JP2019123803A - 角質汚れ洗浄剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】角質汚れに対する洗浄力の高い洗浄剤の提供。【解決手段】M23Aサブファミリープロテアーゼを有効成分とする、角質汚れ洗浄剤。【選択図】なし

Description

本発明は、角質汚れ洗浄剤及びそれを用いた洗浄方法に関する。
皮膚においては、基底層にて分裂した細胞は、外層への移行と共に分化し、最外層にて脱核化した後、重層化することにより角質層を形成する。皮膚の角質層は、皮膚の重要な機能の一つであるバリアとして機能している。この角質層のターンオーバーはヒトでは約28日であり、役割を終えた角質層又はその成分は垢となる。
衣類に付着する汚れの中で、ワイシャツ等の襟や袖口などに生じる黒〜茶色の着色を呈する汚れは、「襟袖汚れ」、「黒ずみ汚れ」などと称され、非常に落としにくい汚れである。これらの汚れは、皮膚表層の角質細胞又はその成分が衣類に付着することにより生じる。襟袖汚れのうち特に落としにくい汚れは、角質層由来のケラチンタンパクであると考えられている(非特許文献1)。
このような、いわゆる襟袖汚れをターゲットとした洗浄剤又は洗浄方法が従来開発されている。特許文献1には、特定の非イオン界面活性剤とスルホン酸化合物とポリエチレングリコールとを特定比率で配合した洗浄剤組成物が開示されている。特許文献2には、被洗浄物を、キレート剤及び水を含む液と接触させた後、界面活性剤、水及び酵素を含む液と接触させる方法が開示されている。特許文献3には、特定のノニオン性界面活性剤、金属イオン捕捉剤、プロテアーゼ、アルカノールアミン、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、及びハイドロトロープ剤を含有する洗浄剤組成物が開示されている。
近年、プロテアーゼなどのタンパク質分解に優れた酵素を含む洗浄剤が提供されている(例えば特許文献3〜5)。プロテアーゼは、襟袖汚れの洗浄にも有用と考えられる(特許文献3〜4)。しかし、従来の洗浄剤で襟袖汚れを効果的に落とすためには、洗浄剤を、通常のように水で希釈せず、直接汚れに塗布したり、さらにもみ洗いしたりすることが必要である。襟袖汚れに対する洗浄力のより高い洗浄剤の開発が望まれる。また近年、生活者の衛生意識の高まりに伴い、衣類のにおいや菌の除去に対する関心も高まってきている。衣類には皮膚常在菌や環境中に存在する様々な菌が付着し繁殖していることが知られており、皮膚常在菌としては黄色ブドウ球菌やマイクロコッカス属菌などのグラム陽性菌が知られている(特許文献5〜6)。これまでに黄色ブドウ球菌への殺菌効果のある酵素Lysostaphin(リソスタフィン)を用いることで洗濯物からの悪臭を削減できることが報告されている(特許文献5)。
特開平11−279600号公報 特開2003−41479号公報 特開2005−132898号公報 特開2015−120849号公報 特表2004−527603号公報 特開2017−095610号公報
M.Murata et.al,J.Jpn.Oil Chem.Soc.(YUKAGAKU),Vol.42,No.1(1993),p2−9
本発明は、角質汚れに対する洗浄力の高い洗浄剤、及びそれを用いた角質汚れの洗浄方法に関する。
本発明者は、M23Aサブファミリープロテアーゼが、角質汚れを分解する能力が高いことを見出した。
したがって、本発明は、M23Aサブファミリープロテアーゼを有効成分とする、角質汚れ洗浄剤を提供する。
また本発明は、該角質汚れ洗浄剤を用いる、角質汚れの洗浄方法を提供する。
本発明により提供される酵素M23Aサブファミリープロテアーゼは、角質汚れ(例えば襟袖汚れ)を分解する能力に優れている。当該酵素を洗浄剤に配合することによって、角質汚れに対する洗浄力の高い洗浄剤を得ることができる。
黄色ブドウ球菌に対する酵素の殺菌力。エラーバー=標準偏差(n=3) 襟袖汚れに対する酵素の洗浄力。エラーバー=標準偏差(n=3)。 BLPとアルカリプロテアーゼとの併用による襟袖汚れに対する洗浄力の増強。エラーバー=標準偏差(n=4)。
本明細書において、ヌクレオチド配列又はアミノ酸配列に関する「少なくとも80%の同一性」とは、80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、さらにより好ましくは97%以上、なお好ましくは98%以上、さらになお好ましくは99%以上の同一性をいう。
本明細書において、ヌクレオチド配列又はアミノ酸配列間の同一性は、リップマン−パーソン法(Lipman−Pearson法;Science,1985,227:1435−41)によって計算することができる。具体的には、遺伝情報処理ソフトウェアGenetyx−Win(Ver.5.1.1;ソフトウェア開発)のホモロジー解析(Search homology)プログラムを用いて、Unit size to compare(ktup)を2として解析を行なうことにより算出できる。
本明細書において、アミノ酸配列およびヌクレオチド配列上の「相当する位置」は、目的配列と参照配列(例えば、配列番号2で示されるアミノ酸配列)とを、各アミノ酸配列またはヌクレオチド配列中に存在する保存アミノ酸残基またはヌクレオチドに最大の相同性を与えるように整列(アラインメント)させることにより決定することができる。アラインメントは、公知のアルゴリズムを用いて実行することができ、その手順は当業者に公知である。例えば、アラインメントは、Clustal Wマルチプルアラインメントプログラム(Thompson, J. D. et al, 1994, Nucleic Acids Res., 22:4673-4680)をデフォルト設定で用いることにより行うことができる。あるいは、Clustal Wの改訂版であるClustal W2やClustal omegaを使用することもできる。Clustal W、Clustal W2およびClustal omegaは、例えば、欧州バイオインフォマティクス研究所(European Bioinformatics Institute: EBI [www.ebi.ac.uk/index.html])や、国立遺伝学研究所が運営する日本DNAデータバンク(DDBJ [www.ddbj.nig.ac.jp/Welcome-j.html])のウェブサイト上で利用することができる。
上述のアラインメントにより参照配列の任意の位置に対応する位置にアラインされた目的配列のアミノ酸残基又はヌクレオチドの位置は、当該任意の位置に「相当する位置」とみなされる。目的配列上の該「相当する位置」のアミノ酸残基が参照配列とで同じであるとき、それは参照配列のアミノ酸残基に「相当するアミノ酸残基」とみなされる。例えば、目的配列上で、配列番号2のアミノ酸配列のH22に相当する位置のアミノ酸残基がHであれば、それは、配列番号2のアミノ酸配列のH22に相当するアミノ酸残基である。
本明細書において、目的遺伝子と制御領域とを「作動可能に連結する」とは、制御領域による遺伝子発現を制御する機能が目的遺伝子に作用するように、DNA上で制御領域と目的遺伝子とを配置することをいう。目的遺伝子と制御領域を作動可能に連結する方法としては、当該制御領域の下流に当該目的遺伝子を連結する方法が挙げられる。
本明細書において、「角質汚れ」とは皮膚表層の角質細胞またはその成分が衣類又は布製品に付着することにより生ずる該衣類又は布製品の汚れをいう。また本明細書において、「襟袖汚れ」とは、「角質汚れ」の1種であり、衣類の襟又は袖口と皮膚との接触及び擦れに起因してその襟又は袖口に生じる黒〜茶色の着色を呈する汚れであり、「黒ずみ汚れ」又は「襟袖口汚れ」とも称される。本明細書における「角質汚れ」は、衣類の襟又は袖口においてよく見られ、したがって多くの場合「襟袖汚れ」である。しかし、本明細書における「角質汚れ」は、衣類の襟や袖口の汚れに限定されて解釈されるべきではない。
角質汚れの主な原因物質は、皮膚の角質(すなわちタンパク質)であり、そのため従来、プロテアーゼを含む洗浄剤が角質汚れの洗浄のために使用されてきた。角質層の主成分がケラチンおよびロリクリンであることが知られている。さらに襟袖汚れの成分に、タンパク質ロリクリン及びケラチン10が含まれることが示唆されている(繊維製品消費科学 19(3),106−115,1978、Nature Reviews Molecular Cell Biology 6,328−340,2005)。したがって、本明細書における「角質汚れ」は、「皮膚又は角質層由来のロリクリン及びケラチン10を含む汚れ」と言い換えることができる。また本明細書における「襟袖汚れ」は、「衣類の襟又は袖口における、皮膚又は角質層由来のロリクリン及びケラチン10を含む汚れ」と言い換えることができる。
M23Aサブファミリープロテアーゼとは、MEROPSデータベース[http://merops.sanger.ac.uk]に記載されるタンパク質分解酵素ファミリーにおいて、M23ファミリーに属するメタロプロテアーゼのサブファミリーである、M23Aサブファミリーに属するプロテアーゼをいう。MEROPSデータベースでは、酵素を以下の論文に記載の方法に基づいてファミリーまたはサブファミリーにまで分類している:Nucleic Acids Res,1999,27:325−331、J Struct Biol,2001,134:95−102、Nucleic Acids Res,2016,44:D343−D350。MEROPSデータベースのリリース11.0においては、M23Aサブファミリーには、β−リティックメタロプロテアーゼ(beta-lytic metallopeptidase;BLP)(MEROPS ID:M23.001)、Staphylolysinとも呼ばれるLasAタンパク質(Las A protein;LAS)(MEROPS ID:M23.002)、及びMername-AA291 peptidaseとも呼ばれるアエロモナス・ハイドロフィラプロテイナーゼ(Aeromonas hydrophila proteinase;AhP)(MEROPS ID:M23.003)の3つのプロテアーゼがHolotypeとして存在している。
好ましくは、本明細書におけるM23Aサブファミリープロテアーゼとは、β−リティックメタロプロテアーゼ(BLP)、LasAタンパク質(LasA又はLAS)、及びアエロモナス・ハイドロフィラプロテイナーゼ(AhP)からなる群より選択される少なくとも1種をいう。本発明において、BLP、LAS及びAhPは、いずれか1種が使用されてもよく、いずれか2種又は3種の組み合わせで使用されてもよい。好ましくは、本発明において使用されるM23AサブファミリープロテアーゼはBLPを含み、より好ましくはBLPである。
β−リティックメタロプロテアーゼ(BLP)、LasAタンパク質(LasA又はLAS)、アエロモナス・ハイドロフィラプロテイナーゼ(AhP)は、ペプチド配列中のグリシン−グリシン結合の分解活性を有する酵素である。BLPの好ましい例としては、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドが挙げられる。BLPの別の例としては、配列番号2で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列であって、好ましくは配列番号2で示されるアミノ酸配列のH22、D36、H121及びH123に相当するアミノ酸残基を有するアミノ酸配列からなり、かつペプチド配列中のグリシン−グリシン結合分解活性を有するポリペプチドが挙げられる。LASの好ましい例としては、配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドが挙げられる。LASの別の例としては、配列番号4で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列であって、好ましくは配列番号4で示されるアミノ酸配列のH23、D36、H120及びH122に相当するアミノ酸残基を有するアミノ酸配列からなり、かつペプチド配列中のグリシン−グリシン結合分解活性を有するポリペプチドが挙げられる。AhPの好ましい例としては、配列番号6で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドが挙げられる。AhPの別の例としては、配列番号6で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列であって、好ましくは配列番号6で示されるアミノ酸配列のH21、D34、H118及びH120に相当するアミノ酸残基を有するアミノ酸配列からなり、かつペプチド配列中のグリシン−グリシン結合分解活性を有するポリペプチドが挙げられる。
上記に挙げたM23Aサブファミリープロテアーゼは、それを生産する微生物又はその培養物から抽出又は調製することができる。例えば、BLPは、Lysobacter sp. (NBRC 12725又はNBRC 12726)、Achromobacter lyticus M497-1、Lysobacter sp. IB-9374、Lysobacter gummosus DSMZ 6980等、又はその培養物から抽出又は調製することができ、LASは、Pseudomonas aeruginosa PA01、Pseudomonas aeruginosa ATCC 10145、Pseudomonas aeruginosa FRD1等、又はその培養物から抽出又は調製することができ、AhPは、Aeromonas hydrophila subsp. hydrophila ATCC 7966、Aeromonas hydrophila (Chester) Stanier (ATCC 51307)等、又はその培養物から抽出又は調製することができる。上記微生物は公的微生物保存機関より購入することができる。当該M23Aサブファミリープロテアーゼを生産する微生物は、資化しうる炭素源、窒素源、金属塩、ビタミン等を含む培地を用いて適当な条件下で培養すればよい。かくして得られた微生物又は培養液から、一般的な方法によって酵素の採取、調製を行い、さらに凍結乾燥、噴霧乾燥、結晶化等により必要な酵素形態を得ることができる。例えば、培養物からの酵素の回収及び調製は、遠心分離又はろ過による微生物の分離、上清又はろ液中の酵素の、硫酸アンモニウム等の塩を加えることによる沈殿又はエタノール等の有機溶媒を加えることによる沈殿、限外ろ過膜等を用いた濃縮や脱塩、イオン交換又はゲルろ過等の各種クロマトグラフィーを用いた精製、などの通常の方法を用いて行うことができる。
あるいは、当該M23Aサブファミリープロテアーゼは、上述したアミノ酸配列を利用して、化学合成又は生物学的手法により製造することができる。例えば、アミノ酸配列に基づき化学合成したM23Aサブファミリープロテアーゼ遺伝子を発現するように形質転換した微生物を培養し、微生物又は培養物から目的の酵素を調製することで、M23Aサブファミリープロテアーゼを得ることができる。そのような形質転換微生物としては、例えば、制御領域と作動可能に連結されたM23Aサブファミリープロテアーゼ遺伝子を、宿主細胞のゲノム中若しくはプラスミド中に導入して得られた微生物、適切な位置に目的遺伝子が組み込まれた発現ベクターを導入した微生物、などが挙げられる。
本明細書において、遺伝子の「制御領域」とは、該領域の下流の遺伝子の細胞内における発現を制御する機能を有し、好ましくは、下流遺伝子を構成的に発現又は高発現させる機能を有する領域である。具体的には、当該遺伝子におけるコーディング領域の上流に存在し、RNAポリメラーゼが相互作用して当該遺伝子の転写を制御する機能を有する領域と定義され得る。好ましくは、本明細書における遺伝子の制御領域とは、当該遺伝子におけるコーディング領域の上流200〜600ヌクレオチド程度の領域をいう。制御領域は、遺伝子の転写開始制御領域及び/又は翻訳開始制御領域、あるいは転写開始制御領域から翻訳開始制御領域に至るまでの領域を含む。転写開始制御領域はプロモーター及び転写開始点を含む領域であり、翻訳開始制御領域は開始コドンと共にリボソーム結合部位を形成するShine−Dalgarno(SD)配列に相当する部位である(Shine,J.,Dalgarno,L.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,1974,71:1342−1346)。
M23Aサブファミリープロテアーゼ遺伝子を含む発現ベクターは、該遺伝子を安定に保持でき、宿主微生物内で複製維持が可能であり、かつ該M23Aサブファミリープロテアーゼを安定に発現させることができるベクターに、M23Aサブファミリープロテアーゼ遺伝子を組込むことで作製することができる。かかるベクターとしては、大腸菌を宿主とする場合、pUC18、pBR322、pHY300PLK等が挙げられ、枯草菌を宿主にする場合、pUB110、pHSP64(Sumitomoら、Biosci.Biotechnol.Biocem.,1995,59:2172−2175)あるいはpHY300PLK(タカラ バイオ)等が挙げられる。
宿主微生物の形質転換は、プロトプラスト法、コンピテントセル法、エレクトロポレーション法等を用いて行うことができる。宿主微生物としては、特に制限されないが、Bacillus属(例えば枯草菌)等のグラム陽性菌、大腸菌等のグラム陰性菌、Streptomyces属、Saccharomyces属(酵母)、Aspergillus属(カビ)等の真菌などが挙げられる。好ましい宿主は、該宿主に導入するM23Aサブファミリープロテアーゼ遺伝子の由来菌と同種もしくは同属の微生物、大腸菌、またはバチルス属細菌であり、より好ましくはバチルス属細菌である。さらに、導入したM23Aサブファミリープロテアーゼ以外のプロテアーゼの生産が少ないバチルス属細菌が好ましい。好ましくは、枯草菌のaprE、nprB、nprE、vpr、mpr、epr及びwprAから選ばれる1以上の遺伝子を欠失又は不活性化させた枯草菌株、より好ましくは、aprX、aprE、nprB、nprE、vpr、mpr、epr及びwprAの8個の遺伝子を欠失した8重欠失株が挙げられる。
得られた形質転換体は、資化しうる炭素源、窒素源、金属塩、ビタミン等を含む培地を用いて適当な条件下で培養すればよい。かくして得られた微生物又は培養物から、一般的な方法によって酵素の採取、調製を行い、さらに凍結乾燥、噴霧乾燥、結晶化等により必要な酵素形態を得ることができる。例えば、培養物からの酵素の回収及び調製は、遠心分離又はろ過による組換え微生物の分離、上清又はろ液中の酵素の、硫酸アンモニウム等の塩を加えることによる沈殿又はエタノール等の有機溶媒を加えることによる沈殿、限外ろ過膜等を用いた濃縮や脱塩、イオン交換又はゲルろ過等の各種クロマトグラフィーを用いた精製、などの通常の方法を用いて行うことができる。
あるいは、当該M23Aサブファミリープロテアーゼは、それを含む酵素組成物等から調製することができる。例えば、BLPは、アクロモペプチダーゼから調製することができる。アクロモペプチダーゼは、Lysobacter enzymogenes由来の溶菌酵素であり、BLPを含有する。アクロモペプチダーゼは、和光純薬工業(株)等から市販されている。
一態様において、本発明は、角質汚れ洗浄剤を提供する。本発明の角質汚れ洗浄剤は、M23Aサブファミリープロテアーゼを有効成分として含有する。別の一態様において、本発明は、角質汚れ洗浄剤の製造におけるM23Aサブファミリープロテアーゼの使用を提供する。また別の一態様において、本発明は、角質汚れ洗浄のためのM23Aサブファミリープロテアーゼの使用を提供する。本発明において、当該角質汚れは好ましくは襟袖汚れである。一実施形態において、当該洗浄は漬け置き洗浄であり、本発明の洗浄剤は漬け置き洗浄用の洗浄剤である。しかしながら、本発明による洗浄の種類及び本発明の洗浄剤の形態は、これらに限定されない。
本発明において、M23Aサブファミリープロテアーゼは、角質汚れの洗浄のための有効成分として使用される。好ましい実施形態において、本発明で用いられるM23Aサブファミリープロテアーゼは、BLP、LAS及びAhPからなる群より選択される少なくとも1種である。より好ましい実施形態において、本発明で用いられるM23Aサブファミリープロテアーゼは、BLPである。
本発明においては、角質汚れの洗浄のための有効成分として、M23Aサブファミリープロテアーゼを含有する酵素組成物を使用することができる。好ましくは、当該酵素組成物は、BLP、LAS及びAhPからなる群より選択される少なくとも1種を含有する。より好ましくは、当該酵素組成物は、BLPを含有する。当該酵素組成物の好ましい例としては、アクロモペプチダーゼが挙げられる。
一実施形態において、当該本発明の角質汚れ洗浄剤は、上記M23Aサブファミリープロテアーゼ又はそれを含有する酵素組成物から本質的に構成され得る。好ましい実施形態において、当該本発明の角質汚れ洗浄剤は、上記M23Aサブファミリープロテアーゼ又はそれを含有する酵素組成物を含む組成物である。言い換えると、本発明で有効成分として用いられるM23Aサブファミリープロテアーゼ又はそれを含有する酵素組成物は、それを含む組成物の形態で使用され得る。
後述の実施例1に示すとおり、M23Aサブファミリープロテアーゼは、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)等のグラム陽性菌に対する殺菌性を有する。したがって、本発明において、M23Aサブファミリープロテアーゼ又はそれを含有する組成物は、角質汚れ洗浄だけでなく、グラム陽性菌の殺菌のための成分として使用され得る。したがって、一実施形態において、本発明の角質汚れ洗浄剤は、グラム陽性菌への殺菌性を有する。
該M23Aサブファミリープロテアーゼ又はそれを含有する酵素組成物を含む組成物の例としては、洗剤組成物が挙げられ、好ましくは洗濯用洗剤組成物が挙げられる。該洗剤組成物は、粉末等の固形組成物であっても液体組成物であってもよいが、好ましくは液体洗剤組成物である。より好ましくは、該洗剤組成物は、洗濯用液体洗剤組成物である。
本発明の洗剤組成物におけるM23Aサブファミリープロテアーゼの含有量は、該プロテアーゼが活性を示す量であれば特に制限されないが、洗剤組成物1kg当たり0.001〜80000mgが好ましく、0.01〜10000mgがより好ましく、0.1〜3000mgがさらに好ましい。
本発明の洗剤組成物は、M23Aサブファミリープロテアーゼに加えて、界面活性剤及び水を含有する。界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び陽イオン性界面活性剤等の任意の界面活性剤を1種で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の洗剤組成物における当該界面活性剤の含有量は、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%である。
非イオン性界面活性剤としては、一般的に液体洗剤に配合されているC8〜C22の炭化水素基を有し、C2オキシアルキレン基が数モル以上付加された非イオン性界面活性剤であればよいが、例えば、以下が挙げられる:
1O−(AO)m−H(R1=C8−C22炭化水素、AO=C2−C5オキシアルキレン基、m=16〜35)〔特開2010−275468号公報〕;
1O−(EO)l−(AO)m−(EO)n−H(R1=C8−C18炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、l=3〜30、m=1〜5、l+n=14〜50)〔特開2010−265445号公報、特開2011−63784号公報〕;
1O−(EO)m/(AO)n−H(R1=C8−C22炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、m=10〜30、n=0〜5、EO及びAOはランダム又はブロック結合)〔特開2010−189551号公報〕;
1(CO)lO−(EO)m/(AO)n−R2(R1=C8−C22炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、l=0〜1、m=14〜50、n=1〜5、R2=水素(l=0)又はC1−C3アルキル基、EO及びAOはランダム又はブロック結合)〔特開2010−229385号公報〕;
1O−(EO)m−(AO)n−H(R1=C8−C22炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、m=15〜30、n=1〜5)〔特開2010−229387号公報〕;
1O−(AO)m/(Gly)n−H及び/又はR2−COO−(AO)p/(Gly)q−H(R1=C8−C22炭化水素基、R2=C7−C21炭化水素基、AO=C2−C3オキシアルキレン基、Gly=グリセロール基、m=0〜5、n=2〜10、p=0〜5、q=2〜10、AO及びGlyはランダム又はブロック結合)〔特開2010−254881号公報〕;
1−COO−(PO)m/(EO)n−R2(R1=C7−C21炭化水素基,COO=カルボニルオキシ基、R2=C1−C3アルキル基、PO=オキシプロピレン基、EO=オキシエチレン基、m=0.3〜5、n=8〜25、PO及びEOはランダム又はブロック結合)〔特開2010−265333号公報〕;
1O−(EO)l−(PO)m−(EO)n−H(R1=C8−C20炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、PO=オキシプロピレン基、l>=1、n>=1、0<m<l+n、EO及びPOはブロック結合)〔WO98/24865〕;
1O−(EO)m−(PO)n−H(R1=C10−C16のアルキル基又はアルケニル基、EO=エチレンオキシド基、PO=プロピレンオキシド基、m=5〜15、n=1〜3)〔特開平8−157867号公報〕;
1(CO)−(EO)m−OR2(R1=C11−C13直鎖又は分岐状アルキル基又はアルケニル基、R2=C1−C3アルキル基、EO=エチレンオキシド基、m=10〜20)〔特開2008−7706号公報、特開2009−7451号公報、特開2009−155594号公報、特開2009−155606号公報〕;
1(CO)−(AO)m−OR2(R1=C9−C13直鎖又は分岐状アルキル基又はアルケニル基、AO=C2−C4オキシアルキレン基、R2=C1−C3アルキル基、m=5〜30)〔特開2009−144002号公報、特開2009−173858号公報、特開2010−189612号公報〕;
1c−O−(A’O)m−H(R1cは炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、A’Oは、炭素数2のアルキレンオキシ基及び炭素数3のアルキレンオキシ基から選ばれるアルキレンオキシ基、mは、A’Oの平均付加モル数であり、3以上50以下の数)〔特開2017−071664号公報〕;ならびに、
脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸アルカノールグルカミド、アルキルポリグルコシド等。
陰イオン界面活性剤としては、例えばカルボキシレート型陰イオン界面活性剤、スルホン酸型又は硫酸エステル型陰イオン界面活性剤、非石鹸系アニオン界面活性剤、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸又はその塩、ポリオキシベンゼンスルホン酸又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、内部オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、脂肪酸石鹸、リン酸エステル塩系界面活性剤、アシルアラニネート、アシルタウレート、アルキルエーテルカルボン酸、アルコール硫酸エステル等が挙げられる。
陽イオン界面活性剤としては、例えば長鎖アルキル基を有する第4級アンモニウム塩、長鎖アルキル基を1つ有する3級アミン、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等が挙げられる。好ましくは炭素数8〜22の長鎖アルキル基を1つ有する第4級アンモニウム型界面活性剤、炭素数8〜22の長鎖アルキル基を1つ有する3級アミンが挙げられる。
両性イオン活性剤としては、例えばアルキル酢酸ベタイン、アルカノールアミドプロピル酢酸ベタイン、アルキルイミダゾリン、アルキルアラニン等、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型又はリン酸型の両性界面活性剤等が挙げられる。好ましくは炭素数10〜18のアルキル基を有するスルホベタイン又はカルボベタインを挙げることができる。
本発明の洗剤組成物は、さらに、洗剤組成物に通常使用される成分、例えば、キレート剤、水溶性ポリマー、水混和性有機溶剤、アルカリ剤、有機酸又はその塩、M23Aサブファミリープロテアーゼ以外の他の酵素、酵素安定化剤、蛍光剤、再汚染防止剤、分散剤、色移り防止剤、仕上げ剤、過酸化水素等の漂白剤、酸化防止剤、可溶化剤、pH調製剤、緩衝剤、防腐剤、香料、塩、アルコール、糖類、などを含み得る。
キレート剤としては、例えば、ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエンコル酸等のアミノポリ酢酸又はこれらの塩、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸等の有機酸及びこれらの塩、ならびにアミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、及びこれらのアルカリ金属又は低級アミン塩、などが挙げられる。本発明の洗剤組成物におけるキレート剤の例としては、上記に挙げたとおりである。本発明の洗剤組成物における当該キレート剤の含有量は、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.1〜4質量%である。
水溶性ポリマーとしては、例えば、(i)炭素数2〜5のエポキシド由来の重合単位を含んで構成されるポリエーテル鎖部分と(ii)アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸から選ばれる一種以上の不飽和カルボン酸単量体由来の重合単位を含んで構成されるポリマー鎖部分とを有し、(i)又は(ii)のいずれかが幹鎖となり、他方が枝鎖となったグラフト構造を有する高分子化合物(特開2010−275468号公報、特開平10−060496号公報);アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位と、オキシアルキレン単位及び/又はポリオキシアルキレン単位を有する水溶性ポリマー(特開2009−155606号公報)、などが挙げられる。本発明の洗剤組成物における当該水溶性ポリマーの含有量は、好ましくは0.2〜10質量%、より好ましくは0.4〜5質量%である。
水混和性有機溶剤としては、例えば、アルカノール類のアルキレングリコール類やグリセリン、ポリアルキレングリコール類、(ポリ)アルキレングリコール(モノ又はジ)アルキルエーテル類、アルキルグリセリルエーテル類、(ポリ)アルキレングリコールの芳香族エーテル類が挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、又はヘキシレングリコールなどの炭素数2〜6のアルキレングリコール類やグリセリン、又はポリエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル等が好ましい。本発明の洗剤組成物における当該水混和性有機溶剤の含有量は、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは1〜35質量%である。
アルカリ剤としては、例えば、C2−C4のアルカノールを1〜3個有するアルカノールアミンとして、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシアルキレンアミン、ジメチルアミノプロピルアミン等が挙げられる。モノエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましい。本発明の洗剤組成物における当該アルカリ剤の含有量は、好ましくは0〜20質量%、より好ましくは0〜10質量%である。
有機酸又はその塩としては、例えば、飽和脂肪酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、又はそれらの塩等の多価カルボン酸類;クエン酸、リンゴ酸、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、安息香酸又はそれらの塩等のヒドロキシカルボン酸類、などが挙げられ、なかでもクエン酸又はその塩が好ましい。本発明の洗剤組成物における当該有機酸又はその塩の含有量は、好ましくは0〜5質量%、より好ましくは0〜3質量%である。
再汚染防止剤及び分散剤としては、例えばポリアクリル酸、ポリマレイン酸、カルボキシメチルセルロース、重量平均分子量5000以上のポリエチレングリコール、無水マレイン酸−ジイソブチレン共重合体、無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、及び特開昭59−62614号公報の請求項1〜21(1頁3欄5行〜3頁4欄14行)記載のポリマーなどの再汚染防止剤及び分散剤を挙げることができるが、配合に適さない場合は除外してもよい。
色移り防止剤としては、例えばポリビニルピロリドンが挙げられ、含有量は0.01〜10質量%が好ましい。
漂白剤としては、例えば過酸化水素、過炭酸塩、過硼酸塩などの漂白剤を、当該洗剤組成物中1〜10質量%含有させることが好ましい。漂白剤を使用するときは、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)や特開平6−316700号公報記載などの漂白活性化剤(アクチベーター)を、当該洗剤組成物中0.01〜10質量%含有させることができる。
蛍光剤としては、例えばビフェニル型蛍光剤(チノパールCBS−Xなど)やスチルベン型蛍光剤(DM型蛍光染料など)が挙げられる。本発明の洗剤組成物における当該蛍光剤の含有量は0.001〜2質量が好ましい。
M23Aサブファミリープロテアーゼ以外の他の酵素としては、例えば、他のプロテアーゼ、セルラーゼ、β−グルカナーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、アミラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、キシログルカナーゼ、キシラナーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ペクチンリアーゼ、マンナナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、セロビオヒドロラーゼ、及びトランスグルタミナーゼ等の加水分解酵素、ならびにそれらの2種以上の混合物が挙げられる。このうち、他のプロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、及びリパーゼ、又はそれらの2種以上の組み合わせが好ましい。
アミラーゼとしては、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ等が挙げられる。他のプロテアーゼとしては、従来から洗剤用として用いられているプロテアーゼが挙げられる(例えば、特開2012-45000号公報に記載のもの)。当該他のプロテアーゼとしては、洗浄時のpH付近に至適pHのあるプロテアーゼが好ましい。例えば本発明の組成物がアルカリ性の洗剤の場合、当該他のプロテアーゼとしては、中性よりもアルカリ側に至適pHが存在するプロテアーゼ(すなわちアルカリプロテアーゼ)が好ましい。アルカリプロテアーゼの例としては、Bacillus sp.に由来するズブチリシンプロテアーゼが好ましく、中でも、Bacillus halodurans、Bacillus clausiiなどに由来するズブチリシンプロテアーゼ、市販のアルカリプロテアーゼなどを挙げることができる。市販のアルカリプロテアーゼとしては、ノボザイムズジャパン社から入手できるアルカラーゼ、サビナーゼ、エバラーゼ、エスペラーゼ、カンナーゼ、オボザイム、及びジェネンコア・インターナショナル社から入手できるプラフェクト、プロペラーゼなどが挙げられる。また、特開2013−233141号公報に記載されたプロテアーゼ(KSM−KP43;配列番号26)、又は特許第4348047号公報に記載のプロテアーゼ(K−16;配列番号27)も好適に使用できる。
当該アルカリプロテアーゼの好ましい例としては、KSM−KP43(配列番号26)及びK−16(配列番号27)が挙げられる。さらに、KSM−KP43の変異体であるアルカリプロテアーゼ、配列番号26で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼ、K−16の変異体であるアルカリプロテアーゼ、及び配列番号27で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼもまた、本発明で用いられる好ましいアルカリプロテアーゼの例として挙げられる。本発明の組成物においては、これらのアルカリプロテアーゼのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを使用することができる。
本発明の組成物において、当該アルカリプロテアーゼに対するM23Aサブファミリープロテアーゼの質量比は、好ましくは1/20以上、より好ましくは1/3〜20、さらに好ましくは1〜5、よりさらに好ましくは2〜3である。
酵素安定化剤としては、例えばホウ素化合物、カルシウムイオン源(カルシウムイオン供給化合物)、ヒドロキシ化合物、蟻酸などが挙げられ、酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムなどが挙げられ、可溶化剤としては、パラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、メタキシレンスルホン酸、安息香酸塩(防腐剤としての効果もある)などが挙げられる。さらに、本発明の洗剤組成物は、オクタン、デカン、ドデカン、トリデカンなどのパラフィン類、デセン、ドデセンなどのオレフィン類、塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタンなどのハロゲン化アルキル類、D−リモネンなどのテルペン類などの水非混和性有機溶剤、色素、香料、抗菌防腐剤、シリコーン等の消泡剤などを含有していてもよい。
あるいは、既存の洗剤組成物にM23Aサブファミリープロテアーゼを配合することによって、本発明の洗剤組成物を製造することができる。M23Aサブファミリープロテアーゼを配合することができる洗剤組成物の好ましい例としては、特開2010−265333号公報、特開2014−141662号公報、特開2009−191128号公報、特開2012−224652号公報、特表2013−503950号公報、特表平11−512768号公報の実施例に記載の液体洗剤組成物が挙げられる。例えば、特開2014−141662号公報の実施例4に記載される液体洗剤組成物〔界面活性剤を30%(陰イオン界面活性剤を20%、非イオン界面活性剤10%)、クエン酸 3%、水酸基を有する有機溶剤(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)を18%、組成物のpHを8.0にするのに必要なアルカリ剤(モノエタノールアミン)、イオン交換水、及び香料等を配合した組成物〕にM23Aサブファミリープロテアーゼを配合することにより、本発明の洗剤組成物を調製することができる。
本発明の洗剤組成物は、限定するものではないが、好ましくは衣類、又は布製品(シーツ、毛布、枕カバー、ソファーカバー、タオル等)の洗浄用のものである。より好ましくは、本発明の洗剤組成物は、衣料用の洗濯洗剤組成物である。好ましくは、本発明の洗剤組成物は、襟や袖口を有するか、又は首回りに接する衣類(例えば、シャツ、ワイシャツ、セーター、ジャケット、コート、スカーフ、マフラーなど)の洗浄に使用される。好ましくは、本発明の洗剤組成物は、角質汚れ洗浄用の洗濯洗剤組成物、好ましくは襟袖汚れ洗浄用の洗濯洗剤組成物である。
さらなる一態様において、本発明は、M23Aサブファミリープロテアーゼを用いた角質汚れの洗浄方法を提供する。当該方法においては、M23Aサブファミリープロテアーゼとして、それを含有する酵素組成物を用いてもよい。一実施形態において、当該本発明の方法は、上述した本発明の角質汚れ洗浄剤を用いる角質汚れの洗浄方法であり得る。好ましくは、当該本発明による角質汚れの洗浄方法は、角質汚れの除去を必要とする被洗浄物と、M23Aサブファミリープロテアーゼ(又は本発明の角質汚れ洗浄剤)とを接触させることを含む。好ましくは、当該本発明の方法において、当該角質汚れは襟袖汚れである。
本発明の方法において、角質汚れの除去を必要とする被洗浄物(例えば角質汚れを有する衣類又は布製品)とM23Aサブファミリープロテアーゼ又は本発明の角質汚れ洗浄剤とを接触させるには、該M23Aサブファミリープロテアーゼ、本発明の角質汚れ洗浄剤、又はこれらを含有する洗剤組成物を溶かした水に、該被洗浄物を漬け置きしてもよく、また該M23Aサブファミリープロテアーゼ、本発明の角質汚れ洗浄剤、又はこれらを含有する洗剤組成物を、該被洗浄物の角質汚れの部位に直接塗布してもよい。本発明の方法においては、該漬け置き又は洗剤組成物の塗布後の被洗浄物をさらに手洗い、洗濯機などで洗ってもよいが、必ずしもその必要はない。
本発明はまた、例示的実施形態として以下の物質、製造方法、用途、方法等を包含する。但し、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
〔1〕M23Aサブファミリープロテアーゼを有効成分とする、角質汚れ洗浄剤。
〔2〕好ましくは、前記角質汚れが襟袖汚れである、〔1〕記載の洗浄剤。
〔3〕好ましくは、前記M23Aサブファミリープロテアーゼを含有する酵素組成物を有効成分とする、〔1〕又は〔2〕記載の洗浄剤。
〔4〕好ましくは、前記M23Aサブファミリープロテアーゼがβ−リティックメタロプロテアーゼ、LasAタンパク質、及びアエロモナス・ハイドロフィラプロテイナーゼからなる群より選択される少なくとも1種である、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載の洗浄剤。
〔5〕好ましくは、前記β−リティックメタロプロテアーゼが、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、及び配列番号2で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつペプチド配列中のグリシン−グリシン結合分解活性を有するポリペプチドからなる群より選択される少なくとも1種である、〔4〕記載の洗浄剤。
〔6〕好ましくは、前記LasAタンパク質が、配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、及び配列番号4で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつペプチド配列中のグリシン−グリシン結合分解活性を有するポリペプチドからなる群より選択される少なくとも1種である、〔4〕又は〔5〕記載の洗浄剤。
〔7〕好ましくは、前記アエロモナス・ハイドロフィラプロテイナーゼが、配列番号6で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、及び配列番号6で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつペプチド配列中のグリシン−グリシン結合分解活性を有するポリペプチドからなる群より選択される少なくとも1種である、〔4〕〜〔6〕のいずれか1項記載の洗浄剤。
〔8〕好ましくは、前記酵素組成物がアクロモペプチダーゼである、〔3〕記載の洗浄剤。
〔9〕好ましくは、前記酵素組成物がさらに、前記M23Aサブファミリープロテアーゼ以外のプロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、及びリパーゼからなる群より選択される少なくとも1種を含有する、〔3〕〜〔8〕のいずれか1項記載の洗浄剤。
〔10〕好ましくは、前記M23Aサブファミリープロテアーゼ以外のプロテアーゼがアルカリプロテアーゼである、〔9〕記載の洗浄剤。
〔11〕前記アルカリプロテアーゼが、
好ましくはバチルス属細菌由来のアルカリプロテアーゼであり、
より好ましくは、配列番号26で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼ、及び配列番号27で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼ、からなる群より選択される少なくとも1種である、
〔10〕記載の洗浄剤。
〔12〕前記アルカリプロテアーゼに対する前記M23Aサブファミリープロテアーゼの質量比が、好ましくは1/20以上、より好ましくは1/3〜20、さらに好ましくは1〜5、よりさらに好ましくは2〜3である、〔10〕又は〔11〕記載の洗浄剤。
〔13〕好ましくは漬け置き洗浄用の洗浄剤である、〔1〕〜〔12〕のいずれか1項記載の洗浄剤。
〔14〕好ましくはグラム陽性菌への殺菌性を有する、〔1〕〜〔13〕のいずれか1項記載の洗浄剤。
〔15〕〔1〕〜〔14〕のいずれか1項記載の洗浄剤を用いた、角質汚れ洗浄方法。
〔16〕好ましくは襟袖汚れ洗浄方法である、〔15〕記載の洗浄方法。
〔17〕好ましくは、前記洗浄剤に被洗浄物を漬け置きすることを含む、〔15〕又は〔16〕記載の洗浄方法。
〔18〕好ましくは、角質汚れ洗浄及びグラム陽性菌殺菌のための方法である、〔15〕〜〔17〕のいずれか1項記載の方法。
〔19〕角質汚れ洗浄剤の製造のためのM23Aサブファミリープロテアーゼ又はそれを含有する組成物の使用。
〔20〕角質汚れ洗浄のための、M23Aサブファミリープロテアーゼ又はそれを含有する組成物の使用。
〔21〕好ましくは前記角質汚れが襟袖汚れである、〔19〕又は〔20〕記載の使用。
〔22〕好ましくは、前記M23Aサブファミリープロテアーゼがβ−リティックメタロプロテアーゼ、LasAタンパク質、及びアエロモナス・ハイドロフィラプロテイナーゼからなる群より選択される少なくとも1種である、〔19〕〜〔21〕のいずれか1項記載の使用。
〔23〕好ましくは、前記β−リティックメタロプロテアーゼが、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、及び配列番号2で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつペプチド配列中のグリシン−グリシン結合分解活性を有するポリペプチドからなる群より選択される少なくとも1種である、〔22〕記載の使用。
〔24〕好ましくは、前記配列番号2で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつペプチド配列中のグリシン−グリシン結合分解活性を有するポリペプチドが、配列番号2で示されるアミノ酸配列のH22、D36、H121及びH123に相当するアミノ酸残基を有する、〔23〕記載の使用。
〔25〕好ましくは、前記LasAタンパク質が、配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、及び配列番号4で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつペプチド配列中のグリシン−グリシン結合分解活性を有するポリペプチドからなる群より選択される少なくとも1種である、〔22〕〜〔24〕のいずれか1項記載の使用。
〔26〕好ましくは、前記配列番号4で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつペプチド配列中のグリシン−グリシン結合分解活性を有するポリペプチドが、配列番号4で示されるアミノ酸配列のH23、D36、H120及びH122に相当するアミノ酸残基を有する、〔25〕記載の使用。
〔27〕好ましくは、前記アエロモナス・ハイドロフィラプロテイナーゼが、配列番号6で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、及び配列番号6で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつペプチド配列中のグリシン−グリシン結合分解活性を有するポリペプチドからなる群より選択される少なくとも1種である、〔22〕〜〔26〕のいずれか1項記載の使用。
〔28〕好ましくは、前記配列番号6で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつペプチド配列中のグリシン−グリシン結合分解活性を有するポリペプチドが、配列番号6で示されるアミノ酸配列のH21、D34、H118及びH120に相当するアミノ酸残基を有する、〔27〕記載の使用。
〔29〕好ましくは、前記組成物がアクロモペプチダーゼである、〔19〕〜〔21〕のいずれか1項記載の使用。
〔30〕好ましくは、前記組成物がさらに、前記M23Aサブファミリープロテアーゼ以外のプロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、及びリパーゼからなる群より選択される少なくとも1種を含有する、〔19〕〜〔29〕のいずれか1項記載の使用。
〔31〕好ましくは、前記M23Aサブファミリープロテアーゼ以外のプロテアーゼがアルカリプロテアーゼである、〔30〕記載の使用。
〔32〕前記アルカリプロテアーゼが、
好ましくはバチルス属細菌由来のアルカリプロテアーゼであり、
より好ましくは、配列番号26で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼ、及び配列番号27で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼ、からなる群より選択される少なくとも1種である、
〔31〕記載の使用。
〔33〕前記アルカリプロテアーゼに対する前記M23Aサブファミリープロテアーゼの質量比が、好ましくは1/20以上、より好ましくは1/3〜20、さらに好ましくは1〜5、よりさらに好ましくは2〜3である、〔31〕又は〔32〕記載の使用。
〔34〕好ましくは、前記角質汚れ洗浄剤が漬け置き洗浄用の洗浄剤である、〔19〕、〔21〕〜〔33〕のいずれか1項記載の使用。
〔35〕好ましくは、前記角質汚れ洗浄剤がグラム陽性菌への殺菌性を有する、〔19〕、〔21〕〜〔34〕のいずれか1項記載の使用。
〔36〕好ましくは、漬け置き洗浄による角質汚れ洗浄のための使用である、〔20〕〜〔33〕のいずれか1項記載の使用。
〔37〕好ましくは、角質汚れ洗浄及びグラム陽性菌殺菌のための使用である、〔20〕〜〔33〕、〔36〕のいずれか1項記載の使用。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例で使用したプライマーの一覧を表1に示す
Figure 2019123803
参考例1 プロテアーゼの調製
(1)BLPを含む培養上清の調製
(1−1)発現ベクターの作製
BLP遺伝子(配列番号1)をプラスミドpUC57に挿入したもの(BLP/pUC57)をGenScript社の人工遺伝子合成サービスを利用して作製した。BLP/pUC57を鋳型としてプライマーペアBLP_S237signal_F/BLP_S237signal_R(配列番号9及び10)及びPrimeSTAR Max Premix(タカラバイオ)を使用してPCR反応を行った。WO2006/068148 A1の実施例7に記載のプラスミドpHY−S237を鋳型とし、プライマーペアvector−F/vector−sig−R(配列番号11及び12)を使用して、同様にPCR反応を行った。それぞれのPCR産物をDpnI(New England Biolabs)にてDpnI処理を行った。続いてIn−Fusion,HD Cloning kit(Clontech)のプロトコルに従ってIn−Fusion反応を行った。
In−Fusion反応液を用いてECOSTMCompetent E.coli DH5 α(ニッポンジーン、310−06236)を形質転換した。形質転換処理した細胞をアンピシリンを含有するLBプレートに塗抹し、37℃で一晩培養した。プレート上に形成したコロニーをアンピシリンを含むLB培地に植菌して、一晩培養した後、菌体を回収してHigh Pure Plasmid Isolation Kit(Roche)を使用してプラスミド(BLP/pHY)を抽出した。抽出したBLP/pHYを鋳型としてプライマーペアΔS237N_fw/ΔS237N_rv(配列番号13及び14)を用いてPCR反応を行った。このPCR産物をE.coli HST08 Premium Competent Cells(タカラバイオ)に形質転換した。形質転換処理した細胞をアンピシリンを含有するLBプレートに塗抹し、37℃で一晩培養した。プレート上に形成したコロニーをアンピシリンを含むLB培地に植菌して、一晩培養した後、菌体を回収してHigh Pure Plasmid Isolation Kit(Roche)を使用してプラスミド(BLP2/pHY)を抽出した。
(1−2)酵素産生形質転換株の作製
1mLのLB培地に枯草菌168株(Bacillus subtilis Marburg No.168株:Nature,390,1997,p.249)を植菌し、30℃、200rpmで一晩振盪培養した。1mLの新たなLB培地にこの培養液を10μL植菌して37℃、200rpmで3時間培養した。この培養液を遠心分離してペレットを回収した。ペレットに4mg/mLのリゾチーム(SIGMA)を含むSMMP[0.5Mシュークロース、20mMマレイン酸二ナトリウム、20mM塩化マグネシウム6水塩、35%(w/v)Antibiotic Medium 3(Difco)]を500μL添加し、37℃で1時間インキュベートした。次に遠心分離によりペレットを回収し、400μLのSMMPに懸濁した。懸濁液13μL、(1−1)で得たプラスミドBLP2/pHY溶液(10mM Tris−HCl pH8.5、34.2ng/μL)2μL、SMMP20μLを混合し、さらに100μLの40%PEGを加え攪拌し、さらにSMMPを350μL加えた後、30℃で1時間振盪した。この液200μLをテトラサイクリン(15μg/mL、SIGMA)を含むDM3再生寒天培地[0.8%寒天(和光純薬)、0.5%コハク酸2ナトリウム6水塩、0.5%カザミノ酸テクニカル(Difco)、0.5%酵母エキス、0.35%リン酸1カリウム、0.15%リン酸2カリウム、0.5%グルコース、0.4%塩化マグネシウム6水塩、0.01%牛血清アルブミン(SIGMA)、0.5%カルボキメチルセルロース、0.005%トリパンブルー(Merck)及びアミノ酸混液(トリプトファン、リジン、メチオニン各10μg/mL);%は(w/v)%]に塗抹して30℃で3日間インキュベートし、形成したコロニーを取得した。
(1−3)形質転換株培養による酵素製造
LB培地に終濃度15ppmとなるようにテトラサイクリンを添加した。この培地5mLに(1−2)で得た枯草菌形質転換体コロニーを植菌した後、30℃、250rpmで一晩培養した。翌日この培養液400μLを2×L−マルトース培地(2%トリプトン、1%酵母エキス、1%NaCl、7.5%マルトース、7.5ppm硫酸マンガン五水和物、15ppmテトラサイクリン、6ppm硫酸亜鉛七水和物;%は(w/v)%)20mLに植菌し、32℃、230rpmで2日間培養した後、菌体から産生された酵素を含む培養上清を遠心分離により回収した。
(2)LasAを含む培養上清の調製
LasA遺伝子(配列番号3)をプラスミドpUC57に挿入したもの(LasA/pUC57)をGenScript社の人工遺伝子合成サービスを利用して作製した。LasA/pUC57を鋳型とし、プライマーペアLasA_F/LasA_CR(配列番号15及び16)を使用して、PrimeSTAR Max Premix(タカラバイオ)のプロトコルに従いPCR反応を行った。WO2006/068148 A1の実施例7に記載のプラスミドpHY−S237を鋳型とし、プライマーペアpHY_just_F/pHY_just_R_NEW(配列番号17及び18)を使用して、同様にPCR反応を行った。それぞれのPCR産物をDpnI(New England Biolabs)にてDpnI処理を行った。続いてIn−Fusion,HD Cloning kit(Clontech)のプロトコルに従ってIn−Fusion反応を行うことでプラスミド(LasA/pHY)溶液を得た。
得られたプラスミド(LasA/pHY)溶液を用いて、上記(1−2)と同様の手順で枯草菌prsA遺伝子発現強化株(特開2007−49986号公報の実施例1において作製されたprsA−Kc株)の形質転換を行い、枯草菌形質転換体コロニーを取得した。2×L液体培地に終濃度15ppmとなるようにテトラサイクリンを添加した。この培地5mLに枯草菌形質転換体コロニーを植菌した後、30℃、250rpmで一晩培養した。培養液からペレットを回収し、ペレットからプラスミドLasA/pHYを抽出した。抽出したプラスミドLasA/pHYを鋳型として、プライマーペアLasA_Chis_n_F/LasA_Chis_n_R(配列番号19及び20)、ならびにKOD−Plus−Mutagenesis Kit(TOYOBO)を使用して、PCR反応、Dpn Iによるプラスミドの消化、及びライゲーションを行い、プラスミド(LasA2/pHY)を得た。
得られたプラスミド(LasA2/pHY)を使用して、上記(1−2)と同様の方法で形質転換を行った。このとき宿主として枯草菌prsA遺伝子発現強化株(特開2007−49986号公報の実施例1において作製されたprsA−Kc株)を使用した。次いで、得られた形質転換株を(1−3)と同様の手順で培養し、菌体から産生された酵素を含む培養上清を回収した。
(3)AhPを含む培養上清の調製
AhP遺伝子(配列番号5)をプラスミドpUC57に挿入したもの(AhP/pUC57)をGenScript社の人工遺伝子合成サービスを利用して作製した。AhP/pUC57を鋳型とし、プライマーペア2F/2R_bacillus−Chis(配列番号21及び22)を使用して、PrimeSTAR Max Premix(タカラバイオ)のプロトコルに従いPCR反応を行った。WO2006/068148 A1の実施例7に記載のプラスミドpHY−S237を鋳型とし、プライマーペアvector−F/vector−R(配列番号11及び23)を使用して、同様にPCR反応を行った。それぞれのPCR産物をDpnI(New England Biolabs)にてDpnI処理を行った。続いてIn−Fusion,HD Cloning kit(Clontech)のプロトコルに従ってIn−Fusion反応を行うことでプラスミド(AhP/pHY)溶液を得た。
得られたプラスミド(AhP/pHY)を使用して、上記(1−2)と同様の方法で形質転換を行った。このとき宿主として枯草菌168株を使用した。次いで、得られた形質転換株を(1−3)と同様の手順で培養し、菌体から産生された酵素を含む培養上清を回収した。
(4)ALE−1を含む培養上清の調製
M23BサブファミリープロテアーゼであるALE-1 glycylglycine endopeptidase(ALE−1)(MEROPS ID:M23.012;配列番号8)を調製した。ALE1遺伝子(配列番号7)をプラスミドpUC57に挿入したもの(ALE1/pUC57)をGenScript社の人工遺伝子合成サービスを利用して作製した。ALE1/pUC57を鋳型とし、プライマーペアpHY−like6−just−F/pHY−like6−just−CHisR(配列番号24及び25)及びPrimeSTAR Max Premix(タカラバイオ)を使用してPCR反応を行った。WO2006/068148 A1の実施例7に記載のプラスミドpHY−S237を鋳型とし、プライマーペアpHY_just_F/pHY_just_R_NEW(配列番号17及び18)を使用して、同様にPCR反応を行った。それぞれのPCR産物をDpnI(New England Biolabs)にてDpnI処理を行った。続いてIn−Fusion,HD Cloning kit(Clontech)のプロトコルに従ってIn−Fusion反応を行うことでプラスミド(ALE1/pHY)溶液を得た。
得られたプラスミド(ALE1/pHY)を使用して、上記(1−2)と同様の方法で枯草菌168株の形質転換を行い、枯草菌形質転換体コロニーを取得した。2×L液体培地に終濃度15ppmとなるようにテトラサイクリンを添加した。この培地5mLに枯草菌形質転換体コロニーを植菌した後、30℃、250rpmで一晩培養した。培養液からペレットを回収し、ペレットからプラスミドALE1/pHYを抽出した。抽出したプラスミド(ALE1/pHY)を使用して、上記(1−2)と同様の方法で形質転換を行った。このとき宿主として枯草菌Dpr9株(特開2006−174707号公報の実施例1〜5において作製されたKao9株)を使用した。得られた形質転換株を(1−3)と同様の手順で培養し、菌体から産生された酵素を含む培養上清を回収した。
(5)培養上清からのプロテアーゼの調製
(1)〜(4)で得た培養上清から目的のプロテアーゼを調製した。培養上清をアミコンウルトラ 分画分子量10K(メルクミリポア)を用いてBufferAでバッファー交換した。バッファー交換後の液から、AKTA explorer 10S(GEヘルスケア)を用いて酵素を調製した。まず該バッファー交換で得られた液をカラム1に通し、次いでBufferBを使用してカラム1の吸着成分を溶出させた。溶出分画のうちFRET−GGGGG(参考例2)の分解活性が認められる分画液を回収した。続いて、回収した分画液を、20mM Tris−HCl(pH7.5)、200mM NaClの溶液で平衡化したカラム2を用いてSize Exclusion Chromatographyにかけ、FRET−GGGGGの分解活性が認められる分画液を回収した。回収した分画液をアミコンウルトラ 分画分子量10Kを用いて20mM Tris−HCl(pH7.5)溶液でバッファー交換し、目的のプロテアーゼを含む酵素溶液を得た。各培養上清に使用したBufferA、BufferB、カラム1、及びカラム2は、表2のとおりとした。
Figure 2019123803
参考例2 酵素活性の測定
基質として、蛍光基Nmaと消光基Lys(Dnp)の間がペンタグリシンであるFRET基質[以下FRET−GGGGG](ピーエイチジャパンにて受注生産)を用いた。ここでNmaとは2−(N−メチルアミノ)ベンゾイル(Nma)を指す。またLys(Dnp)とは2,4−ジニトロフェニル(Dnp)をリシン(Lys)の側鎖に有するものを指す。96穴のアッセイプレート(AGCテクノグラス、3881−096)に参考例1(5)で得た酵素溶液(酵素、20mM Tris−HCl(pH7.5))を190μL添加し、さらにFRET−GGGGG溶液(1mM FRET−GGGGG、100mM Tris−HCl(pH7.5))を10μL添加して反応液を調製した。infinite M200(TECAN)を用いて温度30℃、励起波長340nm、測定波長440nmにて反応液の蛍光強度を経時で測定した。同じ反応条件で、酵素溶液の代わりに20mM Tris−HCl pH7.5液、FRET−GGGGGの代わりにジメチルスルホキシドで溶かしたFRETS−25−STD1(ペプチド研究所、3720−v)を用いた反応液の蛍光強度を測定し、検量線を作成した。1ユニット(U)の活性は、1分間あたりに、1nmolのFRETS−25−STD1による蛍光強度に相当する蛍光強度の変化を示すのに必要な酵素量とした。
参考例3 酵素溶液の濃度測定
酵素溶液の濃度測定にはDCプロテインアッセイキット(Bio−Rad)を用いた。タンパク質量算出のための標準液にはBSA Standard Solution(WAKO)を用いた。
実施例1 黄色ブドウ球菌に対する酵素殺菌力の評価
(酵素)
酵素には、アルカリプロテアーゼとしてKP43プロテアーゼ変異体(以下、KP43プロテアーゼ変異体、又はKP43ともいう)、及びサビナーゼ(SIGMA、P3111)を、M23Aサブファミリープロテアーゼとして参考例1で調製したBLP、LasA、及びAhPを、ならびにM23Bサブファミリープロテアーゼとして参考例1で調整したALE−1、及びLysostaphin(Wako、#120−04313)を使用した。KP43プロテアーゼ変異体は、特開2013−233141号公報に配列番号250として記載されるアルカリプロテアーゼを、該公報に記載の製造方法を参考に調製して使用した。
(殺菌力評価)
Staphylococcus aureus(ATCC 6538)を1mLのSCD液体培地(日本製薬、393−00185)に植菌し、37℃で一晩振とう培養した。菌体を回収し、20mM Tris−HCl(pH7.5)でWashした後、20mM Tris−HCl(pH7.5)でOD600=0.5(10cfu/mL)に調製した。試験液(20mM Tris−HCl(pH7.5)+1μg/mL各酵素)495μLに対して菌液を5μL添加し、30℃で30分間静置した。静置後の液をLP希釈液(日本製薬、397−00281)で段階希釈し、SCD寒天培地(日本製薬、396−00175)に100μL塗布した。37℃で一晩培養した後のコロニー数を数えた。生菌数は以下の式から算出した。
生菌数(cfu/mL)=希釈倍数*コロニー数*10
殺菌力の評価の結果を図1に示す。KP43プロテアーゼ変異体、サビナーゼでは黄色ブドウ球菌に対する殺菌性は認められなかった。一方、BLP、LasA、AhP、ALE−1及びLysostaphinでは黄色ブドウ球菌に対する殺菌性が認められた。
実施例2 角質汚れに対する酵素洗浄力の評価
(襟袖汚れの作製)
ワイシャツの襟の領域に布(組成:ポリエステル65%、綿35%)を縫い合わせたものを準備した。このシャツを成人男性に3日間にわたって日中に着用させた。その後、襟に縫い合わせた布を回収し、1辺が6mmの正方形となるように裁断して、襟袖汚れを有するサンプル布として用いた。
(洗浄力評価)
洗浄液の組成:酵素、20mM Tris−HCl(pH7.5)、硬度10°DH(カルシウム/マグネシウム=4/1(モル比))、0.1(w/v)%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(エマール(登録商標)20C、花王(株)製、有効分換算)。酵素としては、実施例1で黄色ブドウ球菌への殺菌性が確認された酵素であるBLP、LasA、AhP、ALE−1、及びLysostaphin(Wako、120−04313)を使用した。各酵素は最終濃度が150U/Lになるように添加した。対照として、同じ組成で酵素無添加の洗浄液を用いた。
スキャナーGT−X970(EPSON)を用いてサンプル布の画像を取り込んだ。その後、該サンプル布を500μLの洗浄液に浸漬して30℃で5時間静置した。静置後のサンプル布を硬度10°DH水ですすいだ後に乾燥させ、再度スキャナーGT−X970を用いて画像を取り込んだ。取り込んだ画像から、画像解析ソフトImageJを用いて、洗浄前後のサンプル布のMean Gray Valueを測定した。汚れが付着する前の原布の画像を同様に取得し、Mean Gray Valueを測定した。得られたMean Gray Valueを以下の式に代入することで洗浄率を算出した。
洗浄率(%)=(G2−G1)/(G0−G1)*100
G0:サンプル布の原布のMean Gray Value
G1:洗浄前のサンプル布のMean Gray Value
G2:洗浄後のサンプル布のMean Gray Value
洗浄率の測定結果を図2に示す。M23AサブファミリープロテアーゼであるBLP、LasA、及びAhPは、襟袖汚れに対する洗浄力を有していた。一方でM23BサブファミリープロテアーゼであるALE−1及びLysostaphinでは、襟袖汚れに対する洗浄力は検出されなかった。
実施例3 BLPとアルカリプロテアーゼとの併用による洗浄力の増強
BLPとアルカリプロテアーゼとの併用での襟袖汚れ洗浄力を調べた。
(BLPの調製)
下記方法にて、アクロモペプチダーゼ由来β−lytic protease(A−BLP)を調製した。アクロモペプチダーゼ(和光純薬工業、014−09661)を10mMクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解し、これを同じ緩衝液で平衡化した陽イオン交換カラムTOYOPEARL GigaCap CM−650M(東ソー)に流し、濃度0から500mMのNaCl勾配で溶出させた。溶出液のうちFRET−GGGGGの分解活性が見られる分画液を回収した。得られた分画液を、20mM Tris−HCl(pH7.5)、及び200mM NaClで平衡化したカラムTSKgel G4000SWXL(東ソー)を用いたSize Exclusion Chromatographyにかけ、FRET−GGGGGの分解活性が見られる分画液を回収した。回収した分画液をアミコンウルトラ 分画分子量10Kを用いて20mM Tris−HCl(pH7.5)溶液でバッファー交換してA−BLP溶液を調製した。
終濃度が25mMとなるようにジチオトレイトール(Thermo Fisher Scientific)を2×Laemmli Sample Buffer(Bio−Rad、#161−0737)と混合し、等量の上記のA−BLP溶液とを混合した。得られた混合液を、100℃で5分間加熱し、次いでAny kDTMミニプロティアン(登録商標)TGXTMプレキャストゲル(Bio−Rad)を用いてSDS−PAGEを行った。マーカーにはプレシジョン Plus プロテインTM2色スタンダード(Bio−Rad、#161−0374)を使用した。SDS−PAGE後のゲルを、トランスブロットTurboTMシステム(Bio−Rad)とトランスブロットTurboTMミニ PVDF転写パック(Bio−Rad、#170−4156)を使用してPVDF膜へ転写した。Bio−Safe CBB G−250ステイン(Bio−Rad、#161−0786)で膜を染色し、50%メタノール液で脱色して得られるバンドの領域を切り出した。切り出したメンブレンのN末端アミノ酸配列の解析を、株式会社リバネスのN末端アミノ酸配列解析サービスへ依頼した。解析の結果、N末端アミノ酸配列はSPNGLLQFPFであることが判明した。この配列は、beta−lytic metallopeptidase[UniProt Knowledgebase_P00801]に公開されているBLPのmature領域と一致した。
(アルカリプロテアーゼ)
アルカリプロテアーゼとしては、特開2013−233141号公報に配列番号250として記載されるアルカリプロテアーゼ(KP43プロテアーゼ変異体、又はKP43)を、該公報に記載の製造方法を参考に調製し、使用した。
(洗浄力評価)
洗浄液の組成:酵素1μg/mL、20mM Tris−HCl(pH7.5)、硬度10°DH(カルシウム/マグネシウム=4/1(モル比))、0.1(w/v)%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(エマール(登録商標)20C、花王(株)製、有効分換算)。酵素としては、上記A−BLP、KP43プロテアーゼ変異体、又はそれらの混合物を用いた(KP43:A−BLP(質量比)=10:0、7.5:2.5、2.5:7.5、0:10)。酵素を併用する場合には酵素濃度の合計が1μg/mLとなるように調整した。
実施例2と同様の手順で、洗浄液による襟袖汚れの洗浄率を測定した。結果を図3に示す。アルカリプロテアーゼ又はBLP単独よりも、アルカリプロテアーゼとBLPを併用した場合により高い襟袖汚れ洗浄力が得られた。さらにアルカリプロテアーゼに対するBLPの混合比が1/3(KP43:A−BLP=7.5:2.5)から3(KP43:A−BLP=2.5:7.5)まで上昇するに従って、洗浄力はより向上した。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらが、本発明を、説明した特定の実施形態に限定することを意図するものではないことを理解すべきである。本発明の範囲内にある様々な他の変更及び修正は当業者には明白である。本明細書に引用されている文献及び特許出願は、あたかもそれが本明細書に完全に記載されているかのように参考として援用される。

Claims (14)

  1. M23Aサブファミリープロテアーゼを有効成分とする、角質汚れ洗浄剤。
  2. 前記角質汚れが襟袖汚れである、請求項1記載の洗浄剤。
  3. 前記M23Aサブファミリープロテアーゼを含有する酵素組成物を有効成分とする、請求項1又は2記載の洗浄剤。
  4. 前記M23Aサブファミリープロテアーゼがβ−リティックメタロプロテアーゼ、LasAタンパク質、及びアエロモナス・ハイドロフィラプロテイナーゼからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項記載の洗浄剤。
  5. 前記酵素組成物がアクロモペプチダーゼである、請求項3記載の洗浄剤。
  6. 前記酵素組成物がさらに、前記M23Aサブファミリープロテアーゼ以外のプロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、及びリパーゼからなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項3〜5のいずれか1項記載の洗浄剤。
  7. 前記M23Aサブファミリープロテアーゼ以外のプロテアーゼがアルカリプロテアーゼである、請求項6記載の洗浄剤。
  8. 前記アルカリプロテアーゼがバチルス属細菌由来のアルカリプロテアーゼである、請求項7記載の洗浄剤。
  9. 前記アルカリプロテアーゼが配列番号26で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼ、及び配列番号27で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼ、からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項8記載の洗浄剤。
  10. 前記アルカリプロテアーゼに対する前記M23Aサブファミリープロテアーゼの質量比が1/20以上である、請求項7〜9のいずれか1項記載の洗浄剤。
  11. 漬け置き洗浄用の洗浄剤である、請求項1〜10のいずれか1項記載の洗浄剤。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項記載の洗浄剤を用いた、角質汚れ洗浄方法。
  13. 襟袖汚れ洗浄方法である、請求項12記載の洗浄方法。
  14. 前記洗浄剤に被洗浄物を漬け置きすることを含む、請求項12又は13記載の洗浄方法。
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