JP5666816B2 - 変異アルカリセルラーゼ - Google Patents
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Description
しかしながら、セルラーゼは、共存するプロテアーゼによって分解され易い等の問題もあり、更なる改良が必要とされていた。
そのため、例えば衣料用洗剤には、従来、様々な再汚染防止剤が配合されてきた。再汚染防止剤としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース等のセルロース系化合物、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のノニオン性高分子、アミノ酸ポリマー等が使用されているが、更に高い効果を有する再汚染防止剤の開発が望まれていた。
[1] 配列番号2で示されるアミノ酸配列又はこれと90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリセルラーゼにおいて、配列番号2で示されるアミノ酸配列の58位に相当する位置のグルタミン残基が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列からなる変異アルカリセルラーゼ。
[2] グルタミン残基から他のアミノ酸残基への置換が、グルタミン残基からアルギニン又はグルタミン酸への置換である請求項1記載の変異アルカリセルラーゼ。
[3] 上記[1]及び[2]の変異アルカリセルラーゼをコードする遺伝子。
[4] 上記[3]の遺伝子を含有する組換えベクター。
[5] 上記[4]の組換えベクターを含む形質転換体。
[6] 微生物である、上記[5]の形質転換体。
[7] 上記[1] 及び[2]の変異アルカリセルラーゼを含有する洗浄剤組成物。
[8] 上記[3]の遺伝子から変異アルカリセルラーゼを発現させることを含む変異アルカリセルラーゼの製造方法。
[9] 配列番号2で示されるアミノ酸配列又はこれと90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリセルラーゼにおいて、配列番号2で示されるアミノ酸配列の58位に相当する位置のグルタミン残基を、アルギニン又はグルタミン酸に置換することを特徴とする、アルカリセルラーゼの再汚染防止能の向上又は再汚染防止能及びプロテアーゼ耐性の向上方法。
従って、本発明の変異アルカリセルラーゼの基準アミノ酸配列としては、オープンリーディングフレーム(ORF)にコードされたアミノ酸配列であってもよいし、その配列からシグナル配列が除去されたアミノ酸配列であってもよい。
より具体的には配列番号2で示されるアミノ酸配列又はこれと90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリセルラーゼにおいて、配列番号2で示されるアミノ酸配列の58位に相当する位置のグルタミン残基が、グルタミン酸又はアルギニンに置換される。
上記のバチルス・エスピーDSM12648株由来アルカリセルラーゼ(配列番号4)、バチルス・エスピー1139株由来アルカリセルラーゼ(配列番号6)、バチルス・エスピーKSM-64株由来アルカリセルラーゼ(配列番号8)について、上述の方法によりアライメントを行うと配列番号4(DSM12648株由来)については29位のグルタミン残基、配列番号6(1139株由来)については58位のグルタミン残基、配列番号8(KSM-64株由来)については57位のグルタミン残基が「配列番号2で示されるアミノ酸配列の58位に相当する位置」のアミノ酸残基となる。
発現された変異アルカリセルラーゼは、タンパク質精製に用いられる一般的な方法、例えば遠心分離、硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、培養液、細胞破砕液、又は無細胞翻訳系から取得することができる。しかし遠心分離や限外濾過型フィルター等を用いて分離又は濃縮したその培養上清や溶菌液上清等の溶液は、粗酵素液としてそのまま使用することもできる。発現された変異アルカリセルラーゼが細胞内から分泌されない場合には、その細胞を破砕してからタンパク質の分離精製を行えばよい。
なお本発明において用いるmRNAの調製、cDNAの作製、PCR、RT-PCR、ライブラリーの作製、ベクター中へのライゲーション、細胞の形質転換、DNAの塩基配列の決定、核酸化学合成、タンパク質のN末端側のアミノ酸配列決定、突然変異誘発、タンパク質の抽出等の実験は、通常の実験書に記載の方法によって行うことができる。そのような実験書としては、例えば、SambrookらのMolecular Cloning, A laboratory manual, (2001) 3rd Ed., Sambrook, J. & Russell, DW. Cold Spring Harbor Laboratory Pressを挙げることができる。特に、枯草菌の遺伝子組換え実験については例えば、吉川博文著“7.2 枯草菌系”「続生化学実験講座1.遺伝子研究法II」, (1986) 東京化学同人社(東京), p.150-169等の枯草菌の遺伝子操作に関する一般的な実験書を参照することができる。
(数1)
再汚染防止率(%)
=[(試験後の木綿の白布の反射率)/(試験前の木綿の白布の反射率)] × 100
この再汚染防止率が100%に近いほど、カーボンブラックによる再汚染量が少ないことを示す。
(数2)
酵素添加による再汚染防止促進度(%)
=[(酵素添加群の再汚染防止率)−(酵素無添加群の再汚染防止率)]/[100−(酵素無添加群の再汚染防止率)] × 100
この再汚染防止促進度(%)が上昇するほど、変異アルカリセルラーゼ添加により再汚染防止効果が大きく改善されることを示す。
(数3)
変異アルカリセルラーゼにおける再汚染防止能向上度(%)
=[(変異酵素添加群の再汚染防止率)−(対照酵素添加群の再汚染防止率)]
/[100−(対照酵素添加群の再汚染防止率)] × 100
この再汚染防止能向上度(%)が上昇するほど、その変異アルカリセルラーゼの再汚染防止能が変異導入前と比較して大きく向上したことを示す。
具体的には、例えば、対象のセルラーゼを、アルカリプロテアーゼを添加した洗浄剤組成物中で40℃、24時間保存した場合において算出される当該セルラーゼの残存活性(次式参照)が挙げられる。
セルラーゼ残存活性(%)
=(保存24時間後のセルラーゼ活性/調製直後のセルラーゼ活性)×100
従って、本発明の変異アルカリセルラーゼは、各種プロテアーゼの共存下で使用することができる。
ここで、プロテアーゼとしては、例えば市販のアルカラーゼ、エスペラーゼ、サビナーゼ、エバラーゼ、カンナーゼ(登録商標;ノボザイムズ社)、プロペラーゼ、プラフェクト(登録商標;ジェネンコア社)、KAP(花王)、等が挙げられる。
界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び陽イオン性界面活性剤等の任意の界面活性剤を1種で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。より好ましい界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤である。
1)組成A:直鎖アルキル(炭素数12〜14)ベンゼンスルホン酸塩ナトリウム20重量%、非イオン性界面活性剤(炭素数12〜16、平均エチレンオキシド付加モル数6.0のポリオキシエチレンアルキルエーテル)4重量%、炭酸ナトリウム30重量%、硫酸ナトリウム10重量%、ゼオライト(4A型ゼオライト(東ソー(株)製))30重量%、アクリル酸マレイン酸コポリマー2重量%、結晶性シリケート(粉末SKS-6(ヘキストトクヤマ(株)製))4重量%
なお、下記において共通に用いた実験手順及び試薬等を最初に記載する。
DNA断片の増幅は、GeneAmp PCRシステム(アプライドバイオシステムズ)を使用し、Pyrobest DNAポリメラーゼ(タカラバイオ)と付属の試薬類を用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により行った。PCRの反応液組成は、適宜希釈した鋳型DNAを1μL、センスプライマー及びアンチセンスプライマーを各々20pmol、及びPyrobest DNAポリメラーゼを2.5U混合し、水を加えて反応液総量を50μLに調整した。PCR反応は、98℃で10秒間、55℃で30秒間及び72℃で1〜5分間(目的増幅産物に応じて調整したが、目安は1kb当たり1分間)の3段階の温度変化を30サイクル繰り返した後、72℃で5分間反応させる条件で行った。
後述のDNA断片増幅に使用したプライマーを表1に示す。
S237セルラーゼ又は変異S237セルラーゼをコードする遺伝子の枯草菌への導入は、コンピテントセル形質転換法(J. Bacteriol. 93, 1925 (1967))、プロトプラスト形質転換法(Mol. Gen. Genet. 168, 111 (1979))のいずれかによって行った。なお、形質転換には、エレクトロポレーション法(FEMS Microbiol. Lett. 55, 135 (1990))を用いてもよい。
再汚染防止能の評価には、洗浄剤組成物として上記好ましい組成Cの洗浄剤を、酵素安定性試験の評価には、組成Eの洗浄剤を用いた。
再汚染防止能の評価は、JIS K3362:1998記載の洗浄力評価方法に基づいて以下のように行った。洗剤組成物C 0.33gを使用水(4°DHの場合はCaCl2:55.42mg/L、MgCl2・6H2O:43.51mg/L、12°DHの場合はCaCl2:166.26mg/L、MgCl2・6H2O:130.53mg/L)50mLに溶解し、これに疎水性すす汚れのモデルであるカーボンブラック(旭カーボン社製の旭洗浄用カーボンブラック0.125gを添加し、使用水50mLを加えた後、26±1.5KHzの超音波を5分間照射して成分を均一に分散させた。その分散液に更に20℃の使用水400mLを加え、アルカリセルラーゼ(S237セルラーゼ又は変異S237セルラーゼ)を所定の酵素量となるように添加して、それを洗浄液とした。調製した洗浄液は、20℃にてかき混ぜ式洗浄力試験機〔ターゴトメータ:Terg-O-To meter(上島製作所)〕の試料カップに移した。評価布として6 cm x 6 cmの木綿の白布(#2003白色織製100%綿、谷頭商店(大阪府大阪市東淀川区小松4-11-15)供給)5枚を試料カップに入れ、更に溶液に対する布量(浴比)を調節するため、綿メリヤス白布[シル付晒布(谷頭商店供給)を洗濯後、充分に濯いだもの]を適宜投入して、回転速度80±4rpmで10分間攪拌した。次いで綿メリヤス白布と共に木綿の白布を取り出し、軽く絞った後、素早く2000 mLの水道水中に投入した。そこから木綿の白布のみを取り出し、更に水道流水にて3分間濯ぎを行った後、脱水・アイロン仕上げを行って、分光測色計CM-3500d(コニカミノルタ)を用いて550 nmにおける反射率を測定した。木綿の白布については、洗浄試験前に、分光測色計CM-3500d(コニカミノルタ)を用いて550 nmにおける反射率を予め測定しておいた。
得られた反射率に基づき、次式によって各洗浄試験での再汚染防止率を算出した。
・再汚染防止率(%)
=[(試験後の木綿の白布の反射率)/(試験前の木綿の白布の反射率)] × 100
次いで、アルカリセルラーゼへの変異導入がその再汚染防止能に対して及ぼす効果、すなわち変異アルカリセルラーゼにおける再汚染防止能向上度を、次式によって算出した。なお変異酵素とは目的のアミノ酸置換が導入された変異アルカリセルラーゼであり、対照酵素とは、基準アルカリセルラーゼ、すなわち野性型アルカリセルラーゼ又はアミノ酸置換前のアルカリセルラーゼである。
・変異アルカリセルラーゼにおける再汚染防止能向上度(%)
=[(変異酵素添加群の再汚染防止率)−(対照酵素添加群の再汚染防止率)]
/[100−(対照酵素添加群の再汚染防止率)] × 100
バチルス・エスピー(Bacillus sp.)KSM-S237株(FERM BP-7875)由来のS237セルラーゼ(配列番号2)をコードするアルカリセルラーゼ遺伝子[以下、S237セルラーゼ遺伝子とも称する;塩基配列はGenBankアクセッション番号AB18420(配列番号1)に基づき入手可能;Hakamada et al., Biosci. Biotechnol. Biochem., 64(11), (2000) p.2281-2289;特開2000-210081号公報]を含む核酸断片(3.1 kb)を、上述の表1に示すプライマー237UB1とS237RVからなるプライマーセットを用い、上記「1)DNA断片の増幅」に従って増幅した。鋳型DNAとしては、上記KSM-S237株から常法により抽出したゲノムDNAを用いた。
以下のようにして、S237セルラーゼ遺伝子にヌクレオチド変異を導入し、それを組換え発現させることにより、S237セルラーゼ(配列番号2)の58位のグルタミンをアルギニンに置換した変異S237セルラーゼ(S237-Q58R)を作製した。
バチルス エスピーKSM-S237株(FERM BP-7875)から常法により抽出したゲノムDNAを鋳型とし、上記表1及び2に示したプライマー237UB1とQ58R-RVからなるプライマーセット及びプライマーQ58R-FWとS237RVからなるプライマーセットを用いて、上記「1)DNA断片の増幅」に従ってPCR増幅を行った。その結果、S237セルラーゼ遺伝子の58位のアミノ酸残基に対応する位置に導入されたヌクレオチド変異を3'末端付近に含み、かつその変異位置から主に上流側の領域を含む0.7kbのDNA増幅断片と、そのヌクレオチド変異を5'末端付近に含み、かつその変異位置から主に下流側の領域を含む2.5kbのDNA増幅断片とを得た。用いたプライマーQ58R-RVの塩基配列は、S237セルラーゼの58位のグルタミンをアルギニンに置換するヌクレオチド変異を含むようにS237セルラーゼ遺伝子の塩基配列に基づいて設計されたものである。プライマーQ58R-FWの塩基配列は、プライマーQ58R-RVの相補配列である。
得られた3.2kbのDNA断片(変異S237セルラーゼ遺伝子)をシャトルベクターpHY300PLKのSmaI制限酵素切断点に挿入し、組換えプラスミドpHY-S237_Q58Rを構築した。プラスミド中に挿入された変異S237セルラーゼ遺伝子の塩基配列は、3100 DNAシーケンサー(Applied Biosystems)を用いて配列決定することにより確認した。次いで実施例1と同様に、上記「2)枯草菌への遺伝子導入」に従い、組換えプラスミドpHY-S237_Q58Rを枯草菌に導入し、得られた形質転換体を培養した。得られた培養物からは、実施例1と同様の方法により、組換え生産されたタンパク質を単離精製し、定量を行った。この組換えタンパク質は、S237セルラーゼのアミノ酸配列(配列番号2)の58位のグルタミンがアルギニンに置換された変異S237セルラーゼ(以下、S237_Q58Rとも称する)である。得られた変異S237セルラーゼを含む酵素サンプルを、後述の再汚染防止能評価に用いた。
S237セルラーゼ(配列番号2)の242位のグルタミンをセリンに置換した変異S237セルラーゼS237_Q242Sを、実施例2の記載と同様の方法で作製した。すなわち、上記表1及び2に示した237UB1とQ242S-RVからなるプライマーセット及びQ242S-FWとS237RVからなるプライマーセットを用いて、目的のヌクレオチド変異を含むS237セルラーゼ遺伝子(配列番号1)の上流側領域(変異位置付近から上流側の領域)と、目的のヌクレオチド変異を含むS237セルラーゼ遺伝子(配列番号1)の下流側領域(変異位置付近から下流側の領域)とをPCR増幅し、得られた2つのDNA断片を鋳型として目的の変異S237セルラーゼ遺伝子を含む3.2kbのDNA断片を増幅し、それをシャトルベクターpHY300PLKに挿入して組換えプラスミドpHY-S237_Q242Sを構築し、プラスミドに挿入された変異S237セルラーゼ遺伝子の塩基配列を確認し、上記「2)枯草菌への遺伝子導入」に従った方法によりその組換えプラスミドを枯草菌に導入し、得られた形質転換体を培養し、得られた培養物から組換えタンパク質(すなわち、変異S237セルラーゼS237_Q242S)を単離精製して、定量を行った。
実施例2で作製した変異S237セルラーゼS237_Q58Rの再汚染防止能を、上述の「4) 再汚染防止能の評価」に従って評価した。尚、評価に際しては綿メリヤス白布[シル付晒布(谷頭商店供給)を洗濯後、充分に濯いだもの]を50g投入し、溶液に対する布量(浴比)を10L/kgになる様調節した。上記洗剤組成物Bを使用し、S237_Q58Rについて野生型S237セルラーゼ活性52.8mUのタンパク質量に相当する酵素量を用いた。得られた結果を表3に示した。変異S237セルラーゼS237_Q58R はS237セルラーゼと比較して再汚染防止能の向上が認められた。
実施例3でS237_Q242Sを基準セルラーゼとして作製した変異S237セルラーゼQS_Q58R、及びQS_Q58Eの再汚染防止能を、上述の「4) 再汚染防止能の評価」に従って評価した。尚、評価に際しては皮脂汚れ成分の共存を想定し、6cm x 6cmの汚染布wfk10D(Wfk Testgewebe GmbH(D-41379, Gemany))3枚を添加した。上記組成Cの洗浄剤を使用し、各変異S237セルラーゼについてS237_Q242Sセルラーゼ活性52.8mUのタンパク質量に相当する酵素量を用いた。本評価においてはS237_Q242Sを対照酵素として用いた。得られた結果を表に示す。評価したいずれの変異S237セルラーゼを用いた場合にも対照酵素(S237_Q242S)と比較して高い再汚染防止効果が得られ、変異導入により再汚染防止能が向上したことが認められた。
実施例3でS237_Q242Sを基準セルラーゼとして作製した変異S237セルラーゼQS_Q58Rを各種アルカリプロテアーゼを添加した上述の組成Eの洗浄剤に中にて保存した際の安定性を評価した。
アルカリプロテアーゼとしてはアルカリプロテアーゼKP43(特許第3479509号)、KannaseTM(Novozymes)及び ProperaseTM(Danisco)を用いた。これら3 種のアルカリプロテアーゼは、いずれも洗浄剤への配合に適したズブチリシン様アルカリプロテアーゼである。
組成Eの洗浄剤 450 μLにセルラーゼ(S237QSまたはS237QS_Q58R)460U/Lと先述した3種のアルカリプロテアーゼをタンパク量として0.012 g(KP43では29U/L添加に相当するタンパク質量)を添加し、サンプルの液量が500 μLになるように調製した後40℃で保存し、24時間経過した洗浄剤中のセルラーゼ残存活性を測定した。
(数7)
セルラーゼ残存活性(%)
=(保存24時間後のセルラーゼ活性/調製直後のセルラーゼ活性)× 100
Claims (9)
- 配列番号2で示されるアミノ酸配列又はこれと90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリセルラーゼにおいて、配列番号2で示されるアミノ酸配列の58位に相当する位置のグルタミン残基がアルギニン又はグルタミン酸に置換されたアミノ酸配列からなり、
基準アルカリセルラーゼと比較し再汚染防止能が向上した変異アルカリセルラーゼ。 - 請求項1記載の変異アルカリセルラーゼをコードする遺伝子。
- 請求項2記載の遺伝子を含有する組換えベクター。
- 請求項3記載の組換えベクターを含む形質転換体。
- 微生物である、請求項4記載の形質転換体。
- 請求項1記載の変異アルカリセルラーゼを含有する洗浄剤組成物。
- 請求項2記載の遺伝子から変異アルカリセルラーゼを発現させることを含む変異アルカリセルラーゼの製造方法。
- 配列番号2で示されるアミノ酸配列又はこれと90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリセルラーゼにおいて、配列番号2で示されるアミノ酸配列の58位に相当する位置のグルタミン残基を、アルギニン又はグルタミン酸に置換することを特徴とする、アルカリセルラーゼの再汚染防止能の向上方法。
- 配列番号2で示されるアミノ酸配列又はこれと90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリセルラーゼにおいて、配列番号2で示されるアミノ酸配列の58位に相当する位置のグルタミン残基を、アルギニンに置換することを特徴とする、アルカリセルラーゼの再汚染防止能及びプロテアーゼ耐性の向上方法。
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