポリウレタンビーズの製造方法に関する。
塗料、プラスチック、接着剤、化粧料等においては、フィラーを含有させることがあり、そのフィラーとして、架橋ポリウレタンビーズを用いることがある。
架橋ポリウレタンビーズを製造する方法としては、イソシアネート及びポリオールを含むビーズ原料を水中で懸濁させ、重合する方法が知られている(特許文献1,2)。
ところで、フィラーとしては、平均粒子径が5μm以下の小粒径粒子が使用されることがある。例えば、薄い塗膜やフィルムに含有させる場合には、塗膜やフィルムの厚さよりも小さい粒子である必要がある。
しかし、特許文献1,2に記載の架橋ポリウレタンビーズの製造方法では、小粒径の架橋ポリウレタンビーズを得ることが困難であった。
そこで、特許文献3では、高剪断分散処理することによりビーズ原料を分散させて小粒径の液滴を形成させた後に、重合する方法が提案されている。
特許第3100977号公報 特許第3151884号公報 特許第3334305号公報
しかし、特許文献3に記載の架橋ポリウレタンビーズの製造方法では、ビーズ原料を高剪断に分散させる処理が必須になるため、簡便ではなかった。また、高剪断で分散処理すると、発熱が生じるため、その時点でビーズ原料が重合することがあるが、意図しない重合が進むために結果的に目的の粒子径に調整が難しくなる。また、得られる液滴の安定性が低いため、重合中に凝集することがあった。
本発明は、高剪断分散処理を適用せずに、平均粒子径を小さくすることができる架橋ポリウレタンビーズの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の架橋ポリウレタンビーズの製造方法は、ビーズ原料を水中に懸濁させ、重合する、架橋ポリウレタンビーズの製造方法であって、前記ビーズ原料が、2個以上のイソシアネート基及び親水基を有する自己乳化型イソシアネート(a)、及び、前記自己乳化型イソシアネート(a)とポリオールとを反応させて得た第1の末端イソシアネート基プレポリマー(b)の少なくとも一方を含み、前記ビーズ原料を水中に懸濁させ、重合して得られる懸濁液を固液分離し、前記懸濁液を固液分離して回収した前記架橋ポリウレタンビーズに、溶剤を添加し、前記溶剤を添加した前記架橋ポリウレタンビーズから、水を共沸除去する。
本発明の架橋ポリウレタンビーズの製造方法においては、前記ビーズ原料が、前記自己乳化型イソシアネート(a)以外の他のイソシアネート(c)、及び、前記イソシアネート(c)とポリオールとを反応させて得た第2の末端イソシアネート基プレポリマー(d)の少なくとも一方を含んでもよい。
本発明の架橋ポリウレタンビーズの製造方法においては、前記ビーズ原料が、ポリオール(e)を含んでもよい。
本発明の架橋ポリウレタンビーズの製造方法によれば、高剪断分散処理を適用せずに、平均粒子径が5μm以下の小粒径の架橋ポリウレタンビーズを製造できる。
<架橋ポリウレタンビーズ>
架橋ポリウレタンビーズは、架橋したポリウレタンの粒子である。該架橋ポリウレタンビーズは、柔軟性が高く、低比重であり、バインダ樹脂との親和性も高い。
架橋ポリウレタンビーズの平均粒子径は、5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましい。製造の簡便さにおいては、架橋ポリウレタンビーズの平均粒子径は、0.01μm以上であることが好ましい。
本発明における「平均粒子径」とは、体積平均粒子径が0.1μm以上になる場合には、レーザー回折式粒度分布計(例えば、島津製作所製SALD2100)を用いて測定した体積基準の平均粒子径(体積平均粒子径)のことである。体積平均粒子径が0.1μm未満になる場合には、平均粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置(例えば、日機装株式会社製粒度分布測定装置 NANO―flex)を用いて測定した体積基準の平均粒子径(体積平均粒子径)のことである。
架橋ポリウレタンビーズの架橋密度は1×10−6モル/g以上であることが好ましく、1×10−5モル/g以上であることがより好ましい。架橋ポリウレタンビーズの架橋密度が前記下限値以上であれば、架橋ポリウレタンビーズの耐熱性及び耐溶剤性が高くなる。
ここで、「架橋密度」とは、架橋ポリウレタンビーズの単位質量当りの3官能以上の成分のモル数である。
<架橋ポリウレタンビーズの製造方法>
本発明の架橋ポリウレタンビーズの製造方法は、ビーズ原料を水中に懸濁させ、重合する方法である。
本発明におけるビーズ原料は、自己乳化型イソシアネート(a)及び第1の末端イソシアネート基プレポリマー(b)の少なくとも一方を含む。
ビーズ原料に含まれる自己乳化型イソシアネート(a)は、2個以上のイソシアネート基及び親水基を有するイソシアネートである。このような自己乳化型イソシアネート(a)は、水中に添加し、攪拌した際に、水中で微粒子として分散することが可能である。
自己乳化型イソシアネート(a)としては、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートの少なくとも一方から形成され、分子内にビュウレット、イソシアヌレート、ウレタン、ウレトジオン、アロファネートよりなる群からなるいずれか1つの構造を有するポリイソシアネートポリマーに親水基(例えば、ヒドロキシ基、オキシアルキレン基、カルボキシ基等)が導入された化合物である。
自己乳化型イソシアネート(a)がヒドロキシ基を有する場合には、自己乳化型イソシアネート(a)同士で重合してポリウレタンを形成する。
自己乳化型イソシアネート(a)の具体例としては、バーノック DNW−5500,DNW−6000(DIC株式会社)、Basonat HW1000,HW180PC,LR9056,LR9080(BASF)、タケネート WD−720,WD−725,WD−730,WB−700,WB−820,WB−920(三井化学株式会社)、デュラネート WB40−100,WB40−80D,WT20−100,WT30−100,WE50−100(旭化成ケミカルズ株式会社)、バイヒジュール 3100,304,305,XP2451/1,XP2487/1、XP2547,XP2655,XP2700,DN,DA−L,401−70(住化バイエルウレタン株式会社)等が挙げられる。
自己乳化型イソシアネート(a)は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第1の末端イソシアネート基プレポリマー(b)は、自己乳化型イソシアネート(a)とポリオールとを反応させて得たプレポリマーである。
第1の末端イソシアネート基プレポリマー(b)の質量平均分子量は500〜10000であることが好ましく、1000〜6000であることがより好ましい。
第1の末端イソシアネート基プレポリマー(b)を得る際のポリオールとしては特に制限なく使用でき、例えば、下記(1)〜(9)のポリオールを使用できる。ポリオールは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(1)多価アルコール:例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ヒドロキシビバリルヒドロキシピバレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリン又はヘキサントリオール等。
(2)ポリエーテルグリコール:ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコール又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコール等。
(3)変性ポリエーテルポリオール:すなわち、上記各種の多価アルコールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル又はアリルグリシジルエーテル等の(環状)エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール。
(4)ポリエステルポリオール:すなわち、上記各種の多価アルコールの1種以上と、多価カルボン酸との共縮合によって得られるポリエステルポリオール。多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサトリカルボン酸又は2,5,7−ナフタレントリカルボン酸等が挙げられる。
(5)ラクトン系ポリエステルポリオール:上記各種の多価アルコールの1種以上と、カプロラクトン、δ−バレロラクトン又は3−メチル−δ−バレロラクトン等のラクトンとの重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール。
(6)ラクトン変性ポリエステルポリオール類:上記各種の多価アルコールと、多価カルボン酸と、上記各種のラクトンとの重縮合反応によって得られるラクトン変性ポリエステルポリオール。
(7)エポキシ変性ポリエステルポリオール:ビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、一価及び/又は多価アルコール類のグリシジルエーテル、一塩基酸及び/又は多塩基酸のグリシジルエステル等のエポキシ化合物を、ポリエステルポオールの合成時に、1種以上併用して得られるエポキシ変性ポリエステルポリオール。
(8)ポリカーボネートポリオール:上記各種の多価アルコールの1種以上と、カーボネート化合物との共縮合によって得られるポリカーボネートポリオール。
(9)その他のポリール:ポリエステルポリアミドポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリペンタジエンポリオール、ひまし油、ひまし油誘導体、水添ひまし油、水添ひまし油誘導体、ヒドロキシ基含有アクリル系共重合体、ヒドロキシ基含有含フッ素化合物又はヒドロキシ基含有シリコン樹脂。
第1の末端イソシアネート基プレポリマー(b)を重合によって得る際、プレポリマー末端をイソシアネート基にするために、イソシアネートインデックスを120以上にすることが好ましく、200以上にすることがより好ましい。
ここで、イソシアネートインデックスは、ポリオール成分のイソシアネート反応性水素原子に対するイソシアネート基の割合の百分率である。
ビーズ原料は、自己乳化型イソシアネート(a)以外の他のイソシアネート(c)を含んでもよい。
他のイソシアネート(c)としては、特に制限なく使用でき、例えば、脂肪族イソシアネート、芳香族イソシアネート等が挙げられる。他のイソシアネート(c)は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
脂肪族イソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアネート−1−1−メチルシクロヘキサン、ジイソシアネートシクロブタン、テトラメチレンジイソシアネート、o−、m−若しくはp−キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ドデカンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族イソシアネートとしては、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4、4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、m−若しくはp−フェニレンジイソシアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、ナフタリン−1、5−ジイソシアネート、ジフェニルー4,4’−ジイソシアネート、3、3’−ジメチルジフェニル−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネートカーボジイミド変性ジフェニルメタジイソシアネート、ポリフェニルポリメチレンイソシアネート又はジフェニルエーテルジイソシアネート等のイソシアネートモノマー類が挙げられる。
さらに、他のイソシアネート(c)としては、イソシアネートモノマー(上記の脂肪族イソシアネート又は芳香族イソシアネート)より形成した変性ポリイソシアネートを用いることもできる。
変性ポリイソシアネートとしては、例えば、過剰のイソシアネートモノマーの1種単独若しくは2種以上を、各種の多価アルコール等のポリヒドロキシ化合物と反応させて得られるポリウレタンポリイソシアネート、イソシアネートモノマーを重合させることによって得られる、イソシアヌレート環を含んだポリイソシアネート、イソシアネートモノマーと水と反応させて得られる、ビュレット結合を含んだポリイソシアネート等が挙げられる。
ビーズ原料は、イソシアネート(c)とポリオールとを反応させて得た第2の末端イソシアネート基プレポリマー(d)を含んでもよい。
第2の末端イソシアネート基プレポリマー(d)の質量平均分子量は400〜10000であることが好ましく、1000〜6000であることがより好ましい。
第2の末端イソシアネート基プレポリマー(d)を得る際のポリオールとしては特に制限なく使用でき、例えば、上記(1)〜(9)のポリオールを使用できる。ポリオールは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第2の末端イソシアネート基プレポリマー(d)を重合によって得る際、プレポリマー末端をイソシアネート基にするために、イソシアネートインデックスを120以上にすることが好ましく、200以上にすることがより好ましい。
前記(a)〜(d)成分の少なくとも1つにおいては、イソシアネート基を平均値で2個より多く有するものを用いてもよい。イソシアネート基が2個であっても、ポリウレタンの架橋は生じるが、イソシアネート基を平均値で2個より多く有するもの(すなわち、イソシアネート基を2個有するものと、イソシアネート基を3個以上有するものとの混合物)を用いれば、ポリウレタンの架橋密度をより高めることができる。
さらに架橋密度を高める場合には、前記(a)〜(d)成分の少なくとも1つが、平均値で3個以上のイソシアネート基を有するものを含むことが好ましい。
前記ビーズ原料は、ポリオール(e)を含んでもよい。
ポリオール(e)としては、上記第1の末端イソシアネート基プレポリマー(b)を得る際に用いたポリオールと同様のものを使用できる。ただし、上記第1の末端イソシアネート基プレポリマー(b)を得る際に用いたポリオールと同一である必要はない。
ポリオール(e)は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ビーズ原料においては、自己乳化型イソシアネートの割合は、ビーズ原料の合計100質量%に対して30〜100質量%であることが好ましく、40〜80質量%であることがより好ましい。
自己乳化型イソシアネートの割合が前記下限値以上であれば、粗粒子の生成を抑制できる。
ポリオール(e)においては、ヒドロキシ基を平均値で2個より多く有するものを用いてもよい。ヒドロキシ基を平均値で2個より多く有するもの(すなわち、ヒドロキシ基を2個有するものと、ヒドロキシ基を3個以上有するものとの混合物)を用いれば、ポリウレタンの架橋密度をより高めることができる。
さらに架橋密度を高める場合には、ポリオール(e)が、平均値で3個以上のヒドロキシ基を有するものを含むことが好ましい。
ビーズ原料を重合する際のイソシアネートインデックスには特に制限はないが、耐溶剤性、耐熱性をより向上させるためには、105以上であることが好ましく、120以上であることがより好ましい。イソシアネートインデックスが前記下限値以上であれば、未反応のポリオールが残りにくく、耐溶剤性、耐熱性をより高くできる。
重合の際には、ウレタン化触媒を添加してもよい。ウレタン化触媒としては、例えば、ジブチル錫ラウレート等の金属系触媒、トリエチルアミン等のアミン系触媒等が挙げられる。
また、ビーズ原料には、染料、顔料などの着色剤を添加してもよい。ただし、ここで用いられる着色剤は、ウレタン化反応を阻害しないものである。ビーズ原料に着色剤を添加すると、着色ビーズを得ることができる。着色ビーズを塗料に添加すると、ビロード調やスェード調など、意匠性が高い塗膜を得ることができる。
また、ビーズ原料の粘度が高く、取り扱いにくくなる場合には、ビーズ原料に希釈溶剤を添加してもよい。希釈溶剤としては、ウレタン化反応を阻害しないものであればよい。
また、得られる架橋ポリウレタンビーズの諸物性を改良するために、ビーズ原料に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、金属粉、シリカなどの無機フィラー、香料等を添加してもよい。
前記の着色剤、希釈溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、金属粉、無機フィラー、香料等は、重合後に添加しても構わない。
重合の際には、懸濁状態を安定化させるために、分散媒である水に懸濁安定剤を添加することが好ましい。懸濁安定剤としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系水溶性樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩類、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド系、第3燐酸塩類等が挙げられる。
懸濁安定剤の添加量は、ビーズ原料100質量部に対して1〜30質量部であることが好ましい。懸濁安定剤の添加量が前記範囲内であれば、懸濁状態を充分に安定化させることができる。
懸濁安定剤には界面活性剤を併用してもよい。懸濁安定剤に併用する界面活性剤は、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤のいずれであってもよい。
重合温度は30〜90℃であることが好ましい。
重合の際には、攪拌機を使用して、水中に懸濁させたビーズ原料を攪拌することが好ましい。
重合によって、架橋ポリウレタンビーズを含む懸濁液を得た後には、例えば、ろ過や遠心分離などによって固液を分離して、架橋ポリウレタンビーズを回収する。
固液分離前には、懸濁安定剤を分解するセルロース分解酵素、ポリビニルアルコール分解酵素などの酵素、次亜塩素酸塩などの試薬等で懸濁液を処理してもよい。前記試薬で処理することにより、懸濁液の粘度を下げて固液分離作業を容易にでき、また、洗浄もしやすくなる。
固液分離した後には、回収された架橋ポリウレタンビーズを洗浄して懸濁安定剤を除去することが好ましい。また、洗浄後には、例えば、加熱乾燥法、気流乾燥法、真空乾燥法、赤外線乾燥法等によって乾燥することが好ましい。
用途に応じて、乾燥したビーズ以外の形態が望ましい場合には、乾燥、場合によっては洗浄工程等を省き、水分散液またはスラリー状で得てもよい。また、重合によって得た懸濁液に溶剤を添加、あるいは懸濁液を固液分離した後に溶剤を添加し、水を共沸除去することによって、溶剤に置換した分散液あるいはスラリー状で得てもよい。
上記のように、本発明の架橋ポリウレタンビーズの製造方法では、自己乳化型イソシアネート(a)、及び、自己乳化型イソシアネート(a)を用いて得た第1の末端イソシアネート基プレポリマー(b)の少なくとも一方を含むビーズ原料を懸濁重合する。自己乳化型イソシアネート(a)及び第1の末端イソシアネート基プレポリマー(b)は、水中に分散しやすいため、水中での液滴の粒子径が小さくなる。そのため、高剪断分散処理を適用しなくても、通常の重合条件で懸濁重合することにより、粒子径が小さい、具体的には平均粒子径が5μm以下の架橋ポリウレタンビーズを得ることができる。
(実施例1)
2L攪拌機付セパラブルフラスコに水800gを仕込み、この中にメトローズ90SH−100(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、信越化学工業株式会社製)18gを溶解して分散媒を調製した。
これとは別に、ポリエステルポリオール(数平均分子量2000、2官能、株式会社
クラレ製クラポール P−2010)90gと、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート(旭化成ケミカル株式会社製デュラネートTKA−100)90gと、自己乳化型イソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製デュラネート
WB40−100、官能基数2〜3)120gと、希釈溶剤としてのトルエン100gとを混合して、ビーズ原料を調製した。
前記分散媒を600rpmで攪拌しながら、前記ビーズ原料を加え、懸濁液を調製した。次いで、攪拌継続下に懸濁液を60℃に昇温し、4時間反応させた後、室温まで冷却して、架橋ポリウレタンビーズを得た。
(実施例2)
ビーズ原料を、ポリエステルポリオール(クラレ製クラポールF−3010)90gと、自己乳化型イソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製デュラネート WB40−100)210gと、トルエン100gと、ウレタン化触媒(ジブチル錫ジラウレート)7.5gとを混合して調製した以外は実施例1と同様にして、架橋ポリウレタンビーズを得た。
(実施例3)
ビーズ原料を、自己乳化型イソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製デュラネート
WB40−100)と、トルエン100gとを混合して調製した以外は実施例1と同様にして、架橋ポリウレタンビーズを得た。
(実施例4)
窒素ガスで充分に置換し、乾燥させた2Lオートクレーブに、ポリプロピレングリコール(数平均分子量1000、ヒドロキシ基価110mg/KOHg、三洋化成工業株式会社PPG−1000)752gと、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HMDI」という。)242gとを仕込んだ。次いで、オートクレーブに窒素ガスを導入して窒素置換した後、密閉し、120℃、20時間攪拌、混合して反応させた。その後、減圧下で未反応のHMDIを除去した後、トルエンを加えて、不揮発分80質量%の第2の末端イソシアネート基プレポリマーを得た。該プレポリマーのイソシアネート含有比率は4.9質量%であった。
前記第2の末端イソシアネート基プレポリマー90gと、自己乳化型イソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製デュラネート WB40−100)210gと、トルエン100gと、ウレタン化触媒(ジブチル錫ジラウレート)9.0gとを混合してビーズ原料を調製した。該ビーズ原料を用いた以外は実施例1と同様にして、架橋ポリウレタンビーズを得た。
(実施例5)
ビーズ原料を、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート90gと、自己乳化型イソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製デュラネート
WB40−100)210gと、トルエン100gとを混合して調製した以外は実施例1と同様にして、架橋ポリウレタンビーズを得た。
(実施例6)
ビーズ原料を、自己乳化型イソシアネート(BASF株式会社製XP−2655、官能基数2〜3)100gと、トルエン100gとを混合して調製した以外は実施例1と同様にして、架橋ポリウレタンビーズを得た。
(実施例7)
ビーズ原料を、自己乳化型イソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製デュラネート
WT30−100、官能基数2〜3)100gと、トルエン100gとを混合して調製した以外は実施例1と同様にして、架橋ポリウレタンビーズを得た。
(実施例8)
ビーズ原料を、自己乳化型イソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製デュラネート
WE50−100、官能基数2〜3)100gと、トルエン100gとを混合して調製した以外は実施例1と同様にして、架橋ポリウレタンビーズを得た。
(実施例9)
窒素ガスで充分に置換し、乾燥させた2Lオートクレーブに、ポリエステルポリオール(クラレ製クラポール P−2010)286.1gと、自己乳化型イソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製デュラネート WB40−100)713.9gとを仕込んだ。次いで、オートクレーブに窒素ガスを導入して窒素置換した後、密閉し、120℃、20時間攪拌、混合して反応させた。その後、トルエンを加えて、不揮発分90質量%の第1の末端イソシアネート基プレポリマーを得た。該プレポリマーのイソシアネート含有比率は9.65質量%であった。
前記第1の末端イソシアネート基プレポリマー100gと、トルエン100gと、ウレタン化触媒(ジブチル錫ジラウレート)9.0gとを混合してビーズ原料を調製した。該ビーズ原料を用いた以外は実施例1と同様にして、架橋ポリウレタンビーズを得た。
(比較例1)
ビーズ原料を、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート300gと、トルエン100gとを混合して調製した以外は実施例1と同様にして、架橋ポリウレタンビーズを得た。
(比較例2)
ビーズ原料を、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート105gと、ポリエステルポリオール(株式会社クラレ製クラポール F−3010)と、ウレタン化触媒(ジブチル錫ジラウレート)9.0gと、トルエン100gとを混合して調製した以外は実施例1と同様にして、架橋ポリウレタンビーズを得た。
Figure 0006413192
Figure 0006413192
<評価>
各例の架橋ポリウレタンビーズの平均粒子径、ガラス転移温度を以下の方法により測定した。測定結果を表1,2に示す。
[平均粒子径]
体積平均粒子径が0.1μm以上となる場合には、株式会社島津製作所製粒度分布測定機SALD−2100を用いて体積基準の平均粒子径を測定した。体積平均粒子径が0.1μm未満となる場合には、日機装株式会社製粒度分布測定機 NANO−flexを用いて体積の平均粒子径を測定した。
[ガラス転移温度]
株式会社リガク製示差走査熱量計DSC8230Lを用いてガラス転移温度を測定した。
各実施例では、高剪断での分散処理をせずに重合のみで、平均粒子径が3μm以下の小さい架橋ポリウレタンビーズを得ることができた。また、これらの例から、使用する原料の選択によって、得られる架橋ポリウレタンビーズのガラス転移温度を幅広く調整できることが分かる。
各比較例では、平均粒子径が3μm以下の小さい架橋ポリウレタンビーズを得ることができなかった。
本発明における架橋ポリウレタンビーズは、小粒径であり、膜厚が薄い塗膜やフィルムに含有させるのに適している。架橋ポリウレタンビーズの機能としては、例えば、アンチブロッキング、応力緩和、光拡散、靭性付与、透明性付与等が挙げられるから、これらの機能が要求される用途に好適に利用できる。

Claims (3)

  1. ビーズ原料を水中に懸濁させ、重合する、架橋ポリウレタンビーズの製造方法であって、
    前記ビーズ原料が、2個以上のイソシアネート基及び親水基を有する自己乳化型イソシアネート(a)、及び、前記自己乳化型イソシアネート(a)とポリオールとを反応させて得た第1の末端イソシアネート基プレポリマー(b)の少なくとも一方を含み、
    前記ビーズ原料を水中に懸濁させ、重合して得られる懸濁液を固液分離し、
    前記懸濁液を固液分離して回収した前記架橋ポリウレタンビーズに、溶剤を添加し、
    前記溶剤を添加した前記架橋ポリウレタンビーズから、水を共沸除去する、架橋ポリウレタンビーズの製造方法。
  2. 前記ビーズ原料が、前記自己乳化型イソシアネート(a)以外の他のイソシアネート(c)、及び、前記イソシアネート(c)とポリオールとを反応させて得た第2の末端イソシアネート基プレポリマー(d)の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の架橋ポリウレタンビーズの製造方法。
  3. 前記ビーズ原料が、ポリオール(e)を含む、請求項1又は2に記載の架橋ポリウレタンビーズの製造方法。
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