JP6603462B2 - 変異グリコシドハイドロラーゼ - Google Patents
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sp.KSM−N257株由来のアルカリセルラーゼが開発され、特許出願されている(特許文献1及び2)。上記KSM−N257株由来のアルカリセルラーゼは、グリコシドハイドロラーゼのファミリー8(GHファミリー8)に属する酵素である。当該ファミリーのグルコシドハイドロラーゼは、β−1,4グルカン、キシラン、キトサン、リケナン等のβ−1,4結合を切断することを特徴とする一群の酵素群である。上記KSM−N257株由来の酵素も、カルボキシメチルセルロースや結晶性セルロース等のセルロース分解活性以外にリケナン分解活性も有する、グリコシドハイドロラーゼである。当該KSM−N257株由来の酵素(以下、N257グリコシドハイドロラーゼ)については、同じGHファミリー8に属するセルラーゼであるBacillus circulans由来のセルラーゼ(非特許文献1)やBacillus sp.KSM−330株由来のセルラーゼ(非特許文献2)とのアミノ酸配列の比較や、酵素タンパク質結晶のX線解析により、触媒部位のアミノ酸及び保存アミノ酸の解析が行われている(非特許文献3)。
1)配列番号2で示されるアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列において、138位、301位及び310位又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基が下記のアミノ酸残基である変異グリコシドハイドロラーゼ。
(a)138位又はこれらに相当する位置:ヒスチジン
(b)301位又はこれらに相当する位置:ヒスチジン
(c)310位又はこれらに相当する位置:グルタミン酸
2)上記変異グリコシドハイドロラーゼをコードする遺伝子。
3)上記遺伝子を含有する組換えベクター。
4)上記組換えベクターを含む形質転換体。
5)上記形質転換体を用いる変異グリコシドハイドロラーゼの製造方法。
6)上記変異グリコシドハイドロラーゼを含有する液体洗剤組成物。
7)配列番号2で示されるアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列において、138位、301位及び310位又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基を下記のアミノ酸残基に置換することを含む、グリコシドハイドロラーゼの界面活性剤耐性の向上方法。
(a)138位又はこれらに相当する位置:ヒスチジン
(b)301位又はこれらに相当する位置:ヒスチジン
(c)310位又はこれらに相当する位置:グルタミン酸
3重置換体としては、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるグリコシドハイドロラーゼから、138位のアミノ酸残基をヒスチジンに、301位のアミノ酸残基をヒスチジンに、及び310位のアミノ酸残基をグルタミン酸に置換することによって得ることができる。あるいは、本発明の変異グリコシドハイドロラーゼは、配列番号2で示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるグリコシドハイドロラーゼから、138位に相当する位置のアミノ酸残基をヒスチジンに、301位に相当する位置のアミノ酸残基をヒスチジンに、及び310位に相当する位置のアミノ酸残基をグルタミン酸に置換することによって得ることができる。斯かる3重置換体は、耐熱性が向上すると共に、液体洗剤中での安定性、特に界面活性剤(例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS))に対する耐性が向上する。
(A)22位又はこれらに相当する位置:アラニン
(B)80位又はこれらに相当する位置:イソロイシン
(C)85位又はこれらに相当する位置:フェニルアラニン
(D)99位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
(E)120位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
(F)180位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
(G)186位又はこれらに相当する位置:アラニン
(H)239位又はこれらに相当する位置:イソロイシン
(I)240位又はこれらに相当する位置:ロイシン
(J)243位又はこれらに相当する位置:イソロイシン
(K)259位又はこれらに相当する位置:アスパラギン
(L)289位又はこれらに相当する位置:グルタミン酸
(M)349位又はこれらに相当する位置:メチオニン
(N)376位又はこれらに相当する位置:アラニン
i)180位又はこれに相当する位置のアミノ酸残基が、下記のアミノ酸残基。
(F)180位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
ii)99位及び186位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(D)99位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
(G)186位又はこれらに相当する位置:アラニン
iii)22位、180位及び349位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(A)22位又はこれらに相当する位置:アラニン
(F)180位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
(M)349位又はこれらに相当する位置:メチオニン
iv)239位、240位及び259位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(H)239位又はこれらに相当する位置:イソロイシン
(I)240位又はこれらに相当する位置:ロイシン
(K)259位又はこれらに相当する位置:アスパラギン
v)80位、120位及び376位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(B)80位又はこれらに相当する位置:イソロイシン
(E)120位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
(N)376位又はこれらに相当する位置:アラニン
1)等電点電気泳動法により測定された等電点が9.3である;
2)カルボキシメチルセルロースを液化型で良好に分解する;
3)基質特異性:カルボキシメチルセルース、リケナン、結晶性セルロース又はセロトリオース以上のセロオリゴ糖及を分解し、還元糖を生成する;
4)最適反応pH:少なくともpH5〜10で作用し、最適pHは8.5である;
5)最適反応温度:グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH8.5)で反応を行った場合、最適反応温度は55℃である;
6)安定pH範囲:30℃、60分間で処理した場合、pH5〜11の範囲で安定である;
7)耐熱性:トリス−塩酸緩衝液(pH7.0)中、15分間の処理において、55℃まで安定である;
8)分子量:SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による推定分子量は、43kDaである。
R.M.et al.,Gene(1989)77(1),p.61−68)により1つに連結する方法を用いることもできる。このSOE−PCR法を用いた変異導入手順については、後述の実施例にも詳述している。
R1O−(AO)m−H(R1=C8−C22炭化水素、AO=C2−C5オキシアルキレン基、m=16〜35)〔特開2010−275468号公報〕;
R1O−(EO)l−(AO)m−(EO)n−H(R1=C8−C18炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、l=3〜30、m=1〜5、l+n=14〜50)〔特開2010−265445号公報、特開2011−63784号公報〕;
R1O−(EO)m/(AO)n−H(R1=C8−C22炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、m=10〜30、n=0〜5、EO及びAOはランダム又はブロック結合)〔特開2010−189551号公報〕;
R1(CO)lO−(EO)m/(AO)n−R2(R1=C8−C22炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、l=0〜1、m=14〜50、n=1〜5、R2=水素(l=0)又はC1−C3アルキル基、EO及びAOはランダム又はブロック結合)〔特開2010−229385号公報〕;
R1O−(EO)m−(AO)n−H(R1=C8−C22炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、m=15〜30、n=1〜5)〔特開2010−229387号公報〕;
R1O−(AO)m/(Gly)n−H及び/又はR2−COO−(AO)p/(Gly)q−H(R1=C8−C22炭化水素基、R2=C7−C21炭化水素基、AO=C2−C3オキシアルキレン基、Gly=グリセロール基、m=0〜5、n=2〜10、p=0〜5、q=2〜10、AO及びGlyはランダム又はブロック結合)〔特開2010−254881号公報〕;
R1−COO−(PO)m/(EO)n−R2(R1=C7−C21炭化水素基,COO=カルボニルオキシ基、R2=C1−C3アルキル基、PO=オキシプロピレン基、EO=オキシエチレン基、m=0.3〜5、n=8〜25、PO及びEOはランダム又はブロック結合)〔特開2010−265333号公報〕;
R1O−(EO)l−(PO)m−(EO)n−H(R1=C8−C20炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、PO=オキシプロピレン基、l>=1、n>=1、0<m<l+n、EO及びPOはブロック結合)〔国際公開第98/24865〕;
R1O−(EO)m−(PO)n−H(R1=C10−C16のアルキル基又はアルケニル基、EO=エチレンオキシド基、PO=プロピレンオキシド基、m=5〜15、n=1〜3)〔特開平8−157867号公報〕;
R1(CO)−(EO)m−OR2(R1=C11−C13直鎖又は分岐状アルキル基又はアルケニル基、R2=C1−C3アルキル基、EO=エチレンオキシド基、m=10〜20)〔特開2008−7706号公報、特開2009−7451号公報、特開2009−155594号公報、特開2009−155606号公報〕;
R1(CO)−(AO)m−OR2(R1=C9−C13直鎖又は分岐状アルキル基又はアルケニル基、AO=C2−C4オキシアルキレン基、R2=C1−C3アルキル基、m=5〜30)〔特開2009−144002号公報、特開2009−173858号公報、特開2010−189612号公報〕;ならびに、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸アルカノールグルカミド、アルキルポリグルコシド等が挙げられる。
に開示する。但し、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
(a)138位又はこれらに相当する位置:ヒスチジン
(b)301位又はこれらに相当する位置:ヒスチジン
(c)310位又はこれらに相当する位置:グルタミン酸
<2>さらに、248位又はこれに相当する位置におけるアミノ酸残基がチロシンである、<1>の変異グリコシドハイドロラーゼ。
<3>さらに22位、80位、85位、99位、120位、180位、186位、239位、240位、243位、259位、289位、349位、376位又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸残基が下記のアミノ酸残基である、<2>の変異グリコシドハイドロラーゼ。
(A)22位又はこれらに相当する位置:アラニン
(B)80位又はこれらに相当する位置:イソロイシン
(C)85位又はこれらに相当する位置:フェニルアラニン
(D)99位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
(E)120位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
(F)180位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
(G)186位又はこれらに相当する位置:アラニン
(H)239位又はこれらに相当する位置:イソロイシン
(I)240位又はこれらに相当する位置:ロイシン
(J)243位又はこれらに相当する位置:イソロイシン
(K)259位又はこれらに相当する位置:アスパラギン
(L)289位又はこれらに相当する位置:グルタミン酸
(M)349位又はこれらに相当する位置:メチオニン
(N)376位又はこれらに相当する位置:アラニン
<4>以下のi)〜v)から選択される、請求項3記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
i)180位又はこれに相当する位置のアミノ酸残基が、下記のアミノ酸残基。
(F)180位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
ii)99位及び186位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(D)99位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
(G)186位又はこれらに相当する位置:アラニン
iii)22位、180位及び349位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(A)22位又はこれらに相当する位置:アラニン
(F)180位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
(M)349位又はこれらに相当する位置:メチオニン
iv)239位、240位及び259位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(H)239位又はこれらに相当する位置:イソロイシン
(I)240位又はこれらに相当する位置:ロイシン
(K)259位又はこれらに相当する位置:アスパラギン
v)80位、120位及び376位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(B)80位又はこれらに相当する位置:イソロイシン
(E)120位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
(N)376位又はこれらに相当する位置:アラニン
<5>前記配列同一性が90%以上、95%以上、97%以上、98%以上又は99%以上である<1>〜<4>のいずれかの変異グリコシドハイドロラーゼ。
<6>セルラーゼ活性、リケナーゼ活性及びキシラナーゼ活性からなる群より選択される1つ以上の酵素活性を有する、<1>〜<5>のいずれかの変異グリコシドハイドロラーゼ。
<7><1>〜<6>のいずれかの変異グリコシドハイドロラーゼをコードする遺伝子。
<8><7>の遺伝子を含有する組換えベクター。
<9><8>の組換えベクターを含む形質転換体。
<10><9>の形質転換体を用いる変異グリコシドハイドロラーゼの製造方法。
<11><1>〜<6>のいずれかの変異グリコシドハイドロラーゼを含有する洗浄剤組成物。
<12>配列番号2で示されるアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列において、138位、301位及び310位又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基が下記のアミノ酸残基に置換することを含む、グリコシドハイドロラーゼの界面活性剤耐性の向上方法。
(a)138位又はこれらに相当する位置:ヒスチジン
(b)301位又はこれらに相当する位置:ヒスチジン
(c)310位又はこれらに相当する位置:グルタミン酸
<13>さらに、248位又はこれに相当する位置におけるアミノ酸残基がチロシンである<12>の方法。
<14>さらに22位、80位、85位、99位、120位、180位、186位、239位、240位、243位、259位、289位、349位、376位又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸残基が下記のアミノ酸残基である、<13>の方法。
(A)22位又はこれらに相当する位置:アラニン
(B)80位又はこれらに相当する位置:イソロイシン
(C)85位又はこれらに相当する位置:フェニルアラニン
(D)99位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
(E)120位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
(F)180位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
(G)186位又はこれらに相当する位置:アラニン
(H)239位又はこれらに相当する位置:イソロイシン
(I)240位又はこれらに相当する位置:ロイシン
(J)243位又はこれらに相当する位置:イソロイシン
(K)259位又はこれらに相当する位置:アスパラギン
(L)289位又はこれらに相当する位置:グルタミン酸
(M)349位又はこれらに相当する位置:メチオニン
(N)376位又はこれらに相当する位置:アラニン
<15>以下のi)〜v)から選択される、<14>の方法。
i)180位又はこれに相当する位置のアミノ酸残基が、下記のアミノ酸残基。
(F)180位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
ii)99位及び186位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(D)99位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
(G)186位又はこれらに相当する位置:アラニン
iii)22位、180位及び349位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(A)22位又はこれらに相当する位置:アラニン
(F)180位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
(M)349位又はこれらに相当する位置:メチオニン
iv)239位、240位及び259位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(H)239位又はこれらに相当する位置:イソロイシン
(I)240位又はこれらに相当する位置:ロイシン
(K)259位又はこれらに相当する位置:アスパラギン
v)80位、120位及び376位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(B)80位又はこれらに相当する位置:イソロイシン
(E)120位又はこれらに相当する位置:アスパラギン酸
(N)376位又はこれらに相当する位置:アラニン
<16>界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムである<12>〜<15>のいずれかの方法。
<17>前記配列同一性が90%以上、95%以上、97%以上、98%以上又は99%以上である<12>〜<16>のいずれかの方法。
<18>前記グリコシドハイドロラーゼが、セルラーゼ活性、リケナーゼ活性及びキシラナーゼ活性からなる群より選択される1つ以上の酵素活性を有する、<12>〜<17>のいずれかの方法。
グリコシドハイドロラーゼの調製方法について、バチルス サーキュランス(Bacillus circulans)KSM−N257株(FERMP−17473)由来のN257グリコシドハイドロラーゼを例として以下に示す。
N257グリコシドハイドロラーゼ(配列番号2)をコードする遺伝子(配列番号1)〔以下、N257グリコシドハイドロラーゼ遺伝子とも称する;塩基配列はGenBankアクセッション番号AB059267に基づき入手可能;Hakamada et al.,Biochim.Biophys.Acta.,1570,2002,p.174−180〕におけるN257グリコシドハイドロラーゼのN末端アミノ酸からターミネーター配列までをコードする核酸断片を増幅した。さらに、S237セルラーゼをコードする遺伝子(配列番号3)〔以下、S237セルラーゼ遺伝子とも称する;塩基配列はGenBankアクセッション番号AB18420に基づき入手可能;Hakamada et al.,Biosci.Biotechnol.Biochem.,64(11),2000,p.2281−2289;特開2000−210081号公報〕のプロモーター及びシグナル配列の核酸断片を増幅した。
SOE−PCRにて2つの核酸断片を連結し、シャトルベクターpHY300PLK(ヤクルト本社;Ishiwa,H.&Shibahara,H.,Jpn.J.Genet.,1985,60,p.235−243)に導入することで、N257グリコシドハイドロラーゼ遺伝子を含む発現プラスミドを作製した。
次に、バチルス サーキュランス(Bacillus circulans)KSM−N257株からゲノムDNAを常法により抽出し、これを鋳型DNAとして、表1に示すN257mat−Qster FW(配列番号6)とN257−Cryter RV(配列番号7)からなるプライマーセットを用いて、N257グリコシドハイドロラーゼ遺伝子の成熟タンパク質コード領域及びターミネーター配列(配列番号1の338番塩基以降)を含むDNA断片2を増幅した。
上記DNA断片1、2の増幅は、GeneAmp PCRシステム(アプライドバイオシステムズ)を使用し、Pyrobest DNAポリメラーゼ(タカラバイオ)と付属の試薬類を用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により行った。PCRの反応液は、適宜希釈した鋳型DNAを1μL、センスプライマー及びアンチセンスプライマーを各々20pmol、及びPyrobest DNAポリメラーゼを2.5U混合し、水を加えて反応液総量を50μLにして調製した。PCR反応は、98℃で10秒間、55℃で30秒間及び72℃で1〜5分間(目的増幅産物に応じて調整したが、目安は1kb当たり1分間)の3段階の温度変化を30サイクル繰り返した後、72℃で5分間反応させる条件で行った。
上記で得られたDNA断片1及び2を鋳型として、S237セルラーゼのプロモーター及びシグナル配列とN257成熟タンパク質コード領域及びターミネーター配列とを含むDNA断片を、表2に示すS237UB1 Fw(配列番号4)とN257−Cryter Rv(配列番号7)からなるプライマーセットを用いて、SOE−PCRによって増幅した。
得られた形質転換体を10mLのLB培地(1%トリプトン、0.5%酵母エキス、1%NaCl)で30℃にて一夜振盪培養を行い、更にこの培養液0.05mLを50mLの2×L−マルトース培地(2%トリプトン、1%酵母エキス、1%NaCl、7.5%マルトース、7.5ppm硫酸マンガン4−5水和物、15ppmテトラサイクリン)に接種し、30℃にて3日間振盪培養を行った。培養によって得られたN257グリコシドハイドロラーゼを含む培養液を遠心分離し、培養上清を得た。SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動にて、培養上清に含まれる蛋白質がN257グリコシドハイドロラーゼであることを確認した。
セルラーゼ活性測定は96穴プレートを用いて測定を行った。1.0%カルボキシメチルセルロース(CMC、日本製紙)及び50mMグリシン緩衝液(pH9.0)を調製し、基質溶液とした。この基質溶液90μLに対し、適当な濃度に希釈した酵素液(培養上清)10μLを加え、40℃で20分反応した後、ジニトロサリチル酸(DNS)溶液100μLを加えて100℃で5分間熱処理し、速やかに氷水中で冷却した。冷却した溶液100μLを96穴アッセイプレート(IWAKI)へと移し、マイクロプレートリーダー(Molecular Device社)を用いて535nmの吸光度を測定した。40℃、100℃での熱処理はDNA engine PTC−200(Bio−Rad)を使用した。また、サンプルの希釈、基質反応液への添加、DNS溶液の添加にはマルチディスペンサーEDR384S(バイオテック)を用いた。吸光度に基づいて酵素反応により生成した還元糖の量を測定し、上記条件下で1分間に1μmolのD−グルコース相当の還元糖を遊離する活性を1unit(U)として、グリコシドハイドロラーゼのセルラーゼ活性(U)を求めた。
酵素液として、グリコシドハイドロラーゼを含む培養上清を用いた。評価用液体洗剤としては、液体洗剤処方品(非イオン性界面活性剤〔炭素数12〜16;平均エチレンオキシド付加モル数12.0のポリオキシエチレンアルキルエーテル〕20重量%;アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド〔アルキル基炭素数8〜18〕1重量%;ソフタノール70H(日本触媒製)20重量%;アクリル酸マレイン酸コポリマー1.5重量%;モノエタノールアミン1.5重量%;クエン酸1.15重量%;ブチルジグリコール5重量%;エタノール2重量%;亜硫酸ナトリウム0.2重量%;水47.65重量%)をベースに調製した溶液(液体洗剤処方品 486μL、10%亜硫酸ナトリウム 5.4μL、35%塩化カルシウム 3.1μL、プロテアーゼ 5.4μLを含有)を用いた。96穴ディープウェルプレートの各ウェルに評価用液体洗剤を500μLずつ分注し、さらに酵素液(培養上清)を43μLずつ添加し、試験サンプルとした。酵素液添加の直後と40℃にて7日間保存後に試験サンプル中のセルラーゼ活性を測定した。セルラーゼ活性の測定は、試験サンプルをイオン交換水にて10倍希釈したものを用いて、参考例2と同様の方法にて行った。酵素液添加直後の活性に対する3日間保存後の活性の割合を、酵素の残存活性とした。
プロテアーゼはバチルス エスピーKSM−KP43(FERM BP−6532)由来のアルカリプロテアーゼであって、80U/mLの酵素溶液を用いた。なお、当該プロテアーゼの活性は特開2004−305175に記載の合成基質法を用いて決定した。
50mMグリシン緩衝液(pH9.0)で適当な濃度に希釈した酵素液(グリコシドハイドロラーゼを含む培養上清)を60℃で10分間保温した。保温操作には、PCRプレートとPCRサイクラーDNA engine PTC−200(Bio−Rad)を用いた。保温前後のサンプルのセルラーゼ活性を参考例2と同様の方法にて測定し、保温前に対する保温後の残存活性(%)〔(保温後のセルラーゼ活性)/(保温前のセルラーゼ活性)×100〕を求めた。
1%LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、Linear Alkylbenzene Sulfonete)を添加した50mMグリシン緩衝液(pH9.0)で適当な濃度に希釈した酵素液(グリコシドハイドロラーゼを含む培養上清)を40℃で60分間保温した。保温操作には、PCRプレートとPCRサイクラーDNA engine PTC−200(Bio−Rad)を用いた。保温前後のサンプルのセルラーゼ活性を参考例2と同様の方法にて測定し、保温前に対する保温後の残存活性(%)〔(保温後のセルラーゼ活性)/(保温前のセルラーゼ活性)×100〕を求めた。
組換えプラスミドpHY−N257或いはその変異プラスミドを鋳型に、表1に示したプライマーXba−FとBam−Rのプライマーセットを用いて、ランダム変異PCR反応をGenemorph II Random Mutagenesis Kit(Agilent社)の方法に準じて行った。PCRの反応液は、20μg/mLに希釈した鋳型DNAを1μL、Xba−FおよびBam−Rのプライマーを各々25pmol、40mM dNTPを1μL、及びDNAポリメラーゼを1μL混合し、水を加えて反応液総量を50μLにして調製した。PCR反応は、98℃で1分間、62℃で1分間及び72℃で1分間の3段階の温度変化を30サイクル繰り返した後、72℃で10分間反応させる条件で行った。得られたPCR断片はNucleoFast 96 PCR Plate(MACHREY−NAGEL)を用いて精製し、適量の水に溶出した。
得られたPCR断片およびシャトルベクターpHY300PLK(ヤクルト本社;Ishiwa,H.&Shibahara,H.,Jpn.J.Genet.,1985,60,p.235−243)をそれぞれXbaIとBamHIにて制限酵素処理した後連結し、プラスミドpHY−N257のランダム変異ライブラリーを構築した。このライブラリーを大腸菌コンピテントセルHB101(タカラバイオ)に形質転換した。形質転換体の選抜はLAS入りのセルラーゼハロー培地(1%トリプトンペプトン、0.5%酵母エキス、1%塩化ナトリウム、1.5%寒天、50ppmテトラサイクリン、1%カルボキメチルセルロース、0.01%トリパンブルー、1%LAS)にて、45℃、2日培養で行った。ハローが大きかった形質転換体を選出し、プラスミドを抽出した。プラスミド中に挿入されたN257グリコシドハイドロラーゼ遺伝子の変異個所については、3100 DNAシーケンサー(Applied Biosystems)を用いて決定した。次いでプロトプラスト形質転換法により、枯草菌(Bacillus subtilis Marburg No.168株(Nature,390,1997,p.249))を抽出した変異を持つプラスミドpHY−N257を導入して形質転換した。
プロトプラスト形質転換法では、まず、枯草菌株(Bacillus subtilis Marburg No.168株:Nature,390,1997,p.249)を、50mLのLB培地(1%トリプトン、0.5%酵母エキス、1%NaCl)中で37℃にて約2時間振盪培養し、600nmにおける吸光度が0.4となった時点で、室温で遠心分離(7000rpm、15分間)により菌体を集めた。集めた菌体を5mLのSMMP[0.5Mシュークロース、20mMマレイン酸二ナトリウム、20mM塩化マグネシウム6水塩、35%(w/v)Antibiotic Medium 3(Difco)]に懸濁後、SMMP溶液に溶解した500μLのリゾチーム溶液(30mg/mL)を加え、37℃で1時間保温して菌体をプロトプラスト化した。保温終了後、室温で遠心分離(2800rpm、15分間)によりプロトプラストを集め、5mLのSMMPに懸濁しプロトプラスト溶液を調製した。0.5mLのプロトプラスト溶液に、10μLのプラスミド溶液(N257グリコシドハイドロラーゼをコードする遺伝子を含むプラスミドベクターを含む)と1.5mLの40%(w/v)ポリエチレングリコール(PEG8000、Sigma)を加え、緩やかに攪拌して室温で2分間放置した後、直ちに5mLのSMMP溶液を混和し、室温で遠心分離(2800rpm、15分間)によりプロトプラストを集め、1mLのSMMP溶液に再懸濁した。プロトプラスト懸濁液を、37℃で90分間振盪(120rpm)した後、テトラサイクリン(15μg/mL、Sigma)を含むDM3再生寒天培地[0.8%(w/v)寒天(和光純薬)、0.5%コハク酸2ナトリウム6水塩、0.5%カザミノ酸テクニカル(Difco)、0.5%酵母エキス、0.35%リン酸1カリウム、0.15%リン酸2カリウム、0.5%グルコース、0.4%塩化マグネシウム6水塩、0.01%牛血清アルブミン(Sigma)、0.5%カルボキメチルセルロース、0.005%トリパンブルー(Merck)及びアミノ酸混液(トリプトファン、ロイシン、メチオニン各10μg/mL)]上に塗布し、30℃で72時間培養して、生育したコロニーを形質転換体として分離した。
参考例6に記載した方法にで、野生型(親)N257グリコシドハイドロラーゼ成熟酵素領域のランダム変異を、pHY−N257(参考例1を参照)を鋳型にGenemorph II Random Mutagenesis Kit(Agilent社)を用いて行い、LAS耐性が向上した変異体SG13を取得した。SG13はN257のDNA配列の749位のAがCに、751位のGがTに、1238位のAがCに、1265位のAがGに、1267位のCがAに変わり、アミノ酸配列の138位のKがHに、301位のNがHに、310位のNがEに変わった変異体であることを確認した。SG13変異体から抽出したプラスミドはpHY−SG13と称する。参考例1と同様に、大腸菌より抽出したプラスミドpHY−SG13を枯草菌に導入し、得られた形質転換体を培養した。得られた培養物から遠心分離にて菌体を除いて培養上清を取得した。
結果を表2に示す。SG13変異体は、親グリコシドハイドロラーゼと比較して安定性、耐熱性およびLAS耐性が向上していた(表3)。
(1)SG13グリコシドハイドロラーゼの切断点変異体SG13_A248Yの作製
SG13グリコシドハイドロラーゼについては、液体洗剤中において2断片に切断されることがSDS−PAGEで確認された。この切断された2断片のアミノ酸N−末端解析により、アミノ酸配列の247位のアラニンと248位のアラニンの間に切断されたことを判明した。
大腸菌から抽出し、十分に希釈したプラスミドpHY−SG13を鋳型とし、表1に示したプライマーA248−FW(配列位号10)とA248−RV(配列位号11)からなるプライマーセット、及びPrimeSTAR(登録商標)Mutagenesis Basal Kit(タカラバイオ)を用いて、インバースPCRを行った。詳細には、鋳型としてpHY−SG13 100pg、各プライマー(フォワード、リバース)2μM、Kitに付属のPrimeSTAR MAX DNA polymerase 25μLを、滅菌水を用いて50μLに調製した。反応は、変性を98℃ 10秒、アニーリングを55℃ 5秒、伸長を72℃ 45秒で30サイクルにて行った。本PCRシステムでは、プラスミドを鋳型に5’側が15塩基オーバーラップしたプライマーを用いて、インバースPCRを行うことによって、オーバーラップ部分が5’側に突出したプラスミドの配列を全て含むPCR産物を得ることができる。この増幅産物は形質転換可能な環状構造をとることが出来るため、この増幅産物を用いることで形質転換を直接行うことができる。本実施例では、フォワードプライマーのオーバーラップ配列直後の3’側の3塩基を目的のアミノ酸の塩基配列に変えることで、同じ位置のアミノ酸残基を置換する場合には、リバースプライマーを共用できるようにした。以上の方法により、SG13グリコシドハイドロラーゼ遺伝子の248位のアラニン残基に対応する位置をチロシンに置換した変異を含むpHY−SG13_A248Yを得た。制限酵素DpnI(TOYOBO)を用いて鋳型プラスミドを消化した後に、NucleoFast 96 PCR Plate(MACHREY−NAGEL)を用いて増幅産物を精製した。次いで、参考例1と同様に、組換えプラスミドpHY−SG13_A248Yを枯草菌に導入し、得られた形質転換体を培養した。得られた培養物から遠心分離にて菌体を除いて培養上清を取得した。この培養上清は、SG13グリコシドハイドロラーゼのアミノ酸配列(配列位号2)の248位のアラニンがチロシンに置換された変異グリコシドハイドロラーゼ(以下、SG13_A248Yとも称する)を含む。
参考例3記載の方法にて、実施例2で得たSG13_A248Yグリコシドハイドロラーゼの7日保存後の残存セルラーゼ活性を測定した。同様の方法で測定したSG13グリコシドハイドロラーゼの7日保存後の残存活性を100%としたときの、SG13_A248Y変異グリコシドハイドロラーゼの相対残存活性を求め、酵素の安定性を評価した。
また、参考例4記載の方法にて、実施例2で得たSG13_A248Y変異グリコシドハイドロラーゼの保温後における残存活性を測定した。同様の方法で測定したSG13グリコシドハイドロラーゼの保温後における残存活性を100%としたときの、SG13_A248Y変異グリコシドハイドロラーゼの相対残存活性を求め、酵素の耐熱性を評価した。
また、参考例5記載の方法にて、実施例2で得たSG13_A248Y変異グリコシドハイドロラーゼのLAS存在下グリコシドハイドロラーゼの保温後における残存活性を測定した。同様の方法で測定したSG13グリコシドハイドロラーゼの保温後における残存活性を100%としたときの、SG13_A248Y変異グリコシドハイドロラーゼの相対残存活性を求め、酵素のLAS耐性を評価した。
結果を表3に示す。SG13_A248Y変異体は、SG13グリコシドハイドロラーゼと比較して安定性、耐熱性およびLAS耐性が向上していた(表4)。
参考例6に記載した方法にで、SG13_A248Yグリコシドハイドロラーゼ成熟酵素領域のランダム変異を、pHY−SG13_A248Yを鋳型にGenemorph II Random Mutagenesis Kit(Agilent社)を用いて行い、LAS耐性が向上した変異体を取得した(表4)。参考例1と同様に、大腸菌より抽出したプラスミドを枯草菌に導入し、得られた形質転換体を培養した。得られた培養物から遠心分離にて菌体を除いて培養上清を取得した。
参考例5記載の方法にて、実施例3で得た変異グリコシドハイドロラーゼのLAS存在下グリコシドハイドロラーゼの保温後における残存活性を測定した。同様の方法で測定したSG13_A248グリコシドハイドロラーゼの保温後における残存活性を100%としたときの、変異グリコシドハイドロラーゼの相対残存活性を求め、酵素のLAS耐性を評価した。
結果を表4に示す。すべての変異体は、SG13_A248グリコシドハイドロラーゼと比較してLAS耐性が向上していた(表5)。
Claims (16)
- 配列番号2で示されるアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列において、138位、301位及び310位に下記(a)、(b)及び(c)で示される変異を有するか、138位、301位及び310位に相当する位置に下記(a)、(b)及び(c)で示される変異を有する変異グリコシドハイドロラーゼであって、138位、301位及び310位、又は138位、301位及び310位に相当する位置におけるアミノ酸残基が下記のアミノ酸残基である変異グリコシドハイドロラーゼ。
(a)138位又はこれに相当する位置:ヒスチジン
(b)301位又はこれに相当する位置:ヒスチジン
(c)310位又はこれに相当する位置:グルタミン酸 - さらに、248位又はこれに相当する位置におけるアミノ酸残基がチロシンである、請求項1記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
- さらに22位、80位、85位、99位、120位、180位、186位、239位、240位、243位、259位、289位、349位、376位、又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸残基が下記のアミノ酸残基である、請求項2記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
(A)22位又はこれに相当する位置:アラニン
(B)80位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(C)85位又はこれに相当する位置:フェニルアラニン
(D)99位又はこれに相当する位置:アスパラギン酸
(E)120位又はこれに相当する位置:アスパラギン酸
(F)180位又はこれに相当する位置:アスパラギン酸
(G)186位又はこれに相当する位置:アラニン
(H)239位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(I)240位又はこれに相当する位置:ロイシン
(J)243位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(K)259位又はこれに相当する位置:アスパラギン
(L)289位又はこれに相当する位置:グルタミン酸
(M)349位又はこれに相当する位置:メチオニン
(N)376位又はこれに相当する位置:アラニン - 以下のi)〜v)から選択される、請求項3記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
i)180位又はこれに相当する位置のアミノ酸残基が、下記のアミノ酸残基。
(F)180位又はこれに相当する位置:アスパラギン酸
ii)99位及び186位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(D)99位又はこれに相当する位置:アスパラギン酸
(G)186位又はれに相当する位置:アラニン
iii)22位、180位及び349位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(A)22位又はこれに相当する位置:アラニン
(F)180位又はこれに相当する位置:アスパラギン酸
(M)349位又はこれに相当する位置:メチオニン
iv)239位、240位及び259位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(H)239位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(I)240位又はこれに相当する位置:ロイシン
(K)259位又はこれに相当する位置:アスパラギン
v)80位、120位及び376位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(B)80位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(E)120位又はこれに相当する位置:アスパラギン酸
(N)376位又はこれに相当する位置:アラニン - セルラーゼ活性、リケナーゼ活性及びキシラナーゼ活性からなる群より選択される1つ以上の酵素活性を有する、請求項1〜4のいずれか1項記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の変異グリコシドハイドロラーゼをコードする遺伝子。
- 請求項6記載の遺伝子を含有する組換えベクター。
- 請求項7記載の組換えベクターを含む形質転換体。
- 請求項8記載の形質転換体を用いる変異グリコシドハイドロラーゼの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の変異グリコシドハイドロラーゼを含有する洗浄剤組成物。
- 配列番号2で示されるアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列において、138位、301位及び310位におけるアミノ酸残基を下記(a)、(b)及び(c)で示されるアミノ酸残基に置換するか、138位、301位及び310位に相当する位置におけるアミノ酸残基を下記(a)、(b)及び(c)で示されるアミノ酸残基に置換することを含む、グリコシドハイドロラーゼの界面活性剤耐性の向上方法であって、138位、301位及び310位、又は138位、301位及び310位に相当する位置におけるアミノ酸残基が下記のアミノ酸残基である、方法。
(a)138位又はこれに相当する位置:ヒスチジン
(b)301位又はこれに相当する位置:ヒスチジン
(c)310位又はこれに相当する位置:グルタミン酸 - さらに、248位又はこれに相当する位置におけるアミノ酸残基がチロシンである、請求項11記載の方法。
- さらに22位、80位、85位、99位、120位、180位、186位、239位、240位、243位、259位、289位、349位、376位、又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸残基が下記のアミノ酸残基である、請求項12記載の方法。
(A)22位又はこれに相当する位置:アラニン
(B)80位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(C)85位又はこれに相当する位置:フェニルアラニン
(D)99位又はこれに相当する位置:アスパラギン酸
(E)120位又はこれに相当する位置:アスパラギン酸
(F)180位又はこれに相当する位置:アスパラギン酸
(G)186位又はこれに相当する位置:アラニン
(H)239位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(I)240位又はこれに相当する位置:ロイシン
(J)243位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(K)259位又はこれに相当する位置:アスパラギン
(L)289位又はこれに相当する位置:グルタミン酸
(M)349位又はこれに相当する位置:メチオニン
(N)376位又はこれに相当する位置:アラニン - 以下のi)〜v)から選択される、請求項13記載の方法。
i)180位又はこれに相当する位置のアミノ酸残基が、下記のアミノ酸残基。
(F)180位又はこれに相当する位置:アスパラギン酸
ii)99位及び186位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(D)99位又はこれに相当する位置:アスパラギン酸
(G)186位又はこれに相当する位置:アラニン
iii)22位、180位及び349位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(A)22位又はこれに相当する位置:アラニン
(F)180位又はこれに相当する位置:アスパラギン酸
(M)349位又はこれに相当する位置:メチオニン
iv)239位、240位及び259位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(H)239位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(I)240位又はこれに相当する位置:ロイシン
(K)259位又はこれに相当する位置:アスパラギン
v)80位、120位及び376位、又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基が、それぞれ下記のアミノ酸残基。
(B)80位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(E)120位又はこれに相当する位置:アスパラギン酸
(N)376位又はこれに相当する位置:アラニン - 界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムである請求項11〜14の
いずれか1項記載の方法。 - 前記グリコシドハイドロラーゼが、セルラーゼ活性、リケナーゼ活性及びキシラナーゼ活性からなる群より選択される1つ以上の酵素活性を有する、請求項11〜15のいずれか1項記載の方法。
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