JPH04108387A - β―リティック プロテアーゼ遺伝子及びその遺伝子産物の製造法 - Google Patents

β―リティック プロテアーゼ遺伝子及びその遺伝子産物の製造法

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JPH04108387A
JPH04108387A JP2225136A JP22513690A JPH04108387A JP H04108387 A JPH04108387 A JP H04108387A JP 2225136 A JP2225136 A JP 2225136A JP 22513690 A JP22513690 A JP 22513690A JP H04108387 A JPH04108387 A JP H04108387A
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lytic
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崎山 文夫
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茂巳 乗岡
Shiyouriyou Ri
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はβ−リティック プロテアーゼ(β−1yti
c protease )をコードするDNAをクロー
ニングし、それを使用してβ−リティック プロテアー
ゼを遺伝子工学的手法を用いて効率よく生産する方法に
関する。
支米夏技先 これまで研究室および治療用途においては、溶菌のため
にはリゾチームが用いられてきたが、これらとは異な、
った作用機序を有する溶菌酵素が種々の細菌から得られ
たことが報告されている(Ghuysen 、バクテロ
ロジー レビ1−(Bactero、 Rev。
32.425−462(196g); Laea+m1
ereジャーナルオブクリニックスオブマイクロバイオ
ロジー(J、 Cl1n、 Microbiol、)2
7,1682−1683(1989); Br1toら
リサーチオブマイクロバイオロジー(Res、 Mic
robiol、)セ10,125−138(1989)
) 、これらの酵素はオートリシン(autolysi
n) (Ghuysen、同上(1968) ;To+
masz、エルセビーアサイエンスパブリッシャーズ、
アムステルダム(Elsevier 5cience 
Publishers、 Amsterdam)(3−
12)(1984)]と呼ばれ、細胞壁のペプチドグリ
カンにおける特定の結合を加水分解することができるも
のであるが、これらはその加水分解部位により3つのグ
ループに分けられる。即ち、1)ポリサッカライド鎖を
加水分解するグリコシダーゼ;2)ペプチド架橋結合を
切断するエンドペプチダーゼ;3)ポリサッカライドお
よびペプチドの間の結合を開裂させるN−アセチル−ム
ラモイル−L−アラニンアミダーゼの3つである。オー
トリシンは細胞壁の折り重ね〔Koch及び[)oel
e、ジャーナルオブセオリティ力ルバイオロジー (J
、 Thero、 Biol、)117,137−15
7(1985)、細胞分離[Fe1n及びRogers
、ジャーナルオブバクテリオロジ−(J、 Bacte
riol、)12フ、1427−1442(1976)
)、遺伝子変換、鞭毛および胞子形成(Rogersら
、チャプマンアンドホール(Chapmanand H
all)、19801のような重要な生物学的作用工程
に関与していると考えられる。これらの分解性酵素は細
菌代謝におけるそれらの役割(Toa+asz+同上(
1984) )のためだけではなく、その抗菌性(Ba
nksら、バイオテクノロジカルアプライドバイオケミ
ストリー(Biotechnol、 Appl、 Bi
ochem。
(1986月の故にも興味のもたれるものである。特に
アクロモバクタ−リティカス(Achro■obact
orlyticus)からの分解酵素の調製は、この酵
素がリゾチームとは異なった作用機序によってグラム陽
性細菌ばかりでなく成る種のダラム陰性細菌をも分解で
きるので、興味のもたれるものである。
アクロモバクタ−リティカス(Achromobact
erlyticus)M497−1菌が産生ずる菌体外
酵素トシて、アクロモバクタ−プロテアーゼIおよび溶
菌酵素と呼ばれているアクロモペプチダーゼ(Achr
omopeptidase)の2種が知られている。前
者のアクロモバクタ−プロテアーゼIについては本発明
者等がそのDNAをクローニングして、既に出願を行な
っている(特願平1−59726号)。
一方、アクロモペプチダーゼについては、溶菌作用を有
していることは知られているものの、どのような構造を
もったものか等、詳しいことについては未だ解明が為さ
れていなかった。
が  しようとする 上記の細菌溶解性酵素の特殊な作用機序を解明、ひいて
はそれを利用した薬剤を提供するために、このアクロモ
ペプチダーゼについてより詳しく知ることが、この分野
での課題の一つとなっていた。
ところで、このたび本発明者等はアクロモバクタ−リテ
ィカス(Achromobacter lyticus
)M497−1菌が産生する該アクロモペプチダーゼの
精製を行なってみたところ、従来のtitsを覆して、
このアクロモペプチダーゼが2種類の溶菌酵素を含有す
ることを見出した。
そしてこの得られた2種類の溶菌酵素の夫々について、
そのN−末端25残基のアミノ酸配列を決定したところ
、これらは意外にも、リソバクターエンザイモゲネス(
Lysobacter enzymogenes)が産
生ずる既知の酵素であるα−リティックプロテアーゼ及
びβ−リティックプロテアーゼのアミノ酸配列(Ihi
takerら、カナディアンジャーナルオブバイオケミ
ストリ−[Canad、J、Biochemistry
) 43,1935−1954(1965))と夫々一
致した。
α−リティックプロテアーゼは哺乳類型のセリンプロテ
アーゼであり、僅かに疎水性のアミノ酸のカルボキシル
側のペプチド結合を主に加水分解しくWhitaker
ら、カナディアンジャーナルオブバイオケミストリ−(
Canad、 J、 Biochemistry)43
.1935−1954(1965))、酵素的方法(B
auerら、ユーロピアンジャーナルオブパイオケミス
トリ−(Eur、 J、 Biochem、)120,
289−294(1981) )、X線結晶写真法(B
rayerら、ジャーナルオブそレキュラーバイオロジ
ー(J、M。1. Biol、)131,743−77
5(1979) ; Fujinagaら、ジャーナル
オブモレキュラーバイオロジー(J、 Mo1. Bi
ol、)183.479502(1985) s Bo
neら、バイオケミストリー(Biochemistr
y)26.7609−7614 (1987))および
NMR分析法(Bachovchinら、ジャーナルオ
ブアメリカンケミカルソサイエティ(J、 Am、 C
hem、 Soc、)100゜8041−8094 (
1978) 、 1981 、1985.1986))
によって広汎に研究されている。更に、このα−リティ
ックプロテアーゼをコードする遺伝子が最近、エルエン
ザイモゲネス(L、enzymogenes) (Si
lenら、ジーン(Gene)69,237−244(
1988); Epstein ら、ジャーナルオブバ
イオロジカルケミストリー(J、 Biol、 Che
ap、)263,16586−16590(1988)
 )からクローニングされた。
しかしながら、β−リティック プロテアーゼの基質特
異性、活性部位および三次構造についてはほとんど知ら
れていない(Whitakerら、同上(1965)の
が現状であり、それらの解明が課題となった。
課題を解決するための手 そこで本発明者らはこのようにα−リティックプロテア
ーゼと異なり詳細な研究が進んでいないβ−リティック
 プロテアーゼに着目し、まずこの酵素の構造および機
能の関係、そして分解作用機序を遺伝子工学技術を用い
て解明すべく鋭意研究の結果、アクロモバクタ−リティ
カス(Achromobactor lyticus)
M497−1菌からβ−リティック プロテアーゼ遺伝
子をクローニングすること、即ち、β−リティック プ
ロテアーゼのアミノ酸配列を利用してアクロモバクタ−
リティカス(Achromobacter lytic
us)M497−1菌が産生ずる溶菌酵素の遺伝子のク
ローニングを行ない、次いでこのクローニングした遺伝
子の塩基配列を決定することに成功し、本発明に到達し
たものである。
すなわち本発明は、(i)β−リティックプロテアーゼ
をコードするDNAを含有するDNA、(ii)該DN
Aを発現用ベクターに、β−リティック プロテアーゼ
を発現させるように構築した組み換えDNA、(ni)
該組み換えDNAを保持する形質転換体、および(神)
該形質転換体を培養し、培養物中にβ−リティックプロ
テアーゼを生成蓄積せしめ、これを採取することを特徴
とするβ−リティックプロテアーゼの製造法に関するも
のである。
本発明者はβ−リティックプロテアーゼをクローニング
するに当って第1図に示す1〜1526位のDNA配列
のものを得たが、この内、319〜903位が蛋白質発
現部位(プレプロ体)(このうち、319〜390位が
シグナル配列と推定される。)、904〜1440位が
成熟蛋白質部位である。そして今回の遺伝子工学的手法
によるβ−リティックプロテアーゼの生産における発現
系の構築に当っては、319〜1440位の塩基配列を
組み込んでいるが、この塩基配列に包含されるこれより
短いものであっても、β−リティック プロテアーゼを
発現し得るものであれば用いることができる。
このDNA配列から推定されるアミノ酸配列を第1図に
併せて示しているが、このアミノ酸配列において、1〜
179位が成熟蛋白質部位、−195位〜179位が同
様の活性を有するが、またはβ−リティックプロテアー
ゼの前駆体である広義の成熟蛋白質部位に相当し、また
−195位から一1位が蛋白質発現部位(プレプロ体)
に相当するものである。
本発明においては、このアミノ酸配列の1〜179位の
成熟蛋白質部位(β−リティックプロテアーゼ)および
このアミノ酸配列の一195〜179位に相当する広義
の成熟蛋白質部位を含めてβ−リティックプロテアーゼ
と総称する。
本発明におけるβ−リティック プロテアーゼをコード
する塩基配列を有するDNAを含有する発現型ベクター
は、例えば、(i)β−リティックプロテアーゼ産生細
胞、例えばアクロモバクタ−リティカス M497−1
からの全ゲノムDNAを制限酵素で消化し、(ii)該
DNA断片をファージまたはプラスミドに組み込み、(
市)得られた組み換えファージまたはプラスミドで宿主
を形質転換し、(iv)得られた形質転換体を培養後、
形質転換体から適当な方法、例えばβ−リティック プ
ロテアーゼの一部をコードするDNAプローブとのハイ
ブリダイゼーションにより目的とするDNAを含有する
ファージあるいはプラスミドを単離し、(v)その組み
換えDNAから目的とするクローン化DNAを切り出し
、(vi)該クローン化DNAまたはその一部を発現ベ
クター中のプロモーターの下流に連結する、ことにより
製造することができる。
β−リティック プロテアーゼをコードするDNAにつ
いては、全合成あるいは半合成によっても製造すること
ができ、この際、第1図に示したような配列に基いて合
成することができる。
β−リティックプロテアーゼの全ゲノムDNAの制限酵
素による消化に当っては、Eco  R1、Sal  
1.Bam Hl等の制限酵素が用いられる。
消化されて得られたDNA断片を組み込むプラスミドと
しては、たとえば大腸菌由来のpACYC177、pA
cYc184.pUC8,pUC9、p B R322
、’ p I N m A 1 、 p K K 23
3−2などが挙げられるが、その他のものであっても、
宿主内で複製増殖されるものであれば、いずれをも用い
ることができる。またD N A断片を組み込むファー
ジベクターとしては、たとえばM1313フアージ9.
M1313フアージP 8 r λgt11.λEMB
L3.Cha ron4などが挙げられるが、その他の
ものであっても宿主内で増殖できるものであれば用いる
ことができる。
DNA断片を組み込んだプラスミドまたはファージベク
ターは適当な宿主たとえばエシェリキア(Escher
ichia)属菌(大腸菌)、バチルス(Bacill
us)属菌(枯草菌)、ストレプトマイセス(Stre
ptomyces)属菌(放線菌)、サツカロマイセス
(Saccharomyees)属菌(酵母菌)、およ
び動物細胞たるmonkey COS cellなどに
導入する。
上記エシェリキア属菌の例としては、E、c。
1i UT481株、JM103株、JM83株。
JM109株、NM522株、MVI、304株、バチ
ルス属菌の例としてはバチルスズブティリス(Baci
llus 5ubtilis)、ストレプトマイセス属
菌の例としてはストレプトマイセスコエリカラ−(St
reptomyces coelicolor)、サツ
カロマイセス属菌の例としてはサツ力ロマイセスセレビ
シz (Saccharow*yces cerevi
siae)などが挙げられる。
このようにして得られた形質転換体から、目的とするD
NAを含有するファージあるいはプラスミドを単離する
方法としては、例えばβ−リティック プロテアーゼの
一部をコードするオリゴヌクレオチドをプローブとして
用いたコロニーハイブリダイゼーション、プラークハイ
ブリダイゼーション等によるハイブリダイゼーションに
より行われる。
単離されたファージあるいはプラスミドから目的とする
クローン化DNAを切り出し、β−リティックプロテア
ーゼをコードするDNAの塩基配列を、適当な制限サイ
トがある場合はそれを利用して、ない場合はDNase
  Iを用いた欠除体(deletion体)を、l!
J!Ii!L、M13ファージを用いたダイデオキシ法
によるなどして、決定する。このダイデオキシ法で決定
したDNAの塩基配列と、その塩基配列から判明したア
ミノ酸配列を第1図に示す。
上記のようにしてクローン化されたβ−リティック プ
ロテアーゼをコードするDNAは目的によりそのまま、
または所望により制限酵素で消化して使用することが出
来る。
クローン化されたDNAから発現させたい領域を切り出
し、発現に適したビークル(ベクター)中のプロモータ
ーの下流に連結して発現型ベクターを得ることができる
該DNAはその5′末端に翻訳開始コドンとしてのAT
Gを有し、また3′末端には翻訳終止コドンとしてのT
AA、TGAまたはTAGを有していてもよい。これら
の翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成りN
Aアダプターを用いて付加することもできる。さらに該
DNAを発現させるにはその上流にプロモーターを接続
する。
ベクターとしては、上記のエシェリキア属菌由来のプラ
スミド(例、pAcYc184.pUc9、pKK23
3−2.pAcYc177、pACYC184,pUC
8,pBR322’、pINI[IAl)、バチルス属
菌由来のプラスミドpHY300PLK、サツカロマイ
セス属苗由来のプラスミドpBTI−1.ストレプトマ
イセス属菌のプラスミドP I J 61 、 mon
key Co S cellのプラスミドpSVLなど
が挙げられる。
本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発
現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであれば
いかなるものでもよい。
形質転換する際の宿主がエシェリキア属菌である場合は
l a C+ t a Cr j r P +  l 
P P’ + P hoA等のプロモーター、バチルス
属菌の場合は5P02.α−アミラーゼ等のプロモータ
ー、サツカロマイセス属菌の場合はPAoDl(アルコ
ールデヒドロゲナーゼプロモーター)−Pcyc”チト
クロームCプロモーター) 、 monkey COS
 cellの場合はS’V40アーリーおよびレイトプ
ロモーターなどが、その例として挙げられる。
このようにして構築されたβ−リティック プロテアー
ゼをコ゛−ドするDNAを含有するベクターを用いて、
形質転換体を製造する。
宿主としては、たとえばエシェリキア属菌、バチルス属
菌、ストレプトマイセス属菌、サツカロマイセス属菌、
monkey COS cellなどが挙げられる。
上記エシェリキア属菌、バチルス属菌、ストレプトマイ
セス属菌、サツカロマイセス属菌、monk6y CO
8cellの具体例としては、前記したものと同様のも
のが挙げられる。
このようにして、β−リティック プロテアーゼをコー
ドするDNAを含有する発現ベクターで形質転換された
形質転換体が得られる。
本発明において形質転換体を培養する際、培養に使用さ
れる培地としては、通常のものでよいが、LB培地、M
9培地、T培地などが挙げられる。
培地のpHは約6〜9、好ましくは7前後である。
培養時間、温度、培養方法等は適宜選択できるが、振盪
培養、培養温度25℃前後、好ましくは25℃より若干
低めがよく、特に好ましい組合せとしては、25℃、2
4時間、IPTGlmMを含むLB培地(pH7,2)
での振盪培養が挙げられる。
上記培養物からβ−リティックプロテアーゼを分離精製
するには、例えば下記の方法により行なうことができる
β−リティックプロテアーゼを培養菌体あるいは細胞か
ら抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体ある
いは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波
、オスモティック ショック、リゾチームおよび/また
は凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したの
ち、遠心分離やろ過によりβ−リティック プロテアー
ゼの前駆体たんばくや成熟ペプチドの粗抽出液を得る方
法などが適宜用い得る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニ
ジンなどのたんばく変性剤や、トリトンx−tooなど
の界面活性剤が含まれていてもよい。
培養液中に前駆体たんばくや成熟ペプチドが分泌される
場合には、培養終了後、それ自体公知の方法で菌体ある
いは細胞と上清とを分離し、上清を集める。このように
して得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれる前
駆体たんばくや成熟ペプチドは、自体公知の分離・精製
法を適切に組み合わせて行なうことができる。これらの
公知の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの
溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過
法、および5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法
などの主として分子量の差を利用する方法、イオン交換
クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、ア
フィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を
利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの
疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等
電点の差を利用する方法などが挙げられる。
作月工(象 本発明で得られたβ−リティックプロテアーゼをコード
するDNAは新規なものであり、このDNAでDNA感
染または形質転換した菌体や細胞では、天然物からでは
困難であった純粋な、汚染されていないβ−リティック
プロテアーゼ前駆体たんばくや成熟たんばくを大量に生
産、精製することができる。
β−リティックプロテアーゼは先に述べたように、グラ
ム陽性細菌ばかりでなく成る種のダラム陰性細菌をも分
解できる酵素と考えられ、治療上極めて有用な薬剤を提
供できる可能性があり、極めて有用である。
本発明明細書および図面において、塩基やアミノ酸など
を略号で表示する場合、IUPAC−IU B  Co
wmision  on  BiochesIical
  Nomenclatureによる略号あるいは当該
分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下
記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合
は、特に明示しなければL一体を示すものとする。
DNA  :デオキシリボ核酸 cDNA:相補的デオキシリボ核酸 A  :アデニン T  :チミン G  ニゲアニン C:シトシン RNA  :リボ核酸 mRNA :メツセンジャーリポ核酸 dATP:デオキシアデノシン三リン酸dTTP:デオ
キシチミジン三リン酸 dGTP:デオキシグアノシン三リン酸dCTP:デオ
キシシチジン三リン酸 ATP  :アデノシン三リン酸 G1.VまたはG ニゲリシン AlaまたはA :アラニン ValまたはV :バリン LeuまたはL :ロイシン 11eまたはI :イソロイシン SerまたはS :セリン ThrまたはT :スレオニン CysまたはCニジスティン MetまたはM :メチオニン GluまたはE :グルタミン酸 AspまたはD =アスパラギン酸 LysまたはK :リジン ArgまたはR:アルギニン HisまたはH:ヒスチジン PheまたはF :フェニールアラニンTyrまたはY
 :チロシン TrpまたはW ニトリブトファン ProまたはP ニブロリン AsnまたはN :アスパラギン GlnまたはQ :グルタミン なお、本発明のβ−リティックプロテアーゼをコードす
る遺伝子においては、各アミノ酸に対応する数種のコド
ンの中での選択が許容されるものであり、β−リティッ
クプロテアーゼ活性を有するものが生産される限り、そ
の一部が修飾(付加、除去、その他のDNAへの置換な
ど)されていてもよい。
宜1虜− 以下の実施例により本発明をより具体的に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例において、用いられた材料、操作は以下の
通りである。
この実験で用いられている全ての酵素及び試薬は市販さ
れている。アクロモペプチダーゼ(アセトン末)、XG
a l、IPTG、アンピシリンおよびアガロース粉末
は和光純薬工業株式会社から購入された。全ての制限酵
素、T4DNAリガーゼ、Klenowフラグメント〔
エシェリキアコリ(Escherichia coli
 ) D N AポリメラーゼIのラージフラグメント
〕、低ゲル化温度アガロース(LO3タカラ)および7
−デアザ配列解析キットは宝酒造株式会社から購入した
。シーンクリーン(登録商標)はBIo  101株式
会社から購入した。ニック−トランスレーションキット
はニツポンジーン株式会社から購入した。α−32P 
d CT P (>400Ci/m molもしくは3
000Ci/mmo1. )はアマージャム社から購入
した。セファロースCL−4BおよびセファデックスG
−75はファルマシア社から購入した。バクトートリプ
トンおよびバクトー酵母抽出物はデイフコ ラボラトリ
ーズから購入した。アクロモバクタ−リティカス(Ac
hromobacter 1yticus ) M 4
97−1は茨城大学正木武治博士から供与を受けたもの
である。JM109がpUc、M13mp18およびM
 l 3 m p 19の宿主として用いられた[ M
essingら、ジーン(Gene) 、33,103
 (1985)〕。XGa1およびIPTGを、適当な
時期にYT (Miller、エクスペリメンツインモ
レキュラージエネテイクス(Experiments 
in Mo1ecular genetics)(19
72) )に加えた。JM109の形質転換(tran
sformation )をカルシウムクロライド法で
行った(Hershfiledら、プロシージングスオ
ブナショナルアカデミーオブサイエンス(Proc、 
Natl、 Acad、 Sci、) USA、 71
.3455−3459(1974) )。
実施例 1 アクロモペプチダーゼの精 アクロモペプチダーゼ粗調製液(アセトン末)を適当量
の0.01M T r i s −HCQ (P H8
,0)に溶解し、同じ緩衝液で平衡化したセファロース
CL−4B  カラム(1,5X30cm)を用いて、
濃度0から0.4MのNaCQ直線勾配で溶出を行った
。この活性画分を回収、濃縮して、O,OIM Tr 
i s −HCQ (pH8,0)で平衡化したセファ
デックスG−75カラム(1,5X 80cm)により
ゲル濾過を行い、溶出された活性蛋白質を凍結乾燥した
。次いでこれを、0.O1%TFA含有アセトニトリル
で平衡化したC4逆相カラム(μボンズスフィア、15
μ、300A、3.9 mmX30 cm、ウォーター
ズ)を装着したHPLCを用いて、0.08%TFA 
(0−80%、40分)含有アセトニトリル直線勾配用
い、流出速度: 1m Q /分の条件で処理して、最
終精製物とした。
上記(1)のようにしてアクロモバクタ−リティカス(
A、1yticus)の培養ブロスからHPLCにより
精製した2種類の細菌溶解酵素の純度を、5DS−PA
GEによりチエツクした。
25残基までのN−末端アミノ酸配列を各酵素について
決定したところ、以下に示すように2つの膵素のN−末
端配列が、エルエンザイモゲネス(L、enzymog
enes)からのβ−およびα−リティックプロテアー
ゼの配列と実質的に同一であった。
α−リティックプロテアーゼ A、1yticus   ANIVGGIEYSINN
ASIXSZGFSVTRL、enzymogenes
  ANIVGGIEYSINNASIC5ZGFSV
TR”・β−リティックプロテアーゼ A、1yticus   5PNGLLQFPFRGA
SWHVGGAGTNTL、enzymogenes 
 5PNGLLQFPFRGASIilflVGGAG
TNT・・・2つの酵素のアミノ酸組成は各々β−およ
びα−リティックプロテアーゼの組成と実験誤差の範囲
内で同じであった(第1表)。
第1表 α−およびβ−リティックプロテアーゼアミノ酸組成ア
ミノ酸   α−1ytic protease   
   β−1ytic protease^シへに四 
し・卵□□□!萱押〉 Δ・放り9ミ (・(社)塁!
萱狙竪Asp   15.6(16) Thr   16.9(17) Set   18.2(18) Glu   12.9(13) Pro   4.3(4) Gly   30.7(31) Ala   233(23) 1/2 Cys   O,0(0) Val   16.9(17) Net    1 g(2) 11e   7.1(7) Leu   101(10) Tyr5.8(6) Phe   5.2(5) Lys   2.2(2) )tis    1.7(2) Arg  11.2(11) Trp   1.0(1) (15)”’  22.7(23) (18)     13.9(14) (20)     20.4(20) (13)     12.2(12) (4)     9.2(9) (24)     14.5(14) (19)  、    58(6) (2)     3.4(4) (8)     4.5(5) (4)     12.6(13) (6)     6.2(6) (2)     3.2(3) (1)     7.8(8) (12)     5.8(6) (2)     2.2(2) (23)”  (22)b a:公開された配列から計算 b:クローン化された遺伝子から推定された配列から計
算したがってアクロモペプチダーゼは、エルニンザイモ
ゲネス(L、enzymogenes)からのα−およ
びβ−リティック プロテアーゼとおそらく同一である
2つの細菌溶解酵素の混合物であるとの結論が出された
(3)β−リティック プロテアーゼ 伝子のクローニ
ング β−リティックプロテアーゼ遺伝子を効率的にクローニ
ングするために、遺伝子増幅反応(PCR)法を適用し
た〔サイキら、サイエンス(Science)239,
487−491(1988))。β−リティックプロテ
アーゼのアミノ酸配列における残基46−5’2および
167−174に相当する3種類のオリゴヌクレチドを
PCHのプライマーとして使用した(第2図)。使用コ
ドンはアクロモバクタ−プロテアーゼI遺伝子〔オハラ
ら、ジャーナルオブバイロジカルケミストリー(J、 
Biol、 Chem、)264,20625−206
31(1989))のコドン使用に基いて選択された。
PCR法については以下のようにして行なった。
次の添加物を含有する総量0.1mQ中でPCRを行っ
た:1μgのアクロモバクタ−(Achromobac
ter )染色体DNA、 100p m o Qの各
プライマー、dNTPs(最終濃度200μM)、2.
5ユニツトのT’aqDNAポリメラーゼおよび10μ
Qの10×緩衝剤[166rnM (NH,)2SO4
−670rnM Tri 5−HCQ、pH8,8,6
7mM M g CQ 2+ 100mM  β−メル
カプトエタノール、67μM EDTA)。
増幅は25サイクルで行われ、各サイクルは1分間の9
4℃でのI)NA変性、40℃もしくは55℃での2分
間のDNA再結合(annealing)および72℃
での2分間のポリメラーゼ反応から成っていた。
25サイクルのPCR後1、約400bpの断片を使用
条件の下、増幅し、M13mp19  Sma■部分に
結合させ、配列を分析した。第3図はPCR生成物のア
ガロースゲル電気泳動図である。
各レーンはプライマーのセットと共にPCR生成物を示
している。レーン1はプライマー(1)および(2)、
レーン2は−プライマー(1)および(3)、レーン3
はプライマー(1)および(3)で40℃でアニーリン
グしたものである。決定されたヌクレオチド配列から予
測されるアミノ酸配列は、第4図に示すように第56位
残基を除き、また104.105および123残基の置
換を除き、L 、 enzymogenesのβ−リテ
ィック プロテアーゼのアミノ酸配列と一致した。
このようにして得られた400bp断片は、適当な制限
酵素でのアクロモバクタ−染色体D N A消化物のサ
ザンハイプリダイゼーションのためのプローブとして使
用された。
サザンハイプリダイゼーションは次のようにして行なっ
た、 ハイブリダ・イゼーションのためのプローブとして使用
されたDNA断片はα−32P  dCTP (>30
00Ci/m mol)によりニックトランスレーショ
ンにより標識化を行った。
サザンハイプリダイゼーションは、約10μgのアクロ
モバクタ−染色体DNAを好適な制限酵素で消化した後
、0.7%アガロースゲル電気泳動により分離した。こ
のゲルを30分間変性溶液(0゜5M N a OH/
1.5M N a CQ )で処理、次いで中性化溶液
(0,5M T r i s −HCQ 、 p H7
,5/3MNaCQ)で2回処理した後、DNAをニト
ロセルロースフィルター上に転写した。このフィルター
を空気乾燥し1次いで2時間80℃で処理して、フィル
ター上にDNAを固定した。この処理を行ったフィルタ
ーを、0.5%SDS、5XDenhardts試薬お
よび100μg/mQの変性鮭精子DNAを含有する8
mAの6XSSC中で予備ハイブリダイズさせた。続い
て”P標識化したプローブを添加し、同溶液中60℃で
24時間ハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーショ
ン後、このフィルターを次の溶液で連続して洗浄した二
0.5% SDSを含有する2XSSCで室温で5分間
、0.1% SDS含有2xsscで15分間を2回、
次uNt’o、1% SDS含有(7)0.IX S 
S C1?60℃、2時間を2回行った。このフィルタ
ーをFuji X線フィルム上で感光させた。
コロニーハイブリダイゼーションは、寒天プレート上の
コロニーを、寒天プレートの表面上にニトロセルロース
フィルターを置くことにより、該フィルター上に移した
。フィルターへのD N Aの結合および標識化プロー
ブを用いたハイブリダイゼーションは、上記のサザンハ
イプリダイゼーションと同一の方法で行った。
第5図は5cal  (レーンl)、Pstl  (レ
ーン2) 、EcoRI  (レーン3)およびBam
HI  (レーン4)で消化された染色体D N Aへ
のニックトランスレートされた400bp  PCR断
片のハイブリダイゼーションを示す。その結果、2O−
kbのS c a I 、 400− b pのPst
l、1.8kbのE c o RIおよび10− k 
bのB a m HI断片がこのプローブとハイブリダ
イズした。この1.8kb  EcoRIを続いてゲル
スライスから溶出させ、pUc19のEcoRI部位に
結合させ、このプローブとのコロニーハイブリダイゼー
ションにより選別を行った。3つの陽性クローンが得ら
れ、これら3つのクローンからのEcoRI断片をM 
13 m p 19中に再クローン化して配列の分析を
行い、このものがβ−リティックプロテアーゼをコード
する遺伝子を有していることを確認した。
第6図はβ−リティックプロテアーゼ遺伝子の配列解析
法および部分制限地図を示している。
この遺伝子のヌクレオチド解析にあたっては、β−リテ
ィック プロテアーゼ構造遺伝子の二重鎖の配列を、α
−”PdCTPを用いたジテオキシ鎖終止法〔サンガー
ら、プロシージングスオブナショナルアカデミーオブサ
イエンス(Proc、 Natl、 Acad、 Se
i、 )U S A 、 74.5463−5467(
1977) )で解析した。その2次構造をとりやすい
配列の故に生じる配列読み取りの誤りを少なくするため
に、タカラフ−デアザd GTP (Barrら、バイ
オテクニックス(Biotechniques) 4:
428−432(1986) )配列キットを使用し、
展開反応を42°Cで行った。
アミノ酸および蛋白質配列の分析については。
蛋白質配列の分析を47OAアプライドバイオシステム
ズ蛋白質分析機で行い、PTH−アミノ酸を改良イソク
ラチック分析系(ツナサワら、1985)により溶出し
た。アミノ酸組成を日立L8500S自動アミノ酸分析
機で決定した。過ギ酸で酸化した蛋白質(Hirs、 
1976)を排気管中110℃、24時間、常沸HC(
1(5,7N )中で加水分解した。
このヌクレオチド配列は374ア・ミノ酸をコードする
1122ヌクレオチドのオープンリーディングフレーム
を含有しく第1図)、この推測された蛋白質のカルボキ
シル側の部分は、残基43.44.59.104,10
5および123部位におけるわずかな違いがあるだけで
、公開されているβ−リティックプロテアーゼ配列と一
致した(第4図)。これらの残基に相当するヌクレオチ
ド配列は、この配列解析を数回行うことによって立証さ
れた。終止コドン(TGA)はβ−リティックプロテア
ーゼのC−末端アミノ酸(Asn)のコドンに続いた。
転写終止シグナルはまたこの終止コドンの下流に見出さ
れた。一方、翻訳開始部位はβ−リティックプロテアー
ゼのN−末端アミノ酸(Set)からかなり上流にある
320位(DNA配列で)のMetであると推定された
というのは、潜在的SD配列[5hineおよびDal
garno、プロシージングスオブナショナルアカデミ
ーオブサイエンス(Proc、 Natl、 Acad
、 5cience) USA、 71.1342−1
346(1974) ] (G G A G )および
可能性のあるシグナルペプチト配列が、正に開始Met
コドンの各々上流および下流に見出されたからである。
この事は、β−リティックプロテアーゼが前駆体蛋白質
(374アミノ酸)として合成され、それからN−末端
195アミノ酸範囲が遊離されることにより179アミ
ノ酸の成熟蛋白質が製造されることを示している。
推定上のプロモーターの−35および一10領域は各々
26位および50位に位置している(第1図)。これら
の領域は通常の場合と異なり開始のMetコドンから離
れており、こういった事はアクロモバクタ−プロテアー
ゼ■遺伝子の場合にも見られた。転写と翻訳部位の間の
長い領域はこの遺伝子の転写の規制に重要な役割を果た
しているのかもしれない。β−リティック プ口テア−
ゼの推定されるシグナルペプチドは細菌シグナルペプチ
ド類の典型的なものである。このペプチドは開始のMe
tに続く正に荷電した残基の核をもち、この核に続く疎
水性ペプチド鎖およびシグナルペプチターゼ消化のため
の推定上の切断部位(Ala−Ala)を有す。
β−リティック プロテアーゼをコードするオープンリ
ーディングフレームのG+C含有量は67゜4%と計算
されたが、この数値はアクロモバクタ−プロテアーゼ■
遺伝子もしくはアクロモバクタ−ゲノムDNAのいずれ
かのもののその数値〔Deley、エボルーショナリー
バイオロジー(evolutionary biolo
gy) volll、 103(1968))と大体同
一である。β−リティックプロテアーゼおよびアクロモ
バクタ−プロテアーゼI遺伝子のコード使用は、アクロ
モバクタ−ゲノムDNAの高いG十C含有量は、第3の
不安定な位置でのGもしくはCの使用によるものである
ことを示している。
(5)以上の実験結果より次の事柄が判明した。
β−リティック プロテアーゼは長いプレプローペプチ
ド鎖を有する前駆体蛋白質として生体内で合成されるこ
とが見出された。グラム陽性およびグラム陰性バクテリ
アから分泌される細胞外プロテアーゼのいくつかは、N
−末端もしくはC−末端または両末端に長いアミノ酸範
囲を有する前駆体として合成されることが報告されてい
る。エルエンザイモゲネス(L、enzymogene
s)、サブティリシンスからのα−リティックプロテア
ーゼ(Tthal及びFerrari、 1984)お
よび種々のバチルス(Bacillus)株の中性プロ
テアーゼ(Yangら、ジャーナルオブバクテリオロジ
ー(J、 Bacteriol、)160.15−21
(1984):シマダら、ジャーナルオブバクテリオロ
ジー(J、 Bacteriol、)2.75−85(
1985) ;タカギら、ジャーナルオブバクテリオロ
ジ−(J。
Bacteriol、)163,824−831(19
85) )はそのN−末端に長いアミノ酸範囲を有し、
ナイセリアゴノルホア(Neisseria [坦■匝
並)のIgAプロテアーゼ(Pohlnerら、198
7)およびセラチアマルセセンス(Serratia 
marcescens)からのプロテアーゼ(Yaua
gigaら、1986)はC−末端に長いアミノ酸範囲
を有している。アクロモバクタ−プロテアーゼ■〔オハ
ラら、前出(1989) ]およびサーマスアクアテイ
カス(Thermus Aguaticus)からのア
クアリシンl (K−ot++nら、ヨーロピアンジャ
ーナルオブバイオケミストリー(Eur、 J、 Bi
ochem。
)173,491−497(1988) )はN−およ
びC−両末端に長い蛋白質銀を有している。明らかに、
これらの前駆体におけるプレーペプチド部分の機能(シ
グナルペプチド)は細胞質膜を通じての分泌蛋白質の輸
送であるが、プロペプチドのこの長い領域の正確な役割
は知られていない。いくつかの興味ある仮説が提案され
ている。即ち、このものはそれが連結しているプロテア
ーゼの活性を阻止する役割を果たしており、(Epst
einら、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー
(J、 Biol、 Chew。
)263,16586−16590(1988) ; 
Carmonaら、ヌクレイックアシッズリサーチ(N
ucleic Ac1ds Res、)15゜6757
(1987) )、またこのプロテアーゼがその活性態
を保持することを助けており(1,kemuraら、ジ
ャーナルオブバイオロジ力ルケミストリー(J、 Bi
ol、 Chem、)262,7859−7864(1
987) ; 5ilenら、ジャーナルオブバイオロ
ジカルケミストリー(J。
Biol、 Chem、)171.1320−1325
(1989) )、もしくはダラム陰性細菌における外
膜を超えての働きを行う役割を果たしているというもの
である。β−リティック プロテアーゼのプロ領域は通
常のものと異なりArgおよびLysといった塩基性ア
ミノ酸を高含量で有する。Arg残基のいくつかの集団
(Arg−ArgもしくはArg−Arg −Arg−
Arg)がこの領域に存在することは特筆すべきである
。プロ領域の中でのかなりの同一性は見出されていない
が、塩基性アミノ酸の集団は、リソバクター(Lyso
bacter) a−リティックプロテアーゼ、アクロ
モバクタ−プロテアーゼ■およびサブティリシンのよう
な他の細菌性のプロテアーゼのプロペプチド領域中にも
見出されていた。このことは塩基性集団が、プロ領域と
成熟プロテアーゼの通過折たたみ状態(the tra
nsitfoldeing 5tate)との間のPa
pDシャペロンのような特異的な親水性および疎水性領
域()lo1mgrenら、ネイチャー(〜ature
)342.248−251 (1989月を形成するこ
とによる相互反応、あるいは正に荷電された塩基性アミ
ノ酸の集団と負に荷電された外膜のリン脂質との間の相
互作用により開始もしくは支持される外部膜(ダラム陰
性細菌に対して)を通じての成熟β−リティック プロ
テアーゼの輸送に用いられている可能性もある。
アクロモバクタ−(Achromobacter)およ
びリソバクター(Lysobacter)は形態学的に
異なった属に分類されているが、両翼のある種の株はα
−リティックプロテアーゼ、β−リティックプロテアー
ゼおよびリジン−特定セリンプロテアーゼを分泌する。
アクロモバクタ−およびリソバクターとは形態学的に異
なった属のサイトファーガ(Cytophaga)もま
たα−およびβ−リティック プロテアーゼを細胞外に
分泌(産生)する(データは示されていない)。これら
3種の微生物は同一であるか非常に近い種であるようで
ある。
β−リティック プロテアーゼ構造遺伝子の一部である
400−bpDNA断片は第、2図に示されるプライマ
ーを使用するPCR法によりアクロモバクタ−染色体D
NAから容易にまた迅速に増幅された、同じプライマー
を用いて、サイトファーガ染色体D N Aから同じサ
イズの断片が増幅された(データは示されていない)。
また同様に関連するもしくは近縁の細菌における特定の
遺伝子の存在を検知するためにはPCR法を使用するの
が非常に便利である。このPCR法は原核微生物の同定
および分類においても非常に効率のよい技術である。
β−リティック プロテアーゼはグラム陽性細菌ばかり
でなくある種のダラム陰性細菌を、α−リティックプロ
テアーゼと共同で溶解することができる。リソバクター
(印鉋匝妙藍)β−リティック プロテアーゼがポリサ
ッカライドとペプチド部分の間の結合を加水分解すると
いうことは、この酵素がN−アセチル−ムラモイル−し
−アラニン−アミダーゼであることを意味しているが、
基質がインシュリンのβ鎖である場合はこのリティック
プロテアーゼはGly’−Pheおよび■al−Cys
結合を切断する(Whitaker、前出(1965)
 )。このことはこのプロテアーゼがアクロモバクタ−
プロテアーゼIおよびα−リティックプロテアーゼと同
様に自動触媒的に活性化され得ることを示している。事
実、プロ領域および成熟酵素の間のペプチド結合はVa
l−8er結合である。この基質特異性とプロ領域の機
能を解明するためには更に研究を行うことが必要である
触媒反応に必須の要件によれば、プロテアーゼは4つの
グループに分類することができる:即ちセリンプロテア
ーゼ、システィンプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテ
アーゼおよびメタロプロテアーゼである。アミノ酸配列
の同一性および類似性の調査が、β−リティック プロ
テアーゼの配列の確立のために行われた。しかしな力1
らNBRF−PIR−データベースを用いたものでは、
4つの群のプロテアーゼのいずれかとストレプトコッコ
エラ(鉦印立μm埠岨)からのN−アセチル−ムラモイ
ル−し−アラニンアミダーゼ(Garciaら、ジーン
(Gene)、43,265−272(1986))と
の間には、何ら意味ある類似性は見出されなかった。リ
ソバクターβ−リティック プロテアーゼはZn”−酵
素である可能性があるので、金属イオンへの結合子が検
索された。既知のサーモリシン型亜鉛依存性プロテアー
ゼに共通しているH i s −G 1 u −X −
X −Hi s CJongeelら、レトルズ(LE
TTLES) 。
242.211−214(1989))に類似したHi
s−Glu−His配列が122−124残基に存在し
ていることが見出された。 Hi 5−X−Hl s配
列におけるZn2+のための結合子であることが知られ
ている(Kannanら、プロシージングスオブザナシ
ョナルアカデミーオブサイエンス(Proc。
Natl、 Acad、 Sci、 U、S、A、) 
72:5l−55(1975)。アクロモバクタ−β−
リティック プロテアーゼにとってZn   が必須で
あるかどうかは知られていない。β−リティック プロ
テアーゼの分子クローニングおよび大腸菌内でその発現
は、このリティック プロテアーゼ機能の分子的な基礎
を解明するために特定部位指向性変異実験を行うことを
近い将来可能にするものであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明でクローニングされたβ−リティック 
プロテアーゼのDNA配列およびそれから推定されるア
ミノ酸配列である。 第2図は本発明のβ−リティック プロテアーゼ遺伝子
クローニングのために使用した、PCR法用のプライマ
ーを示す図である。 第3図はPCR生成物のアガロースゲル電気泳動図であ
る。 第4図は本発明でクローニングされたβ−リティック 
プロテアーゼの推定されるアミノ酸配列とエルエンザイ
モゲネス(L、enzymogenes)からのβ−リ
ティックプロテアーゼとの配列を比較して示した図であ
る。 第5図は本発明のβ−リティック プロテアーゼ遺伝子
クローニングの際に行ったサザンハイプリダイゼーショ
ンの結果を示す図である。 第6図はβ−リティックプロテアーゼ遺伝子の配列解析
法および部分制限地図を示した図である。 第5図 2.0−

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)β−リティックプロテアーゼをコードするDNA
    を含有するDNA。
  2. (2)第1図の904位から1440位の塩基配列ある
    いはその一部を含有する請求項1記載のDNA。
  3. (3)第1図の319位から1440位の塩基配列ある
    いはその一部を含有する請求項1記載のDNA。
  4. (4)β−リティックプロテアーゼをコードするDNA
    がアクロモバクターリティカスM497−1の染色体D
    NA由来のDNAである、請求項1、2または3記載の
    DNA。
  5. (5)請求項1、2、3または4記載のDNAを、β−
    リティックプロテアーゼを発現させるように、発現用ベ
    クターに構築した組み換えDNA。
  6. (6)請求項5記載のDNAを保持する形質転換体。
  7. (7)形質転換体の宿主が大腸菌である請求項6記載の
    形質転換体。
  8. (8)請求項6または7記載の形質転換体を培養し、培
    養物中にβ−リティックプロテアーゼを生成蓄積せしめ
    、これを採取することを特徴とする、該β−リティック
    プロテアーゼの製造法。
  9. (9)部位特異的変異により改変した請求項5記載の組
    み換えDNAを用いる、請求項8記載のβ−リティック
    プロテアーゼの製造法。
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